説明

シクロオキシゲナーゼ及び/又は5−リポキシゲナーゼ抑制組成物

本発明は、ウンカリア属植物、特にアセンヤク、又はその抽出物を含む、シクロオキシゲナーゼ(COX)及び/又は5−リポキシゲナーゼ(5−LO)に介される生理学的及び病理学的異常症状を予防または治療するための組成物、及び上記ウンカリア属植物抽出物とコガネバナ抽出物及び/又はチャノキ抽出物の配合組成物に関するものである。本発明の組成物は、優れたCOX及び/又は5−LO阻害効果を示し、従って、骨関節炎又は関節リウマチを含む、様々なCOX回路及び/又は5−LO回路に介される疾患及び異常症状の予防又は治療に用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウンカリア(Uncaria)属植物又はその抽出物、特にウンカリア属植物単独及び更にはコガネバナ(スクテラリア・バイカレンシス)抽出物及び/又はチャノキ(カメリア・シネンシス)抽出物を含む、シクロオキシゲナーゼ(以下、‘COX’)及び/又は5−リポキシゲナーゼ(以下、‘5−LO’)に介在される、生理学的及び病理学的異常症状を予防又は治療するための組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
社会経済発展に伴う生活水準の向上と生活様式の変化及び平均寿命の増加が、人口の老齢化に伴う疾患態様にも多くの変化をもたらしており、慢性疾患による死亡の割合が伝染病によるものより高くなっている。慢性疾患が医療費の増加、医療水準上昇への要求、慢性疾患減少のための研究等の局面に於いて社会経済の大きな関心事になっている。最も代表的な慢性疾患としては、関節炎、認知機能の低下、皮膚炎、胃炎、高血圧、糖尿病、歯周炎などが挙げられる。
【0003】
関節炎はヒトの日常活動を抑制する最も重大な原因であり、特に老人と女性に於ける発生頻度が高い。このような関節炎は大きく骨関節炎(変形性関節炎)と関節リュウマチ炎とに分けられる。
骨関節炎(変形性関節炎)は、体関節の退化がその原因であり、(尻、膝、首、腰、手、足の指関節などの)骨間の接合部の関節軟骨の磨耗又は損傷による痛みと炎症を伴う疾患をいう。一般的に、関節軟骨は破壊され、再生されるが、再生されるより破壊される軟骨の方が多くなれば、衝撃を吸収する関節軟骨の量が減少又は摩耗する。
さらに関節間の骨が互いに接触するようになり、激しい苦痛を伴う。このような関節軟骨の損傷が初期の骨関節炎であり、治療を受けない場合は、激しい苦痛をもたらす。
関節リュウマチ炎は、多くの関節に生じる多発性の炎症性自己免疫疾患である。関節炎の患者の場合、関節の滑膜組織が過形成されると同時に、マクロファージ細胞、樹状細胞及び活性化されたTリンパ球とBリンパ球が滑膜組織中へ移動し、多形核細胞は滑液内と軟骨の表面に蓄積され、炎症を誘発する。このような滑膜組織の炎症は、未だ解明されていないが、自己抗原に対するTリンパ球の反応により誘発されるものと推定されている。この反応に於いて、大部分の組織中に浸潤されたTリンパ球は細胞表面には活性化指標を示さず、サイトカインもまたほとんど発現しない。しかし、関節リュウマチ炎症状を持つ滑膜組織と滑液にはマクロファージ細胞由来のサイトカインが多量観察される。代表的なサイトカインには、滑膜繊維芽細胞の成長を促進すると知られるインターロイキン−1(IL−1)及び腫瘍壊死因子−α(TNF−α)を含む。このような実験結果から、Tリンパ球が滑膜組織の炎症の誘発に非常に重要な役割を担っており、以後の炎症症状は活性化された滑膜細胞由来のサイトカインによって保持されるという説を立証している[Carson D.A. et al., J. Clin. Invest., 87, pp379-383, 1991: Tighe H. et al., J. Exp. Med., 177, pp10-118, 1993: Burmester G. R. et al., Arthritis Rheum, 40, pp5-18, 1997: Panayi G. S., Curr. Opin. Rheumatol., 9, pp236-240, 1997]。
【0004】
鎮痛剤や消炎剤が、関節炎を含む痛みを軽減するために一般的に用いられており、代表的な薬剤は、COX阻害効果を有する非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)である[UK-1, R Braham, B Dawson, C Goodman, The effect of glucosamine supplementation on people experiencing regular knee pain, Br. J. Sports. Med. 2003; 37: 45-49]。アスピリンのような非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)はベストセラーとなっている処方薬であり、抗炎症、解熱及び鎮痛効果があるため変形性関節炎、関節リウマチ、頭痛治療に用いられる。これらのNSAIDsを関節炎に用いる場合、症状の若干の改善は見られるものの、関節部位の軟骨損失や疾患の進行を止めることはない。これらは、胃腸障害のような深刻な副作用を有し、そのためNSAIDsを使用した患者の約半分が1年以内に服用を中止している。従って、新しい治療薬が必要とされている。COX−2を選択的に阻害する一つの薬剤、又はCOX−2及び5−LOを同時に阻害する一つの治療剤が開発された。
【0005】
炎症性反応は細胞膜からアラキドン酸の遊離及び代謝作用が多様な回路に於いて炎症初期代謝産物を生成する際に引き起こされる。炎症に対する2種の重要な回路であるCOX−2及び5−LOは、アラキドン酸(AA)カスケードに於いて重要な役割をする酵素であり、これらの回路は、各々炎症性反応の開始と進行に重要な役割を果たすロイコトリエンとプロスタグランジンを生成する回路と並行して生じる。COXは細胞膜のリン脂質がアラキドン酸に変換された後、アラキドン酸をプロスタグランジン(以下PGs)に変換する過程に於ける触媒として作用する一つの酵素である。このように生成されたPGsは、それらの種類による平滑筋収縮を刺激し、動物による血圧又は血液凝集を減少又は増加させる。加えて、それらは膜に於けるイオン輸送を促進し、炎症を刺激し、脂肪組織に於ける脂肪分解を阻止する役割を果たす。従って、これらの炎症性メディエイター生成を引き起こす酵素が、関節リウマチ炎、骨関節炎、皮膚炎、認知機能関連疾患及び癌又は変性疾患の発病の要因となる炎症の治療を照準とする多くの新薬の対象とされてきた。
【0006】
2種のCOX、COX−1とCOX−2が既知である。COX−1は大部分の組織に於いて持続的に発現され、“ハウスキーピング(house keeping)の役割をする。即ち、胃粘膜に存在し、腎機能の保持のため血管を拡張するPG(Prostaglandin)の生成及び血小板トロンボキサンの生成に関与する。
【0007】
COX−2は大部分の正常組織に於いては発現せずに、疾患や生理的条件下であらかじめ発現した成長因子によって誘発される。特に炎症初期を引き起こすサイトカインによって広範囲に誘発されると知られている。
【0008】
現在まで炎症治療に使用されているNSAIDsは、正常組織から持続的に発現されるCOX−1さえも阻害し、胃粘膜の腐食、潰瘍などの副作用を引き起こす。最近、これを改善した新しい薬剤としてCOX−2選択的阻害剤が開発された。セレコキシブ(CeleCOXib)は、抗炎症剤及び抗癌剤として現在臨床的に使用されている代表的なCOX−2選択的阻害剤の一つである。骨関節炎及び関節リウマチ炎の治療、及び家族性大腸腺腫症(FAP)を有する患者の結腸に存在するポリーブ数の低減に効果的である。
【0009】
炎症反応に於けるアラキドン酸の化学伝達物質への代謝過程に関与する別の酵素は、リポキシゲナーゼである。リポキシゲナーゼは5−、12−及び15−リポキシゲナーゼの3種が存在し、その内5−リポキシゲナーゼは、アラキドン酸から5−HPETEを経由してロイコトリエンA、B、C、D、E(LTA、LTB、LTC、LTD、LTE)などを合成する過程に関与する。サムエルソンらは、これらのロイコトリエン中でLTBは、炎症反応第2期に働く白血球の一つであり、主に多形核好中性白血球(PMNL)で生合成され、白血球凝集、浸潤、走化性及びライソゾーム酵素の遊離などの機能を示すとして知られていると、開示している。また、多くの学者が、5−LOの活性に関与する因子に関する研究と、その活性を阻害する薬剤の開発を行ってきたが、有意な結果は得られておらず、ETYA及びBW755Cのみが薬剤として開発されている。[Kyung-rak MIN et al., Activation of 5-lipoxygenase and leukotriene B biosynthesis inhibiting material,Pharmacology, Vol.33(6),319-323(1989)]
【0010】
COX阻害剤の反応メカニズムは従来の大部分のNSAIDsのそれと一致するため、炎症が重大に作用している一時的異常症状及び慢性疾患に於ける炎症に起因する痛み及び浮腫のような多くの症状の治療に、COX阻害剤が使用される。一時的異常症状とは、軽い擦り傷、日焼け、感染症皮膚炎、頭痛、生理通などを意味する。慢性疾患とは、認知機能低下、関節リウマチ、骨関節炎などを意味する。
【0011】
COX阻害剤は全身性エリテマトーデス(SLE)のみならず、皮膚硬化症のような皮膚異常にも使用される。[Goebel et al., Chem. Res. Tox., 12: 488-500, 1999., Patrono et al., J. Clin. Invest., 76: 1011-1018, 1985.]加えて、COX阻害剤は、乾癬のようなリウマチ性ではない炎症性の皮膚異常の緩和のためにも使用されるが、ここではプロスタグランジンの過剰生産による炎症を減少させることによって、直接的な効果を示すものである[Fogh et al., Acta Derm Venerologica, 73: 191-193, 1993.]。
【0012】
COX阻害剤は、抗炎症性薬剤としての用途に加え、癌の治療という潜在的役割を有する。COXの過剰発現は多くのヒト悪性腫瘍で観察されており、COX阻害剤が皮膚癌、乳癌及び膀胱癌を患う動物の治療に効果的であることを示す。この反応メカニズムは完全には解明されていないが、COXの過剰発現が細胞死を阻害し、発癌性細胞タイプの侵入を増大させていること示している。[Dempke et al., J. Can. Res. Clin. Oncol., 127: 411-417, 2001., Moore and Simmons, Current Med. Chem., 7: 1131-44, 2000.]
【0013】
加えて、最近の科学的進歩により、COXの発現、一般的な炎症とアルツハイマー病の病原との相互関係が立証された[Ho et al., Arch. Neurol., 58: 487-92, 2001.]。動物モデルに於いて、COX酵素を過剰発現する形質転換されたマウスが、損傷されやすいニューロンをさらにたくさん持つ。NIA(National Institute on Aging)は、NSAIDがアルツハイマー病の進行を遅らせることができるか否かを立証するための臨床試験に着手しており、炎症反応に於いて、発現するCOXの阻害が、認知機能改善を助長すると、多数報告されている[Cernak I., Exp Brain Res., 147(2): 193-9, 2002., Casolini P., J Neurosci Res., 68(3): 337-43, 2002., Andreasson KI., J Neurosci., 21(20): 8198-209, 2001]。加えて、COX阻害剤が精神異常に於いて効果的であると立証されている[Muller N., Expert Opin Investig Drugs, 13(8): 1033-44、2004.]。
【0014】
また、COX−2及び5−LOの両方を抑制する阻害剤はマウスモデルの老化した心臓に於いて動脈血管収縮を阻害するという報告もある[Gok et al., Pharmacology, 60: 4146, 2000]
【0015】
アセンヤク(Uncaria gambir)はアカネ科に属する植物である。東インドに広く自生しており、マレーシア、中国、インド、スマトラ、ブルネイでは栽培されている。白い花が葉の脇下に咲く。花が落ちると、花柄がフックのように曲がり、別の植物を巻く。アセンヤクの種をまいて1年後、葉柄の端部を切断し、抽出すると、いわゆる、水抽出物が、4−8ヶ月毎に得られる。この水抽出物は樹齢6年の木から最も多く得られる。樹齢約15年ほどに成長すると、根の分離のために土壌を掘り起こさなければならない。この水抽出物はd−及びdl−カテキン(カテコール)、タンニン酸、クエルセチン、及びアルカロイドガンビリン(alkaloid gambirin)を含有する。
【0016】
アセンヤク抽出物は薬用に用いられ、また、主として茶色の染料や革なめしにも用いられる。特に、東南アジアの一部の民族はアセンヤクを水と混ぜ、ビンロウジ(檳榔子)に塗って食べる。アストリンゼンとしての水抽出物は仁丹のように噛む薬剤を作るのに広く使われる。東医治療の記録によれば、水性抽出物は、アストリンゼンや血液凝固剤であり、創傷、口中のタダレ、血便、血尿、吐血、崩漏帯下、その他の皮膚疾患に使用された[韓国食品薬品安全庁]。また、東医宝鑑には、アセンヤクを回生保命丹、楊梅瘡、天疱瘡、頑瘡と軽粉毒のように腱と骨の腫れからの痛みを治療するのに使用されたと記録されている。
【0017】
黄岑(オウゴン)はシソ科に属する多年生草本のコガネバナの根を意味する。この植物は多年生であり、2年後の7月〜9月に開花する。茎は真っ直ぐに、且つ太く成長するが、肥沃土では斜めに成長する、又は横にさえなる。茎の高さは40〜60cm以内であり、葉は対称的であり、葉柄はなく、避雷針の形態である。花は総状花であり、枝の先端に集まって開花し、花は唇形花冠で、開口している。根は植え付け後、3〜4年目の秋又は春に収集し、周皮を除去し、陽乾して薬用として使用してきた。又根の色は黄色である。一般に、この薬草の木部と柔組織は嵩張り、ほとんど髄は空洞状態であるため、俗に髄の朽ちた草と呼ばれている。しかし、日本では、髄が詰まった新鮮な根は子ゴンと呼ばれ、髄が空洞のものは宿ゴン、粉砕されたものは片ゴンなどと呼ばれている。韓国では、それらはまた枯ゴン、元ゴン、経ゴン、空腸などと呼ばれている。
【0018】
中国の薬効植物のコガネバナは、バイカレイン(baicalein)、バイカリン(baicalin)、オウゴニン(wogonin)及びバイカレノサイド(baicalenoside)を含むフリー−B−リングフラボノイドを多量含有している。伝統的に、コガネバナは、解熱、発熱除去、保湿、保温、熱中症、多渇症、癰、猩紅熱、赤痢、吐血及び鼻血を含む異常症状の治療に使用されてきた。さらに、流産を予防するためにも使われた。黄岑(オウゴン)は、現在、小児細菌性下痢、高血圧、気管支喘息及び上部呼吸器系感染症を含む異常症状の治療に臨床的に使用されている。気管支喘息の治療のための黄岑(オウゴン)の根の薬効が、フリー−B−リングフラボノイドの存在及び好酸球浸潤に関連するエオタキシン(eotaxin)の阻害と関係があることを示す報告がある[Nakajima et al. (2001) Planta Med. 67(2): 132-135]。
【0019】
チャノキは種々の有用成分を含む健康食品として最近注目を集めている。その成分中で、カテキン化合物は比較的高い抗酸化効果を有し、数多くの研究が進められている。チャノキ中のカテキン化合物は、エピガロカテキン(EGC)、エピカテキン(EC)、エピガロカテキンガレート(EGCG)、エピカテキンガレート(ECG)などを含む。優れた抗酸化効果に加え、カテキン化合物は抗癌効果、免疫機能強化、皮膚癌予防、抗血栓効果、心臓病予防、コレステロール予防などの効果を有する。従って、チャノキ中のカテキン化合物に関する研究が飲料及び製薬分野に於いて継続的に行われている。このような研究は、中国に於いて最も積極的に行われており、チャノキに関する数多くの製品が現在商品化されている。Simingshan natural biological product社、China tianbao biochemical plant社などが、チャノキ抽出物製品の販売及び研究を行っている先行企業である。日本に於いては、カテキン化合物に関する研究の結果として、大同薬品工業株式会社の‘β−カテキン’と、三井農林株式会社の’カテキン化合物粉末'が商業化され、より高い収率及び経済的工程開発のための継続的研究及び投資が行われている。
【0020】
チャノキのさらに別の有効成分であるポリフェノールフラボンは、COX−2、NFκB(Nuclear Factor kappa B)、bcl−X(L)遺伝子に対する一定量のmRNAによって癌化された大腸癌の成長を抑制する。フリー−B−リングフラボンとフリー−B−リングフラボノールは、下記に示す基本構造式に見られるように、芳香族化合物の中でB−リング構造に置換基を有しない特異種のフラボノイド化合物である[韓国公開特許公開10−2004−0025884]。
【0021】
【化1】

【0022】
そこには、アセンヤクを含むウンカリア属植物が抗炎症性薬剤として使用できるという報告はない。特に、アセンヤクとコガネバナ及び/又はチャノキの化合物が抗炎症性薬剤として、特に、骨関節炎又は関節リウマチを含む、COX回路及び/又は5−LO回路に介在される疾患及び異常症状の予防又は治療のために使用できるということは知られていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明者らは、欧米先進国での開発戦略と区別可能な、新しいCOX及び/又は5−LO阻害剤を開発すべく、天然物の研究を継続してきた。その結果、アセンヤクを含むウンカリア属植物がCOX及び/又は5−LO阻害効果を有することを見出した。また、上記抽出物と相乗效果を示す別の生薬を見出すために、インビボでの実験(COX−1及び2、5−LO)とインビボでの実験(浮腫、コラゲナーゼ誘発関節炎(CIA)モデル)を用いた数多くの実験及び関節保護効果の確認のためGAG分析を実施した。その結果、コガネバナ及び/又はチャノキ抽出物を配合した混合物が、COX及び/又は5−LO阻害活性に於いて、更に顕著に改善された相乗効果を示すことを見出し、コルビー式[COLBY S. R., Calculating synergistic and antagonistic response of herbicide combinations, Weeds 15, 20-22, 1967]を用いてその相乗効果の測定を行い、本発明の完成に至った。
【0024】
従って、本発明の目的は、COX及び/又は5−LO阻害効果を示す新しい植物抽出物を含む、即ち、ウンカリア属植物、又は更にコガネバナ及び/又はチャノキ抽出物を含むCOX及び/又は5−LOに介在される生理学的及び病理学的異常症状の予防又は治療のための組成物を提供することである。
【0025】
本発明の他の目的は、コガネバナ及びチャノキ抽出物を含む、COX及び/又は5−LOに介在される、生理学的及び病理学的異常症状を予防又は治療するための組成物を提供することである。
【0026】
本発明の他の目的は、上記組成物のCOX及び/又は5−LOに介在される生理学的及び病理学的異常症状の予防又は治療のための使用を提供することである。
【0027】
本発明の他の目的は、治療有効量の上記組成物を哺乳動物に投与してCOX及び/又は5−LOに介在される生理学的及び病理学的異常症状を予防又は治療する方法を提供することである。
【0028】
本発明の他の目的は、ウンカリア属植物にコガネバナ抽出物及び/又はチャノキ抽出物を混合する、又はコガネバナ抽出物にチャノキ抽出物を混合することによって、COX及び/又は5−LOに介在される生理学的及び病理学的異常症状の予防又は治療剤を製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0029】
上記目的を達成するために、本発明はウンカリア属植物又はその抽出物を含むCOX及び/又は5−LOに介在される生理学的及び病理学的異常症状を予防又は治療するための組成物を提供する。
【0030】
また、本発明は上記ウンカリア属植物に更にコガネバナ及び/又はチャノキ抽出物を含むCOX及び/又は5−LOに介在される生理学的及び病理学的異常症状を予防又は治療するための組成物を提供する。
【0031】
さらに、本発明はコガネバナ及びチャノキ抽出物を含むCOX及び/又は5−LOに介在される生理学的及び病理学的異常症状を予防又は治療するための組成物を提供する。
【0032】
さらにまた、本発明はCOX及び/又は5−LOに介在される生理学的及び病理学的異常症状を予防又は治療するためのウンカリア属植物又はその抽出物;コガネバナ及びチャノキ抽出物を含む組成物;及びウンカリア属植物又はその抽出物及びコガネバナ及び/又はチャノキ抽出物を含む組成物の使用を提供する。
【0033】
また、本発明はウンカリア属植物又はその抽出物を含む組成物;及びコガネバナ及びチャノキ抽出物を含む組成物の治療有効量を哺乳動物に投与することを含むCOX及び/又は5−LOに介在される生理学的及び病理学的異常症状を予防又は治療する方法を提供する。
【0034】
また、本発明はウンカリア属植物又はその抽出物に対して、コガネバナ抽出物及び/又はチャノキ抽出物を0.1〜10:0.1〜10の重量比で混合する、又はコガネバナ抽出物及びチャノキ抽出物を0.1〜10:0.1〜10の重量比で混合することにより、COX及び/又は5−LOに介在される生理学的及び病理学的異常症状の予防又は治療の薬剤を製造する方法を提供する。
【0035】
上記ウンカリア属植物は、好ましくは、アセンヤク、U.attenuata Korth.、U.borneensis Havil.、U.callophylla Korth.、U.elliptica R.Br.、キャッツ・クロウ(ウンガリア ギアネンシス)(U.guianensis(Aubl.)Gmel.)、U.homomalla Miq.、U.lanosa var.glabrata(Bl.)Ridsd.、U.macrophylla Wall.、カギカズラ(U.rhynchophylla Miq.)、チョトウコウ(釣藤鈎)(U.sinensis(Oliv.)Havil.)、キャッツ・クロウ(ウンガリア トメントーサ)(U.tomentosa(Willd.)DC.)、U.yunnanensis HsiaK.C.、U.hirsuta Havil.及びU.lanosa var.appendiculataf.setiloba(Benth.)Ridsd.よりなる群から一つ又はそれ以上選択され、特に好ましくはアセンヤクを使用する。
【0036】
本発明の組成物に於いて、ウンカリア属植物及びコガネバナ及びチャノキは商業的に購入可能な従来の薬草類を使用することができ、これらの薬草の全草、枝、外皮、葉、芽、根、内皮などを使用することができ、好ましくは粉末状、又は抽出物を使用する。
本発明のウンカリア属植物、コガネバナ及びチャノキ抽出物は水、有機溶媒、又はこれらの混合溶媒と共に抽出して使用できる。上記有機溶媒としては、従来の全ての溶媒が使用でき、好ましくは水、C1−4アルコールなどの極性溶媒、又はn−ヘキサン、ジクロロメタンなどの非極性溶媒、又はこれらの混合溶媒が用いられる。
【0037】
本発明の非極性溶媒抽出物は、n−ヘキサン、ジクロロメタン、クロロホルム又はエチルアセテート、好ましくはn−ヘキサン、ジクロロメタン、エチルアセテートからなる群より選択される非極性溶媒で抽出した抽出物を含む。さらに、本発明の極性溶媒抽出物はアセトン、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのC1−4アルコール、又はイソプロピルアルコールから選択される極性溶媒から抽出した抽出物を含む。
【0038】
上記抽出は、熱湯抽出、超音波処理など従来の方法で行うことができ、この抽出物の凍結乾燥物は本発明の組成物に用いることができる。
【0039】
また、上記抽出物は従来の分留法又はクロマトグラフィーにより、さらに精製でき、このような分留物又は精製物もまた本発明の範囲内に属するものである。
【0040】
本発明の組成物は、優れたCOX及び/又は5−LO阻害効果を示し、天然生薬を使用することによって、なんら副作用なしに、特に骨関節炎又は関節リウマチを含む様々なCOX回路及び/又は5−LO回路に介在される疾患及び異常症状の予防又は治療に用いることができる。
【0041】
本明細書に於いて、COX及び/又は5−LO回路に介在される生理学的及び病理学的異常症状とは、例えば、炎症疾患、月経痛、動脈硬化症、心臓発作、肥満、糖尿病、X症候群、認知機能低下、アルツハイマー疾患、呼吸器系アレルギー反応、慢性静脈不全、痔疾、全身性エリテマトーデス、乾癬、慢性緊張型頭痛、偏頭痛、炎症性腸疾患、ウイルス、バクテリア及び細菌による局部的感染症、日焼け、熱傷、伝染性皮膚炎、歯周炎、黒色腫及び癌腫からなる群より選択される疾患及び異常症状を含む。
【0042】
本発明の組成物に於いて、ウンカリア属植物、特にアセンヤクは単独で使用することができるが、ウンカリア属植物又はその抽出物を更にコガネバナ抽出物、チャノキ抽出物、又はコガネバナ及びチャノキ抽出物と混合した複合組成物を使用することが、相乗効果を示すために好ましい。
【0043】
特に、下記実験例に示されるように、コガネバナ抽出物単独ではCOX及び/又は5−LO阻害効果は示していなかった。しかし、驚くべきことに、ウンカリア属植物、特にアセンヤク抽出物をコガネバナ及び/又はチャノキ抽出物と組み合わせて投与した場合、そしてコガネバナ及びチャノキ抽出物の混合物を投与した場合、相乗効果が観察された。
【0044】
本発明の組成物に於いて、混合物の投与時の抽出物単独投与時と比較しての相乗効果は、コルビー式[COLBY S. R., Calculating synergistic and antagonistic response of herbicide combinations, Weeds 15, 20-22, 1967]を用いて測定及び確認した。
【0045】
上記に示すように、ウンカリア属植物、特にアセンヤクは、コガネバナ及び/又はチャノキ抽出物を組み合わせて使用する場合、アセンヤク、コガネバナ、チャノキは0.1〜10:0.1〜10:0.1〜10、好ましくは1〜10:1〜10:1〜10、さらに好ましくは、1〜7:1〜7:1〜7の重量比で混合することができる。またコガネバナ及びチャノキを配合する場合、0.1〜10:0.1〜10、好ましくは1〜10:1〜10、より好ましくは、1〜7:1〜7の重量比で混合することができる。
【0046】
本発明の組成物は、薬学分野の公知の方法により製剤化でき、例えば、薬剤学的に許容可能な担体、賦形剤などと混合して、ドリンク剤のような液剤、シロップ剤、カプセル剤、粒剤、錠剤、粉末剤、丸薬、軟膏及び乳剤、ジェルなどの皮膚用外用剤等の通常の医薬製剤に製剤化でき、さらに経口又は非経口で投与できる。本発明の組成物は迅速な効果を得るため、カプセル剤、錠剤及びドリンク剤として食前及び/又は食後に経口投与することが好ましい。
【0047】
本発明の組成物を含むカプセル剤、錠剤、粉末剤、粒剤、液剤、丸薬などは好ましくは医薬品又はヘルスケア製品として用いられる。本明細書で用いられる“ヘルスケア製品”とは、人体に対して有用な作用を及ぼす原料や成分を使用して錠剤、カプセル剤、粉末剤、粒剤、液剤、丸薬などの形状に製造加工した食品を意味するものである。
【0048】
本発明の組成物は、体内に於ける有効成分の吸収度、排泄速度、患者の年齢、体重、性別及び状態、治療する疾患の重症程度などによって適宜投与される。しかし、一般に、液剤として、成人に1日1〜3回、それぞれ0.01〜500mg/kg、好ましくは0.1〜200mg/kg投与することが好ましい。その他の製剤に於いても、上記液剤の投与量を考慮した適正量を経口投与することができる。
【0049】
以下、本発明を下記の実施例によってより具体的に説明するが、それにより本発明の範囲を何ら制限するものではない。
【実施例】
【0050】
1.アセンヤク、コガネバナ及びチャノキ抽出物の調製
実施例1:アセンヤク熱湯抽出物の調製
アセンヤクの若葉(50g)を蒸気で蒸した。そして、精製水を加えて抽出して葉汁を絞り、回収した汁液をゆっくり冷却し再結晶して、アセンヤク抽出粉末 7.87g(収率:15.74%)を得た。
【0051】
実施例2:アセンヤクエタノール抽出物の調製
アセンヤクの若葉(50g)をエタノールを加えて抽出し、葉汁を絞り、回収された汁液をゆっくり冷却させ再結晶させて、アセンヤク抽出粉末 7.65g(収率:15.3%)を得た。
【0052】
実施例3:コガネバナ抽出物の調製
コガネバナ(50g)を1L丸底フラスコに入れ、精製水(350ml)を加え、80℃で2時間、還流抽出した。抽出物を冷却、濾過及び濃縮して、コガネバナ抽出粉末 16.5g(収率:32.95%)を得た。
【0053】
実施例4:チャノキ抽出物の調製
チャノキ(50g)を1L丸底フラスコに入れ、水溶性エタノール(500ml)を加えて、85℃で、3時間、還流して抽出した。抽出物を冷却、濾過及び濃縮して、チャノキ抽出粉末 13.5g(収率:27%)を得た。
【0054】
実施例9:他のウンカリア属植物の抽出
釣藤鈎50gを1L丸底フラスコに入れ、精製水(500ml)を加えて、5時間、還流して抽出した。抽出物を冷却、濾過及び濃縮して、釣藤鈎抽出粉末7g(収率:14%)を得た。
【0055】
2)混合物の調製
実施例5:アセンヤク及びコガネバナ混合物の調製
アセンヤクとコガネバナの混合物は下記のように調製した。
【0056】
【表1】

【0057】
実施例6:アセンヤク及びチャノキ混合物の調製
アセンヤクとチャノキの混合物は下記のように調製した。
【0058】
【表2】

【0059】
実施例7:アセンヤク、コガネバナ及びチャノキ混合物の調製
アセンヤク、コガネバナ及びチャノキ混合物を下記のように調製した。
【0060】
【表3】

【0061】
実施例8:コガネバナ及びチャノキ混合物の調製
コガネバナ及びチャノキ混合物を下記のように調製した。
【0062】
【表4】

【0063】
実験例
1)COX及び/又は5−LO阻害活性試験
(1)COX阻害活性試験
1、試験材料:
−材料:COX分析キット(Cayman、 Cat#760111)、インドメタシン(Cayman、 Cat#70270)、AA−861(Biomol、 Cat#EI−216)、H(Aldrich、 Cat#216763)
−試料:実施例1〜実施例8
−濃度:10、50、500、1000μg/mL
【0064】
2、試験方法:バックグラウンドウェルに分析バッファー(160μl)及びヘム(10μl)を入れた。100%初期活性ウェルに、分析バッファー(150μl)、ヘム(10μl)及び酵素(COX−1又はCOX−2、10μl)を入れた。阻害ウェルに、分析バッファー(150μl)、ヘム(10μl)及び酵素(COX−1又はCOX−2、10μl)を入れた。阻害ウェルにDMSOに溶かした試料(10μl)を入れた。100%初期活性ウェルとバックグラウンドウェルに、上記試料の代わりに、試料を溶かした溶媒(DMSO10μl)を入れた。ゆっくり振った後、25℃、5分間、反応させた。全ウェルに20μlの発色基質を入れた。さらに、全ウェルに20μlのアラキドン酸を入れた(Final Conc.100μM)。ゆっくり振った後、25℃、5分間、反応させた。反応を終了させ、590nm(590〜611nm)で吸光度を測定し、対照群に対する試験群の相対的活性を下記計算式により%で算出した。
−計算式:
阻害率%=(100%−阻害率)/(100%−blank)×100
【0065】
3、試験結果:単一抽出物及び混合物のCOX−1,2に対する50%阻害活性(単位:μg/ml)
【0066】
【表5】

【0067】
4、結論:実施例1=実施例2≫実施例3という試験結果から、単一抽出物中、アセンヤク抽出物が優れたCOX阻害活性を示した。さらに、上記単一抽出物を適宜比混合した混合組成物は、実施例6>実施例7>実施例8>実施例5の順にCOX阻害活性を示した。
【0068】
上記試験から分かるように、アセンヤク粗抽出物(実施例1及び2)は、優れたCOX阻害活性を示したが、コガネバナ抽出物の5−LO阻害活性は有意的ではなかった。しかし、驚くべきことに、上記抽出物の混合物が相乗された阻害活性を示した。
【0069】
(2)5−LO(LTB生成阻害)
1、試験材料:
RPMI1640培地:sigma Cet#R8758
T75フラスコ:Corning(430641)
抗生物質:Gibco(15240−062)
FBS:biowhittaker(14−471QM)
マイクロチューブ:sarstedt(72.690)
PBS:biowhittaker(17−512F)
遠心分離機:Hanil(micro−12)
−試料:実施例1〜実施例8
−濃度:0.025、0.05、1、20μg/ml(実施例1〜3)0.005、0.05、0.5、5μg/ml(実施例4〜7)
【0070】
2、試験方法:HT−29細胞株(韓国細胞株銀行)は、T75フラスコ内でRPMI1640培地(10%FBS)20ml、5%CO及び37℃の条件で培養し、一週間に2−3回継代培養した。HT−29セルを6−ウェルプレート中に1.5−2.0×10/ウェル/2mlで分注後、5%CO及び37℃の条件で約60−70%融合するまで培養した。培地除去後、PBS(biowhittaker、17−512F)で細胞株を2−3回洗浄し、新培地(5%FBS、biowhittaker、14−471QM)2mlを加えた。試料の最終濃度が0、0.005、0.05、0.5、5(μg/ml)になるよう処理した。さらに、LPSを最終濃度 1μg/mlになるよう処理した。未処理のN−Controlは、上記試料の代わりに、上記試料を溶かした溶媒(0.1%以下のDMSO)で処理した。P−ControlはLPS単独処理した。全試料を、5%CO及び37℃の条件で24時間反応させた。反応終了後、細胞をPBSで2回洗浄し、へらでこすり取り、マイクロチューブに入れ、10,000rpm以上、5分間、遠心分離して回収した。上清除去後、ペレットだけが残ったチューブに溶解用バッファーを加え、5分間氷で処理し、細胞を破壊させた。10,000rpm以上、5分間、遠心分離した後、細胞破片は残し、上清のみを新しいチューブに回収した。この試料をLTB ELISA分析まで−70℃で保管した。
【0071】
細胞溶解物はキットに於いてEIAバッファーで1/20希釈した。LTBスタンダードを、0、0.04、0.1、0.2、0.4、1.0、2.0、4.0(ng/ml)に準備した。ロイコトリエンC酵素標識抗原はEIAバッファーで1/50に希釈して準備した。抗体被覆96ウェルプレートに、スタンダード又は試料50μl及び、希釈した酵素標識抗原50ulを入れた。ゆっくり振った後、覆いをして室温で1時間反応させた。
【0072】
反応終了後、300μlの洗浄バッファーで3回プレートを洗浄した。プレートに培養基150μlを入れ、ゆっくり振りながら、30分間反応させた。650nmで吸光度を測定し、対照群に対する試験群の相対的活性を下記計算式により%で算出した。各値はブラッドフォードタンパク質定量で規格化した。
−計算式:
阻害率%=[(NC−PC)−(NC−S)/(NC−PC)]×100
【0073】
3、試験結果:単一抽出物及び混合物の5−LOに対する50%阻害活性(単位:μg/ml)
【0074】
【表6】

【0075】
4、結論:単一抽出物の5−LO阻害活性は、実施例1=実施例2≫実施例3の順である。さらに、前記単一抽出物を適切な比率で混合した混合物の5−LO阻害活性は、実施例6>実施例7≧実施例8>実施例5の順である。上記COX−1、2に関する試験と同様に、本試験に於いても、アセンヤク粗抽出物は優れた5−LO阻害活性を示したが、コガネバナ抽出物の5−LO阻害活性は有意的ではなかった。しかし、驚くべきことに、上記抽出物の混合物は相乗された5−LO阻害活性を示した。
【0076】
(3)耳浮腫阻害試験(浮腫阻害試験)
1、試験材料:
−試験動物:ICRマウス(大韓バイオリンク)
−炎症誘導:アラキドン酸(2mg/20μl)
−試料:実施例1〜実施例8
−陽性対照群:インドメタシン(25、50mg/kg)
−濃度:50、75、100mg/kg
【0077】
2、試験方法:試験動物(ICRマウス(大韓バイオリンク))に試験物質を浮腫誘導24時間及び1時間前に投与した。続いて、試験動物の右耳に、濃度2mg/20μlのアラキドン酸を投与し、左耳に、対照溶媒としてアセトンを投与し、溶媒比較のため、カリパスで耳の厚さを測定した。価値にと倉名対照物質としてNSAIDsの代表的抗炎症及び消炎鎮痛剤であるインドメタシンを、アラキドン酸投与24時間及び1時間前に、経口投与した。アラキドン酸及びアセトンを投与した試験動物の耳の厚さを1、2、3時間毎に測定した。
【0078】
3、試験結果:実施例1、2の抗炎症活性を図1に示した。実施例5及び実施例1、3の抗炎症活性を図3に示した。実施例6及び実施例1、4の抗炎症活性を図4に示した。実施例7及び実施例1、3、4の抗炎症活性を図5に示した。実施例8及び実施例1、4の抗炎症活性を図6に示した(P<0.05、**P<0.01)。
【0079】
上記図1〜6から分かるように、アセンヤク単一抽出物及びこれらの混合物で抗炎症効能を確認することができた。特に、実施例1が実施例3より強い抗炎症効果を示し、これらの混合物である実施例5(100mg/kg)で単一抽出物の混合による相乗效果を示した。また実施例1、3の混合物である実施例5は濃度依存的に抗炎症活性が増加する傾向を示した。
【0080】
上記のように、実施例1と実施例3若しくは実施例4を組み合わせて、又は実施例3、4をを組み合わせて実施した場合、実施例1のみの場合に比べて組成物(実施例5〜8)の耳浮腫阻害効果が向上した。
【0081】
(4)CIAモデルによる抗炎症活性の確認
1、試験材料:
−試験動物:DBA/1マウス((株)オリエンタル)
−陽性対照群:インドメタシン(50mg/kg)
−対照物質:グルコサミン(250mg/kg)
−試料:実施例5
−濃度:100、200mg/kg
【0082】
2、試験方法:8週齢DBA/1マウス((株)オリエンタル)を使用して関節炎を誘発させた。マウスを免疫化するため、CFA(Complete Freund's Adjuvant)と懸濁させたコラーゲン100μgをマウスの尾に投与した。21日目から、各群5匹ずつ5群に分け、準備しておいた抽出物を56日目まで投与した。週1回、マウスの体重と浮腫を引き起こした足の厚さ及びポイント(0:正常、1:弱い赤色、2:足の指に浮腫、3:全体的に激しい浮腫、4:足の指全体と関節に最も激しい浮腫)を測定した。56日目に、採血、解剖を行い、浮腫を引き起こした足を、固定及び脱石灰化過程の後、H&E(Hematozyline & Eosin)により染色して、顕微鏡を通して関節組織を観察した。
【0083】
3、試験結果:コラーゲン投与後の、経時に伴うマウスの足の浮腫の変化及び経時に伴う関節炎指数の変化を、各々図7及び図8に示した(P<0.05)。また実施例5投与後の、CIAマウスの関節の軟骨組織を図9に示した。
【0084】
上記図7〜図9からわかるように、実施例5を投与した群は対照群と比較して約20%の効能があった。軟骨組織の破壊及び免疫細胞の浸潤が、対照群及びグルコサミンを投与した群と比較して顕著に減少していることが観察された。
【0085】
2)関節保護試験
(1)GAG分析
1、試験材料:
−材料:6-ウェルプレート(Corning 3516)、ダルベッコ改良イーグル培地(DMEM、Biowhittaker)、加熱不活性化されたウシ胎仔血清(FBS)、ペニシリン−ストレプトマイシン(Gibco)、IL−1 alpha(R&D200LA−002)及びBlyscanグリコサミノグリカン分析キット(Biocolor B1000)
−試料:実施例1〜8
−対照物質:グルコサミン
−濃度:5、50、500μg/mL
−試験動物:京畿道烏山市(Samtako)より提供のニュージーランド白ウサギ(2.0kg、9週齢)を利用した。
【0086】
2、試験方法
−軟骨移植片培養
9週齢ラビットから膝関節軟骨を採取した。次に採取した軟骨をDMEM(5%FBS、ペニシリン 100U/ml、ストレプトマイシン 100μg/ml)に入れ、37℃、24時間、CO培養基で安定化させた。試料を処理する前に、全ての軟骨を一定のサイズにスライスして、24のウェルに入れた。準備した試料とIL−1alpha(5ng/ml)を処理した。処理試料を37℃、60時間、5%CO培養基で反応させた後、上清を回収し、次の試験まで−20℃に保管した。
−GAG分析:上清のGAG分泌程度を測定するため、Blyscan分析キットを使用した。656nmで吸光度を測定し、対照群に対する試験群の相対活性を下記計算式により%で算出した。
−計算式:
計算式=[(PC−試料)−(PC−NC)]×100
NC:陰性対照群、PC:陽性対照群、S:試料
【0087】
3、試験結果:
実施例1〜4及び実施例5〜8の関節保護効果を、各々図10及び図11に示した。
【0088】
4、結論:実施例1〜4及び5〜8は、特に、濃度≦50μg/mLで、関節保護効能を示した。
【0089】
製剤例1:液剤の調製
実施例6の抽出物 20g
砂糖 10g
異性化糖 10g
レモン香 適量
精製水を加えた後の総量 100ml
上記の成分を通常の液剤の調製方法によって混合し滅菌し、液剤を製造した。
【0090】
製剤例2:液剤の調製
実施例1の抽出物 30g
砂糖 10g
異性化糖 10g
レモン香 適量
精製水を加えた後の総量 100ml
上記の成分を通常の液剤の調製方法によって混合し滅菌し、液剤を製造した。
【0091】
製剤例3:カプセル剤の調製
実施例7の抽出物 500mg
ラクトース 50mg
でんぷん 50mg
タルク 2mg
ステアリン酸マグネシウム 適量
上記の成分を混合して、通常のカプセル剤の調製方法によってゼラチンカプセルに充填し、カプセル剤を製造した。
【0092】
製剤例4:カプセル剤の調製
実施例8の抽出物 500mg
ラクトース 50mg
でんぷん 50mg
タルク 2mg
ステアリン酸マグネシウム 適量
上記の成分を混合して、通常のカプセル剤の調製方法によってゼラチンカプセルに充填し、カプセル剤を製造した。
【0093】
製剤例5:カプセル剤の調製
実施例5の抽出物 500mg
ラクトース 50mg
でんぷん 50mg
タルク 2mg
ステアリン酸マグネシウム 適量
上記の成分を混合して、通常のカプセル剤の調製方法によってゼラチンカプセルに充填し、カプセル剤を製造した。
【0094】
製剤例6:カプセル剤の調製
実施例1の抽出物 700mg
ラクトース 50mg
でんぷん 50mg
タルク 2mg
ステアリン酸マグネシウム 適量
上記の成分を混合して、通常のカプセル剤の調製方法によってゼラチンカプセルに充填し、カプセル剤を製造した。
【0095】
製剤例7:軟膏剤の調製
実施例5の抽出物 200g
白色ワセリン 100g
ステアリルアルコール 150g
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 40g
モノステアリン酸グリセリン 20g
プロピレングリコール 100g
パラオキシ安息香酸メチル 1g
パラオキシ安息香酸プロピル 1g
上記の成分を混合して、通常の軟膏剤調製方法によって軟膏剤を製造した。
(産業上利用可能性)
【0096】
上記から分かるように、本発明のアセンヤク抽出物を含む組成物は優れたCOX及び/又は5−LO阻害活性を示し、更にコガネバナ抽出物及び/又はチャノキ抽出物を含む本発明の組成物は相乗效果を示しており、コガネバナ及びチャノキ抽出物の配合物もまた相乗效果を示した。本発明の組成物は、天然物質から得られるので、副作用の危険性がなく優れたCOX及び/又は5−LO阻害活性を示し、炎症疾患、月経痛、動脈硬化症、心臓発作、肥満、糖尿病、X症候群、認知機能低下、アルツハイマー疾患、呼吸器系アレルギー反応、慢性静脈不全、痔疾、全身性エリテマトーデス、乾癬、慢性緊張型頭痛、偏頭痛、炎症性腸疾患、ウイルス、バクテリア及び細菌による局部感染症、日焼け、熱傷、伝染性皮膚炎、黒色腫又は癌腫を含む疾患の予防又は治療に使用することができる。また、本発明の組成物は、特に骨関節炎、関節リウマチなどを含む、様々な炎症疾患の予防又は治療のために使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
図1は本発明の実施例1、2の抗炎症活性を示すグラフである。
図2は本発明の実施例5〜8の抗炎症活性を示すグラフである。
図3は本発明の実施例5及び実施例1、3の抗炎症活性を示すグラフである。
図4は本発明の実施例6及び実施例1、4の抗炎症活性を示すグラフである。
図5は本発明の実施例7の抗炎症活性を示すグラフである。
図6は本発明の実施例8及び実施例3、4の抗炎症活性を示すグラフである。
図7は本発明の実施例5投与後のマウスの足浮腫変化を示す時系列のグラフである。
図8は本発明の実施例5投与後の関節炎指数の変化を示す時系列のグラフである。
図9は本発明の実施例5投与後のCIAマウス関節で軟骨組織図を示す写真である。
図10は本発明の実施例1〜4の関節保護効果を示すグラフである。
図11は本発明の実施例5〜8の関節保護効果を示すグラフである。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウンカリア属植物又はその抽出物を含むシクロオキシゲナーゼ(COX)及び/又は5−リポキシゲナーゼ(5−LO)に介在される生理学的及び病理学的異常症状を予防又は治療するための組成物。
【請求項2】
COX及び/又は5−LOに介在される生理学的及び病理学的異常症状が、炎症疾患、月経痛、動脈硬化症、心臓発作、肥満、糖尿病、X症候群、認知機能低下、アルツハイマー疾患、呼吸器系アレルギー反応、慢性静脈不全、痔疾、全身性エリテマトーデス、乾癬、慢性緊張型頭痛、偏頭痛、炎症性腸疾患、ウイルス、バクテリア及び細菌による局部的感染症、日焼け、熱傷、伝染性皮膚炎、黒色腫及び癌腫よりなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
COX及び/又は5−LOに介在される生理学的及び病理学的異常症状が炎症疾患である、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
上記ウンカリア属植物が、アセンヤク(ガンビール)(Uncaria gambir)、U.attenuata Korth.、U.borneensis Havil.、U.callophylla Korth.、U.elliptica R.Br.、キャッツ・クロウ(ウンガリア・ギアネンシス)(U.guianensis(Aubl.)Gmel.)、U.homomalla Miq.、U.lanosa var.glabrata(Bl.)Ridsd.、U.macrophylla Wall.、カギカズラ(U.rhynchophylla Miq.)、チョトウコウ(釣藤鈎)(U.sinensis(Oliv.)Havil.)、キャッツ・クロウ(ウンガリア・トメントーサ)(U.tomentosa(Willd.)DC.)、U.yunnanensis Hsia K.C.、U.hirsuta Havil.及びU.lanosa var.appendiculata f.setiloba(Benth.)Ridsd.よりなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
上記ウンカリア属植物がアセンヤク(ガンビール)(Uncaria gambir)である、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
更に、コガネバナ(スクテラリア・バイカレンシス)抽出物及び/又はチャノキ(カメリア・シネンシス)抽出物を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
上記抽出物が、水、アセトン又はC1−4アルコール及びイソプロピルアルコールよりなる群から選択される一つ又はそれ以上の極性溶媒で抽出された抽出物である、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
アセンヤク、コガネバナ、チャノキの重量比が、0.1〜10:0.1〜10:0.1〜10である、請求項6に記載の組成物。
【請求項9】
コガネバナ抽出物及びチャノキ抽出物を含む、COX及び/又は5−LOに介在される生理学的及び病理学的異常症状を予防又は治療するための組成物。
【請求項10】
COX及び/又は5−LOに介在される生理学的及び病理学的異常症状が、炎症疾患、月経痛、動脈硬化症、心臓発作、肥満、糖尿病、X症候群、認知機能低下、アルツハイマー疾患、呼吸器系アレルギー反応、慢性静脈不全、痔疾、全身性エリテマトーデス、乾癬、慢性緊張型頭痛、偏頭痛、炎症性腸疾患、ウイルス、バクテリア及び細菌による局部的感染症、日焼け、熱傷、伝染性皮膚炎、黒色腫及び癌腫よりなる群から選択される、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
COX及び/又は5−LOに介在される生理学的及び病理学的異常症状が、炎症疾患である請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
上記抽出物が、水、アセトン又はC1−4アルコール及びイソプロピルアルコールよりなる群から選択される一つ又はそれ以上の極性溶媒で抽出された抽出物である、請求項9に記載の組成物。
【請求項13】
コガネバナ、チャノキの重量比が、0.1〜10:0.1〜10である、請求項9に記載の組成物。
【請求項14】
上記炎症疾患が骨関節炎又は関節リウマチである、請求項3又は11に記載の組成物。
【請求項15】
COX及び/又は5−LOに介在される生理学的及び病理学的異常症状を予防又は治療するための、ウンカリア属植物又はその抽出物の使用。
【請求項16】
COX及び/又は5−LOに介在される生理学的及び病理学的異常症状が、炎症疾患、月経痛、動脈硬化症、心臓発作、肥満、糖尿病、X症候群、認知機能低下、アルツハイマー疾患、呼吸器系アレルギー反応、慢性静脈不全、痔疾、全身性エリテマトーデス、乾癬、慢性緊張型頭痛、偏頭痛、炎症性腸疾患、ウイルス、バクテリア及び細菌による局部的感染症、日焼け、熱傷、伝染性皮膚炎、黒色腫及び癌腫よりなる群から選択される、請求項15に記載の使用。
【請求項17】
COX及び/又は5−LOに介在される生理学的及び病理学的異常症状が、炎症疾患である、請求項16に記載の用途。
【請求項18】
上記ウンカリア属植物が、アセンヤク、U.attenuata Korth.、U.borneensis Havil.、U.callophylla Korth.、U.elliptica R.Br.、キャッツ・クロウ(ウンガリア ギアネンシス)(U.guianensis(Aubl.)Gmel.)、U.homomalla Miq.、U.lanosa var.glabrata(Bl.)Ridsd.、U.macrophylla Wall.、カギカズラ(U.rhynchophylla Miq.)、チョトウコウ(釣藤鈎)(U.sinensis(Oliv.)Havil.)、キャッツ・クロウ(ウンガリア トメントーサ)(U.tomentosa(Willd.)DC.)、U.yunnanensis HsiaK.C.、U.hirsuta Havil.及びU.lanosa var.appendiculataf.setiloba(Benth.)Ridsd.よりなる群から選択される、請求項15に記載の使用。
【請求項19】
上記ウンカリア属植物がアセンヤクである、請求項18に記載の使用。
【請求項20】
COX及び/又は5−LOに介在される生理学的及び病理学的異常症状を予防又は治療するための、コガネバナ抽出物及びチャノキ抽出物を含む組成物の使用。
【請求項21】
COX及び/又は5−LOに介在される生理学的及び病理学的異常症状が、炎症疾患、月経痛、動脈硬化症、心臓発作、肥満、糖尿病、X症候群、認知機能低下、アルツハイマー疾患、呼吸器系アレルギー反応、慢性静脈不全、痔疾、全身性エリテマトーデス、乾癬、慢性緊張型頭痛、偏頭痛、炎症性腸疾患、ウイルス、バクテリア及び細菌による局部的感染症、日焼け、熱傷、伝染性皮膚炎、黒色腫及び癌腫よりなる群から選択される、請求項20に記載の使用。
【請求項22】
COX及び/又は5−LO回路に介在される生理学的及び病理学的異常症状が炎症疾患である、請求項21に記載の使用。
【請求項23】
上記抽出物が、水、アセトン又はC1−4アルコール及びイソプロピルアルコールよりなる群から選択される一つ又はそれ以上の極性溶媒で抽出された抽出物である、請求項20に記載の使用。
【請求項24】
コガネバナ、チャノキの重量比が、0.1〜10:0.1〜10である、請求項20に記載の使用。
【請求項25】
前記炎症疾患が骨関節炎又は関節リウマチである、請求項17又は22に記載の使用。
【請求項26】
COX及び/又は5−LOに介在される生理学的及び病理学的異常症状を予防又は治療するための、i)ウンカリア属植物又はその抽出物、及びii)コガネバナ抽出物及び/又はチャノキ抽出物を含む組成物の使用。
【請求項27】
上記ウンカリア属植物がアセンヤクである、請求項26に記載の使用。
【請求項28】
アセンヤク、コガネバナ、チャノキの重量比は、0.1〜10:0.1〜10:0.1〜10である、請求項26に記載の使用。
【請求項29】
ウンカリア属植物又はその抽出物を含む組成物の治療有効量を、哺乳動物に投与することを含んでなる、COX及び/又は5−LOに介在される生理学的及び病理学的異常症状を予防又は治療する方法。
【請求項30】
COX及び/又は5−LOに介在される生理学的及び病理学的異常症状が、炎症疾患、月経痛、動脈硬化症、心臓発作、肥満、糖尿病、X症候群、認知機能低下、アルツハイマー疾患、呼吸器系アレルギー反応、慢性静脈不全、痔疾、全身性エリテマトーデス、乾癬、慢性緊張型頭痛、偏頭痛、炎症性腸疾患、ウイルス、バクテリア及び細菌による局部的感染症、日焼け、熱傷、伝染性皮膚炎、黒色腫及び癌腫よりなる群から選択される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
COX及び/又は5−LOに介在される生理学的及び病理学的異常症状が、炎症疾患である、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
上記ウンカリア属植物が、アセンヤク(ガンビール)(Uncaria gambir)、U.attenuata Korth.、U.borneensis Havil.、U.callophylla Korth.、U.elliptica R.Br.、キャッツ・クロウ(ウンガリア ギアネンシス)(U.guianensis(Aubl.)Gmel.)、U.homomalla Miq.、U.lanosa var.glabrata(Bl.)Ridsd.、U.macrophylla Wall.、カギカズラ(U.rhynchophylla Miq.)、チョトウコウ(釣藤鈎)(U.sinensis(Oliv.)Havil.)、キャッツ・クロウ(ウンガリア トメントーサ)(U.tomentosa(Willd.)DC.)、U.yunnanensis HsiaK.C.、U.hirsuta Havil.及びU.lanosa var.appendiculataf.setiloba(Benth.)Ridsd.よりなる群から選択される、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
上記ウンカリア属植物が、アセンヤクである、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
更に、上記組成物がコガネバナ抽出物及び/又はチャノキ抽出物を含む、請求項29〜33のいずれかに記載の方法。
【請求項35】
上記抽出物が、水、アセトン又はC1−4アルコール及びイソプロピルアルコールよりなる群から選択される一つ又はそれ以上の極性溶媒で抽出された抽出物である、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
アセンヤク、コガネバナ、チャノキの重量比が、0.1〜10:0.1〜10:0.1〜10である、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
コガネバナ及びチャノキ抽出物を含む組成物の治療有効量を、哺乳動物に投与することを含んでなる、COX及び/又は5−LOに介在される生理学的及び病理学的異常症状を予防又は治療する方法。
【請求項38】
COX及び/又は5−LOに介在される生理学的及び病理学的異常症状が、炎症疾患、月経痛、動脈硬化症、心臓発作、肥満、糖尿病、X症候群、認知機能低下、アルツハイマー疾患、呼吸器系アレルギー反応、慢性静脈不全、痔疾、全身性エリテマトーデス、乾癬、慢性緊張型頭痛、偏頭痛、炎症性腸疾患、ウイルス、バクテリア及び細菌による局部的感染症、日焼け、熱傷、伝染性皮膚炎、黒色腫及び癌腫よりなる群から選択される、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
COX及び/又は5−LOに介在される生理学的及び病理学的異常症状が炎症疾患である、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
上記抽出物が、水、アセトン又はC1-4アルコール及びイソプロピルアルコールよりなる群から選択される一つ又はそれ以上の極性溶媒で抽出された抽出物である、請求項37に記載の方法。
【請求項41】
コガネバナ、チャノキの重量比が、0.1〜10:0.1〜10である、請求項37に記載の方法。
【請求項42】
上記炎症疾患が骨関節炎又は関節リウマチである、請求項31又は39に記載の方法。
【請求項43】
コガネバナ抽出物及び/又はチャノキ抽出物を0.1〜10:0.1〜10の重量比で含有する、ウンカリア属植物又はその抽出物を混合して、COX及び/又は5−LOに介在される生理学的及び病理学的異常症状の予防又は治療剤を製造する方法。
【請求項44】
アセンヤク、コガネバナ及びチャノキを0.1〜10:0.1〜10:0.1〜10の重量比で混合する、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
コガネバナ抽出物及びチャノキ抽出物を0.1〜10:0.1〜10の重量比で混合して、COX及び/又は5−LOに介在される生理学的及び病理学的異常症状の予防又は治療剤を製造する方法。

【公表番号】特表2008−511617(P2008−511617A)
【公表日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−529704(P2007−529704)
【出願日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【国際出願番号】PCT/KR2005/002888
【国際公開番号】WO2006/025696
【国際公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(505219794)ユニジェン インク. (8)
【Fターム(参考)】