説明

コーヒー抽出器用パッキン、コーヒー抽出器具及びコーヒー抽出方法

【課題】サイクロン方式のコーヒー抽出において、蒸らし中のコーヒー粉が飛散したり、コーヒー容器が破損したりすることを防止すること。
【解決手段】コーヒー抽出器用パッキン30は、コーヒーが抽出されるコーヒー抽出部20と、抽出されたコーヒーが溜められる容器10の開口部11との間に介在する。そのコーヒー抽出器用パッキン30は、コーヒー抽出部20から容器10への経路となる貫通孔34と、容器10の開口部11の一部だけに密着するように形成された第1密着部31と、容器10の開口部11の全周に密着するように形成された第2密着部32と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーヒー抽出に関する。特に、本発明は、真空を用いたコーヒー抽出方法及びそれに用いられる器具に関する。
【背景技術】
【0002】
コーヒーの味を左右する要素として、コーヒー豆の種類、コーヒー豆の煎り方、コーヒー豆の挽き方、抽出する際の湯の温度、抽出時間などが挙げられる。これら諸要素のうち、湯の温度や抽出時間をうまく調整できるかどうかは、用いるコーヒー抽出方法に依存する。従来のコーヒーの抽出方法として、サイフォン方式、エスプレッソ方式、ドリップ方式などが知られている。
【0003】
サイフォン式コーヒー抽出器は、水(湯)の入ったフラスコ、そのフラスコ上部に装着されたロート、フラスコとロート間の濾過器、加熱を行うアルコールランプなどにより構成される。サイフォン方式(真空濾過方式)によれば、まず人数分の水を入れたフラスコが加熱され、水が沸騰するとロートが差し込まれる。続いて加熱が行われると、フラスコ内の水蒸気圧によってフラスコ内の湯がロートまで上昇し、その湯によってロート内でコーヒーが抽出される。フラスコの加熱を停止させると、フラスコ内の気体(水蒸気)が冷却され収縮し、ロート内で抽出されたコーヒーが濾過器を通してフラスコに急速吸引される。このように、コーヒーが急速に吸引されることにより抽出ぶれが少なくなる点で、サイフォン方式は優れる。一方、コーヒー粉を適当な時間蒸らしたり、湯の温度を加減したりする点で、サイフォン方式は自由度に欠ける。
【0004】
エスプレッソ方式によれば、専用のエスプレッソマシンが用いられ、9気圧程度の高圧で約90度の湯をコーヒー粉に通すことによって、コーヒーが一気に抽出される。これにより、濃く味わい深いエスプレッソコーヒーを飲むことが可能となる。
【0005】
ドリップ式コーヒー抽出器は、コーヒー容器と、その上にのせられたドリッパー、及びドリッパー内のフィルタから構成される。ドリップ方式では、まずドリッパー内のコーヒー粉が適量の湯によって蒸らされる。その後、再び湯がドリッパーに注がれ、これにより抽出されたコーヒーは、重力によってフィルタを通してコーヒー容器へ滴下(ドリップ)する。このドリップ方式においては、例えば、抽出過程での泡の状態、色、香りなどから抽出状態を判断し、それに応じて注ぐ湯の量を微調整することができる。このように、ドリップ方式によれば、注ぐ湯の温度や量を自由に調整することができ、各人の好みに応じて様々な味のコーヒーを味わうことが可能となる。
【0006】
本願発明者は、特許文献1(特許第3773249号)において、ドリップ方式の利点を保ちつつ、抽出されたコーヒーに余計な雑味が添加されないようにコーヒー抽出時間を短縮することができる方式を提案している。その方式は、以下「サイクロン方式」と参照される。
【0007】
図1を参照して、サイクロン方式を説明する。図1に示されるコーヒー抽出器は、コーヒー容器100とコーヒー滴下部110を備えている。コーヒー滴下部110は、フィルタ120を有するドリッパーである。このコーヒー滴下部110は、コーヒー容器100の注ぎ口(開口部)と密着可能に形成されており、コーヒー容器100の内部を密閉することができる。例えば、コーヒー滴下部110にはネジ部が形成されており、コーヒー容器100の注ぎ口にはそのネジ部と噛み合うようなネジ受け部が設けられている。このようなコーヒー抽出器を用いたコーヒー抽出方法は、次の通りである。
【0008】
まず、コーヒー容器100の中に水200が注入される。次に、コーヒー抽出器が加熱機構130の上にのせられ、コーヒー容器100の底部が加熱機構130により熱せられる。これにより、水200が蒸発し、水蒸気210がコーヒー容器100内に充満する。
【0009】
次に、コーヒー滴下部110に、コーヒー粉220が入れられる。ここで、コーヒー滴下部110は、コーヒー容器100の注ぎ口に密着するように設置されている。その後、コーヒー滴下部110に適量の湯230が注がれ、コーヒー粉220の「蒸らし」が行われる。この時、コーヒー容器100内に充満した水蒸気210は、フィルタ120を通ってコーヒー滴下部110へ流入する。この水蒸気210は、コーヒー粉220の「蒸らし」を補助するとともに、蒸らし中の温度を下げることなく高温に保つ役割を果たす。
【0010】
コーヒー粉220の「蒸らし」が終わると、加熱機構130のスイッチが切られ、コーヒー容器100の加熱は停止する。すると、コーヒー容器100内部に充満した水蒸気210は急激に凝結し、コーヒー容器100の内部は(準)真空状態になる。その直後に、コーヒー抽出用の湯230がコーヒー滴下部110に注がれる。蒸らされたコーヒー粉220と湯230は、コーヒー滴下部110内部で交わりコーヒー240が抽出される。この時、コーヒー容器100が真空状態になっているので、コーヒー240はコーヒー容器100に急速に吸引される。従って、コーヒー抽出時間が短縮される。
【0011】
このように、サイクロン方式によれば、ドリップ方式の利点を保ちつつ、真空を利用することによってコーヒー抽出時間を短縮することが可能となる。つまり、注ぐ湯の温度や量を自由に調整できるというドリップ式の長所に加えて、コーヒー抽出時間が短縮されるという効果が得られる。その結果、雑味の少ない美味しいコーヒーを煎れることが可能となる。
【0012】
【特許文献1】特許第3773249号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本願発明者は、次の点に着目した。サイクロン方式の場合、上述の通り、コーヒー粉の蒸らしの最中にコーヒー容器内に水蒸気が充満する。従って、コーヒー容器内の過剰な水蒸気圧力によって、蒸らし中のコーヒー粉が飛散したり、コーヒー容器が破損したり、低温の蒸らしをしたいときにコーヒー粉が高温の水蒸気にさらされたりする可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の第1の観点において、コーヒー抽出器用パッキンが提供される。このコーヒー抽出器用パッキンは、コーヒーが抽出されるコーヒー抽出部と、抽出されたコーヒーが溜められる容器の開口部との間に介在する。より詳細には、コーヒー抽出器用パッキンは、コーヒー抽出部から容器への経路となる貫通孔と、容器の開口部の一部だけに密着するように形成された第1密着部と、容器の開口部の全周に密着するように形成された第2密着部と、を備える。
【0015】
本発明の第2の観点において、コーヒー抽出器具が提供される。このコーヒー抽出器具は、コーヒーが抽出されるコーヒー抽出部と、そのコーヒー抽出部に装着されるパッキン部とを備える。そのパッキン部が、上述のコーヒー抽出器用パッキンである。
【0016】
本発明の第3の観点において、上記コーヒー抽出器具を用いたコーヒー抽出方法が提供される。(a)まず、上記容器に水を注入する。(b)次に、容器を加熱し、容器内に水蒸気を発生させる。(c)また、パッキン部が装着されたコーヒー抽出部を容器上に載置する。このとき、第1密着部は容器の開口部の一部だけに密着しており、パッキン部と容器の開口部との間には通気経路が形成される。(d)そして、コーヒー抽出部に入れられたコーヒー粉の「蒸らし」を行う。(e)上記(a)〜(d)ステップの後に、第2密着部を容器の開口部の全周に密着させ、また、容器の加熱を停止する。(f)コーヒー抽出部に湯を注ぎ、コーヒー粉からコーヒーを抽出する。容器内は真空状態となり、コーヒーが急速に容器に吸引される。
【0017】
このように、コーヒー粉の「蒸らし」の段階では、パッキン部の第1密着部が容器の開口部の一部だけに密着しているため、容器内部から外部への通気経路が形成される。従って、容器内の過剰な水蒸気圧力によって、蒸らし中のコーヒー粉が飛散したり、容器が破損したり、必要以上にコーヒー粉が高温の水蒸気にさらされたりすることが防止される。「蒸らし」の後のコーヒー抽出段階では、パッキン部の第2密着部が容器の開口部の全周に密着し、容器内部が密閉される。従って、容器の加熱が停止した後、容器内部に真空状態が発生する。その結果、サイクロン方式が実現される。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、サイクロン方式において、蒸らし中のコーヒー粉が飛散したり、コーヒー容器が破損したり、必要以上にコーヒー粉が高温の水蒸気にさらされたりすることを防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
添付図面を参照して、本発明の実施の形態に係るコーヒー抽出技術を説明する。本実施の形態に係るコーヒー抽出は、サイクロン方式に基づいている。
【0020】
1.概要
図2は、本実施の形態に係るコーヒー抽出装置1の構成を概略的に示している。コーヒー抽出装置1は、コーヒーの抽出が行われるコーヒー抽出部10と、抽出されたコーヒーが溜められる容器20とを備えている。コーヒー抽出部10は、フィルタ11と、抽出されたコーヒーを容器20の内部に滴下するための管12とを有している。
【0021】
コーヒー抽出部10を容器20の開口部(注ぎ口)21に取り付けるにあたり、パッキン部30(コーヒー抽出器用パッキン)が用いられる。例えば図2に示されるように、コーヒー抽出部10の管12がパッキン部30の貫通孔に挿入され、パッキン部30が容器20の開口部21にはめこまれる。このように、コーヒー抽出部10はパッキン部30を介して容器20上に載置され、パッキン部30はコーヒー抽出部10と容器20の開口部21との間に介在する。尚、コーヒー抽出部10とパッキン部30をまとめて「コーヒー抽出器具40」と呼ぶ場合もある。
【0022】
本実施の形態に係るパッキン部30は、容器20の開口部21に対して「2つの状態」をとることができる。第1状態において、パッキン部30は、開口部21の一部だけに密着する。この場合、パッキン部30と開口部21との間にはスペースが形成され、容器20の内部と外部との間には通気経路が形成される。一方、第2状態において、パッキン部30は、開口部21の全周に密着する。この場合、パッキン部30と開口部21との間にはスペースは形成されず、容器20の内部と外部との間には通気経路は形成されない。すなわち、容器20の内部は、コーヒー抽出部10とパッキン部30によって密閉される。尚、いずれの状態においても、コーヒー抽出部10はパッキン部30によって容器20上で安定的に保持される。それは、いずれの状態においても、パッキン部30が開口部21の少なくとも一部には密着しているからである。
【0023】
図2を参照して、本実施の形態に係るコーヒー抽出方法を説明する。本実施の形態に係るコーヒー抽出方法は、(1)容器20内に水蒸気を発生させ、また、コーヒー抽出部10に入れられたコーヒー粉4を蒸らす「第1段階」と、(2)容器20内に真空状態を作り出し、また、コーヒー6を抽出する「第2段階」と、に分けられる。第1段階において、パッキン部30は上述の第1状態に設定される。一方、第2段階において、パッキン部30は上述の第2状態に設定される。
【0024】
(第1段階)
図2に示されるように、容器20に少量の水2を注入する。続いて、コーヒー抽出装置1が加熱機構50の上にのせられ、加熱機構50が容器20の底部を加熱する。これにより、容器20内の水2が蒸発し、水蒸気3が容器2内に充満する。
【0025】
また、パッキン部30が装着されたコーヒー抽出部10を容器20上に載置する。このとき、パッキン部30は上述の第1状態に設定されており、容器20の開口部21の一部だけに密着している。従って、パッキン部30と開口部21との間にはスペースが形成され、容器20の内部と外部との間には通気経路が形成される。尚、このときも、コーヒー抽出部10はパッキン部30によって容器20上で安定的に保持される。
【0026】
また、コーヒー抽出部10に適量の湯を注ぎ、コーヒー抽出部10に入れられたコーヒー粉4の「蒸らし」を行う。この時、容器20内に充満している水蒸気3は、フィルタ11を通ってコーヒー抽出部10内のコーヒー粉4の内部に流入する。この水蒸気3は、コーヒー粉4の「蒸らし」を補助するとともに、蒸らし中の温度(蒸らし温度)を下げることなく高温に保つ役割を果たす。更に、パッキン部30は第1状態に設定されており、パッキン部30と開口部21との間には通気経路が形成されている。そのため、容器20内の水蒸気圧力が過剰になることが防止される。すなわち、過剰な水蒸気圧力によって、蒸らし中のコーヒー粉4が飛散したり、容器20が破損したり、必要以上にコーヒー粉4が高温の水蒸気にさらされたりすることが防止される。
【0027】
(第2段階)
コーヒー粉4の「蒸らし」が終わると、パッキン部30は、第1状態から第2状態に変更される。つまり、パッキン部30を、容器20の開口部21の全周に密着させる。この場合、パッキン部30と開口部21との間にはスペースは形成されず、容器20の内部と外部との間には通気経路は形成されない。すなわち、容器20の内部は、コーヒー抽出部10とパッキン部30によって密閉される。また、加熱機構50のスイッチを切り、容器20の加熱を停止させる。すると、容器20内部に充満した水蒸気3は急激に凝結し、容器20の内部は(準)真空状態になる。
【0028】
そして、コーヒー抽出用の湯5をコーヒー抽出部10に注ぐ。蒸らされたコーヒー粉4と湯5はコーヒー抽出部10内部で交わり、それによりコーヒー粉4からコーヒー6が抽出される。抽出されたコーヒー6は、フィルタ11と管12を通り、容器20内部に滴下される。この時、容器20が真空状態になっているので、抽出されたコーヒー6は容器20に急速に吸引される。
【0029】
このようにして、サイクロン方式でのコーヒー抽出が可能となる。サイクロン方式によれば、ドリップ方式の利点を保ちつつ、真空を利用することによってコーヒー抽出時間を短縮することが可能となる。つまり、注ぐ湯の温度や量を自由に調整できるというドリップ式の長所に加えて、コーヒー抽出時間が短縮されるという効果が得られる。その結果、雑味の少ない美味しいコーヒーを煎れることが可能となる。
【0030】
以上に説明されたように、コーヒー粉4の「蒸らし」の段階では、パッキン部30が容器20の開口部21の一部だけに密着しているため、容器20内の過剰な水蒸気圧力によって蒸らし中のコーヒー粉4が飛散したり容器20が破損したりすることが防止される。また、必要以上にコーヒー粉4が高温の水蒸気にさらされたりすることが防止される。「蒸らし」の後のコーヒー抽出段階では、パッキン部30が容器20の開口部21の全周に密着するため、加熱が停止した後、容器20の内部に真空状態が発生する。その結果、サイクロン方式が実現される。
【0031】
2.構造例
以下、本実施の形態に係るパッキン部30の様々の例を説明する。
【0032】
2−1.第1の例
図3は、パッキン部30の第1の例を示しており、全体図、平面図及び側面図を含んでいる。パッキン部30の本体は軸部33である。軸部33には、上から下へ貫通する貫通孔34が形成されている。この貫通孔34は、コーヒー抽出部10の内部から容器20の内部への経路となる。このような貫通孔34を有する軸部33に加えて、パッキン部30は、第1密着部31及び第2密着部32を備えている。
【0033】
上述の通り、第1状態において、パッキン部30は容器20の開口部21の一部だけに密着する。この第1状態における機能を実現するのが「第1密着部31」である。つまり、第1密着部31は、容器20の開口部21の一部だけに密着するように形成される。そのため、第1密着部31は、軸部33の外周の一部分だけを囲むように形成される。本例では、第1密着部31は、軸部33の外周にC字形状を有するように形成されている。つまり、第1密着部31は、軸部33の外周の一部分を連続的に囲んでいるが、その他の部分では欠けている。
【0034】
一方、第2状態において、パッキン部30は容器20の開口部21の全周に密着する。この第2状態における機能を実現するのが「第2密着部32」である。つまり、第2密着部32は、容器20の開口部21の全周に密着するように形成される。そのため、第2密着部32は、軸部33の外周の全体を囲むように形成される。本例では、第2密着部32は、軸部33の外周にO字形状を有するように形成されている。つまり、第2密着部32は、軸部33の外周全てを連続的に囲んでいる。
【0035】
図3に示されるように、本例では、第2密着部32は第1密着部31よりも上方に形成されている。また、第2密着部32の半径(直径)は第1密着部31の半径(直径)よりも大きく、平面内における第2密着部32の断面積は第1密着部31の断面積よりも大きい。
【0036】
パッキン部30は一般的なパッキンと同じ材料で形成され、各部は弾性を有していることが好適である。特に、第1密着部31と第2密着部32は弾性を有している。第1密着部31及び第2密着部32は、軸部33と一体成形されていてもよいし、軸部33とは別に形成されていてもよい。
【0037】
図4は、図3で示されたパッキン部30の状態遷移を概略的に示している。パッキン部30にはコーヒー抽出部10が装着されている。具体的には、コーヒー抽出部10の管12がパッキン部30の貫通孔34に挿入されている。この貫通孔34は、コーヒー抽出部10の内部から容器20の内部への経路となる。そして、パッキン部30が容器20の開口部21にはめこまれる。コーヒー抽出部10はパッキン部30によって容器20上で安定的に保持される。図4に示されるように、第1密着部31はより容器20側に位置し、第2密着部32はよりコーヒー抽出部10側に位置している。つまり、容器20の内部から見て、第2密着部32は第1密着部31よりも外方に位置している。
【0038】
第1状態において、パッキン部30の下方部が容器20の開口部21にはめこまれている。このとき、第1密着部31は開口部21に接触する一方、第2密着部32は開口部21に接触しない。第1密着部31は開口部21の一部だけに密着するため、パッキン部30と開口部21との間には通気経路35が形成される。従って、容器20内の水蒸気3は、その通気経路35を通って容器20外部に抜けることができる。すなわち、容器20内の水蒸気圧力が過剰になることが防止される。
【0039】
第1状態から第2状態への遷移時には、第1密着部31の弾性を利用して、パッキン部30を全体的に容器20の内方へ押し込む。これにより、第2密着部32が、容器20の開口部21に接触する。すなわち、パッキン部30を押し込むことにより、第2密着部32を開口部21の全周に密着させることができる。これにより、容器20の内部は、コーヒー抽出部10とパッキン部30によって密閉される。従って、容器20の加熱が停止すると、容器20の内部が真空状態となり、サイクロン方式が実現される。
【0040】
2−2.第2の例
図5は、パッキン部30の第2の例を示しており、全体図、平面図及び側面図を含んでいる。第1の例と同様に、パッキン部30は、第1密着部31、第2密着部32、軸部33及び貫通孔34を備えている。第1の例と重複する説明は適宜省略される。
【0041】
図5に示されるように、第2密着部32は、テーパー形状を有しており、上方から下方に向かうにつれてその直径(半径)は小さくなる。この場合も、第2密着部32は、軸部33の外周の全体を囲むように形成されており、容器20の開口部21の全周に密着することができる。第1密着部31は、第1の例と同様である。
【0042】
図6は、図5で示されたパッキン部30の状態遷移を概略的に示している。容器20の内部から見て、第2密着部32は第1密着部31よりも外方に位置している。
【0043】
第1状態において、パッキン部30の下方部が容器20の開口部21にはめこまれている。このとき、第1密着部31は開口部21に接触する一方、第2密着部32は開口部21に接触しない。第1密着部31は開口部21の一部だけに密着するため、パッキン部30と開口部21との間には通気経路35が形成される。従って、容器20内の水蒸気3は、その通気経路35を通って容器20外部に抜けることができる。すなわち、容器20内の水蒸気圧力が過剰になることが防止される。
【0044】
第1状態から第2状態への遷移時には、第1密着部31の弾性を利用して、パッキン部30を全体的に容器20の内方へ押し込む。これにより、第2密着部32が、容器20の開口部21に接触する。すなわち、パッキン部30を押し込むことにより、第2密着部32を開口部21の全周に密着させることができる。これにより、容器20の内部は、コーヒー抽出部10とパッキン部30によって密閉される。従って、容器20の加熱が停止すると、容器20の内部が真空状態となり、サイクロン方式が実現される。
【0045】
2−3.第3の例
図7は、パッキン部30の第3の例を示しており、全体図、平面図及び側面図を含んでいる。第1の例と同様に、パッキン部30は、第1密着部31、第2密着部32、軸部33及び貫通孔34を備えている。第1の例と重複する説明は適宜省略される。
【0046】
本例においても、第1密着部31は、軸部33の外周の一部分だけを囲むように形成され、容器20の開口部21の一部だけに密着する。但し、本例では、比較的小さい第1密着部31が、軸部33の外周上に複数形成されている。つまり、軸部33の外周上に、複数の第1密着部31が断続的に形成されている。図7の例では、2つの第1密着部31が貫通孔34を挟んで対向する位置に形成されている。第2密着部32は、第1の例と同様である。
【0047】
図8は、図7で示されたパッキン部30の状態遷移を概略的に示している。本例において、容器20の開口部21の内周上には、複数の引っ掛け部22が設けられている。複数の引っ掛け部22は、パッキン部30の複数の第1密着部31のそれぞれに対応する位置に設けられている。例えば、2つの第1密着部31が互いに対向するように形成されている場合、開口部21の内周上にも互いに対向する2つの引っ掛け部22が形成される。
【0048】
第1状態において、パッキン部30の下方部が容器20の開口部21にはめこまれている。このとき、複数の第1密着部31は、複数の引っ掛け部22のそれぞれの上にのせられている。つまり、第1密着部31が対応する引っ掛け部22によって引っ掛けられるように、パッキン部30が容器20の開口部21にはめ込まれる。コーヒー抽出部10は、パッキン部30によって容器20上で安定的に保持される。この第1状態において、第1密着部31は開口部21に接触する一方、第2密着部32は開口部21に接触しない。第1密着部31は開口部21の一部だけに密着するため、パッキン部30と開口部21との間には通気経路35が形成される。従って、容器20内の水蒸気3は、その通気経路35を通って容器20外部に抜けることができる。すなわち、容器20内の水蒸気圧力が過剰になることが防止される。
【0049】
第1状態から第2状態への遷移時には、第1密着部31が引っ掛け部22の上から外される。そのために、パッキン部30とコーヒー抽出部10を平面内において回転させる。複数の第1密着部31が複数の引っ掛け部22のそれぞれの上からはずれると、パッキン部30とコーヒー抽出部10が全体的に下方へ下がり、第2密着部32が容器20の開口部21に接触する。すなわち、パッキン部30を回転させることにより、第2密着部32を開口部21の全周に密着させることができる。これにより、容器20の内部は、コーヒー抽出部10とパッキン部30によって密閉される。従って、容器20の加熱が停止すると、容器20の内部が真空状態となり、サイクロン方式が実現される。
【0050】
2−4.第4の例
図9は、パッキン部30の第4の例を示しており、全体図、平面図及び側面図を含んでいる。第1の例と同様に、パッキン部30は、第1密着部31、第2密着部32、軸部33及び貫通孔34を備えている。第1の例と重複する説明は適宜省略される。
【0051】
本例においても、第1密着部31は、軸部33の外周の一部分だけを囲むように形成され、容器20の開口部21の一部だけに密着する。但し、比較的小さい第1密着部31が、軸部33の外周上に複数形成されている。つまり、軸部33の外周上に、複数の第1密着部31が断続的に形成されている。図9の例では、2つの第1密着部31が貫通孔34を挟んで対向する位置に形成されている。
【0052】
第2密着部32は、テーパー形状を有しており、上方から下方に向かうにつれてその直径(半径)は小さくなる。この場合も、第2密着部32は、軸部33の外周の全体を囲むように形成されており、容器20の開口部21の全周に密着することができる。尚、図9に示されるように、本例において、第2密着部32は第1密着部31よりも下方に形成されている。
【0053】
図10は、図9で示されたパッキン部30の状態遷移を概略的に示している。本例では、第2密着部32がより容器20側に位置し、第1密着部31がよりコーヒー抽出部10側に位置している。つまり、容器20の内部から見て、第1密着部31が第2密着部32よりも外方に位置している。また、本例において、容器20の開口部21の周縁部には、複数のくぼみ部23が形成されている。複数のくぼみ部23は、パッキン部30の複数の第1密着部31のそれぞれに対応する位置に設けられている。例えば、2つの第1密着部31が互いに対向するように形成されている場合、開口部21の周縁部上にも互いに対向する2つのくぼみ部23が形成される。
【0054】
第1状態において、複数の第1密着部31は、複数のくぼみ部23のそれぞれから外れるように、開口部21の周縁上にのせられる。つまり、パッキン部30の上部が容器20の開口部21からはみ出すように、第1密着部31が開口部21の周縁上にのせられる。このとき、コーヒー抽出部10はパッキン部30によって容器20上で安定的に保持される。且つ、第1密着部31は開口部21に接触する一方、第2密着部32は開口部21に接触しない。その結果、パッキン部30と開口部21との間には通気経路35が形成される。従って、容器20内の水蒸気3は、その通気経路35を通って容器20外部に抜けることができる。すなわち、容器20内の水蒸気圧力が過剰になることが防止される。
【0055】
第1状態から第2状態への遷移時には、複数の第1密着部31が複数のくぼみ部23のそれぞれに落とされる。そのために、パッキン部30とコーヒー抽出部10を平面内において回転させる。第1密着部31がそれぞれ対応するくぼみ部23に落ちると、パッキン部30とコーヒー抽出部10が全体的に下方へ下がり、第2密着部32が容器20の開口部21に接触する。すなわち、パッキン部30を回転させることにより、第2密着部32を開口部21の全周に密着させることができる。これにより、容器20の内部は、コーヒー抽出部10とパッキン部30によって密閉される。従って、容器20の加熱が停止すると、容器20の内部が真空状態となり、サイクロン方式が実現される。
【0056】
2−5.第5の例
図11は、パッキン部30の第5の例を示しており、全体図、平面図及び側面図を含んでいる。第1の例と同様に、パッキン部30は、第1密着部31、第2密着部32、軸部33及び貫通孔34を備えている。第1の例と重複する説明は適宜省略される。
【0057】
本例においても、第1密着部31は、軸部33の外周の一部分だけを囲むように形成され、容器20の開口部21の一部だけに密着する。但し、本例における第1密着部31は、弾性を有する爪部である。図11の例では、軸部33の外周のある一箇所から延びるように爪状の第1密着部31が形成されている。この弾性を有する第1密着部31(爪部)を容器20の開口部21との間に差し込んだり、その間から外したりすることによって、パッキン部30と開口部21との間に通気経路を形成したり、その通気経路を塞いだりすることができる。
【0058】
第2密着部32は、テーパー形状を有しており、上方から下方に向かうにつれてその直径(半径)は小さくなる。この場合も、第2密着部32は、軸部33の外周の全体を囲むように形成されており、容器20の開口部21の全周に密着することができる。尚、図11に示されるように、本例において、第2密着部32は第1密着部31よりも下方に形成されている。
【0059】
図12は、図11で示されたパッキン部30の状態遷移を概略的に示している。本例では、第2密着部32がより容器20側に位置し、第1密着部31がよりコーヒー抽出部10側に位置している。つまり、容器20の内部から見て、第1密着部31が第2密着部32よりも外方に位置している。
【0060】
第1状態において、第1密着部31(爪部)は、パッキン部30と容器20の開口部21との間に差し込まれる。これにより、第1密着部31が開口部21に接触し、パッキン部30と開口部21との間には通気経路35が形成される。従って、容器20内の水蒸気3は、その通気経路35を通って容器20外部に抜けることができる。すなわち、容器20内の水蒸気圧力が過剰になることが防止される。
【0061】
第1状態から第2状態への遷移時には、第1密着部31(爪部)が、容器20の開口部21との間から外される。これにより、第2密着部32が、容器20の開口部21の全周に接触する。すなわち、爪部を外すことにより、第2密着部32を開口部21の全周に密着させることができる。その結果、容器20の内部は、コーヒー抽出部10とパッキン部30によって密閉される。従って、容器20の加熱が停止すると、容器20の内部が真空状態となり、サイクロン方式が実現される。
【0062】
2−6.その他の例
本実施の形態に係るコーヒー抽出方法を実現するための手段として、例えば、パッキン部30に弁機構を形成することも考えられる。その弁機構は、容器20の内部から外部への気体の流れを許可するが、容器20の外部から内部へ気体が流れ込むことを防止する。従って、第1状態において、容器20内の水蒸気3は外部に逃げることができ、且つ、第2状態において容器20内に真空状態が生成される。但し、弁機構は複雑であるため、弁機構を備えるパッキン部30を作成するためには、既存のパッキンに大幅な変更を加える必要がある。より簡易な構造で本実施の形態に係るパッキン部30を実現するためには、上述の例で示されたものが好適である。
【0063】
3.ドリップ器具への応用
本実施の形態に係るパッキン部30(コーヒー抽出器用パッキン)は、ドリップ方式の器具に簡単に取り付けることができる。図13は、本実施の形態に係るパッキン部30が、ドリップ方式の器具に適用された場合を示している。この場合、コーヒーの抽出が行われるコーヒー抽出部10は、ドリップ方式で用いられるドリッパー60である。
【0064】
本実施の形態に係るパッキン部30は、ドリッパー60とは別に提供されてもよい。その場合、パッキン部30を既存のドリッパー60に装着することによって、本実施の形態に係るコーヒー抽出器具40を実現することができる。あるいは、パッキン部30とドリッパー60をまとめてコーヒー抽出器具40として提供してもよい。この場合、パッキン部30は、ドリッパー60から脱着可能に形成されてもよいし、ドリッパー60と一体成形されていてもよい。いずれの場合でも、コーヒー抽出器具40を用いることによって、本実施の形態に係るサイクロン方式を手軽に実現することが可能である。
【0065】
尚、通常のドリップ方式を行いたい場合には、パッキン部30を第1状態に設定しておくだけでよい。一方、サイクロン方式を行いたい場合には、上述の通り、パッキン部30を「蒸らし」の段階で第1状態に設定した後、「コーヒー抽出」の段階で第2状態に設定する。つまり、ユーザーの好みによって、コーヒー抽出方式を切り換えることも可能である。
【0066】
4.サイフォン器具への応用
本実施の形態に係るパッキン部30(コーヒー抽出器用パッキン)は、サイフォン方式の器具に簡単に取り付けることができる。図14は、本実施の形態に係るパッキン部30が、サイフォン方式の器具に適用された場合を示している。この場合、コーヒーの抽出が行われるコーヒー抽出部10は、サイフォン方式で用いられるロート70である。
【0067】
本実施の形態に係るパッキン部30は、ロート70とは別に提供されてもよい。その場合、パッキン部30を既存のロート70に装着することによって、本実施の形態に係るコーヒー抽出器具40を実現することができる。あるいは、パッキン部30とロート70をまとめてコーヒー抽出器具40として提供してもよい。この場合、パッキン部30は、ロート70から脱着可能に形成されてもよいし、ロート70と一体成形されていてもよい。いずれの場合でも、コーヒー抽出器具40を用いることによって、本実施の形態に係るサイクロン方式を手軽に実現することが可能である。
【0068】
尚、通常のサイフォン方式を行いたい場合には、パッキン部30を第2状態に設定しておくだけでよい。一方、サイクロン方式を行いたい場合には、上述の通り、パッキン部30を「蒸らし」の段階で第1状態に設定した後、「コーヒー抽出」の段階で第2状態に設定する。つまり、ユーザーの好みによって、コーヒー抽出方式を切り換えることも可能である。
【0069】
以上、本発明の実施の形態が添付の図面を参照することにより説明された。但し、本発明は、上述の実施の形態に限定されず、要旨を逸脱しない範囲で当業者により適宜変更され得る。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】図1は、サイクロン方式を説明するための図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態に係るコーヒー抽出装置及びコーヒー抽出方法を説明するための図である。
【図3】図3は、本実施の形態に係るパッキン部の第1の例を示す図である。
【図4】図4は、第1の例におけるパッキン部の状態遷移を示す図である。
【図5】図5は、本実施の形態に係るパッキン部の第2の例を示す図である。
【図6】図6は、第2の例におけるパッキン部の状態遷移を示す図である。
【図7】図7は、本実施の形態に係るパッキン部の第3の例を示す図である。
【図8】図8は、第3の例におけるパッキン部の状態遷移を示す図である。
【図9】図9は、本実施の形態に係るパッキン部の第4の例を示す図である。
【図10】図10は、第4の例におけるパッキン部の状態遷移を示す図である。
【図11】図11は、本実施の形態に係るパッキン部の第5の例を示す図である。
【図12】図12は、第5の例におけるパッキン部の状態遷移を示す図である。
【図13】図13は、ドリップ器具への応用を説明するための図である。
【図14】図14は、サイフォン器具への応用を説明するための図である。
【符号の説明】
【0071】
1 コーヒー抽出装置
2 水
3 水蒸気
4 コーヒー粉
5 湯
6 コーヒー
10 コーヒー抽出部
11 フィルタ
12 管
20 容器
21 開口部
22 引っ掛け部
23 くぼみ部
30 パッキン部
31 第1密着部
32 第2密着部
33 軸部
34 貫通孔
35 通気経路
40 コーヒー抽出器具
50 加熱機構
60 ドリッパー
70 ロート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーヒーが抽出されるコーヒー抽出部と抽出されたコーヒーが溜められる容器の開口部との間に介在するコーヒー抽出器用パッキンであって、
前記コーヒー抽出部から前記容器への経路となる貫通孔と、
前記開口部の一部だけに密着するように形成された第1密着部と、
前記開口部の全周に密着するように形成された第2密着部と
を備える
コーヒー抽出器用パッキン。
【請求項2】
請求項1に記載のコーヒー抽出器用パッキンであって、
前記第1密着部は、前記貫通孔を有する軸部の外周の一部分だけを囲むように形成された
コーヒー抽出器用パッキン。
【請求項3】
請求項2に記載のコーヒー抽出器用パッキンであって、
前記第1密着部は、前記軸部の外周にC字形状で形成されている
コーヒー抽出器用パッキン。
【請求項4】
請求項2に記載のコーヒー抽出器用パッキンであって、
前記第1密着部は、前記軸部の外周上に複数形成されている
コーヒー抽出器用パッキン。
【請求項5】
請求項1に記載のコーヒー抽出器用パッキンであって、
前記第1密着部は、弾性を有する爪部である
コーヒー抽出器用パッキン。
【請求項6】
コーヒーが抽出されるコーヒー抽出部と抽出されたコーヒーが溜められる容器の開口部との間に介在するコーヒー抽出器用パッキンであって、
前記コーヒー抽出部から前記容器への経路となる貫通孔を有する軸部と、
前記軸部の外周の一部分だけを囲むように形成された第1密着部と、
前記軸部の外周の全体を囲むように形成された第2密着部と
を備える
コーヒー抽出器用パッキン。
【請求項7】
コーヒーが抽出されるコーヒー抽出部と、
前記コーヒー抽出部に装着されるパッキン部と
を備え、
前記パッキン部は、
前記コーヒー抽出部で抽出されたコーヒーが溜められる容器と前記コーヒー抽出部との間の経路となる貫通孔と、
前記容器の開口部の一部だけに密着するように形成された第1密着部と、
前記容器の開口部の全周に密着するように形成された第2密着部と
を備える
コーヒー抽出器具。
【請求項8】
請求項7に記載のコーヒー抽出器具であって、
前記コーヒー抽出部は、ドリップ方式で用いられるドリッパーである
コーヒー抽出器具。
【請求項9】
請求項7に記載のコーヒー抽出器具であって、
前記コーヒー抽出部は、サイフォン方式で用いられるロートである
コーヒー抽出器具。
【請求項10】
請求項7乃至9のいずれか一項に記載されたコーヒー抽出器具を用いたコーヒー抽出方法であって、
(a)前記容器に水を注入するステップと、
(b)前記容器を加熱するステップと、
(c)前記パッキン部が装着された前記コーヒー抽出部を前記容器上に載置するステップと、
ここで、前記第1密着部は前記容器の開口部の一部だけに密着しており、前記パッキン部と前記容器の開口部との間には通気経路が形成され、
(d)前記コーヒー抽出部に入れられたコーヒー粉を蒸らすステップと、
(e)前記(a)〜(d)ステップの後に、前記第2密着部を前記容器の開口部の全周に密着させ、また、前記容器の加熱を停止するステップと、
(f)前記コーヒー抽出部において前記コーヒー粉からコーヒーを抽出するステップと
を含む
コーヒー抽出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−273744(P2009−273744A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−129159(P2008−129159)
【出願日】平成20年5月16日(2008.5.16)
【出願人】(304000375)
【Fターム(参考)】