説明

サーモプレート装置を有する反応器中でC3および/またはC4前駆化合物の不均一接触部分酸化により(メタ)アクロレインおよび/または(メタ)アクリル酸を製造する方法

反応器中で不均一粒子状触媒の存在でC3および/またはC4前駆化合物から(メタ)アクロレインおよび/または(メタ)アクリル酸を生じる部分気相酸化法が記載され、前記反応器は、1個以上の立方形のサーモプレート装置(1)を有し、前記装置はそれぞれ2個以上の長方形の、互いに平行に、間隙(3)を解放して配置されたサーモプレート(2)から形成され、前記間隙に不均一粒子状触媒を充填することができ、前記間隙を流体反応混合物が流動し、反応熱が熱媒体により吸収され、熱媒体はサーモプレート(2)を流動し、その際少なくとも部分的に蒸発し、およびサーモプレート装置(1)の圧力を解放し、前記装置を完全に包囲し、シリンダージャケット(4)およびフード(15、16)を有する大部分シリンダー状シェル(4,15,16)を有し、前記フードは両方の端部でジャケットを閉鎖し、長手方向の軸がサーモプレート(2)の平面に平行に配列し、および1個以上の封止部品(7、23)を有し、前記部品は流体反応混合物が、フード(15,16)により決定される反応器内部空間に流動しない場合に、間隙(3)のみを流動するように配置されている、

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はサーモプレート装置を有する反応器中で、1、2または3個の反応工程で不均一粒子状触媒の存在でC3および/またはC4前駆化合物の気相中で部分酸化により(メタ)アクロレインおよび/または(メタ)アクリル酸を製造する方法に関する。
【0002】
周知のように(メタ)アクロレインの名称はアクロレインおよび/またはメタクロレインを表す。同様に(メタ)アクリル酸の名称はアクリル酸および/またはメタクリル酸のために使用される。
【0003】
周知のように、C3および/またはC4前駆化合物、例えばプロピレン、プロパン、イソブテン、イソブタン、イソブタノール、イソブタノールのメチルエーテル、アクロレインまたはメタクロレイン(すなわち特に3または4個の炭素原子を有する炭化水素)の気相での部分酸化は不均一粒子状触媒の存在で実施する。これらの反応は強い発熱性であり、これまで工業的規模で主に触媒管を有する管束反応器中で実施され、前記反応器に不均一粒子状触媒が導入され、前記反応器を流体反応混合物が通過し、放出される反応熱を間接的に熱媒体により除去し、熱媒体が触媒管の間の中間空間に循環する。使用される熱媒体はしばしば塩溶融物である。
【0004】
これらの方法は例えばドイツ特許第1962431号、ドイツ特許第2943707号またはドイツ特許第19952964号に記載される。
【0005】
アルカンから出発して1つの反応工程で反応を実施して酸を生じるかまたは第1工程でアルデヒドを生成し、第2工程で酸を生じることができる。選択的方法を実施して3つの工程の第1工程でアルカンからオレフィンを生成し、第2工程でオレフィンからアルデヒドを生成し、第3工程でアルデヒドから酸を生じることができる。オレフィンから出発して酸化を2工程で実施することができ、まずアルデヒドを生成し、引き続き酸を生成するかまたは1つの工程でオレフィンから酸を生成する。酸は1つの工程で個々のアルデヒドから出発して製造できる。これに関してアルデヒドは(メタ)アクロレインであり、酸は(メタ)アクリル酸である。
【0006】
選択的にプレート状熱媒体を通過する熱媒体により反応熱を除去することができる。熱交換プレート、熱伝達プレートおよびサーモプレートの語はプレート状熱交換体に関してほぼ同じ意味で使用される。
【0007】
熱伝達プレートは主に導入管および排出管を有する内部を有し、表面に比べて少ない厚さを有するシート状構造として規定される。前記プレートは一般に金属シートから、しばしばスチールシートから製造される。しかし適用の場合、特に反応媒体および熱媒体の特性に応じて、特に耐腐食性材料または被覆された材料を使用できる。熱媒体の導入および排出装置は一般に熱交換プレートの反対側の端部に配置される。使用される熱媒体はしばしば水またはジフェニル(登録商標、ジフェニルエーテル70〜75質量%およびジフェニル25〜30質量%の混合物)であり、これらはしばしば沸騰工程で蒸発する。低い蒸気圧およびイオン液を有する他の有機熱媒体を使用することもできる。
【0008】
熱媒体としてのイオン液の使用は本願の優先日に未公開のドイツ特許第10316418.9号に記載される。硫酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩または珪酸塩イオンを有するイオン液が有利である。一価金属カチオン、特にアルカリ金属カチオンおよび他のカチオン、特にイミダゾリウムカチオンを有するイオン液も特に適している。カチオンとしてイミダゾリウム、ピリジニウムまたはホスホニウムカチオンを有するイオン液が有利である。
【0009】
サーモプレートの語は特に1つ、一般に2個の金属プレートが点溶接および/またはロール溶接により一緒に接合され、しばしば水圧を使用して可塑的に成形してポケットを形成する熱伝達プレートに関して使用される。
【0010】
本発明の範囲でサーモプレートの語は前記定義の意味で使用される。
【0011】
サーモプレートを使用して部分酸化を実施する反応器は例えばドイツ特許第19952964号から公知である。反応器中の熱伝達プレートの周囲の層で部分酸化を実施するための触媒を有する装置は記載されている。反応混合物を一方の反応器端部で熱伝達プレートの間の反応器内部に供給し、反対側の端部で取り出し、こうして熱伝達プレートの間の内部を貫流する。結果として高い均一性の結果として反応混合物の一定の横方向の混合が存在し、予め決定された変換率で、管束反応器で反応を実施することに比べてかなり良好な選択率が達成される。
【0012】
ドイツ特許第19754185号は熱伝達プレートを冷却媒体が貫流し、熱伝達プレートが予め決定された位置で一緒に接合して流動通路を形成する、少なくとも2個のスチールプレートからなるサーマルプレートとして形成される、冷却媒体により間接的に熱を除去する他の反応器を記載する。
【0013】
この反応器の開発の利点はドイツ特許第19848208号に記載され、それによれば、冷却媒体が貫流するサーマルプレートとして形成される熱伝達プレートが例えば長方形、正方形の横断面を有するプレート集合体に結合され、プレート集合体がケーシングを有することである。包囲されたプレート集合体は周辺の側面に適合する必要がなく、従ってシリンダー反応容器の内壁に予め決定された空隙を有して使用される。プレート熱交換体またはそのケーシングと容器内壁の間の自由表面はケーシングの上方または下方部分で案内板により覆われ、触媒が充填された室を反応媒体が迂回することを防ぐ。
【0014】
プレート熱伝達体の形で存在する反応熱を除去する装置を有する他の反応器はWOA01/85331号に記載される。主にシリンダーの形状を有する反応器は連続的触媒層を有し、この中にプレート熱伝達体が埋め込まれる。
【0015】
(メタ)アクロレインおよび/または(メタ)アクリル酸は工業的規模で、適当な不均一粒子状触媒の存在でのC3および/またはC4前駆化合物の部分酸化により製造される。触媒層を通過するプロセスガスの流れを生じるために、ガス入口と出口の間に圧力の低下が必要である。この圧力の低下は例えば入口での高い圧力によりまたは出口での減圧によりまたはこれらの2つの手段の組合せにより生じることができる。経済的な生成物の製造を可能にする工業的に使用される触媒の場合は、触媒層の上の典型的な圧力の低下は0.2〜0.6バールであり、周囲に対して、圧力の差はおそらく完全に1バールであってもよく、一部の場合はそれより高くてもよい。
【0016】
管形反応器において、周囲に対するこの圧力の差は圧縮された壁のシリンダーの形状により生じる。サーモプレートを有する反応器での延長した試験は反応混合物と外部環境の圧力差が高すぎる場合に、特にサーモプレートの一方の面で高い応力の結果として変形により問題が生じ、高い熱応力下で変形の結果として機械的安定性の問題が生じることを示した。これらの問題は反応混合物が高い圧力下にある場合に生じるが減圧で反応を処理する場合にも生じることがある。
【0017】
本発明の課題は、サーモプレートを貫流する熱媒体により反応熱を除去する反応器であり、特に前記の問題を回避する、経済的に、問題のない方法で、不均一粒子状触媒の存在で、C3/C4前駆化合物の部分酸化による(メタ)アクロレインおよび/または(メタ)アクリル酸の工業的規模の製造に運転できる反応器を提供することである。本発明は、特に(メタ)アクロレインおよび/または(メタ)アクリル酸を生じる反応を実施する場合に、サーモプレート装置、特に触媒を収容する目的の間隙の形状安定性を保証すべきである。
【0018】
前記課題は、反応器中で不均一粒子状触媒の存在でのC3/C4前駆化合物から(メタ)アクロレインおよび/または(メタ)アクリル酸を生じる部分酸化法により解決され、前記反応器は
1個以上の立方形のサーモプレート装置を有し、前記装置はそれぞれ2個以上の長方形の、互いに平行に、間隙を解放して配置されたサーモプレートから形成され、前記間隙に不均一粒子状触媒を充填することができ、前記間隙を流体反応混合物が流動し、反応熱が熱媒体により吸収され、熱媒体はサーモプレートを流動し、その際少なくとも部分的に蒸発し、および
サーモプレート装置の圧力を解放し、前記装置を完全に包囲し、シリンダージャケットおよびフードを有する大部分シリンダー状シェルを有し、前記フードは両方の端部でジャケットを閉鎖し、長手方向の軸がサーモプレートの平面に平行に配列し、および
1個以上の封止部品を有し、前記部品は流体反応混合物が、フードにより境界付けられる反応器内部空間の流動を除いて間隙のみを流動するように配置されている。
【0019】
従って本発明により、C3/C4前駆化合物から(メタ)アクロレインおよび/または(メタ)アクリル酸を生じる部分酸化を反応器中で実施し、前記反応器はサーモプレート装置を有し、サーモプレート装置はサーモプレートから形成され、前記サーモプレートを熱媒体が流動し、反応熱を吸収し、従って少なくとも部分的に蒸発する。サーモプレート装置は立方体の形で形成され、主にシリンダー状シェルに圧力解放手段が設置され、前記シェルが装置を完全に包囲する。
【0020】
サーモプレート装置はそれぞれ2個以上の長方形のサーモプレートから形成され、サーモプレートはそれぞれ間隙を解放して互いに平行に配置される。
【0021】
サーモプレートは腐食しない材料、有利に例えば材料番号1.4541または1.4404、1.4571または1.4406、1.4539または1.4547を有するステンレススチールからまたは他の合成スチールから製造される。
【0022】
この目的に使用される金属シートの材料の厚さは1〜4mm、1.5〜3mmまたは2〜2.5mmまたは2.5mmとして選択できる。
【0023】
一般に2つの長方形の金属シートを縦方向の面および端部の面で結合し、サーモプレートを生じることができ、この場合にロールシーム溶接または横方向の溶接または両方の組合せが可能であり、熱媒体が後で配置される空間はすべての面で閉鎖される。サーモプレートの縁部は有利に縦方向の縁部の横方向のロールシームで除去され、わずかに冷却され、触媒が一般に配置される縁部領域はきわめて低い形状の膨張を有する。
【0024】
金属シートを長方形の表面に分配された点溶接により一緒に接合する。直線状または湾曲したおよび環状のロールシームによる少なくとも部分的な結合が可能である。熱媒体が流動する体積を付加的なロールシームにより多数の分離領域に分割することも可能である。
【0025】
サーモプレートに溶接点を配置する1つの可能性は、40〜60mmの間隔が可能であり、他の構成は45〜50mm、および46〜48mmの間隔を有するにもかかわらず、30〜80mmまたは35〜70mmの等間隔の点の間隔を有する列である。典型的に製造の結果として、点の間隔は±1mmまで変動し、じかに接する列の溶接点はプレートの縦方向で見てそれぞれ溶接点間隔の半分だけ相殺されて配置される。プレートの縦方向の溶接点の列は、10〜20mmおよび12〜14mmの間隔を使用できるにもかかわらず、5〜50mmまたは8〜25mmの間隔を有して等距離であってよい。更に用途に適合した前記の溶接点間隔と列の間隔の組合せも可能である。列の間隔は点の間隔に対する決められた形状の関係、典型的に点の間隔の1/4またはこれより低くてもよく、製造の経過中にサーモプレートの決められた均一な膨張が存在する。予め決められた溶接点および列の間隔のために、プレート表面積1m当たりの相当する数の溶接点が決定される。
【0026】
サーモプレートの幅は実質的に製造技術条件により制限され、100〜2500mmまたは500〜1500mmであってもよい。サーモプレートの長さは反応、特に反応の温度特性に依存し、500〜7000mmまたは3000〜4000mmであってもよい。
【0027】
それぞれ2個以上のサーモプレートが平行に配置され、互いに分離され、サーモプレート装置を形成する。これは直に接するプレートの間に形成される軸状の間隙を生じ、間隙はプレート間隔の最も狭い位置で例えば8〜150mmまたは10〜100mmの幅を有する。1つの可能な構成は16〜20mmが選択できるにもかかわらず12〜50mmまたは14〜25mmの幅である。17mmの間隙の間隔も試験された。
【0028】
例えば大きい表面積プレートの場合に、サーモプレート装置の個々のサーモプレートの間にスペーサーを付加的に配置して、プレートの間隔または位置を変動する変形を防ぐことができる。これらのスペーサーを配置するために、金属プレートの断面を熱媒体の流動部分から例えば環状ロールシームにより除去して、例えばスペーサーのスクリューを安全にするために、ホールをプレートに導入することができる。
【0029】
間隙は同じ間隔を有してよいが、反応が異なる幅を許容する場合、または所望の反応が異なる幅を必要とする場合、または装置または冷却技術を有利に達成できる場合は、必要により間隙は異なる幅を有してもよい。
【0030】
触媒粒子が充填されたサーモプレート装置の間隙は互いに対して封止され。例えば溶接により封止され、または処理側で一緒に接合していてもよい。
【0031】
個々のサーモプレートを一緒に接合して装置を形成する場合に、所望の間隙の間隔を調節するために、プレートはその位置および間隔が保証される。
【0032】
直に接するサーモプレートの溶接点は互いに反対または互いに相殺されてもよい。
【0033】
一般に製造の理由から互いに同じ寸法の2個以上の立方形のサーモプレート装置を有する配置を形成することが有利である。10または14個のサーモプレート装置の配置の場合は、すべての装置の小型化のために異なるエッジ長さまたは異なるエッジ長さ比を有する2個の装置のタイプを選択することが有利である。
【0034】
それぞれ同じ寸法の4,7,10または14個のサーモプレート装置の配置が有利である。流動方向で見える装置の突出表面は正方形であり、または1.1または1.2の側面比の長方形であってもよい。長方形の装置の突出を有する7,10または14個の装置の組合せが有利であり、外部シリンダーシェルの直径が最小になる。特に有利な形状の配置は、すでに記載したように、4,7または14個のサーモプレート装置の数を選択する場合に達成できる。
【0035】
この関係で有利に、例えば漏れ、サーモプレートの変形または触媒に影響する問題がある場合は、サーモプレート装置を個々に交換することが可能である。
【0036】
有利にサーモプレート装置はそれぞれ圧力が安定な長方形の安定化フレームに配置される。
【0037】
それぞれのサーモプレート装置は有利に適当な案内により、例えば長方形の安定化フレームにより、横方向に浸透する壁を使用してまたは例えば山形構造により、有利に適当な位置に保持される。
【0038】
1つの構成において、隣接するサーモプレート装置の長方形の安定化フレームは互いに対して封止される。これは個々のサーモプレート装置の間の反応混合物のバイパスの流れを防ぐ。
【0039】
大部分シリンダーの圧縮されたシェルへの立方形のサーモプレート装置の配置はシェルのシリンダーのジャケット壁に向かうエッジに残留するかなり大きい自由中間空間を生じ、シェル内で材料生成物の蓄積、副反応または分解が起きる。例えばアセンブリ作業が必要な場合は生成物の洗浄または汚染が起きることは大いに困難である。従ってこの中間空間を反応室から、すなわちそれぞれ直に接するサーモプレートの間の間隙から分離することが有利である。
【0040】
このために、サーモプレート装置と大部分シリンダーのシェルの間の中間空間を保持ベースを使用してサーモプレート装置の下側端部で封止する。反応混合物のバイパス流を防ぐために、ベアリングまたは保持ベースが中間空間を気密に封止すべきである。
【0041】
有利にサーモプレート装置と大部分シリンダーのシェルの間の中間空間をサーモプレート装置の上側端部で金属シートカバーにより封止することができる。しかし気密シールはこの目的のために必要でなく、1つの構成において、オリフィスを有する金属シートカバーを形成することができる。
【0042】
サーモプレート装置と大部分シリンダーのシェルの間の中間空間の上側端部の金属シートカバーは有利にバルブトレーに類似して形成できる。
【0043】
圧力を負荷するために使用されるガスの排出は、穿孔プレート、弁または力の負荷(例えばばねまたは気圧)、自己調節装置として形成されるオーバーフロー装置を使用して形成され、ブローバック安全装置と組み合わせても形成される。これらのオーバーフロー装置はシリンダー外部シェルの外部に配置することができる。
【0044】
上側金属シートカバーは支柱に存在し、支柱は付加的に長方形の安定化フレームを安定化し、前記フレーム内にサーモプレート装置が配置される。
【0045】
サーモプレート装置と大部分がシリンダーのシェルの間の中間空間は、ここで自由ガス体積を減少し、例えば制御されない熱の放出を生じるガスの対流を避けるために、有利に不活性材料が充填されていてもよい。
【0046】
シリンダーシェルにおいて、不活性層材料の入口および出口にノズルを用意することが有利であり、前記ノズルは適当な大きさに形成され、重力下で閉塞のない充填および排出が可能になるように適当な角度に取り付けられる。ノズルの可能な構成は80、100、150または200mmの公称幅である。
【0047】
使用される不活性材料層は原則的に化学的に不活性であり、十分に機械的におよび熱的に安定な材料、例えば膨張パーライトおよび/または膨張バーミキュライトである。
【0048】
サーモプレート装置と大部分シリンダーのシェルの間の中空空間を充填することが可能であり、前記空間は気圧により不活性材料が充填できる。
【0049】
圧力の負荷は実質的に一定であり、有利に窒素の圧力が調節された導入および排出により行われる。選択される調節信号は例えばサーモプレート装置と大部分シリンダーのシェルの間の中間空間の圧力とサーモプレート装置の間隙の触媒層の下側端部または上側端部の圧力の圧力差である。
【0050】
有利に異なる圧力信号をオフセット値により補正することができる。触媒層の高さにわたる圧力の平均値、特に算術平均値を調節信号として有利に選択することができる。
【0051】
圧力を負荷するために、適当なノズルおよび/または有利に下側に向いている小さなドリルホールを有する内部リングラインを大部分シリンダーシェルに用意することができる。
【0052】
選択的に中空空間に、不活性または工程に内在するガス、特に窒素または循環ガスを流動することにより圧力の負荷を行うことができる。
【0053】
圧力の負荷に使用されるガスは有利に流体反応混合物と、一般になお反応器の大部分シリンダーシェルの内部のサーモプレート装置からの出口で結合する。圧力の負荷に使用されるガスの排出位置は有利に、パージするために、流体反応混合物の流動デッドゾーンに配置される。
【0054】
圧力の負荷に使用されるガスの流速は一般に流体反応ガス混合物の流速より重要でなく、有利に処理技術的範囲で反応を妨害しないように選択される。
【0055】
サーモプレート装置は、すでに記載したように、生じる問題、例えば漏れ、サーモプレートの変形、または触媒との問題を目的とするやり方で取り除くことができるために、有利にそれぞれ独立に交換可能である。この目的のために長方形の安定化フレームの壁に関して活動するサーモプレート装置を形成することが有利である。
【0056】
この有利な構成のサーモプレート装置は封止部品のない長方形安定化フレームに存在するので、反応媒体のバイパス流が生じる。これを避けるために、シールされていない、サーモプレート装置と長方形安定化フレームの間の位置を適当な方法で、例えばサーモプレート装置の外部に取り付けられた金属シートストリップにより封止し、長方形の安定化フレームの壁に挿入した場合にストリップが壁に押し込まれる。選択的に気密金属シートカバーおよび例えば溶接リップシールの形の結合が可能である。
【0057】
サーモプレート装置を長方形安定化フレームに挿入した場合に、装置は保持ベースに関して封止され、保持ベースがサーモプレート装置と大部分シリンダーシェルの間の中間空間をサーモプレート装置の下側端部で封止する。原則的にこの目的のために公知の任意の封止手段を使用することができる。これらは例えば付加的にスクリューで保護された通常のシールである。
【0058】
溶接リップにより、例えば溶接リップが保持ベースに保護され、第2溶接リップがサーモプレート装置または長方形の安定化フレームの外側端部に保護されている変形により封止を行うことができる。両方の溶接リップは幾何学的に一緒に適合し、一緒に溶接されるように形成される。サーモプレート装置を交換するために、溶接シームを分離し、場合により再生する。
【0059】
サーモプレート装置は上から長方形安定化フレームとともに装置により引っ張ることができる。上からの十分な引っ張り圧力はシール上の適当な表面圧力を保証し、サーモプレート装置を有利に保護する。
【0060】
間隙を通過した許容できないバイパス流が回避される限りで長方形安定化フレームを互いに封止することは必ずしも必要でない。長方形安定化フレームを小さいドリルホールと一緒に結合することが可能であり、ドリルホールを不活性ガスが中間空間からサーモプレート装置と大部分シリンダーシェルの間に流入し、サーモプレート装置と長方形安定化フレームの間の空間で反応を防ぐ。
【0061】
サーモプレート装置は付加的に案内および指示部品を外部に有することができる。例えば任意の形のコーナーブラケットをこれらの部品の縁部におよび円錐金属シートストリップを側面に用意することができる。巻き上げ装置または例えばクレーンを使用して簡単な挿入を可能にするために、前記装置に取り付け装置または取り付け補助部品、例えば穴、ループまたは糸状ドリルホールを取り付けることが有利である。サーモプレート装置をクレーンにより挿入するために、タイバーに装置を保持することができ、タイバーが垂直に最初は空の空隙を通りプレートの下側縁部の下に到達し、負荷をかけるために横方向の支持体に接続する。
【0062】
1つの特別な構成において、サーモプレート装置の最も外側のサーモプレートがその外部で、サーモプレートを製造するために使用される他の金属シートより厚く、従ってより安定な金属シートから形成される。
【0063】
熱膨張を補償するために、特に環状補正装置が有利に保持ベースの中または上に用意され、保持ベースがサーモプレート装置と大部分シリンダーシェルの間の中間空間をサーモプレート装置の下側端部で封止する。金属シートベースの表面に対して直角の方向で見てほぼz形の形状を有する環状補正装置が特に適している。しかし他の通常の波形補正装置も同様に適している。
【0064】
サーモプレート装置と大部分シリンダーシェルの間の中間空間の下側端部に金属金属シートカバーの中または上の軸方向および/または半径方向の膨張のための補正装置を用意することが有利である。
【0065】
それぞれのサーモプレート装置は1個以上の分配装置により熱媒体が供給される。熱媒体は個々のサーモプレートの内部を流動後、サーモプレート装置の他方の端部で1個以上の収集装置により除去される。本発明により放出される反応熱を吸収し、部分的に蒸発する熱媒体が使用されるので、流速の調節のためにそれぞれ1個の分配装置、しかしサーモプレート装置当たり2個の収集装置を用意することが特に有利である。
【0066】
分配装置および収集装置は有利にそれぞれ包囲する大部分シリンダーシェルに対するサーモプレート装置の熱膨張を調節する補正手段を有するように形成される。この場合も例えば湾曲したパイプラインの構成により補正が可能である。
【0067】
包囲する大部分シリンダーシェルに対するサーモプレート装置の熱膨張を調節するために、サーモプレートを流れる熱媒体流のための、適当な湾曲したまたはZ形またはΩ形の形状の構成の管の分配および収集装置を確保することができる。他の構成において、この補正は軸方向または横方向の補正手段により行うことができ、それぞれ内部支持構造に必要な管の支持が行われる。
【0068】
以下のように溝付きトレーに溶接することにより熱媒体の供給、分配、収集および除去のためにサーモプレートに収集管を形成することが有利である。装置の個々のサーモプレートを最初に通路状金属シートに接合し、前記シートはサーモプレートの内部に向かって湾曲し、ほぼ半円形の断面を有し、熱交換体を排出するオリフィスまたはスリットを有する。この製造段階で溝付きトレーへの溶接が製造欠陥を有しないことを、代表的な規格または全面積で、例えばX線により検査することができる。引き続きこの、第1のほぼ通路状金属シートを両方の縦方向の面で、反対の湾曲を有するが、オリフィスまたはスリットがない、第2の類似する形状の金属シートと、特に縦方向のシーム溶接により接合し、ほぼ円形の横断面を有する管状部品を形成する。この管状部品の2つの端部を場合により内部タイロッドにより強化されたふたにより封止する。
【0069】
他の構成において、例えば4〜30mmのかなり小さい公称幅を有する管部品をサーモプレートに、しばしば金属シート縁部に直接溶接し、熱媒体を供給し、除去することができる。
【0070】
それぞれのサーモプレート装置の個々のサーモプレートの間の間隙は不均一粒子状触媒を収容するために用いる。触媒層の上側またはサーモプレート装置の上側端部でカバー、例えば穿孔プレートを取り付けることができ、前記部品は高い流速で下から触媒層に付随する流れが存在する場合に、触媒の排出、流動または放出を防ぐ。
【0071】
重力の作用下に間隙の外部の触媒粒子の流れを排除するために、下側端部に触媒格子を用意しなければならない。これは、例えば穿孔プレートまたはメッシュプレートを使用して行うことができ、この目的のために、良好な触媒の保持を保証し、同時に高い寸法安定性および流動する反応媒体の低い圧力低下を有する、エッジギャップシーブを使用することが特に有利である。
【0072】
触媒保留格子を、例えば回転できるように配置することができる。
【0073】
分配装置からサーモプレート集合体の縁部への横方向の分離が同じであり、1つの種類の触媒保留格子が必要であるように、サーモプレートに熱媒体の分配装置が配置される場合が特に有利である。サーモプレート当たりそれぞれ2つの触媒保留格子が、すなわち熱媒体の分配装置の両面に用意される。
【0074】
触媒保留格子は有利に大部分シリンダーのシェルに、マンホールにより配置し、除去できるような寸法を有する。マンホールはしばしば内径700mmを有する。相当して650mmの触媒挿入格子の縁部長さが有利である。
【0075】
他の構成において、これらの保留格子を小さい単位に分割し、それぞれの間隙またはそれぞれの間隙半体を個々に封止することができ、別々に排出できる。
【0076】
選択的にサーモプレート装置に触媒を反応器に設置する前に、すなわち反応器の外部に充填することができる。
【0077】
サーモプレート装置を包囲するシェルは大部分シリンダーとして記載される。これは両方の端部でそれぞれフードにより封止される円形断面を有するシリンダー状ジャケットを有することを意味する。
【0078】
大部分シリンダー状シェルは一般に垂直に配置される。
【0079】
流体反応媒体を反応器内部に1つのフード、しばしば下側フードにより導入し、不均一粒子状触媒が充填され、個々のサーモプレートの間にある間隙を流れ、反応器の他方の端部で他方の、しばしば上側フードにより除去される。
【0080】
フードは有利にステンレススチールから製造され、またはステンレススチールで覆われる。
【0081】
フードはシェルのシリンダージャケットに安全溶接によりまたは別々に例えばフランジ接続により接合することができる。フランジ接続は油圧装置を使用して低下できるように形成できる。
【0082】
有利にフードの周囲が一般に直径700mmを有する1個以上のマンホールにより地面に達することができる。この目的のために、フードと同様に、例えばステンレススチールから製造されるかまたはステンレススチールで覆われた拡大したシリンダー断面が有利である。
【0083】
フード内のマンホールにより装置の上側に達することができ、触媒がサーモプレートの間の間隙に導入され、装置の下側に達することができ、保持格子を容易に配置し、除去できる。
【0084】
触媒を除去するために、装置は付加的に助剤を保持し、触媒を収集する下側フードに配置され、前記フードはすでに作業の進行中に配置され、触媒を排出する1個以上のノズルを有する。
【0085】
サーモプレート装置と大部分シリンダーシェルの内壁の間の中間空間を封止する保持ベースおよびサーモプレート装置の長方形の安定化フレームに使用される材料は炭素鋼であってもよい。選択的にこの目的のためにステンレススチールを使用することができる。
【0086】
1つまたは両方のフードにノズルを配置することが有利であり、ノズルにより個々のサーモプレート装置に多くの熱部品を導入できる。更に現場機器およびプロセス分析装置のためにノズルを取り付けることができる。
【0087】
更に大部分シリンダーシェルのシリンダージャケットに、有利に軸方向の熱膨張を調節する1個以上の補正装置を用意することが有利である。
【0088】
本発明は流体反応混合物の部分酸化を実施するための反応器の使用に関し、少なくとも部分的に蒸発するサーモプレートを流動する熱媒体により反応熱を除去する。
【0089】
この場合に反応器は特に強い発熱反応で、流体反応混合物が下側フードにより供給され、上側フードにより反応器から除去されるように運転される。
【0090】
特に蒸発冷却により反応熱を除去する熱担持媒体がサーモプレートに下側から導入するので、反応混合物を下から供給する、すなわち反応混合物と熱媒体の同時の流れが存在する場合は、十分な熱媒体を常に利用できる。
【0091】
更に反応媒体の構造および流れの制御および運転に関して、反応媒体が活性触媒帯域に達する前に過冷却熱媒体により過度に冷却されない、または熱媒体が許容できない高い程度に予め蒸発しないことが保証されなければならない。
【0092】
使用される熱担持媒体は蒸気生成のための典型的に発電所で利用されるおよび技術水準(Technische Regeln fuer Dampfkessel『Technical rules for vapor vessels』(TRD611、1996、10,15、BArbB.12/1996、84頁、2001,6,25最終変更、BArbB1.8/2001、108頁))に相当する供給水であってもよい。供給水の典型的なパラメーターは以下のとおりである。導電率0.4マイクロシーメンス/cm未満、または0.2マイクロシーメンス/cm未満、カルシウムおよびマグネシウム硬度0.005ミリモル/lまたは検出限界以下、ナトリウム5マイクログラム/l、二酸化珪素20マイクログラム/l、鉄50マイクログラム/l、酸素20マイクログラム/l、溶解炭素の全含量0.2マイクログラム/l未満。更に供給水はハロゲン、特に塩素が少ないかまたは含まない。目的とする方法で、例えばヒドラジン、アンモニアのような助剤を添加することにより、供給水を調節し、特にアルカリ性にすることが可能である。更に腐食防止剤を供給水に添加できる。
【0093】
反応媒体が前記の有利な方法制御で反応器を離れる上側フードは炭素鋼からなってもよい。
【0094】
修理または交換のために熱プレート装置の入手を保証するために、同様に上側フードを除去することができる。フランジ結合がない場合は上側フードを除去し、装置組み立て後に再び溶接することができる。
【0095】
サーモプレートから除去される蒸気を種々の蒸気レールに組み込むことができる。
【0096】
反応器は場合により2つの蒸気レールに結合してもよく、その1つは高圧を有し、運転温度に反応器を加熱するために利用される。
【0097】
1つのみの蒸気レールを運転することが有利である。
【0098】
反応器は有利に冷却媒体、水の自然循環で運転され、供給水と蒸気の比は一般に3〜12、有利に5〜10である。
【0099】
強制循環で運転することができ、この場合に冷却の広い負荷の変形が可能である。このために供給水を例えばポンプにより、冷却装置に存在するより高い圧力で供給する。
【0100】
分配装置の供給水循環速度は0.5〜3.0m/s、または1.0〜2.0m/sに調節することができ、水循環数は3〜12である。収集装置の二相流(蒸気/水)の流速は0.5〜15m/sまたは2.0〜6.0m/sであってもよい。
【0101】
同じ熱媒体ネットワークから反応器を始動するためにサーモプレート装置の加熱を実施することが有利であり、前記ネットワークで少なくとも部分的に蒸発した熱担持媒体により反応作業の進行中に熱が除去される。
【0102】
冷却装置の蒸気圧の調節は冷却温度の正確な調節を可能にする。経験によりサーモプレートを冷却剤中で約80バールまでの圧力で運転できることが示された。本発明の反応器は80バールまでの圧力水準で直接的蒸気生成を可能にする。
【0103】
本発明の反応器は工業的規模の部分酸化を行うために使用できる。
【0104】
多くの数、しばしば5けたの数の触媒管の充填に比べて、触媒の供給およびサーモプレートの間の2、3けたの数の間隙の充填は同じ生産能力でかなり減少した費用と結びつく。
【0105】
前記装置構成は反応器を必要な容量に柔軟に適合することを可能にする。シェルおよびサーモプレート装置の相対的形状により限定された最大可能な数に比べてかなり少ない数のサーモプレート装置を設置または運転できる。必要な場合に個々の装置をプロセスガス流から分離し、同じ外部条件で減少した容量で反応を行うことができる。
【0106】
反応器を個々の部品に引き離し、使用する場所で組み立てることができる。
【0107】
本発明を以下に図面により詳細に説明する。
【0108】
図1は本発明の反応器の1つの有利な構成の縦断面図を示し、断面C−Cが図1Aに示され、図1B〜1Fにはサーモプレート装置の他の有利な配置の断面図が示される。
【0109】
図2はサーモプレートに対するサーモプレート装置の断面図を示し、A−AおよびB−Bの断面が図2Aおよび図2Bに示される。
【0110】
図3は保持ベースと安定化フレームの間のシールの可能な2つの構成を示す。
【0111】
図4は長方形の安定化フレーム内のドリルホールの図である。
【0112】
図5A、5B、5D〜5Iはサーモプレート装置の外部の案内部品および配列部品を示す。
【0113】
図6は長方形の安定化フレーム中のサーモプレート装置を保持する引っ張り装置の図である。
【0114】
図1の有利な構成の縦断面図はサーモプレート装置1を有する反応器を示し、前記装置は大部分シリンダーシェル4により包囲される。サーモプレート装置1と大部分シリンダーシェル4の間の中間の空間6はサーモプレート装置1の下側端部の領域で保持ベース7により、サーモプレート装置1の上側端部の領域でシート金属カバー8により気密に封止され、前記カバーは有利な構成が図面に示され、オリフィス9を有する。
【0115】
サーモプレート装置1の下側端部に熱媒体、しばしば供給水の分配装置11が備えられ、サーモプレート装置1の上側端部の領域に熱媒体の収集装置12が備えられ、熱媒体はこの領域でしばしば蒸気または水/蒸気混合物として存在する。大部分シリンダーシェル4は熱膨張の補正装置13を有する。
【0116】
図1に示される有利な構成において、流体反応媒体を下側フード15により供給し、上側フード16により除去する。下側フード15の部分に、および上側フード16の部分に、それぞれ2つのマンホール17を有する付加的なシリンダー部分が配置される。大部分シリンダーシェル4に、サーモプレート装置1と大部分シリンダーシェル4の間の中間の間隙6から不活性材料を取り出すためのノズル18が備えられ、中間の間隙6に窒素を供給するためのノズル19が備えられる。触媒は例えばエッジギャップシーブとして形成される触媒格子24により保持される。
【0117】
図1Aの平面C−Cの断面図は有利に7個のサーモプレート装置1の1つの有利な配置を示し、サーモプレート装置1とシェル4の間の中間の間隙6は有利に不活性材料が充填される。
【0118】
図1Bはシェル4に配置された正方形の断面を有する1つのサーモプレート装置を有する横断面図を示す。
【0119】
図1Cはシェル4に正方形の断面を有する4つのサーモプレート装置1を有する1つの構成を示す。
【0120】
図1Dは長方形の横断面およびそれぞれ1:1.2の側面比を有する7つのサーモプレート装置を有する1つの構成を示す。
【0121】
図1Eは長方形の横断面およびそれぞれ1:1.1の側面比を有する11個のサーモプレート装置を有する1つの構成を示す。
【0122】
図1Fはそれぞれ長方形の横断面およびそれぞれ1:1.1の側面比を有する10個のサーモプレート装置1を有する1つの構成を示す。
【0123】
図2はサーモプレート2および不均一粒子状触媒を収容するためのサーモプレートの間の間隙3を有するサーモプレート装置1の断面図を示す。図面は個々のサーモプレート2を形成する金属シートの間の溶接点を示し、サーモプレート2は横方向の境界20内で横方向の縁部で保護される。サーモプレート装置は長方形の安定化フレーム5に挿入される。
【0124】
図2Aの平面A−Aの断面図は個々のサーモプレートを封止する横方向のロールシーム溶接22およびサーモプレート装置1のサーモプレート2と長方形の安定化フレーム5の間の封止ストリップ23を示す。図面は更にサーモプレート2上の溶接点の1つの有利な配置を示す。
【0125】
図2Bに示される断面B−Bは粒子状触媒が充填された間隙3の平面に配置される。サーモプレート装置1の横方向の境界20と長方形の安定化フレーム5の壁の間に封止ストリップ23が備えられる。
【0126】
図3は保持ベースに関してサーモプレート装置を封止する2つの異なる変形を示す。図の左側は保持ベース7とサーモプレート装置の横方向の境界20の間のシール25を示し、スクリュー26により接続が保証される。触媒格子として使用されるエッジギャップシーブ24の断面およびサーモプレート装置の横方向の境界20と長方形の安定化フレーム5の間の封止ストリップ23を詳細に示す。
【0127】
図3の図の右側は特に2つの溶接リップ27を使用する保持ベース7とサーモプレート装置の間のシールの他の変形を示し、溶接リップの一方は保持ベース7に溶接され、他方はサーモプレート装置の横方向の境界20に溶接される。2つの溶接リップは引き続き溶接シームで一緒に接合される。
【0128】
図4は長方形の安定化フレーム5内のドリルホール28を有する構成を示し、前記フレームは使用されるガスに圧力を負荷して、サーモプレート装置とシェルの間の中間の間隙からサーモプレート装置1と長方形の安定化フレーム5の間の空間に流す。
【0129】
図5Aは長方形の安定化フレーム5に関して案内し、配列するためのサーモプレート装置1の横方向の境界20の外部のコーナーブラケット29を詳細に示す。
【0130】
図5Bはコーナーブラケット29のほかに案内および配列部品としてサーモプレート装置1の面の円錐型金属シートストリップ30を示す。
【0131】
図5Bは更にサーモプレート装置1の最も外部のサーモプレート2の可能な1つの構成を示し、特にサーモプレート装置1の最も外部のサーモプレート2の外部の金属シートはサーモプレート2を形成する残りの金属シートに比べて厚く、より安定である。
【0132】
図5D〜5Iは横方向の境界20に対してサーモプレート2を保証する種々の変形を示す。図5Dの構成においてサーモプレート2は溶接される。図5Eにおいてサーモプレートを保証するために横方向の境界20に溶接された2つの山形が用意される。図5Fの構成では正方形の管であり、図5Gの構成では半分の管であり、図5Hの構成ではU形材であり、図5Iの構成では山形の形材である。
【0133】
図6はサーモプレート装置と長方形安定化フレーム5の間の引っ張りのための引っ張り装置32の図を示す。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】本発明の反応器の1つの有利な構成の縦断面図である。
【図2】サーモプレートに対するサーモプレート装置の断面図である。
【図3】保持ベースと安定化フレームの間のシールの可能な2つの構成を示す図である。
【図4】長方形の安定化フレーム内のドリルホールの図である。
【図5】サーモプレート装置の外部の案内部品および配列部品を示す図である。
【図6】長方形の安定化フレーム中のサーモプレート装置を保持する引っ張り装置の図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応器中で不均一粒子状触媒の存在でC3および/またはC4前駆化合物から(メタ)アクロレインおよび/または(メタ)アクリル酸を生じる気相部分酸化法であり、前記反応器が
1個以上の立方形のサーモプレート装置(1)を有し、前記装置はそれぞれ2個以上の長方形の、互いに平行に、間隙(3)を解放して配置されたサーモプレート(2)から形成され、前記間隙に不均一粒子状触媒を充填することができ、前記間隙を流体反応混合物が流動し、反応熱が熱媒体により吸収され、熱媒体はサーモプレート(2)を流動し、その際少なくとも部分的に蒸発し、および
サーモプレート装置(1)の圧力を解放し、前記装置を完全に包囲し、シリンダージャケット(4)およびフード(15、16)を有する大部分シリンダー状シェル(4,15,16)を有し、前記フードは両方の端部でジャケットを閉鎖し、長手方向の軸がサーモプレート(2)の平面に平行に配列し、および
1個以上の封止部品(7、23)を有し、前記部品は流体反応混合物が、フード(15,16)により境界付けられる反応器内部空間の流動を除いて、間隙(3)のみを流動するように配置されていることを特徴とする、反応器中で不均一粒子状触媒の存在でC3および/またはC4前駆化合物から(メタ)アクロレインおよび/または(メタ)アクリル酸を生じる気相部分酸化法。
【請求項2】
反応器がそれぞれ同じ寸法を有する2個以上の立方形サーモプレート装置(1)を有する請求項1記載の方法。
【請求項3】
反応器が4,7、10または14個のサーモプレート装置(1)を有する請求項2記載の方法。
【請求項4】
サーモプレート(2)がそれぞれ2つの長方形金属シートから形成され、金属シートはその縦方向の面および端部の面でロールシーム溶接により接合され、ロールシームの上の外部に突出する金属シートの縁部がロールシームの外側縁部でまたはロールシーム自体で除去されている請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
サーモプレート装置(1)が、それぞれ圧力が安定な長方形安定化フレーム(5)内に配置されている請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
隣接するサーモプレート装置(1)の長方形安定化フレーム(5)が互いに気密に溶接される請求項5記載の方法。
【請求項7】
封止部品として保持ベース(7)が用意され、保持ベースがサーモプレート装置(1)と大部分シリンダーシェル(4)の間の中間空間(6)をサーモプレート(1)の下側端部で封止する請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
金属シートカバー(8)がサーモプレート装置(1)と大部分シリンダーシェル(4)の間の中間空間(6)をサーモプレート(1)の上側端部で封止する請求項7記載の方法。
【請求項9】
金属シートカバー(8)がオリフィス(9)を有する請求項8記載の方法。
【請求項10】
シェル(4)のサーモプレート装置(1)の間の中間空間(6)が不活性材料で充填される請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
不活性材料が膨張パーライトおよび/または膨張バーミキュライトである請求項10記載の方法。
【請求項12】
サーモプレート装置(1)と大部分シリンダーシェル(4)の間の中間空間(6)にガスを使用して圧力を負荷する請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
負荷される圧力が実質的に一定である請求項12記載の方法。
【請求項14】
圧力の実質的に一定の負荷を窒素の圧力を調節した供給および除去により行う請求項13記載の方法。
【請求項15】
中間空間(6)に工程に不活性または工程に内在するガス、特に窒素または循環ガスを連続的に供給することにより圧力を負荷する請求項12記載の方法。
【請求項16】
圧力の負荷に使用されるガスを流体反応混合物とサーモプレート装置(1)からの出口で結合する請求項15記載の方法。
【請求項17】
保持ベース(7)の中または上に半径方向の膨張の補正装置(10)が備えられている請求項1から16までのいずれか1項記載の方法。
【請求項18】
金属シートカバー(8)の中または上に軸方向の膨張および/または半径方向の膨張の補正装置(10)が備えられている請求項1から17までのいずれか1項記載の方法。
【請求項19】
サーモプレート装置1個当たり1個以上の熱媒体の分配装置(11)および1個以上の収集装置(12)を使用する請求項1から18までのいずれか1項記載の方法。
【請求項20】
サーモプレート装置1個当たり1個の熱媒体の分配装置(11)および2個の収集装置(12)を使用する請求項1から19までのいずれか1項記載の方法。
【請求項21】
熱媒体の分配装置および収集装置が均一な寸法を有する請求項1から20までのいずれか1項記載の方法。
【請求項22】
熱媒体の分配装置(11)および収集装置(12)が刻み目のあるベースに溶接される請求項1から20までのいずれか1項記載の方法。
【請求項23】
包囲する、大部分シリンダーシェル(4)に対するサーモプレート装置(1)の熱膨張を受け入れるためのそれぞれ1つの補正装置を有する、サーモプレート(2)を流動する熱媒体の分配装置(11)および収集装置(12)が備えられている請求項1から20までのいずれか1項記載の方法。
【請求項24】
包囲する、大部分シリンダーシェル(4)に対するサーモプレート装置(1)の熱膨張を、サーモプレート(2)を流動する熱媒体の分配装置(11)および収集装置(12)の適当な湾曲した形状の構成の管により受け入れる請求項1から19までのいずれか1項記載の方法。
【請求項25】
サーモプレート装置1個当たり2個の触媒保持格子を使用する請求項1から23までのいずれか1項記載の方法。
【請求項26】
触媒保持格子を反応器に存在するマンホールにより反応器ジャケットに導入できる請求項1から24までのいずれか1項記載の方法。
【請求項27】
有利に軸方向の熱膨張を受け入れる1個以上の補正装置(13)が大部分シリンダーシェル(4,15,16)のシリンダージャケット(4)に備えられている請求項1から25までのいずれか1項記載の方法。
【請求項28】
サーモプレート(2)を流動する熱媒体により反応熱を除去し、熱媒体が少なくとも部分的に蒸発する、請求項1から26までのいずれか1項記載の方法。
【請求項29】
反応器を始動するためのサーモプレート装置(1)の加熱を同じ熱媒体ネットワークから行い、前記ネットワークに、反応の運転の経過中に、少なくとも部分的に蒸発した熱担持媒体により熱が除去される請求項27記載の方法。

【図1】
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【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図2】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5D】
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【図5E】
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【図5F】
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【図5G】
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【図5H】
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【図5I】
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【図6】
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【公表番号】特表2006−528612(P2006−528612A)
【公表日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−520811(P2006−520811)
【出願日】平成16年7月23日(2004.7.23)
【国際出願番号】PCT/EP2004/008289
【国際公開番号】WO2005/009609
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(595123069)ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト (847)
【氏名又は名称原語表記】BASF Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】