説明

コージェネレーションシステム及びコージェネレーションシステムの制御方法

【課題】 省エネルギー効果の低減を抑制可能なコージェネレーションシステム及びその制御方法を提供する。
【解決手段】 所定の施設Mに電力及び水を供給する燃料電池システム1は、電力及び熱を発生させる燃料電池ユニット10と、燃料電池ユニット10で発生した熱により温められた水を貯える貯湯ユニット20と、燃料電池ユニット10及び貯湯ユニット20を制御する制御部30と、を備える。制御部30は、貯湯ユニット20の蓄熱量が第1の基準量に達したときに、貯湯ユニット20から施設Mの温水利用設備Bに温水を供給すると共に、温水よりも低い温度の冷水を貯湯ユニット20に供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の施設に電力及び水を供給するコージェネレーションシステム及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のコージェネレーションシステムとして、電力及び熱を発生させる発電ユニットと、発電ユニットで発生した熱により温められた水を貯える貯湯ユニットと、を備え、貯湯ユニットに貯えられた温水を給湯や暖房機器に用いるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−064753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような従来のコージェネレーションシステムでは、貯湯ユニットが満蓄(実質的にそれ以上蓄熱できない状態)になると、貯湯ユニットの蓄熱量が下がるまでコージェネレーションシステムの運転を停止する必要がある。特に、電力及び温水の供給さきの施設の電力需要に拠らず常に一定出力(例えば700Wや500W等)で発電する運転モードや、施設での電力需要がない場合であってもコージェネレーションシステムを停止させずに予め定めた最低出力(例えば300Wや100W等)を維持する運転モードにおいては、当該施設にて消費されない余剰な電力を余剰電力ヒータで消費して熱として回収するので、当該施設の電力需要に応じて発電量を制御する運転モードに比べて熱回収量が多くなる。このため、それらの運転モードにおいては、貯湯ユニットの蓄熱量が比較的早く上昇してしまい、貯湯ユニットがすぐに満蓄となるので、コージェネレーションシステムの運転を頻繁に停止せざるを得なかった。
【0005】
コージェネレーションシステムの起動・停止を頻繁に繰り返すと、起動・停止に費やすエネルギーが増加するので、コージェネレーションシステムの省エネルギー効果が低減してしまう。そこで、例えば、貯湯ユニットが満蓄となった場合に、ラジエータにより放熱することでコージェネレーションシステムの運転を維持する方法が考えられるが、熱回収したエネルギーを有効に活用できないため、この方法においてもコージェネレーションシステムの省エネルギー効果が低減してしまう。また、この方法においては、ラジエータを設置するためにコストが増加したり、コージェネレーションシステムが大型化したりする等のデメリットもある。
【0006】
そこで、本発明は、省エネルギー効果の低減を抑制可能なコージェネレーションシステム及びコージェネレーションシステムの制御方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係るコージェネレーションシステムは、所定の施設に電力及び水を供給するコージェネレーションシステムであって、電力及び熱を発生させる発電ユニットと、発電ユニットで発生した熱により温められた水を貯える貯湯ユニットと、少なくとも貯湯ユニットを制御する制御部と、を備え、制御部は、貯湯ユニットの蓄熱量が第1の基準量に達したときに、貯湯ユニットから所定の施設の温水利用設備に温められた水を供給すると共に、温められた水よりも低い温度の水を貯湯ユニットに供給することを特徴とする。
【0008】
また、上記課題を解決するために、本発明に係るコージェネレーションシステムの制御方法は、電力及び熱を発生させる発電ユニットと、発電ユニットで発生した熱により温められた水を貯える貯湯ユニットと、を備え、所定の施設に電力及び温められた水を供給するコージェネレーションシステムの制御方法であって、貯湯ユニットの蓄熱量が第1の基準量に達しているか否かを判定する第1基準量判定ステップと、第1基準量判定ステップにおいて貯湯ユニットの蓄熱量が第1の基準量に達したと判定した場合、貯湯ユニットから所定の施設の温水利用設備に温められた水を供給すると共に、温められた水よりも低い温度の水を貯湯ユニットに供給する温水供給ステップと、を含むことを特徴とする。
【0009】
このコージェネレーションシステム及びコージェネレーションシステムの制御方法では、貯湯ユニットの蓄熱量が第1の基準量となったときに、温められた水が貯湯ユニットから電力の供給先の施設に備えられた温水利用設備に供給される。このとき、貯湯ユニットには、温水利用設備に供給される温水より温度の低い水が新たに供給されるため、貯湯ユニットの蓄熱量が下がる。このため、貯湯ユニットが満蓄となることが避けられるので、コージェネレーションシステムの運転を停止する必要がない。よって、コージェネレーションシステムの連続運転が可能となるため、省エネルギー効果の低減を抑制することができる。
【0010】
また、本発明に係るコージェネレーションシステムにおいては、制御部は、貯湯ユニットの蓄熱量が第1の基準量よりも少ない第2の基準量を下回った時に、貯湯ユニットから温水利用設備への温められた水の供給を停止すると共に、貯湯ユニットへの温められた水よりも低い温度の水の供給を停止する、ことが好ましい。
【0011】
また、本発明に係るコージェネレーションシステムの制御方法においては、温水供給ステップの後において、貯湯ユニットの蓄熱量が第1の基準量よりも少ない第2の基準量を下回ったか否かを判定する第2基準量判定ステップと、第2基準量判定ステップにおいて貯湯ユニットの蓄熱量が第2の基準量を下回ったと判定した場合、貯湯ユニットから温水利用設備への温められた水の供給を停止すると共に、貯湯ユニットへの温められた水よりも低い温度の水の供給を停止する温水供給停止ステップと、をさらに含むことが好ましい。
【0012】
これらの場合、コージェネレーションシステムの連続運転を可能としつつ、発電優先のための貯湯ユニットの蓄熱量の下げ量を任意に設定することができ、ひいては省エネルギー効果の低減を抑制することができる。
【0013】
また、本発明に係るコージェネレーションシステムにおいては、当該コージェネレーションシステムを発電優先モードで運転するか否かの選択を、所定の施設の利用者から受け付ける選択受付手段をさらに備え、制御部は、当該コージェネレーションシステムを発電優先モードで運転するという選択を選択受付手段が受け付けた場合、貯湯ユニットの蓄熱量が第1の基準量に達したときに、貯湯ユニットから温水利用設備に温められた水を供給すると共に、温められた水よりも低い温度の水を貯湯ユニットに供給する、ことが好ましい。
【0014】
また、本発明に係るコージェネレーションシステムの制御方法においては、当該コージェネレーションシステムを発電優先モードで運転するか否かの選択を、所定の施設の利用者から受け付ける選択受付ステップをさらに含み、選択受付ステップにおいて、当該コージェネレーションシステムを発電優先モードで運転するという選択を利用者から受け付けた場合に、少なくとも第1基準量判定ステップと温水供給ステップとを実行する、ことが好ましい。
【0015】
これらの場合、コージェネレーションシステムを発電優先モードで運転するか否かを利用者が選択できる。
【0016】
また、本発明に係るコージェネレーションシステムにおいては、制御部は、系統電力から当該コージェネレーションシステムへの電力の供給がない状態で当該コージェネレーションシステムを運転する場合には、選択受付手段が利用者から受け付けた選択の如何に依らず、当該コージェネレーションシステムの運転モードを発電優先モードに切り替える、ことが好ましい。
【0017】
また、本発明に係るコージェネレーションシステムの制御方法においては、系統電力から当該コージェネレーションシステムへの電力供給の有無を判定する電力供給判定ステップと、電力供給判定ステップにおいて、系統電力から当該コージェネレーションシステムへの電力供給が無いと判定した場合、当該コージェネレーションシステムを系統電力からから解列する系統解列ステップと、電力供給判定ステップにおいて、系統電力から当該コージェネレーションシステムへの電力供給が無いと判定した場合、選択受付ステップにおいて利用者から受け付けた選択の如何に依らず、当該コージェネレーションシステムの運転モードを発電優先モードに切り替える運転モード切替ステップと、をさらに含むことが好ましい。
【0018】
これらの場合、停電時等の系統電力遮断時において、発電を優先してコージェネレーションシステムを運転することができる。
【0019】
また、本発明に係るコージェネレーションシステムにおいては、制御部は、当該コージェネレーションシステムが系統電力から解列して前記発電優先モードに移行するときに、その旨を前記利用者に報知したり、当該コージェネレーションシステムの系統電力からの解列を解除するときに、その旨を前記所定の施設の利用者に報知したりする、ことが好ましい。
【0020】
また、本発明に係るコージェネレーションシステムの制御方法においては、系統解列ステップにおいて系統電力から当該コージェネレーションシステムを解列すると共に、運転モード切替ステップにおいて当該コージェネレーションシステムの運転モードを発電優先モードに切り替えるとき、その旨を利用者に報知する解列切替報知ステップをさらに含むことや、系統解列ステップの後において、系統電力からの当該コージェネレーションシステムの解列を解除するときに、その旨を利用者に報知する解列解除報知ステップをさらに含むことが好ましい。
【0021】
これらの場合、所定の施設の利用者は、停電時等の系統電力遮断時において、発電を優先してコージェネレーションシステムを運転する状態になったことを知ることができると共に、貯湯ユニットの蓄熱量に応じて貯湯ユニットから温水利用設備に温水が供給される状態になったことを予め知ることができる。
【0022】
また、本発明に係るコージェネレーションシステムにおいては、第1の基準量は貯湯ユニットが満蓄となる蓄熱量とすることができる。この場合、コージェネレーションシステムの連続運転を可能としつつ、可能な限り貯湯ユニットに蓄熱することにより、省エネルギー効果の低減を抑制することができる。
【0023】
また、本発明に係るコージェネレーションシステムにおいては、制御部は、貯湯ユニットから温水利用設備への温められた水の供給を開始するときに、その旨を所定の施設の利用者に報知したり、貯湯ユニットから温水利用設備に温められた水を供給しているときに、その旨を所定の施設の利用者に報知したり、貯湯ユニットから温水利用設備への温められた水の供給を停止したときに、その旨を所定の施設の利用者に報知したりする、ことが好ましい。
【0024】
また、本発明に係るコージェネレーションシステムの制御方法においては、温水供給ステップにおいて温水利用設備への温められた水の供給を開始するときに、その旨を所定の施設の利用者に報知する供給開始報知ステップをさらに含むことや、温水供給ステップにおいて温水利用設備に温められた水を供給しているときに、その旨を所定の施設の利用者に報知する供給中報知ステップをさらに含むことや、温水供給停止ステップにおいて温水利用設備への温められた水の供給を停止したときに、その旨を所定の施設の利用者に報知する供給停止報知ステップをさらに含むことが好ましい。
【0025】
これらの場合、所定の施設の利用者は、貯湯ユニットから温水利用設備に供給される温水の利用機会を知ることができる。
【0026】
また、本発明に係るコージェネレーションシステムにおいては、制御部は、貯湯ユニットから温水利用設備としての貯湯容器に温められた水を供給する前に、貯湯容器の排水栓が閉止されていることの確認を利用者に促すための情報を、所定の施設の利用者に提供する、ことが好ましい。この場合、所定の施設の利用者は、貯湯ユニットから貯湯容器への温水の供給の前に、貯湯容器の排水栓を閉止する機会を得ることができので、省エネルギー効果の低減を抑制することができる。
【0027】
さらに、本発明に係るコージェネレーションシステムにおいては、発電ユニットは、原燃料及び水を用いて水素を含有する改質ガスを生成する改質装置と、改質装置で生成された改質ガスを用いて発電を行う燃料電池と、原燃料が流通する原燃料ラインと、原燃料ラインを介して改質装置に原燃料を圧送るためのポンプと、を備え、原燃料ラインは、第1の原燃料が原燃料として流通する第1のラインと、第1の原燃料よりも熱量の大きい第2の原燃料が原燃料として流通する第2のラインと、を有し、第2のラインには、第2の原燃料の流量を抑制するための流量抑制手段が設けられている、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、省エネルギー効果の低減を抑制可能なコージェネレーションシステム及びコージェネレーションシステムの制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係るコージェネレーションシステムの第1実施形態を示す構成図である。
【図2】図1に示された燃料電池システムの制御方法を示すフローチャートである。
【図3】本発明に係るコージェネレーションシステムの第2実施形態を示す構成図である。
【図4】図3に示された燃料電池システムの制御方法を示すフローチャートである。
【図5】本発明に係るコージェネレーションシステムの第3実施形態を示す構成図である。
【図6】図5に示された燃料電池システムの制御方法を示すフローチャートである。
【図7】図5に示された燃料電池システムの制御方法を示すフローチャートである。
【図8】図5に示された燃料電池システムの制御方法を示すフローチャートである。
【図9】図5に示された燃料電池システムの制御方法を示すフローチャートである。
【図10】本発明に係るコージェネレーションシステムの第4実施形態を示す構成図である。
【図11】図10に示された燃料電池システムにおけるライン切替処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明に係るコージェネレーションシステムの好適な実施形態としての燃料電池システムについて、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
【0031】
図1に示されるように、燃料電池システム1は、電力及び熱を発生させる燃料電池ユニット(発電ユニット)10と、燃料電池ユニット10で発生した熱により温められた水(温水)を蓄える貯湯ユニット20と、燃料電池ユニット10及び貯湯ユニット20を制御する制御部30と、を備えている。このような燃料電池システム1は、所定の施設Mに電力及び温水を供給する。
【0032】
燃料電池ユニット10は、都市ガス及びLPG(液化石油ガス)等の炭化水素系燃料を原燃料として用いて発電を行う。燃料電池ユニット10は、原燃料及び水を改質して水素を含有する改質ガスを生成する改質装置11と、改質装置11で生成された改質ガス及び酸素含有ガス(例えば空気や純酸素等)を用いて発電を行う燃料電池スタック(燃料電池)12と、改質装置11に供給される原燃料から硫黄分を除去する脱硫装置13と、脱硫装置13に供給される原燃料が流通する原燃料ライン14と、原燃料ライン14を介して脱硫装置13(改質装置11)に原燃料を圧送するポンプ15と、を備えている。
【0033】
改質装置11は、改質触媒を有する改質器(不図示)と、改質触媒を加熱する加熱装置(例えばバーナ等)(不図示)とを有しており、加熱装置により加熱された改質触媒で原燃料及び水を改質して改質ガスを生成する。そして、改質装置11は、生成した改質ガスを燃料電池スタック12へ供給する。
【0034】
燃料電池スタック12は、例えばPEFC(Polymer Electrolyte Fuel Cell)と称されるセルが、複数層積層されたものである。各セルは、高分子膜である電解質が燃料極と酸化剤極との間に配置されて構成されている。燃料電池スタック12においては、燃料極側には改質装置11によって生成された改質ガスが導入され、酸化剤極側には酸素含有ガスが導入される。このように燃料電池スタック12は、改質ガスと酸素含有ガスとを用いて発電を行い、得られた電力(発電電力)を後段へ供給する。なお、燃料電池スタック12の燃料極側に導入された改質ガスのオフガスは、改質装置11のバーナに供給されて再利用される。
【0035】
脱硫装置13は、原燃料から硫黄分を除去する脱硫触媒を有している。脱硫装置13は、脱硫触媒により原燃料の硫黄分を除去し、硫黄分の除去された原燃料を後段の改質装置11へ供給する。
【0036】
燃料電池ユニット10は、燃料電池スタック12の後段に配置されたパワーコンディショナー16をさらに備えている。パワーコンディショナー16には、燃料電池スタック12から供給される発電電力と、商用の電力系統Sから供給される系統電力と、が供給される。
【0037】
このようなパワーコンディショナー16は、燃料電池スタック12からの発電電力を施設Mで用いることができるように調整する装置であって、昇圧器(不図示)及び変換器(不図示)を備えている。昇圧器は、燃料電池スタック12から出力された発電電力を昇圧して出力する機能を有している。また、変換器は、昇圧器に接続されており、昇圧器から出力された直流電力を交流電力へ変換する機能を有している。そして、このパワーコンディショナー16は、その出力側が負荷Hに接続されている。このように構成されるため、燃料電池スタック12からの発電電力は、パワーコンディショナー16の昇圧器により昇圧され、変換器により交流電力に変換されて、電力系統Sからの系統電力と共に、供給電力として負荷Hへ供給される。
【0038】
ここで、燃料電池スタック12で消費されずに改質装置11に戻るオフガスの量(熱量)が増加すると、改質装置11の温度が急激に上昇する場合がある。このため、燃料電池システム1では、負荷Hの消費電力が急激に減少した際に、改質装置11の熱バランスを崩さないように、燃料電池スタック12への投入燃料の量を徐々に低減し、燃料電池スタック12の出力を徐々に低減する制御を行っている。このため、燃料電池スタック12の発電電力が負荷Hの消費電力を上回り、余剰電力が発生する場合がある。そのようにして発生した余剰電力は、後述する余剰電力ヒータ28に供給される。
【0039】
貯湯ユニット20は、燃料電池ユニット10で発生した熱により温められた水を貯える貯湯槽(不図示)を有している。貯湯槽には、その底部から頂部へ向かって略等間隔に複数(例えば4つ)の温度センサ(不図示)が取り付けられている。これらの温度センサは、貯湯槽に貯えられた水の温度を測定して、測定結果を示す情報を制御部30へ送信する。
【0040】
また、貯湯槽には、貯湯槽に貯えられた水を循環させるための循環ライン24と、貯湯槽の底部から貯湯槽内に水(例えば水道水)を導入するための水導入ライン29とが接続されている。循環ライン24は、一端が貯湯槽の底部に接続されており、他端が貯湯槽の頂部に接続されている。
【0041】
循環ライン24には、改質装置11及び燃料電池スタック12等で発生する熱と循環ライン24を流通する水との熱交換により、当該水を加熱するための熱交換部26が設けられている。また、循環ライン24には、パワーコンディショナー16から供給される余剰電力を用いて循環ライン24を流通する水を加熱するための余剰電力ヒータ28が設けられている。
【0042】
したがって、貯湯槽の底部から排出された水(冷水)は、循環ライン24を流通する際に熱交換部26及び余剰電力ヒータ28により温められ、温水として貯湯槽の頂部へ導入される。貯湯槽の頂部に導入された温水は、水導入ライン29を介して貯湯槽の底部に新たな水が導入されることにより、この水に押し出されるようにして貯湯槽の頂部から導出される。水導入ライン29を介して貯湯槽の底部に導入される水は、循環ライン24を流通する際に温められた水よりも温度が低い。このため、貯湯槽の頂部(上部)には温度の比較的高い温水が貯留され、貯湯槽の底部(下部)には温度の比較的低い冷水が貯留されることとなる。
【0043】
制御部30は、貯湯槽に設けられた温度センサ等の測定結果に基づいて、貯湯ユニット20(貯湯槽)の蓄熱量を検知し、貯湯ユニット20の蓄熱量が第1の基準量に達したときに、貯湯ユニット20から施設Mに備えられた温水利用設備B等に温水を供給する。ここで、第1の基準量は、貯湯ユニット20が満蓄となる蓄熱量としてもよいし、それよりも低くてもよい。このように、制御部30が、貯湯ユニット20の蓄熱量を検知し、貯湯ユニット20の蓄熱量が第1の基準量に達したときに、貯湯ユニット20から温水利用設備Bへ温水を供給する制御を行うモードを発電優先モードとする。
【0044】
なお、制御部30は、CPU、ROM、RAMおよび入出力ポート等を有するコンピュータシステムとして構成されており、CPUが所定のプログラムを実行することにより、燃料電池ユニット10及び貯湯ユニット20の制御を行う。
【0045】
次に、図2を参照して、燃料電池システム1の制御方法について説明する。図2に示されるように、まず、制御部30は、貯湯ユニット20の蓄熱量を検知する(ステップS1)。貯湯ユニット20の蓄熱量とは、貯湯槽の水に蓄えられた熱量である。したがって、この蓄熱量の検知は、例えば貯湯槽に設けられた温度センサ等の測定結果に基づいて行われる。
【0046】
続いて、制御部30は、ステップS1の検知結果に基づいて、貯湯ユニット20の蓄熱量が第1の基準量に達しているか否かの判定を行う(ステップS2:第1基準量判定ステップ)。より具体的には、第1の基準量が、例えば貯湯ユニット20が満蓄となる蓄熱量である場合には、制御部30は、貯湯槽からの戻り熱回収水温度が45℃より高い温度である状態が10分以上継続した場合に、貯湯ユニット20の蓄熱量が第1の基準量に達していると判定し(即ち貯湯ユニット20が満蓄であると判定し)、それ以外の場合には貯湯ユニット20の蓄熱量が第1の基準量に達していないと判定する(即ち貯湯ユニット20が満蓄でないと判定する)。
【0047】
ステップS2の判定の結果、貯湯ユニット20の蓄熱量が第1の基準量に達していない場合、ステップS1に戻り、以降のステップを所定の時間間隔をもって繰り返す。
【0048】
一方、ステップS2の判定の結果、貯湯ユニット20の蓄熱量が第1の基準量に達している場合、制御部30は、水供給ライン29を介して貯湯槽の底部に水を導入することにより、貯湯槽の頂部から温水を導出して、貯湯ユニット20から温水利用設備Bへ当該温水を強制的に供給する(ステップS3:温水供給ステップ)。
【0049】
続いて、制御部30は、貯湯ユニット20の蓄熱量が第1の基準量を下回ったか否かの判定を行う(ステップS4)。より具体的には、第1の蓄熱量が、例えば貯湯ユニット20が満蓄となる蓄熱量である場合には、制御部30は、貯湯槽に設けられた複数の温度センサのうちの最も貯湯槽の底部側の温度センサの測定結果が35℃よりも低い温度であり、尚且つ、当該複数の温度センサのうちの貯湯槽の底部側から2つ目の温度センサの測定結果が45℃よりも低い温度であるときに、貯湯ユニット20の蓄熱量が第1の基準量を下回ったと判定し(即ち貯湯ユニット20が満蓄でないと判定し)、それ以外のときに、貯湯ユニット20の蓄熱量が第1の基準量を下回っていないと判定する(即ち貯湯ユニット20が満蓄であると判定する)。
【0050】
ステップS4の判定の結果、貯湯ユニット20の蓄熱量が第1の基準量を下回った場合、制御部30は、貯湯槽の底部からの水の導入を停止することによって、貯湯槽の頂部からの温水の導出を停止し、貯湯ユニット20から温水利用設備Bへの温水の供給を停止する(ステップS5:温水供給停止ステップ)。
【0051】
一方、ステップS4の判定の結果、貯湯ユニット20の蓄熱量が第1の基準量を下回っていない場合、制御部30は、所定の時間間隔をもってステップS4の判定を繰り返す。
【0052】
以上説明したように、本実施形態に係る燃料電池システム1では、貯湯ユニット20の蓄熱量が第1の基準量となったときに、貯湯ユニット20から施設Mの温水利用設備Bに温水が供給される。このとき、貯湯ユニット20には、比較的温度の低い冷水が新たに供給されるため、貯湯ユニット20の蓄熱量が下がる。その結果、貯湯ユニット20が満蓄となることが防止されるので、燃料電池システム1の運転を停止する必要がない。よって、燃料電池システム1の連続運転が可能となる。
【0053】
なお、上記のステップS4において判定の基準に用いる基準量は、第1の基準量よりも少ない第2の基準量としてもよい。この場合、第2の基準量を適宜設定することにより、燃料電池システム1の連続運転を可能としつつ、発電優先のための貯湯ユニット20の蓄熱量の下げ量を任意に設定することができ、ひいては省エネルギー効果の低減を抑制することができる。
[第2実施形態]
【0054】
図3に示されるように、燃料電池システム1Aは、第1実施形態に係る燃料電池システム1に対して、施設Mの利用者が使用可能なリモコン(選択受付手段)40をさらに備える点で異なっている。
【0055】
リモコン40は、燃料電池システム1Aを発電優先モードで運転するか否かの選択を施設Mの利用者から受け付ける。つまり、施設Mの利用者は、このリモコンによって、燃料電池システム1Aを発電優先モードで運転するか否かを選択できる。リモコン40は、施設Mの利用者から受け付けた選択の結果を示す情報を制御部30へ送信する。
【0056】
制御部30は、リモコン40からの情報に応じて、燃料電池システム1Aを発電優先モードで運転したり、貯湯ユニット20の蓄熱量が第1の基準量に達したときに燃料電池システム1Aの運転を停止したりする。
【0057】
次に、図4を参照して、燃料電池システム1Aの制御方法について説明する。まず、リモコン40は、燃料電池システム1Aを発電優先モードで運転するか否かの選択を施設Mの利用者から受け付け、その選択の結果を示す情報を制御部30へ送信する(ステップS11:選択受付ステップ)。
【0058】
続いて、制御部30は、リモコン40から送信される情報に基づいて、施設Mの利用者が発電優先モードでの燃料電池システム1Aの運転を選択したか否かの判定を行う(ステップS12)。
【0059】
ステップS12の判定の結果、施設Mの利用者が発電優先モードでの燃料電池システム1Aの運転を選択した場合、制御部30は、温水利用設備Bの排水栓が閉止されていることの確認を施設Mの利用者に促すための情報を、リモコン40を介して施設Mの利用者に提供する(ステップS13)。
【0060】
この情報の提供は、例えば、温水利用設備Bの排水栓が閉止されていることの確認を施設Mの利用者に促すためのメッセージをリモコン40の表示画面に表示させることにより行われてもよいし、当該メッセージを示す音声をリモコン40のスピーカから流すことにより行われてもよいし、所定の電子音や音楽をリモコン40のスピーカから流すことにより行われてもよい。
【0061】
続いて、制御部30は、ステップS1と同様にして貯湯ユニット20の蓄熱量を検知する(ステップS14)。続いて、制御部30は、ステップS14の検知結果に基づいて、ステップS2と同様に、貯湯ユニット20の蓄熱量が第1の基準量に達しているか否かの判定を行う(ステップS15:第1基準量判定ステップ)。
【0062】
ステップS15の判定の結果、貯湯ユニット20の蓄熱量が第1の基準量に達していない場合、ステップS14に戻り、以降のステップを所定の時間間隔をもって繰り返す。
【0063】
一方、ステップS15の判定の結果、貯湯ユニット20の蓄熱量が第1の基準量に達している場合、制御部30は、ステップS3と同様に、貯湯ユニット20から温水利用設備Bへ温水を強制的に供給する(ステップS16:温水供給ステップ)。
【0064】
このとき、制御部30は、貯湯ユニット20から温水利用設備Bへの温水の供給が行われている旨を、リモコン40を介して施設Mの利用者に報知する(ステップS17:供給中報知ステップ)。この報知は、貯湯ユニット20から温水利用設備Bへの温水の供給が行われていることを示すメッセージ(例えば「強制給湯中」等)をリモコン40の表示画面に表示させることにより行われてもよいし、当該メッセージを示す音声をリモコン40のスピーカから流すことにより行われてもよいし、所定の電子音や音楽をリモコン40のスピーカから流すことにより行われてもよい。
【0065】
続いて、制御部30は、貯湯ユニット20の蓄熱量が所定の基準量を下回ったか否かの判定を行う(ステップS18:第2基準量判定ステップ)。このステップS18では、ステップS4と同様に、貯湯ユニット20の蓄熱量が第1の基準量を下回ったか否かを判定してもよいし、貯湯ユニット20の蓄熱量が第2の基準量を下回ったか否かを判定してもよい。ここでは、貯湯ユニット20の蓄熱量が第2の基準量を下回ったか否かを判定するものとする。
【0066】
ステップS18の判定の結果、貯湯ユニット20の蓄熱量が第2の基準量を下回った場合、制御部30は、ステップS5と同様にして、貯湯ユニット20から温水利用設備Bへの温水の供給を停止する(ステップS19:温水供給停止ステップ)。
【0067】
このとき、制御部30は、ステップS19において貯湯ユニット20から浴槽Bへの温水の供給を停止した後、リモコン40を介して施設Mの利用者にその旨を通知する(ステップS20:供給停止報知ステップ)。この施設Mの利用者への通知は、例えば、貯湯ユニット20から温水利用設備Bへの温水の供給を停止したことを示すメッセージをリモコン40の表示画面に表示させることにより行われてもよいし、当該メッセージ示す音声をリモコン40のスピーカから流すことにより行われてもよいし、所定の電子音や音楽をリモコン40のスピーカから流すことにより行われてもよい。
【0068】
一方、ステップS18の判定の結果、貯湯ユニット20の蓄熱量が第2の基準量を下回っていない場合、制御部30は、所定の時間間隔をもってステップS18の判定を繰り返す。
【0069】
他方、ステップS12の判定の結果、施設Mの利用者が発電優先モードでの燃料電池システム1Aの運転を選択しなかった場合、制御部30は、上述のステップS1と同様に貯湯ユニット20の貯湯槽の蓄熱量を検知し(ステップS21)、その検知結果に基づいて、上述のステップS2と同様に貯湯ユニット20の蓄熱量が第1の基準量に達しているか否かの判定を行う(ステップS22)。
【0070】
そして、制御部30は、貯湯ユニット20の蓄熱量が第1の基準量に達している場合には燃料電池システム1Aの運転を停止し(ステップS23)、貯湯ユニット20の蓄熱量が第1の基準量に達していない場合には所定の時間間隔をもってステップS21以降の処理を繰り返す。
【0071】
つまり、施設Mの利用者が発電優先モードでの燃料電池システム1Aの運転を選択しなかった場合、制御部30は、貯湯ユニット20の蓄熱量が第1の基準量に達したときに燃料電池システム1Aの運転を停止する。
【0072】
以上説明したように、燃料電池システム1Aによれば、燃料電池システム1と同様に省エネルギー効果の低減を抑制可能であると共に、燃料電池システム1Aを発電優先モードで運転するか否かを、リモコン40を介して施設Mの利用者が選択できる。また、燃料電池システム1Aによれば、温水利用設備Bの排水栓が閉止されていることの確認を施設Mの利用者に促すための情報が施設Mの利用者に提供されるので、温水利用設備Bの排水栓が閉止されていない状態で、貯湯ユニット20から温水利用設備Bに温水が供給されることが防止される。
【0073】
なお、上述した燃料電池システム1Aの制御方法においては、制御部30が、ステップS16において貯湯ユニット20から温水利用設備Bへの温水の供給を開始するときに、リモコン40を介してその旨を施設Mの利用者に報知する供給開始報知ステップをさらに実行してもよい。
[第3実施形態]
【0074】
図5に示されるように、燃料電池システム1Bは、第2実施形態に係る燃料電池システム1Aに対して、感震器50をさらに備える点で異なっている。
【0075】
感震器50は、地震等の所定の震動を検知した場合に作動し、作動を示す情報を制御部30へ送信する。
【0076】
次に、図6〜9を参照して、燃料電池システム1Bの制御方法について説明する。先ず、制御部30は、感震器50が作動したか否かを判定する(ステップS31)。
【0077】
ステップS31の判定の結果、感震器50が作動した場合、燃料電池システム1Bが、起動工程中、停止工程中及び運転中(発電中)の何れかであるか否かを判定する(ステップS32)。
【0078】
ステップS32の判定の結果、燃料電池システム1Bが、起動工程中、停止工程中及び運転中の何れかの状態である場合、制御部30は、燃料電池システム1Bを非常停止する(ステップS33)。
【0079】
ステップS33において燃料電池システム1Bを非常停止した後、及び、ステップS32の判定の結果、燃料電池システム1Bが起動工程中、停止工程中及び運転中の何れでもない場合(即ち停止中である場合)、制御部30は、電力系統(系統電力)Sからの電力の供給があるか否か(即ち停電が発生しているか否か)を判定する(ステップS34:電力供給判定ステップ)。
【0080】
ステップS34の判定の結果、電力系統Sからの電力の供給がある場合(即ち停電が発生していない場合)、制御部30は、燃料電池システム1Aの安全確認を行う(ステップ35)。このステップでは、例えば、制御部30が、圧力センサからの情報等に基づいてガス漏れの有無を確認したり、リモコン40を介して施設Mの利用者に破損状況の確認を促したりする。
【0081】
そして、ステップS35において安全確認を行った後、燃料電池システム1Bの起動を行う(ステップS36)。この場合のように、電力系統Sからの電力の供給がある状態で燃料電池システムの運転を行うモードを通常起動モードとする。
【0082】
一方、ステップS34の判定の結果、電力系統Sからの電力の供給がない場合(即ち停電が発生した場合)、制御部30は、燃料電池システム1Aの起動用の電源があるか否かの判定を行う(ステップS37)。
【0083】
ステップS37の判定の結果、燃料電池システム1Bの起動用の電源がある場合、制御部30は、ステップS35と同様に燃料電池システム1Bの安全確認を行い(ステップS38)、起動用の電源を利用して燃料電池システム1Bを起動する(ステップS39)。この場合のように、電力系統Sからの電力の供給がない状態で、燃料電池システムの運転を行うモードを自立起動モードとする。
【0084】
一方、ステップS37の判定の結果、燃料電池システム1Bの起動用の電源がない場合、制御部30は、施設Mの利用者に、リモコン40を介して、起動用の電源の設置を促すか、或いは、燃料電池システム1Bを自動車のバッテリ等に接続することを促す(ステップS40)。そして、制御部30は、ステップS37に戻り、以降の処理を所定の時間間隔をもって繰り返す。
【0085】
他方、ステップS31の判定の結果、感震器が作動していない場合、制御部30は、電力系統Sから燃料電池システム1Bへの電力の供給があるか否か(即ち停電が発生しているか否か)を判定する(ステップS41:電力供給判定ステップ)。
【0086】
ステップS41の判定の結果、電力系統Sからの電力の供給がない場合(即ち停電が発生している場合)、制御部30は、燃料電池システム1Bが運転中(発電中)であるか否かを判定する(ステップS43)。
【0087】
ステップS43の判定の結果、燃料電池システム1Aが運転中である場合、制御部30は、燃料電池システム1Bを電力系統Sから解列する(ステップS44:系統解列ステップ)。
【0088】
続いて、制御部30は、所定時間待機した後に、電力系統Sからの電力の供給が再開されたか否かを判定する(即ち複電されたか否かを判定する)(ステップS45)。
【0089】
ステップS45の判定の結果、電力系統Sからの電力の供給が再開された場合、制御部30は、燃料電池システム1Bの電力系統Sからの解列を解除する(ステップS46)。
【0090】
一方、ステップS43の判定の結果、燃料電池システム1Aが運転中でない場合、制御部30は、燃料電池システム1Bが起動工程中であるか否かを判定する(ステップS47)。
【0091】
ステップS47の判定の結果、燃料電池システム1Bが起動工程中である場合、上述したステップS44へ移行する。
【0092】
一方、ステップS47の判定の結果、燃料電池システム1Bが起動工程中でない場合、制御部30は、燃料電池システム1Bが停止工程中であるか否かを判定する(ステップS48)。
【0093】
ステップS48の判定の結果、燃料電池システム1Bが停止工程中である場合には燃料電池システム1Bの停止を待って、ステップ48の判定の結果、燃料電池システム1Bが停止工程中でない場合には燃料電池システム1Bが既に停止中であるとして、制御部30は、燃料電池システム1Bを電力系統Sから解列する(ステップS49:系統解列ステップ)。
【0094】
続いて、制御部30は、燃料電池システム1Bの起動用の電源があるか否かの判定を行う(ステップS50)。
【0095】
ステップS50の判定の結果、燃料電池システム1Bの起動用の電源がある場合、制御部30は、その起動用の電源を利用して燃料電池システム1Bを起動する(ステップS51)。
【0096】
一方、ステップS50の判定の結果、燃料電池システム1Bの起動用の電源がない場合、制御部30は、施設Mの利用者に、リモコン40を介して、起動用の電源の設置を促すか、或いは、燃料電池システム1Bを自動車のバッテリ等に接続することを促す(ステップS52)。そして、ステップS50に戻り、以降の処理を所定の時間間隔をもって繰り返す。
【0097】
ここで、ステップS36で燃料電池システム1Bを起動した場合、ステップS41の判定の結果が電力系統Sからの電力の供給があることを示す結果である場合、及び、ステップS46で電力系統Sからの解列を解除した場合には、燃料電池システム1Bは通常起動モードで運転されることとなる。
【0098】
この場合、燃料電池システム1Bの制御方法に係る処理は、図8のステップS61に移行する。そして、該ステップS61において、リモコン40が、ステップS11と同様に、燃料電池システム1Bを発電優先モードで運転するか否かの選択を施設Mの利用者から受け付け、その選択の結果を示す情報を制御部30へ送信する(ステップS61:選択受付ステップ)。
【0099】
続いて、制御部30は、ステップS12と同様に、リモコン40から送信される情報に基づいて、施設Mの利用者が発電優先モードでの燃料電池システム1Bの運転を選択したか否かの判定を行う(ステップS62)。
【0100】
ステップS62の判定の結果、施設Mの利用者が発電優先モードでの燃料電池システム1Bの運転を選択した場合、制御部30は、ステップS13と同様にして、温水利用設備Bの排水栓が閉止されていることの確認を施設Mの利用者に促すための情報を、リモコン40を介して施設Mの利用者に提供する(ステップS63)。
【0101】
続いて、制御部30は、ステップS14と同様にして貯湯ユニット20の蓄熱量を検知する(ステップS64)。続いて、制御部30は、ステップS64の検知結果に基づいて、ステップS15と同様に貯湯ユニット20の蓄熱量が第1の基準量に達しているか否かの判定を行う(ステップS65:第1基準量判定ステップ)。
【0102】
ステップS65の判定の結果、貯湯ユニット20の蓄熱量が第1の基準量に達していない場合、ステップS64に戻り、以降のステップを所定の時間間隔をもって繰り返す。
【0103】
一方、ステップS65の判定の結果、貯湯ユニット20の蓄熱量が第1の基準量に達している場合、制御部30は、ステップS16と同様に、貯湯ユニット20から温水利用設備Bへ温水を強制的に供給する(ステップS66:温水供給ステップ)。
【0104】
このとき、制御部30は、ステップS17と同様に、貯湯ユニット20から温水利用設備Bへの温水の供給が行われている旨を、リモコン40を介して施設Mの利用者に報知する(ステップS67:供給中報知ステップ)。
【0105】
続いて、制御部30は、ステップS18と同様にして、貯湯ユニット20の蓄熱量が第2の基準量を下回ったか否かの判定を行う(ステップS68:第2基準量判定ステップ)。
【0106】
ステップS68の判定の結果、貯湯ユニット20の蓄熱量が第2の基準量を下回った場合、制御部30は、ステップS19と同様にして、貯湯ユニット20から浴槽Bへの温水の供給を停止する(ステップS69:温水供給停止ステップ)。
【0107】
このとき、制御部30は、ステップS20と同様に、貯湯ユニット20から浴槽Bへの温水の供給を停止する旨を、リモコン40を介して施設Mの利用者に通知する(ステップS70:供給停止報知ステップ)。
【0108】
一方、ステップS68の判定の結果、貯湯ユニット20の蓄熱量が第2の基準量を下回っていない場合、制御部30は、所定の時間間隔をもってステップS68の判定を繰り返す。
【0109】
他方、ステップS62の判定の結果、施設Mの利用者が発電優先モードでの燃料電池システム1Bの運転を選択しなかった場合、制御部30は、上述のステップS64と同様にして貯湯ユニット20の貯湯槽の蓄熱量を検知し(ステップS71)、その検知結果に基づいて、上述のステップS65と同様に貯湯ユニット20の蓄熱量が第1の基準量に達しているか否かの判定を行う(ステップS72)。
【0110】
そして、制御部30は、貯湯ユニット20の蓄熱量が第1の基準量に達している場合には燃料電池システム1Bの運転を停止し(ステップS73)、貯湯ユニット20の蓄熱量が第1の基準量に達していない場合には所定の時間間隔をもってステップS71以降の処理を繰り返す。
【0111】
一方で、ステップS39で燃料電池システム1Bを起動した場合、ステップS45の判定の結果が電力系統Sからの電力の供給が再開されないことを示す結果であった場合、及び、ステップS51で燃料電池システム1Bを起動した場合には、燃料電池システム1Bは自立起動モードで運転されることとなる。
【0112】
この場合、燃料電池システム1Bの制御方法に係る処理は、図9のステップS81に移行する。そして、該ステップS81において、リモコン40が、ステップS11と同様に、燃料電池システム1Bを発電優先モードで運転するか否かの選択を施設Mの利用者から受け付け、その選択の結果を示す情報を制御部30へ送信する(ステップS81:選択受付ステップ)。
【0113】
続いて、制御部30は、ステップS62と同様に、リモコン40から送信される情報に基づいて、施設Mの利用者が発電優先モードでの燃料電池システム1Bの運転を選択したか否かの判定を行う(ステップS82)。
【0114】
そして、制御部30は、ステップS82の判定の結果の如何に依らず、燃料電池システム1Bの運転モードを発電優先モードに切り替えて(運転モード切替ステップ)、ステップS63と同様にして、温水利用設備Bの排水栓が閉止されていることの確認を施設Mの利用者に促すための情報を、リモコン40を介して施設Mの利用者に提供する(ステップS83)。
【0115】
続いて、制御部30は、ステップS64と同様にして貯湯ユニット20の蓄熱量を検知する(ステップS84)。続いて、制御部30は、ステップS84の検知結果に基づいて、ステップS65と同様に、貯湯ユニット20の蓄熱量が第1の基準量に達しているか否かの判定を行う(ステップS85:第1基準量判定ステップ)。
【0116】
ステップS85の判定の結果、貯湯ユニット20の蓄熱量が第1の基準量に達していない場合、ステップS84に戻り、以降のステップを所定の時間間隔をもって繰り返す。
【0117】
一方、ステップS85の判定の結果、貯湯ユニット20の蓄熱量が第1の基準量に達している場合、制御部30は、ステップS66と同様に、貯湯ユニット20から温水利用設備Bへ温水を強制的に供給する(ステップS86:温水供給ステップ)。
【0118】
このとき、制御部30は、ステップS67と同様に、貯湯ユニット20から温水利用設備Bへの温水の供給が行われている旨を、リモコン40を介して施設Mの利用者に報知する(ステップS87:供給中報知ステップ)。
【0119】
続いて、制御部30は、ステップS68と同様にして、貯湯ユニット20の蓄熱量が第2の基準量を下回ったか否かの判定を行う(ステップS88:第2基準量判定ステップ)。
【0120】
ステップS88の判定の結果、貯湯ユニット20の蓄熱量が第2の基準量を下回った場合、制御部30は、ステップS69と同様にして、貯湯ユニット20から温水利用設備Bへの温水の供給を停止する(ステップS89:温水供給停止ステップ)。
【0121】
このとき、制御部30は、ステップS70と同様に、貯湯ユニット20から温水利用設備Bへの温水の供給を停止する旨を、リモコン40を介して施設Mの利用者に通知する(ステップS90:供給停止報知ステップ)。
【0122】
一方、ステップS88の判定の結果、貯湯ユニット20の蓄熱量が第2の基準量を下回っていない場合、制御部30は、所定の時間間隔をもってステップS88の判定を繰り返す。
【0123】
以上説明したように、燃料電池システム1Bは、通常起動モードでの運転時には(即ち電力系統Sからの電力の供給がある場合には)、発電優先モードでの運転を行うか否かが選択される。これに対して、燃料電池システム1Bは、自立起動モードでの運転時には(即ち電力系統Sからの電力の供給がない場合には)、リモコン40が施設Mの利用者から受け付ける選択の如何に依らず、貯湯ユニット20の蓄熱量が第1の基準量に到達したときに温水利用設備Bへの温水を強制給湯する発電優先モードでの運転がなされる。
【0124】
上述したように、燃料電池システム1Bにあっては、自立起動モードで起動した場合には、施設Mの利用者の選択に依らず、発電優先モードでの運転がなされる。このため、自立起動モードであっても貯湯ユニット20がすぐに満蓄となることが避けられるので、運転を停止することなく発電を続けることができる。これにより、例えば地震等によって停電が発生した場合において、燃料電子システム1Bの頻繁な起動・停止を避けて運転を継続することが可能となる。その結果、蓄電池等の起動用電源の使用頻度を抑制することができ、ひいては、省エネルギー効果の低減を抑制することができる。
【0125】
なお、上述した燃料電池システム1Bの制御方法におけるステップS61及びステップS81の選択の受付は、図6及び図7に示される処理中のどのタイミングで行われてもよい。即ち、当該選択の受け付けは、ステップS31の前に予め行われていてもよいし、他のタイミングで行われてもよい。
【0126】
また、上述した燃料電池システム1Bの制御方法においては、制御部30が、ステップS66及びステップS86において貯湯ユニット20から温水利用設備Bへの温水の供給を開始するときに、リモコン40を介してその旨を施設Mの利用者に報知する供給開始報知ステップをさらに実行してもよい。
【0127】
また、上述した燃料電池システム1Bの制御方法においては、制御部30が、ステップS44及びステップS49で電力系統Sから燃料電池システム1Bを解列すると共に、ステップS83で燃料電池システム1Bの運転モードを発電優先モードに切り替えるとき、リモコン40を介してその旨を施設Mの利用者に報知する解列切替報知ステップをさらに実行してもよい。
【0128】
さらに、上述した燃料電池システム1Bの制御方法においては、制御部30が、ステップS46で燃料電池システム1Bの電力系統Sからの解列を解除するときに、その旨を施設Mの利用者に報知する解列解除ステップをさらに実行してもよい。
[第4実施形態]
【0129】
図10に示されるように、燃料電池システム1Cは、第3実施形態に係る燃料電池システム1Bに対して、ライン開閉手段Dをさらに備えると共に、原燃料ライン14に換えて原燃料ライン14cを備える点で異なっている。
【0130】
原燃料ライン14cは、所定の分岐点で分岐し、その分岐点よりも下流側で再び合流する第1のライン141及び第2のライン142を有している、第1のライン141には、都市ガスが流通する。また、第2のラインには、都市ガスよりも熱量の大きいLPGが流通する。
【0131】
第2のライン142には、第2のライン142を流通するLPGの流量を抑制するための流量抑制手段Nが設けられている。流量抑制手段Nは、ポンプ15より圧送されるLPGに対して圧損を生じさせるためのものであり、第2のライン142内に例えばキャピラリやオリフィスを設置することで構成される。
【0132】
ライン開閉手段は、例えば電磁弁等であり、第1のライン141と第2のライン142との分岐点に設けられている。このライン開閉手段Dは、制御部30の制御により、第1のライン141及び第2のライン142のうちの何れか一方を遮断すると共に、他方を開放する。
【0133】
このような燃料電池システム1Cの制御方法は、第3実施形態に係る燃料電池システム1Bの上記の制御方法の各処理に加えて、図11に示すライン切替処理をさらに備えている。
【0134】
このライン切替処理では、まず、制御部30は、燃料電池ユニット10に対しての都市ガスの供給が断たれているか否かを判定する(ステップS101)。都市ガスの供給が断たれているか否かの判定は、例えば圧力センサ(不図示)からの情報に基づいて行うことができる。
【0135】
ステップS101の判定の結果、都市ガスの供給が断たれていない場合、制御部30は、ライン開閉手段Dを制御して、第1のライン141を開放すると共に第2のライン142を遮断する(ステップS102)。これにより、原燃料として都市ガスが第1のライン141を介して脱硫装置13に供給されることとなる。
【0136】
一方、ステップS101の判定の結果、都市ガスの供給が断たれている場合、制御部30は、ライン開閉手段Dを制御して、第2のライン142を開放すると共に第1のライン141を遮断する(ステップS103)。これにより、原燃料としてLPGが第2のライン142を介して脱硫装置13に供給されることとなる。
【0137】
このようなライン切替処理は、例えば、ステップS31において感震器50が作動したと判定された直後に行われてもよいし、他のタイミングで行われてもよい。
【0138】
ここで、LPGは、都市ガスに比べて熱量が大きい。このため、都市ガスの供給が断たれた場合、都市ガスに比べて少ない量のLPGを脱硫装置13へ導入する必要がある。本実施形態に係る燃料電池システム1Cによれば、LPGを利用する場合には(即ち都市ガスの供給が断たれている場合には)、第1のライン141が遮断されて第2のライン142が開放される。このため、LPGの流量が第2のライン142に設けられた流量抑制手段Nにより抑制されることとなる。その結果、ポンプ15の圧送特性に依らずに、比較的少ない量のLPGを安定して脱硫装置13や改質装置11へ供給できる。
【0139】
上述した燃料電池システム1B及び燃料電池システム1Cにおいては、燃料電池システム1B,1Cの自立起動モードでの運転時において、制御部30が、施設Mにおいて所定の電力以上の電力消費が困難であることと、貯湯ユニット20の蓄熱量が第1の基準量に達したときに貯湯ユニット20から温水利用設備Bに温水を供給することとを、施設Mの利用者に確認させるための情報を、リモコン40を介して施設Mの利用者に提供することができる。この情報の提供は、その旨を示すメッセージをリモコン40の表示画面に表示させることにより行われてもよいし、当該メッセージを示す音声をリモコン40のスピーカから流すことにより行われてもよいし、所定の電子音や音楽をリモコン40のスピーカから流すことにより行われてもよい。
【0140】
また、上述した第1〜4実施形態に係る燃料電池システム1〜1Cによれば、貯湯ユニット20が満蓄により停止することが避けられるので、燃料電池システム1〜1Cの運転を停止することなく発電を続けることができる。その結果、燃料電池システム1〜1Cの起動時に必要なエネルギーを節約することができる。さらに、地震等によって停電が発生した場合において、発電を優先する場合においても特に有効に省エネルギー効果の低減が抑制される。また、貯湯ユニット20の温水を強制的に排出することにより、施設Mの利用者に温水の利用機会を与えると共に、ラジエータの起動機会を低減することができる。さらには、ラジエータを削除して燃料電池システム1〜1Cを小型化することもできる。
【0141】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した第1〜4実施形態に限定されるものではない。例えば、上述した各実施形態において、燃料電池としてPEFCを用いるとしたが、これに限らず、例えばSOFC(Solid Oxide Fuel Cells)を用いることもできる。
【0142】
また、脱硫装置13の脱硫触媒は、COSの脱硫能力を有するものとすることが好ましい。この場合、LPGの精製プロセスで残留するイオウ成分等を好適に脱硫できる。
【0143】
また、改質装置11は、プロパンやブタンの改質が可能な改質触媒を利用すると共に、改質器の温度分布をプロパンやブタンの改質に適したものとし、S/C[Steam/Carbon]を2.5以下に低減しないことが好ましい。この場合、プロパンやブタンを主成分とするLPGの改質を好適に行うことができる。
【0144】
また、貯湯ユニット20の温水は、施設Mの温水利用設備Bとして、例えば、浴槽やキッチンや洗面所等の貯湯容器に供給されてもよい。この場合、制御部30は、施設Mの浴槽やキッチンや洗面所等の貯湯容器に対して温水を供給する際に、施設Mの利用者に対して、浴槽やキッチンや洗面所等の蛇口の開栓を促すための情報を提供する。
【0145】
この情報の提供は、例えば、キッチンや洗面所の蛇口の開栓を促すためのメッセージをリモコン40の表示画面に表示させることにより行われてもよいし、当該メッセージを示す音声をリモコン40のスピーカから流すことにより行われてもよいし、所定の電子音や音楽をリモコン40のスピーカから流すことにより行われてもよい。
【0146】
また、第2〜4実施形態に係るリモコン40は、例えば、制御部30との間で無線通信可能な任意の多機能端末とすることができる。
【0147】
また、本発明は、燃料電池システムに限らず、貯湯槽を有するコージェネレーションシステム全般に適用することができる。
【0148】
さらには、図2,4,6,8,9,11における「開始」及び「終了」は、各図に示された一連の処理の開始及び終了をそれぞれ示すものであり、燃料電池システムの起動及び停止を示すものではない。
【符号の説明】
【0149】
1,1A,1B,1C…燃料電池システム、10…燃料電池ユニット、11…改質装置、12…燃料電池スタック、14,14c…原燃料ライン、15…ポンプ、141…第1のライン、142…第2のライン、20…貯湯ユニット、30…制御部、40…リモコンN…流量抑制手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の施設に電力及び水を供給するコージェネレーションシステムであって、
電力及び熱を発生させる発電ユニットと、
前記発電ユニットで発生した熱により温められた水を貯える貯湯ユニットと、
少なくとも前記貯湯ユニットを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記貯湯ユニットの蓄熱量が第1の基準量に達したときに、前記貯湯ユニットから前記所定の施設の温水利用設備に前記温められた水を供給すると共に、前記温められた水よりも低い温度の水を前記貯湯ユニットに供給する、ことを特徴とするコージェネレーションシステム。
【請求項2】
前記制御部は、前記貯湯ユニットの蓄熱量が前記第1の基準量よりも少ない第2の基準量を下回った時に、前記貯湯ユニットから前記温水利用設備への前記温められた水の供給を停止すると共に、前記貯湯ユニットへの前記温められた水よりも低い温度の水の供給を停止する、ことを特徴とする請求項1記載のコージェネレーションシステム。
【請求項3】
当該コージェネレーションシステムを発電優先モードで運転するか否かの選択を、前記所定の施設の利用者から受け付ける選択受付手段をさらに備え、
前記制御部は、当該コージェネレーションシステムを前記発電優先モードで運転するという選択を前記選択受付手段が受け付けた場合、前記貯湯ユニットの蓄熱量が前記第1の基準量に達したときに、前記貯湯ユニットから前記温水利用設備に前記温められた水を供給すると共に、前記温められた水よりも低い温度の水を前記貯湯ユニットに供給する、ことを特徴とする請求項1又は2記載のコージェネレーションシステム。
【請求項4】
前記制御部は、系統電力から当該コージェネレーションシステムへの電力の供給がない状態で当該コージェネレーションシステムを運転する場合には、選択受付手段が前記利用者から受け付けた選択の如何に依らず、当該コージェネレーションシステムの運転モードを前記発電優先モードに切り替える、ことを特徴とする請求項3記載のコージェネレーションシステム。
【請求項5】
前記制御部は、当該コージェネレーションシステムが系統電力から解列して前記発電優先モードに移行するときに、その旨を前記利用者に報知する、ことを特徴とする請求項3又は4に記載のコージェネレーションシステム。
【請求項6】
前記制御部は、当該コージェネレーションシステムの系統電力からの解列を解除するときに、その旨を前記所定の施設の利用者に報知する、ことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項記載のコージェネレーションシステム。
【請求項7】
前記第1の基準量は前記貯湯ユニットが満蓄となる蓄熱量である、ことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項記載のコージェネレーションシステム。
【請求項8】
前記制御部は、前記貯湯ユニットから前記温水利用設備への前記温められた水の供給を開始するときに、その旨を前記所定の施設の利用者に報知する、ことを特徴とする請求項1〜7の何れか一項記載のコージェネレーションシステム。
【請求項9】
前記制御部は、前記貯湯ユニットから前記温水利用設備に前記温められた水を供給しているときに、その旨を前記所定の施設の利用者に報知する、ことを特徴とする請求項1〜8の何れか一項記載のコージェネレーションシステム。
【請求項10】
前記制御部は、前記貯湯ユニットから前記温水利用設備への前記温められた水の供給を停止したときに、その旨を前記所定の施設の利用者に報知する、ことを特徴とする請求項1〜9の何れか一項記載のコージェネレーションシステム。
【請求項11】
前記制御部は、前記貯湯ユニットから前記温水利用設備としての貯湯容器に前記温められた水を供給する前に、前記貯湯容器の排水栓が閉止されていることの確認を前記所定の施設の利用者に促すための情報を前記利用者に提供する、ことを特徴とする請求項1〜10の何れか一項記載のコージェネレーションシステム。
【請求項12】
前記発電ユニットは、
原燃料及び水を用いて水素を含有する改質ガスを生成する改質装置と、
前記改質装置で生成された前記改質ガスを用いて発電を行う燃料電池と、
前記原燃料が流通する原燃料ラインと、
前記原燃料ラインを介して前記改質装置に前記原燃料を圧送するポンプと、を備え、
前記原燃料ラインは、第1の原燃料が前記原燃料として流通する第1のラインと、前記第1の原燃料よりも熱量の大きい第2の原燃料が前記原燃料として流通する第2のラインと、を有し、
前記第2のラインには、前記第2の原燃料の流量を抑制するための流量抑制手段が設けられている、ことを特徴とする請求項1〜11の何れか一項記載のコージェネレーションシステム。
【請求項13】
電力及び熱を発生させる発電ユニットと、前記発電ユニットで発生した熱により温められた水を貯える貯湯ユニットと、を備え、所定の施設に前記電力及び前記温められた水を供給するコージェネレーションシステムの制御方法であって、
前記貯湯ユニットの蓄熱量が第1の基準量に達しているか否かを判定する第1基準量判定ステップと、
前記第1基準量判定ステップにおいて前記貯湯ユニットの蓄熱量が前記第1の基準量に達したと判定した場合、前記貯湯ユニットから前記所定の施設の温水利用設備に前記温められた水を供給すると共に、前記温められた水よりも低い温度の水を前記貯湯ユニットに供給する温水供給ステップと、を含むことを特徴とするコージェネレーションシステムの制御方法。
【請求項14】
前記温水供給ステップの後において、前記貯湯ユニットの蓄熱量が前記第1の基準量よりも少ない第2の基準量を下回ったか否かを判定する第2基準量判定ステップと、
前記第2基準量判定ステップにおいて前記貯湯ユニットの蓄熱量が前記第2の基準量を下回ったと判定した場合、前記貯湯ユニットから前記温水利用設備への前記温められた水の供給を停止すると共に、前記貯湯ユニットへの前記温められた水よりも低い温度の水の供給を停止する温水供給停止ステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項13記載のコージェネレーションシステムの制御方法。
【請求項15】
当該コージェネレーションシステムを発電優先モードで運転するか否かの選択を、前記所定の施設の利用者から受け付ける選択受付ステップをさらに含み、
前記選択受付ステップにおいて、当該コージェネレーションシステムを前記発電優先モードで運転するという選択を前記利用者から受け付けた場合に、少なくとも前記第1基準量判定ステップと前記温水供給ステップとを実行する、ことを特徴とする請求項13又は14記載のコージェネレーションシステムの制御方法。
【請求項16】
系統電力から当該コージェネレーションシステムへの電力供給の有無を判定する電力供給判定ステップと、
前記電力供給判定ステップにおいて、系統電力から当該コージェネレーションシステムへの電力供給が無いと判定した場合、当該コージェネレーションシステムを系統電力からから解列する系統解列ステップと、
前記電力供給判定ステップにおいて、系統電力から当該コージェネレーションシステムへの電力供給が無いと判定した場合、前記選択受付ステップにおいて前記利用者から受け付けた選択の如何に依らず、当該コージェネレーションシステムの運転モードを前記発電優先モードに切り替える運転モード切替ステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項15に記載のコージェネレーションシステムの制御方法。
【請求項17】
前記系統解列ステップにおいて系統電力から当該コージェネレーションシステムを解列すると共に、前記運転モード切替ステップにおいて当該コージェネレーションシステムの運転モードを前記発電優先モードに切り替えるとき、その旨を前記利用者に報知する解列切替報知ステップをさらに含むことを特徴とする請求項16に記載のコージェネレーションシステムの制御方法。
【請求項18】
前記系統解列ステップの後において、系統電力からの当該コージェネレーションシステムの解列を解除するときに、その旨を前記利用者に報知する解列解除報知ステップをさらに含むことを特徴とする請求項16又は17に記載のコージェネレーションシステムの制御方法。
【請求項19】
前記温水供給ステップにおいて前記温水利用設備への前記温められた水の供給を開始するときに、その旨を前記所定の施設の利用者に報知する供給開始報知ステップをさらに含むことを特徴とする請求項13〜18の何れか一項記載のコージェネレーションシステムの制御方法。
【請求項20】
前記温水供給ステップにおいて前記温水利用設備に前記温められた水を供給しているときに、その旨を前記所定の施設の利用者に報知する供給中報知ステップをさらに含むことを特徴とする請求項13〜19の何れか一項記載のコージェネレーションシステムの制御方法。
【請求項21】
前記温水供給停止ステップにおいて前記温水利用設備への前記温められた水の供給を停止したときに、その旨を前記所定の施設の利用者に報知する供給停止報知ステップをさらに含むことを特徴とする請求項14記載のコージェネレーションシステムの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−189228(P2012−189228A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−50438(P2011−50438)
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【出願人】(308013252)株式会社ENEOSセルテック (67)
【Fターム(参考)】