説明

サーバ装置、プログラム、情報処理システム

【課題】レンタル用のメディアに格納されたコンテンツのコピー許可管理を行うことのできるサーバ装置を提供する。
【解決手段】管理サーバは、コピーに対する保護がかけられたコンテンツが記録されたレンタル用のメディアをレンタルしたユーザの情報処理装置との間で、メディアに記録されたコンテンツのコピーの許可を得るために必要な決済に関する情報をネットワークを通じて送受信する。管理サーは、ユーザの情報処理装置との間での決済に関する情報のやりとりを通じて決済済みを確認する都度、コンテンツのコピーを許可する情報をネットワークを通じて情報処理装置に提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】

本発明は、サーバ装置、プログラム、情報処理システムに関する。さらに詳細にはレンタル用のディスクなどのメディアに記録されたコンテンツのコピーの許可管理を行うサーバ装置、プログラム、情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
映画や音楽等、様々なコンテンツの情報記録媒体(メディア)として、昨今はDVD(Digital Versatile Disc)や、BD(Blu-ray Disc(登録商標))などが多く利用されている。これらの情報記録媒体に記録された音楽データ、画像データ等のコンテンツの多くは、その作成者や販売者等が著作権や頒布権を有している。従って、ディスクを購入したユーザであっても、ディスク記録コンテンツの利用には一定の制限がなされる。例えばディスク記録コンテンツを他のディスク等のメディアに無制限にコピーを行うといったことは許容されない。
【0003】
このようなメディア格納コンテンツのコピー管理構成として、管理サーバからのコピー許可情報の受領を条件としたコピー許容処理構成が知られている。具体的には、以下のシーケンスで処理が行われる。
ユーザがコンテンツ格納ディスクなどのメディアをPCや記録再生装置等のユーザ装置に装着して、ユーザ装置がネットワークを介して管理サーバに接続する。その後ユーザ装置は、ディスク識別子(ID)等、予め規定された情報をサーバに送信する。サーバは受信情報の正当性などを確認した後、コピー許可情報をユーザ装置に送信する。ユーザ装置はサーバからのコピー許可情報の受領を条件としてコピー処理を開始することができるというものである。
このようなコピー管理構成は、マネージドコピー(MC:Managed Copy)と呼ばれ、例えば特許文献1(特開2008−98765号公報)にその詳細が記載されている。
【0004】
一方、コンテンツの著作権保護技術に関する規格としてAACS(Advanced Access Content System)規格がある。AACS規格に従ったBDなどのディスク記録コンテンツの多くは暗号化コンテンツとして記録される。AACS規格の代表的な暗号化構成として、コンテンツをユニット単位に区分してユニット毎に異なる暗号化キーを適用する構成がある。このような暗号化構成を採用することで、ユニット単位のコンテンツの利用制御を可能として厳格で多様なコンテンツ利用制御が実現される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−98765号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
マネージドコピー(MC:Managed Copy)は、その運用において、ユーザが購入したコンテンツに対してコピーを許可する仕組みとして検討されている。しかしながら、近年、コンテンツを記録したメディアの流通分野では、レンタルの形式でエンドユーザにデジタルコンテンツが提供される機会が増加している。このような場面において、ユーザによっては、レンタルしたメディアに格納されたコンテンツを視聴してみてその内容が気に入り、そのコンテンツのコピーをユーザ用のメディアに保存したいという要請がある。
【0007】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、レンタル用のメディアに格納されたコンテンツのコピー許可管理を行うことのできるサーバ装置、プログラム、情報処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、本発明の一形態に係るサーバ装置は、コピーに対する保護がかけられたコンテンツが記録されたレンタル用のメディアを再生可能な情報処理装置との間で、前記メディアに記録されたコンテンツのコピーの許可を得るために必要な決済に関する情報をネットワークを通じて送受信する第1の決済情報送受信部と、前記ユーザの情報処理装置との間での前記決済に関する情報のやりとりを通じて前記決済済みを確認する都度、前記コンテンツのコピーを許可する情報を前記ネットワークを通じて前記情報処理装置に提供するコピー許可情報提供部とを具備する。
本発明によれば、レンタル用のメディアに格納されたコンテンツを視聴してユーザが気に入ったならば、所定の料金を支払った上でそのコンテンツのコピーを許可するサービスを提供することができる。
【0009】
前記第1の決済情報送受信部は、前記ユーザの情報処理装置との前記決済に関する情報として決済データを送受信し、前記コピー許可情報提供部は、前記決済データの送受信により決済処理を行い、決済処理が完了したことを確認すると、前記コンテンツのコピーを許可する情報を前記ネットワークを通じて前記情報処理装置に提供することとしてもよい。
【0010】
前記第1の決済情報送受信部は、前記ユーザの情報処理装置から前記決済に関する情報として決済済みであることを示す認証情報を受信し、前記コピー許可情報提供部は、前記決済済みであることを示す認証情報の正当性を判定し、正当であることを判定した場合、前記コンテンツのコピーを許可する情報を前記ネットワークを通じて前記情報処理装置に提供するようにしてもよい。
【0011】
前記目的を達成するため、本発明の別の形態に係るプログラムは、コピーに対する保護がかけられたコンテンツが記録されたレンタル用のメディアを再生可能な情報処理装置との間で、前記メディアに記録されたコンテンツのコピーの許可を得るために必要な決済に関する情報をネットワークを通じて送受信する第1の決済情報送受信部と、前記ユーザの情報処理装置との間での前記決済に関する情報のやりとりを通じて前記決済済みを確認する都度、前記コンテンツのコピーを許可する情報を前記ネットワークを通じて前記情報処理装置に提供するコピー許可情報提供部としてコンピュータを機能させるプログラムである。
【0012】
前記目的を達成するため、本発明の別の形態に係る情報処理システムは、ユーザの情報処理装置とサーバ装置とを具備し、前記情報処理装置は、コピーに対する保護がかけられたコンテンツが記録されたレンタル用のメディアの、前記コンテンツのコピーの許可を得るために必要な決済に関する情報をネットワークを通じて前記サーバ装置との間で送受信する第2の決済情報送受信部と、前記サーバ装置より前記コンテンツのコピーを許可する情報を前記ネットワークを通じて取得し、前記レンタル用のメディアのコンテンツのコピーをユーザ用のメディアに記録して当該コンテンツのコピーを行うコピー処理部とを具備し、前記サーバ装置は、前記情報処理装置との間で、前記決済に関する情報をネットワークを通じて送受信する第1の決済情報送受信部と、前記情報処理装置との間での前記決済に関する情報のやりとりを通じて前記決済済みを確認する都度、前記コンテンツのコピーを許可する情報を前記ネットワークを通じて前記情報処理装置に提供するコピー許可情報提供部とを具備する。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明によれば、レンタル用のメディアに格納されたコンテンツのコピー許可管理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施形態におけるユーザの情報処理装置、レンタル会社、管理サーバ、コンテンツ提供会社の関係を示す図である。
【図2】第1の実施形態の情報処理システムの構成を示す図である。
【図3】図2の情報処理装置でのマネージドコピー処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】図2の管理サーバでのマネージドコピー処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】第2の実施形態におけるユーザの情報処理装置、レンタル会社、管理サーバ、コンテンツ提供会社の関係を示す図である。
【図6】第2の実施形態の情報処理システムの構成を示す図である。
【図7】図6の情報処理装置でのマネージドコピー処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】図6の管理サーバでのマネージドコピー処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】ユーザの情報処理装置、レンタル会社、管理サーバ、コンテンツ提供会社の関係の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
<第1の実施形態>
本実施形態は、レンタル会社よりユーザがレンタルしたレンタル用のメディアにコピーに対する保護がかけられて格納されたコンテンツをユーザの情報処理装置にてユーザ用のメディアにコピーする場合に適用されるマネージドコピー(MC:Managed Copy)の処理に関する。
【0016】
[実施形態の概要]
図1は本実施形態におけるユーザの情報処理装置10、レンタル会社20、管理サーバ30、コンテンツ提供会社40の関係を示す図である。
レンタル会社20は、コンテンツ提供会社40より各種のタイトルのレンタル用の50をレンタルし、レンタル費用F1をコンテンツ提供会社40に支払う。ユーザUはレンタル会社20の店舗に出向き、視聴したいタイトルの50をレンタル会社20よりレンタルし、レンタル費用F2をレンタル会社20に支払う。ユーザUは情報処理装置10を用いて、レンタルしたメディア50に記録された、コピー保護がかけられたコンテンツをユーザ用のメディア60にコピーしたい場合、そのコンテンツのコピーの許可等を管理する管理サーバ30にインターネット1を通じてアクセスする。情報処理装置10と管理サーバ30との間で決済などを含む、コンテンツのコピーの許可を得るために必要な情報のやりとりを経て、情報処理装置10は、管理サーバ30よりコピー許可情報(Permission)を取得し、これを用いてコンテンツをコピー先のユーザ用のメディア60に記録する。管理サーバ30と情報処理装置10のユーザとの間での決済処理で集められたコピー費用F3はコンテンツ提供会社40に何らかの手段で受け渡される。
【0017】
ここでレンタルされるメディア50はBD(Blu-ray Disc(登録商標))などを想定しており、コンテンツの著作権保護技術に関する規格であるAACS(Advanced Access Content System)規格に従った暗号化コンテンツが記録されたメディアであればよい。AACS規格に従った暗号化コンテンツはユニット単位に区分され、ユニット毎に異なる暗号鍵を適用した暗号化データとして記録される。ユニット単位の暗号化構成とすることで、ユニット単位の利用制御が可能となり、厳格で多様なコンテンツ利用制御が実現される。
【0018】
[マネージドコピー処理のための構成]
次に、メディアレンタル流通過程において、本実施形態のコンテンツのマネージドコピー処理を実現するための情報処理システムの構成について説明する。
図2は本実施形態の情報処理システムの構成を示す図である。
同図に示すように、この情報処理システム100は、レンタル用のメディア50、レンタル用のメディア50からコンテンツを読み取り、データ記録可能なユーザ用のメディア60に記録する処理を行う情報処理装置10、さらに、このコンテンツコピー処理の許可情報や、管理データの提供処理を実行する管理サーバ30とを有する。
【0019】
ここでレンタル用のメディア50は、例えばROMディスクであり、Blu-ray Disc(登録商標)等のディスクである。
コンテンツのコピー先であるユーザ用のメディア60は、例えば、ハードディスク(HDD)やR型、RE型のBlu-ray Disc(登録商標)、DVDディスクなどの記録媒体である。
【0020】
レンタル用のメディア50には、AACS規格に従って暗号化されたコンテンツ51が記録されている。記録されるコンテンツ51としては、例えば高精細動画像データであるHD(High Definition)ムービーコンテンツなどの動画コンテンツのAV(Audio Visual)ストリーム、あるいは音楽データ、ゲームプログラム、画像ファイル、音声データ、テキストデータなどがある。暗号化されたコンテンツは、例えばコンテンツ管理ユニット(CPSユニット)単位の利用管理が可能な構成を有し、コンテンツ管理ユニット(CPSユニット)単位で異なるユニット鍵(CPSユニット鍵)が適用された暗号化コンテンツである。
【0021】
また、レンタル用のメディア50には、コピー処理管理ファイル(MCMF)52として、コンテンツ51のコピーの許可を要求する際にアクセスする管理サーバ30を指定するURI(URL)、コンテンツ51の識別子としてのコンテンツID(CID)、コンテンツ51の正当性を示すコンテンツ証明書(CC:Content Certificate)のID(CCID)、メディア識別子としてのPMSN(Pre−recorded Media Serial Number)などが記録されている。さらに、レンタル用のメディア50には、コンテンツ利用管理データ53として、コピー・再生制御情報であるCCI(Copy Control Information)、コンテンツ利用管理単位としてのコンテンツ管理ユニット(CPSユニット)毎に設定される暗号鍵であるCPSユニット鍵、さらに、CPSユニット鍵を取得するための鍵情報(メディア50キー)を格納した暗号鍵ブロックであるMKB(Media Key Block)などが格納されている。
【0022】
さらに、レンタル用のメディア50には、コンテンツ51のコピー処理を行う際に情報処理装置10において実行されるアプリケーションプログラム(図示せず)が格納されている。このアプリケーションプログラムとしては、管理サーバ30との通信を実行するアプリケーションプログラム、決済処理専用のアプリケーションプログラムなどがある。コンテンツ51のコピーを実行する際には、これらの複数のアプリケーションプログラムが情報処理装置10において実行される。
【0023】
情報処理装置10は、具体的にはPCや記録再生装置などであり、レンタル用のメディア50から読み出されたアプリケーションを実行するCPUおよび主メモリなどのコンピュータ・ハードウェアを有している。情報処理装置10には、前記のアプリケーションとコンピュータ・ハードウェアとにより、コンテンツ51のコピーの許可を得るために必要な、決済に関する情報を含む様々な情報をネットワーク1を通じて管理サーバ30との間で送受信するコピー許可要求処理部(第2の決済情報送受信部)11が設けられている。さらに、情報処理装置10には、レンタル用のメディア50からコンテンツ51を読み取り、コピー先のユーザ用のメディア60に記録する記録部12(コピー処理部)を備えている。
【0024】
コピー許可要求処理部11は、マネージドコピー処理に関して、次のような処理を実行する。
(a)コピー処理管理ファイル(MCMF)のURIを利用したサーバアクセス処理、
(b)管理サーバ30からの許容処理リスト(Offer List)の取得処理、
(c)ユーザによる処理選択情報の管理サーバ30への送信処理
(d)決済処理、
(e)管理サーバ30からのコピー許可情報(Permission)の取得処理、チェック処理、コピー許可情報の記録制御部への出力。
【0025】
管理サーバ30は、具体的にはPCなどであり、レンタル用のメディア50に記録されたコンテンツ51のコピーの許可管理を行うためのアプリケーションプログラムを実行するCPUおよび主メモリなどのコンピュータ・ハードウェアを有している。これにより管理サーバ30のコピー許可管理実行部31(第1の決済情報送受信部、コピー許可情報提供部)が設けられている。
【0026】
コピー許可管理実行部31は、より具体的には次のような処理を実行する。
(A)情報処理装置10への許容処理リスト(Offer List)の提供処理、
(B)決済処理、
(C)情報処理装置10へのコピー許可情報(Permission)の提供処理。
【0027】
[本実施形態のマネージドコピー処理の動作]
次に、情報処理装置10と管理サーバ30とでのマネージドコピー処理について、図2、図3および図4を参照して説明する。なお、図3は情報処理装置10でのマネージドコピー処理の流れ、図4は管理サーバ30でのマネージドコピー処理の流れを示すフローチャートである。
【0028】
情報処理装置10は、まず、レンタル用のメディア50のBurst Cutting Areaにメディア識別子としてのPMSNが記録されているかどうかを調べる(図3:ステップS101)。PMSNが記録されているなら、情報処理装置10は、コピー処理管理ファイル(MCMF)から管理サーバ30のURI(URL)、コンテンツIDおよびコンテンツ証明書IDを読み出し、PMSN、コンテンツID(CID)およびコンテンツ証明書ID(CCID)を含むコピー許容リスト要求(Offer Request)を管理サーバ30に送信する(図3:ステップS102)。なお、PMSNが記録されていない場合には、情報処理装置10は、コンテンツIDおよびコンテンツ証明書ID(CCID)とを含むコピー許容リスト要求(Offer Request)を管理サーバ30に送信する(図3:ステップS109)。
【0029】
管理サーバ30は、コピー許容リスト要求(Offer Request)を受信すると(図4:ステップS201)、この要求に含まれるコンテンツID(CID)をもとに、当該コンテンツがコピー許可の判断においてPMSNの正当性のチェックが必須のコンテンツであるかどうかを判定する(図4:ステップS202)。この判定は、PMSNによる正当性のチェックが必須のコンテンツのコンテンツID(CID)もしくはコンテンツ証明書ID(CCID)の一覧を管理サーバ30に予め用意しておき、この一覧と受信したコンテンツID(CID)とを照合することなどによって行われる。
【0030】
当該コンテンツがコピー許可の判断においてPMSNの正当性のチェックが必須のコンテンツである場合(図4:ステップS202のYES)、管理サーバ30は情報処理装置10よりPMSNを取得できたかどうかを判定する(図4:ステップS203)。PMSNを取得できたならば(図4:ステップS203のYES)、管理サーバ30はそのPMSNが正当なものであるかどうかを、そのPMSN、コンテンツID(CID)、コンテンツ証明書ID(CCID)をもとに判定する(図4:ステップS204)。PMSNを受信できなかった場合や(図4:ステップS203のNO)、PMSNが不当であることを判定した場合には(図4:ステップS204のNO)、管理サーバ30はコンテンツのコピー処理を拒否することを判定して(図4:ステップS205)、ここで管理サーバ30側でのマネージドコピー処理は終了となる。また、この場合、管理サーバ30は情報処理装置10に対して不正なPMSNによりコピーが不可である旨を通知し、情報処理装置10において、その管理サーバ30からの通知をディスプレイなどを通してユーザUに提示するようにしてもよい。
【0031】
一方、ステップS204でPMSNが正当なものであることが判定された場合(図4:ステップS204のYES)、管理サーバ30はコピー許容リスト(Offer List)を生成して情報処理装置10に送信する(図4:ステップS206)。ここで、コピー許容リストとは、例えば、1以上のファイルで構成されるコンテンツにおいてマネージドコピーが許容されるファイルの一覧等の情報を含むリストである。
【0032】
情報処理装置10は、管理サーバ30からコピー許容リスト(Offer List)を取得すると、これをディスプレイに表示する(図3:ステップS103)。情報処理装置10のユーザによって、その中からコピー対象のファイルが指定されると(図3:ステップS104)、情報処理装置10は、管理サーバ30との間で、そのファイル単位のコンテンツのコピーの許可を受けるために必要な決済に関する情報のやりとりを実行する(図3:ステップS105、図4:ステップS207)。具体的には、情報処理装置10と管理サーバ30との間で決済データを転送する処理等が行われる。
【0033】
情報処理装置10と管理サーバ30との間でコピーの許可を受けるために必要な決済処理が問題なく終了すると(図4:ステップS208のYES)、情報処理装置10は管理サーバ30にコピー許可要求(Permission Request)を送信する(図3:ステップS106)。
【0034】
管理サーバ30は情報処理装置10からのコピー許可要求(Permission Request)を受信すると(図4:ステップS208)、コピー許可情報(Permission)を情報処理装置10に送信する(図4:ステップS209)。
【0035】
情報処理装置10は、管理サーバ30からのコピー許可情報(Permission)を取得すると(図3:ステップS107)、コンテンツコピー処理に移行する(図3:ステップS108)。このコンテンツコピー処理では、情報処理装置10は、コピー許可情報(Permission)をもとに、レンタル用のメディア50からコピー対象とする暗号化コンテンツのCPSユニットに対応するユニット鍵を取り出す。次に、情報処理装置10は、レンタル用のメディア50に記録された暗号化コンテンツの中のコピー対象とするCPSユニットを読み出して復号処理を行い、コピー先となるユーザ用のメディア60に記録する。
【0036】
以上のように、本実施形態では、コピー保護がかけられたコンテンツを記録したメディアのレンタルによる流通過程においてマネージドコピー処理を導入したことで、レンタル用のメディア50のコンテンツを視聴してユーザが気に入ったならば、所定の料金を支払った上でそのコンテンツをコピーすることができる。これにより、レンタルを含めたトータル的なコンテンツ利用者の増大、マネージドコピーが利用される機会の増大等を図ることができ、コンテンツ流通産業のさらなる繁栄を期待できる。
また、本実施形態では、レンタルされる著作物を管理・保護しつつも、メディア50をレンタルしたユーザが、コンテンツを視聴する中で当該コンテンツを所有したいと希望した場合には当該コンテンツを別途取得(購入)できる。これにより、レンタルサービスを利用するユーザの利便性を更に高めることができる
【0037】
ところで、本実施形態のマネージドコピー処理によれば、レンタル会社20よりレンタルしたメディア50をユーザが別のユーザに無償で貸し出し、別のユーザがそのメディア50に記録されたコンテンツのコピーを保存したい場合にも、前記と同じ手順で管理サーバ30からコピー許可情報を取得すれば、そのコンテンツのコピーを保存することができる。
すなわち、管理サーバ30においては、PMSNが正当で、ユーザの情報処理装置10との間での決済の完了を確認できれば、コピー許可を与えることとしている。この仕組みにより、何度も同じPMSNでコピー許容リスト要求が管理サーバ30に送信されることが予想されるレンタル用のメディア50に適したマネージドコピーのサービスを実現することができる。
また、従来のレンタルビジネスでは通常、ユーザ間の又貸しは、長期延滞や紛失等のトラブルの原因となるうえレンタル会社の収益性を害し得るため、契約で禁止されている。これに対し、本実施形態では、レンタル会社は又貸しを許容しても別途収益を上げることが可能となり、結果としてユーザ間のレンタル用メディアの自由な流通を可能とし、レンタル利用ユーザの利便性を更に高めることができる。
【0038】
<第2の実施形態>
[実施形態の概要]
本実施形態は、レンタル会社よりユーザがレンタルしたレンタル用のメディアにコピーに対する保護がかけられて格納されたコンテンツをユーザの情報処理装置にてユーザ用のメディアにコピーする場合に適用されるマネージドコピーの処理において、ユーザが決済を管理サーバとの間で行うのではなくレンタル会社との間で行うことを想定した実施形態である。
【0039】
図5は第2の実施形態におけるユーザの情報処理装置10A、レンタル会社20、管理サーバ30A、コンテンツ提供会社40の関係を示す図である。
レンタル会社20は、コンテンツ提供会社40より各種のタイトルのメディア50を借り、レンタル費用F1をコンテンツ提供会社40に支払う。ユーザUはレンタル会社20の店舗に出向き、視聴したいタイトルのメディア50をレンタル会社20より借り、レンタル費用F2をレンタル会社20に支払う。その際、ユーザUはそのメディア50に格納されているコンテンツをユーザ用のメディア60にコピーしたい場合には、レンタル会社20にその旨を伝えてコピーの権利を購入する。このコピーの権利は、レンタル会社20より発行されるコードB(以下「バウチャーコード」と記述する。)をユーザUが知らされるという形式で提供される。このバウチャーコードBは、例えば、予め管理サーバ30Aからレンタル会社20に対して発行されたコードであり、すべてユニークなコードであることが望ましい。管理サーバ30Aでは、発行したバウチャーコードが、対応するコンテンツのコンテンツID(CID)およびコンテンツ証明書のID(CCID)と対応付けられて管理されている。ユーザUは情報処理装置10Aを用いて、レンタルしたメディア50に記録されているコンテンツをユーザ用のメディア60にコピーしたい場合、そのコピーの許可等を管理する管理サーバ30Aにインターネット1を通じてアクセスする。情報処理装置10Aと管理サーバ30Aとの間で決済などを含む、コンテンツのコピーの許可を得るために必要な情報のやりとりを経て、情報処理装置10Aは、管理サーバ30Aよりコピー許可情報(Permission)を取得し、これを用いてコンテンツをユーザ用のメディア60に記録する。
【0040】
[マネージドコピー処理のための構成]
次に、メディアレンタル流通過程において、本実施形態のコンテンツのマネージドコピー処理を実現するための情報処理システムの構成について説明する。
図6は本実施形態の情報処理システム100Aの構成を示す図である。
ここでレンタル用のメディア50の構成は、これに記録されているアプリケーションプログラムを除いて第1の実施形態と同様である。情報処理装置10Aには、このアプリケーションとコンピュータ・ハードウェアとにより、コンテンツ51のコピーの許可を得るために必要な情報をネットワーク1を通じて管理サーバ30との間で送受信するコピー許可要求処理部(第2の決済情報送受信部)11Aが設けられている。さらに、情報処理装置10には、レンタル用のメディア50からコンテンツ51を読み取り、コピー先のユーザ用のメディア60に記録する記録部12を備えている。
【0041】
コピー許可要求処理部11Aは、マネージドコピー処理に関して、次のような処理を実行する。
(a)コピー処理管理ファイル(MCMF)のURIを利用したサーバアクセス処理、
(b)管理サーバ30Aからの許容処理リスト(Offer List)の取得処理、
(c)ユーザによる処理選択情報のサーバへの送信処理、
(d)バウチャーコードの送信処理、
(e)管理サーバ30Aからのコピー許可情報(Permission)の取得処理、チェック処理、コピー許可情報の記録制御部への出力。
【0042】
一方、管理サーバ30Aは、レンタル用のメディア50に記録されたコンテンツ51のコピーの許可管理を行うためのアプリケーションプログラムを実行するCPUおよび主メモリなどのコンピュータ・ハードウェアを有している。これにより管理サーバ30Aのコピー許可管理実行部31A(第1の決済情報送受信部、コピー許可情報提供部)が設けられている。
【0043】
コピー許可管理実行部31Aは、より具体的には次のような処理を実行する。
(A)情報処理装置10への許容処理リスト(Offer List)の提供処理、
(B)バウチャーコードの取得と、このバウチャーコードに基づく決済済みの判定処理、
(C)情報処理装置10へのコピー許可情報(Permission)の提供処理。
【0044】
[本実施形態のマネージドコピー処理の動作]
次に、情報処理装置10Aと管理サーバ30Aとでのマネージドコピー処理について、図6、図7および図8を参照して説明する。なお、図7は情報処理装置10Aでのマネージドコピー処理の流れ、図8は管理サーバ30Aでのマネージドコピー処理の流れを示すフローチャートである。
【0045】
情報処理装置10Aは、まず、レンタル用のメディア50に格納されているコピー処理管理ファイル(MCMF)からコンテンツID(CID)およびコンテンツ証明書ID(CCID)とを含むコピー許容リスト要求(Offer Request)を管理サーバ30Aに送信する(図7:ステップS301)。
【0046】
管理サーバ30Aは、コピー許容リスト要求(Offer Request)を受信すると(図8:ステップS401)、この要求に含まれるコンテンツID(CID)およびコンテンツ証明書ID(CCID)をもとに、バウチャーコード有効フラグ付きのコピー許容リスト(Offer List)を生成する。このバウチャーコード有効フラグ付きのコピー許容リストは、次のようにして生成される。
【0047】
管理サーバ30Aは、取得したコンテンツID(CID)およびコンテンツ証明書ID(CCID)をもとに当該コンテンツがバウチャーコードによるマネージドコピー対応のコンテンツであるかどうかを判定する。管理サーバ30Aは、バウチャーコードによるマネージドコピー対応のコンテンツのコンテンツID(CID)およびコンテンツ証明書ID(CCID)のリストを管理しており、レンタル会社20にレンタルしたタイトルのコンテンツのコンテンツID(CID)をリストに追加することとしている。管理サーバ30Aは、情報処理装置10Aからのコピー許容リスト要求(Offer Request)に含まれるコンテンツID(CID)およびコンテンツ証明書ID(CCID)とリストとを照合してバウチャーコードによるマネージドコピー対応のコンテンツであるかどうかの判定を行う。バウチャーコードによるマネージドコピー対応のコンテンツであることが判定された場合、管理サーバ30Aは、コピー許容リスト(Offer List)に、当該コンテンツを構成するファイル毎にこれがバウチャーコードによるマネージドコピー対応のコンテンツであることを示すフラグ(バウチャーコード有効フラグ)を設定する。管理サーバ30Aは、このようにして生成されたコピー許容リスト(Offer List)を情報処理装置10Aに送信する(図8:ステップS402)。
【0048】
情報処理装置10Aは、管理サーバ30Aからコピー許容リスト(Offer List)を取得すると、これをディスプレイに表示する(図7:ステップS302)。情報処理装置10Aのユーザによって、その中からコピー対象のファイルが指定されると(図7:ステップS303)、このファイル単位のコンテンツに対してバウチャーコード有効フラグが設定されているかどうかを調べる(図7:ステップS304)。バウチャーコード有効フラグが設定されていない場合は(図7:ステップS304のNO)、バウチャーコード無しでのコピーが許容されることを意味する。この場合には、情報処理装置10Aは、管理サーバ30Aにコピー許可要求(Permission Request)を送信する(図7:ステップS308)。管理サーバ30Aにコピー許可要求を送信した後の動作は後で説明する。なお、コピー対象であるコンテンツが有料コンテンツである場合には、情報処理装置10Aは、管理サーバ30Aなど、課金処理を行うサーバとの間で、コンテンツのコピーの許可を受けるために必要な決済に関する情報のやりとりを行った後、ステップS308でコピー許可要求の送信を行うこととなる。
【0049】
一方、バウチャーコード有効フラグが設定されている場合(図7:ステップS304のYES)、情報処理装置10Aは、ディスプレイを通してバウチャーコードの入力をユーザに促す。情報処理装置10Aのユーザによってバウチャーコードの入力が完了すると(図7:ステップS305)、情報処理装置10Aは、その入力されたバウチャーコードを管理サーバ30Aに送信する(図7:ステップS306)。
【0050】
管理サーバ30Aにおいては、発行済みのバウチャーコードが、コンテンツのコンテンツID(CID)およびコンテンツ証明書ID(CCID)と対応付けられてテーブルで管理されている。管理サーバ30Aは、情報処理装置10Aよりバウチャーコードを取得すると(図8:ステップS403)、このバウチャーコードが正当なものであるかどうかを、取得したバウチャーコード、コンテンツID(CID)、コンテンツ証明書ID(CCID)との組み合わせと前記のテーブルとの照合により判定する。(図8:ステップ404)。バウチャーコードが正当なものであることが判定された場合(図8:ステップ404のYES)、管理サーバ30Aは、バウチャーコードの認証に成功したことを情報処理装置10Aに送信する(図8:ステップS405)。
【0051】
情報処理装置10Aは、管理サーバ30Aよりバウチャーコードの認証に成功したことの通知を受けると(図7:ステップS307のYES)、管理サーバ30Aにコピー許可要求(Permission Request)を送信する(図7:ステップS308)。
【0052】
管理サーバ30Aは情報処理装置10Aからのコピー許可要求(Permission Request)を受信すると(図8:ステップS406)、コピー許可情報(Permission)を情報処理装置10Aに送信する(図8:ステップS407)。
【0053】
情報処理装置10Aは、管理サーバ30Aからのコピー許可情報(Permission)を取得すると(図7:ステップS309)、コンテンツコピー処理に移行する(図7:ステップS310)。
【0054】
また、管理サーバ30Aは、バウチャーコードが送信されない場合や、不正なバウチャーコード(例えば、1つのバウチャーコードに対して許容されるコピー回数が消費された場合も含む。)が判定された場合には(図8:ステップS404のNO)、コンテンツのコピー処理を拒否することを判定して(図8:ステップS408)、ここで管理サーバ30側でのマネージドコピー処理は終了となる。また、この場合、管理サーバ30Aは情報処理装置10Aに対して不正なバウチャーコードによりコピーが不可である旨を通知し、情報処理装置10Aにおいて、その管理サーバ30Aからの通知をディスプレイなどを通してユーザUに提示するようにしてもよい。
【0055】
さらに、情報処理装置10Aは、ステップS307において、管理サーバ30Aよりバウチャーコードの認証に失敗したことの通知を受けた場合には、コンテンツのコピーの許可が得られなかったとして処理を終了する。
【0056】
以上のように、本実施形態では、コピー保護がかけられたコンテンツを記録したメディアのレンタルによる流通過程においてバウチャーコードを用いたマネージドコピー処理を導入したことで、レンタル用のメディア50のコンテンツを視聴してみてユーザが気に入ったならば、所定の料金を支払った上でそのコンテンツをコピーすることができる。また、本実施形態では、ネットワーク1を介しての決済処理が不要であることから、安全性においてより優れるという利点がある。これは、メディアのレンタルによる流通が基本的に店舗を介して行われることによる効果である。
<変形例1>
【0057】
図9はユーザの情報処理装置10、レンタル会社20B、管理サーバ30B、コンテンツ提供会社40の関係の変形例を示す図である。
この変形例では、レンタル会社20Bが管理サーバ30Bによるマネージドコピー処理のサービスも運営する形態である。この場合にも、先に説明した第1の実施形態および第2の実施形態による、レンタル用のメディア50のコンテンツのコピーの許可管理の方式を採用することが可能である。
【符号の説明】
【0058】
10…情報処理装置
11…コピー許可要求処理部
12…記録部
20…レンタル会社
30…管理サーバ
31…コピー許可管理実行部
40…コンテンツ提供会社
50…レンタル用のメディア
51…コンテンツ
52…コピー処理管理ファイル
53…コンテンツ利用管理データ
100…情報処理システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コピーに対する保護がかけられたコンテンツが記録されたレンタル用のメディアを再生可能な情報処理装置との間で、前記メディアに記録されたコンテンツのコピーの許可を得るために必要な決済に関する情報をネットワークを通じて送受信する第1の決済情報送受信部と、
前記ユーザの情報処理装置との間での前記決済に関する情報のやりとりを通じて前記決済済みを確認する都度、前記コンテンツのコピーを許可する情報を前記ネットワークを通じて前記情報処理装置に提供するコピー許可情報提供部と
を具備するサーバ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のサーバ装置であって、
前記第1の決済情報送受信部は、前記ユーザの情報処理装置との前記決済に関する情報として決済データを送受信し、
前記コピー許可情報提供部は、前記決済データの送受信により決済処理を行い、決済処理が完了したことを確認すると、前記コンテンツのコピーを許可する情報を前記ネットワークを通じて前記情報処理装置に提供する
サーバ装置。
【請求項3】
請求項1に記載のサーバ装置であって、
前記第1の決済情報送受信部は、前記ユーザの情報処理装置から前記決済に関する情報として決済済みであることを示す認証情報を受信し、
前記コピー許可情報提供部は、前記決済済みであることを示す認証情報の正当性を判定し、正当であることを判定した場合、前記コンテンツのコピーを許可する情報を前記ネットワークを通じて前記情報処理装置に提供する
サーバ装置。
【請求項4】
コピーに対する保護がかけられたコンテンツが記録されたレンタル用のメディアを再生可能な情報処理装置との間で、前記メディアに記録されたコンテンツのコピーの許可を得るために必要な決済に関する情報をネットワークを通じて送受信する第1の決済情報送受信部と、
前記ユーザの情報処理装置との間での前記決済に関する情報のやりとりを通じて前記決済済みを確認する都度、前記コンテンツのコピーを許可する情報を前記ネットワークを通じて前記情報処理装置に提供するコピー許可情報提供部として
コンピュータを機能させるプログラム。
【請求項5】
ユーザの情報処理装置とサーバ装置とを具備し、
前記情報処理装置は、
コピーに対する保護がかけられたコンテンツが記録されたレンタル用のメディアの、前記コンテンツのコピーの許可を得るために必要な決済に関する情報をネットワークを通じて前記サーバ装置との間で送受信する第2の決済情報送受信部と、
前記サーバ装置より前記コンテンツのコピーを許可する情報を前記ネットワークを通じて取得し、前記レンタル用のメディアのコンテンツのコピーをユーザ用のメディアに記録して当該コンテンツのコピーを行うコピー処理部とを具備し、
前記サーバ装置は、
前記情報処理装置との間で、前記決済に関する情報を前記ネットワークを通じて送受信する第1の決済情報送受信部と、
前記情報処理装置との間での前記決済に関する情報のやりとりを通じて前記決済済みを確認する都度、前記コンテンツのコピーを許可する情報を前記ネットワークを通じて前記情報処理装置に提供するコピー許可情報提供部とを具備する
情報処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−238062(P2011−238062A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−109510(P2010−109510)
【出願日】平成22年5月11日(2010.5.11)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】