説明

サンプルシート分離供給装置およびサンプルシートの分離供給方法

【課題】 厚さや摩擦係数などの物性を異ならせた品種のサンプルシートの搬送にも対応し、前記サンプルシートの試験、検査、加工等の作業能率の向上と経費の削減に貢献することのできるサンプルシート分離供給装置およびサンプルシートの分離供給方法を提供すること。
【解決手段】
制御手段17により、給紙ローラ3、下側ローラ5および上側ローラ6を正方向へ回転させ、下側ローラ5および上側ローラ6間に挟持されて正方向へ搬送されるサンプルシートSを検知した第1センサ15の検知信号の入力を契機として、下側ローラ5の正方向への回転を停止させ、その後、サンプルシートSを検知した第2センサ16の検知信号の入力を契機として、給紙ローラ3および上側ローラ6の正方向への回転を停止させ、かつ、前記給紙ローラ3を給紙カセット2から離間させるとともに、下側ローラ5を逆方向へ回転させ、電流検出器18が下側ローラ5を駆動させるモータの電流値の所定時間内における安定状態を検知したことで、1枚のサンプルシートSの分離を判断し、下側ローラ5の逆方向への回転を停止させるとともに、下側ピンチローラ8および上側ピンチローラ9間に分離させた1枚のサンプルシートSを挟持させ、下側ピンチローラ8および上側ピンチローラ9を正方向へ回転させて、1枚のサンプルシートSのみを搬送するように、各モータ3M、5M、6Mの駆動を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パルプ、繊維、フィルム等の諸工業における枚葉(シート状)物を検査、試験または加工する機器等に自動的に供給するための枚葉類分離供給装置であって、特に、厚さや摩擦係数などの物性を異ならせた多品種の枚葉類を重畳させてセットした場合であっても、一枚ずつ分離して給送することのできる枚葉類分離装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、紙パルプ、繊維、フィルム等の諸工業においては、欠陥品の枚葉類の出荷を未然に防止し、品質の安定化を図るべく、製品の検査や試験が益々重要視されており、各業界、各製品にそれぞれ見合った多種多様の試験・検査装置が開発され、実用化されている。
【0003】
例えば、紙パルプでは、紙厚試験機、表面平滑試験機、超音波試験器、パーカープリントサーフ試験機等、多数の試験機があり、例えば、試験に当たり、システム化され、小型化した各種試験機を一つに纏めて1台の装置とし、複数種の試験を纏めて行うことができるようにしたペーパーラボ(Valmet Automation社製、商品名)やオートライン(Lorentzen Wattre社製、商品名)等がある。
【0004】
そして、従来、このような試験システムや装置にサンプルとしての枚葉類を供給する場合、作業者が1枚ずつ手作業でサンプルを供給するか、または、給紙装置を用いた方法が採用されている(特許文献1参照)。
【0005】
前記給紙装置を用いる方法としては、例えば、予め裁断されたサンプルの複数枚を供給装置のカセットに重畳させて収納しておき、表面にゴム等の摩擦力の大きな物質を配したローラ等を、最上部または最下部に位置するサンプルに接触させ、その摩擦力を利用して、前記サンプルを順次他のサンプルから分離させつつ、上からまたは下から1枚づつ送出す方法がある(この給紙装置について、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2000−62984号公報
【特許文献2】特開2004−075395号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、作業者が1枚ずつ手作業でサンプルを供給する方法は、試験機に作業者が付きっきりで作業することとなるため、人件費が嵩んだり、作業効率が低下する等の問題があった。
【0008】
また、サンプルの複数枚を供給装置のカセットに重畳させて収納し、自動で給送する方法は、従来の給紙装置においては、同一のカセットに収納されるサンプルはその大きさや種類が同じであることが前提とされているため、厚さや摩擦係数などの物性を異ならせた多品種のサンプルの試験を行なう際には、やはり、そのサンプルの種類ごとに異なるカセットに収納しなければならなかった。
【0009】
つまり、仮に、物性の異なる他品種のサンプルを同一のカセットに混在させて収納した場合、サンプルの厚さ、硬さ、表面粗さ、摩擦係数等が相違するため、1枚ずつに分離して給送することが困難となり、複数枚のサンプルが同時に送られてしまう、所謂、重送の問題が生じた。
【0010】
さらには、前述のように摩擦力を利用して最上位あるいは最下位のサンプルを前方へ給送する方法では、順次、次工程へ送出するものであるが、譬え、サンプルの種類ごとに異なるカセットに収納した場合であっても、重畳されたサンプル間に働く摩擦力の方が前記弾性体とサンプルの表面との間に働く摩擦力よりも大きい場合や、サンプルに接触するローラ等を構成する材料の劣化や紙粉の付着等によって、やはり、重送が引き起こされていた。
【0011】
そこで、本発明は、枚葉類が用紙の搬送経路における上流に配設された一対のローラ間へ重送された場合には、最上位の枚葉類のみを正方向へ搬送させ、その下層に位置する枚葉類は全て逆方向へ搬送させることにより、枚葉類を一枚ずつ分離して給送することができ、特に、厚さや摩擦係数などの物性を異ならせた他品種の枚葉類の搬送にも対応し、前記枚葉類の試験、検査、加工等の作業能率の向上と経費の削減に貢献することのできる枚葉類分離供給装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述した目的を達成するため、本発明の枚葉類分離供給装置は、給紙カセットの上方において前記給紙カセットに重畳させて収納された枚葉類と圧接可能に配設され、モータの駆動力により、前記枚葉類の搬送方向における正方向へ回転可能に支持された給紙ローラ、最上流の前記搬送経路の下方に配設され、モータの駆動力により、前記枚葉類の搬送方向における正逆両方向へ回転可能に支持された下側ローラと、前記下側ローラに対し搬送経路を介して対向配置され、前記下側ローラ側へ接離可能とされ、かつ、モータの駆動により前記枚葉類の搬送方向における正方向へ回転可能に支持された上側ローラとからなる搬送ローラ、前記搬送経路における前記搬送ローラの直下流に配設され、搬送される枚葉類を検知可能とされた第1センサ、前記搬送経路における前記第1センサの直下流に配設され、搬送される枚葉類を検知可能とされた第2センサ、および、前記給紙ローラ、搬送ローラ、上側ローラおよび下側ローラを回転させる各モータの駆動を制御する制御手段を備え、前記重畳された複数枚の枚葉類間に発生する最大の接触摩擦力をA、前記上側ローラとこれに接触している枚葉類との間に発生する最小の接触摩擦力をB、前記下側ローラとこれに接触している枚葉類との間に発生する最小の接触摩擦力をCとした場合に、前記接触摩擦力A、B、Cは、B>C>Aの関係が保たれるように調整されており、前記制御手段は、前記給紙ローラ、下側ローラおよび上側ローラを正方向へ回転させ、前記下側ローラおよび上側ローラ間に挟持されて正方向へ搬送される枚葉類を検知した前記第1センサの検知信号の入力を契機として、前記下側ローラの正方向への回転を停止させ、その後、前記枚葉類を検知した前記第2センサの検知信号の入力を契機として、前記給紙ローラおよび上側ローラの正方向への回転を停止させ、かつ、前記給紙ローラを前記給紙カセットの上面から離間させるとともに、前記下側ローラを逆方向へ回転させ、前記上側ローラに転接する枚葉類のみを分離するように、各モータの駆動を制御することを特徴とする。
【0013】
このように構成された本発明の枚葉類分離搬送装置は、当接した前記給紙ローラの回転により給紙カセットから送出され、前記下側ローラおよび上側ローラに挟持されつつ搬送される枚葉類を前記第1センサが検知する。そして、その検知信号が制御手段に入力されたことを契機に、前記下側ローラのモータの駆動を停止させて、前記下側ローラの正方向への回転を停止させる。
【0014】
搬送される枚葉類が重送された場合には、前記上側ローラはまだ正方向へ回転を続けており、しかも、上側ローラとそれに接触する枚葉類との間に発生する最小の接触摩擦力Bも複数枚の枚葉類間に発生する最大の接触摩擦力Aよりも大きいので、この上側ローラと接触している最上位の枚葉類は更に搬送経路を下流側に搬送される。また、前記下側ローラとそれに接触する枚葉類との間に発生する最小の接触摩擦力Cも、複数枚の枚葉類間に発生する最大の接触摩擦力Aよりも大きいので、下側ローラと接触している最下位の枚葉類はその場に止まる。前記最上位の枚葉類と最下位の枚葉類の間に他の枚葉類が存在する場合には、前記他の枚葉類は、隣位の枚葉類との間に発生する摩擦力によって前記最上位の枚葉類と最下位の枚葉類との間で捌かれる。
【0015】
そして、下流側に搬送される最上位の枚葉類を前記第2センサが検知したときに、前記上側ローラの正方向への回転を停止させるとともに、前記下側ローラを逆方向へ回転させることで、前記上側ローラと接触している最上位の枚葉類をその場に止めた状態で、下側ローラと接触している最下位の枚葉類から上位の枚葉類へ順に、逆方向に搬送する。
【0016】
このとき、前記下側ローラとそれに接触する枚葉類との接触摩擦力Cが、複数枚の枚葉類間に発生する最大の接触摩擦力Aよりも大きいので、その下側ローラに接触する枚葉類を上位に位置する他の枚葉類から引き剥がすように作用する。そして、上側ローラとそれに接触する枚葉類との接触摩擦力Bも複数枚の枚葉類間に発生する最大の接触摩擦力Aよりも大きいので、上側ローラに接触する枚葉類はその下位に位置する他の枚葉類に引きずられることなく、上側ローラにグリップされた状態でその位置に止まる。
【0017】
このようにして、最上位の1枚の枚葉類を他から分離させることで、他品種の枚葉類が給紙カセットに重畳されていても、1枚の枚葉類のみを供給位置へ搬送することが可能となる。
【0018】
また、給紙カセットから送出される枚葉類がもとより1枚である場合には、前記上側ローラがまだ正方向へ回転を続けることにより、更に搬送経路を下流側に搬送される。そして、この枚葉類を前記第2センサが検知したときには、一応、前記上側ローラの正方向への回転を停止させるとともに、前記下側ローラを逆方向へ回転させるが、前記枚葉類は前記上側ローラと接触している摩擦力の方が、下側ローラとの間に発生する摩擦係数よりも優るので、その場に止まる。
【0019】
このように、他品種の枚葉類が給紙カセットに重畳されていても、常に、1枚の枚葉類のみを供給位置へ搬送することが可能となる。
【0020】
さらに、本発明の枚葉類分離搬送装置は、前記上側ローラと前記下側ローラとの間に、前記搬送経路を構成する所定寸法の間隙を形成するための間隙調整手段を有することを特徴とし、具体的には、前記上側ローラは、基端部に形成された軸孔中心を中心点として揺動可能とされた一対のローラ支持部材の先端部間に配設されており、前記間隙調整手段は、前記搬送経路外において、前記ローラ支持部材に形成された基部から前記下側ローラ側へ突出する突出量を調整可能に形成された調整部材と、前記下側ローラの近傍に配設され、前記調整部材の下端部を当接させることで前記上側ローラと前記下側ローラとの間に前記搬送経路を構成する所定寸法の間隙を形成する調整部材受け台とから構成されていることを特徴とする。
【0021】
このように構成された本発明の枚葉類分離搬送装置は、前記調整部材受け台に当接する調整部材の突出量を調整することで、一対のローラ支持部材の先端部間に支持されている前記上側ローラと前記下側ローラとの間に形成される間隙の寸法を調整することができる。このように一対のローラ支持部材の先端部間に支持されている前記上側ローラと前記下側ローラとの間に形成される間隙の寸法を調整することにより、上側ローラ、下側ローラの様々なローラ形状に対応させて、適切な面圧や接触摩擦力を得ることが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の枚葉類分離搬送装置によれば、枚葉類の分離供給が可能であるので、特に、厚さや摩擦係数などの物性を異ならせた多品種の枚葉類をカセットに重畳させて収納した場合に、前記枚葉類の試験、検査、加工等の作業能率の向上と経費の削減に貢献することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
まず、本発明の枚葉類分離供給装置の一実施形態として、給紙カセットに重畳させて収納された他品種の枚葉類のサンプルを1枚ずつ分離して、供給位置としての枚葉類の試験装置へ搬送する枚葉類分離供給装置について、図1乃至図10を用いて説明する。
【0024】
図1は、本実施形態の枚葉類分離供給装置の要部を示す斜視図であり、図2は同じく透過正面図である。図3は、制御手段と他の駆動系等との電気的接続を示す回路図である。また、図4は本実施形態の制御手段による前記第1センサ、第2センサおよび電流検出器の状態別(1ST〜5ST)の前記給紙ローラ、上側ローラ、下側ローラおよびピンチローラの制御状態を説明する流れ図であり、図5乃至図10は本実施形態における制御のサンプルの搬送状態と前記給紙ローラ、上側ローラ、下側ローラおよびピンチローラの駆動状態を説明する模式図である。
【0025】
本実施形態の枚葉類分離供給装置1は、サンプルSとなる他品種の枚葉類を複数枚ずつ重畳させて収納するトレー状の給紙カセット2を備えている(図5乃至図10参照)。この給紙カセット2は、給紙カセット2内に収納される枚葉類のサンプルSを積層する押圧板2aと、前記押圧板2aに押圧力を付与する押圧部材としてのばね(図示せず)を備えている。あるいは、不図示のモータの駆動により、押圧板2aを昇降可能に構成してもよい。
【0026】
また、前記給紙カセット2の上方には、給紙ローラ3が、給紙モータ3Mの駆動により、前記サンプルSの搬送方向における正方向へ回転可能に支持されている。この給紙ローラ3は、ローラシャフト3aと前記ローラシャフト3aに離間させて配設された2つのローラ本体3bとからなり、給紙ローラ接離モータ4を駆動させることにより、搬送経路に供給口を臨ませて配置される前記給紙カセット2に対して接離可能に構成されており、前記給紙ローラ3が給紙カセット2に近接するときには、前記押圧板2a上に積層されたサンプルSがローラ本体3bに適当な加圧力を以て圧接し、前記給紙ローラ3が給紙カセット2から離間することで、前記サンプルSとローラ本体3bとの圧接が解除されるように構成されている。なお、前記ローラ本体3bに加圧センサを配設しておき、予め所定位置に配置されたローラ本体3bに対し、加圧センサで圧接を確認しながら押圧板2aをモータで上昇、当接させるように構成してもよい。
【0027】
そして、前記給紙カセット2と試験装置とを結ぶ、サンプルSの搬送経路における最上流には、下側ローラ5と上側ローラ6とからなる一対の搬送ローラ7が配設されている。
【0028】
前記下側ローラ5は、ローラシャフト5aと前記ローラシャフトに離間させて配設された2つのローラ本体5aとからなり、前記搬送経路の下方に配設され、接続された下側モータ5Mの正逆方向の駆動力により、前記サンプルSの搬送方向における正逆両方向へ回転可能に支持されている。また、本実施形態において、下側モータ5Mには、逆方向への回転時における電流変化を後述する制御手段において検出するための電流検出器18が配設されている。
【0029】
前記上側ローラ6は、ローラシャフト6aと前記ローラシャフト6aに離間させて配設された2つのローラ本体6bとからなり、前記各ローラ本体8bを前記下側ローラ5に配設されたローラ本体5aに搬送経路を介して対向させた状態で、前記下側ローラ5側に対し接離自在に配設されており、接続された上側モータ6Mの駆動力により、前記サンプルSの搬送方向における正方向へ回転可能に支持されている。
【0030】
詳しくは、前記下側ローラ5は、枚葉類分離供給装置1の筐体内部に対向させて形成された一対の下側ローラ軸受け部11間に回転可能に軸支されている。
【0031】
そして、前記上側ローラ6は、ローラ支持部材としての一対のアーム12の先端部間に回転可能に軸支されている。前記一対のアーム12の基端部にはそれぞれ外方へ突出する係止用軸12aが形成されており、前記筐体内部に対向させて形成された一対のアーム支持部13に形成された軸孔13aに前記係止用軸12aを嵌合させることにより、前記上側ローラ6とアーム12が揺動可能とされ、下側ローラ7に対して近接、離間自在に支持されている。さらに、前記上側ローラ6およびアーム12は、エアシリンダ6Sの駆動によって上側ローラ6を上昇させ、下側ローラ5との間隙を枚葉類の搬送に支障のない程度に離間可能とされている。
【0032】
また、前記両アーム12の先端部には、間隙調整手段14を構成する板状の基部14aが延出形成されており、前記基部14aには下側ローラ5側へ突出する突出量を調整可能に形成されたねじ状の調整部材14bを螺合させるねじ孔14cが配設されている。そして、前記下側ローラ5の近傍の搬送経路外には、前記上側ローラ6を下側ローラ5に近接させるように前記アーム12を揺動させたときに、前記調整部材14cの下端部を当接させる間接調整手段14としての受け台14dが配設されており、前記基部14aのねじ孔14cに前記調整部材14bを螺合させ、その先端部の前記基部14aからの突出量を調整することで、前記上側ローラ6と前記下側ローラ5との間、詳しくは、上側ローラ6のローラ本体8b表面と下側ローラ5のローラ本体5a表面との間に前記搬送経路を構成する間隙寸法を調整可能とされている。
【0033】
ここで、前記他品種のサンプルSはそれぞれ複数枚ずつ重畳させて収納されており、これらの上下に積層された各サンプルS間に発生する最大の接触摩擦力をA、前記上側ローラ6と前記各サンプルSとの間に発生する最小の接触摩擦力をB、前記下側ローラ5と前記各サンプルSとの間に発生する最小の接触摩擦力をCとした場合に、前記上側ローラ6および下側ローラ5を、構造が違うものに取り替えたり、ローラ間の間隙寸法を調整することで、前記接触摩擦力A、B、CがB>C>Aの関係が保たれている。
【0034】
例えば、上側ローラ6および下側ローラ5としては、あらゆるサンプルSに対応させるためには金属ローラが望ましいが、ゴムローラであっても使用することができる。ゴムの材質としては、シリコンゴム(ショアA70)やウレタンゴム(ショアA50/A70/A90)を使用する。また、各ローラ5,8の表面は平滑なもの、小さな皺(波)が形成されているもの、ローレット状に形成されてるもの等、各種のローラを用いることができる。
【0035】
そして、前記接触摩擦力A、B、Cの関係は、例えば、以下の方法によって調整することができる。
【0036】
すなわち、上側ローラ6と下側ローラ5を同一のゴム材質とするならば、接触摩擦力の違いを出すためにローラの長さ寸法を変える。また、上側ローラ6と下側ローラ5のゴム材質を異ならせるのであれば、例えば、上側ローラ6をショアA50、下側ローラをショアA90とするなど、上側ローラ6のゴム硬度を下側ローラ5のゴム硬度よりも柔らかいものを使用する。あるいは、直径の大きさを変えて、上側ローラ6の径を下側ローラ5の径よりも大きくして接触面積を変えて使用する。
【0037】
また、上側ローラ6が金属ローラで、下側ローラ5がゴムローラである場合には、金属ローラの接触摩擦力が大きいので、ゴムローラの材質・硬度は使用するサンプルSに合わせて選択すればよい。
【0038】
また、前記上側ローラ6の表面と下側ローラ5の表面との間隙寸法は60μm〜80μm、好ましくは40μm〜50μmとするとよい。この理由は、各ローラを軸支する際の寸法誤差や加工精度の問題があるためである。
【0039】
例えば、サンプルSとして、a紙Sa、b紙Sb、c紙Scをそれぞれ複数枚ずつ用意して、上位から順にa紙Sa、b紙Sb、c紙Scの順で重畳させた場合において、前記a紙Saとの関係で最も大きな接触摩擦力が発生し、c紙Scとの関係で最も小さな接触摩擦力が発生するとした場合に、a紙Saとb紙Sbとの間に発生する最大の接触摩擦力Aを50、前記上側ローラ6とc紙Scとの間に発生する最小の接触摩擦力Bを80、前記下側ローラ5とc紙Scとの間に発生する最小の接触摩擦力Cを60となるように調整する。
【0040】
また、前記搬送経路における前記一対の搬送ローラ7の直下流には、搬送されるサンプルSを検知可能とされた透過型のセンサ(第1センサ)15が配設され、さらに、前記第1センサ15の直下流には、同じく、搬送されるサンプルSを検知可能とされた透過型のセンサ(第2センサ)16が配設されている。
【0041】
さらに、前記搬送経路における前記一対の搬送ローラ7の下流側には、下側モータ8Mの駆動により、前記サンプルSの搬送方向における正方向へ回転可能に支持された下側ピンチローラ8と、前記下側ピンチローラ8に対し搬送経路を介して対向配置され、前記下側ピンチローラ8側へ接離可能とされ、かつ、枚葉類を介在させて前記下側ピンチローラ8に従動回転可能に支持された上側ピンチローラ9とからなるピンチローラ10が配設されており、分離されたサンプルSをさらに下流側に配設された不図示の送りローラ等の搬送手段を経て供給位置へ搬送するように構成されている。さらに、前記上側ピンチローラ9は、エアシリンダ9Sの駆動によって上側ピンチローラ6を上昇させ、下側ローラ5との間隙をサンプルSの搬送に支障のない程度に離間可能とされている。
【0042】
また、本実施形態の枚葉類分離搬送装置1は、図3に示すように、電流検出器18で測定された電流値の変化状態から前記上側ローラ6および下側ローラ5間に1枚のサンプルSが挟持されたことを判断可能とされ、さらに、前記第1センサ15、第2センサ16の検知信号を入力可能とされ、前記給紙ローラ3、下側ローラ5および上側ローラ6を回転させる各モータの駆動を制御する制御手段17を備えている。また、前記制御手段17は、前記給紙ローラ接離モータ4と接続され、給紙ローラ3を給紙カセット2に対して接離動作させる制御を行なうように構成されている。さらに、前記制御手段17は、エアシリンダ6Sおよびエアシリンダ9Sと接続され、上側ローラ6および上側ピンチローラ9を昇降させ、それぞれ下側ローラ5および下側ピンチローラ8との間に必要な間隙を形成可能に構成されている。
【0043】
ここで、本実施形態の枚葉類分離搬送装置1の作用として、特に、サンプルSの分離供給に関する前記制御手段17による制御を図4乃至図10を用いて説明する。
【0044】
また、以下において、各ローラ3,5,6…を「回転させる」の意は、各ローラ3,5,6…に接続されたモータ3M,5M,6M…の駆動を前記制御手段17において制御し、回転させることを意味するものとする。また、各図中、矢印は各ローラの移動乃至回転の方向を示し、黒丸印は停止状態であることを示す。
【0045】
まず、図5に示すように、給紙ローラ接離モータ4により、他品種のサンプルSを収納した前記給紙カセット2に対し給紙ローラ3を近接させ、前記押圧板2a上に積層されたサンプルSに対し給紙ローラ3を適当な加圧力を以て圧接させる。そして、上側ローラ6を下側ローラ5側へ近接させ、その状態で、前記給紙ローラ3、下側ローラ5および上側ローラ6を正方向へ回転させ、前記下側ローラ5および上側ローラ6間にサンプルSを挟持させ、サンプルSを其の搬送方向における正方向へ搬送させる(図4における1ST)。
【0046】
図6に示すように、前記第1センサ15が下側ローラ5および上側ローラ6に挟持されつつ搬送されるサンプルSを検知し、その検知信号が制御手段17に入力されたら、前記下側ローラ5のモータの駆動を停止させて、前記下側ローラ5の正方向への回転を停止させる(図4における2ST)。
【0047】
このとき、搬送されるサンプルSが重送された場合であっても、前記第1センサ15のサンプルSの検知信号の入力を契機に、前記下側モータ5Mの駆動を停止させて、前記下側ローラ5の正方向への回転を停止させても、前記上側ローラ6はまだ正方向へ回転を続けており、しかも、上側ローラ6とそれに接触するサンプルSとの接触摩擦力Bも複数枚のサンプルS間に発生する最大の接触摩擦力Aよりも大きいので、この上側ローラ6と接触している最上位のサンプルSを更に搬送経路を下流側へ搬送することができる。このとき、搬送されるサンプルSの積層寸法に合わせて、前記上側ローラ6を支持するアームが下側ローラ5に対して接離するように揺動することで、上側ローラ6と下側ローラ5の間隙が自動的に調整される。
【0048】
その際、前記下側ローラ5とそれに接触するサンプルSとの接触摩擦力Cも、複数枚のサンプルS間に発生する最大の接触摩擦力Aよりも大きいので、下側ローラ5と接触している最下位のサンプルSをその場に止めることができる。そして、前記最上位のサンプルSと最下位のサンプルSの間に他のサンプルSが存在する場合には、前記他のサンプルSは、隣位のサンプルSとの間に発生する摩擦力により、前記最上位のサンプルSと最下位のサンプルSとの間で捌くことができる。
【0049】
その後、図7に示すように、前記第2センサ16が、上側ローラ6と転接触することにより引き続き搬送される最上位の前記サンプルSを検知し、その検知信号は制御手段17に入力されたら、図8に示すように、前記給紙ローラ接離モータ45を駆動させて前記給紙ローラ3を給紙カセット2から離間させ、前記給紙カセット2に収納されたサンプルSとの当接を解除し、上側ローラ6の正方向への回転を停止させるとともに、前記下側ローラ5を逆方向へ回転させる(図4における3ST)。
【0050】
このように、下流側に搬送される最上位のサンプルSを前記第2センサ16が検知したときに、前記上側ローラ6の正方向への回転を停止させるとともに、前記下側ローラ5を逆方向へ回転させることで、前記上側ローラ6と接触している最上位のサンプルSをその場に止めた状態で、下側ローラ5と接触している最下位のサンプルSから上位のサンプルSへ順に、上流側へ搬送することができる。
【0051】
その際、前記下側ローラ5とそれに接触するサンプルSとの接触摩擦力Cが、複数枚のサンプルS間に発生する最大の接触摩擦力Aよりも大きいので、その下側ローラ5に接触するサンプルSを上位に位置する他のサンプルSから引き剥がすようにしつつ、上流側へ搬送することができる。そして、上側ローラ6とそれに接触するサンプルSとの接触摩擦力Bも複数枚のサンプルS間に発生する最大の接触摩擦力Aよりも大きいので、上側ローラ6に接触するサンプルSをその下位に位置する他のサンプルSに引きずられることなく、上側ローラ6にグリップされた状態でその位置に止めることができる。
【0052】
そして、本実施形態においては、制御手段17および電流検出器18において、下側モータ5Mの回転負荷の変化、すなわち、下側モータ5Mに流れる電流値の変化を観察し、所定時間(例えば3秒〜10秒の間の任意の時間)に電流値に殆ど変化がなく安定した状態を検知したときには、1枚のサンプルSのみを上側ローラ6と下側ローラ5とで挟持している状態と判断する。すなわち、上側ローラ6と下側ローラ5との間に複数枚のサンプルSが介在し、逆回転する下側ローラ5によって、搬送方向における逆方向へ搬送されるサンプルSが存在する間は、前記下側モータ5Mにかかる負荷が、搬送するサンプルSとの関係等によって随時変化するが、上側ローラ6と下側ローラ5との間に、1枚のサンプルSのみを挟持した場合には、前記サンプルSは上側ローラ6との接触摩擦力によってグリップされ、その場に止まっているので、下側ローラ5の回転負荷は通常のサンプルS搬送にかかる所要時間以上とされた所定時間、ほぼ同じ状態が続くこととなる。そこで、この変化を観察することで、上側ローラ6と下側ローラ5との間に挟持されたサンプルSが1枚であるか否かを判断することが可能となる。
【0053】
なお、下側モータ5Mは、逆方向への回転時に、サンプルSの厚さや下側ローラ5の材質等の関係によってロックすることも考えられるので、トルクリミッタを内蔵したギアドモータ等を利用することとし、ロックされた場合にも、1枚のみのサンプルSを挟持したと判断する制御とすることも可能である。または、単純には、前記下側ローラ5が正方向に回転する際の下側モータ5Mの駆動ステップ数をカウントしておき、そのステップ数だけ逆方向へ回転させたり、あるいは、サンプルSの逆方向への搬送に必要な、予め設定した時間あるいは予め設定したステップ数だけ逆方向へ回転させるように構成してもよい。
【0054】
そして、図9に示すように、前記給紙ローラ3を給紙カセット2から離間させるとともに、前記上側ローラ6をエアシリンダ6Sで上昇させて下側ローラ5との間隙をサンプルSの搬送に支障ない程度に大きく形成する。それとともに、下側ピンチローラ8と上側ピンチローラ9で分離された1枚のサンプルSを挟持し、下側ピンチローラ8を正方向へ回転させ(上側ピンチローラ9はサンプルSを挟んで従動する)、1枚のサンプルSを搬送経路の下流側へ搬送する(図4における4ST)。
【0055】
このような制御とすることで、給紙カセット2に収納された最上位の1枚のサンプルSのみを他のサンプルSから分離させることが可能となる。
【0056】
また、給紙カセット2から送出されるサンプルSがもとより1枚である場合には、前述の制御において、このサンプルSを前記第2センサ16が検知したときに、前記上側ローラ6の正方向への回転を停止させるとともに、前記下側ローラ5を逆方向へ回転させるが、前記サンプルSは前記上側ローラ6と接触している接触摩擦力の方が、下側ローラ5との間に発生する接触摩擦力よりも優るので、このサンプルSをそのままその場に止めることができる。
【0057】
そして、図10に示すように、前記第1センサ15が該サンプルSを検出しなくなった段階で、前記下側ピンチローラ8のモータ8Mの駆動を停止し(図4における5ST)、サンプルSの搬送を図示しない搬送ローラ等の搬送手段に委ねる。そして、その後、第1センサ15、第2センサ16が共にサンプルSを検出していない状態となったら、図4における1STに戻り、次のサンプルSの分離搬送を開始する。
【0058】
このように、本実施形態の枚葉類分離搬送装置1によれば、厚さや摩擦係数などの物性を異ならせた他品種のサンプルSも1枚ずつ行うことができるので、前記サンプルSの試験、検査等が重送によって中断されたり、装置が誤動作することもないので、作業能率を向上させることができ、他品種のサンプルSを重畳させて給紙カセットに収納すればよいので、作業者が1台の装置に付きっきりになることも回避できるので、人件費等の経費も削減することができる。
【0059】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【0060】
例えば、給紙モータ3Mと上側モータをリンク機構を介在させて同一のモータで駆動させてもよい。上側モータの逆回転時には、前記給紙ローラ3は給紙カセット2に収納されたサンプルSとの転接を解除されているので、給紙ローラ3が回転していても特に問題はない。
【0061】
さらに、前記第1センサ15、第2センサ16は透過型センサに限らず、反射型センサや超音波型センサ等であってもよい。但し、透過率の高い用紙や色紙のような試料もあるので、透過型または超音波型のセンサであることが望ましい。
【0062】
また、本実施形態においては、前記給紙カセット2に接離機構を配設し、前記給紙ローラ3側に対して接離する構成としたが、前記給紙カセット2の位置を固定し、前記給紙ローラ3を給紙カセット2の上面に対して接離する構成としてもよい。
【実施例】
【0063】
前記a紙として摩擦係数0.18のサンプルSa、b紙として摩擦係数0.25のサンプルSb、c紙として摩擦係数0.11のサンプルScをそれぞれ15枚ずつ、この順で重畳させて給紙カセット2に収納し、前記上側ローラ6として、表面に80μmの突起が複数配列形成された直径28mmの金属ローラ(株式会社塚田螺子製作所製、商品名ノンスリップローラ)、前記下側ローラ5として、表面に40μmの突起が複数配列形成された直径28mmの金属ローラ(株式会社塚田螺子製作所製、商品名ノンスリップローラ)を用い、前記上側ローラ6の表面と下側ローラ5の表面との間隙寸法が170μmとなるように、前記間隙調整手段14を調整した枚葉類分離供給装置1の駆動試験を試みた。
【0064】
このように構成された本実施例の枚葉類分離供給装置1は、各サンプルS間に発生する最大の接触摩擦力Aは0.25(JIS P 8147:以下同じ)、前記上側ローラ6と前記各サンプルSとの間に発生する最小の接触摩擦力Bは 0.8以上、前記下側ローラ5と前記各サンプルSとの間に発生する最小接触摩擦力Cは0.5であり、前述した触摩擦力A、B、Cの関係が保たれている。
【0065】
そして、この駆動試験の結果、給紙カセット2に収納された他品種のサンプルSを最後の1枚まで、全て1枚ずつに分離させ、搬送経路の下流側へ搬送することができた。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本実施形態の枚葉類分離供給装置の搬送ローラの構成を示す斜視図
【図2】本実施形態の枚葉類分離供給装置の搬送ローラの構成を示す透過正面図
【図3】本実施形態の枚葉類分離供給装置における制御手段と他の駆動系の電気的接続を示す回路図
【図4】本実施形態の制御手段による前記第1センサ、第2センサおよび電流検出器の状態別(1ST〜5ST)の前記給紙ローラ、上側ローラおよび下側ローラの制御状態を説明する流れ図
【図5】本実施形態における制御のサンプルの搬送状態と前記給紙ローラ、上側ローラおよび下側ローラの駆動・回転状態を説明する模式図
【図6】本実施形態における制御のサンプルの搬送状態と前記給紙ローラ、上側ローラおよび下側ローラの駆動・回転状態を説明する模式図
【図7】本実施形態における制御のサンプルの搬送状態と前記給紙ローラ、上側ローラおよび下側ローラの駆動・回転状態を説明する模式図
【図8】本実施形態における制御のサンプルの搬送状態と前記給紙ローラ、上側ローラおよび下側ローラの駆動・回転状態を説明する模式図
【図9】本実施形態における制御のサンプルの搬送状態と前記給紙ローラ、上側ローラおよび下側ローラの駆動・回転状態を説明する模式図
【図10】本実施形態における制御のサンプルの搬送状態と前記給紙ローラ、上側ローラおよび下側ローラの駆動・回転状態を説明する模式図
【符号の説明】
【0067】
1 枚葉物分離供給装置
2 給紙カセット
2a 押圧板
3 給紙ローラ
3M 給紙モータ
4 給紙ローラ接離モータ
5 下側ローラ
5M 下側モータ
6 上側ローラ
6M 上側モータ
6S エアシリンダ
7 搬送ローラ
8 下側ピンチローラ
8M モータ
9 上側ピンチローラ
9S エアシリンダ
10 ピンチローラ
11 下側ローラ軸受部
12 アーム
12a 係止用軸
13 アーム支持部
13a 軸孔
14 間隙調整手段
14a 基部
14b 調整部材
14c ねじ孔
14d 受け台
15 第1センサ
16 第2センサ
17 制御手段
18 電流検出器
S サンプル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚の枚葉類を重畳させて収納可能とされた給紙カセットの上方において前記枚葉類と圧接可能に配設され、モータの駆動により、前記枚葉類の搬送方向における正方向へ回転可能に支持された給紙ローラ、
最上流の前記搬送経路の下方に配設され、モータの駆動により、前記枚葉類の搬送方向における正逆両方向へ回転可能に支持された下側ローラと、前記下側ローラに対し搬送経路を介して対向配置され、前記下側ローラ側へ接離可能とされ、かつ、モータの駆動により前記枚葉類の搬送方向における正方向へ回転可能に支持された上側ローラとからなる搬送ローラ、
前記搬送経路における前記搬送ローラの直下流に配設され、搬送される枚葉類を検知可能とされた第1センサ、
前記搬送経路における前記第1センサの直下流に配設され、搬送される枚葉類を検知可能とされた第2センサ、および、
前記給紙ローラ、上側ローラおよび下側ローラを回転させる各モータの駆動を制御する制御手段を備え、
重畳された複数枚の前記枚葉類間に発生する最大の接触摩擦力をA、前記上側ローラとこれに接触している枚葉類との間に発生する最小の接触摩擦力をB、前記下側ローラとこれに接触している枚葉類との間に発生する最小の接触摩擦力をCとした場合に、前記接触摩擦力A、B、Cは、B>C>Aの関係が保たれるように調整されており、
前記制御手段は、前記給紙ローラ、下側ローラおよび上側ローラを正方向へ回転させ、前記下側ローラおよび上側ローラ間に挟持されて正方向へ搬送される枚葉類を検知した前記第1センサの検知信号の入力を契機として、前記下側ローラの正方向への回転を停止させ、その後、前記枚葉類を検知した前記第2センサの検知信号の入力を契機として、前記給紙ローラおよび上側ローラの正方向への回転を停止させ、かつ、前記給紙ローラを前記給紙カセットから離間させるとともに、前記下側ローラを逆方向へ回転させ、前記上側ローラに転接する枚葉類のみを分離するように、各モータの駆動を制御することを特徴とする枚葉類分離供給装置。
【請求項2】
前記上側ローラと前記下側ローラとの間に、前記搬送経路を構成する所定寸法の間隙を形成するための間隙調整手段を有することを特徴とする請求項1に記載の枚葉類供給装置。
【請求項3】
前記上側ローラは、基端部に形成された軸孔中心を中心点として揺動可能とされた一対のローラ支持部材の先端部間に配設されており、前記間隙調整手段は、前記搬送経路外において、前記ローラ支持部材に形成された基部から前記下側ローラ側へ突出する突出量を調整可能に形成された調整部材と、前記下側ローラの近傍に配設され、前記調整部材の下端部を当接させることで前記上側ローラと前記下側ローラとの間に前記搬送経路を構成する所定寸法の間隙を形成する調整部材受け台とから構成されていることを特徴とする請求項2に記載の枚葉類供給装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2008−179467(P2008−179467A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−16200(P2007−16200)
【出願日】平成19年1月26日(2007.1.26)
【特許番号】特許第4002947号(P4002947)
【特許公報発行日】平成19年11月7日(2007.11.7)
【出願人】(594100333)有限会社ベルクマイクロシステムズ (1)
【出願人】(506213809)メッツォオートメーション株式会社 (4)
【Fターム(参考)】