コールセンター用システム
【課題】コールセンター業務などで調査の待ち時間が示されていないことに伴うお客様の不安を払拭し、信頼を厚くするために、お客様との間で次回コンタクト約束日時を設定し、約束日時に基づいて調査状況を伝える。この日時は、従来、コールセンターのオペレーターがお客様から聞き出した問診内容とこれまでのオペレーターとしての経験から設定していたが、経験の不足やお客様の感情を汲取れない場合に、お客様の不安をあおる要因となる。
【解決手段】お客様から聞き出した問診結果、同一のお客様での過去の問い合わせ対応実績、お客様の音声や発言内容をモニタリングすることにより、問診内容に限らずお客様の感情に基づいた次回コンタクト約束日時の算定が可能となる。この結果、オペレーターの経験に寄らない品質の高い約束日時を申告できる。このことにより、お客様からコールセンターに対する安心と信頼を得る。
【解決手段】お客様から聞き出した問診結果、同一のお客様での過去の問い合わせ対応実績、お客様の音声や発言内容をモニタリングすることにより、問診内容に限らずお客様の感情に基づいた次回コンタクト約束日時の算定が可能となる。この結果、オペレーターの経験に寄らない品質の高い約束日時を申告できる。このことにより、お客様からコールセンターに対する安心と信頼を得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コールセンターのオペレーターを支援する情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
人間の発声から感情を把握する方法については、特許文献1について述べられている。また、コールセンターに関する業務においては、以下の2つの特許文献がある。
【0003】
オペレーターとお客様の会話にてオペレーターの音声を分析することにより、オペレーターの困惑度を推し量り、コールセンターの管理者が困惑しているオペレーターを支援することにより、お客様対応を改善させる方法については、特許文献2にて述べられている。
【0004】
お客様が電話をかけた際の保留回数や電話転送回数などの周辺状況からお客様の感情を推し量り、オペレーターの会話に活用する方法は、特許文献3にて述べられている。
【0005】
【特許文献1】特表2003−508805号公報
【特許文献2】特開2007−4000号公報
【特許文献3】特開2002−51153号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
背景技術(1)に示すコールセンターに関して公表されている従来技術では、オペレーターに対する感情分析のみを実施しており、お客様に対する音声分析が行なわれていない。また、背景技術(1)ではオペレーターの感情分析のみを実施していること、背景技術(2)では、電話の転送回数などからお客様の感情を類推するのみであり、お客様への対応として直接的な効果を示すことに至っていないができていない。特許文献1に示す従来技術では、人間の発声から感情を把握する背景技術を述べており、コールセンターでの活用も述べている。しかし、その活用方法は、感情という補助情報をオペレーターやその管理者に提供するに過ぎず、お客様への対応が人間の判断に委ねられている点を踏まえると、コールセンター業務に即した効果を示すことができていない。
【0007】
コールセンターにおいて、お客様の満足度を向上させることは、取引の継続や安心してコールセンターをご利用頂くために重要なことである。お客様の満足度を向上させるため、コールセンターではお客様と事前に約束を取り、約束した時間までに解決していなくとも約束日時に途中状況を連絡するといったことを実施している。
【0008】
この約束をする際、従来コールセンターのオペレーターはお客様のシステムの状況を問診するのみであり、お客様の感情を推し量った対応は、受付者の経験に頼っていた。このため、感情的になっているお客様に対して約束日時までの期間を長く回答すると、お客様の緊急度を把握できず、お客様満足度の改善を妨害する要因となっていた。
【0009】
本発明の目的は、コールセンターのオペレーターを支援する情報処理システムにて、約束の申告日時を言語的要素のみならず、音声分析による感情的要素も踏まえ総合的に導き出すものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
問診内容、オペレーターの感じた印象と共に、問診時に自動的に取得するお客様の音声の変動量、発言・言動を観測することにより感情を1つのパラメーターとして約束日時の適正値をコールセンターのオペレーター画面に表示することを実現する。
【0011】
オペレーターはお客様が期待する時間を提案することにより、お客様の安心、信頼感を得る。このことによりお客様満足度を改善する。
【発明の効果】
【0012】
本発明を利用することにより、オペレーターは経験に基づく判断ではなく、様々な判断要素から導かれる最適な次回コンタクト約束日時をお客様に申告することができる。本発明により、お客様はこれまで以上にオペレーターから申告された次回コンタクト約束日時に納得して頂けるようになる。このことにより、コールセンターへの信頼が厚くなり、お客様満足度が向上することになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は、本発明の全体構成を示した説明図である。
【0014】
コールセンター100は、CTI(COMPUTER TELEPHONY INTEGRATION:問い合わせ者の管理、過去の対応履歴の管理、電話の受話や相談内容をコールセンターのオペレーターが登録・管理するために利用する、コールセンター用システム)サーバ101、約束日時算出システム102、CTIクライアント103、オペレーター104から構成されており、CTIサーバ101と次回コンタクト約束日時算出システム102とCTIクライアント103はネットワークで接続されており、オペレーター104はCTIクライアント103から接続されたヘッドセット105を装着する。
【0015】
コールセンター100は電話回線網110とネットワークで接続されている。
【0016】
固定電話121は、電話局122とネットワークで接続されている。
【0017】
電話局122と携帯電話局130は電話回線網とネットワークで接続されている。
【0018】
コールセンター100のサービスを利用するお客様120は、固定電話121や携帯電話131を利用しコールセンター100に電話をかける。
【0019】
コールセンター100では、CTIサーバ101が電話着信を検知し、CTIクライアント103の画面に電話着信を表示する。
【0020】
オペレーター104がCTIクライアント103を操作し、オペレーター104は装着しているヘッドセット105を利用し、お客様と問い合わせの内容、背景、経緯を問診する。
【0021】
オペレーター104は、問診内容をCTIクライアント103に登録する。
【0022】
次回コンタクト約束日時算出システム102は、CTIサーバ101に登録されている、お客様120の過去の対応履歴、お客様120の音声、CTIクライアント103から入力された問診内容から、次回コンタクト約束日時の最適値を算出する。
【0023】
次回コンタクト約束日時の算出結果は、次回コンタクト約束日時算出システム102からCTIサーバ101に送信する。
【0024】
CTIサーバ101は、約束時間の算出結果をCTIクライアント103に送信する。
【0025】
オペレーター104は、CTIクライアント103を参照し、お客様120に次回コンタクト約束日時を申告し、合意を得る。最初に申告した次回コンタクト約束日時で合意が得られない場合は、お客様120とオペレーター104が相談して次回コンタクト約束日時を決定する。
【0026】
オペレーター104は、お客様120と相談して決定した次回コンタクト約束日時をCTIクライアント103に登録する。
【0027】
コールセンター100はお客様120の問い合わせの解決に向けた調査、解析を行い、最終解決に至らない状況であっても、お客様120と決定した次回コンタクト約束日時に調査状況、対応方針などを報告する。
【0028】
図2は、本発明の実施形態を示したフローである。
【0029】
お客様120は、問い合わせのため電話をかける(ステップ210)。
【0030】
コールセンター100ではCTIサーバ101が電話受信を検知し電話受信通知をCTIクライアント103に通知する(ステップ220)。
【0031】
CTIクライアント103を見たオペレーター104がCTIクライアント103を操作し、電話を受け付ける(ステップ240)。
【0032】
次回コンタクト約束日時算出システム102は、CTIサーバ101から、同一のお客様120に対する過去の問い合わせ状況を取得する(ステップ230)。
【0033】
CTIサーバ101がお客様120とオペレーター104の電話を中継する(ステップ211、ステップ221、ステップ241)。オペレーター104は、お客様120から問い合わせの背景、問題の内容などを聞き出す。
【0034】
また、お客様120とオペレーター104の会話にて、音声を中継しているCTIサーバ101からお客様120の音声をモニタリングする(ステップ231)。
【0035】
オペレーター104はお客様120から聞き出した問題の状況、背景、課題状況などをCTIクライアント103からCTIサーバ101に登録する(ステップ242)。
【0036】
次回コンタクト約束日時算出システム102は、CTIサーバ101から、約束日時の算出に利用する問い合わせ状況を取得する(ステップ232)。
【0037】
次回コンタクト約束日時算出システム102は、次回コンタクト約束日時の最適値を算出し、CTIサーバ101に送信する(ステップ233)。
【0038】
次回コンタクト約束日時を受け取ったCTIサーバ101は、CTIクライアント103に次回コンタクト約束日時を送信する(ステップ222)。
【0039】
オペレーター104は、CTIクライアント103に表示された約束日時を参照し、お客様120に申告する(ステップ243)。
【0040】
お客様120が申告された約束日時を合意できれば合意の旨回答、合意できなければオペレーター104と調整し、約束日時を決定する(ステップ212、ステップ244)。
【0041】
オペレーター104は、お客様120から合意された約束日時をCTIクライアント103からCTIサーバ101に登録する(ステップ245)。
【0042】
図3は、約束日時を算出する際の概念を示した図である。
【0043】
次回コンタクト約束日時の算出は、3つのパラメーターから算出する。
【0044】
1つめは、お客様120とオペレーター104がお問合せ内容や状況を直接会話する際に、お客様の音声をモニタリングすることにより、お客様の電話から自動的に取得するパラメーター300である。
【0045】
2つめは、オペレーター104がお客様120から問い合わせの状況、背景、課題、対応状況などを聞き出すことにより問い合わせに対する問診が実施され、この問診結果から取得するパラメーター301である。
【0046】
3つめは、CTIサーバ101から自動的に過去の約束日時遵守率、同一案件の対応状況などを自動的に取得するパラメーター302である。
【0047】
次回コンタクト約束日時算出システム102は、これらの3つのパラメーターから最適な約束日時303を算出する。
【0048】
図4は、約束日時を算出するためのパラメーター410と、パラメーターを構成する詳細要素420を示した図(400)である。
【0049】
お客様の電話から自動的に取得するパラメーター300は、お客様の音声421とお客様の発言内容422を詳細要素とする。
【0050】
オペレーターがお客様から問診した結果から取得するパラメーター301は、問題の影響範囲423、オペレーターが認識しているお客様の感情424、問題の解決状況425、問題の対応内容426が要素となっている。
【0051】
CTIサーバから自動的に取得するパラメーター302は、同一問い合わせの過去対応回数427、同一問い合わせにおける過去の対応状況428、過去の問い合わせにおける約束時間の遵守状況429が要素となっている。
【0052】
図5は、お客様の音声421に対する判断基準500を示しており、音声の分析項目510と通話中の変化量520に対するの分析項目を示している。お客様の声質が高くなったか、低くなったか。お客様の発言のテンポが早くなったか、遅くなったか。お客様の声の大きさが大きくなったか、小さくなったか。お客様の声の抑揚があるか、ないかをモニタリングする。
【0053】
図6は、お客様の発言・言動422に対する判断基準600を示しており、特定の発言・言動610に対する有無620、とその頻度630が分析項目となっている。至急や大至急、急いでという発言・言動があったか、あった場合の頻度はどの程度かをモニタリングする。
【0054】
図7は、問題の影響範囲423に対する判断基準700を示しており、オペレーター104がお客様120から問い合わせの状況を問診する中で、問い合わせの内容がどのような影響を与えるか、若しくは与える危険性があるかをオペレーターはお客様から聞き出し問診時のヒアリング結果710に示した項目の中から1つ選択する。
【0055】
図8は、オペレーター104がお客様120と会話した際に、オペレーターが認識したお客様の感情424に対する判断基準800を示しており、問診時のオペレーターの認識810に示した項目から1つ選択する。
【0056】
図9は、問題の解決状況425に対する判断基準900を示しており、問い合わせの背景にある問題が解決しているのか、難航しているのかをオペレーター104はお客様120から問診し、解決状況910に示した項目から1つ選択する。
【0057】
図10は、問題の対応内容426に対する判断基準1000を示しており、問診時の状況や問題の解決状況1010をオペレーター104が登録する。問題の対応状況としては、データ入手待ち、解析中、などがある。
【0058】
図11は、同一問い合わせの過去対応回数427に対する判断基準1100を示しており、問い合わせ対応回数の回数に応じて対応回数1110が自動的に選択される。
【0059】
図12は、同一問い合わせにおける過去の対応状況428に対する判断基準1200を示しており、問題の解決状況1210に応じて、解決に向かっているのか、難航しているのかが自動的に選択される。
【0060】
図13は、過去の問い合わせにおける約束時間の遵守状況429に対する判断基準1300を示しており、過去の問い合わせ対応にて次回コンタクト約束日時を守れた割合1310により、自動的に選択される。
【0061】
図14(A)は、次回コンタクト約束日時算出システム102内部の処理詳細フロー(その1)である。
【0062】
図14(B)は、同じく次回コンタクト約束日時算出システム102内部の処理詳細フロー(その2)である。
【0063】
オペレーター104がCTIクライアント103から受け付け受信を送信すると(ステップ1410)、次回コンタクト約束日時算出システム102は過去対応状況取得1420の処理を開始する。
【0064】
次回コンタクト約束日時算出システム102は、CTIサーバ101から、同一問い合わせの過去対応回数データ、同一問い合わせにおける過去対応状況のデータ、過去問い合わせデータを取得する(ステップ1421、ステップ1422、ステップ1423)。取得したデータはそれぞれの判断基準に基づいて数値化する(ステップ1424)。
【0065】
オペレーター104がお客様120と会話を開始すると(ステップ1430)、次回コンタクト約束日時算出システム102はお客様音声モニタリング1440の処理を開始する。
【0066】
次回コンタクト約束日時算出システム102はCTIサーバ101からお客様の声をモニタリングし、お客様の音声を分析し、発言・言動を分析する(ステップ1441、ステップ1442)。分析結果は、それぞれの判断基準に基づいて数値化する(ステップ1443)。
【0067】
オペレーター104がお客様120と会話し、問題の内容や状況など問い合わせ状況をCTIクライアントから登録すると(ステップ1450)、問い合わせ状況取得1460の処理を開始する。
【0068】
次回コンタクト約束日時算出システム102は、オペレーター104がCTIクライアント103から登録した問い合わせ状況に基づき、問題の影響範囲、オペレーター104が認識したお客様120の感情、問題の解決状況、問題の対応内容を取得する(ステップ1461、ステップ1462、ステップ1463、ステップ1464)。取得した各データはそれぞれの判断基準に基づいて数値化する(ステップ1465)。
【0069】
続いて次回コンタクト約束日時算出システム102は、次回コンタクト約束日時算出1470の処理を開始する。過去対応状況取得1420の処理で得られた数値1424、お客様音声モニタリング1440の処理で得られた数値1443、問い合わせ状況取得1460の処理で得られた数値1465を用いて、お客様固有状況に基づく各数値の重み付け1471、過去の対応実績の評価に基づく重み付け1472を実施する。重み付けられた数値に基づき次回コンタクト約束日時を算出1473する。
【0070】
次回コンタクト約束日時算出システム102では、3つのパラメーター数値を元に次回コンタクト約束日時を算出するが、全てのパラメーターを横並びで扱うと、本来は次回コンタクト約束日時を最短にすべき問い合わせであっても、誤った判断をすることがある。このような誤った判断を防ぐために、3つのパラメーター数値に対して案件毎の固有重み付けを実施する。
【0071】
図15は、お客様固有の重み付け1471における処理の詳細を示す。
【0072】
お客様の音声から自動的に取得するパラメーター数値1510は、予め設定された電話パラメーター閾値1514と比較し、閾値を超えているか、超えている場合の数値はいくらかという差分を求める(1512)。
【0073】
オペレーターがお客様から問診した結果から取得するパラメーター数値1520は、予め設定された問診パラメーター閾値1524と比較し、閾値を超えているか、超えている場合の数値はいくらかという差分を求める(1522)。
【0074】
CTIサーバから自動的に取得するパラメーター数値1530は、予め設定されたCTIパラメーター閾値1534と比較し、閾値を超えているか、超えている場合の数値はいくらかという差分を求める(1532)。
【0075】
各パラメーターにおける閾値越えの結果と閾値との差分を元に、お客様固有重み付け判定1540を行い、各パラメーター数値に対して重み付けを行なう。重み付けられたパラメーター数値は、お客様の音声から自動的に取得するパラメーター数値≪固有重み付け後≫1516、オペレーターがお客様から問診した結果から取得するパラメーター数値≪固有重み付け後≫1526、CTIサーバから自動的に取得するパラメーター数値≪固有重み付け後≫1536を得る。
【0076】
図16は、過去の対応実績の評価に基づく重み付け1472における処理の詳細を示す。
【0077】
固有の重み付けにより得られた、お客様の音声から自動的に取得するパラメーター数値≪固有重み付け後≫1610、オペレーターがお客様から問診した結果から取得するパラメーター数値≪固有重み付け後≫1620、CTIサーバから自動的に取得するパラメーター数値≪固有重み付け後≫1630のそれぞれに対して、過去の対応実績の評価に基づく重み付け数値1540を掛け合わせ、お客様の音声から自動的に取得するパラメーター数値≪重み付け後≫1612、オペレーターがお客様から問診した結果から取得するパラメーター数値≪重み付け後≫1622、CTIサーバから自動的に取得するパラメーター数値≪重み付け後≫1632を得る。
【0078】
図17は、次回コンタクト約束日時を算出する際の詳細処理項目を示す。
【0079】
お客様の音声から自動的に取得するパラメーター数値≪重み付け後≫1710と、オペレーターがお客様から問診した結果から取得するパラメーター数値≪重み付け後≫1720と、CTIサーバから自動的に取得するパラメーター数値≪重み付け後≫1730と、固有重み付けの処理1471で得られた閾値越えパラメーター数1740の各数値を次回コンタクト約束日時算出テーブル1760とマッチング1750し、次回コンタクト約束日時1770を得る。
【0080】
次回コンタクト約束日時算出システム102では、一定期間(週間・月間・年間)毎に次回コンタクト約束日時算出システム102にて算出した次回コンタクト約束日時とお客様と合意できた次回コンタクト約束日時を比較、分析し、次回コンタクト約束日時を算出する要素を見直すことで、次回コンタクト約束日時の算出精度を向上させる。
【0081】
図18は、過去対応実績の評価に対する重み付け・閾値の見直し処理を示す。
【0082】
過去に次回コンタクト約束日時算出システム102にて算出した次回コンタクト約束日時1810と実際にお客様120と合意できた次回コンタクト約束日時1820を比較し、差分分析1830にてパラメーター毎の影響度や重み付け数値を見直す。見直し結果は、過去対応実績の評価に基づく重み付け数値の見直し1835や、閾値見直し1840として、電話パラメーター閾値の改訂1850、問診パラメーター閾値の改訂1860、CTIパラメーター閾値の改訂1870を実施する。
【0083】
図19は、オペレーター104が操作するCTIクライアント103の画面表示例1900を示す。
【0084】
CTIクライアント画面1900は、お客様情報1910、問診結果1920、オペレーターの印象1930で構成されている。
【0085】
お客様情報1910では、お客様名や利用されているサービス商品などを表示する。
【0086】
オペレーター104は、お客様120との電話での問診により得られた問題の内容を問診結果1920の問題内容欄1921に入力し、解決してほしい要望を要望欄1922に入力し、問題が及ぼす影響範囲を影響範囲1923のプルダウンメニューから選択する。
【0087】
オペレーター104は、お客様120との会話で感じた印象をオペレーターの印象1930に入力する。お客様の感情に対する印象をお客様の感情1931のプルダウンメニューから選択し、解決の状況を解決状況1932のプルダウンメニューから選択し、対応の内容を対応内容1933のプルダウンメニューから選択する。
【0088】
オペレーター104は、問診結果1920とオペレーターの印象1930への入力が終わると、入力データの登録と次回コンタクト約束日時を算出するために登録/次回コンタクト約束日時算出のボタン1940をクリックする。
【0089】
オペレーター104がCTIクライアント103を操作することにより、次回コンタクト約束日時算出結果1950として、年月日と時間を表示する。
【0090】
オペレーター104は、次回コンタクト約束日時算出結果1950を参照し、お客様120と次回コンタクト日時の交渉をする。お客様との交渉を経て、合意された次回コンタクト約束日時をお客様との合意日時欄1960に入力する。オペレーター104は、合意約束日時登録ボタン1970をクリックすることで、合意された次回コンタクト約束日時をCTIサーバ101に登録する。
【0091】
図20は、音声パラメーターの数値化例2000を示す。音声の分析項目2002として、お客様の声質や発言のテンポ、声の大きさや、抑揚から、通話中の変化量2004を判断基準としてパラメーター数値2006を導き出す。
【0092】
図21は、発言・言動パラメーターの数値化例2100を示す。至急や大至急など特定のキーワードを発言・言動の分析の項目2102としており、発声有無2104と発生時の発生頻度2106に応じてパラメーター数値2108を導き出す。
【0093】
図22は、問題の影響範囲に対するパラメーターの数値化例2200を示す。問診時のヒアリングにより得られている問題の影響範囲2202に応じて、パラメーター数値2204を導き出す。
【0094】
図23は、オペレーターが認識しているお客様の感情に対する数値化例2300を示す。問診の会話でオペレーター104が認識したお客様120の感情2302に応じて、パラメーター数値2304を導き出す。
【0095】
図24は、問題の解決状況に対するパラメーター数値化例2400を示す。オペレーター104が認識した問題の解決状況2402に応じて、パラメーター数値2404を導き出す。
【0096】
図25は、問題の対応内容に対するパラメーター数値化例2500を示す。オペレーター104が認識している問題の対応内容2502に応じて、パラメーター数値2504を導き出す。
【0097】
図26は、同一問い合わせの過去対応回数に対するパラメーター数値化例2600を示す。CTIサーバ101に登録されている同一の問い合わせ対応回数2602に応じて、パラメーター数値2604を導き出す。
【0098】
図27は、同一問い合わせにおける過去の対応状況に対するパラメーター数値化例2700を示す。CTIサーバ101に登録されている同一問い合わせ案件の過去の対応状況2702に応じて、パラメーター数値2704を導き出す。
【0099】
図28は、過去の問い合わせにおける同一お客様に対する約束時間の遵守状況に対するパラメーター数値化例2800を示す。CTIサーバ101に登録されている過去の次回コンタクト約束日時の遵守率2802に応じて、パラメーター数値2804を導き出す。
【0100】
図29は、次回コンタクト約束日時を算出するための各パラメーターにて固有重み付けに関わる閾値を管理するテーブルの例2900である。電話パラメーター閾値、問診パラメーター閾値、CTIパラメーター閾値などパラメーター閾値項目2902に応じて、閾値2904を管理する。
【0101】
図30は、お客様の電話から自動的に取得するパラメーター数値へのお客様固有重み付け設定テーブル例3000を示す。お客様の電話から自動的に取得するパラメーター数値1510と電話パラメーター閾値1514の比較により得られる閾値からの差分3002に応じて、重み付けの数値3004を導き出す。
【0102】
図31は、問診結果から取得するパラメーター数値へのお客様固有重み付け設定テーブル例3100を示す。オペレーターがお客様から問診した結果から取得するパラメーター数値1520と問診パラメーター閾値1524の比較により得られる閾値からの差分3102に応じて、重み付けの数値3104を導き出す。
【0103】
図32は、CTIサーバから自動的に取得するパラメーター数値へのお客様固有重み付け設定テーブル例3200を示す。CTIサーバから自動的に取得するパラメーター数値1530とCTIパラメーター閾値1534の比較により得られる閾値からの差分3202に応じて、重み付けの数値3204を導き出す。
【0104】
図33は、過去対応実績の評価に基づく重み付け設定テーブル例3300を示す。お客様の電話から自動的に取得するパラメーター数値への重み付け3302、問診結果から取得するパラメーター数値への重み付け3304、CTIサーバから自動的に取得するパラメーター数値への重み付け3306の各係数を管理する。
【0105】
図34は、次回コンタクト約束日時を算出するためのテーブル例3400を示す。閾値を超えたパラメーター数3401、お客様の電話から自動的に取得するパラメーター数値≪重み付け後≫3402、オペレーターがお客様から問診した結果から取得するパラメーター数値≪重み付け後≫3403、CTIサーバから自動的に取得するパラメーター数値≪重み付け後≫3404、から次回コンタクト約束日時3405を導き出す。
【0106】
図35は、パラメーター数値の算出例を示す。
【0107】
お客様の電話から自動的に取得するパラメーターにおいて、お客様の音声のモニタリング結果で、声質が高く変化し、テンポは変化なく、声は大きく変化し、抑揚は早く変化し、発言・言動では大至急を何度も繰り返していた例3510に対して数値化する。各評価項目を、音声パラメーターの数値化例2000、発言・言動パラメーターの数値化例2100と突き合わせることにより、お客様の電話から自動的に取得するパラメーターの数値を+5と算出3520する。
【0108】
問診結果から取得するパラメーターにおいて、問題の影響範囲は業務へ与える影響が大きく、お客様の感情は興奮状態にあり、解決状況は不明であり、対応内容は実機検証という状況の例3530に対して数値化する。各評価項目を、問題の影響範囲に対するパラメーターの数値化例2200、オペレーターが認識しているお客様の感情に対する数値化例2300、問題の解決状況に対するパラメーター数値化例2400、問題の対応内容に対するパラメーター数値化例2500と突き合わせることにより、問診結果から取得するパラメーターの数値を+14と算出3540する。
【0109】
CTIサーバから自動的に取得するパラメーターにおいて、同一案件の過去の対応回数は6回、過去の対応状況は停滞しており、同一お客様に対する次回コンタクト約束日時の遵守率が60%という例3550に対して数値化する。各評価項目を、同一問い合わせの過去対応回数に対するパラメーター数値化例2600、同一問い合わせにおける過去の対応状況に対するパラメーター数値化例2700、過去の問い合わせにおける合一お客様に対する約束時間の遵守状況に対するパラメーター数値化例2800と突き合わせることにより、CTIサーバから自動的に取得するパラメーターの数値を+4と算出3560する。
【0110】
図36(A)は、パラメーター数値の重み付け例(その1)を示す。
【0111】
図36(B)は、同じくパラメーター数値の重み付け例(その2)を示す。
【0112】
お客様の電話から自動的に取得するパラメーター数値の算出結果が+5で合った場合3610、電話パラメーター閾値が+3であることから、閾値越えは該当、差分は2となる(3612)。この結果をお客様の電話から自動的に取得するパラメーター数値へのお客様固有重み付け設定テーブル例3000と突き合わせると、お客様固有重み付け値は×1.3となる(3614)。また、過去対応実績の評価に基づく重み付けは図33の3302項から×1.5となる(3616)。これらの重み付けをお客様の電話から自動的に取得するパラメーター数値3610と掛け合わせることにより、お客様の電話から自動的に取得するパラメーター数値≪重み付け後≫として+9.8を得る(3618)。
【0113】
オペレーターがお客様から問診した結果から取得するパラメーター数値の算出結果が+14で合った場合3620、問診パラメーター閾値が+10であることから、閾値越えは該当、差分は4となる(3622)。この結果を問診結果から取得するパラメーター数値へのお客様固有重み付け設定テーブル例3100と突き合わせると、お客様固有重み付け値は×1.2となる(3624)。また、過去対応実績の評価に基づく重み付けは図33の3304項から×0.8となる(3626)。これらの重み付けをオペレーターがお客様から問診した結果から取得するパラメーター数値3620と掛け合わせることにより、オペレーターがお客様から問診した結果から取得するパラメーター数値≪重み付け後≫として+13.4を得る(3628)。
【0114】
CTIサーバから自動的に取得するパラメーター数値の算出結果が+4で合った場合3630、問診パラメーター閾値が+5であることから、閾値越えは非該当となる(3632)。閾値を超えていないためお客様固有重み付け値は×1.0となる(3634)。また、過去対応実績の評価に基づく重み付けは図33の3306項から×1.2となる(3636)。これらの重み付けをCTIサーバから自動的に取得するパラメーター数値3630と掛け合わせることにより、CTIサーバから自動的に取得するパラメーター数値≪重み付け後≫として+4.8を得る(3638)。
【0115】
お客様の電話から自動的に取得するパラメーター数値≪重み付け後≫として+9.8、オペレーターがお客様から問診した結果から取得するパラメーター数値≪重み付け後≫として+13.4、CTIサーバから自動的に取得するパラメーター数値≪重み付け後≫として+4.8、閾値越えパラメーター数2を図34の次回コンタクト約束日時算出テーブル3400と照合することにより、#28項が該当し、次回コンタクト約束日時として2.0時間後という算出結果を得る。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】本発明の全体構成を示した説明図である。
【図2】本発明の実施形態を示したフローである。
【図3】本発明にて次回コンタクト約束日時を算出するための概念を示した図である。
【図4】本発明にて次回コンタクト約束日時を算出するための判断項目とその取得方式、詳細要素を示した図である。
【図5】お客様の音声に対する判断基準を示した図である。
【図6】お客様の発言に対する判断基準を示した図である。
【図7】問題が及ぼす影響範囲に対する判断基準を示した図である。
【図8】オペレーターが認識しているお客様の感情に対する判断基準を示した図である。
【図9】問題の解決状況に対する判断基準を示した図である。
【図10】問題の対応内容に対する判断基準を示した図である。
【図11】同一問い合わせの過去対応回数に対する判断基準を示した図である。
【図12】同一問い合わせにおける過去の対応状況に対する判断基準を示した図である。
【図13】過去の問い合わせにおける約束時間の遵守状況に対する判断基準を示した図である。
【図14(A)】次回コンタクト約束日時算出システム処理詳細フロー(その1)である。
【図14(B)】同じく次回コンタクト約束日時算出システム処理詳細フロー(その2)である。
【図15】お客様固有の重み付けにおける処理の詳細を示した図である。
【図16】過去の対応実績の評価に基づく重み付け処理の詳細を示した図である。
【図17】次回コンタクト約束日時を算出する際の詳細処理項目を示した図である。
【図18】過去対応実績の評価に対する重み付け・閾値の見直し処理を示した図である。
【図19】オペレーターが参照するCTIクライアントの画面表示例を示した図である。
【図20】音声パラメーターを数値化する際の例を示した図である。
【図21】発言・言動パラメーターを数値化する際の例を示した図である。
【図22】問題の影響範囲に対するパラメーターを数値化する際の例を示した図である。
【図23】オペレーターが認識しているお客様の感情のパラメーターを数値化する際の例を示した図である。
【図24】問題の解決状況のパラメーターを数値化する際の例を示した図である。
【図25】問題の対応内容のパラメーターを数値化する際の例を示した図である。
【図26】同一問い合わせの過去対応回数のパラメーターを数値化する際の例を示す。
【図27】同一問い合わせにおける過去の対応状況のパラメーターを数値化する際の例を示した図である。
【図28】過去の問い合わせにおける同一お客様に対する約束時間の遵守状況のパラメーターを数値化する際の例を示した図である。
【図29】次回コンタクト約束日時を算出するための各パラメーターにて固有重み付けに関わる閾値を管理するテーブルの例を示した図である。
【図30】お客様の電話から自動的に取得するパラメーター数値へのお客様固有重み付け設定テーブルの例を示した図である。
【図31】問診結果から取得するパラメーター数値へのお客様固有重み付け設定テーブルの例を示した図である。
【図32】CTIサーバから自動的に取得するパラメーター数値へのお客様固有重み付け設定テーブルの例を示した図である。
【図33】過去対応実績の評価に基づく重み付け設定テーブルの例を示した図である。
【図34】次回コンタクト約束日時を算出するためのテーブルの例を示した図である。
【図35】パラメーター数値の算出の例を示した図である。
【図36(A)】パラメーター数値の重み付けの例を示した図(その1)である。
【図36(B)】同じくパラメーター数値の重み付けの例を示した図(その2)である。
【符号の説明】
【0117】
100…コールセンター、101…CTIサーバ、102…次回コンタクト約束日時算出システム、103…CTIクライアント、104…オペレーター、105…ヘッドセット、110…電話回線網、120…お客様、及び電話端末、121…固定電話、122…電話局、130…携帯電話電話局、131…携帯電話。
【技術分野】
【0001】
本発明は、コールセンターのオペレーターを支援する情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
人間の発声から感情を把握する方法については、特許文献1について述べられている。また、コールセンターに関する業務においては、以下の2つの特許文献がある。
【0003】
オペレーターとお客様の会話にてオペレーターの音声を分析することにより、オペレーターの困惑度を推し量り、コールセンターの管理者が困惑しているオペレーターを支援することにより、お客様対応を改善させる方法については、特許文献2にて述べられている。
【0004】
お客様が電話をかけた際の保留回数や電話転送回数などの周辺状況からお客様の感情を推し量り、オペレーターの会話に活用する方法は、特許文献3にて述べられている。
【0005】
【特許文献1】特表2003−508805号公報
【特許文献2】特開2007−4000号公報
【特許文献3】特開2002−51153号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
背景技術(1)に示すコールセンターに関して公表されている従来技術では、オペレーターに対する感情分析のみを実施しており、お客様に対する音声分析が行なわれていない。また、背景技術(1)ではオペレーターの感情分析のみを実施していること、背景技術(2)では、電話の転送回数などからお客様の感情を類推するのみであり、お客様への対応として直接的な効果を示すことに至っていないができていない。特許文献1に示す従来技術では、人間の発声から感情を把握する背景技術を述べており、コールセンターでの活用も述べている。しかし、その活用方法は、感情という補助情報をオペレーターやその管理者に提供するに過ぎず、お客様への対応が人間の判断に委ねられている点を踏まえると、コールセンター業務に即した効果を示すことができていない。
【0007】
コールセンターにおいて、お客様の満足度を向上させることは、取引の継続や安心してコールセンターをご利用頂くために重要なことである。お客様の満足度を向上させるため、コールセンターではお客様と事前に約束を取り、約束した時間までに解決していなくとも約束日時に途中状況を連絡するといったことを実施している。
【0008】
この約束をする際、従来コールセンターのオペレーターはお客様のシステムの状況を問診するのみであり、お客様の感情を推し量った対応は、受付者の経験に頼っていた。このため、感情的になっているお客様に対して約束日時までの期間を長く回答すると、お客様の緊急度を把握できず、お客様満足度の改善を妨害する要因となっていた。
【0009】
本発明の目的は、コールセンターのオペレーターを支援する情報処理システムにて、約束の申告日時を言語的要素のみならず、音声分析による感情的要素も踏まえ総合的に導き出すものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
問診内容、オペレーターの感じた印象と共に、問診時に自動的に取得するお客様の音声の変動量、発言・言動を観測することにより感情を1つのパラメーターとして約束日時の適正値をコールセンターのオペレーター画面に表示することを実現する。
【0011】
オペレーターはお客様が期待する時間を提案することにより、お客様の安心、信頼感を得る。このことによりお客様満足度を改善する。
【発明の効果】
【0012】
本発明を利用することにより、オペレーターは経験に基づく判断ではなく、様々な判断要素から導かれる最適な次回コンタクト約束日時をお客様に申告することができる。本発明により、お客様はこれまで以上にオペレーターから申告された次回コンタクト約束日時に納得して頂けるようになる。このことにより、コールセンターへの信頼が厚くなり、お客様満足度が向上することになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は、本発明の全体構成を示した説明図である。
【0014】
コールセンター100は、CTI(COMPUTER TELEPHONY INTEGRATION:問い合わせ者の管理、過去の対応履歴の管理、電話の受話や相談内容をコールセンターのオペレーターが登録・管理するために利用する、コールセンター用システム)サーバ101、約束日時算出システム102、CTIクライアント103、オペレーター104から構成されており、CTIサーバ101と次回コンタクト約束日時算出システム102とCTIクライアント103はネットワークで接続されており、オペレーター104はCTIクライアント103から接続されたヘッドセット105を装着する。
【0015】
コールセンター100は電話回線網110とネットワークで接続されている。
【0016】
固定電話121は、電話局122とネットワークで接続されている。
【0017】
電話局122と携帯電話局130は電話回線網とネットワークで接続されている。
【0018】
コールセンター100のサービスを利用するお客様120は、固定電話121や携帯電話131を利用しコールセンター100に電話をかける。
【0019】
コールセンター100では、CTIサーバ101が電話着信を検知し、CTIクライアント103の画面に電話着信を表示する。
【0020】
オペレーター104がCTIクライアント103を操作し、オペレーター104は装着しているヘッドセット105を利用し、お客様と問い合わせの内容、背景、経緯を問診する。
【0021】
オペレーター104は、問診内容をCTIクライアント103に登録する。
【0022】
次回コンタクト約束日時算出システム102は、CTIサーバ101に登録されている、お客様120の過去の対応履歴、お客様120の音声、CTIクライアント103から入力された問診内容から、次回コンタクト約束日時の最適値を算出する。
【0023】
次回コンタクト約束日時の算出結果は、次回コンタクト約束日時算出システム102からCTIサーバ101に送信する。
【0024】
CTIサーバ101は、約束時間の算出結果をCTIクライアント103に送信する。
【0025】
オペレーター104は、CTIクライアント103を参照し、お客様120に次回コンタクト約束日時を申告し、合意を得る。最初に申告した次回コンタクト約束日時で合意が得られない場合は、お客様120とオペレーター104が相談して次回コンタクト約束日時を決定する。
【0026】
オペレーター104は、お客様120と相談して決定した次回コンタクト約束日時をCTIクライアント103に登録する。
【0027】
コールセンター100はお客様120の問い合わせの解決に向けた調査、解析を行い、最終解決に至らない状況であっても、お客様120と決定した次回コンタクト約束日時に調査状況、対応方針などを報告する。
【0028】
図2は、本発明の実施形態を示したフローである。
【0029】
お客様120は、問い合わせのため電話をかける(ステップ210)。
【0030】
コールセンター100ではCTIサーバ101が電話受信を検知し電話受信通知をCTIクライアント103に通知する(ステップ220)。
【0031】
CTIクライアント103を見たオペレーター104がCTIクライアント103を操作し、電話を受け付ける(ステップ240)。
【0032】
次回コンタクト約束日時算出システム102は、CTIサーバ101から、同一のお客様120に対する過去の問い合わせ状況を取得する(ステップ230)。
【0033】
CTIサーバ101がお客様120とオペレーター104の電話を中継する(ステップ211、ステップ221、ステップ241)。オペレーター104は、お客様120から問い合わせの背景、問題の内容などを聞き出す。
【0034】
また、お客様120とオペレーター104の会話にて、音声を中継しているCTIサーバ101からお客様120の音声をモニタリングする(ステップ231)。
【0035】
オペレーター104はお客様120から聞き出した問題の状況、背景、課題状況などをCTIクライアント103からCTIサーバ101に登録する(ステップ242)。
【0036】
次回コンタクト約束日時算出システム102は、CTIサーバ101から、約束日時の算出に利用する問い合わせ状況を取得する(ステップ232)。
【0037】
次回コンタクト約束日時算出システム102は、次回コンタクト約束日時の最適値を算出し、CTIサーバ101に送信する(ステップ233)。
【0038】
次回コンタクト約束日時を受け取ったCTIサーバ101は、CTIクライアント103に次回コンタクト約束日時を送信する(ステップ222)。
【0039】
オペレーター104は、CTIクライアント103に表示された約束日時を参照し、お客様120に申告する(ステップ243)。
【0040】
お客様120が申告された約束日時を合意できれば合意の旨回答、合意できなければオペレーター104と調整し、約束日時を決定する(ステップ212、ステップ244)。
【0041】
オペレーター104は、お客様120から合意された約束日時をCTIクライアント103からCTIサーバ101に登録する(ステップ245)。
【0042】
図3は、約束日時を算出する際の概念を示した図である。
【0043】
次回コンタクト約束日時の算出は、3つのパラメーターから算出する。
【0044】
1つめは、お客様120とオペレーター104がお問合せ内容や状況を直接会話する際に、お客様の音声をモニタリングすることにより、お客様の電話から自動的に取得するパラメーター300である。
【0045】
2つめは、オペレーター104がお客様120から問い合わせの状況、背景、課題、対応状況などを聞き出すことにより問い合わせに対する問診が実施され、この問診結果から取得するパラメーター301である。
【0046】
3つめは、CTIサーバ101から自動的に過去の約束日時遵守率、同一案件の対応状況などを自動的に取得するパラメーター302である。
【0047】
次回コンタクト約束日時算出システム102は、これらの3つのパラメーターから最適な約束日時303を算出する。
【0048】
図4は、約束日時を算出するためのパラメーター410と、パラメーターを構成する詳細要素420を示した図(400)である。
【0049】
お客様の電話から自動的に取得するパラメーター300は、お客様の音声421とお客様の発言内容422を詳細要素とする。
【0050】
オペレーターがお客様から問診した結果から取得するパラメーター301は、問題の影響範囲423、オペレーターが認識しているお客様の感情424、問題の解決状況425、問題の対応内容426が要素となっている。
【0051】
CTIサーバから自動的に取得するパラメーター302は、同一問い合わせの過去対応回数427、同一問い合わせにおける過去の対応状況428、過去の問い合わせにおける約束時間の遵守状況429が要素となっている。
【0052】
図5は、お客様の音声421に対する判断基準500を示しており、音声の分析項目510と通話中の変化量520に対するの分析項目を示している。お客様の声質が高くなったか、低くなったか。お客様の発言のテンポが早くなったか、遅くなったか。お客様の声の大きさが大きくなったか、小さくなったか。お客様の声の抑揚があるか、ないかをモニタリングする。
【0053】
図6は、お客様の発言・言動422に対する判断基準600を示しており、特定の発言・言動610に対する有無620、とその頻度630が分析項目となっている。至急や大至急、急いでという発言・言動があったか、あった場合の頻度はどの程度かをモニタリングする。
【0054】
図7は、問題の影響範囲423に対する判断基準700を示しており、オペレーター104がお客様120から問い合わせの状況を問診する中で、問い合わせの内容がどのような影響を与えるか、若しくは与える危険性があるかをオペレーターはお客様から聞き出し問診時のヒアリング結果710に示した項目の中から1つ選択する。
【0055】
図8は、オペレーター104がお客様120と会話した際に、オペレーターが認識したお客様の感情424に対する判断基準800を示しており、問診時のオペレーターの認識810に示した項目から1つ選択する。
【0056】
図9は、問題の解決状況425に対する判断基準900を示しており、問い合わせの背景にある問題が解決しているのか、難航しているのかをオペレーター104はお客様120から問診し、解決状況910に示した項目から1つ選択する。
【0057】
図10は、問題の対応内容426に対する判断基準1000を示しており、問診時の状況や問題の解決状況1010をオペレーター104が登録する。問題の対応状況としては、データ入手待ち、解析中、などがある。
【0058】
図11は、同一問い合わせの過去対応回数427に対する判断基準1100を示しており、問い合わせ対応回数の回数に応じて対応回数1110が自動的に選択される。
【0059】
図12は、同一問い合わせにおける過去の対応状況428に対する判断基準1200を示しており、問題の解決状況1210に応じて、解決に向かっているのか、難航しているのかが自動的に選択される。
【0060】
図13は、過去の問い合わせにおける約束時間の遵守状況429に対する判断基準1300を示しており、過去の問い合わせ対応にて次回コンタクト約束日時を守れた割合1310により、自動的に選択される。
【0061】
図14(A)は、次回コンタクト約束日時算出システム102内部の処理詳細フロー(その1)である。
【0062】
図14(B)は、同じく次回コンタクト約束日時算出システム102内部の処理詳細フロー(その2)である。
【0063】
オペレーター104がCTIクライアント103から受け付け受信を送信すると(ステップ1410)、次回コンタクト約束日時算出システム102は過去対応状況取得1420の処理を開始する。
【0064】
次回コンタクト約束日時算出システム102は、CTIサーバ101から、同一問い合わせの過去対応回数データ、同一問い合わせにおける過去対応状況のデータ、過去問い合わせデータを取得する(ステップ1421、ステップ1422、ステップ1423)。取得したデータはそれぞれの判断基準に基づいて数値化する(ステップ1424)。
【0065】
オペレーター104がお客様120と会話を開始すると(ステップ1430)、次回コンタクト約束日時算出システム102はお客様音声モニタリング1440の処理を開始する。
【0066】
次回コンタクト約束日時算出システム102はCTIサーバ101からお客様の声をモニタリングし、お客様の音声を分析し、発言・言動を分析する(ステップ1441、ステップ1442)。分析結果は、それぞれの判断基準に基づいて数値化する(ステップ1443)。
【0067】
オペレーター104がお客様120と会話し、問題の内容や状況など問い合わせ状況をCTIクライアントから登録すると(ステップ1450)、問い合わせ状況取得1460の処理を開始する。
【0068】
次回コンタクト約束日時算出システム102は、オペレーター104がCTIクライアント103から登録した問い合わせ状況に基づき、問題の影響範囲、オペレーター104が認識したお客様120の感情、問題の解決状況、問題の対応内容を取得する(ステップ1461、ステップ1462、ステップ1463、ステップ1464)。取得した各データはそれぞれの判断基準に基づいて数値化する(ステップ1465)。
【0069】
続いて次回コンタクト約束日時算出システム102は、次回コンタクト約束日時算出1470の処理を開始する。過去対応状況取得1420の処理で得られた数値1424、お客様音声モニタリング1440の処理で得られた数値1443、問い合わせ状況取得1460の処理で得られた数値1465を用いて、お客様固有状況に基づく各数値の重み付け1471、過去の対応実績の評価に基づく重み付け1472を実施する。重み付けられた数値に基づき次回コンタクト約束日時を算出1473する。
【0070】
次回コンタクト約束日時算出システム102では、3つのパラメーター数値を元に次回コンタクト約束日時を算出するが、全てのパラメーターを横並びで扱うと、本来は次回コンタクト約束日時を最短にすべき問い合わせであっても、誤った判断をすることがある。このような誤った判断を防ぐために、3つのパラメーター数値に対して案件毎の固有重み付けを実施する。
【0071】
図15は、お客様固有の重み付け1471における処理の詳細を示す。
【0072】
お客様の音声から自動的に取得するパラメーター数値1510は、予め設定された電話パラメーター閾値1514と比較し、閾値を超えているか、超えている場合の数値はいくらかという差分を求める(1512)。
【0073】
オペレーターがお客様から問診した結果から取得するパラメーター数値1520は、予め設定された問診パラメーター閾値1524と比較し、閾値を超えているか、超えている場合の数値はいくらかという差分を求める(1522)。
【0074】
CTIサーバから自動的に取得するパラメーター数値1530は、予め設定されたCTIパラメーター閾値1534と比較し、閾値を超えているか、超えている場合の数値はいくらかという差分を求める(1532)。
【0075】
各パラメーターにおける閾値越えの結果と閾値との差分を元に、お客様固有重み付け判定1540を行い、各パラメーター数値に対して重み付けを行なう。重み付けられたパラメーター数値は、お客様の音声から自動的に取得するパラメーター数値≪固有重み付け後≫1516、オペレーターがお客様から問診した結果から取得するパラメーター数値≪固有重み付け後≫1526、CTIサーバから自動的に取得するパラメーター数値≪固有重み付け後≫1536を得る。
【0076】
図16は、過去の対応実績の評価に基づく重み付け1472における処理の詳細を示す。
【0077】
固有の重み付けにより得られた、お客様の音声から自動的に取得するパラメーター数値≪固有重み付け後≫1610、オペレーターがお客様から問診した結果から取得するパラメーター数値≪固有重み付け後≫1620、CTIサーバから自動的に取得するパラメーター数値≪固有重み付け後≫1630のそれぞれに対して、過去の対応実績の評価に基づく重み付け数値1540を掛け合わせ、お客様の音声から自動的に取得するパラメーター数値≪重み付け後≫1612、オペレーターがお客様から問診した結果から取得するパラメーター数値≪重み付け後≫1622、CTIサーバから自動的に取得するパラメーター数値≪重み付け後≫1632を得る。
【0078】
図17は、次回コンタクト約束日時を算出する際の詳細処理項目を示す。
【0079】
お客様の音声から自動的に取得するパラメーター数値≪重み付け後≫1710と、オペレーターがお客様から問診した結果から取得するパラメーター数値≪重み付け後≫1720と、CTIサーバから自動的に取得するパラメーター数値≪重み付け後≫1730と、固有重み付けの処理1471で得られた閾値越えパラメーター数1740の各数値を次回コンタクト約束日時算出テーブル1760とマッチング1750し、次回コンタクト約束日時1770を得る。
【0080】
次回コンタクト約束日時算出システム102では、一定期間(週間・月間・年間)毎に次回コンタクト約束日時算出システム102にて算出した次回コンタクト約束日時とお客様と合意できた次回コンタクト約束日時を比較、分析し、次回コンタクト約束日時を算出する要素を見直すことで、次回コンタクト約束日時の算出精度を向上させる。
【0081】
図18は、過去対応実績の評価に対する重み付け・閾値の見直し処理を示す。
【0082】
過去に次回コンタクト約束日時算出システム102にて算出した次回コンタクト約束日時1810と実際にお客様120と合意できた次回コンタクト約束日時1820を比較し、差分分析1830にてパラメーター毎の影響度や重み付け数値を見直す。見直し結果は、過去対応実績の評価に基づく重み付け数値の見直し1835や、閾値見直し1840として、電話パラメーター閾値の改訂1850、問診パラメーター閾値の改訂1860、CTIパラメーター閾値の改訂1870を実施する。
【0083】
図19は、オペレーター104が操作するCTIクライアント103の画面表示例1900を示す。
【0084】
CTIクライアント画面1900は、お客様情報1910、問診結果1920、オペレーターの印象1930で構成されている。
【0085】
お客様情報1910では、お客様名や利用されているサービス商品などを表示する。
【0086】
オペレーター104は、お客様120との電話での問診により得られた問題の内容を問診結果1920の問題内容欄1921に入力し、解決してほしい要望を要望欄1922に入力し、問題が及ぼす影響範囲を影響範囲1923のプルダウンメニューから選択する。
【0087】
オペレーター104は、お客様120との会話で感じた印象をオペレーターの印象1930に入力する。お客様の感情に対する印象をお客様の感情1931のプルダウンメニューから選択し、解決の状況を解決状況1932のプルダウンメニューから選択し、対応の内容を対応内容1933のプルダウンメニューから選択する。
【0088】
オペレーター104は、問診結果1920とオペレーターの印象1930への入力が終わると、入力データの登録と次回コンタクト約束日時を算出するために登録/次回コンタクト約束日時算出のボタン1940をクリックする。
【0089】
オペレーター104がCTIクライアント103を操作することにより、次回コンタクト約束日時算出結果1950として、年月日と時間を表示する。
【0090】
オペレーター104は、次回コンタクト約束日時算出結果1950を参照し、お客様120と次回コンタクト日時の交渉をする。お客様との交渉を経て、合意された次回コンタクト約束日時をお客様との合意日時欄1960に入力する。オペレーター104は、合意約束日時登録ボタン1970をクリックすることで、合意された次回コンタクト約束日時をCTIサーバ101に登録する。
【0091】
図20は、音声パラメーターの数値化例2000を示す。音声の分析項目2002として、お客様の声質や発言のテンポ、声の大きさや、抑揚から、通話中の変化量2004を判断基準としてパラメーター数値2006を導き出す。
【0092】
図21は、発言・言動パラメーターの数値化例2100を示す。至急や大至急など特定のキーワードを発言・言動の分析の項目2102としており、発声有無2104と発生時の発生頻度2106に応じてパラメーター数値2108を導き出す。
【0093】
図22は、問題の影響範囲に対するパラメーターの数値化例2200を示す。問診時のヒアリングにより得られている問題の影響範囲2202に応じて、パラメーター数値2204を導き出す。
【0094】
図23は、オペレーターが認識しているお客様の感情に対する数値化例2300を示す。問診の会話でオペレーター104が認識したお客様120の感情2302に応じて、パラメーター数値2304を導き出す。
【0095】
図24は、問題の解決状況に対するパラメーター数値化例2400を示す。オペレーター104が認識した問題の解決状況2402に応じて、パラメーター数値2404を導き出す。
【0096】
図25は、問題の対応内容に対するパラメーター数値化例2500を示す。オペレーター104が認識している問題の対応内容2502に応じて、パラメーター数値2504を導き出す。
【0097】
図26は、同一問い合わせの過去対応回数に対するパラメーター数値化例2600を示す。CTIサーバ101に登録されている同一の問い合わせ対応回数2602に応じて、パラメーター数値2604を導き出す。
【0098】
図27は、同一問い合わせにおける過去の対応状況に対するパラメーター数値化例2700を示す。CTIサーバ101に登録されている同一問い合わせ案件の過去の対応状況2702に応じて、パラメーター数値2704を導き出す。
【0099】
図28は、過去の問い合わせにおける同一お客様に対する約束時間の遵守状況に対するパラメーター数値化例2800を示す。CTIサーバ101に登録されている過去の次回コンタクト約束日時の遵守率2802に応じて、パラメーター数値2804を導き出す。
【0100】
図29は、次回コンタクト約束日時を算出するための各パラメーターにて固有重み付けに関わる閾値を管理するテーブルの例2900である。電話パラメーター閾値、問診パラメーター閾値、CTIパラメーター閾値などパラメーター閾値項目2902に応じて、閾値2904を管理する。
【0101】
図30は、お客様の電話から自動的に取得するパラメーター数値へのお客様固有重み付け設定テーブル例3000を示す。お客様の電話から自動的に取得するパラメーター数値1510と電話パラメーター閾値1514の比較により得られる閾値からの差分3002に応じて、重み付けの数値3004を導き出す。
【0102】
図31は、問診結果から取得するパラメーター数値へのお客様固有重み付け設定テーブル例3100を示す。オペレーターがお客様から問診した結果から取得するパラメーター数値1520と問診パラメーター閾値1524の比較により得られる閾値からの差分3102に応じて、重み付けの数値3104を導き出す。
【0103】
図32は、CTIサーバから自動的に取得するパラメーター数値へのお客様固有重み付け設定テーブル例3200を示す。CTIサーバから自動的に取得するパラメーター数値1530とCTIパラメーター閾値1534の比較により得られる閾値からの差分3202に応じて、重み付けの数値3204を導き出す。
【0104】
図33は、過去対応実績の評価に基づく重み付け設定テーブル例3300を示す。お客様の電話から自動的に取得するパラメーター数値への重み付け3302、問診結果から取得するパラメーター数値への重み付け3304、CTIサーバから自動的に取得するパラメーター数値への重み付け3306の各係数を管理する。
【0105】
図34は、次回コンタクト約束日時を算出するためのテーブル例3400を示す。閾値を超えたパラメーター数3401、お客様の電話から自動的に取得するパラメーター数値≪重み付け後≫3402、オペレーターがお客様から問診した結果から取得するパラメーター数値≪重み付け後≫3403、CTIサーバから自動的に取得するパラメーター数値≪重み付け後≫3404、から次回コンタクト約束日時3405を導き出す。
【0106】
図35は、パラメーター数値の算出例を示す。
【0107】
お客様の電話から自動的に取得するパラメーターにおいて、お客様の音声のモニタリング結果で、声質が高く変化し、テンポは変化なく、声は大きく変化し、抑揚は早く変化し、発言・言動では大至急を何度も繰り返していた例3510に対して数値化する。各評価項目を、音声パラメーターの数値化例2000、発言・言動パラメーターの数値化例2100と突き合わせることにより、お客様の電話から自動的に取得するパラメーターの数値を+5と算出3520する。
【0108】
問診結果から取得するパラメーターにおいて、問題の影響範囲は業務へ与える影響が大きく、お客様の感情は興奮状態にあり、解決状況は不明であり、対応内容は実機検証という状況の例3530に対して数値化する。各評価項目を、問題の影響範囲に対するパラメーターの数値化例2200、オペレーターが認識しているお客様の感情に対する数値化例2300、問題の解決状況に対するパラメーター数値化例2400、問題の対応内容に対するパラメーター数値化例2500と突き合わせることにより、問診結果から取得するパラメーターの数値を+14と算出3540する。
【0109】
CTIサーバから自動的に取得するパラメーターにおいて、同一案件の過去の対応回数は6回、過去の対応状況は停滞しており、同一お客様に対する次回コンタクト約束日時の遵守率が60%という例3550に対して数値化する。各評価項目を、同一問い合わせの過去対応回数に対するパラメーター数値化例2600、同一問い合わせにおける過去の対応状況に対するパラメーター数値化例2700、過去の問い合わせにおける合一お客様に対する約束時間の遵守状況に対するパラメーター数値化例2800と突き合わせることにより、CTIサーバから自動的に取得するパラメーターの数値を+4と算出3560する。
【0110】
図36(A)は、パラメーター数値の重み付け例(その1)を示す。
【0111】
図36(B)は、同じくパラメーター数値の重み付け例(その2)を示す。
【0112】
お客様の電話から自動的に取得するパラメーター数値の算出結果が+5で合った場合3610、電話パラメーター閾値が+3であることから、閾値越えは該当、差分は2となる(3612)。この結果をお客様の電話から自動的に取得するパラメーター数値へのお客様固有重み付け設定テーブル例3000と突き合わせると、お客様固有重み付け値は×1.3となる(3614)。また、過去対応実績の評価に基づく重み付けは図33の3302項から×1.5となる(3616)。これらの重み付けをお客様の電話から自動的に取得するパラメーター数値3610と掛け合わせることにより、お客様の電話から自動的に取得するパラメーター数値≪重み付け後≫として+9.8を得る(3618)。
【0113】
オペレーターがお客様から問診した結果から取得するパラメーター数値の算出結果が+14で合った場合3620、問診パラメーター閾値が+10であることから、閾値越えは該当、差分は4となる(3622)。この結果を問診結果から取得するパラメーター数値へのお客様固有重み付け設定テーブル例3100と突き合わせると、お客様固有重み付け値は×1.2となる(3624)。また、過去対応実績の評価に基づく重み付けは図33の3304項から×0.8となる(3626)。これらの重み付けをオペレーターがお客様から問診した結果から取得するパラメーター数値3620と掛け合わせることにより、オペレーターがお客様から問診した結果から取得するパラメーター数値≪重み付け後≫として+13.4を得る(3628)。
【0114】
CTIサーバから自動的に取得するパラメーター数値の算出結果が+4で合った場合3630、問診パラメーター閾値が+5であることから、閾値越えは非該当となる(3632)。閾値を超えていないためお客様固有重み付け値は×1.0となる(3634)。また、過去対応実績の評価に基づく重み付けは図33の3306項から×1.2となる(3636)。これらの重み付けをCTIサーバから自動的に取得するパラメーター数値3630と掛け合わせることにより、CTIサーバから自動的に取得するパラメーター数値≪重み付け後≫として+4.8を得る(3638)。
【0115】
お客様の電話から自動的に取得するパラメーター数値≪重み付け後≫として+9.8、オペレーターがお客様から問診した結果から取得するパラメーター数値≪重み付け後≫として+13.4、CTIサーバから自動的に取得するパラメーター数値≪重み付け後≫として+4.8、閾値越えパラメーター数2を図34の次回コンタクト約束日時算出テーブル3400と照合することにより、#28項が該当し、次回コンタクト約束日時として2.0時間後という算出結果を得る。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】本発明の全体構成を示した説明図である。
【図2】本発明の実施形態を示したフローである。
【図3】本発明にて次回コンタクト約束日時を算出するための概念を示した図である。
【図4】本発明にて次回コンタクト約束日時を算出するための判断項目とその取得方式、詳細要素を示した図である。
【図5】お客様の音声に対する判断基準を示した図である。
【図6】お客様の発言に対する判断基準を示した図である。
【図7】問題が及ぼす影響範囲に対する判断基準を示した図である。
【図8】オペレーターが認識しているお客様の感情に対する判断基準を示した図である。
【図9】問題の解決状況に対する判断基準を示した図である。
【図10】問題の対応内容に対する判断基準を示した図である。
【図11】同一問い合わせの過去対応回数に対する判断基準を示した図である。
【図12】同一問い合わせにおける過去の対応状況に対する判断基準を示した図である。
【図13】過去の問い合わせにおける約束時間の遵守状況に対する判断基準を示した図である。
【図14(A)】次回コンタクト約束日時算出システム処理詳細フロー(その1)である。
【図14(B)】同じく次回コンタクト約束日時算出システム処理詳細フロー(その2)である。
【図15】お客様固有の重み付けにおける処理の詳細を示した図である。
【図16】過去の対応実績の評価に基づく重み付け処理の詳細を示した図である。
【図17】次回コンタクト約束日時を算出する際の詳細処理項目を示した図である。
【図18】過去対応実績の評価に対する重み付け・閾値の見直し処理を示した図である。
【図19】オペレーターが参照するCTIクライアントの画面表示例を示した図である。
【図20】音声パラメーターを数値化する際の例を示した図である。
【図21】発言・言動パラメーターを数値化する際の例を示した図である。
【図22】問題の影響範囲に対するパラメーターを数値化する際の例を示した図である。
【図23】オペレーターが認識しているお客様の感情のパラメーターを数値化する際の例を示した図である。
【図24】問題の解決状況のパラメーターを数値化する際の例を示した図である。
【図25】問題の対応内容のパラメーターを数値化する際の例を示した図である。
【図26】同一問い合わせの過去対応回数のパラメーターを数値化する際の例を示す。
【図27】同一問い合わせにおける過去の対応状況のパラメーターを数値化する際の例を示した図である。
【図28】過去の問い合わせにおける同一お客様に対する約束時間の遵守状況のパラメーターを数値化する際の例を示した図である。
【図29】次回コンタクト約束日時を算出するための各パラメーターにて固有重み付けに関わる閾値を管理するテーブルの例を示した図である。
【図30】お客様の電話から自動的に取得するパラメーター数値へのお客様固有重み付け設定テーブルの例を示した図である。
【図31】問診結果から取得するパラメーター数値へのお客様固有重み付け設定テーブルの例を示した図である。
【図32】CTIサーバから自動的に取得するパラメーター数値へのお客様固有重み付け設定テーブルの例を示した図である。
【図33】過去対応実績の評価に基づく重み付け設定テーブルの例を示した図である。
【図34】次回コンタクト約束日時を算出するためのテーブルの例を示した図である。
【図35】パラメーター数値の算出の例を示した図である。
【図36(A)】パラメーター数値の重み付けの例を示した図(その1)である。
【図36(B)】同じくパラメーター数値の重み付けの例を示した図(その2)である。
【符号の説明】
【0117】
100…コールセンター、101…CTIサーバ、102…次回コンタクト約束日時算出システム、103…CTIクライアント、104…オペレーター、105…ヘッドセット、110…電話回線網、120…お客様、及び電話端末、121…固定電話、122…電話局、130…携帯電話電話局、131…携帯電話。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コールセンター業務など電話での問い合わせ対応において、問題の内容と問い合わせ対応者の認識、過去の対応履歴、お客様の音声を判断要素として次回コンタクト約束日時を算出する情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにて、次回コンタクト約束日時の判断要素について、問題の内容と問い合わせ対応者の認識、過去の対応履歴、お客様の音声から重み付けを変更することが可能な情報処理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理システムにて、次回コンタクト約束日時の判断要素について、週間、月間、など一定期間の対応実績を評価し、重み付けを変更することが可能な情報処理システム。
【請求項1】
コールセンター業務など電話での問い合わせ対応において、問題の内容と問い合わせ対応者の認識、過去の対応履歴、お客様の音声を判断要素として次回コンタクト約束日時を算出する情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにて、次回コンタクト約束日時の判断要素について、問題の内容と問い合わせ対応者の認識、過去の対応履歴、お客様の音声から重み付けを変更することが可能な情報処理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理システムにて、次回コンタクト約束日時の判断要素について、週間、月間、など一定期間の対応実績を評価し、重み付けを変更することが可能な情報処理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14(A)】
【図14(B)】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36(A)】
【図36(B)】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14(A)】
【図14(B)】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36(A)】
【図36(B)】
【公開番号】特開2010−124256(P2010−124256A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−296235(P2008−296235)
【出願日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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