説明

シャワーのカバーの支持構造

【課題】
シャワーフェイスなどのシャワー本体に取り付けられたカバーの表面が撓むことを簡便な構造で防止し、シャワーの品質感を損ねないようにすること。
【解決手段】
フェイス部40を露呈させて、シャワー10本体に取り付けられるシャワー10のカバー20の支持構造Aにおいて、カバー20が取り付けられた際に、カバー20の裏面側に位置する部位のシャワーフェイス20に、カバー20の裏面が当接可能な当接部48を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャワーのカバーの支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シャワーのシャワーフェイスなど、シャワー本体に、さらにカバーを取り付けたシャワーが知られている。このようなカバーは、シャワーのボデーにシャワーフェイスを固定するためのねじを隠すなどの美観上の目的で用いられていることが多い。なお、出願人においては、このような固定式のシャワーについて調査したが、具体的な文献を発見できなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、従来のシャワーでは、このカバーが薄く形成されている場合や柔らかい材質の場合には、取り付けられたカバーに力が加わった際に、カバー表面が撓むなどして、シャワーの品質感を大きく損ねるという問題があった。特に近年は、デザイン上の要請から、真鍮製のカバーを用いたりシャワーの小型が進むなど、カバーの多様な材質・肉厚の薄さが求められる傾向にあるため、このような撓みが一層問題となっていた。
【0004】
本発明は上記した従来のシャワーのカバーの支持構造の問題点を解消するものであり、シャワーフェイスなどのシャワー本体に取り付けられたカバーの表面が撓むことを簡便な構造で防止し、シャワーの品質感を損ねないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、本発明の採った手段を以下に説明する。本発明のシャワーのカバーの支持構造は、フェイス部を露呈させてシャワー本体に取り付けられるシャワーのカバーの支持構造であって、前記カバーが取り付けられた際に、前記カバーの裏面側に位置する部位の前記シャワー本体に、前記カバーの裏面が当接可能な当接部が形成されたことを特徴とするシャワーのカバーの支持構造(請求項1)である。
【0006】
このような当接部を形成することにより、カバーに力が加えられても、カバーの裏面側からカバーを支持することができ、カバーの撓みを防止することが出来る。当接部は、カバー全体に渡って支持できるようにカバーの裏面側の全ての部位において設けても良いが、一部の部位にのみ設けることとしても良い。また、その形状は特に限定されず、種々の形状とすることができる。また、当接部は、シャワー本体のいずれの部位に設けても良く、例えば、シャワーフェイスやボデーなどのシャワー本体のいずれかの部位に設ければよい。
【0007】
また、前記シャワーは、固定式のシャワーであることを特徴とする請求項1に記載のシャワーのカバーの支持構造(請求項2)としても良い。
【0008】
使用者が直接保持して使用するハンドシャワーではなく、固定式のシャワーに取り付けられるカバーの場合、使用者が保持して使用する際のような強度を考慮しなくても良いので、カバーを薄肉に形成することがある。また、真鍮を使用するなど、設置するカウンターなどの部位とのデザイン上の統一を図るために強度が十分でない場合もある。よって、本発明はこのような固定式のシャワーのカバーの撓みを防止するのに特に好適である。
【0009】
また、前記当接部は前記フェイス部の外周縁に形成されたことを特徴とする請求項1かまたは請求項2に記載のシャワーのカバーの支持構造(請求項3)としても良い。
【0010】
フェイス部を露呈させるカバーにおいては、フェイス部とカバーとの境界付近において撓みが生ずると、両部材間に隙間が生じてしまうなど、美観上問題となりやすい。よって、フェイス部の外周縁に当接部を形成すると、フェイス部とカバーとの境界付近における撓みを有効に防止できる。当接部は、フェイス部の外周縁の全ての部位において形成しても良く、また、外周縁の一部においてのみ形成しても良い。
【発明の効果】
【0011】
本発明は上記のように、シャワーの本体にカバーを裏面側から支持する当接部を設けたので、カバーの撓みを簡便かつ確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、本発明のシャワーのカバーの支持構造の実施の形態を図を参考にして詳細に説明する。図1に示すように、本発明のシャワーのカバーの支持構造Aを用いた床散湯シャワー10は、浴室内のカウンター1内に内蔵されてカウンター1正面側のパネル2の左側寄りに露呈され、浴室内の床面3に向けて取り付けられ、冬季などの気温の低い場合に、床面3に散湯を行って床面3全体を暖めるものである。
【0013】
図3に示すように、この床散湯シャワー10は、パネル2裏側に配設される固定用ステー4を介して、カウンター1裏側の壁面(図示省略)に固定されている。図2から図4に示されるように、床散湯シャワー10には、本体部12と接続管部14とが備えられたボデー16と、本体部12の正面側に組み付けられたシャワーフェイス18とが備えられている。これらのボデー16及びシャワーフェイス18が、本発明にいう「シャワー本体」に相当する。そして、図2に示すように、「シャワー本体」の一部であるシャワーフェイス18の前面には、カバー20が嵌合取り付けされている。
【0014】
図3に示すように、接続管部14は、本体部12の背面側の開口部13から背面右側に沿って延設されており、その端部は湯水混合水栓(図示省略)側に接続され、所定のハンドル操作により、この接続管部14を通じて本体部12に湯水が供給されるように設けられている。
【0015】
上記した開口部13内には、図3及び図4に示すように、円筒状の台座22がOリング24を介して取り付けられている。台座22には、先端側の小径部26と、基端側の大径部28とが備えられており、大径部28の外周面の溝内にOリング24が装着されている。また、台座22は、開口部13奥側の段部15に係止されて開口部13内に収容されている。そして、大径部28の開口部29内に、円筒状の定流量弁30が収容保持されている。定流量弁30は、開口部29内に圧入可能な外径の円筒状に形成されている。定流量弁30は、毎分8リットルに流量を抑えることができるものであり、通常の水道管に接続する場合には毎分8リットルの流量を維持することができる。よって、床面3の幅・奥行き・床散湯シャワー10の設置される高さなどの種々の要因に合わせて、下記に詳述するように散水孔50,52,54,56の形状などを特定して床面3全体に散湯を行き渡すことを目的とする床散湯シャワー10において、湯水の流量を一定として、床面3全体に散湯を適切に行き渡すことが可能となる。
【0016】
また、図3及び図4に示すように、本体部12の左右両端部には、第一ねじ孔32、第二ねじ孔33が開設された半割長円形状の取付部34が延設されている。左側の取付部34にはその下方寄りに、正面視右側の取付部34にはその上方寄りに、それぞれ1箇所の第一ねじ孔32が開設されており、また、左側の取付部34にはその上方寄りに、正面視右側の取付部34にはその下方寄りに、それぞれ1箇所の第二ねじ孔33が開設されている。各第一ねじ孔32は、固定用ステー4に設けられた第一取付孔5に対応する位置に、各第二ねじ孔33は、固定用ステー4に設けられた第二取付孔6に対応する位置に、それぞれ開設されている。また、第二ねじ孔33は、後述するシャワーフェイス18の取付孔46とも対応する位置に開設されている。そして、第一ねじ7が、固定用ステー4の第一取付孔5から取付部34の第一ねじ孔32に螺着されて、固定用ステー4にボデー16が固定されている。
【0017】
また、本体部12の背面側内部の開口部29よりも右側には、後述するシャワーフェイス18を組み付けた際に、その干渉突部43が収容される凹部36が形成されており、一方、左側には、図18にも示すように、凹部36よりも正面寄りに形成されてシャワーフェイス18を左右反対の向きにボデー16に組み付ける際には干渉突部43と干渉して組み付けを不能とする干渉部38が形成されている。このような干渉突部43及び干渉部38を設けることにより、下記に詳述するように散水孔50,52,54,56の形状などを特定して床面3全体に散湯を行き渡すことを目的とする床散湯シャワー10において、シャワーフェイス18を組み付け間違えることにより当初予定される散湯方向が狂ってしまい、組み付け直しの必要が生ずることを確実に防止することができる。また、本例では干渉突部43は、後述するシャワーフェイス18のフェイス部40に沿って立設される側壁42からさらに突設されるように形成されており、本体部12に正規の向きに組み付けられた際に、本体部12内の流路中央付近などに突出されることが無く、流路内の湯水の流れを妨げるおそれも無い。また、特に、適宜にメンテナンスを必要とする定流量弁30を内蔵する床散湯シャワー10の場合に、このように組み付け間違いを防止する干渉部38及び干渉突部43を設けることは有効である。
【0018】
次いでシャワーフェイス18について説明する。図5に示すように、シャワーフェイス18は、正面視がほぼ横長の長方形状に形成され、図3に示すように、そのフェイス部40を底面としてその外周に沿って周回状に立設される側壁42を備えた全体形状とされている。また、フェイス部40の正面視右側裏の側壁42には、さらにフェイス部40背面側に突設された干渉突部43が突設されている。フェイス部40の左右両側には、図5に示すように、ボデー16及び固定用ステー4にねじ止め固定するための取付孔46が設けられた取付部44が延設されている。取付部44は、ほぼ長方形状に形成されており、正面視左側の取付部44にはその上方寄りに、正面視右側の取付部44にはその下方寄りに、それぞれ1箇所の取付孔46が開設されている。また、正面視左側の取付部44にはその下方寄り裏側に、正面視右側の取付部44にはその上方寄り裏側に、それぞれ裏側に配設されるねじ7の頭が収容される収容空間47が設けられている。各取付孔46は、ボデー16の第二ねじ孔33及び固定用ステー4の第二取付孔6に対応する位置に開設されている。そして、第二ねじ8が、この取付孔46及び固定用ステー4の第二取付孔6に正面側から順に挿通され、ボデー16の取付部34の第二ねじ孔33に螺着されて、固定用ステー4及びボデー16に対して、シャワーフェイス18が固定されている。
【0019】
図3に示すように、取付部44はフェイス部40よりも背面寄り延設されているが、図3及び図5に示すように、フェイス部40の左右両側には、フェイス部40よりも僅かに取付部44側に正面視円弧状の外径を備えて段状に形成された当接部48が設けられている。そして図2及び図16に示すように、カバー20がシャワーフェイス18に嵌合取り付けされた場合には、カバー20の内孔21の左右両側周縁部内側面が、この当接部48の前面によって当接されて、カバー20の左右両側周縁部の内側方向への撓みを防止するように構成されている。
【0020】
次いでカバー20について説明する。図15及び図16に示すように、カバー20は、正面視が、ほぼ横長の長方形状に形成されるとともに、中央に、シャワーフェイス18のフェイス部40を露呈する内孔21が開口されている。カバー20は約1mmの肉厚の真鍮製とされている。内孔21は、フェイス部40の外径とほぼ同形状に形成されている。また、図16に示すように、内孔21周縁部からシャワーフェイス20端部にかけて背面寄りに傾斜される底部70が設けられ、この底部70の端部から背面側に向けて、側壁部72が周設されている。底部70は、カバー20の左右側に最も幅広く形成されている。また、シャワーフェイス21の下端部には、シャワーフェイス18に嵌合される際に、嵌合を容易に行わせるための切り欠き19が2箇所形成されている。
【0021】
このように設けられたカバー20は、シャワーフェイス18に取り付けられた際に、その最も幅広く形成されたカバー20左右の部位の底部70が、フェイス部40左右に設けられた当接部48に当接される。よって、最も幅広く形成され撓みが生じやすいカバー20左右の底部70の部位を支持することができる。また、当接部48は、平面視において、フェイス部40よりも約1mmシャワーフェイス18背面寄りに形成されている。よって、図16に示すように、カバー20をシャワーフェイス18に取り付けた状態では、カバー20の底面70表側とフェイス部40表側とが、ほぼ同一面に配置されるように設けられ、撓みによるカバー20の内孔21とフェイス部40外周縁との境界部分の隙間を防止することができ、その美観が向上されるように構成されている。
【0022】
なお、上記した支持構造Aでは、正面視円弧状の外径を備えた当接部48としたが、これに限られず、例えば正面視縦長長方形状の当接部48などとしても良い。またフェイス部40の左右に当接部48を設けることとしたが、これに限られず、図20に示すように、フェイス部40の外周縁ほぼ全てに渡って当接部48’を形成することとしても良い。さらにまた、フェイス部40の外周縁以外の部位に当接部を形成することも可能である。また、上記した支持構造Aでは、シャワーフェイス18に当接部48を設けたがこれに限られず、「シャワー本体」の別の部位であるボデー16に当接部を設けることとしても良い。
【0023】
次いでフェイス部40について詳細に説明する。図2に示すように、フェイス部40には、上下方向において四列に配置された散水孔50,52,54,56が多数形成されている。これらの散水孔50,52,54,56は、上下方向において下寄りの散水孔ほど、下方に向けた角度に散水が吐出されるように、その形状・角度・噴き出し口面角度が形成されている。具体的には、図6に示すように、上側第一列目の散水孔50は、上下方向においては、水平方向より僅かに下方に向けて散水が吐出されるようにその形状・角度・噴き出し口面角度が形成されている。フェイス部40の正面部41の正面視左側の10個の散水孔50については、正面部41に直交する方向から約11度下方に向けて散水が吐出されるように形成されており、より具体的には、散水孔50裏面側の形状は、下部がフェイス部40の正面部41の正面側に直交する方向に形成され、この下部に対して上部は後方が広がるように約22度傾斜して形成され、側面視扇形に形成されている。このように、散水孔50を扇形に形成するとともに、その上下端の一方を正面部41に直交する方向に形成することにより、型抜きに支障を来さないようにすることができるとともに、傾斜角度の約2分の1である約11度の角度で散水を吐出することができる。
【0024】
また、それぞれの散水孔50のフェイス部40表側の噴き出し口58は、散水孔50の散水の吐出角度である約11度下方に傾斜した、正面部41奥側に約0.5mmの深さに、直径3mmの仮想円柱形状の一部を形成するように削り取られた形状とされており、すなわち、その奥側底面が、フェイス部40の正面部41に直交する方向に対して約11度下方に向けられた形状とされている。このように、散水孔50の表側の噴き出し口58について、仮想円柱形状に噴き出し口58を削り取るように形成することにより、上記のようにフェイス部40裏側の散水孔50の形状により定められる散水方向に正対しない角度の散水孔50表側の噴き出し口58の開口部によって散水が干渉されて、散水孔50の形状によって予定される角度とは異なる角度に吐出されてしまうことを防止することができる。
【0025】
また、散水孔50が予定する散水角度に噴き出し口58の底面の角度に応じて、仮想円柱形状に噴き出し口58の向きを定めることにより、フェイス部40裏側の散水孔50の形状により定められる散水方向に正対しない角度の散水孔50表側の噴き出し口の開口部による散水への干渉を、さらに減少させることができる。
【0026】
また、図示は省略するが、上側第一列目の散水孔50のうちの正面視右側の残りの2個の散水孔50については、水平方向から約14度下方に向けて散水が吐出されるように形成されており、具体的には、散水孔50裏面側の形状は、下部がフェイス部40の正面部41に直交する方向に形成され、この下部に対して上部は後方が広がるように約28度傾斜して形成され、側面視扇形に形成されている。そして上記した散水孔50と同様に、それぞれの散水孔50のフェイス部40表側の噴き出し口58は、正面部41に直交する方向から、散水孔50の散水の吐出角度である約14度下方に傾斜した、正面部41奥側に約0.5mmの深さに、直径3mmの仮想円柱形状の一部を形成するように削り取られた形状に形成されており、すなわち、その奥側底面が、フェイス部40正面側に対して約14度下方に向けられた形状とされている。
【0027】
次いで、上側第二列目の散水孔52は、第一列目の散水孔50よりもやや下方に、水平方向から約33度下方に向けて散水が吐出されるように、その形状・角度・噴き出し口面角度が形成されている。具体的には、散水孔52裏面側の形状は、下部が、正面部41に直交する方向に形成され、この下部に対して上部は後方が広がるように約66度傾斜して形成され、側面視扇形に形成されている。そして、それぞれの散水孔52のフェイス部40表側の噴き出し口60は、正面部41に直交する方向から、散水孔52の散水の吐出角度である約33度下方に傾斜した、正面部41奥側に約0.5mmの深さに、直径3mmの仮想円柱形状の一部を形成するように削り取られた形状に形成されており、すなわち、その奥側底面が、フェイス部40正面側に対して約33度下方に向けられた形状とされている。
【0028】
また、図7に示すように、第三列目の散水孔54は、第二列目の散水孔52よりもさらに下方に、水平方向から約37度下方に向けて散水が吐出されるように、その形状・角度・噴き出し口面角度が形成されている。具体的には、散水孔54裏面側の形状は、下部がフェイス部40の正面部41に直交する方向に形成され、この下部に対して上部は後方が広がるように約74度傾斜して形成され、側面視扇形に形成されている。そして、それぞれの散水孔54のフェイス部40表側の噴き出し口62は、正面部41に直交する方向から、散水孔54の散水の吐出角度である約37度下方に向けて傾斜した、正面部41奥側に約0.5mmの深さに、直径3mmの仮想円柱形状の一部を形成するように削り取られた形状に形成されており、すなわち、その奥側底面が、フェイス部40正面側に対して約40度下方に向けられた形状とされている。
【0029】
そして、第四列目の散水孔56は、第二列目の散水孔52よりもさらに下方に、水平方向から約65度下方に向けて散水が吐出されるように、その形状・角度・噴き出し口が形成されている。散水孔56については、側面視は、フェイス部40の正面部41に直交する方向に対して約65度下方に向けて下さがりに傾いたほぼ長方形状に形成されており、その噴き出し口64は、フェイス部40の正面部41に対して約65度下方に向けて傾斜したフェイス部40の傾斜部45にそのまま開口されている。
【0030】
また、水平方向においては、上下方向最下列の散水孔56を除いて、正面視左端に位置する散水孔50,52,54は床散湯シャワー10の正面に正対する方向に吐出され、これより正面視右寄りの散水孔50,52,54は、より右側に位置する散水孔50,52,54ほど右側に角度を強めて吐出されるように形成されている。すなわち、散水孔50,52,54は、それぞれ、右壁面が正面部41と正対する方向に沿って形成されているが、一方で左壁面は、右寄りに行くにしたがって、その正面側がフェイス部40の正面部41の右方向に向けて順に角度を強めるように形成されている。また、それぞれの噴き出し口58,60,62は、正面部41奥側に約0.5mmの深さに、直径3mmの仮想円柱形状の一部を形成するように削り取られた形状に形成されている。さらにまた、これらの噴き出し口58,60,62の一部については、その軸心を右側に向けた仮想円柱形状の一部を形成するように削り取られた形状に形成されている。
【0031】
各散水孔50,52,54,56は、水平方向において、その形状などが以下のように形成されている。図8及び図9に示すように、上下方向第一列目の散水孔50については、正面視左端の散水孔50はその左壁面及び右壁面が共に正面部41と正対する方向に沿って形成されているが、これより右側の散水孔50は、その右壁面が正面部41と正対する方向に沿って形成されると共に、左壁面は、その正面側がフェイス部40の正面部41の右方向に向けて順に、5度、10度、15度、20度、25度、30度、40度、50度、55度、65度、70度の角度を付けて平面視扇形に形成されている。そして、これらの散水孔50は左から順に、正面部41と正対する方向に対して、正面視右側に向けて、0度、2.5度、5度、7.5度、10度、12.5度、15度、20度、25度、27.5度、32.5度、35度の角度で散水が吐出されるように設けられている。
【0032】
また、図9に、図8に示す左端から3つの散水孔50を拡大して示すように、各散水孔50の噴き出し口58は、その軸心が正面部41に正対する方向に向けて、正面部41奥側に約0.5mmの深さに、直径3mmの仮想円柱形状の一部を形成するように削り取られた形状に形成されている。
【0033】
図10及び図11に示すように、上下方向第二列目の散水孔52については、正面視左端の散水孔52はその左壁面及び右壁面が共に正面部41と正対する方向に沿って形成されているが、これより右側の散水孔52は、その右壁面が正面部41と正対する方向に沿って形成されると共に、左壁面は、その正面側がフェイス部40の正面部41の右方向に向けて順に、5度、10度、15度、20度、25度、30度、40度、50度、55度、65度、75度の角度を付けて平面視扇形に形成されている。そして、これらの散水孔52は左から順に、正面部41と正対する方向に対して、正面視右側に向けて、0度、2.5度、5度、7.5度、10度、12.5度、15度、20度、25度、27.5度、32.5度、37.5度の角度で散水が吐出されるように設けられている。
【0034】
また、各散水孔52の噴き出し口60は、上記したように、正面部41奥側に約0.5mmの深さに、直径3mmの仮想円柱形状の一部を形成するように削り取られた形状に形成されている。そして、左寄りの3つの噴き出し口60については、その軸心が正面部41に正対する方向に向けて仮想円柱形状の一部を形成するように削り取られた形状に形成されており、左寄りの4つ目から6つ目の噴き出し口60については、その軸心が正面部41に正対する方向に対して、約15度右向きにその軸心が定められた仮想円柱形状の一部を形成するように削り取られた形状に形成されている。そして、図11にもその一部を拡大して示すように、右寄りの残る6つの噴き出し口60は、正面部41に正対する方向に対して、約30度右向きにその軸心が定められた仮想円柱形状の一部を形成するように削り取られた形状に形成されている。
【0035】
図12及び図13に示すように、上下方向第三列目の散水孔54については、正面視左端の散水孔54はその左壁面及び右壁面が共に正面部41と正対する方向に沿って形成されているが、これより右側の散水孔54は、その右壁面が正面部41と正対する方向に沿って形成されると共に、左壁面は、その正面側がフェイス部40の正面部41の右方向に向けて順に、10度、20度、30度、40度、40度、50度、55度、65度、80度の角度を付けて平面視扇形に形成されている。そして、これらの散水孔54は左から順に、正面部41と正対する方向に対して、正面視右側に向けて、0度、5度、10度、15度、20度、20度、25度、22.5度、32.5度、40度の角度で散水が吐出されるように設けられている。
【0036】
また、各散水孔54の噴き出し口62は、上記したように、正面部41奥側に約0.5mmの深さに、直径3mmの仮想円柱形状の一部を形成するように削り取られた形状に形成されている。そして、左寄りの3つの噴き出し口62については、その軸心が正面部41に正対する方向に向けて仮想円柱形状の一部を形成するように削り取られた形状に形成されており、左寄りの4つ目から6つ目の噴き出し口62については、その軸心が正面部41に正対する方向に対して、約30度右向きにその軸心が定められた仮想円柱形状の一部を形成するように削り取られた形状に形成されている。そして、図13にもその一部を拡大して示すように、右寄りの残る4つの噴き出し口62は、正面部41に正対する方向に対して、約60度右向きにその軸心が定められた仮想円柱形状の一部を形成するように削り取られた形状に形成されている。
【0037】
そして図14に示すように、上下方向最下列、第四列目の8つの散水孔56については、いずれもフェイス部40の正面部41及び底面部45の左右方向に正対する方向に沿って、形成されている。
【0038】
このように各散水孔50,52,54,56などが設けられた床散湯シャワー10では、図1及び図19に示すように、より上方の散水孔からは、床散湯シャワー10からより遠い床面3の位置に向けた角度で噴水が吐出され、より下方の散水孔からは床散湯シャワー10により近い床面3の位置に向けた角度で噴水が吐出される。また、最下列の散水孔56を除いて、床散湯シャワー10の配設位置から右側に広がる床面3に対して、右寄りの散水孔50,52,54からは右寄りに向けて噴水が吐出される。このようにして、床面3全体に散水を行き渡らせることができる。
【0039】
上記のように構成された床散湯シャワー10は、下記のように組み立てる。まず、本体部12の接続管部14を湯水混合水栓に接続される配管(図示省略)に接続する。次いで、本体部12を、浴室の壁面などにあらかじめ固定しておいた固定用ステー4にねじ止めする。図4及び図17に示すように、取付部34を固定用ステー4の裏面側に配置させて、固定用ステー4の第一取付孔5から、本体部12の左右の取付部34に形成された第一ねじ孔32にそれぞれ、ねじ7をねじ込む。この状態で、本体部12は、カウンター1のパネル2に開口された取付口9に位置される。次いで、シャワーフェイス18を、固定用ステー4及び本体部12に固定する。図5及び図17に示すように、取付部44を固定用ステー4の表面側に配置させて、左右の取付孔46及び固定用ステー4の第二取付孔6に挿通して、本体部12の第二ねじ孔32に、それぞれ、ねじ8をねじ込む。この際に、図17及び図3に示すように、シャワーフェイス18の向きが正しければ、干渉突部43は本体部12の凹部36内に収容され、ねじ8のねじ止めを可能とするが、図18に示すように、シャワーフェイス18の左右の向きを間違えて組み付けようとすると、干渉突部43が本体部12の干渉部38に干渉されて、ねじ8によるねじ止めを不能とする。そして、シャワーフェイス18を固定した後に、カバー20をシャワーフェイス18に嵌合取り付けして、床散湯シャワー10の組み立て及び取付が終了する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明のシャワーのカバーの取付構造を用いた床散湯シャワーを配設した浴室カウンターの斜視図である。
【図2】床散湯シャワーの正面図である。
【図3】カバーを除いた床散湯シャワーの横断面図である。
【図4】固定用ステー及び本体部の正面図である。
【図5】シャワーフェイスの正面図である。
【図6】図5のシャワーフェイスのJ−K−L−J線断面図である。
【図7】図5のシャワーフェイスのG−G線断面図である。
【図8】図6のシャワーフェイスのS−S線断面図である。
【図9】図8のシャワーフェイスの一部拡大断面図である。
【図10】図6のシャワーフェイスのT−T線断面図である。
【図11】図10のシャワーフェイスの一部拡大断面図である。
【図12】図7のシャワーフェイスのU−U線断面図である。
【図13】図12のシャワーフェイスの一部拡大断面図である。
【図14】図6のシャワーフェイスのV−V線断面図である。
【図15】カバーの正面図である。
【図16】カバーを取り付けた床散湯シャワーの横断面図である。
【図17】シャワーフェイス、固定用ステー、本体部の分解横断面図である。
【図18】シャワーフェイスを左右逆向きに配置した状態を示す、シャワーフェイス、固定用ステー、本体部の分解横断面図である。
【図19】床散湯シャワーの平面図である。
【図20】別のカバーの取付構造を用いたシャワーフェイスの正面図である。
【符号の説明】
【0041】
1;カウンター、2;パネル、3;床面、4;固定用ステー、5;第一取付孔、6;第二取付孔、7;第一ねじ、8;第二ねじ、9;取付口、10;床散湯シャワー、12;本体部、13;開口部、14;接続管部、15;段部、16;ボデー、18;シャワーフェイス、19;切り欠き、20;カバー、21;内孔、22;台座、24;Oリング、26;小径部、28;大径部、29;開口部、30;定流量弁、32;第一ねじ孔、33;第二ねじ孔、34;取付部、36;凹部、38;干渉部、40;フェイス部、41;正面部、42;側壁、43;干渉突部、44;取付部、45;傾斜部、46;取付孔、47;収容空間、48;当接部、50,52,54,56;散水孔、58,60,62,64;噴き出し口、70;底部、72;側壁部、A;カバーの支持構造。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェイス部を露呈させてシャワー本体に取り付けられるシャワーのカバーの支持構造であって、
前記カバーが取り付けられた際に、前記カバーの裏面側に位置する部位の前記シャワー本体に、前記カバーの裏面が当接可能な当接部が形成されたことを特徴とするシャワーのカバーの支持構造。
【請求項2】
前記シャワーは、固定式のシャワーであることを特徴とする請求項1に記載のシャワーのカバーの支持構造。
【請求項3】
前記当接部は前記フェイス部の外周縁に形成されたことを特徴とする請求項1かまたは請求項2に記載のシャワーのカバーの支持構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2008−136570(P2008−136570A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−323839(P2006−323839)
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(000242378)株式会社ケーブイケー (130)
【出願人】(000104973)クリナップ株式会社 (341)
【Fターム(参考)】