説明

コード追尾方法、測位信号受信方法、コード追尾プログラム、測位信号受信プログラム、コード追尾装置、測位信号受信装置、および移動端末

【課題】マルチパスの影響を受けにくいコード追尾方法を実現する。
【解決手段】ゲート処理部56は、コード発生器502からのレプリカコード信号に対して、チップの開始タイミングを起点として、1.0chipよりも極短い所定時間長(例えば0.1chip)分だけ、レプリカコード信号を通過させる処理を行う。シフトレジスタ503は、ゲート処理後レプリカコード信号に基づいて、ゲート処理後Eレプリカコード信号SRδおよびゲート処理後Lレプリカコード信号SRδを生成する。ゲート処理部57Pは、ベースバンド信号Sをゲート処理し、ゲート処理後ベースバンド信号Sδを生成する。E相関部52は、ゲート処理後Eレプリカコード信号SRδとゲート処理後ベースバンド信号Sδとを相関処理し、L相関部53は、ゲート処理後Lレプリカコード信号SRδとゲート処理後ベースバンド信号Sδとを相関処理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
拡散コードでコード変調された測位信号のコード追尾を行うコード追尾方法および当該コード追尾方法を含む測位信号受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、GNSS(Global Navigation SatelliteSystem)を利用した測位装置では、位置、速度などを算出するために擬似距離やその変化量を観測したり、測位信号の重畳された航法メッセージを解読する必要がある。そして、このような目的の処理を実行するためには、測位信号を捕捉して追尾しなければならない。
【0003】
このような測位信号のコード追尾処理では、特許文献1に示すように、一般に、Earlyレプリカコード信号(以下、略して「Eレプリカコード信号」と称する。)、およびLateレプリカコード信号(以下、略して「Lレプリカコード信号」と称する。)を用いる。Eレプリカコード信号は、測位信号の拡散コードに対して位相差が無くなるように設定されたPromptレプリカコード信号(Pレプリカコード信号)に対して、所定位相進んだ位相に設定されている。Lレプリカコード信号は、Pレプリカコード信号に対して、所定位相遅れた位相に設定されている。
【0004】
そして、測位信号とEレプリカコード信号とのコード相関結果であるE(Early)相関値と、測位信号とLレプリカコード信号とのコード相関結果であるL(Late)相関値と、を差分した結果を利用している。
【0005】
具体的には、図8に示すような回路構成によってコード追尾が実行される。
【0006】
図8は従来のコード追尾部50Pの構成を示すブロック図である。図9(A)は従来のコード追尾方法を用いた場合のEarly相関特性およびLate相関特性を示す図であり、図9(B)は従来のコード追尾方法を用いた場合のE−L相関特性を示す図である。なお、図9では、Pレプリカコード信号SRに対するEレプリカコード信号SRおよびLレプリカコード信号SRのスペーシング(位相間隔)は、0.1chipとしている。
【0007】
図8に示すように、従来のコード追尾部50Pは、P相関部51、E相関部52、L相関部53、加減算器54、ループフィルタ55、コードNCO501、コード発生器502、シフトレジスタ503を備える。
【0008】
NCO501は、ループフィルタ55から出力されたE−L相関値に基づいて、レプリカコード信号のコード位相タイミングを、コード発生器502へ与える。コード発生器502は、与えられたタイミングでレプリカ信号を生成し、シフトレジスタ503へ出力する。シフトレジスタ503は、コード発生器502からのレプリカ信号に基づいて、所定のスペーシングがされたEレプリカコード信号SR、Pレプリカコード信号SR、およびLレプリカコード信号SRを生成する。Pレプリカコード信号はP相関部51へ、Eレプリカコード信号はE相関部52へ、Lレプリカコード信号はL相関部53へ出力される。
【0009】
また、測位信号のベースバンド信号Sは、P相関部51、E相関部52、L相関部53へ入力される。
【0010】
P相関部51は、Pレプリカコード信号SRとベースバンド信号Sとを乗算してPrompt相関値(P相関値)を出力する。P相関値は後段の測位演算部へ出力される。
【0011】
E相関部52は、Eレプリカコード信号SRとベースバンド信号Sとを乗算してE相関値を出力する。このようなEレプリカコード信号SRを用いた場合、図9(A)のEarly相関特性に応じた相関結果が得られる。
【0012】
L相関器53は、Lレプリカコード信号SRとベースバンド信号Sとを乗算してL相関値を出力する。このようなLレプリカコード信号SRを用いた場合、図9(A)のLate相関特性に応じた相関結果が得られる。
【0013】
加減算器54は、E相関値からL相関値を減算することで、E−L相関値を生成する。このような演算を行って得られるコード位相誤差結果は、図9(B)に示すような特性となる。このように、E−L相関値は、コード位相差が0(零)近傍では、コード位相差が0(零)に近づくほど、0(零)に向かう特性となる。E−L相関値は、ループフィルタ55を介してNCO501へフィードバックされるとともに後段の測位演算部へも出力される。
【0014】
このようなフィードバック処理により、E−L相関値が0(零)になるように、NCO501がコード位相を調整していくことで、コード追尾が実行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2001−53648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、従来のE−L相関値を用いたコード追尾方法では、図9(B)に示すように、コード位相差が0近傍のE−L相関値が所定の傾きを有する区間(追尾利用区間)よりも、さらにコード位相差が大きな区間において、コード位相の進む方向および遅れる方向の双方で、1.0chipという比較的長い区間に亘って、E−L相関値が0でない所定値になる区間が生じる。
【0017】
このような区間が長いと、マルチパスの影響を受け易くなる。したがって、マルチパスが存在する場合にコード追尾誤差が大きくなってしまう。そして、コード追尾誤差が大きくなると、擬似距離等の誤差も大きくなり、ひいては測位結果の精度が低下してしまう。
【0018】
したがって、本発明の目的は、マルチパスの影響を受けにくいコード追尾方法を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
この発明は、測位信号とレプリカコード信号との相関処理結果とに基づいて、測位信号の拡散コードとレプリカコード信号とのコード位相差が零となる位相タイミングを追尾処理するコード追尾方法に関するものである。このコード追尾方法では、レプリカコード信号生成工程と相関処理工程とを有する。
【0020】
レプリカコード信号生成工程は、位相タイミングがそれぞれに異なる複数のレプリカコード信号を生成する。
【0021】
相関処理工程は、複数のレプリカコード信号のそれぞれと測位信号とを、拡散コードの各チップの開始点を含む拡散コードの1チップよりも短い区間で相関処理する。
【0022】
この方法では、各レプリカコード信号と測位信号とのチップ毎の相関処理を行う期間が短くなる。この際、チップの開始点が含まれているので、コード位相ズレに関する情報は、相関処理結果に含まれる。そして、相関処理期間を短くしたことで、当該相関処理期間よりも遅いタイミングで受信されるマルチパス信号の影響を受けない。例えば、相関処理期間が0.1chipの際、0.5chip遅れのマルチパスには相関処理結果が影響されない。すなわち、従来の1.0chip分全体で相関処理を行う場合に生じるようなマルチパスの影響が、本願の方法では生じず、マルチパスの影響を受けにくい。
【0023】
また、この発明のコード追尾方法では、測位信号を時間軸上で部分的に切り出す測位信号ゲート処理工程を有する。レプリカコード信号生成工程は、相関結果に基づく基準となるレプリカコード信号を生成するコード発生工程と、該基準となるレプリカコード信号を時間軸上で部分的に切り出すゲート処理工程と、該切り出された前記基準となるレプリカコード信号を位相シフトさせて前記複数のレプリカコードを出力する位相シフト工程と、を有する。相関処理工程は、測位信号とシフトレジスタで得られる複数のレプリカコード信号とを用いて相関処理を行う。
【0024】
また、この発明のコード追尾方法では、測位信号を時間軸上で部分的に切り出す測位信号ゲート処理工程を有する。レプリカコード信号生成工程は、相関結果に基づく基準となるレプリカコード信号を生成するコード発生工程と、基準となるレプリカコード信号を位相シフトさせて位相の異なる複数のレプリカコード信号を出力する位相シフト工程と、該シフトレジスタから出力される複数のレプリカコード信号を時間軸上で部分的に切り出すゲート処理工程と、を有する。相関処理工程は、測位信号とゲート処理部で切り出された複数のレプリカコード信号とを用いて相関処理を行う。
【0025】
これら方法では、相関処理に用いる1チップより短い区間からなる複数のレプリカコード信号および測位信号のより具体的な生成方法についてそれぞれ示している。
【0026】
また、この発明のコード追尾方法では、ゲート処理工程および測位信号ゲート処理工程は、測位信号の受信環境に応じて、切り出す時間長を可変させる。
【0027】
この方法では、複数のレプリカコード信号と測位信号との相関処理の時間長が、受信環境に応じて調整できる。すなわち、マルチパス耐性を加味した上で、受信環境に応じて、適する時間長の相関処理を設定することができる。
【0028】
また、この発明のコード追尾方法では、レプリカコード信号生成工程は、相関処理工程で用いる複数のレプリカコード信号として、基準となるレプリカコード信号に対してコード位相の進む方向に所定コード位相間隔を空けたEarlyレプリカコード信号と、基準となるレプリカコード信号に対してコード位相の遅れる方向に所定コード位相間隔を空けたLateレプリカコード信号と、を生成する。相関処理工程は、Earlyレプリカコード信号と測位信号とによるEarly相関結果を算出するとともに、Lateレプリカコード信号と測位信号とによるLate相関結果を算出し、Early相関結果からLate相関結果を減算する。
【0029】
この方法では、Earlyレプリカコード信号およびLateレプリカコード信号を用いて、所謂E−L相関値で、コード追尾を行う場合の具体的方法を示している。この方法では、Earlyレプリカコード信号と測位信号との相関結果(Early相関値)およびLateレプリカコード信号と測位信号との相関結果(Late相関値)を算出した後に、Early相関値かLate相関値を減算して、E−L相関値を算出する。
【0030】
また、この発明のコード追尾方法では、レプリカコード信号生成工程は、相関処理工程で用いる複数のレプリカコード信号として、基準となるレプリカコード信号に対してコード位相の進む方向に所定コード位相間隔を空けたEarlyレプリカコード信号と、基準となるレプリカコード信号に対してコード位相の遅れる方向に所定コード位相間隔を空けたLateレプリカコード信号と、を生成する。相関処理工程は、Earlyレプリカコード信号からLateレプリカコード信号を減算した差分レプリカ信号と測位信号との相関結果を算出する。
【0031】
この方法では、Earlyレプリカコード信号およびLateレプリカコード信号を用いて、所謂E−L相関値で、コード追尾を行う場合の具体的方法を示している。この方法では、Earlyレプリカコード信号からLateレプリカコード信号を減算し、E−Lレプリカコード信号を生成した後、E−Lレプリカコード信号と測位信号とを相関処理することで、E−L相関値を算出する。
【0032】
また、この発明は測位信号受信方法に関するものである。この測位信号受信方法では、上述のコード追尾方法を有するとともに、測位演算工程を有する。測位演算工程では、測位信号と特定のレプリカコード信号との相関処理結果、および測位信号と複数のレプリカコード信号のそれぞれとの相関処理結果を用いて測位演算を行う。
【0033】
この方法では、上述のコード追尾方法を用いて測位演算を行う、測位信号受信方法について示している。上述のコード追尾方法を用いることで、コード追尾結果がマルチパスの影響を受けにくく、高精度な測位演算が可能になる。
【発明の効果】
【0034】
この発明によれば、マルチパスの影響を受けにくいコード追尾方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】第1の実施形態に係る測位信号受信装置1の構成を示すブロック図である。
【図2】コード追尾部50で処理される各種信号波形を示す図である。
【図3】本実施形態の構成および処理を用いた場合のEarly相関特性およびLate相関特性およびE−L相関特性を示す図である。
【図4】従来のコード追尾方法と本願のコード追尾方法を用いた場合のE−L相関特性のシミュレーション結果を示す
【図5】第2の実施形態に示す測位信号受信装置1Aの構成を示すブロック図である。
【図6】第3の実施形態に示す測位信号受信装置1Bの構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の測位信号受信装置を含む移動端末100の主要構成を示すブロック図である。
【図8】従来のコード追尾部50Pの構成を示すブロック図である。
【図9】従来のコード追尾方法を用いた場合のEarly相関特性およびLate相関特性を示す図、および、従来のコード追尾方法を用いた場合のE−L相関特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明の第1の実施形態に係るコード追尾方法および測位信号受信方法について、図を参照して説明する。なお、本実施形態では、測位信号としてGPS信号を用いる例を示すが、他のGNSS信号に対しても本願の構成、方法およびプログラムを適用することができる。また、本実施形態では、コード追尾処理を具体的に説明するが、当該コード追尾処理の前段階として、コード捕捉処理が既知の方法を用いて行われている。これにより、コード位相差がある程度0(零)に近い状態からコード追尾が実行されている。
【0037】
図1は本実施形態に係る測位信号受信装置1の構成を示すブロック図である。測位信号受信装置1は、アンテナ10、RF処理部20、ベースバンド変換部30、キャリア相関部40、コード追尾部50、および測位演算部60を備える。
【0038】
アンテナ10は、各GPS衛星から放送されたGPS信号を受信して、受信信号をRF処理部20へ出力する。RF処理部20は、受信したGPS信号をダウンコンバートして、中間周波数信号(IF信号)を生成し、ベースバンド変換部30およびキャリア相関部40へ出力する。
【0039】
キャリア相関部40は、IF信号とキャリア周波数信号とを乗算して、キャリア位相差を算出する。出力されたキャリア位相差は、所定時定数のループフィルタを介してキャリアNCOへフィードバックされる。キャリアNCOは、フィードバックされたキャリア位相に基づいてキャリア周波数信号を生成する。なお、検出したキャリア位相差は、測位演算部60へも出力される。
【0040】
ベースバンド変換部30は、IF信号にキャリア周波数信号を乗算することで、ベースバンド信号Sを生成する。ベースバンド信号Sはコード追尾部50へ出力される。
【0041】
コード追尾部50は、具体的構成および処理は後述するが、ベースバンド信号Sに対するコード追尾処理を行う。コード追尾部50は、Prompt相関値(P相関値)、E−L相関値の積算値を、測位演算部60へ出力する。
【0042】
測位演算部60は、P相関値から航法メッセージを解読する。測位演算部60は、E−L相関値の積算値から疑似距離を算出する。測位演算部60は、航法メッセージと疑似距離とを用いて、既知の方法で測位演算を行う。この際、測位演算部60は、キャリア位相を用いることで、より高精度な測位演算を行うこともできる。
【0043】
次に、コード追尾部50の具体的構成および処理について説明する。図2は、コード追尾部50で処理される各種信号波形を示す図である。なお、図2では、ベースバンド信号SとPレプリカ信号SRとのコード位相差が略0の状態を示しており、さらにベースバンド信号Sは拡散コードのみを示している。
【0044】
コード追尾部50は、P相関部51、E相関部52、L相関部53、加減算器54、ループフィルタ55、NCO501、コード発生器502、シフトレジスタ503,503P、ゲート処理部56、Pゲート処理部57Pを備える。
【0045】
ベースバンド変換部30から出力されたベースバンド信号Sは、P相関部51およびPゲート処理部57Pへ入力される。
【0046】
P相関部51は、P(Prompt)レプリカコード信号SR(本願の特定のレプリカコード信号に相当する。)とベースバンド信号Sとを乗算して所定時間積算しP相関値を出力する。P相関値は測位演算部60へ出力される。
【0047】
NCO501は、ループフィルタ55から出力されたE−L相関値に基づいて、レプリカコード信号の発生タイミングを、コード発生器502へ与える。
【0048】
コード発生器502は、与えられた発生タイミングに準じてレプリカコード信号を生成し、シフトレジスタ503Pおよびゲート処理部56へ出力する。
【0049】
シフトレジスタ503Pは、コード発生器502からのレプリカコード信号に基づいて、Pレプリカコード信号SRを生成する。Pレプリカコード信号SRはP相関部51へ出力され、上述のようにベースバンド信号Sと相関処理される。
【0050】
ゲート処理部56は、コード発生器502からのレプリカコード信号に対して、ゲート処理を行う。ここで、ゲート処理とは、レプリカコード(拡散コード)のチップの開始タイミングを起点として所定時間長に亘り、レプリカコード信号を通過させる処理である。この際、レプリカコード信号を通過させる時間長は、1.0chipの時間長よりも短く設定されており、例えば、0.1chip程度に設定されている。このような処理により、ゲート処理部56から出力されるレプリカコード信号は、チップの開始タイミングを起点とした1.0chipよりも短い、離散的なレプリカコード信号となる。
【0051】
ここで、ゲート処理部56は、上記チップの開始タイミングを、コード発生器502もしくはNCO501から取得してもよく、入力されるレプリカコード信号のエッジ検出(チップ状態切り替わりタイミングの検出)により取得してもよい。ただし、エッジ検出の場合、レプリカコード信号の状態遷移が生じないチップの変わり目では、レプリカコード信号の通過区間を設定できない。しかしながら、後述のようにPゲート処理部57Pがゲート処理部56からのゲートトリガ信号を受けて、ベースバンド信号SBのゲート処理を行っているので、相関処理は正確に行うことができる。
【0052】
ゲート処理部56は、ゲート処理後レプリカコード信号をシフトレジスタ503へ出力する。また、ゲート処理部56は、自身がゲート処理を開始したタイミングを示すゲートトリガ信号を、Pゲート処理部57Pへ出力する。
【0053】
シフトレジスタ503は、入力されたゲート処理後レプリカコード信号に基づいて、ゲート処理後Eレプリカコード信号SRδおよびゲート処理後Lレプリカコード信号SRδを生成する。この際、シフトレジスタ503は、上述のPレプリカコード信号SRに対して、所定の位相間隔を空けるように、ゲート処理後Eレプリカコード信号SRδおよびゲート処理後Lレプリカコード信号SRδを出力する。
【0054】
具体的には、シフトレジスタ503は、Pレプリカコード信号SRに対して、位相の進む方向へ所定チップ(例えば、0.1chip)だけコード位相間隔を空けて、ゲート処理後Eレプリカコード信号SRδを出力する。これにより、図2(C)に示す従来のEレプリカコード信号SRに対して、図2(D)に示すような拡散コードの1.0chipよりも短い時間長の区間信号が離散的に現れるゲート処理後Eレプリカコード信号SRδが出力される。
【0055】
同時に、シフトレジスタ503は、Pレプリカコード信号SRに対して、位相の遅れる方向へ所定チップ(例えば、0.1chip)だけコード位相間隔を空けて、ゲート処理後Lレプリカコード信号SRδを出力する。これにより、図2(E)に示す従来のLレプリカコード信号SRに対して、図2(F)に示すような拡散コードの1.0chipよりも短い時間長の区間信号が離散的に現れるゲート処理後Lレプリカコード信号SRδが出力される。
【0056】
ゲート処理後Eレプリカコード信号SRδはE相関部52へ入力される。ゲート処理後Lレプリカコード信号SRδはL相関部53へ入力される。
【0057】
ゲート処理部57Pは、ゲート処理部56からのゲートトリガ信号を基準にして、ベースバンド信号Sに対してゲート処理を行う。この処理により、図2(A)に示すベースバンド信号Sが、図2(B)に示す拡散コードの1.0chipよりも短い時間長の区間信号が離散的に現れるゲート処理後ベースバンド信号Sδとなって出力される。
【0058】
Pゲート処理部57Pは、ゲート処理後ベースバンド信号SδをE相関部52、L相関部53へ出力する。
【0059】
E相関部52は、ゲート処理後Eレプリカコード信号SRδとゲート処理後ベースバンド信号Sδとを乗算して所定時間積算しE相関値を出力する。L相関部53は、ゲート処理後Lレプリカコード信号SRδとゲート処理後ベースバンド信号Sδとを乗算して所定時間積算しL相関値を出力する。加減算器54は、E相関値からL相関値を減算することで、E−L相関値を生成する。
【0060】
E−L相関値は、ループフィルタ55を介してNCO501へフィードバックされるとともに後段の測位演算部60へも出力される。このようなフィードバック処理により、E−L相関値が0(零)になるように、NCO501がコード位相を調整していくことで、コード追尾が実行される。
【0061】
このような構成および処理を用いることで、次に示すような作用効果が得られる。図3(A)は本実施形態の構成および処理を用いた場合のEarly相関特性およびLate相関特性を示す図である。図3(B)は本実施形態の構成および処理を用いた場合のE−L相関特性を示す図である。
【0062】
図3(A)に示すように、本実施形態の構成および処理を用いることで、コード位相差が0近傍の1.0chipよりも極短い区間にのみE相関値およびL相関値が現れる特性となる。このため、図3(B)に示すように、E−L相関値もコード位相差が0近傍の1.0chipよりも極短い区間でのみ0とならない値となる。例えば、図3(B)の場合であれば、コード位相差が±0.3chip以内の区間(追尾点であるコード位相差が0は除く)でのみE−L相関値が0でない値となる。逆に言えば、±0.3chip以上の所定範囲(約±1.0chipまで)では、常にコード位相差が0となる。
【0063】
したがって、従来のコード追尾方法でマルチパスの影響を受け得る近距離マルチパスの影響を受けない。
【0064】
また、図4に示すように、本実施形態の構成および処理を用いることで、さらに広いコード位相差の範囲であって、マルチパスの影響を受けにくいことが分かる。
【0065】
図4は、従来のコード追尾方法と本願のコード追尾方法を用いた場合のE−L相関特性のシミュレーション結果を示す。図4(A),(B)は従来のコード追尾方法の場合であり、図4(A)はコード位相差が±2.0chipの範囲内について示し、図4(B)はコード位相差が−2.0chipから+18.0chipまでの範囲について示している。図4(C),(D)は本実施形態のコード追尾方法の場合であり、図4(C)はコード位相差が±2.0chipの範囲内について示し、図4(D)はコード位相差が−2.0chipから+18.0chipまでの範囲について示している。
【0066】
以上のように、従来のコード追尾方法よりも広いコード位相差の範囲でマルチパスの影響を受けないようにすることができ、マルチパス耐性に優れるコード追尾が可能になる。
【0067】
そして、このように、マルチパスの影響を受けにくいコード追尾が可能になることで、コード追尾精度を向上させることができる。これにより、測位精度も向上させることができる。
【0068】
次に、第2の実施形態に係る測位信号受信装置について、図を参照して説明する。図5は本実施形態に示す測位信号受信装置1Aの構成を示すブロック図である。本実施形態の測位信号受信装置1Aは、第1の実施形態に示した測位信号受信装置1に対して、コード追尾部50Aが異なり、ゲート処理後Eレプリカコード信号SRδおよびゲート処理後Lレプリカコード信号SRδの生成方法が異なる。したがって、異なる箇所のみを具体的に説明する。
【0069】
コード発生器502で生成されたレプリカコード信号は、シフトレジスタ503へ入力される。
【0070】
シフトレジスタ503は、コード発生器502からのレプリカコード信号に基づいて、上述のような所定のスペーシングを有するPレプリカコード信号SR、Eレプリカコード信号SR、およびLレプリカコード信号SRを生成する。Pレプリカコード信号SRはP相関部51へ出力される。Eレプリカコード信号SRはE(Early)ゲート処理部57Eへ出力され、Lレプリカコード信号SRはL(Late)ゲート処理部57Lへ出力される。
【0071】
Eゲート処理部57Eは、コード発生器502からのコード発生タイミングを基準にして、Pレプリカコード信号SRよりも所定量だけコード位相が進んだEレプリカコード信号SRのチップの開始タイミングを起点として、所定時間長に亘りEレプリカコード信号SRを通過させる処理を行う。これにより、第1の実施形態と同様のゲート処理後Eレプリカコード信号SRδが得られる。ゲート処理後Eレプリカコード信号SRδはE相関部52へ出力される。
【0072】
Lゲート処理部57Lは、コード発生器502からのコード発生タイミングを基準にして、Pレプリカコード信号SRよりも所定量だけコード位相が遅れたLレプリカコード信号SRのチップの開始タイミングを起点として、所定時間長に亘りLレプリカコード信号SRを通過させる処理を行う。これにより、第1の実施形態と同様のゲート処理後Lレプリカコード信号SRδが得られる。ゲート処理後Lレプリカコード信号SRδはL相関部53へ出力される。
【0073】
このような本実施形態のコード追尾部50Aを用いても、第1の実施形態に示した測位信号受信装置1のコード追尾部50と同じように、マルチパス耐性に優れたコード追尾処理を実現できる。
【0074】
次に、第3の実施形態に係る測位信号受信装置について、図を参照して説明する。図6は、本実施形態に示す測位信号受信装置1Bの構成を示すブロック図である。本実施形態の測位信号受信装置1Bは、第1の実施形態に測位信号受信装置1に対して、コード追尾部50Bが異なり、E−L相関値の算出工程が異なる。したがって、異なる箇所のみを具体的に説明する。
【0075】
シフトレジスタ503から出力されたゲート処理後Eレプリカコード信号SRδおよびゲート処理後Lレプリカコード信号SRδは、加減算器540へ入力される。
【0076】
加減算器540は、ゲート処理後Eレプリカコード信号SRδからゲート処理後Lレプリカコード信号SRδを減算することで、E−Lレプリカコード信号SRδELを生成する。E−Lレプリカコード信号SRδELは、E−L相関部523へ入力される。
【0077】
E−L相関部523は、E−Lレプリカコード信号SRδELとゲート処理後ベースバンド信号Sδとを乗算して所定時間積算しE−L相関値を直接出力する。
【0078】
このような本実施形態のコード追尾部50Bを用いても、第1の実施形態に示した測位信号受信装置1のコード追尾部50と同じように、マルチパス耐性に優れたコード追尾処理を実現できる。さらに、本実施形態の構成を用いることで、相関部の個数を減らすことができ、コード追尾部50Bを簡素化することができる。
【0079】
なお、第3の実施形態に示した相関処理の工程を、第2の実施形態の構成に適用することもできる。
【0080】
上述の各実施形態では、各機能部をブロック化して記載しているが、これらの機能部は、それぞれに個別の素子や回路によって個別のハードウェアで実現してもよく、上述の処理をプログラム化して記憶しておき、CPU等の演算処理部で実行することにより実現してもよい。
【0081】
また、上述の説明では、ゲート処理により、レプリカコード信号を切り出す時間長を一定にしているが、可変にして良い。マルチパスが存在すると、測位信号のC/NoやCMC(Code Minus Carrier)の時間変動が大きくなる。また、層間カーブが歪む。これらの変動や歪みの度合いを観測して、マルチパスによる擬似距離誤差の大小を判定する受信環境検出部をさらに備え、このような受信状況に応じて、切り出す時間長を可変させればよい。このような時間長を可変にすることにより、マルチパス耐性と受信状況とを加味した上で、適する条件によるコード追尾を行うことができる。
【0082】
なお、上述のような測位信号受信装置は、図7に示すような移動端末100等に用いられている。図7は、本発明の測位信号受信装置を含む移動端末100の主要構成を示すブロック図である。なお、図7では、第1の実施形態の測位信号受信装置1を用いた例を示している、第2、第3の実施形態の測位信号受信装置1A、1Bの構成も同様に用いることができる。
【0083】
図7に示すような移動端末100は、例えば携帯電話機、カーナビゲーション装置、PND、カメラ、時計等であり、上述の測位信号受信装置1とともに、アプリケーション処理部130を備える。
【0084】
アプリケーション処理部130は、測位信号受信装置1の測位演算部60で得られた測位結果に基づいて、自装置位置を表示したり、ナビゲーション等に利用するための処理を実行する。
【0085】
このような構成において、上述の高精度な追尾処理が可能であるので、擬似距離が高精度で得られる。そして、高精度な測位結果が得られることで、高精度な位置表示やナビゲーション等を実現することができる。
【符号の説明】
【0086】
1−測位信号受信装置、10−アンテナ、20−RF処理部、30−ベースバンド変換部、40−キャリア相関部、50,50P−コード追尾部、51−P相関部、52−E相関部、53−L相関部、54−加減算器、55−ループフィルタ、501−NCO、502−コード発生器、503,503P−シフトレジスタ、523−E−L相関部、540−加減算器、60−測位演算部、100−移動端末、110−アプリケーション処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測位信号とレプリカコード信号との相関処理結果とに基づいて、前記測位信号の拡散コードと前記レプリカコード信号とのコード位相差が零となる位相タイミングを追尾処理するコード追尾方法であって、
位相タイミングがそれぞれに異なる複数のレプリカコード信号を生成するレプリカコード信号生成工程と、
前記複数のレプリカコード信号のそれぞれと前記測位信号とを、前記拡散コードの各チップの開始点を含む前記拡散コードの1チップよりも短い区間で相関処理する相関処理工程と、
を有するコード追尾方法。
【請求項2】
請求項1に記載のコード追尾方法であって、
前記測位信号を時間軸上で部分的に切り出す測位信号ゲート処理工程を有し、
前記レプリカコード信号生成工程は、
相関結果に基づく基準となるレプリカコード信号を生成するコード発生工程と、
該基準となるレプリカコード信号を時間軸上で部分的に切り出すゲート処理工程と、
該切り出された前記基準となるレプリカコード信号を位相シフトさせて前記複数のレプリカコードを出力する位相シフト工程と、を有し、
前記相関処理工程は、前記測位信号と前記シフトレジスタで得られる複数のレプリカコード信号とを用いて相関処理を行う、コード追尾方法。
【請求項3】
請求項1に記載のコード追尾方法であって、
前記測位信号を時間軸上で部分的に切り出す測位信号ゲート処理工程を有し、
前記レプリカコード信号生成工程は、
相関結果に基づく基準となるレプリカコード信号を生成するコード発生工程と、
該基準となるレプリカコード信号を位相シフトさせて位相の異なる複数のレプリカコード信号を出力する位相シフト工程と、
該シフトレジスタから出力される複数のレプリカコード信号を時間軸上で部分的に切り出すゲート処理工程と、を有し、
前記相関処理工程は、前記測位信号と前記ゲート処理部で切り出された複数のレプリカコード信号とを用いて相関処理を行う、コード追尾方法。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載のコード追尾方法であって、
前記ゲート処理工程および前記測位信号ゲート処理工程は、前記測位信号の受信環境に応じて、前記切り出す時間長を可変させる、コード追尾方法。
【請求項5】
請求項2乃至請求項4のいずれかに記載のコード追尾方法であって、
前記レプリカコード信号生成工程は、前記相関処理工程で用いる複数のレプリカコード信号として、
前記基準となるレプリカコード信号を基準にコード位相の進む方向に所定コード位相間隔を空けたEarlyレプリカコード信号と、
前記基準となるレプリカコード信号を基準にコード位相の遅れる方向に前記所定コード位相間隔を空けたLateレプリカコード信号と、を生成し、
前記相関処理工程は、
前記Earlyレプリカコード信号と測位信号とによるEarly相関結果を算出するとともに、前記Lateレプリカコード信号と測位信号とによるLate相関結果を算出し、前記Early相関結果から前記Late相関結果を減算する、コード追尾方法。
【請求項6】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のコード追尾方法であって、
前記レプリカコード信号生成工程は、前記相関処理工程で用いる複数のレプリカコード信号として、
前記基準となるレプリカコード信号を基準にコード位相の進む方向に所定コード位相間隔を空けたEarlyレプリカコード信号と、
前記基準となるレプリカコード信号を基準にコード位相の遅れる方向に前記所定コード位相間隔を空けたLateレプリカコード信号と、を生成し、
前記相関処理工程は、
前記Earlyレプリカコード信号から前記Lateレプリカコード信号を減算した差分レプリカ信号と測位信号との相関結果を算出する、コード追尾方法。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のコード追尾方法を有するとともに、
前記測位信号と前記基準となるレプリカコード信号との相関処理結果、および前記測位信号と前記複数のレプリカコード信号のそれぞれとの相関処理結果を用いて測位演算を行う測位演算工程を、有する測位信号受信方法。
【請求項8】
測位信号とレプリカコード信号との相関処理結果とに基づいて、前記測位信号の拡散コードと前記レプリカコード信号とのコード位相差が零となる位相タイミングの追尾処理を実行するためのコード追尾プログラムであって、
位相タイミングがそれぞれに異なる複数のレプリカコード信号を生成するレプリカコード信号生成処理と、
前記複数のレプリカコード信号のそれぞれと前記測位信号とを、前記拡散コードの各チップの開始点を含む前記拡散コードの1チップよりも短い区間で相関処理する相関処理と、
を有するコード追尾プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のコード追尾プログラムであって、
前記測位信号を時間軸上で部分的に切り出す測位信号ゲート処理を有し、
前記レプリカコード信号生成処理には、
相関結果に基づく基準となるレプリカコード信号を生成するコード発生処理と、
該基準となるレプリカコード信号を時間軸上で部分的に切り出すゲート処理と、
該切り出された前記基準となるレプリカコード信号を位相シフトさせて前記複数のレプリカコードを出力する位相シフト処理と、を有し、
前記相関処理では、前記測位信号と前記シフトレジスタで得られる複数のレプリカコード信号とを用いて相関処理を行う、コード追尾プログラム。
【請求項10】
請求項8に記載のコード追尾プログラムであって、
前記測位信号を時間軸上で部分的に切り出す測位信号ゲート処理を有し、
前記レプリカコード信号生成処理には、
相関結果に基づく基準となるレプリカコード信号を生成するコード発生処理と、
該基準となるレプリカコード信号を位相シフトさせて位相の異なる複数のレプリカコード信号を出力する位相シフト処理と、
該シフトレジスタから出力される複数のレプリカコード信号を時間軸上で部分的に切り出すゲート処理と、を有し、
前記相関処理では、前記測位信号と前記ゲート処理部で切り出された複数のレプリカコード信号とを用いて相関処理を行う、コード追尾プログラム。
【請求項11】
請求項8乃至請求項10のいずれかに記載のコード追尾プログラムを含み、
前記測位信号と前記基準となるレプリカコード信号との相関処理結果、および前記測位信号と前記複数のレプリカコード信号のそれぞれとの相関処理結果を用いて測位演算を行う測位演算処理を、有する測位信号受信プログラム。
【請求項12】
測位信号とレプリカコード信号との相関処理結果とに基づいて、前記測位信号の拡散コードと前記レプリカコード信号とのコード位相差が零となる位相タイミングを追尾処理するコード追尾装置であって、
位相タイミングがそれぞれに異なる複数のレプリカコード信号を生成するレプリカコード信号生成部と、
前記複数のレプリカコード信号のそれぞれと前記測位信号とを、前記拡散コードの1チップよりも短い区間で相関処理する相関処理部と、
を備えたコード追尾装置。
【請求項13】
請求項12に記載のコード追尾装置であって、
前記測位信号を時間軸上で部分的に切り出す測位信号ゲート処理部を備え、
前記レプリカコード信号生成部は、
相関結果に基づく基準となるレプリカコード信号を生成するコード発生器と、
該基準となるレプリカコード信号を時間軸上で部分的に切り出すゲート処理部と、
該切り出された前記基準となるレプリカコード信号を位相シフトさせて前記複数のレプリカコードを出力するシフトレジスタと、を備え、
前記相関処理部は、前記測位信号と前記シフトレジスタで得られる複数のレプリカコード信号とを用いて相関処理を行う、コード追尾装置。
【請求項14】
請求項12に記載のコード追尾装置であって、
前記測位信号を時間軸上で部分的に切り出す測位信号ゲート処理部を備え、
前記レプリカコード信号生成部は、
相関結果に基づく基準となるレプリカコード信号を生成するコード発生器と、
該基準となるレプリカコード信号を位相シフトさせて位相の異なる複数のレプリカコード信号を出力するシフトレジスタと、
該シフトレジスタから出力される複数のレプリカコード信号を時間軸上で部分的に切り出すゲート処理部と、を備え、
前記相関処理部は、前記測位信号と前記ゲート処理部で切り出された複数のレプリカコード信号とを用いて相関処理を行う、コード追尾装置。
【請求項15】
請求項12乃至請求項14のいずれかに記載のコード追尾装置を備えるとともに、
前記測位信号と前記基準となるレプリカコード信号との相関処理結果、および前記測位信号と前記複数のレプリカコード信号のそれぞれとの相関処理結果を用いて測位演算を行う測位演算部を、備える測位信号受信装置。
【請求項16】
請求項15に記載の測位信号受信装置を備えるとともに、
前記測位演算部の測位演算結果を用いて所定のアプリケーションを実行するアプリケーション処理部を、備える移動端末。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−122884(P2012−122884A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−274708(P2010−274708)
【出願日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(000166247)古野電気株式会社 (441)
【Fターム(参考)】