説明

シフトレバー装置

【課題】シフトレバーを介して加わる衝撃エネルギーを吸収できるとともに、シフトレバーの操作時に騒音の発生を抑制できるシフトレバー装置を提供する。
【解決手段】シフトレバー4の回動方向の前側と後側とに2分割したポジションプレート7a,7b間にディテント突部8が移動可能な間隔を備えたスリット13と、ポジションプレート7a,7b間に支持部材9とを設け、シフトレバー4に先端側から基端側に向かって衝撃エネルギーが加えられた際に、ディテント突部8がスリット13を移動しつつ、支持部材9が、ポジションプレート7a,7b間から脱落する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シフトレバーに加わる衝撃エネルギーの吸収構造を備えたシフトレバー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来のシフトレバー装置としては、車室内の乗員がシフトレバーを操作することによって変速機を変速させる車両用の変速操作部に衝突安全性の観点から衝撃エネルギーの吸収構造が設けられたものがあり、その従来例として特許文献1に開示されたものがある。そして、上記の従来例では、操作ノブに乗員などが衝突してシフトレバーへの衝撃荷重が所定荷重を超えた場合、シフトレバー装置の一部で衝撃エネルギーを吸収することによって、上記の乗員が負傷しないよう人体への被害を抑制するようになっている。
【0003】
特許文献1に開示されたシフトレバー装置100は、図6に示すように、車体に固定されるハウジング101に設けられ、回転軸102を中心にして回動するシフトレバー103と、このシフトレバー103内に挿通され、シフトレバー103の上部に設けられるノブ釦104の操作に応じて軸方向に移動するコンプレッションロッド105と、ハウジング101に設けられ、所定の上縁部形状を有するゲート106を備えるポジションプレート107と、このポジションプレート107のゲート106より下方に設けられる複数の薄肉部108及び逃がし孔109とを備えている。コンプレッションロッド105には、シフトレバー103を左右方向に貫通するポジションピン110が取り付けられ、このポジションピン110は、ポジションプレート107に形成されたゲート106の上縁部と係合する。ポジションプレート107の上部には、シフトレバー103が挿通される所定形状のガイド穴(図示せず)が設けられるインディケータカバー111が装着されている。
【0004】
この従来例では、シフトレバー103を介して衝撃荷重Fが掛かり、コンプレッションロッド105を介して衝撃荷重が加わってポジションピン110が移動するとき、この移動方向にわたって形成された複数の薄肉部108が比較的容易に順次変形・破断することにより、シフトレバー103を介して加わる衝撃エネルギーを吸収することができる。
【0005】
また、他の従来例としては、シフトレバーのレンジを切換えるシフトレバー装置として、ノブ釦を押してロッドを持ち上げた状態でレンジを切換えるプルロッドタイプのものがある。前記プルロッドタイプの従来のシフトレバー装置としては、例えば特許文献2に記載のものが知られている。ノブには、シフトレバーが挿入されて結合されており、ノブと一体の骨格部がシフトレバーの外周を被っている。シフトレバーの内部には、コンプレッションロッドが挿入されている。上記ノブには、ノブ釦が設けられ、コンプレッションロッドの下端部にはディテント突部を設けるとともに、コンプレッションロッドを押し下げる方向へ付勢するバネが設けられている。
【0006】
このバネにより、コンプレッションロッドは下方へ付勢されており、ベースプレートに設けられたポジションプレート部にディテント突部が係合することで、シフトレバーの移動を止めることができる。また、ノブ釦を押すとバネの付勢力に抗してディテント突部が上方へ引き上げられ、シフトレバーを移動させることが可能になる。
【特許文献1】特開平11−278085号公報
【特許文献2】特開平11−245680号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記特許文献1に記載されているものでは、シフトレバー103を介して衝撃荷重が加わったとき、コンプレッションロッド105のポジションピン110がポジションプレート107の薄肉部108を破断して逃がし孔109に入り込む構成であるため、前記特許文献2に記載されているものに、前記特許文献1の衝撃エネルギー吸収構造を採用しようとしても、コンプレッションロッドのディテント部がポジションプレート部に当接して移動できないため、前記特許文献2のシフトレバー装置には衝撃エネルギー吸収構造が採用できないという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、シフトレバー装置が前記プルロッドタイプのものにおいて、シフトレバーを介して加わる衝撃荷重を吸収できるシフトレバー装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、車体に固定されるハウジングに設けられ、回転軸を中心にして回動するシフトレバーと、このシフトレバー内に挿通され、前記シフトレバーの上部に設けられるノブ釦の操作に応じて軸方向に持ち上げられ移動するコンプレッションロッドと、前記ハウジングに設けられ、前記シフトレバーの回動方向の位置を規制するポジションプレートと、前記コンプレッションロッドの下端に設けられ前記ポジションプレートに係合可能なディテント突部とを備え、前記ディテント突部が前記ポジションプレートに係合することにより、前記シフトレバーの回動方向の位置を規制し、前記ノブ釦の操作に応じて前記ディテント突部が前記ポジションプレートから離脱することにより、前記シフトレバーの回動方向の位置規制を解除するように構成したシフトレバー装置であって、前記シフトレバーの回動方向の前側と後側とに2分割した前記ポジションプレート間に前記ディテント突部が移動可能な間隔を備えたスリットと、前記2分割したポジションプレート間を連結する支持部材と、前記シフトレバーの回転軸が移動する方向に設けられた衝撃エネルギー吸収手段とを設け、前記シフトレバーに先端側から基端側に向かって衝撃荷重が加えられた際に、前記ディテント突部がスリットを移動しつつ、該支持部材が、前記2分割したポジションプレート間から脱落することを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1記載のシフトレバー装置であって、前記2分割したポジションプレート間を連結する前記支持部材が打撃音防止を兼ねた弾性材からなることを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1記載のシフトレバー装置であって、前記衝撃エネルギー吸収手段は、前記回転軸を支承する軸支ブラケットと、この軸支ブラケットとともに前記回転軸の両端を支承する一対の軸支部材とを備え、前記シフトレバーを介して衝撃荷重が加わると破断する爪部を前記軸支部材に設け、前記爪部の破断に伴う前記軸支部材の移動時に該軸支部材が圧接することによって曲げ変形する金属プレートを前記軸支ブラケットに設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、乗員などが衝突してシフトレバーに衝撃荷重が加えられた場合、2分割したポジションプレート間から支持部材が脱落することにより、シフトレバーが移動するとともに、2分割したポジションプレート間に形成されるスリットでコンプレッションロッドのディテント突部の移動が許容される。これにより、シフトレバーを介して加わる衝撃荷重をシフトレバー及びコンプレッションロッドの移動過程にて衝撃エネルギー吸収手段によって衝撃エネルギーを吸収することがプルロッドタイプのシフトレバー装置においてできる。
【0013】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加え、通常の操作状態では、2分割したポジションプレート間に設けた支持部材が弾性材からなることにより、コンプレッションロッドのディテント突部がポジションプレート、および支持部材に係合する際の打撃音を防止し、騒音の発生を抑制することができる。
【0014】
請求項3の発明によれば、請求項1の発明の効果に加え、上記衝撃エネルギー吸収手段は、乗員などが衝突してシフトレバーへの衝撃荷重が所定荷重を超えた場合、まず軸支部材の爪部が破断した後、シフトレバー、回転軸および軸支部材が移動して該軸支部材が金属プレートに圧接することによって金属プレートが曲げ変形する。したがって、シフトレバーを介して衝撃荷重が掛かったとき、軸支部材の爪部と金属プレートとで2段階に分けて衝撃エネルギーを吸収しながら軸支部材が比較的長い距離移動ができるので、衝撃吸収ストローク量が比較的大きなシフトレバーの場合にも対応できる。また、金属プレートが曲げ変形することにより衝撃エネルギーを吸収するので、樹脂製の衝撃吸収部材を用いた構造と比較してシフトレバーの少ないストローク量で比較的大きな衝撃エネルギーを吸収できるとともに、金属プレートの寸法(面積および板厚)を調整することによって上記衝撃荷重を容易に制御できるので、衝撃吸収部材で厳しい寸法精度を必要としない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図5は本発明の一実施形態を示し、図1はシフトレバー装置を示す側面図、図2はシフトレバー装置を示す斜視図、図3はシフトレバーに衝撃荷重が加えられた状態のシフトレバー装置を示す側面図、図4はシフトレバー装置を反対側から見た側面図、図5はシフトレバー装置を反対側から見た斜視図である。なお、図1〜図3は上部のインディケータカバーを除いた状態で示し、図4及び図5はシフトレバー及びコンプレッションロッドと上部のインディケータカバーとを除いた状態で示してある。
【0016】
シフトレバー装置1は、図示しない車体に固定されるハウジング2と、このハウジング2に設けられ、回転軸3を中心にして回動するシフトレバー4と、このシフトレバー4内に挿通され、シフトレバー4の上部に設けられるノブ5とノブ釦5aの操作に応じて軸方向に移動するコンプレッションロッド6と、ハウジング2に設けられ、シフトレバー4の回動方向の位置を規制するポジションプレート7a(P、Rレンジ部),7b(1レンジ部)、およびこのポジションプレート7a,7bを連結する支持部材9と、ハウジング2に設けられ、回転軸3を支承する軸支ブラケットとしてのヨーク10と、このヨーク10とともに回転軸3の両端を支承する一対の軸支部材11と、ヨーク10に設けられ、軸支部材11の移動時に軸支部材11が圧接することによって曲げ変形する複数枚の金属プレート12とを備えている。また、支持部材9は、樹脂などの弾性材からなり、コンプレッションロッド6下端に設けられるディテント突部8がポジションプレート7a,7bと支持部材9に係合する際の打撃音を防止する。
【0017】
ハウジング2の上部には、図示しないインジケータケースが配置され、レンジ位置が表面に配置されている。このインジケータケースには、スライド孔が中央部分に形成されており、シフトレバー4への操作を行うことによりシフトレバー4がインジケータケースのスライド孔をスライド移動してトランスミッションを変速するように構成されている。
【0018】
コンプレッションロッド6の下端に設けられるディテント突部8は、コンプレッションロッド6の下端より側方に突出する。ディテント突部8の両端より一対のアーム部8aがそれぞれ下方へ延びるとともに、一対のアーム部8aはポジションプレート7a,7b、および支持部材9の上部を両側から挟むように配置されている。
【0019】
ポジションプレート7a,7bは、シフトレバー4の回動方向の前側と後側とに2分割され、これらポジションプレート7a,7b間のN〜2レンジ部に、シフトレバー4に衝撃が加えられた際にディテント突部8の移動を許容するスリット13が設けられている。
【0020】
支持部材9は、ポジションプレート7a,7b間に、スリット13を横切るように設けられるとともに、両端がポジションプレート7a,7bの側面より突出する一対の支軸14により取り付けられ、ロックワッシャ15で固定されている。支持部材9は、長手方向の中間部分に薄肉部9aを有し、一方のアーム部8aが支持部材9の側面に突き当たることにより、ディテント突部8がディテントプレート7a,7b、および支持部材9のディテント溝部7c,7d,7eに係合する際の打撃音を防止するようになっている。また、シフトレバー4を介して衝撃荷重Fが支持部材9に加えられた場合、軸支部材11が破損することにより、支持部材9がポジションプレート7a,7b間から脱落する。なお、ポジションプレート7a,7bのディテント溝部7d,7eは、スリット13の支持部材9より上方の部分によって形成されている。
【0021】
さらに、前記シフトレバー4の回転軸3が移動する方向には、衝撃エネルギー吸収手段が設けられている。この衝撃エネルギー吸収手段には、ヨーク10の上面および下面にはそれぞれ開口(図示せず)が形成され、ヨーク10の互いに対向する一対の側面には、それぞれ回転軸3の端部および軸支部材11が露出する開口10aが形成されている。開口10aの上部は半円柱状に形成されて回転軸3に嵌め込まれた軸受3aが嵌合されるとともに、開口10aの下部には軸受3aの下部を受ける状態で軸支部材11が装着されている。この軸支部材11は、シフトレバー4を介して衝撃荷重Fが加わると破断する一対の爪部11aを有している。
【0022】
金属プレート12は、一対の軸支部材11が移動する領域、すなわちヨーク10の開口10aから下面の開口に向かう領域にそれぞれ2枚ずつ配置されるとともに、一対の軸支部材11の移動方向と略直交する方向に延びている。
【0023】
この実施形態にあっては、シフトレバー装置1はプルロッドタイプであり、コンプレッションロッド6のディテント突部8がポジションプレート7a,7bのディテント溝部7d,7eと支持部材9のディテント溝部7cの上縁部に係合する方向に図示しないスプリングにて付勢されており、これにより、シフトレバー4の回動方向の位置が規制され、ノブ釦5aの操作に応じてディテント突部8がシフトレバー4の軸方向に持ち上げられ、上記ディテント溝部7c,7d,7eの上縁部から離脱することにより、シフトレバー4の回動方向の位置規制が解除されるので、シフトレバー4が回動可能となる。例えば、シフトレバー4のノブ釦5aを操作してシフトレバー4をP、R、または1レンジ部に回動することにより、ディテント突部8がディテント溝部7d,7eに係合するとき、一方のアーム部8aが支持部材9に当接するので打撃音が防止される。
【0024】
また、ノブ5に乗員などが衝突してシフトレバー4に衝撃荷重Fが加えられた場合、シフトレバー4が移動するとともに、軸支部材11が破損することにより、コンプレッションロッド6も移動して一方のアーム部8aが支持部材9に突き当たり、支持部材9がポジションプレート7a,7b間から脱落する。その結果、ポジションプレート7a,7b間に形成されるスリット13でディテント突部8の移動が許容されるので、図3に示すように、前記シフトレバー4の移動に伴って軸支部材11の爪部11aが破断した後、シフトレバー4、回転軸3および軸支部材11が移動して軸支部材11が金属プレート12に圧接することによって金属プレート12が曲げ変形し、衝撃エネルギーが吸収される。
【0025】
以上、説明したように、本発明によれば、ノブ5に乗員などが衝突して衝撃荷重Fが加えられた場合、シフトレバー4が移動するとともに、2分割したポジションプレート7a,7b間に形成されるスリット13でディテント突部8の移動が許容されるので、シフトレバー4及びコンプレッションロッド6の移動過程にて衝撃エネルギー吸収手段により衝撃エネルギーを吸収することができる。また、支持部材9は樹脂などの弾性材からなるため、コンプレッションロッド6のディテント突部8がポジションプレート7a,7bのディテント溝部7d,7e、および支持部材9のディテント溝部7cに係合する際の打撃音を防止するので、騒音の発生を抑制することができる。
【0026】
また、本発明によれば、衝撃エネルギー吸収手段は、シフトレバー4を介して衝撃荷重Fが掛かったとき、軸支部材11の爪部11aと金属プレート12とで2段階に分けて衝撃エネルギーを吸収しながら軸支部材11が比較的長い距離移動ができるので、衝撃吸収ストローク量を比較的大きくできる。また、金属プレート12が曲げ変形することにより衝撃エネルギーを吸収するので、樹脂製の衝撃吸収部材を用いた従来例と比較して少ないストローク量で比較的大きな衝撃エネルギーを吸収できるとともに、金属プレート12の寸法(幅および板厚等)を調整することによって上記衝撃荷重を容易に制御できる。金属プレート12による衝撃吸収部材であるため、嵌合構造においては厳しい寸法精度を必要としない。
【0027】
また、本発明によれば、シフトレバー4に加わった衝撃荷重Fにより一対の軸支部材11の爪部11aがそれぞれ破断して一対の軸支部材11が移動するとき、移動領域に金属プレート12が2枚ずつ配置され、一対の軸支部材11の移動方向と略直交する方向に延びているので、一対の軸支部材11がそれぞれ金属プレート12の一方の面を略直交する方向に圧接し、安定した状態で金属プレート12を曲げ変形させることができる。さらに、積層した2枚の金属プレート12を一対の軸支部材11が順次曲げ変形させるので、比較的長い距離にわたって衝撃エネルギーを吸収することにより、吸収できる衝撃エネルギーの量を増やすことができる。さらに、この実施形態では、N〜2レンジ部間に上記スリットを設けたが、これに限ることなく必要に応じて、N〜1、D〜2とレンジ部を変更しても良い。
【0028】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。
【0029】
例えば、上記一実施形態では、一対の軸支部材11が移動する領域に金属プレート12をそれぞれ2枚ずつ積層して配置した場合を例示したが、金属プレートをそれぞれ3枚以上ずつ積層して配置し、積層した金属プレートを一対の軸支部材が順次曲げ変形させることにより、さらに長い距離にわたって衝撃エネルギーを吸収できるので、吸収できる衝撃エネルギーの量を増やすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施形態を示し、シフトレバー装置を示す側面図である。
【図2】本発明の一実施形態を示し、シフトレバー装置を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態を示し、シフトレバーに衝撃荷重が加えられた状態のシフトレバー装置を示す側面図である。
【図4】本発明の一実施形態を示し、シフトレバー装置を反対側から見た側面図である。
【図5】本発明の一実施形態を示し、シフトレバー装置を反対側から見た斜視図である。
【図6】従来のシフトレバー装置を示す側面図である。
【符号の説明】
【0031】
1 シフトレバー装置
2 ハウジング
3 回転軸
4 シフトレバー
5 ノブ
5a ノブ釦
6 コンプレッションロッド
7a,7b ポジションプレート
7c,7d,7e ディテント溝部
8 ディテント突部
9 支持部材
10 軸支ブラケット(ヨーク)
11 軸支部材
12 金属プレート
13 スリット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に固定されるハウジングに設けられ、回転軸を中心にして回動するシフトレバーと、このシフトレバー内に挿通され、前記シフトレバーの上部に設けられるノブ釦の操作に応じて軸方向に持ち上げられ移動するコンプレッションロッドと、前記ハウジングに設けられ、前記シフトレバーの回動方向の位置を規制するポジションプレートと、前記コンプレッションロッドの下端に設けられ前記ポジションプレートに係合可能なディテント突部とを備え、
前記ディテント突部が前記ポジションプレートに係合することにより、前記シフトレバーの回動方向の位置を規制し、前記ノブ釦の操作に応じて前記ディテント突部が前記ポジションプレートから離脱することにより、前記シフトレバーの回動方向の位置規制を解除するように構成したシフトレバー装置であって、
前記シフトレバーの回動方向の前側と後側とに2分割した前記ポジションプレート間に前記ディテント突部が移動可能な間隔を備えたスリットと、
前記2分割したポジションプレート間を連結する支持部材と、前記シフトレバーの回転軸が移動する方向に設けられた衝撃エネルギー吸収手段とを設け、
前記シフトレバーに先端側から基端側に向かって衝撃荷重が加えられた際に、前記ディテント突部がスリットを移動しつつ、該支持部材が、前記2分割したポジションプレート間から脱落することを特徴とするシフトレバー装置。
【請求項2】
請求項1記載のシフトレバー装置であって、
前記2分割したポジションプレート間を連結する前記支持部材が打撃音防止を兼ねた弾性材からなることを特徴とするシフトレバー装置。
【請求項3】
請求項1記載のシフトレバー装置であって、
前記衝撃エネルギー吸収手段は、
前記回転軸を支承する軸支ブラケットと、
この軸支ブラケットとともに前記回転軸の両端を支承する一対の軸支部材とを備え、
前記シフトレバーを介して衝撃荷重が加わると破断する爪部を前記軸支部材に設け、
前記爪部の破断に伴う前記軸支部材の移動時に該軸支部材が圧接することによって曲げ変形する金属プレートを前記軸支ブラケットに設けたことを特徴とするシフトレバー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−6311(P2010−6311A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−170483(P2008−170483)
【出願日】平成20年6月30日(2008.6.30)
【出願人】(000237307)富士機工株式会社 (392)
【Fターム(参考)】