説明

シェーディング組成物

(i)2から70重量%の界面活性剤および0.0001から0.1重量%のアジン染料を含む洗濯処理組成物。この染料は下記の核構造(I)のものである。


(式中、R、R、RおよびRは、H、分岐または直鎖C1からC7アルキル鎖、ベンジル、フェニルおよびナフチルから選択され、この染料は、少なくとも1つのSOまたは−COO基で置換されており、環Bは、負電荷の基またはこの塩を有さず、環Aは、さらに置換されてナフチルを形成してもよく、この染料は、アミン、メチル、エチル、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、フェノキシ、Cl、Br、I、F、およびNOから選択された基で場合により置換されている。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、染料の布地への送達に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの衣服は多数回の洗浄着用サイクルの間に黄ばみ、衣服の美的価値が低減する。白い外観を維持するために、シェーディング(shading)染料が用いることができる。主な洗浄適用例では、これらの染料は、好ましくは酸性染料、直接染料または加水分解反応性染料の類の青色または紫色(violet)の染料である。染料の種類に応じて、使用中にいくつかの問題が生じる。
【0003】
直接染料は、多数回の洗浄の間に蓄積し、衣服に強い青色または紫色をもたらす可能性がある。この過剰なシェーディングを許容できるものにするために、低量の染料を用いなければならず、効果が低減される。
【0004】
酸性染料は、複数回の洗浄の間に蓄積しない利点を有する。しかしながら、綿に高い付着性を示し、布に純粋な青色または紫色の色合いを付与する酸性染料は1つも見出されていない。多くは最適なシェーディング効果としては緑色が強すぎる。さらに、綿に付着する多くの酸性染料はナイロンにも付着し、これは多数回の洗浄後にナイロンの過度なシェーディングをもたらす。
【発明の開示】
【0005】
発明の要旨
我々は、いくつかの酸性アジン染料が、綿基材には良好に付着しながらナイロンには付着が不良であり、綿基材に純粋な青色の色合いを提供できることを見出した。
【0006】
一態様において、本発明は、
(i)2から70重量%の界面活性剤および0.0001から0.1重量%のアジン染料を含み、染料は下記の核構造のものである洗濯処理組成物を提供する。
【0007】
【化4】

(式中、R、R、RおよびRはH、分岐または直鎖C1からC7アルキル鎖、ベンジル、フェニルおよびナフチルから選択され、
染料は少なくとも1つのSOまたは−COO基で置換されており、
環Bは負電荷の基またはこの塩を有さず、
および環Aはさらに置換されてナフチルを形成してもよく、
染料はアミン、メチル、エチル、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、フェノキシ、Cl、Br、I、F、およびNOから選択された基で場合により置換されている。)
【0008】
他の態様において、本発明は、
(i)請求項1から7のいずれか一項に定義された酸性アジン染料の水溶液で織物を処理する段階(この水溶液は染料の1ppbから1ppm、疎水性染料および直接染料から選択された別の染料の0ppbから1ppmおよび界面活性剤の0.0g/Lから3g/Lを含む。)、および
(ii)この織物をすすぎ、乾燥する段階
を含む、織物を処理する家庭用の方法を提供する。
【0009】
好ましくは、この方法は、水溶液が10から30℃である場合に行われる。これはアジン染料の付着を助ける。
【0010】
好ましくは、水溶液は、0.3から2.5g/Lの界面活性剤を含有する。
【0011】
洗濯処理組成物の単位用量で提供される水溶液のpHは、2から12の範囲である。好ましくは、水溶液のpHは、7から11の範囲である。
【0012】
好ましくは、アジン染料は、染料10ppbから200ppbが存在する。
【0013】
好ましくは、疎水性染料は、10ppbから200ppbの範囲で存在する。
【0014】
好ましくは、直接染料は、2ppbから40ppbの範囲で存在する。
【0015】
好ましくは、水溶液は、0.01を超える、より好ましくは0.05を超えるイオン強度を有する。
【0016】
本発明はまた、洗浄において衣服の黒色および青色を増すために用いることもできる。
【0017】
本発明はまた、洗濯処理組成物をこの組成物の使用説明書と共に含む市販用パッケージにも及ぶ。
【0018】
本発明に光漂白剤を用いてもよいが、好ましくは、光漂白剤は存在しない。
【0019】
発明の詳細な説明
染料
直接染料、疎水性染料およびアジン染料の混合物を有することは、本発明の範囲内である。これは他の種類の染料の存在を排除するものではない。
【0020】
これらの染料は、好ましくは、界面活性剤のスラリーを経て、または後添加顆粒を経て、顆粒製品に添加される。
【0021】
粉末調合物に複数の染料が用いられる場合、これらのシェーディング染料は共顆粒化されることが好ましい。
【0022】
すべての染料のレベルは、純粋染料を指す。
【0023】
アジン染料
核構造(I)のアジン染料に関して、環Aは、さらに置換されてナフチルを形成することが好ましい。この染料は、好ましくは、2つのSO基で置換されており、他の荷電置換基で置換されていない。ナトリウムとして例示される金属カチオンを容易に変えることができ、これらも本発明の範囲内であり、たとえば、アルカリ土類金属(alkali earth metal)およびアルカリ土類金属(alkaline earth metal)などであり、これらは好ましく、特にカリウムおよびカルシウムであることを、当業者は理解する。
【0024】
アジン染料は少なくとも1つのSOまたは−COO基で置換されており、環Bは負電荷の基またはこの塩を有さないという要件は別として、必要に応じて綿に付着する染料の有効性に影響することなく、置換基を変える許容範囲は大きいことを、当業者は理解する。上記の基R、R、RおよびRは他の置換基を有することができる。
【0025】
負電荷の基を有さない環Bに関して、これは特にSO3−またはCOO−である。
【0026】
好ましくは、染料は下記の構造を有する。
【0027】
【化5】

(式中、R、R、RおよびRは、H、Me、Et、n−Prおよびi−Prからなる群から選択され、この染料は、メトキシ基で場合により置換されている。)
【0028】
好ましい染料は、下記の構造のものである。
【0029】
【化6】

【0030】
好ましいアジン染料は、アシッドブルー98、アシッドバイオレット50およびアシッドブルー59であり、より好ましくはアシッドバイオレット50およびアシッドブルー98である。
【0031】
もっとも好ましくは、アジン染料は、アシッドブルー98である。
【0032】
アジン染料は、0.00001から0.1%、好ましくは0.0001から0.01%、もっとも好ましくは0.0005から0.005%のレベルで調合物中に存在する。
【0033】
本発明の好ましい実施形態において、主な洗浄調合物は、疎水性染料から選択されたさらなるシェーディング染料、もっとも好ましくはソルベントバイオレット13またはディスパースバイオレット27を含有する。これらの染料は、エラスタンおよびポリエステルなどの合成繊維に利益を付与する。これらの疎水性染料は、好ましくは青色または紫色である。
【0034】
これらの疎水性染料は、好ましくは、0.0001から0.1%、好ましくは0.0005から0.005重量%のレベルで存在する。
【0035】
本発明の好ましい実施形態において、主な洗浄製剤は、ダイレクトバイオレット染料およびダイレクトブルー染料から選択されたさらなるシェーディング染料を含有する。
【0036】
この実施形態において、酸性染料は、最初の数回の洗濯において視覚的で満足できるシェーディングを提供する。直接染料の効果は、複数回の洗濯の後にのみ可視となり、長期にわたる黄ばみを妨げるのに役立つ。このようにして、再生および白さの維持の両方を消費者に提供することができる。
【0037】
アジン染料は、高いpHに対してより安定であるという点で、トリフェニルメタン染料より利点を有する。
【0038】
疎水性染料
疎水性染料は、400から750nmの波長範囲で1000L/mol/cmを超える最大吸光係数を有し、7から11の範囲のpHにおいて水溶液で非荷電である有機化合物として定義される。疎水性染料には極性可溶化基がない。詳細には、疎水性染料は、いずれのスルホン酸基、カルボン酸基または第四級アンモニウム基も含有しない。染料発色団は、好ましくは、アゾ、アントラキノン、フタロシアニン、ベンゾジフラン、キノフタロン、アゾチオフェン、アゾベンゾチオアゾール(azobenzothioazole)、およびトリフェニルメタン発色団を含む群から選択される。もっとも好ましくは、アゾおよびアントラキノン染料発色団である。
【0039】
疎水性染料の多くの例は、油溶性染料(solvent dye)および分散染料の種類に見出される。
【0040】
白色衣服のシェーディングは、消費者の好みに応じて任意の色で行うことができる。青色および紫色が特に好ましい色合いであり、したがって好ましい染料または染料混合物は、白色に青色または紫色の色合いを付与するものである。
【0041】
広範囲の適切な油溶性染料および分散染料が利用可能である。しかしながら、詳細な毒物学的研究は、いくつかのこのような染料、たとえばディスパースブルー1は、発癌物質である可能性のあることを示している。このような染料は好ましくない。より適切な染料は、化粧品に用いられる油溶性染料および分散染料から選択することができる。たとえば指令76/768/EEC Annex IV part1において欧州連合によって挙げられているとおりである。たとえばディスパースバイオレット27およびソルベントバイオレット13である。
【0042】
本発明で用いるのに好ましいアゾ疎水性染料は、ディスパースブルー10、11、12、21、30、33、36、38、42、43、44、47、79、79:1、79:2、79:3、82、85、88、90、94、96、100、101、102、106、106:1、121、122、124、125、128、130、133、137、138、139、142、146、148、149、165、165:1、165:2、165:3、171、173、174、175、177、183、187、189、193、194、200、201、202、205、206、207、209、210、211、212、219、220、222、224、225、248、252、253、254、255、256、257、258、259、260、264、265、266、267、268、269、270、278、279、281、283、284、285、286、287、290、291、294、295、301、303、304、305、313、315、316、317、319、321、322、324、328、330、333、335、336、337、338、339、340、341、342、343、344、345、346、351、352、353、355、356、358、360、366、367、368、369、371、373、374、375、376および378、ディスパースバイオレット2、3、5、6、7、9、10、12、13、16、24、25、33、39、42、43、45、48、49、50、53、54、55、58、60、63、66、69、75、76、77、82、86、88、91、92、93、93:1、94、95、96、97、98、99、100、102、103、104、106または107、ダイアニックス(Dianix)バイオレットcc、ならびにCAS−NO42783−06−2、210758−04−6、104366−25−8、122063−39−2、167940−11−6、52239−04−0、105076−77−5、84425−43−4および87606−56−2の染料である。
【0043】
本発明で用いるのに好ましいアントラキノン疎水性染料は、ソルベントバイオレット11、13、14、15、15、26、28、29、30、31、32、33、34、26、37、38、40、41、42、45、48、59、ソルベントブルー11、12、13、14、15、17、18、19、20、21、22、35、36、40、41、45、59、59:1、63、65、68、69、78、90、ディスパースバイオレット1、4、8、11、11:1、14、15、17、22、26、27、28、29、34、35、36、38、41、44、46、47、51、56、57、59、60、61、62、64、65、67、68、70、71、72、78、79、81、83、84、85、87、89、105、ディスパースブルー2、3、3:2、8、9、13、13:1、14、16、17、18、19、22、23、24、26、27、28、31、32、34、35、40、45、52、53、54、55、56、60、61、62、64、65、68、70、72、73、76、77、80、81、83、84、86、87、89、91、93、95、97、98、103、104、105、107、108、109、11、112、113、114、115、116、117、118、119、123、126、127、131、132、134、136、140、141、144、145、147、150、151、152、153、154、155、156、158、159、160、161、162、163、164、166、167、168、169、170、176、179、180、180:1、181、182、184、185、190、191、192、196、197、198、199、203、204、213、214、215、216、217、218、223、226、227、228、229、230、231、232、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、249、252、261、262、263、271、272、273、274、275、276、277、289、282、288、289、292、293、296、297、298、299、300、302、306、307、308、309、310、311、312、314、318、320、323、325、326、327、331、332、334、347、350、359、361、363、372、377および379である。
【0044】
本発明で用いるのに好ましい他の(非アゾ)(非アントラキノン)疎水性染料は、ディスパースブルー250、354、364、366、ソルベントバイオレット8、ソルベントブルー43、ソルベントブルー57、Lumogen F Blau650およびLumogen F Violet570である。
【0045】
ソルベントバイオレット13がもっとも好ましい。
【0046】
直接染料
ダイレクトバイオレットまたはダイレクトブルー染料は好ましくは、0.00001から0.001%、好ましくは0.0001から0.0005%のレベルで存在する。
【0047】
以下は本発明で用いることのできる好ましい直接染料である。
【0048】
好ましい直接染料は下式のトリスアゾダイレクトブルー染料を含む群から選択される。
【0049】
【化7】

(式中、ナフチル環A、BおよびCの少なくとも2つは、スルホナート基で置換されており、環Cは、5位でNHまたはNHPh基によって置換されていてもよく、Xは、2つまでのスルホナート基で置換されたフェニルまたはナフチル環であり、2位でOH基によって置換されていてもよく、またNHまたはNHPh基で置換されていてもよい。)
【0050】
他の好ましい直接染料は、下式のビスアゾダイレクトバイオレット染料を含む群から選択される。
【0051】
【化8】

(式中、ZはHまたはフェニルであり、環Aは好ましくは、矢印で示した位置でメチルおよびメトキシ基で置換されており、環Aはまた、ナフチル環であってよく、基Yはフェニルまたはナフチル環であり、これはスルホナート基で置換されており、メチル基で一置換または二置換されていてもよい。)
【0052】
これらの染料の非限定的な例は、ダイレクトバイオレット5、7、9、11、31および51である。これらの染料のさらなる非限定的な例は、さらにダイレクトブルー34、70、71、72、75、78、82および120である。好ましくは、染料はダイレクトバイオレット9である。
【0053】
界面活性剤
本組成物は、2から70重量%、もっとも好ましくは10から30重量%の界面活性剤を含む。一般に、界面活性剤系の非イオンおよびアニオン界面活性剤は、「Surface Active Agents」Vol.1、SchwartzおよびPerry、Interscience 1949、Vol.2、Schwartz、Perry、およびBerch、Interscience 1958、「McCutcheon’s Emulsifiers and Detergents」現行版、Manufacturing Confectioners Company発行、または「Tenside−Taschenbuch」、H.Stache、第2版、Carl Hauser Verlag、1981に記載の界面活性剤から選択することができる。好ましくは、用いられる界面活性剤は飽和されている。
【0054】
用いることのできる適切な非イオン洗剤化合物には、特に、疎水性基および反応性水素原子を有する化合物、たとえば脂肪族アルコール、酸、アミドまたはアルキルフェノールと、アルキレンオキシド、特に単独またはプロピレンオキシドと組み合わせたエチレンオキシドとの反応生成物が含まれる。特定の非イオン洗剤化合物は、CからC22アルキルフェノール−エチレンオキシド縮合物(一般に5から25EO、すなわち分子当たり5から25単位のエチレンオキシド)、および脂肪族CからC18第一級または第二級直鎖または分岐アルコールとエチレンオキシドとの縮合生成物(一般に5から40EO)である。
【0055】
用いることのできる適切なアニオン洗剤化合物は通常、約8から約22個の炭素原子を含有するアルキル基を有する有機硫酸エステルおよびスルホン酸エステルの水溶性アルカリ金属塩であり、用語アルキルは、高級アシル基のアルキル部分を含むように用いられる。適切な合成アニオン洗剤化合物の例は、アルキル硫酸ナトリウムおよびカリウム、特にたとえば獣脂またはヤシ油から製造された高級CからC18アルコールの硫酸化によって得られたもの、アルキルCからC20ベンゼンスルホン酸ナトリウムおよびカリウム、特に直鎖第二級アルキルC10からC15ベンゼンスルホン酸ナトリウム、およびアルキルグリセリルエーテル硫酸ナトリウム、特に獣脂またはヤシ油に由来する高級アルコールおよび石油に由来する合成アルコールのエーテルである。好ましいアニオン洗剤化合物は、C11からC15アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、およびC12からC18アルキル硫酸ナトリウムである。塩析に対する耐性を示すEP−A−328177(Unilever)に記載のもの、EP−A−070074に記載のアルキルポリグリコシド界面活性剤、およびアルキルモノグリコシドも適切である。
【0056】
好ましい界面活性剤系は、アニオンと非イオン洗剤活性材料の混合物、特にEP−A−346995(Unilever)に示されているアニオンおよび非イオン界面活性剤の群および例である。特に好ましくは、C16からC18第一級アルコール硫酸エステルのアルカリ金属塩とC12からC15第一級アルコール3から7EOエトキシラートの混合物である界面活性剤系である。
【0057】
非イオン洗剤は、好ましくは、界面活性剤系の10%を超える量、たとえば25から90重量%の量で存在する。アニオン界面活性剤は、たとえば界面活性剤系の約5%から約40重量%の範囲の量で存在することができる。
【0058】
同様に好ましい他の態様において、界面活性剤は、この製剤がファブリック柔軟剤(fabric conditioner)であるようなカチオン界面活性剤であってもよい。
【0059】
カチオン化合物
本発明がファブリック柔軟剤として用いられる場合、カチオン化合物を含有する必要がある。
【0060】
もっとも好ましくは、第四級アンモニウム化合物である。
【0061】
有利には、第四級アンモニウム化合物は、少なくとも1つのC12からC22アルキル鎖を有する第四級アンモニウム化合物である。
【0062】
好ましくは、第四級アンモニウム化合物は下式を有している場合である。
【0063】
【化9】

(式中、Rは、C12からC22アルキルまたはアルケニル鎖であり、R、RおよびRは、CからCアルキル鎖から独立して選択され、Xは、適合性アニオンである。)この型の好ましい化合物は、第四級アンモニウム化合物、セチルトリメチル第四級アンモニウムブロミドである。
【0064】
本発明に用いるための第2の種類の材料は、RおよびRが、C12からC22アルキルまたはアルケニル鎖から独立して選択され、RおよびRが、CからCアルキル鎖から独立して選択され、Xが、適合性アニオンである、上記構造の第四級アンモニウムである。
【0065】
請求項1による洗剤組成物において、(ii)カチオン材料と(iv)アニオン界面活性剤の比は、少なくとも2:1である。
【0066】
他の適切な第四級アンモニウム化合物は、EP0239910(Proctor and Gamble)に開示されている。
【0067】
好ましくは、カチオンと非イオン界面活性剤の比は、1:100から50:50、より好ましくは1:50から20:50である。
【0068】
カチオン化合物は、組成物の総重量の1.5重量%から50重量%存在することができる。好ましくは、カチオン化合物は、2重量%から25重量%存在することができ、より好ましい組成範囲は、5重量%から20重量%である。
【0069】
柔軟材料は、好ましくは、全組成物の2から60重量%、より好ましくは2から40重量%、もっとも好ましくは3から30重量%の量で存在する。
【0070】
組成物は、場合によりシリコーンを含む。
【0071】
蛍光剤
組成物は、好ましくは蛍光剤(光学増白剤)を含む。蛍光剤は周知であり、このような多くの蛍光剤が市販され入手可能である。通常、これらの蛍光剤は、これらのアルカリ金属塩、たとえばナトリウム塩の形態で供給され、用いられる。組成物に用いられる1種または複数の蛍光剤の総量は、一般に0.005から2重量%、より好ましくは0.01から0.1重量%である。好ましい種類の蛍光剤は、ジスチリルビフェニル化合物、たとえばTinopal(商標) CBS−X、ジアミンスチルベンジスルホン酸化合物、たとえばTinopal DMS pure XtraおよびBlankophor(商標) HRH、ならびにピラゾリン化合物、たとえばBlankophor SNである。好ましい蛍光剤は、2(4−スチリル−3−スルホフェニル)−2H−ナフトール[1,2−d]トラゾールナトリウム、4,4’−ビス{[(4−アニリノ−6−(N−メチル−N−2−ヒドロキシエチル)アミノ1,3,5−トリアジン−2−イル)]アミノ}スチルベン−2−2’ジスルホン酸二ナトリウム、4,4’−ビス{[(4−アニリノ−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)]アミノ}スチルベン−2−2’ジスルホン酸二ナトリウムおよび4,4’−ビス(2−スルホスリリル)ビフェニル二ナトリウムである。
【0072】
香料
好ましくは、組成物は香料を含む。香料は、好ましくは0.001から3重量%、もっとも好ましくは0.1から1重量%の範囲である。香料の多くの適切な例が、CTFA(Cosmetic,Toiletry and Fragrance Association)1992 International Buyers Guide、CFTA Publications発行、およびOPD 1993 Chemicals Buyers Directory 80th Annual Edition、Schnell Publishing Co.発行に提供されている。
【0073】
実験
用いられるアジン染料は下記の構造を有する。
【0074】
【化10】

【実施例1】
【0075】
NaLAS18%、塩73%(ケイ酸塩、トリポリリン酸ナトリウム、硫酸塩、炭酸塩)、過ホウ酸塩、蛍光剤、および酵素を含む微量物質3%、残存不純物、ならびに水を含有する1.8g/Lのベース粉末洗浄剤中、室温で綿とナイロンの布を別々に洗浄することによって、シェーディング利益に関して、酸性染料を試験した。液体と布は100:1で用い、洗浄は30分間継続し、200ppbのシェーディング染料を添加するかまたは添加せずに行った。すべての染料は受け取ったまま用いた。洗浄後、布をすすぎ、乾燥した。その後、反射率計を用いて布の色を評価し(すべての測定でUV除外)、染料なしで洗浄した布に対するΔE値として表した。布の色は、a(赤−緑軸)およびb(青−黄軸)値としてCIELAB色空間で表した。
【0076】
試験を行った染料と結果を、綿に関して下記の表に示す。
【0077】
【表1】

【0078】
結果からわかるように、すべての染料が、ΔE値で表される綿に対するいくらかの付着を示している。最良の色の付着(ΔE>3)は、アシッドブラック1、アシッドブルー29、アシッドブルー59、およびアシッドブルー98によって示される。aおよびb値で示されるように、アシッドブルー59およびアシッドブルー98は、アシッドブラック1およびアシッドブルー29より緑色が弱い。アシッドブルー98は青方向に主な変化があり、最良の色変化を示す(対照に比べてbは大きく低下し、aはほとんど変化しない)。
【0079】
ナイロンの結果を以下に示す。
【0080】
【表2】

【0081】
アジン染料はナイロンに低い付着性を示す。
【実施例2】
【0082】
白色綿敷布80%および65:35ポリエステル−綿敷布20%を含有する1回分の洗濯物を作製した。これを実施例1に記載した2g/Lのベース粉末洗浄剤中で洗浄し、すすぎ、乾燥した。液体と布の比は16:1であった。この実験を繰り返したが、ただしベース粉末洗浄剤にシェーディング染料を加え、2種のシェーディング製剤は、
(a)0.005重量% アシッドブルー98
(b)0.005重量% アシッドブルー98、0.001重量% ダイレクトバイオレット9、および0.004重量%ソルベントバイオレット13を含有するように作製した。ソルベントバイオレット13は、染料0.2%を含有するゼオライト/非イオン顆粒によって添加した。これらの製剤を用いて、洗浄実験を繰り返した。
【0083】
乾燥後、布の反射率スペクトルを記録した(蛍光剤の影響を除くためにUVを除外)。反射率の値K/S値を、クベルカ−ムンク式によって算出した。
K/S=(1−R)/2R 式中、R=反射率%/100
K/Sは、布に負荷する染料に比例する。
【0084】
染料は550から600nmの範囲で最大光吸収を有するため、K/S値はこの範囲を合計した。
【0085】
次いで洗浄を繰り返し、さらに測定を行った。
【0086】
綿敷布の結果を以下に示す。
【0087】
【表3】

【0088】
ΔK/Sは、対照とシェーディング製剤で洗浄した布の差異である。
【0089】
(a)の結果は、アシッドブルー98が複数回の洗浄の間に直線的に蓄積しないことを示している。第3回の洗浄後、染料の負荷は一定となる。ダイレクトバイオレット51およびダイレクトバイオレット9などの直接染料による類似の実験では、ΔK/Sは洗浄数と共に持続的に増大し、染料の直線的蓄積を示している。(b)では、ダイレクトバイオレット9を製剤に少量添加した影響が認められ、複数回の洗浄の間にΔK/Sは徐々に増大する。アシッドブルー98は最初の洗浄で大きなシェーディング利益をもたらし、ダイレクトバイオレット9は長期にわたる黄ばみを妨げる。
【0090】
ポリコットンの場合、(a)ではわずかな利益のみが認められたが、(b)ではソルベントバイオレット13の添加により、良好なシェーディング利益が観察された。これは第4回洗浄後のΔK/S0.0202によって示された。
【0091】
これらの実験で用いたアシッドブルー98の12.5ppm溶液は、0.67の可視領域における吸収極大での光学密度(1cm)を有した。用いたソルベントバイオレット13およびダイレクトバイオレット9は、高純度(95%+)であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)2から70重量%の界面活性剤および0.0001から0.1重量%のアジン染料を含み、前記染料は下記の核構造のものである洗濯処理組成物。
【化1】

(式中、R、R、RおよびRはH、分岐または直鎖C1からC7アルキル鎖、ベンジル、フェニルおよびナフチルから選択され、
前記染料は少なくとも1つのSOまたは−COO基で置換されており、
環Bは負電荷の基またはこの塩を有さず、
および環Aはさらに置換されてナフチルを形成してもよく、
前記染料はアミン、メチル、エチル、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、フェノキシ、Cl、Br、I、F、およびNOから選択された基で場合により置換されている。)
【請求項2】
環Aがさらに置換されてナフチルを形成する、請求項1に記載の洗濯処理組成物。
【請求項3】
染料が2つのSO基で置換されており、他の荷電置換基で置換されていない、請求項1または2に記載の洗濯処理組成物。
【請求項4】
染料が下記の核構造を有する請求項1または3に記載の洗濯処理組成物。
【化2】

(式中、R、R、R、およびRは、H、Me、Et、n−Pr、およびi−Prからなる群から選択され、前記染料は、メトキシ基で場合により置換されている。)
【請求項5】
染料が下記の構造を有する、請求項4に記載の洗濯処理組成物。
【化3】

【請求項6】
アジン染料がアシッドブルー98、アシッドバイオレット50およびアシッドブルー59の群から選択される、請求項1に記載の洗濯処理組成物。
【請求項7】
アジン染料がアシッドブルー98である、請求項6に記載の洗濯処理組成物。
【請求項8】
組成物が直接染料および疎水性染料からなる群から選択されるさらなるシェーディング染料を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の洗濯処理組成物。
【請求項9】
疎水性染料がソルベントバイオレット13およびディスパースバイオレット27から選択される、請求項8に記載の洗濯処理組成物。
【請求項10】
直接染料がダイレクトバイオレット9、51および35から選択される、請求項8に記載の洗濯処理組成物。
【請求項11】
直接染料が0.00001から0.001重量%のレベルで存在する、請求項8に記載の洗濯処理組成物。
【請求項12】
疎水性染料が0.00001から0.01重量%のレベルで存在する、請求項8に記載の洗濯処理組成物。
【請求項13】
(i)請求項1から7のいずれか一項に定義された酸性アジン染料の水溶液により織物を処理する段階、(前記水溶液は、染料の1ppbから1ppmおよび疎水性染料および直接染料から選択された別の染料の0ppbから1ppmおよび界面活性剤の0.2g/Lから3g/Lを含む。)、および
(ii)前記織物をすすぎ、乾燥する段階
を含む織物を処理する家庭用の方法。
【請求項14】
アジン染料が10ppbから200ppbの範囲で存在する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
疎水性染料が10ppbから200ppbの範囲で存在する、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
直接染料が2ppbから40ppbの範囲で存在する、請求項13から15のいずれか一項に記載の方法。

【公表番号】特表2009−527618(P2009−527618A)
【公表日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−555807(P2008−555807)
【出願日】平成19年7月13日(2007.7.13)
【国際出願番号】PCT/EP2007/057264
【国際公開番号】WO2008/017570
【国際公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(590003065)ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ (494)
【Fターム(参考)】