説明

サービス提供業務支援サーバおよび方法、並びにサービス提供業務支援システム

【課題】ヘルプデスク担当者自身が顧客を特定する操作を行なわず、顧客の同意を得て、顧客の入力状況を容易かつ迅速に把握し、顧客のエラー修正を容易にし、さらにシステムの負荷を軽減することを目的とする。
【解決手段】処理S304〜308において、顧客は、ヘルプデスクへの架電を行ない、ヘルプデスク担当者の担当者番号を取得し、顧客PCにおいて担当者番号を入力する。処理S310〜処理316において、ヘルプデスク支援システムは、ヘルプデスク担当者の端末へ支援画面を送信する。処理S318〜処理324において、担当者は支援画面を参照してエラー解消方法を通知することによって、顧客はエラーデータを修正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はサービス提供業務支援サーバおよび方法、並びにサービス提供業務支援システムに関し、より具体的には、インターネット取引の操作において、ヘルプデスクへの問い合わせ処理を効率化するサービス提供業務支援サーバおよび方法、並びにサービス提供業務支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットバンキングをはじめとする一般のインターネットチャネルを利用した取引において、顧客は手元操作に躓くと、例えば操作説明用のリンク先を読んで再操作するか、それでも解決しない場合は、フリーダイヤルのヘルプデスク等に架電し、ヘルプデスクの担当者に現状や入力内容を伝え、アドバイスを得ることによって再操作を行っている。従来のヘルプデスクへのシステムでは、ヘルプデスクの担当者は顧客画面の閲覧が行なえず、顧客の説明による口頭での説明を受けてエラー箇所を探っているため、状況把握に時間がかかり、正確に把握できないことから、これらに対処したヘルプデスクの支援システムが提案されている。すなわち、ヘルプデスク担当者がシステムにログインすることにより顧客画面を参照することを可能にするシステム(例えば、特許文献1および2参照)や、顧客が顧客画面の画像をヘルプデスクに送信することにより現在の画面を参照することを可能にするシステム(例えば、特許文献3乃至5参照)などである。
【0003】
【特許文献1】特願2003-54816号
【特許文献2】特願2005-377285号
【特許文献3】特願2004-369204号
【特許文献4】特願2003-197490号
【特許文献5】特願2000-338925号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1乃至5のヘルプデスクへの顧客支援画面表示方法では、顧客がWebシステム上で本人認証を行ったことを前提に個人データの閲覧・操作を行なえるようになっているにもかかわらず、ヘルプデスクの担当者は、顧客を特定できた上でその個人データを閲覧できてしまうという問題が生じ、担当者の不正を防げない。
【0005】
さらに、特許文献1乃至2の支援画面表示方法では、担当者はインターネットバンキングシステム内の個人情報の参照を行いながらの案内であるために操作が複雑となり、特許文献3乃至5の支援画面表示方法では、毎回、大量の画面データを送信しなければならないので通信量および処理負荷が増加するという問題がある。
【0006】
本願発明は、上記課題に鑑み、ヘルプデスクの担当者による不正を防止するために、ヘルプデスク担当者自身が顧客を特定する操作を行なうことなく、顧客の同意を得て、顧客の入力状況を容易かつ迅速に把握することで、顧客がエラーを修正することが容易となり、さらにシステムの通信量や処理負荷を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、サービス提供に関連して顧客端末へ表示される画面の表示データ、および顧客端末によって入力された情報の履歴である入力ログを記憶する記憶手段と、顧客端末に担当者を特定する番号を入力させる画面の表示データを送信して表示させ、該画面において入力された顧客端末から受信した担当者を特定する番号を受信する担当者特定番号受信手段と、入力ログに基づいて、顧客端末に表示される画面の表示データを記憶手段から読み出して、所望の時点の顧客端末と同様の支援画面を生成する支援画面生成手段と、顧客端末から受信した担当者を特定する番号に結び付けられた担当者の使用するヘルプデスク端末の画面上に、生成された支援画面を送信して表示させる支援画面表示手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のサービス提供業務支援サーバであって、支援画面表示手段は、顧客端末から受信した担当者を特定する番号に結び付けられた担当者からの要求によって、担当者の使用するヘルプデスク端末において生成された支援画面を表示させることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のサービス提供業務支援サーバであって、担当者を特定する番号は担当者番号であって、支援画面表示手段は、サービス提供業務支援サーバが、担当者の使用しているヘルプデスク端末と担当者番号とを結びつける情報を有しており、結びつけ情報に基づいて担当者番号に結び付けられたヘルプデスク端末に生成された支援画面を送信することを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載のサービス提供業務支援サーバであって、顧客端末からの正しい入力を受信すると、入力ログを削除して参照処理を終了し、ヘルプデスク端末との通信を切断する参照処理終了手段をさらに備えることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載のサービス提供業務支援サーバであって、担当者特定番号受信手段は、顧客端末から担当者を特定する画面の要求を受信すると、担当者特定番号を入力させる画面の表示データを送信する入力画面送信手段をさらに備えることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、サービス提供業務支援方法であって、サービス提供に関連して顧客端末へ表示される画面の表示データ、および顧客端末によって入力された情報の履歴である入力ログを記憶する記憶ステップと、顧客端末に担当者を特定する番号を入力させる画面の表示データを送信して表示させ、該画面において入力された顧客端末から受信した担当者を特定する番号を受信する担当者特定番号受信ステップと、入力ログに基づいて、顧客端末に表示される画面の表示データを記憶手段から読み出して、所望の時点の顧客端末と同様の支援画面を生成する支援画面生成ステップと、顧客端末から受信した担当者を特定する番号に結び付けられた担当者の使用するヘルプデスク端末の画面上に、生成された支援画面を送信して表示させる支援画面表示ステップとを備えることを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のサービス提供業務支援方法であって、支援画面表示ステップは、顧客端末から受信した担当者を特定する番号に結び付けられた担当者からの要求によって、担当者の使用するヘルプデスク端末において生成された支援画面を表示させることを特徴とする。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項6または7に記載のサービス提供業務支援方法であって、担当者を特定する番号は担当者番号であって、支援画面表示手段は、サービス提供業務支援サーバが、担当者の使用しているヘルプデスク端末と担当者番号とを結びつける情報を有しており、結びつけ情報に基づいて担当者番号に結び付けられたヘルプデスク端末に生成された支援画面を送信することを特徴とする。
【0015】
請求項9に記載の発明は、請求項6乃至8のいずれかに記載のサービス提供業務支援方法であって、顧客端末からの正しい入力を受信すると、入力ログを削除して参照処理を終了し、ヘルプデスク端末との通信を切断する参照処理終了ステップをさらに備えることを特徴とする。
【0016】
請求項10に記載の発明は、請求項6乃至9のいずれかに記載のサービス提供業務支援方法であって、担当者特定番号受信ステップは、顧客端末から担当者を特定する画面の要求を受信すると、担当者特定番号を入力させる画面の表示データを送信する入力画面送信ステップをさらに備えることを特徴とする。
【0017】
請求項11に記載の発明は、サービス提供業務支援プログラムであって、サービス提供に関連して顧客端末へ表示される画面の表示データ、および顧客端末によって入力された情報の履歴である入力ログを記憶する記憶ステップと、顧客端末に担当者を特定する番号を入力させる画面の表示データを送信して表示させ、該画面において入力された顧客端末から受信した担当者を特定する番号を受信する担当者特定番号受信ステップと、入力ログに基づいて、顧客端末に表示される画面の表示データを記憶手段から読み出して、所望の時点の顧客端末と同様の支援画面を生成する支援画面生成ステップと、顧客端末から受信した担当者を特定する番号に結び付けられた担当者の使用するヘルプデスク端末の画面上に、生成された支援画面を送信して表示させる支援画面表示ステップとを備えることを特徴とする。
【0018】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載のサービス提供業務支援プログラムであって、支援画面表示ステップは、顧客端末から受信した担当者を特定する番号に結び付けられた担当者からの要求によって、担当者の使用するヘルプデスク端末において生成された支援画面を表示させることを特徴とする。
【0019】
請求項13に記載の発明は、請求項11または12に記載のサービス提供業務支援プログラムであって、担当者を特定する番号は担当者番号であって、支援画面表示手段は、サービス提供業務支援サーバが、担当者の使用しているヘルプデスク端末と担当者番号とを結びつける情報を有しており、結びつけ情報に基づいて担当者番号に結び付けられたヘルプデスク端末に生成された支援画面を送信することを特徴とする。
【0020】
請求項14に記載の発明は、請求項11乃至13のいずれかに記載のサービス提供業務支援プログラムであって、顧客端末からの正しい入力を受信すると、入力ログを削除して参照処理を終了し、ヘルプデスク端末との通信を切断する参照処理終了ステップをさらに備えることを特徴とする。
【0021】
請求項15に記載の発明は、請求項11乃至14のいずれかに記載のサービス提供業務支援プログラムであって、担当者特定番号受信ステップは、顧客端末から担当者を特定する画面の要求を受信すると、担当者特定番号を入力させる画面の表示データを送信する入力画面送信ステップをさらに備えることを特徴とする。
【0022】
請求項16に記載の発明は、サービス提供業務支援システムであって、顧客へサービスを提供するためのサービス提供サーバと、顧客がサービスを受けるためにサービス提供サーバにネットワークを介して接続する顧客端末と、サービス提供サーバ上に接続され、サービス提供に関連して顧客端末へ表示される画面の表示データ、および顧客端末によって入力された情報の履歴である入力ログを記憶する記憶手段と、顧客端末に担当者を特定する番号を入力させる画面の表示データを送信して表示させ、該画面において入力された顧客端末から受信した担当者を特定する番号を受信する担当者特定番号受信手段と、入力ログに基づいて、顧客端末に表示される画面の表示データを記憶手段から読み出して、所望の時点の顧客端末と同様の支援画面を生成する支援画面生成手段と、顧客端末から受信した担当者を特定する番号に結び付けられた担当者の使用するヘルプデスク端末の画面上に、生成された支援画面を送信して表示させる支援画面表示手段とを備えたサービス提供業務支援サーバと、サービス提供業務支援サーバに接続され、顧客からの問い合わせへの対応を支援するヘルプデスク端末とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本願発明は、請求項1のサービス提供に関連して顧客端末へ表示される画面の表示データ、および顧客端末によって入力された情報の履歴である入力ログを記憶する記憶手段と、顧客端末に担当者を特定する番号を入力させる画面の表示データを送信して表示させ、該画面において入力された顧客端末から受信した担当者を特定する番号を受信する担当者特定番号受信手段と、入力ログに基づいて、顧客端末に表示される画面の表示データを記憶手段から読み出して、所望の時点の顧客端末と同様の支援画面を生成する支援画面生成手段と、顧客端末から受信した担当者を特定する番号に結び付けられた担当者の使用するヘルプデスク端末の画面上に、生成された支援画面を送信して表示させる支援画面表示手段とを備えているので、ヘルプデスク担当者は現在の顧客端末における画面状態の迅速な把握が可能となる。さらに、ヘルプデスク担当者自身が顧客を特定する操作を行うことなく、顧客の同意を得て、ヘルプデスク担当者は顧客の問い合わせ箇所に関する情報のみを閲覧することになることから、ヘルプデスク担当者が顧客の個人情報等を不正に取得することを防ぐことができる。さらに、顧客端末とシステム間において画面の画像を送受信することが不要となるので、通信量および処理負荷を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本実施形態ではインターネットバンキングについて説明する。
【0025】
図1は、本願発明の一実施形態によるシステム100の構成図である。システム100は、顧客がインターネットバンキングおよび電話問い合わせに使用する顧客PC102および顧客電話104と、顧客PCとネットワークとを介して接続可能なインターネットバンキングシステム内のヘルプデスク支援サーバ106と、ヘルプデスク支援サーバ106と専用線で接続されているヘルプデスク端末108と、顧客からの問い合わせの架電を受け付けるヘルプデスク担当者電話110とで構成されている。本実施形態では、顧客PC102を用いるが、顧客PC102に代えてPDAなどの携帯端末やノートパソコンなどの本技術分野で知られた可搬型の通信機能を有する任意の情報機器を用いることができる。インターネットバンキングサーバは、一般に金融取引に関する様々な処理を行い、本実施形態ではさらにヘルプデスクの対応処理において用いるヘルプデスク支援サーバ106が接続される。以下の説明では、そのようなヘルプデスクの支援方法について説明し、その他の処理については説明を省略する。したがって、ヘルプデスク支援サーバ106は、インターネットバンキングサーバを介して顧客にヘルプデスクによる対応に関する様々なサービスを提供することができ、そのWebサービスにおけるエラーや問い合わせを受ける任意のシステムであってよい。
【0026】
図2は、本実施形態のヘルプデスク支援サーバ106のモジュール構成図である。ヘルプデスク支援サーバ106は、画面およびログ管理部202と、担当者番号受信部204と、支援画面生成部206と、支援画面送信部208とを備える。
【0027】
画面およびログ管理部202は、顧客PCへ表示される画面および顧客の入力した情報をインターネットバンキングシステムから取得し、入力ログとして操作ログDB(データベース)210に記憶し、参照処理終了時には、操作ログDB210に格納されている入力ログを削除するなどデータベースの管理を行う。また、ヘルプデスク端末に支援画面が表示されるごとに、どの担当者がいつ何を閲覧したかなどのヘルプデスク担当者の作業を管理するための情報をログとして格納することもできる。
【0028】
担当者番号受信部204は、顧客のPC画面上にヘルプデスクの担当者番号を入力させる画面を表示させ、操作の途中でヘルプ対応が必要となった顧客によってフリーダイヤル等でヘルプデスクへの架電がなされ、ヘルプデスクの担当者から顧客に通知された担当者番号が顧客端末に入力され送信された結果、送信された担当者番号を受信する。
【0029】
支援画面生成部206は、まず操作ログDB210から顧客の入力ログを読み出し、さらに、取得した入力ログに対応する顧客PC表示画面を、あらかじめ操作ログDB210に格納されている顧客PC表示画面の中から読み出す。その後、これらの入力ログおよび顧客PC表示画面を関連付けることによって、現在の顧客の操作状況におけるのと同一の支援画面を生成する。
【0030】
支援画面送信部208は、担当者番号に結び付けられた担当者の使用するヘルプデスク端末108上に生成された支援画面を表示する。担当者は、ヘルプデスク端末108を使用してヘルプデスク支援サーバ106へアクセスし、担当者専用のID・パスワード等によるアクセス認証を経て、ヘルプデスク担当者用の機能を使用する。ヘルプデスク支援サーバ106は、この担当者用の機能の中から「顧客画面閲覧」機能が選択されると、顧客へ通知した担当者番号を入力するための「担当者番号入力」画面を表示する。さらにヘルプデスク支援サーバ106は、担当者が「担当者番号入力」画面へ顧客に通知した担当者番号を入力すると、アクセスしている担当者の担当者番号と、その担当者が使用しているヘルプデスク端末の端末番号とを結びつける情報を生成し、この結びつけ情報に基づいて顧客PCから受信した担当者番号の担当者が使用しているヘルプデスク端末を特定し、生成した支援画面を送信し、表示する。なお、表示される画面の内容に顧客を特定できるような情報がある場合に、特定できる情報の部分をマスキングして表示することによって、担当者が顧客を特定できないようすることもできる。
【0031】
本実施形態では図2に示すようなモジュール構成により処理を実行するが、これに限られることなく、各モジュールの順序を交換したり、新たなモジュールを追加しても、同様の処理を行うことができる。
【0032】
次に図3を参照して本実施形態の処理を説明する。図3は、本実施形態の処理を実行するシーケンスを示す図である。
【0033】
本実施形態では、先ず処理S302において、インターネットバンキングのサービスを受けていた顧客自身では解決不能なエラーが発生した場合を想定する。具体的には、入力値の不正によるエラー、画面表示項目などで不明な点が発生する場合などである。顧客は、PC画面上に「操作ヘルプ」メニューなどを表示させてエラー内容の確認を行なうが、それでも解決することができない場合、処理S304において、障害時のフローに従い、フリーダイヤル等によりヘルプデスクへの架電を行なう。
【0034】
処理S306において、ヘルプデスク担当者は、問題の生じた顧客の現状を把握するために種々の質問をしたりするが、最終的には顧客が入力を間違った画面か操作方法が分からない画面を実際に閲覧することにより、より適確なヘルプデスク対応を行なうために、本実施形態では顧客に電話で担当者番号を伝え、顧客端末のヘルプ画面に入力させ、ヘルプデスク支援サーバに送信させる。これにより、ヘルプデスク支援サーバ106は、該当する担当者番号のヘプルデスク担当者が使用する端末を特定して支援画面を送信する。すなわち、ヘルプデスク担当者は、現在顧客PC102における操作状況を閲覧する旨を説明して担当者番号を通知し、顧客が情報の閲覧を許可する場合は顧客PCの画面上で担当者番号を入力することを説明する。処理S308において、顧客が閲覧を了承して電話によってヘルプデスクから取得した担当者番号を顧客PCから入力すると、端末からヘルプデスク支援サーバ106へ担当者番号が送信される。ここで担当者番号入力画面は、例えば顧客が図4に示すような「操作ヘルプ」ボタンを押下することによって表示されるヘルプメニューの中から、「担当者への画面閲覧許可する」を押下することによって「担当者番号入力」画面へ進むか、あるいは「操作ヘルプ」ボタンとは別のリンク先を設けて、リンク先の専用画面で担当者画面を入力することによって提供することできるが、画面の生成方法はこれらに限られない。
【0035】
処理S310において、ヘルプデスク支援サーバ106は、閲覧許可をしてきた顧客端末の入力ログをインターネットバンキングシステムから取得し、操作ログDB210へ書き込む。処理S312において、取得した入力ログに対応するあらかじめ操作ログDB210に格納されている顧客PC表示画面と、入力ログとを操作ログDB210から読み出して関連付けることによって、ヘルプデスク担当者用の支援画面を生成する。さらに、取得した入力ログから顧客が入力した担当者番号を抽出し、生成した支援画面と結び付けてこの担当者番号を操作ログDB210へ格納する。なお、この結合処理は、取引の途中画面であれば、その取引の最初の画面から現在の画面までを抽出する場合、顧客が開いている画面のみ抽出する場合など、本技術分野で知られるいずれかの処理により、ヘルプデスク担当者の閲覧用環境を生成することができる。
【0036】
処理S314において、担当者は、ヘルプデスク端末108を使用して、担当者専用のID・パスワード等によるヘルプデスク支援サーバ106へのアクセス認証を経て、ヘルプデスク担当者用の機能を使用している。ヘルプデスク支援サーバ106は、ヘルプデスク担当者用の機能の中から「顧客画面閲覧」機能が選択されると、顧客へ通知した担当者番号を入力するための「担当者番号入力」画面を表示する。ヘルプデスク支援サーバ106は、担当者が「担当者番号入力」画面へ顧客に通知した担当者番号を入力すると、入力された担当者番号と、担当者が使用しているヘルプデスク端末の端末番号とを結びつける端末結びつけ情報を生成する。この端末結び付け情報は、担当者がサーバにログインした際のログイン情報を用いるなどの、本技術分野で知られた担当者が使用している端末を特定することができる任意の方法を用いることができる。さらに、ヘルプデスク支援サーバ106は、処理S312で生成した支援画面およびその支援画面に結び付けられた担当者番号を操作ログDB210から取り出し、端末結びつけ情報をもちいて、この支援画面に結び付けられた担当者番号から顧客PCから受信した担当者番号の担当者が使用しているヘルプデスク端末を特定し、支援画面を送信することによって、処理S316において画面上に支援画面が表示される。なお、表示される画面の内容に顧客を特定できるような情報がある場合に、特定できる情報の部分をマスキングして表示することによって、担当者が顧客を特定できないようすることもできる。
【0037】
処理S318において、担当者は支援画面を精査することによってエラー発生理由を特定する。
【0038】
処理S320において、ヘルプデスク担当者は顧客へエラー解消方法を通知し、処理S322において、顧客はエラーデータの修正を行なう。なお、担当者からのエラー解消方法の通知は、電話上において口頭で行なうことの他、顧客PCの画面上に修正例を表示させるなどの本技術分野で知られた任意の手法を用いることができる。
【0039】
処理S324において、インターネットバンキングサーバは、エラーデータの修正を顧客が行い、正しい入力がなされたことを確認すると、ヘルプデスク端末との接続を遮断し、操作ログDB210内の入力ログを削除することによって、参照処理を終了する。またこの処理は、正しい入力がなされたとき以外にも、例えば顧客が処理を終了させずにログアウトした場合や、ネットワーク障害の場合などのエラー発生時にも行なわれる。
【0040】
図4は、本実施形態による顧客PCの画面例を示す。顧客PCの画面上には、インターネットバンキングにおけるサービス画面が表示されており、これらと共に、「操作ヘルプ」ボタンが常に表示されている。本実施形態における表示方法だが、これに限られず、いずれの表示方法を用いることができる。
【0041】
本実施形態ではインターネットバンキングについて説明したが、インターネットを介して提供する様々な他のサービスにおいても適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施形態によるシステム構成図である。
【図2】本発明の実施形態によるヘルプデスク支援システムのモジュール構成図である。
【図3】本発明の実施形態によるヘルプデスクへの顧客支援画面表示システムのシーケンスを示す。
【図4】本発明の実施形態による顧客端末PCの一例を示す。
【符号の説明】
【0043】
100 システム
102 顧客PC
104 顧客電話
106 ヘルプデスク支援サーバ
108 ヘルプデスク端末
110 ヘルプデスク担当者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービス提供に関連して顧客端末へ表示される画面の表示データ、および前記顧客端末によって入力された情報の履歴である入力ログを記憶する記憶手段と、
前記顧客端末に担当者を特定する番号を入力させる画面の表示データを送信して表示させ、該画面において入力された前記顧客端末から受信した担当者を特定する番号を受信する担当者特定番号受信手段と、
前記入力ログに基づいて、前記顧客端末に表示される画面の表示データを記憶手段から読み出して、所望の時点の顧客端末と同様の支援画面を生成する支援画面生成手段と、
前記顧客端末から受信した担当者を特定する番号に結び付けられた担当者の使用するヘルプデスク端末の画面上に、前記生成された支援画面を送信して表示させる支援画面表示手段と
を備えることを特徴とするサービス提供業務支援サーバ。
【請求項2】
前記支援画面表示手段は、前記顧客端末から受信した担当者を特定する番号に結び付けられた前記担当者からの要求によって、前記担当者の使用するヘルプデスク端末において前記生成された支援画面を表示させることを特徴とする請求項1に記載のサービス提供業務支援サーバ。
【請求項3】
前記担当者を特定する番号は担当者番号であって、前記支援画面表示手段は、前記サービス提供業務支援サーバが、前記担当者の使用しているヘルプデスク端末と前記担当者番号とを結びつける情報を有しており、前記結びつけ情報に基づいて前記担当者番号に結び付けられた前記ヘルプデスク端末に前記生成された支援画面を送信することを特徴とする請求項1または2に記載のサービス提供業務支援サーバ。
【請求項4】
前記顧客端末からの正しい入力を受信すると、前記入力ログを削除して参照処理を終了し、前記ヘルプデスク端末との通信を切断する参照処理終了手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のサービス提供業務支援サーバ。
【請求項5】
前記担当者特定番号受信手段は、前記顧客端末から担当者を特定する画面の要求を受信すると、前記担当者特定番号を入力させる前記画面の表示データを送信する入力画面送信手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のサービス提供業務支援サーバ。
【請求項6】
サービス提供に関連して顧客端末へ表示される画面の表示データ、および前記顧客端末によって入力された情報の履歴である入力ログを記憶する記憶ステップと、
前記顧客端末に担当者を特定する番号を入力させる画面の表示データを送信して表示させ、該画面において入力された前記顧客端末から受信した担当者を特定する番号を受信する担当者特定番号受信ステップと、
前記入力ログに基づいて、前記顧客端末に表示される画面の表示データを記憶手段から読み出して、所望の時点の顧客端末と同様の支援画面を生成する支援画面生成ステップと、
前記顧客端末から受信した担当者を特定する番号に結び付けられた担当者の使用するヘルプデスク端末の画面上に、前記生成された支援画面を送信して表示させる支援画面表示ステップと
を備えることを特徴とするサービス提供業務支援方法。
【請求項7】
前記支援画面表示ステップは、前記顧客端末から受信した担当者を特定する番号に結び付けられた前記担当者からの要求によって、前記担当者の使用するヘルプデスク端末において前記生成された支援画面を表示させることを特徴とする請求項6に記載のサービス提供業務支援方法。
【請求項8】
前記担当者を特定する番号は担当者番号であって、前記支援画面表示手段は、前記サービス提供業務支援サーバが、前記担当者の使用しているヘルプデスク端末と前記担当者番号とを結びつける情報を有しており、前記結びつけ情報に基づいて前記担当者番号に結び付けられた前記ヘルプデスク端末に前記生成された支援画面を送信することを特徴とする請求項6または7に記載のサービス提供業務支援方法。
【請求項9】
前記顧客端末からの正しい入力を受信すると、前記入力ログを削除して参照処理を終了し、前記ヘルプデスク端末との通信を切断する参照処理終了ステップをさらに備えることを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載のサービス提供業務支援方法。
【請求項10】
前記担当者特定番号受信ステップは、前記顧客端末から担当者を特定する画面の要求を受信すると、前記担当者特定番号を入力させる前記画面の表示データを送信する入力画面送信ステップをさらに備えることを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載のサービス提供業務支援方法。
【請求項11】
サービス提供に関連して顧客端末へ表示される画面の表示データ、および前記顧客端末によって入力された情報の履歴である入力ログを記憶する記憶ステップと、
前記顧客端末に担当者を特定する番号を入力させる画面の表示データを送信して表示させ、該画面において入力された前記顧客端末から受信した担当者を特定する番号を受信する担当者特定番号受信ステップと、
前記入力ログに基づいて、前記顧客端末に表示される画面の表示データを記憶手段から読み出して、所望の時点の顧客端末と同様の支援画面を生成する支援画面生成ステップと、
前記顧客端末から受信した担当者を特定する番号に結び付けられた担当者の使用するヘルプデスク端末の画面上に、前記生成された支援画面を送信して表示させる支援画面表示ステップと
を備えることを特徴とするサービス提供業務支援プログラム。
【請求項12】
前記支援画面表示ステップは、前記顧客端末から受信した担当者を特定する番号に結び付けられた前記担当者からの要求によって、前記担当者の使用するヘルプデスク端末において前記生成された支援画面を表示させることを特徴とする請求項11に記載のサービス提供業務支援プログラム。
【請求項13】
前記担当者を特定する番号は担当者番号であって、前記支援画面表示手段は、前記サービス提供業務支援サーバが、前記担当者の使用しているヘルプデスク端末と前記担当者番号とを結びつける情報を有しており、前記結びつけ情報に基づいて前記担当者番号に結び付けられた前記ヘルプデスク端末に前記生成された支援画面を送信することを特徴とする請求項11または12に記載のサービス提供業務支援プログラム。
【請求項14】
前記顧客端末からの正しい入力を受信すると、前記入力ログを削除して参照処理を終了し、前記ヘルプデスク端末との通信を切断する参照処理終了ステップをさらに備えることを特徴とする請求項11乃至13のいずれかに記載のサービス提供業務支援プログラム。
【請求項15】
前記担当者特定番号受信ステップは、前記顧客端末から担当者を特定する画面の要求を受信すると、前記担当者特定番号を入力させる前記画面の表示データを送信する入力画面送信ステップをさらに備えることを特徴とする請求項11乃至14のいずれかに記載のサービス提供業務支援プログラム。
【請求項16】
顧客へサービスを提供するためのサービス提供サーバと、
顧客がサービスを受けるために前記サービス提供サーバにネットワークを介して接続する顧客端末と、
前記サービス提供サーバ上に接続され、サービス提供に関連して顧客端末へ表示される画面の表示データ、および前記顧客端末によって入力された情報の履歴である入力ログを記憶する記憶手段と、前記顧客端末に担当者を特定する番号を入力させる画面の表示データを送信して表示させ、該画面において入力された前記顧客端末から受信した担当者を特定する番号を受信する担当者特定番号受信手段と、前記入力ログに基づいて、前記顧客端末に表示される画面の表示データを記憶手段から読み出して、所望の時点の顧客端末と同様の支援画面を生成する支援画面生成手段と、前記顧客端末から受信した担当者を特定する番号に結び付けられた担当者の使用するヘルプデスク端末の画面上に、前記生成された支援画面を送信して表示させる支援画面表示手段とを備えたサービス提供業務支援サーバと、
前記サービス提供業務支援サーバに接続され、顧客からの問い合わせへの対応を支援するヘルプデスク端末と
を備えたことを特徴とするサービス提供業務支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−110430(P2009−110430A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−284117(P2007−284117)
【出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【出願人】(397077955)株式会社三井住友銀行 (120)
【Fターム(参考)】