説明

コーヒー飲料またはコーヒー豆表示ラベル

【課題】わかり易くかつ確実にコーヒー飲料の酸味度合を外部へ表示することができるコーヒー飲料表示ラベルを提供する。
【解決手段】コーヒー飲料表示ラベル10は、ラベル基材11と、ラベル基材11に設けられた帯状の表示体12とを備えている。表示体12の一側に表示体12に沿って酸味度合の数値25が表示され、この数値25近傍に数値25に対応する包装体に収納されたコーヒー飲料以外のコーヒー飲料の種類14が表示されている。表示体12の他側に、包装体に収納された当該コーヒー飲料の種類が、このコーヒー飲料の酸味度合の数値近傍に表示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーヒー飲料またはコーヒー豆の包装体に設けられ、包装体に収納されるコーヒー飲料またはコーヒー豆の酸味度合を表示するコーヒー飲料またはコーヒー豆表示ラベルに係り、とりわけ容易かつ確実に酸味度合を表示することができるコーヒー飲料またはコーヒー豆表示ラベルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来よりコーヒー飲料は、その種類に応じて各々の酸味度合が異なることが知られており、購入者は好みの酸味度合に応じてコーヒー飲料を購入している。
【0003】
このようなコーヒー飲料の酸味度合は、人間の感覚によって変化するものであるが、従来より客観的に酸味度合を定めることが望まれていた。
【0004】
このような問題を解決するため、コーヒー飲料の酸味度合を客観的に定めるものとして、特開平3−54446号公報に示す味覚センサ及びその製造方法が開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平3−54446号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、コーヒー飲料の酸味度合を客観的に定めるものとして、特開平3−54446号に示すものが開発されている。
【0007】
このような場合、コーヒー飲料の包装体に、客観的に定められたコーヒー飲料の酸味度合をわかり易く確実に表示することができれば、購入者にとって好みの酸味度合のコーヒー飲料を容易に購入することができて都合が良い。
【0008】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、コーヒー飲料またはコーヒー豆の包装体に設けることができ、わかり易く確実にコーヒー飲料またはコーヒー豆の酸味度合を表示することができるコーヒー飲料またはコーヒー豆表示ラベルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、コーヒー飲料またはコーヒー豆の包装体に設けられ、包装体に収納されるコーヒー飲料またはコーヒー豆の酸味度合を表示するコーヒー飲料またはコーヒー豆表示ラベルにおいて、ラベル基材と、ラベル基材に設けられた帯状の表示体とを備え、表示体の一側に表示体に沿って酸味度合の数値を表示するとともに、この数値近傍にこの数値に対応する包装体に収納されるコーヒー飲料またはコーヒー豆以外の他のコーヒー飲料またはコーヒー豆の種類を表示し、表示体の他側であって、包装体に収納される当該コーヒー飲料またはコーヒー豆に対応する数値近傍に、当該コーヒー飲料またはコーヒー豆の種類を表示することを特徴とするコーヒー飲料またはコーヒー豆表示ラベルである。
【0010】
本発明は、表示体の酸味度合の数値は、最も酸味度合の小さなコーヒー飲料またはコーヒー豆の数値を0とし、最も酸味度合の大きなコーヒー飲料またはコーヒー豆の数値を100として定められていることを特徴とするコーヒー飲料またはコーヒー豆表示ラベルである。
【0011】
本発明は、コーヒー飲料またはコーヒー豆の酸味度合は、基板と、基板上に設けられた脂質膜および電極とを有する味覚センサを用いて測定されることを特徴とするコーヒー飲料またはコーヒー豆表示ラベルである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、コーヒー飲料またはコーヒー豆の包装体に設けられたコーヒー飲料またはコーヒー豆表示ラベルによって、わかり易くかつ確実にコーヒー飲料またはコーヒー豆の酸味度合を外部へ表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は本発明によるコーヒー飲料またはコーヒー豆表示ラベルの一実施例を示す詳細図。
【図2】コーヒー飲料またはコーヒー豆表示ラベルをカン表面に貼付した状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1および図2は本発明によるコーヒー飲料またはコーヒー豆表示ラベルの一実施の形態を示す図である。
【0015】
以下、コーヒー飲料またはコーヒー豆表示ラベルの一例として、コーヒー飲料を収納する包装体に貼付されるコーヒー飲料表示ラベル10について説明するが、このコーヒー飲料またはコーヒー豆表示ラベルは、コーヒー豆を収納する包装体に貼付されるコーヒー豆表示ラベルであってもよい。
【0016】
図2に示すように、コーヒー飲料はカン1等の包装体1内に収納され、カン1の表面には包装体1内のコーヒー飲料の商品名2が表示されている。
【0017】
このようなコーヒー飲料のカン1の表面に、当該コーヒー飲料の酸味度合を示すコーヒー飲料表示ラベル10が貼付されている。
【0018】
このようなコーヒー飲料表示ラベル10は、図1に示すようにラベル基材11と、ラベル基材11に印字された帯状の表示体12とを備えている。
【0019】
またラベル基材11上には、表示体12の上側に(一側に)、表示体12に沿ってコーヒー飲料の酸味度合を示す数値13、例えば「0」「25」「71」「100」が表示され、この数値13の近傍に、この数値に対応するとともに、カン1内に収納されるコーヒー飲料以外の他のコーヒー飲料の種類14が表示されている。
【0020】
本実施の形態において、カン1内に収納されるコーヒー飲料(当該コーヒー飲料)の種類は、「東ティモール」となっており、カン1内に収納されるコーヒー飲料以外の他のコーヒー飲料の種類としては、「ロブスタ」、「ブラジル」、「モカ」、「キリマンジャロ」が挙げられる。
【0021】
そして表示体12の上側には、上記当該コーヒー飲料以外の他のコーヒー飲料の種類14、すなわち「ロブスタ」「ブラジル」「モカ」「キリマンジャロ」が表示され、これらのコーヒー飲料の種類14は、各々、対応するコーヒー飲料の酸味度合の数値13近傍に設けられている。本実施の形態において、「ロブスタ」の酸味度合は0であり、「ブラジル」の酸味度合は25であり、「モカ」の酸味度合は71であり、「キリマンジャロ」の酸味度合は100となっている。
【0022】
また表示体12の下側には(他側には)、カン1内に収納される当該コーヒー飲料の種類「東ティモール」が表示されている。
【0023】
すなわち、「東ティモール」の酸味度合は73であり、この「東ティモール」は表示体12の下側であって、「東ティモール」の酸味度合の数値近傍に表示されている。
【0024】
次にコーヒー飲料の酸味度合およびその数値について説明する。
【0025】
コーヒー飲料の酸味度合は、コーヒー飲料の購入者が主観的に定めるのではなく、味覚センサを用いて客観的に定めることができる。
【0026】
このような味覚センサについては、例えば特開平3−54446号公報に示すものが知られている。このような味覚センサはアクリル製基材と、アクリル製基材上に設けられた脂質膜及び電極とを有している。そして、検査すべきコーヒー飲料中に、表面に緩衝層が設けられた参照電極を挿入し、またこのコーヒー飲料中に上述した味覚センサを挿入する。そして、参照電極と味覚センサとの間に生じる電位を測定することによって、コーヒー飲料の酸味度合を客観的に検出することができる。
【0027】
また、表示体12の酸味度合の数値については、上述した味覚センサを用いて各コーヒー飲料についてその酸味度合を検出するとともに、検出した酸味度合のうち、最も酸味度合の小さなコーヒー飲料「ロブスタ」の数値を0とし、最も酸味度合の大きなコーヒー飲料「キリマンジャロ」の数値を100とする。
【0028】
そして、「キリマンジャロ」の酸味度合と「ロブスタ」の酸味度合の差分を100等分して表示体12について0→100の範囲の数値を定め、「ブラジル」および「モカ」の検出された酸味度合をこの0→100の範囲に当て嵌めて、「ブラジル」の数値を25とし、「モカ」の数値を71とする。
【0029】
例えば、味覚センサで求められた「キリマンジャロ」の酸味度合が120、味覚センサで求められた「ロブスタ」の酸味度合が100の場合、「キリマンジャロ」の数値を100、「ロブスタ」の数値を0とする。そして味覚センサで求められた「ブラジル」の酸味度合が105であれば、
ブラジルの数値=(105−100)/(120−100)×100
=25となる。
【0030】
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
【0031】
カン2内にコーヒー飲料「東ティモール」が収納され、カン2表面にコーヒー飲料表示ラベル10が貼付されている。購入者はコーヒー飲料表示ラベル10に示された「東ティモール」の酸味度合を表す数値「73」から、コーヒー飲料「東ティモール」の酸味度合を明瞭に認識することができる。このとき、購入者は、最も酸味度合が大きなコーヒー飲料「キリマンジャロ」と、最も酸味度合が小さなコーヒー飲料「ロブスタ」との比較において、「東ティモール」の酸味度合を視覚的に認識することができる。
【0032】
また各コーヒー飲料の酸味度合は、味覚センサを用いて測定された客観的な値であるので、購入者はコーヒー飲料「東ティモール」の酸味度合を客観的な値として認識することができる。
【0033】
以上説明したように、本実施の形態によれば、客観的に定められたコーヒー飲料の酸味度合をわかり易く、かつ確実に表示することができる。
【0034】
なお、上述のように本発明によるコーヒー飲料またはコーヒー豆表示ラベルの一例として、コーヒー飲料表示ラベル10について説明したが、コーヒー飲料またはコーヒー豆表示ラベルはコーヒー豆を収納するコーヒー豆表示であってもよい。
【符号の説明】
【0035】
1 カン
10 コーヒー飲料表示ラベル
11 ラベル基材
12 表示体
13 酸味度合の数値
14 コーヒー飲料の種類

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーヒー飲料またはコーヒー豆の包装体に設けられ、包装体に収納されるコーヒー飲料またはコーヒー豆の酸味度合を表示するコーヒー飲料またはコーヒー豆表示ラベルにおいて、
ラベル基材と、
ラベル基材に設けられた帯状の表示体とを備え、
表示体の一側に表示体に沿って酸味度合の数値を表示するとともに、この数値近傍にこの数値に対応する包装体に収納されるコーヒー飲料またはコーヒー豆以外の他のコーヒー飲料またはコーヒー豆の種類を表示し、
表示体の他側であって、包装体に収納される当該コーヒー飲料またはコーヒー豆に対応する数値近傍に、当該コーヒー飲料またはコーヒー豆の種類を表示することを特徴とするコーヒー飲料またはコーヒー豆表示ラベル。
【請求項2】
表示体の酸味度合の数値は、最も酸味度合の小さなコーヒー飲料またはコーヒー豆の数値を0とし、最も酸味度合の大きなコーヒー飲料またはコーヒー豆の数値を100として定められていることを特徴とする請求項1記載のコーヒー飲料またはコーヒー豆表示ラベル。
【請求項3】
コーヒー飲料またはコーヒー豆の酸味度合は、基板と、基板上に設けられた脂質膜および電極とを有する味覚センサを用いて測定されることを特徴とする請求項1記載のコーヒー飲料またはコーヒー豆表示ラベル。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−210792(P2010−210792A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−55157(P2009−55157)
【出願日】平成21年3月9日(2009.3.9)
【出願人】(591186176)株式会社ゼンショー (16)
【Fターム(参考)】