説明

サイリスタ

【課題】サイリスタのサイズを従来と同じにしたままオン電圧Vを低くし、さらに臨界オン電流上昇率di/dtを改善したサイリスタを提供することを目的としている。
【解決手段】サイリスタ100は、表面でアノード電極1に接続されているp型半導体層2の上にp型半導体層101と、p型半導体層101内かつp型半導体層2上面にp型半導体層101より不純物濃度の高いp型半導体層103と、p型半導体層101内かつp型半導体層2上面かつp型半導体層103の間にp型半導体層102より不純物濃度の高いp型半導体層104と、p型半導体層101上面にn型半導体層4と、n型半導体層4内に、p型半導体層6と、p型半導体層6内に、表面でカソード電極8に接続されているn型半導体層7とゲート電極9に接続されているp型半導体層10とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイリスタに関する。
【背景技術】
【0002】
pnpn型でカソード電極にゲート電極を備える一般的なサイリスタの概略構成を図7に示す。図7において、サイリスタ400は、表面でアノード電極401に接続されている高不純物濃度のp型半導体層402上に高不純物濃度(例えば、7×1017cm−3)の裏面p型半導体層403が形成され、裏面p型半導体層403の上面に低不純物濃度(例えば、1.2×1014cm−3)のn型半導体層404が形成されている。裏面p型半導体層403の厚みh401は、例えば、30〜40[μm]であり、n型半導体層404の厚みh402は、例えば、160〜170[μm]である。n型半導体層404内には、高不純物濃度のp型半導体層406が形成され、p型半導体層406内には、高不純物濃度のn型半導体層407と高不純物濃度のp型半導体層410とが形成されている。n型半導体層407は、p型半導体層406の表面でカソード電極408に接続され、p型半導体層410は、p型半導体層406の表面でゲート電極409に接続されている。n型半導体層404の表面近傍には、p型半導体層406の両側に高不純物濃度のp型半導体のガードリング411が形成され、さらにサイリスタ400の両側には高不純物濃度のp型半導体のアイソレーション405が形成されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記の構成による従来のサイリスタ400において、アノード電極(A)401とカソード電極(K)408間に順方向電圧を印加し、さらにゲート電極(G)409に正の電圧を印加すると、n型半導体層404とp型半導体層406との間にできる空乏層へ、ゲート電極409を形成するp型半導体層410からのホールが注入され、空乏層が狭くなり、アノード電極401からカソード電極408に電流が流れる。このゲート電流値に応じてブレークオーバー点孤が発生し、そして、ブレークオーバー点孤によるON状態でアノード電極401とカソード電極408間にオン電圧Vが発生する。
近年、各種の装置において消費電力の低減要求があり、このためサイリスタにおいても消費電力の低減のため低V化が望まれている。このオン電圧Vを低くするためには、高濃度p型半導体層である裏面p型半導体層403を厚くしn型半導体層404の厚みを薄くする方法がある。これにより、裏面p型半導体層403からn型半導体層404へのキャリアが到達しやすくなるので低V化を図ることができる。
【0004】
また、サイリスタを、例えばランプの点灯保護回路に適用した場合、ランプの点灯時の突入電流等の保護のために低Vかつ高寿命のサイリスタが市場から要求されている。サイリスタの高寿命化には、臨界オン電流上昇率di/dtの改善が必要である。臨界オン電流上昇率di/dtの改善のため、アノード電極とカソード電極間の対向長さを長くし、初期導通面積を大きくしたサイリスタが製品化されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−240510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、臨界オン電流上昇率di/dtを改善するためにアノード電極とカソード電極間の対向長さを長くする方法では、チップ面積が大きくなり、部品を配置できる面積が限られているような製品での使用が困難であるという問題点があった。また、一般的なオン電圧Vを下げる方法として、順電圧時の空乏層の大きさを確保するためにチップサイズを大きくする方法が用いられているが、限られたスペース内に部品を納めたい場合、チップサイズが大きくなると従来部品から置き換えることが困難になるという問題点があった。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、サイリスタのサイズを従来と同じにしたままオン電圧Vを低くし、さらに臨界オン電流上昇率di/dtを改善したサイリスタを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係るサイリスタは、p型の第1領域とn型の第2領域とp型の第3領域とn型の第4領域とが順に接合され、前記p型の第1領域にアノード電極部が接合されたサイリスタにおいて、前記p型の第1領域内にあって前記アノード電極部に接するように形成された、前記p型の第1領域より不純物濃度の高い少なくとも2つのp型の第5領域と、前記p型の第1領域内にあって前記アノード電極部に接し且つ前記2つのp型の第5領域の間に形成された、前記P型の第5領域より不純物濃度が高く、前記p型の第5領域より幅が広いp型の第6領域とを備えることを特徴としている。
【0009】
また、本発明に係るサイリスタは、前記複数のp型の第5領域は、前記p型の第6領域に近いほど不純物濃度が高くなるように形成されていることを特徴としている。
【0010】
また、本発明に係るサイリスタは、前記複数のp型の第5領域は、前記p型の第6領域に近いほど幅が広くなるように形成されていることを特徴としている。
【0011】
また、本発明に係るサイリスタは、前記複数のp型の第6領域は、前記n型の第2領域の表面に垂直な方向から平面的に見た場合、前記p型の第3領域と重なりを有するように形成され、または、前記n型の第4領域と重なりを有するように形成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、n型の第2領域内に、p型の第1領域より不純物濃度が低いp型の第5領域を、p型の第1領域のアノード電極側と反対の面に接してn型の第2領域を局所的に薄くするように形成したので、サイズを従来と同じにしたままオン電圧Vを低くし、さらに臨界オン電流上昇率di/dtを改善したサイリスタを実現することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態に係るサイリスタの断面構成図である。
【図2】サイリスタの電流対電圧特性を説明する図である。
【図3】本実施形態に係るオン電圧VTの例を説明する図である。
【図4】本実施形態に係るアノード電極とカソード電極との間の電流密度シミュレーションにより求めた一例を示す図である。
【図5】本実施形態に係るサイリスタの断面構成図である。
【図6】本実施形態に係るサイリスタの上面レイアウト図である。
【図7】従来の実施形態に係るサイリスタの断面構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図1〜図7を用いて本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は係る実施形態に限定されず、その技術思想の範囲内で種々の変更が可能である。
【0015】
図1は、本実施形態におけるサイリスタ100の断面構成図である。図1において、高不純物濃度(例えば、2×1019cm−3)のp型半導体層2の上に、低不純物濃度(例えば、7×1015cm−3)の裏面p型半導体層101(第1領域)が形成されている。裏面p型半導体層101の上面に低不純物濃度(例えば、1.2×1014cm−3)のn型半導体層4(第2領域)が形成されている。裏面p型半導体層101の厚みh2は、従来の裏面p型半導体層403より厚く、例えば、50[μm]であり、p型半導体層102とp型半導体層103、および、p型半導体層104の厚みh3は、同一であり、例えば、30[μm]である。また、n型半導体層4の厚みh4は、従来のn型半導体層404より薄く、例えば、110[μm]である。また、p型半導体層2は、表面でアノード電極1にオーミック接続されている。p型半導体層2の厚みh1は、例えば、10[μm]である。また、裏面p型半導体層101の不純物濃度は、従来の裏面p型半導体層403の不純物濃度、例えば、7×1017cm−3より低く形成されている。
【0016】
裏面p型半導体層101内には、p型半導体層2の上面に接して、裏面p型半導体層101より不純物濃度の高い(例えば、1×1016cm−3)のp型半導体層102(第5領域)が所定の幅L1(例えば、200[μm])を有して形成されている。また、裏面p型半導体層101内には、p型半導体層2の上面に接して、p型半導体層102の間に所定の離間間隔L2(例えば、400[μm])を有して、p型半導体層102より不純物濃度の高い(例えば、1×1017cm−3)のp型半導体層103(第5領域)が所定の幅L3(例えば、200[μm])を有して形成されている。さらにまた、裏面p型半導体層101内には、p型半導体層2の上面に接して、p型半導体層103の間に所定の離間間隔L4(例えば、400[μm])を有して、p型半導体層103より不純物濃度の高い(例えば、1×1018cm−3)のp型半導体層104(第6領域)が所定の幅L5(=L−200[μm]×4−400[μm]×4)を有して形成されている。すなわち、p型半導体層の不純物濃度は、p型半導体層104>p型半導体層103>p型半導体層102>p型半導体層101であり、さらに、p型半導体層104に向かって高くなるように形成されている。
【0017】
また、p型半導体層104の上面は、n型半導体層4の表面に垂直な方向から平面的に見た場合、p型半導体領域6と重なりを有するように形成されている。また、p型半導体層104の上面は、n型半導体層4の表面に垂直な方向から平面的に見た場合、n型半導体領域7と重なりを有するように形成されている。
【0018】
また、n型半導体層4内には、高不純物濃度(例えば、7×1017cm−3)のp型半導体層6(第3領域)が形成され、このp型半導体層6はアノード電極1と反対の表面と接している。また、p型半導体層6内には、高不純物濃度(例えば、2×1020cm−3)のn型半導体層7(第4領域)と、高不純物濃度(例えば、2×1019cm−3)のp型半導体層10とが互いに離れて形成されている。また、n型半導体層7は、p型半導体層6の表面でカソード電極8に接続され、p型半導体層10は、p型半導体層6の表面でゲート電極9に接続されている。また、p型半導体層6の厚みh5、n型半導体層7の厚みh6、および、p型半導体層10の厚みh7は、従来と同一で、例えば、h5=40[μm]、h6=19[μm]、h7=10[μm]である。
【0019】
また、n型半導体層4の表面近傍には、p型半導体層6の両側にp型半導体層6と離れて高不純物濃度(例えば、7×1017cm−3)のp型半導体によるガードリング11が形成され、さらにサイリスタ100の両側には、高不純物濃度(例えば、2×1019cm−3)のp型半導体によるアイソレーション5が形成されている。
【0020】
次に、図1のサイリスタ100に順方向電圧が印加した場合について図2を用いて説明する。図2は、サイリスタの電流対電圧特性を説明する図である。アノード電極1とカソード電極8との間に順方向電圧を印可した場合、p型半導体層6とn型半導体層4との間に空乏層が広がる。この状態において、ゲート電極9に正の電圧を印可すると、図2のように、アノード電極1とカソード電極8間に電流が流れる。また、ゲート電流Iの大きさに応じて、Iが大きいほどブレークオーバー点弧がONしやすくなる。オン電圧Vは、サイリスタ100のON状態の電圧値である。
【0021】
次に、オン電圧Vが低くできる仕組みを説明する。n型半導体層4は、従来のn型半導体層404より薄く(例えば、10[μm])形成されている。また、裏面p型半導体層101は、n型半導体層4を薄くした分、従来の裏面p型半導体層403より厚く(例えば、10[μm])、かつ、従来の裏面p型半導体層403より不純物濃度が低く形成されている。また、p型半導体層2に接し裏面p型半導体層101内に、不純物濃度の異なるp型半導体層102〜104が形成されている。さらに、p型半導体層102〜104は、p型半導体層104に向かって高くなるように形成されている。
この結果、小電流時、n型半導体層4は、従来のn型半導体層404より薄く形成されているので、オン電圧Vを低くすることが可能になる。この場合、p型半導体層102〜104の方がp型半導体層101の不純物濃度より高く形成されているので、p型半導体層102〜104の上面に電流経路が形成され、p型半導体層102〜104の天面からのキャリア注入が優位になる。この結果、抵抗値が下がり、さらにオン電圧Vを低くすることが可能になる。
【0022】
また、流れる電流が大きくなった場合、p型半導体層102〜104の天面とp型半導体層102〜104に接していないp型半導体層2面の両方からキャリア注入が発生する。この場合においても、n型半導体層4が薄く、p型半導体層102〜104の上面に電流経路が形成され、p型半導体層102〜104の天面からのキャリア注入が優位になるのでオン電圧Vを低くすることが可能になる。この場合においても、抵抗値が下がり、さらにオン電圧Vを低くすることが可能になる。
【0023】
図3は、本実施形態におけるオン電圧Vの例を説明する図である。図3において、ゲート電流Iはサイリスタ100のON状態になるのに十分な電流値であり、また、カソード電流Iは同一の値で、図7の従来のサイリスタ400と図1の本実施形態のサイリスタ100のオン電圧Vをシミュレーションにより求めた結果である。VT1は図7の従来構造におけるオン電圧であり、電圧VT2は図1の本実施形態における構造のオン電圧である。図3のように、本実施形態の構成のサイリスタ100のオン電圧VT2は、従来の構成のサイリスタ400のオン電圧VT1より低い電圧値が得られている。
【0024】
図4は、本実施形態におけるアノード電極1とカソード電極8との間の電流密度をシミュレーションにより求めた一例を示す図である。図4において、白黒の濃淡は電流密度を表し、A<B<C<Dの順に電流密度が高くなっている。すなわち、p型半導体層101内において、不純物濃度が一番高いp型半導体層104の上面から電極を形成するn型半導体層7に向けて電流密度の高い経路Dが形成されている。続いて、p型半導体層104より不純物濃度の低いp型半導体層103上面に電流密度の高い経路Cが形成され、さらにp型半導体層103より不純物濃度の低いp型半導体層102上面に電流密度の高い経路Bが形成されている。このように、不純物濃度を順次高くなるようにp型半導体層101内にp型半導体層104と103と102を形成したので、p型半導体層104に電流経路が形成されるため、電流が流れやすくなり、すなわち抵抗値が低くなる。この結果、オン電圧Vを低くすることが可能になる。
【0025】
次に、臨界オン電流上昇率di/dtについて説明する。アノード電極1とカソード電極8との間に急峻な電流が流れようとした場合、図7の従来の構造において、p型半導体層403の一点からp型半導体層406の一点に急峻な電流が流れてサイリスタ動作が始まってしまうこともある。この場合、急峻な電流が一点に流れることで電流経路が形成されてしまい、p型半導体層403の他の面からp型半導体層406の他の面に電流経路が形成される前に、形成された電流経路に電流が集中してしまい局所的に壊れることがある。このため、サイリスタをオフ状態からオン状態に切り替えるとき、サイリスタが耐えることのできる最大のオン電流上昇率が臨界オン電流上昇率di/dtである。
図4の電流密度で示したように、不純物濃度を順次高くなるようにp型半導体層101内にp型半導体層104と103と102を形成したので、p型半導体層104の上面に電流経路が集中するため、サイリスタをオフ状態からオン状態に切り替えるとき電流が一点に集中しない、すなわち電流が面で集中する構造にすることで、臨界オン電流上昇率di/dtを改善ができる。
また、特許文献1の構造と比較しても、本実施形態の構造のp型半導体層の方が、急峻な電流が流れたときに電流が集中する面積が広いため、1箇所び電流が集中せずに臨界オン電流上昇率di/dtを改善ができる可能性がある。
【0026】
以上のように、本発明によれば、図1のように、アノード電極部上のp型半導体領域101内に、p型半導体領域101より不純物濃度の高いp型半導体領域102を備え、また、このp型半導体領域102の間にp型半導体領域102より不純物濃度の高いp型半導体領域103を備えた。さらに、p型半導体領域103の間にp型半導体領域103より不純物濃度の高くかつp型半導体領域103より幅の広いp型半導体領域104を備えた。このように、アノード電極部上のp型半導体領域101内に、p型半導体領域102〜104を備えたため、小電流時は不純物濃度が一番高く、かつ幅の広いp型半導体層104からカソード電極に向けて電流経路が形成され、流れる電流が大きくなるに従い、不純物濃度がp型半導体領域104より低く、かつ幅が狭いp型半導体領域102、103にも電流経路が形成されていく。これにより、電流が急峻に流れ始めようとした時にも、一番不純物濃度が高く、かつ幅の広いp型半導体領域104に電流が集中してカソード電極に流れるため、臨界オン電流上昇率di/dtを改善することが実現することができる。この場合においても、チップサイズは従来構造のままで、臨界オン電流上昇率di/dtの改善を実現することができる。
上記によりサイリスタのサイズを従来と同じにしたまま、臨界オン電流上昇率di/dtを改善したサイリスタを実現することができる。
【0027】
また、図1のp型半導体層102の上面、p型半導体層103の上面、およびp型半導体層の上面104の形状は、例えば、図5の断面図のように、先端部が小さくなるp型半導体層202〜204のような形状でも良く、あるいは先端部が大きくなるような形状であっても良い。
【0028】
また、本実施形態では、図1と図5において断面図を用いて説明したが、上面から見たとき、p型半導体層102〜104、または、p型半導体層202〜204の上面は、例えば、図6(a)の上面レイアウト図のように帯状であっても良く、あるいは、図6(b)の上面レイアウト図のように同心状(円、四角等)であっても良い。
【0029】
また、本実施形態では、p型半導体層102の幅L1とp型半導体層103の幅L2が同一の例を説明したが、L1≦L2であっても良く、また、p型半導体層102とp型半導体層103の間隔L2と、p型半導体層103とp型半導体層104の間隔L4も同一でなくても良く、L2≦L4であっても良い。
【0030】
また、本実施形態では、pnpn型サイリスタの例を説明したが、不純物層のp型、n型を入れ替えたnpnp型サイリスタにおいても同一の効果が得られる。この場合、ゲート電極に負の電流を付加することでオンまたはオフ状態を制御する。
【0031】
また、本実施形態では、サイリスタ単体の構成について説明したが、半導体集積回路上に形成する場合にも有効である。
【0032】
さらにまた、本実施形態で説明時にあげた各領域の不純物濃度および厚み(深さ)の例に限られるものではなく、本実施形態における各半導体層の不純物濃度に応じた不純物濃度の関係、および、各半導体層の厚みに応じた関係であれば良い。
【符号の説明】
【0033】
1・・・アノード電極
2、6、10、101、102、103、104・・・p型半導体層
4、7・・・n型半導体層
5・・・アイソレーション
8・・・カソード電極
9・・・ゲート電極
11・・・ガードリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
p型の第1領域とn型の第2領域とp型の第3領域とn型の第4領域とが順に接合され、前記p型の第1領域にアノード電極部が接合されたサイリスタにおいて、
前記p型の第1領域内にあって前記アノード電極部に接するように形成された、前記p型の第1領域より不純物濃度の高い少なくとも2つのp型の第5領域と、
前記p型の第1領域内にあって前記アノード電極部に接し且つ前記2つのp型の第5領域の間に形成された、前記p型の第5領域より不純物濃度が高く、前記p型の第5領域より幅が広いp型の第6領域と、
を備えることを特徴とするサイリスタ。
【請求項2】
前記複数のp型の第5領域は、
前記p型の第6領域に近いほど不純物濃度が高くなるように形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のサイリスタ。
【請求項3】
前記複数のp型の第5領域は、
前記p型の第6領域に近いほど幅が広くなるように形成されている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のサイリスタ。
【請求項4】
前記複数のp型の第6領域は、
前記n型の第2領域の表面に垂直な方向から平面的に見た場合、前記p型の第3領域と重なりを有するように形成され、または、前記n型の第4領域と重なりを有するように形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のサイリスタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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