説明

サーマルプリントヘッドおよびその製造方法

【課題】ガラス層の欠けを抑制しつつ、歩留まりを向上させる。
【解決手段】副走査方向に移動する媒体に印画するサーマルプリントヘッドにセラミック基板22とガラス製の保温層25と発熱抵抗体26と発熱抵抗体26の両端に接続された金属配線層28に設けられた電極とを備える。保温層25は、突条21を有する。突条21は、稜線70を挟んでセラミック基板22の端辺91側の端辺側斜面72と、その反対側の中央側斜面73とを持つ。端辺側斜面72は凸に形成されている。中央側斜面73は、稜線70に接続する第1斜面部74と、平坦部に接続する第2斜面部とを持つ。第1斜面部74は凸に、第2斜面部75は凹に形成されている。発熱抵抗体26は、突条21の端辺側斜面72に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーマルプリントヘッドおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
サーマルプリントヘッドは、列状配列された複数の発熱抵抗体を持つ印刷用デバイスである。サーマルプリントヘッドは、外部信号によってこれらの発熱抵抗体を選択的に発熱させ、そのジュール熱を媒体に伝達し、画素を形成させる。
【0003】
発熱抵抗体が発生したジュール熱の一部は、その表面に形成された保護層を経由して伝達される。また、発熱抵抗体が発生したジュール熱の一部は、保護層とは反対側の保温層に伝達され、一時蓄熱される。
【0004】
一般的に、保温層は、ガラスで形成される。保温層の性能は、形状によって異なる。平板から突出して表面に沿って延びる突条を保温層に設けることによって、媒体との接触性を高めることができ、伝熱効率が向上し、平滑性の悪い媒体に対する印画精度を向上させることができる。平板に突条を設けた保温層を有するサーマルプリントヘッドは、比較的高価となるにもかかわらず、昨今、主流を占めているのはこのためである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−351799号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
サーマルプリントヘッドの保温層の突条の形状は、大まかにはPG型とPEG型とに分類することができる。PG型は、セラミック基板上に部分的に凸型保温層を形成するものであり、セラミック基板上には保温層を形成しない非形成部が存在する。この非形成部をダイシング部とすると、ガラス層が存在しないため、基板切断時にガラス層の欠けが生じることがない。しかし、非形成部では、セラミック基板上に直接抵抗体層および金属配線層をパターニングすることになる。セラミック基板の表面は、ガラス層の表面に比べて粗いため、非形成部へのパターニングは歩留まりを悪化させる。
【0007】
PEG型は、セラミック基板の全面にガラス層を形成し、その一部を突条に形成したものである。このため、滑らかな表面を有するガラス層に抵抗体層および金属配線層を形成することとなるため、歩留まりが向上する。しかし、基板切断時にガラス層が欠ける場合がある。
【0008】
そこで、本発明は、サーマルプリントヘッドのガラス層の欠けを抑制しつつ、歩留まりを向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を解決するため、本発明は、副走査方向に移動する媒体に印画するサーマルプリントヘッドにおいて、前記副走査方向を横切る方向に延びる端辺を持つ絶縁基板と、前記絶縁基板の表面から突出して前記副走査方向を横切る方向に延びて稜線を挟んで前記端辺側の端辺側斜面とその反対側の中央側斜面とを持ち、前記端辺側斜面は凸に形成され、前記中央側斜面は凸に形成され前記稜線部分で前記端辺側斜面に接続する第1斜面部とその第1斜面部の前記端辺側斜面とは反対側に接続されて凹に形成された第2斜面部とを持つ突条を備えて前記端辺から離間した位置で前記絶縁基板の表面に設けられたガラス製の保温層と、前記端辺側斜面に設けられた発熱抵抗体と、前記発熱抵抗体の両端に接続された電極と、を具備することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、副走査方向に移動する媒体に印画するサーマルプリントヘッドにおいて、前記副走査方向を横切る方向に延びる端辺を持つ絶縁基板と、前記絶縁基板の表面から突出して前記副走査方向を横切る方向に延びる稜線を挟んで前記端辺側の端辺側斜面とその反対側の中央側斜面とを持ち前記端辺側斜面は前記中央側斜面よりも前記稜線からの距離が同じ位置での前記絶縁基板の表面に対する傾きが大きい突条を備えて前記端辺から離間した位置で前記絶縁基板の表面に設けられたガラス製の保温層と、前記端辺側斜面に設けられた発熱抵抗体と、前記発熱抵抗体の両端に接続された電極と、を具備することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、搬送方向に移動する媒体に印画するサーマルプリントヘッドの製造方法において、絶縁基板の表面に前記絶縁基板が露出した露出部を設けて前記露出部の縁に沿って線状に延びる凸部とその凸部の前記非露出部に対して反対側に前記凸部よりも厚さが薄い平坦部とをガラスペーストで形成するガラスペースト層形成工程と、前記ガラスペースト層形成工程の後に前記ガラスペーストを焼成する焼成工程と、前記焼成工程の後に前記凸部の前記露出部に近い側に形成された端辺側斜面に発熱抵抗体を形成する工程と、前記焼成工程の後に前記発熱抵抗体の両端に接続された電極を形成する工程と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、サーマルプリントヘッドのガラス層の欠けを抑制しつつ、歩留まりを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係るサーマルプリントヘッドの一実施の形態の断面図である。
【図2】本発明に係るサーマルプリントヘッドの一実施の形態の一部切欠き上面図である。
【図3】本発明に係るサーマルプリントヘッドの一実施の形態を用いたサーマルプリンタの断面図である。
【図4】本発明に係るサーマルプリントヘッドの製造方法の一実施の形態におけるガラスペースト印刷終了時の断面図である。
【図5】本発明に係るサーマルプリントヘッドの製造方法の一実施の形態におけるガラスペーストの凸部形成後の断面図である。
【図6】本発明に係るサーマルプリントヘッドの製造方法の一実施の形態におけるセラミック基板の露出部分形成後の断面図である。
【図7】本発明に係るサーマルプリントヘッドの製造方法の一実施の形態における焼成後の断面図である。
【図8】本発明に係るサーマルプリントヘッドの製造方法の一実施の形態の他の例におけるガラスペーストの凸部形成後の断面図である。
【図9】本発明に係るサーマルプリントヘッドの製造方法の一実施の形態の他の例におけるセラミック基板の露出部分形成後の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係るサーマルプリントヘッドの製造方法の一実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、この実施の形態は単なる例示であり、本発明はこれらに限定されない。
【0015】
図1は、本発明に係るサーマルプリントヘッドの一実施の形態の断面図である。図2は、本実施の形態のサーマルプリントヘッドの一部切欠き上面図である。図3は、本実施の形態のサーマルプリントヘッドを用いたサーマルプリンタの断面図である。
【0016】
本実施の形態のサーマルプリントヘッド11は、放熱板30と発熱体板20と回路基板40とを有している。放熱板30は、たとえばアルミニウムなどの金属で形成された長方形の平板である。
【0017】
発熱体板20は、セラミック基板22および保温層25を有している。セラミック基板22は、たとえばアルミナ(Al)で形成された長方形の絶縁性の平板である。セラミック基板22の一方の表面は放熱板30と向かい合っており、他方の表面には保温層25が融着している。セラミック基板22の一方の長辺(端辺91)から所定の幅の間には、保温層25が融着していない非形成領域71が存在している。
【0018】
保温層25は、ガラスで形成されている。保温層25には、セラミック基板22の表面から突出する突条21が形成されている。突条21は、セラミック基板22の一方の端辺91と非形成領域71を挟んで設けられ、その端辺91に沿って直線状に延びている。
【0019】
保温層25の表面には、突条21が延びる方向に沿って間隔を置いて突条21を跨ぐように抵抗体層が形成されている。また、抵抗体層の表面には、金属配線層28が形成されている。抵抗体層および金属配線層28の一部は、非形成領域71でセラミック基板22上に設けられていてもよい。
【0020】
金属配線層28には突条21の一部を跨ぐ切欠部が形成されていて、抵抗体層の金属配線層28と重なり合わない部分が発熱抵抗体26となる。このようにして発熱抵抗体26が突条部21の表面に間隔を置いて複数配列されて、突条21のラインに沿った帯状の発熱領域24が形成されている。発熱体板20には、セラミック基板22、グレーズ層25、金属配線層28および抵抗体層の保護のために、これらを覆う絶縁保護層29が形成されている。非形成領域71のセラミック基板22の一方の端辺91から所定の幅の間は、絶縁保護層29で覆われていない。
【0021】
また、サーマルプリントヘッド11は、発熱領域24を発熱させる駆動回路を有している。その駆動回路は、たとえば発熱体板20と同じ側の表面で放熱板30に載置された回路基板40の上に形成されている。回路基板40には、発熱領域24に所定の発熱パターンを形成するための制御信号や駆動電力が入力される。この駆動回路は、たとえば回路基板40に設けられた駆動素子42などの電気部品を有している。発熱体板20と駆動回路とは、たとえば発熱体板20と回路基板40との間に架け渡されたボンディングワイヤ44によって電気的に接続される。さらに、回路基板40の表面に形成された配線パターンと駆動素子42との間もボンディングワイヤ44で電気的に接続される。駆動素子42およびボンディングワイヤ44は、たとえば樹脂48によって封止される。
【0022】
このサーマルプリントヘッド11を用いたプリンタは、発熱領域24の表面の法線上に位置する軸52を中心とする円筒状のプラテンローラ50を有している。プラテンローラ50によって被印刷媒体60がサーマルプリントヘッド11に押し付けられる。この状態で発熱領域24の発熱抵抗体26が発熱することによって、被印刷媒体60に印画される。被印刷媒体60が副走査方向に搬送されながら、主走査方向に延びる発熱領域24が所定のパターンで発熱することによって、被印刷媒体60には所望の画像が形成される。
【0023】
突条21は、セラミック基板22から最も離れた位置にある稜線70を境として、中央側斜面73と端辺側斜面72とを持つ。中央側斜面73は、図1において稜線70の右側の回路基板40に近い方の斜面である。端辺側斜面74は、図1において稜線70の左側の非形成領域71に近い方の斜面である。
【0024】
端辺側斜面72の断面は、稜線70から滑らかで実質的に変曲点を持たない曲線を描いている。つまり、端辺側斜面72は、稜線70からセラミック基板22に接する部分まで、外側に凸に形成されている。セラミック基板22と端辺側斜面72の境界部分で微小な凹部が形成されていてもよい。
【0025】
中央側斜面73の断面は、稜線から滑らかで1つの変曲点を持つ曲線を描いている。中央側斜面73は、第1斜面部74と第2斜面部75とを持つ。第1斜面部74は、稜線70で端辺側斜面72に接続している。第2斜面部75は、第1斜面部74の短辺側斜面72とは反対側に接続している。第2斜面部75の第1斜面部74とは反対側は、保温層25の平坦部と接続している。第1斜面部74と第2斜面部75との接続部分は、中央側斜面73の断面の変曲点にあたる部分である。つまり、第1斜面部74は、稜線70からその変曲点まで、外側に凸に形成されている。第2斜面部75は、その変曲点から保温層25の平坦部まで、外側に凹に形成されている。
【0026】
次に、本実施の形態のサーマルプリントヘッドの製造方法を説明する。
【0027】
図4は、本実施の形態におけるサーマルプリントヘッドの製造方法のガラスペースト印刷終了時の断面図である。図5は、本実施の形態におけるサーマルプリントヘッドの製造方法のガラスペーストの凸部形成後の断面図である。図6は、本実施の形態におけるサーマルプリントヘッドの製造方法のセラミック基板の露出部分形成後の断面図である。図7は、本実施の形態におけるサーマルプリントヘッドの製造方法の焼成後の断面図である。
【0028】
まず、図4に示すように、セラミック板81の全面にガラスペースト82を印刷する。ガラスペースト82は、たとえばSiO、Al、BaOあるいはCaOを主成分とするガラス粉末にバインダーと溶剤を添加したものである。これらをミキサーなどで十分に混合した後、セラミック製ロールを用いて混錬する。このようにして得られたガラスペースト82がセラミック板81にスクリーン印刷される。
【0029】
次に、図5に示すように、ガラスペースト82を所定の形状にパターニングする。ここでは、一枚のセラミック板81から2つのサーマルプリントヘッド11を製造する場合について説明している。
【0030】
このとき、突条21に対応する位置に突起部83を形成する。突起部83は、互いに平行に延びるように設ける。たとえばフォトレジストが突起部83の上に残存させ、その後、ガラスペースト82をエッチングして、フォトレジストを取り除くことによって、パターニングを行う。
【0031】
さらに、図6に示すように、隣接して互いに平行に延びる突起部83の間のガラスペースト82を取り除き、露出部分84を形成する。図6に示す素板を焼成することによって、図7に示すように保温層25が形成される。焼成は、たとえば1200℃で1〜2時間程度行う。
【0032】
ここでは、ガラスペースト82を所定のパターンに形成した後、焼成することとしているが、ガラスペースト82を焼成して厚さが一様の保温層を形成した後、エッチングによって突起部83および露出部分84を形成し、その後、ガラスの軟化点よりも少し高い温度、たとえば900℃で焼成してもよい。
【0033】
焼成時にガラスが流動性を持つため、露出部分84に接する境界近傍では表面張力によって外側に凸の端辺側斜面72が形成される。また、表面張力の影響によって、保温層25の表面は、平坦部まで滑らかな曲線を描く。ガラスはある程度粘性を持つため、突起部83と平坦部との高さの違いは焼成後まで残存する。その結果、稜線70と平坦部との間には、外側に凸の部分と外側に凹の部分とが形成される。
【0034】
このようにして、絶縁基板が形成されたのと、セラミック板81の一部および保温層25の表面に、抵抗体層および金属配線層を積層し、所定のパターンにエッチングする。さらに、絶縁保護層29を形成する。このようにして絶縁保護層29を形成した後、2つの突条21の中央をダイシングして2つに分割する。これにより、2つのサーマルプリントヘッド11が完成する。絶縁保護層29としては、硬い材料が用いられるため、ダイシングの際に絶縁保護層29を切断する必要がないように、セラミック板81の露出部分84のダイシングする部分には、絶縁保護層29を形成しない方が好ましい。
【0035】
図8は、本実施の形態におけるサーマルプリントヘッドの製造方法の他の例のガラスペーストの凸部形成後の断面図である。図9は、本実施の形態におけるサーマルプリントヘッドの製造方法の他の例のセラミック基板の露出部分形成後の断面図である。
【0036】
この例では、まずセラミック板81の表面に、ガラスペースト82を所定の露出部分84が形成されるように印刷する。この露出部分84は、図6で示したものと同様の形状とする。スクリーン印刷によるガラスペースト82の塗布では、外周部に丸みが形成される場合がある。
【0037】
次に、ガラスペースト82を突起部85が残存するようにして、他の部分をエッチングする。その後、焼成することによって、図7のような突条21を持つ保温層25がセラミック板81上に形成される。
【0038】
このようなサーマルプリントヘッド11では、ガラス製の保温層25を切断することがないため、保温層25の欠けが抑制される。また、抵抗体層および金属配線層の大部分は、ガラス製の保温層25の表面に形成される。保温層25の表面は、セラミック基板22に比べて滑らかであるため、これらの金属層の形成の際に不具合が生じにくい。その結果、製造時の歩留まりを向上させることできる。
【0039】
また、抵抗体層および金属配線層を非形成領域71にも積層しておくことにより、絶縁保護層29は、セラミック基板22および金属層とも接触することになる。その結果、絶縁保護層29が基板から剥がれにくくなり、絶縁保護層29の健全性が向上する。
【0040】
さらに、端辺側斜面72に発熱抵抗体26を形成することにより、硬質の被印刷媒体60を印刷する場合でも、駆動素子42などを封止する樹脂48との干渉の可能性が小さくなる。しかも、ガラス製の保温層25を切断しないため、保温層25の欠けの心配がなく、発熱抵抗体26を保温層25の端部により近づけることができる。その結果、セラミック基板22の法線方向と発熱抵抗体26が位置する保温層の法線方向とのなす角を大きくすることができる。
【0041】
また、端辺側斜面72は、中央側斜面73に比べて稜線70からの距離が同じ位置でのセラミック基板22の表面に対する傾きが大きい。このため、セラミック基板22の法線方向と発熱抵抗体26が位置する保温層の法線方向とのなす角を大きくすることができる。このため、硬質の被印刷媒体60の搬送経路を確保しやすい。一方、中央側斜面73は、この傾きが小さく、緩やかな曲面であるため、抵抗体層および金属配線層を形成しやすく、また、製造後の健全性も良好に維持できる。
【符号の説明】
【0042】
11…サーマルプリントヘッド、20…発熱体板、21…突条、22…セラミック基板、24…発熱領域、25…保温層、26…発熱抵抗体、28…金属配線層、29…絶縁保護層、30…放熱板、40…回路基板、42…駆動素子、44…ボンディングワイヤ、48…樹脂、50…プラテンローラ、52…軸、60…被印刷媒体、70…稜線、71…非形成領域、72…端辺側斜面、73…中央側斜面、74…第1斜面部、75…第2斜面部、81…セラミック板、82…ガラスペースト、83…突起部、84…露出部分、85…突起部、91…端辺


【特許請求の範囲】
【請求項1】
副走査方向に移動する媒体に印画するサーマルプリントヘッドにおいて、
前記副走査方向を横切る方向に延びる端辺を持つ絶縁基板と、
前記絶縁基板の表面から突出して前記副走査方向を横切る方向に延びる稜線を挟んで前記端辺側の端辺側斜面とその反対側の中央側斜面とを持ち、前記端辺側斜面は前記絶縁基板の表面から前記稜線まで凸に形成され、前記中央側斜面は凸に形成され前記稜線部分で前記端辺側斜面に接続する第1斜面部とその第1斜面部の前記端辺側斜面とは反対側に接続されて凹に形成された第2斜面部とを持つ突条を備えて前記端辺から離間した位置で前記絶縁基板の表面に設けられたガラス製の保温層と、
前記端辺側斜面に設けられた発熱抵抗体と、
前記発熱抵抗体の両端に接続された電極と、
を具備することを特徴とするサーマルプリントヘッド。
【請求項2】
前記端辺から離間した位置から前記中央側斜面に向かって広がって前記発熱抵抗体と前記電極とを覆う絶縁保護層をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載のサーマルプリントヘッド。
【請求項3】
前記電極の一部は前記保温層と前記端辺との間の非形成領域であって前記絶縁保護層で覆われる位置に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のサーマルプリントヘッド。
【請求項4】
副走査方向に移動する媒体に印画するサーマルプリントヘッドにおいて、
前記副走査方向を横切る方向に延びる端辺を持つ絶縁基板と、
前記絶縁基板の表面から突出して前記副走査方向を横切る方向に延びる稜線を挟んで前記端辺側の端辺側斜面とその反対側の中央側斜面とを持ち前記端辺側斜面は前記中央側斜面よりも前記稜線からの距離が同じ位置での前記絶縁基板の表面に対する傾きが大きい突条を備えて前記端辺から離間した位置で前記絶縁基板の表面に設けられたガラス製の保温層と、
前記端辺側斜面に設けられた発熱抵抗体と、
前記発熱抵抗体の両端に接続された電極と、
を具備することを特徴とするサーマルプリントヘッド。
【請求項5】
搬送方向に移動する媒体に印画するサーマルプリントヘッドの製造方法において、
絶縁基板の表面に前記絶縁基板が露出した露出部を設けて前記露出部の縁に沿って線状に延びる凸部とその凸部の前記非露出部に対して反対側に前記凸部よりも厚さが薄い平坦部とをガラスペーストで形成するガラスペースト層形成工程と、
前記ガラスペースト層形成工程の後に前記ガラスペーストを焼成する焼成工程と、
前記焼成工程の後に前記凸部の前記露出部に近い側に形成された端辺側斜面に発熱抵抗体を形成する工程と、
前記焼成工程の後に前記発熱抵抗体の両端に接続された電極を形成する工程と、
を具備することを特徴とするサーマルプリントヘッドの製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−71355(P2013−71355A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−212830(P2011−212830)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000113322)東芝ホクト電子株式会社 (172)
【Fターム(参考)】