説明

コーティング用組成物及びこれを用いた粘着フィルム

【課題】 本発明は、透明性、耐候性、防汚性及び耐擦傷性に優れ且つ磨耗後も防汚性能が持続可能な被膜を形成することができるコーティング用組成物を提供する。
【解決手段】 本発明のコーティング用組成物は、所定の構造単位を有するポリオルガノシロキサンと、光ラジカル重合性化合物と、光ラジカル重合開始剤とを含むので、このコーティング用組成物を硬化させて得られる被膜は、優れた透明性、耐候性、防汚性、耐擦傷性及び防汚性を有し、屋内外を問わず種々の環境下において用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーティング用組成物及びこれを用いた粘着フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、広告看板用途でデジタルプリント(DTP)によるオンデマンドでの印刷広告が増加している。DTPの利点は、小ロット、多品種、短納期への対応が可能な点と、自由度の高い広告表示が可能であり、広告効果が高いことが挙げられる。
【0003】
このような広告看板は、基材上に文字や図柄をインクジェット印刷や昇華転写印刷などの印刷方法を用いて印刷することによって得られる。得られた広告看板は、その印刷層が耐候劣化によって変色し、或いは、傷付くのを防止するために、印刷層をオーバーラミネートフィルム(ラミフィルム)によって被覆されている。特に屋外広告においては、紫外線、熱、風雨、埃に曝されることから、広告看板の印刷層のラミネートフィルムによる保護は必須である。
【0004】
そして、ラミネートフィルムは、上述した厳しい環境下においても変質することなく、ラミネートフィルムを透して見える印刷層が美麗に視認されることが必要である。この問題を解決する方法として、ラミネートフィルムの最外層にコーティング層を設ける方法が考えられる。
【0005】
コーティング層は、印刷層が美麗に視認されることが必要であることから、透明性、耐光性、耐候性、防汚性及び耐擦傷性が強く求められている。一般的に、透明性、耐光性、耐候性及び防汚性を満たすコーティング層の材料としては、フッ素系やSi系のコーティング材料による撥水撥油膜や光触媒を含むコーティング材料による親水化膜が知られている。
【0006】
親水化膜は、光と水によるセルフクリーニングが前提であり、セルフクリーニングが作用する条件にない場合はその効果が得られにくい。又、洗浄効果の向上が目的であり、コーティング層上への汚染物質の付着量がその洗浄効果を上回った場合にのみ、防汚性能が得られる。これに対して、撥水撥油膜は、親水性又は親油性の汚染物質の何れに対しても塗膜への付着性を低減することが出来る。
【0007】
フッ素系のコーティング材料としては、フッ素原子を含む樹脂を用いたものが知られている。しかしながら、このようなフッ素系のコーティング層は、耐擦傷に乏しく、乾拭きであっても、複数回繰り返すと傷がついて透明性が低下し、或いは、コーティング層が剥離してしまい、防汚性が損なわれ、要求を十分に満足するとはいい難かった。
【0008】
Si系の防汚層としては、例えば特許文献1には、オルガノシランの加水分解物及び/又は縮合物と、シリル基含有フッ素系重合体とを含むフィルム用コーティング組成物が開示されている。
【0009】
しかしながら、上記コーティング組成物を作成するためには何段階もの反応を経る必要があり、簡便な方法とは言い難い。又、シリル基含有フッ素系重合体とオルガノシラン物との共縮合反応による分子間結合生成の際に、フッ素系重合体の立体障害により十分な結合生成が行われず、湿潤/乾拭きにより表面のフッ素系重合体が剥離し、防汚性能が低下する虞があった。
【0010】
又、特許文献2には、アルコキシ基含有オルガノポリシロキサンと、不飽和結合を有しない炭化水素基を有するアルコキシシランと、脂肪族不飽和結合を有するアルコキシシランと、の3成分を当量の半分以下の水を用いて縮合させた加水分解縮合物Aと、多官能アクリレートBとを含有する高エネルギー線硬化性組成物が開示されている。このような組成物は、眼鏡レンズや自動車ヘッドランプ用カバーのような透明ガラスの代替用途に好適であると記載されている。
【0011】
しかしながら、A成分作成時の共縮合反応時に加える水の量が少なく嵩高い置換基を有するアルコキシシランの加水分解による縮合反応が遅いため、結果としてオルガノポリシロキサンの重合が先行して共重合体が得られにくく、膜表面に遊離した撥水撥油性のアルコキシシラン成分が、湿潤/乾拭き後に剥離して防汚性能が低下する虞れがあった。又、、上述した理由によってB成分とA成分の複合化が十分になされず、耐水性及び耐アルカリ性が損なわれるといった問題点があった。
【0012】
【特許文献1】特開2000−328001号公報
【特許文献2】特開2002−012638号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、透明性、耐候性、防汚性及び耐擦傷性に優れ且つ磨耗後も防汚性能が持続可能な被膜を形成することができるコーティング用組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明のコーティング用組成物は、式(1)〜(3)の構造単位を有するポリオルガノシロキサンと、光ラジカル重合性化合物と、光ラジカル重合開始剤とを含むことを特徴とするコーティング用組成物。但し、Rは、パーフルオロ置換された置換基を有し且つ炭素数が3〜10のアルキル基、又は、水素原子の一部若しくは全てがフッ素原子で置換されてなる炭素数が3〜10のアルキル基であり、Rは、光ラジカル重合性基である。
SiO4/2 ・・・式(1)
SiO3/2・・・式(2)
SiO3/2・・・式(3)
【0015】
上記ポリオルガノシロキサンは、上記式(1)〜(3)の構造単位を有しており、上記式(1)〜(3)の構造単位を全て有していることによって、コーティング用組成物を硬化させて得られる被膜は、透明性、耐候性、防汚性及び耐擦傷性に優れている。
【0016】
具体的には、式(1)の構造単位によってコーティング用組成物を硬化させて得られる被膜を硬くすることができ、被膜に耐擦傷性を付与することができる。
【0017】
式(2)の構造単位によって、そのRに由来して優れた防汚性を被膜に付与することができる。更に、式(2)の構造単位が他の構造単位と結合していることによって塗膜に優れた耐擦傷性を付与することができる。
【0018】
そして、式(3)の構造単位によって光ラジカル重合性化合物と重合可能となり、ポリオルガノシロキサンが被膜から剥離することを防止することができ、被膜の耐擦傷性及び摩耗後の防汚性を確実に維持することができ、更に、得られる被膜を均質にすることができる。
【0019】
式(2)において、Rは、パーフルオロ置換された置換基を有し且つ炭素数が3〜10のアルキル基、又は、水素原子の一部若しくは全てがフッ素原子で置換されてなる炭素数が3〜10のアルキル基である。なお、パーフルオロ置換とは、炭素原子に結合する水素原子が全てフッ素原子に置換されてなることを意味する。
【0020】
としては、特に限定されず、例えば、3,3,3−トリフルオロプロピル基、2−(パーフルオロヘキシル)エチル基、2−(パーフルオロオクチル)エチル基、2−(パーフルオロオクチル)エチル基などが挙げられる。
【0021】
又、Rは、光ラジカル重合性基であり、ラジカル重合性二重結合(ラジカル重合可能な二重結合)を含有している。このようなRとしては、特に限定されず、例えば、ビニル基、(メタ)アクリロキシプロピル基などが挙げられる。なお、本発明において、(メタ)アクリは、メタクリ又はアクリを意味する。
【0022】
ポリオルガノシロキサン中における式(1)〜(2)の構造単位の含有量は、特に限定されないが、ポリオルガノシロキサン中において、式(1)の構造単位を40〜80重量%、式(2)の構造単位を5〜30重量%及び式(3)の構造単位を20〜40重量%含有することが好ましい。
【0023】
これは、ポリオルガノシロキサン中における式(1)の構造単位が少ないと、コーティング用組成物を硬化させて得られる被膜の硬さが低下することがあり、多いと、コーティング用組成物を硬化させて得られる被膜の柔軟性が不足し、剥離やひびの問題が生じることがあるからである。
【0024】
ポリオルガノシロキサン中における式(2)の構造単位が少ないと、コーティング用組成物を硬化させて得られる被膜の防汚性や耐擦傷性が低下することがあり、多いと、コーティング用組成物を硬化させて得られる被膜の耐擦傷性や透明性が低下することがあるからである。
【0025】
ポリオルガノシロキサン中における式(3)の構造単位が少ないと、コーティング用組成物を硬化させて得られる被膜の耐擦傷性及び摩耗後の防汚性が低下することがあり、多いと、コーティング用組成物を硬化させて得られる被膜の防汚性が低下することがあるからである。
【0026】
式(1)〜(3)の構造単位を有するポリオルガノシロキサンの製造方法としては、特に限定されないが、例えば、下記式(4)〜(6)で示されるモノマーを共加水分解重縮合する方法が好ましい。なお、R1〜R3は、炭素数が1〜3のアルキル基である。R1〜R3は同一であっても互いに相違してもよい。Rは、パーフルオロ置換された置換基を有し且つ炭素数が3〜10のアルキル基、又は、水素原子の一部若しくは全てがフッ素原子で置換されてなる炭素数が3〜10のアルキル基であり、Rは、光ラジカル重合性基である。R及びRは、上述と同様であるのでその説明は省略する。
Si(OR1)4・・・式(4)
Si(OR2)3・・・式(5)
Si(OR3)3・・・式(6)
【0027】
上記式(4)〜(6)で示されるモノマーは互いに分散し易く、均一に混合し易いので、各モノマー成分に由来する構造単位がポリオルガノシロキサン中に均一に分散され、コーティング用組成物を硬化させて得られる被膜は均質性に優れ、特に、透明性及び耐擦傷性に優れている。
【0028】
上記式(4)で示されるモノマーとしては、特に限定されず、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン等が挙げられる。なお、式(4)示されるモノマーは、例えば、信越シリコーン社から商品名「KBM−04」「KBE−04」にて市販されている。
【0029】
又、上記式(5)で示されるモノマーとしては、特に限定されず、例えば、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、2−(パーフルオロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(パーフルオロオクチル)エチルトリメトキシシラン、2−(パーフルオロオクチル)エチルトリエトキシシランなどが挙げられる。なお、式(5)で示されるモノマーは、例えば、信越シリコーン社から商品名「KBM−7103」、「KBM−7801」、「KBM−7803」にて市販され、モメンティブパフォーマンスマテリアルズ社から商品名「TSL8233」、「TSL8257」から市販されている。
【0030】
更に、上記式(6)で示されるモノマーとしては、特に限定されず、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。なお、(メタ)アクリは、アクリル又はメタクリルを意味する。式(6)で示されるモノマーは、例えば、信越シリコーン社から商品名「KBM−1003」、「KBE−1003」、「KBM−503」、「KBE−503」、「KBM−5103」にて市販されている。
【0031】
式(4)〜(6)で示されるモノマーを共加水分解重縮合する方法としては、例えば、式(4)〜(6)で示されるモノマーを有機溶媒中に均一に分散させて分散液を作製し、この分散液中に水を供給することによって、式(4)〜(6)で示されるモノマーを好ましくは40〜60℃にて加水分解重縮合させてポリオルガノシロキサンを製造することができる。
【0032】
上記有機溶媒としては、特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジアセトンアルコールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類;トルエン、キシレンなどの芳香族系炭化水素類;ヘキサン、オクタン、シクロヘキサンなどの脂肪族系炭化水素類;クロロホルム、塩化メチレン、トリクロロエチレン、四塩化炭素などの有機塩素系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類などが挙げられ、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
【0033】
有機溶媒の量としては、式(4)〜(6)で示されるモノマーの総量100重量部に対して1〜10000重量部が好ましい。又、有機溶媒中に供給されるモノマーは、式(4)〜(6)で示されるモノマーの総量中、式(4)で示されるモノマーを40〜80重量%、式(5)で示されるモノマーを5〜30重量%及び式(6)で示されるモノマーを20〜40重量%含有していることが好ましい。
【0034】
これは、式(4)で示されるモノマーが少ないと、コーティング用組成物を硬化させて得られる被膜の硬さが低下し、或いは、共加水分解重縮合反応が充分に進行せずに遊離分が生成し、することがあり、多いと、コーティング用組成物を硬化させて得られる被膜の防汚性能の持続性や透明性が低下することがあるからである。
【0035】
又、式(5)で示されるモノマーが少ないと、コーティング用組成物を硬化させて得られる被膜の防汚性や耐擦傷性が低下することがあり、多いと、コーティング用組成物を硬化させて得られる被膜の耐擦傷性が低下し、或いは、共加水分解重縮合反応時に撥水成分が分離して充分に複合化されないことがあるからである。
【0036】
そして、式(6)で示されるモノマーが少ないと、コーティング用組成物を硬化させて得られる被膜の耐擦傷性及び摩耗後の防汚性が低下することがあり、多いと、コーティング用組成物を硬化させて得られる被膜の防汚性や耐擦傷性が低下することがあるからである。
【0037】
分散液中に供給される水は、少ないと、式(4)〜(6)で示されるモノマーのうち、反応性の高いモノマーが選択的に重合してしまい、遊離モノマーが発生することがあり、多いと、重合反応が必要以上に進行してゲル化し、或いは、コーティング用組成物の保存安定性が低下する場合があるので、モノマー中のアルコキシ基の総量1モルに対して1〜3モルが好ましい。
【0038】
なお、分散液中には、加水分解重縮合を促進するため、アルミニウムキレート類やジブチルスズカルボキシレート類などの公知の触媒、酸性化合物、塩基性化合物を添加してもよい。
【0039】
又、上記光ラジカル重合性化合物としては、ビニル基や(メタ)アクリロキシ基などの光ラジカル重合可能な官能基(ラジカル重合性官能基)を有しておればよい。光ラジカル重合性化合物は、ポリオルガノシロキサン中の式(3)の構造単位中の光ラジカル重合性基とラジカル重合反応をしてポリオルガノシロキサンを被膜内に取り込み、更に、ポリオルガノシロキサンの存在によって被膜自体も硬く形成されていることも相まって、コーティング用組成物を硬化させて得られる被膜は、その使用に伴う摩擦、摩耗によってもポリオルガノシロキサンが脱落することはなく、優れた防汚性を長期間に亘って維持することができる。
【0040】
上記光ラジカル重合性化合物中における一分子当たりのラジカル重合性官能基の数は、少ないと、得られる被膜の硬度が低下することがあるので、4個以上が好ましく、4〜6個がより好ましい。
【0041】
上記光ラジカル重合性化合物としては、光ラジカル重合性官能基を有する(メタ)アクリル系化合物が好ましい。(メタ)アクリル系化合物としては、モノマー、オリゴマー又はポリマーの何れであってもよい。この光ラジカル重合性官能基を有する(メタ)アクリル系化合物がオリゴマー又はポリマーの場合、これを得るためのモノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの多官能性(メタ)アクリレートが挙げられ、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが好ましい。なお、(メタ)アクリル系化合物がモノマーである場合、上記モノマーを用いることができる。
【0042】
又、上記(メタ)アクリル系化合物は、この(メタ)アクリル系化合物がポリマーの場合、共重合成分として上述のモノマー以外のモノマー成分を含有していてもよい。このようなモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸などのカルボキシル基含有モノマー、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基含有モノマー、(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−n−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−i−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有モノマー、アミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのアミノ基含有モノマー、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルアリルエーテルなどのエポキシ基含有モノマー、N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどのメチロール基含有モノマー、スチレン、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、(メタ)アクリル系モノマーなどが挙げられる。
【0043】
上記(メタ)アクリル系モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、i−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル系モノマーなどが挙げられる。
【0044】
また、コーティング用組成物の塗膜形成時の収縮による屈曲時のヒビなどを防止し、更にポリオルガノシロキサンと光ラジカル重合性化合物との相溶と複合化を向上せしめるため、光ラジカル重合性化合物としてポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートの少なくとも何れか一方が含有されていることが好ましい。
【0045】
そして、コーティング用組成物中における光ラジカル重合性化合物の含有量は、少ないと、コーティング用組成物を硬化させて得られる被膜の耐水性、耐アルカリ性又は耐擦傷性が不十分となることがあり、多いと、コーティング用組成物を硬化させて得られる被膜の防汚性が低下することがあるので、ポリオルガノシロキサン100重量部に対して300〜1000重量部が好ましい。なお、光ラジカル重合性化合物は単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
【0046】
又、光ラジカル重合開始剤としては、ポリオルガノシロキサン中の式(3)の構造単位中のRと、光ラジカル重合性化合物とをラジカル重合させることができれば、特に限定されず、例えば、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチルフェニルプロパノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2−メチル−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ミヒラーズケトン、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントンなどが挙げられ、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパノン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパノンが好ましい。なお、光ラジカル重合開始剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
【0047】
そして、コーティング用組成物中における光ラジカル重合開始剤の含有量は、少ないと、ポリオルガノシロキサンと光ラジカル重合開始剤とのラジカル重合反応が進行しないことあり、多いと、コーティング用組成物を硬化させて得られる被膜の耐候性が低下することがあるので、光ラジカル重合性化合物100重量部に対して1〜10重量部が好ましい。
【0048】
更に、上記コーティング用組成物には塗工性を向上させるために溶剤を添加してもよい。このような溶剤としては、特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;2−メトキシエチルアセタート、2−エトキシエチルアセタート、2−ブトキシエチルアセタートなどのエーテルエステル類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類等が挙げられ、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
【0049】
又、コーティング用組成物には、その物性を損なわない範囲内において、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、ブロッキング防止剤、レベリング剤などの各種添加剤が添加されてもよい。
【0050】
上記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤などが挙げられる。
【0051】
上記紫外線安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系紫外線安定剤が挙げられる。上記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤などが挙げられる。
【0052】
次に、本発明のコーティング用組成物の使用要領について説明する。このコーティング用組成物は、フィルムなどの基材の一面に塗布された後に、紫外線などの光を照射することによってラジカル重合反応させ硬化させて被膜を形成させ用いられる。そして、基材の他面に粘着剤層を積層一体化させて粘着フィルムを形成することができる。
【0053】
このようにして得られた被膜は、特定のポリオルガノシロキサンを含有していることから、透明性、耐候性及び耐擦傷性に優れている。そして、被膜中にポリオルガノシロキサンが光ラジカル重合性化合物とのラジカル重合によって取り込まれており、上述のように被膜自体も硬いことから、ポリオルガノシロキサンが被膜から脱落することはなく、優れた防汚性を長期間に亘って維持する。
【0054】
以上のように、コーティング用組成物を硬化させて得られる被膜は、優れた透明性、耐候性、防汚性、耐擦傷性及び防汚性を有していることから、紫外線などの光、熱、風雨、埃などに晒される屋外での使用にも充分に耐えることができ、例えば、屋外で使用する広告看板の印刷層を保護するラミネートフィルムの保護層を形成するために好適に用いることができる。
【0055】
なお、コーティング用組成物の基材への塗布方法は、特に限定されず、例えば、ディッピング法、フローコート法、スプレー法、スピンコート法、バーコート法などが挙げられ、又、グラビアコート、ロールコート、ブレードコート、コンマコート及びエアーナイフコートなどの公知の塗工器具によってコーティング用組成物を基材などに塗布してもよい。
【発明の効果】
【0056】
本発明のコーティング用組成物は、上述の式(1)〜(3)の構造単位を有するポリオルガノシロキサンと、光ラジカル重合性化合物と、光ラジカル重合開始剤とを含むので、このコーティング用組成物を硬化させて得られる被膜は、優れた透明性、耐候性、防汚性、耐擦傷性及び防汚性を有し、屋内外を問わず種々の環境下において用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0057】
(ポリオルガノシロキサン液S−1)
テトラメトキシシラン(信越シリコーン社製 商品名「KBM−04」、式(4)においてR1がメチル基である化合物)22.8重量部、2−(パーフルオロオクチル)エチルトリメトキシシラン(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ社製 商品名「TSL8233」、式(5)においてR2がメチル基である化合物)1.7重量部、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製 商品名「KBM−5103」、式(6)においてR3がメチルである化合物)6.4重量部及びメタノール31.6重量部をナス型フラスコに供給して攪拌混合して分散液を作製した。この分散液を氷冷攪拌しながら、触媒として1N硝酸を2.1重量部と水35.4重量部の混合物を滴下した。滴下終了後、ナス型フラスコに還流管を取り付け、60℃に加温したウォーターバス中にて3時間攪拌することにより、ポリオルガノシロキサン液S−1を得た。
【0058】
(ポリオルガノシロキサン液S−2)
テトラメトキシシラン(信越シリコーン社製 商品名「KBM−04」、式(4)においてR1がメチル基である化合物)34.2重量部、2−(パーフルオロオクチル)エチルトリメトキシシラン(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ社製 商品名「TSL8233」、式(5)においてR2がメチル基である化合物)1.7重量部、メタノール14.9重量部、触媒として1N硝酸を2.7重量部及び水46.5重量部をナス型フラスコに供給したこと以外はポリオルガノシロキサン液S−1と同様にしてポリオルガノシロキサン液S−2を得た。
【0059】
(ポリオルガノシロキサン液S−3)
テトラメトキシシラン(信越シリコーン社製 商品名「KBM−04」、式(4)においてR1がメチル基である化合物)22.8重量部、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製 商品名「KBM−5103」、式(6)においてR3がメチル基である化合物)8.5重量部、メタノール30.3重量部、触媒として1N硝酸2.1重量部及び水36.3重量部をナス型フラスコに供給したこと以外はポリオルガノシロキサン液S−1と同様にしてポリオルガノシロキサン液S−3を得た。
【0060】
(コーティング用組成物A)
ポリオルガノシロキサン液S−1を10.0重量部、光ラジカル重合性化合物としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学工業社製 商品名「A−DPH」)12.0重量部、プロピレングリコールジアクリレート(新中村化学工業社製 商品名「APG−400」)20重量部、光ラジカル重合開始剤として1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパノン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 商品名「イルガキュア2959」)0.8重量部、並びに、溶媒としてイソプロピルアルコール59.2重量部及びジアセトンアルコール15重量部を攪拌混合し、コーティング用組成物Aを得た。
【0061】
(コーティング用組成物B)
ポリオルガノシロキサン液S−2を10.0重量部、光ラジカル重合性化合物としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学工業社製 商品名「A−DPH」)12.0重量部、プロピレングリコールジアクリレート(新中村化学工業社製 商品名「APG−400」)20重量部、光ラジカル重合開始剤として1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパノン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 商品名「イルガキュア2959」)0.8重量部、並びに、溶媒としてイソプロピルアルコールを59.2重量部及びジアセトンアルコール15重量部を攪拌混合し、コーティング用組成物Bを得た。
【0062】
(コーティング用組成物C)
ポリオルガノシロキサン液S−3を10.0重量部、光ラジカル重合性化合物としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学工業社製 商品名「A−DPH」)12.0重量部、プロピレングリコールジアクリレート(新中村化学工業社製 商品名「APG−400」)20重量部、光ラジカル重合開始剤として1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパノン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 商品名「イルガキュア2959」)0.8重量部、並びに、溶媒としてイソプロピルアルコール59.2重量部及びジアセトンアルコール15重量部を攪拌混合し、コーティング用組成物Cを得た。
【0063】
(コーティング用組成物D)
シリコーンオイル(東レダウコーニング社製 商品名「SF8428」)1.0重量部、光ラジカル重合性化合物としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学工業社製 商品名「A−DPH」)12.0重量部、プロピレングリコールジアクリレート(新中村化学工業社製 商品名「APG−400」)20重量部、光ラジカル重合開始剤として1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパノン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 商品名「イルガキュア2959」)0.8重量部、並びに、溶媒としてイソプロピルアルコール68.2重量部及びジアセトンアルコール15重量部を攪拌混合し、コーティング用組成物Dを得た。
【0064】
(コーティング用組成物E)
フッ素系添加剤(大日本インキ化学工業社製「メガファックF−478」)を1.0重量部、光ラジカル重合性化合物としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学工業社製、「A−DPH」)12.0重量部、プロピレングリコールジアクリレート(新中村化学工業社製、「APG−400」)20重量部、光ラジカル重合開始剤として1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパノン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製「イルガキュア2959」)0.8重量部、溶媒としてイソプロピルアルコールを68.2重量部とジアセトンアルコール15重量部を攪拌混合し、コーティング用組成物Eを得た。
【0065】
(実施例1)
コーティング用組成物Aをバーコーターにて100μmのUVA−ポリエチレンテレフタレートシート上に塗布して100℃にて3分間に亘って乾燥した後、コーティング用組成物Aに高圧水銀灯を用いて紫外線を600mJ/cm2照射して、コーティング用組成物Aを硬化させて厚みが3μmの被膜を得た。
【0066】
(比較例1)
コーティング用組成物Bを用いたこと以外は実施例1と同様にして被膜を得た。
【0067】
(比較例2)
コーティング用組成物Cを用いたこと以外は実施例1と同様にして被膜を得た。
【0068】
(比較例3)
コーティング用組成物Dを用いたこと以外は実施例1と同様にして被膜を得た。
【0069】
(比較例4)
コーティング用組成物Eを用いたこと以外は実施例1と同様にして被膜を得た。
【0070】
得られた被膜について、以下の評価を行った。
(透明性)
JIS K 7105「プラスチックの光学的特性試験方法」に準拠して被膜のヘイズ値(曇価)を測定した。ヘイズが3%未満を「○」、3%以上で且つ10%未満を「△」、10%以上を「×」とした。
【0071】
(防汚性)
得られた被膜上にマジックインキを用いて線を書きティッシュで拭き取ることにより防汚性を評価した。完全に拭き取れるものを「○」、一部残存するものを「△」、拭き取れないものを「×」とした。
【0072】
(耐擦傷性)
得られた被膜上に、#0000のスチールウールをこのスチールウールに250g/cm2の荷重を負荷しながら10往復させ、生じた傷の本数を数えることにより耐擦傷性を評価した。傷が5本未満の場合を「○」、傷が5本以上で且つ10本未満の場合を「△」、傷が10本以上の場合を「×」とした。
【0073】
(磨耗後の防汚性)
得られた被膜上に、乾いたティッシュをこのティッシュに500g/cm2の荷重を負荷しながら500往復した(空拭き磨耗作業)。次に、防汚性を上記と同様の要領で測定した。
【0074】
上記とは別に、得られた被膜上に、エタノールを含有させたティッシュをこのティッシュに500g/cm2の荷重を負荷しながら500往復した(湿潤磨耗作業)。次に、防汚性を上記と同様の要領で測定した。
【0075】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)〜(3)の構造単位を有するポリオルガノシロキサンと、光ラジカル重合性化合物と、光ラジカル重合開始剤とを含むことを特徴とするコーティング用組成物。但し、Rは、パーフルオロ置換された置換基を有し且つ炭素数が3〜10のアルキル基、又は、水素原子の一部若しくは全てがフッ素原子で置換されてなる炭素数が3〜10のアルキル基であり、Rは、光ラジカル重合性基である。
SiO4/2 ・・・式(1)
SiO3/2・・・式(2)
SiO3/2・・・式(3)
【請求項2】
ポリオルガノシロキサンは、式(4)〜(6)で示されるモノマーを共加水分解重縮合して得られる共重合体であることを特徴とする請求項1に記載のコーティング用組成物。但し、R1〜R3は、炭素数が1〜3のアルキル基である。Rは、パーフルオロ置換された置換基を有し且つ炭素数が3〜10のアルキル基、又は、水素原子の一部若しくは全てがフッ素原子で置換されてなる炭素数が3〜10のアルキル基であり、Rは、光ラジカル重合性基である。
Si(OR1)4・・・式(4)
Si(OR2)3・・・式(5)
Si(OR3)3・・・式(6)
【請求項3】
光ラジカル重合性化合物は、一分子当たりのラジカル重合性官能基の数が4個以上であることを特徴とする請求項1に記載のコーティング用組成物。
【請求項4】
光ラジカル重合性化合物が(メタ)アクリル系化合物であることを特徴とする請求項1に記載のコーティング用組成物。
【請求項5】
光ラジカル重合性化合物は、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート又はエチレングリコールジ(メタ)アクリレートの少なくとも何れか一方を含有することを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項4の何れか1項に記載のコーティング用組成物。
【請求項6】
基材フィルムの一面に請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載のコーティング用組成物を硬化させてなる被膜が積層一体化され且つ上記基材フィルムの他面に粘着剤層が積層一体化されてなることを特徴とする粘着フィルム。

【公開番号】特開2009−269969(P2009−269969A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−120232(P2008−120232)
【出願日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】