説明

サーマルヘッド用基板の分割溝形成方法、サーマルヘッドの製造方法、サーマルヘッド及び印画装置

【課題】 分割後の端面の状態が良好となるようにサーマルヘッド用基板を分割することができるとともに、高精度で位置決めしてサーマルヘッドを組み立てることができるようにする。
【解決手段】 開示されるサーマルヘッド用基板の分割溝形成方法では、隣接するレーザビームスポットが連結するようにレーザビームをサーマルヘッド用基板に照射して直線状を呈する分割溝22及び23を形成する。この場合、レーザビームのスキャン速度をv(μm/sec)とし、レーザビームのパルス周波数をf(Hz)とし、サーマルヘッド用基板上におけるレーザビームスポットのスポット径をd(μm)とした場合、式(1)を満足するように、レーザビームをサーマルヘッド用基板に照射することが好ましい。
0<v/f≦d ・・・(1)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の感熱記録をするためのサーマルヘッドに用いられるセラミックス基板を分割するサーマルヘッド用基板の分割溝形成方法、この分割方法を含むサーマルヘッドの製造方法、サーマルヘッド及びそのサーマルヘッドを組み込んだ印画装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来では、一般に、複数個のサーマルヘッドが形成された又は形成途中のサーマルヘッド用基板にパルス状のレーザを照射することにより分割溝を形成し、この分割溝に沿って個々のサーマルヘッド等に分割していた。この分割方法では、分割溝が点線状を呈しているため、分割後のサーマルヘッドを構成する基板端面には、上記レーザのパルス幅に起因する凹凸が形成されていた。この基板端面は、放熱板にサーマルヘッドを設置する際の基準とされているため、基板端面の凹凸が大きければ大きいほど、サーマルヘッドを放熱板に設置する際の位置精度が良好でないという不都合があった。
【0003】
そこで、上記不都合を解決するために、以下に示すサーマルヘッド用基板の分割溝形成方法が提案されている。まず、従来のサーマルヘッド用基板の分割溝形成方法には、セラミックス基板上に、レーザ照射による溝加工と、機械加工による開き角度の大きい溝加工を同一部位に施して分割溝を形成するものがあった(例えば、特許文献1参照。)。以下、この技術を第1の従来例と呼ぶ。
【0004】
また、従来のサーマルヘッド用基板の分割溝形成方法には、セラミックス基板の裏面に形成された分割部に対応した上記セラミックス基板の上面に分割保護層を形成した後、上記分割部に沿ってセラミックス基板を分割するものがあった(例えば、特許文献2参照。)。以下、この技術を第2の従来例と呼ぶ。
【0005】
【特許文献1】特開平10−235914号公報(請求項2,[0020]〜[0025]、図3,図4)
【特許文献2】特開2000−127472号公報(請求項2,[0016]〜[0018]、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記した第1の従来例では、レーザ照射による加工と、機械加工との2工程を行っているので、その分装置や時間が必要である。この結果、サーマルヘッドやこのサーマルヘッドを組み込んだ印画装置のコストがアップするという課題があった。また、上記した第2の従来例では、本来サーマルヘッドを使用する際に必要ない分割保護層を形成する工程が必要であるので、この場合にも、サーマルヘッドやこのサーマルヘッドを組み込んだ印画装置のコストがアップするという課題があった。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、上述のような課題を解決することができるサーマルヘッド用基板の分割溝形成方法、サーマルヘッドの製造方法、サーマルヘッド及び印画装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明に係るサーマルヘッド用基板の分割溝形成方法は、隣接するレーザビームスポットが連結するようにレーザビームをサーマルヘッド用基板に照射して直線状を呈する分割溝を形成することを特徴としている。
【0009】
また、請求項2記載の発明は、請求項1に記載のサーマルヘッド用基板の分割溝形成方法に係り、前記レーザビームのスキャン速度をv(μm/sec)とし、前記レーザビームのパルス周波数をf(Hz)とし、前記サーマルヘッド用基板上における前記レーザビームスポットのスポット径をd(μm)とした場合、式(1)を満足するように、前記レーザビームを前記サーマルヘッド用基板に照射することを特徴としている。
0<v/f≦d ・・・(1)
【0010】
また、請求項3記載の発明は、請求項1に記載のサーマルヘッド用基板の分割溝形成方法に係り、前記分割溝に沿って前記サーマルヘッド用基板を分割した後の各基板の前記分割溝に対応した端面の十点平均粗さRzが10μm以下となるように、前記レーザビームを前記サーマルヘッド用基板に照射することを特徴としている。
【0011】
また、請求項4記載の発明は、請求項3に記載のサーマルヘッド用基板の分割溝形成方法に係り、前記レーザビームのスキャン速度をv(μm/sec)とし、前記レーザビームのパルス周波数をf(Hz)とし、前記サーマルヘッド用基板上における前記レーザビームスポットのスポット径をd(μm)(但し、d≧20μm)とした場合、式(1)及び式(2)を満足するように、前記レーザビームを前記サーマルヘッド用基板に照射することを特徴としている。
0<v/f≦d ・・・(1)
(d/2)−(v/2f)≧{(d/2)−10} ・・・(2)
【0012】
また、請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載のサーマルヘッド用基板の分割溝形成方法に係り、前記分割溝の両端近傍に前記レーザビームの照射により形成される切り込み部突起の高さが5μm以下であることを特徴としている。
【0013】
また、請求項6記載の発明に係るサーマルヘッドの製造方法は、請求項1乃至5のいずれかに記載のサーマルヘッド用基板の分割溝形成方法を用いて前記サーマルヘッド用基板に分割溝を形成する分割溝形成工程を有することを特徴としている。
【0014】
また、請求項7記載の発明は、請求項6に記載のサーマルヘッドの製造方法に係り、前記分割溝形成工程は、サーマルヘッド用基板上に、複数の蓄熱層と、複数の発熱体と、複数の個別電極と、共通電極とをそれぞれ形成する成膜工程の後又は途中で行うことを特徴としている。
【0015】
また、請求項8記載の発明に係るサーマルヘッドは、ベース基板上に配列された複数若しくは単一の蓄熱層と、前記蓄熱層上に形成された複数の発熱体と、各前記蓄熱層の各一端に個別に接続される複数の個別電極とを備えたサーマルヘッドにおいて、前記ベース基板の端面の十点平均粗さRzが10μm以下であることを特徴としている。
【0016】
また、請求項9記載の発明に係る印画装置は、請求項8に記載のサーマルヘッドを備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、請求項1記載の発明に係るサーマルヘッド用基板の分割溝形成方法では、隣接するレーザビームスポットが連結するようにレーザビームをサーマルヘッド用基板に照射して直線状を呈する分割溝を形成している。従って、分割溝に沿って良好にサーマルヘッド用基板を分割することができるので、分割溝の深さを従来に比べて浅くすることができる。この結果、意図しない時にサーマルヘッド用基板が割れてしまうことがない。また、分割後のサーマルヘッド用基板の端面の十点平均粗さRzが10μm以下となるので、端面の研磨等の後処理が不要である。さらに、上記した第1の従来例のようなレーザ照射による加工と、機械加工との2工程が不要であるとともに、上記した第2の従来例のような分割保護層を形成する工程が不要である。従って、上記した工程に対応した装置や時間が不要となるので、その分、サーマルヘッドやこのサーマルヘッドを組み込んだ印画装置のコストをダウンすることができる。
【0018】
また、本発明によれば、請求項6記載の発明に係るサーマルヘッドの製造方法は、請求項1乃至5のいずれかに記載のサーマルヘッド用基板の分割溝形成方法を用いて前記サーマルヘッド用基板に分割溝を形成する分割溝形成工程を有している。従って、分割溝に沿って良好にサーマルヘッド用基板を分割することができるので、分割溝の深さを従来に比べて浅くすることができる。この結果、意図しない時にサーマルヘッド用基板が割れてしまうことがない。また、分割後のサーマルヘッド用基板の端面の十点平均粗さRzが10μm以下となるので、端面の研磨等の後処理が不要である。さらに、上記した第1の従来例のようなレーザ照射による加工と、機械加工との2工程が不要であるとともに、上記した第2の従来例のような分割保護層を形成する工程が不要である。従って、上記した工程に対応した装置や時間が不要となるので、その分、サーマルヘッドやこのサーマルヘッドを組み込んだ印画装置のコストをダウンすることができる。
【0019】
また、本発明によれば、請求項8記載の発明に係るサーマルヘッドは、ベース基板上に配列された複数若しくは単一の蓄熱層と、前記蓄熱層上に形成された複数の発熱体と、各前記蓄熱層の各一端に個別に接続される複数の個別電極とを備えたサーマルヘッドにおいて、前記ベース基板の端面の十点平均粗さRzが10μm以下である。従って、このサーマルヘッドを印画装置に取り付ける場合の位置精度が向上するので、高品質のイメージを印画することができる。また、サーマルヘッドのベース基板の端面が記録媒体に接触する場合があっても、記録媒体が傷ついたり、破れたりすることを防止することができる。
【0020】
また、本発明によれば、請求項9記載の発明に係る印画装置は、請求項8に記載のサーマルヘッドを備えている。従って、高品質のイメージを印画することができる。また、サーマルヘッドのベース基板の端面が記録媒体に接触する場合があっても、記録媒体が傷ついたり、破れたりすることを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
実施の形態1.
図3は、本発明の実施の形態1に係るサーマルヘッド1の構成を示す平面図、図4は、図3のA−A断面図である。本実施の形態1に係るサーマルヘッド1は、例えば、感熱方式の印画装置(即ち、プリンタ)などに発熱源として搭載されるデバイスである。このサーマルヘッド1は、例えば、図3及び図4に示すように、サーマルヘッド薄膜チップ2と、このサーマルヘッド薄膜チップ2を駆動する駆動部3とを備え、サーマルヘッド薄膜チップ2が駆動部3に搭載された構成を有している。
【0022】
駆動部3は、例えば、アルミニウム(Al)などからなる放熱板4に対してプリント基板(PCB;Print Circuit Board)5が部分的に重なるように連結されている。このプリント基板5は、一方の面(上面)に複数個のドライバIC(Integrated Circuit)6が搭載され、他方の面(下面)に外部接続用のコネクタ7が取り付けられている。ドライバIC6は、サーマルヘッド薄膜チップ2を駆動するためのデバイスである。
【0023】
ドライバIC6の各端子は、サーマルヘッド薄膜チップ2の上面に形成された個別電極14(後述)とそれぞれワイヤ8を介して接続されているとともに、プリント基板5の一方の面に形成されたプリントパターン(図示略)とワイヤ9を介して接続されている。サーマルヘッド薄膜チップ2の上面に形成された共通電極16の柱部16b(後述)は、プリント基板5の一方の面に形成されたプリントパターン(図示略)とワイヤ8を介して接続されている。
【0024】
また、ドライバIC6は、プリント基板5の一方の面に取り付けられたICカバー10により覆われている。なお、図3では、ICカバー10を図示していない。サーマルヘッド薄膜チップ2は、例えば、シリコーン(Silicone)系の接着剤(図示略)により駆動部3を構成する放熱板4に固定されている。ここで、シリコーンとは、シリコン(Si)と酸素(O)からなるシロキサン結合(≡Si−O−Si≡)を骨格とし、そのシリコン(Si)にメチル(−CH)を主体とする有機基が結合したポリマーをいう。
【0025】
図2は、サーマルヘッド1を構成するサーマルヘッド薄膜チップ2の構成を示す断面図である。サーマルヘッド薄膜チップ2は、ベース基板11と、グレーズ12と、発熱体13と、個別電極14及び15と、共通電極16と、保護膜17とから概略構成されている。なお、図3では、保護膜17を図示していない。
【0026】
本実施の形態1に係るサーマルヘッド薄膜チップ2の基本仕様は、例えば、以下の通りである。即ち、サーマルヘッド薄膜チップ2全体における印字長さを示す有効印字長(図2に示す紙面に直交する方向(主走査方向)の長さ)は、約80mm、サーマルヘッド薄膜チップ2を構成する発熱体14の総数は、640dotsである。
【0027】
従って、サーマルヘッド薄膜チップ2の1mm当たりにある発熱体13の個数を示す発熱体密度は、8dots/mm(=640dots/80mm)、隣接する発熱体13の間隔(主走査方向の間隔)を示す発熱体ピッチは、0.125mm(=80mm/640dots)である。サーマルヘッド薄膜チップ2を構成する複数の発熱体13が有する抵抗の平均値を示す平均抵抗値は、約800Ωである。発熱体13のサイズは、長さ約100μm、幅70μmである。
【0028】
本実施の形態1に係るサーマルヘッド薄膜チップ2において、ベース基板11は、厚さ1mm程度の酸化アルミニウム(Al)(アルミナ;alumina)等の絶縁性セラミックス基板や表面に酸化膜が形成された単結晶シリコンから構成されている。ベース基板11の上面には、厚さ25μm程度のグレーズ12が帯状に形成されている。グレーズ12は、例えば、SiO−Al−RO系の無鉛、無アルカリのガラスなどの低熱伝導材料からなる。グレーズ12に用いられるガラスのガラス転移点Tgは、例えば、650〜700℃程度である。グレーズ12のうち、発熱部(発熱ドット)には、半円弧状に盛り上がった凸部12aが形成されている。この凸部12aは、発熱体13が発生する熱を内部で蓄熱してサーマルヘッド1の熱応答性を良好に維持する蓄熱層としての機能を有するとともに、印刷時に感熱紙(記録媒体)との接触性を高めて印字品質を向上させる機能をも有している。
【0029】
上記グレーズ12の凸部12aの上面には、例えば、ホウ素(B)又はリン(P)がドーピングされた厚さ約0.2μmの多結晶シリコン(Poly−Si)薄膜からなる複数の発熱体13が主走査方向に上記発熱体ピッチで配列されて形成されている。発熱体13は、それぞれ略矩形状を呈している。発熱体13は、その両端に接続される個別電極14及び15並びに共通電極16を介して電源電力が印加されるとジュール発熱を起こし、感熱紙などの記録媒体に印画を形成するのに必要な所定の温度(約250〜500℃)になる。
【0030】
さらに、複数の発熱体13の各上面には、グレーズ12の凸部12a頂部上面及びその近傍に対応した領域を残して、副走査方向(図2に示す紙面の左右方向)における両側に、それぞれ、例えば、アルミニウム(Al)や銅(Cu)等の高導電性材料からなる個別電極14及び15が形成されている。個別電極14は、発熱体13の一端側から副走査方向に略平行に延出されており、ドライバIC6に接続される接続配線として機能する。また、各個別電極14は、所定の間隔を有する間隔領域を介して互いに分離されている。一方、個別電極15は、発熱体13の他端側から副走査方向に略平行に延出されているとともに、所定の間隔を有する間隔領域を介して互いに分離されている。
【0031】
さらに、グレーズ12、発熱体13、個別電極14及び15により構成される発熱素子が主走査方向に所定間隔を隔てて並設されている発熱素子形成領域を囲むように、平面形状が略コ字状を呈する共通電極16が形成されている。共通電極16は、例えば、アルミニウム(Al)や銅(Cu)等の高導電性材料からなる。共通電極16は、梁部16aの一部が各個別電極15の上面の一部を覆うことにより、各個別電極15と電気的に接続されている。共通電極16は、電源電力を発熱体13に供給する給電配線として機能する。
【0032】
以上説明した発熱体13、個別電極14及び15、共通電極16の上面には、個別電極14のワイヤ8がボンディングされる各一端を残して保護膜17が形成されている。この保護膜17は、発熱体13、個別電極14及び15、共通電極16が大気中の水分等によって腐食されるのを防止するとともに、記録媒体にイメージを印画する際に、その記録媒体と接触することに起因して発熱体13や個別電極14又は15が磨耗や破損することを防止するためのものである。保護膜17は、厚さが3〜10μm程度である。保護膜17は、例えば、シリコン(Si)、ホウ素(B)及びリン(P)を有する材料を含んで構成されており、具体的には、ケイ素−ホウ素−リン化合物(SiBP)により構成されている。ケイ素−ホウ素−リン化合物(SiBP)の熱伝導率は、60W/m・K未満である。
【0033】
次に、上記構成を有するサーマルヘッド1の製造方法について、図1〜図9を参照して説明する。
(1)基板作製工程P11
ベース基板11がアルミナセラミックスからなる場合、例えば、アルミナ(酸化アルミニウム(Al))、シリカ(二酸化シリコン(SiO))、マグネシア(酸化マグネシウム(MgO))等のセラミックス原料粉末に適当な有機溶剤、溶媒を添加・混合して泥漿状とした後、これを周知のドクターブレード法やカレンダーロール法等を用いてセラミックグリーンシートを作製する。このセラミックグリーンシートのアルミナの純度は、例えば、95%程度である。次に、このセラミックグリーンシートを高温(例えば、約1600℃)で焼成してサーマルヘッド用基板を作製する。サーマルヘッド用基板の厚みは、例えば、約0.5〜2.0mmである。
【0034】
(2)成膜工程P12
(a)グレーズ12
まず、ガラス粉末に適当な有機溶剤・有機バインダー等を添加・混合して得られたガラスペーストを、従来周知のスクリーン印刷技術などを使用してサーマルヘッド用基板の上面所定領域に塗布する。次に、上記フォトリソグラフィ(photolithography)技術を使用して所定形状に加工する。次に、これを900℃〜1200℃の高温で所定時間焼成することにより、上記サーマルヘッド用基板の上面に複数のグレーズ12を形成する。サーマルヘッド薄膜チップ2のサイズにもよるが、通常、1枚のサーマルヘッド用基板から1〜200個のサーマルヘッド薄膜チップ2が作製される。
【0035】
(b)発熱体13、個別電極14及び15、共通電極16
発熱体13、個別電極14及び15、共通電極16も、従来周知の薄膜形成技術、例えば、スパッタリング、真空蒸着、LP−CVD(減圧CVD)法、イオンプレーティング、フォトリソグラフィ技術、エッチング技術を順次使用して形成する。具体的には、まず、各グレーズ12及びベース基板11の上面に、ホウ素(B)又はリン(P)がドーピングされたポリシリコン(Poly−Si)薄膜からなる発熱体13を形成する。
【0036】
次に、複数の発熱体13の各上面に、グレーズ12の凸部12a頂部上面及びその近傍に対応した領域を残して、副走査方向(図2及び図4に示す紙面の左右方向)における両側に、アルミニウム(Al)や銅(Cu)等の高導電性材料からなる個別電極14及び15をそれぞれ形成する。さらに、グレーズ12、発熱体13、個別電極14及び15により構成される発熱素子が主走査方向に所定間隔を隔てて並設されている発熱素子形成領域を囲むように、平面形状が略コ字状を呈する共通電極16を形成する(図3参照)。
【0037】
(c)保護膜17
保護膜17は、シラン(SiH)、ジボラン(B)及びホスフィン(PH)等を原料としてプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)を使用して形成する。
【0038】
(3)分割溝形成工程P13
図5に示すように、以上説明した(1)から(2)(c)までの工程を経た半製品21の下面21a側からレーザを照射し、互いに直交する分割溝22及び23を形成する。半製品21の上面の各領域24には、図示しないが、最終的にサーマルヘッド薄膜チップ2を構成することになるグレーズ12、発熱体13、個別電極14及び15、共通電極16並びに保護膜17がそれぞれ形成されている。
【0039】
ここで、上記分割溝22及び23を形成する際に、使用するレーザの加工条件の一例を示す。まず、レーザは、例えば、YAG(Yttrium Aluminum Garnet)レーザであり、出力が約12W、発振波長が約0.532μm、パルス周波数が約40kHz、レーザビームスポットのスポット径が約20μmのレーザビームを発振して出射する。このレーザビームは、約10μm/secのスキャン速度でスキャンさせる。なお、このレーザビームは、基本波長より波長の短い第2高調波を利用している。
【0040】
上記レーザの加工条件を使用することにより、分割溝22及び23は、平面形状が点線状ではなく、直線状を呈するとともに、図6に示すような略V字状の断面形状を呈する。半製品21を構成するサーマルヘッド用基板25の下面25aに形成された分割溝22及び23の断面形状は、例えば、溝深さgが約250〜350μm、切り込み幅wが約60〜75μm、分割溝22及び23の両端近傍にレーザビームの照射により形成される切り込み部突起26の高さhが約5μm以下である。なお、切り込み部突起26の高さhを約5μm以下とするのは、約5μm以下であれば切り込み部突起26を除去する後加工が不要だからである。
【0041】
(4)基板分割工程P14
上記分割溝22及び23が形成された半製品21に所定の外力を加えることにより、分割溝22及び23から数個のサーマルヘッド薄膜チップ2(図2参照)に分割する。図7は、分割されたサーマルヘッド薄膜チップ2の一部を示している。ベース基板11の端面11a及び11bの十点平均粗さRzは、10μm以下である。
【0042】
ここで、十点平均粗さRzは、JISの粗さ形状パラメータ(JIS B0601−1994)の1つである。十点平均粗さRzとは、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線から縦倍率の方向に測定した、最も高い山頂から5番目までの山頂の標高Ypの絶対値の平均値と、最も低い谷底から5番目までの谷底の標高Yvの絶対値の平均値との和を求め、この値をμmで表したものをいう。
【0043】
(5)接着工程P15
図4に示す放熱板4に、分離されたサーマルヘッド薄膜チップ2及び上面に複数個のドライバIC6が搭載され、下面に外部接続用のコネクタ7が取り付けられたプリント基板5を、例えば、シリコーン系の接着剤(図示略)により固定する。この接着工程では、サーマルヘッド薄膜チップ2のベース基板11の端面11a及び11bの十点平均粗さRzが10μm以下であるので、上記ベース基板11の端面11a及び11bの研磨等の後処理が不要であるとともに、放熱板4への取付位置精度を著しく向上させることができる。
【0044】
(6)配線組立工程P16
サーマルヘッド薄膜チップ2の上面に形成された共通電極16の柱部16b(図3参照)をプリント基板5の一方の面に形成されたプリントパターン(図示略)とワイヤ8を介して接続する。同様に、ドライバIC6の各端子をサーマルヘッド薄膜チップ2の上面に形成された個別電極14とそれぞれワイヤ8を介して接続するとともに、プリント基板5の一方の面に形成されたプリントパターン(図示略)とワイヤ9を介して接続する。
【0045】
発明者らは、レーザスポット径と、レーザビームのスキャン速度v(μm/sec)と、パルス周波数f(Hz)とを種々変更することにより、サーマルヘッド薄膜チップ2のベース基板11の端面11a及び11bの十点平均粗さRzが10μm以下となる条件を鋭意検討した。この結果、図8が得られた。
【0046】
図8は、レーザスポット径と、レーザビームのスキャン速度v(μm/sec)とパルス周波数f(Hz)との比であるスキャンピッチv/fと、十点平均粗さRzとの関係の一例を示す図である。図8において、曲線aはレーザビームスポットのスポット径dが300μmである場合の特性曲線である。同様に、曲線bは、レーザビームスポットのスポット径dが120μmである場合の特性曲線である。曲線cは、レーザビームスポットのスポット径dが60μmである場合の特性曲線である。
【0047】
図8からは、以下に示すことが分かる。即ち、レーザビームスポットのスポット径dが20μm未満の場合には、サーマルヘッド薄膜チップ2のベース基板11の端面11a及び11bの十点平均粗さRzが10μm以下となるためには、式(1)を満足するように、レーザビームをサーマルヘッド用基板に照射すれば良い。
0<v/f≦d ・・・(1)
【0048】
一方、レーザビームスポットのスポット径dが20μm以上である場合には、サーマルヘッド薄膜チップ2のベース基板11の端面11a及び11bの十点平均粗さRzが10μm以下となるためには、上記式(1)及び式(2)のいずれをも満足するように、レーザビームをサーマルヘッド用基板に照射すれば良い。
(d/2)−(v/2f)≧{(d/2)−10} ・・・(2)
【0049】
このように、本発明の実施の形態1によれば、上記したレーザの加工条件を使用することにより、上記レーザビームのパルス幅に起因する凹凸が形成されず、直線状を呈する分割溝22及び23を形成している。従って、分割溝22及び23に沿って良好に分割することができるので、分割溝22及び23の深さを従来に比べて浅くすることができる。この結果、基板分割工程P14より前に半製品21が割れてしまうことがない。また、成膜工程P11後に分割溝形成工程P12を行っているので、成膜工程P11中に半製品21が割れてしまうことがない。
【0050】
また、接着工程P15では、サーマルヘッド薄膜チップ2のベース基板11の端面11a及び11bの十点平均粗さRzが10μm以下であるので、上記ベース基板11の端面11a及び11bの研磨等の後処理が不要である。さらに、上記ベース基板11の端面11a及び11bを、例えば、図4に示すプリント基板5に突き当てて位置決めしても、高い精度で位置決めすることができる。この結果、サーマルヘッド1を高い位置精度で放熱板4に取り付けることができるので、高品質のイメージを印画することができる。また、サーマルヘッド薄膜チップ2のベース基板11の端面11a又は11bが記録媒体に接触する場合があっても、記録媒体が傷ついたり、破れたりすることを防止することができる。また、本発明の実施の形態1によれば、切代(切断領域)を小さくすることができるので、上記ベース基板11の端面11a及び11bに凹凸が無い分だけ、サーマルヘッド薄膜チップ2を小型化することができる。
【0051】
また、本発明の実施の形態1によれば、上記した第1の従来例のようなレーザ照射による加工と、機械加工との2工程が不要であるとともに、上記した第2の従来例のような分割保護層を形成する工程が不要である。従って、上記した工程に対応した装置や時間が不要となるので、その分、サーマルヘッドやこのサーマルヘッドを組み込んだ印画装置のコストをダウンすることができる。
【0052】
実施の形態2.
図9は、本発明の実施の形態2に係るサーマルヘッドの製造方法を説明するための製造工程図である。図9において、図1の各工程に対応する工程には同一の符号を付け、その説明を省略する。図9においては、図1に示す成膜工程P12〜基板分割工程P14に換えて、第1成膜工程P21、分割溝形成工程P22、基板分割工程P23及び第2成膜工程P24が新たに設けられている。なお、サーマルヘッド薄膜チップ2及びサーマルヘッド1の構成については、上記した実施の形態1において図2〜図4を参照して説明したものと略同様である。
【0053】
(1)第1成膜工程P21
まず、ガラス粉末に適当な有機溶剤・有機バインダー等を添加・混合して得られたガラスペーストを、従来周知のスクリーン印刷技術などを使用してサーマルヘッド用基板の上面所定領域に塗布する。次に、上記フォトリソグラフィ技術を使用して所定形状に加工する。次に、これを900℃〜1200℃の高温で所定時間焼成することにより、上記サーマルヘッド用基板の上面に複数のグレーズ12を形成する。
【0054】
(2)分割溝形成工程P22
基板作製工程P11及び第1成膜工程P21を経た半製品の下面側からレーザを照射し、互いに直交する分割溝を形成する。半製品の上面の各領域には、図示しないが、最終的にサーマルヘッド薄膜チップ2を構成することになるグレーズ12が形成されている。なお、記分割溝を形成する際に使用するレーザの加工条件については、上記した実施の形態1の場合と略同様である。
【0055】
(3)基板分割工程P23
上記分割溝が形成された半製品に所定の外力を加えることにより、分割溝から数個の半製品のサーマルヘッド薄膜チップに分割する。
(4)第2成膜工程P24
(a)発熱体13、個別電極14及び15、共通電極16
発熱体13、個別電極14及び15、共通電極16は、上記した従来周知の薄膜形成技術を順次使用して形成する。具体的には、まず、各グレーズ12及びベース基板11の上面に、ホウ素(B)又はリン(P)がドーピングされたポリシリコン薄膜からなる発熱体13を形成する。
【0056】
次に、複数の発熱体13の各上面に、グレーズ12の凸部12a頂部上面及びその近傍に対応した領域を残して、副走査方向(図2及び図4に示す紙面の左右方向)における両側に、アルミニウム(Al)や銅(Cu)等の高導電性材料からなる個別電極14及び15をそれぞれ形成する。さらに、グレーズ12、発熱体13、個別電極14及び15により構成される発熱素子が主走査方向に所定間隔を隔てて並設されている発熱素子形成領域を囲むように、平面形状が略コ字状を呈する共通電極16を形成する(図3参照)。
【0057】
(b)保護膜17
保護膜17は、シラン(SiH)、ジボラン(B)及びホスフィン(PH)等を原料としてプラズマCVDを使用して形成する。
このように、本発明の実施の形態2によれば、上記した実施の形態1と略同様の効果が得られる。
【0058】
実施の形態3.
図10は、本発明の実施の形態3に係る印画装置41の概略構成を示す概念図である。この印画装置41は、ビデオプリンタであり、図10に示すように、略六面体状を呈するケーシング42を有している。ケーシング42の前面には、液晶ディスプレイ等からなる表示パネル43、入力キー44及び排紙口45がそれぞれ設けられている。
【0059】
また、ケーシング42内には、記録媒体の1つである感熱紙46がロール状に巻き取られた形で収納されている。感熱紙46の先端部は、複数本(図10では、2本)の搬送ローラ47に支持されて排紙口45の手前に位置決めされている。さらに、ケーシング42内には、上述した実施の形態1に係るサーマルヘッド1又は上述した実施の形態2に係るサーマルヘッド薄膜チップを備えたサーマルヘッド(以下これらを総称して「サーマルヘッド48」と称する。)が感熱紙46の上側に位置決めされて組み込まれている。サーマルヘッド48により感熱紙46を加熱して発色させることにより、文字や画像などのイメージを感熱紙46に印刷した後、この感熱紙46を排紙口45から排出することができる。
【0060】
このように、本発明の実施の形態3によれば、上述した実施の形態1又は2に係るサーマルヘッド48を用いているので、本発明の実施の形態3に係る印画装置は、高品質のイメージを印画することができる。
【0061】
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、上述した実施の形態1では、分割溝形成工程P12が成膜工程P12と基板分割工程P14との間で実施され、上述した実施の形態2では、分割溝形成工程P13が第1成膜工程P21と基板分割工程P14との間で実施される例を示したが、これに限定されない。例えば、分割溝形成工程は、成膜工程P12又は第1成膜工程P21の前に実施しても良い。
また、上述した実施の形態1及び2では、分割溝22及び23を半製品21の下面21aに形成する例を示したが、これに限定されず、上面に形成しても良い。
【0062】
また、上述した実施の形態1及び2では、凸部12aも含めたグレーズ12上に発熱体13を長く形成する例を示したが、これに限定されず、発熱体13は、グレーズ12の凸部12aの上側にだけ形成しても良い。さらに、上述した実施の形態1及び2では、蓄熱層として、グレーズ12内に凸部12aを形成する例を示したが、これに限定されず、蓄熱層は、平坦に形成しても凹状に形成しても良い。
【0063】
また、上述した実施の形態1及び2では、本発明をベース基板11の上面の発熱ドットのみに半円弧状を呈したグレーズ12が形成された部分グレーズタイプのサーマルヘッドに適用する例を示したが、これに限定されない。本発明は、ベース基板の上面全面にグレーズが形成された平面グレーズタイプのサーマルヘッドや、約1mm程度の段差が形成された凸型ベース基板にグレーズが形成された凸型基板タイプにも適用することができる。
【0064】
また、上述した各実施の形態では、個別電極及び共通電極がアルミニウム(Al)からなる例を示したが、これに限定されず、個別電極及び共通電極の材料として、例えば、アルミニウム合金(Al−Si、Al−Si−Cu、Al−Tiなど)や高融点金属を用いても良い。
【0065】
また、上述した各実施の形態では、グレーズ12を蓄熱層として用いる例を示したが、これに限定されず、蓄熱層は、シリコン(Si)と遷移金属と酸素(O)の多元酸化物セラミックス層からなる無機蓄熱層やポリイミド樹脂などからなる有機蓄熱層でも良い。
また、上述した実施の形態3では、本発明をビデオプリンタ41に適用する例を示したが、これに限定されず、本発明は、バーコードプリンタ、ラベルプリンタ、カードプリンタ、ファクシミリ、券売機などにも適用することもがきる。
また、上述した各実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の実施の形態1に係るサーマルヘッドの製造方法を説明するための製造工程図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るサーマルヘッドを構成するサーマルヘッド薄膜チップの構成を示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係るサーマルヘッドの構成を示す平面図である。
【図4】図3のA−A断面図である。
【図5】分割溝形成工程において半製品の下面側に形成された分割溝の一例を示す概略図である。
【図6】分割溝形成工程において半製品の下面側に形成された分割溝の断面形状の一例を示す断面図である。
【図7】基板分割工程において分割されたサーマルヘッド薄膜チップの一部を示す平面図である。
【図8】レーザスポット径とスキャンピッチv/fと十点平均粗さRzとの関係の一例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係るサーマルヘッドの製造方法を説明するための製造工程図である。
【図10】本発明の実施の形態3に係る印画装置の概略構成を示す概念図である。
【符号の説明】
【0067】
1,48 サーマルヘッド
2 サーマルヘッド薄膜チップ
3 駆動部
4 放熱板
5 プリント基板
6 ドライバIC
7 コネクタ
8,9 ワイヤ
10 ICカバー
11 ベース基板
11a,11b 端面
12 グレーズ(蓄熱層)
12a 凸部
13 発熱体
14,15 個別電極
16 共通電極
16a 梁部
16b 柱部
17 保護膜
21 半製品
21a,25a 下面
22,23 分割溝
24 領域
25 サーマルヘッド用基板
26 切り込み部突起
41 印画装置
42 ケーシング
43 表示パネル
44 入力キー
45 排紙口
46 感熱紙
47 搬送ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣接するレーザビームスポットが連結するようにレーザビームをサーマルヘッド用基板に照射して直線状を呈する分割溝を形成することを特徴とするサーマルヘッド用基板の分割溝形成方法。
【請求項2】
前記レーザビームのスキャン速度をv(μm/sec)とし、前記レーザビームのパルス周波数をf(Hz)とし、前記サーマルヘッド用基板上における前記レーザビームスポットのスポット径をd(μm)とした場合、式(1)を満足するように、前記レーザビームを前記サーマルヘッド用基板に照射することを特徴とする請求項1に記載のサーマルヘッド用基板の分割溝形成方法。
0<v/f≦d ・・・(1)
【請求項3】
前記分割溝に沿って前記サーマルヘッド用基板を分割した後の各基板の前記分割溝に対応した端面の十点平均粗さRzが10μm以下となるように、前記レーザビームを前記サーマルヘッド用基板に照射することを特徴とする請求項1に記載のサーマルヘッド用基板の分割溝形成方法。
【請求項4】
前記レーザビームのスキャン速度をv(μm/sec)とし、前記レーザビームのパルス周波数をf(Hz)とし、前記サーマルヘッド用基板上における前記レーザビームスポットのスポット径をd(μm)(但し、d≧20μm)とした場合、式(1)及び式(2)を満足するように、前記レーザビームを前記サーマルヘッド用基板に照射することを特徴とする請求項3に記載のサーマルヘッド用基板の分割溝形成方法。
0<v/f≦d ・・・(1)
(d/2)−(v/2f)≧{(d/2)−10} ・・・(2)
【請求項5】
前記分割溝の両端近傍に前記レーザビームの照射により形成される切り込み部突起の高さが5μm以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のサーマルヘッド用基板の分割溝形成方法。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載のサーマルヘッド用基板の分割溝形成方法を用いて前記サーマルヘッド用基板に分割溝を形成する分割溝形成工程を有することを特徴とするサーマルヘッドの製造方法。
【請求項7】
前記分割溝形成工程は、
サーマルヘッド用基板上に、複数の蓄熱層と、複数の発熱体と、複数の個別電極と、共通電極とをそれぞれ形成する成膜工程の後又は途中で行うことを特徴とする請求項6に記載のサーマルヘッドの製造方法。
【請求項8】
ベース基板上に配列された複数若しくは単一の蓄熱層と、前記蓄熱層上に形成された複数の発熱体と、各前記蓄熱層の各一端に個別に接続される複数の個別電極とを備えたサーマルヘッドにおいて、
前記ベース基板の端面の十点平均粗さRzが10μm以下であることを特徴とするサーマルヘッド。
【請求項9】
請求項8に記載のサーマルヘッドを備えることを特徴とする印画装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−313774(P2007−313774A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−146503(P2006−146503)
【出願日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】