説明

シアニン化合物及び該化合物を用いた光学記録材料

【課題】CD−R、DVD−R等のレーザ光による光学記録媒体の光学記録層の光学記録材料として、好適な光学特性および材料熱分解特性を有する化合物の提供。
【解決手段】下記式(VII)であらわされるペンタメチン系インドリウムカチオンとアゾ錯体アニオンからなる新規色素化合物である。


(Rは置換基、Xは置換基を有していても良い炭素、窒素等、mは0〜3の整数である。)アニオンは、アゾ染料の金属錯塩化合物で、金属は例えばCoである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シアニン化合物及び該シアニン化合物を用いた光学記録材料、特に主として情報をレーザ等による情報パターンとして付与することにより記録する光学記録媒体に使用される光学記録材料に関し、詳しくは、紫外及び可視領域の波長を有し且つ低エネルギーのレーザ等による高密度の光学記録及び再生が可能な光学記録媒体に使用される光学記録材料に関する。
【背景技術】
【0002】
光学記録媒体は、一般に、記録容量が大きく、記録又は再生が非接触で行なわれること等の優れた特徴を有することから、広く普及している。WORM、CD−R、DVD±R等の追記型の光ディスクでは、記録層の微小面積にレーザを集光させ、光学記録層の性状を変えて記録し、記録部分と未記録部分との反射光量の違いによって再生を行なっている。
【0003】
光ディスクに代表される光学記録媒体の光学記録層には、光学記録層を形成するのが容易なので有機系の色素が使用されており、特にシアニン系化合物が感度が高く、高速化に対応できることから検討されている。
【0004】
短波長記録光用の光学記録媒体において、光学記録層の形成には、各種化合物が使用されている。例えば、特許文献1〜3には特定の構造を持つシアニン化合物を含有する光学記録材料が報告されている。しかし、これらの化合物は、光学記録層の形成に用いられる光学記録材料としては、熱分解特性に問題がある。高速記録には熱干渉が小さいことが必要であり、光学記録材料としては、分解温度が低いもの及び熱分解が急峻であるものが適合するが、上記報告の各シアニン系化合物は、この点で充分な特性を有しているものではなかった。
【0005】
【特許文献1】特開2001−301333号公報
【特許文献2】特開2005−297406号公報
【特許文献3】特許3364231号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は熱分解特性に優れ、レーザ光による光学記録材料に用いられる光学要素に適した化合物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は、検討を重ねた結果、特定の構造を有するシアニン化合物が、熱分解特性に優れることを知見し、これを使用することにより、上記課題を解決し得ることを知見した。
【0008】
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、下記一般式(I)で表される化合物を提供することで、上記目的を達成したものである。
【0009】
【化1】

【0010】
(式中、Aは、下記一般式(II)、(IV)及び(VI)〜(IX)の群より選択されるq価のカチオンを表し、Bは、下記一般式(X)で表されるt価のアニオンを表し、q及びtは、それぞれ独立に1〜8の数であり、p及びsは、電荷を中性に保つ係数を表す。)
【0011】
【化2】

【0012】
(式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基、炭素原子数2〜30の複素環基又は下記一般式(III)で表される置換基を表し、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数2〜30の複素環基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基又は下記一般式(III)で表される置換基を表す。上記アルキル基及びアリールアルキル基中のメチレン基は、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NH−CO−、−CO−NH−、−C≡C−又は−C=C−で置換されてもよく、RとR、RとR、及びRとRとは、それぞれ連結して環構造を形成していてもよい。)
【0013】
【化3】

【0014】
(式中、R〜Rは、各々独立に、水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、該アルキル基中のメチレン基は−O−又は−CO−で置換されていてもよく、Zは、直接結合又は炭素原子数1〜8のアルキレン基を表し、該アルキレン基中のメチレン基は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−SO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−−N=CH−又は−CH=CH−で置換されていてもよく、Mは、Fe、Co、Ni、Ti、Cu、Zn、Zr、Cr、Mo、Os、Mn、Ru、Sn、Pd、Rh、Pt又はIrを表す。)
【0015】
【化4】

【0016】
(式中、Dは、アミノ基、五員又は六員の芳香族環、インドール環あるいはメタロセニル基を表し、Rは、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基、炭素原子数2〜30の複素環基又は下記一般式(III)で表される置換基を表し、R及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基、炭素原子数2〜30の複素環基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基又は上記一般式(III)で表される置換基を表し、R11及びR12は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基又は炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数2〜30の複素環基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、シアノ基又は下記一般式(III)で表される置換基を表し、Xは、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、−CR1314−、−NH−又は−NR15―を表し、R13及びR14は、各々独立に、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、上記一般式(III)で表される置換基又は下記一般式(V)あるいは(V')で表される置換基を表し、R15は、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基又は上記一般式(III)で表される置換基を表す。RとR10、RとR10、及びR13とR14とは、互いに連結して環構造を形成してもよく、上記アルキル基及びアリールアルキル基中のメチレン基は、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NH−CO−、−CO−NH−、−C≡C−又は−C=C−で置換されてもよい。)
【0017】
【化5】

【0018】
(上記一般式(V)において、LとTとの間の結合は二重結合、共役二重結合又は三重結合であり、Lは炭素原子を表し、Tは炭素原子、酸素原子又は窒素原子を表し、x、y及びzは、0又は1を表し、aは0〜4の数を表し、R16は、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、R17、R18及びR19は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、R17とR19とは、連結して環構造を形成していてもよい。上記一般式(V’)において、L’とT’との間の結合は二重結合又は共役二重結合であり、L’は炭素原子を表し、T’は、炭素原子又は窒素原子を表し、a’は0〜4の数を表し、L’、T’を含む環は、ヘテロ原子を含んでもよい五員環、ヘテロ原子を含んでもよい六員環、ナフタレン環、キノリン環、イソキノリン環、アントラセン環又はアントラキノン環を表し、これらL’、T’を含む環は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基で置換されていてもよい。)
【0019】
【化6】

【0020】
(式中、R20及びR21は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数2〜20の複素環基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、又は上記一般式(III)で表される基を表し、R22及びR23は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基又は上記一般式(III)で表される置換基を表し、Xは、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、−CR2425−、−NH−又は−NR26−を表わし、R24とR25は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数2〜20の複素環基あるいは上記一般式(III)、上記一般式(V)又は上記一般式(V’)で表わされる置換基を表わし、R26は、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基又は上記一般式(III)で表される置換基を表す。Zは、炭素原子数1〜10の有機基であり、nは1又は2であり、rは2〜8である。R20とR21、R22とR23、及びR24とR25とは、それぞれ互いに連結して環構造を形成していてもよく、N−R22は、隣接するポリメチン鎖中のメチレン基と互いに連結して複素環を形成していてもよく、上記アルキル基及びアリールアルキル基中のメチレン基は、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NH−CO−、−CO−NH−、−C≡C−又は−C=C−で置換されてもよい。)
【0021】
【化7】

【0022】
(式中、R27及びR28は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数2〜20の複素環基又は上記一般式(III)で表わされる置換基を表わし、R29、R30及びR31は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基又は炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数2〜30の複素環基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、シアノ基又は下記一般式(III)で表される置換基を表し、R32、R33、R34及びR35は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基、炭素原子数2〜30の複素環基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基又は上記一般式(III)で表される置換基を表し、X及びXは、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、−CR3637−、−NH−又は−NR38―を表し、R36及びR37は、各々独立に、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、上記一般式(III)で表される置換基又は下記一般式(V)あるいは(V')で表される置換基を表し、R38は、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基又は上記一般式(III)で表される置換基を表し、mは、0〜3の数である。R27とR29、R27とR33、R28とR31、R28とR35、R29とR31、R32とR33、及びR34とR35とは、互いに連結して環構造を形成してもよく、上記アルキル基及びアリールアルキル基中のメチレン基は、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NH−CO−、−CO−NH−、−C≡C−又は−C=C−で置換されてもよい。)
【0023】
【化8】

【0024】
(式中、R39は、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数2〜20の複素環基又は上記一般式(III)で表わされる置換基を表わし、R40及びR41は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基又は炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数2〜30の複素環基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、シアノ基又は下記一般式(III)で表される置換基を表し、R42及びR43は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基、炭素原子数2〜30の複素環基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基又は上記一般式(III)で表される置換基を表し、R44及びR45は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基又は上記一般式(III)で表される置換基を表し、Xは、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、−CR4647−、−NH−又は−NR48―を表し、R46及びR47は、各々独立に、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、上記一般式(III)で表される置換基又は下記一般式(V)あるいは(V')で表される置換基を表し、R48は、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基又は上記一般式(III)で表される置換基を表し、sは、1〜3の数である。R39とR40、R39とR43、R40とR45、R41とR44、R42とR43、及びR44とR45とは、互いに連結して環構造を形成してもよく、上記アルキル基及びアリールアルキル基中のメチレン基は、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NH−CO−、−CO−NH−、−C≡C−又は−C=C−で置換されてもよい。)
【0025】
【化9】

【0026】
(式中、Gは、炭素原子数1〜18の炭化水素を表し、該炭化水素基は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−SO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−−N=で置換されていてもよい。R200、R201、R202及びR203は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基、炭素原子数2〜30の複素環基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基又は上記一般式(III)で表される置換基を表し、R204、R205、R206及びR207は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基又は上記一般式(III)で表される置換基を表し、X、Xは、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、−CR208209−、−NH−又は−NR210―を表し、R208及びR209は、各々独立に、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、上記一般式(III)で表される置換基又は下記一般式(V)あるいは(V')で表される置換基を表し、R210は、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基又は上記一般式(III)で表される置換基を表し、R200とR201、R202とR203、R204とR205、R206とR207とは、互いに連結して環構造を形成してもよく、上記アルキル基及びアリールアルキル基中のメチレン基は、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NH−CO−、−CO−NH−、−C≡C−又は−C=C−で置換されてもよい。)
【0027】
【化10】

【0028】
(式中、環A、環A、環A及び環Aは、それぞれ独立に、五員又は六員の芳香族環又は複素環を表し、Z、Z、Z及びZは、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、セレン原子又は−NR−を表し、Rは、水素原子、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキルスルホ基又はハロゲン原子で置換されていてもよいアルキルカルボキシル基であり、Mは、Fe、Co、Ni、Ti、Cu、Zn、Zr、Cr、Mo、Os、Mn、Ru、Sn、Pd、Rh、Pt又はIrを表し、tは、上記一般式(I)と同じである。)
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、光学要素として適する熱分解特性に優れた化合物を含有してなる光学記録材料を提供することができる。また、該光学記録材料は、光学記録媒体の光学記録層の形成に好適に用いられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
【0031】
先ず、上記一般式(I)で表される化合物について説明する。
上記一般式(I)中、Aは、上記一般式(II)、(IV)及び(VI)〜(IX)の群より選択されるq価のカチオンを表し、Bは、上記一般式(IX)で表されるt価のアニオンを表す。
【0032】
上記一般式(II)中のR、R、R、R、R、R及びR、上記一般式(IV)中のR、R、R10、R11、R12、R13、R14及びR15、上記一般式(VI)中のR20、R21、R22、R23、R24、R25及びR26、上記一般式(VII)中のR27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37及びR38、上記一般式(VIII)中のR39、R40、R41、R42、R43、R44、R45、R46、R47及びR48表される炭素原子数1〜8のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、イソヘプチル、第三ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、モノフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、テトラフルオロエチル、トリフルオロエチル、ジフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ヘキサフルオロプロピル、ペンタフルオロプロピル、テトラフルオロプロピル、トリフルオロプロピル、パーフルオロブチル等が挙げられ、上記一般式(II)中のR、R、R、R、R、R及びR、上記一般式(IV)中のR、R、R10、R11、R12、R13、R14及びR15、上記一般式(VI)中のR20、R21、R22、R23、R24、R25及びR26、上記一般式(VII)中のR27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37及びR38、上記一般式(VIII)中のR39、R40、R41、R42、R43、R44、R45、R46、R47及びR48で表される炭素原子数6〜30のアリール基としては、フェニル、ナフチル、アントラセン−1−イル、フェナントレン−1−イル等が挙げられ、上記一般式(II)中のR、R、R、R、R、R及びR、上記一般式(IV)中のR、R、R10、R11、R12、R13、R14及びR15、上記一般式(VI)中のR20、R21、R22、R23、R24、R25及びR26、上記一般式(VII)中のR27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37及びR38、上記一般式(VIII)中のR39、R40、R41、R42、R43、R44、R45、R46、R47及びR48で表される炭素原子数7〜30のアリールアルキル基としては、ベンジル、フェネチル、2−フェニルプロパン、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、スチリル、シンナミル等が挙げられ、上記一般式(II)中のR、R、R、R、R、R及びR、上記一般式(IV)中のR、R、R10、R11及びR12、上記一般式(VI)中のR20及びR21、上記一般式(VII)中のR27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34及びR35、上記一般式(VIII)中のR39、R40、R41、R42及びR43で表される炭素原子数2〜30の複素環基としては、ピリジル、ピリミジル、ピリダジル、ピペラジル、ピペリジル、ピラニル、ピラゾリル、トリアジル、ピロリジル、キノリル、イソキノリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、トリアゾリル、フリル、フラニル、ベンゾフラニル、チエニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、チアジアゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、インドリル、ユロリジル、モルフォリニル、チオモルフォリニル、2−ピロリジノン−1−イル、2−ピペリドン−1−イル、2,4−ジオキシイミダゾリジン−3−イル、2,4−ジオキシオキサゾリジン−3−イル等が挙げられ、上記一般式(II)中のR、R及びR、上記一般式(IV)中のR、R10、R11及びR12、上記一般式(VI)中のR20及びR21、上記一般式(VII)中のR29、R30、R31、R32、R33、R34及びR35、上記一般式(VIII)中のR40、R41、R42及びR43で表されるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられ、上記一般式(II)中のR、R及びR、上記一般式(IV)中のD、R、R10、R11及びR12、上記一般式(VI)中のR20及びR21、上記一般式(VII)中のR29、R30、R31、R32、R33、R34及びR35、上記一般式(VIII)中のR40、R41、R42及びR43で表されるアミノ基としては、アミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、2−エチルヘキシルアミノ、ドデシルアミノ、アニリノ、クロロフェニルアミノ、トルイジノ、アニシジノ、N−メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ,ナフチルアミノ、2−ピリジルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、ホルミルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチル−メトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、トリメチルアンモニオ、トリエチルアンモニオ等が挙げられ、前記の四級窒素を持つアミノ基はアニオンと塩を形成していてもよい。
【0033】
上記一般式(II)中のRとR、RとR及びRとR、上記一般式(IV)中のRとR10、RとR10及びR13とR14、上記一般式(VI)中のR20とR21、R22とR23及びR24とR25、上記一般式(VII)中のR27とR29、R27とR33、R28とR31、R28とR35、R29とR31、R32とR33及びR34とR35、上記一般式(VIII)中のR39とR40、R39とR43、R40とR45、R41とR44、R42とR43及びR44及びR45とが互いに連結して形成する環構造としては、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、ベンゼン環、ナフタレン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、テトラヒドロピラン環、ピペリジン環、ピペラジン環、ピロリジン環、モルフォリン環、チオモルフォリン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、チアゾール環、イミダゾール環、オキサゾール環、イミダゾリジン環、ピラゾリジン環、イソオキサゾリジン環、イソチアゾリジン環等が挙げられ、これらの環は他の環と縮合されていたり、置換されていたりしてもよい。
【0034】
上記一般式(IX)中のR200、R202は、それぞれ上記R42と同様でありR201、R203は、それぞれ上記R43と同様であり、R204、R206は、上記R44と同様であり、R205、R207は、上記R45と同様であり、X、Xは上記Xと同様である。
【0035】
上記一般式(IV)のD並びに上記一般式(X)中の環A、環A、環A及び環Aで表される五員の芳香族環としては、シクロペンタジエン環、が挙げられ、Dで表される六員の芳香族環としては、ベンゼン環が挙げられ、Dで表される五員又は六員の芳香族環は、他の環と縮合されていたり置換されていたりしていてもよく、例えば、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フェニルベンゼン環、アズレン環等が挙げられる。
【0036】
上記一般式(X)中、環A、環A、環A及び環Aで表される五員の複素環としては、ピロール環、フラン環、チオフェン環、ピラゾリジン環、ピラゾール環、イミダゾール環、イミダゾリジン環、オキサゾール環、イソキサゾール環、イソオキサゾリジン環、チアゾール環、イソチアゾリジン環、フェロセニル環、ニッケロセニル環、コバルトニル環、ルテノセニル環等が挙げられ、環A、環A、環A及び環Aで表される六員環としては、ピペリジン環、ピペラジン環、モルフォリン環、チオモルフォリン環、ユロリジン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環等が挙げられ、環A、環A、環A及び環Aで表される五員環又は六員環は、他の環と縮合されていたり置換されていたりしていてもよく、例えば、キノリン環、イソキノリン環、インドール環、ユロリジン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、アントラキノン環、フェニルベンゼン環、ベンゾチオフェン環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾトリアゾール環、アズレン環、フタルイミド環等が挙げられる。
【0037】
上記一般式(IV)、Dで表されるメタロセニル基としては、フェロセニル環、ニッケロセニル環、コバルトニル環、ルテノセニル環等が挙げられる。
【0038】
上記一般式(VI)中、Zで表される炭素原子数1〜10の有機基としては、例えば、2〜8価のアルコール又はフェノールの残基を挙げることができる。
【0039】
該2〜8価のアルコール又はフェノールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサメチレングリコール、ソルバイト等の2価アルコール;カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン等の2価フェノール:グリセリン、トリオキシイソブタン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,3−ペンタントリオール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、2−エチル−1,2,3−ブタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、2,3,4−ヘキサントリオール、4−プロピル−3,4,5−ヘプタントリオール、2,4−ジメチル−2,3,4−ペンタントリオール、ペンタメチルグリセリン、ペンタグリセリン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の3価アルコール;ペンタエリスリトール、1,2,3,4−ペンタンテトロール、2,3,4,5−ヘキサンテトロール、1,2,4,5−ペンタンテトロール、1,3,4,5−ヘキサンテトロール、ジグリセリン、ソルビタン等の4価アルコール;アドニトール、アラビトール、キシリトール、トリグレセリン等の5価アルコール;ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、イジトール、イノシトール、ダルシトール、タロース、アロース等の6価アルコール;蔗糖等の8価アルコール等が挙げられる。
上記一般式(II)中のR、R、R、R、R、R及びR、上記一般式(IV)中のR、R、R10、R11、R12、R13、R14及びR15、上記一般式(VI)中のR20、R21、R22、R23、R24、R25及びR26、上記一般式(VII)中のR27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37及びR38、上記一般式(VIII)中のR39、R40、R41、R42、R43、R44、R45、R46、R47及びR48で表される炭素原子数1〜8のアルキル基、上記一般式(II)中のR、R、R、R、R、R及びR、上記一般式(IV)中のR、R、R10、R11、R12、R13、R14及びR15、上記一般式(VI)中のR20、R21、R22、R23、R24、R25及びR26、上記一般式(VII)中のR27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37及びR38、上記一般式(VIII)中のR39、R40、R41、R42、R43、R44、R45、R46、R47及びR48で表される炭素原子数6〜20のアリール基、上記一般式(II)中のR、R、R、R、R、R及びR、上記一般式(IV)中のR、R、R10、R11、R12、R13、R14及びR15、上記一般式(VI)中のR20、R21、R22、R23、R24、R25及びR26、上記一般式(VII)中のR27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37及びR38、上記一般式(VIII)中のR39、R40、R41、R42、R43、R44、R45、R46、R47及びR48で表される炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、上記一般式(II)中のR、R、R、R、R、R及びR、上記一般式(IV)中のR、R、R10、R11及びR12、上記一般式(VI)中のR20及びR21、上記一般式(VII)中のR27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34及びR35、上記一般式(VIII)中のR39、R40、R41、R42及びR43で表される炭素原子数2〜30の複素環基、上記一般式(II)中のR、R及びR、上記一般式(IV)中のR、R10、R11及びR12、上記一般式(VI)中のR20及びR21、上記一般式(VII)中のR29、R30、R31、R32、R33、R34及びR35、上記一般式(VIII)中のR40、R41、R42及びR43で表されるハロゲン原子、上記一般式(II)中のR、R及びR、上記一般式(IV)中のD、R、R10、R11及びR12、上記一般式(VI)中のR20及びR21、上記一般式(VII)中のR29、R30、R31、R32、R33、R34及びR35、上記一般式(VIII)中のR40、R41、R42及びR43で表されるアミノ基、上記一般式(IV)のD並びに上記一般式(X)中の環A、環A、環A及び環Aで表される五員の芳香族環、上記一般式(X)中の環A、環A、環A及び環Aで表される五員の複素環、上記一般式(IV)のDで表されるメタロセニル基及び上記一般式(VI)中のZで表される炭素原子数1〜10の有機基は置換基を有していてもよく、上記一般式(IX)中のR200、R202、R201、R203、R204、R206、R205、R207、R208、R209、R210も同様である。尚、R〜R48、Y及びAが、上記の炭素原子数1〜8のアルキル基等の炭素原子を含有する基であり、且つ、それらの基が、以下の置換基の中でも、炭素原子を含有する置換基を有する場合は、該置換基を含めた全体の炭素原子数が、規定された範囲を満たすものとする。
該置換基としては、以下のものが挙げられる。
例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、シクロペンチル、ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、シクロヘキシル、ビシクロヘキシル、1−メチルシクロヘキシル、ヘプチル、2−ヘプチル、3−ヘプチル、イソヘプチル、第三ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソノニル、デシル等のアルキル基;メチルオキシ、エチルオキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブチルオキシ、第二ブチルオキシ、第三ブチルオキシ、イソブチルオキシ、アミルオキシ、イソアミルオキシ、第三アミルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、イソヘプチルオキシ、第三ヘプチルオキシ、n−オクチルオキシ、イソオクチルオキシ、第三オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ等のアルコキシ基;メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、第二ブチルチオ、第三ブチルチオ、イソブチルチオ、アミルチオ、イソアミルチオ、第三アミルチオ、ヘキシルチオ、シクロヘキシルチオ、ヘプチルチオ、イソヘプチルチオ、第三ヘプチルチオ、n−オクチルチオ、イソオクチルチオ、第三オクチルチオ、2−エチルヘキシルチオ等のアルキルチオ基;ビニル、1−メチルエテニル、2−メチルエテニル、2−プロペニル、1−メチル−3−プロペニル、3−ブテニル、1−メチル−3−ブテニル、イソブテニル、3−ペンテニル、4−ヘキセニル、シクロヘキセニル、ビシクロヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、デセニル、ぺンタデセニル、エイコセニル、トリコセニル等のアルケニル基;ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、スチリル、シンナミル等のアリールアルキル基;フェニル、ナフチル等のアリール基;フェノキシ、ナフチルオキシ等のアリールオキシ基;フェニルチオ、ナフチルチオ等のアリールチオ基;ピリジル、ピリミジル、ピリダジル、ピペリジル、ピラニル、ピラゾリル、トリアジル、ピロリル、キノリル、イソキノリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、トリアゾリル、フリル、フラニル、ベンゾフラニル、チエニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、チアジアゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、インドリル、2−ピロリジノン−1−イル、2−ピペリドン−1−イル、2,4−ジオキシイミダゾリジン−3−イル、2,4−ジオキシオキサゾリジン−3−イル等の複素環基;フェロセニル、ニッケロセニル、コバルトニル、フェロセンアルキル、フェロセンアルコキシ等のメタロセン基;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;アセチル、2−クロロアセチル、プロピオニル、オクタノイル、アクリロイル、メタクリロイル、フェニルカルボニル(ベンゾイル)、フタロイル、4−トリフルオロメチルベンゾイル、ピバロイル、サリチロイル、オキザロイル、ステアロイル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル、カルバモイル等のアシル基;アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ等のアシルオキシ基;アミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、2−エチルヘキシルアミノ、ドデシルアミノ、アニリノ、クロロフェニルアミノ、トルイジノ、アニシジノ、N−メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ,ナフチルアミノ、2−ピリジルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、ホルミルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチル−メトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ等の置換アミノ基;スルホンアミド基、スルホニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホ基、水酸基、ニトロ基、メルカプト基、トリアルキルシリル基、イミド基、カルバモイル基、スルホンアミド基等が挙げられ、これらの基は更に置換されていてもよい。また、カルボキシル基及びスルホ基は無機塩基又は有機塩基と塩、錯体又は複合体を形成していてもよい。
【0040】
上記一般式(III)におけるR〜R並びに上記一般式(IV)におけるR16、R17、R18及びR19で表される炭素原子数1〜4のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル等が挙げられ、該アルキル基中のメチレン基が−O−で置換された基としては、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、メトキシメチル、エトキシメチル、2−メトキシエチル等が挙げられ、該アルキル基中のメチレン基が−CO−で置換された基としては、アセチル、1−カルボニルエチル、アセチルメチル、1−カルボニルプロピル、2−オキソブチル、2−アセチルエチル、1−カルボニルイソプロピル等が挙げられる。
上記一般式(III)において、Zで表される炭素原子数1〜8のアルキレン基としては、メチレン、エチレン、プロピレン、メチルエチレン、ブチレン、1−メチルプロピレン、2−メチルプロピレン、1,2−ジメチルプロピレン、1,3−ジメチルプロピレン、1−メチルブチレン、2−メチルブチレン、3−メチルブチレン、4−メチルブチレン、2,4−ジメチルブチレン、1,3−ジメチルブチレン、ペンチレン、へキシレン、ヘプチレン、オクチレン、エタン−1,1−ジイル、プロパン−2,2−ジイル等が挙げられ、該アルキレン基中のメチレン基が−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−SO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−N=CH−又は−CH=CH−で置換された基としては、メチレンオキシ、エチレンオキシ、オキシメチレン、チオメチレン、カルボニルメチレン、カルボニルオキシメチレン、メチレンカルボニルオキシ、スルホニルメチレン、アミノメチレン、アセチルアミノ、エチレンカルボキシアミド、エタンイミドイル、エテニレン、プロペニレン等が挙げられる。
【0041】
上記一般式(IX)で表されるt価のアニオンとしては、下記一般式(XI)〜(XV)で表されるものが、合成が容易で耐久性がよいので好ましい。
【0042】
【化11】

【0043】
(式中、R49、R50、R51、R52、R53、R54、R56、R57、R58、R59、R60及びR61は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、ハロゲン原子、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、ニトロ基又はシアノ基を表し、R55及びR62は、炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、Z及びZは、酸素原子、硫黄原子、セレン原子又は−NR−を表し、Rは、上記一般式(IX)と同じである。Mは、Fe、Co、Ni、Ti、Cu、Zn、Zr、Cr、Mo、Os、Mn、Ru、Sn、Pd、Rh、Pt又はIrを表す。上記アルキル基及びアリールアルキル基中のメチレン基は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−又は−CH=CH−で置き換えられていてもよい。)
【0044】
【化12】

【0045】
(式中、R63、R64、R65、R66、R69、R70、R71及びR72は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、ハロゲン原子、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、ニトロ基又はシアノ基を表し、R67、R68、R73及びR74は、炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、Z及びZ10は、酸素原子、硫黄原子、セレン原子又は−NR−を表し、Rは、上記一般式(IX)と同じである。Mは、Fe、Co、Ni、Ti、Cu、Zn、Zr、Cr、Mo、Os、Mn、Ru、Sn、Pd、Rh、Pt又はIrを表す。上記アルキル基及びアリールアルキル基中のメチレン基は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−又は−CH=CH−で置き換えられていてもよい。)
【0046】
【化13】

【0047】
(式中、R75、R76、R77、R78、R80、R81、R82及びR83は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、ハロゲン原子、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、ニトロ基又はシアノ基を表し、R79及びR84は、炭素原子数1〜8のアルキル基を表す。Mは、Fe、Co、Ni、Ti、Cu、Zn、Zr、Cr、Mo、Os、Mn、Ru、Sn、Pd、Rh、Pt又はIrを表す。上記アルキル基及びアリールアルキル基中のメチレン基は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−又は−CH=CH−で置き換えられていてもよい。)
【0048】
【化14】

【0049】
(式中、R85、R86、R87、R88、R89、R90、R91、R92、R93、R94、R95、R96、R97、R98、R99及びR100は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、ハロゲン原子、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、ニトロ基又はシアノ基を表す。Mは、Fe、Co、Ni、Ti、Cu、Zn、Zr、Cr、Mo、Os、Mn、Ru、Sn、Pd、Rh、Pt又はIrを表す。上記アルキル基及びアリールアルキル基中のメチレン基は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−又は−CH=CH−で置き換えられていてもよい。)
【0050】
【化15】

【0051】
(式中、R101、R102、R103、R104、R105、R107、R108、R109、R110及びR111は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、ハロゲン原子、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、ニトロ基又はシアノ基を表し、R106及びR112は、炭素原子数1〜8のアルキル基を表す。Mは、Fe、Co、Ni、Ti、Cu、Zn、Zr、Cr、Mo、Os、Mn、Ru、Sn、Pd、Rh、Pt又はIrを表す。上記アルキル基及びアリールアルキル基中のメチレン基は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−又は−CH=CH−で置き換えられていてもよい。)
上記一般式(XI)中のR49、R50、R51、R52、R53、R54、R55、R56、R57、R58、R59、R60、R61及びR62、上記一般式(XII)中のR63、R64、R65、R66、R67、R68、R69、R70、R71、R72、R73及びR74、上記一般式(XIII)中のR75、R76、R77、R78、R79、R80、R81、R82、R83及びR84、上記一般式(XIV)中のR85、R86、R87、R88、R89、R90、R91、R92、R93、R94、R95、R96、R97、R98、R99及びR100、並びに上記一般式(XV)中のR101、R102、R103、R104、R105、R106、R107、R108、R109、R110、R111及びR112で表される炭素原子数1〜8のアルキル基、上記一般式(XI)中のR49、R50、R51、R52、R53、R54、R56、R57、R58、R59、R60及びR61上記一般式(XII)中のR63、R64、R65、R66、R69、R70、R71及びR72、上記一般式(XIII)中のR75、R76、R77、R78、R80、R81、R82及びR83、上記一般式(XIV)中のR85、R86、R87、R88、R89、R90、R91、R92、R93、R94、R95、R96、R97、R98、R99及びR100、並びに上記一般式(XV)中のR101、R102、R103、R104、R105、R106、R107、R108、R109、R110、R111及びR112で表される炭素原子数6〜20のアリール基、上記一般式(XI)中のR49、R50、R51、R52、R53、R54、R56、R57、R58、R59、R60及びR61上記一般式(XII)中のR63、R64、R65、R66、R69、R70、R71及びR72、上記一般式(XIII)中のR75、R76、R77、R78、R80、R81、R82及びR83、上記一般式(XIV)中のR85、R86、R87、R88、R89、R90、R91、R92、R93、R94、R95、R96、R97、R98、R99及びR100、並びに上記一般式(XV)中のR101、R102、R103、R104、R105、R106、R107、R108、R109、R110、R111及びR112で表される炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、上記一般式(XI)中のR55及びR62、上記一般式(X)中のR49、R50、R51、R52、R53、R54、R56、R57、R58、R59、R60及びR61、上記一般式(XII)中のR63、R64、R65、R66、R69、R70、R71及びR72、上記一般式(XIII)中のR75、R76、R77、R78、R80、R81、R82及びR83、上記一般式(XIV)中のR85、R86、R87、R88、R89、R90、R91、R92、R93、R94、R95、R96、R97、R98、R99及びR100、並びに上記一般式(XV)中のR101、R102、R103、R104、R105、R107、R108、R109、R110及びR111で表されるハロゲン原子、上記一般式(XI)中のR55及びR62、上記一般式(XI)中のR49、R50、R51、R52、R53、R54、R56、R57、R58、R59、R60及びR61、上記一般式(XII)中のR63、R64、R65、R66、R69、R70、R71及びR72、上記一般式(XIII)中のR75、R76、R77、R78、R80、R81、R82及びR83、上記一般式(XIV)中のR85、R86、R87、R88、R89、R90、R91、R92、R93、R94、R95、R96、R97、R98、R99及びR100、並びに上記一般式(XV)中のR101、R102、R103、R104、R105、R107、R108、R109、R110及びR111で表されるアミノ基としては、上記一般式(II)で例示したものが挙げられる。
【0052】
本発明の光学記録材料において、上記一般式(I)で表される化合物は、単独又は複数種を組み合わせて用いることができる。
【0053】
上記一般式(I)で表される化合物において、カチオンの好ましい具体例としては、下記化合物No.1〜60、No.101〜130が挙げられる。尚、以下の例示化合物において、ポリメチン鎖は共鳴構造をとっていてもよく、またカチオンがもう一方の複素環骨格中の窒素原子上にあってもよい。
【0054】
【化16】

【0055】
【化17】

【0056】
【化18】

【0057】
【化19】

【0058】
【化20】

【0059】
【化21】

【0060】
【化22】

【0061】
【化23】

【0062】
【化24】

【0063】
【化25】

【0064】
上記一般式(I)で表される化合物において、アニオンの好ましい具体例としては、下記化合物No.61〜88が挙げられる。
【0065】
【化26】

【0066】
【化27】

【0067】
【化28】

【0068】
【化29】

【0069】
本発明の光学記録媒体は、基体上に、該光学記録材料からなる光学記録層を形成して得られるものである。
【0070】
本発明の光学記録材料の調製、及び本発明の基体上に、該光学記録材料からなる光学記録層を形成したことを特徴とする光学記録媒体を製造する方法については、特に制限を受けない。一般には、メタノール、エタノール等の低級アルコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチルジグリコール等のエーテルアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メトキシエチル等のエステル類;アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル類、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール等のフッ化アルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類;メチレンジクロライド、ジクロロエタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素類等の有機溶媒に、本発明のシアニン化合物及び必要に応じて後述の各種化合物を溶解して溶解して溶液状の光学記録材料を作製し、該光学記録材料を基体上にスピンコート、スプレー、ディッピング等で塗布する湿式塗布法が用いられる。
【0071】
また、本発明の光学記録材料として、本発明のメロシアニン化合物又は該化合物と前述のジイモニウム化合物等の各種化合物との混合物を単体として用いて、本発明の光学記録材料を製造する場合には、蒸着法、スパッタリング法等が用いられる。
【0072】
上記光学記録層は薄膜として形成され、その厚さは、通常、0.001〜10μmが適当であり、好ましくは0.01〜5μmの範囲である。
また、本発明の光学記録材料中において、本発明のシアニン化合物の含有量は、本発明の光学記録材料中、0.1〜10質量%が好ましい。上記光学記録層は、光学記録層中に上記シアニン化合物を50〜100質量%含有するように形成されることが好ましく、このようなシアニン化合物含有量の光学記録層を形成するために、本発明の光学記録材料は、上記シアニン化合物を、本発明の光学記録材料中0.5〜10質量%含有するのがさらに好ましい。
【0073】
本発明の光学記録材料は、本発明の化合物の他に、必要に応じて、シアニン化合物、アゾ系化合物、フタロシアニン系化合物、オキソノール系化合物、スクアリリウム系化合物、インドール化合物、スチリル系化合物、ポルフィン系化合物、アズレニウム系化合物、クロコニックメチン系化合物、ピリリウム系化合物、チオピリリウム系化合物、トリアリールメタン系化合物、ジフェニルメタン系化合物、テトラヒドロコリン系化合物、インドフェノール系化合物、アントラキノン系化合物、ナフトキノン系化合物、キサンテン系化合物、チアジン系化合物、アクリジン系化合物、オキサジン系化合物、スピロピラン系化合物、フルオレン系化合物、ローダミン系化合物等の、通常光学記録層に用いられる化合物;ポリエチレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート等の樹脂類;界面活性剤;帯電防止剤;滑剤;難燃剤;ヒンダードアミン等のラジカル捕捉剤;フェロセン誘導体等のピット形成促進剤;分散剤;酸化防止剤;架橋剤;耐光性付与剤等を含有してもよい。さらに、本発明の光学記録材料は、一重項酸素等のクエンチャーとして芳香族ニトロソ化合物、アミニウム化合物、イミニウム化合物、ビスイミニウム化合物、遷移金属キレート化合物等を含有してもよい。本発明の光学記録材料において、これらの各種化合物は、本発明の光学記録材料中、0〜0.5質量%の範囲となる量で使用される。
【0074】
本発明の光学記録材料には、ジイモニウム化合物を含有させてもよい。該ジイモニウム化合物を含有させることにより、本発明の光学記録媒体の経時的な吸光度残存率の低下をより効果的に防ぐことができる。また該ジイモニウム化合物を含有させる場合の含有量は、本発明の光学記録材料中、0〜90質量%の範囲となる量が好ましく、より好ましくは、50〜90質量%である。
【0075】
また、本発明の光学記録材料を溶液状の光学記録材料として用いる場合、上記有機溶媒の含有量は、光学記録材料中0〜99.9質量%が好ましい。
【0076】
このような光学記録層を設層する上記基体の材質は、書き込み(記録)光および読み出し(再生)光に対して実質的に透明なものであれば特に制限はなく、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートなどの樹脂、ガラスなどが用いられる。また、その形状は、用途に応じ、テープ、ドラム、ベルト、ディスク等の任意の形状のものを使用できる。
【0077】
また、上記光学記録層上には、金、銀、アルミニウム、銅等を用いて蒸着法あるいはスパッタリング法により反射膜を形成することもできるし、アクリル樹脂、紫外線硬化性樹脂等により保護層を形成することもできる。
【0078】
本発明の光学記録材料は、記録、再生に半導体レーザを用いる光学記録媒体に好適であり、特に高速記録タイプのCD−R、DVD±R、HD−DVD―R、BD−R等の公知の単層式、二層式、多層式光ディスクに好適である。
【実施例】
【0079】
以下、実施例、比較例及び評価例をもって本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明は以下の実施例等によって何ら制限を受けるものではない。
下記実施例1及び2は、化合物No.1と化合物No.76の塩及び化合物No.1と化合物No.61の塩の製造を示し、下記実施例3及び4は、実施例1及び2で製造した化合物をそれぞれ含有する光学記録材料No.1及びNo.2の調製及び該光学記録材料を用いた光学記録媒体No.1及びNo.2の製造例を示す。
下記評価例1−1〜1−7では、本発明の化合物についての耐光性評価を行った。それらの結果を〔表4〕に示す。
〔実施例1及び2〕本発明の化合物の製造
化合物No.1の四フッ化ホウ酸塩0.69mmol、化合物No.76及び化合物No.61のトリエチルアミン塩0.69mmol及びピリジン3.6gを仕込み、60℃で2時間撹拌し、メタノール8gを加え、室温まで冷却した。析出した固体をろ別後、減圧乾燥し、目的物である化合物をそれぞれ得た。得られた化合物の同定は、IR分析及びH−NMR分析により行った。それらの結果を〔表2〕及び〔表3〕に示した。
【0080】
また、〔表1〕に、得られた化合物の収率並びに特性値[溶液状態での光吸収特性(λmax、及びλmaxにおけるε)]の測定結果を示す。
【0081】
【表1】

【0082】
【表2】

【0083】
【表3】

【0084】
*溶媒は、DMSO−dを用いた。
〔実施例3及び4〕
実施例1及び2で得られた化合物を、それぞれ化合物濃度が濃度1.0質量%となるように2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールに溶解して、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール溶液として光学記録材料を得た。チタンキレート化合物(T−50:日本曹達社製)を塗布、加水分解して下地層(0.01μm)を設けた直径12cmのポリカーボネートディスク基板上に、上記の光学記録材料をスピンコーティング法にて塗布して、厚さ100nmの光学記録層を形成し、光学記録媒体No.1及びNo.2をそれぞれ得た。
〔評価例1−1〜1−7〕耐光性評価
2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールに本発明の化合物を、1質量%となるように溶解して2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール溶液を調製し、得られた溶液を、20×20mmのポリカーボネート板上に2000rpm、60秒でスピンコーティング法により塗布して、試験片を作成した。
【0085】
得られた試験片それぞれについて、UV吸収スペクトルのλmaxでの吸光度を測定し、次いで、55000ルクスの光を200時間照射した後、再度UV吸収スペクトルのλmaxでの吸光度を測定し、照射前の吸光度を100としたときの照射後の吸光度の割合を求めて耐光性評価とした。結果を〔表4〕に示す。
【0086】
【表4】

【0087】
本発明の化合物は照射200時間後においても吸光度残存率が高く、光学記録媒体に用いる化合物として好適であることが確認できた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I)で表される化合物。
【化1】

(式中、Aは、下記一般式(II)、(IV)及び(VI)〜(IX)の群より選択されるq価のカチオンを表し、Bは、下記一般式(X)で表されるt価のアニオンを表し、q及びtは、それぞれ独立に1〜8の数であり、p及びsは、電荷を中性に保つ係数を表す。)
【化2】

(式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基、炭素原子数2〜30の複素環基又は下記一般式(III)で表される置換基を表し、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数2〜30の複素環基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基又は下記一般式(III)で表される置換基を表す。上記アルキル基及びアリールアルキル基中のメチレン基は、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NH−CO−、−CO−NH−、−C≡C−又は−C=C−で置換されてもよく、RとR、RとR、及びRとRとは、それぞれ連結して環構造を形成していてもよい。)
【化3】

(式中、R〜Rは、各々独立に、水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、該アルキル基中のメチレン基は−O−又は−CO−で置換されていてもよく、Zは、直接結合又は炭素原子数1〜8のアルキレン基を表し、該アルキレン基中のメチレン基は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−SO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−−N=CH−又は−CH=CH−で置換されていてもよく、Mは、Fe、Co、Ni、Ti、Cu、Zn、Zr、Cr、Mo、Os、Mn、Ru、Sn、Pd、Rh、Pt又はIrを表す。)
【化4】

(式中、Dは、アミノ基、五員又は六員の芳香族環、インドール環あるいはメタロセニル基を表し、Rは、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基、炭素原子数2〜30の複素環基又は下記一般式(III)で表される置換基を表し、R及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基、炭素原子数2〜30の複素環基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基又は上記一般式(III)で表される置換基を表し、R11及びR12は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基又は炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数2〜30の複素環基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、シアノ基又は下記一般式(III)で表される置換基を表し、Xは、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、−CR1314−、−NH−又は−NR15―を表し、R13及びR14は、各々独立に、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、上記一般式(III)で表される置換基又は下記一般式(V)あるいは(V')で表される置換基を表し、R15は、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基又は上記一般式(III)で表される置換基を表す。RとR10、RとR10、及びR13とR14とは、互いに連結して環構造を形成してもよく、上記アルキル基及びアリールアルキル基中のメチレン基は、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NH−CO−、−CO−NH−、−C≡C−又は−C=C−で置換されてもよい。)
【化5】

(上記一般式(V)において、LとTとの間の結合は二重結合、共役二重結合又は三重結合であり、Lは炭素原子を表し、Tは炭素原子、酸素原子又は窒素原子を表し、x、y及びzは、0又は1を表し、aは0〜4の数を表し、R16は、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、R17、R18及びR19は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、R17とR19とは、連結して環構造を形成していてもよい。上記一般式(V’)において、L’とT’との間の結合は二重結合又は共役二重結合であり、L’は炭素原子を表し、T’は、炭素原子又は窒素原子を表し、a’は0〜4の数を表し、L’、T’を含む環は、ヘテロ原子を含んでもよい五員環、ヘテロ原子を含んでもよい六員環、ナフタレン環、キノリン環、イソキノリン環、アントラセン環又はアントラキノン環を表し、これらL’、T’を含む環は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基で置換されていてもよい。)
【化6】

(式中、R20及びR21は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数2〜20の複素環基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、又は上記一般式(III)で表される基を表し、R22及びR23は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基又は上記一般式(III)で表される置換基を表し、Xは、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、−CR2425−、−NH−又は−NR26−を表わし、R24とR25は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数2〜20の複素環基あるいは上記一般式(III)、上記一般式(V)又は上記一般式(V’)で表わされる置換基を表わし、R26は、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基又は上記一般式(III)で表される置換基を表す。Zは、炭素原子数1〜10の有機基であり、nは1又は2であり、rは2〜8である。R20とR21、R22とR23、及びR24とR25とは、それぞれ互いに連結して環構造を形成していてもよく、N−R22は、隣接するポリメチン鎖中のメチレン基と互いに連結して複素環を形成していてもよく、上記アルキル基及びアリールアルキル基中のメチレン基は、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NH−CO−、−CO−NH−、−C≡C−又は−C=C−で置換されてもよい。)
【化7】

(式中、R27及びR28は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数2〜20の複素環基又は上記一般式(III)で表わされる置換基を表わし、R29、R30及びR31は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基又は炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数2〜30の複素環基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、シアノ基又は下記一般式(III)で表される置換基を表し、R32、R33、R34及びR35は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基、炭素原子数2〜30の複素環基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基又は上記一般式(III)で表される置換基を表し、X及びXは、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、−CR3637−、−NH−又は−NR38―を表し、R36及びR37は、各々独立に、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、上記一般式(III)で表される置換基又は下記一般式(V)あるいは(V')で表される置換基を表し、R38は、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基又は上記一般式(III)で表される置換基を表し、mは、0〜3の数である。R27とR29、R27とR33、R28とR31、R28とR35、R29とR31、R32とR33、及びR34とR35とは、互いに連結して環構造を形成してもよく、上記アルキル基及びアリールアルキル基中のメチレン基は、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NH−CO−、−CO−NH−、−C≡C−又は−C=C−で置換されてもよい。)
【化8】

(式中、R39は、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数2〜20の複素環基又は上記一般式(III)で表わされる置換基を表わし、R40及びR41は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基又は炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、炭素原子数2〜30の複素環基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、シアノ基又は下記一般式(III)で表される置換基を表し、R42及びR43は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基、炭素原子数2〜30の複素環基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基又は上記一般式(III)で表される置換基を表し、R44及びR45は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基又は上記一般式(III)で表される置換基を表し、Xは、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、−CR4647−、−NH−又は−NR48―を表し、R46及びR47は、各々独立に、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、上記一般式(III)で表される置換基又は下記一般式(V)あるいは(V')で表される置換基を表し、R48は、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基又は上記一般式(III)で表される置換基を表し、sは、1〜3の数である。R39とR40、R39とR43、R40とR45、R41とR44、R42とR43、及びR44とR45とは、互いに連結して環構造を形成してもよく、上記アルキル基及びアリールアルキル基中のメチレン基は、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NH−CO−、−CO−NH−、−C≡C−又は−C=C−で置換されてもよい。)
【化9】

(式中、Gは、炭素原子数1〜18の炭化水素を表し、該炭化水素基は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−SO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−−N=で置換されていてもよい。R200、R201、R202及びR203は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数7〜30のアリールアルキル基、炭素原子数2〜30の複素環基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基又は上記一般式(III)で表される置換基を表し、R204、R205、R206及びR207は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基又は上記一般式(III)で表される置換基を表し、X、Xは、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、−CR208209−、−NH−又は−NR210―を表し、R208及びR209は、各々独立に、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、上記一般式(III)で表される置換基又は下記一般式(V)あるいは(V')で表される置換基を表し、R210は、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基又は上記一般式(III)で表される置換基を表し、R200とR201、R202とR203、R204とR205、R206とR207とは、互いに連結して環構造を形成してもよく、上記アルキル基及びアリールアルキル基中のメチレン基は、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−NH−CO−、−CO−NH−、−C≡C−又は−C=C−で置換されてもよい。)
【化10】

(式中、環A、環A、環A及び環Aは、それぞれ独立に、五員又は六員の芳香族環又は複素環を表し、Z、Z、Z及びZは、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、セレン原子又は−NR−を表し、Rは、水素原子、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキルスルホ基又はハロゲン原子で置換されていてもよいアルキルカルボキシル基であり、Mは、Fe、Co、Ni、Ti、Cu、Zn、Zr、Cr、Mo、Os、Mn、Ru、Sn、Pd、Rh、Pt又はIrを表し、tは、上記一般式(I)と同じである。)
【請求項2】
上記一般式(I)中、Bが、下記一般式(XI)〜(XV)のいずれかである請求項1記載の化合物。
【請求項3】
Rがフェニル基である請求項1又は2に記載の感放射線性組成物用濃縮現像液。
【化11】

(式中、R49、R50、R51、R52、R53、R54、R56、R57、R58、R59、R60及びR61は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、ハロゲン原子、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、ニトロ基又はシアノ基を表し、R55及びR62は、炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、Z及びZは、酸素原子、硫黄原子、セレン原子又は−NR−を表し、Rは、上記一般式(IX)と同じである。Mは、Fe、Co、Ni、Ti、Cu、Zn、Zr、Cr、Mo、Os、Mn、Ru、Sn、Pd、Rh、Pt又はIrを表す。上記アルキル基及びアリールアルキル基中のメチレン基は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−又は−CH=CH−で置き換えられていてもよい。)
【化12】

(式中、R63、R64、R65、R66、R69、R70、R71及びR72は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、ハロゲン原子、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、ニトロ基又はシアノ基を表し、R67、R68、R73及びR74は、炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、Z及びZ10は、酸素原子、硫黄原子、セレン原子又は−NR−を表し、Rは、上記一般式(IX)と同じである。Mは、Fe、Co、Ni、Ti、Cu、Zn、Zr、Cr、Mo、Os、Mn、Ru、Sn、Pd、Rh、Pt又はIrを表す。上記アルキル基及びアリールアルキル基中のメチレン基は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−又は−CH=CH−で置き換えられていてもよい。)
【化13】

(式中、R75、R76、R77、R78、R80、R81、R82及びR83は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、ハロゲン原子、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、ニトロ基又はシアノ基を表し、R79及びR84は、炭素原子数1〜8のアルキル基を表す。Mは、Fe、Co、Ni、Ti、Cu、Zn、Zr、Cr、Mo、Os、Mn、Ru、Sn、Pd、Rh、Pt又はIrを表す。上記アルキル基及びアリールアルキル基中のメチレン基は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−又は−CH=CH−で置き換えられていてもよい。)
【化14】

(式中、R85、R86、R87、R88、R89、R90、R91、R92、R93、R94、R95、R96、R97、R98、R99及びR100は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、ハロゲン原子、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、ニトロ基又はシアノ基を表す。Mは、Fe、Co、Ni、Ti、Cu、Zn、Zr、Cr、Mo、Os、Mn、Ru、Sn、Pd、Rh、Pt又はIrを表す。上記アルキル基及びアリールアルキル基中のメチレン基は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−又は−CH=CH−で置き換えられていてもよい。)
【化15】

(式中、R101、R102、R103、R104、R105、R107、R108、R109、R110及びR111は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、ハロゲン原子、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、ニトロ基又はシアノ基を表し、R106及びR112は、炭素原子数1〜8のアルキル基を表す。Mは、Fe、Co、Ni、Ti、Cu、Zn、Zr、Cr、Mo、Os、Mn、Ru、Sn、Pd、Rh、Pt又はIrを表す。上記アルキル基及びアリールアルキル基中のメチレン基は、−O−、−S−、−COO−、−OCO−又は−CH=CH−で置き換えられていてもよい。)
【請求項4】
請求項1又は2記載の化合物を少なくとも一種含有することを特徴とする光学記録材料。
【請求項5】
基体上に、請求項3記載の光学記録材料から形成された光学記録層を有することを特徴とする光学記録媒体。

【公開番号】特開2009−292955(P2009−292955A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−148634(P2008−148634)
【出願日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(000000387)株式会社ADEKA (987)
【Fターム(参考)】