コードパターン画像生成装置及び方法、コードパターン画像読取装置及び方法、及びコードパターン画像媒体
【課題】小さい読取範囲でも読みとれる2次元コードパターン画像を提供する。
【解決手段】各位置ごとに異なる位置依存情報とこれに対する冗長データとを含んだ複数の位置依存コード画像(例えば位置コード画像12)を、少なくとも一方向について互いに所定の間隔を空けて配置すると共に、配置された位置依存コード画像同士の間隔に、それら各位置で共通の位置非依存情報とこれに対する冗長データとを含んだ位置非依存コード画像(例えば識別コード画像14)を繰り返して配置することによりコードパターン画像を生成し、生成したコードパターン画像を含んだ画像データを出力する。
【解決手段】各位置ごとに異なる位置依存情報とこれに対する冗長データとを含んだ複数の位置依存コード画像(例えば位置コード画像12)を、少なくとも一方向について互いに所定の間隔を空けて配置すると共に、配置された位置依存コード画像同士の間隔に、それら各位置で共通の位置非依存情報とこれに対する冗長データとを含んだ位置非依存コード画像(例えば識別コード画像14)を繰り返して配置することによりコードパターン画像を生成し、生成したコードパターン画像を含んだ画像データを出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙等の媒体にコード化した情報を埋め込んで利用する技術に関し、特に各位置ごとに異なる位置依存情報とそれら各位置に共通の位置非依存情報とを含んだコードパターン画像の生成又は読取のための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
用紙の紙面の識別情報と、紙面上での各点の位置情報とを2次元コードに埋め込み、電子文書と重畳して印刷することで、紙に手書き等で書き込まれた情報と電子情報とを融合する技術が開発されている。この技術では、その紙面を読み取った装置が、紙面から2次元コードを検出してその情報を復号して利用することで、紙面を識別すると共に、紙面に対する書込の位置を識別し、紙面上の書込等の情報を電子情報中の適切なページ中の適切な位置に反映可能とする。
【0003】
この種の技術には、例えば、特許文献1や2に開示されている技術、または特許文献3に開示されている技術がある。例えば特許文献1に示される装置は、2次元コードから媒体上の点の位置を検出する装置が開示されている。また特許文献2には、2次元コードに位置情報と文書ページを識別するための識別情報を埋め込む技術およびその2次元コードを検出する技術が開示されている。これらの技術では、ペンに付属したスキャナを用いることで、ペンにより記入されている箇所の位置情報やページ識別情報を読み取り、これらに基づき紙面に対する記入の軌跡を電子情報として再現している。
【0004】
また、特許文献3には、媒体上の絶対位置を検出するための2次元コード間に、媒体上での相対位置を検出するための区分パターンを配置し、2次元コードを検出する撮像素子と区分パターンを検出する受光素子でそれぞれのパターンを読み取り、媒体上の位置を検出する技術が開示されている。
【0005】
ペン型スキャナやペンに付属したスキャナで2次元コードを読み取る場合、紙面を局所的にしか読み取らないので、読み取った部分の情報を電子情報に正しく反映させるには、読み取った部分に必ず紙面の識別情報と位置情報の両方が含まれていなければならない。ここで、従来の技術では、紙面の識別情報と、紙面内での位置情報とをまとめて1つの2次元コードに格納すると、2次元コードの大きさ(面積)が増加するため、画像読取装置で広い範囲を読み取る必要がある。
【0006】
ところが、ペン型スキャナやペン付属のスキャナのように読取面が傾いた状態で読取を行う画像読取装置の場合には、読み取るべき面積が大きくなると画像の歪みや焦点ずれの影響が大きくなるため、読み取った画像から2次元コードを正しく復号することが困難になるか、極端な場合には復号処理が不可能になる場合がある。2次元コードに用いるシンボルを小さくすれば、2次元コードを小さくでき、スキャナの読取面積を小さくできるが、印刷装置の解像度やスキャナの解像度の制限があるためシンボルを小さくするにも限度がある。特に、オフィスや一般消費者向けの電子写真方式やインクジェット方式のプリンタで2次元コードを印刷することを考える場合、印刷解像度の限界からシンボルは余り小さくできない。
【0007】
なお、以上では、紙面の識別情報と紙面内での位置情報とを1つの2次元コードにまとめる場合の問題を説明したが、これは1つの応用についての話である。紙面の識別情報の代わりに、その紙面に印刷される電子文書のページの識別情報、その電子文書自体の識別情報、その紙面に対して2次元コードパターンの印刷を行った印刷装置の識別情報など、様々な種類の情報を紙面内で共通の情報として紙面各所に埋め込んで利用する応用も考えられる。また、1冊のノートの各ページ内の各点に、ノート中で一意的な位置情報を付与する場合など、紙面とは異なる単位領域内での位置情報を用いる応用も考えられる。また、紙面内の各点に、その点の位置ではないが、位置毎に異なる情報を含める応用も考えられる。上述した2次元コードの面積が大きいことに起因する問題は、紙面内の各位置に位置情報等の位置に依存する情報と位置に依存しない共通の情報とを含む2次元コードを埋め込む応用一般に生じる問題である。
【0008】
【特許文献1】特開2000−293303号公報
【特許文献2】特開2004−094907号公報
【特許文献3】特開2001−051792号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の1つの側面では、画像読取装置の読取面積が小さくても読取可能な、位置ごとに異なる情報と位置によらず共通の情報との両方を含んだコードパターン画像を生成するための技術を提供する。
【0010】
また本発明の別の側面では、画像読取装置の読取面積が小さくても読取可能な、位置ごとに異なる情報と位置によらず共通の情報との両方を含んだコードパターン画像が印刷された媒体を提供する。
【0011】
また本発明の更に別の側面では、上記媒体上のコードパターン画像の読取を、読取面積の小さい画像読取装置で実現するための技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の1つの側面では、各位置ごとに異なる位置依存情報とそれら各位置に共通の位置非依存情報とを含んだコードパターン画像を生成するコードパターン画像生成装置であって、位置依存情報とこれに対する冗長データとを含んだ複数の位置依存コード画像を、少なくとも一方向について互いに所定の間隔を空けて配置すると共に、配置された位置依存コード画像同士の間隔に、位置非依存情報とこれに対する冗長データとを含んだ位置非依存コード画像を繰り返して配置することによりコードパターン画像を生成する画像生成部と、画像生成部により生成されたコードパターン画像を含んだ画像データを出力する画像出力部と、を備えるコードパターン画像生成装置を提供する。
【0013】
本発明の別の側面では、コードパターン画像を読み取った読取画像から位置依存コード画像を検出し、位置依存コード画像から位置依存情報を復号する位置依存情報読取部と、読取画像に含まれる各単位パターンからそれぞれ位置非依存コード画像の断片を抽出し、それら各断片を単位パターン同士の位置関係に従って合成することで位置非依存コード画像を再構築する位置非依存コード画像再構築部と、再構築された位置非依存コード画像から位置非依存情報を復号する位置非依存情報復号部と、を備えるコードパターン画像読取装置を提供する。
【0014】
本発明の更に別の側面では、コードパターン画像を読み取った読取画像から位置依存コード画像を検出し、位置依存コード画像から位置依存情報を復号する位置依存情報読取部と、読取位置が異なる複数フレームの読取画像に含まれる各単位パターンからそれぞれ位置非依存コード画像の断片を抽出し、それら各断片を単位パターン同士の位置関係に従って合成することで位置非依存コード画像を再構築する位置非依存コード画像再構築部と、再構築された位置非依存コード画像から位置非依存情報を復号する位置非依存情報復号部と、を備えるコードパターン画像読取装置を提供する。
【0015】
本発明の更に別の側面では、各位置ごとに異なる位置依存情報とこれに対する冗長データとを含んだ複数の位置依存コード画像が、少なくとも一方向について互いに所定の間隔を空けて配置されると共に、配置された位置依存コード画像同士の間隔に、各位置に共通な位置非依存情報とこれに対する冗長データとを含んだ位置非依存コード画像が繰り返して配置されたコードパターン画像、が印刷されたコードパターン画像媒体、を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態(以下「実施形態」と呼ぶ)について説明する。
【0017】
まず、図1を参照して、本実施形態における2次元コードパターン画像の構造について説明する。この2次元コードパターン画像は、用紙等の媒体に印刷されて、媒体表面上での各点の位置(座標)とそれら各位置の間で共通な識別情報を表現するものである。本実施形態の2次元コードパターン画像は、特許文献1〜3と同様、加筆(アノテーション)情報の電子化を典型的な応用として想定しているが、応用分野はそれに限られない。また、以下では、2次元コードパターン画像が紙のシートに印刷される例を典型例として説明するが、ロール紙等の非シート媒体、或いは透明プラスティックシートなどの紙以外の被印刷媒体に対しても本発明が適用可能であることは、明かであろう。
【0018】
本実施形態の2次元コードパターン画像は、図1に示すような単位領域10を2次元マトリクス状に配列して構成される。
【0019】
例えば、図2に示すように、用紙20の面上に、縦横の端辺からそれぞれ所定幅のマージン部分を除いた矩形領域を、2次元コードパターン画像を印刷するコードパターン配置領域22とする。その領域22の左上隅の点を座標原点にとし、この原点からみて右方向をx軸の正の方向、下方向をy軸の正の方向とした直交座標系を考える。このコードパターン配置領域22に、矩形の単位領域10を、x、yの各軸方向に実質的に密に配列したものが、2次元コードパターン画像となる。
【0020】
2次元コードパターン画像の一部分を図3に模式的に示す。図3の左上隅の点Oを座標原点として、単位領域10がxyの2次元直交マトリクス状に配列されている状態を示している。このマトリクスに対し、原点Oからx方向及びy方向のそれぞれについて、単位領域10ごとに1から始まる通し番号を振れば、x,y各方向の通し番号の組により個々の単位領域10の座標を示すことができる。例えば、図3の左上隅の単位領域10の座標は(1,1)となり、その右隣の単位領域10の座標は(2,1)となる。この座標系を便宜上「パターン座標系」と呼ぶことにする。
【0021】
好適には、単位領域10の形状は正方形とする。単位領域10を長方形とした場合、座標の尺度がx方向とy方向とで異なるので、パターン座標系で求めた長さをmm単位等の実寸法に換算する際には、x方向とy方向とで換算係数が異なるが、正方形であれば、x,y両方向の換算係数を同じものとすることができる。
【0022】
1つの単位領域10は、図1に示すように、位置コード画像12と識別コード画像14から構成される。
【0023】
位置コード画像12は、位置情報を表現するコード画像である。この位置情報は、典型的には、コードパターン配置領域22上で、当該位置コード画像12(或いはそれを含む単位領域10)が配置される2次元座標を示す情報である。座標は、前述のパターン座標系でのものでよい。例えば、位置情報のデータ量を、x,yの各方向にそれぞれ8ビットとすれば、x,yの各方向にそれぞれ256個の座標を表現できる。この場合、1個の単位領域10を例えば3mm×3mmとすれば、約80cm四方の領域を3mmの間隔で位置表現(アドレッシング)することができる。なお、この2次元コードパターン画像を読み取る装置では、検出した位置コード画像から復号した3mm間隔の位置情報と、読取画像内でのその位置コード画像の位置の情報とを用いることで、例えば斜線パターンのピッチ、すなわち0.3mm程度の位置解像度で読取位置を特定することができる。
【0024】
本実施形態では、位置コード画像12には、位置情報だけでなく、それに対応する誤り検出符号又は誤り訂正符号などの冗長データも含める。用紙等に印刷されたコードパターン画像を光学的に読み取る場合には読み取り誤差がつきものであるが、位置情報に誤り検出符号が付加されていれば、当該誤り検出符号の符号長に応じたビット数までの読み取り誤りを検出できる。また誤り訂正符号が付加されていれば、当該誤り訂正符号の符号長に応じたビット数までの読み取り誤りを訂正できる。なお、誤り検出符号と誤り訂正符号のどちらを用いるかは、2次元コードパターン画像の利用目的、位置情報のデータ量、1つの位置コード画像12で表現できるデータ量などの兼ね合いで決めればよい。
【0025】
識別コード画像14は、コードパターン配置領域22内で共通の識別情報を表現するコード画像である。上述の位置コード画像12(すなわちそれが表現する位置情報)は、コードパターン配置領域22に配置される各単位領域10ごとに異なるのに対し、識別コード画像14(すなわちそれが表現する識別情報)は、コードパターン配置領域22に配置されるすべての単位領域10で同じである。すなわち、識別コード画像14は、同じものがコードパターン配置領域22に2次元的に繰り返し配置される。
【0026】
この識別情報の典型例は、用紙の面を一意的に識別する識別番号である。この場合、1枚の用紙の1つの面に印刷される識別コード画像14が示す識別情報の値が全て同じ値となる。例えば、このように各ページ毎に異なる識別コード画像14が印刷されたノートに対し、特許文献1,2に示されるような記入と同時に記入先の領域を読み取るスキャナ付ペンを用いて記入を行った場合、ノートのページに対する記入の軌跡を、そのノートに対応する電子文書の対応ページに電子情報として記録することができる。
【0027】
別の例では、一枚一枚の用紙ごとの識別情報が考えられる。また、複数の用紙からなる冊子(例えばノート)の識別情報も考えられる。
【0028】
更に別の例では、識別情報として、電子文書のページを一意的に識別するものを用いることもできる。これは、電子文書の各ページを2次元コードパターン画像と重畳して印刷するなどの応用を想定したものである。この場合、ある印刷されたページから読み取った識別コード画像14から、そのページがどの電子文書のどのページであるかを特定することができる。同様に、電子文書を一意的に識別する識別情報を用いることもできる。この場合、電子文書を構成する複数のページの印刷結果に対しては、全て同じ識別コード画像14が印刷される。
【0029】
識別コード画像14は、このような識別情報と、これに対応する誤り検出符号又は誤り訂正符号などの冗長データとを合わせた情報を表現するコード画像である。
【0030】
図1の例では、位置コード画像12の領域形状は正方形又は矩形であり、これが単位領域10の左上隅に配置される。単位領域10から位置コード画像12の領域を除いた残りの逆L字形の領域が、識別コード画像14の領域である。
【0031】
位置コード画像12の領域は、単位領域10内に分散するのではなく、コンパクトにかたまっている方がよい。位置コード画像12を構成する各部分が単位領域10の全域に分散していると、位置情報を読み取るのに単位領域10全体を読み取る必要があるが、位置コード画像12が単位領域10の一部分にかたまっていると、その部分だけが完全に読み取れれば位置情報を検出できる。すなわち、位置コード画像12がコンパクトにかたまっている方が、スキャナの読取面積が小さくて済む。この意味で、図1に示した正方形又は矩形の位置コード画像12の領域形状は好適である。ただし、位置コード画像12の領域は、コンパクトにかたまっているのであれば、正方形又は矩形でなくても構わない。単位領域10内での位置コード画像12の配置領域が、少なくともx方向又はy方向のいずれか一方について偏っていれば、従来よりも必要読取面積を小さくできる。
【0032】
図1では模式図で示したが、図4には、2次元コードパターン画像の具体例を示す。この例は、米国ゼロックス社のパロアルト研究所で開発された、角度の異なる斜線でデータを表現するグリフコード(例えば特開平6−103390号公報、特開平6−75795号公報)をコードシンボルとして用いた2次元コードパターン画像である。
【0033】
この例では、単位領域10は8シンボル×8シンボルの正方形領域である。各シンボルの値は、図5に示すように斜線パターンで表現される。この例では、シンボル値0は垂直線に対して反時計回りに45度の角度をなす右下がりの斜線で、シンボル値1は垂直線に対して時計回りに45度の角度をなす右上がりの斜線で表現される。
【0034】
このうち、位置コード画像12は、単位領域10の左上隅の6シンボル×6シンボルの正方形の画像であり、識別コード画像14は、単位領域10からその6×6シンボルの正方形を引いた残りの逆L字領域の画像となる。
【0035】
また、この例では、単位領域10の外周に沿って縦横の各方向に、同期コード16の列及び行を設けている。この例では、同期コード16は、右上がり(「1」)の斜線シンボルの連続であり、シンボルのサイズと配列ピッチは単位領域10内のシンボルサイズ及びピッチと同じである。同期コード16は、図6に示すように、縦及び横に等間隔で設けられ、それら同期コード16で囲まれる正方形領域に各単位領域10が設けられる。同期コード16は、各単位領域10の区切りを示す。すなわち、2次元コードパターン画像を読み取った装置では、右上がりのシンボルが連続している行及び列を検出すると、それら行と列とで形成される格子の網目の内部を単位領域10と認識することができ、その単位領域10の左上隅の6×6のシンボルが位置コード画像12と認識できる。
【0036】
なお、同期コード16は、単位領域10或いは位置コード画像12の場所を特定することができるものであれば、図4に例示したようなものでなくてもよい。例えば、単位領域10の四隅に斜線シンボルとは異なる特定形状のシンボルを配置したものを同期コード16としてもよい。図4及び図6の例では、同期コード16のためにシンボル1つ分の幅の行及び列を使ったが、同期コード16を構成するマークが十分に小さいものであれば、単位領域10を隙間なく2次元配列し、隣接する単位領域10の余白部分にそのマークを配置するようにしてもよい。
【0037】
図4の例では、1つの位置コード画像12には合計36シンボル、すなわち36ビットのデータが格納されている。36ビットのうち、18ビットをx座標の符号化に、18ビットをy座標の符号化に使用することができる。各18ビットを全て位置の符号化に使用すると、2^18通り(約26万通り)の位置を符号化できる。各斜線パターンが、図5に示したように8画素×8画素で構成されている場合、600dpi(ドット・パー・インチ)で印刷すると、600dpiの1ドットの縦横の長さは0.0423mmなので、縦横共に、図6の2次元コード(同期コード16を含む)の縦、横の長さは3mm程度(=1シンボル当たり8画素×9シンボル×0.0423mm)となる。3mm間隔で26万通りの位置を符号化した場合、約786mの長さを符号化できる。読取の精度がよければ18ビット全てを位置の符号化に使用することもできるが、実用的には、誤り検出や誤り訂正のための冗長ビットを含めることが好適である。18ビットに占める冗長ビットの割合を増やすと誤り検出や誤り訂正の能力が増えるが、表現できる位置の範囲が小さくなる。
【0038】
また、図4の例では、識別コード画像14は、2ビット×8ビットの矩形領域および2ビット×6ビットの矩形領域に配置されており、合計28ビットの識別情報を格納できる。識別情報として28ビットを使用した場合は、約2億7千万通り(2^28通り)の識別情報を表現できるが、実用的には28ビットのうちのいくつかのビットを誤り検出や誤り訂正のための冗長ビットとすることが好適である。
【0039】
以上の例では、互いに角度が90度異なる2つの斜線パターンをシンボルとして用いることで1シンボルで1ビットのデータを表現したが、これは一例に過ぎない。例えばシンボルに垂直線と水平線のパターンを追加すれば2ビットの情報を1シンボルで表現できる。このように、1シンボルの斜線パターンの角度種類を増やすことで、1シンボルが表現できるビット数を増加することも可能である。
【0040】
以上のように構成した2次元コードパターン画像を用いれば、従来技術で必要とされるよりも小さい読取面積のスキャナで、位置コード画像12と識別コード画像14が読み取れる。この効果について、図7A及び図7Bを参照して説明する。
【0041】
図7Aは、単位領域10内で位置コード画像12と識別コード画像14とを分離した本実施形態の2次元コードパターン画像30を、図7Bは、単位領域36内に位置情報と識別情報が一体となっている特許文献1及び2の2次元コードパターン画像34を、それぞれ模式的に示している。
【0042】
いずれの場合も、位置情報は各単位領域10又は36ごとに異なるので、位置情報を求めるためには、スキャナの読取領域は、位置情報を示す領域を少なくとも1つは完全にカバーしなければならない。図7Bに示す従来パターンの場合、位置情報は単位領域36全体の情報から求める必要があるので、読取領域は1つの単位領域36を完全にカバーしなければならない。原理的には、2単位領域×2単位領域の正方形(更に厳密にはこれより縦横それぞれ1シンボルずつ小さくてもよい)をカバーできる読取領域38であれば、読取領域38がどのように移動しても、必ず1つは完全な単位領域36を読み取ることができる。スキャナの回転も考慮すると、この場合のスキャナの読取領域は、正方形の領域38の対角線を直径とする円領域となる。
【0043】
これに対し、本実施形態では、位置情報は位置コード画像12内にのみ偏在するので、位置情報を完全に読み取るためには、少なくとも1つの位置コード画像12が読み取れればよい。このためにはスキャナは、図7Aに示すように、位置コード画像12を縦横に2つずつ含む領域32(更に厳密にはこれより縦横それぞれ1シンボルずつ小さくてもよい)をカバーできればよい。このように、本実施形態では、スキャナの読取領域は2単位領域×2単位領域よりも小さくて済む。図7Aの場合と図7Bの場合とで、位置情報及び識別情報のビット数とそれに対して付加する冗長ビット数と1シンボルの画像サイズとが同じであれば、単位領域10と単位領域36のサイズは同じになるので、同条件であれば本実施形態の方が従来技術よりもスキャナの読取領域が小さくて済む。
【0044】
以上では、スキャナの読取面に傾きがない理想状態で議論した。読取面の傾きを考慮した場合、その傾きの分だけ読取領域のサイズを大きく設定する必要がある。しかし、傾きを考慮して読取領域を大きくする程度は本実施形態でも従来技術でも同じなので、結局、本実施形態の方が読取領域は小さくて済む。
【0045】
なお、本実施形態の場合、スキャナの読取領域のサイズを、位置コード画像12が少なくとも1つカバーできる限界に近い小さい領域とした場合、その読取領域に含まれる各単位領域10の識別コード画像14は、たいていの場合どれも細切れになってしまい、一つとして完全には読みとれない。しかし、識別コード画像14は、すべての単位領域10で同じなので、細切れになったものを適切に再構築すれば、完全な識別コード画像14を再構成できる。したがって、本実施形態では、スキャナの読取領域を従来技術より小さくしても、位置情報及び識別情報の両方を読みとることができる。識別コードの再構築処理については、後で詳しく説明する。
【0046】
このように、スキャナの読取領域を小さくできれば、スキャナの読取面が傾いた状態での画像の歪みや焦点ずれを小さくすることができる。したがって、歪みや焦点ずれによる読取能力劣化の問題を低減することができる。
【0047】
なお、特許文献2の方式は、同文献の図4に示されるように、1つ1つのコード画像内で2バイトの位置情報と3バイトの文書ページ識別情報とが分かれて配置されている。これは一見本実施形態と似ているように見えるかもしれないが、全く異なるものである。すなわち、特許文献2の方式では、位置情報と文書ページ識別情報の合計5バイトに対して4バイトの誤り訂正符号が計算され、それら4バイトの誤り訂正符号がそのコード画像のほぼ全長にわたって範囲にまたがっている。このため、位置情報を復号するにも文書ページ識別情報を復号するにも、広い範囲に分布する誤り訂正符号を読まなければならない。このように、特許文献2では、位置情報を復号するにはコード画像全体を読まなければならないため、結局図7Bと同じことになってしまう。
【0048】
次に、図8を参照して、以上に説明した本実施形態の2次元コードパターン画像を生成するためのコードパターン画像生成装置の構成を説明する。この装置には、外部の装置(例えばパーソナルコンピュータや文書サーバなど)から、コードパターン配置領域22内に配置する各単位領域10の位置情報と、それら各位置で共通な識別情報が入力される。
【0049】
位置情報符号化部102は、入力された位置情報を所定の符号化方式により符号化する。この符号化処理では、例えば、よく知られた誤り訂正符号化方式であるRS(リードソロモン)符号やBCH符号等の方式を用いることができる。また、CRC(Cyclic Redundancy Check)やチェックサムなどの誤り検出符号化方式を用いることもできる。いずれを用いるかは目的等に応じて定めればよい。位置情報符号化部102は、位置情報に対し、誤り訂正又は誤り検出符号化方式に従って冗長ビットを計算し、これを位置情報に付加したものを位置コードとして出力する。なお、この符号化処理では、位置情報の各ビットの順序を所定の規則に従って入れ換えるなど、位置情報に対して変換処理や暗号化処理を施し、その処理結果に対して冗長ビットを求めるようにしてもよい。
【0050】
コード画像において用いるシンボルが、1シンボルで複数ビットのデータを表現するものである場合、位置情報符号化部102から出力されるビット列は、そのシンボルが表現できるビット数ごとに区切ることで、各シンボルのシンボル値として解釈できる。
【0051】
位置コード行列生成部104は、位置情報符号化部102から出力された位置コードの各シンボル値を、単位領域10での位置コード画像12のシンボル配列パターンに応じた2次元行列の形に配列する。すなわち、図9Aに示すように、位置コード行列生成部104に入力される位置コード40は各シンボル値が一列に並んだシリアルデータであるが、位置コード行列生成部104は、それを例えば図4に示す位置コード画像12に変換するための前処理として、6×6の位置コード行列42に変換する。より厳密に言えば、位置コード行列42は、8×8の単位領域10の2次元コード行列のうちの、左上隅の6×6の部分である。シリアルな位置コード40の各シンボル値を位置コード行列42の何行何列にマッピングするかを示すマッピング規則は、本実施形態の2次元コードパターン画像を利用するシステムにおいてあらかじめ取り決めておき、位置コード行列生成部104に登録しておけばよい。
【0052】
識別情報符号化部106は、入力された識別情報を所定の符号化方式により符号化する。符号化方式としては、位置情報符号化部102で使用した方式と同様の方式を使用すればよい。
【0053】
識別コード行列生成部108は、図9Bに示すように、識別情報符号化部106が出力するシリアルな識別コード44を、あらかじめ取り決められているマッピング規則に従って2次元配置することにより、図4に示す識別コード画像14のシンボル配列に応じた識別コード行列46を生成する。
【0054】
以上の構成において、位置情報は、各単位領域10毎に異なるので、位置情報符号化部102及び位置コード行列生成部104は、それら各位置情報についてそれぞれ位置コード行列42を求める。これに対して識別情報は、位置が異なっても共通なので、識別情報符号化部106及び識別コード行列生成部108は、1つの識別情報の識別コード行列46を求める。
【0055】
コード配置部110は、各位置情報に対応する位置コード行列42と、識別情報に対応する識別コード行列46とを、それぞれコードパターン配置領域22の対応する位置に配置することで、出力すべき2次元コードパターン画像のサイズに相当する2次元コード行列を生成する。この処理では、各位置情報の位置コード行列42をそれぞれ当該位置情報が示す座標に配置し、各位置情報の位置コード行列42にそれぞれ隣接して、同じ識別情報の識別コード行列46を配置する。或いは、各位置ごとに、正方形の位置コード行列42と逆L字形の識別コード行列46とを合成して単位領域10のコード行列を作成し、それら各位置の単位領域10のコード行列をそれぞれ対応する位置に配置することで、パターン全体の2次元コード行列を生成する。2次元コードパターン画像に同期コード16を含める場合は、コード配置部110が、同期コード16に対応するコードの行や列をそれら単位領域10のコード行列の間に挿入する。ただし、これは必須ではなく、同期コード16は既知のパターン配列なので、後述するコードパターン画像生成部114で挿入してもよい。
【0056】
パターン格納部112には、図5に示したような各シンボル値に対応するビットマップのパターン画像が格納される。
【0057】
コードパターン画像生成部114は、コード配置部110が作成した2次元コード行列の各シンボル値を、パターン格納部112から取得されるそのシンボル値に対応するパターン画像に置き換えることにより2次元コードパターン画像を生成する。同期コード16を挿入する必要がある場合は、例えばあらかじめ用意されている同期コード16の画像の各格子内の空白部分に対し、2次元コード行列の各シンボル値に対応するパターン画像を配列していけばよい。
【0058】
このようにして生成された2次元コードパターン画像は、プリンタや複写機、複合機などの画像形成装置に供給して印刷出力することができる。
【0059】
図8のコードパターン画像生成装置は、例えば、以上に説明した各ユニット102〜114の機能を記述したプログラムをコンピュータのプロセッサにより実行させることで実現させることができる。また、各ユニット102〜114の機能は比較的単純なので、これらの一部又は全てをハードウエア回路として構成することもできる。また、各ユニット102〜114の一部又は全てをDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)などといった、ハードウエア回路とソフトウエアの両方を用いた演算装置として構成することもできる。
【0060】
次に、図10及び図11を参照して、コードパターン画像生成装置の2つの変形例を説明する。図10及び図11において、図8に示した構成要素に相当する構成要素には、同一符号を付してその説明を省略する。
【0061】
図10は、位置情報符号化部102と位置コード行列生成部104の代わりに、位置コード行列格納部120を設けた構成を示す。
【0062】
位置情報は、画像が変わっても基本的に同じである。例えば、位置情報の基準点を画像左上とする場合、どのような画像であっても画像左上部に配置される位置情報は同じ(例えばX座標0、Y座標0)である。従って、2次元コードパターン画像において用いる位置コード行列の組を予め生成して位置コード行列格納部120に格納しておき、実際に2次元コードパターン画像を生成する際には、格納された位置コード行列を用いるようにすれば、画像生成時の負荷を軽減することができる。位置コード行列格納部120には、例えば、座標をインデックスとしてその座標に対応する位置コード行列を格納しておけばよい。
【0063】
図11は、位置コード行列ではなく位置コード画像12そのものを予め用意しておく例である。位置コード画像格納部130には、使用される可能性がある位置コード画像が例えば座標ごとに格納されている。この構成では、コード配置部110は、識別コード行列生成部104が生成した識別コード行列のみをコードパターン配置領域の必要な位置に配置し、この配置結果を受けたコードパターン画像生成部114は識別コード部分のみのコードパターン画像を生成する。画像合成部132は、この識別コード部分のコードパターン画像の各座標に対応する空白部分に、位置コード画像格納部130から取り出した各座標の位置コード画像を合成する。なお、位置コード画像格納部130には、各位置コード画像を各々の座標位置に配置して識別コード画像部分のみを空白とした画像を格納しておき、これをコードパターン画像生成部114の出力画像と合成するようにしてもよい。
【0064】
位置情報はページ内の各位置で異なるため数が非常に多いのに対し、識別情報は例えば1ページにつき1つなどと非常に数が少ない。したがって、図10や図11のように位置情報についての処理を大幅に低減する構成は、処理負荷の低減のためには非常に有益である。
【0065】
次に、本実施形態の2次元コードパターン画像を読み取るコードパターン画像読取装置について説明する。
【0066】
図12に示すように、このコードパターン画像読取装置200は、スキャナ部202,コード画像抽出部204及びコード認識部206を備える。
【0067】
スキャナ部202は、媒体上に印刷された2次元コードパターン画像を光学的に読み取るスキャナである。スキャナ部202は、図7Aに示したように、読取面の傾きを考慮した上で少なくとも2×2の位置コード画像12をカバーする読取面積を備える。スキャナ部202は、典型的には、特許文献1,2に示されるようなペンとスキャナが一体型となったスキャナ付ペンであるか、あるいはペン型スキャナである。スキャナ部202は、例えば毎秒数十〜百フレーム程度の高いフレームレートで読取範囲の画像を読み取る。
【0068】
コード画像抽出部204は、スキャナ部202が読み取った画像(読取画像と呼ぶ)から位置コード画像12と識別コード画像14とを抽出する。コード画像抽出部204の処理を、図13を参照して説明する。なお、コード画像抽出部204に入力される読取画像は、読取面の傾きに応じた歪みの補正などが既になされているものとする。
【0069】
コード画像抽出部204は、スキャナ部202から読取画像を取得する(S1)と、読取画像中から同期コード16を検出する(S2)。図4のようなコードパターン画像の場合、右上がりの斜線パターンが連続して現れる行及び列を同期コード16の行、列として検出する。なお、同期コードとしては図4に例示したもの以外にも従来から提案されている様々なものを用いることができ、その同期コードの種類に応じた従来からある検出方式で検出できる。
【0070】
同期コード16が検出できると、その同期コード16の格子を基準に位置コード画像12の位置が特定できる。例えば、図4及び図6の例では、同期コード16がなす格子の網目の左上隅の6×6シンボルの領域が位置コード画像12の領域と特定できる。コード画像抽出部204は、読取画像中の位置コード画像12が存在するはずの各領域から、完全な位置コード画像12を検出する(S3)。
【0071】
この検出を図14を参照して説明すると、スキャナ部202が2次元コードパターン画像30の中の領域32を読み取ったとする。図中で2次元コードパターン画像30の右下に示すように、このとき得られる読取画像34は単位領域10a,10b,10c,10dのそれぞれ一部分ずつを含んでいる。ただし、読取面積が適切に定められているので、この読取画像34の中には、必ず1つは欠落のない完全な位置コード画像12が含まれている。図14の例では、右下の単位領域10dの位置コード画像12dが欠落なく読み取られている。同期コード16から単位領域10a,10b,10c,10dの範囲が特定でき、それぞれの位置コード画像の範囲が特定できるので、ステップS3では、読取画像34中でそれぞれの位置コード画像の範囲を調べ、位置コード画像12の領域サイズである6×6シンボル分の正方領域に画像データが存在するもの(位置コード画像12d)を検出する。
【0072】
次にコード画像抽出部204は、ステップS3で検出した完全な位置コード画像12dと同じ単位領域10dの領域から識別コード画像14を取り出す(S4)。ただし、この例では、読取画像34の単位領域10d内には識別コード画像は存在せず、その一部分15dが取り出せるだけである。
【0073】
そこでコード画像抽出部204は、単位領域10d内から取り出せた識別コード画像の一部分15dの識別コード画像14全体に対する不足量を計算する(S5)。図14の例では、横方向の不足長さShと縦方向の不足長さSvとをそれぞれ計算している。同期コード16から単位領域10dの範囲が特定できているので、この計算は可能である。
【0074】
次にコード画像抽出部204は、求めた不足量の情報を用いて、隣接する単位領域1010a,10b,10cから、識別コード画像14の不足分の画像15a,15b,15cを取得する(S6)。識別コード画像14はすべての単位領域10で同じものなので、単位領域10dで足りない部分は、他の単位領域10a,10b,10cでのその足りない部分に対応する位置から取得する。例えば、単位領域10aの識別コード画像14の領域の下端から高さSv、右端から幅Shの矩形領域の画像15aを切り出している。
【0075】
そしてコード画像抽出部204は、ステップS6で取得した画像15a,15b,15cを、画像15dとをそれぞれ適切な位置に並べることで、完全な識別コード画像14を再構築する(S7)。
【0076】
以上のようにして、読取画像34から、位置コード画像12と識別コード画像14とが抽出される。コード認識部206は、それら位置コード画像12と識別コード画像14に対してコード認識処理を施すことで、位置情報と識別情報を再生する。ここで行われるコード認識処理は、大略的に言えば、図8を用いて説明した2次元コードパターン画像の作成処理の逆の処理である。識別コード画像14を代表として説明すると、コード認識部206は、まず識別コード画像14から各斜線シンボルを認識することで、各シンボルの値を求め、各シンボルの値を識別コード画像14中での各シンボルの配列位置に合わせて配列した識別コード行列を求める。そして、この識別コード行列に対し、識別コード行列生成部108の逆の処理を行うことで直列的(シリアル)な識別コードを求め、この識別コードに対し、識別情報符号化部106の符号化方式に対応した復号処理を施すことで、識別情報を復号する。位置コード画像12についても、同様の処理により、位置情報を復号できる。
【0077】
コード画像抽出部204とコード認識部206は、1フレームごとに上述の抽出及び認識の処理を行い、位置情報及び識別情報を求める。
【0078】
このようにして各フレームの読取画像から求められた位置情報及び識別情報は、これら情報を利用するアプリケーションソフトウエアに提供され、利用される。例えば、本実施形態の2次元コードパターン画像が印刷された用紙に対し、ユーザがペン付スキャナで書き込んだ書込を電子情報として取り込むアプリケーションの場合、識別情報からその用紙を特定してその用紙の原画像を取得し、連続して読み取られる各フレームから取得した位置情報からユーザの加筆の軌跡を求め、その軌跡を示す画像を原画像に重畳して記録するなどの処理を行う。
【0079】
次に図15及び図16を参照して、コード画像抽出部204の処理手順の別の例を説明する。この処理では、コード画像抽出部204は、スキャナ部202から読取画像を取得し(S11)、この読取画像から同期コード16の行、列を検出する(S12)。次に、同期コードに従い、読取画像のシンボルの行列にインデックス付けを行う(S13)。すなわち、単位領域10の縦方向及び横方向のシンボル数は既知であり、各単位領域10の縦方向、横方向の境界は同期コード16により識別できるので、ステップS13では、各単位領域10内のシンボルの各行、各列に対して、一定の規則でインデックス番号を振る。図4のコードパターン画像の例の場合、8シンボル×8シンボルなので、各行、各列に1〜8の整数のインデックス番号を順に振る。このインデックス付与の結果を図16に模式的に示す。水平方向のインデックスは、単位領域10の左端から右端に向かって1シンボル幅毎に1,2,・・・、8と割り当てられており、垂直方向のインデックスは、単位領域10の上端から下端に向かって1シンボル幅毎に1,2,・・・、8と割り当てられている。同期コード16の行と列の交点には、インデックス「0」を割り当てている。
【0080】
コード画像抽出部204は、図13の処理と同様にして、読取領域32内の画像から完全な位置コード画像12を検出するとともに(S14)、インデックスを利用して識別コード画像14を再構築する(S15)。すなわち、全ての識別コード画像は同じものなので、垂直インデックスと水平インデックスとの組合せが等しい位置には同じシンボルが存在する。識別コード画像14は、垂直インデックスが1〜6でかつ水平インデックスが7〜8となる組合せのシンボルと、垂直インデックス7〜8でかつ水平インデックス1〜8となる組合せのシンボルを併せたものである。したがって、ステップS15では、識別コード画像14の領域に該当する水平、垂直インデックスの組合せのシンボルを読取領域32の画像から切り出し、それらを水平、垂直インデックスに従って組み立てることで、識別コード画像14を再構築できる。この処理は、例えば読取領域32の画像のシンボルを左上隅から順にラスタ走査していく中で、識別コード画像14の領域に該当するインデックス組合せに該当するものがあれば、そのシンボルの画像を切り出し、画像バッファ中のそのインデックス組合せが示す2次元位置に配置する。この処理を、識別コード画像14に必要な全ての水平、垂直インデックスの組合せに対応するシンボル画像が画像バッファ内に揃うまで繰り返せばよい。
【0081】
以上のように、図15の処理でも、位置コード画像12と識別コード画像14を抽出することができる。
【0082】
なお、図13及び図15の例では、コード画像抽出部204はビットマップの位置コード画像12と識別コード画像14を抽出していたが、この代わりに、まず読取画像34内の各斜線シンボルを認識することで、読取画像34をシンボル値の2次元行列に変換し、この2次元行列から同期コードや位置コード行列、識別コード行列を検出するようにしてもよいことは、当業者には明かであろう。この場合、コード認識部206は、シンボル画像の認識を行う必要はなく、位置コード行列生成部104,位置情報符号化部102,識別コード行列生成部108,識別情報符号化部106のそれぞれの逆処理を行えばよい。
【0083】
以上に説明したコード画像抽出部204及びコード認識部206は、例えば、以上に説明したそれら各ユニットの機能を記述したプログラムをコンピュータのプロセッサにより実行させることで実現させることができる。また、各ユニット204及び206の機能は比較的単純なので、これらの一部又は全てをハードウエア回路として構成することもできる。また、各ユニット204及び206の一部又は全てをDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)などといった、ハードウエア回路とソフトウエアの両方を用いた演算装置として構成することもできる。
【0084】
以上に説明した識別コード画像(又は識別コード行列)の再構築処理は、いずれも、位置コード画像に対する識別コード画像の相対的な位置関係と、2次元コードパターン画像における識別コード画像の繰り返しの規則性についての知識を利用したものといえる。
【0085】
以上説明したように、本実施形態のコードパターン画像読取装置は、識別コード画像14が1つとして完全に読みとれなくても、異なる単位領域から読み取った部分部分の読取結果を貼り合わせることで識別コード画像14を再構築できる。位置コード画像12がかろうじて1つ完全に読みとれる程度までスキャナ部202の読取範囲を小さくしても、識別コード画像を読みとって復号することができる。
【0086】
次に、図17を用いて、本実施形態の2次元コードパターン画像を電子文書に重畳する画像処理装置について説明する。図17において、コードパターン画像処理部100は、図8に示した装置と同じ構成のものなので、説明を省略する。
【0087】
図17の装置において、プリントデータ入力部140は、パーソナルコンピュータや文書サーバなどの上位装置から転送されて来るプリントデータを入力する。このプリントデータは、印刷対象の文書画像をページ記述言語で記述したデータ、又は文書画像データそのものであり、文書の内容以外に文書の属性情報等の付加情報を含んでいる。この例では、付加情報には、2次元コードパターン画像に埋め込むべき位置情報と識別情報が含まれる。例えば、印刷する用紙の各ページごとにそのページ内に埋め込むべき各点の位置情報が、上位装置によりページごとの付加情報として付加されて送信されてくる。識別情報については、印刷する用紙のページごとに異なる識別情報を付ける場合は、プリントデータの各ページに対してそれぞれ識別情報が上位装置で付加情報として付され、文書単位の識別情報を付ける場合は、プリントデータの文書全体の付加情報としてその識別情報が付される。付加情報抽出部142は、プリントデータからこれら位置情報と識別情報を抽出する。コードパターン画像処理部100は、抽出された位置情報と識別情報を用いて図8の装置と同様の処理を行うことで、各用紙に印刷すべき2次元コードパターン画像を生成する。生成された2次元コードパターン画像は、タイミング合わせのためにコードパターン画像バッファ148にいったん格納される。
【0088】
文書画像生成部144は、プリントデータがページ記述言語のデータの場合は周知のページ記述言語解釈処理により画像データに変換し、プリントデータが画像データであればそれを用い、その画像データに対し更に色空間変換その他印刷のために必要な画像処理を行うことで、プリントエンジン152に供給するための文書の画像データを生成する。生成された文書画像データは、タイミング合わせのために文書画像バッファ146にいったん格納される。
【0089】
コードパターン画像バッファ148及び文書画像バッファ146にそれぞれ1ページ分の画像が蓄積されると、画像合成部150がそれら両画像を合成する。この合成では、例えば、文書画像のプレーン乃至プレーン群と2次元コードパターン画像のプレーンとを合わせて、複数プレーンからなる画像データを生成する。
【0090】
1つの好適な例では、2次元コードパターン画像は、人間の目には容易に識別できない(ほぼ不可視)が特定の赤外領域の波長を可視光領域の波長よりも多く吸収する性質を持つ色材を使用して媒体上に画像形成する。これに対し、文書画像は、その特定の赤外領域の波長は余り吸収せず、可視光領域の波長を多く吸収する色材を用いて媒体に画像形成する。電子写真方式で用いられているイエロー、マゼンタ、サイアンのトナーは、赤外域の波長をほとんど吸収しないので、文書画像印刷用の色材として用いることができる。この例では、文書画像はプリントエンジン152の可視色材のチャンネルへ転送されるプレーンとして、2次元コードパターン画像はプリントエンジン152の赤外吸収性色材のチャンネルへ転送されるプレーンとして、合成される。
【0091】
プリントエンジン152は、画像合成部150から与えられる画像を用紙等の媒体に対して画像形成する。これにより、電子文書の画像と2次元コード画像とを重畳して印刷した印刷物を得ることができる。この例では、印刷物上の文書画像は特定波長域の赤外線をあまり吸収しないのに対し、2次元コードパターン画像はその特定波長域の赤外線をよく吸収するので、コードパターン画像読取装置(図12参照)のスキャナ部202として、その特定波長域の赤外線を用いて画像を読み取るものを用いることで、文書画像の影響をほとんど受けずに2次元コードパターン画像を読み取ることができる。
【0092】
以上では2次元コードパターン画像用の色材として不可視で赤外線を吸収するものを例に取ったが、これに限るものではない。例えば、2次元コードパターン画像を赤外域の波長を吸収する色材であるカーボンブラックを使用して形成し、文書画像をイエロー、マゼンタ、サイアンの色材(通常、これらの色材は赤外域の波長吸収量が少ない)を使用して画像を形成してもよい。この場合、文書画像における黒やグレーの色は、イエロー、マゼンタ、サイアンの組合せで表現すればよい。この方式は、コードパターン画像が紙面が薄黒くなってしまうが、コードパターン画像は小さい斜線やドットが分散して配置されているだけなので、文書画像の読取を妨げるほどではない。この方式は、既存の電子写真方式に新たに不可視色材用のプリントエンジンを追加することなく、2次元コードパターン画像と電子文書の画像とが重畳された印刷物を生成することができるというメリットがある。なお、2次元コードパターン画像の読取に赤外線を用いるのは好適な方式ではあるが、必須ではない。ただ、2次元コードパターン画像の読取に、電子文書の画像がじゃまにならないようにするには、可視光領域外の光を用いることが好適であるといえる。
【0093】
以上に説明した図17の例では、上位装置から送られてくるプリントデータ中に識別情報と位置情報が含まれているとしたが、これらの情報を図17の装置内で生成してもよい。例えば、ページ内で一意的な位置情報を用いる場合は、ページのサイズが決まればそのページに埋め込むべき位置情報の組が決まるので、付加情報抽出部142が抽出したページサイズの情報から、コードパターン画像生成部100が各ページに埋め込むべき位置情報の組を生成することができる。また、識別情報も、コードパターン画像生成部100が自動生成してもよい。自動生成する識別情報としては、例えば出力するページ順に与える通し番号や、各ページの画像の十分な長さのハッシュ値等を採用することができる。また、電子文書のファイル名やユーザ名、文書作成日時などの属性情報の1乃至複数、又はこの装置自体の識別情報(例えばIPアドレスやMACアドレスなど)や2次元コードパターン画像の作成日時などといった2次元コードパターン画像作成に関係する属性情報などをもとに、2次元コードパターン画像に埋め込む識別情報を自動生成するようにしてもよい。識別情報を自動生成した場合、図17の画像処理装置は、後の利用に供するために、自身の管理するデータベース又はネットーワーク上に設けられた管理用のデータベースに、その識別情報と元の電子文書のデータ(又はその電子文書を特定するURL等の識別情報)とを対応づけて保存する。
【0094】
次に、図18を参照して、2次元コードパターン画像を電子文書に重畳する画像処理装置の別の例を説明する。この例は、2次元コードパターン画像を生成するための機構として図10の構成を用いた場合の例である。図18において、図17及び図10に示した構成要素に相当する構成要素には同一符号を付してその説明を省略する。
【0095】
図18の装置におけるコードパターン画像生成部100は、図10の構成に対して画像切り出し部116を加えたものである。
【0096】
この装置では、位置コード行列格納部120は、当該装置が取り扱う最大の用紙サイズに対応した領域の各座標についての位置コード行列を格納しており、コード合成部110は、それらすべての座標の位置コード行列をその領域に配列し、その間に識別コード行列を繰り返して配列する。そして、コードパターン画像生成部114が、その配列の各シンボル値を対応する画像パターンに置き換えることで2次元コードパターン画像を生成する。画像切り出し部116は、付加情報抽出部142がプリントデータから抽出した用紙サイズの情報に基づき、その2次元コードパターン画像のうち、実際に用紙に印刷するサイズの部分を切り出す。この切り出しは、例えば2次元コードパターン画像の左上隅等の基準点から縦横にその用紙サイズに応じたコードパターン領域の縦横の長さ分の面積を切り出せばよい。以降の処理は図17の装置と同様である。
【0097】
コード画像パターン生成部114の後段に画像切り出し部116を設ける代わりに、次のような変形も考えられる。すなわち、コード合成部110とコードパターン画像生成部114との間に切り出し部を設け、コード合成部110が生成した大きいサイズの2次元コード行列からその切り出し部が用紙サイズに応じた部分を切り出すという方式である。また、更に別の変形例として、用紙サイズの情報をコード合成部110に供給し、コード合成部110がその用紙サイズに相当する各座標の位置コード行列を位置コード行列格納部120から取り出して配列する方式も考えられる。
【0098】
また、2次元コードパターン画像を生成するための機構として図11の構成を用いる場合も、図18の例と同様、コードパターン画像生成部114で用紙サイズよりも大きい領域の2次元コードパターン画像を生成し、その中から用紙サイズに応じた部分を切り出して印刷するようにすることができる。
【0099】
次に図19を参照して、本実施形態の2次元コードパターン画像を電子文書に重畳して出力するシステムの構成を説明する。
【0100】
このシステムは、識別情報管理サーバ300、文書リポジトリ310、画像形成装置320を備える。文書リポジトリ310は、電子文書を保存したサーバであり、ユーザからの要求に応じて電子文書を提供する。識別情報管理サーバ300は、印刷出力する文書に埋め込む2次元コードパターン画像の識別情報を管理するサーバであり、上述の2次元コードパターン画像を生成して電子文書に重畳する機能も備える。画像形成装置320は、2次元コードパターン画像が重畳された電子文書の画像を印刷するために用いる。
【0101】
(1)このシステムでは、まずユーザが、ユーザ端末330から文書リポジトリ310にアクセスし、文書リポジトリ310が管理する文書のうち印刷を希望するものを指示する。
【0102】
(2)この指示を受けた文書リポジトリ310は、指示された電子文書のデータを識別情報管理サーバ300に送信する。
【0103】
電子文書データを受け取った識別情報管理サーバ300は、例えば自身が管理する識別情報データベースから未使用の識別情報を取得したり、電子文書のハッシュ値を用いて識別情報を生成したりするなどの方法で、識別情報の付与単位(例えば媒体のページ、媒体、電子文書のページ、電子文書全体など)ごとに識別情報を生成する。識別情報の付与単位は、システムで予め定めておけばよい。また、電子文書を印刷するユーザが指定できるようにしてもよい。識別情報管理サーバ300は、生成した識別情報と電子文書の属性情報とを対応づけて、識別情報データベースに登録する。登録する電子文書の属性情報には、例えば、電子文書の格納場所(例えばURL)、印刷を指示したユーザの情報(例えばユーザ識別情報)、この電子文書を印刷出力する画像形成装置320の識別情報などである。識別情報の付与単位が電子文書より小さい、例えばページであった場合、電子文書中でのその付与単位の識別情報(例えばページ番号)も、属性情報の一つとして登録することが好適である。また、属性情報だけでなく、電子文書のデータそのものを識別情報データベースに登録するようにしてもよい。
【0104】
(3)また、識別情報管理サーバ300は、図17等を用いて説明した画像処理装置の機能を用いて、各ページに印刷すべき位置情報群を生成し、これら位置情報と識別情報とを表す2次元コードパターン画像を生成し、この2次元コードパターン画像と電子文書とを画像形成装置320に送信する。
【0105】
画像形成装置320は、電子文書の画像と2次元コードパターン画像とを重畳して印刷することで、印刷文書325を生成する。
【0106】
図19のシステムによれば、ユーザが既存の文書リポジトリ310から選択した電子文書に対して、識別情報と位置情報とを含んだ2次元コードパターン画像を重畳して印刷出力することができる。
【0107】
印刷文書325を取得したユーザが、図12のコードパターン画像読取装置の機能を備えたスキャナ付きペンでその印刷文書に書き込みを行うと、スキャナ付きペンの読み取った情報を利用するアプリケーションソフトウエアは、書き込みの際にスキャナが読み取った2次元コードパターン画像中の位置情報から書き込みの軌跡を求める。また、そのアプリケーションソフトウエアは、位置情報と同時に読み取られた識別情報を識別情報管理サーバ300に送り、その識別情報に対応する電子文書(及び識別情報がページ単位の場合はページの情報)、又はその電子文書の属性情報を取得する。電子文書を取得した場合は、その電子文書の当該識別情報が示すページに対して、書き込みの軌跡のデータを例えばオーバーレイのプレーンの画像として追加する。電子文書そのものではなく、属性情報が得られた場合は、その属性情報に含まれる格納場所から電子文書のデータを取得し、そのデータに書き込みのデータを追加する。
【0108】
また、識別情報に対応づけて管理された電子文書の属性情報を用いることで、印刷文書の漏洩に関する情報を得ることもできる。例えば、印刷文書から読み取った識別情報を用いれば、識別情報管理サーバ300からそれに対応する属性情報として当該文書の印刷を指示したユーザの情報を得ることができるので、この文書が仮に漏洩したものであった場合、印刷指示を行ったユーザに事情を聞くなどして漏洩の経路等を突き止める手がかりとすることができる。また、属性情報に含まれる画像形成装置の識別情報から、その文書がどの画像形成装置から出力されたものかを調べることができるので、これも漏洩経路等の特定に有益な情報となる。
【0109】
また、印刷文書の2次元コードパターン画像から読み取った識別情報から、その印刷文書の元になった電子文書を取得することができるので、例えば印刷文書を複写する代わりに、その電子文書を印刷出力することで、より鮮明な複写物を得ることもできる。
【0110】
また、識別情報に対応づけて管理された電子文書の属性情報を用いることで、印刷文書に対するユーザの利用形態を管理することもできる。例えば、電子文書の属性情報には、印刷指示を行ったユーザの情報が登録されるが、そのユーザ情報の一つとして、そのユーザに対して許可される文書への操作の情報(例えば、複写の可否や書き込みの可否など)、すなわちユーザがその文書を利用する際の利用条件、を登録しておく。すると、コードパターン画像読取装置の読み取った情報を利用するアプリケーションは、印刷文書から読み取られた識別情報に応じて、ユーザの要求した操作を実行してよいかどうかを判定することができる。なお、各文書に対するユーザの利用権限を管理するサーバを別途用意し、識別情報から求められたユーザの権限をアプリケーションがそのサーバから取得するようにしてもよい。
【0111】
なお、以上では、2次元コードパターン画像に埋め込まれた識別情報が、識別情報管理サーバ30で、印刷指示を行ったユーザや出力した画像形成装置、当該文書に対するユーザの利用条件などと関連づけられるものとして説明したが、これに限らず、それらユーザ、又は画像形成装置、又は利用条件などを、識別情報に組み込んで、2次元コードパターン画像に埋め込んでもよい。
【0112】
図19に示したシステムでは、文書リポジトリ310と識別情報管理サーバ300と画像形成装置320とが別々の装置として構成されていたが、これはあくまで一例である。文書リポジトリ310と識別情報管理サーバ300とを1つのサーバにまとめたり、識別情報管理サーバ300と画像形成装置320とを1つの装置にまとめたりなど、このほかにも様々なシステム構成を採ることができる。
【0113】
以上説明した実施形態によれば、従来より小さい読取面積のスキャナでも位置情報と識別情報の両方が読取可能な2次元コードパターン画像を提供することができる。
【0114】
以上の実施形態はあくまで例示的なものであり、本発明の技術的思想の範囲内で様々な変形が考えられる。
【0115】
例えば、図1の例では、位置コード画像12が単位領域10の左上隅に偏って配置されたが、これ以外にも、例えば図20に示すように単位領域10の中央部に位置コード画像12を配置しても、同様の効果が得られる。また、図21に示すように、位置コード画像12を単位領域10の横方向についてのみ偏らせた場合は、横方向についての読取範囲を従来よりも小さくすることができる。
【0116】
また、以上の例では単位領域10は正方形であったが、矩形など他の形状としてもよい。
【0117】
同期コード16と単位領域10や位置コード画像12との位置関係は、本実施形態の効果とは基本的に関係がなく、図4や図6に示した位置関係でなくてもよい。例えば図22の例では、同期コード16が位置コード画像12の中心を通って縦横に走っている。この例では、1つの位置情報に対応する位置コード画像12は、単位領域10内で、同期コード16により4分割されているが、このような配置関係であっても、マクロに見れば位置コード画像12の配置は図4及び図6の場合と同様なので、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0118】
また、位置コード画像12の構造について、図23に示すような変形例も考えられる。この変形例では、位置コード画像12を縦及び横にそれぞれ2等分することで4つのサブ領域12x−1,12x−2,12y−1,12y−2に分け、対角線方向の2つのサブ領域12x−1,12x−2で位置情報のうちのx座標を表し、もう一つの対角線の方向の2つのサブ領域12y−1,12y−2で位置情報のうちのy座標を表す。このようにx,y座標の部分を分けてそれぞれ別々の対角線方向に配置した位置コード画像の構造を採用すれば、図24に示すように、2次元コードパターン画像50を読み取る際の読取領域52の大きさを、図1の単位領域10を用いた場合(図7A参照)よりも小さくすることができる。
【0119】
この例では、x座標は対角線方向の2つの部分12x−1,12x−2が読み取れれば復号できる。x座標は2次元コードパターン画像50の同一列で同じ値、y座標は同一行で同じ値なので、1つの単位領域10の位置コード画像(4つのサブ領域の和)が完全に読み取れなくても、x座標については横に隣接する単位領域10から読み取れた位置コード画像の一部を合わせて用いることで、y座標については縦に隣接する単位領域10から読み取れた位置コード画像の一部を合わせて用いることで、それぞれの座標値を復元できる。このようなことから、読取領域52の面積を図1の例の場合より小さくしても、位置情報を読み取ることができる。読取領域52は、原理的には、横方向については、注目する単位領域10の幅に、右隣の単位領域の左半分のサブ領域12x−1,12y−2をカバーできる程度の幅があればよく、縦方向については、注目する単位領域10の高さに、下隣の単位領域の上半分のサブ領域12x−1,12y−1をカバーできる程度の高さがあればよい。
【0120】
なお、スキャナの読取範囲を図7Aに例示したものより小さくした場合、その読取領域の読取画像だけでは完全な識別コード画像14を得られない場合があるが、この場合も、例えば加筆などの作業の際に連続して得られる読取画像の中から、識別コード画像14のうちの足りない部分を補うことできる。
【0121】
また、図1の例では、1つの単位領域10に1つの識別情報を埋め込んだが、これに限らず、1つの識別情報を複数の単位領域10に分けて埋め込むことも可能である。識別したい用紙の枚数やページ数が、1つの単位領域10で表現可能な識別情報の数よりも多くなるようなアプリケーションを想定すると、このような対応が必要になる。この例を図25〜図32を用いて説明する。
【0122】
図25に模式的に示す例は、横方向に隣接する2つの単位領域10Lと10Rに1つの識別情報を埋め込んだコードパターンの例である。単位領域10Lの位置コード画像12Lと単位領域10Rの位置コード画像12Rとは互いに異なる位置情報を示し、それら両領域10L及び10Rにまたがる識別コード情報14Aが1つの識別情報を示す。
【0123】
図26は、図25のコードパターンを2次元上に配列した2次元コードパターン画像60を模式的に示す。この例では、位置コード画像12のサイズも個々の単位領域10L,10Rのサイズも図1の例と同じなので、位置情報を読み取るのに必要なスキャナの読取領域62は図7Aに示した読取領域32と同じでよい。ただし、その読取領域62は、位置コード画像12L又は12Rを少なくとも1つ完全に視野に納めることはできるものの、識別コード情報14Aについては読み取れない部分が残る。しかしながら、ユーザが加筆などで2次元コードパターン画像上で連続的にスキャナを移動させたり、2次元コードパターン画像の異なる複数の場所を読み取ったりする作業の中で得られる複数の読取画像を組み合わせることで、完全な識別コード画像14Aを再構築することができる。この手法の一例について、図27及び図28を参照して説明する。
【0124】
すなわち、この例では、コードパターン画像読取装置は、スキャナ部202が読み取った読取画像(またはその中の各パターンをシンボル値に置き換えたコードシンボル値行列)に対し、同期コード16の情報を用いて図27のように水平、垂直のインデックス付けを行う。この例では、単位領域10Lと10Rとが同期コード16を挟まずに隣接し、縦に延びる同期コード16の列が、それら2つの単位領域10L,10Rごとに設けられている。この例では、水平方向の識別コード情報14Aの幅が図1の識別コード14の2倍なので、水平のインデックスの最大番号は図16の場合の2倍の16となっている。インデックス付けの規則は図16の場合と同様でよい。
【0125】
このようにインデックス付けした場合、1つの完全な識別コード画像14A(又はこれに対応する識別コード行列)は、垂直インデックスが1〜6でかつ水平インデックスが7〜8及び15〜16であるシンボルと、垂直インデックスが7〜8でかつ水平インデックスが1〜16であるシンボルとから構成される。したがって、複数フレームの読取画像から、水平、垂直のインデックスの組合せが上述のどれかに該当するものを集めて再構成することで、完全な識別コード画像又は識別コード行列を得ることができる。
【0126】
例えば、図27に示すような読取領域62を読み取ると、得られた読取画像からは、識別コード画像14A(又は識別コード行列)のうち、図28に示すような2つの部分15e、15fが求められる。これを識別コード用のバッファに蓄えておき、図28で白抜きで示される不足部分については、他の1乃至複数のフレームの読取画像から補う。
【0127】
なお、図27の例のように横方向に隣接する2つの単位領域ごとに同期コード16の列を設けると、単位領域を単位とした長さと実寸法との関係が縦方向と横方向とで少し異なってくる。そこで、図29に示す例では、同期コード16は図16の例と同様のピッチで設けている。図29では、単位領域10Lに識別コード画像14Aの左半分14Lが、単位領域10Rに識別コード画像14Aの右半分14Rが、それぞれ分けて配置されている。この場合のインデックス付けは、縦方向については図16の例と同様であり、横方向については、ペアをなす2つの単位領域のうち左側の単位領域10Lには1〜8のインデックスを、右側の単位領域10Rには9〜16のインデックスを割り振る。各単位領域10L又は10Rがペアの左側か右側かは、当該単位領域10L又は10Rに含まれる位置コード画像12Lまたは12Rのx座標から判別できる。例えばx座標が奇数なら左側、偶数なら右側と判別するなどである。したがって、コードパターン画像読取装置200は、読取領域62の画像から完全な位置コード画像を見つけると、その位置コード画像をデコードしてその位置コード画像が示すx座標を求め、このx座標に基づき水平方向のインデックス付けを行えばよい。インデックス付けをした後の識別コードの再構築処理は、図27及び図28で説明したのと同様でよい。
【0128】
以上の例と同様にして、横にN個(Nは3以上)連続した単位領域の組に1つの識別情報を埋め込む場合も、複数フレームの読取画像から識別情報を復号できる。この場合位置コード画像から求めたx座標をNで割った余りにより、その位置コード画像がN個の組のうちの何番目かを知ることができるので、上記の例とインデックス付けを行うことができる。
【0129】
また、縦に連続した複数の単位領域の組に1つの識別情報を埋め込む場合も、同様にして識別情報を復号できる。
【0130】
更に、縦にn行、横にm列からなるn×m個(m、nは2以上の整数)の隣り合う単位領域の組に1つの識別情報を分散して埋め込む場合も同様の取扱が可能である。図30に、隣接する2×2個の単位領域の組に1つの識別コード画像14を4分割した各部分14a,14b,14c,14dを分散して配置した場合の、読取画像に対するインデックス付けの例を示す。この場合、1つの識別情報を復号するには、垂直インデックスが1〜6でかつ水平インデックスが7〜8及び15〜16であるシンボルと、垂直インデックスが7〜8でかつ水平インデックスが1〜16であるシンボルと、垂直インデックスが9〜14でかつ水平インデックスが7〜8及び15〜16であるシンボルと、垂直インデックスが15〜16でかつ水平インデックスが1〜16であるシンボルと、を複数の読取画像から収集すればよい。
【0131】
また、1つの識別情報を分散させる複数の単位領域10は、必ずしも隣接していなくてよい。例えば、図31には、斜め方向について隣り合う単位領域10−1と10−2との識別コード画像の領域14eと14fに1つの識別情報を分散格納している。この例では、読取画像に対し、図30に示したのと同じインデックス付けを行い、垂直インデックスが1〜6でかつ水平インデックスが7〜8であるシンボルと、垂直インデックスが7〜8でかつ水平インデックスが1〜8であるシンボルと、垂直インデックスが9〜14でかつ水平インデックスが15〜16であるシンボルと、垂直インデックスが15〜16でかつ水平インデックスが9〜16であるシンボルと、を複数の読取画像から収集することで、完全な識別コード画像又は識別コード行列を求めることができる。例えば、図30に示した読取領域32を読み取ったフレームからは、図32に示すように、識別コード画像の2つの部分15g及び15hを取得できる。識別コード画像の領域で空白の部分は、そのフレームでは取得できなかった部分であり、この部分については別のフレームから補完すればよい。
【0132】
以上、1つの識別情報を複数の単位領域に分散した場合も、複数フレームの読取画像から識別情報が復号できること示した。以上の例では、各フレームから抽出される識別コード画像の断片を組み合わせて1つの完全な識別コード画像とするのにインデックス付けの手法を用いた例を説明したが、これはあくまで一例である。いずれの場合も、1つの識別情報を表す識別コード情報が2次元コードパターン画像の座標系でどのように繰り返されるかを示す繰り返し規則は既知なので、この繰り返し規則の情報を用いれば、各フレームで読み取ることができた部分が識別コード画像全体のどの部分かを特定できる。したがって、各フレームで読み取れた部分、部分を組み合わせることで、完全な識別コード画像を復元できる。
【0133】
また、以上の例では、コードシンボルとして角度の異なる斜線パターンを用いた例を示したが、本実施形態の方式がコードシンボルの画像パターンによらないものであることは明かであろう。斜線パターンの代わりに、コードパターン配置領域に設定した各格子点でのドットのオン・オフで格子点毎に1ビットの情報を示すようなコードシンボル系を用いても良いし、特許文献3のように、コードパターン配置領域に設定した各格子点に対しドットを置く位置を上下左右にずらすことで1格子点当たり2ビットの情報を表現するようなコードシンボル系を用いても良い。
【0134】
また、以上の例では、図2に示したように、用紙20の紙面の端部のマージンを除いた部分をコードパターン配置領域22としたが、紙面全体をコードパターン配置領域22としてももちろん構わない。
【0135】
また、以上の例では、図2に示したように、用紙20の1面に対し1つのコードパターン配置領域22を設定したが、これは必須のことではない。例えば図33に示すように、用紙20の紙面を2等分した2つの部分に、それぞれ1つずつコードパターン配置領域22−1,22−2を設けてもよい。この場合、個々のコードパターン配置領域22−1,22−2ごとにその領域内部での座標を位置情報として埋め込むことができる。また、各コードパターン配置領域22−1,22−2に対して異なる識別情報を埋め込むこともできる。例えば、電子文書のNページ(Nは2以上の整数)を縮小して用紙の1面に印刷するN−up印刷において、電子文書の各ページにそれぞれ2次元コードパターン画像を埋め込む場合には、このように1紙面に複数のコードパターン配置領域22を設定する方式を利用できる。
【0136】
また、この逆に、図34に示すように、用紙20の一面よりも大きいコードパターン配置領域22を設定し、そのコードパターン配置領域22の座標系の中に、各用紙20の紙面を重ならないように割り当てるようにすることもできる。識別情報はコードパターン配置領域22内で共通であり、位置情報はそのコードパターン配置領域22内の各位置毎に異なる。この方式は、例えば、1冊のノートや1冊の書籍の各ページに、そのノートや書籍の識別情報を割り当てる場合などに適用できる。
【0137】
また、以上の例では、コードパターン配置領域22の各座標位置に対してその座標を示す位置情報を埋め込んだが、位置情報の代わりに、座標位置ごとに異なる情報を埋め込むようにするのも、本発明の範囲内である。また、座標位置ごとに異なる情報を位置情報と併せたものに冗長データを付加して、各座標位置に埋め込んでもよい。前述の位置情報も含め、座標位置ごとに異なる情報を位置依存情報と呼ぶ。
【0138】
位置依存情報としては、前述の位置情報の他に、コードパターン画像と合成される文書画像のオブジェクトに関連した情報を例示することができる。例えば、「電子文書取得」、「電子文書印刷」、「手書きを電子文書と合成」、「メール送信」、などの操作を示す専用アイコン画像を文書画像として紙面の一部に印刷し、各アイコン画像の内容によって電子文書に対する処理を変更したり、特別な処理をしたりする場合を考える。この場合、それらアイコン画像(オブジェクト)に対応した操作を示す情報をコードパターン画像中の当該アイコン画像に対応した位置に埋め込むとすると、その操作を示す情報は紙面上でのアイコン画像の紙面上での位置に依存した位置依存情報となる。
【0139】
また、以上の例では、位置情報と共に媒体や媒体のページ、或いは電子文書又はそのページを一意的に指し示す識別情報を2次元コードパターン画像に埋め込んだが、そのような識別情報に限らず、コードパターン配置領域内の位置に依存しない位置非依存情報をその領域の各位置に埋め込む場合も本発明の範囲内である。
【0140】
位置非依存情報としては、前述の例の他に、例えば、コードパターン画像を印刷した印刷物やそれに対応する電子文書のセキュリティに関する情報をあげることができる。例えば、「複写(又はスキャン)を禁止する」、「複写(又はスキャン)時にアクセス認証する」などのような印刷物の複写やスキャンに対する条件や、その印刷物に印刷された文書に対応する電子文書へのアクセス権情報(アクセス禁止、等)などを、位置非依存情報としてコードパターン画像に埋め込む、などである。
【0141】
また以上の例では、2次元コードパターン画像を用紙等の媒体に印刷する場合を説明したが、例えば電子ペーパーや液晶表示装置などの表示装置に電気的に画像形成する場合にも、本発明は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0142】
【図1】実施形態の2次元コードパターン画像を構成する単位領域の構造を模式的に示す図である。
【図2】用紙表面に設定されたコードパターン配置領域の一例を示す図である。
【図3】単位領域の2次元配列の一例を示す図である。
【図4】単位領域のコードパターンの例を示す図である。
【図5】グリフコードのコードシンボルを示す図である。
【図6】単位領域と同期コードの位置関係の一例を示す図である。
【図7A】実施形態の2次元コードパターン画像を模式的に示す図である。
【図7B】従来技術の2次元コードパターン画像を模式的に示す図である。
【図8】実施形態の2次元コードパターン画像を生成するための装置構成を示す図である。
【図9A】位置コード行列生成部の機能を説明するための図である。
【図9B】識別コード行列生成部の機能を説明するための図である。
【図10】コードパターン画像生成装置の別の構成例を示す図である。
【図11】コードパターン画像生成装置の更に別の構成例を示す図である。
【図12】実施形態のコードパターン画像読取装置の構成を示す図である。
【図13】コードパターン画像抽出部の処理手順を示すフローチャートである。
【図14】コードパターン画像抽出部による識別コード画像の再構築処理を説明するための図である。
【図15】コードパターン画像抽出部の処理手順の別の例を示すフローチャートである。
【図16】識別コード画像の再構築処理の別の例を説明するための図である。
【図17】2次元コードパターン画像を電子文書に重畳する画像処理装置の機能ブロック図である。
【図18】2次元コードパターン画像を電子文書に重畳する画像処理装置の別の例を示す機能ブロック図である。
【図19】実施形態の2次元コードパターン画像を電子文書に重畳して出力するシステムの構成を示す図である。
【図20】単位領域における位置コード画像の配置場所の変形例を示す図である。
【図21】単位領域における位置コード画像の配置場所の別の変形例を示す図である。
【図22】単位領域と同期コードとの位置関係の変形例を示す図である。
【図23】位置コード画像をx座標とy座標のサブ領域に分けた変形例を示す図である。
【図24】図23の変形例の効果を説明するための図である。
【図25】隣接する2つの単位領域で1つの識別情報を表すコードパターンの例を示す図である。
【図26】図25の単位領域を2次元配列した2次元コードパターン画像を模式的に示す図である。
【図27】図25のコードパターンから識別情報を復元するための識別コード画像又は識別コード行列に対するインデックス付けの例を示す図である。
【図28】図25のパターンを用いた場合の、1回の読取画像から求められる識別コード画像の部分を例示した図である。
【図29】図25のコードパターンから識別情報を復元するための識別コード画像又は識別コード行列に対するインデックス付けの別の例を示す図である。
【図30】2×2の4つの単位領域に1つの識別情報を分散して埋め込む場合のインデックス付けの例を示す図である。
【図31】斜め方向に隣り合う2つの単位領域に1つの識別情報を分散して埋め込む例を示す図である。
【図32】図31のパターンを用いた場合の、1回の読取画像から求められる識別コード画像の部分を例示した図である。
【図33】1紙面に複数のコードパターン配置領域が設定される例を示す図である。
【図34】1つの大きいコードパターン配置領域に複数の用紙の紙面を重なりなく割り当てる例を示す図である。
【符号の説明】
【0143】
10 単位領域、12 位置コード画像、14 識別コード画像、30 2次元コードパターン画像、32 読取領域、102 位置情報符号化部、104 位置コード行列生成部、106 識別情報符号化部、108 識別コード行列生成部、110 コード配置部、112 パターン格納部、114 コードパターン画像生成部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙等の媒体にコード化した情報を埋め込んで利用する技術に関し、特に各位置ごとに異なる位置依存情報とそれら各位置に共通の位置非依存情報とを含んだコードパターン画像の生成又は読取のための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
用紙の紙面の識別情報と、紙面上での各点の位置情報とを2次元コードに埋め込み、電子文書と重畳して印刷することで、紙に手書き等で書き込まれた情報と電子情報とを融合する技術が開発されている。この技術では、その紙面を読み取った装置が、紙面から2次元コードを検出してその情報を復号して利用することで、紙面を識別すると共に、紙面に対する書込の位置を識別し、紙面上の書込等の情報を電子情報中の適切なページ中の適切な位置に反映可能とする。
【0003】
この種の技術には、例えば、特許文献1や2に開示されている技術、または特許文献3に開示されている技術がある。例えば特許文献1に示される装置は、2次元コードから媒体上の点の位置を検出する装置が開示されている。また特許文献2には、2次元コードに位置情報と文書ページを識別するための識別情報を埋め込む技術およびその2次元コードを検出する技術が開示されている。これらの技術では、ペンに付属したスキャナを用いることで、ペンにより記入されている箇所の位置情報やページ識別情報を読み取り、これらに基づき紙面に対する記入の軌跡を電子情報として再現している。
【0004】
また、特許文献3には、媒体上の絶対位置を検出するための2次元コード間に、媒体上での相対位置を検出するための区分パターンを配置し、2次元コードを検出する撮像素子と区分パターンを検出する受光素子でそれぞれのパターンを読み取り、媒体上の位置を検出する技術が開示されている。
【0005】
ペン型スキャナやペンに付属したスキャナで2次元コードを読み取る場合、紙面を局所的にしか読み取らないので、読み取った部分の情報を電子情報に正しく反映させるには、読み取った部分に必ず紙面の識別情報と位置情報の両方が含まれていなければならない。ここで、従来の技術では、紙面の識別情報と、紙面内での位置情報とをまとめて1つの2次元コードに格納すると、2次元コードの大きさ(面積)が増加するため、画像読取装置で広い範囲を読み取る必要がある。
【0006】
ところが、ペン型スキャナやペン付属のスキャナのように読取面が傾いた状態で読取を行う画像読取装置の場合には、読み取るべき面積が大きくなると画像の歪みや焦点ずれの影響が大きくなるため、読み取った画像から2次元コードを正しく復号することが困難になるか、極端な場合には復号処理が不可能になる場合がある。2次元コードに用いるシンボルを小さくすれば、2次元コードを小さくでき、スキャナの読取面積を小さくできるが、印刷装置の解像度やスキャナの解像度の制限があるためシンボルを小さくするにも限度がある。特に、オフィスや一般消費者向けの電子写真方式やインクジェット方式のプリンタで2次元コードを印刷することを考える場合、印刷解像度の限界からシンボルは余り小さくできない。
【0007】
なお、以上では、紙面の識別情報と紙面内での位置情報とを1つの2次元コードにまとめる場合の問題を説明したが、これは1つの応用についての話である。紙面の識別情報の代わりに、その紙面に印刷される電子文書のページの識別情報、その電子文書自体の識別情報、その紙面に対して2次元コードパターンの印刷を行った印刷装置の識別情報など、様々な種類の情報を紙面内で共通の情報として紙面各所に埋め込んで利用する応用も考えられる。また、1冊のノートの各ページ内の各点に、ノート中で一意的な位置情報を付与する場合など、紙面とは異なる単位領域内での位置情報を用いる応用も考えられる。また、紙面内の各点に、その点の位置ではないが、位置毎に異なる情報を含める応用も考えられる。上述した2次元コードの面積が大きいことに起因する問題は、紙面内の各位置に位置情報等の位置に依存する情報と位置に依存しない共通の情報とを含む2次元コードを埋め込む応用一般に生じる問題である。
【0008】
【特許文献1】特開2000−293303号公報
【特許文献2】特開2004−094907号公報
【特許文献3】特開2001−051792号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の1つの側面では、画像読取装置の読取面積が小さくても読取可能な、位置ごとに異なる情報と位置によらず共通の情報との両方を含んだコードパターン画像を生成するための技術を提供する。
【0010】
また本発明の別の側面では、画像読取装置の読取面積が小さくても読取可能な、位置ごとに異なる情報と位置によらず共通の情報との両方を含んだコードパターン画像が印刷された媒体を提供する。
【0011】
また本発明の更に別の側面では、上記媒体上のコードパターン画像の読取を、読取面積の小さい画像読取装置で実現するための技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の1つの側面では、各位置ごとに異なる位置依存情報とそれら各位置に共通の位置非依存情報とを含んだコードパターン画像を生成するコードパターン画像生成装置であって、位置依存情報とこれに対する冗長データとを含んだ複数の位置依存コード画像を、少なくとも一方向について互いに所定の間隔を空けて配置すると共に、配置された位置依存コード画像同士の間隔に、位置非依存情報とこれに対する冗長データとを含んだ位置非依存コード画像を繰り返して配置することによりコードパターン画像を生成する画像生成部と、画像生成部により生成されたコードパターン画像を含んだ画像データを出力する画像出力部と、を備えるコードパターン画像生成装置を提供する。
【0013】
本発明の別の側面では、コードパターン画像を読み取った読取画像から位置依存コード画像を検出し、位置依存コード画像から位置依存情報を復号する位置依存情報読取部と、読取画像に含まれる各単位パターンからそれぞれ位置非依存コード画像の断片を抽出し、それら各断片を単位パターン同士の位置関係に従って合成することで位置非依存コード画像を再構築する位置非依存コード画像再構築部と、再構築された位置非依存コード画像から位置非依存情報を復号する位置非依存情報復号部と、を備えるコードパターン画像読取装置を提供する。
【0014】
本発明の更に別の側面では、コードパターン画像を読み取った読取画像から位置依存コード画像を検出し、位置依存コード画像から位置依存情報を復号する位置依存情報読取部と、読取位置が異なる複数フレームの読取画像に含まれる各単位パターンからそれぞれ位置非依存コード画像の断片を抽出し、それら各断片を単位パターン同士の位置関係に従って合成することで位置非依存コード画像を再構築する位置非依存コード画像再構築部と、再構築された位置非依存コード画像から位置非依存情報を復号する位置非依存情報復号部と、を備えるコードパターン画像読取装置を提供する。
【0015】
本発明の更に別の側面では、各位置ごとに異なる位置依存情報とこれに対する冗長データとを含んだ複数の位置依存コード画像が、少なくとも一方向について互いに所定の間隔を空けて配置されると共に、配置された位置依存コード画像同士の間隔に、各位置に共通な位置非依存情報とこれに対する冗長データとを含んだ位置非依存コード画像が繰り返して配置されたコードパターン画像、が印刷されたコードパターン画像媒体、を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態(以下「実施形態」と呼ぶ)について説明する。
【0017】
まず、図1を参照して、本実施形態における2次元コードパターン画像の構造について説明する。この2次元コードパターン画像は、用紙等の媒体に印刷されて、媒体表面上での各点の位置(座標)とそれら各位置の間で共通な識別情報を表現するものである。本実施形態の2次元コードパターン画像は、特許文献1〜3と同様、加筆(アノテーション)情報の電子化を典型的な応用として想定しているが、応用分野はそれに限られない。また、以下では、2次元コードパターン画像が紙のシートに印刷される例を典型例として説明するが、ロール紙等の非シート媒体、或いは透明プラスティックシートなどの紙以外の被印刷媒体に対しても本発明が適用可能であることは、明かであろう。
【0018】
本実施形態の2次元コードパターン画像は、図1に示すような単位領域10を2次元マトリクス状に配列して構成される。
【0019】
例えば、図2に示すように、用紙20の面上に、縦横の端辺からそれぞれ所定幅のマージン部分を除いた矩形領域を、2次元コードパターン画像を印刷するコードパターン配置領域22とする。その領域22の左上隅の点を座標原点にとし、この原点からみて右方向をx軸の正の方向、下方向をy軸の正の方向とした直交座標系を考える。このコードパターン配置領域22に、矩形の単位領域10を、x、yの各軸方向に実質的に密に配列したものが、2次元コードパターン画像となる。
【0020】
2次元コードパターン画像の一部分を図3に模式的に示す。図3の左上隅の点Oを座標原点として、単位領域10がxyの2次元直交マトリクス状に配列されている状態を示している。このマトリクスに対し、原点Oからx方向及びy方向のそれぞれについて、単位領域10ごとに1から始まる通し番号を振れば、x,y各方向の通し番号の組により個々の単位領域10の座標を示すことができる。例えば、図3の左上隅の単位領域10の座標は(1,1)となり、その右隣の単位領域10の座標は(2,1)となる。この座標系を便宜上「パターン座標系」と呼ぶことにする。
【0021】
好適には、単位領域10の形状は正方形とする。単位領域10を長方形とした場合、座標の尺度がx方向とy方向とで異なるので、パターン座標系で求めた長さをmm単位等の実寸法に換算する際には、x方向とy方向とで換算係数が異なるが、正方形であれば、x,y両方向の換算係数を同じものとすることができる。
【0022】
1つの単位領域10は、図1に示すように、位置コード画像12と識別コード画像14から構成される。
【0023】
位置コード画像12は、位置情報を表現するコード画像である。この位置情報は、典型的には、コードパターン配置領域22上で、当該位置コード画像12(或いはそれを含む単位領域10)が配置される2次元座標を示す情報である。座標は、前述のパターン座標系でのものでよい。例えば、位置情報のデータ量を、x,yの各方向にそれぞれ8ビットとすれば、x,yの各方向にそれぞれ256個の座標を表現できる。この場合、1個の単位領域10を例えば3mm×3mmとすれば、約80cm四方の領域を3mmの間隔で位置表現(アドレッシング)することができる。なお、この2次元コードパターン画像を読み取る装置では、検出した位置コード画像から復号した3mm間隔の位置情報と、読取画像内でのその位置コード画像の位置の情報とを用いることで、例えば斜線パターンのピッチ、すなわち0.3mm程度の位置解像度で読取位置を特定することができる。
【0024】
本実施形態では、位置コード画像12には、位置情報だけでなく、それに対応する誤り検出符号又は誤り訂正符号などの冗長データも含める。用紙等に印刷されたコードパターン画像を光学的に読み取る場合には読み取り誤差がつきものであるが、位置情報に誤り検出符号が付加されていれば、当該誤り検出符号の符号長に応じたビット数までの読み取り誤りを検出できる。また誤り訂正符号が付加されていれば、当該誤り訂正符号の符号長に応じたビット数までの読み取り誤りを訂正できる。なお、誤り検出符号と誤り訂正符号のどちらを用いるかは、2次元コードパターン画像の利用目的、位置情報のデータ量、1つの位置コード画像12で表現できるデータ量などの兼ね合いで決めればよい。
【0025】
識別コード画像14は、コードパターン配置領域22内で共通の識別情報を表現するコード画像である。上述の位置コード画像12(すなわちそれが表現する位置情報)は、コードパターン配置領域22に配置される各単位領域10ごとに異なるのに対し、識別コード画像14(すなわちそれが表現する識別情報)は、コードパターン配置領域22に配置されるすべての単位領域10で同じである。すなわち、識別コード画像14は、同じものがコードパターン配置領域22に2次元的に繰り返し配置される。
【0026】
この識別情報の典型例は、用紙の面を一意的に識別する識別番号である。この場合、1枚の用紙の1つの面に印刷される識別コード画像14が示す識別情報の値が全て同じ値となる。例えば、このように各ページ毎に異なる識別コード画像14が印刷されたノートに対し、特許文献1,2に示されるような記入と同時に記入先の領域を読み取るスキャナ付ペンを用いて記入を行った場合、ノートのページに対する記入の軌跡を、そのノートに対応する電子文書の対応ページに電子情報として記録することができる。
【0027】
別の例では、一枚一枚の用紙ごとの識別情報が考えられる。また、複数の用紙からなる冊子(例えばノート)の識別情報も考えられる。
【0028】
更に別の例では、識別情報として、電子文書のページを一意的に識別するものを用いることもできる。これは、電子文書の各ページを2次元コードパターン画像と重畳して印刷するなどの応用を想定したものである。この場合、ある印刷されたページから読み取った識別コード画像14から、そのページがどの電子文書のどのページであるかを特定することができる。同様に、電子文書を一意的に識別する識別情報を用いることもできる。この場合、電子文書を構成する複数のページの印刷結果に対しては、全て同じ識別コード画像14が印刷される。
【0029】
識別コード画像14は、このような識別情報と、これに対応する誤り検出符号又は誤り訂正符号などの冗長データとを合わせた情報を表現するコード画像である。
【0030】
図1の例では、位置コード画像12の領域形状は正方形又は矩形であり、これが単位領域10の左上隅に配置される。単位領域10から位置コード画像12の領域を除いた残りの逆L字形の領域が、識別コード画像14の領域である。
【0031】
位置コード画像12の領域は、単位領域10内に分散するのではなく、コンパクトにかたまっている方がよい。位置コード画像12を構成する各部分が単位領域10の全域に分散していると、位置情報を読み取るのに単位領域10全体を読み取る必要があるが、位置コード画像12が単位領域10の一部分にかたまっていると、その部分だけが完全に読み取れれば位置情報を検出できる。すなわち、位置コード画像12がコンパクトにかたまっている方が、スキャナの読取面積が小さくて済む。この意味で、図1に示した正方形又は矩形の位置コード画像12の領域形状は好適である。ただし、位置コード画像12の領域は、コンパクトにかたまっているのであれば、正方形又は矩形でなくても構わない。単位領域10内での位置コード画像12の配置領域が、少なくともx方向又はy方向のいずれか一方について偏っていれば、従来よりも必要読取面積を小さくできる。
【0032】
図1では模式図で示したが、図4には、2次元コードパターン画像の具体例を示す。この例は、米国ゼロックス社のパロアルト研究所で開発された、角度の異なる斜線でデータを表現するグリフコード(例えば特開平6−103390号公報、特開平6−75795号公報)をコードシンボルとして用いた2次元コードパターン画像である。
【0033】
この例では、単位領域10は8シンボル×8シンボルの正方形領域である。各シンボルの値は、図5に示すように斜線パターンで表現される。この例では、シンボル値0は垂直線に対して反時計回りに45度の角度をなす右下がりの斜線で、シンボル値1は垂直線に対して時計回りに45度の角度をなす右上がりの斜線で表現される。
【0034】
このうち、位置コード画像12は、単位領域10の左上隅の6シンボル×6シンボルの正方形の画像であり、識別コード画像14は、単位領域10からその6×6シンボルの正方形を引いた残りの逆L字領域の画像となる。
【0035】
また、この例では、単位領域10の外周に沿って縦横の各方向に、同期コード16の列及び行を設けている。この例では、同期コード16は、右上がり(「1」)の斜線シンボルの連続であり、シンボルのサイズと配列ピッチは単位領域10内のシンボルサイズ及びピッチと同じである。同期コード16は、図6に示すように、縦及び横に等間隔で設けられ、それら同期コード16で囲まれる正方形領域に各単位領域10が設けられる。同期コード16は、各単位領域10の区切りを示す。すなわち、2次元コードパターン画像を読み取った装置では、右上がりのシンボルが連続している行及び列を検出すると、それら行と列とで形成される格子の網目の内部を単位領域10と認識することができ、その単位領域10の左上隅の6×6のシンボルが位置コード画像12と認識できる。
【0036】
なお、同期コード16は、単位領域10或いは位置コード画像12の場所を特定することができるものであれば、図4に例示したようなものでなくてもよい。例えば、単位領域10の四隅に斜線シンボルとは異なる特定形状のシンボルを配置したものを同期コード16としてもよい。図4及び図6の例では、同期コード16のためにシンボル1つ分の幅の行及び列を使ったが、同期コード16を構成するマークが十分に小さいものであれば、単位領域10を隙間なく2次元配列し、隣接する単位領域10の余白部分にそのマークを配置するようにしてもよい。
【0037】
図4の例では、1つの位置コード画像12には合計36シンボル、すなわち36ビットのデータが格納されている。36ビットのうち、18ビットをx座標の符号化に、18ビットをy座標の符号化に使用することができる。各18ビットを全て位置の符号化に使用すると、2^18通り(約26万通り)の位置を符号化できる。各斜線パターンが、図5に示したように8画素×8画素で構成されている場合、600dpi(ドット・パー・インチ)で印刷すると、600dpiの1ドットの縦横の長さは0.0423mmなので、縦横共に、図6の2次元コード(同期コード16を含む)の縦、横の長さは3mm程度(=1シンボル当たり8画素×9シンボル×0.0423mm)となる。3mm間隔で26万通りの位置を符号化した場合、約786mの長さを符号化できる。読取の精度がよければ18ビット全てを位置の符号化に使用することもできるが、実用的には、誤り検出や誤り訂正のための冗長ビットを含めることが好適である。18ビットに占める冗長ビットの割合を増やすと誤り検出や誤り訂正の能力が増えるが、表現できる位置の範囲が小さくなる。
【0038】
また、図4の例では、識別コード画像14は、2ビット×8ビットの矩形領域および2ビット×6ビットの矩形領域に配置されており、合計28ビットの識別情報を格納できる。識別情報として28ビットを使用した場合は、約2億7千万通り(2^28通り)の識別情報を表現できるが、実用的には28ビットのうちのいくつかのビットを誤り検出や誤り訂正のための冗長ビットとすることが好適である。
【0039】
以上の例では、互いに角度が90度異なる2つの斜線パターンをシンボルとして用いることで1シンボルで1ビットのデータを表現したが、これは一例に過ぎない。例えばシンボルに垂直線と水平線のパターンを追加すれば2ビットの情報を1シンボルで表現できる。このように、1シンボルの斜線パターンの角度種類を増やすことで、1シンボルが表現できるビット数を増加することも可能である。
【0040】
以上のように構成した2次元コードパターン画像を用いれば、従来技術で必要とされるよりも小さい読取面積のスキャナで、位置コード画像12と識別コード画像14が読み取れる。この効果について、図7A及び図7Bを参照して説明する。
【0041】
図7Aは、単位領域10内で位置コード画像12と識別コード画像14とを分離した本実施形態の2次元コードパターン画像30を、図7Bは、単位領域36内に位置情報と識別情報が一体となっている特許文献1及び2の2次元コードパターン画像34を、それぞれ模式的に示している。
【0042】
いずれの場合も、位置情報は各単位領域10又は36ごとに異なるので、位置情報を求めるためには、スキャナの読取領域は、位置情報を示す領域を少なくとも1つは完全にカバーしなければならない。図7Bに示す従来パターンの場合、位置情報は単位領域36全体の情報から求める必要があるので、読取領域は1つの単位領域36を完全にカバーしなければならない。原理的には、2単位領域×2単位領域の正方形(更に厳密にはこれより縦横それぞれ1シンボルずつ小さくてもよい)をカバーできる読取領域38であれば、読取領域38がどのように移動しても、必ず1つは完全な単位領域36を読み取ることができる。スキャナの回転も考慮すると、この場合のスキャナの読取領域は、正方形の領域38の対角線を直径とする円領域となる。
【0043】
これに対し、本実施形態では、位置情報は位置コード画像12内にのみ偏在するので、位置情報を完全に読み取るためには、少なくとも1つの位置コード画像12が読み取れればよい。このためにはスキャナは、図7Aに示すように、位置コード画像12を縦横に2つずつ含む領域32(更に厳密にはこれより縦横それぞれ1シンボルずつ小さくてもよい)をカバーできればよい。このように、本実施形態では、スキャナの読取領域は2単位領域×2単位領域よりも小さくて済む。図7Aの場合と図7Bの場合とで、位置情報及び識別情報のビット数とそれに対して付加する冗長ビット数と1シンボルの画像サイズとが同じであれば、単位領域10と単位領域36のサイズは同じになるので、同条件であれば本実施形態の方が従来技術よりもスキャナの読取領域が小さくて済む。
【0044】
以上では、スキャナの読取面に傾きがない理想状態で議論した。読取面の傾きを考慮した場合、その傾きの分だけ読取領域のサイズを大きく設定する必要がある。しかし、傾きを考慮して読取領域を大きくする程度は本実施形態でも従来技術でも同じなので、結局、本実施形態の方が読取領域は小さくて済む。
【0045】
なお、本実施形態の場合、スキャナの読取領域のサイズを、位置コード画像12が少なくとも1つカバーできる限界に近い小さい領域とした場合、その読取領域に含まれる各単位領域10の識別コード画像14は、たいていの場合どれも細切れになってしまい、一つとして完全には読みとれない。しかし、識別コード画像14は、すべての単位領域10で同じなので、細切れになったものを適切に再構築すれば、完全な識別コード画像14を再構成できる。したがって、本実施形態では、スキャナの読取領域を従来技術より小さくしても、位置情報及び識別情報の両方を読みとることができる。識別コードの再構築処理については、後で詳しく説明する。
【0046】
このように、スキャナの読取領域を小さくできれば、スキャナの読取面が傾いた状態での画像の歪みや焦点ずれを小さくすることができる。したがって、歪みや焦点ずれによる読取能力劣化の問題を低減することができる。
【0047】
なお、特許文献2の方式は、同文献の図4に示されるように、1つ1つのコード画像内で2バイトの位置情報と3バイトの文書ページ識別情報とが分かれて配置されている。これは一見本実施形態と似ているように見えるかもしれないが、全く異なるものである。すなわち、特許文献2の方式では、位置情報と文書ページ識別情報の合計5バイトに対して4バイトの誤り訂正符号が計算され、それら4バイトの誤り訂正符号がそのコード画像のほぼ全長にわたって範囲にまたがっている。このため、位置情報を復号するにも文書ページ識別情報を復号するにも、広い範囲に分布する誤り訂正符号を読まなければならない。このように、特許文献2では、位置情報を復号するにはコード画像全体を読まなければならないため、結局図7Bと同じことになってしまう。
【0048】
次に、図8を参照して、以上に説明した本実施形態の2次元コードパターン画像を生成するためのコードパターン画像生成装置の構成を説明する。この装置には、外部の装置(例えばパーソナルコンピュータや文書サーバなど)から、コードパターン配置領域22内に配置する各単位領域10の位置情報と、それら各位置で共通な識別情報が入力される。
【0049】
位置情報符号化部102は、入力された位置情報を所定の符号化方式により符号化する。この符号化処理では、例えば、よく知られた誤り訂正符号化方式であるRS(リードソロモン)符号やBCH符号等の方式を用いることができる。また、CRC(Cyclic Redundancy Check)やチェックサムなどの誤り検出符号化方式を用いることもできる。いずれを用いるかは目的等に応じて定めればよい。位置情報符号化部102は、位置情報に対し、誤り訂正又は誤り検出符号化方式に従って冗長ビットを計算し、これを位置情報に付加したものを位置コードとして出力する。なお、この符号化処理では、位置情報の各ビットの順序を所定の規則に従って入れ換えるなど、位置情報に対して変換処理や暗号化処理を施し、その処理結果に対して冗長ビットを求めるようにしてもよい。
【0050】
コード画像において用いるシンボルが、1シンボルで複数ビットのデータを表現するものである場合、位置情報符号化部102から出力されるビット列は、そのシンボルが表現できるビット数ごとに区切ることで、各シンボルのシンボル値として解釈できる。
【0051】
位置コード行列生成部104は、位置情報符号化部102から出力された位置コードの各シンボル値を、単位領域10での位置コード画像12のシンボル配列パターンに応じた2次元行列の形に配列する。すなわち、図9Aに示すように、位置コード行列生成部104に入力される位置コード40は各シンボル値が一列に並んだシリアルデータであるが、位置コード行列生成部104は、それを例えば図4に示す位置コード画像12に変換するための前処理として、6×6の位置コード行列42に変換する。より厳密に言えば、位置コード行列42は、8×8の単位領域10の2次元コード行列のうちの、左上隅の6×6の部分である。シリアルな位置コード40の各シンボル値を位置コード行列42の何行何列にマッピングするかを示すマッピング規則は、本実施形態の2次元コードパターン画像を利用するシステムにおいてあらかじめ取り決めておき、位置コード行列生成部104に登録しておけばよい。
【0052】
識別情報符号化部106は、入力された識別情報を所定の符号化方式により符号化する。符号化方式としては、位置情報符号化部102で使用した方式と同様の方式を使用すればよい。
【0053】
識別コード行列生成部108は、図9Bに示すように、識別情報符号化部106が出力するシリアルな識別コード44を、あらかじめ取り決められているマッピング規則に従って2次元配置することにより、図4に示す識別コード画像14のシンボル配列に応じた識別コード行列46を生成する。
【0054】
以上の構成において、位置情報は、各単位領域10毎に異なるので、位置情報符号化部102及び位置コード行列生成部104は、それら各位置情報についてそれぞれ位置コード行列42を求める。これに対して識別情報は、位置が異なっても共通なので、識別情報符号化部106及び識別コード行列生成部108は、1つの識別情報の識別コード行列46を求める。
【0055】
コード配置部110は、各位置情報に対応する位置コード行列42と、識別情報に対応する識別コード行列46とを、それぞれコードパターン配置領域22の対応する位置に配置することで、出力すべき2次元コードパターン画像のサイズに相当する2次元コード行列を生成する。この処理では、各位置情報の位置コード行列42をそれぞれ当該位置情報が示す座標に配置し、各位置情報の位置コード行列42にそれぞれ隣接して、同じ識別情報の識別コード行列46を配置する。或いは、各位置ごとに、正方形の位置コード行列42と逆L字形の識別コード行列46とを合成して単位領域10のコード行列を作成し、それら各位置の単位領域10のコード行列をそれぞれ対応する位置に配置することで、パターン全体の2次元コード行列を生成する。2次元コードパターン画像に同期コード16を含める場合は、コード配置部110が、同期コード16に対応するコードの行や列をそれら単位領域10のコード行列の間に挿入する。ただし、これは必須ではなく、同期コード16は既知のパターン配列なので、後述するコードパターン画像生成部114で挿入してもよい。
【0056】
パターン格納部112には、図5に示したような各シンボル値に対応するビットマップのパターン画像が格納される。
【0057】
コードパターン画像生成部114は、コード配置部110が作成した2次元コード行列の各シンボル値を、パターン格納部112から取得されるそのシンボル値に対応するパターン画像に置き換えることにより2次元コードパターン画像を生成する。同期コード16を挿入する必要がある場合は、例えばあらかじめ用意されている同期コード16の画像の各格子内の空白部分に対し、2次元コード行列の各シンボル値に対応するパターン画像を配列していけばよい。
【0058】
このようにして生成された2次元コードパターン画像は、プリンタや複写機、複合機などの画像形成装置に供給して印刷出力することができる。
【0059】
図8のコードパターン画像生成装置は、例えば、以上に説明した各ユニット102〜114の機能を記述したプログラムをコンピュータのプロセッサにより実行させることで実現させることができる。また、各ユニット102〜114の機能は比較的単純なので、これらの一部又は全てをハードウエア回路として構成することもできる。また、各ユニット102〜114の一部又は全てをDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)などといった、ハードウエア回路とソフトウエアの両方を用いた演算装置として構成することもできる。
【0060】
次に、図10及び図11を参照して、コードパターン画像生成装置の2つの変形例を説明する。図10及び図11において、図8に示した構成要素に相当する構成要素には、同一符号を付してその説明を省略する。
【0061】
図10は、位置情報符号化部102と位置コード行列生成部104の代わりに、位置コード行列格納部120を設けた構成を示す。
【0062】
位置情報は、画像が変わっても基本的に同じである。例えば、位置情報の基準点を画像左上とする場合、どのような画像であっても画像左上部に配置される位置情報は同じ(例えばX座標0、Y座標0)である。従って、2次元コードパターン画像において用いる位置コード行列の組を予め生成して位置コード行列格納部120に格納しておき、実際に2次元コードパターン画像を生成する際には、格納された位置コード行列を用いるようにすれば、画像生成時の負荷を軽減することができる。位置コード行列格納部120には、例えば、座標をインデックスとしてその座標に対応する位置コード行列を格納しておけばよい。
【0063】
図11は、位置コード行列ではなく位置コード画像12そのものを予め用意しておく例である。位置コード画像格納部130には、使用される可能性がある位置コード画像が例えば座標ごとに格納されている。この構成では、コード配置部110は、識別コード行列生成部104が生成した識別コード行列のみをコードパターン配置領域の必要な位置に配置し、この配置結果を受けたコードパターン画像生成部114は識別コード部分のみのコードパターン画像を生成する。画像合成部132は、この識別コード部分のコードパターン画像の各座標に対応する空白部分に、位置コード画像格納部130から取り出した各座標の位置コード画像を合成する。なお、位置コード画像格納部130には、各位置コード画像を各々の座標位置に配置して識別コード画像部分のみを空白とした画像を格納しておき、これをコードパターン画像生成部114の出力画像と合成するようにしてもよい。
【0064】
位置情報はページ内の各位置で異なるため数が非常に多いのに対し、識別情報は例えば1ページにつき1つなどと非常に数が少ない。したがって、図10や図11のように位置情報についての処理を大幅に低減する構成は、処理負荷の低減のためには非常に有益である。
【0065】
次に、本実施形態の2次元コードパターン画像を読み取るコードパターン画像読取装置について説明する。
【0066】
図12に示すように、このコードパターン画像読取装置200は、スキャナ部202,コード画像抽出部204及びコード認識部206を備える。
【0067】
スキャナ部202は、媒体上に印刷された2次元コードパターン画像を光学的に読み取るスキャナである。スキャナ部202は、図7Aに示したように、読取面の傾きを考慮した上で少なくとも2×2の位置コード画像12をカバーする読取面積を備える。スキャナ部202は、典型的には、特許文献1,2に示されるようなペンとスキャナが一体型となったスキャナ付ペンであるか、あるいはペン型スキャナである。スキャナ部202は、例えば毎秒数十〜百フレーム程度の高いフレームレートで読取範囲の画像を読み取る。
【0068】
コード画像抽出部204は、スキャナ部202が読み取った画像(読取画像と呼ぶ)から位置コード画像12と識別コード画像14とを抽出する。コード画像抽出部204の処理を、図13を参照して説明する。なお、コード画像抽出部204に入力される読取画像は、読取面の傾きに応じた歪みの補正などが既になされているものとする。
【0069】
コード画像抽出部204は、スキャナ部202から読取画像を取得する(S1)と、読取画像中から同期コード16を検出する(S2)。図4のようなコードパターン画像の場合、右上がりの斜線パターンが連続して現れる行及び列を同期コード16の行、列として検出する。なお、同期コードとしては図4に例示したもの以外にも従来から提案されている様々なものを用いることができ、その同期コードの種類に応じた従来からある検出方式で検出できる。
【0070】
同期コード16が検出できると、その同期コード16の格子を基準に位置コード画像12の位置が特定できる。例えば、図4及び図6の例では、同期コード16がなす格子の網目の左上隅の6×6シンボルの領域が位置コード画像12の領域と特定できる。コード画像抽出部204は、読取画像中の位置コード画像12が存在するはずの各領域から、完全な位置コード画像12を検出する(S3)。
【0071】
この検出を図14を参照して説明すると、スキャナ部202が2次元コードパターン画像30の中の領域32を読み取ったとする。図中で2次元コードパターン画像30の右下に示すように、このとき得られる読取画像34は単位領域10a,10b,10c,10dのそれぞれ一部分ずつを含んでいる。ただし、読取面積が適切に定められているので、この読取画像34の中には、必ず1つは欠落のない完全な位置コード画像12が含まれている。図14の例では、右下の単位領域10dの位置コード画像12dが欠落なく読み取られている。同期コード16から単位領域10a,10b,10c,10dの範囲が特定でき、それぞれの位置コード画像の範囲が特定できるので、ステップS3では、読取画像34中でそれぞれの位置コード画像の範囲を調べ、位置コード画像12の領域サイズである6×6シンボル分の正方領域に画像データが存在するもの(位置コード画像12d)を検出する。
【0072】
次にコード画像抽出部204は、ステップS3で検出した完全な位置コード画像12dと同じ単位領域10dの領域から識別コード画像14を取り出す(S4)。ただし、この例では、読取画像34の単位領域10d内には識別コード画像は存在せず、その一部分15dが取り出せるだけである。
【0073】
そこでコード画像抽出部204は、単位領域10d内から取り出せた識別コード画像の一部分15dの識別コード画像14全体に対する不足量を計算する(S5)。図14の例では、横方向の不足長さShと縦方向の不足長さSvとをそれぞれ計算している。同期コード16から単位領域10dの範囲が特定できているので、この計算は可能である。
【0074】
次にコード画像抽出部204は、求めた不足量の情報を用いて、隣接する単位領域1010a,10b,10cから、識別コード画像14の不足分の画像15a,15b,15cを取得する(S6)。識別コード画像14はすべての単位領域10で同じものなので、単位領域10dで足りない部分は、他の単位領域10a,10b,10cでのその足りない部分に対応する位置から取得する。例えば、単位領域10aの識別コード画像14の領域の下端から高さSv、右端から幅Shの矩形領域の画像15aを切り出している。
【0075】
そしてコード画像抽出部204は、ステップS6で取得した画像15a,15b,15cを、画像15dとをそれぞれ適切な位置に並べることで、完全な識別コード画像14を再構築する(S7)。
【0076】
以上のようにして、読取画像34から、位置コード画像12と識別コード画像14とが抽出される。コード認識部206は、それら位置コード画像12と識別コード画像14に対してコード認識処理を施すことで、位置情報と識別情報を再生する。ここで行われるコード認識処理は、大略的に言えば、図8を用いて説明した2次元コードパターン画像の作成処理の逆の処理である。識別コード画像14を代表として説明すると、コード認識部206は、まず識別コード画像14から各斜線シンボルを認識することで、各シンボルの値を求め、各シンボルの値を識別コード画像14中での各シンボルの配列位置に合わせて配列した識別コード行列を求める。そして、この識別コード行列に対し、識別コード行列生成部108の逆の処理を行うことで直列的(シリアル)な識別コードを求め、この識別コードに対し、識別情報符号化部106の符号化方式に対応した復号処理を施すことで、識別情報を復号する。位置コード画像12についても、同様の処理により、位置情報を復号できる。
【0077】
コード画像抽出部204とコード認識部206は、1フレームごとに上述の抽出及び認識の処理を行い、位置情報及び識別情報を求める。
【0078】
このようにして各フレームの読取画像から求められた位置情報及び識別情報は、これら情報を利用するアプリケーションソフトウエアに提供され、利用される。例えば、本実施形態の2次元コードパターン画像が印刷された用紙に対し、ユーザがペン付スキャナで書き込んだ書込を電子情報として取り込むアプリケーションの場合、識別情報からその用紙を特定してその用紙の原画像を取得し、連続して読み取られる各フレームから取得した位置情報からユーザの加筆の軌跡を求め、その軌跡を示す画像を原画像に重畳して記録するなどの処理を行う。
【0079】
次に図15及び図16を参照して、コード画像抽出部204の処理手順の別の例を説明する。この処理では、コード画像抽出部204は、スキャナ部202から読取画像を取得し(S11)、この読取画像から同期コード16の行、列を検出する(S12)。次に、同期コードに従い、読取画像のシンボルの行列にインデックス付けを行う(S13)。すなわち、単位領域10の縦方向及び横方向のシンボル数は既知であり、各単位領域10の縦方向、横方向の境界は同期コード16により識別できるので、ステップS13では、各単位領域10内のシンボルの各行、各列に対して、一定の規則でインデックス番号を振る。図4のコードパターン画像の例の場合、8シンボル×8シンボルなので、各行、各列に1〜8の整数のインデックス番号を順に振る。このインデックス付与の結果を図16に模式的に示す。水平方向のインデックスは、単位領域10の左端から右端に向かって1シンボル幅毎に1,2,・・・、8と割り当てられており、垂直方向のインデックスは、単位領域10の上端から下端に向かって1シンボル幅毎に1,2,・・・、8と割り当てられている。同期コード16の行と列の交点には、インデックス「0」を割り当てている。
【0080】
コード画像抽出部204は、図13の処理と同様にして、読取領域32内の画像から完全な位置コード画像12を検出するとともに(S14)、インデックスを利用して識別コード画像14を再構築する(S15)。すなわち、全ての識別コード画像は同じものなので、垂直インデックスと水平インデックスとの組合せが等しい位置には同じシンボルが存在する。識別コード画像14は、垂直インデックスが1〜6でかつ水平インデックスが7〜8となる組合せのシンボルと、垂直インデックス7〜8でかつ水平インデックス1〜8となる組合せのシンボルを併せたものである。したがって、ステップS15では、識別コード画像14の領域に該当する水平、垂直インデックスの組合せのシンボルを読取領域32の画像から切り出し、それらを水平、垂直インデックスに従って組み立てることで、識別コード画像14を再構築できる。この処理は、例えば読取領域32の画像のシンボルを左上隅から順にラスタ走査していく中で、識別コード画像14の領域に該当するインデックス組合せに該当するものがあれば、そのシンボルの画像を切り出し、画像バッファ中のそのインデックス組合せが示す2次元位置に配置する。この処理を、識別コード画像14に必要な全ての水平、垂直インデックスの組合せに対応するシンボル画像が画像バッファ内に揃うまで繰り返せばよい。
【0081】
以上のように、図15の処理でも、位置コード画像12と識別コード画像14を抽出することができる。
【0082】
なお、図13及び図15の例では、コード画像抽出部204はビットマップの位置コード画像12と識別コード画像14を抽出していたが、この代わりに、まず読取画像34内の各斜線シンボルを認識することで、読取画像34をシンボル値の2次元行列に変換し、この2次元行列から同期コードや位置コード行列、識別コード行列を検出するようにしてもよいことは、当業者には明かであろう。この場合、コード認識部206は、シンボル画像の認識を行う必要はなく、位置コード行列生成部104,位置情報符号化部102,識別コード行列生成部108,識別情報符号化部106のそれぞれの逆処理を行えばよい。
【0083】
以上に説明したコード画像抽出部204及びコード認識部206は、例えば、以上に説明したそれら各ユニットの機能を記述したプログラムをコンピュータのプロセッサにより実行させることで実現させることができる。また、各ユニット204及び206の機能は比較的単純なので、これらの一部又は全てをハードウエア回路として構成することもできる。また、各ユニット204及び206の一部又は全てをDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)などといった、ハードウエア回路とソフトウエアの両方を用いた演算装置として構成することもできる。
【0084】
以上に説明した識別コード画像(又は識別コード行列)の再構築処理は、いずれも、位置コード画像に対する識別コード画像の相対的な位置関係と、2次元コードパターン画像における識別コード画像の繰り返しの規則性についての知識を利用したものといえる。
【0085】
以上説明したように、本実施形態のコードパターン画像読取装置は、識別コード画像14が1つとして完全に読みとれなくても、異なる単位領域から読み取った部分部分の読取結果を貼り合わせることで識別コード画像14を再構築できる。位置コード画像12がかろうじて1つ完全に読みとれる程度までスキャナ部202の読取範囲を小さくしても、識別コード画像を読みとって復号することができる。
【0086】
次に、図17を用いて、本実施形態の2次元コードパターン画像を電子文書に重畳する画像処理装置について説明する。図17において、コードパターン画像処理部100は、図8に示した装置と同じ構成のものなので、説明を省略する。
【0087】
図17の装置において、プリントデータ入力部140は、パーソナルコンピュータや文書サーバなどの上位装置から転送されて来るプリントデータを入力する。このプリントデータは、印刷対象の文書画像をページ記述言語で記述したデータ、又は文書画像データそのものであり、文書の内容以外に文書の属性情報等の付加情報を含んでいる。この例では、付加情報には、2次元コードパターン画像に埋め込むべき位置情報と識別情報が含まれる。例えば、印刷する用紙の各ページごとにそのページ内に埋め込むべき各点の位置情報が、上位装置によりページごとの付加情報として付加されて送信されてくる。識別情報については、印刷する用紙のページごとに異なる識別情報を付ける場合は、プリントデータの各ページに対してそれぞれ識別情報が上位装置で付加情報として付され、文書単位の識別情報を付ける場合は、プリントデータの文書全体の付加情報としてその識別情報が付される。付加情報抽出部142は、プリントデータからこれら位置情報と識別情報を抽出する。コードパターン画像処理部100は、抽出された位置情報と識別情報を用いて図8の装置と同様の処理を行うことで、各用紙に印刷すべき2次元コードパターン画像を生成する。生成された2次元コードパターン画像は、タイミング合わせのためにコードパターン画像バッファ148にいったん格納される。
【0088】
文書画像生成部144は、プリントデータがページ記述言語のデータの場合は周知のページ記述言語解釈処理により画像データに変換し、プリントデータが画像データであればそれを用い、その画像データに対し更に色空間変換その他印刷のために必要な画像処理を行うことで、プリントエンジン152に供給するための文書の画像データを生成する。生成された文書画像データは、タイミング合わせのために文書画像バッファ146にいったん格納される。
【0089】
コードパターン画像バッファ148及び文書画像バッファ146にそれぞれ1ページ分の画像が蓄積されると、画像合成部150がそれら両画像を合成する。この合成では、例えば、文書画像のプレーン乃至プレーン群と2次元コードパターン画像のプレーンとを合わせて、複数プレーンからなる画像データを生成する。
【0090】
1つの好適な例では、2次元コードパターン画像は、人間の目には容易に識別できない(ほぼ不可視)が特定の赤外領域の波長を可視光領域の波長よりも多く吸収する性質を持つ色材を使用して媒体上に画像形成する。これに対し、文書画像は、その特定の赤外領域の波長は余り吸収せず、可視光領域の波長を多く吸収する色材を用いて媒体に画像形成する。電子写真方式で用いられているイエロー、マゼンタ、サイアンのトナーは、赤外域の波長をほとんど吸収しないので、文書画像印刷用の色材として用いることができる。この例では、文書画像はプリントエンジン152の可視色材のチャンネルへ転送されるプレーンとして、2次元コードパターン画像はプリントエンジン152の赤外吸収性色材のチャンネルへ転送されるプレーンとして、合成される。
【0091】
プリントエンジン152は、画像合成部150から与えられる画像を用紙等の媒体に対して画像形成する。これにより、電子文書の画像と2次元コード画像とを重畳して印刷した印刷物を得ることができる。この例では、印刷物上の文書画像は特定波長域の赤外線をあまり吸収しないのに対し、2次元コードパターン画像はその特定波長域の赤外線をよく吸収するので、コードパターン画像読取装置(図12参照)のスキャナ部202として、その特定波長域の赤外線を用いて画像を読み取るものを用いることで、文書画像の影響をほとんど受けずに2次元コードパターン画像を読み取ることができる。
【0092】
以上では2次元コードパターン画像用の色材として不可視で赤外線を吸収するものを例に取ったが、これに限るものではない。例えば、2次元コードパターン画像を赤外域の波長を吸収する色材であるカーボンブラックを使用して形成し、文書画像をイエロー、マゼンタ、サイアンの色材(通常、これらの色材は赤外域の波長吸収量が少ない)を使用して画像を形成してもよい。この場合、文書画像における黒やグレーの色は、イエロー、マゼンタ、サイアンの組合せで表現すればよい。この方式は、コードパターン画像が紙面が薄黒くなってしまうが、コードパターン画像は小さい斜線やドットが分散して配置されているだけなので、文書画像の読取を妨げるほどではない。この方式は、既存の電子写真方式に新たに不可視色材用のプリントエンジンを追加することなく、2次元コードパターン画像と電子文書の画像とが重畳された印刷物を生成することができるというメリットがある。なお、2次元コードパターン画像の読取に赤外線を用いるのは好適な方式ではあるが、必須ではない。ただ、2次元コードパターン画像の読取に、電子文書の画像がじゃまにならないようにするには、可視光領域外の光を用いることが好適であるといえる。
【0093】
以上に説明した図17の例では、上位装置から送られてくるプリントデータ中に識別情報と位置情報が含まれているとしたが、これらの情報を図17の装置内で生成してもよい。例えば、ページ内で一意的な位置情報を用いる場合は、ページのサイズが決まればそのページに埋め込むべき位置情報の組が決まるので、付加情報抽出部142が抽出したページサイズの情報から、コードパターン画像生成部100が各ページに埋め込むべき位置情報の組を生成することができる。また、識別情報も、コードパターン画像生成部100が自動生成してもよい。自動生成する識別情報としては、例えば出力するページ順に与える通し番号や、各ページの画像の十分な長さのハッシュ値等を採用することができる。また、電子文書のファイル名やユーザ名、文書作成日時などの属性情報の1乃至複数、又はこの装置自体の識別情報(例えばIPアドレスやMACアドレスなど)や2次元コードパターン画像の作成日時などといった2次元コードパターン画像作成に関係する属性情報などをもとに、2次元コードパターン画像に埋め込む識別情報を自動生成するようにしてもよい。識別情報を自動生成した場合、図17の画像処理装置は、後の利用に供するために、自身の管理するデータベース又はネットーワーク上に設けられた管理用のデータベースに、その識別情報と元の電子文書のデータ(又はその電子文書を特定するURL等の識別情報)とを対応づけて保存する。
【0094】
次に、図18を参照して、2次元コードパターン画像を電子文書に重畳する画像処理装置の別の例を説明する。この例は、2次元コードパターン画像を生成するための機構として図10の構成を用いた場合の例である。図18において、図17及び図10に示した構成要素に相当する構成要素には同一符号を付してその説明を省略する。
【0095】
図18の装置におけるコードパターン画像生成部100は、図10の構成に対して画像切り出し部116を加えたものである。
【0096】
この装置では、位置コード行列格納部120は、当該装置が取り扱う最大の用紙サイズに対応した領域の各座標についての位置コード行列を格納しており、コード合成部110は、それらすべての座標の位置コード行列をその領域に配列し、その間に識別コード行列を繰り返して配列する。そして、コードパターン画像生成部114が、その配列の各シンボル値を対応する画像パターンに置き換えることで2次元コードパターン画像を生成する。画像切り出し部116は、付加情報抽出部142がプリントデータから抽出した用紙サイズの情報に基づき、その2次元コードパターン画像のうち、実際に用紙に印刷するサイズの部分を切り出す。この切り出しは、例えば2次元コードパターン画像の左上隅等の基準点から縦横にその用紙サイズに応じたコードパターン領域の縦横の長さ分の面積を切り出せばよい。以降の処理は図17の装置と同様である。
【0097】
コード画像パターン生成部114の後段に画像切り出し部116を設ける代わりに、次のような変形も考えられる。すなわち、コード合成部110とコードパターン画像生成部114との間に切り出し部を設け、コード合成部110が生成した大きいサイズの2次元コード行列からその切り出し部が用紙サイズに応じた部分を切り出すという方式である。また、更に別の変形例として、用紙サイズの情報をコード合成部110に供給し、コード合成部110がその用紙サイズに相当する各座標の位置コード行列を位置コード行列格納部120から取り出して配列する方式も考えられる。
【0098】
また、2次元コードパターン画像を生成するための機構として図11の構成を用いる場合も、図18の例と同様、コードパターン画像生成部114で用紙サイズよりも大きい領域の2次元コードパターン画像を生成し、その中から用紙サイズに応じた部分を切り出して印刷するようにすることができる。
【0099】
次に図19を参照して、本実施形態の2次元コードパターン画像を電子文書に重畳して出力するシステムの構成を説明する。
【0100】
このシステムは、識別情報管理サーバ300、文書リポジトリ310、画像形成装置320を備える。文書リポジトリ310は、電子文書を保存したサーバであり、ユーザからの要求に応じて電子文書を提供する。識別情報管理サーバ300は、印刷出力する文書に埋め込む2次元コードパターン画像の識別情報を管理するサーバであり、上述の2次元コードパターン画像を生成して電子文書に重畳する機能も備える。画像形成装置320は、2次元コードパターン画像が重畳された電子文書の画像を印刷するために用いる。
【0101】
(1)このシステムでは、まずユーザが、ユーザ端末330から文書リポジトリ310にアクセスし、文書リポジトリ310が管理する文書のうち印刷を希望するものを指示する。
【0102】
(2)この指示を受けた文書リポジトリ310は、指示された電子文書のデータを識別情報管理サーバ300に送信する。
【0103】
電子文書データを受け取った識別情報管理サーバ300は、例えば自身が管理する識別情報データベースから未使用の識別情報を取得したり、電子文書のハッシュ値を用いて識別情報を生成したりするなどの方法で、識別情報の付与単位(例えば媒体のページ、媒体、電子文書のページ、電子文書全体など)ごとに識別情報を生成する。識別情報の付与単位は、システムで予め定めておけばよい。また、電子文書を印刷するユーザが指定できるようにしてもよい。識別情報管理サーバ300は、生成した識別情報と電子文書の属性情報とを対応づけて、識別情報データベースに登録する。登録する電子文書の属性情報には、例えば、電子文書の格納場所(例えばURL)、印刷を指示したユーザの情報(例えばユーザ識別情報)、この電子文書を印刷出力する画像形成装置320の識別情報などである。識別情報の付与単位が電子文書より小さい、例えばページであった場合、電子文書中でのその付与単位の識別情報(例えばページ番号)も、属性情報の一つとして登録することが好適である。また、属性情報だけでなく、電子文書のデータそのものを識別情報データベースに登録するようにしてもよい。
【0104】
(3)また、識別情報管理サーバ300は、図17等を用いて説明した画像処理装置の機能を用いて、各ページに印刷すべき位置情報群を生成し、これら位置情報と識別情報とを表す2次元コードパターン画像を生成し、この2次元コードパターン画像と電子文書とを画像形成装置320に送信する。
【0105】
画像形成装置320は、電子文書の画像と2次元コードパターン画像とを重畳して印刷することで、印刷文書325を生成する。
【0106】
図19のシステムによれば、ユーザが既存の文書リポジトリ310から選択した電子文書に対して、識別情報と位置情報とを含んだ2次元コードパターン画像を重畳して印刷出力することができる。
【0107】
印刷文書325を取得したユーザが、図12のコードパターン画像読取装置の機能を備えたスキャナ付きペンでその印刷文書に書き込みを行うと、スキャナ付きペンの読み取った情報を利用するアプリケーションソフトウエアは、書き込みの際にスキャナが読み取った2次元コードパターン画像中の位置情報から書き込みの軌跡を求める。また、そのアプリケーションソフトウエアは、位置情報と同時に読み取られた識別情報を識別情報管理サーバ300に送り、その識別情報に対応する電子文書(及び識別情報がページ単位の場合はページの情報)、又はその電子文書の属性情報を取得する。電子文書を取得した場合は、その電子文書の当該識別情報が示すページに対して、書き込みの軌跡のデータを例えばオーバーレイのプレーンの画像として追加する。電子文書そのものではなく、属性情報が得られた場合は、その属性情報に含まれる格納場所から電子文書のデータを取得し、そのデータに書き込みのデータを追加する。
【0108】
また、識別情報に対応づけて管理された電子文書の属性情報を用いることで、印刷文書の漏洩に関する情報を得ることもできる。例えば、印刷文書から読み取った識別情報を用いれば、識別情報管理サーバ300からそれに対応する属性情報として当該文書の印刷を指示したユーザの情報を得ることができるので、この文書が仮に漏洩したものであった場合、印刷指示を行ったユーザに事情を聞くなどして漏洩の経路等を突き止める手がかりとすることができる。また、属性情報に含まれる画像形成装置の識別情報から、その文書がどの画像形成装置から出力されたものかを調べることができるので、これも漏洩経路等の特定に有益な情報となる。
【0109】
また、印刷文書の2次元コードパターン画像から読み取った識別情報から、その印刷文書の元になった電子文書を取得することができるので、例えば印刷文書を複写する代わりに、その電子文書を印刷出力することで、より鮮明な複写物を得ることもできる。
【0110】
また、識別情報に対応づけて管理された電子文書の属性情報を用いることで、印刷文書に対するユーザの利用形態を管理することもできる。例えば、電子文書の属性情報には、印刷指示を行ったユーザの情報が登録されるが、そのユーザ情報の一つとして、そのユーザに対して許可される文書への操作の情報(例えば、複写の可否や書き込みの可否など)、すなわちユーザがその文書を利用する際の利用条件、を登録しておく。すると、コードパターン画像読取装置の読み取った情報を利用するアプリケーションは、印刷文書から読み取られた識別情報に応じて、ユーザの要求した操作を実行してよいかどうかを判定することができる。なお、各文書に対するユーザの利用権限を管理するサーバを別途用意し、識別情報から求められたユーザの権限をアプリケーションがそのサーバから取得するようにしてもよい。
【0111】
なお、以上では、2次元コードパターン画像に埋め込まれた識別情報が、識別情報管理サーバ30で、印刷指示を行ったユーザや出力した画像形成装置、当該文書に対するユーザの利用条件などと関連づけられるものとして説明したが、これに限らず、それらユーザ、又は画像形成装置、又は利用条件などを、識別情報に組み込んで、2次元コードパターン画像に埋め込んでもよい。
【0112】
図19に示したシステムでは、文書リポジトリ310と識別情報管理サーバ300と画像形成装置320とが別々の装置として構成されていたが、これはあくまで一例である。文書リポジトリ310と識別情報管理サーバ300とを1つのサーバにまとめたり、識別情報管理サーバ300と画像形成装置320とを1つの装置にまとめたりなど、このほかにも様々なシステム構成を採ることができる。
【0113】
以上説明した実施形態によれば、従来より小さい読取面積のスキャナでも位置情報と識別情報の両方が読取可能な2次元コードパターン画像を提供することができる。
【0114】
以上の実施形態はあくまで例示的なものであり、本発明の技術的思想の範囲内で様々な変形が考えられる。
【0115】
例えば、図1の例では、位置コード画像12が単位領域10の左上隅に偏って配置されたが、これ以外にも、例えば図20に示すように単位領域10の中央部に位置コード画像12を配置しても、同様の効果が得られる。また、図21に示すように、位置コード画像12を単位領域10の横方向についてのみ偏らせた場合は、横方向についての読取範囲を従来よりも小さくすることができる。
【0116】
また、以上の例では単位領域10は正方形であったが、矩形など他の形状としてもよい。
【0117】
同期コード16と単位領域10や位置コード画像12との位置関係は、本実施形態の効果とは基本的に関係がなく、図4や図6に示した位置関係でなくてもよい。例えば図22の例では、同期コード16が位置コード画像12の中心を通って縦横に走っている。この例では、1つの位置情報に対応する位置コード画像12は、単位領域10内で、同期コード16により4分割されているが、このような配置関係であっても、マクロに見れば位置コード画像12の配置は図4及び図6の場合と同様なので、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0118】
また、位置コード画像12の構造について、図23に示すような変形例も考えられる。この変形例では、位置コード画像12を縦及び横にそれぞれ2等分することで4つのサブ領域12x−1,12x−2,12y−1,12y−2に分け、対角線方向の2つのサブ領域12x−1,12x−2で位置情報のうちのx座標を表し、もう一つの対角線の方向の2つのサブ領域12y−1,12y−2で位置情報のうちのy座標を表す。このようにx,y座標の部分を分けてそれぞれ別々の対角線方向に配置した位置コード画像の構造を採用すれば、図24に示すように、2次元コードパターン画像50を読み取る際の読取領域52の大きさを、図1の単位領域10を用いた場合(図7A参照)よりも小さくすることができる。
【0119】
この例では、x座標は対角線方向の2つの部分12x−1,12x−2が読み取れれば復号できる。x座標は2次元コードパターン画像50の同一列で同じ値、y座標は同一行で同じ値なので、1つの単位領域10の位置コード画像(4つのサブ領域の和)が完全に読み取れなくても、x座標については横に隣接する単位領域10から読み取れた位置コード画像の一部を合わせて用いることで、y座標については縦に隣接する単位領域10から読み取れた位置コード画像の一部を合わせて用いることで、それぞれの座標値を復元できる。このようなことから、読取領域52の面積を図1の例の場合より小さくしても、位置情報を読み取ることができる。読取領域52は、原理的には、横方向については、注目する単位領域10の幅に、右隣の単位領域の左半分のサブ領域12x−1,12y−2をカバーできる程度の幅があればよく、縦方向については、注目する単位領域10の高さに、下隣の単位領域の上半分のサブ領域12x−1,12y−1をカバーできる程度の高さがあればよい。
【0120】
なお、スキャナの読取範囲を図7Aに例示したものより小さくした場合、その読取領域の読取画像だけでは完全な識別コード画像14を得られない場合があるが、この場合も、例えば加筆などの作業の際に連続して得られる読取画像の中から、識別コード画像14のうちの足りない部分を補うことできる。
【0121】
また、図1の例では、1つの単位領域10に1つの識別情報を埋め込んだが、これに限らず、1つの識別情報を複数の単位領域10に分けて埋め込むことも可能である。識別したい用紙の枚数やページ数が、1つの単位領域10で表現可能な識別情報の数よりも多くなるようなアプリケーションを想定すると、このような対応が必要になる。この例を図25〜図32を用いて説明する。
【0122】
図25に模式的に示す例は、横方向に隣接する2つの単位領域10Lと10Rに1つの識別情報を埋め込んだコードパターンの例である。単位領域10Lの位置コード画像12Lと単位領域10Rの位置コード画像12Rとは互いに異なる位置情報を示し、それら両領域10L及び10Rにまたがる識別コード情報14Aが1つの識別情報を示す。
【0123】
図26は、図25のコードパターンを2次元上に配列した2次元コードパターン画像60を模式的に示す。この例では、位置コード画像12のサイズも個々の単位領域10L,10Rのサイズも図1の例と同じなので、位置情報を読み取るのに必要なスキャナの読取領域62は図7Aに示した読取領域32と同じでよい。ただし、その読取領域62は、位置コード画像12L又は12Rを少なくとも1つ完全に視野に納めることはできるものの、識別コード情報14Aについては読み取れない部分が残る。しかしながら、ユーザが加筆などで2次元コードパターン画像上で連続的にスキャナを移動させたり、2次元コードパターン画像の異なる複数の場所を読み取ったりする作業の中で得られる複数の読取画像を組み合わせることで、完全な識別コード画像14Aを再構築することができる。この手法の一例について、図27及び図28を参照して説明する。
【0124】
すなわち、この例では、コードパターン画像読取装置は、スキャナ部202が読み取った読取画像(またはその中の各パターンをシンボル値に置き換えたコードシンボル値行列)に対し、同期コード16の情報を用いて図27のように水平、垂直のインデックス付けを行う。この例では、単位領域10Lと10Rとが同期コード16を挟まずに隣接し、縦に延びる同期コード16の列が、それら2つの単位領域10L,10Rごとに設けられている。この例では、水平方向の識別コード情報14Aの幅が図1の識別コード14の2倍なので、水平のインデックスの最大番号は図16の場合の2倍の16となっている。インデックス付けの規則は図16の場合と同様でよい。
【0125】
このようにインデックス付けした場合、1つの完全な識別コード画像14A(又はこれに対応する識別コード行列)は、垂直インデックスが1〜6でかつ水平インデックスが7〜8及び15〜16であるシンボルと、垂直インデックスが7〜8でかつ水平インデックスが1〜16であるシンボルとから構成される。したがって、複数フレームの読取画像から、水平、垂直のインデックスの組合せが上述のどれかに該当するものを集めて再構成することで、完全な識別コード画像又は識別コード行列を得ることができる。
【0126】
例えば、図27に示すような読取領域62を読み取ると、得られた読取画像からは、識別コード画像14A(又は識別コード行列)のうち、図28に示すような2つの部分15e、15fが求められる。これを識別コード用のバッファに蓄えておき、図28で白抜きで示される不足部分については、他の1乃至複数のフレームの読取画像から補う。
【0127】
なお、図27の例のように横方向に隣接する2つの単位領域ごとに同期コード16の列を設けると、単位領域を単位とした長さと実寸法との関係が縦方向と横方向とで少し異なってくる。そこで、図29に示す例では、同期コード16は図16の例と同様のピッチで設けている。図29では、単位領域10Lに識別コード画像14Aの左半分14Lが、単位領域10Rに識別コード画像14Aの右半分14Rが、それぞれ分けて配置されている。この場合のインデックス付けは、縦方向については図16の例と同様であり、横方向については、ペアをなす2つの単位領域のうち左側の単位領域10Lには1〜8のインデックスを、右側の単位領域10Rには9〜16のインデックスを割り振る。各単位領域10L又は10Rがペアの左側か右側かは、当該単位領域10L又は10Rに含まれる位置コード画像12Lまたは12Rのx座標から判別できる。例えばx座標が奇数なら左側、偶数なら右側と判別するなどである。したがって、コードパターン画像読取装置200は、読取領域62の画像から完全な位置コード画像を見つけると、その位置コード画像をデコードしてその位置コード画像が示すx座標を求め、このx座標に基づき水平方向のインデックス付けを行えばよい。インデックス付けをした後の識別コードの再構築処理は、図27及び図28で説明したのと同様でよい。
【0128】
以上の例と同様にして、横にN個(Nは3以上)連続した単位領域の組に1つの識別情報を埋め込む場合も、複数フレームの読取画像から識別情報を復号できる。この場合位置コード画像から求めたx座標をNで割った余りにより、その位置コード画像がN個の組のうちの何番目かを知ることができるので、上記の例とインデックス付けを行うことができる。
【0129】
また、縦に連続した複数の単位領域の組に1つの識別情報を埋め込む場合も、同様にして識別情報を復号できる。
【0130】
更に、縦にn行、横にm列からなるn×m個(m、nは2以上の整数)の隣り合う単位領域の組に1つの識別情報を分散して埋め込む場合も同様の取扱が可能である。図30に、隣接する2×2個の単位領域の組に1つの識別コード画像14を4分割した各部分14a,14b,14c,14dを分散して配置した場合の、読取画像に対するインデックス付けの例を示す。この場合、1つの識別情報を復号するには、垂直インデックスが1〜6でかつ水平インデックスが7〜8及び15〜16であるシンボルと、垂直インデックスが7〜8でかつ水平インデックスが1〜16であるシンボルと、垂直インデックスが9〜14でかつ水平インデックスが7〜8及び15〜16であるシンボルと、垂直インデックスが15〜16でかつ水平インデックスが1〜16であるシンボルと、を複数の読取画像から収集すればよい。
【0131】
また、1つの識別情報を分散させる複数の単位領域10は、必ずしも隣接していなくてよい。例えば、図31には、斜め方向について隣り合う単位領域10−1と10−2との識別コード画像の領域14eと14fに1つの識別情報を分散格納している。この例では、読取画像に対し、図30に示したのと同じインデックス付けを行い、垂直インデックスが1〜6でかつ水平インデックスが7〜8であるシンボルと、垂直インデックスが7〜8でかつ水平インデックスが1〜8であるシンボルと、垂直インデックスが9〜14でかつ水平インデックスが15〜16であるシンボルと、垂直インデックスが15〜16でかつ水平インデックスが9〜16であるシンボルと、を複数の読取画像から収集することで、完全な識別コード画像又は識別コード行列を求めることができる。例えば、図30に示した読取領域32を読み取ったフレームからは、図32に示すように、識別コード画像の2つの部分15g及び15hを取得できる。識別コード画像の領域で空白の部分は、そのフレームでは取得できなかった部分であり、この部分については別のフレームから補完すればよい。
【0132】
以上、1つの識別情報を複数の単位領域に分散した場合も、複数フレームの読取画像から識別情報が復号できること示した。以上の例では、各フレームから抽出される識別コード画像の断片を組み合わせて1つの完全な識別コード画像とするのにインデックス付けの手法を用いた例を説明したが、これはあくまで一例である。いずれの場合も、1つの識別情報を表す識別コード情報が2次元コードパターン画像の座標系でどのように繰り返されるかを示す繰り返し規則は既知なので、この繰り返し規則の情報を用いれば、各フレームで読み取ることができた部分が識別コード画像全体のどの部分かを特定できる。したがって、各フレームで読み取れた部分、部分を組み合わせることで、完全な識別コード画像を復元できる。
【0133】
また、以上の例では、コードシンボルとして角度の異なる斜線パターンを用いた例を示したが、本実施形態の方式がコードシンボルの画像パターンによらないものであることは明かであろう。斜線パターンの代わりに、コードパターン配置領域に設定した各格子点でのドットのオン・オフで格子点毎に1ビットの情報を示すようなコードシンボル系を用いても良いし、特許文献3のように、コードパターン配置領域に設定した各格子点に対しドットを置く位置を上下左右にずらすことで1格子点当たり2ビットの情報を表現するようなコードシンボル系を用いても良い。
【0134】
また、以上の例では、図2に示したように、用紙20の紙面の端部のマージンを除いた部分をコードパターン配置領域22としたが、紙面全体をコードパターン配置領域22としてももちろん構わない。
【0135】
また、以上の例では、図2に示したように、用紙20の1面に対し1つのコードパターン配置領域22を設定したが、これは必須のことではない。例えば図33に示すように、用紙20の紙面を2等分した2つの部分に、それぞれ1つずつコードパターン配置領域22−1,22−2を設けてもよい。この場合、個々のコードパターン配置領域22−1,22−2ごとにその領域内部での座標を位置情報として埋め込むことができる。また、各コードパターン配置領域22−1,22−2に対して異なる識別情報を埋め込むこともできる。例えば、電子文書のNページ(Nは2以上の整数)を縮小して用紙の1面に印刷するN−up印刷において、電子文書の各ページにそれぞれ2次元コードパターン画像を埋め込む場合には、このように1紙面に複数のコードパターン配置領域22を設定する方式を利用できる。
【0136】
また、この逆に、図34に示すように、用紙20の一面よりも大きいコードパターン配置領域22を設定し、そのコードパターン配置領域22の座標系の中に、各用紙20の紙面を重ならないように割り当てるようにすることもできる。識別情報はコードパターン配置領域22内で共通であり、位置情報はそのコードパターン配置領域22内の各位置毎に異なる。この方式は、例えば、1冊のノートや1冊の書籍の各ページに、そのノートや書籍の識別情報を割り当てる場合などに適用できる。
【0137】
また、以上の例では、コードパターン配置領域22の各座標位置に対してその座標を示す位置情報を埋め込んだが、位置情報の代わりに、座標位置ごとに異なる情報を埋め込むようにするのも、本発明の範囲内である。また、座標位置ごとに異なる情報を位置情報と併せたものに冗長データを付加して、各座標位置に埋め込んでもよい。前述の位置情報も含め、座標位置ごとに異なる情報を位置依存情報と呼ぶ。
【0138】
位置依存情報としては、前述の位置情報の他に、コードパターン画像と合成される文書画像のオブジェクトに関連した情報を例示することができる。例えば、「電子文書取得」、「電子文書印刷」、「手書きを電子文書と合成」、「メール送信」、などの操作を示す専用アイコン画像を文書画像として紙面の一部に印刷し、各アイコン画像の内容によって電子文書に対する処理を変更したり、特別な処理をしたりする場合を考える。この場合、それらアイコン画像(オブジェクト)に対応した操作を示す情報をコードパターン画像中の当該アイコン画像に対応した位置に埋め込むとすると、その操作を示す情報は紙面上でのアイコン画像の紙面上での位置に依存した位置依存情報となる。
【0139】
また、以上の例では、位置情報と共に媒体や媒体のページ、或いは電子文書又はそのページを一意的に指し示す識別情報を2次元コードパターン画像に埋め込んだが、そのような識別情報に限らず、コードパターン配置領域内の位置に依存しない位置非依存情報をその領域の各位置に埋め込む場合も本発明の範囲内である。
【0140】
位置非依存情報としては、前述の例の他に、例えば、コードパターン画像を印刷した印刷物やそれに対応する電子文書のセキュリティに関する情報をあげることができる。例えば、「複写(又はスキャン)を禁止する」、「複写(又はスキャン)時にアクセス認証する」などのような印刷物の複写やスキャンに対する条件や、その印刷物に印刷された文書に対応する電子文書へのアクセス権情報(アクセス禁止、等)などを、位置非依存情報としてコードパターン画像に埋め込む、などである。
【0141】
また以上の例では、2次元コードパターン画像を用紙等の媒体に印刷する場合を説明したが、例えば電子ペーパーや液晶表示装置などの表示装置に電気的に画像形成する場合にも、本発明は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0142】
【図1】実施形態の2次元コードパターン画像を構成する単位領域の構造を模式的に示す図である。
【図2】用紙表面に設定されたコードパターン配置領域の一例を示す図である。
【図3】単位領域の2次元配列の一例を示す図である。
【図4】単位領域のコードパターンの例を示す図である。
【図5】グリフコードのコードシンボルを示す図である。
【図6】単位領域と同期コードの位置関係の一例を示す図である。
【図7A】実施形態の2次元コードパターン画像を模式的に示す図である。
【図7B】従来技術の2次元コードパターン画像を模式的に示す図である。
【図8】実施形態の2次元コードパターン画像を生成するための装置構成を示す図である。
【図9A】位置コード行列生成部の機能を説明するための図である。
【図9B】識別コード行列生成部の機能を説明するための図である。
【図10】コードパターン画像生成装置の別の構成例を示す図である。
【図11】コードパターン画像生成装置の更に別の構成例を示す図である。
【図12】実施形態のコードパターン画像読取装置の構成を示す図である。
【図13】コードパターン画像抽出部の処理手順を示すフローチャートである。
【図14】コードパターン画像抽出部による識別コード画像の再構築処理を説明するための図である。
【図15】コードパターン画像抽出部の処理手順の別の例を示すフローチャートである。
【図16】識別コード画像の再構築処理の別の例を説明するための図である。
【図17】2次元コードパターン画像を電子文書に重畳する画像処理装置の機能ブロック図である。
【図18】2次元コードパターン画像を電子文書に重畳する画像処理装置の別の例を示す機能ブロック図である。
【図19】実施形態の2次元コードパターン画像を電子文書に重畳して出力するシステムの構成を示す図である。
【図20】単位領域における位置コード画像の配置場所の変形例を示す図である。
【図21】単位領域における位置コード画像の配置場所の別の変形例を示す図である。
【図22】単位領域と同期コードとの位置関係の変形例を示す図である。
【図23】位置コード画像をx座標とy座標のサブ領域に分けた変形例を示す図である。
【図24】図23の変形例の効果を説明するための図である。
【図25】隣接する2つの単位領域で1つの識別情報を表すコードパターンの例を示す図である。
【図26】図25の単位領域を2次元配列した2次元コードパターン画像を模式的に示す図である。
【図27】図25のコードパターンから識別情報を復元するための識別コード画像又は識別コード行列に対するインデックス付けの例を示す図である。
【図28】図25のパターンを用いた場合の、1回の読取画像から求められる識別コード画像の部分を例示した図である。
【図29】図25のコードパターンから識別情報を復元するための識別コード画像又は識別コード行列に対するインデックス付けの別の例を示す図である。
【図30】2×2の4つの単位領域に1つの識別情報を分散して埋め込む場合のインデックス付けの例を示す図である。
【図31】斜め方向に隣り合う2つの単位領域に1つの識別情報を分散して埋め込む例を示す図である。
【図32】図31のパターンを用いた場合の、1回の読取画像から求められる識別コード画像の部分を例示した図である。
【図33】1紙面に複数のコードパターン配置領域が設定される例を示す図である。
【図34】1つの大きいコードパターン配置領域に複数の用紙の紙面を重なりなく割り当てる例を示す図である。
【符号の説明】
【0143】
10 単位領域、12 位置コード画像、14 識別コード画像、30 2次元コードパターン画像、32 読取領域、102 位置情報符号化部、104 位置コード行列生成部、106 識別情報符号化部、108 識別コード行列生成部、110 コード配置部、112 パターン格納部、114 コードパターン画像生成部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各位置ごとに異なる位置依存情報とそれら各位置に共通の位置非依存情報とを含んだコードパターン画像を生成するコードパターン画像生成装置であって、
位置依存情報とこれに対する冗長データとを含んだ複数の位置依存コード画像を、少なくとも一方向について互いに所定の間隔を空けて配置すると共に、配置された位置依存コード画像同士の間隔に、位置非依存情報とこれに対する冗長データとを含んだ位置非依存コード画像を繰り返して配置することによりコードパターン画像を生成する画像生成部と、
画像生成部により生成されたコードパターン画像を含んだ画像データを出力する画像出力部と、
を備えるコードパターン画像生成装置。
【請求項2】
請求項1記載のコードパターン画像生成装置であって、
画像生成部は、位置依存コード画像と位置非依存コード画像とを含む同一サイズ同一形状の単位パターンが密に配置されたコードパターン画像を生成し、位置依存コード画像は単位パターン内の少なくとも一方向に偏った領域に配置され、単位パターンにおける領域以外の部分に位置非依存コード画像が配置される、ことを特徴とするコードパターン画像生成装置。
【請求項3】
請求項1記載のコードパターン画像生成装置であって、
画像生成部を、位置依存コード画像と位置非依存コード画像の部分とを含む同一サイズ同一形状の単位パターンが密に配置されたコードパターン画像を生成し、位置依存コード画像は単位パターン内の少なくとも一方向に偏った領域に配置され、単位パターンにおける当該領域以外の部分に位置非依存コード画像の部分が配置され、所定の位置関係をなす所定数の単位パターンの組ごとに位置非依存コード画像が1つ割り当てられ、各単位パターンには、位置非依存コード画像を構成する各部分のうち、当該単位パターンが属する組における当該単位パターンの位置に応じた部分が配置される、ことを特徴とするコードパターン画像生成装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のコードパターン画像生成装置であって、
単位パターンは正方形であり、コードパターン画像は該単位パターンを2次元的に密に配列したものであることを特徴とするコードパターン画像生成装置。
【請求項5】
請求項1記載のコードパターン画像生成装置であって、
画像生成部は、位置非依存コード画像を、各位置依存コード画像に対して一対一に、かつ所定の位置関係となるように配置する、
ことを特徴とするコードパターン画像生成装置。
【請求項6】
請求項1記載のコードパターン画像生成装置であって、
画像生成部は、所定の位置関係にある複数の位置依存コード画像からなる組ごとに、該組に対して所定の位置関係をなすように1つの位置非依存コード画像を配置する、
ことを特徴するコードパターン画像生成装置。
【請求項7】
請求項1記載のコードパターン画像生成装置であって、
前記位置依存情報は、互いに方向が異なる2つの軸で定まる面の各位置の座標情報であることを特徴とするコードパターン画像生成装置。
【請求項8】
請求項1記載のコードパターン画像生成装置であって、
前記位置非依存情報は、前記コードパターン画像が画像形成される媒体ごとに異なる情報である、
ことを特徴とするコードパターン画像生成装置。
【請求項9】
請求項1記載のコードパターン画像生成装置であって、
前記画像出力部は、文書の画像を前記コードパターン画像と合成して出力する手段を備え、
前記位置非依存情報は、前記文書を特定するための情報である、
ことを特徴とするコードパターン画像生成装置。
【請求項10】
請求項1記載のコードパターン画像生成装置であって、
前記画像出力部は、文書の画像を前記コードパターン画像と合成して出力する手段を備え、
前記位置非依存情報は、前記文書の利用条件と対応づけられた情報である、
ことを特徴とするコードパターン画像生成装置。
【請求項11】
請求項1記載のコードパターン画像生成装置であって、
前記位置非依存情報は、媒体の面に前記コードパターン画像を画像形成する画像形成装置を特定するための情報である、
ことを特徴とするコードパターン画像生成装置。
【請求項12】
各位置ごとに異なる位置依存情報とそれら各位置に共通の位置非依存情報とを含んだコードパターン画像を生成するためにコンピュータが実行するコードパターン画像生成方法であって、
位置依存情報とこれに対する冗長データとを含んだ複数の位置依存コード画像を、少なくとも一方向について互いに所定の間隔を空けて配置し、
位置依存コード画像同士の間隔に、位置非依存情報とこれに対する冗長データとを含んだ位置非依存コード画像を繰り返して配置する、
コードパターン画像生成方法。
【請求項13】
位置依存コード画像と位置非依存コード画像とを含む同一サイズ同一形状の単位パターンが密に配置されたコードパターン画像であって、位置依存コード画像は単位パターン内の少なくとも一方向に偏った領域に配置され、単位パターンにおける領域以外の部分に位置非依存コード画像が配置されたコードパターン画像、を局所的に読み取った読取画像から、位置依存情報と位置非依存情報とを再生するコードパターン画像読取装置であって、
読取画像から位置依存コード画像を検出し、位置依存コード画像から位置依存情報を復号する位置依存情報読取部と、
読取画像に含まれる各単位パターンからそれぞれ位置非依存コード画像の断片を抽出し、それら各断片を単位パターン同士の位置関係に従って合成することで位置非依存コード画像を再構築する位置非依存コード画像再構築部と、
再構築された位置非依存コード画像から位置非依存情報を復号する位置非依存情報復号部と、
を備えるコードパターン画像読取装置。
【請求項14】
請求項13記載のコードパターン画像読取装置であって、
位置非依存コード画像再構築部は、位置依存情報読取部が読み取った位置依存コード画像に対する前記各断片の位置に応じて、位置非依存コード画像中でのそれら各断片の占める場所を特定してそれら各断片を合成する、
ことを特徴とするコードパターン画像読取装置。
【請求項15】
位置依存コード画像と位置非依存コード画像とを含む同一サイズ同一形状の単位パターンが密に配置されたコードパターン画像であって、位置依存コード画像は単位パターン内の少なくとも一方向に偏った領域に配置され、単位パターンにおける領域以外の部分に位置非依存コード画像が配置されたコードパターン画像、を局所的に読み取った読取画像から、位置依存情報と位置非依存情報とを再生するためにコンピュータが実行するコードパターン画像読取方法であって、
読取画像から位置依存コード画像を検出し、位置依存コード画像から位置依存情報を復号し、
読取画像に含まれる各単位パターンからそれぞれ位置非依存コード画像の断片を抽出し、それら各断片を単位パターン同士の位置関係に従って合成することで位置非依存コード画像を再構築し、
再構築された位置非依存コード画像から位置非依存情報を復号する、
コードパターン画像読取方法。
【請求項16】
位置依存コード画像と位置非依存コード画像とを含む同一サイズ同一形状の単位パターンが密に配置されたコードパターン画像であって、位置依存コード画像は単位パターン内の少なくとも一方向に偏った領域に配置され、単位パターンにおける当該領域以外の部分に位置非依存コード画像の部分が配置され、所定の位置関係をなす所定数の単位パターンの組ごとに位置非依存コード画像が1つ割り当てられ、各単位パターンには、位置非依存コード画像を構成する各部分のうち、当該単位パターンが属する組における当該単位パターンの位置に応じた部分が配置されたコードパターン画像、を局所的に読み取った読取画像から、位置依存情報と位置非依存情報とを再生するコードパターン画像読取装置であって、
読取画像から位置依存コード画像を検出し、位置依存コード画像から位置依存情報を復号する位置依存情報読取部と、
読取位置が異なる複数フレームの読取画像に含まれる各単位パターンからそれぞれ位置非依存コード画像の断片を抽出し、それら各断片を単位パターン同士の位置関係に従って合成することで位置非依存コード画像を再構築する位置非依存コード画像再構築部と、
再構築された位置非依存コード画像から位置非依存情報を復号する位置非依存情報復号部と、
を備えるコードパターン画像読取装置。
【請求項17】
請求項16に記載のコードパターン画像読取装置であって、
単位パターン内の位置依存コード画像が示す位置依存情報は、前記コードパターン画像における当該単位パターンの座標を示す情報であり、
前記位置非依存コード画像再構築部は、各フレームの読取画像から前記位置依存情報読取部が検出した位置依存コード画像が示す座標から、それぞれ当該単位パターンの属する組内での当該単位パターンの位置を特定し、特定した位置に基づき、位置非依存コード画像中での前記各断片の占める場所を特定してそれら各断片を合成する、
ことを特徴とするコードパターン画像読取装置。
【請求項18】
位置依存コード画像と位置非依存コード画像とを含む同一サイズ同一形状の単位パターンが密に配置されたコードパターン画像であって、位置依存コード画像は単位パターン内の少なくとも一方向に偏った領域に配置され、単位パターンにおける当該領域以外の部分に位置非依存コード画像の部分が配置され、所定の位置関係をなす所定数の単位パターンの組ごとに位置非依存コード画像が1つ割り当てられ、各単位パターンには、位置非依存コード画像を構成する各部分のうち、当該単位パターンが属する組における当該単位パターンの位置に応じた部分が配置されたコードパターン画像、を局所的に読み取った読取画像から、位置依存情報と位置非依存情報とを再生するためにコンピュータが実行するコードパターン画像読取方法であって、
読取画像から位置依存コード画像を検出し、位置依存コード画像から位置依存情報を復号し、
読取位置が異なる複数フレームの読取画像に含まれる各単位パターンからそれぞれ位置非依存コード画像の断片を抽出し、それら各断片を単位パターン同士の位置関係に従って合成することで位置非依存コード画像を再構築し、
再構築された位置非依存コード画像から位置非依存情報を復号する、
コードパターン画像読取方法。
【請求項19】
各位置ごとに異なる位置依存情報とこれに対する冗長データとを含んだ複数の位置依存コード画像が、少なくとも一方向について互いに所定の間隔を空けて配置されると共に、配置された位置依存コード画像同士の間隔に、各位置に共通な位置非依存情報とこれに対する冗長データとを含んだ位置非依存コード画像が繰り返して配置されたコードパターン画像、が印刷されたコードパターン画像媒体。
【請求項20】
請求項19記載のコードパターン画像媒体であって、
コードパターン画像は、位置依存コード画像と位置非依存コード画像とを含む同一サイズ同一形状の単位パターンが密に配置されたものであり、位置依存コード画像は単位パターン内の少なくとも一方向に偏った領域に配置され、単位パターンにおける領域以外の部分に位置非依存コード画像が配置される、
ことを特徴とするコードパターン画像媒体。
【請求項21】
請求項19記載のコードパターン画像媒体であって、
コードパターン画像は、位置依存コード画像と位置非依存コード画像の部分とを含む同一サイズ同一形状の単位パターンが密に配置されたものであり、位置依存コード画像は単位パターン内の少なくとも一方向に偏った領域に配置され、単位パターンにおける当該領域以外の部分に位置非依存コード画像の部分が配置され、所定の位置関係をなす所定数の単位パターンの組ごとに位置非依存コード画像が1つ割り当てられ、各単位パターンには、位置非依存コード画像を構成する各部分のうち、当該単位パターンが属する組における当該単位パターンの位置に応じた部分が配置される、
ことを特徴とするコードパターン画像媒体。
【請求項1】
各位置ごとに異なる位置依存情報とそれら各位置に共通の位置非依存情報とを含んだコードパターン画像を生成するコードパターン画像生成装置であって、
位置依存情報とこれに対する冗長データとを含んだ複数の位置依存コード画像を、少なくとも一方向について互いに所定の間隔を空けて配置すると共に、配置された位置依存コード画像同士の間隔に、位置非依存情報とこれに対する冗長データとを含んだ位置非依存コード画像を繰り返して配置することによりコードパターン画像を生成する画像生成部と、
画像生成部により生成されたコードパターン画像を含んだ画像データを出力する画像出力部と、
を備えるコードパターン画像生成装置。
【請求項2】
請求項1記載のコードパターン画像生成装置であって、
画像生成部は、位置依存コード画像と位置非依存コード画像とを含む同一サイズ同一形状の単位パターンが密に配置されたコードパターン画像を生成し、位置依存コード画像は単位パターン内の少なくとも一方向に偏った領域に配置され、単位パターンにおける領域以外の部分に位置非依存コード画像が配置される、ことを特徴とするコードパターン画像生成装置。
【請求項3】
請求項1記載のコードパターン画像生成装置であって、
画像生成部を、位置依存コード画像と位置非依存コード画像の部分とを含む同一サイズ同一形状の単位パターンが密に配置されたコードパターン画像を生成し、位置依存コード画像は単位パターン内の少なくとも一方向に偏った領域に配置され、単位パターンにおける当該領域以外の部分に位置非依存コード画像の部分が配置され、所定の位置関係をなす所定数の単位パターンの組ごとに位置非依存コード画像が1つ割り当てられ、各単位パターンには、位置非依存コード画像を構成する各部分のうち、当該単位パターンが属する組における当該単位パターンの位置に応じた部分が配置される、ことを特徴とするコードパターン画像生成装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のコードパターン画像生成装置であって、
単位パターンは正方形であり、コードパターン画像は該単位パターンを2次元的に密に配列したものであることを特徴とするコードパターン画像生成装置。
【請求項5】
請求項1記載のコードパターン画像生成装置であって、
画像生成部は、位置非依存コード画像を、各位置依存コード画像に対して一対一に、かつ所定の位置関係となるように配置する、
ことを特徴とするコードパターン画像生成装置。
【請求項6】
請求項1記載のコードパターン画像生成装置であって、
画像生成部は、所定の位置関係にある複数の位置依存コード画像からなる組ごとに、該組に対して所定の位置関係をなすように1つの位置非依存コード画像を配置する、
ことを特徴するコードパターン画像生成装置。
【請求項7】
請求項1記載のコードパターン画像生成装置であって、
前記位置依存情報は、互いに方向が異なる2つの軸で定まる面の各位置の座標情報であることを特徴とするコードパターン画像生成装置。
【請求項8】
請求項1記載のコードパターン画像生成装置であって、
前記位置非依存情報は、前記コードパターン画像が画像形成される媒体ごとに異なる情報である、
ことを特徴とするコードパターン画像生成装置。
【請求項9】
請求項1記載のコードパターン画像生成装置であって、
前記画像出力部は、文書の画像を前記コードパターン画像と合成して出力する手段を備え、
前記位置非依存情報は、前記文書を特定するための情報である、
ことを特徴とするコードパターン画像生成装置。
【請求項10】
請求項1記載のコードパターン画像生成装置であって、
前記画像出力部は、文書の画像を前記コードパターン画像と合成して出力する手段を備え、
前記位置非依存情報は、前記文書の利用条件と対応づけられた情報である、
ことを特徴とするコードパターン画像生成装置。
【請求項11】
請求項1記載のコードパターン画像生成装置であって、
前記位置非依存情報は、媒体の面に前記コードパターン画像を画像形成する画像形成装置を特定するための情報である、
ことを特徴とするコードパターン画像生成装置。
【請求項12】
各位置ごとに異なる位置依存情報とそれら各位置に共通の位置非依存情報とを含んだコードパターン画像を生成するためにコンピュータが実行するコードパターン画像生成方法であって、
位置依存情報とこれに対する冗長データとを含んだ複数の位置依存コード画像を、少なくとも一方向について互いに所定の間隔を空けて配置し、
位置依存コード画像同士の間隔に、位置非依存情報とこれに対する冗長データとを含んだ位置非依存コード画像を繰り返して配置する、
コードパターン画像生成方法。
【請求項13】
位置依存コード画像と位置非依存コード画像とを含む同一サイズ同一形状の単位パターンが密に配置されたコードパターン画像であって、位置依存コード画像は単位パターン内の少なくとも一方向に偏った領域に配置され、単位パターンにおける領域以外の部分に位置非依存コード画像が配置されたコードパターン画像、を局所的に読み取った読取画像から、位置依存情報と位置非依存情報とを再生するコードパターン画像読取装置であって、
読取画像から位置依存コード画像を検出し、位置依存コード画像から位置依存情報を復号する位置依存情報読取部と、
読取画像に含まれる各単位パターンからそれぞれ位置非依存コード画像の断片を抽出し、それら各断片を単位パターン同士の位置関係に従って合成することで位置非依存コード画像を再構築する位置非依存コード画像再構築部と、
再構築された位置非依存コード画像から位置非依存情報を復号する位置非依存情報復号部と、
を備えるコードパターン画像読取装置。
【請求項14】
請求項13記載のコードパターン画像読取装置であって、
位置非依存コード画像再構築部は、位置依存情報読取部が読み取った位置依存コード画像に対する前記各断片の位置に応じて、位置非依存コード画像中でのそれら各断片の占める場所を特定してそれら各断片を合成する、
ことを特徴とするコードパターン画像読取装置。
【請求項15】
位置依存コード画像と位置非依存コード画像とを含む同一サイズ同一形状の単位パターンが密に配置されたコードパターン画像であって、位置依存コード画像は単位パターン内の少なくとも一方向に偏った領域に配置され、単位パターンにおける領域以外の部分に位置非依存コード画像が配置されたコードパターン画像、を局所的に読み取った読取画像から、位置依存情報と位置非依存情報とを再生するためにコンピュータが実行するコードパターン画像読取方法であって、
読取画像から位置依存コード画像を検出し、位置依存コード画像から位置依存情報を復号し、
読取画像に含まれる各単位パターンからそれぞれ位置非依存コード画像の断片を抽出し、それら各断片を単位パターン同士の位置関係に従って合成することで位置非依存コード画像を再構築し、
再構築された位置非依存コード画像から位置非依存情報を復号する、
コードパターン画像読取方法。
【請求項16】
位置依存コード画像と位置非依存コード画像とを含む同一サイズ同一形状の単位パターンが密に配置されたコードパターン画像であって、位置依存コード画像は単位パターン内の少なくとも一方向に偏った領域に配置され、単位パターンにおける当該領域以外の部分に位置非依存コード画像の部分が配置され、所定の位置関係をなす所定数の単位パターンの組ごとに位置非依存コード画像が1つ割り当てられ、各単位パターンには、位置非依存コード画像を構成する各部分のうち、当該単位パターンが属する組における当該単位パターンの位置に応じた部分が配置されたコードパターン画像、を局所的に読み取った読取画像から、位置依存情報と位置非依存情報とを再生するコードパターン画像読取装置であって、
読取画像から位置依存コード画像を検出し、位置依存コード画像から位置依存情報を復号する位置依存情報読取部と、
読取位置が異なる複数フレームの読取画像に含まれる各単位パターンからそれぞれ位置非依存コード画像の断片を抽出し、それら各断片を単位パターン同士の位置関係に従って合成することで位置非依存コード画像を再構築する位置非依存コード画像再構築部と、
再構築された位置非依存コード画像から位置非依存情報を復号する位置非依存情報復号部と、
を備えるコードパターン画像読取装置。
【請求項17】
請求項16に記載のコードパターン画像読取装置であって、
単位パターン内の位置依存コード画像が示す位置依存情報は、前記コードパターン画像における当該単位パターンの座標を示す情報であり、
前記位置非依存コード画像再構築部は、各フレームの読取画像から前記位置依存情報読取部が検出した位置依存コード画像が示す座標から、それぞれ当該単位パターンの属する組内での当該単位パターンの位置を特定し、特定した位置に基づき、位置非依存コード画像中での前記各断片の占める場所を特定してそれら各断片を合成する、
ことを特徴とするコードパターン画像読取装置。
【請求項18】
位置依存コード画像と位置非依存コード画像とを含む同一サイズ同一形状の単位パターンが密に配置されたコードパターン画像であって、位置依存コード画像は単位パターン内の少なくとも一方向に偏った領域に配置され、単位パターンにおける当該領域以外の部分に位置非依存コード画像の部分が配置され、所定の位置関係をなす所定数の単位パターンの組ごとに位置非依存コード画像が1つ割り当てられ、各単位パターンには、位置非依存コード画像を構成する各部分のうち、当該単位パターンが属する組における当該単位パターンの位置に応じた部分が配置されたコードパターン画像、を局所的に読み取った読取画像から、位置依存情報と位置非依存情報とを再生するためにコンピュータが実行するコードパターン画像読取方法であって、
読取画像から位置依存コード画像を検出し、位置依存コード画像から位置依存情報を復号し、
読取位置が異なる複数フレームの読取画像に含まれる各単位パターンからそれぞれ位置非依存コード画像の断片を抽出し、それら各断片を単位パターン同士の位置関係に従って合成することで位置非依存コード画像を再構築し、
再構築された位置非依存コード画像から位置非依存情報を復号する、
コードパターン画像読取方法。
【請求項19】
各位置ごとに異なる位置依存情報とこれに対する冗長データとを含んだ複数の位置依存コード画像が、少なくとも一方向について互いに所定の間隔を空けて配置されると共に、配置された位置依存コード画像同士の間隔に、各位置に共通な位置非依存情報とこれに対する冗長データとを含んだ位置非依存コード画像が繰り返して配置されたコードパターン画像、が印刷されたコードパターン画像媒体。
【請求項20】
請求項19記載のコードパターン画像媒体であって、
コードパターン画像は、位置依存コード画像と位置非依存コード画像とを含む同一サイズ同一形状の単位パターンが密に配置されたものであり、位置依存コード画像は単位パターン内の少なくとも一方向に偏った領域に配置され、単位パターンにおける領域以外の部分に位置非依存コード画像が配置される、
ことを特徴とするコードパターン画像媒体。
【請求項21】
請求項19記載のコードパターン画像媒体であって、
コードパターン画像は、位置依存コード画像と位置非依存コード画像の部分とを含む同一サイズ同一形状の単位パターンが密に配置されたものであり、位置依存コード画像は単位パターン内の少なくとも一方向に偏った領域に配置され、単位パターンにおける当該領域以外の部分に位置非依存コード画像の部分が配置され、所定の位置関係をなす所定数の単位パターンの組ごとに位置非依存コード画像が1つ割り当てられ、各単位パターンには、位置非依存コード画像を構成する各部分のうち、当該単位パターンが属する組における当該単位パターンの位置に応じた部分が配置される、
ことを特徴とするコードパターン画像媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図28】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図28】
【公開番号】特開2007−41691(P2007−41691A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−222914(P2005−222914)
【出願日】平成17年8月1日(2005.8.1)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月1日(2005.8.1)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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