説明

システイン・プロテアーゼ阻害剤としてのハロアルキル含有化合物

本出願は、一般式(I)のハロアルキル置換化合物に関し、ここで当該式中のR、R1a、R、R、R及びEは当該請求項に定義される。当該化合物はシステインプロテアーゼの阻害物質、特にカテプシンB、K、L、F、及びSの阻害物質であり、そして、それ故、当該化合物はこれらのプロテアーゼによって仲介される疾病の治療において有用である。これらの化合物を含む医薬組成物及びそれらの使用も開示する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野
本発明は、システイン・プロテアーゼの阻害剤、特にカテプシンB、K、L、及びSに関し、それ故、当該阻害剤はこれらのプロテアーゼにより仲介される疾病の治療において有用である。本発明は、これらの化合物を含む医薬組成物及びそれらの実施方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本分野の背景
システイン・プロテアーゼは、当該酵素の触媒部位内のシステイン残基の存在を特徴とするペプチダーゼ群に属する。システイン・プロテアーゼは、通常の蛋白質分解及び蛋白質プロセッシングに関連する。システイン・プロテアーゼの異常活性は、例えば、増加した発現、又は促進した活性の結果であるが、病理学的帰結となり得る。この点で、いくつかのシステイン・プロテアーゼは多くの疾病状態に関連し、ここで当該疾病は、関節炎、筋ジストロフィー、炎症、腫瘍浸潤、糸球体腎炎、マラリア、歯周病、異染性白質萎縮症などを含む疾病である。例えば、増加したカテプシンBレベル及び当該酵素の再分配は、腫瘍においてみられ、それ故、腫瘍浸潤及び転移における当該酵素の役割を示唆する。さらに、異常カテプシンB活性は病態に関与し、例えば、関節リウマチ、変形性関節症、ニューモスティス・カリニ、急性膵炎、炎症性気道疾患、及び骨疾患及び関節疾患がある。
【0003】
破骨細胞及び破骨細胞関連多角細胞におけるカテプシンKの顕著な発現及びその高いコラーゲン分解作用は、当該酵素が、破骨細胞が媒介する骨吸収に関連することを示唆し、それ故、骨粗しょう症において生じるような骨異常に関与することを示唆する。さらに、肺におけるカテプシンKの発現及びそのエラスチン分解作用は、当該酵素が肺疾患においても同様の役割を果たすことを示唆する。
【0004】
カテプシンLは、いくつかの疾病状態と同様、通常のリソソーム蛋白質分解に関し、当該疾病状態はメラノーマの転移を非制限的に含む。カテプシンSは、アルツハイマー病、及びいくつかの自己免疫疾患に関し、当該疾患は、若年発症糖尿病、多発性硬化症、尋常性天疱瘡、グレーブス病、重症筋無力病、全身性紅斑性狼瘡、関節リウマチ、橋本甲状腺炎を非制限的に含む。さらに、カテプシンSは、アレルギー疾患に関し:当該疾患は、ぜんそくを非制限的に含み;及び同種免疫応答に関し、当該免疫応答は、臓器移植又は移植組織片の拒絶反応を非制限的に含む。
【0005】
システイン・プロテアーゼ活性の増加が、疾患の病状及び/又は徴候の一因となると認識される疾病の数を考慮すると、この酵素群の活性を阻害する分子、特に、カテプシンB、K,L,F,及び/又はSの阻害剤である分子は、その結果として、治療剤として有用であろう。
【発明の開示】
【0006】
本発明の要約
第1態様において、本発明は、一般式(I)の化合物に関し、当該式(I)は:
【化1】

{式中、
Eは:
(i)−C(R)(R)Xであり、ここでXは、−CHO、−C(R)(R)CF、−C(R)(R)CFCF、−C(R)(R)R10、−CH=CHS(O)10、−C(R)(R)C(R)(R)OR10、−C(R)(R)CHOR10、−C(R)(R)C(R)(R)R10、−C(R)(R)CHN(R11)SO10、−C(R)(R)CFC(O)NR1011、−C(R)(R)C(O)NR1011、−C(R)(R)C(O)N(R11)(CHOR11又は−C(R)(R)C(O)N(R11)(CHNR1011であり:ここで
【0007】
は、水素又はアルキルであり;及び
は、水素、アルキル、ハロアルキル、カルボキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、シアノ、−アルキレン−X−R12(ここで、Xは、−O−、−NR13−、−CONR13−、−S(O)n1−、−NHCO−、−CO−又は−C(O)O−であり、n1は0〜2であり、及びR12とR13は、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール又はヘテロアラルキルである)からなる群より選択され、ここでR内の芳香族環又は脂環式環は、場合により、1、2又は3個のRで置換され、当該Rは、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロアルコキシ、ハロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノ、1置換アミノ、2置換アミノ、ニトロ、アリールオキシ、ベンジルオキシ、アシル又はアリールスルホニルから独立して選択され、そしてさらにここで、R内の芳香族環又は脂環式環は、場合により、1又は2個の置換基で置換され、当該置換基は、アルキル、ハロ、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ又はアルコキシカルボニルから独立して選択される;又は
【0008】
及びRは、双方が結合する炭素原子と一緒になって、
(i)シクロアルキレンを形成し、当該シクロアルキレンは、場合により、1又は2個のRで置換され、当該Rは、アルキル、ハロ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、アルコキシカルボニル又はアリールオキシカルボニルから独立して選択され、又は
【0009】
(ii)ヘテロシクリルアルキレンを形成し、当該ヘテロシクリルアルキレンは、場合により、1〜4個のRで置換され、当該Rは、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アルコキシアルキルオキシアルキル、アリールオキシアルキル、ヘテロアリールオキシアルキル、アミノアルキル、アシル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、−S(O)n214、−アルキレン−S(O)n215、−COOR16、−アルキレン−COOR17、−CONHR1819又は−アルキレン−CONHR2021(ここで、n2は0〜2であり、R14−R17、R18及びR20は、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル又はヘテロシクリルであり、R19及びR21は、独立して水素又はアルキルである。)から独立して選択され、
そしてさらにここで、シクロアルキレン又はヘテロシクリルアルキレンに結合する基内の当該芳香族環及び脂環式環は、場合により、1、2又は3個の置換基で置換され、当該置換基は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロアルコキシ、ハロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノ、1置換アミノ、2置換アミノ又はアシルから独立して選択され;
は、水素又はアルキルであり;
は、水素であり;又は
及びRは、一緒になってオキソを形成し;
【0010】
は、水素、ハロ、アルキル、アラルキル又はヘテロアラルキルであり;
10は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルであり、ここで、R10内の当該芳香族環及び脂環式環は、場合により、1、2又は3個のRで置換され、当該Rは、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヒドロキシ、ハロアルコキシ、ハロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリール、ヘテロアリール、アミノ、1置換アミノ、2置換アミノ、又はアシルから独立して選択され、そしてさらにここで、R内の当該芳香族環及び脂環式環は、場合により、1、2又は3個の置換基で置換され、当該置換基は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノ、アルキルアミノ又はジアルキルアミノから独立して選択され;
【0011】
11は、水素又はアルキルであり;あるいは
(ii)以下の式(a):
【化2】

[式中、
nは、0、1又は2であり;
は、−NR22−、−S−又は−O−から選択され、ここで、R22は、水素、アルキル又はアルコキシであり;及び
は、−O−、−S−、−SO−又は−NR23−であり、ここで、R23は、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アリールオキシアルキル、ヘテロアリールオキシアルキル、アミノアルキル、アシル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、−S(O)24、−アルキレン−S(O)n3−R25、−COOR26、−アルキレン−COOR27、−CONR2829又は−アルキレン−CONR3031(ここで、n3は、0〜2であり、R24−R27、R28、及びR30は、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルであり、そして、R29とR31は、独立して、水素又はアルキルである)から選択され、ここで、Xに結合する基内の当該芳香族環又は脂環式環は、場合により、1、2又は3個の置換基で置換され、当該置換基は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ又はアルコキシカルボニルから独立して選択され;及び
は、上記定義の通りである。]であり;
【0012】
は、水素又はアルキルであり;
1aは、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリルアルキル又は−アルキレン−X−R32(ここで、Xは、−NR33−、−O−、−S(O)n4−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NR33CO−、−CONR33−、−NR33SO−、−SONR33−、−NR33COO−、−OCONR33−、−NR33CONR34−又は−NR33SONR34−であり、ここで、R33とR34は、独立して、水素、アルキル又はアシルであり、n4は0〜2であり、R32は水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルである)であり、ここで、前記−アルキレン−X−R32内のアルキレン鎖は、場合により、1〜6個のハロで置換され、
【0013】
そしてここで、R1aにおける芳香族環又は脂環式環は、場合により、1、2又は3個のRで置換され、ここで、当該Rは、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロアルコキシ、ハロ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、アミノ、1置換アミノ、2置換アミノ、アシル又は、−(アルキレン)−X−R35(ここで、Xは、−NR36−、−O−、−S(O)n5−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NR36CO−、−CONR36−、−NR36SO−、−SONR36−、−NR36COO−、−OCONR36−、−NR36CONR37−又は−NR36SONR37−であり、ここで、R36とR37は、独立して、水素、アルキル又はアシルであり、mは0又は1であり、n5は0〜2であり、そしてR35はシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルである)から独立して選択され、ここで、R内の当該芳香族環又は脂環式環は、場合により、1、2又は3個の置換基で置換され、当該置換基は、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルアミノスルホニル、アシル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリールであって場合によりアルコキシ又はハロで置換される当該アリール、アラルキルであって場合によりアルコキシ又はハロで置換される当該アラルキル、アリールオキシであって場合によりアルコキシ又はハロで置換される当該アリールオキシ、ヘテロアリールであって場合によりアルコキシ又はハロで置換される当該ヘテロアリール又はヘテロアラルキルであって場合によりアルコキシ又はハロで置換される当該ヘテロアラルキル、アミノ、アミノスルホニル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ又はアルキニルであって場合によりヒドロキシ、アリール、又はヘテロアリールで置換される当該アルキニル、アリール、又はヘテロアリールから独立して選択され;又は
【0014】
及びR1aは、これらが結合する炭素原子と一緒になって、シクロアルキレン環又はヘテロシクリルアルキレン環を形成し、ここで当該シクロアルキレン環又はヘテロシクリルアルキレン環は、場合により、1又は2個のRで置換され、ここで当該Rは、アルキル、ハロ、ヒドロキシアルキル、ケト又は−SORから独立して選択され、ここで、Rは、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール又はヘテロアラルキルであり、そしてさらにここで、R内の芳香族環又は脂環式環は、場合により、1、2又は3個の置換基で置換され、当該置換基は、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、カルボキシ又はアルコキシカルボニルから独立して選択され;
は、水素又はアルキルであり;
【0015】
は、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル又は−アルキレン−X−R38(ここで、Xは、−NR39−、−O−、−S(O)n6−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NR39CO−、−CONR39−、−NR39SO−、−SONR39−、−NR39COO−、−OCONR39−、−NR39CONR40−又は−NR39SONR40−であり、ここで、R39とR40は、独立して、水素、アルキル又はアシルであり、n6は0〜2であり、そしてR38は水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール又はヘテロアラルキルである)であり、ここで、R内の芳香族環又は脂環式環は、場合により、1、2又は3個のRで置換され、当該Rは、アルキル、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、オキソ、シアノ、ニトロ、アシル、アシルオキシ、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリールオキシ、ベンジルオキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールチオ、アリールスルホニル、アリールスルフィニル、アルコキシカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルキルカルバモイルオキシ、アリールカルバモイルオキシ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、アラルキルアミノスルホニル、アミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、アラルキルアミノカルボニル、アミノ、1置換又は2置換アミノから独立して選択され、そしてさらにここで、R内の芳香族環又は脂環式環は、場合により、1、2又は3個のRで置換され、当該Rは、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アルキルチオ、アルキルスルホニル、アミノ、1置換アミノ、ジアルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、カルボキシ、カルボキシアミド又はアルコキシカルボニルから独立して選択され;及び
【0016】
は、ハロアルキルであり;
4’は、水素、アルキル、アルコキシアルキル又はハロアルキルであり;又は
とR4’は、これらが結合する炭素原子と一緒になって、シクロアルキレン又はヘテロシクリルアルキレンを形成し、ここで、前記シクロアルキレンは、場合により、1又は2個の置換基で置換され、当該置換基は、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ又はアルコキシから独立して選択され、前記ヘテロシクリルアルキレンは、場合により、1〜3個の置換基で置換され、当該置換基は、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、アリール、ヘテロアリール又はヒドロキシアルキルから独立して選択される。}で表される化合物又は医薬として認容されるその塩である。ただし、Eが、式(a)の基である時には:
【0017】
(i)R1aは、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル又はシクロアルキルアルキルでなく;及び
(ii)RとR1aは、これらが結合する炭素原子と一緒になって、シクロアルキレン環又はヘテロシクリルアルキレン環を形成せず、ここで、前記シクロアルキレン又はヘテロシクリルアルキレンは、場合により、1又は2個のRで置換され、当該Rは、アルキル、ハロ、ヒドロキシアルキル、ケト又は−SORから独立して選択され、ここで、当該Rは、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール又はヘテロアラルキルであり、そして、さらにここで、R内の当該芳香族環又は脂環式環は、場合により、1、2又は3個の置換基で置換され、当該置換基は、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、カルボキシ又はアルコキシカルボニルから選択される。
【0018】
第2態様において、本発明は、医薬組成物に関し、当該医薬組成物は、一般式(I)の化合物、その個々の立体異性体又はその混合物、あるいは医薬として認容されるその塩を1又は複数の好適な賦形剤と混合して含む。
【0019】
第3態様において、本発明は、システイン・プロテアーゼ、特に、カテプシンSにより仲介される動物における疾病の治療方法に関し、ここで当該方法は医薬組成物を動物に投与することを含み、ここで当該医薬組成物は治療有効量の一般式(I)の化合物、その各異性体又は混合物、あるいは医薬として認容されるその塩であって、1又は複数の好適な賦形剤と混合する当該組成物を含む。
【0020】
第4態様において、本発明は、一般式(II):
【化3】

{式中、R、R1a、R、R、R、及びR4’は本発明の要約において及び下記の場合を除く好ましい態様において定義の通りであり、ここで当該下記の場合が、R1aは、水素、アルキル、ハロアルキル又はシクロアルキルアルキルではなく、あるいはRとR1aは、それらが結合する炭素原子と一緒になって、シクロアルキレン環又はヘテロシクリルアルキレン環を形成しないことである。}である、中間体に関する。
【0021】
中間体(II)範囲内の化合物のさらに好ましい基は、以下の基:
{式中、Rは、水素であり;
1aは:
(a)アラルキル又はヘテロアラルキル(好ましくはアラルキル)であり、ここで、R1a内の芳香族環は、場合により、1又は2個のRで置換され、当該Rは、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロアルコキシ、ハロ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノ、1置換アミノ、2置換アミノ又はアシルから独立して選択され、及びさらにRは、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、又は−(アルキレン)−X−R35[ここで、Xは、−NR36CO−(ここで、R36は水素、アルキル又はアシルであり、mは0又は1である)であり、R35は、アリール又はヘテロアリールである]から選択され、ここで、R内の芳香族環又は脂環式環は、場合により、1、2又は3個の置換基で置換され、当該置換基は、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルアミノスルホニル、アシル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリールであって場合によりアルコキシ又はハロで置換される当該アリール、アラルキルであって場合によりアルコキシ又はハロで置換される当該アラルキル、ヘテロアリールであって場合によりアルコキシ又はハロで置換される当該ヘテロアリール、又はヘテロアラルキルであって場合によりアルコキシ又はハロで置換される当該ヘテロアラルキル、アミノ、アミノスルホニル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、又はアルキニルであって場合によりヒドロキシ、アリール又はヘテロアリールで置換される当該アルキニル、から独立して選択され;及び
【0022】
は、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであって、ここで、R内の芳香族環又は脂環式環が、場合により、1、2又は3個のRで置換され、当該Rが、アルキル、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、オキソ、シアノ、ニトロ、アシル、アシルオキシ、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリールオキシ、ベンジルオキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールチオ、アリールスルホニル、アリールスルフィニル、アルコキシカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルキルカルバモイルオキシ、アリールカルバモイルオキシ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、アラルキルアミノスルホニル、アミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、アラルキルアミノカルボニル、アミノ、1置換又は2置換アミノから独立して選択され、そしてさらにここで、R内の芳香族環又は脂環式環が、場合により、1、2又は3個のRで置換され、当該Rが、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アルキルチオ、アルキルスルホニル、アミノ、1置換アミノ、ジアルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、カルボキシ、カルボキシアミド又はアルコキシカルボニルから独立して選択され;
【0023】
は、ハロアルキル、好ましくは、トリフルオロメチルであり;及び
及びR4’は、水素である。}である。
【0024】
第5態様において、本発明は、患者において免疫応答、好ましくは有害な免疫応答を引き起こす療法を受けている患者の治療方法に関し、ここで、当該治療は、一般式(I)の化合物又は医薬として認容されるその塩を患者に投与することを含む。好ましくは、当該免疫応答は、MHCクラスII分子により仲介される。本発明の化合物は、治療に先立って、治療と同時に、又は治療後に投与され得る。好ましくは、当該治療は、生物製剤での治療に関する。好ましくは、当該治療は小分子での治療に関する。
【0025】
好ましくは、当該生物製剤は、蛋白質又は抗体であって、好ましくはモノクローナル抗体である。さらに好ましくは、当該生物製剤は、Remicade(登録商標)、Refacto(登録商標)、Referon−A(登録商標)、第VIII因子、第VII因子、Betaseron(登録商標)、Epogen(登録商標)、Enbrel(登録商標)、インターフェロン・ベータ、Botox(登録商標)、Fabrazyme(登録商標)、Elspar(登録商標)、Cerezyme(登録商標)、Myobloc(登録商標)、Aldurazyme(登録商標)、Verluma(登録商標)、インターフェロン・アルファ、Humira(登録商標)、Aranesp(登録商標)、Zevalin(登録商標)又はOKT3である。
【0026】
好ましくは、当該治療は、へパリン、低分子量ヘパリン、プロカインアミド又はヒドララジンの使用に関する。
【0027】
第6態様において、本発明は、動物における免疫応答の治療方法に関し、当該免疫応答は、動物への生物製剤の投与により引き起こされ、当該治療方法は、治療の必要な動物に、治療有効量の一般式(I)の化合物又は医薬として認容されるその塩を投与することを含む。
【0028】
第7態様において、本発明は、生物製剤のための臨床試験の実施方法に関し、当該臨床試験は、当該生物製剤と共に臨床試験の各治験者に一般式(I)の化合物又は医薬として認容されるその塩を投与することを含む。
【0029】
第8態様において、本発明は、患者を予防的に治療する方法に関し、当該患者は、一般式(I)の化合物又は医薬として認容されるその塩と生物製剤の併用治療を受けており、これは、当該患者において、当該生物製剤により引き起こされる免疫応答を治療するためである。
【0030】
第9態様において、本発明は、動物における生物製剤の効力の損失を決定する方法に関し、当該損失は、当該生物製剤により引き起こされる免疫応答に起因し、当該決定方法は、一般式(I)の化合物又は医薬として認容されるその塩の存在下及び非存在下で、当該動物に当該生物製剤を投与することを含む。
【0031】
第10態様において、本発明は、動物における生物製剤の効力を改良する方法に関し、当該方法は、当該動物に当該生物製剤を一般式(I)の化合物又は医薬として認容されるその塩と共に投与することを含む。
【0032】
第11態様において、本発明は、薬剤の製造のための一般式(I)の化合物又は医薬として認容されるその塩の使用に関する。好ましくは、当該薬剤は、カテプシンSにより仲介される疾病の治療において使用するためのものである。
【0033】
第12態様において、本発明は、生物製剤との併用療法のための薬剤の製造のための一般式(I)の化合物又は医薬として認容されるその塩の使用に関し、本発明の当該化合物は、当該生物製剤により引き起こされる免疫応答を治療する。好ましくは、カテプシンS阻害剤を当該生物製剤の投与に先立って投与する。好ましくは、カテプシンS阻害剤を当該生物製剤と同時に投与する。好ましくは、カテプシンS阻害剤を当該生物製剤の投与後に投与する。
【0034】
本発明の詳細な説明
定義
別段の定めがなければ、本明細書及び請求項において使用する以下の用語は、本出願のために定義し、以下を意味する。
【0035】
“脂環式の”は、非芳香族の閉環構造における炭素原子の配置を特徴とする部分を意味し、例えば、本明細書に記載のシクロアルキル環及びヘテロシクリル環がある。
【0036】
単独で表される“アルキル”は、別段の定めがなければ、直鎖又は分枝鎖であって、飽和脂肪族の基(ラジカル)であって、1〜6個の炭素原子を含むものを意味し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチルなどを含むアルキルである。
【0037】
“アルキレン”は、別段の定めがなければ、直鎖又は分枝鎖であって、飽和脂肪族の2価の基(ラジカル)であって、1〜6個の炭素原子を含むものを意味し、例えば、メチレン(−CH−)、エチレン(−CHCH−)、トリメチレン(−CHCHCH−)、テトラメチレン(−CHCHCHCH−)、2−メチルテトラメチレン(−CHCH(CH)CHCH−)、ペンタメチレン(−CHCHCHCHCH−)などである。
【0038】
単独で表される“アルキニル”は、別段の定めがなければ、直鎖又は分枝鎖であって、飽和脂肪族の基であって、2〜6個の炭素原子、及び2個の3重結合を含むものを意味し、例えば、エチニル、プロピニル、ブチニルなどを含むアルキニルである。
【0039】
“アルキルカルバモイルオキシ”は、−OCONHR基であって、ここで、当該Rが本明細書に記載のアルキル基である当該基をいい、例えば、メチルカルバモイルオキシ、エチルカルバモイルオキシなどである。
【0040】
“アルキルスルホニルアミノ”は、−NHSOR基であって、ここで、当該Rが本明細書に記載のアルキル基である当該基をいい、例えば、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノなどである。
【0041】
“アミノ”は、−NH基を意味する。別段の定めがなければ、アミノ成分を含む本発明の化合物は、その保護誘導体を含む。アミノ成分のための好適な保護基は、アセチル、tert−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、などを含む。
【0042】
“アミノスルホニル”は、−SONRR’基であって、ここで、当該Rが本明細書に記載の水素又はアルキルであり、R’が本明細書に記載の水素、アルキル、アリール、アラルキル、アルコキシアルキル、又はアミノアルキルである当該基をいう。
【0043】
“アルキルアミノスルホニル”又は“ジアルキルアミノスルホニル”は、各々−SONHR基及び−SONRR’基であって、ここで、当該R及びR’が、独立して、本明細書に記載のアルキル基である当該基をいい、例えば、メチルアミノスルホニルなどである。
【0044】
“アルキルアミノ”又は“ジアルキルアミノ”は、各々−NHR基及び−NRR’基であって、ここで、当該R及びR’が、独立して、本明細書に記載のアルキル基である当該基をいい、例えば、メチルアミノ、ジメチルアミノなどである。
【0045】
“アルコキシ”は、−OR基であって、ここで、当該Rが、本明細書に記載のアルキル基である当該基をいい、例えば、メトキシ、エトキシなどである。
【0046】
“アルコキシカルボニル”は、−C(O)OR基であって、ここで、当該Rが、本明細書に記載のアルキル基である当該基をいい、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどである。
【0047】
“アルコキシカルボニルアルキル”は、−(アルキレン)−C(O)OR基であって、ここで、当該Rが、上記定義のようなアルキル基である当該基を意味し、例えば、メトキシカルボニルメチル、2−、又は3−エトキシカルボニルプロピルなどである。
【0048】
“アルコキシカルボニルアミノ”は、−NHC(O)OR基であって、ここで、当該Rが、本明細書に記載のアルキル基である当該基をいい、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどである。
【0049】
“アミノカルボニル”は、−CONRR’基であって、ここで、当該Rが水素又はアルキルであり、R’が水素、アルキル、アリール、アラルキル、アルコキシアルキル、又はアミノアルキルである、本明細書に記載の当該基をいい、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどである。
【0050】
“アルコキシアルキル”は、1〜6個の炭素原子からなる直鎖の1価炭化水素基又は3〜6個の炭素からなる分枝鎖の1価炭化水素基であって、上記の少なくとも1個のアルコキシ基、好ましくは、1又は2個のアルコキシ基で置換される当該炭化水素基を意味し、例えば、2−メトキシエチル、1−、2−又は3−メトキシプロピル、2−エトキシエチルなどである。
【0051】
“アルコキシアルキルオキシアルキル”は、−(アルキレン)−O−(アルキレン)−OR基であって、ここで、当該Rが上記のアルキル基である当該基をいい、例えば、2−メトキシエチルオキシメチル、3−メトキシプロピルオキシエチルなどである。
【0052】
“アミノアルキル”は、1〜6個の炭素原子からなる直鎖の1価炭化水素基又は3〜6個の炭素からなる分枝鎖の1価炭化水素基であって、少なくとも1個の、好ましくは1又は2個の、Rが水素、アルキルである−NRR’基又はRがアルキルである−COR基であり、R’が水素又はアルキルである、本明細書に記載のもので置換される当該炭化水素基を意味し、例えば、アミノメチル、メチルアミノエチル、ジメチルアミノエチル、1,3−ジアミノプロピル、アセチルアミノプロピルなどである。
【0053】
“アルキルチオ”は、−SR基であって、ここで、当該Rが、本明細書に記載のアルキル基である当該基をいい、例えば、メチルチオ、エチルチオなどである。
【0054】
“アルキルスルフィニル”は、−S(O)R基であり、ここで、当該Rが、本明細書に記載のアルキル基である当該基をいい、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニルなどである。
【0055】
“アルキルスルホニル”は、−SOR基であり、ここで、当該Rが、本明細書に記載のアルキル基である当該基をいい、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニルなどである。
【0056】
“アルキルスルホニルアルキル”は、−(アルキレン)−SOR基であって、ここで、当該Rが、本明細書に記載のアルキル基である当該基をいい、例えば、メチルスルホニルメチル、エチルスルホニルメチルなどである。
【0057】
“アルキルアミノスルホニル”は、−SONHR基であって、ここで、当該Rが、本明細書に記載のアルキル基である当該基をいい、例えば、メチルアミノスルホニル、エチルアミノスルホニルなどである。
【0058】
“アシル”は、−COR基であって、ここで、当該Rが、本明細書に記載の水素、アルキル、ハロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル又はヘテロシクリルである当該基を意味し、例えば、ホルミル、アセチル、トリフルオロアセチル、ベンゾイル、ピペラジン−1−イルカルボニルなどである。
【0059】
“アシルオキシ”は、−OCOR基であって、ここで、当該Rが、本明細書に記載のアルキル、ハロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル又はヘテロシクリルである当該基を意味し、例えば、アセチルオキシ、トリフルオロアセチルオキシ、ベンゾイルオキシ、ピペラジン−1−イルカルボニルオキシなどである。
【0060】
“動物”とは、人間、人間以外の哺乳類(例えば、イヌ、ネコ、ウサギ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、シカなどである。)及び哺乳類以外(例えば、トリなどである。)である。
【0061】
“芳香族”は、構成原子が不飽和環系を形成する成分を意味し、当該環系における全ての原子は、sp混成であって、パイ電子の総量が、4n+2と等しくなる。
【0062】
“アリール”は、別段の定めがなければ、単環式環又は縮合2環式環の集合であって、6〜10個の環炭素原子を含み、ここで各環は、芳香族化合物であり、例えば、フェニル又はアントリルである。
【0063】
“アラルキル”は、−(アルキレン)−R基であって、ここで、当該Rが上記アリールである当該基を意味し、例えば、ベンジル、フェネチルなどである。
【0064】
“アリールオキシ”は、−OR基であって、ここで、当該Rが上記アリールである当該基を意味する。
【0065】
“アリールオキシアルキル”は、−(アルキレン)−OR基であって、ここで、当該Rが上記アリールである当該基を意味し、例えば、フェノキシメチル、2−又は3−フェノキシメチルなどである。
【0066】
“アリールオキシカルボニル”は、−C(O)OR基であって、ここで、当該Rが上記アリールである当該基を意味し、例えば、フェニルオキシカルボニルなどである。
【0067】
“アリールカルバモイルオキシ”は、−OC(O)NHR基であって、ここで、当該Rが上記アリールである当該基を意味し、例えば、フェニルカルバモイルオキシなどである。
【0068】
“アリールチオ”は、−SR基であって、ここで、当該Rが上記アリールである当該基をいい、例えば、フェニルチオなどである。
【0069】
“アリールスルフィニル”は、−SOR基であって、ここで、当該Rが上記アリールである当該基をいい、例えば、フェニルスルフィニルなどである。
【0070】
“アリールスルホニル”は、−SOR基であって、ここで、当該Rが上記アリールである当該基をいい、例えば、フェニルスルホニルなどである。
【0071】
“アリールオキシカルボニルアミノ”は、−NHC(O)OR基であって、ここで、当該Rが上記アリールである当該基をいい、例えば、フェノキシカルボニルアミノなどである。
【0072】
“アリールスルホニルアミノ”は、−NHSOR基であって、ここで、当該Rが、別段の定めがなければ、上記アリールである当該基をいい、例えば、フェニルスルホニルアミノなどである。
【0073】
“アリールアミノスルホニル”は、−SONHR基であって、ここで、当該Rが上記アリールである当該基を意味し、例えば、フェニルアミノスルホニルなどである。
【0074】
“アラルキルアミノスルホニル”は、−SONHR基であって、ここで、当該Rが上記アラルキルである当該基を意味し、例えば、ベンジルアミノスルホニルなどである。
【0075】
“アリールアミノカルボニル”は、−CONHR基であって、ここで、当該Rが上記アリールである当該基を意味し、例えば、フェニルアミノカルボニルなどである。
【0076】
“アラルキルアミノカルボニル”は、−CONHR基であって、ここで、当該Rが上記アラルキルである当該基を意味し、例えば、ベンジルアミノカルボニルなどである。
【0077】
“生物製剤”は、疾病の処置や治療のための本来は生物由来の薬剤をいう。例は、非制限的に、蛋白質(組み替え型及び血漿由来)、モノクローナル又はポリクローナル、ヒト化又はマウスの抗体、毒、ホルモン、ワクチンなどを含む。数種の生物製剤は、現在のところ疾患の多様な疾病の治療に有効であり、その例は、癌、関節リウマチ、及び血友病のような血液疾患である。
【0078】
“カルボキシアミド(carboxamide)”又は“カルボキシアミド(carboxamido)”は、−C(O)NH基を意味する。
【0079】
“カルバモイル”は、−C(O)NRR’基であって、ここで、当該R及びR’が、本明細書中の記載の水素、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルから独立して選択され、ただし、RとR’の内の1個が水素ではない当該基を意味する。
【0080】
“カルボキシ”は、−C(O)OH基を意味する。
【0081】
“カルボキシアルキル”は、−(アルキレン)−C(O)OH基を意味し、例えば、カルボキシメチル、カルボキシエチルなどである。
【0082】
“シクロアルキル”は、1価の飽和又は一部不飽和の単環式環であって、3〜8個の環炭素原子を含む当該環を意味し、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロへキセニル、2,5−シクロヘキサジエニルなどである。
【0083】
“シクロアルキルアルキル”は、−(アルキレン)−R基であって、ここで、当該Rが上記シクロアルキルである当該基を意味し、例えば、シクロプロピルメチル、シクロブチルエチル、シクロブチルメチルなどである。
【0084】
“シクロアルキルオキシ”は、−OR基であって、ここで、当該Rが、上記シクロアルキルである当該基を意味し、例えば、シクロブチルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシなどである。
【0085】
“シクロアルケン”は、2価の飽和又は一部不飽和単環式環であって、3〜8個の環炭素原子を含む当該環を意味する。例えば、“RとR1aが、これらが結合する炭素原子と一緒になって、シクロアルキレンを形成する”場合は、以下の例:
【化4】

を非制限的に含む。
【0086】
“2置換アミノ”は、−NRR’基であって、ここで、当該Rがアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、又はヘテロシクリルであり、及びR’がアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルキルアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル又はアシルであり、双方が本明細書中に記載したようなものである、当該基を意味する。
【0087】
代表例は、非制限的に、ジメチルアミノ、メチルフェニルアミノ、ベンジルメチルアミノ、アセチルメチルアミノなどを含む。
【0088】
“疾患”は、特に、動物のいずれの不健全な状態又はその一部を含み、及び動物に施す薬物療法又は獣医療法によって引き起こされ得る又はこれらに付随する不健全な状態、すなわち、そのような療法の“副作用” を含む。
【0089】
“有害な免疫応答”は、免疫応答であって、患者の効果的な治療を抑制し、患者に疾患を引き起こす当該免疫応答を意味する。例として、治療薬か診断用薬のどちらかをマウス抗体と共に患者に投与することは、ヒト抗マウス抗体の生成を引き起こし、当該抗体生成は、その後の治療を抑制するか又はその後の治療に干渉する。偶発的な抗体の形成に対する純粋なマウス・モノクローナル抗体は、70%を超える(Khazaeli,M.B.et al.J.Immunother.1994,15,pp42−52;Dillman R.O.et al.Cancer Biother.1994,9,pp 17−28;及びReinsberg,J.Hybridoma.1995,14,pp 205−208を参照のこと。)。
【0090】
有害な免疫応答を患う既知の剤のさらなる例は、血液凝固因子であり、例えば、第VIII因子である。血友病Aの患者に投与したとき、第VIII因子は、血液の能力を回復し、凝固する。第VIII因子はヒト蛋白質であるけれども、血友病患者において免疫応答をさらに誘発する、というのは、内因性第VIII因子は彼らの血中には存在せず、そのため彼らの免疫系に対する外来抗原として認識されるからである。新たな患者の約29〜33%は、抗体であって、治療的に投与された第VIII因子を認識しない又は中和する当該抗体を生成するだろう(Lusher J.M. Semin Thromb Hemost.2002,28(3),pp273−276を参照のこと。)。これらの中和抗体は、多量の第VIII因子の投与を必要とし、というのは、通常の血液凝固条件を維持するためだからであり;免疫寛容を誘導するために高額な治療法である(Briet E et al.Adv.Exp.Med.Bio.2001,489,pp89−97を参照のこと。)。
【0091】
他の免疫原性の例は、アデノウイルスベクターである。レトロウイルス療法は、実験の余地が残っており、そしてその有用性は限定される。1つの理由は、治療ウイルスの使用が免疫応答を起こし、当該免疫応答は、同様の又は類似のウイルスのその後のいずれの投与をもブロックすることを可能とするからである(Yiping Yang et al.J.of Virology.1995,69,pp2004−2015を参照のこと。)。このことは、レトロウイルス療法が蛋白質の一過性発現又は宿主ゲノムへのウイルス配列の直接取り込みに基づかなければならないこと、を裏付ける。直接的な研究が、宿主抗体により認識される多数のウイルス中和エピトープを明らかにし(Hanne,Gahery−Segard et al.J.of Virology 1998.72,pp2388−2397を参照のこと。)、ウイルスの改良ではこの障害を克服するのに十分ではないことを示唆する。本発明は、それによりアデノウイルス療法が反復適用のために有用であるとするところの1方法を可能とするだろう。
【0092】
免疫原性剤であって、中和抗体を誘発する当該剤の他の例は、よくしられた美容用剤ボトックス(Botox)である。ボツリヌス毒素蛋白質(Botulin toxin protein)は、ボツリヌス菌の発酵から精製される。治療薬として当該剤は、化粧用に加えて筋障害、例えば頸部ジストニアのために使用される。反復暴露後、患者は、当該毒素に対する中和抗体を産生し、結果として減退した効果となる(Birklein F.et al.Ann Neurol.2002,52,pp68−73及びRollnik,J.D.et al.Neurol.Clin.Neurophysiol.2001,2001(3),pp2−4を参照のこと。)。
【0093】
“有害な免疫応答”は、治療薬により引き起こされた疾病をも包含する。特別の例としては、組換え型ヒト・エリスロポエチン(EPO)による治療に対する免疫応答である。エリスロポエチンは、赤血球の成長を刺激するために使用され、そして、患者であって、化学療法又は透析に供する当該患者の赤血球数を回復するために使用される。ほんの一握りの患者は、EPOに対する抗体を発現し、そしてその後、治療的に投与したEPO及び自分自身の内因性EPOの双方に応答しなくなる(Casadevall,N.et al.,NEJM.2002,346,pp469−475を参照のこと。)。彼らは、病気である赤芽球ろう、にかかり、赤血球の製造が大幅に減少する(Gershon S.K.et.al.NEJM.2002,346,pp1584−1586を参照のこと)。EPO療法のこの厄介な問題は、もし治療しなければ致命的な点である。
【0094】
他の特別な例は、マウス抗体であり、OKT3(オルソクローンの別名でも知られる。)モノクローナル抗体は、活性化T細胞のCD−3ドメインに直接作用する。臨床試験において、OKT3を投与された患者の20〜40%が、当該治療に対して抗体を産生する。これらの抗体であって、その上当該治療を中和している当該抗体は、宿主の免疫反応をも強く刺激する。当該免疫反応は、ヒト抗マウス抗体の高力価状態にある患者が、特に薬の服用を禁じられる程、重症である(オルソクローン包装ラベルを参照のこと。)。
【0095】
最後の例は、ヒト抗体療法である。Humira(登録商標)は、TNFに対して直接作用するモノクローナル抗体であって、関節リウマチの患者の治療に使用される。単独で使用したとき、〜12%の患者が、中和抗体を産生する。さらに、当該薬を投与されたほんの一握りの患者は、全身性紅斑性狼瘡のような状態であって、IgGが仲介する免疫応答が治療薬によって導かれる当該状態となる(Humira包装ラベルを参照のこと。)。
【0096】
“有害な免疫応答”の他の例は、小分子薬に対する宿主反応である。ある化学構造は、宿主蛋白質と結合し、免疫認識を刺激することが、いわゆる当業者に知られている(Ju.C.et al.2002.Current Drug Metabolism 3,pp367−377及びKimber I.et al.2002,Toxicologic Pathology 30,pp54−58を参照のこと。)。この宿主反応の大部分は、IgGが仲介する。IgGが仲介する、特異的“有害な免疫応答”は、以下の疾病:溶血性貧血、スティーブン−ジョンソン症候群、及び薬剤誘発性狼瘡を含む。
【0097】
“ハロ”は、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードを意味する。
【0098】
“ハロアルキル”は、アルキルであって、1又は複数の、好ましくは、1〜5個の“ハロ”原子であって、本明細書に記載のものによって置換される当該アルキルを意味する。ハロアルキルは、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、パーハロアルキル(perhaloalkyl)などを含み、例えば、クロロメチル、ジクロロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、パーフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロ−1,1−ジクロロエチルなどである。
【0099】
“ハロアルキル”は、−OR基であって、ここで、当該Rが上記ハロアルキル基である当該基をいい、例えば、トリフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、ジフルオロメトキシ、などである。
【0100】
“ヘテロシクリルアルキレン”は、2価のヘテロシクリル基であって、本明細書の記載のようなものを意味し、例えば、“RとR1aが、これらが結合する炭素原子と一緒になって、ヘテロシクリルアルキレンを形成する場合は、以下の例:
【化5】

であって、当該Rが本発明の要約において記載された置換基である当該例を非制限的に含む。
【0101】
1つの基としての又は1つの基の一部としての“ヘテロアリール”は、芳香族の単環又は複環成分であって、5〜約10環原子からなる当該環を意味し、その環原子の内の1又は複数、好ましくは、1、2、又は3個の原子が、窒素、酸素、硫黄から選択され、残りの環原子が炭素である。代表的ヘテロアリール環は、非制限的に、ピロリル、フラニル、チエニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンズイミダゾリル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ピラゾリルなどである。
【0102】
“ヘテロアラルキル”は、−(アルキレン)−R基であって、ここで当該Rが、上記ヘテロアリールである当該基を意味し、例えば、ピリジニルメチル、1−又は2−フラニルエチル、イミダゾリルメチルなどである。
【0103】
“ヘテロアリールオキシアルキル”は、−(アルキレン)−OR基であって、ここで、当該Rが、上記ヘテロアリールである当該基を意味し、例えば、フラニルオキシメチル、2−又は3−インドリルオキシエチルなどである。
【0104】
“ヘテロシクリル”は、飽和又は一部不飽和の、5又は6個の環原子からなる単環又は2環基であり、ここで、当該環炭素原子の内の1又は複数、好ましくは1、2、又は3個が、ヘテロ原子であって、−N=、−N−、−O−、−S−、−SO−、又は−S(O)−から選択される当該ヘテロ原子によって置換され、さらにここで、1又は2個の環原子が、場合により、ケト(−CO−)基によって置換される、当該環基を意味する。当該ヘテロシクリル環は、場合により、本明細書の記載のような、シクロアルキル環、アリール環、又はヘテロアリール環と縮合する。代表例は、非制限的に、イミダゾリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チオモルホリノ−1−オキシド、チオモルホリノ−1,1−ジオキシド、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1−オキソ−テトラヒドロチオピラニル、1,1−ジオキソテトラチオピラニル、インドリニル、ピペラジニル、ピペリジル、ピロリジニル、ピロリニル、キヌクリジニルなどを含む。
【0105】
“ヘテロシクリルアルキル”は、本明細書記載のような−(アルキレン)−ヘテロシクリル基を意味する。代表例は、非制限的に、イミダゾリジン−1−イルメチル、モルホリン−4−イルメチル、チオモルホリン−4−イルメチル、チオモルホリン−4−イルメチル−1−オキシド、インドリニルエチル、ピペラジニルメチル又はエチル、ピぺラジルメチル又はエチル、ピロリジニルメチル又はエチルなどを含む。
【0106】
“ヒドロキシ”は、−OH基を意味する。別段の定めがなければ、本発明の化合物であって、ヒドロキシ基を含む当該化合物は、その保護誘導体を含む。ヒドロキシ成分に対する好適な保護基は、ベンジルなどを含む。
【0107】
“ヒドロキシアルキル”は、直鎖の1価の炭化水素基であって、1〜6個の炭素原子からなる当該基、又は分枝鎖の1価の炭化水素基であって、3〜6個の炭素原子からなる当該基であって、これらの基が1又は2個のヒドロキシ基により置換される当該基を意味し、ここで、2個のヒドロキシ基がある場合には、同じ炭素原子に当該基の両方が作用しないことを条件とする。代表例は、非制限的に、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1−(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル、2,3−ジヒドロキシブチル、3,4−ジヒドロキシブチル及び2−(ヒドロキシメチル)−3−ヒドロキシプロピルであり、好ましくは、2−ヒドロキシエチル、2,3−ジヒドロキシプロピル、及び1−(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチルである。
【0108】
“異性体”は、一般式(I)の化合物であって、同一の分子式を有するが、その性質又はそれらの原子の結合の配列の点で、又は空間内におけるそれらの原子の配置の点で異なる当該化合物を意味する。異性体であって、空間におけるそれらの原子の配置の点で異なる当該異性体は、“立体異性体”という。立体異性体であって、お互いの鏡像ではない当該立体異性体は、“ジアステレオマー”といい、そして、立体異性体であって、重ね合わせることができない鏡像である当該立体異性体は、“エナンチオマー”又は時々“光学異性体”という。炭素原子であって、4個の異なる置換基と結合する当該炭素原子は、“キラル中心”といわれる。1個のキラル中心を有する化合物であって、正反対のキラリティーからなる2個の鏡像異性体を有す当該化合物は、“ラセミ混合物”といわれる。
【0109】
さらにもう1個のキラル中心を有する化合物は、2n−1個のエナンチオマーのペアを有し、ここで、当該nは、キラル中心の数である。複数のキラル中心を有する化合物は、特定のジアステレオマーであるエーテルとして、又はジアステレオマーの混合物として存在し得、“ジアステレオマー混合物”といわれる。1個のキラル中心が存在するとき、立体異性体は、そのキラル中心の絶対配置を特徴とし得る。絶対配置は、キラル中心に結合する置換基の空間内配置をいう。エナンチオマーはそれらのキラル中心の絶対配置を特徴とし、そしてCahn、Ingold、及びPrelogによるR−及びS−の順序付け規則によって記載される。立体化学命名法、立体化学の決定法及び立体異性体の分類法の慣習は、本分野においてよく知られている(例えば、“Advanced Organic Chemistry”第4版,March,Jerry,John Wiley & Sons,New York,1992を参照のこと。)。本明細書において使用される名前及び説明図であって、一般式(I)の化合物を記載するためのものは、全ての可能な立体異性体を含むものとする。
【0110】
“ケト又はオキソ”は、(=O)基を意味する。
【0111】
“1置換アミノ”は、−NHR基であって、ここで、当該Rが、本明細書に記載のようなアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル又はアシルである当該基を意味する。代表例は、非制限的に、メチルアミノ、フェニルアミノ、ベンジルアミノ、シクロアルキルメチルアミノ、アセチルアミノ、トリフルオロアセチルなどを含む。
【0112】
“ニトロ”は、−NO基を意味する。
【0113】
“任意の”又は“場合により”又は“し得る、かもしれない”は、その後に記載される事象や詳細が、起こるかもしれないし又は起こらないかもしれないこと、そして、当該記載が、当該事象や詳細の起こる事例、及び起こらない事例を含むことを意味する。例えば、“ここで、芳香族環Rは、場合により、1又は2個の置換基であって、ここで当該置換基が、独立してアルキルから選択される当該置換基で置換される”とは、当該芳香族環はアルキルで置換されるかもしれないし又は置換されないかもしれないことであって、本発明の範囲内に含まれるための当該記載であることを意味する。
【0114】
本発明は、一般式(I)の化合物のN−オキシド誘導体も含む。N−オキシド誘導体は、一般式(I)の化合物の誘導体であって、窒素が酸化状態(すなわち、N→O)にある当該誘導体を意味し、例えば、ピリジンN−オキシドであって、所望の薬理活性をもつ。
【0115】
本発明の要約における“...ここで、上記のR又はRのアルキレン鎖は、場合により、1〜6個のハロで置換される”という表現は、−アルキレン−X−R22及び−アルキレン−X−R25のアルキレン鎖のそれぞれであって、場合によりハロで置換される当該アルキレン鎖をいう。
【0116】
“...ここで、R、R10、R1a、又はRにおける芳香族環又は脂環式環は、場合により、1〜3個のR、R、R、又はRのそれぞれで置換され...”という表現は、R、R10、R1a又はRに結合する全ての基であって、場合により、1〜3個のR、R、R又はRのそれぞれで置換される芳香族環又は脂環式環を含む当該基をいい、例えば、Rについて、以下の基における芳香族環又は脂環式環であり、当該基は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロアルコキシ、ハロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノ、1置換アミノ、2置換アミノ、ニトロ、アリールオキシ、ベンジルオキシ、アシル、又はアリールスルホニル基であって場合により1〜3個のRで置換される当該基を含む。
【0117】
本明細書の記載のような“環系”は、単環式環、架橋した環、又は縮合された2環式環をいう。
【0118】
疾患の“病理”は、疾患の本質、要因、及び進行であり、疾患のプロセスを原因とする構造的及び機能的変化と同様なものを意味する。
【0119】
“医薬として認容される”は、医薬組成物の製造において有用なものであって、概して、安全で、毒性がなく、及び、生物製剤でも他の所望しないものでもないことを意味し、獣医用の使用として認容されるものを人間の医薬用の使用と同様に含む。
【0120】
“医薬として認容される塩”は、一般式(I)の化合物の塩であって、上記のような医薬として認容される当該塩であり、所望の薬理活性を有する当該塩を意味する。そのような塩は、酸付加塩であって、無機酸で形成する当該塩を含み、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などであり;又は、有機酸で形成する場合には、例えば、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、o−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メチルスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カンフルスルホン酸、4−メチルビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプトン酸、4,4’−メチレンビス(3−ヒドロキシ−2−エン−1−カルボン酸)、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第3級ブチル酢酸、ラウリルスルホン酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸などである。
【0121】
医薬として認容されるその塩は、塩基付加塩であって、ここで、酸性プロトンが存在するとき形成され得る当該塩は、無機塩基又は有機塩基と反応することができる。認容される無機塩は、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アルミニウム、及び水酸化カルシウムを含む。認容される有機塩は、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N−メチルグルカミンなどを含む。
【0122】
本発明は、一般式(I)の化合物のプロドラッグをも含む。プロドラッグは、化合物であって、代謝手段により(例えば、加水分解により)、一般式(I)の化合物に生体内において変換する当該化合物を意味する。例えば、一般式(I)の化合物のエステルであって、ヒドロキシ基を含む当該エステルは、生体内における加水分解により、親分子に変換し得る。あるいは、一般式(I)の化合物のエステルであって、カルボキシ基を含む当該エステルは、生体内における加水分解により、親分子に変換し得る。一般式(I)の化合物の好適なエステルであって、ヒドロキシ基を含む当該エステルは、例えば、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、マロネート、シュウ酸塩、サリチル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、メチレン−ビス−b−ヒドロキシナフトート(hydroxynaphthoates)、ゲンチシン酸塩、イセチオン酸塩、ジ−p−トルオイルタルトレート、メチルスルホネート、及びキナ酸塩である。一般式(I)の化合物の好適なエステルであって、カルボキシ基を含む当該エステルは、例えば、F.J.Leinweber,Drug Metab.Res.,1987,18,379ページにより、記載される。
【0123】
一般式(I)の化合物のエステルの特に有用なクラスであって、ヒドロキシ基を含む当該エステルは、酸部分から形成され得、ここで、当該酸部分は、Bundgaard et al.,J.Med.Chem.,1989,32,2503−2507により記載される部分から選択され、そして、置換された(アミノメチル)−ベンゾエートであって、例えば、ジアルキルアミノ−メチルベンゾエートであって、当該2個のアルキル基が結合し得、及び/又は酸素原子により、又は場合により置換された窒素原子であって例えばアルキル化窒素原子により、妨害され得る当該ベンゾエートを含み、より特別には、(モルホリノ−メチル)ベンゾエートであって、例えば3−又は4−(モルホリノメチル)−ベンゾエートであり、そして(4−アルキルピペラジンン−1−イル)ベンゾエートであって、例えば3−又は4−(4−アルキルピペラジン−1−イル)ベンゾエートである。
【0124】
“保護誘導体”は、一般式(I)の化合物の誘導体であって、その1つの反応部位又は複数の反応部位が、保護基でブロックされる当該誘導体を意味する。一般式(I)の化合物の保護誘導体は、一般式(I)の化合物の製造において有用であり、又はそれ自体において、活性のあるカテプシンS阻害剤となり得る。好適な保護基の総合目録は、T.W.Greene,Protective Groups in Organic Synthesis,第3版,John Wiley & Sons,Inc.1999に見つけられる。
【0125】
“治療有効量”は、疾患を治療するために動物に投与するとき、当該疾患の治療を達成するために十分な量を意味する。
【0126】
“治療”又は“治療中”は、本発明の化合物のいずれかの投与を意味し、以下:
(1)動物において疾病の発生を予防することであって、その病状や徴候を未だ経験したこと又は処置したことがない当該疾病にかかりやすいかもしれない動物において予防すること、
(2)動物における当該疾病を阻害することであって、患者の病状や徴候を経験し又は処置すること(すなわち、病状及び/又は徴候のさらなる進行を停止すること)、又は
(3)動物における当該疾病を改善することであって、患者の病状や徴候を経験し又は処置すること(すなわち、病状及び/又は徴候を克服すること)
を含む。
【0127】
併用療法についての“治療”又は“治療中”、すなわち、生物製剤を使用することは、本発明の化合物のいずれかの投与を意味し、以下:
(1)動物内の免疫応答の発生を予防することであって、その病状や徴候を未だ経験したこと又は処置したことがない当該免疫応答にかかりやすいかもしれない動物において予防すること
(2)動物における当該免疫応答を阻害することであって、当該免疫応答の病状や徴候を経験し又は処置すること(すなわち、病状及び/又は徴候のさらなる進行を停止すること)、又は
(3)動物における当該免疫応答を改善することであって、当該免疫応答の病状や徴候を経験し又は処置すること(すなわち、程度若しくは重症度又は範囲若しくは期間について免疫応答の明らかな症状を減退すること、あるいは、当該免疫応答の病状及び/又は徴候を克服すること、例えば、MHCクラスII分子による抗原ペプチドの減退させた結合及び症状、T細胞及びB細胞の減退させた活性、減退させた液性応答及び細胞仲介応答及び必要に応じて特に減退させた免疫応答、減少させた炎症状態、うっ血、痛み、壊死、生物製剤の効果における減退させた損失などである)を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0128】
好ましい態様
本発明の最も広範囲な定義が、本明細書の発明の開示(本発明の要約)に説明されている一方、いくつかの一般式(I)の化合物が好ましい。例えば、以下:
A.1つの好ましい化合物群は、一般式(I)の式中、
Eは、−C(R)(R)Xであり、ここで:
は、水素又はアルキルであり;及び
は、水素、アルキル、−(アルキレン)−OR12(ここで、R12は、水素、アルキル又はハロアルキルである)、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキルであり、ここで、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキル内の、芳香族環又は脂環式環は、場合により、1、2又は3個のRで置換され、当該Rは、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロアルコキシ、ハロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノ、1置換アミノ、2置換アミノ又はアシルから独立して選択される、当該化合物である。
【0129】
好ましくは、一般式(I)の式中、
は、水素であり;
は、アルキル、好ましくはエチルであり;そして
は、−CHO、−C(O)R10、−C(O)CF、−C(O)CFCF、−CH=CHS(O)10、−C(O)CFC(O)NR1011、−C(O)C(O)NR1011、−C(O)CHOR10、−C(O)CHN(R11)SO10、−C(O)C(O)N(R11)(CHOR11、−C(O)C(O)N(R11)(CHNHR11又は−C(O)C(O)R10であり;ここで、R10は、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキルアルキル又はヘテロシクリルアルキルであり、ここで、当該芳香族環は、場合によりRで置換され、当該Rはヘテロアリール、アリール又はアルキルから選択され、R11は水素又はアルキルであり、そしてRはハロである。
【0130】
好ましくは、一般式(I)の式中、
Eは−CHRC(O)R10であり、ここで、Rはアルキル、好ましくは、エチル、プロピル又はブチルであり、より好ましくは、エチルであり、そしてR10はヘテロアリールであり、場合により、1又は2個のRで置換され、当該Rは、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヒドロキシ、ハロアルコキシ、ハロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリール、ヘテロアリール、アミノ、1置換アミノ、2置換アミノ又はアシルから独立して選択され、ここで、R内の芳香族環又は脂環式環は、場合により、1、2又は3個の置換基で置換され、当該置換基は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノ、アルキルアミノ又はジアルキルアミノから独立して選択され、より好ましいR10は、ベンゾオキサゾール−2−イル、4−アザベンゾオキサゾール−2−イル、2−ピリジン−3−イル−[1,3,4]−オキサジアゾール−5−イル、2−ピリジン−4−イル−[1,3,4]−オキサジアゾール−5−イル、2−エチル−[1,3,4]−オキサジアゾール−5−イル、2−イソプロピル−[1,3,4]−オキサジアゾール−5−イル、2−tert−ブチル−[1,3,4]−オキサジアゾール−5−イル、2−フェニル−[1,3,4]−オキサジアゾール−5−イル、2−メトキシメチル−[1,3,4]−オキサジアゾール−5−イル、2−フラン−2−イル−[1,3,4]−オキサジアゾール−5−イル、2−チエン−2−イル−[1,3,4]−オキサジアゾール−5−イル、2−(4−メトキシフェニル)−[1,3,4]−オキサジアゾール−5−イル、2−(2−メトキシフェニル)−[1,3,4]−オキサジアゾール−5−イル、2−(3−メトキシフェニル)−[1,3,4]−オキサジアゾール−5−イル、2−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−[1,3,4]−オキサジアゾール−5−イル、2−(3−トリフルオロメトキシフェニル)−[1,3,4]−オキサジアゾール−5−イル、2−(4−トリフルオロメトキシフェニル)−[1,3,4]−オキサジアゾール−5−イル、2−(4−ジメチルアミノフェニル)−[1,3,4]−オキサジアゾール−5−イル、ピラジジン−3−イル、ピリミジン−2−イル、3−フェニル−[1,2,4]−オキサジアゾール−5−イル、3−エチル−[1,2,4]−オキサジアゾール−5−イル、3−シクロプロピル−[1,2,4]−オキサジアゾール−5−イル、3−チエン−3−イル−[1,2,4]−オキサジアゾール−5−イル、3−ピリジン−4−イル−[1,2,4]−オキサジアゾール−5−イル、3−ピリジン−2−イル−[1,2,4]−オキサジアゾール−5−イル、5−エチル−[1,2,4]−オキサジアゾール−3−イル、5−フェニル−[1,2,4]−オキサジアゾール−3−イル、5−チエン−3−イル−[1,2,4]−オキサジアゾール−3−イル、5−トリフルオロメチル−[1,2,4]−オキサジアゾール−3−イル、5−ピリジン−4−イル−[1,2,4]−オキサジアゾール−3−イル又は5−フェニルオキサゾール−2−イルであり、最も好ましくは、ベンゾオキサドール−2−イルである。
【0131】
B.他の好ましい化合物群は、一般式(I)の式中、
Eは−C(R)(R)Xであり、ここで、R及びRは、双方が結合する炭素原子と一緒になって、シクロアルキレン又はヘテロシクリルアルキレンを形成し、好ましくは、シクロプロピレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレン、チオモルホニル−1−ジオキシド、テトラヒドロピラン−4−イル、テトラヒドロチオピラン−4−イル、テトラヒドロピラン−4−イル−1−オキシド、テトラヒドロピラン−4−イル−1,1−ジオキシド又はピペリジン−4−イルであって、当該窒素原子は、場合によりアルキル又はヒドロキシで置換される当該基、好ましくは、テトラヒドロチオピラン−4−イル−1,1−ジオキシドであり、及びXは、−CHO、−C(O)R10、−C(O)CF、−C(O)CFCF、−CH=CHS(O)10、−C(O)CFC(O)NR1011、−C(O)C(O)NR1011、−C(O)CHOR10、−C(O)CHN(R11)SO10、−C(O)C(O)N(R11)(CHOR11、−C(O)C(O)N(R11)(CHNHR11又は−C(O)C(O)R10である、当該基を形成する。
【0132】
より好ましくは、−C(O)C(O)NR1011であり、ここで当該R11は水素であり、及び当該R10はベンジルである。
【0133】
C.他の好ましい化合物群は、一般式(I)の式中、
Eは、以下の一般式(a):
【化6】

からなる基であり、ここで:
式中、nは、0、1、又は2であり、Xは、−NR22−、−S−又は−O−であり、ここで、R22は、水素、アルキル又はアルコキシであり;Xは、−O−、−SO−、−S−又は−NR23−であり、ここで、R23は、水素、アルキル、−S(O)24、−C(O)OR26又はアシルから選択され、ここでR24は、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアラルキルであり、そして、R26は、水素又はアルキルである。
【0134】
好ましくは、Xは−O−であり、nは、0又は1であり、Xは−O−である。
【0135】
(a)上記の好ましい基及びより好ましい群(A−C)の中で、さらに、好ましい化合物群は、以下:
1aは、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリルアルキル、又は−アルキレン−X−R32(ここで、Xは、−NR33−、−O−、−S(O)n4−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NR33CO−、−CONR33−、−NR33SO−、−SONR33−、−NR33COO−、−OCONR33−、−NR33CONR34−又は−NR33SONR34−であり、ここで、R33とR34は、独立して、水素、アルキル、又はアシルであり、n4は0〜2であり、そしてR32は、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルである)であり、ここで、前記−アルキレン−X−R32内のアルキレン鎖が、場合により、1〜6個のハロで置換され、そして、ここで、R1a内の芳香族環又は脂環式環は、場合により、1、2又は3個のRで置換され、ここで、当該Rは、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロアルコキシ、ハロ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アミノ、1置換アミノ、2置換アミノ又はアシルから独立して選択され;そして
及びRは水素である。
【0136】
好ましくは、R1aは、2−メチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、3,3−ジメチルブチル、3−メチルブチル、2,2,3−トリメチルブチル、3,3−ジメチルペンチル、3−エチル−3−メチルペンチル、n−ブチル、2−メチルブチル又は1−メチルプロピルである。
【0137】
好ましくは、R1aは、4,4−ジメチルシクロヘキシルメチル、4−エチル−4−メチルシクロヘキシルメチル、4,4−ジエチルシクロヘキシルメチル、3,3−ジメチルシクロヘキシルメチル、3,5−ジメチルシクロヘキシルメチル、シクロヘプチルメチル、シクロオクチルメチル、2−シクロヘキシルエチル、2−シクロヘキシル−2−メチルプロピル、2−(1−メチルシクロヘキシル)エチル、2−(1−メチルシクロプロピル)エチル、2−(1−メチルシクロプロピル)−2−メチルプロピル、2−シクロペンチルエチル、2−シクロペンチル−2−メチルプロピル、4−イソプロピル−4−メチルシクロヘキシルメチル、2−メチルシクロヘキシルメチル、4−メトキシシクロヘキシルメチル、1−メチルシクロペンチルメチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、1,4−ジメチルシクロペンチルメチル、シクロヘキシルエチル、シクロヘキシルメチル、シクロペンチルメチル、メチルシクロヘキシルメチル、1−メチルシクロペンチルメチル又は1−ベンジルシクロプロピルメチルであり、好ましくは、1−メチルシクロペンチルメチルである。
【0138】
好ましくは、R1aは、2−ビシクロ[2.2.1]ヘプ−3−チルエチル、8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルメチル、ビシクロ[3.2.1]オクト−3−イルメチル、ビシクロ[3.1.1]ヘプチ−3−イルメチル、6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプチ−3−イルメチル、6,6−ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプチ−4−イルメチル、2−ビシクロ[2.2.1]ヘプチ−1−チルエチル又はビシクロ[2.2.1]ヘプチ−2−チルエチルである。
【0139】
好ましくは、R1aは、テトラヒドロナフチルメチル、ベンジル、4−メトキシベンジル、4−ジメチルアミノブチル、2−ジメチルアミノカルボニルエチル、ジメチルアミノカルボニルメチル、メトキシカルボニルメチル、3,4−ジクロロベンジル、2−クロロベンジル、4−エトキシベンジル、4−ニトロベンジル、ビフェン−4−イルメチル、ナフチ−1−イルメチル、ナフチ−2−イルメチル、4−クロロベンジル、3−クロロベンジル、4−フルオロベンジル、2−フェネチル、4−ヒドロキシベンジル、2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル、2,6−ジフルオロベンジル、2,2−ジフルオロ−3−フェニルプロピル、2,2−ジクロロ−3−フェニルプロピル、ビフェニル−3−イルメチル、ナフチ−2−イル、3−フェニルプロピル、2,2−ジフルオロ−3−フェニルプロピル又は2,2−ジメチル−3−フェニルプロピルである。
【0140】
好ましくは、R1aは、エチルチオメチル、エチルスルフィニルメチル、エチルスルホニルメチル、イソプロピルチオメチル、2−メチルチオエチル、2−メチルスルフィニルエチル、2−メチルスルホニルエチル、2−メチルプロピルスルホニルメチル、イソブチルスルファニルメチル、tert−ブチルチオメチル、ベンゼンスルホニルメチル、2−フェニルスルファニルエチル、2−フェニルスルホニルエチル、ナフチ−2−イルメタンスルホニルメチル、ビフェニル−2−イルメタンスルホニルメチル、ビフェニル−4−イルメタンスルホニルメチル、フェニルメタンスルファニルメチル、フェニルメタンスルフィニルメチル、フェニルメタンスルホニルメチル、2−フェニルメタンスルホニルエチル、4−tert−ブチルフェニルメタンスルホニルメチル、2−フルオロフェニルメタンスルファニルメチル、2−フルオロフェニルメタンスルホニルメチル、3−フルオロフェニルメタンスルホニルメチル、4−フルオロフェニルメタンスルホニルメチル、2−クロロフェニルメタンスルファニルメチル、2−クロロフェニルメタンスルホニルメチル、3−クロロフェニルメタンスルホニルメチル、4−クロロフェニルメタンスルホニルメチル、2−メトキシフェニルメタンスルホニルメチル、4−メトキシフェニルメタンスルホニルメチル、2−トリフルオロメトキシフェニルメタンスルホニルメチル、3−トリフルオロメトキシフェニルメタンスルホニルメチル、4−トリフルオロメトキシフェニルメタンスルホニルメチル、
【0141】
2−トリフルオロメチルフェニルメタンスルファニルメチル、2−トリフルオロメチルフェニルメタンスルホニルメチル、3−トリフルオロメチルフェニルメタンスルホニルメチル、4−トリフルオロメチルフェニルメタンスルホニルメチル、2−シアノフェニルメタンスルファニルメチル、2−シアノフェニルメタンスルホニルメチル、3−シアノフェニルメタンスルホニルメチル、2−ブロモフェニルメタンスルホニルメチル、2−ニトロフェニルメタンスルファニルメチル、2−ニトロ−フェニルメタンスルホニルメチル、2−メチルフェニルメタンスルホニルメチル、3−メチルフェニルメタンスルホニルメチル、4−メチルフェニルメタンスルホニルメチル、2−(4−トリフルオロメトキシ−ベンゼンスルホニル)エチル、2−(3−トリフルオロメトキシベンゼンスルホニル)エチル、2−(2−トリフルオロメトキシベンゼンスルホニル)エチル、2−ジフルオロメトキシフェニルメタン−スルホニルメチル、3−ジフルオロメトキシフェニルメタン−スルホニルメチル、4−ジフルオロメトキシ−フェニルメタン−スルホニルメチル、2−(4−ジフルオロメトキシベンゼンスルホニル)エチル、2−(2−ジフルオロメトキシベンゼン−スルホニル)エチル、2−(3−ジフルオロメトキシベンゼンスルホニル)エチル、3−クロロ−2−フルオロフェニルメタン−スルホニルメチル、3,5−ジメチルフェニルメタンスルホニルメチル、3,5−ビス−トリフルオロメチルフェニルメタンスルホニルメチル、2,5−ジフルオロフェニルメタンスルホニルメチル、2,6−ジフルオロフェニルメタンスルホニルメチル、2,3−ジフルオロフェニルメタン−スルホニルメチル、3,4−ジフルオロフェニルメタンスルホニルメチル、2,4−ジフルオロフェニル−メタンスルホニルメチル、
【0142】
2,5−ジクロロフェニルメタンスルホニルメチル、3,4−ジクロロフェニルメタンスルホニルメチル、2,6−ジクロロフェニルメタンスルホニルメチル、2−フルオロ−3−メチルフェニルメタンスルホニル−メチル、4−フルオロ−2−トリフルオロメトキシフェニル−メタンスルホニルメチル、2−フルオロ−6−トリフルオロメチルフェニルメタンスルホニルメチル、2−フルオロ−3−トリフルオロメチルフェニル−メタンスルホニルメチル、2−フルオロ−4−トリフルオロメチル−フェニルメタンスルホニルメチル、2−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニルメタンスルホニルメチル、4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニルメタンスルホニルメチル、2−クロロ−5−トリフルオロメチル−フェニルメタン−スルホニルメチル、2,4,6−トリフルオロフェニルメタンスルホニルメチル、2,4,5−トリフルオロフェニルメタンスルホニルメチル、2,3,4−トリフルオロフェニルメタンスルホニルメチル、2,3,5−トリフルオロフェニルメタンスルホニルメチル、2,5,6−トリフルオロフェニルメタンスルホニル−メチル、3,4,5−トリメトキシフェニルメタンスルホニルメチル、ピリジン−2−イルメタンスルホニルメチル、ピリジン−3−イルメタンスルホニルメチル、ピリジン−4−イルメタンスルホニルメチル、2−(ピリジン−2−イルスルホニル)エチル、2−(ピリジン−4−イルスルホニル)エチル、オキシピリジン−2−イルメタンスルホニルメチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルメタンスルファニルメチル、シクロヘキシルスルフィニルチオメチル、シクロヘキシルメタン−スルホニルメチル、2−シクロヘキシルエタンスルホニル、シクロヘキシルメタンスルホニルメチル、シクロプロピルメタンスルホニルメチル、チオフェン−2−スルホニルメチル、5−クロロチエン−2−イルメタン−スルホニルメチル又は3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−イルメタンスルホニルメチルであり、好ましくは、2−(ジフルオロメトキシ)フェニルメタン−スルホニルメチルである。
【0143】
好ましくは、R1aは、1−エトキシカルボニルピペリジン−4−イルメチル、1−メチルピペリジン−4−イルメチル、2−テトラヒドロピラン−4−イルエチル、ピロリジン−1−イルメチル、ピペリジン−1−イルメチル、モルホリン−4−イルメチル、1−モルホリン−4−イルエチル、チオモルホリン−4−イルメチル、1−オキソ−チオモルホリン−4−イルメチル、1,1−ジオキソチオモルホリン−4−イルメチル、テトラヒドロチオピラン−4−イルメチル、1−オキソテトラヒドロチオピラン−4−イルメチル、1,1−ジオキソテトラヒドロチオピラン−4−イルメチル、1−メチルピペラジン−4−イルメチル、ベンジルオキシメチル、エトキシメチル、イソプロピルオキシメチル、2−ジメチルアミノエチル、2−ピペリジン−1−イルエチル、2−ピロリジン−1−イルエチル、tert−ブチルオキシメチル、イミダゾール−4−イルメチル、インドール−3−イルメチル、2−ピロリジン−1−イルカルボニルエチル、ピロリジン−1−イルカルボニルメチル、インドール−2−イルメチル、1−ベンジルイミダゾール−4−イルメチル、4−エチル−4−メチルピペリジン−1−イルメチル、インドール−1−イルメチル、1−メチルピペリジン−2−イルメチル、2,2−ジフルオロ−3−チエン−2−イルメチル又はピリジン−4−イルメチルである。
【0144】
より好ましくは、R1aは、シクロヘキシル、2−シクロヘキシルエチル、シクロヘキシルメチル、tert−ブチルメチル、1−メチルシクロヘキシルメチル、1−メチルシクロペンチルメチル、2,2−ジフルオロ−3−フェニルプロピル、2,2−ジクロロ−3−フェニルプロピル、2,2,2−トリクロロエチル、2,2−ジクロロエチル、1,4−ジメチルシクロペンチルメチル、2,2−ジメチル−3−フェニルプロピル、1−ベンジルシクロプロピルメチル、2−(1,1−ジフルオロメトキシ)フェニルメタン−スルホニルメチル、2−(1,1−ジフルオロメトキシ)フェニルメタンオキシ−メチル、ピリジン−4−イルメチル、フェニルメタンスルホニルメチル、ピリジン−2−イルメタンスルホニルメチル、ピリジン−4−イルメタンスルホニルメチル、2−メチルプロピルスルホニルメチル、シクロプロピルメタンスルホニルメチル、ピリジン−3−イルメタン−スルホニルメチル、2,6−ジフルオロフェニルメタンスルホニルメチル、2−ピリジン−2−イルスルホニルエチル、2−フェニルスルホニルエチル、ベンジルオキシメチル、2,2−ジメチルプロピル、シクロペンチルメチル、モルホリン−4−イルメチル、5−ブロモチエン−2−イルメチル、ピリジン−4−イルメチル、2−クロロベンジル又は4−フルオロベンジルであり;最も好ましくは、1−メチルシクロペンチルメチルであり;そして、R及びRは、水素である。
【0145】
(b)さらに、他のより好ましい化合物群であって、(A−C)の群内の当該化合物群は、R及びR1aが、これらが結合する炭素原子と一緒になって、シクロアルキレン又はヘテロシクリルアルキレン、好ましくは、3,3−ジメチルシクロブチル、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロオクチル、テトラヒドロチオピラン−1,1−ジオキシド又はピペリジン−4−イルであって、ピペリジニル環の1−の位置における窒素原子が、場合により、Rで置換され、ここで当該Rは、アルキル又は−SORであり、ここで、Rは、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール又はヘテロアラルキルであり、さらにここで、R内の環は、場合により、1、2又は3個の置換基で置換され、当該置換基は、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、ハロ又はカルボキシから独立して選択される、当該ピペリジン−4−イルを形成する。
【0146】
(1)上記の好ましい、さらに好ましい、及びその上さらに好ましい上記群内にあって、特に好ましい化合物群は:
は、アルキル、シクロアルキル、フェニル、ベンジル、ナフチル、アルキルSOアルキル、シクロアルキルSOアルキル、アリールSOアルキル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、インドリニル、ピラニル、チオピラニル、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピリジニル、イソキサゾリル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリル、キノリニル、ベンゾフラニル、ベンズチエニル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、ベンゾイソキサゾリル又はベンゾキサゾリルであり;ここで、R内の芳香族環又は脂環式環は、場合により、1、2又は3個のRで置換され、
【0147】
個々のRは、アルキル、ハロ、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、シクロアルキル、フェニル、ナフチル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、フラニル、チエニル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズオキサゾリル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、アルコキシ、−COR(ここで、Rはアルキルである)、−OC(O)R(ここで、Rはアルキル又はアリールである)、アリールオキシ、ベンジルオキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイルであり、ここで窒素原子は、独立して以下の置換基で1又は2置換され得、
【0148】
当該置換基は、アルキル、アリール、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、フラニル、チエニル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル又はキノキサリニル、−NHCOR(ここで、Rはアルキル又はアリールである)、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、アルコキシカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルキルカルバモイルオキシ、アリールカルバモイルオキシ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、アミノであり、ここで当該窒素原子は、独立して以下の置換基で1又は2置換され得、
【0149】
当該置換基は、アルキル、アリール、ピロリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、フラニル、チエニル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル又はキノキサリニルであり、ここで、R内の芳香族環又は脂環式環は、さらに場合により、1,2又は3個のRで置換され得、当該Rは、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、カルボキシ、カルボキシアミド、シアノ、ニトロ、アリール又はシクロアルキルから独立して選択される、化合物群である。
【0150】
好ましくは、Rは、メチル、エチル、イソプロピル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、ベンジル、ナフチル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、フラニル、チエニル、チアゾリル、イミダゾリル、ピリジニル又はピラジニルであり、ここで、R内の芳香族環又は脂環式環は、場合により、1、2又は3個のRで置換され、ここで当該Rは、独立して、メチル、エチル、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、シクロプロピル、フェニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、チエニル、イミダゾリル、メトキシ、アセチル、アセトキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、メトキシカルボニル、フェノキシカルボニル、カルバモイルであって、その窒素原子が、メチル、エチル又はフェニルで独立して1置換又は2置換されたもの、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、メチルチオ、フェニルチオ、フェニルスルホニル、メチルスルホニル、メトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、メチルカルバモイルオキシ、フェニルカルバモイルオキシ、メチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、メチルアミノスルホニル、フェニルアミノスルホニル、アミノであって、その窒素原子が、独立してメチル又はフェニルで1置換又は2置換されたものから選択され、ここで、R内の芳香族環又は脂環式環は、さらに場合により、1、2又は3個のRで置換され、ここで当該Rは、独立して、メチル、シクロプロピル、フェニル、メトキシ、フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、カルボキシ又はカルボキシアミドから選択される。
【0151】
さらに、好ましくは、Rは、フェニル、ナフチル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、フラニル、チエニル、チアゾリル、イミダゾリル、ピリジニル又はピラジニルであり、ここで、R内の芳香族環又は脂環式環は、場合により、1、2又は3個のRで置換され、ここで当該Rは、メチル、フルオロ、クロロ、フェニル、チエニル、メトキシ、アセチル、アセトキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、メトキシカルボニル、カルバモイルであって、当該窒素原子が独立して、メチル又はフェニルで1置換又は2置換されたもの、アセチルアミノ、メチルチオ、フェニルチオ、フェニルスルホニル、メチルスルホニル、メトキシカルボニルアミノ、メチルカルバモイルオキシ、フェニルカルバモイルオキシ、メチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ又はアミノであって、当該窒素原子が、独立して、メチル又はフェニルで1置換又は2置換されたもの、から独立して選択される。
【0152】
最も好ましくは、Rは、フェニル、4−メトキシフェニル、3−フェノキシフェニル、4−クロロフェニル、4−フルオロフェニル、2−フルオロフェニル、2−フルオロ−4−クロロフェニル、ナフチル、ピペリジン−4−イル、モルホリン−4−イル、フラニル、チエニル、ピリジン−4−イル、又はピラジニルである。
【0153】
(2)上記の好ましい、より好ましい、及びその上さらにより好ましい他の上記化合物群の内、他の特に好ましい化合物群は、以下:
は、水素又はハロアルキルであり、好ましくは水素又はトリフルオロメチルである、
化合物群である。
【0154】
上記の好ましい、より好ましい、さらにより好ましい上記化合物群、及び特に好ましい化合物群1及び2の内、最も好ましい化合物群は、Rが、トリフルオロメチル又は2,2,2−トリフルオロエチルであり、より好ましくはトリフルオロメチルであり;そして
4’が、水素である、化合物群である。
【0155】
(3)上記の好ましい、より好ましい、及びさらにより好ましい化合物群の内、特に好ましい化合物群は、以下の:
及びR4’が、それらが結合する炭素原子と一緒になって、シクロアルキレン、好ましくは、シクロペンチレン、シクロペント−1−エニレン、シクロヘキシレン、シクロヘキシ−1−エニレンを形成する、
化合物群である。
【0156】
(4)上記の好ましい、より好ましい、及びさらにより好ましい化合物群の内、特に好ましい化合物群は、以下の:
及びR4’が、それらが結合する炭素原子と一緒になって、ヘテロシクリルアルキレン、好ましくは、テトラヒドロピラン−4−イル、又は3,6−ジヒドロ−2H−ピラン−4−イルを形成する、
化合物群である。
【0157】
上記の好ましい、より好ましい、さらにより好ましい上記化合物群、及び特に好ましい化合物群(3)及び(4)の内、最も好ましい化合物群は、Rが、トリフルオロメチル又は2,2,2−トリフルオロエチルであり、より好ましくはトリフルオロメチルである、化合物群である。
【0158】
(c)上記好ましい及びより好ましい化合物群(A−C)の内、他のその上さらに好ましい化合物群は、以下の:
は、フェニル、ナフチル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、フラニル、チエニル、チアゾリル、イミダゾリル、ピリジニル又はピラジニルであり、ここで、R内の芳香族環又は脂環式環は、場合により、1、2又は3個のRで置換され、ここで当該Rは、メチル、フルオロ、クロロ、フェニル、チエニル、メトキシ、アセチル、アセトキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、メトキシカルボニル、カルバモイルであって、当該窒素原子が独立して、メチル又はフェニルで1置換又は2置換されたもの、アセチルアミノ、メチルチオ、フェニルチオ、フェニルスルホニル、メチルスルホニル、メトキシカルボニルアミノ、メチルカルバモイルオキシ、フェニルカルバモイルオキシ、メチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、アミノであって、当該窒素原子が、独立して、メチル又はフェニルで1置換又は2置換されたものから独立して選択される、化合物群である。最も好ましくは、Rは、フェニル、4−メトキシフェニル、3−フェノキシフェニル、4−クロロフェニル、4−フルオロフェニル、2−フルオロフェニル、2−フルオロ−4−クロロフェニル、ナフチル、ピペリジン−4−イル、モルホリン−4−イル、フラニル、チエニル、ピリジン−4−イル又はピラジニルである。特に好ましいRは、モルホリン−4−イルである。
【0159】
(d)上記好ましい及びより好ましい化合物群(A−C)の内、他のその上さらに好ましい化合物群は、以下の:
が水素又はハロアルキルであり、好ましくは、水素又はトリフルオロメチルである、
化合物群である。
【0160】
上記の好ましい化合物群(c)及び(d)の内、そしてより好ましい化合物群は、Rが、トリフルオロメチル又は2,2,2−トリフルオロエチルであり、より好ましくはトリフルオロメチルであり;R4’は水素である、化合物群である。
【0161】
(e)上記好ましい及びより好ましい化合物群(A−C)の内、他のその上さらに好ましい化合物群は、以下の:
及びR4’が、それらが結合する炭素原子と一緒になって、シクロアルキレン、好ましくは、シクロペンチレン、シクロペント−1−エニレン、シクロヘキシレン、シクロヘキシ−1−エニレンを形成する、
化合物群である。
【0162】
(f)上記の好ましい及びより好ましい化合物群(A−C)の内、その上さらに好ましい化合物群は、以下の:
及びR4’が、それらが結合する炭素原子と一緒になって、ヘテロシクリルアルキレン、好ましくは、テトラヒドロピラン−4−イル、又は3,6−ジヒドロ−2H−ピラン−4−イルを形成する、
化合物群である。
【0163】
上記の好ましい化合物群(e)及び(f)の内、そしてより好ましい化合物群は、Rが、トリフルオロメチル又は2,2,2−トリフルオロエチルであり、より好ましくはトリフルオロメチルである、化合物群である。
【0164】
これらの好ましい、より好ましい、及び特に好ましい化合物群(c)−(f)の内、最も好ましい群は、R、R1a、及びRが上記好ましい態様(a)及び(b)に記載の通りの化合物群である。
【0165】
多くの異なる好ましいものは、上記の通りであり、そして、これらの好ましいものの内の以下のいずれか1つは、特に好ましいものが挙げられていないところの化合物よりも目下のところより好ましい本発明の化合物をもたらす。しかしながら、これらの好ましいものは、一般的に独立しており;そして、これらの好ましいものの内の以下の1以上は、より少数の好ましいものが以下に記載される化合物よりも目下のところより好ましい化合物をもたらす。
【0166】
一般的合成スキーム
本発明の化合物は、以下に示す反応スキームにおいて描かれる方法により製造され得る。
【0167】
これらの化合物の製造において使用される出発物質及び出発剤は、商業的供給者、例えば、Aldrich Chemical Co.,(Milwaukee,Wis.)、Bachem(Torrance,Calif.)、又はSigma(St.Louis,Mo)から手に入れるか、又は、当業者に知られた方法であって、参考文献に示された以下の手順、Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis,1−17巻(John Wiley and Sons,1991);Rodd’s Chemistry of Carbon Compounds,1−5巻及び補足(Elsevier Science Publishers,1989);Organic Reactions,1−40巻(John Wiley and Sons,1991)、March’s Advanced Organic Chemistry,(John Wiley and Sons,第4版)及びLarock’s Comprehensive Organic Transformations(VCH Publishers Inc.,1989)により製造するかのいずれかによる。これらのスキームは、本発明の化合物を合成し得るいくつかの方法を示しているに過ぎず、そして、これらのスキームに対する様々な改良が行われ得、この開示を引用する当業者に提示されるであろう。
【0168】
当該出発物質及び当該反応の中間体は、もし所望するならば、単離され得、そして精製され得、ここで当該単離、精製は通常技術の使用であって、ろ過、蒸留、結晶化、クロマトグラフィーなどを非制限的に含む当該技術による。そのような材料は、常法の使用を特徴とし得、当該常法は物理定数及びスペクトルデータを含む。
【0169】
もし別の特定がなければ、本明細書に示される反応は、常圧で、約−78℃〜約150℃の範囲で、より好ましくは約0℃〜125℃の範囲にわたり、最も好ましくは室温(周囲温度)で、例えば約20℃で実施される。
【0170】
下記の反応において、反応性機能基を保護することが必要かもしれず、ここで、反応性機能基とは、例えば、ヒドロキシ、アミノ、イミノ、チオ又はカルボキシ基であって、ここで、当該基が最終産生物内に所望されるものをいい、当該反応中の不要な関与を避けるために必要である。常用保護基は、標準的技法に従い使用され得、当該標準的技法とは、例えば、T.W.Greene and P.G.M.Wuts in“Protective Groups in Organic Chemistry”John Wiley and Sons,1999を参照する。
【0171】
一般式(I)の化合物であって、Eが、−C(R)(R)C(R)(R)R10であり、及びR、R1a、R、R、R、R、R、R、及びRが、本発明の要約において定義された通りであり、そしてR4’が水素である当該化合物は、以下の反応スキーム1の通りに進むことにより製造できる。
【0172】
【化7】

【0173】
一般式(1)のケトンであって、ここでRが本発明の要約における定義通りであり、Rがハロアリキル(好ましくは、トリフルオロメチルである)である当該ケトンの、一般式(2)のα−アミノエステル(ここで、Rはアルキル基であり、好ましくはメチルであり、そしてR及びR1aは本発明の要約における定義通りである。)を伴う反応は、還元アミノ化反応状条件下、一般式(3)の化合物を提供する。
【0174】
当該反応は、好適な脱水剤の存在下であり、ここで、当該脱水剤は、例えば、TiCl4、マグネシウム・スルフェート、イソプロピル・トリフルオロアセテートであり、そして塩基の存在下であり、ここで、当該塩基は、例えば、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジンなどであり、及び好適な有機溶媒の存在下であり、例えば、ここで当該有機溶媒は、例えば、イミンを生じさせるメチレン・クロライドである、といった条件下で実施される。当該イミンは、好適な還元剤、例えば、ソジウム・ボロハイドライド、ソジウム・シアノボロハイドライドなどで、好適な有機溶媒中、例えば、メタノール、エタノールなどで還元される。
【0175】
一般式(1)の化合物であって、例えば2,2,2−トリフルオロメチルアセトフェノンは、商業的に手に入れられる。他の化合物は、本分野においてよく知られる方法により製造され得る。アラニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニン、ヒスチジン、及びリジンの一般式(2)のα−アミノ・エステルは、商業的に手に入れられる。他の化合物は、本分野においてよく知られる方法により製造され得る。そのような方法のいくつかは、PCT出願公開WO 03075836号、WO 00/55144号、WO 01/19816号、WO02/20485号、WO 03/029200号、米国仮出願番号60/422,337号、米国特許番号第6,353,017B1号、6,492,662B1号、353,017B1号及び6,525,036B1号、6,229,011B1号、6,610,700号に記載され、その内容全体を本願明細書中に援用する。
【0176】
当該エステル基の加水分解であり、塩基性水溶液の加水分解反応条件下である当該加水分解は、対応する酸(4)を提供する。当該反応は、典型的に、セシウム・カルボネート、リチウム・ヒドロキシなどと共に、水性アルコール、例えば、メタノール、エタノールなどの中で実施される。
【0177】
あるいは、一般式(4)の化合物は、以下の方法(i)に示されるように製造され得る。
【0178】
方法(i)とは、以下の:
【化8】

である。
【0179】
一般式(6)のアルデヒドと一般式(7)のアミノエタノールとの縮合であって、ディーン・スターク装置を使用する当該縮合は、環状アミナール(8)を提供し、ここで、当該環状アミナール(8)は、一般式RMgX(ここで、Xはハロである)のグリニャール試薬又は有機リチウム試薬RLiでの反応により、一般式(9)の化合物を提供する。Jones酸化剤又はHIO/CrOで一般式(9)の化合物は酸化され、次いで一般式(4)の化合物を提供する。
【0180】
一般式(9)の化合物は、O−保護アミノエタノール(7)を一般式RC(OH)(OMe)のヘミアセタール化合物と反応させることによっても製造され得、イミンを与える。当該イミンとRMgX又はRLiとの反応であって、O−保護基の除去を引き起こす当該反応は、次いで、化合物(9)を提供する。
【0181】
あるいは、一般式(4)の化合物は、以下の方法(ii)に示されるように製造され得る。
【0182】
方法(ii)は、以下の:
【化9】

である。
【0183】
一般式(10)の化合物であって、LGが好適な離脱基、例えば、トリフルオロメタンスルホネートなどである当該離脱基であり、R、R、及びR4’が、本発明の要約における定義の通りである当該化合物(10)と、一般式(2)の化合物であって、R、R1a、及びRが、本発明の要約における定義の通りである当該化合物(2)との反応は、一般式(3)の化合物を提供する。当該反応は、好適な有機溶媒中で実施され、当該有機溶媒は、ハロゲン化有機溶媒であって、例えばメチレンクロライド、1,2−ジブロモエタンなど、エーテル溶媒であって、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、又は芳香族溶剤であって、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなど又はそれらの混合物を非制限的に含み、そして、場合により、有機塩基又は無機塩基の存在下において実施される。好ましくは、当該有機塩基はトリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、コリジン、ジイソプロピルエチルアミンなどである。好ましくは、無機塩基は、セシウム・カルボネート、ソジウム・カルボネート、ソジウム・ビカルボネートなどである。当該反応は、場合により、乾燥剤であって、例えば分子ふるいの存在下で実施される。好ましくは、当該反応は室温で実施される。
【0184】
一般式(10)の化合物は、本分野においてよくしられる方法により製造され得る。例えば、一般式(10)の化合物であって、Rがフェニル又は4−フルオロフェニルであり、Rがトリフルオロメチルであり、そしてR4’が水素である当該化合物(10)は、商業的に手に入れ得る2,2,2−トリフルオロアセトフェノン又は2,2,2,4’−テトラフルオロアセトフォン(tetrafluoroacetophone)のそれぞれから、当該ケト基を好適な還元剤によりアルコール基とすることにより容易に製造され得、当該還元剤は、例えば、ソジウム・ボロハイドライド、リチウム・アルミニウム・ハイドライドなどである。使用される当該溶媒は、還元剤の型に依存する。例えば、ソジウム・ボロハイドライドが使用されるとき、当該反応は、アルコール有機溶媒中で実施され、当該溶媒は、例えばメタノール、エタノールなどである。リチウム・アルミニウム・ハイドライドが使用されるとき、当該反応は、エーテル溶媒中で実施され、当該溶媒は、例えばテトラヒドロフランなどである。2,2,2−トリフルオロ−1−フェニルエタノール又は2,2,2−トリフルオロ−1−(4−フルオロフェニル)エタノールとトリフリック無水物との反応は、所望の化合物を提供する。一般式(10)のキラリー豊富化合物は、対応するハロゲン化アセトフェノンの好適な還元剤での還元により手に入れられ得、当該還元剤は、例えば、カテコールボラン又はBH3−DMS複合体であり、当該還元は好適な触媒であって、例えば、(S)又は(R)−CBS触媒若しくはBBN存在下の(S)又は(R)−α,α−ジフェニル−2−ピロリジン−メタノールの存在下で実施される。
【0185】
化合物(3)は、次いで、上記記載のように一般式(4)の化合物に変換される。
【0186】
化合物(4)は、一般式(5)のα−アミノアルコール化合物と反応し、一般式(I)の化合物を提供する。当該反応は、典型的に、好適なカップリング剤の存在下で実施され、当該カップリング剤は、例えば、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリスピロリジノホスホニウム・ヘキサフルオロホスフェイト{PyBOP(登録商標)}、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウム・ヘキサフルオロホスフェイト(HBTU)、0−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチル−ウロニウム・ヘキサフルオロホスフェイト(HATU)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド・ヒドロクロライド(EDC)又は1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)であり、場合により、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)、及び塩基であって、例えば、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリンなどの存在下で実施される。当該反応は、典型的に、20℃〜30℃で、好ましくは約25℃で実施され、そして完全に反応するまでに2〜24時間を要する。好適な反応溶媒は、不活性有機溶媒であって、例えば、ハロゲン化有機溶媒(例えば、メチレン・クロライド、クロロホルムなど)、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミドであり、エーテル溶媒であって、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどである。好ましくは、当該反応は、HOBt、及びジクロロメタン中のEDCと共に実施される。
【0187】
あるいは、化合物(I)は、最初に化合物(4)を活性酸誘導体、例えば、スクシニミド・エステルへ転換し、そして次いで、それとα−アミノアルコール(5)とを反応させることにより、化合物(4)から製造され得る。本反応において使用される条件は、活性酸素誘導体の性質に依存する。例えば、もし、それが化合物(4)の酸塩化物誘導体ならば、当該反応は好適な塩基(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジジンなどである)の存在下で実施される。好適な反応溶媒は、極性のある有機溶媒であって、例えば、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジクロルメタン又はそれらのいずれかの好適な混合物である。
【0188】
一般式(5)の化合物は、脱プロトン化反応条件下、ベンゾオキサゾール又はオキサゾロ[4,5−b]ピリジンなどとグリニャール試薬であって、例えば、イソプロピルマグネシウム・クロライドである当該試薬とを処理すること、そして次いで、当該結果物である有機マグネシウム剤と、RC(NHPG)CHOのアルファ−(N−保護アミノ)アルデヒドであって、ここで当該R及びRは、本発明の要約における定義の通りであり、PGは、好適なアミノ保護基(例えば、tert−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル又はベンジル)である当該アルデヒドを反応させることにより製造され得、酸性水溶液又はバッファーとの処理後に一般式(5)のN−保護化合物を提供する。当該アミノ保護基の除去は、次いで、一般式(5)の化合物を提供する。
【0189】
付加反応は、典型的に、エーテル有機溶媒であって、例えばテトラヒドロフラン、ジエチル・エーテル、ジオキサンなどであり、好ましくは、テトラヒドロフランであるエーテル有機溶媒中、約−78℃〜約40℃までの温度で実施される。好ましくは、当該反応は、約−10℃〜約40℃まで、より好ましくは、約−10℃〜約10℃までの温度で実施される。当該反応は、典型的に、完全に反応するまで1時間を要する。求核付加反応は、典型的に、約−10℃〜約室温までの温度で実施される。一般式RC(NHPG)CHOの化合物は、商業的に入手できる出発物質から、本分野においてよくしられた方法により製造され得る。
【0190】
当該アミノ保護基の除去のために採用される反応条件は、当該保護基の性質に依存する。例えば、もし、当該保護基がtert−ブトキシカルボニルである場合には、酸性反応条件下で除去される。好適な酸は、トリフルオロ酢酸(TFA)、塩酸などである。もし、当該保護基がベンジル又はベンジルオキシかルオボニルである場合には、触媒の水素化反応条件下で除去される。好適な触媒は、パラジウム、プラチナ、ロジウムを基底とした触媒及び本分野において知られるその他の触媒である。これらの除去の他の好適な反応条件は、Greene,T.W.;and Wuts,P.G.M.;Protecting Groups in Organic Synthesis;John Wiley & Sons,Inc.1999において見られる。当該反応は、不活性有機溶媒である、メチレン・クロライド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド中などで実施される。
【0191】
一般式(I)の化合物は、上記の反応条件下、最初に化合物(5)と、一般式(2)のN−保護アミノ酸であって、ここでRが水素である当該保護アミノ酸とが縮合し、その後当該アミノ保護基を除去し、そして当該遊離アミノ化合物と一般式(1)の化合物とが反応することによっても製造され得ることは、当業者に明らかであろう。
【0192】
一般式(I)の化合物は、他の一般式(I)の化合物に変換し得る。例えば、上記スキーム1において示すように、(I)内のヒドロキシ基の酸化であり、すなわち、化合物(I)であって、Rはヒドロキシであり、及びRは水素である当該化合物は、一般式(I)の化合物であって、RとRは一緒になってオキソを形成する当該化合物と対応する。当該反応は、好適な酸化剤と共に実施され、ここで当該酸化剤は、例えば、ハロゲン化された有機溶媒中のデス・マーチン・ペルヨージナン(DMP)であり、ここで当該有機溶媒が例えばメチレン・クロライド、クロロホルム、カーボン・テトラクロライドなどである当該有機溶媒中のDMP、又はTEMPO/漂白剤の混合物である。
【0193】
さらに、上記手順は、一般式(I)の製造化合物であって、ここで、R4’が、上記方法(i)に記載される手順を使用する水素以外であり、R4’COHをR4’COで置換すること、そして次いで、当該結果物である環状アミナルをR3Li/R3MgXと処理することにより製造される当該製造化合物にも使用され得、その後酸化により遊離酸を得る。当該遊離酸は、次いで、上記条件下で、化合物(5)と縮合され、化合物(I)を得る。
【0194】
あるいは、一般式(I)の化合物であり、ここで、Eは−C(R)(R)C(R)(R)R10であり、そしてここで、R、R1a、R、R、R、R、R、R及びRは、本発明の要約における定義通りであり、及びR4’は水素である当該一般式(I)の化合物は、以下に続く反応スキーム2:
【化10】

のような手順により、製造され得る。
【0195】
一般式(10)の化合物であり、ここでLGが好適な離脱基であって、例えばトリフルオロメタンスルホネートなどであり、そしてR、R及びR4’は本発明の要約における定義の通りである、当該一般式(10)の化合物と、一般式(11)の化合物であり、ここで、R、R1a、R、R、及びR10は本発明の要約における定義の通りであり、Rは水素であり、Rはヒドロキシである、当該一般式(11)の化合物との反応は、一般式(I)の化合物であり、ここで、R、R1a、R、R、R4’、R、R、及びR10は、本発明の要約における定義の通りであり、Rは水素であり、Rはヒドロキシである、当該一般式(I)の化合物を提供する。当該反応は、上記のように実施される。
【0196】
一般式(11)の化合物は、本分野においてよくしられる方法により製造され得る。一般式(I)の化合物であり、ここで、次いで、対応する一般式(I)の化合物であって、ここでRは水素であり、Rはヒドロキシである、当該一般式(I)の対応化合物へ転換され得る当該化合物は、対応する一般式(I)の化合物であり、ここでR及びRはオキソである、上記スキーム1における記載のような当該一般式(I)の化合物へ転換される。
【0197】
一般式(I)の化合物であり、ここで、Eは−C(R)(R)CH=CHS(O)10である当該一般式(I)の化合物は、以下のスキーム3:
【化11】

に示されるように製造され得る。
【0198】
一般式(12)のN−保護アミノ酸とN,O−ジメチルヒドロキシルアミン・ヒドロクロライドとの1価のトリエチルアミン及びN,N−ジシクロヘキシルカルボジイミドの存在下での反応は、N,O−ジメチルヒドロキサマート(Weinrebアミド)である化合物(13)を形成し、次いで、好適な還元剤であり、例えば、0.5価のリチウム・アルミニウム・ハイドライドである当該還元剤で、当該対応するアルデヒドである化合物(14)へ還元する。
【0199】
化合物(14)と、Wadsworth−Emmons試薬である(EtO)POCH2SO10である化合物(15)であり、ここで、R10が本発明の要約における定義の通りである当該化合物(15)との縮合は、ビニル・スルホンである化合物(16)を提供する。当該アミノ保護基の除去、その後に続く、結果物である遊離アミノ酸と上記記載のような一般式(4)の化合物との反応は、次いで一般式(I)の化合物を提供する。
【0200】
一般式(I)の他の化合物は、米国及びPCT出願公開番号第2003/0092634A1号、WO 02/098850号及びWO03/024924号、米国特許番号6,505,733号に開示される方法により製造され、これらの内容全体を本願明細書中に援用する。
【0201】
一般式(I)の化合物を製造するためのさらなる手順は、以下のものである。
一般式(I)の化合物は、医薬として認容される酸付加塩として、当該化合物の遊離塩基型と医薬として認容される無機酸又は有機酸との反応により製造され得る。あるいは、一般式(I)の化合物の医薬として認容される塩基付加塩は、当該化合物の遊離酸型と医薬として認容される無機塩基又は有機塩基との反応により製造され得る。無機又は有機の酸又は塩基であって、一般式(I)の化合物の医薬として認容される塩の製造のために好適な当該酸又は塩基は、本発明の定義において示される。あるいは、一般式(I)の化合物の塩型は、出発物質又は中間体の塩を使用して製造され得る。
【0202】
一般式(I)の化合物の遊離酸型又は遊離塩基型は、対応する塩基付加塩型又は酸付加塩型から製造される。例えば、酸付加塩型における一般式(I)の化合物は、好適な塩基(例えば、アンモニウム・ヒドロキシド溶液、水酸化ナトリウムなど)で処理することにより、当該対応する遊離塩基に転換し得る。塩基付加塩型における一般式(I)の化合物は、好適な酸(例えば、塩酸など)で処理することにより、当該対応する遊離塩基に転換し得る。
【0203】
一般式(I)の化合物のN−オキシドは、いわゆる当業者によく知られる方法により製造される。例えば、N−オキシドは、一般式(I)の化合物の非酸化型を酸化剤(例えば、トリフルオロ過酢酸、過マレイン酸、過安息香酸、過酢酸、meta−クロロペルオキシ安息香酸などである)で処理することにより製造され得、当該製造は、好適な不活性有機溶媒中(例えば、ハロゲン化炭化水素であって、例えばジクロロメタンである)において、約0℃で実施される。あるいは、一般式(I)の化合物のN−オキシドは、適切な出発物質のN−オキシドから製造され得る。
【0204】
非酸化型における一般式(I)の化合物は、還元剤で処理することにより、一般式(I)の化合物のN−オキシドから製造され得、ここで当該還元剤は、例えば、サルファー、サルファー・ジオキシド、トリフェニル・ホスフィン、リチウム・ボロハイドライド、ソジウム・ボロハイドライド、ホスホラス・トリクロライド、トリブロマイドなどであり、当該製造は、好適な不活性有機溶媒中(例えば、アセトニトリル、エタノール、ジオキサン水溶液などである)で、0℃〜80℃で製造され得る。
【0205】
一般式(I)の化合物のプロドラッグ誘導体は、いわゆる当業者によくしられる方法により製造され得る(例えば、さらに詳細には、Saulnier et al.(1994),Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters,Vol.4,p.1985を参照)。例えば、適切なプロドラッグは、非誘導体の一般式(I)の化合物と好適なカルバモイル化剤(例えば、1,1−アシルオキシアルキルカルボノクロライデイト、パラ−ニトロフェニル・カルボネートなどである)との反応により製造され得る。
【0206】
一般式(I)の化合物の保護誘導体は、いわゆる当業者によくしられる方法により製造され得る。保護基の製造及びそれらの除去に適用する技術の詳細な記載は、T.W.Greene,Protecting Groups in Organic Synthesis,第3版,John Wiley & Sons,Inc.1999に記載される。
【0207】
本発明の化合物は、便利に製造され得、又は本発明の方法内で、溶媒和物(例えば、ハイドレート)として生成される。本発明の化合物のハイドレートは、水性/有機性の溶媒和物混合物からの再結晶により、便利に製造され得、ここで当該製造は、有機溶媒であって、例えばジオキシン、テトラヒドロフラン又はメタノールである当該溶媒を使用して実施される。
【0208】
一般式(I)の化合物はそれぞれの立体異性体として製造され得、当該製造は、当該化合物のラセミ混合物と光学活性の分割剤との反応により、1組のジアステレオマー化合物を形成すること、当該ジアステレオマーを分離すること、及び光学的に純粋なエナンチオマーを回収することにより、実施される。さらに、エナンチオマーの分解は、一般式(I)の化合物の共有結合の誘導体を使用して実施され得、解離性混合物が好まれる(例えば、クリスタリン・ジアステレオ異性体の塩である)。ジアステレオマーは、区別できる顕著な物理的特性(例えば、融点、沸点、溶解度、反応性などである)を有しており、これらの相違点を利用して、容易に分離できる。当該ジアステレオマーは、クロマトグラフィーにより、好ましくは、溶解度における違いを基本とする分離/溶解の技術により、分離し得る。当該光学的に純粋なエナンチオマーは、次いで分割剤と一緒に、ラセミ化を生じさせないであろういずれかの実用的手段により回収される。ラセミ混合物からの立体異性体の分解に適用する技術の、さらに詳細な記載は、Jean Jacques Andre Collet,Samuel H.Wilen,Enantiomers,Racemates and Resolutions,John Wiley & Sons,Inc.(1981)見つけられる。
【0209】
生物製剤の製造
本発明の実施において、数個の生物製剤の産生又は精製方法が使用される。当該生物製剤の製造は、下記のように本分野においてよく知られている。
【0210】
モノクローナル抗体は、標準的技術であって、本分野においてよく知られる技術を使用して製造され、当該技術は例えば、Kohler and Milstein,Nature 1975,256:495の方法又はその改良、Buck et al.1982,In Vitro 18:377により記載される技術である。典型的に、マウス又はラットは、蛋白質担体に接合するMenB PS誘導体で免疫され、ブーストされ、そして、当該脾臓(及び、場合により、いくつかの大リンパ節)を除去され及び単細胞へと解離される。所望の際には、当該脾臓細胞は、細胞懸濁液を抗原でコートされたプレート又はウェルにアプライすることによりスクリーニングされ得る。B細胞であって、抗原に対して特異的な膜結合型イムノグロブリンを発現するものは、プレートに結合し、及び当該懸濁液の残りでリンスしても除去されないであろう。次いで、結果物であるB細胞又は全ての解離させた脾臓細胞を誘導し骨髄腫細胞と融合させ、ハイブリドーマを形成させる。ハイブリダイゼーションの使用のための表現型マウス骨髄腫株は、American Type Culture Collection(ATCC)から入手できるものを含む。
【0211】
人間及び非人間アミノ酸配列から構成されるキメラ抗体は、マウスモノクローナル抗体分子から形成され得、人間における免疫原性を低下する(Winter et al.Nature 1991 349:293;Lobuglio et al.Proc.Nat.Acad.Sci.USA 1989 86:4220;Shaw et al.J Immunol.1987 138:4534;及びBrown et al.Cancer Res.1987 47:3577;Riechmann et al.Nature 1988 332:323;Verhoeyen et al.Science 1988 239:1534;及びJohn et al.Nature 1986 321:522;欧州特許公開番号第519,596号であって、1992年12月23日に公開されたもの;及び英国特許公報番号第GB 2,276,169号であって、1994年9月21日に公開されたもの)。
【0212】
抗体分子断片であり、例えばF(ab’)sub.2、FV、及びsFv分子であり、親モノクローナル抗体分子の免疫学的結合特性を提示する可能性がある当該抗体分子断片は、既知技術を使用して製造され得る。Inbar et al.Proc.Nat.Acad.Sci.USA 1972 69:2659;Hochman et al.Biochem.1976 15:2706 ;Ehrlich et al.Biochem.1980 19:4091;Huston et al.Proc.Nat.Acad.Sci.USA 1988 85(16):5879;及び米国特許番号第5,091,513号及び5,132,405号,及び米国特許番号第4,946,778号。
【0213】
あるいは、ファージ提示システムは、当該モノクローナル抗体分子の試験管内の個体数を拡張するために使用され得る。Saiki,et al.Nature 1986 324:163;Scharf et al.Science 1986 233:1076;米国特許第4,683,195号及び4,683,202号;Yang et al.J.Mol.Biol.1995 254:392;Barbas,III et al.Methods:Comp.Meth Enzymol.1995 8:94;Barbas,.III et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 1991 88:7978.
【0214】
ファージ提示ライブラリーから選択されるFab分子の重鎖及び軽鎖部分のコーディング配列は、単離又は合成され得、そして、発現のためのいずれかの好適なベクター又はレプリコンへ複製される。いずれかの好適な発現システムであって、例えば、細菌、酵母、昆虫、両生類、及び哺乳類系を含む当該発現システムが使用される。細菌内の発現システムは、Chang et al.Nature 1978 275:615、Goeddel et al.Nature 1979 281:544、Goeddel et al.Nucleic Acids Res.1980 8:4057、欧州出願番号第EP36,776号、米国特許番号第4,551,433号、deBoer et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 1983 80:21−25、及びSiebenlist et al.Cell 1980 20:269における記載を含む。
【0215】
酵母内発現システムは、Hinnen et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 1978 75:1929、Ito et al.J.Bacteriol.1983 153:163、Kurtz et al.Mol.Cell.Biol.1986 6:142、Kunze et al.J.Basic Microbiol.1985 25:141、Gleeson et al.J.Gen.Microbiol.1986 132:3459、Roggenkamp et al.Mol.Gen.Genet.1986 202:302、Das et al.J.Bacteriol.1984 158:1165、De Louvencourt et al.J.Bacteriol.1983 154:737、Van den Berg et al.Bio/Technology 1990 8:135、Kunze et al.J.Basic Microbiol.1985 25:141、Cregg et al.Mol.Cell.Biol.1985 5:3376、米国特許番号第4,837,148号及び第4,929,555号、Beach et al.Nature 1981 300:706、Davidow et al.Curr.Genet.1985 10:380、Gaillardin et al.Curr.Genet.1985 10:49、Ballance et al.Biochem.Biophys.Res.Commun.1983 112:284−289、Tilburn et al.Gene 1983 26:205−221、Yelton et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 1984 81:1470−1474、Kelly et al.EMBO J.1985 4:475479;欧州出願番号第EP244,234号、及び国際特許公開第WO91/00357号における記載を含む。
【0216】
昆虫内の異種遺伝子の発現は、米国特許番号第4,745,051号、欧州出願番号第EP127,839号及び第EP155,476号、Vlak et al.J.Gen.Virol.1988 69:765−776、Miller et al.Ann.Rev.Microbiol.1988 42:177、Carbonell et al.Gene 1988 73:409、Maeda et al.Nature 1985 315:592−594、Lebacq−Verheyden et al.Mol.Cell.Biol.1988 8:3129、Smith et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 1985 82:8404、Miyajima et al.Gene 1987 58:273、及びMartin et al.DNA 1988 7:99における記載のように遂行される。多数のバキュロウイルス株及び変異株及び対応する許容状態の宿主由来の昆虫の宿主細胞は、以下の文献において記載され、ここで当該文献は、Luckow et al.Bio/Technology 1988 6:47−55、Miller et al.GENETIC ENGINEERING、Setlow,J.K.et al.eds.,Vol.8,Plenum Publishing,pp.1986 277−279、及びMaeda et al.Nature 1985 315:592−594である。
【0217】
哺乳類の発現は、以下の文献におけるような記載のように遂行され、当該文献は、EMBO J.1985 4:761、Gorman et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 1982 79:6777、Boshart et al.Cell 1985 41:521、及び米国特許番号第4,399,216号である。哺乳類の発現の他の特徴は、以下の文献に記載されるように容易に特徴付けられ、ここで当該文献は、Ham et al.Meth.Enz.1979 58:44、Barnes et al.Anal.Biochem.1980 102:255、米国特許番号第4,767,704号、第4,657,866号、第4,927,762号、4,560,655号及び再発行米国特許出願第RE30,985号、及び国際公開番号第WO90/103430号、第WO87/00195号である。
【0218】
組換えアデノウイルスベクターの製造は、米国特許番号第6,485,958号に記載される。
【0219】
ボツリヌス毒素A型は、発酵槽においてボツリヌス菌の定着、及び培養することにより、手に入れ得、次いで、既知の手順に従って、発酵混合液を回収し、精製する。
【0220】
上記蛋白質製造方法のいずれかが使用され、生物製剤であって、本発明の利益を享受する当該生物製剤を提供する。
【0221】
有用性
本発明の化合物は、システイン・プロテアーゼの選択的阻害剤であり、特にカテプシンS、K、B、及び/又はFであり、従って、疾患を治療することに役立ち、ここで当該疾患とは、システイン・プロテアーゼ活性が疾病の病状及び/又は徴候の一因となるものをいう。例えば、本発明の化合物は、自己免疫疾患の治療において有用であり、当該疾患は、若年発症糖尿病、乾癬、多発性硬化症、尋常性天疱瘡、グレーブス病、重症筋無力症、全身性紅斑性狼瘡、関節リウマチ、及び橋本甲状腺炎、アレルギー疾患であって、喘息、臓器移植又は移植組織片を非制限的に含む同種免疫応答、及び子宮内膜症を非制限的に含む当該アレルギー疾患を非制限的に含む。
【0222】
カテプシンSは、以下の疾病に関し、当該疾病は、過剰なエラストリシスであって、例えば、慢性閉塞性肺疾患(例えば、肺気腫)、気管支梢炎、喘息及び気管支炎における過剰な気管エラストリシス、肺炎及び心臓血管疾患であって、例えば粥腫崩壊及び粉瘤である当該心臓血管疾患を含む。カテプシンSは繊維形成に関し、それ故、カテプシンSの阻害剤は、全身性アミロイドーシスの治療において有用である。さらに、中間体(4)は、α4インテグリンであって、例えば、VLA4及びα4β7のような当該インテグリン、アンタゴニストとして有用であり、それ故、疾病の治療に有用であり、ここで当該疾病は、例えば、関節リウマチ、多発性硬化症、喘息、炎症性腸疾患、及びクローン病のような慢性炎症疾患である。
【0223】
試験
一般式(I)の化合物のシステイン・プロテアーゼの阻害活性は、いわゆる当業者によく知られる方法により、確定できる。好適な試験管内の評価であって、試験化合物によりプロテアーゼ活性及びその阻害を測るためのものは、既知である。典型的に、当該評価は、ペプチド系基質のプロテアーゼ誘導加水分解を測定する。プロテアーゼ阻害活性を測るための評価の詳細は、下記の生物製剤実施例1〜5において、説明される。
【0224】
中間体(4)のVLA−4アンタゴニスト活性は、米国特許番号第6,229,01号及び同第6,482,840号に記載される評価を使用することにより試験され、その内容全体を本願明細書中に援用する。
【0225】
医薬組成物の投与
一般的に、一般式(I)の化合物は、治療有効量内で、本分野において知られる通常の受け入れられる様態のいずれかを経由して投与され、当該投与は、単一で、あるいは1つ又は複数の治療薬と併用でのいずれかで実施されるであろう。治療有効量は、疾患の重篤度、患者の年齢及び相対的健康状態、使用する化合物の効力、及びその他の要因に依存して大いに異なる。例えば、治療有効量の一般式(I)の化合物は、1日につき、体重1キログラムにつき、約10マイクログラム〜約20ミリグラム(つまり、約10μg/kg〜約20mg/kg)の範囲であり、典型的には約100μg/kg/日〜約10mg/kg/日の範囲である。それ故、体重80kgの患者の治療有効量は、約1mg/日〜約1.6g/日の範囲であり、典型的には、約1mg/日〜約100mg/日の範囲である。一般的に、いわゆる当業者であって、自己の知識及び本出願の開示に依存する者は、疾病を治療するための一般式(I)の化合物の治療有効量を確定できるであろう。
【0226】
一般式(I)の化合物は、以下の経路の内の1つより、医薬組成物として投与され得、当該経路は、経口、全身投与(例えば、経皮、経鼻又は座薬による投与)又は非経口(例えば、筋肉内、静脈内又は皮下の投与)である。組成物は以下の形態をとり得、当該形態は、タブレット、錠剤、カプセル、半固形、粉状、徐放製製剤、溶液、懸濁液、エリキシリル剤、エアロゾル、又はその他いずれかの適切な組成であり、そして、当該組成物は、一般的に、一般式(I)の化合物と少なくとも1つの医薬として認容される賦形剤との混合からなる。認容される賦形剤は、毒性が無く、投与を助け、及び活性成分の治療有用性にマイナス影響を与えないものである。そのような賦形剤は、固形、液体、半固形又は場合によりエアロゾル組成であり、ガス状賦形剤であって、一般的に当業者にとって有用なものである。
【0227】
固形の医薬賦形剤は、でんぷん、セルロース、滑石、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、石灰粉、シリカ・ゲル、マグネシウム・ステアレート、ソジウム・ステアレート、グリセロール・モノステアレート、ソジウム・クロライド、乾燥スキムミルクなどを含む。液体及び半固形賦形剤は、水、エタノール、グリセロール、プロピレン・グリコール及び様々な油であって、石油、動物油、植物油又は合成起源(ピーナッツ油、大豆油、鉱油、ゴマ油など)の油を含む当該油から選択される。好ましい液状担体は、特に注射剤として、水、生理食塩水、水性デキストロース及びグリコールを含む。
【0228】
組成物中の一般式(I)の化合物の量は、形態の型、投与剤のサイズ、賦形剤の種類及び薬学分野のいわゆる当業者に知られるその他の要因に依存して大いに異なる。一般的に、疾患の治療としての一般式(I)の化合物の組成は、0.01%w〜10%w、好ましくは、0.3%w〜1%wの活性成分と賦形剤となる残留物又は賦形剤とでなる。好ましい当該医薬組成物は、継続治療のための単一投与形態、又は症状の救済が特に必要なときの任意の単一投与形態で投与される。一般式(I)の化合物を含む代表的医薬組成物は、以下の実施例1に記載する。
【実施例】
【0229】
実施例
本発明を以下の本発明に係る一般式(I)の化合物の製造を示す例(実施例)及び中間体の製造を示す例(参考例)により非制限的に例示する。
【0230】
実施例A
2(RS)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−4(RS)−(2−メトキシフェニル)ペンタン酸の合成
【化12】

【0231】
d,l−2−メトキシ−α−メチルベンジル・アルコール(0.5g、3.29mmol)に48%の水を加えた。HBr(2mL)及び当該反応混合物を1.5時間、急速に攪拌した。当該反応混合物をヘキサン(30mL)で希釈し、水で洗浄し、MgSOで乾燥し、ろ過し、及び真空下蒸発させた。当該粗製d,l−2−メトキシ−α−メチルベンジル・ブロマイドを、ベンゼン(5ml)中のトリブチルすず・ハイドライド(0.67mL、2.49mmol)、Z−デヒドロアラニン・メチル・エステル(0.25g、1.06mmol)、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(15mg、0.09mmol)の溶液に加えた。当該反応混合物を窒素雰囲気下、80℃で5時間加熱した。ベンゼンを真空下で除去し残留物をメタノール(20mL)に溶解した。2NのKOH(5mL)を加え、そして当該混合物を室温で朝まで急速に攪拌した。メタノールを真空下で除去し、残留物を水(20mL)で希釈した。当該水溶液をエーテルで洗浄し、すず副産物を除去した。当該水層を6NのHCl(水溶液)で酸性化し、そして当該生成物を酢酸エチルで抽出した。混合された有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、ろ過し、及び真空下で蒸発させ、ジアステレオマーの混合物としての2−ベンジルオキシ−カルボニルアミノ−4−(2−メトキシフェニル)ペンタン酸(190mg、0.53mmol)であって、さらなる精製なしで使用し得る十分に純粋な型の当該化合物を得た。MS:(M+H)358、(M−H)356。
【0232】
上記手順の後、そして適切な出発物質を使用し、以下のアミノ酸:
2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−4−(2−メトキシフェニル)へキサン酸;
2−ベンジルオキシ−カルボニルアミノ−4−(4−フルオロフェニル)ペンタン酸;
2−ベンジルオキシ−カルボニルアミノ−4−(4−クロロフェニル)ペンタン酸;
2−ベンジルオキシ−カルボニルアミノ−4−(4−メトキシフェニル)ペンタン酸;
2−ベンジルオキシ−カルボニルアミノ−4−(2−トリフルオロメチルフェニル)ペンタン酸;
2−ベンジルオキシ−カルボニルアミノ−4−(3−トリフルオロメチルフェニル)ペンタン酸;
2−ベンジルオキシ−カルボニルアミノ−4−(ナフチ−1−イル)ペンタン酸;
2−ベンジルオキシ−カルボニルアミノ−4−(2,6−ジメチルフェニル)ペンタン酸;
2−ベンジルオキシ−カルボニルアミノ−4−(2,4−ジフルオロフェニル)ペンタン酸;
2−ベンジルオキシ−カルボニルアミノ−4−(2,4−ジメチルフェニル)ペンタン酸;
2−ベンジルオキシ−カルボニルアミノ−4−(2,5−ジメチルフェニル)ペンタン酸;及び
2−ベンジルオキシ−カルボニルアミノ−4−(2,4−ジクロロフェニル)ペンタン酸;
を製造した。
【0233】
当該ベンジルオキシカルボニル基を以下の実施例Cに記載のように除去し、対応する遊離アミノ酸を得た。
【0234】
実施例B
2(S)−2,6−ジフルオロフェニルアラニンの合成
【化13】

【0235】
ステップ1
N−(ベンジルオキシカルボニル)−α−ホスホノグリシン・トリメチル・エステル(Aldrich NO.37,635−3;6.7g、20mmol)及び1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデス−7−エン(Aldrich NO.13,900−9;3.3mL、22mmol)をメチレン・クロライド(11mL)に溶解し、そして室温で15分間攪拌し、そして次いで、<−30℃まで冷却した。メチレン・クロライド(25mL)中2,6−ジフルオロベンズアルデヒド(1.9mL、20mmol)溶液を反応混合物に20分間以上かけて滴下して加えた。当該反応混合物をさらに20分間攪拌し、そして次いで、室温まで30分間温めておいた。当該反応混合物を次いで、エチル・エーテル(300mL)に注ぎ、そして1NのHCl、ブラインで洗浄し、そしてMgSO4で乾燥した。ロータリー・エバポレーションで、2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−(2,6−ジフルオロフェニル)アクリル酸・メチル・エステルを得た。この粗製生成物を中圧液体カラム(MPLC)であるクロマトグラフィーにより、20%酢酸エチル/80%ヘキサンで溶出しながら精製し、純粋生成物を得た(5g、収率72%、液体)。
【0236】
ステップ2
2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−(2,6−ジフルオロフェニル)アクリル酸(14.4mmol)、及び触媒、(+)−1,2−ビス−[(2S,5S)2,5−ジエチルホスホラノ]ベンゼン(シクロオクタジエン)ロジウム(1)トリフルオロメタンスルホネート(Strem.Chemical NO.45−0151;104mg、0.14mmol)の混合物をエタノール(150mL)中に溶解した。水素化を2日以上かけて室温で50psiHで実施した。当該溶媒を次いで、ロータリーエバポレーションにより除去し、2(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−(2,6−ジフルオロフェニル)プロピオン酸・メチル・エステルを得た。
【0237】
ステップ3
2(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−(2,6−ジフルオロフェニル)プロピオン酸・メチル・エステル(5g、14.4mmol)をメタノール(60mL)中に溶解し、そして氷上で冷却した。1NのNaOH(22mL、22mmol)を15分間以上かけて滴下して加えた。当該反応混合物を冷却から移動し、そして室温で4時間攪拌した。当該溶媒を次いで、ロータリーエバポレーションにより除去した。当該残留物を水(100mL)で処理し、そして次いで、1NのHClでpHを4に調整した。当該生成物を酢酸エチル(300mL、200mL)で抽出した。当該溶媒のエバポレーション及びメチレン・クロライド/へキサンからの残留物の結晶化により、2(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−(2,6−ジフルオロ−フェニル)プロピオン酸(4.6g、13.7mmol、収率94%)を得た。
【0238】
ステップ4
2(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−(2,6−ジフルオロフェニル)プロピオン酸をエタノール(25mL)中、50psiHで、活性化した炭素(600mg)について5%パラジウムの存在下、24時間水素化した。当該触媒をセリットを介すろ過により除去し、そして、当該溶媒を蒸発させ、残留物であって、エチル・エーテルから結晶化され、2(S)−2,6−ジフルオロフェニルアラニン(2.2g、11mmol、収率80%)となり:
【化14】

である当該残留物を得た。
【0239】
実施例C
2(RS)−アミノ−4(RS)−6,6−トリメチルヘプタン酸の合成
【化15】

【0240】
ステップ1
3,5,5−トリメチルヘキサナール(17.4mL、0.10mol)、アンモニウム・クロライド(53.5g、0.205mol)及びジエチル・エーテル(113mL)の混合物に、水(38mL)中ソジウム・シアニド(7.35g、0.15mol)を加えた。当該反応混合物を16時間激しく攪拌しておいた。層に分離した。水層をジエチル・エーテルで抽出した。当該混合有機層を次いで、1NのHClで抽出した。次いで、1−シアノ−3,5,5−トリメチル−ヘキシルアミンが完全に沈殿するまで、飽和重炭酸ナトリウムを加えた。真空ろ過及び5mLの氷水での洗浄、その後凍結乾燥することにより、白色固形物である1−シアノ−3,5,5−トリメチルヘキシルアミン(5.805g、0.034mol、34.5%)を得た。
【0241】
ステップ2
1−シアノ−3,5,5−トリメチルヘキシルアミン(1.02g、5.0mol)を6NのHCl(10mL)で処理し、そして還流で30時間加熱する。当該反応混合物を室温まで冷却しておいた。水(50mL)を加え、そして当該混合部をジエチル・エーテルで洗浄した。当該水層を2MのKOHでpH8.5まで塩基性化した。真空ろ過により集め、白色沈殿物を形成させ、そして当該白色沈殿物を凍結乾燥して2(RS)−アミノ−4(RS),6,6−トリメチル−ヘプタン酸(364mg)を得た。
【0242】
実施例D
2(RS)−アミノ−4−メチル−4−フェニルペンタン酸の合成
【化16】

【0243】
ステップ1
4−メチル−4−フェニル−1−ペンテンを、Cella,J.Org.Chem.,1982,47,2125−2130の方法による、2−フェニル−2−プロパノールと3−(トリメチルシリル)プロペンとの反応により製造した。
【0244】
ステップ2
4−メチル−4−フェニル−1−ペンテンをジクロロメタン中−78℃で、オゾン化し、その後、ジメチル・スルフィドで急冷し粗製生成物を得て、シリカ・ゲル・クロマトグラフフィーにより精製し、3−メチル−3−フェニルブタナールを得て、次いでPCT国際公開第WO2004/052921号の出願の68ページのReference Cの記載のような手順により、表題の化合物へ転換させた。
【0245】
実施例E
2(RS)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−4−エチルヘキサノン酸の合成
【化17】

【0246】
ステップ1
N−メチルピロリドン(8mL)中の2−ベンジルオキシカルボニルアミノマロン酸・ジエチル・エステル(Bladon,C.M.J.Chem.Soc.Perkin Trans.1990,1,1151−1158)(1.237g)、ヨード−2−エチルブタン(1.272g)及びリチウム・ヒドロキシド(0.287g)の混合物を室温で2日間攪拌し、そして次いで氷水で希釈した。当該水溶液をエーテルで抽出し、そして当該生成物をシリカ・ゲル・クロマトグラフィーにより精製し、2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−(2−エチルブチル)マロン酸・ジエチル・エステル(0.520g)を得た。
【0247】
ステップ2
エタノール(5mL)中の2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−(2−エチルブチル)マロン酸・ジエチル・エステル(0.520g)の溶液を水酸化ナトリウム(2.91mL、1N)で処理し、そして次いで、室温で8時間攪拌した。当該反応混合物を水で希釈し、そしてHClで酸性化し、次いで当該生成物を酢酸エチルで抽出し2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−(2−エチルブチル)マロン酸・モノエチル・エステル(0.461g)を得た。
【0248】
ステップ3
2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−(2−エチルブチル)マロン酸・モノエチル・エステルを75℃で水酸化ナトリウム(5mL、1N)と共にエタノール(5mL)中、3時間加熱し、そして2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−(2−エチルブチル)マロン酸を酸性化反応混合物の抽出により単離した。2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−(2−エチルブチル)マロン酸を103℃で1時間加熱し、当該結果物である残留物をシリカ・ゲル・カラムクロマトグラフィーにより精製し、2(RS)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−4−エチルへキサン酸(0.220g)を得た。
【0249】
実施例F
2(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−ピラゾール−1−イルプロピオン酸の合成
【化18】

【0250】
表題の化合物をS−ベンジルオキシカルボニルセリン−β−ラクトンをピラゾールで、アセトニトリル中60℃で16時間処理することにより製造した(J.Am.Chem.Soc.,1985,107,7105−7109を参照のこと)。
【0251】
上記手順に従い、しかしピラゾールを1,2,4−トリアゾール及び1,2,3−トリアゾールで置換することにより、2(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−[1,2,4」−トリアゾール−1−イルプロピオン酸及び2(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−[1,2,3」−トリアゾール−1−イルプロピオン酸をそれぞれ得た。
【0252】
実施例G
2(S)−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−1−(オキサゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル)ブタン−1−オルの合成
【化19】

【0253】
ステップ1
2−アミノ−3−ヒドロキシピリジン(11g、100mmol)、トリエチルオルトホルメート(80mL)、及びp−トルエンスルホン酸(61mg)の混合物を140℃で8時間加熱した。余分なトリエチルオルトホルメートを真空下除去し、そしてオキサゾロ[4,5−b]ピリジンを酢酸エチル(9g)から結晶化した。
【0254】
ステップ2
THF(30mL)中のオキサゾロ[4,5−b]ピリジン(600mg、5mmol)をスターラー入りの塵ひとつない丸底フラスコ中に置き、当該反応混合物を窒素雰囲気下、0℃まで冷却した。イソプロピルマグネシウム・クロライド(THF中2M、2.5mL、5mmol)を加えた。0℃で1時間攪拌後、THF(20mL)中に(S)−2−(tert−ブトキシカルボニル)アミノブチルアルデヒド(573mg、3mmol)を加えた。氷槽を取り除き、そして当該反応混合物を室温へ温めておいた。2時間後、当該反応混合物を飽和アンモニウム・クロライド溶液で急冷し、そして乾燥のため濃縮した。当該残留物をEtOAcで抽出し、次いでブラインで洗浄し、無水MgSOで乾燥し、ろ過し濃縮した。当該粗製生成物をクロマトグラフにより精製し、所望の化合物:
【化20】

の383mgを得た。
【0255】
実施例H
2(S)−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−3−チアゾール−2−イルプロピオン酸の合成
【化21】

【0256】
アセトニトリル(6mL)と0.2MのNaHCO水溶液との混合物中の2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−チアゾール−2−イルプロピオン酸・メチル・エステル(500mg、1.75mmol)にAlcalase(2.4L、0.08mL)を加え、そして当該溶液を室温で約2.5時間激しく攪拌した。次いで、当該反応混合物を30℃で蒸発させてアセトニトリルを除去し、そして、当該残留水溶液をエーテルで洗浄した。当該水層を6NのHClでpH3に酸性化し、そして当該溶液を酢酸エチルで抽出した。次いで、当該混合有機層を乾燥及び蒸発させ、2(S)−tert−ブトキシカルボニル−アミノ−3−チアゾール−2−イル−プロピオン酸(204mg)を得た。
【0257】
参考例I
4(S)−アミノ−2,2−ジフルオロ−3−ヒドロキシヘキサン酸・ジメチルアミドの合成
【化22】

【0258】
活性亜鉛粉(2.16g、33mmol)を乾燥THF(2mL)中に懸濁した。THF(10mL)中のエチル・ブロモジフルオロ・アセテート(6.5g、32mmol)と(1S)−(1−ホルミルプロピル)カルバミン酸・tert−ブチル・エステル(2g、10.7mmol)との混合物を20分間以上かけて加え、その間当該反応混合物を超音波で分解(ソニケーション)した。完全に加えた後、ソニケーションをさらに30分間続けた。次いで、当該反応混合物を酢酸エチル(200mL)で希釈し、そして1NのKHSO水溶液、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、そして蒸発させた。当該粗製製造物をエタノール(15mL)で溶解し、そしてジメチルアミン(水中40%;2mL)の溶液を加えた。周囲温度で16時間攪拌した後、当該溶液を蒸発させ、そして当該製造物をシリカ・ゲル・フラッシュ・クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチルの比は3:1である)により精製し、TFA/ジクロロメタン(1:1、6mL)の混合物中に溶解した無色の油の200mgの4(S)−Boc−アミノ−2,2−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−へキサン酸・ジメチルアミドを得て、1時間攪拌し、そして蒸発させ乾燥させた。当該生成物である(S)−4−アミノ−2,2−ジフルオロ−3−ヒドロキシへキサン酸・ジメチルアミドを当該TFAの塩として手に入れ、そしてさらなる精製なしで使用した。
【0259】
参考例J
3(S)−アミノ−2−ヒドロキシ−ペンタン酸・ベンジルアミドの合成
【化23】

【0260】
ステップ1
(1S)−(2−シアノ−1−エチル−2−ヒドロキシエチル)カルバミン酸・tert−ブチル・エステル(10g、46.7mmol)を1,4−ジオキサン(100mL)中に溶解した。アニソール(5mL)を加え、次いで濃HCl(100mL)を加えた。当該反応混合物を還流下、24時間加熱した。当該反応混合物を真空下で蒸発させ乾燥し、100mLの水に再溶解した。当該溶液をエーテルで洗浄し、そして次いで飽和NaHCO水溶液で中和した。ジ−tert−ブチルジカルボネート(10g、46mmol)を1,4−ジオキサン(200mL)と共に加え、そして当該反応混合物を周囲温度で24時間攪拌した。当該ジオキサンを真空下除去し、そして残りの水溶液をエーテルで洗浄した。当該溶液を1NのHClで酸性化し、そして酢酸エチルで抽出した。当該混合有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、そして蒸発させ、黄色がかった油のような3(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシ−ペンタン酸(4.5g)を得た。
【0261】
ステップ2
3(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシ−ペンタン酸(300mg、1.29mmol)をEDC(400mg、2.1mmol)及びHOBt(400mg、2.6mmol)と混合した。ジクロロメタン(4mL)中のベンジルアミン(0.22mL)及び4−メチルモルホリン(0.5mL)の溶液を加え1つにした。当該反応混合物を周囲温度で2時間攪拌した。酢酸エチル(150mL)で希釈した後、当該溶液を1NのHCl水溶液、水、飽和NaHCO水溶液、及びブラインで洗浄した。当該結果混合物を硫酸マグネシウムで乾燥し、そして真空下蒸発させ、白色固形物のような3(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシ−ペンタン酸・ベンジルアミド(380mg)を得た。
【0262】
ステップ3
3(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシペンタン酸・ベンジルアミドをTFA/ジクロロメタン(1:1;6mL)の混合物に溶解し、1時間攪拌し、そして蒸発させ乾燥した。3(S)−アミノ−2−ヒドロキシペンタン酸・ベンジルアミドを当該TFA塩として手に入れ、そしてさらなる精製なしに使用した。
【0263】
参考例K
2(S)−アミノ−1−(3−フェニル−[1,2,4]イキサジアゾール−5−イル)−ブタン−1−オルの合成
【化24】

【0264】
3(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシペンタン酸(5000mg、2.14mmol)を、EDC(600mg、3.14mmol)、HOBt(600mg、3.92mmol)、及びN−ヒドロキシ−ベンズアミジン(292mg,2.14mmol)と混合した。ジクロロメタン(10mL)を加え、そして次いで4−メチルモルホリン(1mL)を加えた。当該反応混合物を周囲温度で16時間攪拌した。酢酸エチル(200mL)で希釈した後、当該溶液を水(30mL)、飽和NaHCO水溶液、及びブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、そして真空下蒸発させた。当該粗製生成物をピリジン(10mL)で溶解し、そして80℃で15時間加熱した。当該ピリジンを真空下蒸発させ、そして当該残留物をシリカ・ゲル・フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、2(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−1−(3−フェニル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)−ブタン−1−オル(290mg)を得た。(S)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−1−(3−フェニル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)−ブタン−1−オル(145mg、0.41mmol)をCHCl(4mL)中に溶解し、TFA(4mL)を加えた。1時間攪拌後、当該反応混合物を蒸発し乾燥させて、2(S)−アミノ−(3−フェニル−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)−ブタン−1−オルを得た。
【0265】
参考例L
2(S)−アミノ−1−(2−フェニル−[1,3]ジチアン−2−イル)−ヘキサン−1−オルの合成
【化25】

【0266】
ステップ1
2−フェニル−1,3−ジチアン(Aldrich)(3.79mg;19.3mmol)を窒素雰囲気下、乾留THF(20mL)と混合した。当該溶液を−60℃まで冷却し、そしてn−ブチル・リチウム(ペンタン中1.6M、1.56mmol、9.74mL)をシリンジにより、ゆっくりと加えた。当該反応混合物を−20℃まで温め、そして30分間当該温度で置き、そして次いで−10℃で15分間置いた。当該黄色の溶液を−78℃まで冷却し、そして(1(S)−ホルミルペンチル)−カルバミン酸・tert−ブチル・エステル(THF5mL中、1.6g、1.4mmol)を素早く加え(20秒過)、そして60秒後、酢酸(2mL)及びTHF(5mL)の混合物を素早く加えた。23℃まで温めた後、当該溶液を減圧濃縮した。余分な2−フェニル−1,3−ジチアンをその結晶化により所望の生成物から除去し、当該除去はヘキサン中、最小の酢酸エチルを使用して実施した。当該母液を濃縮し、そしてヘキサン−酢酸エチルの勾配を使用してクロマトグラフにかけ{1(S)−[ヒドロキシ−(2−フェニル−[1,3]ジチアン−2−イル)−メチル]ペンチル}カルバミン酸・tert−ブチル・エステル(1.7g、収率56%)を得た。
【0267】
ステップ2
ジオキサン(2.7mL)中の{1(S)−[ヒドロキシ−(2−フェニル−[1,3]ジチアン−2−イル)−メチル]ペンチル}カルバミン酸・tert−ブチル・エステル(608mg、1.47mmol)に、塩酸(2.7mL、ジオキサン中4M)を10℃で加えた。当該溶液を23℃まで温めた。3時間後、当該溶液をトルエン(5mL)で溶解し、そして減圧下濃縮した。当該ゴム状固体をジエチルエーテルで洗浄し、2(S)−アミノ−1−(2−フェニル−[1,3]ジチアン−2−イル)−ヘキサン−1−オル(414mg)であって、減圧下で余分なエーテルの除去後に自由流動固体としての当該性生物を得た。
【0268】
参考例M
3−アミノ−4−ヒドロキソピロリジン−1−カルボキシル酸・tert−ブチル・エステルの合成
【化26】

【0269】
ステップ1
6−オキサ−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボキシル酸・tert−ブチル・エステル(12.1g、65.3mmol)を8:1のメタノール/水混合物(108mL)中に溶解した。アンモニウム・クロライド(15g)及びソジウム・アジド(21.4g、329mmol)を加え、そして当該反応混合物を60℃で、朝まで加熱した。エーテル(500mL)で希釈後、当該反応混合物を飽和NaHCO水溶液(200mL)及びブライン(200mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、真空下蒸発させた。当該粗製生成物をメタノール(200mL)中に溶解した。活性化した炭素(1.5g)について10%パラジウムを加え、そして当該反応混合物を周囲温度で水素雰囲気下、TLC分析で当該出発物質の消失が示されるまで攪拌した。当該反応混合物をCelite(登録商標)のパッドを通してろ過し、真空下で蒸発し乾燥した。当該生成物をシリカ・ゲル・フラッシュ・クロマトグラフィーにより精製し、ここで、当該クロマトグラフィーは酢酸エチル中5%〜20%のメタノール、酢酸エチル中3%トリエチルアミンを使用して実施され、黄色がかった固形物として3−アミノ−4−ヒドロキシ−ピロリジン−1−カルボキシル酸・tert−ブチル・エステルを4.3g得た。
【0270】
参考例N
2−アミノ−2−メチル−1−オキサゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル−プロパン−1−オル
【化27】

【0271】
ステップ1
2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(17.8g、200mmol)を水及びジオキサンの混合物(100mL)に溶解し、0℃まで冷却した。NaOH(8g、200mmol)及びジ−tert−ブチルジカルボネートを加え、そして当該反応混合物を2時間攪拌しながら室温まで温めておいた。当該ジオキサンを除去後、当該残留物をEtOAcで抽出し、ブラインで洗浄し、無水MgSOで乾燥し、ろ過し、そして濃縮して2−Boc−アミノ−2−メチル−1−プロパノールを35g得た。
【0272】
ステップ2
200mLCHCl中のオキサリル・クロライド(15.24g、120mmol)溶液を攪拌し、そして−60℃まで冷却し、その後、CHCl(60mL)中のジメチルスルホキシド(19.7g、252mmol)を滴下して加えた。10分後、CHCl(60mL)中の2−Boc−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(18.9g、100mmol)溶液を−70℃で滴下して加えた。当該反応混合物を−40℃まで10分間温めておいて、その後−70℃まで冷却し、その後CHCl(60mL)中のトリエチルアミン(28.28g、280mmol)溶液を加えた。当該反応混合物を2時間以上の周期で室温まで温めておいて、飽和ソジウム・ジヒドロゲン・ホスフェイト(40mL)を加えた。当該有機層をブラインで洗浄し、そしてMgSOで乾燥した。当該溶媒を除去し、2−Boc−アミノ−2−メチルプロピオンアルデヒド(17.3g)を手に入れた。
【0273】
ステップ3
2−アミノ−3−ヒドロキシピリジン(11g、100mmol)、トリエチルオルソホルメート(80mL)、及びp−トルエンスルホニック酸の混合物を140℃で8時間加熱した。余分なトリエチルオルソホルメートを真空下除去した。当該生成物を酢酸エチルから結晶化し、1−オキサゾロ[4,5−b]ピリジン(9g)を得た。
【0274】
ステップ4
THF(100mL)中の1−オキサゾロ[4,5−b]ピリジン(2.4mg、20mmol)の攪拌溶液に、n−BuLi(12.5mLヘキサン中の1.6M溶液)を窒素下−78℃で滴下して加えた。1時間後、MgBr.Et0(5.16g、20mmol)を加え、そして当該反応混合物を−45℃まで1時間温めておいて、その後、THF(20mL)中の2−Boc−アミノ−2−メチルプロピオンアルデヒド(2.24g、12mmol)で処理した。当該反応混合物を1時間攪拌し、飽和NHClで急冷し、そして酢酸エチルで抽出した。当該有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、そして濃縮した。当該残留物をシリカ・ゲル・カラム・クロマトグラフィーにより精製し、2−Boc−アミノ−2−メチル−1−オキサゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル−1−プロパノール(1.18g)を得た。
【0275】
ステップ5
2−Boc−アミノ−2−メチル−1−オキサゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル−1−プロパノール(156mg、0.508mmol)及びCHCl(5mL)を混合し、そしてTFA(0.5mL)を室温で加えた。1時間攪拌後、当該溶媒及び余分なTFAを真空下除去し、2−アミノ−2−メチル−1−オキサゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル−プロパン−1−オル・TFA塩(165mg)を製造した。
【0276】
参考例O
2(S)−アミノ−1−(5−メトキシメチル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)ブタン−1−オルの合成
【化28】

【0277】
ステップ1
水及びジオキサン(200mL:200mL)の混合物中の(S)−(+)−2−アミノ−1−ブタノール(50g、561mmol)を0℃まで冷却し、そしてNaOH(26.9g、673mmol)と混合し、そしてジ−tert−ブチル−ジカルボネート(146.96g、673mmol)を加えた。加えた後、当該反応物を室温まで温めておいて、そして当該反応混合物を2時間攪拌した。ジオキサンの除去後、当該残留物をEtOAcで抽出し、次いでブラインで洗浄し、そして無水MgSOで乾燥し、ろ過して濃縮した。さらなる精製なしで、当該粗製2(S)−Boc−アミノ−1−ブタノール(120g)を次のステップの反応に使用した。
【0278】
ステップ2
CHCl(700mL)中のオキサリル・クロライド(43.39g、265mmol)の溶液を攪拌し、そして−60℃まで冷却した。CHCl(100mL)中のジメチルスルホキシド(51.7g、663mmol)を滴下して加えた。10分後、CHCl(100mL)中の(S)−2−Boc−アミノ−1−ブタノール(50g、265mmol)の溶液を−70℃で滴下して加えた。当該反応混合物を10分間、−40℃まで温めておいて、そして次いで−70℃まで再度冷却した。CHCl(100mL)中のトリエチルアミン(74.9g、742mmol)の溶液を加えた。当該反応混合物を2時間以上室温まで温めておいた。飽和ソジウム・ジヒドロゲン・ホスフェイト(100mL)を加え、そして次いで当該有機層をブラインで洗浄し、そしてMgSOで乾燥した。当該溶媒を除去し、2(S)−Boc−アミノ−1−ブチルアルデヒドを45g得た。
【0279】
ステップ3
メチル・メトキシアセテート(52g、500mmol)、ヒドラジン・ハイドレート(30mL)の混合物を8時間還流で加熱した。余分なヒドラジン及び水を真空下除去した。当該残留物をn−ブタノールで抽出し、NaSOで乾燥させた。余分なn−ブタノールを除去しヒドラジン45g得た。
【0280】
ステップ4
上記ヒドラジン(45g)、トリエチルオルソホルメート(146mL)、及びp−トルエンスルホン酸(61mg)の混合物を140℃で8時間加熱した。余分なトリエチルオルソホルメートを真空下除去した。当該生成物をシリカ・ゲル・カラム・クロマトグラフィーにより精製し、2−メトキシメチル−1,3,4−オキサジアゾール4.6gを得た。
【0281】
ステップ5
THF中の2−メトキシメチル−1,3,4−オキサジアゾール(4.6g、40mmol)の攪拌した溶液に、n−BuLi(ヘキサン25.2mL中1.6M溶液)をN下、−78℃で滴下して加えた。1時間後、MgBr.EtO(10.4g、40.3mmol)を加え、そして当該反応混合物を−45℃まで1時間温めておいて、その後THF(20mL)中の2(S)−Boc−アミノ−1−ブチルアルデヒド(5.28g、28.25mmol)で処理した。当該反応混合物を1時間攪拌し、飽和NHClで急冷し、そして酢酸エチルで抽出した。当該有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、そして濃縮した。当該残留物をシリカ・ゲル・カラム・クロマトグラフィーにより精製し、2(S)−Boc−アミノ−1−(5−メトキシメチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−1−ブタノール(500mg)を得た。
【0282】
ステップ6
2(S)−Boc−アミノ−1−(5−メトキシメチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−1−ブタノール(500mg、1.66mmol)、及びCHCl(5mL)を混合し、そしてTFA(0.5mL)を室温で加えた。1時間攪拌後、当該溶媒及び余分なTFAを真空下除去し、2(S)−アミノ−1−(5−メトキシメチル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−ブタン−1−オル・TFA塩(340mg)を製造した。
【0283】
参考例P
2(S)−アミノ−1−(5−フェニル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−ブタン−1−オルの合成
【化29】

【0284】
ステップ1
ベンゾイック・ヒドラジド(22.5g、165mmol)、トリエチルオルソホルメート(150mL)、及びp−トルエンスルホン酸(300mg)の混合物を120℃で12時間加熱した。余分なトリエチルオルソホルメートを真空下除去し、そして当該残留物をシリカ・ゲル・カラム・クロマトグラフィーにより精製し2−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール(14.5g)を製造した。
【0285】
ステップ2
THF(100mL)中の2−フェニル−[1,3,4]オキサジアゾール(10g、68.5mmol)の攪拌した溶液に、n−BuLi(ヘキサン42.8mL中1.6M溶液)をN下、−78℃で滴下して加えた。1時間後、MgBr.EtO(17.69g、68.5mmol)を加え、そして当該反応混合物を−45℃まで1時間温めておいて、その後THF(20mL)中の2(S)−Boc−アミノブチルアルデヒド(7.8g、41mmol)で処理した。当該反応混合物を1時間攪拌し、飽和NHClで急冷し、そして酢酸エチルで抽出した。当該有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、そして濃縮した。当該残留物をシリカ・ゲル・カラム・クロマトグラフィーにより精製し、2−(2(S)−Boc−アミノ−1−ヒドロキシブチル)−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール(9.7g)を得た。
【0286】
ステップ3
2−(2(S)−Boc−アミノ−1−ヒドロキシブチル)−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール(505mg、1.5mmol)、及びCHCl(5mL)を混合し、そしてTFA(1mL)を室温で加えた。1時間攪拌後、当該溶媒及び余分なTFAを真空下除去し、(S)−2−アミノ−1−(5−フェニル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−1−ブタノール・TFA塩を530mg製造した。
【0287】
参考例Q
2(S)−アミノ−1−オキサゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル−ブタン−1−オルの合成
【化30】

【0288】
ステップ1
2−アミノ−3−ヒドロキシピリジン(25g、227mmol)、トリエチルオルソホルメート(75mL)、及びp−トルエンスルホン酸(61mg)の混合物を140℃で8時間加熱した。余分なトリエチルオルソホルメートを真空下除去した。当該生成物を酢酸エチルから結晶化し、オキサゾロ[4,5−b]ピリジンを22.5g得た。
【0289】
ステップ2
THF(300mL)中のオキサゾロ[4,5−b]ピリジン(12g、100mmol)の攪拌した溶液に、n−BuLi(62.5mLのヘキサン中1.6M溶液)をN下、−78℃で、滴下で加えた。1時間後、MgBr.Et0(25.8g、100mmol)を加え、そして当該反応混合物を−45℃まで1時間温めておいて、その後THF(50mL)中の(S)−2−Boc−アミノブチルアルデヒド(11.46g、60mmol)で処理した。当該反応混合物を1時間攪拌し、飽和NHClで急冷し、そして酢酸エチルで抽出した。当該有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、そして濃縮した。当該残留物をシリカ・ゲル・カラム・クロマトグラフィーにより精製し、2(S)−Boc−アミノ−1−(オキサゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル)−1−ブタノール(14.1g)を得た。
【0290】
ステップ3
2(S)−Boc−アミノ−1−(オキサゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル)−1−ブタノール(311mg、1mmol)、及びMeCl(5mL)を混合し、そしてTFA(1mL)を室温で加えた。1時間攪拌後、当該溶媒及び余分なTFAを真空下除去し、(S)−2−アミノ−1−オキサゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル−ブタン−1−オル・TFA塩を335mg製造した。
【0291】
参考例R
2(S)−アミノ−1−(5−ピリジン−4−イル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)ブタン−1−オルの合成
【化31】

【0292】
ステップ1
イソニコチニック・ヒドラジド(13.7g、100mmol)、トリエチルオルソホルメート(60mL)、及びp−トルエンスルホン酸(30mg)の混合物を130℃で12時間加熱した。余分なトリエチルオルソホルメートを真空下除去した。当該粗製生成物を酢酸エチルから結晶化し、5−ピリジン−4−イル−[1,3,4]オキサジアゾールを14.8g得た。
【0293】
ステップ2
THF(300mL)中の5−ピリジン−4−イル−[1,3,4]オキサジアゾール(11.5g、78.2mmol)の攪拌した溶液に、HMPA(5mL)及びn−BuLi(48.9mLのヘキサン中1.6M溶液)をN下、−78℃で、滴下で加えた。1時間後、MgBr.Et0(20.2g、78.2mmol)を加え、そして当該反応混合物を−45℃まで1時間温めておいて、その後THF(50mL)中の2−Boc−アミノブチルアルデヒド(9.7g、50.8mmol)で処理した。当該反応混合物を1時間攪拌し、飽和NHClで急冷し、そして酢酸エチルで抽出した。当該有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、そして濃縮した。当該残留物をシリカ・ゲル・カラム・クロマトグラフィーにより精製し、2(S)−Boc−アミノ−1−(5−ピリジン−4−イル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−ブタン−1−オル(3.5g)を得た。
【0294】
ステップ3
2(S)−Boc−アミノ−1−(5−ピリジン−4−イル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−ブタン−1−オル(334mg、1mmol)、及びMeCl(5mL)を混合し、そしてTFA(0.5mL)を室温で加えた。1時間攪拌後、当該溶媒及び余分なTFAを真空下除去し、2(S)−アミノ−1−(5−ピリジン−4−イル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−ブタン−1−オル・TFA塩を350mg製造した。
【0295】
参考例S
2(S)−アミノ−1−(5−ピリジン−3−イル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)ブタン−1−オルの合成
【化32】

【0296】
ステップ1
THF(100mL)中の3−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル−ピリジン(5g、34mmol)の攪拌した溶液に、HMPA(5mL)及びn−BuLi(ヘキサン中1.6M溶液、21.25mL)をN下、−78℃で、滴下で加えた。1時間後、MgBr.Et0(8.77g、34mmol)を加え、そして当該反応混合物を−45℃まで1時間温めておいて、その後THF(20mL)中の2−Boc−アミノブチルアルデヒド(4.22g、22.1mmol)で処理した。当該反応混合物を1時間攪拌し、飽和NHClで急冷し、そして酢酸エチルで抽出した。当該有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、そして濃縮した。当該残留物をシリカ・ゲル・カラム・クロマトグラフィーにより精製し、2(S)−Boc−アミノ−1−(5−ピリジン−3−イル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−ブタン−1−オル(1.5g)を得た。
【0297】
ステップ3
2(S)−Boc−アミノ−1−(5−ピリジン−3−イル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−ブタン−1−オル(167mg、0.5mmol)、及びCHCl(5mL)を混合し、そしてTFA(0.5mL)を室温で加えた。1時間攪拌後、当該溶媒及び余分なTFAを真空下除去し、2(S)−アミノ−1−(5−ピリジン−3−イル−[1,3,4]オキサジアゾール−2−イル)−ブタン−1−オル・TFA塩を180mg製造した。
【0298】
参考例T
2(S)−アミノ−1−ベンゾキサゾール−2−イルブタン−1−オル・ハイドロクロライドの合成
【化33】

【0299】
ステップ1
トルエン(150mL)中ベンゾキサゾール(28.6g、240mmol)の溶液に、約20分間、約−4℃で、THF(120mL、240mmol)中のイソプロピル−マグネシウム・クロライドの2M溶液を加えた。当該赤褐色の混合物を約−4℃で放置し、そして必要に応じて使用した。
【0300】
ステップ2
ジクロロメタン(500mL)中の2(S)−Boc−アミノブタノール(50g;264mmol)及び水(350mL)の溶液に、20℃で、TEMPO(0.01eq)、ソジウム・ブロマイド(1eq)、及びソジウム・ヒドロゲンカーボネート(3eq)を加えた。当該反応混合物を0℃で攪拌し、そして希釈したブリーチ(1.3eq、450mL)を40分以上かけて加えた。当該反応混合物を30分間、0℃で攪拌し、そして次いでチオスルフェート水溶液で急冷した。デカンテーション及び抽出(ジクロロメタン)の後、当該有機層をブラインで洗浄し、乾燥し及び乾燥のため真空下濃縮し、低融点の固形物として2(S)−(tert−ブトキシカルボニル)−アミノ−ブチルアルデヒドを(38.1g;収率:77%)を得た。
【0301】
ステップ3
トルエン(150mL)中の2(S)−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−ブチルアルデヒド(30g、160mmol)の溶液を30分以上かけて、−5℃で、ベンゾキサゾール(上記ステップ1の記載により製造されたもの)のグリニャード試薬の溶液に加えた。当該反応混合物を0.5時間0℃で攪拌し、次いで2.5時間室温で攪拌した。5%酢酸水溶液で急冷し、5%ソジウム・カルボネート水溶液、次いでブラインで洗浄し、そして濃縮し乾燥させ、粗製2(S)−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−1−ベンゾキサゾール−2−イル−プロパン−1−オルを得た。当該残留物をトルエンで希釈し、そしてシリカ・ゲルを加えた。当該スラリーをろ過した。トルエンによる溶出により、非極性不純物を除去した。次いで、トルエン及び酢酸エチルの8/2混合物で、当該2(S)−(tert−ブトキシカルボニル)−アミノ−1−ベンゾキサゾール−2−イルプロパン−1−オルを脱着させた。
【0302】
ステップ4
イソプロパノール(118mL)中の2(S)−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ−1−ベンゾキサゾール−2−イル−プロパン−1−オル(26.3g、86mmol)に20℃〜25℃で、トリメチルクロロシラン(1.4eq)を加えた。当該溶液を5時間、50℃で攪拌した。当該反応混合物を52mLまで濃縮し、その後イソプロピル・エーテル(210mL)を加え、ろ過し、そして真空下乾燥し、灰色固形物のような2(S)−アミノ−1−ベンゾキサゾール−2−イル−ブタン−1−オル・ハイドロクロライドの塩(16.4g;収率79%;ジアステレオマーの混合物である)を得た。
【0303】
参考例U
2(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−(1−メチルシクロペンチル)−プロピオン酸の合成
【化34】

【0304】
ステップ1
1−メチルシクロペンタノール(20g、0.2mol)を臭化水素酸(40mL)に室温で加える。1時間の攪拌後、当該溶液をヘキサンで抽出し、そして当該へキサンをブラインで洗浄し、そして硫酸マグネシウムで乾燥させた。当該有機層を濃縮後、1−メチルシクロペンチル・ブロマイドを20.5g得た。
【0305】
ステップ2
トリブチルチン・ハイドライド(37.8g、130mmol)をベンゼン(200mL)でチャージされた500mLのフラスコに還流で加え、そしてZ−デヒドロ−Ala−OH(15g、64mmol)、1−メチルシクロペンタニル・ブロマイド(20.5g)、及びAIBIN(1.9g)を加えた。2時間後、当該溶媒を除去し、そして当該残留物をカラム・クロマトグラフィーにより精製し、2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−(1−メチルシクロペンチル)−プロピオン酸・メチル・エステルを得た。
【0306】
ステップ3
2−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−(1−メチルシクロペンチル)−プロピオン酸・メチル・エステル(7.6g、23.8mmol)をアセトニトリル(82mL)と0.2MのNaHCO水溶液(158mL)との混合物に溶解し、そしてAlcalase2.4L(1.1mL)を加え、そして当該反応混合物を8時間激しく攪拌した。次いで、当該反応混合物を30℃で蒸発させアセトニトリルを除去し、そして当該水溶液残留物をエーテルで洗浄した。エーテル層を濃縮し、2(R)−ベンジルオキシカルボニル−アミノ−3−(1−メチルシクロペンチル)プロピオン酸・メチル・エステル(1.9g)を得た。水層をCeliteでろ過し、当該pHを3に6NのHClで調整し、そして当該溶液を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を乾燥させ、そして蒸発させ2(S)−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−(1−メチルシクロペンチル)プロピオン酸(1.4g)を得た。
【0307】
参考例V
トリフルオロメタンスルホン酸2,2,2−トリフルオロ−1−(4−フルオロフェニル)エチル・エステルの合成
【化35】

【0308】
ステップ1
メタノール(50mL)中の2,2,2,4’−テトラフルオロアセトフェン(10g、52.1mmol)の攪拌した溶液に、NaBH(0.98g、26.5mmol)を0℃で加えた。25℃で2時間攪拌後、当該反応混合物を1NのHCl(100mL)を加えることにより急冷し、そして次いでエチル・エーテルで抽出した。当該エーテル抽出物をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、そして濃縮し2,2,2−トリフルオロ−1−(4−フルオロフェニル)エタノール(11.32g)であって、次のステップにおいて更なる精製をせずに使用する当該生成物を得た。
【0309】
ステップ2
NaH(640mg、16mmol、鉱油中60%)をヘキサン(20mL)で2回洗浄し、そして次いで乾燥ジエチル・エーテル(20mL)に懸濁した。ジエチルエーテル(10mL)中の2,2,2−トリフルオロ−1−(4−フルオロフェニル)エタノール(1.94g、10mmol)溶液を0℃で加えた。室温で2時間攪拌後、ジエチルエーテル(10mL)中のトリフルオロメタンスルホニル・クロライド(1.68g、10mmol)溶液を加えた。2時間後、当該反応混合物をNaHCO溶液を加えることにより急冷し、そして当該生成物をジエチル・エーテルで抽出した。当該抽出物をブラインで洗浄し乾燥させ、そして当該溶媒を除去しトリフルオロ−メタンスルホン酸2,2,2−トリフルオロ−1−(4−フルオロフェニル)−エチル・エステル(3.3g)を得た。
【0310】
上記実施例Vにおける記載の手順通りに、トリフルオロメタンスルホン酸2,2,2−トリフルオロ−1−フェニルエチル・エステルを製造した。
【0311】
参考例W
2,2,2−トリフルオロ−1R−(4−フルオロフェニル)エタノールの合成
【化36】

【0312】
2,2,2,4’−テトラフルオロアセトフェノン(2.5g、13.01mmol)の−78℃のトルエン(25mL)/ジクロロメタン(25mL)の溶液及び1MのS−CBS触媒(1.3mL、1.3mmol)に、新たに蒸留したカテコールボラン(1.66mL、15.62mmol)を加えた。当該反応混合物を−78℃で16時間維持し、その時に4NのHCl(ジオキサン中5mL)を加え、そして当該反応混合物を室温まで温めておいた。当該反応混合物を酢酸エチルで希釈し、そして飽和ブライン溶液で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し濃縮し固形物を得た。当該固形物をヘキサン中に懸濁し、そしてろ過した。当該ろ過されたヘキサンであって、所望の生成物を含むものを濃縮し、そして当該残留物をフラッシュ・クロマトグラフィー(10へキサン:1酢酸エチル)にかけ、無色の油のような表題の化合物(2.2g、収率87%)を得た。エナンチオマーの比をキラルHPLCにより、95:5と決定した(Chiralcel・OD・カラム、95へキサン:5イソプロパノール移動層。保持時間・主製造物6.757分。保持時間・副産物異性体8.274分)。
【0313】
実施例1
N−[1((S)−(ベンゾオキサゾール−2−イルカルボニル)プロピル]−3−(2−クロロフェニル)−2(S)−(2,2,2−トリフルオロ−1(RS)−フェニルエチルアミノ)プロピオンアミドの合成
【化37】

【0314】
ステップ1
2(S)−アミノ−3−(2−クロロフェニル)プロピオン酸(1g、商業的に入手可能)をメタノール(10mL)中に溶解し、そしてHClガスを5分間当該溶液を通して泡立てた。当該反応混合物を室温で3時間攪拌し、そして当該溶媒をrotavapを使用して蒸発させ、2(S)−アミノ−3−(2−クロロフェニル)プロピオン酸・メチル・エステル・ハイドロクロライド(1.2g)を得た。
【0315】
ステップ2
2,2,2−トリフルオロ−1−フェニルエタノン(305mg、1.75mmol)及び2(S)−アミノ−3−(2−クロロフェニル)プロピオン酸・メチル・エステル・ハイドロクロライド(500mg、1.75mmol)をDCM(10mL)中に溶解した。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.2mL、7mmol)を加え、続いて、DCM中1MのTiCl溶液(1.75mL、1.75mol)を加え、そして当該反応混合物を18時間室温で攪拌した。TiCl(0.9mL、0.9mmol)を再度加え、そして当該溶液を室温で3時間攪拌した。MeOH(5mL)中のNaCNBH(330mg、5.25mmol)を加え、そして2時間攪拌後、1NのNaOH溶液(5mL)を加えた。30分後、当該懸濁液をセライトを通してろ過し、そして当該ろ過物を酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、そしてMgSOで乾燥させた。当該溶媒を蒸発させ、黄色固形物のようなメチル・3−(2−クロロフェニル)−2(S)−(2,2,2−トリフルオロ−1−フェニルエチルアミノ)プロピオネート(600mg)であって、次のステップの記載のように使用される当該生成物を得た。
【0316】
ステップ3
メチル・3−(2−クロロフェニル)−2(S)−(2,2,2−トリフルオロ−1−フェニルエチルアミノ)プロピオネートをMeOH(2mL)及びTHF(5mL)の混合物に溶解し、そして1NのNaOH(4mL)を加え、そして当該反応混合物を室温で4時間攪拌した。当該溶媒をrotavapを使用して蒸発させ、そして、当該pHを1NのHClを使用して6に調整した。当該沈殿した黄色固形物をろ過し、そして乾燥し、3−(2−クロロフェニル)−2(S)−(2,2,2−トリフルオロ−1−フェニルエチルアミノ)プロピオン酸(500mg)を得た。
【0317】
ステップ4
3−(2−クロロフェニル)−2(S)−(2,2,2−トリフルオロ−1−フェニルエチルアミノ)プロピオン酸(150mg、0.42mmol)をDMF(1mL)中に溶解した。HATU(192mg、0.5mmol)、2(S)−アミノ−1−ベンゾオキサゾール−2−イルブタン−1−オル(86mg、0.42mmol)、及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(146.3μl、0.84mmol)を加え、そして当該反応混合物を室温で4時間攪拌した。当該反応混合物を酢酸エチルで希釈し、そして水、1NのHCl、NaHCOの飽和溶液、及びブラインで洗浄した。当該有機層をMgSOで乾燥し、そしてrotavapを使用して蒸発させ、濃い液体のようなN−[1(S)−(ベンゾオキサゾール−2−イルヒドロキシメチル)プロピル]−3−(2−クロロフェニル)−2(S)−(2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−エチルアミノ)プロピオンアミド(350mg)を得た。
【0318】
ステップ5
N−[1(R)−(ベンゾオキサゾール−2−イルヒドロキシメチル)プロピル]−3−(2−クロロフェニル)−2(S)−(2,2,2−トリフルオロ−1−フェニルエチルアミノ)プロピオンアミドをメチレン・クロライド(5mL)中に溶解し、そして0℃まで冷却し、そしてNaBr(48mg、0.462mmol)、NaHCO(40mg、0.462mmol)、TEMPO(登録商標)を加え、そして水(2mL)中のブリーチ(1.5mL、0.84mmol)を加え、そして1時間攪拌した。当該反応混合物を酢酸エチルで希釈し、そして水で、続いてブラインで洗浄し、そしてMgSOで乾燥させた。当該溶媒を蒸発させ、そして50:50の酢酸エチル:ヘキサンで溶出する分取TLCにより精製し、当該表題の化合物(40mg)を得た。LCMS:542.2(M−1)−1、544.0(M+1)+1
【0319】
上記実施例1に記載の手順の通りであるが、2,2,2−トリフルオロ−1−フェニルエタノンを2,2,2−トリフルオロ−1−(4−フルオロフェニル)エタノンで置換する手順により、N−[1((S)−(ベンゾオキサゾール−2−イルカルボニル)プロピル]−3−(2−クロロフェニル)−2(S)−(2,2,2−トリフルオロ−1(RS)−4−フルオロフェニルエチルアミノ)−プロピオンアミドを得た。LCMS:560.1(M−1)−1、562.1(M+1)+1、583.9(M+Na)
【0320】
生物学的実施例
生物学的実施例1
カテプシンBの分析
様々な濃度における試験化合物の溶液を10μLのジメチル・スルオキシド(DMSO)中に製造し、そして次いで分析バッファー(40μLであり、以下:N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸(BES)を50mM(pH6);ポリオキシエチレンソルビタン・モノラウレートを0.05%;及びジチオスレイトール(DTT)を2.5mM含む)に溶解した。ヒト・カテプシンB(25μLの分析バッファー中0.025pMol)を当該溶液に加えた。当該分析溶液を攪拌プレート上で5〜10秒混合し、30分間室温で、カバーし及びインキュベートした。Z−FR−AMC(分析バッファー25μL中、20nmol)を当該分析溶液に加え、そして加水分解を分光光度法(λ460nm)で5分間追跡した。見掛けの阻害定数(K)を酵素進行曲線から標準数理モデルを使用して計算した。
【0321】
本発明の化合物を上記の分析法により試験し、そしてカテプシンB阻害活性の提示を観察した。
【0322】
生物学的実施例2
カテプシンKの分析
様々な濃度における試験化合物の溶液を10μLのジメチル・スルオキシド(DMSO)中に製造し、そして次いで分析バッファー(40μLであり、以下:MESを50mM(pH5.5);EDTAを2.5mM;及びDTTを2.5mM含む)に溶解した。ヒト・カテプシンK(25μLの分析バッファー中0.0906pMol)を当該溶液に加えた。当該分析溶液を攪拌プレート上で5〜10秒混合し、30分間室温で、カバーし及びインキュベートした。Z−Phe−Arg−AMC(分析バッファー25μL中、4nmol)を当該分析溶液に加え、そして加水分解を分光光度法(λ460nm)で5分間追跡した。見掛けの阻害定数(K)を酵素進行曲線から標準数理モデルを使用して計算した。
【0323】
本発明の化合物を上記の分析法により試験し、そしてカテプシンK阻害活性の提示を観察した。
【0324】
生物学的実施例3
カテプシンLの分析
様々な濃度における試験化合物の溶液を10μLのジメチル・スルオキシド(DMSO)中に製造し、そして次いで分析バッファー(40μLであり、以下:MESを50mM(pH5.5);EDTAを2.5mM;及びDTTを2.5mM含む)に溶解した。ヒト・カテプシンL(25μLの分析バッファー中0.05pMol)を当該溶液に加えた。当該分析溶液を攪拌プレート上で5〜10秒混合し、30分間室温で、カバーし及びインキュベートした。Z−Phe−Arg−AMC(分析バッファー25μL中、1nmol)を当該分析溶液に加え、そして加水分解を分光光度法(λ460nm)で5分間追跡した。見掛けの阻害定数(K)を酵素進行曲線から標準数理モデルを使用して計算した。
【0325】
本発明の化合物を上記の分析法により試験し、そしてカテプシンL阻害活性の提示を観察した。
【0326】
生物学的実施例4
カテプシンSの分析
様々な濃度における試験化合物の溶液を10μLのジメチル・スルオキシド(DMSO)中に製造し、そして次いで分析バッファー(40μLであり、以下:MESを50mM(pH6.5);EDTAを2.5mM;及びNaClを100mM含む);2.5mMβ−メルカプトエタノール;及び0.00%BSAに溶解した。ヒト・カテプシンS(25μLの分析バッファー中0.05pMol)を当該溶液に加えた。当該分析溶液を攪拌プレート上で5〜10秒混合し、30分間室温で、カバーし及びインキュベートした。Z−Val−Val−Arg−AMC(10%DMSOを含む分析バッファー25μL中、4nmol)を当該分析溶液に加え、そして加水分解を分光光度法(λ460nm)で5分間追跡した。見掛けの阻害定数(K)を酵素進行曲線から標準数理モデルを使用して計算した。
【0327】
本発明の化合物を上記の分析法により試験し、そしてカテプシンS阻害活性の提示を観察した。
【0328】
生物学的実施例5
カテプシンFの分析
様々な濃度における試験化合物の溶液を10μLのジメチル・スルオキシド(DMSO)中に製造し、そして次いで分析バッファー(40μLであり、以下:MESを50mM(pH6.5);EDTAを2.5mM;及びNaClを100mM含む);2.5mMDTT;及び0.01%BSAに溶解した。ヒト・カテプシンF(25μLの分析バッファー中0.1pMol)を当該溶液に加えた。当該分析溶液を攪拌プレート上で5〜10秒混合し、30分間室温で、カバーし及びインキュベートした。Z−Phe−Arg−AMC(10%DMSOを含む分析バッファー25μL中、2nmol)を当該分析溶液に加え、そして加水分解を分光光度法(λ460nm)で5分間追跡した。見掛けの阻害定数(K)を酵素進行曲線から標準数理モデルを使用して計算した。
【0329】
本発明の化合物を上記の分析法により試験し、そしてカテプシンF阻害活性の提示を観察した。
【0330】
製剤実施例1
一般式(I)の化合物を含む代表的医薬組成物
【表1】

【0331】
【表2】

【0332】
【表3】

【0333】
以上本発明を、明確さ及び理解を目的として説明及び例示によりいくぶん詳細に説明してきた。いわゆる当業者にとって、添付の請求の範囲内で変更及び修正が実施し得ることは自明であろう。それ故、上記説明は例示を意図し、制限的なものを意図するものでないことと理解されるべきである。それ故、本発明の範囲は、上記説明で画されるべきではなく、添付の請求の範囲の記載及びその均等の範囲により決定されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式(I):
【化1】

{式中、
Eは:
(i)−C(R)(R)Xであり、ここでXは、−CHO、−C(R)(R)CF、−C(R)(R)CFCF、−C(R)(R)R10、−CH=CHS(O)10、−C(R)(R)C(R)(R)OR10、−C(R)(R)CHOR10、−C(R)(R)C(R)(R)R10、−C(R)(R)CHN(R11)SO10、−C(R)(R)CFC(O)NR1011、−C(R)(R)C(O)NR1011、−C(R)(R)C(O)N(R11)(CHOR11又は−C(R)(R)C(O)N(R11)(CHNR1011であり:ここで
は、水素又はアルキルであり;及び
は、水素、アルキル、ハロアルキル、カルボキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、シアノ、−アルキレン−X−R12(ここで、Xは、−O−、−NR13−、−CONR13−、−S(O)n1−、−NHCO−、−CO−又は−C(O)O−であり、n1は0〜2であり、及びR12とR13は、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール又はヘテロアラルキルである。)からなる群より選択され、ここでR内の芳香族環又は脂環式環は、場合により、1、2、又は3個のRで置換され、当該Rは、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロアルコキシ、ハロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノ、1置換アミノ、2置換アミノ、ニトロ、アリールオキシ、ベンジルオキシ、アシル又はアリールスルホニルから独立して選択され、そして、さらにここで、R内の芳香族環又は脂環式環は、場合により、1又は2個の置換基で置換され、当該置換基は、アルキル、ハロ、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ又はアルコキシカルボニルから独立して選択される;又は
及びRは、双方が結合する炭素原子と一緒になって、
(i)シクロアルキレンを形成し、当該シクロアルキレンは、場合により、1又は2個のRで置換され、当該Rは、アルキル、ハロ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、アルコキシカルボニル又はアリールオキシカルボニルから独立して選択され、又は
(ii)ヘテロシクリルアルキレンを形成し、当該ヘテロシクリルアルキレンは、場合により、1〜4個のRで置換され、当該Rは、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アルコキシアルキルオキシアルキル、アリールオキシアルキル、ヘテロアリールオキシアルキル、アミノアルキル、アシル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、−S(O)n214、−アルキレン−S(O)n215、−COOR16、−アルキレン−COOR17、−CONHR1819又は−アルキレン−CONHR2021(ここで、n2は0〜2であり、R14−R17、R18及びR20は、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル又はヘテロシクリルであり、R19及びR21は、独立して水素又はアルキルである。)から独立して選択され、
そしてさらにここで、シクロアルキレン又はヘテロシクリルアルキレンに結合する基内の当該芳香族環及び脂環式環は、場合により、1、2、又は3個の置換基で置換され、当該置換基は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロアルコキシ、ハロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノ、1置換アミノ、2置換アミノ又はアシルから独立して選択され;
は、水素又はアルキルであり;
は、水素であり;又は
及びRは、一緒になってオキソを形成し;
は、水素、ハロ、アルキル、アラルキル又はヘテロアラルキルであり;
10は、水素、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、又はヘテロシクリルアルキルであり、ここで、R10内の当該芳香族環及び脂環式環は、
場合により、1、2又は3個のRで置換され、当該Rは、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヒドロキシ、ハロアルコキシ、ハロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリール、ヘテロアリール、アミノ、1置換アミノ、2置換アミノ又はアシルから独立して選択され、そしてさらにここで、R内の芳香族環及び脂環式環は、場合により、1、2、又は3個の置換基で置換され、当該置換基は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノ、アルキルアミノ、又はジアルキルアミノから独立して選択され;
11は、水素又はアルキルであり;あるいは
(ii)以下の式(a):
【化2】

[式中、
nは、0、1、又は2であり;
は、−NR22−、−S−又は−O−から選択され、ここで、R22は、水素、アルキル又はアルコキシであり;及び
は、−O−、−S−、−SO−又は−NR23−であり、ここで、R23は、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アリールオキシアルキル、ヘテロアリールオキシアルキル、アミノアルキル、アシル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、−S(O)24、−アルキレン−S(O)n3−R25、−COOR26、−アルキレン−COOR27、−CONR2829又は−アルキレン−CONR3031(ここで、n3は、0〜2であり、R24−R27、R28、及びR30は、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルであり、そして、R29とR31は、独立して、水素又はアルキルである。)から選択され、ここで、Xに結合する基内の当該芳香族環又は脂環式環は、場合により、1、2又は3個の置換基で置換され、当該置換基は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ又はアルコキシカルボニルから独立して選択され;及び
は、上記定義の通りである。]であり;
は、水素又はアルキルであり;
1aは、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリルアルキル、又は−アルキレン−X−R32(ここで、Xは、−NR33−、−O−、−S(O)n4−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NR33CO−、−CONR33−、−NR33SO−、−SONR33−、−NR33COO−、−OCONR33−、−NR33CONR34−又は−NR33SONR34−であり、ここで、R33とR34は、独立して、水素、アルキル又はアシルであり、n4は、0〜2であり、そしてR32は、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルである。)であり、ここで、前記−アルキレン−X−R32内のアルキレン鎖は、場合により、1〜6個のハロで置換され、
そしてここで、R1a内の芳香族環又は脂環式環は、場合により、1、2又は3個のRで置換され、ここで、当該Rは、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロアルコキシ、ハロ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、アミノ、1置換アミノ、2置換アミノ、アシル又は、−(アルキレン)−X−R35(ここで、Xは、−NR36−、−O−、−S(O)n5−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NR36CO−、−CONR36−、−NR36SO−、−SONR36−、−NR36COO−、−OCONR36−、−NR36CONR37−、又は−NR36SONR37−であり、ここで、R36とR37は、独立して、水素、アルキル又はアシルであり、mは0又は1であり、n5は0〜2であり、そしてR35はシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルである。)から独立して選択され、ここで、R内の芳香族環又は脂環式環は、場合により、1、2又は3個の置換基で置換され、当該置換基は、アルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルアミノスルホニル、アシル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリールであって場合によりアルコキシ又はハロで置換される当該アリール、アラルキルであって場合によりアルコキシ又はハロで置換される当該アラルキル、アリールオキシであって場合によりアルコキシ又はハロで置換される当該アリールオキシ、ヘテロアリールであって場合によりアルコキシ又はハロで置換される当該ヘテロアリール、又はヘテロアラルキルであって場合によりアルコキシ又はハロで置換される当該ヘテロアラルキル、アミノ、アミノスルホニル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、又はアルキニルであって場合によりヒドロキシ、アリール又はヘテロアリールで置換される当該アルキニルから独立して選択され;又は
及びR1aは、これらが結合する炭素原子と一緒になって、シクロアルキレン環又はヘテロシクリルアルキレン環を形成し、ここで当該シクロアルキレン環又はヘテロシクリルアルキレン環は、場合により、1又は2個のRで置換され、ここで当該Rは、アルキル、ハロ、ヒドロキシアルキル、ケト又は−SORから独立して選択され、ここで、Rは、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール又はヘテロアラルキルであり、そして、さらにここで、R内の芳香族環又は脂環式環は、場合により、1、2又は3個の置換基で置換され、当該置換基は、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、カルボキシ又はアルコキシカルボニルから独立して選択され;
は、水素又はアルキルであり;
は、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル又は−アルキレン−X−R38(ここで、Xは、−NR39−、−O−、−S(O)n6−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NR39CO−、−CONR39−、−NR39SO−、−SONR39−、−NR39COO−、−OCONR39−、−NR39CONR40−又は−NR39SONR40−であり、ここで、R39とR40は、独立して、水素、アルキル又はアシルであり、n6は0〜2であり、そしてR38は、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール又はヘテロアラルキルである。)であり、ここで、R内の芳香族環又は脂環式環は、場合により、1、2又は3個のRで置換され、当該Rは、アルキル、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、オキソ、シアノ、ニトロ、アシル、アシルオキシ、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリールオキシ、ベンジルオキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールチオ、アリールスルホニル、アリールスルフィニル、アルコキシカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルキルカルバモイルオキシ、アリールカルバモイルオキシ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、アラルキルアミノスルホニル、アミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、アラルキルアミノカルボニル、アミノ、1置換又は2置換アミノから独立して選択され、そして、さらにここで、R内の芳香族環又は脂環式環は、場合により、1、2又は3個のRで置換され、当該Rは、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アルキルチオ、アルキルスルホニル、アミノ、1置換アミノ、ジアルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、カルボキシ、カルボキシアミド又はアルコキシカルボニルから独立して選択され;及び
は、ハロアルキルであり;
4’は、水素、アルキル、アルコキシアルキル又はハロアルキルであり;又は
とR4’は、これらが結合する炭素原子と一緒になって、シクロアルキレン又はヘテロシクリルアルキレンを形成し、ここで、前記シクロアルキレンは、場合により、1又は2個の置換基で置換され、当該置換基は、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ又はアルコキシから独立して選択され、前記ヘテロシクリルアルキレンは、場合により、1〜3個の置換基で置換され、当該置換基は、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、アリール、ヘテロアリール又はヒドロキシアルキルから独立して選択される。}で表される化合物又は医薬として認容されるその塩。但し、Eが、式(a)の基である時には:
(i)R1aは、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル又はシクロアルキルアルキルでなく;及び
(ii)RとR1aは、これらが結合する炭素原子と一緒になって、シクロアルキレン環又はヘテロシクリルアルキレン環を形成せず、ここで、前記シクロアルキレン又はヘテロシクリルアルキレンは、場合により、1又は2個のRで置換され、当該Rは、アルキル、ハロ、ヒドロキシアルキル、ケト又は−SORから独立して選択され、ここで、当該Rは、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール又はヘテロアラルキルであり、そしてさらにここで、R内の当該芳香族環又は脂環式環は、場合により、1、2又は3個の置換基で置換され、当該置換基は、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、カルボキシ又はアルコキシカルボニルから選択される。
【請求項2】
式中、Eは−C(R)(R)Xであり、ここで、
は、水素又はアルキルであり;及び
は、水素、アルキル、−(アルキレン)−OR12(ここで、R12は、水素、アルキル又はハロアルキルである)、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキルであり、ここで、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキル内の、芳香族環又は脂環式環は、場合により、1、2又は3個のRで置換され、当該Rは、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロアルコキシ、ハロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノ、1置換アミノ、2置換アミノ又はアシルから独立して選択される;
請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式中、Rは、水素であり;
は、アルキルであり;そして
は、−CHO、−C(O)R10、−C(O)CF、−C(O)CFCF、−CH=CHS(O)10、−C(O)CFC(O)NR1011、−C(O)C(O)NR1011、−C(O)CHOR10、−C(O)CHN(R11)SO10、−C(O)C(O)N(R11)(CHOR11、−C(O)C(O)N(R11)(CHNHR11又は−C(O)C(O)R10であり;ここで、R10は、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキルアルキル又はヘテロシクリルアルキルであり、ここで、当該芳香族環は、場合により、Rで置換され、当該Rは、ヘテロアリール、アリール又はアルキルから選択され、R11は、水素又はアルキルであり、そしてRは、ハロである、
請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
式中、好ましくは、Eは−CHRC(O)R10であり、ここで、Rはアルキルであり、そしてR10はヘテロアリールであり、当該ヘテロアリールは、場合により、1又は2個のRで置換され、当該Rは、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヒドロキシ、ハロアルコキシ、ハロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリール、ヘテロアリール、アミノ、1置換アミノ、2置換アミノ又はアシルから独立して選択され、ここで、R内の芳香族環又は脂環式環は、場合により、1、2又は3個の置換基で置換され、当該置換基は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノ、アルキルアミノ又はジアルキルアミノから独立して選択される、
請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
式中、Eは−CHRC(O)R10であり、ここで、Rはエチル又はプロピルであり;及びR10は、ベンゾオキサゾール−2−イル、4−アザベンゾオキサゾール−2−イル、2−ピリジン−3−イル−[1,3,4]−オキサジアゾール−5−イル、2−ピリジン−4−イル−[1,3,4]−オキサジアゾール−5−イル、2−エチル−[1,3,4]−オキサジアゾール−5−イル、2−イソプロピル−[1,3,4]−オキサジアゾール−5−イル、2−tert−ブチル−[1,3,4]−オキサジアゾール−5−イル、2−フェニル−[1,3,4]−オキサジアゾール−5−イル、2−メトキシメチル−[1,3,4]−オキサジアゾール−5−イル、2−フラン−2−イル−[1,3,4]−オキサジアゾール−5−イル、2−チエン−2−イル−[1,3,4]−オキサジアゾール−5−イル、2−(4−メトキシフェニル)−[1,3,4]−オキサジアゾール−5−イル、2−(2−メトキシフェニル)−[1,3,4]−オキサジアゾール−5−イル、2−(3−メトキシフェニル)−[1,3,4]−オキサジアゾール−5−イル、2−(2−トリフルオロメトキシフェニル)−[1,3,4]−オキサジアゾール−5−イル、2−(3−トリフルオロメトキシフェニル)−[1,3,4]−オキサジアゾール−5−イル、2−(4−トリフルオロメトキシフェニル)−[1,3,4]−オキサジアゾール−5−イル、2−(4−ジメチルアミノフェニル)−[1,3,4]−オキサジアゾール−5−イル、ピラジジン−3−イル、ピリミジン−2−イル、3−フェニル−[1,2,4]−オキサジアゾール−5−イル、3−エチル−[1,2,4]−オキサジアゾール−5−イル、3−シクロプロピル−[1,2,4]−オキサジアゾール−5−イル、3−チエン−3−イル−[1,2,4]−オキサジアゾール−5−イル、3−ピリジン−4−イル−[1,2,4]−オキサジアゾール−5−イル、3−ピリジン−2−イル−[1,2,4]−オキサジアゾール−5−イル、5−エチル−[1,2,4]−オキサジアゾール−3−イル、5−フェニル−[1,2,4]−オキサジアゾール−3−イル、5−チエン−3−イル−[1,2,4]−オキサジアゾール−3−イル、5−トリフルオロメチル−[1,2,4]−オキサジアゾール−3−イル、5−ピリジン−4−イル−[1,2,4]−オキサジアゾール−3−イル又は5−フェニルオキサゾール−2−イルである、
請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
式中、R1aが、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリルアルキル、又は−アルキレン−X−R32(ここで、Xは、−NR33−、−O−、−S(O)n4−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NR33CO−、−CONR33−、−NR33SO−、−SONR33−、−NR33COO−、−OCONR33−、−NR33CONR34−又は−NR33SONR34−であり、(ここで、R33とR34は、独立して、水素、アルキル、又はアシルであり、n4は0〜2であり、そして、R32は、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリルアルキルである)であり、ここで、前記−アルキレン−X−R32内のアルキレン鎖が、場合により、1〜6個のハロで置換され、そして、ここで、R1a内の芳香族環又は脂環式環は、場合により、1、2又は3個のRで置換され、ここで、当該Rは、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロアルコキシ、ハロ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アミノ、1置換アミノ、2置換アミノ又はアシルから独立して選択され;及びRは水素である、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
式中、R1aは、4,4−ジメチルシクロヘキシルメチル、4−エチル−4−メチルシクロヘキシルメチル、4,4−ジエチルシクロヘキシルメチル、3,3−ジメチルシクロヘキシルメチル、3,5−ジメチルシクロヘキシルメチル、シクロヘプチルメチル、シクロオクチルメチル、2−シクロヘキシルエチル、2−シクロヘキシル−2−メチルプロピル、2−(1−メチルシクロヘキシル)エチル、2−(1−メチルシクロプロピル)エチル、2−(1−メチルシクロプロピル)−2−メチルプロピル、2−シクロペンチルエチル、2−シクロペンチル−2−メチルプロピル、4−イソプロピル−4−メチルシクロヘキシルメチル、2−メチルシクロヘキシルメチル、4−メトキシシクロヘキシルメチル、1−メチルシクロペンチルメチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、1,4−ジメチルシクロペンチルメチル、シクロヘキシルエチル、シクロヘキシルメチル、シクロペンチルメチル、1−メチルシクロヘキシルメチル、1−メチルシクロペンチルメチル又は1−ベンジルシクロプロピルメチルであり;そしてR及びRは、水素である、
請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
式中、R1aは、エチルチオメチル、エチルスルフィニルメチル、エチルスルホニルメチル、イソプロピルチオメチル、2−メチルチオエチル、2−メチルスルフィニルエチル、2−メチルスルホニルエチル、2−メチルプロピルスルホニルメチル、イソブチルスルファニルメチル、tert−ブチルチオメチル、ベンゼンスルホニルメチル、2−フェニルスルファニルエチル、2−フェニルスルホニルエチル、ナフチ−2−イルメタンスルホニルメチル、ビフェニル−2−イルメタンスルホニルメチル、ビフェニル−4−イルメタンスルホニルメチル、フェニルメタンスルファニルメチル、フェニルメタンスルフィニルメチル、フェニルメタンスルホニルメチル、2−フェニルメタンスルホニルエチル、4−tert−ブチルフェニルメタンスルホニルメチル、2−フルオロフェニルメタンスルファニルメチル、2−フルオロフェニルメタンスルホニルメチル、3−フルオロフェニルメタンスルホニルメチル、4−フルオロフェニルメタンスルホニルメチル、2−クロロフェニルメタンスルファニルメチル、2−クロロフェニルメタンスルホニルメチル、3−クロロフェニルメタンスルホニルメチル、4−クロロフェニルメタンスルホニルメチル、2−メトキシフェニルメタンスルホニルメチル、4−メトキシフェニルメタンスルホニルメチル、2−トリフルオロメトキシフェニルメタンスルホニルメチル、3−トリフルオロメトキシフェニルメタンスルホニルメチル、4−トリフルオロメトキシフェニルメタンスルホニルメチル、2−トリフルオロメチルフェニルメタンスルファニルメチル、2−トリフルオロメチルフェニルメタンスルホニルメチル、3−トリフルオロメチルフェニルメタンスルホニルメチル、4−トリフルオロメチルフェニルメタンスルホニルメチル、2−シアノフェニルメタンスルファニルメチル、2−シアノフェニルメタンスルホニルメチル、3−シアノフェニルメタンスルホニルメチル、2−ブロモフェニルメタンスルホニルメチル、2−ニトロフェニルメタンスルファニルメチル、2−ニトロフェニルメタンスルホニルメチル、2−メチルフェニルメタンスルホニルメチル、3−メチルフェニルメタンスルホニルメチル、4−メチルフェニルメタンスルホニルメチル、2−(4−トリフルオロメトキシベンゼンスルホニル)エチル、2−(3−トリフルオロメトキシベンゼンスルホニル)エチル、2−(2−トリフルオロメトキシ−ベンゼンスルホニル)エチル、2−ジフルオロメトキシフェニルメタンスルホニルメチル、3−ジフルオロメトキシフェニルメタン−スルホニルメチル、4−ジフルオロメトキシフェニルメタン−スルホニルメチル、2−(4−ジフルオロメトキシベンゼンスルホニル)エチル、2−(2−ジフルオロメトキシベンゼンスルホニル)エチル、2−(3−ジフルオロメトキシベンゼンスルホニル)エチル、3−クロロ−2−フルオロフェニルメタン−スルホニルメチル、3,5−ジメチルフェニルメタンスルホニルメチル、3,5−ビス−トリフルオロメチルフェニル−メタンスルホニルメチル、2,5−ジフルオロフェニルメタンスルホニルメチル、2,6−ジフルオロフェニルメタンスルホニルメチル、2,3−ジフルオロフェニルメタン−スルホニルメチル、3,4−ジフルオロフェニルメタンスルホニルメチル、2,4−ジフルオロフェニルメタンスルホニルメチル、2,5−ジクロロフェニルメタンスルホニルメチル、3,4−ジクロロフェニルメタンスルホニルメチル、2,6−ジクロロフェニルメタンスルホニルメチル、2−フルオロ−3−メチルフェニルメタンスルホニル−メチル、4−フルオロ−2−トリフルオロメトキシフェニルメタン−スルホニルメチル、2−フルオロ−6−トリフルオロメチルフェニルメタンスルホニルメチル、2−フルオロ−3−トリフルオロメチルフェニル−メタンスルホニルメチル、2−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル−メタンスルホニルメチル、2−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニルメタンスルホニルメチル、4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニルメタンスルホニルメチル、2−クロロ−5−トリフルオロメチル−フェニルメタン−スルホニルメチル、2,4,6−トリフルオロフェニルメタンスルホニルメチル、2,4,5−トリフルオロフェニルメタンスルホニルメチル、2,3,4−トリフルオロフェニルメタンスルホニルメチル、2,3,5−トリフルオロフェニルメタンスルホニルメチル、2,5,6−トリフルオロフェニルメタンスルホニル−メチル、3,4,5−トリメトキシフェニルメタンスルホニルメチル、ピリジン−2−イルメタンスルホニルメチル、ピリジン−3−イルメタンスルホニルメチル、ピリジン−4−イル−メタンスルホニルメチル、2−(ピリジン−2−イルスルホニル)エチル、2−(ピリジン−4−イルスルホニル)エチル、オキシピリジン−2−イルメタンスルホニルメチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルメタンスルファニルメチル、シクロヘキシルスルフィニルチオメチル、シクロヘキシルメタン−スルホニルメチル、2−シクロヘキシルエタンスルホニル、シクロヘキシルメタンスルホニルメチル、シクロプロピルメタンスルホニルメチル、チオフェン−2−スルホニルメチル、5−クロロチエン−2−イルメタン−スルホニルメチル又は3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−イルメタンスルホニルメチルであり;そしてR及びRは、水素である、
請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
式中、R1aは、2−シクロヘキシルエチル、シクロヘキシルメチル、tert−ブチルメチル、1−メチル−シクロヘキシルメチル、1−メチルシクロペンチルメチル、2,2−ジフルオロ−3−フェニルプロピル、2,2−ジクロロ−3−フェニルプロピル、1,4−ジメチルシクロペンチルメチル、2,2−ジメチル−3−フェニルプロピル、2−(1,1−ジフルオロ−メトキシ)フェニルメタン−スルホニルメチル、2−(1,1−ジフルオロメトキシ)フェニルメタンオキシ−メチル、ピリジン−4−イルメチル、フェニルメタンスルホニルメチル、ピリジン−2−イルメタンスルホニルメチル、ピリジン−4−イルメタンスルホニルメチル、2−メチルプロピルスルホニルメチル、シクロプロピルメタンスルホニルメチル、ピリジン−3−イルメタンスルホニルメチル、2,6−ジフルオロフェニルメタンスルホニルメチル、2−ピリジン−2−イルスルホニルエチル、2−フェニルスルホニルエチル、ベンジルオキシメチル、2,2−ジメチルプロピル、シクロペンチルメチル、モルホリン−4−イルメチル、5−ブロモチエン−2−イルメチル、ピリジン−4−イルメチル、2−クロロベンジル又は4−フルオロベンジルであり;そして、R及びRは、水素である、
請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
式中、Rは、メチル、エチル、イソプロピル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、ベンジル、ナフチル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、フラニル、チエニル、チアゾリル、イミダゾリル、ピリジニル、ピラジニル又はアミノであり、ここで、当該窒素原子はアルキルで1置換又は2置換され、
そしてここで、R内の芳香族環又は脂環式環は、場合により、1、2又は3個のRで置換され、ここで当該Rは、独立して、メチル、エチル、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、カルボキシアミド、シクロプロピル、フェニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、チエニル、イミダゾリル、メトキシ、アセチル、アセトキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、メトキシカルボニル、フェノキシカルボニル、ベンゾイルオキシ、カルバモイルであって、その窒素原子が、メチル、エチル又はフェニルで独立して1置換又は2置換されたもの、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、メチルチオ、フェニルチオ、フェニルスルホニル、メチルスルホニル、メトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、メチルカルバモイルオキシ、フェニルカルバモイルオキシ、メチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、メチルアミノスルホニル、フェニルアミノスルホニル、アミノであって、その窒素原子が、独立してメチル又はフェニルで1置換又は2置換されたものから選択され;
ここで、R内の芳香族環又は脂環式環は、さらに場合により、1、2又は3個のRで置換され、ここで当該Rは、独立して、メチル、シクロプロピル、フェニル、メトキシ、フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、カルボキシ又はカルボキシアミドから選択される、
請求項2〜9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
式中、Rは、フェニル、ナフチル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、フラニル、チエニル、チアゾリル、イミダゾリル、ピリジニル又はピラジニルであり、ここで、R内の芳香族環又は脂環式環は、場合により、1、2又は3個のRで置換され、ここで当該Rは、メチル、フルオロ、クロロ、フェニル、チエニル、メトキシ、アセチル、アセトキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、メトキシカルボニル、カルバモイルであって、当該窒素原子が独立して、メチル又はフェニルで1置換又は2置換されたもの、アセチルアミノ、メチルチオ、フェニルチオ、フェニルスルホニル、メチルスルホニル、メトキシカルボニルアミノ、メチルカルバモイルオキシ、フェニルカルバモイルオキシ、メチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、アミノであって、当該窒素原子が、独立して、メチル又はフェニルで1置換又は2置換されたものから独立して選択される、
請求項2〜9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項12】
式中、Rが、フェニル、4−メトキシフェニル、3−フェノキシフェニル、4−クロロフェニル、4−フルオロフェニル、2−フルオロフェニル、2−フルオロ−4−クロロフェニル、ナフチル、ピペリジン−4−イル、モルホリン−4−イル、フラニル、チエニル、ピリジン−4−イル又はピラジニルである、
請求項2〜9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項13】
式中、Rが、ジフルオロメチル又はトリフルオロメチルであり;そして
4’が、水素である、
請求項10〜12のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項14】
式中、RとR4’が、これらが結合する炭素原子と一緒になって、シクロアルキレンを形成する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項15】
式中、RとR4’が、これらが結合する炭素原子と一緒になって、シクロペンチレン、シクロペント−1−エニレン、シクロヘキシレン、又はシクロヘキシ−1−エニレンを形成する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項16】
式中、RとR4’が、これらが結合する炭素原子と一緒になって、ヘテロシクリルアルキレンを形成する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物、その個々の立体異性体若しくは混合物又は、医薬として認容されるその塩を1又は複数の好適な賦形剤と混合されて含む医薬組成物。
【請求項18】
カテプシンSによって仲介される、動物における疾病の治療方法であって、請求項1〜16のいずれか1項に記載の化合物、その個々の立体異性体若しくは混合物、又は、医薬として認容されるその塩を1又は複数の好適な賦形剤と混合されて含む医薬組成物を当該動物に投与することを含む前記方法。
【請求項19】
前記疾病が乾癬である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
患者において免疫応答を引き起こす療法を受けている患者の治療方法であって、1又は複数の好適な賦形剤と混合されて、請求項1の化合物を含む医薬組成物を当該患者に投与することを含む、前記方法。

【公表番号】特表2007−505919(P2007−505919A)
【公表日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−527040(P2006−527040)
【出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【国際出願番号】PCT/US2004/030438
【国際公開番号】WO2005/028454
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(500502495)アクシス・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド (8)
【氏名又は名称原語表記】AXYS PHARMACEUTICALS, INC.
【Fターム(参考)】