説明

サーバ間の直接通信を用いることによってノード構成におけるサーバ・イベントを監視するための方法及びシステム

【課題】 ノード構成における単一障害点を解決するための方法及びシステムを提供する。
【解決手段】 ノード構成におけるそれぞれのサーバで発生するイベントを監視するための方法及びシステムにおいて、第1のノードに設置された第1のサーバは、他のノードに設置されたサーバにおけるイベントに関する情報をメッセージング・システムから受信する。メッセージング・システムは、高可用性(HA)電子掲示板などを含む。第1のサーバが、第2のノードに設置された第2のサーバに関する始動イベント通知を受信したときに、直接通信経路が、第1のサーバと第2のサーバとの間に確立される。第1のサーバは、第1のサーバのサービスに影響を与えるか又はそれに関係する第2のサーバにおけるイベントを特定する。次いで、第1のサーバは、それぞれの特定されたイベントが発生したときに直接通信経路を介して通知を受信するように、第2のサーバを登録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示され、特許請求される発明は、一般に、ノード・セルすなわちノード構成における各々のセルに、他のノードにおけるサーバに関するサーバ状態情報を提供するための方法及びシステムに関する。より具体的には、本発明は、2つのサーバ間に直接通信経路を確立することによって、異なるノードのサーバ間でサーバ・イベント情報が直接交換される、上述のタイプの方法に関する。さらにより具体的には、本発明は、第2のサーバにおいて特定のイベントが発生したときにはいつでも第1のサーバが通知を受けることで、第1のサーバのサービスが第2のサーバの特定のイベントを特定できる、上述のタイプの方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ますます一般的になる、ノード・セルを備える配列、すなわちノード構成においては、各々のノードは、ノード・エージェントと、1つ又は複数のアプリケーション・サーバとを含む。このタイプの構成においては、一般的に、それぞれのノードが他のノードのサーバ状態を通知され続けることが必要である。対象となるアプリケーション・サーバ状態は、それぞれ、サーバが(1)始動中であるか、(2)始動済みであるか、(3)停止中であるか、(4)停止済みであるかに関する表示を含むことができる。他のノードについてのこのタイプのサーバ状態情報が即時にノードに提供されない場合には、それぞれのサーバは、互いに同期を取ることができない。従って、今日のノード構成には、典型的には、個々のノードが自分自身のサーバ状態情報を報告する中央ノード・マネージャが設けられる。次いで、特定のノードが、別のノードに関する状態情報を要求する場合には、その特定のノードは、そうした情報をノード・マネージャから直接取得する。さらに、ノード構成においては、Java(登録商標)(商標)Management Extension(JMX)イベントなどの特定の状態イベントが別のノードのサーバで発生したときに、そうしたイベントを所与のノードに通告又は通知することが望ましい場合もある。(Java(登録商標)及び全てのJava(登録商標)関連の商標及びロゴは、Sun Microsystems,Inc.の米国及びその他の国における商標)
【0003】
現在のノード・セル又はノード構成の例が、図1に示される。図示されるように、図1は、ノード102A〜Cとノード・マネージャ104とを有するノード構成100を示す。ノード・マネージャ104は、ノード構成100を監視して管理するデプロイメント・マネージャを含む。ノード102A〜Cは、それぞれ、ノード・エージェント106A〜Cとアプリケーション・サーバ108A〜Cとを含んだ状態で示されている。ノード・エージェント106A〜Cは、一般に、それぞれアプリケーション・サーバ108A〜Cとデプロイメント・マネージャ110とを仲介するように機能する。さらに、ノード・エージェント106A〜Cにおいて稼働する管理ロジックは、それぞれ、ノード構成100における他のノード102A〜Cの構成データと同期するノード102A〜Cの構成データを保持する。一般に、ノード・エージェント106A〜Cは、それぞれが制御するアプリケーション・サーバ108A〜Cについての状態情報を、デプロイメント・マネージャ110に直接報告する。例えば、ノード102A〜C上のアプリケーション・サーバ108A〜Cの状態が変化したときには、その変化を示す情報が、ノード・エージェント106A〜Cによってデプロイメント・マネージャ110に送信される。その後、ノード・エージェント106A〜Cのそれぞれは、この状態情報を取得することを要求する場合には、デプロイメント・マネージャ110/ノード・マネージャ104と直接通信することによって行う。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図1に示されるこのタイプのノード構成は、その利点にもかかわらず、単一障害点(single point of failure)を有する。より具体的には、ノード・マネージャ104かデプロイメント・マネージャ110のいずれかが故障した場合には、ノード102A〜Cが必要なサーバ状態情報を取得する手段が存在しない。上述のように、ノード102A〜Cは、サーバ状態情報が利用できない場合には、互いに同期することができなくなる。現在では、2つの異なるノードのノード・エージェントを互いにリンクするによって、この問題を克服する努力がなされている。しかしながら、この解決策を用いても、各々のノードのノード・エージェントは、依然として潜在的な単一障害点として残る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様によれば、少なくとも1つのサーバが各々のノードに設置されるノード構成においてそれぞれのサーバで発生するイベントを監視するための方法であって、他のノードに設置されたサーバにおけるイベントに関する情報をメッセージング・システムから受信するように、第1のノードに設置された第1のサーバを設定するステップと、第1のサーバが第2のノードに設置された第2のサーバに関する始動イベント通知をメッセージング・システムから受信したときに、第1のサーバと第2のサーバとの間に直接通信経路を確立するステップと、第2のサーバにおいて特定のイベントが発生したときに第1のサーバに通知するために、第2のサーバから直接通信経路を介して第1のサーバでメッセージを直接受信するステップと、を含む方法が提供される。
【0006】
1つの実施形態においては、メッセージング・システムには、第1のサーバの現在の状態が与えられる。第1のサーバは、選択された他のサーバに関する始動イベント通知をメッセージング・システムから受信するように登録されることが好ましい。
【0007】
好ましくは、サーバの各々は、そのサーバの状態をメッセージング・システムに登録して連続的に更新し、サーバのうちの他のサーバに関する始動イベント通知を受信するためにメッセージング・システムにサブスクライブするための、メッセージング・システム・インターフェース・コンポーネントを含む。
【0008】
好ましくは、第1のサーバは、1つ又は複数の関連サービスを有する。第2のサーバに関する始動イベント通知を受信したときに、第1のサーバは、第2のサーバのどのイベントが第1のサーバのサービスの1つ又は複数に影響を与えることがあるかを特定するために、そのサービスの各々に照会することが好ましい。第1のサーバは、特定されたイベントのいずれかが発生したときに第2のサーバから直接通信経路を介して通知を受信するように登録することが好ましい。
【0009】
好ましくは、特定されたイベントの通知を第2のサーバから受信するように登録する際に第1のサーバによって用いるためのオブジェクトが、第2のサーバから直接通信経路を介して第1のサーバで受信される。
【0010】
1つの実施形態においては、第2のサーバの特定されたイベントは、第2のサーバが、始動中であるか、始動済みであるか、停止中であるか、停止済みであるサーバ状態を含む群から選択される。
【0011】
1つの実施形態においては、第2のサーバの特定されたイベントは、JMXイベントを含む。
【0012】
1つの実施形態においては、メッセージング・システムは、高可用性電子掲示板(highly available bulletin board)を含む。
【0013】
別の態様によれば、少なくとも1つのサーバが各々のノードに設置されるノード構成においてそれぞれのサーバで発生するイベントを監視するための、コンピュータ可読媒体内のコンピュータ・プログラム製品であって、他のノードに設置されたサーバにおけるイベントに関する情報をメッセージング・システムから受信するように、第1のノードに設置された第1のサーバを設定するための第1の命令と、第1のサーバが第2のノードに設置された第2のサーバに関する始動イベント通知をメッセージング・システムから受信したときに、第1のサーバと第2のサーバとの間に直接通信経路を確立するための第2の命令と、第2のサーバにおいて特定のイベントが発生したときに第1のサーバに通知するために、第2のサーバから直接通信経路を介して第1のサーバでメッセージを直接受信するための第3の命令と、を含むコンピュータ・プログラム製品が提供される。
【0014】
別の態様によれば、少なくとも1つのサーバが各々のノードに設置されるノード構成においてそれぞれのサーバで発生するイベントを監視するように動作可能なコンピュータ・システムであって、プロセッサと、該プロセッサに接続されたコンピュータ可読媒体であって、プロセッサによって読み込まれ、それによりプロセッサに、他のノードに設置されたサーバにおけるイベントに関する情報をメッセージング・システムから受信するように、第1のノードに設置された第1のサーバを設定させ、第1のサーバが第2のノードに設置された第2のサーバに関する始動イベント通知をメッセージング・システムから受信したときに、第1のサーバと第2のサーバとの間に直接通信経路を確立させ、第2のサーバから直接通信経路を介して第1のサーバでメッセージを直接受信し、それにより第2のサーバにおいて特定のイベントが発生したときに第1のサーバに通知させるように構成されたコンピュータ可読媒体と、を備えるシステムが提供される。
【0015】
本明細書において開示される発明は、一般に、ノード構成における異なるノードに配置された2つのサーバを、該2つのサーバの間に直接通信経路を確立することによって結合することができる実施形態を提供する。確立された経路は、図1に図示されるノード・マネージャ104、デプロイメント・マネージャ110、及びノード・エージェント106A〜Cのようなコンポーネントを意図的に除外している。従って、こうしたコンポーネントのいずれも、1つのサーバから別のサーバへの状態情報の伝達を妨げる単一障害点となる可能性はない。本発明の実施形態は、ノード構成の各々のサーバから状態情報を受信するように配置された、高可用性(HA)電子掲示板などといったメッセージング・システムを用いる。ノード構成のそれぞれのサーバで発生するイベントを監視するための方法を対象とする1つの有用な実施形態においては、第1のノードに設置された第1のサーバは、他のノードに設置されたサーバにおけるイベントに関する情報をメッセージング・システムから受信する。本方法は、さらに、第1のサーバが第2のノードに設置された第2のサーバに関する始動イベント通知をメッセージング・システムから受信したときに、第1のサーバと第2のサーバとの間に直接通信経路を確立すること含む。次いで、第1のサーバに関係する特定のイベントが第2のサーバで発生したときに第1のサーバに通知するために、第2のサーバからこの通信経路を介して第1のサーバにメッセージを直接送信することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
ここで、本発明の好ましい実施形態が、添付図面を参照して単なる例として説明される。
【0017】
図2を参照すると、ノード204及び206を含むノード構成202が示される。ノード構成202は2つのノードを持つものとして示されているが、これは、例示のみを目的とし、説明を簡単にするためであることを理解されたい。実際には、ノード構成202は、その使用及び用途に応じて異なる数のノードを含むことができる。さらに、ノード204及び206は、本発明の教示を実行することができるあらゆるタイプのコンピュータ装置を表すように意図されていることを認識すべきである。例えば、ノード204及び206は、デスクトップ・コンピュータ、ラップトップ・コンピュータ、ハンドヘルド装置、クライアント、サーバなどとすることができる。さらに、ノード204及び206は、例えばインターネット、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、又は仮想プライベート・ネットワーク(VPN)といったネットワーク上で選択的に接続することができる。また、ノード構成202全体の通信は、有線による直接接続を介して行うか、又は、有線による方法及び/又は無線による方法のいずれかの組み合わせを利用するアドレス可能な接続を介して行うことができる。トークンリング、イーサネット(登録商標)、又は他の従来の通信標準などといった従来のネットワーク接続を用いることができる。接続は従来のIPベースのプロトコルによって行うこともでき、インターネット・サービス・プロバイダを利用して相互接続が確立される。
【0018】
さらに図2を参照すると、ノード204には、サーバAとも呼ばれるアプリケーション・サーバ208が設けられ、ノード206には、サーバNとも呼ばれるアプリケーション・サーバ210が設けられることが示される。実際には、ノード204及び206の各々は、サーバA及びサーバN以外にもさらに多くのサーバを含むことができる。しかしながら、説明及び例示を簡単にするために、そうした追加のサーバはここに示されていない。ノード204及び206のそれぞれのサーバの操作に用いられるノード・エージェントも示されていない。
【0019】
図2は、さらに、電子掲示板214を有するHAメッセージング・システムを有効に含むメッセージング・システム212を示す。電子掲示板214は、業界でWebSphere(商標)として知られているInternational Business Machines Corporationの製品を有効に含むが、電子掲示板214は、これに限定されるものではない。(WebSphere(商標)は、International Business Machines Corporationの米国及びその他の国における商標)メッセージング・システム212は、ノード204のサーバ208及びノード206のサーバ210と、情報を直接通信するようになっている。より具体的には、サーバ208には、サーバ208の状態を電子掲示板214に送付するために、メッセージング・システム・インターフェース・サービス216などのコンポーネントが設けられる。インターフェース・サービス216はまた、ノード206のサーバ210を含む、ノード構成202の特定の他のサーバについての始動イベント通知を受信するために、サーバ208をメッセージング・システム212に登録するように設定される。一般に、インターフェース216は、メッセージング・システム212に送付する他のサーバについての始動イベントを受信するように登録し、ここで他のサーバは、サーバ208のサービスに関連するトピック又はサブジェクトのメッセージングに関連するものである。
【0020】
同様に、サーバ210には、サーバ210の状態を電子掲示板214に送付するために、メッセージング・システム・インターフェース218が設けられる。インターフェース218もまた、サーバ208などのノード構成202の他のノードのサーバについての始動イベント通知を受信するために、サーバ210を登録するように動作可能である。
【0021】
本発明の幾つかの有用な実施形態においては、サーバの状態は、サーバが始動中のときにはいつでも、そのインターフェース・サービスによって電子掲示板214に送付される。電子掲示板214に送付される他の情報は、サーバ208及び210などのアプリケーション・サーバのJMX状態イベントに関連するものとすることができる。こうした状態イベントは、とりわけ、始動中のサーバ、始動済みのサーバ、停止中のサーバ、及び停止済みのサーバを含むことができる。電子掲示板214は、単なる例示の目的でメッセージング・システム212の中に描かれていることを理解されたい。当業者であれば、他の構成に想到するものと考えられる。
【0022】
メッセージング・システム・インターフェース・コンポーネント216又は218が、最初に、他の特定のサーバの始動イベントを受信するように登録するときには、その時点で稼働中の他の全てのサーバの識別情報を取得する。その後、特定のサーバの1つが始動したときにはいつでも、メッセージング・システム212及び電子掲示板214は、メッセージング・システム・インターフェース・コンポーネント216又は218に始動イベントを通知する。
【0023】
図3を参照すると、以下サーバAと呼ばれるサーバ208が、以下サーバNと呼ばれるサーバ210が始動したとの通知を受信することが示されている。この通知を受信すると、サーバAは、そのサービスの各々に関して照会又は調査して、サービスのうちのいずれかが、新しく始動したサーバNのいずれかのイベントを追跡することを必要とするかどうかを判断する。この手続は、例えば、図2に示されるクエリ・サーバA・サービス・コンポーネント220のようなサーバAのサービス又はコンポーネントによって実行することができる。サーバAの1つ又は複数のサービスが、こうした照会に対して肯定応答し、サーバAが監視又は追跡すべきサーバNの1つ又は複数のイベントを特定した場合には、サーバAは、新しく始動したサーバNとの直接接続を生成する。より具体的には、図3に示されるように、サーバAは、サーバNとの直接通信経路又はリンク302を確立するように動作する。接続タスクは、図2に示されるサーバ・リンク・コンポーネント222のようなサーバAのサービスによって有効に実行される。
【0024】
図3をさらに参照すると、サーバAとサーバNとの間に直接接続を確立するために通信経路302が設定された後、サーバAは、サーバNからオブジェクト304を取得する。次いで、サーバAは、このオブジェクトを用いて、上述された照会手続の際に特定されたイベントの通知を受信するようにサーバNに登録する。このように、それぞれの特定されたイベントに関係するか又はイベントの影響を受けるサーバAのサービスは、こうしたイベントがサーバNにおいて発生したときに通知される。図4は、JMXイベントを含む、特定されたイベントを示す。登録手続は、図2に示されるサーバ登録コンポーネント224のようなサーバAのサービスによって有効に実行される。特定されたサーバNのイベントの通知は、通信経路302によって、サーバNからサーバAに直接与えられる。このように、図2〜図4に示される本発明の実施形態は、ノードにおける単一障害点として作用してサーバ状態情報の流れを妨げるノード・エージェントの従来の問題を克服する。
【0025】
図2は、さらに、サーバN又は他のノードのサーバのイベントを監視しようとするサーバAのそれぞれのサービスをまとめて表す、サーバAの他のサービス226を示す。図2はまた、サーバAのサービス220〜226のそれぞれに対応するサービス又はコンポーネント228〜234がサーバNに設けられていることを示す。このように、サーバNが、図3に示されるように、サーバAが始動したことを電子掲示板214によって通知されたときに、サービス228〜232は、それぞれサービス220〜224について上述されたものと同様のサーバNについての機能を実行する。従って、直接接続が、通信経路306によってサーバNとサーバAとの間に確立される。サーバNのサービスに関係のある、サーバAの特定されたJMXイベントを監視するようにサーバNによって用いるために、オブジェクト308がサーバAからサーバNに配信される。図4は、サーバNがサーバAに関するこれらの特定されたイベントを登録することを示し、さらに、それぞれのイベントの通知が直接通信経路306によってサーバAからサーバNに直接提供されること示す。
【0026】
図5を参照すると、上述のように、電子掲示板214とサーバAとの対話及びサーバNとの対話が示されている。図5の機能ブロック502は、サーバAが、その状態情報を電子掲示板214に送付すること、及び、他のノードの選択されたサーバについて電子掲示板214から始動イベント通知を受信するように電子掲示板214に登録することを示す。
【0027】
図5は、さらに、判定ブロック504及び506を示す。これらの判定ブロックは、全体として、サーバAがサーバNについての始動イベント通知を受信したときに、サーバNのいずれかのイベントに関係するものが存在するかどうかを判断するために、サーバAのそれぞれのサービスが照会されることを示す。存在する場合には、機能ブロック508によって示されるように、サーバAとサーバNとの間に直接接続が確立され、機能ブロック510によって示されるように、サーバNからのオブジェクトがサーバAによって取得される。機能ブロック512によって示されるように、オブジェクトは、関係のあるイベントの1つが発生したときには常にサーバAがサーバNによって通知されるように登録するために用いられる。
【0028】
図6を参照すると、ノード204に関して、本発明のより具体的なコンピュータ実装が示される。ノード206及びノード構成202の他のノードは、同様のコンポーネントを含むものと理解されるべきである。図6は、処理ユニット602と、メモリ604と、バス606と、入出力(I/O)インターフェース608と、外部装置/ソース610と、記憶ユニット612とを含むノード204を示す。処理ユニット602は、単一の処理ユニットを含むことも、1つ又は複数の位置にある1つ又は複数の処理ユニットにわたって分散させることもできる。メモリ604は、磁気媒体、光媒体、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、データ・キャッシュ、又はデータ・オブジェクトといった、任意の既知のタイプのデータ記憶媒体を含むことができる。さらに、メモリ604は、単一の物理的位置に存在するようにすることも、様々な形式の複数の物理システムにわたって分散させることもできる。
【0029】
I/Oインターフェース608は、外部装置又はソースとの間で情報を交換するための任意のシステムを含むことができる。外部装置/ソース610は、スピーカ、CRT、LEDスクリーン、ハンドヘルド装置、キーボード、マウス、音声認識システム、音声出力システム、プリンタ、モニタ、又はディスプレイといった、任意の既知のタイプの外部装置を含むことができる。バス606は、ノード204におけるコンポーネントの各々の間に通信リンクを提供するものであり、電気的リンク、光学的リンク、又は無線リンクといった、任意の既知のタイプの伝送リンクを含むことができる。
【0030】
記憶ユニット612は、本発明の下で情報(例えば、サーバ状態情報)を記憶することが可能な任意のシステム(例えば、データベース)とすることができる。従って、記憶ユニット612は、磁気ディスク・ドライブ又は光ディスク・ドライブといった1つ又は複数の記憶装置を含むことができる。別の実施形態においては、記憶ユニット612は、例えばLAN、WAN、又はストレージ・エリア・ネットワークSAN(図示せず)にわたって分散されたデータを含むことができる。図示されないが、キャッシュ・メモリ、通信システム、又はシステム・ソフトウェアなどの追加のコンポーネントをノード204に組み込むことができる。上述のように、ノード206は、ノード204について示されたものと同様のコンポーネントを持つことになる。
【0031】
本発明は、完全に機能するデータ処理システムを背景として説明されたが、当業者であれば、本発明のプロセスは、命令及び種々の形式のコンピュータ可読媒体の形態で配布することが可能であることと、本発明は、配布を行うために実際に用いられる特定のタイプの信号支持媒体にかかわりなく等しく適用されることとが分かるであろうということに留意することが重要である。コンピュータ可読媒体の例には、フレキシブル・ディスク、ハード・ディスク・ドライブ、RAM、CD−ROM、DVD−ROMなどの書込み可能なタイプの媒体と、デジタル通信リンク及びアナログ通信リンク、例えば無線周波数伝送及び光波伝送といった伝送形式を用いる有線通信リンク及び無線通信リンクなどの伝送タイプの媒体とが含まれる。コンピュータ可読媒体は、特定のデータ処理システムにおいて実際の使用するために復号化される符号化フォーマットの形態を取ることができる。
【0032】
本発明の説明は、例示及び説明の目的で提示されたものであり、網羅的であること、又は、開示された形態の発明に限定されることを意図するものではない。当業者には、多くの修正及び変形が明らかであろう。本実施形態は、本発明の原理、実際の用途を最も良く説明するために、及び、当業者が、考えられる特定の使用に適した種々の修正を伴う種々の実施形態について本発明を理解することができるように、選択され説明された。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】背景技術に係る、ノード構成におけるサーバ状態の集中監視のためのシステムを示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に従って動作するように構成されたコンポーネントを有するノード構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る、2つのサーバ間の直接通信を示すための、図2のノード構成の選択されたコンポーネントをそれぞれ示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係る、2つのサーバ間の直接通信を示すための、図2のノード構成の選択されたコンポーネントをそれぞれ示すブロック図である。
【図5】図3〜図4の実施形態をさらに示すフローチャートである。
【図6】図3〜図4の実施形態を実装するためのコンピュータ構成を示す簡略化されたブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのサーバが各々のノードに設置されるノード構成においてそれぞれのサーバで発生するイベントを監視するための方法であって、
他のノードに設置されたサーバにおけるイベントに関する情報をメッセージング・システムから受信するように、第1のノードに設置された第1のサーバを設定するステップと、
前記第1のサーバが第2のノードに設置された第2のサーバに関する始動イベント通知を前記メッセージング・システムから受信したときに、前記第1のサーバと前記第2のサーバとの間に直接通信経路を確立するステップと、
前記第2のサーバにおいて特定のイベントが発生したときに、前記第1のサーバに通知するために、前記第2のサーバから前記直接通信経路を介して前記第1のサーバでメッセージを直接受信するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記設定するステップは、
前記第1のサーバの現在の状態を前記メッセージング・システムに与えるステップと、
選択された他のサーバに関する始動イベント通知を前記メッセージング・システムから受信するように、前記第1のサーバを登録するステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記サーバの各々は、そのサーバの状態を前記メッセージング・システムに登録して連続的に更新し、前記サーバのうちの他のサーバに関する始動イベント通知を受信するように前記メッセージング・システムにサブスクライブするための、メッセージング・システム・インターフェース・コンポーネントを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のサーバは1つ又は複数の関連サービスを有し、
前記第2のサーバに関する前記始動イベント通知を受信したときに、前記第2のサーバのどのイベントが前記第1のサーバの前記サービスの1つ又は複数に影響を与えることがあるかを特定するために、前記第1のサーバによって前記サービスの各々に照会するステップと、
特定されたイベントのいずれかが発生したときに前記第2のサーバから前記直接通信経路を介して通知を受信するように、前記第1のサーバによって登録するステップと、
を含む、請求項1乃至3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記特定されたイベントの通知を前記第2のサーバから受信するように登録する際に前記第1のサーバによって用いるためのオブジェクトを、前記第2のサーバから前記直接通信経路を介して前記第1のサーバで受信するステップを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第2のサーバの前記特定されたイベントは、前記第2のサーバが、始動中であるか、始動済みであるか、停止中であるか、停止済みであるサーバ状態を含む群から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第2のサーバの前記特定されたイベントはJMXイベントを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記メッセージング・システムは高可用性電子掲示板を含む、請求項1乃至7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1つのサーバが各々のノードに設置されるノード構成においてそれぞれのサーバで発生するイベントを監視するための、コンピュータ可読媒体内のコンピュータ・プログラム製品であって、
他のノードに設置されたサーバにおけるイベントに関する情報をメッセージング・システムから受信するように、第1のノードに設置された第1のサーバを設定するための第1の命令と、
前記第1のサーバが第2のノードに設置された第2のサーバに関する始動イベント通知を前記メッセージング・システムから受信したときに、前記第1のサーバと前記第2のサーバとの間に直接通信経路を確立するための第2の命令と、
前記第2のサーバにおいて特定のイベントが発生したときに、前記第1のサーバに通知するために、前記第2のサーバから前記直接通信経路を介して前記第1のサーバでメッセージを直接受信するための第3の命令と、
を含むコンピュータ・プログラム製品。
【請求項10】
前記第1のサーバの現在の状態を前記メッセージング・システムに与えるための第4の命令と、
選択された他のサーバに関する始動イベント通知を前記メッセージング・システムから受信するように、前記第1のサーバを登録するための第5の命令と、
を含む、請求項9に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項11】
前記サーバの各々は、そのサーバの状態を前記メッセージング・システムに登録して連続的に更新し、前記サーバのうちの他のサーバに関する始動イベント通知を受信するように前記メッセージング・システムにサブスクライブするための、メッセージング・システム・インターフェース・コンポーネントを含む、請求項10に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項12】
前記第1のサーバは1つ又は複数の関連サービスを有し、
前記第2のサーバに関する前記始動イベント通知を受信したことに応答して、前記第2のサーバのどのイベントが前記第1のサーバの前記サービスの1つ又は複数に影響を与えることがあるかを特定するために、前記第1のサーバによって前記サービスの各々に照会するための第6の命令と、
特定されたイベントのいずれかが発生したときに前記第2のサーバから前記直接通信経路を介して通知を受信するように、前記第1のサーバによって登録するための第7の命令と、
を含む、請求項9、請求項10、又は請求項11に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項13】
前記特定されたイベントの通知を前記第2のサーバから受信するように登録する際に前記第1のサーバによって用いるためのオブジェクトを、前記第2のサーバから前記直接通信経路を介して前記第1のサーバで受信するための第8の命令を含む、請求項12に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項14】
前記第2のサーバの前記特定されたイベントは、前記第2のサーバが、始動中であるか、始動済みであるか、停止中であるか、停止済みであるサーバ状態を含む群から選択される、請求項13に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項15】
前記第2のサーバの前記特定されたイベントはJMXイベントを含む、請求項13に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項16】
前記メッセージング・システムは高可用性電子掲示板を含む、請求項9乃至請求項15のいずれかの請求項に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項17】
少なくとも1つのサーバが各々のノードに設置されるノード構成においてそれぞれのサーバで発生するイベントを監視するように動作可能なコンピュータ・システムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサに接続されたコンピュータ可読媒体であって、前記プロセッサによって読み込まれ、それにより前記プロセッサに、
他のノードに設置されたサーバにおけるイベントに関する情報をメッセージング・システムから受信するように、第1のノードに設置された第1のサーバを設定させ、
前記第1のサーバが第2のノードに設置された第2のサーバに関する始動イベント通知を前記メッセージング・システムから受信したときに、前記第1のサーバと前記第2のサーバとの間に直接通信経路を確立させ、
前記第2のサーバから前記直接通信経路を介して前記第1のサーバでメッセージを直接受信し、それにより、前記第2のサーバにおいて特定のイベントが発生したときに前記第1のサーバに通知させる、
ように構成されたコンピュータ可読媒体と、
を備えるコンピュータ・システム。
【請求項18】
前記第1のサーバの現在の状態を前記メッセージング・システムに与えるための手段と、
選択された他のサーバに関する始動イベント通知を前記メッセージング・システムから受信するように、前記第1のサーバを登録するための手段と、
を備える、請求項17に記載のコンピュータ・システム。
【請求項19】
前記サーバの各々は、そのサーバの状態を前記メッセージング・システムに登録して連続的に更新し、前記サーバのうちの他のサーバに関する始動イベント通知を受信するように前記メッセージング・システムにサブスクライブするための、メッセージング・システム・インターフェース・コンポーネントを含む、請求項18に記載のコンピュータ・システム。
【請求項20】
前記第1のサーバは1つ又は複数の関連サービスを有し、
前記第2のサーバに関する前記始動イベント通知を受信したことに応答して、前記第2のサーバのどのイベントが前記第1のサーバの前記サービスの1つ又は複数に影響を与えることがあるかを特定するために、前記第1のサーバによって前記サービスの各々に照会するための手段と、
特定されたイベントのいずれかが発生したときに前記第2のサーバから前記直接通信経路を介して通知を受信するように、前記第1のサーバを登録するための手段と、
を備える、請求項17乃至請求項19のいずれかの請求項に記載のコンピュータ・システム。
【請求項21】
前記特定されたイベントの通知を前記第2のサーバから受信するように登録する際に前記第1のサーバによって用いるために、オブジェクトを前記第2のサーバから前記直接通信経路を介して前記第1のサーバで受信するための手段を含む、請求項20に記載のコンピュータ・システム。
【請求項22】
前記第2のサーバの前記特定されたイベントは、前記第2のサーバが、始動中であるか、始動済みであるか、停止中であるか、停止済みであるサーバ状態を含む群から選択される、請求項21に記載のコンピュータ・システム。
【請求項23】
前記第2のサーバの前記特定されたイベントはJMXイベントを含む、請求項21に記載のコンピュータ・システム。
【請求項24】
前記メッセージング・システムは高可用性電子掲示板を含む、請求項17乃至請求項23のいずれかの請求項に記載のコンピュータ・システム。
【請求項25】
コンピュータ上で実行されたときに、請求項1乃至請求項8のいずれかの請求項に記載の方法を行うように適合されたプログラム・コード手段を含むコンピュータ・プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−519477(P2008−519477A)
【公表日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−538417(P2007−538417)
【出願日】平成17年10月26日(2005.10.26)
【国際出願番号】PCT/EP2005/055578
【国際公開番号】WO2006/045823
【国際公開日】平成18年5月4日(2006.5.4)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】