説明

コーティングシステム用スライド弁およびコーティングシステム

【課題】コーティングシステムにおいて、できるだけ簡単なデザインで、圧力差が極めて高い場合に、二つの区間の間の確実な封止が可能になるスライド弁。
【解決手段】閉鎖部材22が作業位置内に移動する際に、閉鎖部材22にかかる作動力により、ハウジング壁24の開口部25を取囲む封止面26に圧力がかかり、この圧力が作動力のレベルに依存している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特許請求項1の上位概念によるスライド弁および特許請求項17の上位概念によるコーティングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
このタイプの弁は真空中でプラスチックまたは硝子板、プラスチック箔、磁気テープまたは磁気フィルム等のような層状の基体をコーティングするのに使用される連続コーティングシステムによく取付けられている。このような連続コーティング機械は様々な目的に使用される区間に分割されていることが多い。区間は基体の搬送方向で連続して配置されており、かつ基体がそこを通って一区間から次の区間へと案内される開口部を経由して互いに接続している。
【0003】
例えばスパッタカソードを交換するために、あるいは真空あるいは作業空気が隣接した区間内で保守されるべき場合、他の保守作業を行うために区間を換気するのが必要である。
【0004】
この理由で、スイッチ切換え可能な仕切り弁は個々の区間の間に設けられている。このようにして、区間が換気された後再度放出された量は、個々の区間だけが換気され、他の区間がいつも真空状態のままであると、かなり減少する。しかしながら、当然であるが必要な場合システム全体を換気することも可能である。
【0005】
したがって、これらの弁は、空気圧と真空の間の差圧を封止しなければならないにもかかわらず、前後にたえず切換える必要はなく、負荷が変わる場合かあるいは他のシステムの停止時間に作動するだけである。
【0006】
特許文献1は、二つの真空室の間に設けられた二つの連続した開口部を同時に開閉するための扁平仕切り弁を開示しており、前記真空室の開口部は互いに整列されており、真空室の高さは低く、幅は広い。仕切り弁はガラスの大型板をコーティングするための連続システムのために設計されている。
【0007】
仕切り弁は相対する二つの弁板と開口部を閉鎖するためのスライド板を有する。スライド板は第一作動駆動機構により、開口部が自由である停止位置と作業位置の間で、並進運動様式で前後にスイッチで切替わることができる構造ユニットを形成する。作業位置において、スライド板は開口部の間にあり、かつ開口部に完全にオーバーラップする。
【0008】
停止位置で互いに対して弾性的に押圧され、かつ第一に作業位置においてさえも堅く開口部を閉鎖しない二つのスライド板の間で、別の短ストローク流体(空力)閉鎖駆動機構−スライド弁がその作業位置にもたらされた後、加圧されかつ二つのスライド板を引き離す−は、スライド板が開口部を取囲み、開口部の各々に割当てられた封止面に同時に当接し、従って開口部を堅く閉鎖するまで閉鎖位置に配置されている。閉鎖駆動機構の反作用力は相対する弁板を経由して取除かれる。
【0009】
このスライド弁を開放するために、作動駆動機構の与圧は止められ、さらにスライド板上で復元効果を有する弾性力を維持するために逆方向に作動駆動機構に真空をかけることも可能である。この公知のスライド弁において、弾性封止リングはスライド板の溝内に挿入されている。
【0010】
特許文献2は原理的に上記記載のスライド弁に極めて似ており、かつ円形で連続した二つの開口部を開閉するために設けられた別のスライド弁を開示している。可撓な封止リングの代わりに、柔らかい金属支持体の様式の弁座は開口部の縁部に設けられており、この弁座にはスライド板上に配置された軟金属でできた封止リングが対応している。
【0011】
二つの解決手段において、スライド板の流体閉鎖駆動機構と従ってその供給導管は停止位置と作業位置の間の切換えの際に前後に移動する必要もある。したがって可動なスライド部品は相対的に複雑でありかつ費用がかかる。
【0012】
特許文献3には、簡単な板の様式の弁ディスクを備えた別の類似のスライド弁が記載されており、弁ディスクは停止位置から作業位置に切換えることができる。この文献には弁座に抗した弁ディスクの封止圧力か、あるいは使用される封止部の設計に関しては何も記載されていない。さらに、このスライド弁は、弁座がスライド板の一方の側にしか設けられていないので、効果方向を一方向しか有していない。
【0013】
スライド弁は特許文献4から知られており、この中でハウジング内に設けられた単純な板は好ましくは電力で動く作動駆動機構により、閉鎖されるべき開口部の正面で停止位置から作業位置へもたらされる。開口部を閉鎖するために、板はハウジング壁に向かって押され、このハウジング壁上で対応する封止面はハウジングに取付けられた閉鎖駆動機構により位置決めされている。このスライド弁の閉鎖運動とそのスライド板は、好ましくはスライド板の停止位置と作業位置の間での作動に対して直角に角度をなしている。
【0014】
一実施例において、スライド弁は二つの異なる閉鎖位置をとるように、二つの閉鎖駆動機構及び二つの封止面と鏡対称に組立てられている。このようにして、上昇する圧力差の方向に依存して、スライド弁は常に一方の側の大きな圧力が封止効果をさらに増幅するようにスライド板を介して選択的に閉鎖することができる。
【特許文献1】独国特許出願公開第19857201号明細書
【特許文献2】米国特許第4,157,169号明細書
【特許文献3】独国特許第4446946号明細書
【特許文献4】独国実用新案登録第202004005217号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
この従来技術に基づいて、本発明の課題の一つは、できるだけ簡単なデザインで、圧力差が極めて高い場合に、二つの区間の間の確実な封止が可能になるスライド弁を提示することである。本発明の別の課題は、隣接した区間の間の信頼性のある封止が簡単な方法で達せられる区間に細分されたコーティングシステムを提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この課題は、特許請求項1の特徴を備えたスライド弁による発明によっても、請求項17の特徴を備えたコーティングシステムによる発明によっても達せられる。従属請求項の特徴は本発明の他の有利な実施形態を示す。
【0017】
本発明によるスライド弁はハウジング壁で形成されたハウジングを有しており、開口部と開口部を取囲んでいる封止面は二つの相対するハウジング壁に設けられており、開口部はハウジングを貫通する通路を形成している。さらに二つの封止面を備えた少なくとも一つの閉鎖部材が設けられており、この閉鎖部材は、開口部(25)を開放する停止位置と開口部に完全にオーバーラップする作動位置の間のハウジング内の通路に対して斜に、前後に可動に案内されている。本発明によるスライド弁は、閉鎖部材が作業位置内に移動する際、閉鎖部材(22)に作用する作動力が、ハウジング壁の開口部を取囲んでいる封止面に圧力をかけ、その圧力が作用力のレベルに依存することを特徴とする。
【0018】
創意に富んだ解決手段の大きな長所は、例えば操作駆動機構を使用している従来技術から知られるように、閉鎖部材を停止位置から作業位置まで持って来ることにより、かつ閉鎖部材に閉鎖部材の運動方向で作用する作動力をかけることにより隣接した処理領域の信頼性のある分離が簡単に達せられる。ここでは付加的な手段にとって、閉鎖部材の運動方向に対して斜に作用する力を生じさせる必要は全く無い(従来技術の閉鎖駆動機構を使用することにより達せられる)。これによりスライド弁は公知のスライド弁の設計に比べてコストが下がり、かつ単純になる。従ってこれにより故障はしづらくなる。
【0019】
様々な実施例が本発明によるスライド弁に適している。少なくとも一つのこの力の成分が閉鎖部材の動作方向に対して斜に作用するように、閉鎖部材の動作方向に作用する力を転換するレバー機構を設けることが可能である。
【0020】
特に洗練されていて、単純でかつ費用がかからない本発明の実施例において、少なくとも一つの閉鎖部材の封止面と同様に、閉鎖部材の動作方向で傾斜すべきハウジングの開口部の対応する封止面も備えている。この設計により、閉鎖部材の動作方向で作用する作動力は、二つの成分に分離される。この成分の一つは開口部を取囲んでいる封止面に圧力をかける。同時に、閉鎖部材の二つの封止面が互いに平行に走っていないと、かつ閉鎖部材の二つの封止面が互いに平行に走っていない限り、封止効果が両側にもたらされる。
【0021】
この実施例において、閉鎖部材の二つの封止面とハウジング壁の一方が閉鎖部材の動作方向に傾斜していると実質的に十分である。従って所望の効果を達成するために、閉鎖部材の他の封止面とハウジング壁は、閉鎖部材の動作方向に対して平行に動くことができる。しかしながら閉鎖部材の楔形状により両側における安全な封止が確実に行われる。たとえそうであっても、閉鎖部材の側方の位置合わせは傾斜した封止面上で滑動するために可能な状態を維持したままである。
【0022】
従って他の有利な実施例において、閉鎖部材の封止面と、ハウジングの両開口部の封止面は、閉鎖部材の動作方向に傾斜している。この過程において、閉鎖部材の封止面とハウジングの両開口部の封止面はどちらも閉鎖部材の動作方向と同じ傾斜角度を形成するのが好ましい。
【0023】
閉鎖部材の横断面は二等辺三角形かまたは台形の形状を有しているのが好ましい。傾斜角度を選択する場合、傾斜角度がかなり小さいと閉鎖部材は動かなくなり、それによりスライド弁が開くのが難しくなることは覚えておかねばならない。比較すると、封止に必要とされる力は傾斜角度が大きくなるにつれて増す。必要であり、このように上記に述べた潜在的な対立を解決する場合、当業者は簡単な実験により適切な傾斜角度を容易に計算することができる。
【0024】
封止効果を改善するために、封止材が閉鎖部材の少なくとも一つの封止面および/または開口部を取囲んでいる少なくとも封止面に設けられている。この封止材は溝の中に挿入されたマスチック封止細片であるのが好ましい。
【0025】
閉鎖部材が、傾斜した封止面上で滑動するために閉鎖位置で動かなくなるのを防ぐために、閉鎖部材を振動させながら懸架すると、滑動により生じる横方向の位置関係の調整ズレを補償することができる。閉鎖部材とハウジング面の対応する封止面が一方の側の閉鎖部材動作方向に傾斜しているだけである場合以外でも、このことは特に有効である。
【0026】
スライド弁を例えばコーティングシステムの作動制御ユニット内に組入れるために、本発明によるスライド弁は、停止位置と作業位置の間で閉鎖部材を運動させるための少なくとも一つの閉鎖駆動機構を別に備えていてもよい。閉鎖駆動機構は電動モーターおよび/またはスピンドル駆動機構および/または空力のシリンダおよび/または他の固有の公知の駆動部材を備えていると有利である。
【0027】
良好な封止効果を得るために、開口部を取囲んでいる封止面の表面粗さと位置精度は、高い要求に見合わねばならない。この理由で、かつ材料を節約するために、本発明の一実施例においては、開口部と封止面を囲んでいるハウジング壁の領域はハウジングと着脱可能に接続できる独立した区画室として設計されている。ハウジング壁と区画室の着脱可能な接続はネジを使用して行うと有利である。
【0028】
本発明の他の実施例によれば、開口部を含むハウジング壁は他の構成部品を着脱可能に固定するための取付け手段を有する。この取付け手段は例えばネジであってもよい。独立した構成部材としての開口部を含むハウジング壁の領域の実施例に関連して、追加の構成部品を取付けるために、独立した構成部品をハウジング壁と着脱可能に接続するネジを同時に使用することが可能である。追加の構成部品の例とはカバーのような、コーティングシステムの追加構成部品を支持するためのパネルあるいはコンソールを含んでいる。
【0029】
少なくとも二つの隣接した区間を備え、この区間が開閉弁により真空気密な様式で互いに分離することができる、真空で基体をコーティングするための本発明によるコーティングシステムは、開閉弁が上記記載の特徴を備えた発明によるスライド弁であり、かつ区間の間でスライド弁のハウジング内の開口部により形成された通路により基体がスライド弁のハウジングを通って搬送できるように配置されていることを特徴とする。
【0030】
本発明の一実施例において、スライド弁のハウジングはコーティングシステムのハウジングに着脱不能に接続されており、かつ閉鎖部材がコーティングシステムを開放することなく分離できるように外気に通じる開口部を有する。ハウジングはコーティングシステムのハウジングの逆転体を形成する。設けられた閉鎖部材と閉鎖駆動機構は、コーティングシステムそれ自体を開放する必要も無く入れ換え可能であるかまたは保持可能である。
スライド弁のハウジングがコーティングシステムの2つの区間の間に配置された隔離壁の構成部材であると有利である。
【0031】
本発明の別の実施例によれば、スライド弁のハウジングは、スライド弁がコーティングシステムから完全に除去できるようにコーティングシステムのハウジングに着脱可能に接続している。この実施例により、別の基体サイズが処理されることになっても、スライド弁を全部そっくり、例えば大きな開口部または小さい開口部を備えたスライド弁と交換することができる。
【0032】
さらに、本発明によるコーティングシステムにおいて、カバーはコーティングシステムの隔離壁と少なくとも一つの区間内のスライド弁のハウジング壁の間の基体の搬送方向に延在してもよい。これにより、閉鎖したライニング区間は高いガス分離値(a high gas separation value)が達成できるように形成することができ、かつ隣接した区間へのポンプアクセス条件が規定される。
【0033】
さらにコンソールは開口部を含むスライド弁の少なくとも一つのハウジング壁に設けられている。このコンソールを使用すると、スライド弁のハウジング壁の両側のカバーを支持することができる。
【0034】
代替案としてかまたは付加的案として、パネルは開口部を含むスライド弁の少なくとも一つのハウジング壁に設けられている。このようなパネルはコーティングシステムの構成部材が誤ってコーティングされたり酸に冒されるのを防ぐために頻繁に使用されている。
【0035】
さらに本発明によるコーティングシステムにおいて、コーティングシステムを通って基体を搬送するための搬送装置は搬送平面内に設けられており、スライド弁はスライド弁のハウジングの開口部により規定された通路が搬送平面内に設置されているように設けられている。このようにして、搬送装置上に配置された基体は、スライド弁が開放している場合、スライド弁の通路を通って搬送される。従ってスライド弁が閉鎖していると、隣接した区間は真空により互いに隔てられる。例えば搬送装置は基体が置かれる複数のローラを備えていてもよく、スライド弁は第一区間の最終ローラと第二区間の第一ローラの間に配置されていてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明は実施例と関連した図面を基にして以下に詳しく述べてある。
【実施例】
【0037】
図1はコーティングシステム(1)の隣接した区間(11)の縦断面図を示しており、このコーティングシステムは真空で基体(15)をコーティングするための区間(11)を幾つか備えている。区間(11)は、この区間の間に設けられた開閉弁(2)を用いた
真空気密な様式で互いに分離されていてもよい。開閉弁(2)はスライド弁であり、その特徴を以下に詳しく説明する。スライド弁は区間(11)の間において、スライド弁(12)のハウジング内の開口部(25)により形成された通路により基体(15)がスライド弁(2)のハウジングを通って搬送できるように配設されている。
【0038】
スライド弁(2)のハウジングはコーティングシステム(1)のハウジングと非着脱可能に接続しており、かつ閉鎖部材(22)がコーティングシステム(1)を開放することなく移動できるように外気への開口部(21)を有する。スライド弁(2)のハウジングはコーティングシステム(1)の二つの区間の間に設けられた隔離壁(12)の構成部材である。
【0039】
図2に示したスライド弁(2)はハウジング壁(24)から形成されたハウジングで構成されている。二つの相対するハウジング壁(24)の各々には、開口部(25)と開口部(25)を取囲む封止面(26)が設けられている。開口部(25)はハウジングを通る通路を形成している。二つの封止面(23)を備えた閉鎖部材(22)はハウジング内に設けられている。閉鎖部材(22)はハウジング内において、開口部(25)を解放する停止位置と開口部(25)に完全にオーバーラップする作動位置の間の通路に対して斜に、前後に移動できるように案内されている。
【0040】
閉鎖部材(22)に作用する作動力は、閉鎖部材(22)が移動方向で作業位置内に移動する際、ハウジング壁(24)の開口部(25)を取囲んでいる封止面(26)に圧力をかける。その圧力は作動力のレベルに依存する。このことは閉鎖部材(22)の封止面(23)と、ハウジングの両開口部(25)の封止面(26)とが、閉鎖部材(22)の移動方向で傾斜しているので達成される。閉鎖部材(22)の封止面(23)と、ハウジングの両開口部(25)の対応する封止面(26)は両方とも、閉鎖部材(22)の移動方向でもって同じ傾斜角度部を形成する。閉鎖部材(22)をハウジングの封止面(26)間で閉塞させることなく適度な力をかけることにより確実な封止が達せられるように、傾斜角度は0°〜90°の範囲から選択される。
【0041】
搬送平面(14)内でコーティングシステム(1)を通る基体(15)を搬送するための搬送装置は各区間(11)に設けられている。搬送装置は基体(15)が配置される幾つかのローラを備えている。ローラ(13)の最上部は搬送平面(14)を規定する。
スライド弁(2)のハウジングの開口部(25)により規定された通路が、搬送平面(14)内に設けられるように、スライド弁(2)は、第一区間(11)の最終ローラ(13)と第二区間(11)の第一ローラ(13)の間に配設されている。
【0042】
開口部(25)と開口部(25)を取囲んでいる封止面(26)を含む二つのハウジング壁(24)の領域は、ハウジングに着脱可能に接続できる独立した構成部材(28)として設計されており、着脱可能な接続はネジ(29)により行われている。ネジ(29)は同時に、スライド弁(2)のハウジング壁(24)の各々にパネル(33)を着脱可能に固定するために使用される。
【0043】
コーティングシステム(1)の隔離壁(12)とスライド弁(2)のハウジング壁(24)の間の基体(15)の搬送方向に延在するカバー(32)は、コーティングシステム(1)の図示した二つの区間(11)の各々に設けられている。さらにスライド弁(2)の両側では、ネジ(29)を用いてスライド弁(2)のハウジング壁(24)に着脱可能に固定されているコンソール(31)にカバー(32)が取付けられている。
【0044】
スライド弁(2)のハウジングの開口部(25)を取囲む二つの封止面(26)は、各々付加的封止材(27)を備え、この封止材は実施例においては溝内に挿入されたマスチック封止細片である。
【0045】
スライド弁(2)を作動させるために、閉鎖部材(22)と互いに作用しあう閉鎖駆動機構(30)は、停止位置と作業位置の間の閉鎖部材(22)を動かすために、コーティングシステム(1)の外部に設けられており、前記閉鎖駆動機構(30)は電動モーターとスピンドル駆動機構を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明によるスライド弁を備えた、本発明によるコーティングシステムの縦断面図である。
【図2】図1によるスライド弁の詳細拡大図である。
【符号の説明】
【0047】
1 コーティングシステム
2 スライド弁
11 区間
12 隔離壁
13 ローラ
14 搬送平面
15 基体
21 外気に通じる開口部
22 閉鎖部材
23 封止面
24 ハウジング壁
25 開口部
26 封止面
27 封止材
28 独立した構成部材
29 ネジ
30 閉鎖駆動機構
31 コンソール
32 カバー
33 パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特にコーティングシステム(1)の連続した区間(11)を真空気密に分離するためのスライド弁(2)であって、スライド弁がハウジング壁(24)から形成されたハウジングと少なくとも一つの閉鎖部材(22)とを備えており、前記ハウジング壁が開口部(25)と開口部(25)を取囲む封止面(26)を備え、この開口部と封止面は相対する2つのハウジング壁(24)の各々に設けられており、開口部(25)がハウジングを通る通路を形成しており、前記閉鎖部材が二つの封止面を有しており、かつ開口部(25)を開放する停止位置と開口部(25)に完全にオーバーラップする作業位置の間のハウジング内の通路に対してはすに、可動な様式で前後に案内されているスライド弁において、閉鎖部材(22)が作業位置内に移動する際に、閉鎖部材(22)にかかる作動力により、ハウジング壁(24)の開口部(25)を取囲む封止面(26)に圧力がかかり、この圧力が作動力のレベルに依存していることを特徴とするスライド弁。
【請求項2】
閉鎖部材(22)の少なくとも一つの封止面(23)と同じくハウジングの開口部の対応する封止面(26)も閉鎖部材(22)の移動方向で傾斜していることを特徴とする請求項1記載のスライド弁(2)。
【請求項3】
閉鎖部材(22)の封止面(23)とハウジングの両開口部(25)の封止面(26)が両方とも、閉鎖部材(22)の移動方向で傾斜していることを特徴とする請求項1または2に記載のスライド弁(2)。
【請求項4】
閉鎖部材(22)の封止面(23)とハウジングの両開口部(25)の封止面(26)が両方とも、閉鎖部材(22)の移動方向と同じ傾斜角度を形成していることを特徴とする請求項3記載のスライド弁(2)。
【請求項5】
付加的な封止材(27)が閉鎖部材(22)の少なくとも一つの封止面(23)内に設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のスライド弁(2)。
【請求項6】
付加的な封止材(27)がハウジングの開口部(25)の少なくとも一つの封止面(26)内に設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のスライド弁(2)。
【請求項7】
封止材(27)が溝内に挿入されたマスチック封止片であることを特徴とする請求項5または6に記載のスライド弁。
【請求項8】
閉鎖部材(22)が横方向の位置関係を補償するために振動させながら懸架されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載のスライド弁(2)。
【請求項9】
少なくとも一つの閉鎖駆動機構(30)が停止位置と作業位置の間で閉鎖部材(22)を移動させるために付加的に設けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載のスライド弁(2)。
【請求項10】
閉鎖駆動機構(30)が電動モータを備えていることを特徴とする請求項9記載のスライド弁(2)。
【請求項11】
閉鎖駆動機構(30)がスピンドル駆動機構を備えていることを特徴とする請求項9または10に記載のスライド弁(2)。
【請求項12】
閉鎖駆動機構(30)が空力シリンダを備えていることを特徴とする請求項9記載のスライド弁(2)。
【請求項13】
開口部(25)と開口部(25)を囲んでいる封止面(26)を含んでいるハウジング壁(24)の領域は、ハウジングと着脱可能に接続できる独立した区画室(28)として設計されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一つに記載のスライド弁(2)。
【請求項14】
独立した区画室(28)がネジ(29)によりハウジングに接続していることを特徴とする請求項13記載のスライド弁(2)。
【請求項15】
開口部(25)を含むハウジング壁(24)が他の構成部品を取外し可能に固定するための取付け手段(29)を有することを特徴とする請求項1〜14のいずれか一つに記載のスライド弁(2)。
【請求項16】
ネジ(29)が取付け手段であることを特徴とする請求項15記載のスライド弁(2)。
【請求項17】
真空中で基体(15)をコーティングするためのコーティングシステム(1)であって、少なくとも二つの隣接した区間(11)を備え、この二つの隣接した区間が開閉弁(2)を用いることによる真空気密な様式で互いに分離されているコーティングシステムにおいて、開閉弁が請求項1〜12の一つによるスライド弁(2)であり、かつスライド弁(2)のハウジング内の開口部(25)により形成された通路により基体(15)がスライド弁(2)のハウジングを通って搬送できるように構成されていることを特徴とするコーティングシステム。
【請求項18】
スライド弁(2)のハウジングが、コーティングシステム(1)のハウジングに着脱不能に接続されており、かつ閉鎖部材(22)がコーティングシステム(1)を開放することなく除去できるように外気に通じる開口部を有していることを特徴とする請求項17記載のコーティングシステム(1)。
【請求項19】
スライド弁(2)のハウジングが、コーティングシステム(1)の二つの区間(11)の間に配置された隔離壁(12)の構成部材であることを特徴とする請求項18記載のコーティングシステム(1)。
【請求項20】
スライド弁(2)のハウジングが、スライド弁(2)がコーティングシステム(1)から完全に除去できるようにコーティングシステム(1)の着脱可能に接続していることを特徴とする請求項17記載のコーティングシステム(1)。
【請求項21】
コーティングシステム(1)の隔離壁(12)とスライド弁(2)のハウジング(24)の間の基体(15)の搬送方向に延びているカバー(32)が、コーティングシステム(1)の少なくとも一つの区間(11)内に設けられていることを特徴とする請求項17〜20のいずれか一つに記載のコーティングシステム(1)。
【請求項22】
コンソール(31)がスライド弁(2)の少なくとも一つのハウジング壁(24)上に設けられており、このハウジング壁が開口部を含んでいることを特徴とする請求項17〜21のいずれか一つに記載のコーティングシステム(1)。
【請求項23】
カバー(32)がコンソール(31)上のスライド弁(2)のハウジング壁(24)の両側に載置されていることを特徴とする請求項21または22に記載のコーティングシステム(1)。
【請求項24】
パネル(33)がスライド弁(2)の少なくとも一つのハウジング壁(24)上に設けられており、このハウジング壁が開口部を含んでいることを特徴とする請求項17〜23のいずれか一つに記載のコーティングシステム(1)。
【請求項25】
搬送装置(13)が搬送平面内でコーティングシステム(1)を通る基体(15)を搬送するために付加的に設けられており、スライド弁(2)のハウジングの開口部(25)により規定された通路が搬送平面(14)内に設置されているようにスライド弁(2)が配置されていることを特徴とする請求項17〜24のいずれか一つに記載のコーティングシステム(1)。
【請求項26】
搬送装置が複数のローラ(13)を備えており、スライド弁(2)が第一区間の最終ローラ(13)と第二区間の第一ローラ(13)の間に配置されていることを特徴とする請求項25記載のコーティングシステム(1)。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−263361(P2007−263361A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−39207(P2007−39207)
【出願日】平成19年2月20日(2007.2.20)
【出願人】(595160477)フオン・アルデンネ・アンラーゲンテヒニク・ゲゼルシヤフト・ミト・ベシユレンクテル・ハフツング (16)
【Fターム(参考)】