説明

シクロスポリンアルキン類似体およびそれらの薬学的使用

本発明の化合物は、本明細書において定義されるX、R0、R1、およびR2を有する、式(I)において見出される化学構造またはその薬学的に許容される塩によって示される。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、新規なシクロスポリンアルキン類似体ならびに免疫抑制剤としておよびその他の疾患の処置に対する薬学的薬剤としてのそれらの実用性を開示する。そのような類似体の調製に対する方法も開示される。なお、本出願は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる、2004年9月29日に出願された米国特許仮出願第60/614,283号の恩典を主張する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
真菌トリポクラジウム・インフラタム(Tolypocladium inflatum)から単離され、ネオラル(登録商標)およびサンディミュン(登録商標)(Novartis, Basel, Switzerland)として現在販売されている、中性環式ウンデカペプチドであるシクロスポリンA(CsA)は、器官移植拒絶の予防に対して広範に使用されている。シクロスポリンAは、シクロフィリンペプチジプロリルシス/トランスイソメラーゼに結合することによって分子レベルでその免疫抑制効果を発揮する。結果として生じるシクロスポリンAおよびシクロフィリンの複合体は、Ca2+/カルモジュリン依存性ホスファターゼであるカルシニューリンに結合し、そのホスファターゼ活性を阻害する。カルシニューリンは、転写因子、活性化T細胞の核因子(NFAT)の移動およびT細胞増殖に必要な初期遺伝子のその後の発現を調節する。シクロスポリンA-シクロフィリン複合体によるカルシニューリンのホスファターゼ活性の阻害は、NFAT核局在を妨げ、IL-2などの遺伝子の発現を抑制し、最終的に免疫抑制をもたらす(Matsuda et al.,「Mechanisms of Action of Cyclosporin」, Immunopharmacology, 47:119-125 (2000))。
【0003】
シクロスポリンAは、慢性関節リウマチ、クローン病、乾癬などの自己免疫疾患、および喘息などの慢性炎症性疾患の処置における潜在的な治療的応用も有する。残念ながら、これらの兆候に対する臨床的実用性は、シクロスポリンAの臨床的有効用量とともに生じる腎臓毒性、高血圧、肝毒性、貧血、および胃腸過敏症などの副作用のために、実現されていない。シクロスポリンAに関連する毒性は、免疫抑制治療領域で働く多くの専門家によって、メカニズムに基づいていると信じられている(Lazarova et al.,「Cyclosporin A Analogues: Recent Advances」, Expert Opin. Ther. Patents, 13:1327-1332 (2003))。実際、改善された治療指数を有する新規なシクロスポリン類似体を発見する目標は、この30年にわたるこの薬物発見領域における顕著な努力にもかかわらず、まだ達成されていない(Bollinger et al.の米国特許第5,525,590号;Boelsterli et al.の米国特許第5,643,870号;Rich et al.の米国特許第5,639,852号;Duretteの米国特許第5,236,899号;Patchett et al.の米国特許第5,122,511号;Dumont et al.の米国特許第4,914,188号;Seebachの米国特許第4,771,122号;Wengerの米国特許第4,764,503号;Wengerの米国特許第4,396,542号;Ruegger et al.の米国特許第4,210,581号)。
【0004】
強力な免疫抑制活性および減少した毒性を有する新規なシクロスポリン類似体を見出すためのより最近の試みは、進行中であり、ISATX247などの化合物をもたらした。前臨床観測は、ISATX247が、移植拒絶の予防に対して市場においてすでに利用できるそのクラスにおけるその他の免疫抑制剤よりも有意により強力でかつ毒性が低いという潜在性を有することを示す。ISATX247は、移植手術後の器官拒絶の予防および乾癬の処置に対するフェーズII臨床試験にある(Abel et al.,「ISATX247: A Novel Calcineurin Inhibitor」, J. Heart Lung Transplant, 20:161 (2001); Aspeslet et al.,「ISATX247: A Novel Calcineurin Inhibitor」, Transplantation Proceedings, 33:1048-1051 (2001);Naicker et al.の米国特許第6,605,593号および第6,613,739号)。
【0005】
自己免疫疾患(Or et al.の国際特許刊行物国際公開公報第03/033010号)および喘息などの呼吸器疾患(Or et al.の国際特許刊行物国際公開公報第02/069902号)の処置に対して使用される免疫抑制性シクロスポリンA誘導体の毒性を最小にしようとする「ソフトな」薬物アプローチ(Lazarova et al.,「Synthesis and Biological Evaluation of Cyclosporin A Analogues: Potential Soft Drugs for the Treatment of Autoimmune Diseases」, J. Med. Chem., 46:674-676 (2003))も、最近記載されている。
【0006】
改善された治療指標を有する新規なシクロスポリン類似体が、いまだに大いに必要とされている。
【0007】
本発明は、これらの目的を達成することを目的とする。
【発明の開示】
【0008】
発明の概要
本発明の化合物は、以下に示されるような式Iによって示され、シス幾何異性体、トランス幾何異性体、もしくはシスおよびトランス幾何異性体の混合物、またはその薬学的に許容される塩である:

式中、
Xは、OHまたはOAcであり;
R0は、H、CH2OH、またはCH2OR3であり;
R1は、水素、重水素、またはメチルであり;
R2は、以下からなる群より選択され:
水素;
ハロゲン;
C1-C6飽和または不飽和の、直鎖または分岐炭素鎖;
重水素、ハロゲン、窒素、硫黄、およびシリコンからなる群より選択される置換または複数の置換を含む、C1-C6飽和または不飽和の、直鎖または分岐炭素鎖;
アルコール、エーテル、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、エステル、およびアミドからなる群より選択される官能基または複数の官能基を含む、C1-C6飽和または不飽和の、直鎖または分岐炭素鎖;
オキシムまたはヒドラゾンの官能基を含む、C1-C6飽和または不飽和の、直鎖または分岐炭素鎖;
アリールまたはヘテロアリール基を含む、C1-C6飽和または不飽和の、直鎖または分岐炭素鎖;
C3-C6置換および非置換シクロアルキル;
置換および非置換アリール;および
置換および非置換へテロアリール;かつ
R3は、以下からなる群より選択され:
アルカノイル、
アルケノイル、
アルキノイル、
アリールオイル、
アリールアルカノイル、
アルキルアミノカルボニル、
アリールアミノカルボニル、
アリールアルキルアミノカルボニル、
アルキルオキシカルボニル、
アリールオキシカルボニル、および
アリールアルキルオキシカルボニル。
【0009】
本発明は、シクロスポリンAの一位アミノ酸の側鎖上に炭素-炭素三重結合および任意で三位アミノ酸上に置換を含む化学的に修飾されたシクロスポリン類似体を開示する。特に、本発明は、シクロスポリンAの一位アミノ酸の側鎖上に炭素-炭素三重結合および炭素-炭素二重結合の接合システムを含む新規なシクロスポリン類似体を開示する。
【0010】
本発明は、免疫抑制剤として効果的である新規なシクロスポリン類似体を提供する。本発明のいくつかの化合物は、シクロスポリンAよりも強化された免疫抑制活性を保有する。これらの化合物は、眼アレルギーおよびドライアイ、ならびに喘息、慢性関節リウマチ、多発性硬化症、乾癬、および潰瘍性大腸炎などの自己免疫および慢性炎症性疾患の処置における実用性も保有する。
【0011】
発明の詳細な説明
本発明は、以下に示されるような式Iによって示される新規なシクロスポリン類似体を提供し、本化合物は、シス幾何異性体、トランス幾何異性体、もしくはシスおよびトランス幾何異性体の混合物、またはその薬学的に許容される塩である:

式中、
Xは、OHまたはOAcであり;
R0は、H、CH2OH、またはCH2OR3であり;
R1は、水素、重水素、またはメチルであり;
R2は、以下からなる群より選択され:
水素;
ハロゲン;
C1-C6飽和または不飽和の、直鎖または分岐炭素鎖;
重水素、ハロゲン、窒素、硫黄、およびシリコンからなる群より選択される置換または複数の置換を含む、C1-C6飽和または不飽和の、直鎖または分岐炭素鎖;
アルコール、エーテル、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、エステル、およびアミドからなる群より選択される官能基または複数の官能基を含む、C1-C6飽和または不飽和の、直鎖または分岐炭素鎖;
オキシムまたはヒドラゾンの官能基を含む、C1-C6飽和または不飽和の、直鎖または分岐炭素鎖;
アリールまたはヘテロアリール基を含む、C1-C6飽和または不飽和の、直鎖または分岐炭素鎖;
C3-C6置換および非置換シクロアルキル;
置換および非置換アリール;および
置換および非置換へテロアリール;かつ
R3は、以下からなる群より選択され:
アルカノイル、
アルケノイル、
アルキノイル、
アリールオイル、
アリールアルカノイル、
アルキルアミノカルボニル、
アリールアミノカルボニル、
アリールアルキルアミノカルボニル、
アルキルオキシカルボニル、
アリールオキシカルボニル、および
アリールアルキルオキシカルボニル。
【0012】
式Iの構造における波状結合は、炭素-炭素二重結合が、シス幾何異性体、トランス幾何異性体、またはシスおよびトランス幾何異性体両方の混合物であることを示す。
【0013】
本発明の一つの態様は、式Iの上記化合物であり、XはOHまたはOAcであり;R0はH、CH2OH、またはCH2OAcであり;R1はHまたはDであり;かつR2はHである。
【0014】
本発明の別の態様は、式Iの上記化合物であり、XはOHまたはOAcであり;R0はH、CH2OH、またはCH2OAcであり;R1はHまたはDであり;かつR2はCH3、CD3、CH2CH3、またはCH2CH2CH3である。
【0015】
本発明の別の態様は、式Iの上記化合物であり、XはOHまたはOAcであり;R0はH、CH2OH、またはCH2OAcであり;R1はHまたはDであり;かつR2は-CH=CH2、-CH=CHCH3、-C≡CH、または-C≡C-CH3である。
【0016】
本発明の別の態様は、式Iの上記化合物であり、XはOHまたはOAcであり;R0はH、CH2OH、またはCH2OAcであり;R1はHまたはDであり;かつR2はF、Cl、Br、またはIである。
【0017】
本発明の別の態様は、式Iの上記化合物であり、XはOHまたはOAcであり;R0はH、CH2OH、またはCH2OAcであり;R1はHまたはDであり;かつR2はシクロプロピルである。
【0018】
本発明の別の態様は、式Iの上記化合物であり、XはOHまたはOAcであり;R0はH、CH2OH、またはCH2OAcであり;R1はHまたはDであり;かつR2はCH2OH、CH(OH)CH3、CH2OCH3、CH2OCH2CH3、CHO、およびC(=O)CH3である。
【0019】
本発明の別の態様は、式Iの上記化合物であり、XはOHまたはOAcであり;R0はH、CH2OH、またはCH2OAcであり;R1はHまたはDであり;かつR2はCH=N-OCH3、CH=N-OCH2CH3、CH=N-NHCH3、またはCH=N-N(CH3)2である。
【0020】
本発明の別の態様は、式Iの上記化合物であり、XはOHまたはOAcであり;R0はHであり;R1はHであり;かつR2はH、CH3、Si(CH3)3である。
【0021】
本発明のその他の態様は、以下に示されるような式Iaによって示される新規なシクロスポリン類似体化合物を含む:

式中、
X=OHもしくはOAc;
R0=H;
R1=HもしくはD;かつ
R2=H、CH3、CD3、n-プロピル、n-ブチル、-CH2CH2CH2Cl、Si(CH3)3、Ph、p-ClC6H4-、2-ピリジニル、3-チオフェニル、シクロプロピル、シクロヘキシル、-CH2OH、-CH(OH)CH3、-CH2CH2OH、-CH(OH)CH2CH3、-CHO、-C(=O)CH3、-CH=CH2、-CH=CHCH3、-C(CH3)=CH2、-CH=CHI、Br、I、-CH2OCH3、-CH2OPh、-CH2OCH2CH=CH2、-CH2OCH2C≡CH、-CH2SCH2CH3、-CH2OCH2CO2But、-CH2OCH2CO2H、-CO2H、-CH2CH2CO2H、-CH=N-OCH3、もしくは-CH=N-N(CH3)2
または式中、
X=OHもしくはOAc;
R0=CH2OHもしくはCH2OAc;
R1=HもしくはD;かつ
R2=H、CH3、CD3、n-プロピル、Si(CH3)3、Br、-CH=CH2、3-チオフェニル、-CH2OH、-CH(OH)CH3、-CH2OCH3、-CH2SCH2CH3、-CH2OPh、-CH2OCH2C≡CH、シクロプロピル、もしくはシクロヘキシル。
【0022】
本発明のその他の態様は、以下に示されるような式Ibによって示される新規なシクロスポリン類似体化合物を含む:

式中、
X=OHまたはOAc;
R0=H;
R1=HまたはD;かつ
R2=H、CH3、Si(CH3)3
【0023】
特に、本発明は、シクロスポリンAの一位アミノ酸の側鎖上に炭素-炭素三重結合および任意で三位アミノ酸上に置換を含む新規なシクロスポリン類似体に関する。より詳しくは、本発明は、接合システムを含む新規なシクロスポリン類似体に関し、炭素-炭素二重結合と接合する炭素-炭素三重結合の官能基が組み入れられる。
【0024】
炭素-炭素三重結合は、多くの天然生成物に存在する(Gung et al.,「Total synthesis of (S)-(-)-(E)-15,16-Dihydrominquartynoic Acid: A Highly Potent Anticancer Agent」, J. Org. Chem., 69:3488-3492 (2004); Ito et al.,「Cytotoxic Polyacetylenes from the Twigs of Ochanostachys amentacea」, J. Nat. Prod., 64:246-248 (2001)、その全体が参照により本明細書に組み入れられる)。薬学的薬剤としてアルキンを使用することは周知である。しかしながら、炭素-炭素三重結合が、シクロスポリンAの一位アミノ酸の側鎖上の炭素-炭素二重結合を置換する唯一のシクロスポリンアルキンは、文献において公知である。残念ながら、この修飾は、シクロスポリンAの免疫抑制活性を有意に軽減し、この公知のシクロスポリンアルキンは、シクロスポリンAと比較して、10%のみの相対免疫抑制活性を示す(Rich et al.,「Synthesis, Conformation, and Immunosuppressive Activities of Three Analogues of Cyclosporin A Modified in the 1-Position」, J. Med. Chem., 33:999-1009 (1990)、その全体が参照により本明細書に組み入れられる)。対照的に、炭素-炭素三重結合および炭素-炭素二重結合の接合システムを含む本発明の新規なシクロスポリンアルキン類似体は、シクロスポリンAよりも強化された免疫抑制活性を保有する。
【0025】
本発明は、式Iによって示される化合物を調製するための方法も開示する。
【0026】
本発明の化合物の調製に対する出発物質は、シクロスポリンAである。シクロスポリンA、シクロウンデカペプチドの構造、および環における各々のアミノ酸に対する位置番号は、以下に示される:

【0027】
シクロスポリンAは、以下に示されるような式IIaによって示されてもよい:

【0028】
本発明の新規なシクロスポリン類似体は、シクロスポリンAまたはシクロスポリンジオール(式IIb)に由来し、主要な中間体は、シクロスポリンAの三位アミノ酸における修飾によって調製される。スキーム1において示されるように、シクロスポリンジオール中間体は、ホルムアルデヒドでの処置が後に続くリチウムジイソプロピルアミン(LDA)でのシクロプロリンの脱プロトン化によって調製され得る(Seebach et al,「Modification of Cyclosporin A: Generation of an Enolate at the Sarcosine Residue and Reaction with Electrophiles」, Helv. Chim. Acta, 76:1564-1590 (1993)、その全体が参照により本明細書に組み入れられる)。

【0029】
本発明の一つの態様に従って、新規なシクロスポリンアルキン類似体は、主要な段階としてスキーム2において概説されるパラジウム媒介カップリング(薗頭および根岸カップリングなど)を採用することによって調製され得る。オゾンによる二重結合の酸化開裂が後に続く、無水酢酸でのシクロスポリンA(式IIa)または式IIbのシクロスポリンジオール中間体のアセチル化は、円滑に式IIIのシクロスポリンアルデヒドを生成する。ヨードホルム-CrCl2複合体でのシクロスポリンアルデヒドの処置(Takai et al,「Simple and Selective Method for RCHO→(E)-RCH=CHX Conversion by Means of a CHX3-CrCl2 System」, J. Am. Chem. Soc., 108:7408-7410 (1986)、その全体が参照により本明細書に組み入れられる)は、排他的にトランス構造形において良好〜極めて優れた収率(50〜80%)で式IVaのシクロスポリンビニルヨウ化物を与える。様々なアルキンまたはアルキニル亜鉛試薬での式IVaのシクロスポリンビニルヨウ化物のパラジウム触媒カップリング(薗頭カップリングおよび根岸カップリングなど)は、高収率でトランス構造形において式Iaの新規なシクロスポリンアルキンを提供する。式Iaのシクロスポリンアルキンにおけるアセチル保護基は、メタノールにおける炭酸カリウムでの処置によって除去され得る(スキーム2を参照されたい)。

【0030】
同じ戦略を利用して、シクロスポリンアルキン類似体(式Ib)のシス-異性体が、スキーム3において示されるように、シクロスポリンビニルヨウ化物(式IVb)のシス-異性体を使用して調製され得る。リンイリド化学の応用(Wittig反応)によって、式IIIのシクロスポリンアルデヒドは、排他的にシス-異性体として式IVbのシクロスポリンビニルヨウ化物へと変換され得る。典型的には、リンイリドは、n-ブチルリチウムまたはビス(トリメチルシリル)アミドナトリウムなどの強塩基での対応するホスホニウム塩の処置によって生成され得る。様々なアルキンまたはアルキニル亜鉛試薬での式IVbのシクロスポリンビニルヨウ化物のパラジウム触媒カップリング(薗頭カップリングおよび根岸カップリングなど)は、シス-構造形において式Ibの新規なシクロスポリンアルキンを提供する。脱アセチル化は、スキーム2において上に記載されるのと同じ条件下で実施される。

【0031】
本発明の別の態様に従って、シクロスポリンアルキン類似体は、スキーム4において示されるように、リン化学の応用(Wittig反応など)によって調製され得る。この化学は、式IIIのシクロスポリンアルデヒドを、分離するのが難しい、式Iのシクロスポリンアルキン類似体のシスおよびトランス幾何異性体の混合物へ変換する。典型的には、WittigまたはHorner-Emmons条件下のリンイリド種は、n-ブチルリチウムまたはビス(トリメチルシリル)アミドナトリウムなどの強塩基での様々なホスホニウム塩またはホスホン酸塩の処置によって生成される。脱アセチル化は、スキーム2において記載されるのと同じ条件下で実施される。

【0032】
本発明において開示される化合物は、免疫抑制剤として特に有用である。これらの化合物の投与は、器官移植患者における免疫応答を抑制し、したがって、同種移植拒絶を予防する。本発明の化合物は、シクロスポリンAよりも強化された免疫抑制活性を保有する。例えば、図1において示されるように、実施例5において開示される新規なシクロスポリンアルキン類似体化合物は、ISATX247よりも最大2倍強力に(IC50によって決定されるように)かつシクロスポリンAと比較して3または4倍まで活性がある免疫抑制活性を示すが、実施例33において開示されるシクロスポリンアルキン類似体化合物は、コンカナバリンA(ConA)刺激マウス脾細胞アッセイにおいて、シクロスポリンAよりも最大2倍さらに活性があり、かつISATX247と同程度に強力である。表1は、本出願において開示されるいくつかの新規なシクロスポリンアルキン類似体化合物の免疫抑制活性を示す。(表1における第三カラムは、比較のために含まれるシクロスポリンA陽性対照値を含む)。
【0033】
(表1)本発明の新規なシクロスポリンアルキン類似体化合物の免疫抑制活性

【0034】
本発明において開示される化合物は、いくつかを挙げると、喘息、慢性関節リウマチ、多発性硬化症、乾癬、および潰瘍性大腸炎などの自己免疫および慢性炎症性疾患の処置における実用性も保有する。
【0035】
加えて、本発明において開示される化合物は、眼アレルギーおよびドライアイの処置に対して有用である。Allerganは、涙液産生が眼炎症のために抑制されていると推定される患者における乾性角結膜炎または慢性ドライアイ症候群の処置のためのレスタシス(商標)(シクロスポリン点眼乳液)と呼ばれるシクロスポリンAの局所製剤を現在販売している。レスタシス(商標)の正確なメカニズムは未知であるが、抗炎症効果を有する免疫賦活剤として作用すると考えられる(「Annual Update 2003: Ophthalmic Drugs」, Drugs of the Future, 28(3): 287-307 (2003); Clark et al.,「Ophthalmic Drug Discovery」, Nature Reviews in Drug Discovery, 2:448-459 (2003)、その全体が参照により本明細書に組み入れられる)。
【0036】
上述の疾患の処置に対して、本発明の化合物の治療的有効用量は、従来的な非毒性の薬学的に許容される担体、アジュバント、および媒体を含む投薬単位製剤において、経口で、局所的に、非経口で、吸入スプレーによって、または経直腸的に投与され得る。本明細書において使用されるような非経口という語は、皮下注射、静脈内、筋内、胸骨内注射、または輸液技術を含む。
【0037】
活性成分を含む薬学的組成物は、例えば錠剤、トローチ、薬用キャンディー、水性もしくは油性懸濁液、分散性粉末もしくは顆粒、乳液、硬もしくは軟カプセル、またはシロップもしくはエリキシル剤としてなど、経口使用に適した形態であり得る。本発明の薬学的組成物は、一つまたは複数の薬学的に許容される担体と共に製剤される活性成分を含む。本明細書において使用されるように、「薬学的に許容される担体」という語は、非毒性、不活性固体、半固体、もしくは液体充填剤、希釈剤、封入物質、または任意の型の製剤補助剤を意味する。薬学的に許容される担体のいくつかの例は、ラクトース、グルコース、およびスクロースなどの糖;コーンスターチまたはポテトスターチなどのスターチ;セルロースならびにカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、および酢酸セルロースなどのその誘導体;粉末トラガカント;モルト;ゼラチン;タルク;ココアバターおよび坐薬ワックスなどの賦形剤;ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油、および大豆油などの油;プロピレングリコールなどのグリコール;オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルなどのエステル;アガー;水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;アルギン酸;ピロゲンフリー水;等張生理食塩水;リンガー溶液;エチルアルコール;リン酸バッファー溶液;ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムなどの非毒性、適合潤滑剤;ならびに着色剤、放出剤、甘味剤、ならびに香味および香料剤である。エチルまたはn-プロピルp-ヒドロキシベンゾエートなどの保存剤および抗酸化剤が、薬学的組成物に含まれてもよい。
【0038】
本発明において開示される化合物の局所または経皮的投与に対する投薬形態は、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、硬膏、パップ、粉末、溶液、スプレー、吸入、またはパッチを含む。活性構成要素は、必要とされ得るように、薬学的に許容される担体および任意の必要とされる保存剤またはバッファーと滅菌条件下で混和される。軟膏、ペースト、クリーム、およびゲルは、本発明の活性化合物に加えて、動物および植物脂肪、油、ワックス、パラフィン、スターチ、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコン、ベントナイト、ケイ酸、タルク、ならびに酸化亜鉛、またはその混合物などの賦形剤を含み得る。
【0039】
鼻腔投与に対して、本発明において開示される化合物は、鼻腔アプリケーターから、適した液体または粉末形態で投与され得る。眼科使用に適した形態は、当技術分野において公知のように、ローション、チンキ剤、ゲル、軟膏、および眼科挿入剤(inserts)を含むと思われる。直腸投与(結腸の局所治療)に対して、本発明の化合物は、坐薬または浣腸剤形態で、特に溶液において、例えば停留浣腸としての使用に対する植物油においてまたは油性システムにおいて投与され得る。
【0040】
本発明において開示される化合物は、ネブライザー形態でまたは乾燥粉末として、吸入経路によって肺に送達され得る。喘息ならびに気道閉塞および/または慢性鼻腔炎のその他の疾患の処置における、全身経路を超える吸入経路の利点は、患者が非常に少ない量の薬物に曝露され、かつ化合物が作用の部位に直接的に送達されることである。
【0041】
本発明において同定される病弊の処置に対して採用される本発明の化合物の投薬は、処置の部位、処置される特定の状態、状態の重症度、処置される被験者(体重、年齢、全般的健康、性別、およびその他の因子において変化し得る)、ならびに望ましい効果に依存して変化すると思われる。
【0042】
1日あたり、体重のキログラムあたり約0.05 mg〜約50 mgの範囲である投薬レベルが、本発明において同定される状態または疾患の処置に対して有用である。これは、投与される本発明において開示される化合物の量が、1日あたり、患者あたり2.5 mg〜約2.5 gmの範囲であると思われることを意味する。
【0043】
単一の投薬形態を産生するために薬学的担体物質と組み合わせられ得る活性成分の量は、処置される宿主および投与の特定の様式に依存して変化すると思われる。例えば、ヒトの経口投与を目的とする製剤は、総組成物の約5〜95パーセントまで変化し得る適当かつ好都合な量の担体物質と調合される、2.5 mg〜2.5gmの本発明の活性化合物を含み得る。投薬単位形態は、概して、約5 mg〜約500 mgの間の本発明の活性化合物を含むと思われる。局所調製の投薬量は、概して、経口調製物に対して必要とされる用量よりも少ないと思われる(10分の1〜100分の1)。
【0044】
実施例
実施例1 - シクロスポリンアセテートの調製
塩化メチレン(40 mL)におけるシクロスポリンA(5.0 g、4.16 mmol)、無水酢酸(7.80 mL、83.2 mmol)、およびDMAP(760 mg、6.2 mmol)の溶液は、N2空気下で室温でオーバーナイトで攪拌された。飽和重炭酸ナトリウム溶液(200 mL)が溶液に添加され、さらに2時間攪拌された。混合物を、エーテルで抽出し、1 N HClで洗浄し、飽和重炭酸ナトリウム溶液で中和し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空で濃縮し、白色固体としてシクロスポリンアセテート(4.92 g、95%)を得た。

【0045】
実施例2 - アセチルシクロスポリンアルデヒドの調製
オゾンは、青色が発色するまで、-78℃で塩化メチレン(70 mL)における実施例1からのシクロスポリンアセテート(3.0 g、2.4 mmol)の溶液へとバブリングされた。混合物は、数分間窒素で脱気され、ジメチルスルフィド(3 mL)が、-78℃で添加された。反応混合物は、室温まで加温することを可能にされ、3時間攪拌された。反応混合物を、真空で濃縮し、残留物は酢酸エチル(300 mL)に溶解し、水(2×70 mL)およびブライン(70 mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空で濃縮し、白色固体としてアセチルシクロスポリンアルデヒド(2.79 g、94%)を得た。クルードは、さらなる精製をともなわずに次の段階へ持ち越された。

【0046】
実施例3 - トランスアセチルシクロスポリンビニルヨウ化物の調製
THF(25 mL)における塩化クロミウム(II)(1.0 g、8.2 mmol)の氷冷懸濁液に、THF(25 mL)における実施例2からのアセチルシクロスポリンアルデヒド(0.50 g、0.41 mmol)およびヨードホルム(1.29 g、3.28 mmol)の溶液が添加された。0℃で7時間後、反応混合物は、氷水(50 mL)に注がれた。水層は、酢酸エチル(3×60 mL)で抽出された。組み合わせられた有機物は、無水硫酸ナトリウム上で乾燥され、かつ濃縮された。物質を、セミ分取HPLCによって精製し、白色固体としてトランスアセチルシクロスポリンビニルヨウ化物(290 mg、52%)を得た。

【0047】
実施例4 - シクロスポリンアルキンのアセテートの調製
Et3N(3 mL)における実施例3からのアセチルシクロスポリンビニルヨウ化物(90 mg、0.066 mmol)、CuI(6 mg、0.033 mmol)、およびPdCl2(PPh3)2(23 mg、0.033 mmol)の混合物は、N2空気下で室温で攪拌された。次いで、反応混合物は、(トリメチルシリル)アセチレン(65 mg、0.66 mmol)で処置された。反応は、室温で3時間攪拌された。溶液は、マイクロフィルターを介して濾過され、次いで、真空で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、オフホワイト固体としてシクロスポリンアルキンのアセテート(37 mg、42%)を得た。

【0048】
実施例5 - シクロスポリンアルキンの調製
メタノール(2 mL)における実施例4からのシクロスポリンアルキンのアセテート(37 mg、0.02 mmol)の溶液は、室温で攪拌された。反応混合物は、炭酸カリウム(30 mg、0.21 mmol)で処置され、オーバーナイトでN2空気下で攪拌し続けることを可能にされた。混合物を、酢酸エチルで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム溶液およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空で濃縮した。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、白色固体としてシクロスポリンアルキン(15 mg、45%)を得た。

【0049】
実施例6 - シクロスポリンアルキンの調製
攪拌および窒素下での1-プロピニルマグネシウム臭化物の溶液(7.3 mL、THFにおける0.5 M、3.6 mmol)に、塩化亜鉛(3.6 mL、エーテルにおける1 M、3.6 mmol)が添加された。室温で30分後、THF(5 mL)における実施例3からのアセチルシクロスポリンビニルヨウ化物(500 mg、0.36 mmol)の溶液が添加され、その後ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(258 mg、0.36 mmol)が続いた。室温で18時間後、減圧下で溶剤が除去された。粗物質を、セミ分取HPLCによって精製し、淡黄色固体としてシクロスポリンアルキンのアセテート(335 mg、71%)を得た。

【0050】
メタノール(10 mL)における上記シクロスポリンアルキン(335 mg、0.26 mmol)の攪拌溶液に、室温で炭酸カリウム(360 mg、2.6 mmol)が添加された。18時間後、酢酸エチル(100 mL)および水(50 mL)が添加された。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空下で濃縮し、粗生成物を得た。物質は、セミ分取HPLCによって精製し、オフホワイト固体としてシクロスポリンアルキン(53 mg、16%)を得た。

【0051】
実施例7 - 1-(トリメチルシリル)プロピン-d3の調製
トリメチルシリルアセチレン(4.9 mL、34.5 mmol)が、THF(20 mL)に溶解され、-78℃まで冷却された。n-BuLi(15.2 mL、ヘキサンにおける2.5 M、38 mmol)が、滴下形式で反応に添加され、-78℃で0.5時間攪拌された。ヨードメタン-d3(5.0 g、38 mmol)が、滴下形式で反応に添加された。結果として生じた混合物は、1時間にわたって室温まで加温された。反応は水でクエンチされ、エチルエーテル(3×100 mL)で抽出された。組み合わせられた有機物は、水、ブラインで洗浄され、硫酸ナトリウム上で乾燥され、溶剤のほとんどを除去するために短経路蒸留セットアップを使用して蒸留された。残留物を、小さなフラスコへ移し、蒸留し、無色油として1-(トリメチルシリル)プロピン-d3(1.8 g、32%)を得た。

【0052】
実施例8 - 重水素化シクロスポリンアルキンの調製
実施例7からの1-(トリメチルシリル)プロピン-d3(64 mg、0.5mmol)は、Et3N(3 mL)に溶解され、0℃まで冷却された。溶液は、Bu4NF(0.66 mL、THFにおける1 M、0.66 mmol)で処置され、10分間N2空気下で0℃で攪拌された。反応は、室温まで加温された。加温の後、反応混合物は、実施例3からのアセチルシクロスポリンビニルヨウ化物(75 mg、0.05 mmol)、CuI(5 mg、0.02 mmol)、およびPdCl2(PPh3)2(19 mg、0.02 mmol)で処置された。反応は、室温で3時間攪拌し続けられた。溶液は、マイクロフィルターを介して濾過され、次いで、真空で濃縮された。
【0053】
上記粗生成物(32 mg、0.025 mmol)は、メタノール(2 mL)に溶解され、室温で攪拌された。反応混合物は、炭酸カリウム(35 mg、0.25 mmol)で処置され、オーバーナイトでN2空気下で攪拌が続けられた。混合物を、酢酸エチルで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム溶液およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空で濃縮した。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、白色固体として重水素化シクロスポリンアルキン(15 mg、50%)を得た。

【0054】
実施例9 - トランス-シクロスポリンビニルヨウ化物の調製
メタノール(20 mL)における実施例3からのトランス-アセチルシクロスポリンビニルヨウ化物(200 mg、0.15 mmol)の攪拌溶液に、室温で炭酸カリウム(518 mg、3.75 mmol)が添加された。室温で12時間後、メタノールは蒸発させられた。水(30 mL)が添加され、混合物は酢酸エチル(3×80 mL)で抽出された。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空下で濃縮し、粗生成物を得た。物質を、セミ分取HPLCによって精製し、白色固体としてトランス-シクロスポリンビニルヨウ化物(125 mg、63%)を得た。

【0055】
実施例10 - シクロスポリンアルキンの調製
Et3N(3 mL)における実施例9からのシクロスポリンビニルヨウ化物(82 mg、0.062 mmol)、CuI(6 mg、0.031 mmol)、およびPdCl2(PPh3)2(22 mg、0.031 mmol)の混合物は、N2空気下で室温で攪拌された。次いで、反応混合物は、(トリメチルシリル)アセチレン(61 mg、0.62 mmol)で処置された。反応は、室温で3時間攪拌された。溶液は、マイクロフィルターを介して濾過され、次いで、真空で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、オフホワイト固体としてシクロスポリンアルキン(30 mg、37%)を得た。

【0056】
実施例11 - シクロスポリンアルキンの調製
実施例4からのシクロスポリンアルキンのアセテート(488 mg、0.52 mmol)は、THF(10 mL)に溶解され、0℃まで冷却された。溶液は、Bu4NF(6.3 mL、THFにおける1 M、6.3 mmol)で処置され、N2空気下で20分間攪拌された。反応は、飽和重炭酸ナトリウム溶液でクエンチされ、室温まで加温された。反応混合物は、酢酸エチル(3×100 mL)で抽出された。組み合わせられた有機層を、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空で濃縮した。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、オフホワイト固体としてシクロスポリンアルキン(231 mg、50%)を得た。

【0057】
実施例12 - シクロスポリンアルキニルヨウ化物のアセテートの調製
THF(3 mL)における実施例11からのシクロスポリンアルキン(65 mg、0.05 mmol)およびCuI(100 mg、0.52 mmol)の混合物は、-15℃まで冷却された。ビス-(トリメチルシリル)ペルオキシド(90 mg、0.52 mmol)が、N2空気下で滴下形式で反応に添加された。反応は、15分間-15℃で攪拌し続けられ、次いで、室温まで加温された。反応は、50℃まで加熱され、オーバーナイトで攪拌された。反応混合物は、THFで希釈され、塩化アンモニウムの飽和溶液で洗浄され、ブラインで洗浄され、硫酸ナトリウム上で乾燥され、真空で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、オフホワイト固体としてシクロスポリンアルキニルヨウ化物のアセテート(8 mg、11%)を得た。

【0058】
実施例13 - シクロスポリンアルキニルヨウ化物の調製
メタノール(1 mL)における実施例12からのシクロスポリンアルキニルヨウ化物のアセテート(8 mg、0.006 mmol)の溶液は、室温で攪拌された。反応混合物は、炭酸カリウム(20 mg、0.14 mmol)で処置され、オーバーナイトでN2空気下で攪拌が続けられた。混合物を、酢酸エチルで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム溶液およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空で濃縮した。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、白色固体としてシクロスポリンアルキニルヨウ化物(3.2 mg、46%)を得た。

【0059】
実施例14 - シクロスポリンアルキニル臭化物のアセテートの調製
THF(4 mL)における実施例11からのシクロスポリンアルキン(96 mg、0.08 mmol)およびCuBr(328 mg、2.3 mmol)の溶液は、-15℃まで冷却された。ビス(トリメチルシリル)ペルオキシド(408 mg、2.3 mmol)が、N2空気下で、滴下形式で反応に添加された。反応混合物は、20分間-15℃で攪拌し続けられ、次いで、室温まで加温することを可能にされ、さらに5時間攪拌された。反応は、飽和塩化アンモニウム溶液でクエンチされ、酢酸エチルで抽出された。有機層は、ブラインで洗浄され、硫酸ナトリウム上で乾燥され、真空で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、オフホワイト固体としてシクロスポリンアルキニル臭化物のアセテート(19 mg、69%)を得た。

【0060】
実施例15 - シクロスポリンアルキニル臭化物の調製
メタノール(2 mL)における実施例14からのシクロスポリンアルキニル臭化物のアセテート(19 mg、0.01 mmol)の溶液は、室温で攪拌された。反応混合物は、炭酸カリウム(30 mg、0.22 mmol)で処置され、オーバーナイトでN2空気下で攪拌が続けられた。混合物は、酢酸エチルで希釈され、飽和重炭酸ナトリウム溶液およびブラインで洗浄され、硫酸ナトリウム上で乾燥され、真空で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、白色固体としてシクロスポリンアルキニル臭化物(8 mg、43%)を得た。

【0061】
実施例16 - シクロスポリンアルキニルアミンのアセテートの調製
Et3N(3 mL)における実施例3からのアセチルシクロスポリンビニルヨウ化物(60 mg、0.044 mmol)、CuI(4 mg、0.022 mmol)、およびPdCl2(PPh3)2(15 mg、0.022 mmol)の混合物は、N2空気下で室温で攪拌された。次いで、反応混合物は、N-メチルプロパルギルアミン(30 mg、0.44 mmol)で処置された。反応は、室温で6時間攪拌された。溶液はマイクロフィルターを介して濾過され、次いで、真空で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、オフホワイト固体としてシクロスポリンアルキニルアミンのアセテート(9.5 mg、17%)を得た。

【0062】
実施例17 - シクロスポリンアルキニルアミンの調製
メタノール(2 mL)における実施例16からのシクロスポリンアルキニルアミンのアセテート(9.5 mg、0.007 mmol)の溶液は、室温で攪拌された。反応混合物は、炭酸カリウム(11 mg、0.07 mmol)で処置され、オーバーナイトでN2空気下で攪拌が続けられた。混合物を、酢酸エチルで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム溶液およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空で濃縮した。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、白色固体としてシクロスポリンアルキニルアミン(4.5 mg、49%)を得た。

【0063】
実施例18 - シクロスポリンアルキニルアミンのアセテートの調製
Et3N(3 mL)における実施例3からのアセチルシクロスポリンビニルヨウ化物(60 mg、0.044 mmol)、CuI(4 mg、0.022 mmol)、およびPdCl2(PPh3)2(15 mg、0.022 mmol)の混合物は、N2空気下で室温で攪拌された。次いで、反応混合物は、1-(ジメチルアミノ)-2-プロピン(38 mg、0.44 mmol)で処置された。反応は、室温で6時間攪拌させた。溶液は、マイクロフィルターを介して濾過され、次いで、真空で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、オフホワイト固体としてシクロスポリンアルキニルアミンのアセテート(33 mg、56%)を得た。

【0064】
実施例19 - シクロスポリンアルキニルアミンの調製
メタノール(3 mL)における実施例18からのシクロスポリンアルキニルアミンのアセテート(33 mg、0.02 mmol)の溶液は、室温で攪拌された。反応混合物は、炭酸カリウム(34 mg、0.2 mmol)で処置され、オーバーナイトでN2空気下で攪拌が続けられた。混合物を、酢酸エチルで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム溶液およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空で濃縮した。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、白色固体としてシクロスポリンアルキニルアミン(17 mg、55%)を得た。

【0065】
実施例20 - シクロスポリンアルキニルアルコールのアセテートの調製
Et3N(5 mL)における実施例3からのアセチルシクロスポリンビニルヨウ化物(300 mg、0.22 mmol)、CuI(21 mg、0.11 mmol)、およびPdCl2(PPh3)2(39 mg、0.055 mmol)の混合物は、N2空気下で室温で攪拌された。次いで、反応混合物は、プロパルギルアルコール(124 mg、2.2 mmol)で処置された。反応は、室温で3時間攪拌させた。溶液は、マイクロフィルターを介して濾過され、次いで、真空で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、オフホワイト固体としてシクロスポリンアルキニルアルコールのアセテート(100 mg、36%)を得た。

【0066】
実施例21 - シクロスポリンアルキニルアルコールの調製
メタノール(2 mL)における実施例20からのシクロスポリンアルキニルアルコールのアセテート(32 mg、0.025 mmol)の溶液は、室温で攪拌された。反応混合物は、炭酸カリウム(38 mg、0.27 mmol)で処置され、オーバーナイトでN2空気下で攪拌が続けられた。混合物は、酢酸エチルで希釈され、飽和重炭酸ナトリウム溶液およびブラインで洗浄され、硫酸ナトリウム上で乾燥され、真空で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、白色固体としてシクロスポリンアルキニルアルコール(21 mg、68%)を得た。

【0067】
実施例22 - シクロスポリンアルキニルアルデヒドの調製
実施例20からのシクロスポリンアルキニルアルコールのアセテート(100 mg、0.77 mmol)、N-メチルモルホリンN-オキシド(14 mg、0.121 mmol)、4Å分子篩(200 mg)の混合物は、塩化メチレン(2 mL)に溶解された。混合物は、過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム(3 mg、0.008 mmol)で処置され、N2空気下で室温で攪拌された。混合物は、2時間攪拌し続けられ、次いで、シリカゲルのパッドを介して濾過された。濾液は、真空で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、オフホワイト固体としてシクロスポリンアルキニルアルデヒド(88 mg、89%)を得た。

【0068】
実施例23 - トランス-シクロスポリンビニルヨウ化物のアセテートの調製
THF(3 mL)における実施例22からのシクロスポリンアルキニルアルデヒド(87 mg、0.068 mmol)およびヨードホルム(232 mg、0.68 mmol)の溶液は、-78℃まで冷却された。冷却の後、乾燥Cr(II)Cl2(165 mg、1.35 mmol)が、反応に添加された。反応混合物は、0℃まで加温することを可能にされ、4時間N2空気下で攪拌された。混合物は、氷水に注がれ、酢酸エチル(3×100 mL)で抽出された。組み合わせられた有機層は、ブラインで洗浄され、硫酸ナトリウム上で乾燥され、真空で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、オフホワイト固体としてトランス-シクロスポリンビニルヨウ化物のアセテート(18 mg、19%)を得た。

【0069】
実施例24 - シクロスポリンビニルヨウ化物の調製
メタノール(1 mL)における実施例23からのシクロスポリンビニルヨウ化物のアセテート(18 mg、0.012 mmol)の溶液は、室温で攪拌された。反応混合物は、炭酸カリウム(50 mg、0.36 mmol)で処置され、オーバーナイトでN2空気下で攪拌が続けられた。混合物は、酢酸エチルで希釈され、飽和重炭酸ナトリウム溶液およびブラインで洗浄され、硫酸ナトリウム上で乾燥され、真空で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、白色固体としてシクロスポリンビニルヨウ化物(7.5 mg、44%)を得た。

【0070】
実施例25 - シクロスポリンアルキニルアルコールのアセテートの調製
Et3N(3 mL)における実施例3からのアセチルシクロスポリンビニルヨウ化物(75 mg、0.055 mmol)、CuI(11 mg、0.055 mmol)、およびPdCl2(PPh3)2(39 mg、0.055 mmol)の溶液は、N2空気下で室温で攪拌された。次いで、反応混合物は、3-ブチン-2-オール(39 mg、0.55 mmol)で処置された。反応は、室温で6時間攪拌させた。溶液は、マイクロフィルターを介して洗浄され、次いで、真空で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、オフホワイト固体としてシクロスポリンアルキニルアルコールのアセテート(15 mg、21%)を得た。

【0071】
実施例26 - シクロスポリンアルキニルアルコールの調製
メタノール(1 mL)における実施例25からのシクロスポリンアルキニルアルコールのアセテート(15 mg、0.011 mmol)の溶液は、室温で攪拌された。反応混合物は、炭酸カリウム(17 mg、0.13 mmol)で処置され、オーバーナイトでN2空気下で攪拌が続けられた。混合物を、酢酸エチルで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム溶液およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空で濃縮した。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、白色固体としてシクロスポリンアルキニルアルコール(5 mg、36%)を得た。

【0072】
実施例27 - シクロスポリンエン-イン-エン(ene-yne-ene)の調製
実施例25からのシクロスポリンアルキニルアルコールのアセテート(135 mg、0.10 mmol)は、ベンゼン(4 mL)に溶解され、N2空気下で攪拌された。溶液は、Burgess試薬(98 mg、0.40 mmol)で処置され、5時間60℃で攪拌された。混合物は、エチルエーテルで希釈され、水およびブラインで洗浄され、硫酸ナトリウム上で乾燥され、真空で濃縮された。
【0073】
上記粗生成物(68 mg、0.053 mmol)は、メタノール(3 mL)に溶解され、室温で攪拌された。反応混合物は、炭酸カリウム(60 mg、0.43 mmol)で処置され、オーバーナイトでN2空気下で攪拌が続けられた。混合物は、酢酸エチルで希釈され、飽和重炭酸ナトリウム溶液およびブラインで洗浄され、硫酸ナトリウム上で乾燥され、真空で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、白色固体としてシクロスポリンエン-イン-エン(47 mg、72%)を得た。

【0074】
実施例28 - シクロスポリンエン-イン-エンの調製
トリエチルアミン(6 mL、脱気)における実施例3からのトランス-アセチルシクロスポリンビニルヨウ化物(130 mg、0.095 mmol)の攪拌溶液に、1-ペンチン-3-オール(80 mg、0.95 mmol)、ヨウ化銅(I)(18 mg、0.095 mmol)、およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(67 mg、0.095 mmol)が添加された。窒素下で室温で18時間後、混合物は、0.2μmシリンジフィルターを介して濾過され、減圧下で溶剤が除去された。粗物質を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、1:1アセトン/ヘキサン)によって精製し、帯黄色油としてシクロスポリンアルキニルアルコール(150 mg、NMRにより〜80%純度)を得た。

【0075】
攪拌および窒素下で、ベンゼン(15 mL)における上記シクロスポリンアルキニルアルコール(150 mg、0.11 mmol)の溶液に、Burgess試薬(135 mg、0.57 mmol)が添加された。混合物は、2時間60℃で攪拌された。MSモニタリングが、ある程度の出発物質をまだ示したので、ある程度のBurgess試薬(135 mg、0.57 mmol)が添加され、反応は、2時間60℃で攪拌された。冷却の後、反応は酢酸エチル(100 mL)で抽出され、水で洗浄された。有機層が分離され、無水硫酸ナトリウム上で乾燥され、真空下で濃縮され、シクロスポリンエン-イン-エンのアセテート(38 mg)を与え、精製をともなわずに持ち越された:ESI MS m/z 1295 [C68H115N11O13+H]+
【0076】
メタノール(3 mL)における上記シクロスポリンエン-イン-エンのアセテート(38 mg、0.029 mmol)の攪拌溶液に、室温で炭酸カリウム(30 mg、0.21 mmol)が添加された。18時間後、酢酸エチル(100 mL)および水(50 mL)が添加された。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空下で濃縮し、粗生成物を得た。物質を、セミ分取HPLCによって精製し、シスおよびトランス異性体の混合物(黄色油)としてシクロスポリンエン-イン-エン(3.1 mg、8%)を得た。

【0077】
実施例29 - シクロスポリンエン-イン-エンの調製
トリエチルアミン(4 mL、脱気)における実施例3からのトランス-アセチルシクロスポリンビニルヨウ化物(50 mg、0.036 mmol)の攪拌溶液に、2-メチル-1-ブテン-3-イン(24 mg、0.36 mmol)、ヨウ化銅(I)(7 mg、0.036 mmol)、およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(26 mg、0.036 mmol)が添加された。窒素下で室温で18時間後、混合物は、0.2μmシリンジフィルターを介して濾過され、減圧下で溶剤が除去された。粗物質を、セミ分取HPLCによって精製し、帯黄色油としてシクロスポリンエン-イン-エンのアセテート(31 mg、65%):ESI MS m/z 1295 [C68H115N11O13+H]+を得た。
【0078】
メタノール(3 mL)における上記シクロスポリンエン-イン-エンのアセテート(31 mg、0.02 mmol)の攪拌溶液に、室温で炭酸カリウム(35 mg、0.25 mmol)が添加された。18時間後、酢酸エチル(100 mL)および水(50 mL)が添加された。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空下で濃縮し、粗生成物を得た。物質を、セミ分取HPLCによって精製し、帯黄色油としてシクロスポリンエン-イン-エン(14 mg、46%)を得た。

【0079】
実施例30 - シクロスポリンアルキニルアルコールのアセテートの調製
Et3N(3 mL)における実施例3からのアセチルシクロスポリンビニルヨウ化物(70 mg、0.051 mmol)、CuI(5 mg、0.026 mmol)、およびPdCl2(PPh3)2(18 mg、0.026 mmol)の混合物は、N2空気下で室温で攪拌された。次いで、反応混合物は、3-ブチン-1-オール(37 mg、0.51 mmol)で処置された。反応は、室温で4時間攪拌させた。溶液は、マイクロフィルターを介して濾過され、次いで、真空で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、オフホワイト固体としてシクロスポリンアルキニルアルコールのアセテート(52 mg、78%)を得た。

【0080】
実施例31 - シクロスポリンアルキニルアルコールの調製
メタノール(2 mL)における実施例30からのシクロスポリンアルキニルアルコールのアセテート(52 mg、0.04 mmol)の溶液は、室温で攪拌された。反応混合物は、炭酸カリウム(60 mg、0.43 mmol)で処置され、オーバーナイトでN2空気下で攪拌が続けられた。混合物は、酢酸エチルで希釈され、飽和重炭酸ナトリウム溶液およびブラインで洗浄され、硫酸ナトリウム上で乾燥され、真空で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、白色固体としてシクロスポリンアルキニルアルコール(22 mg、44%)を得た。

【0081】
実施例32 - シクロスポリンシクロプロピルアルキンのアセテートの調製
Et3N(3 mL)におけるシクロプロピル(トリメチルシリル)アセチレン(76 mg、0.55 mmol)の溶液は、0℃まで冷却された。溶液は、Bu4NF(0.66 mL、THFにおける1 M、0.66 mmol)で処置され、10分間N2空気下で0℃で攪拌させた。反応は、室温まで加温させた。加温の後、反応混合物は、実施例3からのアセチルシクロスポリンビニルヨウ化物(75 mg、0.05 mmol)、CuI(5 mg、0.02 mmol)、およびPdCl2(PPh3)2(19 mg、0.02 mmol)で処置された。反応は、室温で3時間攪拌し続けられた。溶液は、マイクロフィルターを介して濾過され、次いで、真空で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、オフホワイト固体としてシクロスポリンシクロプロピルアルキンのアセテート(58 mg、82%)を得た。

【0082】
実施例33 - シクロスポリンシクロプロピルアルキンの調製
メタノール(3 mL)における実施例32からのシクロスポリンシクロプロピルアルキンのアセテート(58 mg、0.044 mmol)の溶液は、室温で攪拌された。反応混合物は、炭酸カリウム(90 mg、0.65 mmol)で処置され、オーバーナイトでN2空気下で攪拌が続けられた。混合物を、酢酸エチルで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム溶液およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空で濃縮し、オフホワイト固体としてシクロスポリンシクロプロピルアルキン(27 mg、48%)を得た。

【0083】
実施例34 - シクロスポリンアルキンのアセテートの調製
Et3N(2 mL)における実施例3からのアセチルシクロスポリンビニルヨウ化物(100 mg、0.073 mmol)、CuI(7 mg、0.037 mmol)、およびPdCl2(PPh3)2(26 mg、0.037 mmol)の混合物は、N2空気下で室温で攪拌された。次いで、反応混合物は、シクロヘキシルアセチレン(80 mg、0.737 mmol)で処置された。反応は、室温で6時間攪拌させた。溶液は、シリカゲルの短パッドを介して濾過され、次いで、真空で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、薄茶色固体としてシクロスポリンアルキンのアセテート(75 mg、76%)を得た。

【0084】
実施例35 - シクロスポリンアルキンの調製
メタノール(2 mL)における実施例34からのシクロスポリンアルキンのアセテート(76 mg、0.057 mmol)の溶液は、室温で攪拌された。反応混合物は、炭酸カリウム(40 mg、0.29 mmol)で処置され、オーバーナイトでN2空気下で攪拌が続けられた。混合物は、酢酸エチルで希釈され、飽和重炭酸ナトリウム溶液およびブラインで洗浄され、硫酸ナトリウム上で乾燥され、真空で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、白色固体としてシクロスポリンアルキン(29 mg、39%)を得た。

【0085】
実施例36 - シクロスポリンアルキンの調製
トリエチルアミン(3 mL、脱気)における実施例3からのトランス-アセチルシクロスポリンビニルヨウ化物(50 mg、0.036 mmol)の攪拌溶液に、フェニルアセチレン(37 mg、0.36 mmol)、ヨウ化銅(I)(7.0 mg、0.036 mmol)、およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(26 mg、0.036 mmol)が添加された。窒素下で室温で18時間後、混合物は、0.2μmシリンジフィルターを介して濾過され、減圧下で溶剤が除去された。粗物質を、セミ分取HPLCによって精製し、帯黄色油としてシクロスポリンアルキンのアセテート(34 mg、69%):ESI MS m/z 1331 [C71H115N11O13+H]+を得た。
【0086】
メタノール(3 mL)における上記シクロスポリンアルキンのアセテート(34 mg、0.02 mmol)の攪拌溶液に、室温で炭酸カリウム(30 mg、0.2 mmol)が添加された。18時間後、酢酸エチル(100 mL)および水(50 mL)が添加された。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空下で濃縮し、粗生成物を得た。物質を、セミ分取HPLCによって精製し、帯黄色油としてシクロスポリンアルキン(15 mg、45%)を得た。

【0087】
実施例37 - シクロスポリンアルキンのアセテートの調製
Et3N(2 mL)における実施例3からのアセチルシクロスポリンビニルヨウ化物(80 mg、0.059 mmol)、CuI(6 mg、0.030 mmol)、およびPdCl2(PPh3)2(21 mg、0.030 mmol)の混合物は、N2空気下で室温で攪拌された。次いで、上記反応混合物は、1-クロロ-4-エチニルベンゼン(80 mg、0.59 mmol)で処置された。結果として生じた反応混合物は、室温でオーバーナイトで攪拌された。反応は、シリカゲルの短パッドを介して濾過され、濾液は減圧下で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、薄茶色固体としてシクロスポリンアルキンのアセテート(54 mg、67%)を得た。

【0088】
実施例38 - シクロスポリンアルキンの調製
メタノール(1.5 mL)における実施例37からのシクロスポリンアルキンのアセテート(54 mg、0.047 mmol)の溶液は、室温で攪拌された。反応混合物は、炭酸カリウム(30 mg、0.21 mmol)で処置され、オーバーナイトでN2空気下で攪拌が続けられた。混合物は、酢酸エチルで希釈され、飽和重炭酸ナトリウム溶液およびブラインで洗浄され、硫酸ナトリウム上で乾燥され、減圧下で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、オフホワイト固体としてシクロスポリンアルキン(32 mg、62%)を得た。

【0089】
実施例39 - シクロスポリンアルキンのアセテートの調製
Et3N(2 mL)における実施例3からのアセチルシクロスポリンビニルヨウ化物(75 mg、0.055 mmol)、CuI(6 mg、0.030 mmol)、およびPdCl2(PPh3)2(21 mg、0.030 mmol)の混合物は、N2空気下で室温で攪拌された。次いで、反応混合物は、3-エチニルチオフィン(65 mg、0.60 mmol)で処置された。反応は、室温で6時間攪拌させた。溶液は、シリカゲルの短パッドを介して濾過され、次いで、真空で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、薄茶色固体としてシクロスポリンアルキンのアセテート(31 mg、42%)を得た。

【0090】
実施例40 - シクロスポリンアルキンの調製
メタノール(2 mL)における実施例39からのシクロスポリンアルキンのアセテート(31 mg、0.023 mmol)の溶液は、室温で攪拌された。反応混合物は、炭酸カリウム(15 mg、0.108 mmol)で処置され、オーバーナイトでN2空気下で攪拌が続けられた。混合物は、酢酸エチルで希釈され、飽和重炭酸ナトリウム溶液およびブラインで洗浄され、硫酸ナトリウム上で乾燥され、真空で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、白色固体としてシクロスポリンアルキン(15 mg、50%)を得た。

【0091】
実施例41 - シクロスポリンアルキンのアセテートの調製
Et3N(2 mL)における実施例3からのアセチルシクロスポリンビニルヨウ化物(80 mg、0.059 mmol)、CuI(6 mg、0.030 mmol)、およびPdCl2(PPh3)2(21 mg、0.030 mmol)の混合物は、N2空気下で室温で攪拌された。次いで、反応混合物は、2-エチニルピリジン(61 mg、0.59 mmol)で処置された。反応は、オーバーナイトで室温で窒素空気下で攪拌が続けられた。反応混合物は、シリカゲルの短パッドを介して濾過され、次いで、真空で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、オフホワイト固体としてシクロスポリンアルキンのアセテート(50 mg、64%)を得た。

【0092】
実施例42 - シクロスポリンアルキンの調製
メタノール(2 mL)における実施例41からのシクロスポリンアルキンのアセテート(50 mg、0.0375 mmol)の溶液は、室温で攪拌された。反応混合物は、炭酸カリウム(35 mg、0.25 mmol)で処置され、オーバーナイトでN2空気下で攪拌が続けられた。混合物を、酢酸エチルで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム溶液およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、セミ分取HPLによって精製し、白色固体としてシクロスポリンアルキン(3 mg、6%)を得た。

【0093】
実施例43 - シクロスポリンアルキンのアセテートの調製
Et3N(2 mL)における実施例3からのアセチルシクロスポリンビニルヨウ化物(100 mg、0.073 mmol)、CuI(7 mg、0.037 mmol)、およびPdCl2(PPh3)2(26 mg、0.037 mmol)の混合物は、N2空気下で室温で攪拌された。次いで、反応混合物は、1-ペンチン(50 mg、0.737 mmol)で処置された。反応は、室温で6時間攪拌された。溶液は、シリカゲルの短パッドを介して濾過され、次いで、真空で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、オフホワイト固体としてシクロスポリンアルキンのアセテート(51 mg、54%)を得た。

【0094】
実施例44 - シクロスポリンアルキンの調製
メタノール(2 mL)における実施例43からのシクロスポリンアルキンのアセテート(51 mg、0.039 mmol)の溶液は、室温で攪拌された。反応混合物は、炭酸カリウム(26 mg、0.18 mmol)で処置され、オーバーナイトでN2空気下で攪拌が続けられた。混合物は、酢酸エチルで希釈され、飽和重炭酸ナトリウム溶液およびブラインで洗浄され、硫酸ナトリウム上で乾燥され、真空で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、白色固体としてシクロスポリンアルキン(35 mg、71%)を得た。

【0095】
実施例45 - シクロスポリンアルキンのアセテートの調製
Et3N(2 mL)における実施例3からのアセチルシクロスポリンビニルヨウ化物(100 mg、0.073 mmol)、CuI(7 mg、0.037 mmol)、およびPdCl2(PPh3)2(26 mg、0.037 mmol)の混合物は、N2空気下で室温で攪拌された。次いで、反応混合物は、1-ヘキシン(80 mg、0.737 mmol)で処置された。反応は、室温で4時間攪拌された。溶液は、シリカゲルの短パッドを介して濾過され、次いで、真空で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、薄茶色固体としてシクロスポリンアルキンのアセテート(61 mg、63%)を得た。

【0096】
実施例46 - シクロスポリンアルキンの調製
メタノール(2 mL)における実施例45からのシクロスポリンアルキンのアセテート(61 mg、0.047 mmol)の溶液に、室温で炭酸カリウム(30 mg、0.22 mmol)が添加され、オーバーナイトでN2空気下で攪拌が続けられた。混合物は、酢酸エチルで希釈され、飽和重炭酸ナトリウム溶液およびブラインで洗浄され、硫酸ナトリウム上で乾燥され、真空で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、白色固体としてシクロスポリンアルキン(28 mg、49%)を得た。

【0097】
実施例47 - シクロスポリンアルキンのアセテートの調製
Et3N(2 mL)における実施例3からのアセチルシクロスポリンビニルヨウ化物(80 mg、0.059 mmol)、CuI(6 mg、0.030 mmol)、およびPdCl2(PPh3)2(21 mg、0.030 mmol)の混合物は、N2空気下で室温で攪拌された。次いで、反応混合物は、5-クロロ-1-ペンチン(60 mg、0.59 mmol)で処置された。反応は、室温で6時間攪拌された。溶液は、シリカゲルの短パッドを介して濾過され、次いで、真空で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、薄茶色固体としてシクロスポリンアルキンのアセテート(76 mg、97%)を得た。

【0098】
実施例48 - シクロスポリンアルキンの調製
メタノール(2 mL)における実施例47からのシクロスポリンアルキンのアセテート(76 mg、0.047 mmol)の溶液は、室温で攪拌された。反応混合物は、炭酸カリウム(35 mg、0.25 mmol)で処置され、オーバーナイトでN2空気下で攪拌が続けられた。混合物は、酢酸エチルで希釈され、飽和重炭酸ナトリウム溶液およびブラインで洗浄され、硫酸ナトリウム上で乾燥され、真空で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、オフホワイト固体としてシクロスポリンアルキン(29 mg、49%)を得た。

【0099】
実施例49 - シクロスポリンアルキニルエーテルのアセテートの調製
塩化メチレン(2 mL)における実施例20からのシクロスポリンアルキニルアルコールのアセテート(77 mg、0.06 mmol)の溶液は、N2空気下で室温で攪拌された。溶液は、水(2 mL)における塩化アリル(46 mg、0.60 mmol)、PhCH2NEt3Cl(14 mg、0.06 mmol)、および40%KOHで処置された。反応は、6時間攪拌された。混合物は、エーテルで希釈され、水およびブラインで洗浄され、硫酸ナトリウム上で乾燥され、真空で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、オフホワイト固体としてシクロスポリンアルキニルエーテルのアセテート(18 mg、23%)を得た。

【0100】
実施例50 - シクロスポリンアルキニルエーテルの調製
メタノール(2 mL)における実施例49からのシクロスポリンアルキニルエーテルのアセテート(14.5 mg、0.01 mmol)の溶液は、室温で攪拌された。反応混合物は、炭酸カリウム(25 mg、0.18 mmol)で処置され、オーバーナイトでN2空気下で攪拌が続けられた。混合物は、酢酸エチルで希釈され、飽和重炭酸ナトリウム溶液およびブラインで洗浄され、硫酸ナトリウム上で乾燥され、真空で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、白色固体としてシクロスポリンアルキニルエーテル(6 mg、42%)を得た。

【0101】
実施例51 - シクロスポリンアルキニルエーテルのアセテートの調製
Et3N(3 mL)における実施例3からのアセチルシクロスポリンビニルヨウ化物(70 mg、0.051 mmol)、CuI(5 mg、0.026 mmol)、およびPdCl2(PPh3)2(18 mg、0.026 mmol)の混合物は、N2空気下で室温で攪拌された。次いで、反応混合物は、メチルプロパルギルエーテル(36 mg、0.51 mmol)で処置された。反応は、室温で4時間攪拌された。溶液は、マイクロフィルターを介して濾過され、次いで、真空で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、オフホワイト固体としてシクロスポリンアルキニルエーテルのアセテート(61 mg、91%)を得た。

【0102】
実施例52 - シクロスポリンアルキニルエーテルの調製
メタノール(2 mL)における実施例51からのシクロスポリンアルキニルエーテルのアセテート(61 mg、0.047 mmol)の溶液は、室温で攪拌された。反応混合物は、炭酸カリウム(80 mg、0.58 mmol)で処置され、オーバーナイトでN2空気下で攪拌が続けられた。混合物は、酢酸エチルで希釈され、飽和重炭酸ナトリウム溶液およびブラインで洗浄され、硫酸ナトリウム上で乾燥され、真空で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、白色固体としてシクロスポリンアルキニルエーテル(31 mg、52%)を得た。

【0103】
実施例53 - シクロスポリンアルキニルスルフィドのアセテートの調製
Et3N(3 mL)における実施例3からのアセチルシクロスポリンビニルヨウ化物(70 mg、0.051 mmol)、CuI(5 mg、0.026 mmol)、およびPdCl2(PPh3)2(18 mg、0.026 mmol)の混合物は、N2空気下で室温で攪拌された。次いで、反応混合物は、プロパルギルエチルスルフィド(52 mg、0.51 mmol)で処置された。反応は、室温でオーバーナイトで攪拌された。溶液は、マイクロフィルターを介して濾過され、次いで、真空で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、オフホワイト固体としてシクロスポリンアルキニルスルフィドのアセテート(59 mg、87%)を得た。

【0104】
実施例54 - シクロスポリンアルキニルスルフィドの調製
メタノール(2 mL)における実施例53からのシクロスポリンアルキニルスルフィドのアセテート(59 mg、0.044 mmol)の溶液は、室温で攪拌された。反応混合物は、炭酸カリウム(70 mg、0.51 mmol)で処置され、オーバーナイトでN2空気下で攪拌が続けられた。混合物は、酢酸エチルで希釈され、飽和重炭酸ナトリウム溶液およびブラインで洗浄され、硫酸ナトリウム上で乾燥され、真空で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、白色固体としてシクロスポリンアルキニルスルフィド(25 mg、45%)を得た。

【0105】
実施例55 - シクロスポリンアルキニルエーテルのアセテートの調製
Et3N(3 mL)における実施例3からのアセチルシクロスポリンビニルヨウ化物(70 mg、0.051 mmol)、CuI(5 mg、0.026 mmol)、およびPdCl2(PPh3)2(18 mg、0.026 mmol)の混合物は、N2空気下で室温で攪拌された。次いで、反応混合物は、プロパルギルエーテル(53μL、0.51 mmol)で処置された。反応は、室温でオーバーナイトで攪拌された。溶液は、マイクロフィルターを介して濾過され、次いで、真空で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、オフホワイト固体としてシクロスポリンアルキニルエーテルのアセテート(28 mg、41%)を得た。

【0106】
実施例56 - シクロスポリンアルキニルエーテルの調製
メタノール(2 mL)における実施例55からのシクロスポリンアルキニルエーテルのアセテート(28 mg、0.021 mmol)の溶液は、室温で攪拌された。反応混合物は、炭酸カリウム(35 mg、0.25 mmol)で処置され、オーバーナイトでN2空気下で攪拌が続けられた。混合物は、酢酸エチルで希釈され、飽和重炭酸ナトリウム溶液およびブラインで洗浄され、硫酸ナトリウム上で乾燥され、真空で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、白色固体としてシクロスポリンアルキニルエーテル(14 mg、53%)を得た。

【0107】
実施例57 - シクロスポリンアルキニルエーテルのアセテートの調製
Et3N(3 mL)における実施例3からのアセチルシクロスポリンビニルヨウ化物(70 mg、0.051 mmol)、CuI(5 mg、0.026 mmol)、およびPdCl2(PPh3)2(18 mg、0.026 mmol)の混合物は、N2空気下で室温で攪拌された。次いで、反応混合物は、フェニルプロパルギルエーテル(68 mg、0.51 mmol)で処置された。反応は、室温でオーバーナイトで攪拌された。溶液は、マイクロフィルターを介して濾過され、次いで、真空で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、オフホワイト固体としてシクロスポリンアルキニルエーテルのアセテート(67 mg、96%)を得た。

【0108】
実施例58 - シクロスポリンアルキニルエーテルの調製
メタノール(2 mL)における実施例57からのシクロスポリンアルキニルエーテルのアセテート(67 mg、0.049 mmol)の溶液は、室温で攪拌された。反応混合物は、炭酸カリウム(35 mg、0.58 mmol)で処置され、オーバーナイトでN2空気下で攪拌が続けられた。混合物は、酢酸エチルで希釈され、飽和重炭酸ナトリウム溶液およびブラインで洗浄され、硫酸ナトリウム上で乾燥され、真空で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、白色固体としてシクロスポリンアルキニルエーテル(36 mg、55%)を得た。

【0109】
実施例59 - シクロスポリンアルキニルエステルのアセテートの調製
Et3N(3 mL)における実施例3からのアセチルシクロスポリンビニルヨウ化物(70 mg、0.051 mmol)、CuI(5 mg、0.026 mmol)、およびPdCl2(PPh3)2(18 mg、0.026 mmol)の混合物は、N2空気下で室温で攪拌された。次いで、反応混合物は、t-ブチル(2-プロピニルオキシ)アセテート(50μL、0.51 mmol)で処置された。反応は、室温で6時間攪拌された。溶液は、マイクロフィルターを介して濾過され、次いで、真空で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、オフホワイト固体としてシクロスポリンアルキニルエステルのアセテート(71 mg、98%)を得た。

【0110】
実施例60 - シクロスポリンアルキニルエステルの調製
メタノール(2 mL)における実施例59からのシクロスポリンアルキニルエステルのアセテート(71 mg、0.05 mmol)の溶液は、室温で攪拌された。反応混合物は、炭酸カリウム(85 mg、0.62 mmol)で処置され、オーバーナイトでN2空気下で攪拌が続けられた。混合物は、酢酸エチルで希釈され、飽和重炭酸ナトリウム溶液およびブラインで洗浄され、硫酸ナトリウム上で乾燥され、真空で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、白色固体としてシクロスポリンアルキニル酸(alkynyl acid)(28 mg、41%)を得た。

【0111】
実施例61 - シクロスポリンアルキニル酸のアセテートの調製
Et3N(3 mL)における実施例3からのアセチルシクロスポリンビニルヨウ化物(70 mg、0.051 mmol)、CuI(5 mg、0.026 mmol)、およびPdCl2(PPh3)2(18 mg、0.026 mmol)の混合物は、N2空気下で室温で攪拌された。次いで、反応混合物は、4-ペンチン酸(51 mg、0.51 mmol)で処置された。反応は、室温で4時間攪拌された。溶液は、マイクロフィルターを介して濾過され、次いで、真空で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、オフホワイト固体としてシクロスポリンアルキニル酸のアセテート(23 mg、34%)を得た。

【0112】
実施例62 - シクロスポリンアルキニル酸の調製
メタノール(2 mL)における実施例61からのシクロスポリンアルキニル酸のアセテート(23 mg、0.017 mmol)の溶液は、室温で攪拌された。反応混合物は、炭酸カリウム(30 mg、0.22 mmol)で処置され、オーバーナイトでN2空気下で攪拌が続けられた。混合物は、酢酸エチルで希釈され、飽和重炭酸ナトリウム溶液およびブラインで洗浄され、硫酸ナトリウム上で乾燥され、真空で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、白色固体としてシクロスポリンアルキニル酸(11 mg、50%)を得た。

【0113】
実施例63 - シクロスポリンアルキニル酸の調製
実施例22からのシクロスポリンアルキニルアルデヒド(28 mg、0.02 mmol)は、アセトニトリル(1 mL)に溶解され、N2空気下で室温で攪拌された。反応は、水(1 mL)における40%NaH2PO4溶液で処置された。次に、混合物は、NaClO2(3 mg、0.03 mmol)およびH2O2(水における35%、3μL、0.03 mmol)で処置された。反応混合物は、1時間攪拌された。反応は、亜硫酸ナトリウム(100 mg)でクエンチされた。混合物は、酢酸エチルで希釈され、1 N HClで洗浄された。有機層は、水およびブラインで洗浄され、硫酸ナトリウム上で乾燥され、真空で濃縮された。粗生成物(28 mg、100%)は、精製をともなわずに持ち越された。メタノール(1.5 mL)における粗生成物(28 mg、0.021 mmol)の溶液は、室温で攪拌された。反応混合物は、炭酸カリウム(100 mg、0.72 mmol)で処置され、4時間N2空気下で攪拌が続けられた。混合物は、酢酸エチルで希釈され、飽和重炭酸ナトリウム溶液およびブラインで洗浄され、硫酸ナトリウム上で乾燥され、真空で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、白色固体としてシクロスポリンアルキニル酸(3.5 mg、13%)を得た。

【0114】
実施例64 - シス-シクロスポリンビニルヨウ化物のアセテートの調製
乾燥THF(18 mL)における(ヨードメチル)トリフェニルホスホニウムヨウ化物(1.3 g、2.4 mmol)の激しく攪拌された懸濁液に、ビス(トリメチルシリル)アミドナトリウム(2.4 mL、THFにおける1 M、2.4 mmol)が添加された。室温で10分後、混合物は、0℃まで冷却され、無水THF(10 mL)における実施例2からのアセチルシクロスポリンアルデヒド(300 mg、0.240 mmol)が、滴下形式で添加された。0℃で10分後、反応は、塩化アンモニウムの飽和溶液(10 mL)でクエンチされ、次いで、室温まで加温された。結果として生じた固体は、珪藻土のプラグを介して濾過され、酢酸エチル(200 mL)で洗浄された。有機層を、亜硫酸水素ナトリウムの水性溶液(20%、200 mL)で洗浄し、次いで、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空下で濃縮し、粗生成物(540 mg)を得た。物質を、セミ分取HPLCによって精製し、淡褐色油としてシクロスポリンビニルヨウ化物のシス-異性体のアセテート(150 mg、46%)を得た。

【0115】
実施例65 - シス-シクロスポリンアルキンのアセテートの調製
Et3N(3 mL)における実施例64からのシス-シクロスポリンビニルヨウ化物のアセテート(100 mg、0.073 mmol)、CuI(7 mg、0.037 mmol)、およびPdCl2(PPh3)2(26 mg、0.037 mmol)の混合物は、N2空気下で室温で攪拌された。次いで、反応混合物は、(トリメチルシリル)アセチレン(72 mg、0.737 mmol)で処置された。反応は、室温でオーバーナイトで攪拌された。溶液は、シリカゲルの短パッドを介して濾過され、次いで、濾液は、減圧下で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、オフホワイト固体としてシス-シクロスポリンアルキンのアセテート(27 mg、28%)を得た。

【0116】
実施例66 - シス-シクロスポリンアルキンの調製
メタノール(2 mL)における実施例65からのシス-シクロスポリンアルキンのアセテート(27 mg、0.020 mmol)の溶液は、室温で攪拌された。反応混合物は、炭酸カリウム(12 mg、0.087 mmol)で処置され、オーバーナイトでN2空気下で攪拌が続けられた。混合物は、酢酸エチルで希釈され、飽和重炭酸ナトリウム溶液およびブラインで洗浄され、硫酸ナトリウム上で乾燥され、真空で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、白色固体としてシス-シクロスポリンアルキン(12 mg、48%)を得た。

【0117】
実施例67 - シス-シクロスポリンアルキンのアセテートの調製
THF(2 mL)における1-プロピニルマグネシウム臭化物(THFにおける0.5 M溶液、1.01 mL、0.55 mmol)の溶液に、0℃で滴下形式でZnCl2(エーテルにおける1.0 M溶液、0.55 mL、0.55 mmol)が添加された。結果として生じた溶液は、0℃で5分間攪拌された。次いで、氷バスが除去され、反応混合物は、室温まで加温された。THF(1 mL)における実施例64からのシス-シクロスポリンビニルヨウ化物のアセテート(75 mg、0.055 mmol)の溶液が添加され、その後PdCl2(PPh3)2(19 mg、0.027 mmol)の添加が続き、反応混合物は、オーバーナイトでアルゴン空気下で室温で攪拌された。反応混合物は、減圧下で濃縮され、酢酸エチルで希釈され、シリカゲルの短パッドを介して濾過され、次いで、濾液は、減圧下で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、茶色固体としてシス-シクロスポリンアルキンのアセテート(47 mg、67%)を得た。

【0118】
実施例68 - シス-シクロスポリンアルキンの調製
メタノール(2 mL)における実施例67からのシス-シクロスポリンアルキンのアセテート(37 mg、0.02 mmol)の溶液は、室温で攪拌された。反応混合物は、炭酸カリウム(30 mg、0.21 mmol)で処置され、オーバーナイトでN2空気下で攪拌が続けられた。混合物は、酢酸エチルで希釈され、飽和重炭酸ナトリウム溶液およびブラインで洗浄され、硫酸ナトリウム上で乾燥され、真空で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、白色固体としてシス-シクロスポリンアルキン(15 mg、45%)を得た。

【0119】
実施例69 - シス-およびトランス-重水素化シクロスポリンビニルヨウ化物のアセテートの調製
無水THF(10 mL)における実施例2からのアセチルシクロスポリンアルデヒド(500 mg、0.40 mmol)およびヨードホルム-d(1.35 g、4.0 mmol)の混合物は、-78℃まで冷却された。冷却の後、塩化クロミウム(1.0 g、8.0 mmol)が、反応に素早く添加された。混合物は、0℃まで加温することを可能にされ、5時間N2空気下で攪拌された。混合物は、氷水(300 mL)に注がれ、酢酸エチル(3×200 mL)で抽出された。組み合わせられた有機層は、ブラインで洗浄され、硫酸ナトリウム上で乾燥され、真空で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、薄茶色固体としてトランス-重水素化シクロスポリンビニルヨウ化物のアセテート(220 mg、40%):


および薄茶色固体としてシス-重水素化シクロスポリンビニルヨウ化物のアセテート(40 mg、7%):

を得た。
【0120】
実施例70 - トランス-重水素化シクロスポリンアルキンのアセテートの調製
Et3N(3 mL)における実施例69からのトランス-重水素化シクロスポリンビニルヨウ化物のアセテート(75 mg、0.055 mmol)、CuI(5 mg、0.028 mmol)、およびPdCl2(PPh3)2(19 mg、0.028 mmol)の混合物は、N2空気下で室温で攪拌された。次いで、反応混合物は、(トリメチルシリル)アセチレン(54 mg、0.55 mmol)で処置された。反応は、室温で4時間攪拌された。溶液は、マイクロフィルターを介して濾過され、次いで、真空で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、オフホワイト固体としてトランス-重水素化シクロスポリンアルキンのアセテート(45 mg、61%)を得た。

【0121】
実施例71 - トランス-重水素化シクロスポリンアルキンの調製
メタノール(2 mL)における実施例70からのトランス-重水素化シクロスポリンアルキンのアセテート(44 mg、0.033 mmol)の溶液は、室温で攪拌された。反応混合物は、炭酸カリウム(55 mg、0.40 mmol)で処置され、オーバーナイトでN2空気下で攪拌が続けられた。混合物は、酢酸エチルで希釈され、飽和重炭酸ナトリウム溶液およびブラインで洗浄され、硫酸ナトリウム上で乾燥され、真空で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、白色固体としてトランス-重水素化シクロスポリンアルキン(29 mg、72%)を得た。

【0122】
実施例72 - トランス-重水素化シクロスポリンアルキンのアセテートの調製
ZnCl2(0.6 mL、THFにおける1 M、0.6 mmol)が、0℃でTHF(3 mL)における1-プロピニルマグネシウム臭化物(1.2 mL、THFにおける0.5 M、0.6 mmol)の溶液に添加された。混合物は、5分間N2空気下で攪拌された。混合物は、室温まで加温され、次いで、実施例69からのトランス-重水素化シクロスポリンビニルヨウ化物のアセテート(80 mg、0.060 mmol)およびPdCl2(PPh3)2(20 mg、0.030 mmol)で処置された。混合物は、室温でN2空気下で4時間攪拌された。溶液は、マイクロフィルターを介して濾過され、次いで、真空で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、オフホワイト固体としてトランス-重水素化シクロスポリンアルキンのアセテート(62 mg、83%)を得た。

【0123】
実施例73 - トランス-重水素化シクロスポリンアルキンの調製
メタノール(2 mL)における実施例72からのトランス-重水素化シクロスポリンアルキンのアセテート(62 mg、0.049 mmol)の溶液は、室温で攪拌された。反応混合物は、炭酸カリウム(70 mg、0.50 mmol)で処置され、オーバーナイトでN2空気下で攪拌が続けられた。混合物は、酢酸エチルで希釈され、飽和重炭酸ナトリウム溶液およびブラインで洗浄され、硫酸ナトリウム上で乾燥され、真空で濃縮された。粗生成物を、セミ分取HPLCによって精製し、白色固体としてトランス-重水素化シクロスポリンアルキン(31 mg、52%)を得た。

【0124】
実施例74 - シクロスポリンジオールの調製
-78℃でTHF(50 mL)におけるジイソプロピルアミン(2.6 mL、18 mmol)の機械的に攪拌された溶液に、n-ブチルリチウム(6.6 mL、ヘキサンにおける2.5 M、17 mmol)が滴下形式で添加され、次いで、混合物は、0.5時間攪拌された。THF(8 mL)におけるシクロスポリンA(1.0 g、0.83 mmol)の溶液が添加され、次いで、混合物は、-78℃で2時間攪拌された。パラホルムアルデヒド(8.0 g)は、170℃まで加熱され、結果として生じたホルムアルデヒドガスは、2時間にわたって、綿およびアルミホイルでラップされたガラスチューブを介して反応に移された。-78℃でさらに1時間攪拌された後、反応混合物は、水(10 mL)でクエンチされた。混合物は、室温まで加温することを可能にされ、酢酸エチル(150 mL)で希釈され、水(2×50 mL)で洗浄された。有機層が分離され、無水硫酸ナトリウム上で乾燥され、真空下で濃縮された。粗物質を、セミ分取HPLCによって精製し、白色固体としてシクロスポリンジオール(0.45 g、44%)を得た。

【0125】
実施例75 - シクロスポリンジアセテートの調製
塩化メチレン(5 mL)における実施例74からのシクロスポリンジオール(0.43 g、0.35 mmol)の溶液に、ピリジン(0.57 mL、7.0 mmol)が添加され、その後4-(ジメチルアミノ)ピリジン(86 mg、0.70 mmol)および無水酢酸(1.0 mL、10.5 mmol)が続いた。反応混合物は、室温で2日間攪拌された。反応は、エチルエーテル(150 mL)で希釈され、重炭酸ナトリウムの飽和溶液(30 mL)、1N HCl溶液(30 mL)、およびブライン(30 mL)で洗浄された。有機層が分離され、無水硫酸ナトリウム上で乾燥され、真空下で濃縮された。粗物質を、セミ分取HPLCによって精製し、白色固体としてシクロスポリンジアセテート(0.23 g、50%)を得た。

【0126】
実施例76 - シクロスポリンアルデヒドの調製
オゾンは、青色が発色するまで、-78℃で塩化メチレン(10 mL)における実施例75からのシクロスポリンジアセテート(0.22 g、0.17 mmol)の溶液へとバブリングされた。混合物は、数分間窒素で脱気され、ジメチルスルフィド(0.4 mL)が、-78℃で添加された。反応混合物は、室温まで加温することを可能にされ、3時間攪拌された。反応混合物を、真空で濃縮し、残留物は酢酸エチル(120 mL)に溶解し、水(2×20 mL)およびブライン(30 mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空で濃縮し、白色固体としてシクロスポリンアルデヒド(0.19 g、86%)を得た。クルードは、さらなる精製をともわずに次の段階へ持ち越された。

【0127】
実施例77 - シス-およびトランス-シクロスポリンビニルヨウ化物のアセテートの調製
THF(7 mL)における塩化クロミウム(II)(664 mg、5.4 mmol)の氷冷懸濁液に、THF(7 mL)における実施例76からのシクロスポリンアルデヒド(0.35 g、0.27 mmol)およびヨードホルム(850 mg、2.16 mmol)の溶液が添加され、次いで、混合物は、0℃で攪拌された。4時間後、反応混合物は、氷水(40 mL)に注がれた。水層が分離され、酢酸エチル(3×50 mL)で抽出された。組み合わせられた有機物は、無水硫酸ナトリウム上で乾燥され、真空下で濃縮された。クルードを、セミ分取HPLCによって精製し、シス-シクロスポリンビニルヨウ化物のアセテート(26 mg、7%):


トランス-シクロスポリンビニルヨウ化物のアセテート(0.18 g、47%):

を得た。
【0128】
実施例78 - シクロスポリンアルキンのアセテートの調製
トリエチルアミン(2 mL)における実施例77からのトランス-シクロスポリンビニルヨウ化物のアセテート(60 mg、0.042 mmol)、ヨウ化銅(I)(4 mg、0.021 mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(15 mg、0.021 mmol)の混合物に、(トリメチルシリル)アセチレン(60μL、0.42 mmol)が添加され、次いで、混合物は、3時間室温で攪拌された。反応混合物は、マイクロフィルターを介して濾過され、真空下で濃縮された。クルードを、セミ分取HPLCによって精製し、白色固体としてシクロスポリンアルキンのアセテート(16 mg、28%)を得た。

【0129】
実施例79 - シクロスポリンアルキンの調製
MeOH(2 mL)における実施例78からのシクロスポリンアルキンのアセテート(16 mg、0.011 mmol)の溶液に、炭酸カリウム(46 mg、0.33 mmol)が添加され、次いで、混合物は、室温で攪拌された。12時間後、反応混合物は、塩化アンモニウムの飽和溶液(10 mL)でクエンチされた。水層は、酢酸エチル(3×20 mL)で抽出された。組み合わせられた有機物は、無水硫酸ナトリウム上で乾燥され、真空下で濃縮された。粗物質を、セミ分取HPLCによって精製し、白色固体としてシクロスポリンアルキン(8 mg、57%)を得た。

【0130】
実施例80 - シクロスポリンアルキンのアセテートの調製
トリエチルアミン(2 mL)における1-(トリメチルシリル)-1-プロピン-d3(49 mg、0.42 mmol)の氷冷溶液に、フッ化テトラブチルアンモニウム(0.5 mL、THFにおける1 M、0.5 mmol)が添加され、次いで、混合物は、10分間攪拌された。反応混合物は、室温まで加温することを可能にされ、次いで、溶液は、実施例77からのトランス-シクロスポリンビニルヨウ化物のアセテート(60 mg、0.042 mmol)、ヨウ化銅(I)(4 mg、0.021 mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(15 mg、0.021 mmol)の混合物に移された。結果として生じた反応混合物は、3時間室温で攪拌された。反応混合物は、マイクロフィルターを介して濾過され、真空下で濃縮された。クルードを、セミ分取HPLCによって精製し、白色固体としてシクロスポリンアルキンのアセテート(47 mg、84%)を得た。

【0131】
実施例81 - シクロスポリンアルキンの調製
MeOH(3 mL)における実施例80からのシクロスポリンアルキンのアセテート(45 mg、0.033 mmol)の溶液に、炭酸カリウム(137 mg、0.99 mmol)が添加され、次いで、混合物は、室温で攪拌された。12時間後、反応混合物は、塩化アンモニウムの飽和溶液(15 mL)でクエンチされた。水層は、酢酸エチル(3×30 mL)で抽出された。組み合わせられた有機物は、無水硫酸ナトリウム上で乾燥され、真空下で濃縮された。粗物質を、セミ分取HPLCによって精製し、白色固体としてシクロスポリンアルキン(24 mg、57%)を得た。

【0132】
実施例82 - シクロスポリンアルキンのアセテートの調製
THF(1 mL)における1-プロピニルマグネシウム臭化物(0.76 mL、THFにおける0.5 M、0.38 mmol)の氷冷溶液に、塩化亜鉛の溶液(0.38 mL、エチルエーテルにおける1 M、0.38 mmol)が添加された。反応は、10分間0℃で攪拌され、次いで、室温まで加温された。THF(2 mL)における実施例77からのトランス-シクロスポリンビニルヨウ化物のアセテート(54 mg、0.038 mmol)の溶液が、反応混合物に添加され、その後ヨウ化銅(I)(2 mg、0.008 mmol)およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(3 mg、0.004 mmol)が続いた。結果として生じた反応混合物は、1時間室温で攪拌され、次いで、塩化アンモニウムの飽和溶液でクエンチされた。水層は、酢酸エチル(3×30 mL)で抽出された。組み合わせられた有機物は、無水硫酸ナトリウム上で乾燥され、真空下で濃縮された。クルードを、セミ分取HPLCによって精製し、白色固体としてシクロスポリンアルキンのアセテート(27 mg、53%)を得た。

【0133】
実施例83 - シクロスポリンアルキンの調製
MeOH(2 mL)における実施例82からのシクロスポリンアルキンのアセテート(25 mg、0.019 mmol)の溶液に、炭酸カリウム(79 mg、0.57 mmol)が添加され、次いで、混合物は、室温で攪拌された。8時間後、反応混合物は、塩化アンモニウムの飽和溶液(10 mL)でクエンチされた。水層は、酢酸エチル(3×20 mL)で抽出された。組み合わせられた有機物は、無水硫酸ナトリウム上で乾燥され、真空下で濃縮された。粗物質を、セミ分取HPLCによって精製し、シクロスポリンアルキン(14 mg、58%)を得た。

【0134】
実施例84 - シクロスポリンアルキンのアセテートの調製
トリエチルアミン(2 mL)における実施例77からのトランス-シクロスポリンビニルヨウ化物のアセテート(60 mg、0.04 mmol)の溶液でチャージされた乾燥25 mLフラスコに、ヨウ化銅(I)(3.8 mg、0.02 mmol)が添加され、その後ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(7.0 mg、0.01 mmol)およびプロパルギルアルコール(0.02 mL、0.40 mmol)が続いた。2.5時間後、反応混合物は、マイクロフィルターを介して濾過され、次いで、減圧下で濃縮された。粗物質を、セミ分取HPLCによって精製し、シクロスポリンアルキンのアセテート(54 mg、定量的)を得た。

【0135】
実施例85 - シクロスポリンアルキンの調製
メタノール(2 mL)における実施例84からのシクロスポリンアルキンのアセテート(54 mg、0.04 mmol)の溶液でチャージされた乾燥25 mLフラスコに、炭酸カリウム(110 mg、0.80 mmol)が添加された。これは、5時間室温で攪拌することを可能にされ、その後、それは、塩化アンモニウムの飽和溶液(8 mL)でクエンチされた。これは、10分間攪拌された。次いで、水層は、酢酸エチル(3×40 mL)で抽出された。組み合わせられた有機物は、ブライン(15 mL)で洗浄され、無水硫酸ナトリウム上で乾燥され、次いで、減圧下で濃縮された。粗物質を、セミ分取HPLCによって精製し、白色固体としてシクロスポリンアルキン(28 mg、54%)を得た。

【0136】
実施例86 - シクロスポリンアルキンアルコールのアセテートの調製
トリエチルアミン(3 mL)における実施例77からのトランス-シクロスポリンビニルヨウ化物のアセテート(120 mg、0.08 mmol)の溶液でチャージされた乾燥25 mLフラスコに、ヨウ化銅(I)(15 mg、0.08 mmol)が添加され、その後ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(21 mg、0.04 mmol)および3-ブチン-2-オール(0.06 mL、0.80 mmol)が続いた。2.5時間後、反応混合物は、マイクロフィルターを介して濾過され、次いで、減圧下で濃縮された。粗物質を、セミ分取HPLCによって精製し、シクロスポリンアルキンアルコールのアセテート(79 mg、73%)を得た。

【0137】
実施例87 - シクロスポリンアルキンの調製
メタノール(1.5 mL)における実施例86からのシクロスポリンアルキンのアセテート(25 mg、0.018 mmol)の溶液でチャージされた乾燥25 mLフラスコに、炭酸カリウム(50 mg、0.36 mmol)が添加された。これは、3.5時間室温で攪拌することを可能にされ、その後、それは、塩化アンモニウムの飽和溶液(1.5 mL)でクエンチされた。これは、5分間攪拌された。次いで、水層は、酢酸エチル(2×20 mL)で抽出された。組み合わせられた有機物は、ブライン(15 mL)で洗浄され、無水硫酸ナトリウム上で乾燥され、次いで、減圧下で濃縮された。粗物質を、セミ分取HPLCによって2回精製し、白色固体としてシクロスポリンアルキン(11 mg、48%)およびジアステレオマーの混合物を得た。

【0138】
実施例88 - シクロスポリンエン-イン-エンのジアセテートの調製
ベンゼン(2 mL)における実施例86からのシクロスポリンアルキニルアルコールのアセテート(54 mg、0.039 mmol)の溶液でチャージされた25 mLフラスコに、Burgess試薬(19 mg、0.078 mmol)が添加された。結果として生じた混合物は、60℃で加熱された。3.5時間後、Burgess試薬の付加的な8 mgが添加された。反応は、2時間60℃で再度加熱された。混合物は、室温まで冷却され、エーテル(60 mL)と水(15 mL)との間で分けられた。水層は、エーテル(30 mL)で1回抽出された。組み合わせられたエーテル層は、ブライン(20 mL)で洗浄され、無水硫酸ナトリウム上で乾燥され、次いで、減圧下で濃縮された。粗物質を、セミ分取HPLCによって精製し、シクロスポリンエン-イン-エンのジアセテート(18 mg、35%)を得た。

【0139】
実施例89 - シクロスポリンエン-イン-エンの調製
メタノール(2 mL)における実施例88からのシクロスポリンエン-イン-エンのジアセテート(28 mg、0.02 mmol)の溶液は、炭酸カリウム(55 mg、0.40 mmol)で処置された。これは、オーバーナイトで室温で攪拌することを可能にされ、その後、それは、塩化アンモニウムの飽和溶液(10 mL)でクエンチされた。次いで、水層は、酢酸エチル(2×40 mL)で抽出された。組み合わせられた有機物は、ブライン(15 mL)で洗浄され、無水硫酸ナトリウム上で乾燥され、次いで、減圧下で濃縮された。粗物質を、セミ分取HPLCによって精製し、白色固体としてシクロスポリンエン-イン-エン(8 mg、32%)を得た。

【0140】
実施例90 - シクロスポリンアルキニル臭化物のジアセテートの調製
アセトン(2 mL)における実施例78からのシクロスポリンアルキンのアセテート(33 mg、0.02 mmol)の溶液でチャージされたフラスコに、硝酸銀(3.4 mg、0.02 mmol)および再結晶化N-ブロモスクシンイミド(36 mg、0.2 mmol)が添加された。2時間後、反応は0℃まで冷却され、5 mLの水が添加された。次いで、水層は、エーテル(3×75 mL)で抽出された。組み合わせられたエーテル層は、水(20 mL)、次いで、ブライン(20 mL)で洗浄された。有機物は、無水硫酸ナトリウム上で乾燥され、次いで、減圧下で濃縮された。粗物質を、セミ分取HPLCによって精製し、シクロスポリンアルキニル臭化物のジアセテート(23 mg、80%)を得た。

【0141】
実施例91 - シクロスポリンアルキニル臭化物の調製
メタノール(2 mL)における実施例90からのシクロスポリンアルキニル臭化物のジアセテート(22.5 mg、0.02 mmol)の溶液は、炭酸カリウム(55 mg、0.40 mmol)で処置された。結果として生じた混合物は、4時間室温で攪拌され、その後、それは、塩化アンモニウムの飽和溶液(10 mL)でクエンチされた。次いで、水層は、酢酸エチル(3×30 mL)で抽出された。組み合わせられた有機物は、ブライン(20 mL)で洗浄され、無水硫酸ナトリウム上で乾燥され、次いで、減圧下で濃縮された。粗物質を、セミ分取HPLCによって精製し、シクロスポリンアルキニル臭化物(4.7 mg、18%)を得た。

【0142】
実施例92 - シクロスポリンアルキンのジアセテートの調製
トリエチルアミン(3 mL)におけるシクロプロピル(トリメチルシリル)アセチレン(0.1 mL、0.6 mmol)の溶液でチャージされたフラスコは、0℃まで冷却された。フッ化テトラブチルアンモニウム(0.72 mL、THFにおける1 M、0.72 mmol)が添加され、混合物は、10分間攪拌された。氷バスが除去され、フラスコは、30分にわたって室温まで加温された。実施例77からのトランス-シクロスポリンビニルヨウ化物のアセテート(80 mg、0.06 mmol)が添加され、その後ヨウ化銅(I)(5.7 mg、0.03 mmol)およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(21 mg、0.03 mmol)が続いた。2時間後、反応混合物は、マイクロフィルターを介して2回濾過され、次いで、減圧下で濃縮された。粗物質を、セミ分取HPLCによって精製し、シクロスポリンアルキンのジアセテート(47 mg、57%)を得た。

【0143】
実施例93 - シクロスポリンアルキンの調製
メタノール(2 mL)における実施例92からのシクロスポリンアルキンのジアセテート(47 mg、0.03 mmol)の溶液は、炭酸カリウム(82 mg、0.60 mmol)で処置された。結果として生じた混合物は、16時間室温で攪拌され、その後、それは、塩化アンモニウムの飽和溶液(10 mL)でクエンチされた。次いで、水層は、酢酸エチル(3×75 mL)で抽出された。組み合わせられた有機物は、ブライン(15 mL)で洗浄され、無水硫酸ナトリウム上で乾燥され、次いで、減圧下で濃縮された。粗物質を、セミ分取HPLCによって精製し、白色固体としてシクロスポリンアルキン(25 mg、66%)を得た。

【0144】
実施例94 - シクロスポリンアルキニルチオエーテルのアセテートの調製
トリエチルアミン(3 mL)における実施例77からのトランス-シクロスポリンビニルヨウ化物のアセテート(70 mg、0.05 mmol)の溶液でチャージされたフラスコに、ヨウ化銅(I)(5.7 mg、0.03 mmol)が添加され、その後ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(21 mg、0.03 mmol)およびプロパルギルエチルスルフィド(0.1 mL、0.5 mmol)が続いた。5.5時間後、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)の付加的な21 mgが添加され、反応は、オーバーナイトで攪拌するために放置された。反応混合物は、マイクロフィルターを介して濾過され、次いで、減圧下で濃縮された。粗物質を、セミ分取HPLCによって精製し、シクロスポリンアルキニルチオエーテルのアセテート(45 mg、64%)を得た。

【0145】
実施例95 - シクロスポリンアルキニルチオエーテルの調製
メタノール(2 mL)における実施例94からのシクロスポリンアルキニルチオエーテルのアセテート(45 mg、0.03 mmol)の溶液は、炭酸カリウム(83 mg、0.60 mmol)で処置された。結果として生じた混合物は、16時間室温で攪拌され、その後、それは、塩化アンモニウムの飽和溶液(10 mL)でクエンチされた。次いで、水層は、酢酸エチル(3×75 mL)で抽出された。組み合わせられた有機物は、ブライン(50 mL)で洗浄され、無水硫酸ナトリウム上で乾燥され、次いで、減圧下で濃縮された。粗物質を、セミ分取HPLCによって精製し、白色固体としてシクロスポリンアルキニルチオエーテル(23 mg、58%)を得た。

【0146】
実施例96 - シクロスポリンアルキニルエーテルのアセテートの調製
トリエチルアミン(3 mL)における実施例77からのトランス-シクロスポリンビニルヨウ化物のアセテート(70 mg、0.05 mmol)の溶液でチャージされたフラスコに、ヨウ化銅(I)(5.7 mg、0.03 mmol)が添加され、その後ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(21 mg、0.03 mmol)およびメチルプロパルギルエーテル(0.05 mL、0.5 mmol)が続いた。6時間後、反応混合物は、マイクロフィルターを介して濾過され、次いで、減圧下で濃縮された。粗物質を、セミ分取HPLCによって精製し、シシクロスポリンアルキニルエーテルのアセテート(52 mg、75%)を得た。

【0147】
実施例97 - シクロスポリンアルキニルエーテルの調製
メタノール(2 mL)における実施例96からのシクロスポリンアルキニルエーテルのアセテート(52 mg、0.04 mmol)の溶液は、炭酸カリウム(111 mg、0.80 mmol)で処置された。結果として生じた混合物は、16時間室温で攪拌され、その後、それは、塩化アンモニウムの飽和溶液(10 mL)でクエンチされた。次いで、水層は、酢酸エチル(3×75 mL)で抽出された。組み合わせられた有機物は、ブライン(15 mL)で洗浄され、無水硫酸ナトリウム上で乾燥され、次いで、減圧下で濃縮された。粗物質を、セミ分取HPLCによって精製し、白色固体としてシクロスポリンアルキニルエーテル(37 mg、73%)を得た。

【0148】
実施例98 - コンカナバリンA-刺激脾細胞アッセイ
5〜7週齢のオスBALB/cマウスは、CO2吸入によって犠牲死された。脾臓が除去され、ナイロン細胞ストレイナーを介して押すことによって解離された。脾細胞は、RPMI 1640/5%ウシ胎仔血清(FCS)において洗浄され、400×gでペレットされた。次いで、赤血球は、室温で10分間、ACK溶解バッファー(150 mM NH4Cl、1 mM KHCO3、0.1 mM EDTA、脾臓あたり3 mL)に細胞ペレットを再懸濁することによって溶解された。400×gでペレットした後、細胞は、RPMI 1640/5%FCSにおける再懸濁および再ペレットによって洗浄された。細胞ペレットは、RPMI 1640/5%FCSに再懸濁され、細胞凝集体を除去するために、再度細胞ストレイナーに通された。次いで、細胞は数えられ、RPMI 1640/10%FCS/50μM 2-メルカプトエタノールにおいて2×106 cells/mlに調整された。細胞生存率は、トリパンブルー染色によって査定された。シクロスポリンAまたはテスト化合物および2マイクログラムのコンカナバリンAは、2×105脾細胞の添加に先行して、96ウェルプレートのウェルに添加された。細胞は、2日間37℃ CO2インキュベーターにおいて培養され、次いで、6時間1μCiの[3H]チミジンでパルスされた。細胞は、TomTec 96ウェルプレートハーベスターでフィルターマット上へ採取され、H2Oで溶解された。フィルターマットおよびシンチレーション液は、プラスチックスリーブに密封された。[3H]チミジン取り込みは、Wallac Triluxプレートカウンターで測定された。初めのスクリーニングは、100 ng/mlテスト化合物の固定値で行なわれた。IC50は、GraphPadソフトウェアを使用して、7ポイント濃度-応答曲線から計算された。
【0149】
実施例99 - マウスエクスビボ薬力学的アッセイ
インビボ免疫抑制活性は、以下に記載されるように、シクロスポリンAおよび開示されるシクロスポリン類似体に対して決定され得る。コンカナバリンA-刺激脾細胞活性は、Peterson et al.(Peterson et al.,「A Tacrolimus-Related Immunosuppressant with Biochemical Properties Distinct from Those of Tacrolimus」, Transplantation, 65:10-18 (1998)、その全体が参照により本明細書に組み入れられる)によって以前に記載される方法またはそのわずかに改変されたバージョンを使用して、インビボで査定され得る。
【0150】
シクロスポリンAまたは本発明の免疫抑制化合物の最適な用量(テスト薬物の4つの異なる用量プラス薬物をともなわない動物の対照セット)は、オスBALB/cまたはメスC57BLマウスに経口でまたは静脈内に投与された。3匹のマウスが、各々の用量でテストされた。コンカナバリンAは、シクロスポリンAまたは免疫抑制化合物の投与の4時間後に、マウスの尾静脈に注射された。コンカナバリンA注射の1時間後、マウスは安楽死させられ、脾臓が滅菌条件下で除去され、脾細胞増殖の程度が、実施例98において記載されるのと同じ様式で測定された。対照に対するパーセント阻害が、免疫抑制化合物の用量に対して図式的にプロットされ、ED50値が決定された。本発明の化合物に対する各々の用量-応答アッセイは、ED50と等しい単一用量でシクロスポリン対照を伴った。
【0151】
本発明は、例証の目的のために詳細に記載されているが、そのような詳細は、単にその目的のためであり、以下の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神および範囲から逸脱することなく、バリエーションが当業者によってその中で作られ得ることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0152】
【図1】コンカナバリンA(ConA)刺激マウス脾細胞アッセイからの結果を描き、本発明の新規なシクロスポリン類似体化合物(実施例5および33において開示される)が、シクロスポリンAおよびISATX247と比較して、免疫抑制における強化されたまたは同様の効力を保有することが示される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シス幾何異性体、トランス幾何異性体、もしくはシス幾何異性体およびトランス幾何異性体の混合物、またはその薬学的に許容される塩である、式Iの化合物:

式中、
Xは、OHまたはOAcであり;
R0は、H、CH2OH、またはCH2OR3であり;
R1は、水素、重水素、またはメチルであり;
R2は、以下からなる群より選択され:
水素;
ハロゲン;
C1-C6飽和または不飽和の、直鎖または分岐炭素鎖;
重水素、ハロゲン、窒素、硫黄、およびシリコンからなる群より選択される置換または複数の置換を含む、C1-C6飽和または不飽和の、直鎖または分岐炭素鎖;
アルコール、エーテル、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、エステル、およびアミドからなる群より選択される官能基または複数の官能基を含む、C1-C6飽和または不飽和の、直鎖または分岐炭素鎖;
オキシムまたはヒドラゾンの官能基を含む、C1-C6飽和または不飽和の、直鎖または分岐炭素鎖;
アリールまたはヘテロアリール基を含む、C1-C6飽和または不飽和の、直鎖または分岐炭素鎖;
C3-C6置換および非置換シクロアルキル;
置換および非置換アリール;および
置換および非置換へテロアリール;かつ
R3は、以下からなる群より選択され:
アルカノイル、
アルケノイル、
アルキノイル、
アリールオイル、
アリールアルカノイル、
アルキルアミノカルボニル、
アリールアミノカルボニル、
アリールアルキルアミノカルボニル、
アルキルオキシカルボニル、
アリールオキシカルボニル、および
アリールアルキルオキシカルボニル。
【請求項2】
Xが、OHまたはOAcであり、R0が、H、CH2OH、またはCH2OAcであり、かつR1が、HまたはDである、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
R2が、Hである、請求項2記載の化合物。
【請求項4】
R2が、CH3、CD3、CH2CH3、およびCH2CH2CH3からなる群より選択される、請求項2記載の化合物。
【請求項5】
R2が、CH=CH2、CH=CHCH3、C≡CH、および-C≡C-CH3からなる群より選択される、請求項2記載の化合物。
【請求項6】
R2が、F、Cl、Br、およびIからなる群より選択される、請求項2記載の化合物。
【請求項7】
R2が、シクロプロピルである、請求項2記載の化合物。
【請求項8】
R2が、CH2OH、CH(OH)CH3、CH2OCH3、CH2OCH2CH3、CHO、およびC(=O)CH3からなる群より選択される、請求項2記載の化合物。
【請求項9】
R2が、CH=N-OCH3、CH=N-OCH2CH3、CH=N-NHCH3、およびCH=N-N(CH3)2からなる群より選択される、請求項2記載の化合物。
【請求項10】
薬学的に許容される担体および請求項1記載の化合物の治療的有効量を含む薬学的組成物。
【請求項11】
哺乳類における免疫応答を抑制または軽減する方法であって、請求項1記載の化合物の治療的有効量を、哺乳類における免疫応答を抑制するのに効果的な条件下で該哺乳類に投与する段階を含む方法。
【請求項12】
慢性炎症性疾患または自己免疫疾患を有する哺乳類を処置する方法であって、請求項1記載の化合物の治療的有効量を、慢性炎症性疾患または自己免疫疾患を処置するのに効果的な条件下で哺乳類に投与する段階を含む方法。
【請求項13】
慢性炎症性疾患または自己免疫疾患が、喘息、慢性関節リウマチ、多発性硬化症、乾癬、および潰瘍性大腸炎からなる群より選択される、請求項12記載の方法。
【請求項14】
眼アレルギーおよびドライアイを有する哺乳類を処置する方法であって、請求項1記載の化合物の治療的有効量を、眼アレルギーおよびドライアイを処置するのに効果的な条件下で哺乳類に投与する段階を含む方法。

【図1】
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【公表番号】特表2008−514701(P2008−514701A)
【公表日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−534660(P2007−534660)
【出願日】平成17年9月21日(2005.9.21)
【国際出願番号】PCT/US2005/033843
【国際公開番号】WO2006/039163
【国際公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【出願人】(506190544)エーエムアール テクノロジー インコーポレイテッド (11)
【Fターム(参考)】