サプライチェーンマネージメントシステム
【課題】 機械加工品・大型部材の組立品を納入現地で組立生産する場合、調達計画の新規立案から計画変更まで効率良く管理するサプライチェーンマネージメントシステムを提供する。
【解決手段】 販売会社は、注文管理システム、製品データ管理システム、及び、調達情報入力端末を通して、起点となる注文製品の調達情報と製品データを転送する。組立製作会社は、組立情報入力端末及び調達集配サーバを通して、組立データから部品データへの自動展開、組立データへの製作リードタイムの決定、調達計画データ作成を行う。部品製作会社は、部品情報入力端末を通して、部品データへの製作リードタイム決定を行う。一方、調達コントロール代行会社は、処理伝達サーバ及び調達管理サーバを通して、各会社への調達指示と調達情報伝達、さらに、調達計画データの一元管理および配布を行う。
【解決手段】 販売会社は、注文管理システム、製品データ管理システム、及び、調達情報入力端末を通して、起点となる注文製品の調達情報と製品データを転送する。組立製作会社は、組立情報入力端末及び調達集配サーバを通して、組立データから部品データへの自動展開、組立データへの製作リードタイムの決定、調達計画データ作成を行う。部品製作会社は、部品情報入力端末を通して、部品データへの製作リードタイム決定を行う。一方、調達コントロール代行会社は、処理伝達サーバ及び調達管理サーバを通して、各会社への調達指示と調達情報伝達、さらに、調達計画データの一元管理および配布を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調達計画立案から実施計画変更までの調達ライフサイクルを管理するサプライチェーンマネージメントシステムに関する。本発明は、特に、現地生産する機械加工品・大型部材の組立品に好適なサプライチェーンマネージメントシステムに関する
【背景技術】
【0002】
大型の且つ単品注文の製品は、納入先の現地にて組み立てられる。このような場合、部品調達計画と生産計画は同等に位置付けられる。例えば、部品調達の遅延が生産工程の遅延を引き起こす。このため、部品調達計画の立案及び計画表の作成を、早期に、且つ正確に行う必要がある。また、部品の納期変更があった場合には、直ちに、部品調達計画及び生産工程を変更する必要がある。
【0003】
通常、販売会社、組立製作会社、部品製作会社等によってサプライチェーン構造が形成される。サプライチェーンシステムでは、組立製作会社・部品製作会社の生産能力と現在の生産負荷を加味した調達計画が立案され、それを全ての関係会社が可視的に共有し、変更イベントへ柔軟な対応ができることが要求される。これによって、サプライチェーン参加会社は、生産能力配分を効率化させ、最終的に組立品の製作期間短縮と品質向上をもたらすことができる。
【0004】
従来の技術では、特開平2002−207903公報のように、購入者と組立メーカ、部品メーカがインターネットのような広域ネットワークを利用し、製作リードタイムを決定する手段がある。また、特開平2003−15727公報のように、部品メーカとアセンブリメーカの調達計画を製品開発・製造会社が集中管理する手段もある。製品開発・製造会社のように調達の起点となる会社が、MRP(material requirements planning)システムを活用する事例もある。
【0005】
【特許文献1】特開平2002−207903公報
【特許文献2】特開平2003−015727公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の技術では、販売会社のような取り纏め会社が、調達リードタイムを一元管理している。しかしながら、販売会社は、組立製作会社や部品製作会社の現在の生産実情や生産負荷を加味した調達計画を立案できるとは限らない。
【0007】
組立製作会社や部品製作会社の生産能力を無視した調達計画が立案された場合、組立製作会社や部品製作会社は、調達実施に間に合わせるため、検査工程を省略し、劣悪な製品を出荷する可能性もある。さらに、調達計画を立案した後に、納期変更などのスケジュール変更が起きることもある。従って、最適な調達変更計画を再立案することは困難である。又は、変更調整に時間がかかると想定される。
【0008】
本発明の目的は、現地組立のような生産方式の期間短縮と品質向上にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によると、サプライチェーンマネージメントシステムは、販売会社、組立製作会社、部品製作会社、及び、調達コントロール代行会社から構成される。
【0010】
販売会社は、注文情報に合致した調達構成の発案と組立データ及び部品データの提供を行う。組立製作会社は、調達構成と組立データ及び部品データに基づいて部品製作会社の選定、組立データから部品データの分解・配布・合成、組立データ製作リードタイムの入力、調達計画データの作成を行う。部品製作会社は、部品データに基づいて部品製作リードタイムの入力を行う。調達コントロール代行会社は、各会社間を接続し調達処理の伝達・指示、及び調達計画の一元管理を行う。さらに、各会社で調達業務に利用するプログラムの管理や配布も行う。
【0011】
本発明のサプライチェーンマネージメントシステムにおける処理工程は、販売会社を起点とする最初の基本調達工程、基本調達工程実施後に調達計画を変更する再調達工程、組立代替選定工程、部品代替選定工程を含む。
【0012】
基本調達工程では、販売会社から調達コントロール代行会社を介して組立製作会社へ組立調達依頼が送信される。組立製作会社は、部品製作会社選定、組立製作リードタイム入力、調達計画データ作成を行う。また、部品製作会社は、部品製作リードタイム入力を行う。さらに、調達コントロール代行会社は、調達計画登録を行う。販売会社及び部品製作会社は調達コントロール代行会社から調達計画データを取り込むことができる。
【0013】
再調達工程では、販売会社から調達コントロール代行会社を介して組立製作会社及び部品製作会社へ納期変更通知が送信される。部品製作会社は、部品製作リードタイム再入力を行う。組立製作会社は、組立製作リードタイム再入力、及び調達計画再作成を行う。調達コントロール代行会社は、調達計画登録更新を行う。販売会社及び部品製作会社は調達コントロール代行会社から変更した最新の調達計画データを取り込むことができる。
【0014】
組立代替選定工程では、組立製作会社から調達コントロール代行会社を介して他組立製作会社へ納期変更通知が送信される。納期変更通知を受信した組立製作会社は、組立製作リードタイム入力、調達計画作成を行う。調達コントロール代行会社は、最適な調達条件を判定し、代替の組立製作会社を選定し、調達計画登録更新を行う。販売会社及び部品製作会社は調達コントロール代行会社から変更した最新の調達計画データを取り込むことができる。
【0015】
部品代替選定工程では、部品製作会社から組立製作会社を介して他部品製作会社へ納期変更通知が送信される。納期変更通知を受信した組立製作会社は、部品製作リードタイム入力を行い、最適な調達条件を判定し、代替の部品製作会社を選定し、調達計画再作成を行う。調達コントロール代行会社は、調達計画登録更新を行う。販売会社及び部品製作会社は調達コントロール代行会社から変更した最新の調達計画データを取り込むことができる。
【0016】
本発明によると、サプライチェーン構造を形成している販売会社、組立製作会社及び部品製作会社は、調達計画データ、部品データ及び組立データを共有することにより、各会社が生産実情を加味した製作リードタイムを算出し、その総和によって正確に調達計画を立案・共有化する。さらに、各会社に、調達計画データ、組立データ及び部品データを分散配置することにより、納期変更などのスケジュール変更があっても、最新・最適な調達計画データを作成し、自動的に更新する。サプライチェーン構造を形成する会社間で調達計画を最終実施まで共有し、調達計画の早期伝達を行う。それにより、各会社での生産体制の確立や柔軟な対応、および部品調達の確実性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0017】
販売会社では、最新の調達計画により顧客環境に合った納期調整が可能となる。また、調達計画立案のコントロールを調達コントロール代行会社に委託することにより、計画立案・実施調整を省略できる。組立製作会社では、現地での組立生産体制の調整や準備の迅速化が可能となる。部品製作会社では、調達計画に合った部品生産体制の調整と他社との関係が明確になる。更に、代替組立製作会社、代替部品製作会社の選定を容易に行うことにより、再調達計画立案を短期に作成することができる。
【0018】
以上の効果により、現地生産において、組立品生産における部品の調達計画予定と調達実施の乖離を最少に調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本例のサプライチェーンマネージメントシステムの構成図を示す。本例のサプライチェーンマネージメントシステムは、販売会社10、調達コントロール代行会社20、組立製作会社30、部品製作会社40を有し、部品、エネルギー、人材等の調達計画の立案から生産開始後の調達を管理する。販売会社10は、注文製品の調達情報を入力し、調達計画データを表示する調達情報入力端末11、顧客からの注文情報を管理する注文管理システム12、販売する製品の3次元データを管理する製品データ管理システム13、調達計画データを格納する調達計画データベース115、調達計画立案の起点となる顧客からの注文情報を格納する注文情報データベース121、及び、販売する製品の3次元データを格納する製品データベース131を有する。
【0020】
調達コントロール代行会社20は、組立製作会社30及び部品製作会社40の各会社に調達処理を伝達する処理伝達サーバ21、調達計画データを一元管理する調達管理サーバ22、取引先に関する情報を格納する取引先データベース216、及び、調達計画を格納する調達計画データベース224を有する。
【0021】
組立製作会社30は、組立情報を入力する組立情報入力端末31、組立データの分解と部品データの合成を行い、調達計画を作成する調達集配サーバ32、販売する製品の組立情報の3次元データを格納する組立情報データベース324、取引先に関するデータを格納する取引先データベース325、販売する製品の部品の3次元データを格納する部品データベース326、及び、調達計画を格納する調達計画データベース327を有する。部品製作会社40は、部品データに調達リードタイムを埋め込む部品情報入力端末41、調達計画を格納する調達計画データベース416、及び、部品の3次元データを格納する部品データベース417を有する。各会社の端末、システム、サーバは、インターネットをベースとしたネットワーク3に接続されている。
【0022】
尚、組立製作会社30の組立情報入力端末31及び部品製作会社40の部品情報入力端末41は、ビューイング機能を搭載しており、組立データおよび部品データなどの3次元データを視覚的に表示することができる。また、組立製作会社30の組立情報入力端末31及び部品製作会社40の部品情報入力端末41は、調達実行前に、調達コントロール代行会社のホームページから、専用プログラムをダウンロードする。
【0023】
本例のサプライチェーンマネージメントシステムでは、顧客現地1から携帯電話2を介して納入実績を伝達する経路が確立されている。例えば、携帯電話2からのアクセスは、携帯電話網からインターネットを経由して、調達コントロール代行会社20の処理伝達サーバ21に接続される。更に、各会社間の信用情報を管理するために認証局4を設置する。認証局4には、各会社間からの信用情報を管理する認証システム5が稼動している。本認証局は、調達コントロール代行会社20に設置されていてもよい。
【0024】
図2は、調達計画を動的に修正する処理を分類して表に表したものである。計画イベント50は計画実行前56と計画実行中57に分類される。計画実行前56は、現在の調達フロー実施が調達計画立案配布直後であることを示し、計画実行中57は、現在の調達フロー実施が調達計画実施開始後であることを示す。尚、調達計画を実施する段階は、各組立製作会社、部品製作会社での一部生産開始後である。納期変更元51は、納期変更要求元会社を示す。納期変更要求元は、販売会社、組立製作会社、部品製作会社のいずれかである。納期変更イベント52は、納期を事前に短縮する前倒し要求58と実施時期を延期する延期要求59に分類される。
【0025】
納期変更可能条件53は、調達計画データの修正可能性タイミングを定義する。組立開始前60は、調達部品の組立生産を開始する以前のタイミングであることを示す。また、当該部品製作開始前61は、対象となる部品製作会社が部品製作を開始する以前のタイミングであることを示す。
【0026】
対応フロー54は、計画イベント50、納期変更元51、納期変更イベント52、納期変更可能条件53に対応した調達フローを示す。調達フローは、新規に調達を開始する基本調達チャート62、基本調達チャートを再度実行する再調達チャート63、納期変更要求に合致した組立製作会社を変更するための組立代替選定チャート64、及び、納期変更要求に合致した部品製作会社を変更するための部品代替選定チャート65に分類される。対応フロー54の各欄には、1つのチャート又は2つのチャートが定義されている。2つのチャートが定義されている場合、上段は新規に調達計画を立案するフローであり、下段は、納期変更に合致した変更フローを示す。対応フロー条件55は、対応フローを実施するための制約条件を定義する。例えば、「製作開始前の部品製作会社を対象66」は、最初に基本調達チャートで調達フローを実行し、販売会社の納期延期要求に対して、再調達チャートを実行した場合、基本調達チャートで選定した部品製作会社をそのまま利用することを示す。計画実行前、計画実行中を通して、納期変更要求がなかった場合、基本調達チャートのみが実行される。
【0027】
図2の対応フロー54は、基本調達チャート62、再調達チャート63、組立代替選定チャート64及び部品代替選定チャート65の4つのチャートを含む。調達フローは、この4つのチャートの組み合わせによって構成される。次に、この4つのチャートを順に、図3〜図6までを図7のシステム機能図を参照して説明する。また図7の処理経路を(1)などの記号で示す。
【0028】
図3を参照して基本調達チャートの処理を説明する。尚、同時に、図7を参照する。ステップS100の組立調達依頼ステップについて説明する。ユーザは、販売会社10の調達情報入力端末11の入出力装置111を使用し、注文管理システム12にアクセスする。注文管理システム12の注文情報検索部122は、注文情報データベース121より注文製品の調達情報を抽出(1)する。調達情報には、組立データ名、顧客納期、配送条件などの調達実施に必要な情報が含まれる。注文情報検索部122は、調達情報を、調達情報入力端末11の注文情報転送部112を介して、調達イベント送信部114に送出(2)する。調達イベント送信部114は、調達コントロール代行会社20の処理伝達サーバ21の調達イベント受信部211に、注文製品の調達情報を含む組立調達依頼を転送(3)する。こうして、販売会社10から調達コントロール代行会社20へ組立調達依頼が送信される。
【0029】
次に、ステップS101の組立製作会社決定通知ステップを説明する。調達コントロール代行会社20の処理伝達サーバ21の調達イベント受信部211は、調達イベント解析部214に、組立調達依頼を送出(4)する。調達イベント解析部214は、組立調達依頼が新規依頼であるか否かを判定し、新規依頼である場合には、それを新規の調達情報として、調達構成データ記憶部215に書き込む(5)。調達イベント解析部214は、調達構成データ記憶部215から、現在計画実施中の組立製作会社名を抽出し、次に、取引先データベース216から、抽出した現在計画実施中の組立製作会社以外の組立製作会社を抽出(6)し、それを会社情報として調達構成データ記憶部215に書き込む。調達イベント解析部214は、取引先データベース216から、全ての部品製作会社の情報を抽出する。
【0030】
調達イベント解析部214は、調達構成データ記憶部215を介して、調達イベント送信部212へ、調達情報を転送(7)する。一方、組立製作会社選定処理部213は、調達構成データ記憶部215に書き込まれた会社情報から、組立製作会社を選定(8)し、それを調達イベント送信部212へ転送(9)する。調達イベント送信部212は、選定した組立製作会社30の調達集配サーバ32の調達イベント受信部322に、組立製作会社決定通知、調達情報、及び、部品製作会社の情報を送信(10)する。こうして、調達コントロール代行会社20から組立製作会社30に組立製作会社決定通知が送信される。
【0031】
次に、ステップS102の組立データ取込ステップを説明する。組立製作会社30の調達集配サーバ32の調達イベント受信部322は、組立データ転送部321に組立データの転送を依頼(11)する。調達イベント受信部322は、これと同時に、部品製作会社の会社情報を取引先データベース325に格納(12)する。組立データ転送部321は、販売会社10の製品データ管理システム13のデータ入出力部132にアクセスして、当該組立データの送出を依頼(13)する。データ入出力部132は、製品データベース131から組立データを抽出し、それを組立製作会社30の組立データ転送部321に転送する。
【0032】
次に、ステップS103の部品製作会社選定ステップを説明する。組立製作会社30の調達集配サーバ32の組立データ転送部321は、組立情報入力端末31の組立データ閲覧部312に部品製作会社選定を依頼(14)する。組立データ閲覧部312は、取引先データベース325から部品製作会社の情報を取込み(15)、それを取引先データ記憶部314に格納(18)する。同様に、組立データベース324から組立データを取込み(16)、それを組立データ記憶部313に格納(17)する。組立データ閲覧部312は、組立データ記憶部313の組立データを部品データに展開し、取引先データ記憶部314の部品製作会社の情報を参照しながら、展開した部品データに対応する部品製作会社を選定する。
【0033】
尚、組立データ閲覧部312は、ビューイング機能を搭載しており、組立データおよび部品データなどの3次元データを視覚的に表示することが可能である。また、組立データ閲覧部312は、図示していないが、本調達実行前に、調達コントロール代行会社のホームページから、専用プログラムをダウンロードしていると想定する。
【0034】
次に、ステップS104の部品製作会社決定通知ステップを説明する。組立製作会社30の組立情報入力端末31の組立データ閲覧部312は、選定した部品製作会社に関する会社情報を調達イベント送信部323に転送(21)する。調達イベント送信部323は、調達コントロール代行会社20の処理伝達サーバ21の調達イベント受信部211に、選定した部品製作会社に関する会社情報を転送(22)する。調達イベント解析部214は、調達イベント受信部211から送信された部品製作会社に関する会社情報に基づいて、調達構成データ記憶部215の会社情報を更新する。
【0035】
次に、ステップS105の部品調達依頼ステップを説明する。調達コントロール代行会社20の処理伝達サーバ21の調達イベント解析部214は、調達構成データ記憶部215から部品製作会社の情報を抽出し、それを調達イベント送信部212に転送(7)する。調達イベント送信部212は、当該部品製作会社40の部品情報入力端末41の調達イベント受信部412に部品調達依頼を転送(23)する。
【0036】
次に、ステップS106の部品データ取込ステップを説明する。先ず、組立製作会社30の組立情報入力端末31の組立データ閲覧部312は、調達集配サーバ32の部品データ分解部329を呼び出し(19)、組立データから部品データへの分解を命令する。部品データ分解部329は、分解した部品データを部品データベース326に格納(31)する。部品製作会社40の部品情報入力端末41の調達イベント受信部412は、部品データ授受部413を呼び出す(24)。部品データ授受部413は、組立製作会社30の調達集配サーバ32の部品データ授受部331に、部品データの転送を依頼(25)する。部品データ授受部331は、部品データベース326からの部品データを、部品データ授受部413に転送(26)する。部品データ授受部413は、転送された部品データを部品データベース417に格納(27)する。
【0037】
次に、ステップS107の部品製作リードタイム入力ステップを説明する。部品製作会社40の部品情報入力端末41の部品データ授受部413は、部品データ閲覧部414を呼び出す(28)。部品データ閲覧部414は、部品データベース417から部品データを読込み(29)、入出力装置411を介して、部品を3次元的に表示する。入出力装置411を介して、部品の製作リードタイムと配送リードタイムが入力される。リードタイム入力は、部品データに埋め込まれている仕様記述と配送条件を参照しながら行われる。リードタイム入力処理の例は、後に、図12を参照して説明する。
【0038】
尚、部品製作会社40の部品情報入力端末41の部品データ閲覧部414は、図示していないが、本調達実行前に、調達コントロール代行会社のホームページから、専用プログラムをダウンロードしていると想定する。
【0039】
次に、ステップS108の部品データ送出ステップを説明する。部品製作会社40の部品情報入力端末41の部品データ閲覧部414は、部品データ授受部413を呼び出し、部品データベース417の部品データを読み出し、それを、部品製作会社30の調達集配サーバ32の部品データ授受部331に、転送する(28)(27)(25)。
【0040】
調達集配サーバ32は、部品データ授受部331を介して転送される部品データを常時監視し、部品データが全て転送されると部品データ合成部336を呼び出す(30)。
【0041】
部品データ合成部336は、部品データの属性データである製作リードタイムと配送リードタイムをチェックしながら部品データから組立データを復元し、それを組立データベース324に格納する。
【0042】
次に、ステップS109の組立製作リードタイム入力ステップを説明する。組立製作会社30の組立情報入力端末31の組立データ閲覧部312は、組立データベース324から、組立データを読み込み、それを再度、組立データ記憶部313に格納(16)(17)する。組立データ記憶部313に格納された組立データは入出力装置311を介して表示される。入出力装置311を介して、組立製作リードタイムが入力される。組立製作リードタイムは、属性データとして組立データに埋め込まれる。組立製作リードタイムの入力処理の例は、後に、図13を参照して説明する。
【0043】
次に、ステップS110の調達計画作成ステップを説明する。組立製作会社30の組立情報入力端末31の組立データ閲覧部312は、組立データ記憶部313の組立データの属性データを計画データ作成部332に転送する(17)(32)。計画データ作成部332は、組立データの属性データに基づいて調達計画データを作成し、それを調達計画データベース327に格納する(33)。調達計画データの例は図15に示す。
【0044】
次に、ステップS111の調達計画データ送出ステップを説明する。組立製作会社30の調達集配サーバ32の計画データ送信部328は、調達計画データベース327より調達計画データを抽出し、それを調達コントロール代行会社20の調達管理サーバ22の計画データ受信部221に転送する(35)(36)。
【0045】
次に、ステップS112の調達計画登録ステップを説明する。調達コントロール代行会社20の調達管理サーバ22の計画データ受信部221は、調達計画データを受信すると、それを、計画データ登録部222に転送(37)する。計画データ登録部222は、調達計画データを調達計画データベース224に登録(38)し、計画データ送信部223にそれを報告(39)する。
【0046】
最後に、ステップS113及びS114の調達計画データ取込ステップを説明する。調達コントロール代行会社20の調達管理サーバ22の計画データ送信部223は、調達計画データベース224から調達計画データを抽出(40)し、処理伝達サーバ21の調達構成データ記憶部215からの販売会社と部品製作会社の会社情報を入手(41)し、それらのアドレスを抽出する。
【0047】
調達管理サーバ22の計画データ送信部223は、先ず、部品製作会社40の部品情報入力端末41の計画データ受信部415に調達計画データを転送(42)する。計画データ受信部415は、調達計画データを調達計画データベース416に格納(43)する。
【0048】
調達管理サーバ22の計画データ送信部223は、更に、販売会社10の調達情報入力端末11の計画データ受信部113に調達計画データを転送(44)する。計画データ受信部113は、調達計画データを調達計画データベース115に格納(45)する。
【0049】
部品製作会社40は、調達計画データに基づいて部品を図1の顧客現地1に納入する。携帯電話2によって、対象部品の到着日時を含む到着情報が送信される。到着情報は、中継サーバ、及び、ネットワーク3を介して、調達コントロール代行会社20の処理伝達サーバ21の調達イベント受信部211に送信される。到着情報は、調達イベント解析部214を介して、調達構成データ記憶部215に書き込まれる。到着情報は、更に、調達管理サーバ22の計画データ送信部223を介して、調達計画データベース224に送信される。それにより、調達計画データベース224の当該調達計画データの対象部品スケジュール情報が更新される。
【0050】
次に、図4を参照して再調達チャートの処理を説明する。尚、同時に、図7を参照する。先ず、ステップS150の納期変更通知ステップを説明する。販売会社10の注文管理システム12は、調達情報入力端末11の注文情報転送部112に、納期変更情報を転送(1)する。注文情報転送部112は、調達計画データベース115の該当注文データを参照し、調達イベント送信部114に納期変更情報の転送を依頼(2)する。調達イベント送信部114は、調達コントロール代行会社20の処理伝達サーバ21の調達イベント受信部211に、納期変更情報を転送(3)する。
【0051】
ステップS151及びステップS152の再リードタイム算出依頼ステップを説明する。調達コントロール代行会社20の処理伝達サーバ21の調達イベント受信部211は、納期変更情報を受信すると、それを調達イベント解析部214に送信(4)する。調達イベント解析部214は、調達構成データ記憶部215にアクセスし、調達計画実施前であるか否かをチェック(5)する。ここでは、納期変更が調達計画実施前であると仮定する。
【0052】
処理伝達サーバ21の調達イベント送信部212は、組立製作会社30の調達集配サーバ32の調達イベント受信部323に納期変更情報を転送(10)し、再リードタイム算出を依頼する。同時に、処理伝達サーバ21の調達イベント送信部212は、部品製作会社40の部品情報入力端末41の調達イベント受信部412に納期変更情報を転送(23)し、再リードタイム算出を依頼する。
【0053】
調達集配サーバ32は、部品データ授受部331を介して転送される部品データを常時監視し、部品データが全て転送されると部品データ合成部336を呼び出す(30)。
【0054】
上述のステップS108と同様に、部品データ合成部336は、部品データの属性データである製作リードタイムと配送リードタイムをチェックしながら部品データから組立データを復元し、それを組立データベース324に格納する。
【0055】
ステップ153の部品製作リードタイム入力ステップとステップ154の部品データ送出ステップを説明する。部品製作会社40の部品情報入力端末41の調達イベント受信部412は、納期変更情報を受信すると、部品データ閲覧部414に部品製作リードタイム入力を依頼する。部品データ閲覧部414は、部品データベース417の部品データに、納期変更後の部品製作リードタイムを埋め込む(29)。部品製作リードタイム入力の例は図12を参照して説明する。次に、部品情報入力端末41の部品データ授受部413は、組立製作会社30の調達集配サーバ32の部品データ授受部331に部品データを送出(25)する。部品データ授受部331は部品データを部品データベース326に格納(26)する。
【0056】
ステップS155の組立製作リードタイム入力ステップとステップS156の調達計画作成ステップを説明する。組立製作会社30の組立情報入力端末31の組立データ閲覧部312は、再度、組立製作リードタイムを入力する(46)(16)(17)。組立製作リードタイム入力の例は図13に示す。次に、組立製作会社30の調達集配サーバ32の計画データ作成部332は、再度、組立データベース324の組立データから調達計画データを作成(20)し、それを調達計画データベース327に格納(33)する。
【0057】
ステップS157の調達計画データ送出ステップとステップS158の調達計画登録ステップを説明する。組立製作会社30の調達集配サーバ32の計画データ送信部328は、調達コントロール代行会社20の調達管理サーバ22の計画データ受信部221に、調達計画データベース327に格納された変更後の調達計画データを送出(36)する。調達管理サーバ22の計画データ登録部222は、転送された調達計画データを調達計画データベース224に登録する。
【0058】
ステップS159及びステップS160の調達計画データ取込ステップを説明する。調達コントロール代行会社20の調達管理サーバ22の計画データ送信部223は、部品製作会社40の部品情報入力端末41の計画データ受信部415と、販売会社10の調達情報入力端末11の計画データ受信部113に、変更後の調達計画データを転送する(37)(38)(39)(40)(41)(42)(44)。
【0059】
ここでは、納期変更が調達計画実施前に行われたと仮定した。納期変更が調達計画実施中の行われた場合には、部品製作開始前の部品データ情報を検索すると同時に、この部品データに対応する部品製作会社に通知し、ステップS153の部品製作リードタイム入力以後の上記のステップを行う。
【0060】
次に、図5を参照して組立代替選定チャートの処理を説明する。尚、同時に、図7を参照する。ステップS170の納期延期通知ステップ及びステップS171の組立データ送出ステップを説明する。調達計画データ配布後、又は、調達計画実施中且つ組立製作開始前に、第1の組立製作会社30Aの調達集配サーバ32の調達イベント送信部323は、調達コントロール代行会社20の処理伝達サーバ21の調達イベント受信部211に、納期遅延通知を送信(22)し、同時に、組立データベース324の組立データを送信する。
【0061】
次に、ステップS172及びステップS173の組立製作リードタイム算出依頼ステップ、ステップS174及びステップS175の組立データ取込ステップを説明する。調達コントロール代行会社20の処理伝達サーバ21の調達イベント受信部211は、納期延期通知と組立データを受信すると、それを、調達イベント解析部214に送出(4)する。調達イベント解析部214は、納期延期通知と組立データを、調達構成データ記憶部215に格納(5)する。調達イベント送信部212は、第2、第3の組立製作会社30B、30Cの調達集配サーバ32の調達イベント受信部322に、組立製作リードタイム算出依頼を送信し、同時に、組立データを送信する。
【0062】
ステップS176及びステップS177の組立製作リードタイム入力ステップ、ステップS178及びステップS179の調達計画作成ステップを説明する。各組立製作会社30B、30Cの組立情報入力端末31の組立データ閲覧部312は、組立製作リードタイム入力を行う。組立製作リードタイム入力は、図3の基本調達チャートのステップS109と同様である。各組立製作会社30B、30Cの調達集配サーバ32の計画データ作成部332は、調達計画を作成する。調達計画を作成は、図3の基本調達チャートのステップS110と同様である。
【0063】
ステップS180及びステップS181の調達計画データ送出ステップを説明する。各組立製作会社30B、30Cの組立情報入力端末31の計画データ送信部328は、調達コントロール代行会社20の調達伝達サーバ21の計画データ受信部221に計画データを送信(36)する。これは、図3の基本調達チャートのステップS111と同様である。
【0064】
ステップS182の組立製作リードタイム判定ステップ、ステップS183の調達計画登録、及び、ステップS184の調達決定通知ステップを説明する。調達コントロール代行会社20の調達管理サーバ22の計画データ受信部221は、計画データを受信すると、それを計画データ登録部222に送信(37)する。計画データ登録部222は、各組立製作会社からの調達計画データについて、納期変更に対応できる最も近いデータを選定する。そして、選定した調達計画データを調達計画データベース224に格納(38)する。本例では、第3の組立製作会社30Cが選定されたと仮定する。
【0065】
調達コントロール代行会社20の調達管理サーバ22の計画データ送信部223は、処理伝達サーバ21の調達構成データ記憶部215に新調達計画データを送出する。調達構成データ記憶部215は、調達構成データを更新し、それを調達イベント送信部212に送出する。調達イベント送信部212は、調達決定通知及び調達構成データを、第3の組立製作会社30Cの調達集配サーバ32の調達イベント受信部322に送信する。
【0066】
ステップS185及びステップS186の調達計画データ取込ステップを説明する。調達コントロール代行会社20の調達管理サーバ22の計画データ送信部223は、調達計画データベース224から最新の調達計画データを抽出し、それを販売会社10の調達情報入力端末11の計画データ受信部113に送信する。計画データ受信部113は、受信した調達計画データによって、調達計画データベース115に格納されたデータを更新する。これと同時に、調達コントロール代行会社20の調達管理サーバ22の計画データ送信部223は、調達計画データベース224から最新の調達計画データを抽出し、それを部品製作会社40の部品情報入力端末41の計画データ受信部415に送信する。計画データ受信部415は、受信した調達計画データによって、調達計画データベース416に格納されたデータを更新する。
【0067】
次に、図6を参照して部品代替選定チャートの処理を説明する。尚、同時に、図7を参照する。ステップS200の納期延期通知ステップを説明する。調達計画データ配布後、又は、調達計画実施中且つ組立製作開始前に、第1の部品製作会社40Aから組立製作会社30に納期遅延通知が送信される。この通知は、特に図示していないが、メール等の情報伝達手段を活用しているものとする。
【0068】
ステップS201及びステップS202の部品製作リードタイム算出依頼ステップを説明する。組立製作会社30の組立情報入力端末31の組立データ閲覧部312は、取引先データ記憶部314から代替用の部品製作会社を選択する。ここでは、第2及び第3の部品製作会社40B、40Cを選択したと仮定する。組立製作会社30は、図示していないが、メール等の情報伝達手段を活用して、第2及び第3の部品製作会社40B、40Cに部品製作リードタイム算出依頼を通知する。尚、この部品製作リードタイム算出依頼201、202は、調達コントロール代行会社20の処理伝達サーバ21を利用して行ってもよいが、本例では、調達レスポンスの迅速化のため、メール等の伝達手段を採用する。従って、組立製作会社は、独自に部品調達変更管理を行うことができる。
【0069】
ステップS203、及び、ステップS204の部品データ取込ステップを説明する。各部品製作会社40B、40Cの部品情報入力端末41の部品データ授受部413は、組立製作会社30の調達集配サーバ32の部品データ授受部331にアクセスして、部品データベース326から部品データを入手(25)(26)する。各部品製作会社40B、40Cの部品情報入力端末41の部品データ授受部413は、入手した部品データを、部品データベース417に格納(27)する。
【0070】
ステップS205、及び、ステップS206の部品製作リードタイム入力ステップを説明する。各部品製作会社40B、40Cの部品情報入力端末41の部品データ閲覧部414は、部品製作リードタイム入力を行う。部品製作リードタイム入力は、図3の基本調達チャートのステップS107と同様である。
【0071】
ステップS207、及び、ステップS208の部品データ送出ステップを説明する。各部品製作会社40B、40Cの部品情報入力端末41の部品データ授受部413は、部品製作リードタイム入力後の部品データを組立製作会社30に送信する。本例では、部品データ取込と同一経路で送信される。
【0072】
ステップS209の部品製作リードタイム判定ステップ、ステップS210の調達計画作成ステップ、及び、ステップS211の調達決定通知ステップを説明する。組立製作会社30の調達集配サーバ32の計画データ作成部332は、各部品製作会社40B、40Cから送信された部品データより、その属性データである製作リードタイムと配送リードタイムを抽出し、納期に対応できる最も近い部品製作会社を選定する。本例では、第2の部品製作会社40Bが選定されたと仮定する。組立製作会社30の調達集配サーバ32の計画データ作成部332は、新たな調達計画データベース327を作成し、それを調達計画データベース327に格納(33)する。
【0073】
組立製作会社30は、選定した第2の部品製作会社40Bに調達決定通知を送信する。調達決定通知211の送信方法は、図示していないが、メール等の情報伝達手段を使用してよい。
【0074】
ステップS212の調達計画データ送出ステップを説明する。組立製作会社30の調達集配サーバ32の計画データ送信部328は、調達計画データベース327の調達計画データを調達コントロール代行会社20の調達管理サーバ22の計画データ受信部221に送信(35)(36)する。調達計画データ送出は、図3の基本調達チャートのステップS111と同様である。
【0075】
ステップS213の調達計画登録ステップ、ステップS214及びステップS215の調達計画データ取込ステップを説明する。調達コントロール代行会社20の調達管理サーバ22の計画データ登録部222は、最新の調達計画データによって、調達計画データベース224の調達計画データを更新(37)(38)(39)する。調達計画登録は、図3の基本調達チャートのステップS112と同様である。
【0076】
調達コントロール代行会社20の調達管理サーバ22の計画データ送信部223は、調達計画データベース224から最新の調達計画データを抽出し、それを、販売会社10の調達情報入力端末11の計画データ受信部113に送信する。計画データ受信部113は、受信した最新の調達計画データによって、調達計画データベース115の調達計画データを更新する。同様に、調達コントロール代行会社20の調達管理サーバ22の計画データ送信部223は、調達計画データベース224から最新の調達計画データを抽出し、それを、第2の部品製作会社40Bの部品情報入力端末41の計画データ受信部415に送信する。計画データ受信部415は、受信した最新の調達計画データによって、調達計画データベース416の調達計画データを更新(42)(43)する。これらの調達計画データ取込は、図3の基本調達チャートのステップS113、S114と同様である。
【0077】
図7を参照して本例のサプライチェーンマネージメントシステムの構成の概要を説明する。サプライチェーンマネージメントシステムは、販売会社10、調達代行コントロール会社20、組立製作会社30、及び、部品製作会社40を有する。販売会社10は、調達情報入力端末11、注文管理システム12、及び、製品データ管理システム13を有する。調達情報入力端末11は、入出力装置111、注文情報転送部112、計画データ受信部113、調達イベント送信部114、及び、調達計画データベース115を有する。注文管理システム12は、注文情報データベース121、及び、注文情報検索部122を有する。製品データ管理システム13は、製品データベース131、及び、データ入出力部132を有する。
【0078】
調達代行コントロール会社20は、処理伝達サーバ21、及び、調達管理サーバ22を有する。処理伝達サーバ21は、調達イベント受信部211、調達イベント送信部212、組立製作会社選定処理部213、調達イベント解析部214、調達構成データ記憶部215、及び、取引先データベース216を有する。調達管理サーバ22は、計画データ受信部221、計画データ登録部222、計画データ送信部223、及び、調達計画データベース224を有する。
【0079】
組立製作会社30は、組立情報入力端末31、及び、調達集配サーバ32を有する。組立情報入力端末31は、入出力装置311、組立データ閲覧部312、組立データ記憶部313、及び、取引先データ記憶部314を有する。調達集配サーバ32は、組立データ転送部321、調達イベント受信部322、調達イベント送信部323、組立データベース324、取引先データベース325、部品データベース326、調達計画データベース327、計画データ送信部328、部品データ分解部329、部品データ合成部336、部品データ授受部331、及び、計画データ作成部332を有する。
【0080】
部品製作会社40は、部品情報入力端末41を有する。部品情報入力端末41は、入出力装置411、調達イベント受信部412、部品データ授受部413、部品データ閲覧部414、計画データ受信部415、調達計画データベース416、及び、部品データベース417を有する。
【0081】
図8を参照して製品データベース131、取引先データベース216、及び、調達計画データベース224に格納されているデータの例を説明する。製品データベース131の製品データ650は、モデル番号、モデル名、更新日時、3次元データを含む。3次元データについては後に詳細に説明する。取引先データベース216の取引先データ651は、会社コード、会社名、役割、専任者名、接続アドレス、調達回数、調達不備実績を含む。役割は、部品製作会社、組立製作会社等を示す。調達計画データベース224の調達計画データ652は、計画コード、組立データ番号、配送仕様、調達計画データを含む。
【0082】
図9を参照して、図1の調達情報入力端末11、組立情報入力端末31、及び、部品情報端末41のハードウェア構成の例を示す。本例の情報入力端末は、主記憶装置760、補助記憶装置761、通信制御装置762、CPU装置763、及び、入出力装置764を有する。主記憶装置760は、現在処理しているデータを一時的に格納する。主記憶装置760は、組立情報入力端末31の組立データ記憶部313、及び、取引先データ記憶部314に相当する。補助記憶装置761は、一時的に、主記憶装置で格納できないデータを保存する。補助記憶装置761は、調達情報入力端末11の調達計画データベース115、部品情報端末41の調達計画データベース416、及び、部品データベース417に相当する。
【0083】
通信制御装置762は、処理伝達サーバ、調達管理サーバとの間の通信を制御し、調達イベントの送受信や計画データの送受信を行う。CPU装置763は、各情報入力端末における処理を行う。CPU装置763は、組立情報入力端末31の組立データ閲覧部312、部品情報入力端末41の部品データ閲覧部414に相当する。入出力装置764は、ディスプレイ765、キーボード766及びマウス767を含む。組立データや部品データのビュー表示を支援し、製作リードタイム、配送リードタイム入力を支援する。入出力装置764は、調達情報入力端末11、組立情報入力端末31及び部品情報入力端末41の入出力装置111、311、411に相当する。
【0084】
図10を参照して、本発明によるサプライチェーンマネージメントシステムの動作の例を説明する。ここでは、組立名MODPAT001である製品を想定する。斜視図1000は、この製品の組立モデルを示す。部品展開図1001は、MODPAT001組立モデルを部品へ展開した状態を示す。このMODPAT001組立モデルは、部品名IX、IV、YP、YS、LMの部品モデルから構成されている。また、組立モデル及び部品モデルは3次元にて表示される。
【0085】
部品データ1002、1003、1004は、各部品製作会社40A、40B、40Cの部品データベース417、及び、組立製作会社30の調達集配サーバ32の部品データベース326に格納された部品データの例を示す。図示のように、部品データは、部品名、数量、順位、製作リードタイム、配送リードタイムを含む。これらの項目は、属性データとして、部品モデルに組み込まれる。
【0086】
組立データ1005は、組立製作会社30の組立データベース324に格納された組立データの例を示す。図示のように、組立データは、組立名、製作リードタイムを含む。これらの項目は、属性データとして、組立モデルに組み込まれる。
【0087】
こうして部品モデル、及び、組立モデルに属性データを組み込むことによって、組立モデル及び部品モデルに調達計画作成上の必要属性データを保存することが可能となる。
【0088】
図11を参照して組立製作会社が部品製作会社を選定する処理の例を説明する。これは、図3の基本調達チャートのステップS103の部品製作会社選定ステップに相当する。図11は、組立製作会社30の入出力装置311に表示された画面を示す。ここでは、図10の部品展開図1001の部品モデルの製作を依頼する部品製作会社を選定する画面の例を示す。先ず、モデル表示ボタン2012を押すと、画面の中央に3次元の部品展開図が表示される。次に、モデル選定ボタン2013を押し、IV部品モデル2011のように部品モデルの1つを選択する。ここでは、IV部品モデル2011を選択したと仮定する。画面の右側に、部品製作会社一覧2014が表示される。そこで1つの部品製作会社を選択する。決定条件2010には、部品モデル名「IV」と部品製作会社名「A社」の関係が表示される。こうして、部品モデルIVに対して、部品製作会社としてA社が選定される。これを全ての部品モデルに対して繰り返せばよい。
【0089】
図12を参照して各部品製作会社が部品製作リードタイムを決定し、それを入力する処理を説明する。これは、図3の基本調達チャートのステップS107の部品製作リードタイム入力ステップに相当する。図12は、部品製作会社40の入出力装置411に表示された画面を示す。ここでは、組立モデルMODPAT001の部品データIVについて、部品製作リードタイムを決定する。先ず、モデル取込ボタン3023を押すと、画面の中央に3次元の部品モデル3021が表示される。同時に、この部品モデルの属性データとして、製作仕様3020、配送仕様3022、部品データコード、部品データ名、製作会社名3025が表示される。これらの条件データを考慮に入れて、優先順位3026、製作リードタイム3027、配送リードタイム3028を入力する。入力後、属性決定ボタン3024を押すと、部品製作リードタイム3029が計算され、表示され、更に、属性データとして部品モデルIVに書き込まれる。
【0090】
図12の例では、製作リードタイムは3日、配送リードタイムは1日である。従って、部品製作リードタイムは4日となる。こうして、部品製作リードタイム4日が、部品モデルIVの属性データとなる。尚、これらの処理は、部品製作会社40の部品情報入力端末41の部品データ閲覧部414が行う。
【0091】
図13を参照して組立製作会社が組立製作リードタイムを決定し、それを入力する処理を説明する。これは、図3の基本調達チャートのステップS109の組立製作リードタイム入力ステップに相当する。図13は、組立製作会社30の入出力装置311に表示された画面を示す。ここでは、MODPAT001組立モデルについて、組立製作リードタイムを決定する。モデル取込ボタン4102を押すと、画面の中央に3次元の組立モデル4101が表示される。同時に、更に、この組立モデルの属性データとして、組立仕様4100、組立データコード、組立データ名、製作会社名、取り纏め仕様4104が表示される。これらの条件データを考慮に入れて、組立製作リードタイム4105を入力する。入力後、属性決定ボタン4103を押すと、組立製作リードタイム4105は、属性データとして組立モデルに書き込まれる。
【0092】
図13の例では、組立製作リードタイム4105は12日である。こうして、組立製作リードタイム12日が、MODPAT001組立モデルの属性データとなる。尚、これらの処理は、組立製作会社30の組立情報入力端末31の組立データ閲覧部312が行う。
【0093】
図14を参照して組立製作会社が調達計画データを作成する方法を説明する。これは、図3の基本調達チャートのステップS110の調達計画作成ステップに相当する。ステップ5300にて、組立情報入力端末31の組立データ閲覧部312は、組立データ記憶部313より組立データの読み込みを開始する。ステップ5301にて、全ての組立データを読み込んだか否かを判定する。全ての組立データを読み込んでいない場合にはステップ5302に進み、全ての組立データを読み込んだ場合にはステップ5306に進む。
【0094】
ステップ5302にて、調達集配サーバ32の部品データ分解部329は、組立データを部品データに分解し、部品データを順次読込む。ステップ5303にて、部品データの属性データを抽出する。属性データとして、例えば、部品データ名、部品製作リードタイム、部品製作会社を抽出する。抽出した属性データを、調達計画データベース327に付加する。ステップ5304にて、優先順位が存在するか否かを判定する。優先順位が存在する場合には、ステップ5305に進み、優先順位が存在しない場合には、ステップ5301に戻る。ステップ5305にて、優先順位を属性データとして、調達計画データベース327に付加する。これらの処理を全部品データについて実行すると、ステップ5306に進む。ステップ5306にて、部品データ合成部336は、部品データを合成し、組立データを作成する。こうして生成された組立データから、組立製作会社名、組立製作リードタイムを抽出し、それを再度、調達計画データベース327に付加する。
【0095】
図15は、調達計画データのフォーマットの例を示す。データフォーマット6600は、XML(eXtensibleMarkupLanguage)形式で表現される。これを専用の閲覧用ビュアープログラムを通すと、調達計画データ図6605が表示される。調達計画データ図6605は、調達概要を示すヘッダ情報6601、6604、部品製作会社の調達データ6602、組立製作会社の調達データ6603を含む。
【0096】
図16を参照して組立製作会社が部品代替選定を行う方法を説明する。これは、図6の部品代替選定チャートのステップS210の調達計画作成ステップに相当する。先ず、図3の基本調達チャートによって調達計画データ7500が作成されたと仮定する。ここで、C社の部品LM7504の部品製作リードタイムが18日から20日に変更されたとする。これを、調達計画データ7500内の参照符号7501から第1の変更調達計画データ7502内の参照符号7503にて示す。
【0097】
第1の変更調達計画データ7502に示されているように、C社の部品LM7504の部品製作リードタイムを変更すると、Z社の組立開始スケジュールに支障が生ずる。従って、部品LMの発注先をC社からD社に変更する。これを、第1の変更調達計画データ7502内の参照符号7504から第2の変更調達計画データ7505内の参照符号7507にて示す。
【0098】
第2の変更調達計画データ7505内の参照符号7506にて示すように、Z社の組立開始スケジュールに支障は無い。即ち、部品製作リードタイムが20日から18日に修正されても、部品LMの発注先として、C社からD社に変更することにより、Z社の組立スケジュールを変更することなく、実行することができる。即ち、組立スケジュールを遅延させることが回避される。
【0099】
以上、本発明の例を説明したが、本発明は上述の例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲にて様々な変更が可能であることは当業者に容易に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明によるサプライチェーンマネージメントシステムの全体の構成を示す図である。
【図2】調達計画の変更内容に合致した対応フローの決定方法を示す図である。
【図3】基本調達フロー用チャートを示す図である。
【図4】再調達フロー用チャートを示す図である。
【図5】組立代替選定フロー用チャートを示す図である。
【図6】部品代替選定フロー用チャートを示す図である。
【図7】本発明によるサプライチェーンマネージメントシステムの詳細な構成を示す図である。
【図8】各データベースに格納されたデータの例を示す図である。
【図9】各情報入力端末のハードウェア構成を示す図である。
【図10】調達対象モデルを示す図である。
【図11】部品製作会社選定画面の例を示す図である。
【図12】部品製作リードタイム入力画面の例を示す図である。
【図13】組立製作リードタイム入力画面の例を示す図である。
【図14】組立データから調達計画データを作成するフローチャートを示す図である。
【図15】作成した調達計画データフォーマットを示す図である。
【図16】代替部品製作会社選定により動的に変更する調達計画の更新例を示す図である。
【符号の説明】
【0101】
1…顧客現地、2…携帯電話、3…インターネット、4…認証局、5…認証システム、10…販売会社、12…注文管理システム、13…製品データ管理システム、11…調達情報入力端末、20…調達コントロール代行会社、21…処理伝達サーバ、22…調達管理サーバ、30…組立製作会社、31…組立情報入力端末、32…調達集配サーバ、40…部品製作会社、41…部品情報入力端末、
【技術分野】
【0001】
本発明は、調達計画立案から実施計画変更までの調達ライフサイクルを管理するサプライチェーンマネージメントシステムに関する。本発明は、特に、現地生産する機械加工品・大型部材の組立品に好適なサプライチェーンマネージメントシステムに関する
【背景技術】
【0002】
大型の且つ単品注文の製品は、納入先の現地にて組み立てられる。このような場合、部品調達計画と生産計画は同等に位置付けられる。例えば、部品調達の遅延が生産工程の遅延を引き起こす。このため、部品調達計画の立案及び計画表の作成を、早期に、且つ正確に行う必要がある。また、部品の納期変更があった場合には、直ちに、部品調達計画及び生産工程を変更する必要がある。
【0003】
通常、販売会社、組立製作会社、部品製作会社等によってサプライチェーン構造が形成される。サプライチェーンシステムでは、組立製作会社・部品製作会社の生産能力と現在の生産負荷を加味した調達計画が立案され、それを全ての関係会社が可視的に共有し、変更イベントへ柔軟な対応ができることが要求される。これによって、サプライチェーン参加会社は、生産能力配分を効率化させ、最終的に組立品の製作期間短縮と品質向上をもたらすことができる。
【0004】
従来の技術では、特開平2002−207903公報のように、購入者と組立メーカ、部品メーカがインターネットのような広域ネットワークを利用し、製作リードタイムを決定する手段がある。また、特開平2003−15727公報のように、部品メーカとアセンブリメーカの調達計画を製品開発・製造会社が集中管理する手段もある。製品開発・製造会社のように調達の起点となる会社が、MRP(material requirements planning)システムを活用する事例もある。
【0005】
【特許文献1】特開平2002−207903公報
【特許文献2】特開平2003−015727公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の技術では、販売会社のような取り纏め会社が、調達リードタイムを一元管理している。しかしながら、販売会社は、組立製作会社や部品製作会社の現在の生産実情や生産負荷を加味した調達計画を立案できるとは限らない。
【0007】
組立製作会社や部品製作会社の生産能力を無視した調達計画が立案された場合、組立製作会社や部品製作会社は、調達実施に間に合わせるため、検査工程を省略し、劣悪な製品を出荷する可能性もある。さらに、調達計画を立案した後に、納期変更などのスケジュール変更が起きることもある。従って、最適な調達変更計画を再立案することは困難である。又は、変更調整に時間がかかると想定される。
【0008】
本発明の目的は、現地組立のような生産方式の期間短縮と品質向上にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によると、サプライチェーンマネージメントシステムは、販売会社、組立製作会社、部品製作会社、及び、調達コントロール代行会社から構成される。
【0010】
販売会社は、注文情報に合致した調達構成の発案と組立データ及び部品データの提供を行う。組立製作会社は、調達構成と組立データ及び部品データに基づいて部品製作会社の選定、組立データから部品データの分解・配布・合成、組立データ製作リードタイムの入力、調達計画データの作成を行う。部品製作会社は、部品データに基づいて部品製作リードタイムの入力を行う。調達コントロール代行会社は、各会社間を接続し調達処理の伝達・指示、及び調達計画の一元管理を行う。さらに、各会社で調達業務に利用するプログラムの管理や配布も行う。
【0011】
本発明のサプライチェーンマネージメントシステムにおける処理工程は、販売会社を起点とする最初の基本調達工程、基本調達工程実施後に調達計画を変更する再調達工程、組立代替選定工程、部品代替選定工程を含む。
【0012】
基本調達工程では、販売会社から調達コントロール代行会社を介して組立製作会社へ組立調達依頼が送信される。組立製作会社は、部品製作会社選定、組立製作リードタイム入力、調達計画データ作成を行う。また、部品製作会社は、部品製作リードタイム入力を行う。さらに、調達コントロール代行会社は、調達計画登録を行う。販売会社及び部品製作会社は調達コントロール代行会社から調達計画データを取り込むことができる。
【0013】
再調達工程では、販売会社から調達コントロール代行会社を介して組立製作会社及び部品製作会社へ納期変更通知が送信される。部品製作会社は、部品製作リードタイム再入力を行う。組立製作会社は、組立製作リードタイム再入力、及び調達計画再作成を行う。調達コントロール代行会社は、調達計画登録更新を行う。販売会社及び部品製作会社は調達コントロール代行会社から変更した最新の調達計画データを取り込むことができる。
【0014】
組立代替選定工程では、組立製作会社から調達コントロール代行会社を介して他組立製作会社へ納期変更通知が送信される。納期変更通知を受信した組立製作会社は、組立製作リードタイム入力、調達計画作成を行う。調達コントロール代行会社は、最適な調達条件を判定し、代替の組立製作会社を選定し、調達計画登録更新を行う。販売会社及び部品製作会社は調達コントロール代行会社から変更した最新の調達計画データを取り込むことができる。
【0015】
部品代替選定工程では、部品製作会社から組立製作会社を介して他部品製作会社へ納期変更通知が送信される。納期変更通知を受信した組立製作会社は、部品製作リードタイム入力を行い、最適な調達条件を判定し、代替の部品製作会社を選定し、調達計画再作成を行う。調達コントロール代行会社は、調達計画登録更新を行う。販売会社及び部品製作会社は調達コントロール代行会社から変更した最新の調達計画データを取り込むことができる。
【0016】
本発明によると、サプライチェーン構造を形成している販売会社、組立製作会社及び部品製作会社は、調達計画データ、部品データ及び組立データを共有することにより、各会社が生産実情を加味した製作リードタイムを算出し、その総和によって正確に調達計画を立案・共有化する。さらに、各会社に、調達計画データ、組立データ及び部品データを分散配置することにより、納期変更などのスケジュール変更があっても、最新・最適な調達計画データを作成し、自動的に更新する。サプライチェーン構造を形成する会社間で調達計画を最終実施まで共有し、調達計画の早期伝達を行う。それにより、各会社での生産体制の確立や柔軟な対応、および部品調達の確実性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0017】
販売会社では、最新の調達計画により顧客環境に合った納期調整が可能となる。また、調達計画立案のコントロールを調達コントロール代行会社に委託することにより、計画立案・実施調整を省略できる。組立製作会社では、現地での組立生産体制の調整や準備の迅速化が可能となる。部品製作会社では、調達計画に合った部品生産体制の調整と他社との関係が明確になる。更に、代替組立製作会社、代替部品製作会社の選定を容易に行うことにより、再調達計画立案を短期に作成することができる。
【0018】
以上の効果により、現地生産において、組立品生産における部品の調達計画予定と調達実施の乖離を最少に調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本例のサプライチェーンマネージメントシステムの構成図を示す。本例のサプライチェーンマネージメントシステムは、販売会社10、調達コントロール代行会社20、組立製作会社30、部品製作会社40を有し、部品、エネルギー、人材等の調達計画の立案から生産開始後の調達を管理する。販売会社10は、注文製品の調達情報を入力し、調達計画データを表示する調達情報入力端末11、顧客からの注文情報を管理する注文管理システム12、販売する製品の3次元データを管理する製品データ管理システム13、調達計画データを格納する調達計画データベース115、調達計画立案の起点となる顧客からの注文情報を格納する注文情報データベース121、及び、販売する製品の3次元データを格納する製品データベース131を有する。
【0020】
調達コントロール代行会社20は、組立製作会社30及び部品製作会社40の各会社に調達処理を伝達する処理伝達サーバ21、調達計画データを一元管理する調達管理サーバ22、取引先に関する情報を格納する取引先データベース216、及び、調達計画を格納する調達計画データベース224を有する。
【0021】
組立製作会社30は、組立情報を入力する組立情報入力端末31、組立データの分解と部品データの合成を行い、調達計画を作成する調達集配サーバ32、販売する製品の組立情報の3次元データを格納する組立情報データベース324、取引先に関するデータを格納する取引先データベース325、販売する製品の部品の3次元データを格納する部品データベース326、及び、調達計画を格納する調達計画データベース327を有する。部品製作会社40は、部品データに調達リードタイムを埋め込む部品情報入力端末41、調達計画を格納する調達計画データベース416、及び、部品の3次元データを格納する部品データベース417を有する。各会社の端末、システム、サーバは、インターネットをベースとしたネットワーク3に接続されている。
【0022】
尚、組立製作会社30の組立情報入力端末31及び部品製作会社40の部品情報入力端末41は、ビューイング機能を搭載しており、組立データおよび部品データなどの3次元データを視覚的に表示することができる。また、組立製作会社30の組立情報入力端末31及び部品製作会社40の部品情報入力端末41は、調達実行前に、調達コントロール代行会社のホームページから、専用プログラムをダウンロードする。
【0023】
本例のサプライチェーンマネージメントシステムでは、顧客現地1から携帯電話2を介して納入実績を伝達する経路が確立されている。例えば、携帯電話2からのアクセスは、携帯電話網からインターネットを経由して、調達コントロール代行会社20の処理伝達サーバ21に接続される。更に、各会社間の信用情報を管理するために認証局4を設置する。認証局4には、各会社間からの信用情報を管理する認証システム5が稼動している。本認証局は、調達コントロール代行会社20に設置されていてもよい。
【0024】
図2は、調達計画を動的に修正する処理を分類して表に表したものである。計画イベント50は計画実行前56と計画実行中57に分類される。計画実行前56は、現在の調達フロー実施が調達計画立案配布直後であることを示し、計画実行中57は、現在の調達フロー実施が調達計画実施開始後であることを示す。尚、調達計画を実施する段階は、各組立製作会社、部品製作会社での一部生産開始後である。納期変更元51は、納期変更要求元会社を示す。納期変更要求元は、販売会社、組立製作会社、部品製作会社のいずれかである。納期変更イベント52は、納期を事前に短縮する前倒し要求58と実施時期を延期する延期要求59に分類される。
【0025】
納期変更可能条件53は、調達計画データの修正可能性タイミングを定義する。組立開始前60は、調達部品の組立生産を開始する以前のタイミングであることを示す。また、当該部品製作開始前61は、対象となる部品製作会社が部品製作を開始する以前のタイミングであることを示す。
【0026】
対応フロー54は、計画イベント50、納期変更元51、納期変更イベント52、納期変更可能条件53に対応した調達フローを示す。調達フローは、新規に調達を開始する基本調達チャート62、基本調達チャートを再度実行する再調達チャート63、納期変更要求に合致した組立製作会社を変更するための組立代替選定チャート64、及び、納期変更要求に合致した部品製作会社を変更するための部品代替選定チャート65に分類される。対応フロー54の各欄には、1つのチャート又は2つのチャートが定義されている。2つのチャートが定義されている場合、上段は新規に調達計画を立案するフローであり、下段は、納期変更に合致した変更フローを示す。対応フロー条件55は、対応フローを実施するための制約条件を定義する。例えば、「製作開始前の部品製作会社を対象66」は、最初に基本調達チャートで調達フローを実行し、販売会社の納期延期要求に対して、再調達チャートを実行した場合、基本調達チャートで選定した部品製作会社をそのまま利用することを示す。計画実行前、計画実行中を通して、納期変更要求がなかった場合、基本調達チャートのみが実行される。
【0027】
図2の対応フロー54は、基本調達チャート62、再調達チャート63、組立代替選定チャート64及び部品代替選定チャート65の4つのチャートを含む。調達フローは、この4つのチャートの組み合わせによって構成される。次に、この4つのチャートを順に、図3〜図6までを図7のシステム機能図を参照して説明する。また図7の処理経路を(1)などの記号で示す。
【0028】
図3を参照して基本調達チャートの処理を説明する。尚、同時に、図7を参照する。ステップS100の組立調達依頼ステップについて説明する。ユーザは、販売会社10の調達情報入力端末11の入出力装置111を使用し、注文管理システム12にアクセスする。注文管理システム12の注文情報検索部122は、注文情報データベース121より注文製品の調達情報を抽出(1)する。調達情報には、組立データ名、顧客納期、配送条件などの調達実施に必要な情報が含まれる。注文情報検索部122は、調達情報を、調達情報入力端末11の注文情報転送部112を介して、調達イベント送信部114に送出(2)する。調達イベント送信部114は、調達コントロール代行会社20の処理伝達サーバ21の調達イベント受信部211に、注文製品の調達情報を含む組立調達依頼を転送(3)する。こうして、販売会社10から調達コントロール代行会社20へ組立調達依頼が送信される。
【0029】
次に、ステップS101の組立製作会社決定通知ステップを説明する。調達コントロール代行会社20の処理伝達サーバ21の調達イベント受信部211は、調達イベント解析部214に、組立調達依頼を送出(4)する。調達イベント解析部214は、組立調達依頼が新規依頼であるか否かを判定し、新規依頼である場合には、それを新規の調達情報として、調達構成データ記憶部215に書き込む(5)。調達イベント解析部214は、調達構成データ記憶部215から、現在計画実施中の組立製作会社名を抽出し、次に、取引先データベース216から、抽出した現在計画実施中の組立製作会社以外の組立製作会社を抽出(6)し、それを会社情報として調達構成データ記憶部215に書き込む。調達イベント解析部214は、取引先データベース216から、全ての部品製作会社の情報を抽出する。
【0030】
調達イベント解析部214は、調達構成データ記憶部215を介して、調達イベント送信部212へ、調達情報を転送(7)する。一方、組立製作会社選定処理部213は、調達構成データ記憶部215に書き込まれた会社情報から、組立製作会社を選定(8)し、それを調達イベント送信部212へ転送(9)する。調達イベント送信部212は、選定した組立製作会社30の調達集配サーバ32の調達イベント受信部322に、組立製作会社決定通知、調達情報、及び、部品製作会社の情報を送信(10)する。こうして、調達コントロール代行会社20から組立製作会社30に組立製作会社決定通知が送信される。
【0031】
次に、ステップS102の組立データ取込ステップを説明する。組立製作会社30の調達集配サーバ32の調達イベント受信部322は、組立データ転送部321に組立データの転送を依頼(11)する。調達イベント受信部322は、これと同時に、部品製作会社の会社情報を取引先データベース325に格納(12)する。組立データ転送部321は、販売会社10の製品データ管理システム13のデータ入出力部132にアクセスして、当該組立データの送出を依頼(13)する。データ入出力部132は、製品データベース131から組立データを抽出し、それを組立製作会社30の組立データ転送部321に転送する。
【0032】
次に、ステップS103の部品製作会社選定ステップを説明する。組立製作会社30の調達集配サーバ32の組立データ転送部321は、組立情報入力端末31の組立データ閲覧部312に部品製作会社選定を依頼(14)する。組立データ閲覧部312は、取引先データベース325から部品製作会社の情報を取込み(15)、それを取引先データ記憶部314に格納(18)する。同様に、組立データベース324から組立データを取込み(16)、それを組立データ記憶部313に格納(17)する。組立データ閲覧部312は、組立データ記憶部313の組立データを部品データに展開し、取引先データ記憶部314の部品製作会社の情報を参照しながら、展開した部品データに対応する部品製作会社を選定する。
【0033】
尚、組立データ閲覧部312は、ビューイング機能を搭載しており、組立データおよび部品データなどの3次元データを視覚的に表示することが可能である。また、組立データ閲覧部312は、図示していないが、本調達実行前に、調達コントロール代行会社のホームページから、専用プログラムをダウンロードしていると想定する。
【0034】
次に、ステップS104の部品製作会社決定通知ステップを説明する。組立製作会社30の組立情報入力端末31の組立データ閲覧部312は、選定した部品製作会社に関する会社情報を調達イベント送信部323に転送(21)する。調達イベント送信部323は、調達コントロール代行会社20の処理伝達サーバ21の調達イベント受信部211に、選定した部品製作会社に関する会社情報を転送(22)する。調達イベント解析部214は、調達イベント受信部211から送信された部品製作会社に関する会社情報に基づいて、調達構成データ記憶部215の会社情報を更新する。
【0035】
次に、ステップS105の部品調達依頼ステップを説明する。調達コントロール代行会社20の処理伝達サーバ21の調達イベント解析部214は、調達構成データ記憶部215から部品製作会社の情報を抽出し、それを調達イベント送信部212に転送(7)する。調達イベント送信部212は、当該部品製作会社40の部品情報入力端末41の調達イベント受信部412に部品調達依頼を転送(23)する。
【0036】
次に、ステップS106の部品データ取込ステップを説明する。先ず、組立製作会社30の組立情報入力端末31の組立データ閲覧部312は、調達集配サーバ32の部品データ分解部329を呼び出し(19)、組立データから部品データへの分解を命令する。部品データ分解部329は、分解した部品データを部品データベース326に格納(31)する。部品製作会社40の部品情報入力端末41の調達イベント受信部412は、部品データ授受部413を呼び出す(24)。部品データ授受部413は、組立製作会社30の調達集配サーバ32の部品データ授受部331に、部品データの転送を依頼(25)する。部品データ授受部331は、部品データベース326からの部品データを、部品データ授受部413に転送(26)する。部品データ授受部413は、転送された部品データを部品データベース417に格納(27)する。
【0037】
次に、ステップS107の部品製作リードタイム入力ステップを説明する。部品製作会社40の部品情報入力端末41の部品データ授受部413は、部品データ閲覧部414を呼び出す(28)。部品データ閲覧部414は、部品データベース417から部品データを読込み(29)、入出力装置411を介して、部品を3次元的に表示する。入出力装置411を介して、部品の製作リードタイムと配送リードタイムが入力される。リードタイム入力は、部品データに埋め込まれている仕様記述と配送条件を参照しながら行われる。リードタイム入力処理の例は、後に、図12を参照して説明する。
【0038】
尚、部品製作会社40の部品情報入力端末41の部品データ閲覧部414は、図示していないが、本調達実行前に、調達コントロール代行会社のホームページから、専用プログラムをダウンロードしていると想定する。
【0039】
次に、ステップS108の部品データ送出ステップを説明する。部品製作会社40の部品情報入力端末41の部品データ閲覧部414は、部品データ授受部413を呼び出し、部品データベース417の部品データを読み出し、それを、部品製作会社30の調達集配サーバ32の部品データ授受部331に、転送する(28)(27)(25)。
【0040】
調達集配サーバ32は、部品データ授受部331を介して転送される部品データを常時監視し、部品データが全て転送されると部品データ合成部336を呼び出す(30)。
【0041】
部品データ合成部336は、部品データの属性データである製作リードタイムと配送リードタイムをチェックしながら部品データから組立データを復元し、それを組立データベース324に格納する。
【0042】
次に、ステップS109の組立製作リードタイム入力ステップを説明する。組立製作会社30の組立情報入力端末31の組立データ閲覧部312は、組立データベース324から、組立データを読み込み、それを再度、組立データ記憶部313に格納(16)(17)する。組立データ記憶部313に格納された組立データは入出力装置311を介して表示される。入出力装置311を介して、組立製作リードタイムが入力される。組立製作リードタイムは、属性データとして組立データに埋め込まれる。組立製作リードタイムの入力処理の例は、後に、図13を参照して説明する。
【0043】
次に、ステップS110の調達計画作成ステップを説明する。組立製作会社30の組立情報入力端末31の組立データ閲覧部312は、組立データ記憶部313の組立データの属性データを計画データ作成部332に転送する(17)(32)。計画データ作成部332は、組立データの属性データに基づいて調達計画データを作成し、それを調達計画データベース327に格納する(33)。調達計画データの例は図15に示す。
【0044】
次に、ステップS111の調達計画データ送出ステップを説明する。組立製作会社30の調達集配サーバ32の計画データ送信部328は、調達計画データベース327より調達計画データを抽出し、それを調達コントロール代行会社20の調達管理サーバ22の計画データ受信部221に転送する(35)(36)。
【0045】
次に、ステップS112の調達計画登録ステップを説明する。調達コントロール代行会社20の調達管理サーバ22の計画データ受信部221は、調達計画データを受信すると、それを、計画データ登録部222に転送(37)する。計画データ登録部222は、調達計画データを調達計画データベース224に登録(38)し、計画データ送信部223にそれを報告(39)する。
【0046】
最後に、ステップS113及びS114の調達計画データ取込ステップを説明する。調達コントロール代行会社20の調達管理サーバ22の計画データ送信部223は、調達計画データベース224から調達計画データを抽出(40)し、処理伝達サーバ21の調達構成データ記憶部215からの販売会社と部品製作会社の会社情報を入手(41)し、それらのアドレスを抽出する。
【0047】
調達管理サーバ22の計画データ送信部223は、先ず、部品製作会社40の部品情報入力端末41の計画データ受信部415に調達計画データを転送(42)する。計画データ受信部415は、調達計画データを調達計画データベース416に格納(43)する。
【0048】
調達管理サーバ22の計画データ送信部223は、更に、販売会社10の調達情報入力端末11の計画データ受信部113に調達計画データを転送(44)する。計画データ受信部113は、調達計画データを調達計画データベース115に格納(45)する。
【0049】
部品製作会社40は、調達計画データに基づいて部品を図1の顧客現地1に納入する。携帯電話2によって、対象部品の到着日時を含む到着情報が送信される。到着情報は、中継サーバ、及び、ネットワーク3を介して、調達コントロール代行会社20の処理伝達サーバ21の調達イベント受信部211に送信される。到着情報は、調達イベント解析部214を介して、調達構成データ記憶部215に書き込まれる。到着情報は、更に、調達管理サーバ22の計画データ送信部223を介して、調達計画データベース224に送信される。それにより、調達計画データベース224の当該調達計画データの対象部品スケジュール情報が更新される。
【0050】
次に、図4を参照して再調達チャートの処理を説明する。尚、同時に、図7を参照する。先ず、ステップS150の納期変更通知ステップを説明する。販売会社10の注文管理システム12は、調達情報入力端末11の注文情報転送部112に、納期変更情報を転送(1)する。注文情報転送部112は、調達計画データベース115の該当注文データを参照し、調達イベント送信部114に納期変更情報の転送を依頼(2)する。調達イベント送信部114は、調達コントロール代行会社20の処理伝達サーバ21の調達イベント受信部211に、納期変更情報を転送(3)する。
【0051】
ステップS151及びステップS152の再リードタイム算出依頼ステップを説明する。調達コントロール代行会社20の処理伝達サーバ21の調達イベント受信部211は、納期変更情報を受信すると、それを調達イベント解析部214に送信(4)する。調達イベント解析部214は、調達構成データ記憶部215にアクセスし、調達計画実施前であるか否かをチェック(5)する。ここでは、納期変更が調達計画実施前であると仮定する。
【0052】
処理伝達サーバ21の調達イベント送信部212は、組立製作会社30の調達集配サーバ32の調達イベント受信部323に納期変更情報を転送(10)し、再リードタイム算出を依頼する。同時に、処理伝達サーバ21の調達イベント送信部212は、部品製作会社40の部品情報入力端末41の調達イベント受信部412に納期変更情報を転送(23)し、再リードタイム算出を依頼する。
【0053】
調達集配サーバ32は、部品データ授受部331を介して転送される部品データを常時監視し、部品データが全て転送されると部品データ合成部336を呼び出す(30)。
【0054】
上述のステップS108と同様に、部品データ合成部336は、部品データの属性データである製作リードタイムと配送リードタイムをチェックしながら部品データから組立データを復元し、それを組立データベース324に格納する。
【0055】
ステップ153の部品製作リードタイム入力ステップとステップ154の部品データ送出ステップを説明する。部品製作会社40の部品情報入力端末41の調達イベント受信部412は、納期変更情報を受信すると、部品データ閲覧部414に部品製作リードタイム入力を依頼する。部品データ閲覧部414は、部品データベース417の部品データに、納期変更後の部品製作リードタイムを埋め込む(29)。部品製作リードタイム入力の例は図12を参照して説明する。次に、部品情報入力端末41の部品データ授受部413は、組立製作会社30の調達集配サーバ32の部品データ授受部331に部品データを送出(25)する。部品データ授受部331は部品データを部品データベース326に格納(26)する。
【0056】
ステップS155の組立製作リードタイム入力ステップとステップS156の調達計画作成ステップを説明する。組立製作会社30の組立情報入力端末31の組立データ閲覧部312は、再度、組立製作リードタイムを入力する(46)(16)(17)。組立製作リードタイム入力の例は図13に示す。次に、組立製作会社30の調達集配サーバ32の計画データ作成部332は、再度、組立データベース324の組立データから調達計画データを作成(20)し、それを調達計画データベース327に格納(33)する。
【0057】
ステップS157の調達計画データ送出ステップとステップS158の調達計画登録ステップを説明する。組立製作会社30の調達集配サーバ32の計画データ送信部328は、調達コントロール代行会社20の調達管理サーバ22の計画データ受信部221に、調達計画データベース327に格納された変更後の調達計画データを送出(36)する。調達管理サーバ22の計画データ登録部222は、転送された調達計画データを調達計画データベース224に登録する。
【0058】
ステップS159及びステップS160の調達計画データ取込ステップを説明する。調達コントロール代行会社20の調達管理サーバ22の計画データ送信部223は、部品製作会社40の部品情報入力端末41の計画データ受信部415と、販売会社10の調達情報入力端末11の計画データ受信部113に、変更後の調達計画データを転送する(37)(38)(39)(40)(41)(42)(44)。
【0059】
ここでは、納期変更が調達計画実施前に行われたと仮定した。納期変更が調達計画実施中の行われた場合には、部品製作開始前の部品データ情報を検索すると同時に、この部品データに対応する部品製作会社に通知し、ステップS153の部品製作リードタイム入力以後の上記のステップを行う。
【0060】
次に、図5を参照して組立代替選定チャートの処理を説明する。尚、同時に、図7を参照する。ステップS170の納期延期通知ステップ及びステップS171の組立データ送出ステップを説明する。調達計画データ配布後、又は、調達計画実施中且つ組立製作開始前に、第1の組立製作会社30Aの調達集配サーバ32の調達イベント送信部323は、調達コントロール代行会社20の処理伝達サーバ21の調達イベント受信部211に、納期遅延通知を送信(22)し、同時に、組立データベース324の組立データを送信する。
【0061】
次に、ステップS172及びステップS173の組立製作リードタイム算出依頼ステップ、ステップS174及びステップS175の組立データ取込ステップを説明する。調達コントロール代行会社20の処理伝達サーバ21の調達イベント受信部211は、納期延期通知と組立データを受信すると、それを、調達イベント解析部214に送出(4)する。調達イベント解析部214は、納期延期通知と組立データを、調達構成データ記憶部215に格納(5)する。調達イベント送信部212は、第2、第3の組立製作会社30B、30Cの調達集配サーバ32の調達イベント受信部322に、組立製作リードタイム算出依頼を送信し、同時に、組立データを送信する。
【0062】
ステップS176及びステップS177の組立製作リードタイム入力ステップ、ステップS178及びステップS179の調達計画作成ステップを説明する。各組立製作会社30B、30Cの組立情報入力端末31の組立データ閲覧部312は、組立製作リードタイム入力を行う。組立製作リードタイム入力は、図3の基本調達チャートのステップS109と同様である。各組立製作会社30B、30Cの調達集配サーバ32の計画データ作成部332は、調達計画を作成する。調達計画を作成は、図3の基本調達チャートのステップS110と同様である。
【0063】
ステップS180及びステップS181の調達計画データ送出ステップを説明する。各組立製作会社30B、30Cの組立情報入力端末31の計画データ送信部328は、調達コントロール代行会社20の調達伝達サーバ21の計画データ受信部221に計画データを送信(36)する。これは、図3の基本調達チャートのステップS111と同様である。
【0064】
ステップS182の組立製作リードタイム判定ステップ、ステップS183の調達計画登録、及び、ステップS184の調達決定通知ステップを説明する。調達コントロール代行会社20の調達管理サーバ22の計画データ受信部221は、計画データを受信すると、それを計画データ登録部222に送信(37)する。計画データ登録部222は、各組立製作会社からの調達計画データについて、納期変更に対応できる最も近いデータを選定する。そして、選定した調達計画データを調達計画データベース224に格納(38)する。本例では、第3の組立製作会社30Cが選定されたと仮定する。
【0065】
調達コントロール代行会社20の調達管理サーバ22の計画データ送信部223は、処理伝達サーバ21の調達構成データ記憶部215に新調達計画データを送出する。調達構成データ記憶部215は、調達構成データを更新し、それを調達イベント送信部212に送出する。調達イベント送信部212は、調達決定通知及び調達構成データを、第3の組立製作会社30Cの調達集配サーバ32の調達イベント受信部322に送信する。
【0066】
ステップS185及びステップS186の調達計画データ取込ステップを説明する。調達コントロール代行会社20の調達管理サーバ22の計画データ送信部223は、調達計画データベース224から最新の調達計画データを抽出し、それを販売会社10の調達情報入力端末11の計画データ受信部113に送信する。計画データ受信部113は、受信した調達計画データによって、調達計画データベース115に格納されたデータを更新する。これと同時に、調達コントロール代行会社20の調達管理サーバ22の計画データ送信部223は、調達計画データベース224から最新の調達計画データを抽出し、それを部品製作会社40の部品情報入力端末41の計画データ受信部415に送信する。計画データ受信部415は、受信した調達計画データによって、調達計画データベース416に格納されたデータを更新する。
【0067】
次に、図6を参照して部品代替選定チャートの処理を説明する。尚、同時に、図7を参照する。ステップS200の納期延期通知ステップを説明する。調達計画データ配布後、又は、調達計画実施中且つ組立製作開始前に、第1の部品製作会社40Aから組立製作会社30に納期遅延通知が送信される。この通知は、特に図示していないが、メール等の情報伝達手段を活用しているものとする。
【0068】
ステップS201及びステップS202の部品製作リードタイム算出依頼ステップを説明する。組立製作会社30の組立情報入力端末31の組立データ閲覧部312は、取引先データ記憶部314から代替用の部品製作会社を選択する。ここでは、第2及び第3の部品製作会社40B、40Cを選択したと仮定する。組立製作会社30は、図示していないが、メール等の情報伝達手段を活用して、第2及び第3の部品製作会社40B、40Cに部品製作リードタイム算出依頼を通知する。尚、この部品製作リードタイム算出依頼201、202は、調達コントロール代行会社20の処理伝達サーバ21を利用して行ってもよいが、本例では、調達レスポンスの迅速化のため、メール等の伝達手段を採用する。従って、組立製作会社は、独自に部品調達変更管理を行うことができる。
【0069】
ステップS203、及び、ステップS204の部品データ取込ステップを説明する。各部品製作会社40B、40Cの部品情報入力端末41の部品データ授受部413は、組立製作会社30の調達集配サーバ32の部品データ授受部331にアクセスして、部品データベース326から部品データを入手(25)(26)する。各部品製作会社40B、40Cの部品情報入力端末41の部品データ授受部413は、入手した部品データを、部品データベース417に格納(27)する。
【0070】
ステップS205、及び、ステップS206の部品製作リードタイム入力ステップを説明する。各部品製作会社40B、40Cの部品情報入力端末41の部品データ閲覧部414は、部品製作リードタイム入力を行う。部品製作リードタイム入力は、図3の基本調達チャートのステップS107と同様である。
【0071】
ステップS207、及び、ステップS208の部品データ送出ステップを説明する。各部品製作会社40B、40Cの部品情報入力端末41の部品データ授受部413は、部品製作リードタイム入力後の部品データを組立製作会社30に送信する。本例では、部品データ取込と同一経路で送信される。
【0072】
ステップS209の部品製作リードタイム判定ステップ、ステップS210の調達計画作成ステップ、及び、ステップS211の調達決定通知ステップを説明する。組立製作会社30の調達集配サーバ32の計画データ作成部332は、各部品製作会社40B、40Cから送信された部品データより、その属性データである製作リードタイムと配送リードタイムを抽出し、納期に対応できる最も近い部品製作会社を選定する。本例では、第2の部品製作会社40Bが選定されたと仮定する。組立製作会社30の調達集配サーバ32の計画データ作成部332は、新たな調達計画データベース327を作成し、それを調達計画データベース327に格納(33)する。
【0073】
組立製作会社30は、選定した第2の部品製作会社40Bに調達決定通知を送信する。調達決定通知211の送信方法は、図示していないが、メール等の情報伝達手段を使用してよい。
【0074】
ステップS212の調達計画データ送出ステップを説明する。組立製作会社30の調達集配サーバ32の計画データ送信部328は、調達計画データベース327の調達計画データを調達コントロール代行会社20の調達管理サーバ22の計画データ受信部221に送信(35)(36)する。調達計画データ送出は、図3の基本調達チャートのステップS111と同様である。
【0075】
ステップS213の調達計画登録ステップ、ステップS214及びステップS215の調達計画データ取込ステップを説明する。調達コントロール代行会社20の調達管理サーバ22の計画データ登録部222は、最新の調達計画データによって、調達計画データベース224の調達計画データを更新(37)(38)(39)する。調達計画登録は、図3の基本調達チャートのステップS112と同様である。
【0076】
調達コントロール代行会社20の調達管理サーバ22の計画データ送信部223は、調達計画データベース224から最新の調達計画データを抽出し、それを、販売会社10の調達情報入力端末11の計画データ受信部113に送信する。計画データ受信部113は、受信した最新の調達計画データによって、調達計画データベース115の調達計画データを更新する。同様に、調達コントロール代行会社20の調達管理サーバ22の計画データ送信部223は、調達計画データベース224から最新の調達計画データを抽出し、それを、第2の部品製作会社40Bの部品情報入力端末41の計画データ受信部415に送信する。計画データ受信部415は、受信した最新の調達計画データによって、調達計画データベース416の調達計画データを更新(42)(43)する。これらの調達計画データ取込は、図3の基本調達チャートのステップS113、S114と同様である。
【0077】
図7を参照して本例のサプライチェーンマネージメントシステムの構成の概要を説明する。サプライチェーンマネージメントシステムは、販売会社10、調達代行コントロール会社20、組立製作会社30、及び、部品製作会社40を有する。販売会社10は、調達情報入力端末11、注文管理システム12、及び、製品データ管理システム13を有する。調達情報入力端末11は、入出力装置111、注文情報転送部112、計画データ受信部113、調達イベント送信部114、及び、調達計画データベース115を有する。注文管理システム12は、注文情報データベース121、及び、注文情報検索部122を有する。製品データ管理システム13は、製品データベース131、及び、データ入出力部132を有する。
【0078】
調達代行コントロール会社20は、処理伝達サーバ21、及び、調達管理サーバ22を有する。処理伝達サーバ21は、調達イベント受信部211、調達イベント送信部212、組立製作会社選定処理部213、調達イベント解析部214、調達構成データ記憶部215、及び、取引先データベース216を有する。調達管理サーバ22は、計画データ受信部221、計画データ登録部222、計画データ送信部223、及び、調達計画データベース224を有する。
【0079】
組立製作会社30は、組立情報入力端末31、及び、調達集配サーバ32を有する。組立情報入力端末31は、入出力装置311、組立データ閲覧部312、組立データ記憶部313、及び、取引先データ記憶部314を有する。調達集配サーバ32は、組立データ転送部321、調達イベント受信部322、調達イベント送信部323、組立データベース324、取引先データベース325、部品データベース326、調達計画データベース327、計画データ送信部328、部品データ分解部329、部品データ合成部336、部品データ授受部331、及び、計画データ作成部332を有する。
【0080】
部品製作会社40は、部品情報入力端末41を有する。部品情報入力端末41は、入出力装置411、調達イベント受信部412、部品データ授受部413、部品データ閲覧部414、計画データ受信部415、調達計画データベース416、及び、部品データベース417を有する。
【0081】
図8を参照して製品データベース131、取引先データベース216、及び、調達計画データベース224に格納されているデータの例を説明する。製品データベース131の製品データ650は、モデル番号、モデル名、更新日時、3次元データを含む。3次元データについては後に詳細に説明する。取引先データベース216の取引先データ651は、会社コード、会社名、役割、専任者名、接続アドレス、調達回数、調達不備実績を含む。役割は、部品製作会社、組立製作会社等を示す。調達計画データベース224の調達計画データ652は、計画コード、組立データ番号、配送仕様、調達計画データを含む。
【0082】
図9を参照して、図1の調達情報入力端末11、組立情報入力端末31、及び、部品情報端末41のハードウェア構成の例を示す。本例の情報入力端末は、主記憶装置760、補助記憶装置761、通信制御装置762、CPU装置763、及び、入出力装置764を有する。主記憶装置760は、現在処理しているデータを一時的に格納する。主記憶装置760は、組立情報入力端末31の組立データ記憶部313、及び、取引先データ記憶部314に相当する。補助記憶装置761は、一時的に、主記憶装置で格納できないデータを保存する。補助記憶装置761は、調達情報入力端末11の調達計画データベース115、部品情報端末41の調達計画データベース416、及び、部品データベース417に相当する。
【0083】
通信制御装置762は、処理伝達サーバ、調達管理サーバとの間の通信を制御し、調達イベントの送受信や計画データの送受信を行う。CPU装置763は、各情報入力端末における処理を行う。CPU装置763は、組立情報入力端末31の組立データ閲覧部312、部品情報入力端末41の部品データ閲覧部414に相当する。入出力装置764は、ディスプレイ765、キーボード766及びマウス767を含む。組立データや部品データのビュー表示を支援し、製作リードタイム、配送リードタイム入力を支援する。入出力装置764は、調達情報入力端末11、組立情報入力端末31及び部品情報入力端末41の入出力装置111、311、411に相当する。
【0084】
図10を参照して、本発明によるサプライチェーンマネージメントシステムの動作の例を説明する。ここでは、組立名MODPAT001である製品を想定する。斜視図1000は、この製品の組立モデルを示す。部品展開図1001は、MODPAT001組立モデルを部品へ展開した状態を示す。このMODPAT001組立モデルは、部品名IX、IV、YP、YS、LMの部品モデルから構成されている。また、組立モデル及び部品モデルは3次元にて表示される。
【0085】
部品データ1002、1003、1004は、各部品製作会社40A、40B、40Cの部品データベース417、及び、組立製作会社30の調達集配サーバ32の部品データベース326に格納された部品データの例を示す。図示のように、部品データは、部品名、数量、順位、製作リードタイム、配送リードタイムを含む。これらの項目は、属性データとして、部品モデルに組み込まれる。
【0086】
組立データ1005は、組立製作会社30の組立データベース324に格納された組立データの例を示す。図示のように、組立データは、組立名、製作リードタイムを含む。これらの項目は、属性データとして、組立モデルに組み込まれる。
【0087】
こうして部品モデル、及び、組立モデルに属性データを組み込むことによって、組立モデル及び部品モデルに調達計画作成上の必要属性データを保存することが可能となる。
【0088】
図11を参照して組立製作会社が部品製作会社を選定する処理の例を説明する。これは、図3の基本調達チャートのステップS103の部品製作会社選定ステップに相当する。図11は、組立製作会社30の入出力装置311に表示された画面を示す。ここでは、図10の部品展開図1001の部品モデルの製作を依頼する部品製作会社を選定する画面の例を示す。先ず、モデル表示ボタン2012を押すと、画面の中央に3次元の部品展開図が表示される。次に、モデル選定ボタン2013を押し、IV部品モデル2011のように部品モデルの1つを選択する。ここでは、IV部品モデル2011を選択したと仮定する。画面の右側に、部品製作会社一覧2014が表示される。そこで1つの部品製作会社を選択する。決定条件2010には、部品モデル名「IV」と部品製作会社名「A社」の関係が表示される。こうして、部品モデルIVに対して、部品製作会社としてA社が選定される。これを全ての部品モデルに対して繰り返せばよい。
【0089】
図12を参照して各部品製作会社が部品製作リードタイムを決定し、それを入力する処理を説明する。これは、図3の基本調達チャートのステップS107の部品製作リードタイム入力ステップに相当する。図12は、部品製作会社40の入出力装置411に表示された画面を示す。ここでは、組立モデルMODPAT001の部品データIVについて、部品製作リードタイムを決定する。先ず、モデル取込ボタン3023を押すと、画面の中央に3次元の部品モデル3021が表示される。同時に、この部品モデルの属性データとして、製作仕様3020、配送仕様3022、部品データコード、部品データ名、製作会社名3025が表示される。これらの条件データを考慮に入れて、優先順位3026、製作リードタイム3027、配送リードタイム3028を入力する。入力後、属性決定ボタン3024を押すと、部品製作リードタイム3029が計算され、表示され、更に、属性データとして部品モデルIVに書き込まれる。
【0090】
図12の例では、製作リードタイムは3日、配送リードタイムは1日である。従って、部品製作リードタイムは4日となる。こうして、部品製作リードタイム4日が、部品モデルIVの属性データとなる。尚、これらの処理は、部品製作会社40の部品情報入力端末41の部品データ閲覧部414が行う。
【0091】
図13を参照して組立製作会社が組立製作リードタイムを決定し、それを入力する処理を説明する。これは、図3の基本調達チャートのステップS109の組立製作リードタイム入力ステップに相当する。図13は、組立製作会社30の入出力装置311に表示された画面を示す。ここでは、MODPAT001組立モデルについて、組立製作リードタイムを決定する。モデル取込ボタン4102を押すと、画面の中央に3次元の組立モデル4101が表示される。同時に、更に、この組立モデルの属性データとして、組立仕様4100、組立データコード、組立データ名、製作会社名、取り纏め仕様4104が表示される。これらの条件データを考慮に入れて、組立製作リードタイム4105を入力する。入力後、属性決定ボタン4103を押すと、組立製作リードタイム4105は、属性データとして組立モデルに書き込まれる。
【0092】
図13の例では、組立製作リードタイム4105は12日である。こうして、組立製作リードタイム12日が、MODPAT001組立モデルの属性データとなる。尚、これらの処理は、組立製作会社30の組立情報入力端末31の組立データ閲覧部312が行う。
【0093】
図14を参照して組立製作会社が調達計画データを作成する方法を説明する。これは、図3の基本調達チャートのステップS110の調達計画作成ステップに相当する。ステップ5300にて、組立情報入力端末31の組立データ閲覧部312は、組立データ記憶部313より組立データの読み込みを開始する。ステップ5301にて、全ての組立データを読み込んだか否かを判定する。全ての組立データを読み込んでいない場合にはステップ5302に進み、全ての組立データを読み込んだ場合にはステップ5306に進む。
【0094】
ステップ5302にて、調達集配サーバ32の部品データ分解部329は、組立データを部品データに分解し、部品データを順次読込む。ステップ5303にて、部品データの属性データを抽出する。属性データとして、例えば、部品データ名、部品製作リードタイム、部品製作会社を抽出する。抽出した属性データを、調達計画データベース327に付加する。ステップ5304にて、優先順位が存在するか否かを判定する。優先順位が存在する場合には、ステップ5305に進み、優先順位が存在しない場合には、ステップ5301に戻る。ステップ5305にて、優先順位を属性データとして、調達計画データベース327に付加する。これらの処理を全部品データについて実行すると、ステップ5306に進む。ステップ5306にて、部品データ合成部336は、部品データを合成し、組立データを作成する。こうして生成された組立データから、組立製作会社名、組立製作リードタイムを抽出し、それを再度、調達計画データベース327に付加する。
【0095】
図15は、調達計画データのフォーマットの例を示す。データフォーマット6600は、XML(eXtensibleMarkupLanguage)形式で表現される。これを専用の閲覧用ビュアープログラムを通すと、調達計画データ図6605が表示される。調達計画データ図6605は、調達概要を示すヘッダ情報6601、6604、部品製作会社の調達データ6602、組立製作会社の調達データ6603を含む。
【0096】
図16を参照して組立製作会社が部品代替選定を行う方法を説明する。これは、図6の部品代替選定チャートのステップS210の調達計画作成ステップに相当する。先ず、図3の基本調達チャートによって調達計画データ7500が作成されたと仮定する。ここで、C社の部品LM7504の部品製作リードタイムが18日から20日に変更されたとする。これを、調達計画データ7500内の参照符号7501から第1の変更調達計画データ7502内の参照符号7503にて示す。
【0097】
第1の変更調達計画データ7502に示されているように、C社の部品LM7504の部品製作リードタイムを変更すると、Z社の組立開始スケジュールに支障が生ずる。従って、部品LMの発注先をC社からD社に変更する。これを、第1の変更調達計画データ7502内の参照符号7504から第2の変更調達計画データ7505内の参照符号7507にて示す。
【0098】
第2の変更調達計画データ7505内の参照符号7506にて示すように、Z社の組立開始スケジュールに支障は無い。即ち、部品製作リードタイムが20日から18日に修正されても、部品LMの発注先として、C社からD社に変更することにより、Z社の組立スケジュールを変更することなく、実行することができる。即ち、組立スケジュールを遅延させることが回避される。
【0099】
以上、本発明の例を説明したが、本発明は上述の例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲にて様々な変更が可能であることは当業者に容易に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明によるサプライチェーンマネージメントシステムの全体の構成を示す図である。
【図2】調達計画の変更内容に合致した対応フローの決定方法を示す図である。
【図3】基本調達フロー用チャートを示す図である。
【図4】再調達フロー用チャートを示す図である。
【図5】組立代替選定フロー用チャートを示す図である。
【図6】部品代替選定フロー用チャートを示す図である。
【図7】本発明によるサプライチェーンマネージメントシステムの詳細な構成を示す図である。
【図8】各データベースに格納されたデータの例を示す図である。
【図9】各情報入力端末のハードウェア構成を示す図である。
【図10】調達対象モデルを示す図である。
【図11】部品製作会社選定画面の例を示す図である。
【図12】部品製作リードタイム入力画面の例を示す図である。
【図13】組立製作リードタイム入力画面の例を示す図である。
【図14】組立データから調達計画データを作成するフローチャートを示す図である。
【図15】作成した調達計画データフォーマットを示す図である。
【図16】代替部品製作会社選定により動的に変更する調達計画の更新例を示す図である。
【符号の説明】
【0101】
1…顧客現地、2…携帯電話、3…インターネット、4…認証局、5…認証システム、10…販売会社、12…注文管理システム、13…製品データ管理システム、11…調達情報入力端末、20…調達コントロール代行会社、21…処理伝達サーバ、22…調達管理サーバ、30…組立製作会社、31…組立情報入力端末、32…調達集配サーバ、40…部品製作会社、41…部品情報入力端末、
【特許請求の範囲】
【請求項1】
販売会社、部品製作会社及び調達コントロール代行会社と通信を行う通信手段と、上記販売会社から上記調達コントロール代行会社を介して送信された製品の組立調達依頼に基づいて部品製作会社を選定する部品製作会社選定手段と、上記販売会社から入手した上記製品の組立データに組立製作リードタイムを入力する組立製作リードタイム入力手段と、上記部品製作会社の部品納入スケジュールを含む調達計画を作成する調達計画作成手段と、を有し、上記調達計画を上記調達コントロール代行会社に送信することを特徴とする組立製作会社サプライマネージメントシステム。
【請求項2】
請求項1記載の組立製作会社サプライマネージメントシステムにおいて、上記組立製作リードタイム入力手段は、上記販売会社から上記調達コントロール代行会社を介して納期変更の通知が送信されたとき、再度、上記組立製作リードタイムを入力することを特徴とする組立製作会社サプライマネージメントシステム。
【請求項3】
請求項1記載の組立製作会社サプライマネージメントシステムにおいて、上記調達計画作成手段は、上記販売会社から上記調達コントロール代行会社を介して納期変更の通知が送信されたとき、再度、調達計画を作成することを特徴とする組立製作会社サプライマネージメントシステム。
【請求項4】
請求項1記載の組立製作会社サプライマネージメントシステムにおいて、上記調達計画作成手段は、上記調達コントロール代行会社から、既に選定された他の組立製作会社から納期延期通知があった旨の通知を受信したとき、調達計画を作成し、それを上記調達コントロール代行会社に送信することを特徴とする組立製作会社サプライマネージメントシステム。
【請求項5】
請求項1記載の組立製作会社サプライマネージメントシステムにおいて、上記部品製作会社選定手段は、上記調達コントロール代行会社から、既に選定された他の部品製作会社から納期延期通知があった旨の通知を受信したとき、代替の部品製作会社を選定し、選定した部品製作会社に、通知することを特徴とする組立製作会社サプライマネージメントシステム。
【請求項6】
販売会社、組立製作会社及び調達コントロール代行会社と通信を行う通信手段と、上記組立製作会社から上記調達コントロール代行会社を介して送信された部品調達依頼に基づいて部品データに部品製作リードタイムを入力する部品製作リードタイム入力手段と、を有し、上記部品製作リードタイムが入力された部品データを上記組立製作会社に送信することを特徴とする部品製作会社サプライマネージメントシステム。
【請求項7】
請求項5記載の部品製作会社サプライマネージメントシステムにおいて、上記部品製作リードタイム入力手段は、上記販売会社から上記調達コントロール代行会社を介して納期変更通知が送信されたとき、再度、上記部品製作リードタイムを入力することを特徴とする部品製作会社サプライマネージメントシステム。
【請求項8】
請求項5記載の部品製作会社サプライマネージメントシステムにおいて、上記部品製作リードタイム入力手段は、上記調達コントロール代行会社から、既に選定された他の部品製作会社から納期延期通知があった旨の通知を受信したとき、上記部品製作リードタイムが入力された部品データを上記組立製作会社に送信することを特徴とする部品製作会社サプライマネージメントシステム。
【請求項9】
販売会社、組立製作会社及び部品製作会社と通信を行う通信手段と、上記組立製作会社から送信された調達計画を登録する調達計画登録手段と、上記販売会社、組立製作会社及び部品製作会社へ調達計画を送信する調達計画送信手段と、を有する調達コントロール代行会社サプライマネージメントシステム。
【請求項10】
請求項9記載の調達コントロール代行会社サプライマネージメントシステムにおいて、上記組立製作会社から納期遅延通知を受信したとき、代替の組立製作会社を選定し、選定した組立製作会社に通知することを特徴とする調達コントロール代行会社サプライマネージメントシステム。
【請求項11】
販売会社、部品製作会社、組立製作会社及び調達コントロール代行会社を含むサプライマネージメントシステムにおいて、
基本調達工程では、上記販売会社から上記調達コントロール代行会社を介して上記組立製作会社へ組立調達依頼が送信され、上記組立製作会社は、部品製作会社の選定、組立製作リードタイム入力、調達計画データの作成を行い、上記部品製作会社は、部品製作リードタイム入力を行い、上記調達コントロール代行会社は、調達計画登録を行い、
再調達工程では、上記販売会社から上記調達コントロール代行会社を介して上記組立製作会社及び上記部品製作会社へ納期変更通知が送信され、上記部品製作会社は、部品製作リードタイム再入力を行い、上記組立製作会社は、組立製作リードタイム再入力、及び調達計画再作成を行い、上記調達コントロール代行会社は、調達計画登録更新を行い、
組立代替選定工程では、上記組立製作会社から上記調達コントロール代行会社を介して他組立製作会社へ納期変更通知が送信され、納期変更通知を受信した組立製作会社は、組立製作リードタイム入力、調達計画作成を行い、上記調達コントロール代行会社は、最適な調達条件を判定し、代替の組立製作会社を選定し、調達計画登録更新を行い、
部品代替選定工程では、上記部品製作会社から上記組立製作会社を介して他部品製作会社へ納期変更通知が送信され、納期変更通知を受信した組立製作会社は、部品製作リードタイム入力を行い、最適な調達条件を判定し、代替の部品製作会社を選定し、調達計画再作成を行い、上記調達コントロール代行会社は、調達計画登録更新を行い、
上記販売会社及び上記部品製作会社は上記調達コントロール代行会社から最新の調達計画データを取り込むことができることを特徴とするサプライマネージメントシステム。
【請求項1】
販売会社、部品製作会社及び調達コントロール代行会社と通信を行う通信手段と、上記販売会社から上記調達コントロール代行会社を介して送信された製品の組立調達依頼に基づいて部品製作会社を選定する部品製作会社選定手段と、上記販売会社から入手した上記製品の組立データに組立製作リードタイムを入力する組立製作リードタイム入力手段と、上記部品製作会社の部品納入スケジュールを含む調達計画を作成する調達計画作成手段と、を有し、上記調達計画を上記調達コントロール代行会社に送信することを特徴とする組立製作会社サプライマネージメントシステム。
【請求項2】
請求項1記載の組立製作会社サプライマネージメントシステムにおいて、上記組立製作リードタイム入力手段は、上記販売会社から上記調達コントロール代行会社を介して納期変更の通知が送信されたとき、再度、上記組立製作リードタイムを入力することを特徴とする組立製作会社サプライマネージメントシステム。
【請求項3】
請求項1記載の組立製作会社サプライマネージメントシステムにおいて、上記調達計画作成手段は、上記販売会社から上記調達コントロール代行会社を介して納期変更の通知が送信されたとき、再度、調達計画を作成することを特徴とする組立製作会社サプライマネージメントシステム。
【請求項4】
請求項1記載の組立製作会社サプライマネージメントシステムにおいて、上記調達計画作成手段は、上記調達コントロール代行会社から、既に選定された他の組立製作会社から納期延期通知があった旨の通知を受信したとき、調達計画を作成し、それを上記調達コントロール代行会社に送信することを特徴とする組立製作会社サプライマネージメントシステム。
【請求項5】
請求項1記載の組立製作会社サプライマネージメントシステムにおいて、上記部品製作会社選定手段は、上記調達コントロール代行会社から、既に選定された他の部品製作会社から納期延期通知があった旨の通知を受信したとき、代替の部品製作会社を選定し、選定した部品製作会社に、通知することを特徴とする組立製作会社サプライマネージメントシステム。
【請求項6】
販売会社、組立製作会社及び調達コントロール代行会社と通信を行う通信手段と、上記組立製作会社から上記調達コントロール代行会社を介して送信された部品調達依頼に基づいて部品データに部品製作リードタイムを入力する部品製作リードタイム入力手段と、を有し、上記部品製作リードタイムが入力された部品データを上記組立製作会社に送信することを特徴とする部品製作会社サプライマネージメントシステム。
【請求項7】
請求項5記載の部品製作会社サプライマネージメントシステムにおいて、上記部品製作リードタイム入力手段は、上記販売会社から上記調達コントロール代行会社を介して納期変更通知が送信されたとき、再度、上記部品製作リードタイムを入力することを特徴とする部品製作会社サプライマネージメントシステム。
【請求項8】
請求項5記載の部品製作会社サプライマネージメントシステムにおいて、上記部品製作リードタイム入力手段は、上記調達コントロール代行会社から、既に選定された他の部品製作会社から納期延期通知があった旨の通知を受信したとき、上記部品製作リードタイムが入力された部品データを上記組立製作会社に送信することを特徴とする部品製作会社サプライマネージメントシステム。
【請求項9】
販売会社、組立製作会社及び部品製作会社と通信を行う通信手段と、上記組立製作会社から送信された調達計画を登録する調達計画登録手段と、上記販売会社、組立製作会社及び部品製作会社へ調達計画を送信する調達計画送信手段と、を有する調達コントロール代行会社サプライマネージメントシステム。
【請求項10】
請求項9記載の調達コントロール代行会社サプライマネージメントシステムにおいて、上記組立製作会社から納期遅延通知を受信したとき、代替の組立製作会社を選定し、選定した組立製作会社に通知することを特徴とする調達コントロール代行会社サプライマネージメントシステム。
【請求項11】
販売会社、部品製作会社、組立製作会社及び調達コントロール代行会社を含むサプライマネージメントシステムにおいて、
基本調達工程では、上記販売会社から上記調達コントロール代行会社を介して上記組立製作会社へ組立調達依頼が送信され、上記組立製作会社は、部品製作会社の選定、組立製作リードタイム入力、調達計画データの作成を行い、上記部品製作会社は、部品製作リードタイム入力を行い、上記調達コントロール代行会社は、調達計画登録を行い、
再調達工程では、上記販売会社から上記調達コントロール代行会社を介して上記組立製作会社及び上記部品製作会社へ納期変更通知が送信され、上記部品製作会社は、部品製作リードタイム再入力を行い、上記組立製作会社は、組立製作リードタイム再入力、及び調達計画再作成を行い、上記調達コントロール代行会社は、調達計画登録更新を行い、
組立代替選定工程では、上記組立製作会社から上記調達コントロール代行会社を介して他組立製作会社へ納期変更通知が送信され、納期変更通知を受信した組立製作会社は、組立製作リードタイム入力、調達計画作成を行い、上記調達コントロール代行会社は、最適な調達条件を判定し、代替の組立製作会社を選定し、調達計画登録更新を行い、
部品代替選定工程では、上記部品製作会社から上記組立製作会社を介して他部品製作会社へ納期変更通知が送信され、納期変更通知を受信した組立製作会社は、部品製作リードタイム入力を行い、最適な調達条件を判定し、代替の部品製作会社を選定し、調達計画再作成を行い、上記調達コントロール代行会社は、調達計画登録更新を行い、
上記販売会社及び上記部品製作会社は上記調達コントロール代行会社から最新の調達計画データを取り込むことができることを特徴とするサプライマネージメントシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
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【図4】
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【図16】
【公開番号】特開2006−11637(P2006−11637A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−185203(P2004−185203)
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【出願人】(000233550)株式会社日立サイエンスシステムズ (112)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【出願人】(000233550)株式会社日立サイエンスシステムズ (112)
【Fターム(参考)】
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