説明

システインプロテアーゼ阻害剤

式IIの化合物は、カテプシンKの阻害剤であり、かつ骨粗鬆症の治療又は予防に有用である。
【化1】


(式中、R及びRの一方はハロであり、他方はH又はハロであり、Rは、任意にフッ素化されたC〜C直鎖又は分枝鎖のアルキルであり、RはHであり又はRはRと隣接の主鎖炭素原子と共に、ハロ、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、又はC〜Cハロアルキルから選択された1〜3個の置換基で任意に置換された;又はメチレン基で任意に架橋されたスピロ−C〜Cシクロアルキル;若しくはO、NRa、S、S(=O)(式中、RaはH、C〜Cアルキル又はCHC(=O)である)から選択されたヘテロ原子を有するC〜C飽和ヘテロ環を規定し;Rは独立に、H又はメチルから選択され、Eは、−C(=O)−、−S(=O)−、−NRS(=O)−、−NRC(=O)−、−OC(=O)−であり、Rは、任意に置換された単環系又は二環系の安定な炭素環又はヘテロ環であり、mは独立に、0、1又は2である)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、システインプロテアーゼ阻害剤、特にパパインスーパーファミリー阻害剤に関するものである。本発明は、カテプシンKなどの生理的プロテアーゼの不均衡に起因する障害の予防又は治療に有用な新規化合物を提供する。
【背景技術】
【0002】
(関連技術の説明)
システインプロテアーゼのパパインスーパーファミリーは、哺乳類、無脊椎動物、原生動物、植物及び細菌を含めて多種多様な種に広く分布している。カテプシンB、F、H、K、L、O及びSを含めて、いくつかの哺乳類のカテプシン酵素は、このスーパーファミリーに属し、その活性の不適当な調節は、関節炎、筋ジストロフィー、炎症、糸球体腎炎及び腫瘍浸潤を含めて、いくつかの代謝障害に関与している。病原性カテプシン様酵素には、細菌性ジンジパイン(bacterial gingipain)、マラリアファルシパイン(malarial falcipain)I、II、III以下参照、並びにニューモシスチスカリニ(Pneumocystis carinii)、トリパノソーマクルーズ及びブルセイ(Trypanosoma cruzei and brucei)、クリシジアフシキュラタ(Crithidia fusiculata)、住血吸虫種(Schistosoma spp)からのシステインプロテアーゼが含まれる。
【0003】
カテプシンKの不適当な調節は、骨粗鬆症、歯肉炎や歯周炎などの歯肉疾患、パジェット病、悪性高カルシウム血症及び代謝性骨疾患を含めていくつかの障害に関与している。カテプシンKは、骨関節炎の滑膜の軟骨吸収細胞中で高レベルであることを考えると、骨関節炎やリウマチ様関節炎など軟骨又は基質の過剰な分解を特徴とする疾患に関与している。転移性新生細胞は、通常は周囲基質を分解する高レベルのタンパク質分解酵素を発現しており、したがってカテプシンKの阻害は、新生組織形成を治療する助けとなり得る。
国際公開第02/057270号は、式Iの化合物を開示している。
【0004】
【化1】

【0005】
式中、UVWXYは、ジペプチドシステインプロテアーゼ阻害剤のP3及びP2に広く対応し、Zは、とりわけO、S、メチレン又は−NR−であり、Rは、アルキル、アルキルアリールなどであり、P1及びQ1はそれぞれ、様々な炭素鎖及び環状基で任意に置換されたメチレンである。この化合物は、トリパノソーマなどの原虫感染の治療に有用であると言われている。
今回、ハロゲン原子を特定の環位置に導入すると、カテプシンKに対する効力が1桁増大することを発見した。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
システインプロテアーゼ阻害剤を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の簡単な記述)
本発明により、式IIの化合物、及び医薬として許容し得るその塩が提供される。
【0008】
【化2】

【0009】
式中、R及びRの一方はハロであり、他方はH又はハロであり;
は、任意にフッ素化されたC〜C直鎖又は分枝鎖のアルキルであり;
はHであり;又は
はRと隣接の主鎖炭素原子と共に、
ハロ、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、又はC〜Cハロアルキルから選択された1〜3個の置換基で任意に置換された;又はメチレン基で任意に架橋されたスピロ−C〜Cシクロアルキル;若しくは
O、NRa、S、S(=O)(式中、RaはH、C〜Cアルキル又はCHC(=O)−である)から選択されたヘテロ原子を有するC〜C飽和ヘテロ環を規定し;
は独立に、H又はメチルから選択され;
Eは、−C(=O)−、−S(=O)−、−NRS(=O)−、−NRC(=O)−、−OC(=O)−であり;
は、任意に置換された単環系又は二環系の安定な、炭素環又はヘテロ環であり、その又はそれぞれの環が、4、5又は6個の環原子と、S、O及びNから選択された0〜3個のへテロ原子とを有し、任意の置換基が、Rから選択された1〜3個のメンバーを含み;
は独立に、ハロ、オキソ、ニトリル、ニトロ、C〜Cアルキル、−NRaRb、−XNRbR、−NRbC〜CアルキルR、NHCO−、X−R、X−O−R、O−X−R9、X−C(=O)R、X−(C=O)NRaR、X−NRbC(=O)R、X−NHSO、X−S(=O)、X−C(=O)OR、X−NRbC(=O)ORから選択され;
は独立に、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、インドリニル、ピラニル、チオピラニル、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、フェニルであり、そのいずれもがR10で任意に置換されており;
10は独立に、ヒドロキシ、−X−R、−XNRaRb、−XNRbR、−NRbC〜CアルキルR、ニトロ、シアノ、カルボキシ、オキソ、C〜Cアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜Cアルカノイル、カルバモイルから選択され;
Xは独立に、結合又はC〜Cアルキルであり;
Rbは、H、C〜Cアルキルから選択され、
mは独立に、0、1又は2である。
【0010】
特定の理論又は特定の変数について仮の結合様式の帰属に拘泥するものではないが、本明細書で使用されるP1、P2及びP3は、便宜上提供されているにすぎず、通常のその意味を有し、酵素のS1、S2及びS3サブサイト(この場合、S1は開裂部位に隣接し、S3は開裂部位から遠く離れている)をそれぞれ満たすと考えられる阻害剤のその部分を意味する。
【0011】
好ましくは、P1基の立体化学配置は、下記の部分構造に記述する通りである。
【0012】
【化3】

【0013】
好ましくは、R及び/又はRのハロゲンは、塩素であり、最も好ましくはフッ素である。Rがハロ、特にフッ素であり、かつRがHであることが一般に好ましいが、本発明は、Rがハロ、特にFであり、かつRがHである又はR及びRがそれぞれFである化合物に及ぶ。
【0014】
P1基は、下記などの代替の形で存在することができ、本発明は、このような代替の形のすべてにまで及ぶことが理解されよう。
【0015】
【化4】

【0016】
好ましくは、P2基の立体化学配置は、下記の部分構造で記述するようなL−アミノ酸に対応するが、本発明は、D−異性体にも及ぶ。
【0017】
【化5】

【0018】
本発明は、他のキラル中心での異性体及びエナンチオマーもすべて含む。
一般に好ましいP2基には、RがHであり、かつRがイソ−ブチルであるものが含まれる。さらに好ましいP2基は、ホモ−t−ブチル、すなわち−CHC(CHである。
代替の好ましいP2基には、RとRが共に、シクロペンチル、シクロヘプチル、特にシクロヘキシルなどのスピロシクロアルキルを規定するものが含まれる。
P2シクロアルキルが置換されている場合、該置換は、通常は主鎖への結合に対してパラである。代表的な置換基には、モノフルオロ、ジフルオロ、モノヒドロキシ、ジェミナルヒドロキシル及びメチル置換基、モノメチル又はジェミナルメチルが含まれる。
代替のP2基には、RとRが共に、O、S、S(=O)又はNRx(式中、XはH又はメチルである)から選択されたヘテロ原子が、主鎖への結合点に対してパラ又はメタに対応する位置にある6員の飽和ヘテロ環を規定するものが含まれる。
直前の2つのパラグラフによる代表的なP2基には、下記のものが含まれる。
【0019】
【化6】

【0020】
一般に好ましいP2基には、下記のものが含まれる。
【0021】
【化7】

【0022】
がHであることが一般に好ましい。
【0023】
好ましいE基には、−S(=O)−、特に−S(=O)−、最も好ましくは−C(=O)−が含まれる。
【0024】
通常は、Rは、5個又は特に6個の環原子を有する単環系環、或いは4、5又は6員環に縮合させた6員環を含む二環系環構造である。
【0025】
典型的なR基には、飽和若しくは不飽和のヘテロ環又は飽和若しくは不飽和の炭素環が含まれ、そのいずれもが、上記に記載する通り任意に置換されている。例示的な変形には、C3〜8シクロアルキル、フェニル、ベンジル、テトラヒドロナフチル、インデニル、インダニル;アゼパニル、アゾカニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、インドリニル、ピラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、チオピラニル、フラニル、テトラヒドロフラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、テトラゾリル、ピラゾリル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソキサゾリル、キノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、キナゾリニル、テトラヒドロキナゾリニル及びキノキサリニルからなどのヘテロシクリルが含まれ、そのいずれもが、上記に記載する通り任意に置換されていてもよい。
【0026】
したがって、飽和ヘテロ環には、ピロリニル、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピラニル、チオピラニル、ピペラジニル、インドリニル、アゼチジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロフラニル、ヘキサヒドロピリミジニル、ヘキサヒドロピリダジニル、1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニルアミン、ジヒドロ−オキサゾリル、1,2−チアジナニル−1,1−ジオキシド、1,2,6−チアジアジナニル−1,1−ジオキシド、イソチアゾリジニル−1,1−ジオキシド及びイミダゾリジニル−2,4−ジオンなどの基が含まれ、不飽和ヘテロ環には、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、インドリル、イソインドリルなどの基が含まれる。いずれの場合にも、ヘテロ環は、フェニル環と縮合して、二環系を形成することができる。
【0027】
好ましい単環系R基には、置換ピリジル、置換ピリミジル;置換フェニル、具体的にはRaでN−置換されたピロリジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、4−メチルピペリジン−1−イル、4−(ピペリジン−3−イルメチル)−ピペリジン−1−イル、モルホリン−4−イル、4−メチルピペラジン−1−イル、2−モルホリン−4−イル−エチルアミノ、2−モルホリン−4−イル−エチルオキシ、1−ピリド−2−イルメチルアミノ、ピペラジン−1−イル、ピペリド−4−イル又はN−ピペラジニル;或いは−NRaRbで4−置換されたピペリジン−1−イルなどの環状基で置換されたフェニルが含まれる。フェニルRは、3位又は4位(パラ又はメタ)を例えばこのような環状基で好都合に置換されている。
【0028】
単環系R(フェニルなど)の代替の環状置換基には、フェニルなどのアリール基、或いはチオフェン、フリル、トリアゾール、チアゾール、ジアゾール、ピラゾール若しくはピロリジンなどの5又は6員のヘテロアリール基が含まれる。この文脈で好ましい環状置換基には、チアゾール−2−イル、ピリド−3−イル、特にピリド−2−イル、チエン−2−イル又はチアゾール−5−イルが含まれる。この環状置換基(すなわち、R)は、通常は直接このようなR種に結合されている(すなわち、Xは結合である)が、例えば−NH−、−N(Me)、−CHNH、−CHN(Me)−などのアミンスペーサー、−CH−などのC〜Cアルキルスペーサー又はエチルオキシなどのC〜C−アルキルオキシスペーサーも含むことができる。
直前のパラグラフにおけるRへの環状置換基はいずれも、上記に記載する通りR10で置換することができる。例えば、チアゾリルなどのヘテロ環R基を、メチルなどのC〜Cアルキルで置換することができる。
【0029】
好ましくは、直前の2つのパラグラフにおけるRへの環状置換基はいずれも、それ自体を環状基(すなわち、RはR部分を含む)、通常はピペリジン、ピペラジン又はモルホリンなどの飽和ヘテロ環状基で置換することができ、この飽和環状基は、例えばC〜Cアルキル、フルオロ、ジフルオロ、C〜Cアルキルオキシ又はC〜CアルキルオキシC〜Cアルキルで任意に置換されている。Rの規定で提供されているように、この飽和環状基(すなわち、R)は、X(例えば、C〜Cアルキル)、アミン(例えば、−NH−)、アミド、スルホンアミドなどによってR基と間隔を置くことができるが、通常は直接又はメチレンを介して結合されている。
【0030】
直前のパラグラフによる代表的なR基には、RaでN−置換されたピロリジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、4−メチルピペリジン−1−イル、4−(ピペリジン−3−イルメチル)−ピペリジン−1−イル、モルホリン−4−イル、4−メチルピペラジン−1−イル、2−モルホリン−4−イル−エチルアミノ、2−モルホリン−4−イル−エチルオキシ、1−ピリド−2−イルメチルアミノ、ピペラジン−1−イル、ピペリド−4−イル又はN−ピペラジニル;或いは−NRaRbで4−置換されたピペリジン−1−イルなどのヘテロ環が含まれる。
【0031】
一般に好ましいR置換基には、4−メチル−ピペラジン−4−イルや4−メチルオキシエチル−ピペラジン−4−イルなどの4−置換されたピペラジン−4−イル;フルオロ若しくはジフルオロで任意に4−置換されたピペリド−1−イルメチル;又はモルホリニルメチルが含まれる。
単環系R(フェニルなど)への代替の好ましい置換基には、−NRaRb、−CHNRaRb、C〜C直鎖若しくは分枝状のアルキル又は−O−Rが含まれる。
したがって、代表的なR基には、下記のものが含まれる。
【0032】
【化8】

【0033】
さらに代表的なR基には、下記のものが含まれる。
【0034】
【化9】

【0035】
式中、Rq及びRq’は独立に、H、C〜Cアルキル又はC〜Cアルカノイルから選択され、或いは共に、ピペリジン、ピペラジン又はモルホリンなど不飽和の5〜7員環を規定する。この環は、R10、具体的にはC〜Cアルキル、フルオロ又はジフルオロに対応する基で置換することができる。
一般に好ましいR基には、下記のものが含まれる。
【0036】
【化10】

【0037】
の代表的な二環系基には、下記のものが含まれる:ナフチレニル、特にナフチレン−2−イル;ベンゾ[1,3]ジオキソリル、特にベンゾ[1,3]ジオキソル−5−イル、ベンゾフラニル、特にベンゾフラン−2−イル、特にC〜Cアルコキシ置換ベンゾフラニル、さらに特に5−(2−ピペラジン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル−エトキシ)ベンゾフラン−2−イル、5−(2−モルホリノ−4−イル−エトキシ)−ベンゾフラン−2−イル、5−(2−ピペラジン−1−イル−エトキシ)ベンゾフラン−2−イル、5−(2−シクロヘキシル−エトキシ)−ベンゾフラン−2−イル;7−メトキシ−ベンゾフラン−2−イル、5−メトキシ−ベンゾフラン−2−イル、5,6−ジメトキシ−ベンゾフラン−2−イル、特にハロゲン置換ベンゾフラニル、さらに特に5−フルオロ−ベンゾフラン−2−イル、5,6−ジフルオロ−ベンゾフラン−2−イル、特にC〜Cアルキル置換ベンゾフラニル、最も特に3−メチル−ベンゾフラン−2−イル;ベンゾ[b]チオフェニル、特にベンゾ[b]チオフェン−2−イル;特にC〜Cアルコキシ置換ベンゾ[b]チオフェニル、さらに特に5,6−ジメトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル、キノリニル、特にキノリン−2−イル、キノリン−3−イル、キノリン−4−イル、キノリン−6−イル及びキノリン−S−イル;キノキサリニル、特にキノキサリン−2−イル;1,8−ナフチリジニル、特に1,8−ナフチリジン−2−イル;インドリル、特にインドール−2−イル、特にインドール−6−イル、インドール−5−イル、特にC〜Cアルキル置換インドリル、さらに特にN−メチルインドール−2−イル;フロ[3,2−b]ピリジニル、特にフロ[3,2−b]ピリジン−2−イル及びC〜C−アルキル置換フロ[3,2−b]ピリジニル、特に3−メチル−フロ[3,2−b]ピリジン−2−イル;チエノ[3,2−b]チオフェン、特にチエノ[3,2−b]チオフェン−2−イル、さらに特にC〜Cアルキル置換チエノ[3,2−b]チオフェン−2−イル、さらに特に5−tert−ブチル−3−メチルチエノ[3,2−b]チオフェン−2−イルである。
【0038】
好ましいR基には、具体的に環の2位に結合されたナフチル、キノロイル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インドリル及びインドリニルなど二環系環が含まれる。二環系R基に対する好ましい置換基には、RaでN−置換されたピロリジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、4−メチルピペリジン−1−イル、4−(ピペリジン−3−イルメチル)−ピペリジン−1−イル、モルホリン−4−イル、4−メチルピペラジン−1−イル、2−モルホリン−4−イル−エチルアミノ、2−モルホリン−4−イル−エチルオキシ、1−ピリド−2−イルメチルアミノ、ピペラジン−1−イル、ピペリド−4−イル又はN−ピペラジニル、或いは−NRaRbで4−置換されたピペリジン−1−イルが含まれる。具体的にベンゾフラニルに関連して特に好ましい置換基には、2−モルホリン−4−イル−エチルオキシ及びN−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ及び下記に記載のものが含まれる。
【0039】
一般に好ましい二環系R基は、置換基が−OR又は−NRbRであるものを含めて、任意に置換されたベンゾチアゾール又はベンゾフリル又はベンゾオキサゾリルである。例えば、好ましいR基には、C〜Cアルキルで任意に置換され、かつ/又はオキシ、メチルオキシ又はエチルオキシによってベンゾフリルと間隔を置いたピペリジン、ピペラジン又はモルホリンなどの飽和ヘテロ環で5位が非置換又は置換されたベンゾフラ−2−イルが含まれる。したがって、特に好ましいベンゾフリルR基には、下記のものが含まれる。
【0040】
【化11】

【0041】
一般式IIに戻すと:
Xは、通常はメチレン又は特に結合である。
【0042】
単独の又はC〜Cアルコキシなどの化合物表現内のC〜Cアルキル(式中、nは4である)には、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、シクロプロピル、メチルシクロプロピルなどが含まれ、nが他の値の場合、同様に拡張される。例えばCアルキルには、ホモ−t−ブチル(−CHC(CH)が含まれる。
【0043】
ハロゲン又はハロには、ブロモ、クロロ、特にフルオロが含まれる。
ハロアルキルは、少なくとも1個の炭素原子が1〜3個のハロゲン原子、好ましくはフッ素原子を有する、上記に記載のようなアルキル基を意味する。代表的なハロアルキル基には、フロオロメチル、ジフロオロメチル、トリフルオロメチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチルなどが含まれる。
【0044】
本発明で使用するP1構成単位は新規化合物を表し、本発明の追加の態様を成す。したがって、本発明のこのさらなる態様は、次式の化合物を提供する。
【0045】
【化12】

【0046】
式中、R1及びR2は上記に記載の通りであり、PGは、下記に記載のような窒素保護基、特にホルミル、アセチル、ベンゾイル、ピバロイル、t−ブチルアセチル、フェニルスルホニル、ベンジル、Fmoc、t−ブトキシカルボニル(BOC)及びベンジルオキシカルボニル(Cbz)である。本発明のこの態様は、さらに対応する非保護アミン(すなわち、PG=H)を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
本発明のこの態様の好ましい実施態様は、次式の化合物を含む。
【0048】
【化13】

式中、PGは上記に記載する通りである。
【0049】
本発明は、さらに下記の実施例に例示のような様々な新規P3構成単位を酸として又はカルボキシ保護基で保護して含む。
【0050】
本発明の好ましい化合物には、表A、B及びCのそれぞれからP3、P2及びP1メンバーを独自に選択することによって形成されたそれらの置換体が含まれる:
【0051】
【表A】

【0052】
【表B】

【0053】
【表C】




【0054】
本発明の追加の態様は、上記に規定するような化合物を含む医薬組成物、及び医薬として許容し得るそのための担体又は希釈剤を含む。
【0055】
本発明の別の態様は、上記に規定するような化合物の、下記のものなどのカテプシンKによって媒介された障害の治療用医薬品を製造する際の使用である:骨粗鬆症、歯肉炎や歯周炎などの歯肉疾患、パジェット病、悪性高カルシウム血症、代謝性骨疾患、骨関節炎やリウマチ様関節炎など軟骨又は基質の過剰な分解を特徴とする疾患、新生組織形成を含む骨癌、疼痛である。
【0056】
本発明の化合物は、本発明の追加の態様を成す塩を形成することができる。式IIの化合物の医薬として許容し得る適切な塩には、有機酸の塩、特に酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、乳酸塩、グルコン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、パントテン酸塩、イセチオン酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、酪酸塩、ジグルコン酸塩、シクロペンタン酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、シュウ酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、フマル酸塩、ニコチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、酒石酸塩塩、ラクトビオン酸塩、ピボル酸塩、樟脳酸塩、ウンデカン酸塩、コハク酸塩が含まれるが、これらに限定されないカルボン酸の塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−クロロベンゼンスルホン酸塩及びp−トルエンスルホン酸塩などの有機スルホン酸の塩;並びに塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、ヘミ硫酸塩、チオシアン酸塩、過硫酸塩、リン酸塩及びスルホン酸塩などの無機酸の塩が含まれる。式IIの化合物は、場合によっては水和物として単離することができる。
【0057】
本発明は、プロドラッグ、溶媒和物、複合体及び式IIの化合物をインビボで放出する他の形にまで及ぶことが理解されよう。
作用剤は、単独投与が可能であるが、製剤の一部分として存在することが好ましい。このような製剤は、上記に規定する作用剤を、1以上の許容し得る担体/賦形剤及び場合によっては他の治療物質と共に含む。担体は、製剤の他の物質と相溶であり、受容者に有害でないという意味で許容し得るものでなければならない。
製剤には、直腸、経鼻、局所(口腔内及び舌下を含めて)、腟内又は非経口(皮下、筋肉内、静脈内及び皮内を含めて)投与に適したものが含まれるが、製剤は経口的投与される製剤であることが好ましい。製剤は、単位用量形態、例えば錠剤及び徐放性カプセル剤で存在できることが好都合であり、薬学の技術分野で公知の任意の方法で調製することができる。
【0058】
このような方法には、上記に規定する作用剤を担体と会合させるステップを含む。一般に、作用剤を、液体担体又は微細化固体担体又は両方と均一かつ密接に会合させ、次いで必要なら生成物を造形することによって製剤を調製する。本発明は、式IIの化合物又は医薬として許容し得るその塩を、医薬として許容し得る担体又はビヒクルと結合又は会合させるステップを含む医薬組成物の調製方法にまで及ぶ。医薬製剤の製造が、医薬品賦形剤と塩の形の有効成分を密接に混合するものである場合、塩基性でない、すなわち酸性又は中性である賦形剤を使用することが好ましい。
【0059】
本発明において経口投与用の製剤は、それぞれ所定量の作用剤を含有するカプセル剤、カシェ剤又は錠剤;散剤又は顆粒;水性液体又は非水性液体の作用剤の溶液又は懸濁液;或いは水中油型液体乳濁剤又は油中水型液体乳濁剤及びボーラスなど別のユニットとして存在することができる。
【0060】
経口投与用の組成物(例えば、錠剤及びカプセル剤)に関して、適切な担体という用語は、一般的な賦形剤、例えば結合剤、例えばシロップ、アカシア、ゼラチン、ソルビトール、トラガカント、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ショ糖及びデンプンなどのビヒクル;充填剤及び担体、例えばコーンスターチ、ゼラチン、ラクトース、ショ糖、微結晶セルロース、カオリン、マンニトール、リン酸二カルシウム、塩化ナトリウム及びアルギン酸;並びにステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム及び他のステアリン酸金属、ステアリン酸グリセロール、ステアリン酸、シリコーン油、タルク、ワックス、オイル及びコロイドシリカなどの滑沢剤を包含する。ペパーミント、ウィンターグリーン油、チェリーフレーバリングなどの矯味剤に使用することができる。剤形を容易に認識し得るものとするために着色剤を添加することが望ましい場合がある。錠剤を、当技術分野で公知の方法によって被覆することもできる。
【0061】
錠剤は、場合によっては1以上の副物質を用いて、圧縮又は成形によって作製することができる。圧縮錠剤は、結合剤、滑沢剤、不活性希釈液、防腐剤、界面活性剤又は分散剤と任意に混合させた作用剤を、適切な機械で散剤や顆粒など易流動性の形に圧縮することによって調製することができる。成形錠剤は、不活性液体希釈液で湿潤させた粉末状化合物の混合物を、適切な機械で成形することによって作製することができる。錠剤を、任意に被覆し又は刻み目をつけることができ、或いは作用剤の持続又は制御放出をもたらすように配合することができる。
【0062】
経口投与に適した他の製剤には、矯味基剤、通常はショ糖及びアカシア又はトラガカント中に作用剤を含むロゼンジ;ゼラチン及びグリセリン又はショ糖及びアカシアなどの不活性基剤中に作用剤を含む香錠;並びに適切な液体担体中に作用剤を含む洗口剤が含まれる。
本発明の化合物又は製剤のための適切な用量は、適応症及び患者に依存し、通常の動物治験によって容易に決まる。細胞内で(パパインスーパーファミリーの生理的プロテアーゼの阻害するための)濃度である0.1〜25μMなどおよそ0.01〜100μM、より好ましくは0.01〜10μMを提供する用量が、通常は望ましく、かつ実現可能である。
本発明の化合物を、様々な溶液相及び固相の化学的性質によって調製する。
【0063】
化合物は、通常は最終生成物阻害剤のP1、P2及びP3部分を反映する構成単位として調製する。特定の理論又は特定の変数について仮の結合様式の帰属に拘泥するものではないが、本明細書で使用される抽象的概念P1、P2及びP3は、便宜上提供されているにすぎず、実質的にはSchlecter & Bergerの通常のその意味を有し、酵素のS1、S2及びS3サブサイト(この場合、S1は開裂部位に隣接し、S3は開裂部位から遠く離れている)をそれぞれ満たすと考えられる阻害剤のその部分を意味する。式Iで規定される化合物は、結合様式に関わらず本発明の範囲内であるものとする。
【0064】
大雑把に言えば、P1構成単位は、N−保護された6−フルオロ−3−オキソ−ヘキサヒドロ−フロ[3,2−b]ピロールであり、P2は、N−保護されたアミノ酸であるが、P3は、通常は置換ヘテロアロイル又はアロイル部分などのキャッピング基を含む。
まず、適切な保護された構成単位を個別に調製し、続いてカップリングさせる。すなわち、P2+P1→P2−P1。或いは、構成単位の前駆体をカップリングさせ、阻害剤配列の合成の後半段階で改変する。次いで、所望の構造の別の構成単位、構成単位の前駆体又は予め作製されたより大きい断片を、成長鎖に結合させることができる。例えば、R−E−P2+P1→R−E−P2−P1又はR−E+P2−P1→R−E−P2−P1(式中、は活性化型を意味する)。
【0065】
2つのアミノ酸、アミノ酸とペプチド又は2つのペプチド断片のカップリングは、アジド方法、混合炭酸−カルボン酸無水物(クロロギ酸イソブチル)方法、カルボジイミド(ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド又は水溶性カルボジイミド)方法、活性エステル(p−ニトロフェニルエステル、N−ヒドロキシコハク酸イミドエステル)方法、ウッドワード試薬K−方法、カルボニルジイミダゾール方法、リン試薬又は酸化−還元方法などの標準的カップリング手順を使用して実施することができる。これらの方法の一部(特に、カルボジイミド方法)は、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール又は4−DMAPを添加することによって改善させることができる。これらのカップリング反応は、溶液(液相)でも固相でも行うことができる。
【0066】
より明確には、カップリングステップは、一方の反応物質の遊離カルボキシルと他方の反応物質の遊離アミノ基を、カップリング剤の存在下で脱水カップリングさせて、リンキングアミド結合を形成するものである。このようなカップリング剤の説明は、ペプチド化学に関する一般的な教科書、例えば以降単にBodanszkyと呼ばれるM. Bodanszky、「ペプチド化学(Peptide Chemistry)」、2nd rev ed., Springer-Verlag, Berlin, Germany, (1993)に出ており、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。適切なカップリング剤の例は、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド;N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド又はN−エチル−N’−[(3ジメチルアミノ)プロピル]カルボジイミドの存在下で1−ヒドロキシベンゾトリアゾールである。実用的で有用なカップリング剤は、単独の又は1−ヒドロキシベンゾトリアゾール若しくは4−DMAPの存在下の市販のヘキサフルオロリン酸(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリス−(ジメチルアミノ)ホスホニウムである。別の実用的で有用なカップリング剤は、市販のテトラフルオロホウ酸2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムである。さらに別の実用的で有用なカップリング剤は、市販のヘキサフルオロリン酸O−(7−アザベンゾトリゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムである。
【0067】
カップリング反応を不活性溶媒、例えばジクロロメタン、アセトニトリル又はジメチルホルムアミド中で実施する。過剰の第3級アミン、例えばジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−メチルピロリジン又は4−DMAPを添加して、反応混合物をpH約8に維持する。反応温度は、通常は0℃〜50℃であり、反応時間は、通常は15分〜24時間である。
【0068】
非天然の構成アミノ酸の官能基は、一般にカップリング反応中、保護して、望ましくない結合の形成を回避しなければならない。使用することができる保護基は、以降単にGreeneと呼ばれるGreene、「有機化学の保護基(Protective Groups in Organic Chemistry)」、John Wiley & Sons, New York (1981)及び「ペプチド:分析、合成、生物学(The Peptides: Analysis, Synthesis, Biology)」、Vol. 3, Academic Press, New York (1981)に記載されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0069】
C−末端残基のα−カルボキシル基は、通常は開裂してカルボン酸を与えることができるエステルとして保護する。使用することができる保護基には、1)メチル、トリメチルシリル及びt−ブチルなどのアルキルエステル、2)ベンジルや置換ベンジルなどのアラルキルエステル又は3)トリクロロエチルやフェナシルエステルなど温和な塩基若しくは温和な還元手段によって開裂することができるエステルが含まれる。
【0070】
カップリング対象の各アミノ酸のα−アミノ基は、通常はN−保護されている。当技術分野で公知の任意の保護基を使用することができる。このような基の例には:1)ホルミル、トリフルオロアセチル、フタリル及びp−トルエンスルホニルなどのアシル基;2)ベンジルオキシカルボニル(Cbz又はZ)や置換ベンジルオキシカルボニル及び9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)などの芳香族カルバメート基;3)tertブチルオキシカルボニル(Boc)、エトキシカルボニル、ジイソプロピルメトキシカルボニル及びアリルオキシカルボニルなどの脂肪族カルバメート基;4)シクロペンチルオキシカルボニルやアダマンチルオキシカルボニルなどの環状アルキルカルバメート基;5)トリフェニルメチルやベンジルなどのアルキル基;6)トリメチルシリルなどのトリアルキルシリル;並びに7)フェニルチオカルボニルやジチアスクシノイルなどのチオール含有基が含まれる。好ましいα−アミノ保護基は、Boc又はFmocである。ペプチド合成のために適切に保護されたアミノ酸誘導体は多数市販されている。
【0071】
次のカップリングステップの前に、α−アミノ保護基を通常は開裂する。Boc基を使用する場合、好ましい方法は、無溶媒の又はジクロロメタン中のトリフルオロ酢酸、或いはジオキサン中又は酢酸エチル中のHClである。次いで、得られたアンモニウム塩を、カップリングの前に又は現場で、水性緩衝液、或いはジクロロメタン又はアセトニトリル又はジメチルホルムアミド中第3級アミンなどの塩基性溶液で中和する。Fmoc基を使用する場合、好ましい試薬は、ジメチルホルムアミド中ピペリジン又は置換ピペリジンであるが、任意の第2級アミンを使用することができる。脱保護を0℃〜室温の温度、通常は20〜22℃で実施する。
【0072】
側鎖官能基を有する天然又は非天然のアミノ酸のいずれかを、通常ペプチドの調製中は、上記に記載する基のいずれかを使用して保護する。当業者は、これらの側鎖官能基に適した保護基の選択及び使用は、アミノ酸及びペプチド中の他の保護基の存在に依存することを理解するであろう。このような保護基の選択の際には、その基が、α−アミノ基の脱保護及びカップリング中に除去されないことが望ましい。
【0073】
例えば、Bocをα−アミノ保護基として使用する場合、以下の側鎖保護基が適切である:p−トルエンスルホニル(トシル)部分を使用して、Lys及びArgなどのアミノ酸のアミノ側鎖を保護することができ;アセトアミドメチル、ベンジル(Bn)又はtert−ブチルスルホニル部分を使用して、システインのスルフィド含有側鎖を保護することができ;ベンジル(Bn)エーテルを使用して、セリン、トレオニン又はヒドロキシプロリンのヒドロキシ含有側鎖を保護することができ;かつベンジルエステルを使用して、アスパラギン酸及びグルタミン酸のカルボキシ含有側鎖を保護することができる。
【0074】
Fmocをα−アミン保護のために使用する場合、通常はtertブチルをベースとする保護基が許容し得るものである。例えば、Bocをリジン及びアルギニンのために使用し、tert.ブチルエーテルをセリン、トレオニン及びヒドロキシプロリンのために使用し、かつtert−ブチルエステルをアスパラギン酸及びグルタミン酸のために使用することができる。トリフェニルメチル(トリチル)部分を使用して、システインのスルフィド含有側鎖を保護することができる。
【0075】
阻害剤配列が完了すると、保護基はどれも、保護基の選択によって決まるどんな方式によっても除去する。これらの手順は、当業者に公知である。
一般式IIの化合物の合成の第1段階は、通常は官能化されたP1構成単位の溶液の調製である。本発明による化合物の別の命名法を使用することができる。便宜上、炭水化物命名法を、一般に本明細書では使用する。二環系P1基への典型的なスキームは、Mayer zum Reckendorf, Chem. Ber. 101 (1968), 3802-3807に記載されている4ステップで1,2:5,6−ジ−O−イソプロピリデン−D−アロフラノースから得られる適切に保護された中間体の閉環で始まり、3S,4Rの立体化学配置の前駆体を与える。
【0076】
【化14】

【0077】
スキーム1では、誘導体1のアジド基を、例えばエタノール又はメタノールのようなアルコールなど適切な溶媒中、適切なチャーコール担持パラジウム又は他の触媒を使用して接触水素化によって遊離アミンに還元する。得られた求核性窒素は、自発的に又は場合によってはトリエチルアミンや酢酸ナトリウムなどのような適切な塩基の存在下で反応し、C−6位が5,5−二環系を形成する。C−6における離脱基は、スルホン酸エステルに限定されず、ハロゲンなど他の離脱基も、本発明による化合物の合成全体を通して使用することができる。アジド残基のアミンへの還元は、アジド誘導体をトリアルキル−又はトリアリールホスフィンで処理し、続いて形成されたイミン誘導体を加水分解するなど文献により公知の他の方法によって行うこともできる。閉環した後、アミンを、化合物3のベンジルカルバメートのようなカルバメート又は通常酸では開裂されない同様の他の任意の保護基など適切な保護基でN−保護することができる。適切な保護基は、「有機化学の保護基(Protective groups in organic chemistry)」(3rd edition, 1999, Theodora W. Greene及びPeter G. M. Wuts (Wiley&sons))に出ている。
【0078】
3R,4S二環系では、Tetrahedron Asymmetry, 10 (1999) 1855-1859に記載のように調製することができる3−アジド−3−デオキシ−1,2:5,6−ジ−O−イソプロピリデン−D−グロフラノースを出発物質として同様の手法を使用することができる。次いで、この中間体をスキーム2に記載のように処理することができる。
【0079】
【化15】

【0080】
化合物4を、化合物4の5,6−アセタールを選択的に加水分解することができる希釈酢酸や類似物など温和な酸で処理して、ジオールを得ることができる。第1級アルコールは、塩化p−トルエンスルホニルのようなアルキル−又はアリールスルホニルクロリドと選択的に反応して、化合物5を生じることができる。誘導体5のアジド基を、例えばエタノール又はメタノールのようなアルコールなど適切な溶媒中、適切なチャーコール担持パラジウム又は他の触媒を使用して接触水素化によって遊離アミンに還元する。得られた求核性窒素は、自発的に又は場合によってはトリエチルアミンや酢酸ナトリウムなどのような適切な塩基の存在下で反応し、C−6位が5,5−二環系を形成し、そのカルバミン酸ベンジル(Cbz)など適切な保護基でN−保護して、化合物6を生じることができる。
或いは、3−アジド−3−デオキシ−1,2:5,6−ジ−O−イソプロピリデン−D−イドフラノース(Bull. Chem. Soc. Japan, 57, 1(1984), 237-241)は、スキーム3による3R,4S二環系のための適切な出発物質となり得る。
【0081】
【化16】

【0082】
化合物6を、化合物6の5,6−アセタールを選択的に加水分解することができる希釈酢酸や類似物など温和な酸で処理して、ジオールを得ることができる。第1級アルコールは、塩化p−トルエンスルホニルのようなアルキル−又はアリールスルホニルクロリドと選択的に反応して、化合物7を生じることができる。誘導体7のアジド基を、例えばエタノール又はメタノールのようなアルコールなど適切な溶媒中、適切なチャーコール担持パラジウム又は他の触媒を使用して接触水素化によって遊離アミンに還元する。得られた求核性窒素は、自発的に又は場合によってはトリエチルアミンや酢酸ナトリウムなどのような適切な塩基の存在下で反応し、C−6位が5,5−二環系を形成し、そのベンジルカルバメート(Cbz)など適切な保護基でN−保護して、化合物8を生じることができる。
閉環は、上記に示す基体に限定されず、スキーム4に示すような誘導体にも適用することができる。
【0083】
【化17】

【0084】
スキーム4のRxは、メチル、トリフルオロメチル、p−メチルフェニル又は容易に入手可能なアルキルスルホニルハライド中に存在する同様の残基から選択することができ、好ましくはChem. Ber. 101 (1968), 3802-3807に記載のようなジオールの第1級アルコール上の位置選択的反応に適した嵩高いRxとすることができる。R’及びR’は、規定するようなR及びRである。Pgは、ベンジルカルバメートのようなカルバメートや、酸では通常は開裂されない同様の任意の保護基などの適切な保護基とすることができる。
閉環反応のための別の基体は、スキーム5に示す化合物とすることができる。
【0085】
【化18】

【0086】
スキーム5のRxは、メチル、トリフルオロメチル、p−メチルフェニル又は容易に入手可能なアルキルスルホニルハライド中に存在する同様の残基から選択することができ、好ましくはChem. Ber. 101 (1968), 3802-3807に記載のようなジオールの第1級アルコール上の位置選択的反応に適した嵩高いRxとすることができる。R’及びR’は、上記に規定するようなR及びRである。Ryは、水素原子又はヒドロキシル保護基、好ましくはエーテル型保護基とすることができる。好ましくはRyは水素原子である。PGは、スキーム5の誘導体のための、カルバメートなど適切なN−保護基とすることができ、Ryは、通常は水素原子である。
5,5−二環系を得るための他の方法は、G. Lin及びZ. Shi, Tetrahedron, 53, 4, 1369-1382, 1997により開示されている。
スキーム6に、スキーム1で得られた5,5−二環系化合物の別の修正形態を概説する。
【0087】
【化19】

【0088】
化合物9は、モノ−オール9を、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)などの非プロトン性溶媒中、ベンジルハライド、特に臭化ベンジルなど所望のアルキル化剤の存在下で水素化ナトリウムや水酸化ナトリウムなどの塩基で処理することによって置換メチルエーテル、特にベンジルエーテルなど適切な酸安定保護基で保護する。次いで、得られた物質を、G. J. Ewing及びM. J. Robins, Org. Lett. 1, 4, 1999, 635-636又は本明細書中の参考文献により開示されている方法に従って化合物10に還元することができる。好ましくは、過剰の三フッ化ホウ素エーテラートを用いて、トリアルキルシランなどの還元剤の存在下で、特にジクロロメタンなどの適切な非プロトン性溶媒中、過剰のトリエチルシランを用いて還元を行う。例えば、適切な溶媒又は酢酸エチル−エタノールなどの溶媒混合物中チャーコール担持パラジウムを使用して、水素雰囲気中、二炭酸ジ−tert−ブチルの存在下で化合物10を接触水素化し、続いて生成物をピリジン中無水酢酸で処理すると、中間体11が生じる。上記に記載のような接触水素化を繰り返すことによって、モノ−オール12が得られる。
フッ素を化合物12に導入し、次いで二環系化合物をスキーム7に従ってN−脱保護することができる。
【0089】
【化20】

【0090】
化合物13を、[ビス−(2−メトキシエチル)アミノ硫黄トリフルオリド](Deoxo−Fluor(登録商標))などのフッ素化剤又はジエチルアミノ硫黄トリフルオリド(DAST)など同様のフッ素化剤で処理することができ、C−5で立体配置を反転させた生成物14を生じる。次いで、化合物14を、例えばナトリウムメトキシドのメタノール溶液又は水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウムなどの無機塩基を含む同様の任意のアルカリ性溶液で処理し、続いてジクロロメタン−トリフルオロ酢酸溶液などの酸性条件を使用してN−脱保護することによって、或いは「有機化学の保護基(Protective Groups in Organic Chemistry)」、3rd edition, 1999, Theodora W. Greene及びPeter G. M. Wuts (Wiley & Sons)に出ている他の方法によって脱アセチルする。
或いは、上記の誘導体9をスキーム8に従って処理することによって、エピマーのフッ素を得ることができる。
【0091】
【化21】

【0092】
C−5での立体配置の反転は、化合物16を光延条件下で反応させて、安息香酸エステルを生じることによって行うことができる。ナトリウムメトキシドのメタノール溶液を用いてエステル加水分解し、続いてモノ−オールを臭化ベンジルで処理すると、ベンジルで保護されたエピマー17がもたらされる。スキーム8の反応ステップd〜jは、スキーム6及び7で記載の通りである。
スキーム9に、「ジフルオロ誘導体」(式中、R及びRはフルオロである)への別の経路を示す。
【0093】
【化22】

【0094】
P1構成単位の合成は、Mayer zum Reckendorf, Chem. Ber. 101 (1968), 3802-3807に記載されている化合物21(3−アジド−3−デオキシ−1,2−O−イソプロピリデン−D−アロフラノース)から開始することができる。化合物21を、N,N−ジメチルホルムアミドなどの非プロトン性極性溶媒中、水素化ナトリウム又は水酸化ナトリウムなどの塩基の存在下で、臭化ベンジル又は塩化ベンジルのようなベンジル化剤で処理すると、誘導体22が生じる。次いで、化合物22を、ジクロロメタンなどの非プロトン性溶媒中、三フッ化ホウ素エーテラートやトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリルなど過剰のルイス酸を用いて、トリエチルシランなどのトリアルキルシランで処理する。次いで、得られたアジドを、例えばチャーコール担持パラジウムを使用して、二炭酸ジ−tert−ブチルの存在下で接触水素化してすることによって選択的に還元して、化合物23を得ることができる。或いは、アジドは、トリフェニルホスフィン−水と、その後に続く保護で適切なカルバメートを生じるなど文献により公知の他の方法で還元することができる。次のステップで位置選択性の問題を回避するために、化合物23を、ピリジンやトリエチルアミンなど無溶媒の有機塩基中又はジクロロメタンなどの非プロトン性溶媒と塩基の混合物中、塩化ベンゾイルなど塩化アシルや酸無水物などのアシル化剤で処理して、化合物24を得ることができる。上記に記載のように化合物24を接触水素化すると、ジオール25が生じる。化合物25の第1級アルコールにおける選択的ベンジル化を、文献により公知の複数の方法で行うことができる。スキーム9では、ジオールをトルエンなど適切な溶媒中、ジブチルスズオキシドと共に還流して、スズアセタールを形成する。次いで、スズアセタールを、DMF中、小過剰の臭化ベンジル及びフッ化セシウムと反応させ、所望の化合物26をもたらすことができる。26を、ジクロロメタン中、デス−マーチンペルヨージナンなど適切な酸化剤で酸化すると、第2級アルコールが、ジフッ化物28に変換するのに適切なケト化合物27に変換する。これは、化合物27を、ジクロロメタンや1,2−ジクロロエタンなどの非プロトン性溶媒中、Deoxo−Fluor(登録商標)などの過剰のフッ素化剤又はジエチルアミノ硫黄トリフルオリド(DAST)で処理することによって行うことができる。化合物28の安息香酸エステルをナトリウムメトキシドのメタノール溶液などのアルカリで開裂し、続いて接触水素化を用いて脱ベンジル化して、ジオール29を得ることができる。第1級アルコールにおけるスルホン酸エステルの選択的導入は、ジクロロメタンなど適切な溶媒中、ピリジンなどの塩基の存在下で、小過剰のアルキル−又はアリールスルホニルクロリドを換算温度で添加し、室温にまで徐々に上昇させて、化合物29をこのスルホニル化剤で処理し、モノ−オール30が生じることによって行うことができる。化合物30をジクロロメタン−トリフルオロ酢酸の混合物などの酸性条件下で処理すると、アミンが遊離し、生成物をトリエチルアミンなどの塩基で処理すると、分子内閉環が開始し、構成単位31が生じる。
スキーム10及び11に、5,5−二環系への代替経路を示す。
【0095】
【化23】

【0096】
スキーム10では、C−3及びC−4における置換基がシス関係であり、Lgがハロゲンやスルホン酸エステルなどの離脱基であり、かつRがアジドに等しく又は窒素が適切なN−保護基で保護された(上記に記載のように又は当技術分野で公知の方法で入手可能である)化合物32などの誘導体を、上記に記載のものなどのフッ素化剤で処理することができ、化合物33が生成される。アジドの還元又は適切な脱保護方法によって、マスクされたアミンを遊離すると、アミンは、C−6における分子内攻撃を行い、構造34を有する5,5−二環系を生成することができ、任意にN−保護されることがある(Pg=保護基又は水素原子)。上記に記載するものなど適切な還元剤又は同様の還元剤を用いてC−1を還元すると、構成単位35が生じる。
スキーム11に、ジフルオロ−5,5−二環系への代替経路を示す。
【0097】
【化24】

【0098】
スキーム11では、C−3及びC−4における置換基がシス関係であり、Lgがハロゲンやスルホン酸エステルなどの離脱基であり、かつRがアジドに等しく又は窒素が適切な保護基で保護された(上記に記載のように又は当技術分野で公知の方法で入手可能である)化合物36を、スワーン型反応又は他の適切な方法で酸化することができ、化合物37が生じることができる。スキーム11による化合物37を、上記に記載するものなど過剰のフッ素化剤で処理すると、化合物38が生じる。アジドの還元又は適切な脱保護方法によって、38のマスクされたアミンを遊離すると、アミンは、C−6における分子内攻撃を行い、構造39を有する5,5−二環系を生成することができ、任意にN−保護されることがある(Pg=保護基又は水素原子)。上記に記載するものなど適切な還元剤又は同様の還元剤を用いてC−1を還元すると、構成単位40が生じる。
スキーム12に、化合物(式中、R1又はR2はクロロなどのハロゲンである)への好都合な経路を示す。
【0099】
【化25】

【0100】
次いで、P1構成単位を、下記に概説又は例示され、或いは国際公開第00/69855号又は国際公開第02/057270号に開示されたものなど通常の溶液相又は固相の化学的性質によって、天然又は非天然P2アミノ酸及びP3基で伸長させる。P2及びP3基は、エナンチオマーとして市販され又はラセミ化合物から分割でき又は当業者に公知の簡単な化学転換を使用して得ることができる。例えば、ブッフバルト(Buchwald)化学反応(S. L. Buchwald & J. P. Wolfe, Journal of Organic Chemistry, 2000, 65, 1144)を使用して4−(メチル−ピペラジン−1−イル)−安息香酸を得、続いて合成することができる。4−(1−ピペリジン−4−イル)−安息香酸などの他のP3コアを、フリーデル−クラフツアシル化反応を使用して1−(4−フェニル−ピペリジン−1−イル)−エタノンから調製し、続いて当業者に公知の標準的化学転換を使用して合成する。或いは、5−[2−(4−モルホリニル)エトキシ]−2−ベンゾフラン−2−カルボン酸など他のP3部分を、L. S. Richter & T. R. GadekによりTetrahedron Lett., 1994, 35, 4705に詳述のように、固相での光延反応を使用して調製する。
【0101】
【化26】

【0102】
ウレタン化合物(すなわち、Eが−OC(=O)−である)を、例えばRアルコールとP2アミノ酸のイソシアナートとの反応によって形成することができる。イソシアナート又は等価反応性中間体は、適切な塩基、例えばトリエチルアミンの存在下にP2−アミノ酸のアミノ基とホスゲン又はジニトロフェニルカルボナートとの反応によって形成することができる。或いは、これらを、P2アミノ酸のアミノ基と適切なクロロホルマート、例えばクロロギ酸ベンジルとの反応によって形成することができる。
スルホンアミド誘導体(すなわち、E=S(=O)−)は、P2アミノ酸のアミノ基を、ジクロロメタンなどの溶媒中、トリエチルアミンやジメチルアミノピリジンなど適切な塩基の存在下で、適切な塩化スルホニルと反応させることによって調製することができる。
スルファミド誘導体(すなわち、E=NRaS(=O)−)は、塩化スルホニル溶媒中、適切なRアミンを反応させ、続いて形成された塩化スルファモイル誘導体を、ジクロロメタンなどの溶媒中、トリエチルアミンなどの適切な塩基の存在下で、上記に記載するRアミノ酸のアミノ基と反応させることによって調製することができる。
或いは、スキーム14及び実施例に示すように、ヒドロキシルとしてのP1構成単位を伸長し、その後酸化することができる。
【0103】
【化27】

【0104】
本明細書では「N−保護基」又は「N−保護された」という用語は、アミノ酸又はペプチドのN−末端を保護し、或いはアミノ基を合成手順中に望ましくない反応から保護するための基を指す。一般に使用されるN−保護基は、参照により本明細書に組み込まれるGreene、「有機合成の保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)」(John Wiley & Sons, New York, 1981)に開示されている。N−保護基には、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ピバロイル、t−ブチルアセチル、2−クロロアセチル、2−ブロモアセチル、トリフルオロアセチル、トリクロロアセチル、フタリル、o−ニトロフェノキシアセチル、α−クロロブチリル、ベンゾイル、4−クロロベンゾイル、4−ブロモベンゾイル、4−ニトロベンゾイルなどのアシル基;ベンゼンスルホニル、p−トルエンスルホニルなどのスルホニル基;ベンジルオキシカルボニル、p−クロロベンジルオキシカルボニル、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル、2−ニトロベンジルオキシカルボニル、p−ブロモベンジルオキシカルボニル、3,4−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、2−ニトロ−4,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、3,4,5−トリメトキシベンジルオキシカルボニル、1−(p−ビフェニリル)−1−メチルエトキシカルボニル、α,α−ジメチル−3,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、ベンズヒドリルオキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、ジイソプロピルメトキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、エトキシカルボニル、メトキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、フェノキシカルボニル、4−ニトロフェノキシカルボニル、フルオレニル−9−メトキシカルボニル、シクロペンチルオキシカルボニル、アダマンチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、フェニルチオカルボニルなどのカルバメート形成基;ベンジル、トリフェニルメチル、ベンジルオキシメチルなどのアルキル基;及びトリメチルシリルなどのシリル基が含まれる。好ましいN−保護基には、ホルミル、アセチル、ベンゾイル、ピバロイル、t−ブチルアセチル、フェニルスルホニル、ベンジル、t−ブトキシカルボニル(BOC)及びベンジルオキシカルボニル(Cbz)が含まれる。
【0105】
ヒドロキシ及び/又はカルボキシ保護基は、Greeneの同書で広範囲に概説され、メチルなどのエーテル、メトキシメチル、メチルチオメチル、ベンジルオキシメチル、t−ブトキシメチル、2−メトキシエトキシメチルなどの置換メチルエーテル;トリメチルシリル(TMS)、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)トリベンジルシリル、トリフェニルシリル、t−ブチルジフェニルシリルトリイソプロピルシリルなどのシリルエーテル;1−エトキシメチル、1−メチル−1−メトキシエチル、t−ブチル、アリル、ベンジル、p−メトキシベンジル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチルなどの置換エチルエーテル;トリチル及びピクシル(9−ヒドロキシ−9−フェニルキサンテン誘導体、特に塩化物)などのアラルキル基が含まれる。エステルヒドロキシ保護基には、ホルマート、ベンジルホルマート、クロロアセタート、メトキシアセタート、フェノキシアセタート、ピバロアート、アダマントアート、メシトアート、ベンゾアートなどのエステルが含まれる。カルボナートヒドロキシ保護基には、メチルビニル、アリル、シンナミル、ベンジルなどが含まれる。
【0106】
(実施態様の詳細な説明)
次に、本発明の様々な実施態様は、下記の実施例に関連して、例として記述されるものにすぎない。
【実施例】
【0107】
(実施例1)
(P1構成単位の構築)
【0108】
【化28】

【0109】
メタノール中、54(5.2g、13.0mmol)、炭素担持パラジウム(10%、Acros、0.66g)の混合物を、わずかに陽圧で水素化した。TLC(石油エーテル−酢酸エチル7:3及びジクロロメタン−メタノール9:1、モリブデン酸アンモニウム−硫酸セリウムで染色)によって、出発物質が、AMCを着色する主要な非UV活性点及びいくつかのより弱くより高い移動点(ジクロロメタン−メタノール9:1)に完全に変換したことが示唆された後、水素を1時間に3回換えた。次いで、反応混合物を、セライトを通して濾過し、濃縮し、粗化合物55を得た。
【0110】
ジクロロメタン(60mL)中残渣及びピリジン(3.2mL、40mmol)の懸濁液に、クロロギ酸ベンジル(0.93mL、6.5mmol)を0℃で添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌し、その後、追加のピリジン(3mL)及びクロロギ酸ベンジル(0.8mL)を0℃で添加した。次いで、該反応混合物を室温で終夜撹拌し、次いでジクロロメタン(100mL)で希釈し、1M 硫酸水溶液(2回×50mL)及び1M 炭酸水素ナトリウム水溶液(1回×50mL)で連続洗浄し、次いで乾燥し(硫酸ナトリウム)、濾過し、シリカで濃縮した。酢酸エチル:石油エーテル1:4(350mL)、2:3(250mL)、1:1(250mL)、3:2(250mL)及び3:1(150mL)を使用して、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(直径:4cm、YMC−ゲル:50g、充填溶離液:酢酸エチル:石油エーテル1:4)にかけると、終夜真空乾燥した後、泡沫状シロップの化合物56(2.71g、8.1mmol、2ステップで62%)が得られた。
NMRデータ (400 MHz, CDCl3): 1H, 1.33, 1.52 (2 s, 6H, C(CH3)2), 2.34 (2 d, 1H, -OH), 3.04 (m, 1H, H-6a), 3.97 (m, 1H, H-6b), 4.19 (m, 1H, H-5), 4.33 (m, 1H, H-3), 4.68, 4.84 (2 d, 1H, H-2), 4.79 (t, 1H, H-4), 5.08-5.24 (m, 2H, CH2Ph), 5.86 (br s, 1H, H-1), 7.30-7.42 (m, 5H, Ar-H) .
【0111】
【化29】

【0112】
ジメチルホルムアミド(30mL)中、水素化ナトリウム(鉱物油中60%、Aldrich、0.34g、8.4mmol)及び化合物56(2.17g、6.47mmol)の撹拌された懸濁液に、臭化ベンジル(0.81mmol、6.8mmol)を5分間で添加した。1時間撹拌した(TLC:酢酸エチル:石油エーテル2:3)後、メタノール(約2mL)を添加して、過剰の試薬を分解し、次いで酢酸エチル(180mL)と水(150mL)で即座に分液した。有機層を水(3回×100mL)で洗浄し、次いで乾燥し(硫酸ナトリウム)、濾過し、シリカで濃縮した。酢酸エチル:石油エーテル1:4(100mL)、3:7(250mL)及び2:3(250mL)を使用して、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(直径:4cm、YMC−ゲル:40g、充填溶離液:酢酸エチル:石油エーテル1:4)にかけると、終夜真空乾燥した後、無色シロップ(2.7g、6.35mmol、98%)が得られた。
NMRデータ (400 MHz, CDCl3): 1H, 1.31 (s, 3H, C(CH3)(CH3)), 1.51 (d, 3H, C(CH3)(CH3)), 3.29 (m, 1H, H-6a), 3.78-3.96 (m, 2H, H-5及びH-6b), 4.22 (dd, 1H, H-3), 4.64, 4.84 (2 M, 4H, H-2, H-4及びCH2Ph), 5.07-5.22 (m, 1H, CH2Ph), 5.94 (m, 1H, H-1), 7.28-7.39 (m, 10H, Ar-H) .
【0113】
【化30】

【0114】
ジクロロメタン(28mL)中化合物7(2.635g、6.19mmol)及びトリエチルシラン(9.9mL、61.9mmol)の撹拌された溶液に、0℃で三フッ化ホウ素エーテル化合物(7.9mL、61.9mmol)を1回で添加した。次いで、該反応混合物を室温で24時間撹拌し(TLC:石油エーテル−酢酸エチル4:1及び酢酸エチル−トルエン3:2)、次いで1M 炭酸水素ナトリウム水溶液(40mL)及びいくらかの固体炭酸水素ナトリウムを、泡立ちが終わるまで慎重に添加した。得られた混合物をジクロロメタン(100mL)と水(100mL)で分液した。有機層を、1M 炭酸水素ナトリウム水溶液(1回×100mL)及び食塩水(1回×100mL)で洗浄し、次いで乾燥し(硫酸ナトリウム)、濾過し、シリカで濃縮した。酢酸エチル:トルエン3:2(750mL)を使用して、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(直径:4cm、YMC−ゲル:48g、充填溶離液:酢酸エチル−トルエン3:2)にかけると、TLCによる純度が約85−90%の無色硬質シロップ(1.38g、3.74mmol、60%)が得られた。LR-MS:C21H24NO5の計算値:370.2.実測値:370.0[M+H].
【0115】
【化31】

【0116】
酢酸エチル(50mL)中、化合物58(1.38g、3.74mmol)、炭素担持パラジウム(Acros、10%、0.12g)及び二炭酸ジ−tert−ブチル(0.82g、3.7mmol)の混合物を、わずかに過圧で水素化した。水素を1時間に2回換え、反応をLC−MSによって監視した。1時間後、追加の炭素担持パラジウム(0.1g)を添加し、反応混合物をさらに1時間水素で処理した。次いで、反応混合物を、セライトを通して濾過し、濃縮した。該残渣を2:1ピリジン−無水酢酸(18mL)で終夜処理し、次いで濃縮した。該残渣をジクロロメタン(60mL)に再溶解し、1M 硫酸水溶液(2回×40mL)及び1M 炭酸水素ナトリウム水溶液(1回×40mL)で連続洗浄し、次いで乾燥し(硫酸ナトリウム)、濾過し、濃縮した。酢酸エチル:トルエン1:4(200mL)及び1:3(150mL)を使用して、該残渣(トルエン−酢酸エチル4:1に溶解)をフラッシュクロマトグラフィー(直径:3cm、YMC−ゲル:20g、充填溶離液:酢酸エチル:トルエン1:4)にかけると、終夜真空乾燥した後、無色シロップ(1.13g、3.0mmol、80%)が得られた。
NMRデータ (400 MHz, CDCl3): 1H, 1.45 (s, 9H, C(CH3)3), 2.08 (s, 3H, COCH3), 3.10 (m, 1H, H-6a), 3.74-3.99 (m, 3H, H-1a, H-5及びH-6b), 4.11 (m, 1H, H-1b), 4.16-4.74 (m, 4H H-3, H-4及びCH2Ph), 5.31 (m, 1H, H-2), 7.28-7.40 (m, 5H, Ar-H) .
【0117】
【化32】

【0118】
酢酸エチル(30mL)中、化合物60(1.08g、2.86mmol)及び炭素担持パラジウム(10%、0.15g)の混合物を、わずかに過圧で2時間水素化し(TLC:トルエン−酢酸エチル4:1及び1:1)、次いでセライトを通して濾過し、濃縮した。混合物をジクロロメタン(3回×10mL)から濃縮し、次いでジクロロメタンに溶解し、該溶液に、ビス−(2−メトキシエチル)アミノ硫黄トリフルオリド(THF中50%、2.12mL、2当量)を0℃で添加した。室温で終夜撹拌した後、追加のビス(2−メトキシエチル)アミノ硫黄トリフルオリド(THF中50%、2mL)を添加し、反応混合物を室温でもう一晩撹拌し(TLC:トルエン−酢酸エチル1:1、ニンヒドリン染色)、次いで1M 炭酸水素ナトリウム水溶液を、泡立ちが終わるまで慎重に添加した。得られた混合物をジクロロメタン(50mL)で希釈し、有機層を1M 炭酸水素ナトリウム水溶液(40mL)で1回洗浄し、次いで乾燥し(硫酸ナトリウム)、濾過し、濃縮した。トルエン−酢酸エチル4:1を使用して、残渣(トルエン−酢酸エチル4:1に溶解)をフラッシュクロマトグラフィー(直径:3cm、シリカ:25g、充填溶離液:トルエン−酢酸エチル4:1)にかけると、終夜真空乾燥した後、無色シロップの化合物62(0.49g、1.7mmol、59%)が得られた。いくらかの出発物質及び硫黄中間体を、反応混合物から回収することができる。
LR-MS:C9H13FNO5の計算値:234.1.実測値:234.0[M+2H-t-ブチル].
【0119】
(実施例2)
(典型的P2の伸長)
【0120】
【化33】

【0121】
化合物62(0.49g、1.7mmol)のメタノール(9.5mL)溶液に、0.5M ナトリウムメトキシドのメタノール溶液(1mL)を添加し、次いで室温で30分間撹拌した(TLC:トルエン−酢酸エチル3:2、ニンヒドリン染色)。メタノール洗浄したDowex W X 8(50〜100メッシュ、H−型)を慎重に添加し(pHをpH試験紙で監視し)、中性になるまで添加し、次いで該混合物を濾過し、濃縮した。残渣を、ジクロロメタンに溶解し、トリフルオロ酢酸を0℃で添加した。次いで、該反応混合物を室温で55分間撹拌し(TLC:ジクロロメタン−メタノール9:1、ニンヒドリン染色)、次いで濃縮した。メタノール:ジクロロメタン5:95(150mL)、7:93(100mL)及び1:9(200mL)を使用して、残渣(ジクロロメタン−メタノール95:5に溶解)をカラムクロマトグラフィー(直径:2cm、シリカ:15g、充填溶離液:ジクロロメタン−メタノール95:5)にかけると、硬質シロップが得られ、放置すると結晶化した(0.39g、1.50mmol、88%)。
NMRデータ (400 MHz, DMSO-d6): 1H, 3.34, 3.44 (2 dd, 1H, H-6a), 3.60-3.70 (m, 2H, H-1a及びH-6b), 3.89 (dd, 1H, H-1b), 4.15 (d, 1H, H-3), 4.51 (br s, 1H, H-2), 4.76 (dd, 1H, H-4), 5.26 (dd, 2JH,F = 48.3 Hz, H-5) .
【0122】
【化34】

【0123】
DMF(10mL)中、化合物64(0.34g、1.30mmol)、N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.28g、1.43mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(0.22g)及びN−(tert−ブトキシカルボニル)−L−ロイシン一水和物(0.34g、1.37mmol)の撹拌された溶液に、トリエチルアミン(0.54mL、3.9mmol)を添加し、次いで室温で24時間撹拌した。反応混合物を、10% クエン酸水溶液(30mL)と酢酸エチル(10mL)で分液した。水層を酢酸エチル(3回×10mL)で抽出し、次いで有機層を合わせ、水(1回×20mL)及び1M 炭酸水素ナトリウム水溶液(3回×20mL)で連続洗浄し、次いで乾燥し(硫酸ナトリウム)、濾過し、シリカで濃縮した。残渣を、酢酸エチル:石油エーテルを用いたフラッシュクロマトグラフィー(40−60%、階段状勾配溶離)にかけると、無色非晶質固体の15(0.35g、0.98mmol、75%)が得られた。
LR-MS:C13H22FN2O5の計算値:305.1.実測値:305.1[M+2H-t-ブチル].
【0124】
(実施例3)
(典型的P3の伸長)
【0125】
【化35】

【0126】
化合物65(0.11g、0.31mmol)のジクロロメタン(2mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(2mL)を0℃で添加し、次いで室温で45分間撹拌した。次いで、反応混合物を濃縮し、トルエンと共濃縮した。DMF(3mL)中、該残渣、N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.064g、0.34mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(0.051g)及びベンゾ[b]フラン−2−カルボン酸(0.052g、0.32mmol)の懸濁液に、トリエチルアミン(0.13mL、0.9mmol)を添加し、次いで室温で24時間撹拌した。次いで、該反応混合物を濃縮した。次いで、該残渣を10% クエン酸水溶液(30mL)と酢酸エチル(10mL)で分液した。水層を酢酸エチル(2回×10mL)で抽出し、次いで有機層を合わせ、水(1回×10mL)及び1M 炭酸水素ナトリウム水溶液(3回×10mL)で連続洗浄し、次いで乾燥し(硫酸ナトリウム)、濾過し、シリカで濃縮した。該残渣を、酢酸エチル:石油エーテルを用いたフラッシュクロマトグラフィー(50−60%、階段状勾配溶離)にかけると、無色ガラス質固体の66(0.11g、0.27mmol、89%)が得られた。
LR-MS:C21H26FN2O5の計算値:405.2.実測値:405.1[M+H].
【0127】
(実施例4)
(P1ケトンへの酸化)
【0128】
【化36】

【0129】
撹拌された化合物66(0.10g、0.25mmol)のジクロロメタン(4mL)溶液に、デス−マーチンペルヨージナン(0.12g、0.28mmol)を室温で添加した。90分間撹拌した後、反応混合物をジクロロメタン(10mL)で希釈し、1:1 1M 炭酸水素ナトリウム水溶液−10% チオ硫酸ナトリウム水溶液(4回×10mL)で洗浄し、次いで乾燥し(硫酸ナトリウム)、濾過し、シリカで濃縮した。残渣を、酢酸エチル:石油エーテルを用いたフラッシュクロマトグラフィー(50−60%、階段状勾配溶離)にかけると、無色発泡体の67(0.072g、0.18mmol、71%)が得られた。化合物67は、幾何異性体(回転異性体)とその水和物の混合物として得られる。
【0130】
LR-MS:C21H24FN2O5の計算値:403.2.実測値:403.0[M+H].67のケト型のNMR試料を下記の通り得た;5mgの化合物67(水和物/ケトの比が6:4の幾何異性体と水和物形の混合物)をDMSO−d6に溶解し、次いでNMR装置で100℃にまで加熱し、次いで50℃になるまで放置し、そのときNMRは、微量の水和物形しか示さず、回転異性体の比は2:1であった。
NMRデータ (500 MHz, DMSO-d6, 50℃): 1H, 0.90-1.04 (m, 4 x CH3, 主及び副), 1.39-1.82 (m, 2 x CH2CH(CH3)2及び2 x CH2CH(CH3)2, 主及び副), 3.56 (m, H-6a, 副), 3.82 (m, H-6A, 主), 3.97-4.25 (m, 4 x H-1, 主及び副及びH-6b, 副), 4.37 (dd, H-6b, 主), 4.62 (d, H-3, 副), 4.79 (m, H, 主), 4.84 (d, H-3, 主), 4.94 (m, H-4, 主), 5.12 (m, H-4, 副), 5.15-5.34 (m, H-5 主及びH-5 副, H 副, JH,F 主 = 49.1 Hz, JH,F 副 = 49.4 Hz), 7.35 (t, 1H, Ar-H), 7.47 (t, 1H, Ar-H), 7.57-7.70 (m, 2H, Ar-H), 7.78 (d, 1H, Ar-H), 8.18 (d, -NH, 副), 8.70 (d, -NH, 主) .
【0131】
(実施例5)
(代替P3)
【0132】
【化37】

【0133】
化合物55(0.11g、0.32mmol)のジクロロメタン(2mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(2mL)を0℃で添加した。室温で45分間撹拌した後(TLC:石油エーテル−酢酸エチル1:1及び酢酸エチル−メタノール−酢酸−水40:3:3:2)、該反応混合物を濃縮し、トルエン(3回×5mL)から共濃縮した。DMF(3mL)中、該残渣、4−(ジメチルアミノ)安息香酸(0.055g、0.33mmol)、N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.067g、0.35mmol)及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(0.053g)の懸濁液に、トリエチルアミン(0.13mL、0.95mmol)を添加し、次いで室温で終夜撹拌した(TLC:石油エーテル−酢酸エチル2:3及び酢酸エチル−メタノール−酢酸−水40:3:3:2)。次いで、該反応混合物を濃縮し、8% KHPO水溶液(30mL)と酢酸エチル(10mL)で分液した。水層を酢酸エチル(3回×10mL)で抽出し、合わせた有機層を水(1回×10mL)及び1M 炭酸水素ナトリウム水溶液(3回×10mL)で洗浄し、次いで乾燥し(硫酸ナトリウム)、濾過し、濃縮した。該残渣をジクロロメタンに再溶解し、シリカで濃縮した。該残渣をフラッシュクロマトグラフィー(直径:2cm、シリカ:8g、充填溶離液:石油エーテル−酢酸エチル1:1)にかける(階段状勾配溶離、酢酸エチル:石油エーテル50−100%)と、無色発泡体(0.10g、0.25mmol、80%)が得られた。
LR-MS:C21H31FN3O4の計算値:408.2.実測値:408.1[M+H].
【0134】
【化38】

【0135】
撹拌された、モノ−オール68(0.096g、0.24mol)のジクロロメタン溶液に、デス−マーチンペルヨージナン(0.11g、0.26mmol)を室温で添加した。該反応混合物は赤色になり、約35分間撹拌した後(TLC:石油エーテル−酢酸エチル2:3)、該反応混合物をジクロロメタン(10mL)で希釈し、1:1 1M 炭酸水素ナトリウム水溶液−10% チオ硫酸ナトリウム水溶液(4回×10mL)で洗浄し、次いで乾燥し(硫酸ナトリウム)、濾過し、シリカで濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(直径:2cm、シリカ:7g、充填溶離液:石油エーテル−酢酸エチル1:1)にかける(階段状勾配溶離、酢酸エチル:石油エーテル 50−100%)と、無色発泡体(0.039g、0.10mmol、41%)が得られた。
LR-MS:C21H27FN3O4の計算値:404.2.実測値:404.1[M-H].
【0136】
(実施例6)
(代替P3)
【0137】
【化39】

【0138】
化合物55(0.12g、0.32mmol)のジクロロメタン(2mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(2mL)を0℃で添加し、次いで室温で45分間撹拌した。次いで、該反応混合物を濃縮し、トルエン(3回×5mL)と共濃縮した。DMF(3mL)中、該残渣、N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.068g、0.36mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(0.055g)及び4−フェノキシ安息香酸(0.073g、0.34mmol)の懸濁液に、トリエチルアミン(0.14mL、0.97mmol)を添加し、次いで室温で24時間撹拌した。次いで、該反応混合物を濃縮した。次いで、該残渣を10% クエン酸水溶液(30mL)と酢酸エチル(10mL)で分液した。水層を酢酸エチル(2回×10mL)で抽出し、次いで有機層を合わせ、水(1回×10mL)及び1M 炭酸水素ナトリウム水溶液(3回×10mL)で連続洗浄し、次いで乾燥し(硫酸ナトリウム)、濾過し、シリカで濃縮した。該残渣を、1:1 酢酸エチル:石油エーテルを用いたフラッシュクロマトグラフィーにかけると、無色硬質シロップ(0.14g、0.30mmol、91%)が得られた。
LR-MS:C25H30FN2O5の計算値:457.2.実測値:457.2[M+H].
【0139】
【化40】

【0140】
撹拌されたモノ−オール(0.128g、0.28mmol)のジクロロメタン(4mL)溶液に、デス−マーチンペルヨージナン(0.12g、0.28mmol)を室温で添加した。90分間撹拌した後、該反応混合物をジクロロメタン(10mL)で希釈し、1:1 1M 炭酸水素ナトリウム水溶液−10% チオ硫酸ナトリウム水溶液(4回×10mL)で洗浄し、次いで乾燥し(硫酸ナトリウム)、濾過し、シリカで濃縮した。該残渣を、酢酸エチル:石油エーテルを用いたフラッシュクロマトグラフィー(50−60%、階段状勾配溶離)にかけると、無色発泡体の71(0.072g、0.18mmol、71%)が得られた。
LR-MS:C21H28FN2O5の計算値:455.2.実測値:455.1[M+H].
【0141】
(実施例7)
(代替P1エピマー)
【0142】
【化41】

【0143】
【化42】

【0144】
撹拌された化合物(60)(1.58g、4.19mmol)のメタノール(20mL)溶液に、0.5M ナトリウムメトキシドのメタノール(5mL)溶液を室温で添加し、次いで40分間撹拌した。次いで、該反応混合物をDowex 50 WX 8(H−型)で中和し、濾過し、わずかにアルカリ性になるまでトリエチルアミンを添加し、次いで濃縮し、トルエン(2回×20mL)から濃縮した。DMF(10mL)中、該残渣及びイミダゾール(0.43g、6.28mmol)の撹拌された溶液に、tert−ブチルジメチルクロロシラン(0.76g、5.02mmol)を0℃で添加し、次いで室温で終夜撹拌した。次いで、該反応混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、10% クエン酸水溶液(3回×50mL)及び1M 炭酸水素ナトリウム水溶液(3回×50mL)で連続洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、濾過し、シリカで濃縮した。該残渣をカラムクロマトグラフィー(階段状勾配溶離、酢酸エチル:トルエン、5−20%)にかけると、完全に保護された中間体(1.86g)がシロップとしてもたらされた。酢酸エチル(40mL)中、チャーコール担持パラジウム(Aldrich、10%、0.28g)及び上記で得られた中間体(1.80g、4.00mmol)の混合物をわずかに過圧で1時間水素化し、次いでセライトを通して濾過し、濃縮した。該物質は真空乾燥すると結晶化し、針状の72(1.34g、90%)をもたらした。
NMRデータ (400 MHz, CDCl3): 1H, δ0.14 (m, 6H, Si(CH3)2), 0.90 (m, 9H, SiC(CH3)3), 1.48 (m, 9H, C(CH3)3), 2.53 (m, 1H, OH), 2.78 (dd, 1H, - H-6A), 3.67-4.05 (m, 3H, H-1A, H-1B及びH-6B), 4.05-4.21 (m, 2H, H-3及びH-5), 4.35-4.50 (2 brs, 1H, H-2), 4.57 (m, 1H, H-4) .
【0145】
【化43】

【0146】
THF(15mL)中、(72)(1.068g、2.97mmol)、安息香酸(0.50g、4.46mmol)及びトリフェニルホスフィン(1.17g、4.46mmol)の撹拌された溶液に、0℃でアゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.88mL、4.46mmol)のTHF(5mL)溶液を20分間で滴下した。次いで、該反応混合物を室温で終夜撹拌し、次いでシリカで濃縮した。該残渣を、溶離液として石油エーテル−酢酸エチル9:1を使用したフラッシュクロマトグラフィーにかけると、無色シロップ(1.34g、97%)が得られた。
NMRデータ (400 MHz, CDCl3): 1H, δ0.08-0.21 (m, 6H, Si(CH3)2), 0.90 (s, 9H, SiC(CH3)3), 1.42-1.56 (m, 9H, C(CH3)3), 3.48 (m, 1H, H-6A), 3.70-4.01 (m, 3H, H-1A, H-1B, H-6B 副及び主), 4.21, 4.30 (2d, 1H, H-3), 4.44, 4.56 (2 brs, 1H, H-2), 4.72 (m, 1H, H-4), 5.34 (d, 1H, H-5), 7.45 (t, 2H, Ar-H), 7.58 (t, 1H, Ar-H), 8.00 (d, 2H, Ar-H) .
【0147】
【化44】

【0148】
撹拌された(73)(1.34g、2.89mmol)のメタノール(6mL)溶液に、0.5M ナトリウムメトキシドのメタノール(6mL)溶液を室温で添加し、次いで15分間撹拌した。次いで、反応混合物をDowex 50 WX 8(H−型)で中和し、濾過した。得られた溶液を、(II)(0.187g、0.40mmol)から出発して上記のように同様に得られた溶液に添加し、次いで濃縮した。該残渣を、溶離液としてトルエン−酢酸エチル3:2を使用したフラッシュクロマトグラフィーにかけると、無色シロップの74が得られ、真空乾燥すると結晶化した(1.091g、92%)。
NMRデータ (400 MHz, CDCl3): 1H, δ0.06-0.20 (m, 6H, Si(CH3)2), 0.89 (s, 9H, SiC(CH3)3), 1.42-1.54 (m, 9H, C(CH3)3), 2.03 (brs, 1H, OH), 3.28 (dd, 1H, H-6A), 3.53-3.79 (m, 3H, H-1A, H-1B, H-6B), 4.19及び4.34-4.56 (2 m, 4H, H-2, H-3, H-4及びH-5) .
【0149】
【化45】

【0150】
テフロン(Teflon)被覆されたフラスコ中の撹拌された(74)(0.428g、1.19mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液に、Deoxofluor(THF中50%、0.53mL)を室温で添加すると、わずかな温度上昇が生じた。反応混合物を室温で72時間撹拌し、次いでジクロロメタン(20mL)で希釈し、1M 炭酸水素ナトリウム水溶液(2回×20mL)で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、濾過し、シリカで濃縮した。該残渣を、溶離液として石油エーテル−酢酸エチル9:1を使用したフラッシュクロマトグラフィーにかけると、無色オイルの(IV)(0.118g、27%)が得られた。
NMRデータ (400 MHz, CDCl3): 1H, δ0.08-0.20 (m, 6H, Si(CH3)2), 0.89 (s, 9H, SiC(CH3)3), 1.42-1.53 (m, 9H, C(CH3)3), 3.26及び3.36 (2 dd, 1H, H-6A), 3.64 (m, 1H, H-1A), 3.73-4.04 (m, 3H, H-1B, H-6B), 4.20 (dd, 1H, H-3*), 4.40, 4.51 (2 s, 1H, H-2), 4.69 (m, 1H, H-4*) 4.86, 4.98 (2 brs, 1H, H-5). * 交換可能.
【0151】
【化46】

【0152】
撹拌された(75)(0.229g、0.63mmol)のTHF溶液(8mL)に、THF(0.70mL)中1M フッ化テトラブチルアンモニウムを添加し、次いで室温で40分間撹拌した。次いで、反応混合物をシリカで濃縮した。該残渣を、溶離液としてトルエン−酢酸エチル1:1を使用したカラムクロマトグラフィーにかけると、無色硬質シロップの75(0.150g、96%)が得られた。
NMRデータ (400 MHz, CDCl3): 1H, δ1.46-1.53 (m, 9H, C(CH3)3), 2.70 (d, 0.3H, OH-副), 3.26-3.46 (m, 1.7H, H-6A及びOH-主), 3.75-4.04 (m, 3H, H-1A, H-1B及びH-6B), 4.29, 4.34 (2d, 1H, H-3* 副及び主), 4.43, 4.50 (2 brs, 1H, H-2 副及び主), 4.74 (m, 1H, H-4*), 4.89, 5.02 (2 brs, 1H, H-5) .
【0153】
【化47】

【0154】
(75)(0.099g、0.40mmol)のジクロロメタン(2mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(2mL)を0℃で添加し、次いで室温で35分間撹拌し、次いで濃縮し、トルエン(3回×5mL)から濃縮した。該残渣である、DMF(4mL)中1−ヒドロキシベンゾトラゾール水和物(0.067g、0.44mmol)、N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド×HCl(0.084g、0.44mmol)及びN−(tert−ブトキシカルボニル)−L−ロイシン一水和物(0.105g、0.42mmol)の懸濁液に、トリエチルアミン(0.17mL、1.2mmol)を添加し、次いで室温で終夜撹拌した。次いで、該反応物を半分の体積に濃縮し、酢酸エチル(25mL)で希釈し、10% クエン酸水溶液(3回×15mL)及び1M 炭酸水素ナトリウム水溶液(3回×15mL)で連続洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、濾過し、濃縮した。該残渣を、酢酸エチル−トルエン 3:2を使用したカラムクロマトグラフィーにかけると、無色硬質シロップ(0.137g、95%)の(76)がもたらされた。
NMRデータ (400 MHz, CDCl3, 選択シグナル): 1H, δ0.89-1.01 (m, 6H, C(CH)2), 4.98, 5.07 (2 dd, 1H, H-5主及びH-5 副)
LR-MS:C17H30FN2O5の計算値:361.2.実測値:361.1[M+H].
【0155】
【化48】

【0156】
(76)(0.137g、0.38mmol)のジクロロメタン溶液に、TFAを0℃で添加し、次いで室温で30分間撹拌し、次いで濃縮し、トルエン(3回×5mL)から濃縮した。DMF(3mL)中、残渣である1−ヒドロキシベンゾトラゾール水和物(0.064g、0.42mmol)、N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド×HCl(0.080g、0.42mmol)及びベンゾ[b]フラン−2−カルボン酸(0.065g、0.40mmol)の懸濁液に、トリエチルアミン(0.16mL、1.2mmol)を添加し、次いで室温で終夜撹拌した。次いで、該反応物を半分の体積に濃縮し、酢酸エチル(25mL)で希釈し、10% クエン酸水溶液(3回×15mL)及び1M 炭酸水素ナトリウム水溶液(3回×15mL)で連続洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、濾過し、濃縮した。該残渣を、酢酸エチル−トルエン3:2を使用したカラムクロマトグラフィーにかけると、無色硬質シロップの(77)(0.148g、96%)がもたらされた。
LR-MS:C21H26FN2O5の計算値:405.2.実測値:405.1[M+H].
【0157】
【化49】

【0158】
撹拌された(77)(0.148g、0.37mmol)のジクロロメタン溶液に、デス−マーチンペルヨージナン(0.171g、0.40mmol)を室温で添加した。2時間撹拌した後、該反応混合物をジクロロメタン(20mL)で希釈し、次いで1:1 1M 炭酸水素ナトリウム水溶液/10% チオ硫酸ナトリウム水溶液(3回×12mL)で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、濾過し、濃縮した。該残渣をカラムクロマトグラフィー(階段状勾配溶離、酢酸エチル:トルエン、40−50%)にかけると、無色発泡体の(VIII)(0.105g、71%)がもたらされた。
NMRデータ (100 MHz, CDCl3, 選択シグナル): 13C, δ206.7及び206.5 (C=O 主及び副).
LR-MS: C21H24FN2O5の計算値:403.2. 実測値:403.1 [M+H].
【0159】
(実施例8)
(追加のカテプシンK阻害剤)
続いて、下記に概説する固相方法を使用して、表に列挙するN−保護されたP2及びP3酸を実施例1のP1構成単位にカップリングさせることによって、下記の表に示す化合物8.1〜8.13及び8.15〜8.20を合成した。化合物8.14を、下記に概説するように溶液相で合成した。商業上の供給源から容易には入手できないP2及びP3構成単位の構築は、下記に出ている。
【0160】
【表1】












【0161】
P2構成単位
【0162】
【化50】

【0163】
8.1〜8.13及び8.15〜8.67の固相合成は、一般に国際公開第02/88106号に記載のように、公知の化学的性質を使用したマーフィーのリンカー法を使用して実施した。FmocNH二環系のケトン官能基を、酸に不安定なセミカルバゾンとして誘導体化し、HBTU、HOBt及びNMMを使用してアミノメチル官能化ポリマー支持樹脂に結合させるためのカルボン酸を提供した。Fmocを除去した後、対応するP2 Fmoc酸を、対称無水物を予備成形させた場所にカップリングさせた。カップリングをまず8時間実施し、次いで新鮮な試薬を用いて終夜繰り返した。Fmocを除去した後、標準的カップリング条件を使用してP3酸を導入した。樹脂の洗浄、乾燥及びそれからの開裂によって、所望の粗物質が得られ、カラムクロマトグラフィー又は分取hplcによって精製した。修正された手順が必要であった化合物を下記に記載する。
【0164】
1H−インドール−2−カルボン酸[1−(6−フルオロ−3−オキソ−ヘキサヒドロフロ[3,2−b]ピロール−4−カルボニル)−3−メチル−ブチル]−アミド(実施例8.6)
樹脂結合HN−L−Leu−P1(150mg、0.03mmol)に、インドール−2−カルボン酸(24.2mg、0.15mmol)のDMF(1.0mL)溶液を添加した。次いで、1,3−ジイソプロピルカルボジイミド(19mg、0.15mmol)及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(23mg、0.15mmol)のDMF(1mL)溶液を添加した。該反応を終夜撹拌し、次いでDMF(7回×10mL)、MeOH(5回×10mL)及びTBME(5回×10mL)で洗浄した。真空下17時間乾燥した後、生成物を、10mLのTFA:水(95:5)中で45分間懸濁することによって樹脂から開裂した。次いで、ろ液をN流下濃縮し、セミ分取HPLCによって精製し、次いで凍結乾燥して、白色固体の表題化合物が得られた。化合物を、HPLC、H NMR及びMSによって特性決定し、ケトン型及び水和物型が共に存在することを示した。
【0165】
4−ピペリジン−4−イル安息香酸(実施例8.9)
4−フェニルピペリジン(10.0g、62mmol)及びピリジン(5.74mL、71mmol)をDCM(80mL)に溶解し、0℃に冷却した。塩化アセチル(4.00mL、71mmol)のDCM(20mL)溶液を上記の溶液に滴下した。次いで、混合物を室温で2時間撹拌し、hplcによって完結したと見なされると、水で抽出し、乾燥し、真空中で濃縮して、淡黄色オイル(10.6g、84%)を得た。これを放置すると凝固し、さらに精製することなく使用した。黄色オイル(10.6g、52.2mmol)をDCMに溶解し、−78℃に冷却し、塩化オキサリル(18.3mL、209mmol)を滴下して処理し、続いて塩化アルミニウム(20.9g、157mmol)を分割して添加した。添加が完結すると、フラスコを氷塩浴に入れ、混合物を−20℃で3時間、次いで室温で終夜撹拌した。次いで、該混合物を氷−水に注ぎ込み、DCM(100mL×3回)で抽出し、乾燥し、真空中で濃縮した。残渣をNaOH水溶液(2N)に溶解し、HCl(6N)を0℃で添加して、溶液をpH5に酸性化した。沈殿物(7.9g)を濾別し、水(200mL)で洗浄した。次いで、残渣を6N HClに懸濁し、18時間加熱還流した。溶媒を蒸発させ、残渣をエタノールで再結晶した。結晶を濾別し、表題化合物(5.05g、63%)を得た。
【0166】
4−(5−ピペリジン−1−イルメチル−チオフェン−2−イル)安息香酸(実施例8.15)
5−ブロモ−2−チオフェンカルボキサルデヒド(10mmol)及びピペリジン(10mmol)を、THF(10mL)中で混合し、二塩化ジブチルスズ(0.2mmol)を添加した。室温で5分間撹拌した後、フェニルシラン(11mmol)を添加し、該反応を室温でさらに17時間撹拌させた。次いで、該反応物を真空中で濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM)で精製して、金色オイルの1−(5−ブロモ−チオフェン−2−イルメチル)−ピペリジン(MS ES+において、m/z=260、262)を得て、その後のステップで直接使用した。マグネチックスターラ棒を含む反応チューブに、4−カルボキシフェニルボロン酸(0.05mmol)、臭化チオフェン(0.05mmol)、Pd(PPh(0.025mmol)、アセトニトリル(2mL)及び1M NaCO(水溶液)(2mL)を加えた。次いで、該反応チューブをシールし、マイクロ波照射(100W、4分間)によって150℃に加熱し、その温度で10分間保持した。室温まで放冷した後、該反応物を1M HClでpH1に酸性化し、得られた沈殿物を濾別した。次いで、この粗生成物をシリカプラグに通して、無機種を除去し、濃縮して、茶色粉末の表題化合物(MS ES+で、m/z=304)を得、hplc及びMSによって特性決定し、さらに精製することなく次のステップで使用した。
【0167】
4−(5−モルホリン−4−イルメチル−チオフェン−2−イル)安息香酸(実施例8.16)
4−(5−モルホリン−4−イルメチル−チオフェン−2−イル)安息香酸を合成するために、ピペリジンを先の実験においてモルホリンで置換した。
【0168】
5−[2−(4,4−ジフルオロ−ピペリジン−1−イル)−エトキシ]−ベンゾフラン−2−カルボン酸(実施例8.17)
4,4−ジフルオロピペリジン塩酸塩(1g、6.3mmol)のTHF(20mL)溶液に、メチルブロモアセタート(0.63mL、6.6mmol)及びトリエチルアミン(2.65mL、19.0mmol)を添加した。該反応を4時間加熱還流した。該反応を水(50mL)で希釈し、生成物を酢酸エチル(3回×20mL)で抽出した。合わせた有機分画を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空中で濃縮して、茶色オイルの(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)酢酸メチルエステル(1.17g、96%)を得た。MS 194(M+H)。(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)酢酸メチルエステル(1.17g、6.1mmol)のTHF(15mL)溶液に、水素化アルミニウムリチウム(0.46g、12.2mmol)を分割して0℃で添加した。泡立ちが終わると、反応物を60℃で1.5時間加熱した。水(10mL)、続いて水酸化ナトリウム溶液(2N、10mL)、次いで水(10mL)で該反応を止めた。該反応物を濾過し、ろ液を酢酸エチル(3回×20mL)で抽出した。合わせた有機分画を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し及び真空中で濃縮して、茶色オイルの2−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)−エタノール(0.99g、99%)を得た。MS 166(M+H)。アゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.36mL、1.82mmol)のDCM(20mL)溶液に、ポリマーによって支持されたトリフェニルホスフィン(728mg、2.18mmol)を添加した。該反応物を室温で10分間撹拌した。5−ヒドロキシベンゾフラン−2−カルボン酸エチルエステル(0.25g、1.21mmol)及び2−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)−エタノール(210mg、1.27mmol)を添加し、該反応物を室温で16時間撹拌した。該反応物を濾過し、ろ液を真空中で濃縮した。該生成物を、n−ヘプタン中50% tert−ブチルメチルエーテルを溶離液としてシリカで精製して、黄色固体の5−[2−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)エトキシ]ベンゾフラン−2−カルボン酸エチルエステル(375mg、88%)を得た。MS 354(M+H)。THF(5mL)及び水(1mL)中5−[2−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)エトキシ]ベンゾフラン−2−カルボン酸エチルエステル(375mg、1.06mmol)溶液に、水酸化リチウム(34mg、2.12mmol)を添加した。該反応物を室温で16時間撹拌した。THFを真空中で除去し、残留水溶液を凍結乾燥器で終夜乾燥して、茶色固体の粗表題化合物(MS 326(M+H、5.3分))を得、さらに精製することなくHN−Leu−P1へのカップリングに使用した。
【0169】
5−[2−(4−トリフルオロメチル−ピペリジン−1−イル)−エトキシ]−ベンゾフラン−2−カルボン酸(実施例8.18)
4−トリフルオロメチルピペリジン塩酸塩(1g、5.3mmol)のTHF(20mL)溶液に、メチルブロモアセタート(0.52mL、5.5mmol)及びトリエチルアミン(2.2mL、15.8mmol)を添加した。該反応を4時間加熱還流し、次いで水(50mL)で希釈し、生成物を酢酸エチル(3回×20mL)で抽出した。合わせた有機分画を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空中で濃縮して、茶色オイルの(4−トリフルオロメチルピペリジン−1−イル)酢酸メチルエステル(1.19g、98%)を得た。MS 226(M+H)。(4−トリフルオロメチルピペリジン−1−イル)酢酸メチルエステル(1.19g、5.3mmol)のTHF(15mL)の溶液に、水素化アルミニウムリチウム(0.4g、10.6mmol)を分割して0℃で添加した。泡立ちが終わると、該反応物を60℃で1.5時間加熱した。水(10mL)、続いて水酸化ナトリウム溶液(2N、10mL)、次いで水(10mL)で反応を止めた。該反応物を濾過し、ろ液を酢酸エチル(3回×20mL)で抽出した。合わせた有機分画を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、真空中で濃縮して、茶色オイルの2−(4−トリフルオロメチルピペリジン−1−イル)−エタノール(1.0g、99%)を得た。MS 198(M+H)。アゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.58mL、2.28mmol)のDCM(20mL)溶液に、ポリマーによって支持されたトリフェニルホスフィン(1.14g、3.4mmol)を添加した。該反応物を室温で10分間撹拌した。5−ヒドロキシベンゾフラン−2−カルボン酸エチルエステル(0.47g、2.3mmol)及び2−(4−トリフルオロメチルピペリジン−1−イル)−エタノール(0.45g、2.28mmol)を添加し、該反応物を室温で16時間撹拌した。該反応物を濾過し、ろ液を真空中で濃縮した。生成物を、シリカを用いてn−ヘプタン中50% tert−ブチルメチルエーテルで溶離して精製して、黄色固体の5−[2−(4−トリフルオロメチルピペリジン−1−イル)エトキシ]ベンゾフラン−2−カルボン酸エチルエステル(548mg、62%)を得た。MS 386(M+H)。THF(5mL)及び水(1mL)中5−[2−(4−トリフルオロメチルピペリジン−1−イル)エトキシ]ベンゾフラン−2−カルボン酸エチルエステル(548mg、1.42mmol)溶液に、水酸化リチウム(45mg、2.84mmol)を添加した。該反応物を室温で16時間撹拌した。THFを真空中で除去し、残留水溶液を凍結乾燥器で終夜乾燥して、茶色固体の粗表題化合物(MS 358(M+H))を得、HN−Leu−P1とのカップリングに直接使用した。
【0170】
4−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−チアゾール−4−イル]−安息香酸(実施例8.19及び8.20)
THF(30mL)中チオカルボニルジイミダゾール(2g、11.5mmol)に、N−メチルピペラジン(1.00g、10mmol)を室温で滴下した。該反応を室温で2時間、次いで55℃で1時間撹拌した。該反応物を室温に冷却し、THF20mLを真空中で除去した。MeOH中2M NH(10mL)を添加し、該反応物を15時間撹拌した。MeOH中2M NH(10mL)をさらに添加し、該反応物を55℃で8時間維持した。浅黄色沈殿物(1.00g)を観察し、濾別し、乾燥し、次のステップで直接使用した。チオ尿素(0.84g、5.2mmol)をEtOH(30mL)に溶解し、4−(2−ブロモ−アセチル)−安息香酸(1.28g、5.2mmol)を添加した。該反応物を3時間加熱還流した。反応物を室温に冷却し、固体を濾別した。固体をEtOで洗浄し、十分に乾燥した。この手順によって、浅黄色固体の表題化合物(1.23g、77%)がもたらされた。
【0171】
[1−(6−フルオロ−3−オキソ−ヘキサヒドロ−フロ[3,2−b]ピロール−4−カルボニル)−シクロヘキシル]−カルバミン酸9H−フルオレン−9−イルメチルエステル(実施例8.20)
Fmoc−1−アミノ−1−シクロヘキサンカルボン酸(0.300mg、0.82mmol)を、DCM(8mL)に溶解し、DAST(1mL、8.2mmol)を添加した。1.5時間後、出発物質を消費し、HO(5mL)を慎重に滴下した。有機層を除去し、乾燥し(NaSO)、真空中で濃縮して、浅茶色固体(0.287g、96%)を得た。この物質を精製せずに(crude)次のステップで使用した。(1−フルオロカルボニル−シクロヘキシル)−カルバミン酸9H−フルオレン−9−イルメチルエステル(0.050g、0.135mmol)をDMF(1mL)に溶解し、DMF(1mL)中HN−P1に添加した。NMM(0.027g、0.27mmol)を添加し、該反応物を終夜放置した。樹脂を濾別して、使用済み試薬を除去し、新たな試薬を添加し、反応をさらに24時間繰り返した。DMF(10mL×10回)及びDCM(10mL×10回)で洗浄した後、樹脂に結合した表題化合物(収率50%に等しいローディング)を得た。
【0172】
[1−(6−フルオロ−3−オキソ−ヘキサヒドロ−フロ[3,2−b]ピロール−4−カルボニル)−3−メチル−ブチル]−カルバミン酸ベンジルエステル(実施例8.14)
【0173】
【化51】

【0174】
実施例8.14は、固相上ではなく溶液中で調製した。6−フルオロ−3−ヒドロキシ−ヘキサヒドロ−フロ[3,2−b]ピロール−4−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.200g、0.81mmol)を、DCM(4mL)に0℃で溶解し、TFA(4mL)を添加した。0〜4℃で1時間撹拌した後、溶媒を真空中で蒸発させ、残渣を高真空下にて4時間放置して、茶色オイルがもたらされた。該残渣をDMF(5mL)に溶解し、WSC.HCl(171mg、0.89mmol)、HOBt(137mg、1.01mmol)、Cbz−Leu−OH(226mg、0.85mmol)及びEtN(337μl、2.43mmol)を添加した。室温で終夜撹拌した後、該反応混合物を真空中で濃縮し、EtOAc(10mL)に溶解し、HO(5mL)及び飽和NaHCO溶液(5mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、真空中で蒸発させて、無色オイル(242mg;[M+H] 395)がもたらされた。[1−(6−フルオロ−3−ヒドロキシ−ヘキサヒドロ−フロ[3,2−b]ピロール−4−カルボニル)−3−メチル−ブチル]−カルバミン酸ベンジルエステル(242mg、0.62mmol)を乾燥DCM(8mL)に溶解し、デス−マーチンペルヨージナン(261mg、0.62mmol)を添加した。反応物は即座に明茶色になった。室温で2.5時間撹拌した後、黄色溶液をDCM(8mL)で希釈し、飽和NaHCO溶液(5mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、真空中で蒸発させて、黄色残渣がもたらされた。カラムクロマトグラフィー(EtOAc:ヘプタン;1:2)による精製により、無色オイルの表題化合物147mgが得られた;[M+H]393)。
【0175】
4−チオカルバモイル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(実施例8.21)
ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(32.2mmol)のテトラヒドロフラン(60mL)溶液に、チオカルボニルジイミダゾール(37.0mmol)を添加した。該反応物を室温で2時間撹拌し、次いで55℃で1時間加熱した。該反応物を真空中でおよそ半分の体積に濃縮し、メタノール性アンモニア(7N、107.4mmol)を添加した。該反応物を55℃で16時間加熱した。該反応物を真空中でおよそ半分の体積に濃縮し、0℃に冷却し、その時点で生成物が溶液から沈殿した。生成物を濾過によって収集して、白色固体の表題化合物(3.3g)を得た。1H NMR (400MHz, d6-DMSO) 1.40 (9H, s), 3.32 (4H, s), 3.71 (4H, s), 7.42 (1H,s).
【0176】
4−[4−(4−カルボキシ−フェニル)−チアゾール−2−イル]−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
4−チオカルバモイル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(13.3mmol)のエタノール(60mL)懸濁液に、4−(2−ブロモアセチル)−安息香酸(13.3mmol)及び4−メチルモルホリン(13.9mmol)を添加した。該反応物を2.5時間加熱還流した。該反応物を真空中で濃縮し、固体を水(200mL)で洗浄して、白色固体の表題化合物(3.9g)を得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) 1.45 (9H, s), 3.58 (8H, m), 4.86 (1H, s), 6.95 (1H,s), 7.97 (2H, d, J 8 Hz), 8.1 (2H, d, J 8Hz).
【0177】
4−{2−[4−(2−メトキシ−エチル)−ピペラジン−1−イル]−チアゾール−4−イル}−安息香酸
4−[4−(4−カルボキシ−フェニル)−チアゾール−2−イル]−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(5.0mmol)を、ジオキサン(4N、25mL)中塩酸に溶解し、該反応物を室温で2時間撹拌した。該反応物を真空中で濃縮して、4−(2−ピペラジン−1−イル−チアゾール−4−イル)−安息香酸を得た。トリメトキシエタン(6.5mmol)を塩酸水溶液(1N、10mL)に溶解し、該反応物を50℃で1.5時間加熱した。該反応物を室温まで放冷し、次いでアセトニトリル(25mL)及び酢酸ナトリウム緩衝液(1N、pH5.5、10mL)中4−(2−ピペラジン−1−イル−チアゾール−4−イル)−安息香酸(5.0mmol)の懸濁液に添加した。該反応を室温で1.5時間撹拌した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(6.5mol)を添加し、該反応物を室温で16時間撹拌した。該反応物を真空中で濃縮し、生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン中10% メタノール)で精製して、無色オイルの表題生成物(0.9g)を得た。MS ES+において、m/z=348(100% M+H)。
【0178】
4−[1−(5−ブロモ−チオフェン−2−イル)−エチル]−モルホリン(実施例8.22)
モルホリン(1.20mmol)のチタン(IV)イソプロポキシド(1.95mmol)溶液に、2−アセチル−5−ブロモチオフェン(1.20mmol)を添加した。該反応物を、マイクロ波オーブン中150℃で5分間加熱した。水素化ホウ素ナトリウム(1.95mmol)を添加し、該反応物を室温で16時間撹拌した。該反応物を水酸化ナトリウム溶液(2N、10mL)で希釈し、形成された固体を濾過によって除去した。濾液を酢酸エチル(3回×20mL)で抽出し、合わせた有機物を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、イソヘキサン中10〜20%酢酸エチル)で精製して、茶色オイルの表題生成物を得た:MS ES+において、m/z=276(100%、M+H)、278(100%、M+H)。
【0179】
4−[5−(1−モルホリン−4−イル−エチル)−チオフェン−2−イル]−安息香酸
4−[1−(5−ブロモ−チオフェン−2−イル)−エチル]−モルホリン(0.36mmol)、4−メトキシカルボニルフェニルボロン酸(0.43mmol)及び炭酸ナトリウム(1.09mmol)を、ジオキサン:水(2mL、2:1)に懸濁した。窒素ガスを反応物中に5分間バブリングし、次いでテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.04mmol)を添加した。該反応物を、マイクロ波オーブン中150℃で10分間加熱した。該反応物を真空中で濃縮し、生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン中10% メタノール)で精製して、茶色オイルの表題生成物を得た:MS ES+において、m/z=318(50% M+H)、231(100%、M+H−モルホリン)。
【0180】
4−{[(1−メチルイミダゾール−2−イル)メチル]アミノ}安息香酸(実施例8.23)
1−メチル−2−イミダゾールカルボキサルデヒド(5.0mmol)及び4−アミノ安息香酸メチル(5.0mmol)を、MeOH(7mL)中で混合した。酢酸(0.3mL)を添加し、混合物を室温で30分間撹拌した。該反応混合物を冷却し、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(5.0mmol)を添加し、該反応物を室温でさらに17時間撹拌させた。次いで、該反応混合物を真空下に濃縮し、HOとEtOAcで分液した。水層をEtOAcで抽出し、合わせた有機層を、HO、食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、溶媒を真空下で除去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM中5% MeOH)で精製して、浅黄色固体の4−{[(1−メチルイミダゾール−2−イル)メチル]アミノ}安息香酸メチル(MS ES+において、m/z=246)を得、その後のステップで直接使用した。
【0181】
メチルエステル(2.5mmol)の1,4−ジオキサン(5mL)溶液に、1M KOH水溶液(5.5mmol)を添加し、該反応混合物を18時間撹拌した。該反応混合物を、1M HClでpH7に中和し、N流によって濃縮した。生成物を水に再懸濁し、凍結乾燥して、白色固体の4−{[(1−メチルイミダゾール−2−イル)メチル]アミノ}安息香酸(MS ES+において、m/z 232)を得、その後のステップで直接使用した。
【0182】
4−[5−(1−モルホリン−4−イル−エチル)−フラン−2−イル]−安息香酸(実施例8.25)
2−アセチルフラン(20mmol)及びモルホリン(20mmol)を、溶媒を含まないチタンイソプロポキシド(32mmol)に添加し、該反応物を、N中室温で3時間撹拌した。次いで、メタノール(90mL)を添加し、続いて慎重にNaBH(32mmol)を分割して添加した。室温で10分間撹拌した後、0.1M NaOHを添加することにより反応を止め、得られた混合物を、セライトパッドを通して濾過した。濾液をDCMで2回抽出し、NaSOで乾燥し、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、ヘプタン中5から20% EtOAc)にかけると、金色オイルの純4−(1−フラン−2−イル−エチル)−モルホリンが得られた:MS ES+において、m/z=182[M+H]、2.76mmol、収率14%。
【0183】
4−(1−フラン−2−イル−エチル)−モルホリン(1.1mmol)をDCM(5mL)で取り込み、0℃で撹拌した。窒素を反応容器に通過させ、チオ硫酸ナトリウムの飽和水溶液を入れたDreschelビンにバブリングし、その間、臭素(DCM2mL中1.54mmol)を滴下した。添加した後、反応を室温で2時間撹拌し、次いでより多くのDCMで希釈し、2M NaCO溶液で2回洗浄し、NaSOで乾燥し、真空中で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中5から10% EtOAc)によって精製した後、金色オイルの4−[1−(5−ブロモ−フラン−2−イル)−エチル]−モルホリンを得た:MS ES+において、m/z=260、262[M+H]、0.46mmol、収率42%。
【0184】
4−[1−(5−ブロモ−フラン−2−イル)−エチル]−モルホリン(0.54mmol)をトルエン7mlで取り込み、4−カルボキシメチルフェニルボロン酸(0.54mmol)をEtOH(0.7ml)溶液として添加した。2M NaCO水溶液12ml、続いてPd(PPh(0.054mmol)を添加した。該反応物を、窒素雰囲気中70℃で17時間撹拌し、次いで室温に冷却し、DCM(2回)で抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、真空中で濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中20〜50% EtOAc)によって精製した。これによって、粉末状灰色固体の純4−[5−(1−モルホリン−4−イル−エチル)−フラン−2−イル]−安息香酸メチルエステルがもたらされた:MS ES+において、m/z=316[M+H]、0.08mmol、収率15%。
【0185】
このエステル(0.08mmol)を18% HCl中70℃に2時間加熱し、その時点でHPLCは、出発物質がすべて加水分解されたことを示した。該反応物を冷却し、溶液から沈殿した白色固体の生成物を濾過によって収集し、次のステップで直接使用した。
【0186】
4−(2−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−安息香酸(実施例8.26)
マグネチックスターラ棒を含む反応チューブに、4−フルオロ安息香酸エチル(1mmol)、2−メチル−3−ピリドール(pyridol)(1.0mmol)、炭酸カリウム(1.08mmol)及びDMF(2mL)を加えた。次いで、該反応チューブをシールし、マイクロ波照射(100W、4分間)によって150℃に加熱し、その温度で80分間保持した。該溶液を濾過して、不溶の炭酸カリウムを除去し、次いで真空中で濃縮した。該残渣を分取HPLCによって精製し、凍結乾燥して、白色固体の4−(2−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)−安息香酸エチルエステルを得て、マイクロ波照射(200W)によって150℃で3分間加熱して6N HCl水溶液で加水分解した。該溶液を凍結乾燥して、白色粉末の表題化合物の塩酸塩63mg(MS ES+において、m/z=229)を得て、HPLC及びMSによって特性決定した。
【0187】
4−[2−(1−ジメチルアミノ−エチル)−チアゾール−4−イル]−安息香酸(実施例8.27)
4−{2−[1−(tert−ブトキシカルボニル−メチル−アミノ)−エチル]−チアゾール−4−イル}−安息香酸メチルエステル
Boc−L−NMe−アラニン−OH(1.0g、4.92mmol)をジオキサン(10mL)に溶解し、これにピリジン(0.25mL)、二炭酸ジ−tert−ブチル(1.4g、6.4mmol)及び炭酸水素アンモニウム(0.49g、6.2mmol)を添加した。18時間撹拌した後、粗反応混合物を真空中で濃縮し、酢酸エチルに再懸濁した。これを1M KHSOで洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮した後、透明オイルを得た(0.79g)。これをエチレングリコールジメチルエーテル(10mL)に溶解し、これに、ローソン試薬(4.31mmol、1.74g)を添加した。室温で3時間撹拌した後、該反応混合物を真空中で濃縮し、該残渣を酢酸エチルに再懸濁した。これを1M NaCOで洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮した後、黄色オイルを得た。これをフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル)で精製して、白色固体(0.73g)を得た。これをエタノール(10mL)に溶解し、4−(2−ブロモ−アセチル)−安息香酸メチルエステル(3.34mmol、0.86g)を添加した。該反応物を50℃に1時間加熱した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル)で精製して、白色固体(0.39g)を得た。ESMS(M+H=377.23)。
【0188】
4−[2−(1−ジメチルアミノ−エチル)−チアゾール−4−イル]−安息香酸
4−{2−[1−(tert−ブトキシカルボニル−メチル−アミノ)−エチル]−チアゾール−4−イル}−安息香酸メチルエステルをジオキサン中4N HCl溶液で1時間脱保護した。溶媒を真空中で除去し、残渣を凍結乾燥して、白色固体を得て、下記の通りメチル化した。4−[2−(1−メチルアミノ−エチル)−チアゾール−4−イル]−安息香酸メチルエステル(0.44mmol)を、メタノール(2mL)及び酢酸ナトリウム緩衝液(1N、pH5.5、1mL)中ホルムアルデヒド(1.1当量)と共に1時間撹拌した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.49mmol)を添加し、該反応物を室温で2時間撹拌した。該反応物を真空中で濃縮し、該残渣をEtOAcで抽出し、1M 炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を真空中で濃縮し、該残渣を、マイクロ波照射(200W)によって150℃で3分間加熱して6N HCl水溶液で加水分解した。該溶液を凍結乾燥して、白色粉末の表題化合物の塩酸塩134mg(MS ES+において、m/z=277)を得、HPLC及びMSによって特性決定した。
【0189】
E−4−[2−(1H−イミダゾール−4−イル)−ビニル]−安息香酸(実施例8.28)
ポリマー支持体上の{4−(メトキシカルボニル)ベンジル(トリフェニル)}ホスホニウムブロミド。
4−ブロモメチル安息香酸メチル(26mmol)を、DMF40mL中PS−トリフェルホスフィン樹脂(Fluka、3mmol/g)4.4gの懸濁液に添加した。該溶液を65℃で48時間穏やかに撹拌した。該ホスホニウム樹脂をDMF(4回×40mL)、DCM(4回×40mL)及びTBME(2回×40mL)で洗浄し、真空中で18時間乾燥した。
【0190】
E−4−[2−(1H−イミダゾール−4−イル)−ビニル]−安息香酸
マグネチックスターラ棒を含む反応チューブに、1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルバルデヒド(1.5mmol)、炭酸カリウム(2.1mmol)、ポリマー支持体上の{4−(メトキシカルボニル)ベンジル(トリフェニル)}ホスホニウムブロミド(1.5mmol)及びメタノール(4mL)を加えた。次いで、該反応チューブをシールし、マイクロ波照射(100W、3分間)によって150℃に加熱し、その温度で5分間保持した。該溶液を濾過して、不溶の炭酸カリウムを除去し、次いで真空中で濃縮した。該残渣を分取HPLCによって精製し、凍結乾燥して、白色固体のE−4−[2−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)−ビニル]−安息香酸メチルエステルを得て、マイクロ波照射(200W)によって150℃で3分間加熱して6N HCl水溶液で加水分解した。該溶液を凍結乾燥して、白色粉末の表題化合物の塩酸塩90mg(MS ES+において、m/z=215)を得て、HPLC及びMSによって特性決定した。
【0191】
E−4−[2−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)−ビニル]−安息香酸(実施例8.29)
実施例8.28と同じ。1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルバルデヒドをアルデヒドとして使用した。白色粉末の表題化合物(MS ES+において、m/z=229)を得て、HPLC及びMSによって特性決定した。
【0192】
E−4−[2−(3−メチル−3H−イミダゾール−4−イル)−ビニル]−安息香酸(実施例8.30)
実施例8.28と同じ。3−メチル−3H−イミダゾール−4−カルバルデヒドをアルデヒドとして使用した。白色粉末の表題化合物(MS ES+において、m/z=229)を得て、HPLC及びMSによって特性決定した。
【0193】
4−[2−(1H−イミダゾール−4−イル)−エチル]−安息香酸(実施例8.31)
E−4−[2−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)−ビニル]−安息香酸メチルエステルは、イソプロパノール中Pd/C(基材重量の10%)、ギ酸アンモニウム(5当量)を使用して、マイクロ波照射(200W)によって150℃で5分間加熱して水素化した。該溶液を、セライトを通して濾過して、不溶の触媒を除去し、水で希釈し、凍結乾燥して、過剰のギ酸アンモニウムを除去した。得られた固体を、マイクロ波照射(200W)によって150℃で3分間加熱して6N HCl水溶液で加水分解した。該溶液を凍結乾燥して、白色粉末の表題化合物の塩酸塩(MS ES+において、m/z=217)を得て、HPLC及びMSによって特性決定した。
【0194】
4−[2−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)−エチル]−安息香酸(実施例8.32)
実施例8.31と同じ。4−[2−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)−ビニル]−安息香酸メチルエステル(実施例8.29)をメチルエステルとして使用した。白色粉末の表題化合物(MS ES+において、m/z=231)を得て、HPLC及びMSによって特性決定した。
【0195】
4−メチル(ピリジン−2−イル)アミノメチル安息香酸カリウム(実施例8.33)
2−メチルアミノピリジン(1.0mmol)及び4−ホルミル安息香酸メチル(1.0mmol)を、THF(2mL)中で混合し、二塩化ジブチルスズ(0.1mmol)を添加した。室温で10分間撹拌した後、フェニルシラン(1.1mmol)を添加し、該反応混合物を室温でさらに17時間撹拌させた。次いで、該反応混合物をN流によって濃縮し、該残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘプタン:EtOAc)で精製して、黄色オイルの4−[メチル(ピリジン−2−イル)アミノ]メチル安息香酸メチル(MS ES+において、m/z=257)を得て、その後のステップで直接使用した。
【0196】
メチルエステル(0.27mmol)の1,4−ジオキサン(0.6mL)溶液に、1M KOH水溶液(0.59mmol)を添加し、該反応混合物を18時間撹拌した。該反応混合物をN流によって濃縮し、水に再懸濁し、生成物を凍結乾燥して、オフホワイトの固体の4−メチル(ピリジン−2−イル)アミノメチル安息香酸カリウム(MS ES+において、m/z 243)を得て、その後のステップで直接使用した。
【0197】
4−(2−{1(S)−[(tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ]エチル}−5−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)安息香酸ナトリウム(実施例8.34)
4−プロピオニル安息香酸エチル(2.0mmol)、ピロリジノンヒドロトリブロミド(2.1mmol)及び2−ピロリジノン(2.2mmol)を、THF(20mL)中50Cで2.5時間加熱した。該混合物を冷却し、濾過し、真空下に濃縮し、該残渣オイルをHOとMTBEで分液した。水層をMTBEで抽出し、合わせた有機層を、飽和メタ重亜硫酸ナトリウム水溶液、HO、食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、該溶媒を真空下で除去した。該残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(9:1 ヘキサン:MTBE)で精製して、透明オイルの4(2’−ブロモプロピオニル)安息香酸エチルがもたらされた。
【0198】
4(2’−ブロモプロピオニル)安息香酸エチル(0.5mmol)、BOC(Me)Ala チオアミド(0.5mmol)及びNMM(0.5mmol)を、EtOH(2mL)中80Cで3時間加熱した。該混合物を冷却し、N流によって濃縮し、粗生成物をHOとMTBEで分液した。水層をMTBEで抽出し、合わせた有機層を1M KHSO、食塩水で2回洗浄し、MgSOで乾燥し、溶媒を真空下で除去して、黄色オイルを得た。該残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(9:1 ヘキサン:EtOAc)で精製して、濃黄色の分画がもたらされた。数時間放置すると、この分画は色が抜け、フラッシュカラムクロマトグラフィー(9:1 ヘキサン:EtOAc)によって透明オイルの4−(2−{1(S)−[(tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ]エチル}−5−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)安息香酸エチルを単離した:MS ES+において、m/z=405(MH+)及び349(M−BOC+)。
【0199】
1,4−ジオキサン(5mL)及び水(1mL)中エチルエステル(0.24mmol)の溶液に、1M NaOH(0.53mL)を添加し、該反応混合物を18時間撹拌した。該反応混合物を真空下に濃縮し、生成物を水に再懸濁し、凍結乾燥して、白色固体の4−(2−{1(S)−[(tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ]エチル}−5−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)安息香酸ナトリウム(MS ES+において、m/z 377(MH+)及び321(M−BOC+))を得て、その後のステップで直接使用した。
【0200】
4−{2−[1(S)−(ジメチルアミノ)エチル]−5−メチル−1,3−チアゾール−4−イル}安息香酸リチウム(実施例8.35)
4−(2−{1(S)−[(tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ]エチル}−5−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)安息香酸エチルを、先に記載のように調製した。
【0201】
BOC−保護されたアミン(0.25mmol)の1,4−ジオキサン(3mL)溶液に、ジオキサン(4mL)中の4M HClを添加し、該反応混合物を2時間撹拌した。該反応混合物を真空下に濃縮して、粘性浅黄色オイルがもたらされた。オイルを1:1 HO:MeCNに溶解し、凍結乾燥して、4−{2−[1(S)−(メチルアミノ)エチル]−5−メチル−1,3−チアゾール−4−イル}安息香酸エチル塩酸塩がもたらされた。
【0202】
AcOHを1M NaOAcにpH5.5に到達するまで添加することによって、pH5.5の緩衝液を調製した。該アミン塩酸塩(0.28mmol)を、1:1 緩衝液:MeOH(4mL)に溶解し、ホルムアルデヒド(水中37重量%;0.31mmol)を添加した。該混合物を1時間撹拌し、次いでシアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.31mmol)を分割して添加した。1時間後、該反応混合物をN流によって濃縮した。該残渣を飽和NaHCO水溶液とEtOAcで分液した。水層をEtOAcで抽出し、合わせた有機層を、HO、食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、溶媒を真空下で除去した。該残渣を分取HPLC(HO:MeCN中0.1% TFA)で精製した。合わせたHPLC分画を飽和NaHCO水溶液とEtOAcで分液した。水層をEtOAcで抽出し、合わせた有機層を食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、溶媒を真空下で除去した。1H−NMRによって、EtOAcが存在していないことを確認した。
【0203】
該エチルエステル(0.19mmol)を、1:1 HO:1,4−ジオキサン(8mL)に溶解し、1M LiOH(0.42mL)を添加し、該反応混合物を17時間撹拌した。1M HClを添加して、該反応混合物をpH8に調整した。該混合物を真空下に濃縮し、1:1 HO:MeCNに再懸濁し、凍結乾燥して、白色固体の4−(2−{1(S)−[(ジメチル)アミノ]エチル}−5−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)安息香酸リチウム(MS ES+において、m/z 291(MH+))を得て、その後のステップで直接使用した。
【0204】
5−(4−メチル−モルホリン−2−イルメトキシ)−ベンゾフラン−2−カルボン酸(実施例8.36)
5−メトキシベンゾフランカルボン酸エチル(22.7mmol)を、ジクロロメタン(20mL)に溶解し、1.0M 三臭化ホウ素メチルスルフィド錯体のジクロロメタン(68.1mmol)溶液を添加した。該混合物を終夜加熱還流した。該溶媒を真空下で蒸発させ、該残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製して、白色固体の5−ヒドロキシベンゾフランカルボン酸エチルを得た。ポリマーに結合させたトリフェニルホスフィン(8.96mmol)を無水ジクロロメタン(20mL)に懸濁し、次いでアゾジカルボン酸ジイソプロピル(7.76mmol)を添加し、混合物を室温で15分間撹拌した。次いで、5−ヒドロキシベンゾフランカルボン酸エチル(5.97mmol)を5分間で添加し、続いて4−N−boc−3−モルホリンカルボン酸(5.97mmol)も5分間で添加した。該混合物を室温で終夜撹拌した。該溶媒を真空下で蒸発させ、該残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製して、透明オイルの5−(4−Boc−モルホリン−2−イルメトキシ)−ベンゾフラン−2−カルボン酸エチルを得た:MS ES+において、m/z=406。5−(4−Boc−モルホリン−2−イルメトキシ)−ベンゾフラン−2−カルボン酸エチル(2.47mmol)を、4.0M 塩酸のジオキサン溶液30mLに溶解し、室温で1時間撹拌した。溶媒を真空下で除去した後、得られたアミンを無水ジクロロメタンに溶解し、N−メチルモルホリン(5.67mmol)を添加し、室温で5分間撹拌した。次いで、クロロギ酸アリル(2.71mmol)を添加し、該混合物を、不活性雰囲気中、室温で終夜撹拌した。該混合物を1.0M 塩酸溶液、水で洗浄し、NaSOで乾燥し、溶媒を真空中で蒸発させた。該残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製して、白色固体の5−(4−アロック−モルホリン−2−イルメトキシ)−ベンゾフラン−2−カルボン酸エチルを得た:MS ES+において、m/z=390。5−(4−アロック−モルホリン−2−イルメトキシ)−ベンゾフラン−2−カルボン酸エチル(2.09mmol)を、テトラヒドロフラン3mLに溶解した。次いで、1.0M 水酸化リチウム溶液3mLを添加し、混合物を室温で終夜撹拌した。テトラヒドロフランを真空下で除去した後、混合物を1M 塩酸溶液でコンゴーレッドに酸性化し、ジクロロメタンで抽出し、水で洗浄し、NaSOで乾燥し、溶媒を真空下で除去して、白色固体の5−(4−アロック−モルホリン−2−イルメトキシ)−ベンゾフラン−2−カルボン酸を得た。次いで、5−(4−アロック−モルホリン−2−イルメトキシ)−ベンゾフラン−2−カルボン酸(3当量)を、先に記載するようにペプチド(600mg;0.32mmol/g)に、DMF中HBTU(3当量)、HOBt(3当量)及びNMM(6当量)を用いて室温で終夜組み込んだ。アロック基を、(1)DCM(4回×1分);(2)無水DCM中ボランジメチルアミン複合体(40当量)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.1当量)(2回×15分);(3)DCM(3回×1分);(4)DMF(3回×1分);(5)ジオキサン−水(9:1)(3回×1分);(6)DMF(3回×1分);(7)MeOH(3回×1分);(8)DCM(3回×1分)で除去し、ペプチド樹脂を、THF中、室温において二塩化ジブチルスズ(5当量)、フェニルシラン(5当量)及び37% ホルムアルデヒド水溶液(5当量)で2時間処理した。手順の残部を、一般的プロトコルに記載のように実施した。
【0205】
3−メチル−5−(4−メチル−モルホリン−2−イルメトキシ)−ベンゾフラン−2−カルボン酸(実施例8.37)
4−メトキシフェノール(0.119mol)を乾燥トルエンに溶解し、室温において水素化ナトリウム(0.120mol)で60時間処理した。ナトリウムフェノラート溶液を+100℃に加熱し、α−クロロアセトアセタート(0.09mol)を添加した。+110℃でさらに4時間撹拌した後、該混合物を室温に冷却、水及び食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、溶媒を真空中で蒸発させて、暗茶色オイルの粗α−(4−メトキシフェノキシ)アセトアセタートを得た。リン酸(0.22mol)を室温でP(0.35mol)と混合し、+130℃で4時間撹拌した。該混合物を放置して+100℃に冷却し、該アセトアセタートを徐々に添加し、その温度で2時間保持した。室温に冷却した後、氷を撹拌された溶液に慎重に添加し、トルエンで抽出し、真空中で濃縮し、シリカフラッシュクロマトグラフィーで精製して、白色固体の3−メチル−5−メトキシベンゾフランカルボン酸エチルを得た:MS ES+において、m/z=235。3−メチル−5−メトキシベンゾフランカルボン酸エチル(8.53mmol)を、ジクロロメタン(10mL)に溶解し、1.0M 三臭化ホウ素メチルスルフィド錯体のジクロロメタン(25.59mmol)溶液を添加した。該混合物を終夜加熱還流した。該溶媒を真空下で蒸発させ、該残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製して、白色固体の3−メチル−5−ヒドロキシベンゾフランカルボン酸エチルを得た。
【0206】
ポリマーに結合させたトリフェニルホスフィン(1.37mmol)を無水ジクロロメタン(10mL)に懸濁し、次いでアゾジカルボン酸ジイソプロピル(1.18mmol)を添加し、該混合物を室温で15分間撹拌した。次いで、3−メチル−5−ヒドロキシベンゾフランカルボン酸エチル(0.91mmol)を5分間で添加し、続いて4−N−boc−3−モルホリンカルボン酸(0.91mmol)も5分間で添加した。該混合物を室温で終夜撹拌した。該溶媒を真空下で蒸発させ、該残渣をフラッシュクロマトグラフィーで精製して、透明オイルの3−メチル−5−(4−Boc−モルホリン−2−イルメトキシ)−ベンゾフラン−2−カルボン酸エチルを得た:MS ES+において、m/z=419。
【0207】
3−メチル−5−(4−Boc−モルホリン−2−イルメトキシ)−ベンゾフラン−2−カルボン酸エチル(1.05mmol)を、4.0M 塩酸のジオキサン溶液30mLに溶解し、室温で1時間撹拌した。該溶媒を真空下で除去した後、得られたアミンを、メタノールと、pH=5.3の酢酸及び酢酸ナトリウムの緩衝溶液との2:1の混合物20mLに溶解した。37% ホルムアルデヒド水溶液(1.16mmol)を添加し、該混合物を室温で1時間撹拌した。次いで、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(1.16mmol)を添加し、該混合物を室温で終夜撹拌した。メタノールを真空下で除去し、水を凍結乾燥によって除去した。得られた固体をフラッシュクロマトグラフィーで精製して、白色固体の3−メチル−5−(4−メチル−モルホリン−2−イルメトキシ)−ベンゾフラン−2−カルボン酸エチルを得た:MS ES+において、m/z=334。3−メチル−5−(4−メチル−モルホリン−2−イルメトキシ)−ベンゾフラン−2−カルボン酸エチル(0.12mmol)を、テトラヒドロフラン300μlに溶解した。次いで、1.0M 水酸化リチウム溶液300μlを添加し、該混合物を室温で3時間撹拌した。テトラヒドロフランを真空下で除去し、水を凍結乾燥によって除去して、白色固体の表題化合物を得た:MS ES−において、m/z=304。
【0208】
4−[2−(1−ジメチルアミノ−エチル)−チアゾール−5−イル]−安息香酸リチウム塩(実施例8.38)
4−(2−アジド−アセチル)−安息香酸メチルエステル
4−(2−ブロモ−アセチル)−安息香酸メチルエステル(15.5mmol)を、エタノール(120mL)及び酢酸(4.8mL)に溶解した。アジ化ナトリウム(31mmol)を添加し、該反応物を4℃で終夜撹拌した。エタノールを除去し、混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム(2回×50mL)で洗浄し、乾燥した(MgSO)。該溶媒を真空中で除去して、黄色固体を得て、エタノールで再結晶して、浅黄色固体の表題化合物(2.6g)を得た。IR 2117cm−1
【0209】
4−(2−アミノ−アセチル)−安息香酸メチルエステル塩酸塩
4−(2−アジド−アセチル)−安息香酸メチルエステル(6.53mmol)をメタノール(30ml)に懸濁し、塩酸水溶液(6.53mmol、1M)を添加した。触媒量の炭素担持パラジウム(10%重量)を添加し、該反応物を水素の雰囲気中3時間撹拌した。該反応物を濾過し、該溶媒を真空中で除去して、黄色固体の表題化合物(1.3g)を得、精製することなく次のステップで使用した。MS ES+において、m/z=194。
【0210】
4−{2−[2−(S)−(tert−ブトキシカルボニル−メチル−アミノ)−プロピオニルアミノ]−アセチル}−安息香酸メチルエステル
4−(2−アミノ−アセチル)−安息香酸メチルエステル塩酸塩(2.22mmol)、WSC.HCl(2.44mmol)、Boc−N−メチル−(L)−アラニン(2.44mmol)及びHOBt(2.77mmol)を、ジクロロメタン(10mL)に懸濁した。NMM(2.44mmol)を添加し、該反応物を2時間撹拌した。該反応物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、10% クエン酸(2回×25mL)及び飽和炭酸水素ナトリウム(2回×25mL)で洗浄した。有機層を乾燥し(MgSO)、溶媒を真空中で除去して、茶色オイルの残渣を得た。10−50% 酢酸エチル/イソヘキサンを溶離液としてシリカクロマトグラフィーで精製すると、浅黄色オイルの表題化合物(620mg)が得られた。MS ES+において、m/z=379。
【0211】
4−{2−(S)−[1−(tert−ブトキシカルボニル−メチル−アミノ)−エチル]−チアゾール−5−イル}−安息香酸メチルエステル
4−{2−[2−(S)−(tert−ブトキシカルボニル−メチル−アミノ)−プロピオニルアミノ]−アセチル}−安息香酸メチルエステル(1.65mmol)を、乾燥THFに溶解し及びローソン試薬(2.5mmol)を添加した。該反応物を5時間加熱還流し、室温に冷却した。溶媒を真空中で除去し、残渣を酢酸エチル(100mL)に溶解した。有機層を10% クエン酸(2回×50mL)及び飽和炭酸水素ナトリウム(2回×50mL)で洗浄し、乾燥した(MgSO)。溶媒を真空中で除去して、黄色オイルの残渣を得て、シリカクロマトグラフィーで精製して、浅黄色固体の表題化合物(570mg)を得た。1H NMR (CDCl3, 400MHz) 1.5(s, 9H), 1.6(d, 7Hz), 2.8 (brs, 3H), 3.9(s, 3H), 5.6(brm, 1H), 7.6(m, 2H), 7.9(s, 1H), 8.0(m, 2H).
【0212】
4−{2−(S)−[1−(tert−ブトキシカルボニル−メチル−アミノ)−エチル]−チアゾール−5−イル}−安息香酸
4−{2−(S)−[1−(tert−ブトキシカルボニル−メチル−アミノ)−エチル]−チアゾール−5−イル}−安息香酸メチルエステル(0.75mmol)を、メタノール(10mL)に溶解し、水酸化リチウム(10mL、1M)を添加した。該反応を室温で終夜撹拌し、メタノールを真空中で除去した。水溶液を1M 塩酸でpH=3に調整(take)し、酢酸エチル(2回×50mL)で抽出した。有機層を乾燥し(MgSO)、溶媒を真空中で除去して、オフホワイトの粉末を得て、50−80% 酢酸エチル/イソヘキサンを溶離液としてシリカクロマトグラフィーで精製した。白色粉末の表題化合物(252mg)を得た。MS ES+において、m/z=363。
【0213】
4−[2−(S)−(1−ジメチルアミノ−エチル)−チアゾール−5−イル]−安息香酸メチルエステル
4−{2−(S)−[1−(tert−ブトキシカルボニル−メチル−アミノ)−エチル]−チアゾール−5−イル}−安息香酸(0.75mmol)を、50% TFA/DCM(2mL)に溶解し、1時間撹拌した。溶媒を真空中で除去し、残渣を高真空下に3時間配置して、明茶色オイルの残渣を得た。残渣をメタノール(2mL)に溶解し、緩衝液(1mL、1M 酢酸ナトリウム/酢酸、pH=5.5)を添加した。ホルムアルデヒド(0.83mmol、水中37重量%)を添加し、反応物を30分間撹拌した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.83mmol)を添加し、反応物を室温で終夜撹拌した。メタノールを真空中で除去し、水性物を飽和炭酸水素ナトリウム(25mL)で希釈した。水層を酢酸エチル(2回×25mL)で抽出し、有機層を乾燥した(MgSO)。溶媒を真空中で除去し、残渣をシリカクロマトグラフィーで精製して、オフホワイトの固体の表題化合物(158mg)を得た。1H NMR (CD3OD, 400MHz) 1.5(d, J 7Hz), 2.3(s, 6H), 3.9(s, 3H), 3.95(q, J 7Hz), 7.7(m, 2H), 8.0(m, 3H).
【0214】
4−[2−(1−ジメチルアミノ−エチル)−チアゾール−5−イル]−安息香酸リチウム塩
4−{2−(S)−[1−(tert−ブトキシカルボニル−メチル−アミノ)−エチル]−チアゾール−5−イル}−安息香酸(0.54mmol)を、メタノール(2mL)に溶解し、水酸化リチウム(0.54mmol、1M)を添加した。該反応物を終夜撹拌し、メタノールを真空中で除去した。該残渣を水(5ml)で希釈し、水層を酢酸エチルで抽出した。水層を凍結乾燥して、オフホワイトの固体の表題化合物(143mg)を得、さらに精製することなく次のステップで使用した。MS ES+において、m/z=277。
【0215】
5−N,N−ジメチルアミノ−1H−インドール−2−カルボン酸(実施例8.39)
5−アミノ−1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステル
5−ニトロ−1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステル(14.9mmol)をアセトン(50mL)に懸濁し、塩化チタン(III)(91mL、2M 塩酸中>10%)と酢酸アンモニウム(265mL、4M)との混合物に添加した。該反応物を2時間撹拌し、飽和炭酸水素ナトリウムで中和した。該混合物を酢酸エチル(100mL)で抽出し有機層を乾燥した(MgSO)。溶媒を真空中で除去して、明茶色固体を得て、シリカクロマトグラフィーで精製して、オフホワイトの固体の表題化合物(1.57g)を得た。MS ES+において、m/z=205。
【0216】
5−N,N−ジメチルアミノ−1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステル
5−アミノ−1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステル(7.7mmol)をアセトニトリル(30mL)に溶解し、ホルムアルデヒド(19.2mmol、水中37重量%)を添加した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(7.7mmol)を添加し、該反応物を室温で終夜撹拌した。アセトニトリルを真空中で除去し、残渣をシリカクロマトグラフィーで精製して、浅黄色固体の表題化合物(244mg)を得た。MS ES+において、m/z=233。
【0217】
5−N,N−ジメチルアミノ−1H−インドール−2−カルボン酸
5−N,N−ジメチルアミノ−1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステル(1.05mmol)をエタノール(1mL)に懸濁し、水酸化リチウム(1.2mL、水中1M)を添加した。該反応物を室温で終夜撹拌した。該溶液を1M 塩酸でpH=7に調整し、エタノールを真空中で除去した。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を乾燥した(MgSO)。酢酸エチルを真空中で除去して、黄色粉末の表題化合物(75mg)を得、精製することなく次のステップで使用した。MS ES+において、m/z=205。
【0218】
4−{2−[1−(tert−ブトキシカルボニル−メチル−アミノ)−エチル]−チアゾール−4−イル}−安息香酸(実施例8.40)
Boc−L−NMe−アラニン−OH(1.0g、4.92mmol)をジオキサン(10mL)に溶解し、これにピリジン(0.25mL)、二炭酸ジ−tert−ブチル(1.4g、6.4mmol)及び炭酸水素アンモニウム(0.49g、6.2mmol)を添加した。18時間撹拌した後、粗反応混合物を真空中で濃縮し、酢酸エチルに再懸濁した。これを1M KHSOで洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮した後、透明オイル(0.79g)を得た。これを、エチレングリコールジメチルエーテル(10mL)に溶解し、これにローソン試薬(4.31mmol、1.74g)を添加した。室温で3時間撹拌した後、該反応混合物を真空中で濃縮し、残渣を酢酸エチルに再懸濁した。これを1M NaCOで洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮した後、黄色オイルを得た。これをフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル)で精製して、白色固体(0.73g)を得た。これをエタノール(10mL)に溶解し、4−(2−ブロモ−アセチル)−安息香酸メチルエステル(3.34mmol、0.86g)を添加した。該反応物を50℃に1時間加熱した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル)で精製して、白色固体(0.39g)(ESMS(M+H=377.23))を得、続いて対応する酸に加水分解した。
【0219】
4−[2−(1−ジメチルアミノ−2−メトキシ−エチル)−チアゾール−4−イル]−安息香酸(実施例8.41)
Boc−L−セリン(OMe)−OH(2.4g、6.0mmol)をジオキサン(20mL)に溶解し、これに、ピリジン(0.31mL)、二炭酸ジ−tert−ブチル(1.7g、7.8mmol)及び炭酸水素アンモニウム(0.62g、7.2mmol)を添加した。18時間撹拌した後、粗反応混合物を真空中で濃縮し、酢酸エチルに再懸濁した。これを1M KHSOで洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮した後、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーで精製して、0.55gの透明オイルを得た。これを、エチレングリコールジメチルエーテル(20mL)に溶解し、これにローソン試薬(2.78mmol)を添加した。室温で3時間撹拌した後、反応混合物を真空中で濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM)で精製して、黄色オイルの(2−メトキシ−1−チオカルバモイル−エチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.49g)を得た。
【0220】
該エステル(0.25g、1.07mmol)をエタノール(10mL)に溶解し、4−(2−ブロモ−アセチル)−安息香酸メチルエステル(1.18mmol、0.30g)を添加した。該反応物を50℃に1時間加熱した。粗生成物を分取HPLC(MeCN/HO)で精製して、0.138gの黄色固体を得た。Boc基を4M HCl/ジオキサンで1時間処理することによって除去し、その後反応混合物を真空中で濃縮した。次いで、遊離アミン(0.093g、0.265mmol)をジメチル化した。粗HCl塩をメタノール5mLに溶解し、pH5.5の酢酸ナトリウム/酢酸2.5mLで緩衝化した。ホルムアルデヒドを添加し(0.58mmol)、該反応物を1時間撹拌した。次いで、シアノ水素化ホウ素ナトリウムを添加し(0.58mmol、0.036g)、該反応物をさらに30分間撹拌した。該反応混合物を真空中で濃縮し、分取HPLCで精製して、60mgの黄色固体を得た。最後に、メチルエステルを、室温で1M LiOH(5mL)及びジオキサン(5mL)で2時間加水分解した。該反応混合物を真空中で濃縮し、水から凍結乾燥して、所望の酸をリチウム塩として62mg得た。ESMS(M+H=307.04)
【0221】
4−[2−(4−フルオロ−1−メチル−ピロリジン−2−イル)−チアゾール−4−イル]−安息香酸(実施例8.42)
4−フルオロ−2−[4−(4−メトキシカルボニル−フェニル)−チアゾール−2−イル]−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.1g)を、4M HCl/ジオキサン(10mL)で2時間処理した。次いで、該反応混合物を真空中で濃縮し、水から凍結乾燥して、黄色固体(0.8g)を得た。粗HCl塩をメタノール5mLに溶解し、pH5.5の酢酸ナトリウム/酢酸2.5mLで緩衝化した。ホルムアルデヒドを添加し(0.38mmol、0.0032mL)、該反応物を1時間撹拌した。次いで、シアノ水素化ホウ素ナトリウムを添加し(0.38mmol、0.024g)、該反応物をさらの30分間撹拌した。該反応混合物を真空中で濃縮し、残渣を酢酸エチルに再懸濁した。これを1M NaCOで洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮した後、黄色固体を得た(0.075g)。最後に、メチルエステルを、室温で1M LiOH(5mL)及びジオキサン(5mL)で2時間加水分解した。該反応混合物を真空中で濃縮し、水から凍結乾燥して、所望の酸をリチウム塩として62mg得た。ESMS(M+H=306.88)
【0222】
2−[4−(4−カルボキシ−フェニル)−チアゾール−2−イル]−4−フルオロ−ピロリジン−1−カルボン酸(実施例8.43)
2−[4−(4−カルボキシ−フェニル)−チアゾール−2−イル]−4−フルオロ−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
該アミド(0.32g、1.37mmol)を、エチレングリコールジメチルエーテル(10mL)に溶解し、これにローソン試薬(0.61g、1.5mmol)を添加した。室温で3時間撹拌した後、該反応混合物を真空中で濃縮し、残渣を酢酸エチルに再懸濁した。これを1M NaCOで洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。濃縮した後、黄色オイルを得た。これをフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル)で精製して、白色固体(0.36g)を得た。これをエタノール(10mL)に溶解し、4−(2−ブロモ−アセチル)−安息香酸メチルエステル(0.41g、1.59mmol)を添加した。該反応物を50℃に1時間加熱した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル)で精製して、白色固体(0.34g)を得た。次いで、メチルエステルを1M LiOH(10mL)及びジオキサン(10mL)で3時間処理した。定量的に加水分解した後、粗生成物を真空中で濃縮し、残渣を酢酸エチルに再懸濁した。これを1M KHSOで洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。真空中で濃縮した後、生成物をアセトニトリル/水から凍結乾燥して、白色固体の表題化合物(0.32g)を得た。ESMS(M+H=393.03)。
【0223】
5−(4−N−メチルモルホリノ−2S−メチルオキシ)ベンゾフランカルボン酸リチウム(単一のエナンチオマーとしての実施例8.36)
5−(4−boc−モルホリノ−2R−メチルオキシ)ベンゾフランカルボン酸エチル
4−Boc−2R−ヒドロキシメチルモルホリンを、Heterocycles, 1993 35, 105-109に記載されている方法に従って調製した。乾燥ジクロロメタン(5mL)中ポリマーによって支持されたトリフェニルホスフィン(2.4mmol)とヒドロキシメチルモルホリン(1.2mmol)との混合物に、5−ヒドロキシベンゾフラン−2−カルボン酸エチル(1.2mmol)及びDIAD(1.2mmol)を室温で添加した。該混合物をさらに16時間撹拌し、濾過し、乾燥ジクロロメタン(5mL)で希釈し、室温でさらに16時間撹拌した。濾過し、真空中で濃縮し、シリカフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル、ヘキサン)で精製して、オイルの5−(4−boc−モルホリノ−2R−メチルオキシ)ベンゾフランカルボン酸エチル(0.3mmol)を得た。MS ES+において、m/z=406。
【0224】
5−(4−N−メチルモルホリノ−2R−メチルオキシ)ベンゾフランカルボン酸リチウム
5−(4−boc−モルホリノ−2R−メチルオキシ)ベンゾフランカルボン酸エチル(0.3mmol)を、ジオキサン中HCl(4M、15mL)に溶解し、室温で4時間撹拌し、真空中で浅黄色オイルに濃縮した。粗ベンゾフラン塩酸塩(0.3mmol)及びホルムアルデヒド(0.35mmol)を、THF(5mL)中で混合し、二塩化ジブチルスズ(0.05mmol)を添加した。RTで5分間撹拌した後、フェニルシラン(0.6mmol)を添加し、該反応物を室温でさらに17時間撹拌させた。次いで、該反応物を真空中で濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル、イソプロパノール、トリエチルアミン)で精製して、透明オイルの5−(4−N−メチルモルホリノ−2R−メチルオキシ)ベンゾフランカルボン酸エチルを得た:MS ES+において、m/z=320。
【0225】
ジオキサン5mL中5−(4−N−メチルモルホリノ−2R−メチルオキシ)ベンゾフランカルボン酸エチル(0.6mmol)に、水1mL中LiOH(0.6mmol)を添加した。混合物を16時間還流し、真空中で濃縮して、白色固体の5−(4−N−メチルモルホリノ−2R−メチルオキシ)ベンゾフランカルボン酸リチウムを得た:MS ES+において、m/z 292。
【0226】
5−(4−N−メチルモルホリノ−2S−メチルオキシ)ベンゾフランカルボン酸リチウム
白色固体のS−異性体(MS ES+においてm/z 292)を、R−異性体を調製するために使用する方法に従うが、4−Boc−2R−ヒドロキシメチルモルホリンを4−Boc−2S−ヒドロキシメチルモルホリンで置換して調製した。
【0227】
4−(3−メチル−5−モルホリノ−4−イルメチル−チオフェン−2−イル)−安息香酸(実施例8.44)
5−ブロモ−4−メチル−チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(8.51mmol)を、EtOH(100mL)に溶解し、NaOH(42.5mmol)を1M 水溶液として添加した。反応物を80℃に2時間加熱し、その後出発物質がすべて消費された。次いで、反応物を真空中で濃縮し、該残渣をDCMで取り込み、1M HClで振盪した。次いで、得られた2相混合物を濾過し、濾過物(filtrant)をヘキサンで洗浄し、真空乾燥した。これによって、オフホワイトの固体の5−ブロモ−4−メチル−チオフェン−2−カルボン酸が得られた:MS AP−において、m/z=219、221[M−H]、6.79mmol、80%。
【0228】
5−ブロモ−4−メチル−チオフェン−2−カルボン酸(6.79mmol)をDMF30mL及びモルホリン(7.47mmol)で取り込み、WSC.HCl(7.47mmol)及びHOBt(7.47mmol)を添加した。反応物を室温で17時間撹拌し、次いでEtOAcで希釈し、1M HCl及び食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、真空中で濃縮した。該残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中33−50% EtOAc)にかけると、淡金色オイルの(5−ブロモ−4−メチル−チオフェン−2−イル)−モルホリン−4−イル−メタノンが得られた:MS ES+において、m/z=290、292[M+H]、4.67mmol、69%。
【0229】
THF(4.45mmol)中1M THF.BH錯体を含むフラスコに、(5−ブロモ−4−メチル−チオフェン−2−イル)−モルホリン−4−イル−メタノン(1.78mmol)を添加した。反応物をN中2.5時間還流撹拌した。次いで、メタノールをガス発生が止むまで添加し、続いて1M NaOH10mlを添加し、該反応物をさらに7時間還流撹拌した。該混合物を室温に冷却し、EtOAcで抽出した。この抽出物を真空中で濃縮し、残渣を1M HClで取り込み、EtOAcで洗浄した。次いで、酸の層を1M NaOHで塩基性にし、EtOAcに抽出し直した。溶媒を除去すると、無色オイルの4−(5−ブロモ−4−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−モルホリンが得られた:MS ES+において、m/z=276、278[M+H]、98mmol、55%。
【0230】
4−(5−ブロモ−4−メチル−チオフェン−2−イルメチル)−モルホリン(0.98mmol)を、トルエン10mLで取り込み、EtOH1mL中4−カルボキシメチルフェニルボロン酸(0.98mmol)の溶液を添加した。2M NaCO水溶液6mL、続いてPd(PPh(0.098mmol)を添加した。反応物を、窒素雰囲気中70℃で17時間撹拌し、次いで室温に冷却し、DCM(×2回)で抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、真空中で濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中33−99% EtOAc)で精製した。これによって、ワックス質白色固体の純4−(3−メチル−5−モルホリ−4−イルメチル−チオフェン−2−イル)−安息香酸メチルエステルがもたらされた:MS ES+において、m/z=332[M+H]、0.090mmol、9%。
このエステル(0.09mmol)を、18% HCl中70℃に2時間加熱し、この時点でHPLCは、出発物質がすべて加水分解されたことを示した。該反応物を冷却し、溶液から沈殿した白色固体の生成物を濾過によって収集した。これをさらに精製することなく、標準的手順を使用してカップリングさせた。
【0231】
3−メチル−4−(5−モルホリン−4−イルメチル−フラン−2−イル)−安息香酸(実施例8.45)
3つ口フラスコに、4−ブロモ−3−メチル安息香酸メチル(2.18mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(2.29mmol)、酢酸パラジウム(0.065mmol)、酢酸カリウム(6.54mmol)及びDMF(10mL)を加えた。該溶液を、Nガスで30分間バブリングさせることによって脱気し、次いでN中80℃に3時間加熱した。次いで、反応物を室温に冷却し、4−(5−ブロモ−フラン−2−イルメチル)−モルホリン(2.18mmol)、炭酸セシウム(3.27mmol)及びPd(PPh(0.065mmol)を添加した。該反応物を80℃に加熱し、さらに17時間撹拌した。次いで、混合物をEtOAc及び水で希釈し、セライトパッドを通して濾過して、黒色粒子を除去した。有機層を分別し、食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、真空中で濃縮した。該残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン中10−99% EtOAc)にかけると、灰色粉末状固体の3−メチル−4−(5−モルホリン−4−イルメチル−フラン−2−イル)−安息香酸メチルエステルが得られた:MS ES+において、m/z=316[M+H]、0.51mmol、23%。
【0232】
このエステル(0.51mmol)を、18% HCl中70℃に2時間加熱し、この時点でHPLCは、出発物質がすべて加水分解されたことを示した。該反応物を冷却し、溶液から沈殿した白色固体の生成物を濾過によって収集した。これをさらに精製することなく、標準的手順を使用してカップリングさせた。
【0233】
4−[5−メチル−2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−チアゾール−4−イル]−安息香酸(実施例8.46)
DMF(10mL)中、4−プロピオニル安息香酸(890mg、5mmol)、NaHCO(1.26g、15mmol)及びヨードメタン(935μL、15mmol)を室温で終夜撹拌した。該混合物を飽和NaCl水溶液(50mL)で希釈し、エーテル(3回×50mL)で抽出した。有機相を水(50mL)で洗浄し、乾燥し、蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィー(90gのシリカ、2/1 石油エーテル−EtOAc)により、白色固体の4−プロピオニル−安息香酸メチルエステル(744mg、77%)が得られた。
1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ1.24 (t, 3H, J = 7 Hz), 3.03 (q, 2H, J = 7 Hz), 3.95 (s, 3H), 8.0及び8.12 (ABq, 4H)
【0234】
THF(38mL)中、4−プロピオニル−安息香酸メチルエステル(744mg、3.87mmol)、ピロリドンヒドロトリブロミド(1.98g)及び2−ピロリジノン(380mg、4.5mmol)を、窒素中50℃で3時間加熱した。該混合物を冷却し、濾過し、濃縮し、次いでエーテル(50mL)に再溶解した。該エーテル溶液を、水(20mL)、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(20mL)、飽和NaCl水溶液(20mL)及び水(20mL)で連続洗浄し、乾燥し、蒸発させて、黄色オイルの粗4−(2−ブロモ−プロピオニル)−安息香酸メチルエステル(1.025g)を得て、ハンチ(Hantzsch)カップリングに直接使用した。この物質は、H NMRで決定して、91%の所望のブロモケトン、5%の出発物質及び4%の4−ブロモ−1−ブタノールを含有していた。
1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ1.92 (d, 3H, J = 7 Hz), 3.96 (s, 3H), 5.28 (q, 1H, J = 7 Hz), 8.07及び8.14 (ABq, 4H)
【0235】
THF36mL中、上記の4−(2−ブロモ−プロピオニル)−安息香酸メチルエステル及びピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(J. Med. Chem.、1998, 5037-5054、917mg、3.73mmol)をすべてを、N中、70℃で2時間還流した。該沈殿物を濾過し、濾液を蒸発させて、黄色固体を得た。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、5/1 石油エーテル−EtOAc)により、明黄色固体の4−[4−(4−メトキシカルボニル−フェニル)−5−メチル−チアゾール−2−イル]−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル624mgが得られた。該沈殿物をクロマトグラフィー(シリカ、2/1 石油エーテル−EtOAc)にかけると、化合物がもう32mg得られた。全収率は44%である。
1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ1.46 (s, 9H), 2.43 (s, 3H), 3.42, (m, 4H), 3.54 (m, 4H), 3.90 (s, 3H), 7.68及び8.04 (ABq, 4H).
【0236】
上記のメチルエステル(564mg、1.35mmol)を、2N NaOH1.35mL、THF5mL及び水3.65mLと共に60℃で4時間加熱した。該反応混合物を蒸発させ、飽和NaCl水溶液20mL及びCHCl 20mLに注ぎ入れ、次いで氷浴中、5% クエン酸でpH3に酸性化した。該層を分液し、有機相をCHCl(2回×10mL)でさらに抽出した。有機相を合わせて、水(10mL)で洗浄し、乾燥し、蒸発させて、明黄色固体の4−[4−(4−カルボキシ−フェニル)−5−メチル−チアゾール−2−イル]−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(537mg、98%)を得た。
1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ1.48 (s, 9H), 2.47 (s, 3H), 3.47 (m, 4H), 3.57 (m, 4H), 7.74及び8.12 (ABq, 4H).
13C NMR (CDCl3, 100MHz) δ ppm: 12.6, 28.3, 42.8, 48.1, 80.3, 119.1, 127.8, 128.2, 130.1, 140.5, 145.6, 154.6, 167.2, 171.4.
LCMS: (M + H)+ 404, (M - H)- 402.
【0237】
4−[4−(4−カルボキシ−フェニル)−5−メチル−チアゾール−2−イル]−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.421mmol)を、1,4−ジオキサン中4M HClに溶解し、室温で1時間撹拌した。次いで、該溶媒を真空下で除去し、残渣の4−(5−メチル−2−ピペラジン−1−イル−チアゾール−4−イル)−安息香酸をメタノール(10mL)に懸濁し、AcOH/AcONa緩衝液(pH約5.5、5mL)及びホルムアルデヒド(0.547mmol)で処理した。該反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いでNaCNBH(0.547mmol)で処理し及び室温で終夜撹拌した。次いで、該溶媒を真空下で除去し、残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物(0.403mmol、95%)がもたらされた。MS(ES)m/z 318(100%、[M+H])。
【0238】
4−(2−モルホリン−4−イル−チアゾール−4−イル)−安息香酸(実施例8.47)
4−(2−ブロモアセチル)安息香酸(1.23mmol)及び1−モルホリンチオカルボキサミド(1.23mmol、J. Med. Chem 1998, 41, 5037-5054)をTHF(10mL)中で混合し、次いで3.5時間還流した。次いで、該反応混合物を室温になるまで放置し、得られた沈殿物を濾過によって収集し、少量のジエチルエーテルで4回洗浄した。粗生成物を1:1 熱EtOH−EtOAcで結晶化して、第1結晶の無色針状物(0.16g、0.55mmol)を得た。1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ7.94 (4H, m), 7.49 (1H, s), 3.72 (4H, m), 3.44 (4H, m).
【0239】
4−(2−ピペリジン−1−イル−チアゾール−4−イル)−安息香酸(実施例8.48)
4−(2−ブロモアセチル)安息香酸(1.23mmol)及び1−ピペリジンチオカルボキサミド(1.23mmol)をTHF(10mL)中で混合し、次いで3時間還流した。次いで、該反応混合物を室温になるまで放置し、得られた沈殿物を濾過によって収集し、少量のジエチルエーテルで3回洗浄した。粗生成物を1:1 熱EtOH−EtOAcで結晶化して、第1結晶の無色針状物(0.28g、0.95mmol)を得た。1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz,) δ7.93 (4H, m), 7.40 (1H, s), 3.48 (4H, m), 1.60 (6H, m).
【0240】
4−(2−ジメチルアミノ−チアゾール−4−イル)−安息香酸(実施例8.49)
THF(40mL)中チオカルボニルジイミダゾール(44.9mmol)の撹拌された混合物に、THF(44mmol)中2M ジメチルアミンを分割して室温で添加し、温度上昇を観察した。最終添加から40分後、該反応混合物を55℃に1時間加熱し、次いで再び室温になるまで放置した。次いで、該反応物を真空中で濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル−EtOAc)で精製して、中間体のイミダゾール−1−カルボチオ酸ジメチルアミドを得た。この物質を新たに調製されたメタノール(40mL)中飽和アンモニアで60時間処理し、次いで真空中で濃縮し、沈殿した残渣をジエチルエーテルに懸濁し、濾過によって収集した。該沈殿物をジエチルエーテルで洗浄し、風乾して、わずかに黄色の固体(1.71g、16.4mmol)を得て、その後のステップで使用した。4−(2−ブロモアセチル)安息香酸(1.23mmol)及び1−ピペリジンチオカルボキサミド(1.23mmol)を、THF(10mL)中で混合し、次いで3時間還流した。次いで、該反応混合物を室温になるまで放置し、得られた沈殿物を濾過によって収集し、少量のジエチルエーテルで3回洗浄した。粗生成物を1:1 熱EtOH−EtOAcで結晶化して、第1結晶の無色針状物(0.1g、0.40mmol)を得た。1H NMR (DMSO-d6,400 MHz) δ7.94 (4H, m), 7.37 (1H, s), 3.11 (6H, m).
【0241】
4−[2−(イソプロピル−メチル−アミノ)−5−メチル−チアゾール−4−イル]−安息香酸(実施例8.50)
4−プロピオニル安息香酸(11.2mmol)、ベンジルアルコール(1.1mL、10.7mmol)及びジメチルアミノピリジン(0.14g、1.1mmol)のジクロロメタン(90mL)溶液に、N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド×HCl(2.4g、12.3mmol)を0℃で添加し、次いで室温で終夜撹拌した。次いで、得られた溶液をDCMで希釈し、10% クエン酸水溶液及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で連続洗浄し、次いで乾燥し(NaSO)、濾過し、真空中で濃縮した。該残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル−EtOAc)にかけると、無色オイルが得られ、放置すると結晶化した(2.67g)。上記からのベンジルエステルの一部分(1g、3.73mmol)を、THF中2−ピロリジノン(0.37g、4.33mmol)及びピロリドンヒドロトリブロミド(1.85g、3.73mmol)と共に1.5時間還流した。得られた反応混合物を室温になるまで放置し、次いでEtOAcで希釈し、水、10% チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び食塩水で連続洗浄し、次いで乾燥し(NaSO)、濾過し、真空中で濃縮した。上記から得られたブロミドを、THF(20mL)中イソプロピルチオカルボキサミド(0.44g、3.73mmol)と直接混合し、終夜還流し、次いでシリカで濃縮した。該残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル−EtOAc−EtN)にかけると、明赤色オイル(1.28g、3.49mmol)が得られた。アセトニトリル(7mL)、酢酸(1.3mL)及び37% ホルムアルデヒド水溶液(2mL)中、上記で得られたチアゾール誘導体(0.250g、0.68mmol)の撹拌された溶液に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.09g)を0℃で添加し、次いで室温で終夜撹拌した。追加のシアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.08g)を添加し、さらに2時間撹拌した後、該反応混合物を水で希釈し、0.5M 炭酸ナトリウム水溶液を使用して中和し、次いでジクロロメタンで抽出した。ジクロロメタン層を収集し、乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮した。該残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、石油エーテル−EtOAc)にかけると、わずかに黄色の結晶質固体(0.115g)が得られた。1H NMR (CDCl3, 400 MHz,) δ8.09 (2H, d), 7.72 (2H, d), 7.27-7.32 (5H, m), 5.38 (2H, s), 4.27 (1H, m), 2.92 (3H, s), 2.42 (3H, s), 1.22 (6H, d).上記からのベンジルエステル(0.25g、0.66mmol)を、60℃において、THF(2mL)中1M LiOH水溶液(1.3mL)で終夜処理することによって加水分解した。次いで得られた溶液は、10% クエン酸水溶液を用いてわずかに酸性にし、次いでジクロロメタンを使用して抽出した。次いで、有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮した。該残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン−メタノール)にかけると、結晶質固体の表題化合物(0.19g)が得られ、hplc及びMSによって特性決定した。MS ES+において、m/z=304。
【0242】
4−(2−メチルアミノ−チアゾール−4−イル)−安息香酸(実施例8.51)
エタノール25mLに、4−(2−ブロモアセチル)安息香酸(486mg、2mmole)及びN−メチルチオ尿素(180mg、2mmole)を添加した。該反応混合物を3時間還流し、TLCにより、出発物質が消失し、蛍光性生成物が形成していることがわかった。該反応物を氷上で冷却した。生成物を濾過で収集し、予め0℃に冷却されたエタノールで2回(2回×3mL)、続いてジエチルエーテルで洗浄した。乾燥した後、生成物486mgを得た。1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ7.97 (2H, d), 7.89 (2H, d), 7.32 (1H, s), 2.96 (3H, s).
【0243】
4−[2−(4,4−ジフルオロ−ピペリジン−1−イル)−チアゾール−4−イル]−安息香酸(実施例8.52)
アセトン(10mL)中4,4−ジフルオロピペリジン(塩酸塩、1.57g、10mmole)及びジイソプロピルエチルアミン(1.74mL、10mmole)を、アセトン(10mL)中エトキシカルボニルイソチオシアナート(1.02mL、10mmole)の混合物に0℃で徐々に滴下した。添加が完了すると、該反応物を室温で1時間撹拌下に維持した。3N 塩酸(15mL)を添加し、該反応混合物を酢酸エチルで抽出した。有機相を真空中で濃縮した。
【0244】
該残渣に、濃塩酸(20mL)を添加し、該反応物を80℃で5時間維持した。水(30mL)を、該反応物に添加した。炭酸アンモニウムで中和した後、反応混合物を酢酸エチルで抽出した。有機相を水で洗浄し、真空中で乾燥して、粗中間体の4,4−ジフルオロ−ピペリジン−1−カルボチオ酸アミド(1.21g)を得た。THF(20mL)中、上記からの残渣(360mg、2mmole)及び4−(2−ブロモアセチル)安息香酸(486mg、2mmole)を5時間還流した。TLCにより、出発物質が消失し、蛍光性生成物が形成していることがわかった。該反応物を氷上で冷却した。固体を濾過によって収集した。生成物をエタノールで再結晶した(380mg)。1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz) δ7.96 (4H, m), 7.51 (1H, s), 3.66 (4H, m) 2.12 (4H, m).
実施例8.53〜8.61及び8.63において下記の表題化合物の収率は、一般に30〜90%であった。
【0245】
4−(2−イソプロピルアミノ−チアゾール−4−イル)−安息香酸(実施例8.53)
イソプロピル−チオ尿素(2.47mmol)及び4−(2−ブロモ−アセチル)−安息香酸(2.47mmol)を、THF(12mL)中で混合した。室温で5分間撹拌した後、混合物を80℃に2時間加熱した。体積を5mLに低減し、次いで混合物を−20℃に冷却し、濾過した。固体を少量のジエチルエーテルで洗浄し、乾燥した。MS ES+において、m/z=263.1であり、hplc及びMSによって特性決定し、さらに精製することなく次のステップで使用した。
【0246】
3−[2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−チアゾール−4−イル]−安息香酸(実施例8.54)
4−メチル−ピペラジン−1−カルボチオ酸アミド(2.47mmol)及び3−(2−ブロモ−アセチル)−安息香酸(2.47mmol)を、THF(12mL)中で混合した。室温で5分間撹拌した後、該混合物を80℃に2時間加熱した。次いで、該混合物を室温に冷却し、濾過した。固体を少量のジエチルエーテルで洗浄し、乾燥した。MS ES+において、m/z=304.1であり、hplc及びMSによって特性決定し、さらに精製することなく次のステップで使用した。
【0247】
3−(2−イソプロピルアミノ−チアゾール−4−イル)−安息香酸(実施例8.55)
イソプロピル−チオ尿素(2.47mmol)及び3−(2−ブロモ−アセチル)−安息香酸(2.47mmol)を、THF(12mL)中で混合した。室温で5分間撹拌した後、該混合物を80℃に2時間加熱した。体積を5mLに低減し、次いで該混合物 を−20℃に冷却し、濾過した。固体を少量のジエチルエーテルで洗浄し、乾燥した。m/z=263.1 MS ES+において、hplc及びMSによって特性決定し、さらに精製することなく次のステップで使用した。
【0248】
4−(2−ピペリジン−4−イル−チアゾール−4−イル)−安息香酸(実施例8.56)
4−チオカルバモイル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(2.47mmol)及び4−(2−ブロモ−アセチル)−安息香酸(2.47mmol)を、THF(12mL)中で混合した。室温で5分間撹拌した後、混合物を80℃に2時間加熱した。体積を5mLに低減し、ジエチルエーテル(5mL)を添加した。次いで、該混合物を−20℃に冷却し、濾過した。固体を少量のジエチルエーテルで洗浄し、乾燥した。MS ES+において、m/z=289.1であり、hplc及びMSによって特性決定し、さらに精製することなく次のステップで使用した。
【0249】
4−[2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−チアゾール−4−イル]−安息香酸(実施例8.57)
酢酸(0.5mL)、メタノール(3mL)及びテトラヒドロフラン(4.5mL)中4−(2−ピペリジン−4−イル−チアゾール−4−イル)−安息香酸(1mmol)の溶液に、ホルムアルデヒド(37%水溶液、300mL)及びポリスチレンに結合させたシアノボロヒドリド(2.36mmol/g、900mg)を添加した。次いで、スラリーを室温で16時間撹拌した。次いで、スラリーを濾過し、樹脂をメタノール(2mL)で洗浄した。該溶液を真空中で濃縮乾固した。MS ES+において、m/z=303.1であり、hplc及びMSによって特性決定し、さらに精製することなく次のステップで使用した。
【0250】
4−[2−(ピリジン−3−イルアミノ)−チアゾール−4−イル]−安息香酸(実施例8.58)
ピリジン−3−イル−チオ尿素(2.06mmol)及び4−(2−ブロモ−アセチル)−安息香酸(2.06mmol)を、THF(12mL)中で混合した。室温で5分間撹拌した後、混合物を80℃に2時間加熱した。次いで、該混合物を室温に冷却し、濾過した。固体を少量のジエチルエーテルで洗浄し、乾燥した。MS ES+において、m/z=298.0であり、hplc及びMSによって特性決定し、さらに精製することなく次のステップで使用した。
【0251】
4−[2−(ピリジン−2−イルアミノ)−チアゾール−4−イル]−安息香酸(実施例8.59)
ピリジン−2−イル−チオ尿素(2.06mmol)及び4−(2−ブロモ−アセチル)−安息香酸(2.06mmol)を、THF(12mL)中で混合した。室温で5分間撹拌した後、該混合物を80℃に2時間加熱した。次いで、該混合物を室温に冷却し、濾過した。固体を少量のジエチルエーテルで洗浄し、乾燥した。MS ES+において、m/z=298.0であり、hplc及びMSによって特性決定し、さらに精製することなく次のステップで使用した。
【0252】
4−(2−シクロペンチルアミノ−チアゾール−4−イル)−安息香酸(実施例8.60)
アンモニア(水中37%、8mL)及びメタノール(32mL)中イソチオシアナト−シクロペンタン(4g)を、16時間撹拌し、濾過し、乾燥した。シクロペンチル−チオ尿素(2.06mmol)及び4−(2−ブロモ−アセチル)−安息香酸(2.06mmol)を、THF(12mL)中で混合した。室温で5分間撹拌した後、該混合物を80℃に2時間加熱した。次いで、該混合物を室温に冷却し、濾過した。固体を少量のジエチルエーテルで洗浄し、乾燥した。MS ES+において、m/z=289.05であり、hplc及びMSによって特性決定し、さらに精製することなく次のステップで使用した。
【0253】
4−(2−シクロプロピルアミノ−チアゾール−4−イル)−安息香酸(実施例8.61)
イソチオシアナト−シクロプロパン(4g)を、アンモニア(水中37%、8mL)及びメタノール(32mL)と0℃で混合し、次いで室温で16時間撹拌した。次いで、該混合物を0℃に冷却し、濾過し、少量の水で洗浄し、乾燥した。シクロプロピル−チオ尿素(2.06mmol)及び4−(2−ブロモ−アセチル)−安息香酸(2.06mmol)を、THF(12mL)中で混合した。室温で5分間時間撹拌した後、該混合物を80℃に2時間加熱した。次いで、該混合物を室温に冷却し、濾過した。固体を少量のジエチルエーテルで洗浄し、乾燥した。MS ES+において、m/z=261.0であり、hplc及びMSによって特性決定し、さらに精製することなく次のステップで使用した。
【0254】
4−[2−(シクロプロピル−メチル−アミノ)−チアゾール−4−イル]−安息香酸(実施例8.62)
4−(2−シクロプロピルアミノ−チアゾール−4−イル)−安息香酸(1.98mmol)、ヨウ化メチル(4.36mmol)及び炭酸カリウムを、DMF(20mL)中で混合し、室温で72時間撹拌した。該混合物を濃縮乾固し、ジクロロメタンと水で分液した。有機層を乾燥し(MgSO)、濃縮乾固した。この固体を、THF(4mL)、メタノール(2mL)及び1N LiOH(3mmol)と混合し、50℃で1時間加熱した。次いで、該混合物を室温に冷却し、pH4になるまで1N HClを添加した。該混合物を真空中で濃縮し、次いで得られた残渣をジクロロメタン−メタノールに再溶解し、シリカで濃縮した。該残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン−メタノール)にかけると、オフホワイトの固体の表題化合物(0.1g)が得られた。MS ES+において、m/z=275.0であり、hplc及びMSによって特性決定した。
【0255】
4−[2−(1−メチル−ピロリジン−3−イル)−チアゾール−5−イル]−安息香酸(実施例8.63)
3−チオカルバモイル−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(2.47mmol)4−(2−ブロモ−アセチル)−安息香酸(2.47mmol)を、THF(12mL)中で混合した。室温で5分間撹拌した後、該混合物を80℃に1時間加熱した。次いで、該混合物を室温に冷却し、濾過した。固体を少量のジエチルエーテルで洗浄し、乾燥した。MS ES+においてm/z=304.1。次いで、この固体をジクロロメタン−トリフルオロ酢酸(2:1)中で混合し、室温で20分間維持した。該混合物をほとんど乾固するまで濃縮し、この濃縮物をジクロロメタンから1回及びジエチルエーテル中1N HClから1回濃縮した。残った固体を、酢酸(0.5mL)、メタノール(3mL)及びテトラヒドロフラン(4.5mL)と混合し、ホルムアルデヒド(37%水溶液、300mL)及びポリスチレンに結合させたシアノボロヒドリド(2.36mmol/g、900mg)を添加した。次いで、該スラリーを室温で16時間撹拌した。次いで、該スラリーを濾過し、樹脂をメタノール(2mL)で洗浄した。溶液を真空中で濃縮乾固した。MS ES+において、m/z=289.0であり、hplc及びMSによって特性決定し、さらに精製することなく次のステップで使用した。
【0256】
2−(1−メチルピペラジン−4−イル)−6−(4−カルボキシフェン−1−イル)−ピリジン塩酸塩(実施例8.64)
2.6−ジブロモピリジン(11.8g、50mmol)を、ジメチルホルムアミド(50mL)及び1−メチルピペラジン(5.0g、50mmol)に溶解し、ヨウ化ナトリウム(0.6g)を添加した。該溶液を80℃に30分間加熱し、次いで室温になるまで放置し、酢酸エチル及び水で希釈した。水層を慎重に抽出し、有機層を収集し、乾燥し(NaSO)、濃縮した。該残渣のシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチルで充填)は、溶離液として酢酸エチル−メタノール−トリエチルアミン20:2:1を使用した。純分画を収集し、濃縮した。該残渣1.54gをジメトキシメタン(48mL)に溶解し、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(5.0g)を添加した。該溶液を脱気し、N中15分間撹拌した。4−エトキシカルボニルフェニルボロン酸(1.16g)、続いて1M 炭酸水素ナトリウム水溶液36mLを添加した。該溶液をもう1回脱気し、加熱還流し、12時間撹拌した。該溶液を濾過し、濾滓を酢酸エチル及びジメトキシメタンで慎重に抽出した。該抽出液を蒸発させ、溶離液として酢酸エチル−メタノール−トリエチルアミン20:2:1を使用したシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチルで充填)で精製した。純分画を収集し、濃縮した。該残渣を濃塩酸30mLに溶解し、12時間還流した。該溶液を蒸発させて、固体の表題化合物を得た。1H-NMR (400MHz, DMSO-d6) δ2.7 (3H, m) 3.3 (4H, m) 4.5 (4H, m) 7.0 (1H, m) 7.4 (1H, m) 7.8 (1H, m) 8.0 (1H, m) 8.15 (1H, m) 11.5 (1H, bs).
【0257】
4−(6−モルホリン−4−イル−ピリジン−2−イル)−安息香酸塩酸塩(実施例8.65)
2.6−ジブロモピリジン(2.0g)を、ジメトキシメタン及びモルホリン(4.0mL)に溶解し、ヨウ化ナトリウム(0.3g)を添加した。該溶液を1時間加熱還流し、次いで室温になるまで放置した。得られた溶液を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄し、次いで乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮した。該残渣のフラッシュクロマトグラフィーは、階段状勾配溶離(ヘキサン中酢酸エチル 20−33%)を使用した。純分画を濃縮し、次いで実施例8.64に記載のようにスズキカップリングにかけ、次いで上記に記載のようなフラッシュクロマトグラフィーで精製した。純分画を収集し、濃縮し、次いで該残渣を濃塩酸30mLに溶解し、1時間還流した。得られた溶液を蒸発させて、固体の表題化合物を得た。1H-NMR (400MHz, DMSO-d6) δ3.6 (4H, m) 3.7 (4H, m) 6.9 (1H, m) 7.3 (1H, m) 7.7 (1H,M) 7.9 (2H, m) 8.1 (2H, m).
【0258】
(実施例9)
N−[(1S)−1−((3aS,6S,6aS)−6−フルオロ−3−オキソ−ヘキサヒドロ−フロ[3,2−b]ピロール−4−カルボニル)−3−メチル−ブチル]−4−[5−メチル−2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−チアゾール−4−イル]−ベンズアミドの流動相合成
【0259】
【化52】

【0260】
a)[(1S)−1−((3R,3aR,6S,6aS)−6−フルオロ−3−ヒドロキシ−ヘキサヒドロ−フロ[3,2−b]ピロール−4−カルボニル)−3−メチル−ブチル]−カルバミン酸ベンジルエステル(2’)
(3R,3aR,6S,6aS)−6−フルオロ−3−ヒドロキシ−ヘキサヒドロ−フロ[3,2−b]ピロール−4−カルボン酸tert−ブチルエステル(1’)(20.24mmol)を、1,4−ジオキサン中4M HClに溶解し、室温で1時間撹拌した。次いで、該溶媒を真空下で除去し、残渣をジクロロメタン(50mL)に懸濁し、Cbz−Leu−OH(20.24mmol)、WSC・HCl(22.26mmol)、HOBt(22.26mmol)及びNMM(40.48mmol)で処理した。該反応混合物を室温で終夜撹拌し、次いで飽和NaHCO水溶液で洗浄し、乾燥し、濃縮した。該残渣をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン1:1、Rf 0.23)で精製して、化合物2(15.62mmol、77%)をもたらした。MS(ES)m/z 395(100%、[M+H])。
【0261】
b)[(1S)−1−((3aS,6S,6aS)−6−フルオロ−3−オキソ−ヘキサヒドロ−フロ[3,2−b]ピロール−4−カルボニル)−3−メチル−ブチル]−カルバミン酸ベンジルエステル(3’)
化合物2’(15.61mmol)のジクロロメタン(70mL)溶液を、デス−マーチンペルヨージノン(periodinone)(15.61mmol)で処理し、該反応混合物を室温で終夜撹拌した。次いで、該溶液を、飽和NaHCO水溶液で洗浄し、乾燥し、濃縮し、該残渣をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン1:1、Rf 0.37)で精製して、化合物3(9.38mmol、60%)がもたらされた。MS(ES)m/z 393(15%、[M+H])、411(100%、[MH+HO])。
【0262】
c)[(1S)−1−((3aS,6S,6aS)−6−フルオロ−3,3−ジメトキシ−ヘキサヒドロ−フロ[3,2−b]ピロール−4−カルボニル)−3−メチル−ブチル]−カルバミン酸ベンジルエステル(4’)
化合物3’(8.49mmol)の無水メタノール(50mL)溶液を、1,1,2−トリメチルオルトホルマート(24mL)及びp−TsOH(触媒量)で処理し、60℃で3時間撹拌した。次いで、反応混合物を室温にまで冷却し、溶媒を真空下で除去し、残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して、化合物4’(7.42mmol、87%)がもたらされた。MS(ES)m/z 439(100%、[M+H])。
【0263】
d)N−[(1S)−1−((3aS,6S,6aS)−6−フルオロ−3,3−ジメトキシ−ヘキサヒドロ−フロ[3,2−b]ピロール−4−カルボニル)−3−メチル−ブチル]−4−[5−メチル−2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−チアゾール−4−イル]−ベンズアミド(5’)
化合物4’(0.625mmol)を、エタノール(15mL)に溶解し、触媒量のPd(炭素中10重量%のPd)で処理した。該反応物を、水素雰囲気中3〜4時間撹拌した。次いで、該反応混合物を、セライトケーキを通して濾過し、該ケーキをエタノールで洗浄し、有機抽出物を合わせ、真空下で濃縮した。次いで、該残渣をジクロロメタン(15mL)に溶解し、4−[5−メチル−2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−チアゾール−4−イル]−安息香酸(0.60mmol)、WSC・HCl(0.625mmol)及びHOBt(0.625mmol)で処理した。該反応混合物をHPLCで監視した。該反応が終了する(4時間)と、有機溶液を飽和NaHCO水溶液で洗浄し、乾燥し、濃縮し、該残渣を分取HPLCで精製して、化合物5(0.30mmol、50%)を得た。MS(ES)m/z 604(100%[M+H])。
【0264】
e)N−[(1S)−1−((3aS,6S,6aS)−6−フルオロ−3−オキソ−ヘキサヒドロ−フロ[3,2−b]ピロール−4−カルボニル)−3−メチル−ブチル]−4−[5−メチル−2−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−チアゾール−4−イル]−ベンズアミド(6’)
化合物5’(0.21mmol)を、溶媒を含まないトリフルオロ酢酸(2mL)に溶解し、室温で撹拌した。該反応をHPLCで綿密に監視して、3級アミドの開裂を回避した。出発物質が消失する(3時間45分間)とすぐに、TFAを窒素流中で除去し、該残渣を酢酸エチルと飽和NaHCO水溶液で分液し、有機抽出物を乾燥し、真空下に濃縮し、該残渣をアセトニトリル−水1:1(2mL)に溶解し、終夜凍結乾燥して、白色固体の化合物6’(0.20mmol、94%)がもたらされた。MS(ES)m/z 558(10%、[M+H])、576(100%、[MH+HO])。
【0265】
(生物学的実施例)
(カテプシンKタンパク質分解触媒活性の決定)
PDBに記載するものなどのヒト組換え酵素を使用して、カテプシンKに好都合なアッセイを実施する。
ID BC016058 標準;mRNA;HUM;1699 BP.
DE ホモサピエンスカテプシンK(濃化異骨症)、mRNA(cDNA クローン MGC:23107
RX MEDLINE;RX PUBMED;12477932.
DR RZPD;IRALp962G1234.
DR SWISS−PROT;P43235;
【0266】
組換えカテプシンKを、大腸菌(E coli)、ピチア(Pichia)及びバキュロウイルス(Baculovirus)系を含めて様々な市販の発現系で発現させることができる。精製された酵素は、通常の方法でプロ配列を除去することによって活性化する。
【0267】
運動定数を決定するのに標準的アッセイ条件は、蛍光発生的ペプチド基質、通常はH−D−Ala−Leu−Lys−AMCを使用し、1mM EDTA及び10mM 2−メルカプトエタノールを含む100mM Mes/トリス、pH7.0又は1000mM リン酸Na、1mM EDTA、0.1%PEG4000 pH6.5又は5mM EDTA及び20mM システインを含む100mM 酢酸Na、pH5.5で、いずれの場合にも安定剤として1M DTTを任意に含むもので決定された。使用する酵素濃度は、5nMであった。基質の保存溶液をDMSO中10mMとして調製した。スクリーニングを一定の基質濃度60μMで実施し、詳細な運動に関する試験は、250μMからの基質を2倍希釈して行った。アッセイにおいて全DMSO濃度は、3%未満に維持された。アッセイはすべて、周囲温度で行った。プロダクト蛍光(390nmで励起、460nmで発光)は、Labsystems Fluoroskan Ascent蛍光プレートリーダで監視した。プロダクト進行曲線を、AMCプロダクトの発生に従って15分間作製した。
【0268】
(阻害試験)
試験化合物の濃度を可変にして上記のアッセイを使用して、潜在的な阻害剤をスクリーニングする。反応は、酵素を基質及び阻害剤の緩衝溶液に添加することによって開始した。K値は、式1に従って算出した。
【0269】
【数1】

式中、vは、反応速度であり、Vは、最大速度であり、Sは、ミカエリス定数をKとする基質濃度であり、Iは、阻害剤濃度である。
P1基において顕著なハロゲン置換基を有する本発明の化合物のアッセイは、上記に記載する国際公開第02/057270号の最も密接に区別された化合物と比較して行った。
【0270】
【表2】

【0271】
略語
DMF ジメチルホルムアミド
DCM ジクロロメタン
TBDMS tert−ブチルジメチルシリル
RT 室温
THF テトラヒドロフラン
Ac アセチル
TLC 薄層クロマトグラフィー
DMAP ジメチルアミノピリジン
EtOAc 酢酸エチル
【0272】
明細書及び下記の特許請求の範囲全体を通して、文脈上が要求しない限り、「含む(comprise)」という単語及び「含む(comprises)」や「含んでいる(comprising)」などの変形は、記載された整数、ステップ、整数の群又はステップの群を含むものであって、他のいかなる整数、ステップ、整数の群又はステップの群を排除するものではないことが示唆されていると理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式IIの化合物又は医薬として許容し得るその塩若しくはプロドラッグ:
【化1】

(式中、
及びRの一方はハロであり、他方はH又はハロであり;
は、任意にフッ素化されたC〜C直鎖又は分枝鎖のアルキルであり;
はHであり;又は
はRと共に、
ハロ、ヒドロキシル、C〜Cアルキル、又はC〜Cハロアルキルから選択された1〜3個の置換基で任意に置換された;又はメチレン基で任意に架橋されたスピロ−C〜Cシクロアルキル;若しくは
O、NRa、S、S(=O)から選択されたヘテロ原子を有するC〜C飽和ヘテロ環を規定し;
は独立に、H又はメチルから選択され;
Eは、−C(=O)−、−S(=O)−、−NRS(=O)−、−NRC(=O)−、−OC(=O)−であり;
は、任意に置換された単環系又は二環系の安定な、炭素環又はヘテロ環であり、その又はそれぞれの環が、4、5又は6個の環原子と、S、O及びNから選択された0〜3個のへテロ原子とを有し、任意の置換基が、Rから選択された1〜3個のメンバーを含み;
は独立に、ハロ、オキソ、ニトリル、ニトロ、C〜Cアルキル、−XNRaRb、−XNRbR、−NRbC〜CアルキルR、NHCO−、X−R、X−O−R、O−X−R、X−C(=O)R、X−(C=O)NRaR、X−NRbC(=O)R、X−NHSO、X−S(=O)、X−C(=O)OR、X−NRbC(=O)ORから選択され;
は独立に、H、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、インドリニル、ピラニル、チオピラニル、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、フェニルであり、そのいずれもがR10で任意に置換されており;
10は独立に、ヒドロキシ、XR、−XNRaRb、−XNRbR、−NRbC〜CアルキルR、ニトロ、シアノ、カルボキシ、オキソ、C〜Cアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜Cアルカノイル、カルバモイルから選択され;
Xは独立に、結合又はC〜Cアルキルであり;
Raは独立に、H、C〜Cアルキル又はCHC(=O)であり;
Rbは独立に、H、又はC〜Cアルキルであり、
mは独立に、0、1又は2である。)。
【請求項2】
前記立体化学配置が、下記の部分構造に記載されている通りである、請求項1記載の化合物:
【化2】


【請求項3】
前記立体化学配置が、下記の部分構造に記載されている通りである、請求項1記載の化合物:
【化3】


【請求項4】
がハロであり、かつRがHである、請求項1記載の化合物。
【請求項5】
がフルオロである、請求項4記載の化合物。
【請求項6】
及びRがフルオロである、請求項1記載の化合物。
【請求項7】
がC〜C分枝鎖のアルキルである、請求項1記載の化合物。
【請求項8】
がイソ−ブチルである、請求項7記載の化合物。
【請求項9】
とRが一緒になってスピロシクロアルキルを規定する、請求項1記載の化合物。
【請求項10】
とRが一緒になってスピロシクロヘキシルを規定する、請求項9記載の化合物。
【請求項11】
がHである、請求項1記載化合物。
【請求項12】
Eが−C(=O)−である、請求項1記載化合物。
【請求項13】
が置換フェニルである、請求項1記載化合物。
【請求項14】
前記置換基が、−NRaRb、−CHNRaRb、−NRbR、−NRbC〜CアルキルR、C〜C直鎖又は分枝鎖のアルキル又は−O−Rを含む、請求項13記載の化合物。
【請求項15】
前記置換基が、−NH−CHフェニル、−NHCHピリジル又は−NH−フェニルを含み、フェニル又はピリジル環がそれぞれ、C〜C−アルキル、−NRaRb、−NRbR又は−NRbC〜CアルキルRで置換されている、請求項14記載の化合物。
【請求項16】
前記置換基が、C〜Cシクロアルキル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、インドリニル、ピラニル、チオピラニル、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、フェニルを含み、そのいずれもがR10で任意に置換されている、請求項13記載の化合物。
【請求項17】
前記置換基が、インドリニル、ピラニル、チオピラニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリルから選択され、そのいずれもがR10で任意に置換されている、請求項16記載の化合物。
【請求項18】
前記置換基が、R10で任意に置換されているチアゾリル、5−メチル−チアゾリル又はチエニルである、請求項17記載の化合物。
【請求項19】
前記置換基が、R10で任意に置換されているチアゾール−4−イル、5−メチルチアゾール−4−イル又はチエン−2−イルである、請求項18記載の化合物。
【請求項20】
チアゾリル、5−メチルチアゾリル又はチエニルが、モルホリニル、モルホリニルメチル−、ピペリジニル、ピペリジニルメチル−、ピペラジニル、ピペラジニルメチルで置換されており、そのいずれもがC〜Cアルキル、フルオロ、ジフルオロ又はC〜Cアルキル−O−C〜Cアルキル−で置換されている、請求項18記載の化合物。
【請求項21】
チアゾリル、5−メチルチアゾリル又はチエニルへの置換基が、メチルで置換されているピペリド−4−イル、C〜Cアルキル又はメチルオキシエチル−でN−置換されているピペラジニル、或いは非置換又はフルオロ又はジ−フルオロで4−置換されているピペリド−1−イルメチル−である、請求項20記載の化合物。
【請求項22】
前記置換基が、R10で任意に置換されているモルホリン、ピペリジン又はピペラジン環を含む、請求項13記載の化合物。
【請求項23】
RaでN−置換されているピペリド−4−イル又はN−ピペラジニル、或いは−NRaRbで4−置換されているピペリジン−1−イルを含む、請求項22記載の化合物。
【請求項24】
が、任意に置換されているベンゾチアゾール又はベンゾフリル又はベンゾオキサゾリルである、請求項1記載の化合物。
【請求項25】
前記置換基が、−OR、−OXR、−NRbR又は−NRbXRである、請求項24記載の化合物。
【請求項26】
が、ピペリド−4−イル、ピペラジン−1−イル又はピペリジン−1−イル又はモルホリノであり、そのいずれもがC〜Cアルキルで置換されている、請求項25記載の化合物。
【請求項27】
への任意の置換基が、N−モルホリニルエチルオキシ、N−メチルピペリド−4−イルオキシ又はN−メチルモルホリン−3−イルメチルオキシである、請求項26記載の化合物。
【請求項28】
請求項1から27のいずれか一項記載の化合物、及び医薬として許容し得る担体、又は希釈剤を含む、医薬組成物。
【請求項29】
請求項1から27のいずれか一項記載の化合物の、カテプシンKによって媒介される障害の治療用医薬品の製造における使用。
【請求項30】
前記障害が、骨粗鬆症、歯肉炎や歯周炎などの歯肉疾患、パジェット病、悪性高カルシウム血症、代謝性骨疾患、骨関節炎やリウマチ様関節炎など軟骨又は基質の過剰な分解を特徴とする疾患、新生組織形成を含む骨癌、疼痛から選択される、請求項29記載の使用。

【公表番号】特表2007−517852(P2007−517852A)
【公表日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−548412(P2006−548412)
【出願日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【国際出願番号】PCT/GB2005/050003
【国際公開番号】WO2005/066180
【国際公開日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
2.TEFLON
【出願人】(592182539)メディヴィル・アクチボラグ (13)
【氏名又は名称原語表記】MEDIVIR AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】