説明

コンピュータ断層撮影検査

方法は、検査領域及び該検査領域内の物体を横断する、X線源からの透過放射線、並びに物体内の放射性物質からの放出放射線を検出するステップと、検出された放射線を表す信号を生成するステップと、検出された放射線をエネルギー分解するステップと、放射性物質に対応するエネルギーを有する検出された放射線を識別するため、エネルギー分解された放射線を処理するステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、概して画像化システムに関する。本出願は、セキュリティ検査に対する特定の用途を見出す一方、検査される物体内の関心のある材料を表す情報を得ることが望ましい他の用途にも関する。
【背景技術】
【0002】
X線断層撮影(CT)システムは、武器、爆発物及び手荷物の範囲内の保安上のリスクをもたらし得る他の密輸品の存在を検出するため、物体、例えば手荷物を検査する、セキュリティ検査用途において使用されている。
【0003】
従来、CTシステムは、検査される物体の放射線減衰を表す容積測定画像データを生成している。残念ながら、いくつかの密輸材料の放射線減衰特性は、合法的な材料のこれらと同様であり得、したがって、セキュリティ検査作業を難しくする。
【0004】
コヒーレント散乱CT(CSCT)システムは、セキュリティスクリーニング用途においても使用されている。弾性X線散乱のエネルギー及び空間分布を測定するこれらのシステムは、例えばより明確に密輸材料の存在を検出するため、物体分子構造の比較的良い決定的な表示を提供し得る。より詳細には、検査される物体のX線回折パターンが、関心のある密輸品材料及び/又は合法的な材料の記憶された回折パターンと比較される。この付加的情報は、物体が密輸品を含むかどうかをよりよく決定するために使用され得る。
【0005】
CTシステム及びCSCTシステムを含む手荷物検査システムの実施例は、Schlomkaらによる米国特許出願公開公報US2006/0083346において開示される。
【0006】
放射線減衰係数及びX線回折パターンベースの検査技術が、手荷物における密輸材料の存在を検出するために使用されているが、それでも、検査される物体についての更なる付加的な情報を得ることが望ましい状況は残る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の態様は、上述した問題及び他の問題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様によれば、方法は、検査領域及び検査領域内の物体を横切る、X線源からの透過放射線、並びに物体内の放射性物質からの放出放射線を検出するステップと、検出された放射線を表わす信号を生成するステップと、検出された放射線をエネルギー分解するステップと、放射性物質に対応するエネルギーを有する検出された放射線を識別するため、エネルギー分解された放射線を処理するステップとを含む。
【0009】
他の態様によれば、システムは、検査領域及び該検査領域内に配置された物体を横断する透過放射線を生成するX線源を含む。エネルギー分解検出器は、コヒーレント散乱される透過放射線、及び物体内の放射性物質によって放出される放出放射線を検出し、検出される放射線を示すデータを生成する。回折プロセッサは、コヒーレント散乱放射を表す回折パターンを生成するようにデータを処理する。処理部は、放射性物質に対応するエネルギーを有する検出放射線を識別するため、エネルギー分解放射線を処理する。
【0010】
他の態様によれば、コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータによって実行されるとき、X線源からの、検査領域及び検査領域内の物体を横断する透過放射線、並びに物体内の放射性物質からの放出放射線を検出すステップと、検出された放射線を表す信号を生成するステップと、検出された放射線をエネルギー分解するステップと、放射性物質に対応するエネルギーを有する検出された放射線に識別するため、エネルギー分解された放射線を処理するステップとを行うようにする命令を含む。
【0011】
更なる本発明の態様は、以下の詳細な説明を読み、理解する当業者に認められるであろう。
【0012】
本発明は、様々な構成要素及び構成要素の構成、並びに様々なステップ及びステップの構成をとり得る。図面は、好ましい実施例を説明することのみを目的とし、本発明を制限するものとして解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、例示的な画像化システムを図示する。
【図2】図2は、例示的な方法を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1に関して、コンピュータ断層撮影(CT)スキャナ100は、検査領域108の周辺部を囲み、回転軸線のまわりを回転する回転ガントリ部104を含む。
【0015】
回転ガントリ部104は、X線源116からの透過放射線(一次放射線及びコヒーレント散乱放射線)と、検査領域108内に配置される崩壊放射性又は核材料からの放出放射線とを含む、検査領域108から放射する放射線を検出し、これを示すデータ又は信号を生成するX線検出器112を支持する。コリメータ薄層(ラメラ)は、検査領域108の外側にエリアから生じる放射線が検出器112を打つことを防ぐため、検査領域108内の検出器112の隣に配置される。
【0016】
X線検出器112は、回転軸と通常直交する検出器素子の複数の行120と、回転軸と通常平行である検出器素子の複数の列128とを含む、通常二次元マトリクスの検出器素子を含む。
【0017】
図示される実施例において、検出器112は、複数のエネルギー範囲又はビンにおいて受けられる放射線の強度を並行して測定するエネルギー分解検出器である。一実施例では、1又はそれより多くのビンに対するエネルギー範囲は、有利なことに、関心のある1又はそれより多くの放射性物質によって放出される崩壊放射線のエネルギー特性に対応する。
【0018】
適切なエネルギー分解検出器は、直接的な変換検出器、例えばカドミウム亜鉛テルル化物(CdZnTe若しくはCZT)検出器、又はカドミウムテルル化物(CdTe)検出器、又はエネルギー分解能を有する他の検出器を含む。代替として、検出器112は、複数のシンチレーション、直接変換検出器、又は他のエネルギー分解技術を単独で、若しくは併用して実施され得る。
【0019】
回転ガントリ部104は、検査領域108に関して検出器112の反対側に位置されるX線源116も支持する。X線源116は、回転ガントリ部104を介して、検出器112と協調して回転し、透過スキャンを実行するとき、検査領域108を横断するX線放射線を生成する。一実施例において、管加速電圧は、有利には、約150keVに設定される。
【0020】
第1コリメータ132は、検出器素子の二次元のマトリクスを照射する、通常円錐形放射線ビーム136を形成するため、X線源116によって放出される放射線をコリメートする。第2の調節可能なコリメータ140は、所望される場合、通常扇形のビーム144を形成するようにビームをコリメートするため、ビームの経路内で位置決め可能である。使用されない場合、第2コリメータ140は、通常、円錐形ビームを提供するように配置される。
【0021】
透過スキャンに対して、X線検出器112及びX線源116は、少なくとも180度+ファン角度以上のX線投影が得られるように回転する。透過スキャンを実行する間、崩壊放射線が、実質的に並行して検出される。更に又は代替として、X線源116がオフにされるか、又は透過放射線が検出器112に達するのを防がれる間、崩壊放射線が検出され、オプションとして、回転ガントリ部104、したがって検出器112は、通常、静的位置に停止される。
【0022】
再構成部148は、検査領域108の減衰係数を含む容積測定画像データを生成するため、検出された透過(一次、コヒーレント散乱、又はこの両方の)放射線を表すデータを再構成する。画像データは、検査領域108の1又はそれより多くの画像を生成するため、撮像部(イメージャ)150によって更に処理され得る。
【0023】
回折プロセッサ152は、検査領域108及び該領域内の物体の回折パターンを生成するため、コヒーレント散乱放射線を表すデータを処理する。コヒーレント散乱放射線からX線回折パターンを生成する適切な技術は、Hardingによる米国特許US6,470,067において述べられ、これは、全体として参照により本願明細書に明白に組み込まれたものとする。
【0024】
一般に、回折パターンは、散乱されたX線の間のコヒーレンスによって生じ、運動量移行の関数である。運動量移行は、散乱X線のエネルギーと、散乱角の半分の正弦との積として推定され得る。このようなエネルギーは、エネルギー分解検出器から得られる。散乱角度は、通常、散乱なしのX線により従われる軌道に関して、散乱X線の軌道によって囲まれる角度である。この角度は、検出器素子の位置、及び散乱が発生した一次ファンビームの位置から得ることができる。
【0025】
ビニング部(binner)156は、異なるエネルギー範囲を有する複数のエネルギービンに渡ってエネルギー分解されたデータをビニングする。
【0026】
プロセッサ160は、減衰係数、回折パターン及びビニングされたデータを処理する。後で詳細に述べられるように、一例において、これは、放射性物質の存在を検出するためにこのデータを処理することを含み、オプションとして、材料は、検査領域108内に配置される物体における武器、爆発物、タイミング及び爆発装置、導線、並びに関心ある他の物体を見出す。
【0027】
記憶構成要素164は、興味ある材料に対する既知の減衰係数、回折パターン及びエネルギー範囲を記憶する。
【0028】
コンベヤベルトのような物体支持部168は、物体を検査領域108内に支持及び配置する。
【0029】
汎用目的のコンピュータは、オペレータコンソール172として役に立つ。コンソール172は、モニタ又はディスプレイのような人間が読み取れる出力装置、及びキーボード及びマウスのような入力装置を含む。コンソールに常駐のソフトウェアは、オペレータが、例えばグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を通じてスキャナ100を制御及び相互作用することを可能にする。
【0030】
概して上記の様に、検出器112は、崩壊放射線及びコヒーレント散乱放射線を実質的に並行して検出し得る。コヒーレント散乱放射線を検出するため、第2の調節可能なコリメータ140は、通常扇形のビーム144を形成するためにビームをコリメートするようにビームの経路において移動される。図1において図示されるように、ビームは、通常、検出器素子の中間の又は中心の行176を打つようにコリメートされる。結果として、行176の検出器素子は、エネルギー補正コヒーレント散乱データに使用される一次放射線を検出する。他の行の検出器素子は、コヒーレント散乱放射線を検出する。
【0031】
動作は、図2に関連して記載されるであろう。参照符号204において、手荷物のような物体は、検査領域108に配置され、エネルギー分解検出器112は、検査領域108内に配置される放射性物質からの放出放射線と、検査領域108を横切るX線源116からの透過放射線とを含む、検査領域108から放射する放射線を検出する。検査領域108内の検出放射線及び手荷物を表す検出器112の出力は、後述するように、検査領域108における放射性物質及び密輸材料の存在を検出するために使用される。
【0032】
208において、検出放射線を表す信号は、複数のエネルギービンに渡ってエネルギービニングされる。
【0033】
212において、ビニングされたデータは、X線源116の加速電圧より大きいエネルギーを有する放射線が検出されるかどうかを決定するために処理される。このような放射線は、X線源116以外の線源によって放出される放射線を表す。例として、上記のように、図示されたシステムの管加速電圧は、約150keVである。約150keVの閾値エネルギーより大きいエネルギーを有する放射線の検出は、X線源116以外の線源からの放射線が、検出器112によって検出される放射線を放出していることを示す。
【0034】
このようなエネルギーを有する放射線が検出される場合、216において、手荷物は、X線源116の加速電圧より大きいエネルギーを有する放射線を放出する放射性物質を含むと識別される。オプションとして、手荷物は、後述するようにX線源116の加速電圧より小さいエネルギーを有する放射線を放出する放射性物質を更に詳しく調べられ得る。
【0035】
このようなエネルギーを有する放射線が検出されない(又はX線源116の加速電圧より小さいエネルギーを有する放射線のための更なる検査が所望される)場合、220において、興味がある放射性物質のエネルギー特性を含むエネルギー範囲を有するエネルギービンに対する強度は、隣接したエネルギービンに対する強度と比較される。いくつかの放射性同位元素及び同位元素の混合物は、1より多くのエネルギー準位の放射線を放出する。この場合において、複数のエネルギービンの強度は、他のエネルギービンの強度と比較される。代替として、ビニングされたデータは、興味がある放射性物質を表す強度ピークを有するエネルギービンを識別するために処理され得る。
【0036】
被検体のビンに対応する強度が隣接したエネルギービンの強度より大きい場合、又は強度ピークが識別される場合、228において次に記載されるように、手荷物は、更に検査される。そうでなければ、手荷物は、226において、放射性物質を含まないと考えられる。
【0037】
228において、検出器112がX線源116によって生成される放射線に照射されないように、X線源116は、オフにされるか、又は遮蔽される。上記のように、検出器112が通常静的位置で停止されるように、回転ガントリ部104は、オプションとして止められる。
【0038】
232において、エネルギー分解検出器112は、検査領域108から放射する放射線を検出し、236において、エネルギー分解された検出放射線を表す信号が、複数のエネルギービンに渡ってビニングされ、各々が異なるエネルギー範囲に対応する。
【0039】
240において、ビニングされたデータは、興味のある放射性物質のエネルギー特性を有する放射線が検出されるかどうか決定するために処理される。これは、このようなエネルギーを有する検出放射線が、興味がある放射性物質に対する既知の記憶されたエネルギー範囲に対応するかどうかを決定することを含む。ビニングされたデータが崩壊放射線の存在を決定するために使用され、空間情報が必要とされないので、所与のエネルギービンに対する信号は、感度を増加させるためにともに足し合わされ得る。
【0040】
記憶されるエネルギー範囲に対応するエネルギーを有する放射線が検出される場合、244において、物体は、放射性物質を含むと識別される。そうでなければ、物体は、消去される。
【0041】
違法輸送において関心ある放射性同位元素又は放射性核種の例は、ウラン233、ウラン235、プルトニウム239、トリウム232、アメリシウム241、カドミウム109、セシウム137、カリフォルニウム252、コバルト60、イリジウム192、クリプトン85、鉛210、ストロンチウム90、ラジウム226及びテクネチウム99、並びに関心ある他の同位元素が挙げられる。
【0042】
248において、検出されたコヒーレント散乱放射線を表す信号は、X線回折パターンを生成するために処理される。
【0043】
252において、計算された回折パターンは、関心のある既知の材料の記憶された既知の回折パターンと比較される。計算された回折パターンが既知の合法的な材料の回折パターンとマッチングする場合、手荷物は、256において密輸材料を含まないと考えられる。そうでなければ、260において、手荷物は、フラグを立てられ、必要に応じて更に検査される。
【0044】
必要に応じて、円錐形ビーム136がファン形状ビーム144の代わりに形成されるように、第2コリメータ140が適切に配置され得る。この構成では、一次放射線は、崩壊放射線とともに検出され、検出された一次放射線を表す信号は、手荷物の放射線減衰を表す画像データを生成するために再構成され得る。生成される減衰データは、このような密輸材料が物体内に存在するかどうかを決定するため、興味がある密輸材料の記憶された減衰データと比較され得る。
【0045】
変形例も考慮される。
【0046】
検出されるコヒーレント散乱放射線を表す信号が、手荷物の放射線減衰を表す容積測定画像データを生成するために再構成され得、このような密輸材料が検査領域108に存在するかどうかを決定するため、興味ある密輸材料の記憶された減衰データと比較され得ると認められる。逆投影技術を介してコヒーレント散乱放射線を表す信号を再構成する適切な技術は、Schlomkaらによる米国特許公開公報US2006/0153328において述べられる。
【0047】
ここで説明される例示的なシステムは、CTスキャン及びCSCTスキャンを実行するため、それぞれ円錐形状ビーム及び扇形のビームを形成する第1コリメータ132及び第2コリメータ140を含む。他の実施形態では、第1コリメータ132は、省略され得、スキャナは、崩壊放射線の検出とともにCSCTスキャンを実行する。更に別の実施形態では、第2コリメータ140は、省略され得、スキャナは、崩壊放射線の検出とともにCTスキャンを実行する。
【0048】
再構成された信号は、検査領域内に遮蔽材料の放射線減衰特性も表す。したがって、スキャンされた手荷物を表す減衰係数を、興味がある遮蔽材料の記憶された既知の減衰係数と比較することによって、検査領域108内の遮蔽材料の存在は、検出され得る。遮蔽材料の後方の物体の十分な崩壊放射線をサンプリングするのにかかる時間は、遮蔽材料の減衰特性の関数である。それゆえ、マッチングする遮蔽材料の減衰係数は、十分な崩壊放射線が遮蔽材料を通過し、検出器112を打つのを可能にする適切な量の放射線サンプリング時間を決定するために使用され得る。
【0049】
上記の応用及びこの変形例は、限定的ではないが、チェックイン、ハンドヘルド手荷物及びブレイクバルク貨物、空輸貨物、及び海運貨物の非破壊画像化を含む。
【0050】
本発明は、好ましい実施例に関して記載されている。変形例及び変更は、上記の詳細な説明を読み、理解した他人に思いつき得る。これらが添付の請求の範囲又はこの等価の物の範囲内にある限り、本発明は、このような変形例及び変更の全てを含むとして構成されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査領域及び該検査領域内の物体を横切る、X線源からの透過放射線、並びに前記物体内の放射性物質からの放出放射線を検出するステップと、
前記検出された放射線を表す信号を生成するステップと、
前記検出された放射線をエネルギー分解するステップと、
前記放出放射線のエネルギーに対応するエネルギーを有する検出された放射線を識別するため、前記エネルギー分解された放射線を処理するステップと
を有する方法。
【請求項2】
前記エネルギー分解された放射線を処理するステップが、前記X線源の加速電圧より大きいエネルギーを有する放射線を識別するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記エネルギー分解された放射線を処理するステップが、強度ピークを有するエネルギービンを識別するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記エネルギー分解された放射線を処理するステップが、前記放射性物質に対応するエネルギー範囲を有するエネルギービンの強度情報を、少なくとも一つの他のエネルギービンの強度情報と比較するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記エネルギー分解された放射線を処理するステップが、エネルギービンの間の強度の差を計算するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記検出された透過放射線が、コヒーレント散乱放射線を含み、前記コヒーレント散乱放射線から前記物体を表す回折パターンを生成するステップを更に含み、前記回折パターンが、前記物体における密輸品を識別するために使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記放出放射線を検出する一方で、前記X線源をオフにするステップ、及び前記透過放射線を検出器の照射から防ぐステップのうちの1つを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記放射線を検出するため、直接変換検出器及び複数のシンチレーション検出器のうちの1つを使用するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記物体が手荷物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記検出された透過放射線が、コヒーレント散乱放射線を含み、前記物体の減衰係数を含む画像データを生成するため、前記コヒーレント散乱放射線を表す前記データを再構成するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記検出された透過放射線が一次放射線を含み、前記物体の減衰係数を含む画像データを生成するため、前記一次放射線を表すデータを再構成するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記透過及び放出放射線は、1つの共通の検出器のみによって検出される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記X線源及び検出器が、前記検査領域のまわりを回転する回転ガントリ上に配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
検査領域及び該検査領域内に配置される物体を横断する透過放射線を生成するX線源と、
前記物体内の放射性物質によって放出される放出放射線及びコヒーレント散乱された透過放射線を検出し、前記検出された放射線を示すデータを生成するエネルギー分解検出器と、
前記コヒーレント散乱放射線を表す回折パターンを生成するため、前記データを処理する回折プロセッサと、
前記放出放射線のエネルギーに対応するエネルギーを有する検出された放射線を識別するため、前記エネルギー分解放射線を処理する処理部と
を有するシステム。
【請求項15】
前記システムが手荷物検査システムである、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記システムはコヒーレント散乱コンピュータ断層撮影スキャナを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記X線源及びエネルギー分解検出器が、前記検査領域のまわりを回転する回転ガントリ上に配置される、請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
検査領域及び該検査領域内の物体を横切る、X線源からの透過放射線、並びに前記物体内の放射性物質からの放出放射線を検出するステップと、
前記検出された放射線を表す信号を生成するステップと、
前記検出された放射線をエネルギー分解するステップと、
前記放射性物質に対応するエネルギーを有する検出された放射線を識別するため、前記エネルギー分解放射線を処理するステップと
をコンピュータによって実行されるときに行う指示を含む、コンピュータ可読記憶媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2010−519519(P2010−519519A)
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−549880(P2009−549880)
【出願日】平成20年2月12日(2008.2.12)
【国際出願番号】PCT/IB2008/050496
【国際公開番号】WO2008/099334
【国際公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】