シクロヘキシルベンゼンの製造方法

シクロヘキシルベンゼンの製造方法は、(a)第1触媒の存在下、シクロヘキシルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、及び未反応ベンゼンを有する第1流出物ストリームを形成するのに十分なヒドロアルキル化条件下でベンゼンと水素を接触させる工程、(b)第1流出物ストリームの一部を第1分離システムに供給して第1流出物ストリーム部分を(i)ベンゼン、シクロヘキサン、及びメチルシクロペンタンを含むC6-リッチストリームと(ii)シクロヘキシルベンゼン-リッチストリームに分割する工程、(c)C6-リッチストリームの一部を、脱水素を触媒し、かつシクロヘキサンの一部をベンゼンに変換し、メチルシクロペンタンの一部を直鎖及び/又は分岐パラフィンに変換するのに十分な条件下で低酸性度を示す第2触媒と接触させて第2流出物ストリームを形成する工程、及び(d)第2流出物ストリームの一部を接触工程(a)に再循環させる工程を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(分野)
本開示は、シクロヘキシルベンゼンの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
ベンゼンからヒドロアルキル化又は還元的アルキル化の方法でシクロヘキシルベンゼンを製造することができる。ベンゼンが部分的な水素化を受けてシクロヘキサンを生成するように触媒の存在下でベンゼンを水素と共に加熱し、次にベンゼンをアルキル化してシクロヘキシルベンゼンを形成する。
【0003】
米国特許第4,094,918号及び第4,177,165号は、ニッケル処理及び希土類元素処理したゼオライトとパラジウムプロモーターの触媒上での芳香族炭化水素のヒドロアルキル化を開示している。同様に、米国特許第4,122,125号及び第4,206,082号は、希土類元素処理したゼオライトに担持されたルテニウム及びニッケル化合物の芳香族ヒドロアルキル化触媒としての使用を開示している。使用されるゼオライトはゼオライトX及びゼオライトYである。さらに、米国特許第5,053,571号は、ゼオライトβに担持されたルテニウム及びニッケルの芳香族ヒドロアルキル化触媒としての使用を提案している。これらの方法には、特に経済的に実行可能なベンゼン変換速度ではシクロヘキシルベンゼンへの低い選択性、並びに大量の不要副生物、特にシクロヘキサン及びメチルシクロペンタンという欠点がある。
【0004】
米国特許第6,037,513号は、ベンゼン及び水素を少なくとも1種の水素化金属及びMCM-22ファミリーの分子ふるいを有する二機能性触媒と接触させることによって、ベンゼンのヒドロアルキル化におけるシクロヘキシルベンゼン選択性を改善できることを開示している。水素化金属は、好ましくはパラジウム、ルテニウム、ニッケル、コバルト及びその混合物の中から選択され、かつ接触工程は、約50℃〜350℃の温度、約100〜7000kPaの圧力、約0.01〜100のベンゼン対水素のモル比及び約0.01〜100のWHSVで行なわれる。‘513特許は、次にシクロヘキシルベンゼンを対応するヒドロペルオキシドに酸化し、このペルオキシドを所望のフェノールとシクロヘキサノンに分解できることを開示している。
【0005】
MCM-22ファミリーの触媒の使用はシクロヘキシルベンゼンの選択性を高めたが、それにもかかわらず、有意な量のシクロヘキサン及びメチルシクロペンタンが生成される。ヒドロアルキル化プロセスで典型的に採用される低温(200℃未満)及び高圧(790kPaより高い)の条件もベンゼンのシクロヘキサンへの還元という競合反応に有利に働く。結果として、5〜20wt%のシクロヘキサン及びメチルシクロペンタンの選択性が一般的に観察される。シクロヘキサン及びメチルシクロペンタンの生成は、有益なベンゼン供給の損失をもたらし、かつベンゼンの変換レベル(典型的に40〜60wt%)を低減し、未反応ベンゼンの再利用を必要とする。
【0006】
MCM-22ファミリーの触媒を用いたシクロヘキセンによるベンゼンのアルキル化によってシクロヘキシルベンゼンを形成することができる。シクロヘキセンは、多くの特許及び論文(EP 323192、JP 85-204370、U.S. 4055512、DE 2520430)に記載されているように、均一及び不均一触媒を用いて選択的な部分的ベンゼン水素化によって製造され得る。このベンゼン水素化で形成される主な副生物はヒドロアルキル化プロセスと同様なので(シクロヘキサン及びメチルシクロペンタン)、発明概念を利用して、ベンゼンの水素化に関連する問題を解決できるであろう。
【0007】
再循環ストリーム内に蓄積されるシクロヘキサン及びメチルシクロペンタンを除去しなければ、シクロヘキサン及びメチルシクロペンタンがベンゼンに取って代わり、望ましくない副生物の生成を増やす。しかし、ベンゼン、シクロヘキサン及びメチルシクロペンタンの同様の沸点が通常の蒸留による分離を困難にする。ヒドロアルキル化プロセス及び種々の最終生成物(及び未反応ベンゼン)を以下に示す。
【0008】
【化1】

【0009】
さらに、再循環ストリームの脱水素(シクロヘキサン副生物のベンゼンへの脱水素)中、メチルシクロペンタン副生物が、コークス形成の非常に反応性の前駆物質かつ触媒失活の促進物質であるメチルシクロペンタジエンを形成する。
【0010】
【化2】

【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
シクロヘキシルベンゼンへの変換速度を向上させる、ベンゼンをヒドロアルキル化する方法があれば望ましいだろう。再循環ストリーム内のシクロヘキサン及びメチルシクロペンタンの蓄積が減少し、かつその中のベンゼンの比率が増加する方法があればさらに望ましいだろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(概要)
本開示により、シクロヘキシルベンゼンの製造方法を提供する。本方法は、以下の工程:(a)第1触媒の存在下、シクロヘキシルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、及び未反応ベンゼンを有する第1流出物ストリームを形成するのに十分なヒドロアルキル化条件下でベンゼンと水素を接触させる工程;(b)第1流出物ストリームの少なくとも一部を第1分離システムに供給して第1流出物ストリーム部分を、(i)ベンゼン、シクロヘキサン、及びメチルシクロペンタンを含むC6-リッチストリームと、(ii)シクロヘキシルベンゼン-リッチストリームに分割する工程;(c)C6-リッチストリームの少なくとも一部を、脱水素を触媒し、かつシクロヘキサンの少なくとも一部をベンゼンに変換し、メチルシクロペンタンの少なくとも一部を直鎖及び/又は分岐パラフィンに変換するのに十分な条件下で低酸性度を示す第2触媒と接触させて第2流出物ストリームを形成する工程;及び(d)第2流出物ストリームの少なくとも一部を接触工程(a)に再循環させる工程を含む。
以下の詳細な説明から、特に本明細書に添付した図面と共に読むと、本開示のシクロヘキシルベンゼンの開示製造方法のこれら及び他の特徴と性状並びにそれらの有利な応用及び/又は使用が明白であろう。
本開示の主題を製造及び使用する際の関連技術の当業者を助けるため、添付図面について言及する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例10及び11において異なる温度でのシクロヘキサン及びメチルシクロペンタン転化率対T.O.S.を示すプロットである。
【図2】実施例10及び11において反応温度の関数として触媒の安定性を示すプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(発明の詳細な説明)
本出願の詳細な説明及び特許請求の範囲内の全ての数値は、表示値が「約(about)」又は「約(approximately)」によって修飾されており、当業者によって予測されるであろう実験誤差及び実験変動を考慮している。
再循環ではシクロヘキサンをベンゼンに、より容易な分離ではメチルシクロペンタンを直鎖及び/又は分岐パラフィンに変換することによって、不要なプロセス副生物の問題が軽減される。ヒドロアルキル化反応器への再循環前に、ヒドロアルキル化流出液を、脱水素機能性及び酸機能性を有する二機能性触媒と接触させる。
いずれの市販のベンゼン及び水素供給原料も本方法で使用できる。しかし、ヒドロアルキル化では、供給原料ができる限り純粋であることが望ましい。13X、4A、Selexsorb CD、粘土、Zn、Cu、及び/又はいずれかの他の有効な吸着剤を用いて吸着することによって、ベンゼン供給原料及び水素供給原料内のイオウ、窒素、水、一酸化炭素及び/又は他の不純物を除去することができる。ベンゼン供給原料内のヒドロアルキル化触媒に対する好ましいイオウレベルは5wppm未満、通常1wppm未満である。ベンゼン供給原料内の好ましい水レベルは500wppm未満、通常250wppm未満である。ベンゼン供給原料内の好ましい窒素レベルは1wppm未満である。同様に、水素供給原料内の好ましい硫化水素レベルは5wppm未満、通常1wppm未満である。水素供給原料内の好ましいCOレベルも5wppm未満、通常1wppm未満である。水素供給原料内の好ましい窒素レベルは1wppm未満である。
【0015】
その開示内容全体を参照によって援用する2008年4月25日に出願された米国特許出願第61/047,821号は、シクロヘキシルベンゼン、シクロヘキサン及び未反応ベンゼンを含む第1流出物ストリームを生成するのに十分なヒドロアルキル化条件下でベンゼン及び水素を第1触媒と接触させる、シクロヘキシルベンゼンの製造方法を開示している。次にシクロヘキサン及び未反応ベンゼンを含む第1流出物ストリームの少なくとも一部を、シクロヘキサンの少なくとも一部をベンゼン及びビスフェニルに変換するための脱水素条件下で第2触媒と接触させて、第1ストリームより少ないシクロヘキサンを含む第2流出物ストリームを生成する。第2流出物ストリームの少なくとも一部を第1接触(ヒドロアルキル化)工程に戻して再循環させる。
本方法では、ヒドロアルキル化触媒の存在下、ヒドロアルキル化条件下でベンゼンを水素と接触させることによって、ベンゼンが以下の反応(1)を受けてシクロヘキシルベンゼン(CHB)を生成することによって、シクロヘキシルベンゼンが製造される。
【0016】
【化3】

【0017】
固定床、スラリー反応器、及び/又は触媒蒸留塔などの広範な反応器構成でヒドロアルキル化反応を行なうことができる。さらに、段階的に反応に少なくとも水素を導入する単一の反応ゾーン又は複数の反応ゾーンでヒドロアルキル化反応を行なうことができる。適切な反応温度は約50℃〜約400℃、例えば約100℃〜約250℃であり、さらに適切な反応圧力は約100〜約7,000kPa、例えば約500〜約5,000kPaである。水素対ベンゼンのモル比の適切な値は約0.01〜約100、さらに特に約0.15:1〜約15:1、例えば約0.4:1〜約4:1、例えば約0.4〜約0.9:1である。ベンゼン重量空間速度(weight hourly space velocity)は一般的に約0.01〜約100時間-1である。
【0018】
ヒドロアルキル化反応で使用する触媒は、酸機能及び水素化金属を有する分子ふるいを含む二機能性触媒である。適切な分子ふるいとして、ゼオライトβ、ゼオライトX、ゼオライトY及びMCM-22ファミリーの分子ふるいが挙げられる。本明細書で使用する場合、用語「MCM-22ファミリー材料」(又は「MCM-22ファミリーの材料」若しくは「MCM-22ファミリーの分子ふるい」)として、以下の1種以上が挙げられる。
・共通の第1度結晶構成要素単位胞(first degree crystalline building block unit cell)製の分子ふるいであり、単位胞はMWW骨格トポロジーを有する。(単位胞は、原子を三次元空間に敷き詰めた(tiled)場合に結晶構造を示す原子の空間配置である。このような結晶構造は、その内容全体が参考文献として援用される"Atlas of Zeolite Framework Types", Fifth edition, 2001で考察されている);
・該MWW骨格トポロジー単位胞の二次元タイリング(tiling)であり、1つの単位胞厚、好ましくは1つのc-単位胞厚の単層を形成する共通の第2度結晶構成要素製の分子ふるい;
・1つより多くの単位胞厚の層が、1つの単位胞厚の単層を少なくとも2つ積み重ね、詰め、又は結合することから作られる1つ又は1つより多くの単位胞厚の層である、共通の第2度構成要素製の分子ふるい。該第2度構成要素の積み重ねは規則様式、不規則様式、ランダム様式、又はそのいずれの組合せであってもよい;及び
MWW骨格トポロジーを有する単位胞のいずれかの規則的若しくはランダムな二次元又は三次元の組合せによって作られた分子ふるい。
【0019】
MCM-22ファミリーの分子ふるいは、一般的に12.4±0.25、6.9±0.15、3.57±0.07及び3.42±0.07オングストロームでd-間隔極大(d-spacing maxima)を含むX線回折パターンを有する。材料(b)を特徴づけるために使用するX線回折データは、入射放射線として銅のKα二重線及び収集システムとしてシンチレーションカウンターと連結コンピューターを備えた回折計を用いる標準技術によって得られる。MCM-22ファミリーの分子ふるいとして、MCM-22(米国特許第4,954,325号に記載)、PSH-3(米国特許第4,439,409号に記載)、SSZ-25(米国特許第4,826,667号に記載)、ERB-1(欧州特許第0293032号に記載)、ITQ-1(米国特許第6,077,498号に記載)、ITQ-2(国際特許公開第WO97/17290号に記載)、MCM-36(米国特許第5,250,277号に記載)、MCM-49(米国特許第5,236,575号に記載)、MCM-56(米国特許第5,362,697号に記載)、UZM-8(米国特許第6,756,030号に記載)、及びその混合物が挙げられる。好ましくは、分子ふるいは、(a)MCM-49、(b)MCM-56並びに(c)MCM-49及びMCM-56の同一構造型(isotype)、例えばITQ-2から選択される。
【0020】
本ヒドロアルキル化触媒ではいずれの既知の水素化金属をも使用できるが、適切な金属として、パラジウム、ルテニウム、ニッケル、亜鉛、スズ及びコバルトが挙げられ、パラジウムが特に有利である。一般的に、触媒中に存在する水素化金属の量は、触媒の約0.05〜約10wt%、例えば約0.1〜約5wt%である。分子ふるいがアルミノケイ酸塩である場合の一実施形態では、存在する水素化金属の量は、分子ふるい中のアルミニウム対水素化金属のモル比が約1.5〜約1500、例えば約75〜約750、例えば約100〜約300であるような量である。
水素化金属は、例えば、含浸又はイオン交換によって、分子ふるい上に直接担持させてよい。しかし、さらに好ましい実施態様では、水素化金属の少なくとも50wt%、例えば少なくとも75wt%、一般には実質的に水素化金属の全てが、分子ふるいから分離しているが分子ふるいと複合化した無機酸化物上に担持される。特に、無機酸化物上に水素化金属を担持させることにより、水素化金属が分子ふるい上に担持される等価な触媒と比較して、触媒の活性及びそのシクロヘキシルベンゼンとジシクロヘキシルベンゼンへの選択性が増加することが分かる。
該複合ヒドロアルキル化触媒で使用する無機酸化物は、ヒドロアルキル化反応の条件下で安定かつ不活性であれば、厳密には定義されない。適切な無機酸化物として、周期表の2族、4族、13族及び14族元素の酸化物、例えばアルミナ、チタニア及び/又はジルコニア等が挙げられる。本明細書で使用する場合、周期表の族の番号付けスキームは、Chemical and Engineering News, 63(5), 27 (1985)に開示されている通りである。
【0021】
便宜上、含浸によって無機酸化物上に水素化金属を沈着させた後、その金属含有無機酸化物を前記分子ふるいと複合化して触媒複合物を生成する。典型的に、触媒複合物は共ペレット化(分子ふるいと金属含有無機酸化物の混合物を高圧(一般的に約350〜約350,000kPa)でペレットに形成する)又は共押出(分子ふるい及び金属含有酸化物と必要に応じて別のバインダーを含むスラリーをダイを通して押し出す)によって製造される。必要ならば、結果として生じた触媒複合物上に追加の水素化金属を引き続き沈着させてよい。
適切なバインダー材料として、合成物質又は天然に存在する物質並びに無機材料、例えば粘土、シリカ及び/又は金属酸化物が挙げられる。無機材料は、天然に存在するものでよく、或いはシリカ及び金属酸化物の混合物を含むゼラチン質沈殿物又はゲルの形態であってよい。バインダーとして使用できる天然に存在する粘土には、モンモリロナイト及びカオリンファミリーの粘土があり、それらのファミリーには、主鉱物成分がハロイサイト、カオリナイト、ディッカイト、ナクライト又はアナウキサイト(anauxite)である、一般的にDixie、McNamee、Georgia及びFlorida粘土その他として知られているサブベントナイト及びカオリンが含まれる。このような粘土を採掘されたままの原料状態で使用することができ、或いは最初に焼成、酸処理又は化学修飾に供してよい。適切な金属酸化物バインダーとして、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、シリカ-アルミナ、シリカ-マグネシア、シリカ-ジルコニア、シリカ-トリア、シリカ-ベリリア、シリカ-チタニア並びに三元組成物、例えばシリカ-アルミナ-トリア、シリカ-アルミナ-ジルコニア、シリカ-アルミナ-マグネシア及びシリカ-マグネシア-ジルコニア等が挙げられる。
【0022】
水素化反応は発熱性なので、反応系は熱の管理を考慮しなければならない。好ましい方法は、ヒドロアルキル化反応器から冷却熱交換器を通る流出物の一部を再循環させ、冷却再循環ストリームを供給原料と混合することである。1つより多くのヒドロアルキル化床又は反応器を有し、段階的に水素を添加することも有利であり得る。
ヒドロアルキル化流出物を脱水素用の脱水素反応器に搬送する。ヒドロアルキル化流出物を単一の流出物ストリームとして処理してよく、或いは必要に応じて脱水素反応器への搬送前に1回以上の分離に供して2つ以上の流出物ストリームを形成してよい。通常の単位操作、例えば単段階フラッシュ及び/又は多段階蒸留によって、このような分離を達成することができる。例えば、1種以上のC6-リッチ成分(未反応ベンゼン、副生物シクロヘキサン、及びメチルシクロペンタンに富む)をより重いCHB-リッチ生成物及びより軽い化合物から分離することができる。1種以上のC6-リッチストリームをヒドロアルキル化反応器に再循環させて未変換ベンゼンをさらにヒドロアルキル化することができる。
【0023】
ヒドロアルキル化工程は、シクロヘキシルベンゼンに向かって非常に選択的であるが、所望のモノアルキル化種に加えて、ヒドロアルキル化反応からの流出物は一般的にいくらかのジアルキル化生成物及び他の重量生成物、並びに未反応ベンゼン供給原料を含むだろう。従って、ヒドロアルキル化流出物は、一般的に少なくとも2つの蒸留塔を含む分離システムに供給される。第1蒸留塔では、流出物から未反応ベンゼン供給原料及びシクロヘキサンが回収される。ベンゼンはヒドロアルキル化反応器に再循環され、シクロヘキサンは脱水素反応器に送られる。第1蒸留塔の底部をさらに蒸留して、精製シクロヘキシルベンゼン生成物ストリームを回収する。シクロヘキシルベンゼンより重い材料はパージストリーム内で除去され得る。必要に応じて、この工程において、任意のトランスアルキル化工程に供給するため、少なくともジシクロヘキシルベンゼンを含むポリアルキラートストリームを回収することができる。この工程ではまだ重いストリームが回収され、プロセスから一掃される。この重いストリームは、ポリアルキラートストリームのスリップストリームであるか、又はポリアルキラートストリームの精製の残留物であるか、或いは両者の組合せであり得る。一般的に、シクロヘキシルベンゼンの回収は、1つ又は必要に応じて2つの真空蒸留塔を用いて達成される。
【0024】
ヒドロアルキル化流出物中に存在するジシクロヘキシルベンゼンの量に応じて、ジシクロヘキシルベンゼンを追加1のベンゼンでトランスアルキル化して所望のモノアルキル化種の生成を最大にすることが望ましいだろう。追加のベンゼンによるトランスアルキル化は、典型的にヒドロアルキル化反応器から分離しているトランスアルキル化反応器内で、例えばMCM-22ファミリーの分子ふるい、ゼオライトβ、MCM-68(米国特許第6,014,018号参照)、ゼオライトY及びモルデナイト等の適切なトランスアルキル化触媒上で達成される。トランスアルキル化反応は典型的に、好適には総供給原料について約100〜約300℃の温度、約800〜約3500kPaの圧力、約1〜約10時間-1の重量空間速度、及び約1:1〜約5:1のベンゼン/ジシクロヘキシルベンゼン重量比を含む少なくとも部分的な液相条件下で行なわれる。
再循環すると、約30%以上、約70%以上、また約99%でさえのメチルシクロペンタン変換レベルが可能である。プロセスの性質に応じて連続的又は持続的に再循環を行なうことができる。
さらに、シクロヘキシルベンゼンを生成するためのベンゼンのヒドロアルキル化に対する競合プロセスは、以下の反応(2)に従ってシクロヘキサンを生成するためのベンゼンの完全な飽和に関与するので、ヒドロアルキル化反応器からの流出物は一般的に有意量のシクロヘキサンを含むだろう。
【0025】
【化4】

【0026】
上述したような非常に選択的なヒドロアルキル化プロセスでさえ、反応生成物中の5wt%〜20wt%のシクロヘキサンレベルは普通のことである(未反応ベンゼンを無視して)。ヒドロアルキル化工程におけるベンゼン転化率は典型的にたった40〜60%なので、C6生成物フラクションは典型的に再循環される。しかしながら、シクロヘキサンとベンゼンは沸点が近いので蒸留によっては容易にシクロヘキサンをベンゼンと分離することができないが、C6生成物ストリームをシクロヘキサン-リッチストリームとベンゼン-リッチストリームに分割することによって、シクロヘキサンをある程度ベンゼンから容易に分離することができる。従って、シクロヘキサンを少なくとも部分的にC6生成物フラクションから分離しない実施形態では、シクロヘキシルベンゼン合成工程でシクロヘキサンがC6再循環ストリーム内に蓄積する傾向があるだろう。そしてシクロヘキサンがベンゼンに取って代わり、さらなる望ましくない副生物をもたらすこともある。他の実施形態では、シクロヘキサンの少なくとも一部をベンゼンから分離して、少なくともシクロヘキサン-リッチストリーム及びベンゼン-リッチストリームを形成することができる。
【0027】
本方法では、シクロヘキサンの脱水素工程をヒドロアルキル化の再循環ループに組み入れることによって、シクロヘキサン生成の問題を最小限にする。従って、一実施形態では、シクロヘキシルベンゼン生成物から除去されたC6フラクション(典型的に50%超えのベンゼンと50%未満のシクロヘキサンを含有する)の少なくとも一部が脱水素反応器に供給され、そこで以下の反応(3)に従って、90%超え、例えば96%超え、例えば99%超えの選択性でシクロヘキサンがベンゼンに変換される。
【0028】
【化5】

【0029】
別の実施形態では、C6生成物ストリームを少なくとも部分的にシクロヘキサン-リッチストリームとベンゼン-リッチストリームに分割することができる。結果として生じるシクロヘキサン-リッチストリームはメチルシクロペンタンをも含むであろうから、それを脱水素反応器に供給してからヒドロアルキル化工程に戻して再循環させてよい。
さらに別の実施形態では、ヒドロアルキル化流出物ストリームを分離システムを通して処理して前記ヒドロアルキル化流出物ストリーム部分を、メチルシクロペンタンとシクロヘキサンを含むシクロヘキサン/メチルシクロペンタン-リッチストリーム、シクロヘキサン-リッチストリーム、ベンゼン-リッチストリーム、及びジシクロヘキシルベンゼン-リッチストリームに分割することができる。
C6生成物ストリーム又はシクロヘキサン-リッチストリーム又はシクロヘキサン/メチルシクロペンタン-リッチストリームを、脱水素を触媒し、かつシクロヘキサンの少なくとも一部をベンゼンに及びメチルシクロペンタンの少なくとも一部を直鎖/分岐パラフィンに変換するのに十分な条件下で低酸性度を示す脱水素触媒と接触させて、脱水素流出物ストリームを形成する。
当然に反応(3)は反応(2)の逆である。従って、反応(2)は相対的に低い温度と高い圧力の条件で有利に働くが、反応(3)を進行方向に推し進めるためには、熱力学は、より低い圧力及び/又はより高い温度を要求する。従って、シクロヘキサン脱水素工程は典型的に300℃より高い温度、例えば約330℃〜約430℃の温度、及び1000kPa未満、例えば約100〜約500kPaの圧力を含む条件下で行なわれる。
【0030】
シクロヘキサン脱水素は一般的に、多孔性の非酸性担体上に例えば1種以上のVIII族金属のような活性金属機能を有する触媒の存在下で行なわれる。適切なVIII族金属としては、パラジウム、白金、ニッケル、ロジウム、ルテニウム及びその組合せが挙げられる。好都合には、酸サイト中和のため及び触媒の安定性と選択性を改善するため、脱水素金属をカリウム、ナトリウム、スズ及び/又はリン等の1つ以上の他の元素と組み合わせる。脱水素触媒に適した担体としては、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、活性炭及びその組合せが挙げられる。担体は、典型的に3m2/gより大きい、例えば約20〜約500m2/gの表面積を有する。シクロヘキサン転化率は典型的に50%より高く、例えば約70〜約99%である。
脱水素反応器に同時供給されるガスは必要ないが、触媒コークス化を抑制するため、典型的にH2/炭化水素モル供給比が約0.5:1〜約5:1となるように水素ガスを同時供給すると好ましい。実際に、一実施形態では、プロセス全体で新鮮な補給水素をシクロヘキサン脱水素工程に供給する。そして、過剰水素及び同時生成水素を圧縮し、ヒドロアルキル化反応器に再循環させる。
固定床、移動床及び触媒蒸留反応器などのいずれの既知の反応器構成を利用してもシクロヘキサン脱水素を引き起こすことができる。さらに、バッチ又は連続プロセスとして反応を行なうことができる。
脱水素触媒は、活性金属機能及びあるレベルの酸性度を有する。活性金属機能は、好ましくは多孔性の非酸性担体上の1つ以上のVIII族金属の形をとる。有用なVIII族金属として、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、及びPtが挙げられる。好ましい脱水素触媒はPdである。脱水素触媒は反応系中に触媒として有効な量で存在する。触媒の酸性度は、アルファテストスケールに基づいて1未満でなければならない(アルファテストは、金属を添加する前、538℃及び大気圧での任意の酸触媒上のn-ヘキサンのクラッキングである)。
所望により、通常の蒸留技術を用いて、直鎖/分岐パラフィンを全体的又は部分的に脱水素流出物ストリームから分離することができる。ベンゼンに対して直鎖/分岐パラフィンの沸点が異なるため、分離は容易に達成される。直鎖/分岐パラフィンを脱水素流出物ストリームから分離する場合、ベンゼンを有するストリームの残りをヒドロアルキル化工程に再循環させ得る。ベンゼンを用いて追加のシクロヘキシルベンゼンを生成することができる。
【0031】
【化6】

【0032】
脱水素反応器に同時供給されるガスは必要ないが、好ましくは0.5:1〜5:1のH2/炭化水素モル供給比で水素を同時供給すると好ましい。脱水素工程では水素がベンゼンと同時生成されるので、水素を放出することができ、或いはさらに好ましくは、圧縮してヒドロアルキル化反応器に再循環させることができる。
以下は、本開示の例であり、限定と解釈すべきでない。
【実施例】
【0033】
(シクロヘキシルベンゼン(CHB)製造のための触媒調製)
Pd触媒をMCM-49触媒と共ペレット化することによって触媒を調製した。5g(グラム)のγアルミナに硝酸パラジウム溶液を含浸させてからPd含浸アルミナを空気中で3時間350℃で焼成することによってPd触媒を調製した。アルミナ上のPd荷重は0.3wt%である。80%のMCM-49と20%のアルミナを有する押出物を1/60インチ(423μm)以下の粒子に粉砕することによって、MCM-49触媒を調製した。次にPd/Al2O3触媒を粉砕MCM-49/Al2O3と1:3の重量比で混合してから20,000ポンド毎平方インチゲージ圧(psig)(138000kPa)下でハンドプレスを用いてペレット化して共ペレット化触媒を形成した。次にこの触媒を試験用に60〜100メッシュサイズに合わせた。
【0034】
実施例1〜9:種々のプロセス条件下でのCHB製造
上で調製した8gの触媒をステンレススチールの固定床微小反応器に装填した。反応器の内径は1/2インチ(12.7mm)であり、触媒床全体の中心に1/8インチ(3.175mm)のサーモウェルがある。300℃及び1気圧(atm)で2時間(hr)100立方センチメートル/分(cc/分)の水素で触媒を前処理した。水素内で155℃に冷ました後、反応器圧を150ポンド毎平方インチゲージ圧(psig)(1030kPa)に高めながら、1時間60cc/時間にてシリンジポンプを介して反応器にベンゼンを供給した。次にベンゼンの速度を0.52重量空間速度(WHSV)に下げ、水素/ベンゼンのモル比を1.28に調整した。液体生成物を冷却生成物トラップに回収し、オフラインで分析した。4つのプロセス変数を変えることによって、種々の試験条件を用いて触媒性能を評価した。表1は、これらのプロセス変数及びそれらの範囲並びに試験結果を示す。
【0035】
【表1】

【0036】
実施例10及び11:シクロヘキサン/メチルシクロペンタン脱水素
実験で用いた反応器は長さ22インチ(56cm)×外径(o.d.)3/8インチ(9.525mm)×壁圧0.035インチ(0.889mm)の寸法のステンレススチールである。炉の恒温ゾーン内に触媒を位置づけて支持するためのスペーサーとして反応器の底部に長さ8と3/4インチ(22.225cm)×外径1/4インチ(6.35mm)のステンレススチール管材料を1つ用いた。1/4インチ(6.35mm)のグラスウール栓をスペーサーの上部に置いて触媒を適所に保持した。触媒床全体にわたって走査する温度に順応するのに十分長い1/8インチ(3.175mm)のサーモウェルを触媒床内に置いた。
触媒を圧縮してペレットにしてから粉砕し、20〜40 USふるいメッシュにサイズを合わせた。典型的に、予め20〜40メッシュのサイズに合わせた2.5グラム(g)の触媒を同サイズの石英チップで希釈して5.5ccの体積とした。次に触媒の混合部分を前記上部から反応器に装填した。触媒床は典型的に12.5cmの長さだった。1/4インチ(6.35mm)のグラスウール栓を触媒床の上部に置いて触媒から石英チップを分離した。反応器の上部の残存空きスペースを石英チップで満たした。炉の中央に触媒床のある炉内に、予め印を付けた恒温ゾーンに反応器を設置した。次いで典型的に300psig(2070kPa)で水素を用いて反応器を圧力及び漏れ試験した。
触媒をその場で前調整し;H2流で50cc/分にて300℃に加熱して2時間維持した。次に供給原料を導入した。500ccのISCOシリンジポンプを用いて95%のシクロヘキサンと5%のメチルシクロペンタンの混合物を気化器に導入してから加熱ラインを介して反応器に導入した。水素供給原料の測定のためBrooksマスフローコントローラを使用した。調査制御弁を用いて反応器圧を典型的に50psig(340kPa)に制御した。GC分析を行なって供給原料の組成を検証した。95%のシクロヘキサンと5%のメチルシクロペンタンを含む供給原料を、2のWHSV及び50psig(340kPa)の圧力で300℃〜500℃の反応温度で維持した触媒床を通して流した。加熱ラインを通って反応器を出る生成物を分析用のFID(フレームイオン化検出器(flame ionization detector))及びTCD(熱伝導検出器(thermal conductive detector))を備えたHewlett and Packard 5890ガスクロマトグラフに送った。J&W Scientific DB-1キャピラリーカラム60m(メートル)×0.32mm(ミリメートル)×1.0ミクロンの膜厚を炭化水素生成物の分析に用いた。Supelco Carboxen 1000、1/8インチ(3.175mm)×30ft(フィート)(9.1m)s.s.ステンレススチールカラムを用いて固定ガスを分析した。分析は典型的に3時間間隔で行なった。
GC分析ランププログラムを以下のように設定した:-30℃3分間;5℃/分、120℃へ、0分維持;20℃/分、200℃へ、22分維持;及び30℃/分、270℃へ、最後まで維持。総分析時間は75分だった。
操業中の時間(time-on-stream)(TOS)プロファイルを表2、表3及び図1に示す。Akzo及びPtKLから得た2種の異なる触媒、0.3%/Al2O3を用いた(WO 9106616A2に記載の方法で調製された)。安定について種々の温度及び種々のT.O.Sで触媒を試験した。
表2及び表3は、シクロヘキサン及びメチルシクロペンタンの転化率並びに0.3%/Al2O3触媒を用いて作った生成物に対する選択性を示す。
【0037】
表2

【0038】
表3

【0039】
表2及び図1を参照すると、350℃ではMCPの変換が観察されなかった。CHの70%がベンゼンに変換された。選択性は99.8%だった。触媒は350℃で48時間後に安定なままだった。400℃では、CH転化率が98%であり、ベンゼンに対する選択性が99.8%だった。主な副生物はビフェニルである。400℃では、MCP転化率が35%だった。400℃では触媒失活が観察された。MCPは2-メチルペンタン、3-メチルペンタン及びヘキサンに変換された。図1は、触媒が、操業中(on stream)150時間より長く安定なままであることを示す。
反応温度の上昇がMCP転化率に及ぼす効果を評価した。データを図1に示す。データは0.3%Pt/Akzoは450℃超えの温度で非常に速く失活するが、触媒Pt/KLは、450℃超えの温度で安定、活性かつ選択的なままであること示す。500℃の温度では、CH及びMCP転化率は約100%である。
【0040】
特定種でストリームを「リッチ」と示している場合、当該ストリーム中の特定種が同分離システム内の他の主張されたストリームに対して質量百分率ベースで濃縮されていることを意味する。説明目的のみのため、分離システムを去るシクロヘキシルベンゼン-リッチストリームは、分離システムへのヒドロアルキル化流出物供給原料及びC6-リッチストリームより高いシクロヘキシルベンゼン質量%を有するであろう。「C6」種は一般的に6個以上の炭素原子を含むいずれの種をも意味する。
出願人は、合理的に予測できる開示主題の全ての実施形態及び応用を開示することを試みた。しかしながら、等価物として残る予測不可能な実体のない変形が存在し得る。本発明を特定の典型的実施形態に関連して述べたが、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、前述の記述に照らして当業者には多くの変更、変形、及び変動が明らかであることが明白である。従って、本開示は、上記詳細な説明のこのような全ての変化、変形、及び変動を包含することを意図している。
本明細書で引用した全ての特許、試験手順、及び他の文書は、優先権書類を含め、該開示がこの発明と矛盾しない程度まで完全に組み込まれ、全ての支配権では該組込みが許容される。
本明細書で下限数値及び上限数値が列挙されている場合、いずれの下限からいずれの上限までの範囲をも意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シクロヘキシルベンゼンの製造方法であって、以下の工程:
(a)第1触媒の存在下、シクロヘキシルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、及び未反応ベンゼンを含む第1流出物ストリームを形成するのに十分なヒドロアルキル化条件下でベンゼンと水素を接触させる工程;
(b)前記第1流出物ストリームの少なくとも一部を第1分離システムに供給して前記第1流出物ストリーム部分を、(i)ベンゼン、シクロヘキサン、及びメチルシクロペンタンを含むC6-リッチストリームと、(ii)シクロヘキシルベンゼン-リッチストリームに分割する工程;
(c)前記C6-リッチストリームの少なくとも一部を、脱水素を触媒し、かつ前記シクロヘキサンの少なくとも一部をベンゼンに変換し、前記メチルシクロペンタンの少なくとも一部を直鎖及び/又は分岐パラフィンに変換するのに十分な条件下で低酸性度を示す第2触媒と接触させて第2流出物ストリームを形成する工程;及び
(d)前記第2流出物ストリームの少なくとも一部を前記接触工程(a)に再循環させる工程
を含む方法。
【請求項2】
さらに以下の工程:
(a)前記供給工程(b)のC6-リッチストリームを、シクロヘキサン及びメチルシクロペンタンを含むシクロヘキサン-リッチストリームとベンゼン-リッチストリームに分割する工程;
(b)前記ベンゼン-リッチストリームを前記接触工程(a)に再循環させる工程;
(c)前記シクロヘキサン-リッチストリームの少なくとも一部を、脱水素を触媒し、かつ前記シクロヘキサンの少なくとも一部をベンゼンに変換し、前記メチルシクロペンタンの少なくとも一部を直鎖及び/又は分岐パラフィンに変換するのに十分な条件下で低酸性度を示す前記第2触媒と接触させて前記第2流出物ストリームを形成する工程;及び
(d)前記第2流出物ストリームの少なくとも一部を前記接触工程(a)に再循環させる工程
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
さらに以下の工程:
i.前記第1流出物ストリームの少なくとも一部を前記供給工程(b)の前記第1分離システムに分割して、前記第1流出物ストリーム部分の少なくとも一部を、メチルシクロペンタン及びシクロヘキサンを含むメチルシクロペンタン-リッチストリーム、シクロヘキサン-リッチストリーム、ベンゼン-リッチストリーム、シクロヘキシルベンゼン-リッチストリーム及びジシクロヘキシルベンゼン-リッチストリームに分割する工程;
ii.前記ベンゼン-リッチストリームを前記接触工程(a)に再循環させる工程;
iii.前記メチルシクロペンタン-リッチストリームの少なくとも一部を、脱水素を触媒し、かつ前記シクロヘキサンの少なくとも一部をベンゼンに変換し、前記メチルシクロペンタンの少なくとも一部を直鎖及び/又は分岐パラフィンに変換するのに十分な条件下で低酸性度を示す前記第2触媒と接触させて前記第2流出物ストリームを形成する工程;及び
iv.前記第2流出物ストリームの少なくとも一部を前記接触工程(a)に再循環させる工程
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2流出物ストリームを第2分離システムに供給してベンゼン-リッチストリーム及びパラフィン-リッチストリームを形成する工程と、前記ベンゼン-リッチストリームを前記接触工程(a)に再循環させる工程とをさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記ヒドロアルキル化条件が、50〜400℃の温度、100〜7000kPaの圧力、0.01〜100時間-1の重量空間速度及び0.01〜100のベンゼン対水素のモル比を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記脱水素条件が、330℃〜500℃の温度及び100〜1000kPaの圧力を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1触媒が、分子ふるい及び水素化金属である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1触媒が、Pd、Pt、Rh、Ru、Co、Ni、Ru、Sn、及びZnから選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1触媒がPdである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1分離システムがさらに前記第1流出物ストリームからジシクロヘキシルベンゼン-リッチストリームを分離し、かつ前記方法が、トランスアルキル化触媒の存在下で前記ジシクロヘキシルベンゼン-リッチストリームをさらなるベンゼンと接触させて、前記ジシクロヘキシルベンゼンを追加のシクロヘキシルベンゼンに変換する工程をさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記第1触媒が、多孔性の非酸性担体上の周期表8族の金属又はその化合物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−505210(P2012−505210A)
【公表日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−531012(P2011−531012)
【出願日】平成21年8月7日(2009.8.7)
【国際出願番号】PCT/US2009/004536
【国際公開番号】WO2010/042142
【国際公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(599134676)エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク (301)
【Fターム(参考)】