説明

シュリンクフィルム付台紙の製造方法

【課題】台紙の形状に係わらず、また、台紙に対して筒状のシュリンクフィルムの角度を変えて、貼着することができるシュリンクフィルム付台紙の製造方法を提供する。
【解決手段】筒状のシュリンクフィルムを台紙に貼着したシュリンクフィルム付台紙の製造方法であって、(a)長尺の筒状のシュリンクフィルムを定形に断裁する断裁工程、(b)断裁された筒状のシュリンクフィルムを1枚ずつ分離した状態で搬送するフィルム搬送工程、(c)搬送されてきた、断裁された筒状のシュリンクフィルムに接着剤を塗布する接着剤塗布工程、(d)接着剤が塗布された筒状のシュリンクフィルムに、接着剤を介して台紙を貼着する台紙貼着工程、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シュリンクフィルム付台紙の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
表示やデザインを印刷した台紙とともに、商品となる被包装物を、見えるように収納した包装には、熱成形したプラスチックシートに被包装物を収納して、台紙で塞ぐ、ブリスター包装や、台紙の上に被包装物を載せて、上から加熱したフィルムで直接包装する、スキンパックがある。
【0003】
また、紙、合成樹脂、或いは金属板からなるカード(台紙1)に被包装物を当該して、これらを、合成樹脂の熱収縮性の皮膜で被覆し、皮膜を加熱して熱収縮せしめ、全体を緊密一体的に被着させたカード包装があり、そのひとつとして、図7(A)のように、カード(台紙1)に接着剤3を塗布して、熱収縮性チューブ(筒状のシュリンクフィルム2)を接着させたシュリンクフィルム付台紙に製造して、図7(B)のように、被包装物を収納し、熱収縮性チューブ(筒状のシュリンクフィルム2)を熱収縮させて、被包装物をカード(台紙1)に固着した、包装体があった(特許文献1)。
【0004】
これと類似した包装に用いるシュリンクフィルム付台紙の製造方法として、(a)台紙1をコンベア上に1枚ずつ供給する台紙供給工程、(b)このコンベア上に供給されて搬送される台紙1の表面に版ロールにより接着剤3を塗布する接着剤塗布工程、および、(c)この接着剤3の塗布された台紙1に対して筒状のシュリンクフィルム2を1枚ずつ供給してその台紙1に貼着する筒状フィルム貼着工程を備えるシュリンクフィルム付台紙の製造方法が開示されていて、図8(A)のような、シュリンクフィルム付台紙を製造して、図8(B)のような、シュリンクフィルム付台紙に被包装物が包装された包装体を製造することが開示されている(特許文献2)。
【0005】
公知文献を以下に示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭49−3796号公報
【特許文献2】特開平8−244832号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記、特許文献2のシュリンクフィルム付台紙の製造方法の(a)台紙1をコンベア上に1枚ずつ供給する台紙供給工程では、実施例において、下流側へ向けて下方に傾斜するように配置されたフィードテーブルに、台紙を立てた状態で収容し、フィードテーブル上の最下部の台紙を、そのフィードテーブル3上から取り出し、送り出すことが記載されている。
【0008】
このような、台紙供給工程では、台紙の形状に制約があり、少なくとも立てた状態が安定する形状にする必要がある。例えば、台紙が円形や楕円形の場合は立てた状態を安定させることが難しい。また、台紙が厚み持っている場合、例えば台紙が紙箱を兼ねるようにすることも難しい。また、台紙に対して筒状のシュリンクフィルムの角度を変えて貼着することも、困難である。
【0009】
本発明は上記した事情に鑑みてなされたもので、台紙の形状に係わらず、また、台紙に対して筒状のシュリンクフィルムの角度を変えて、貼着することができるシュリンクフィルム付台紙の製造方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の請求項1に係る発明は、筒状のシュリンクフィルムを台紙に貼着したシュリンクフィルム付台紙の製造方法であって、(a)長尺の筒状のシュリンクフィルムを定形に断裁する断裁工程、(b)断裁された前記筒状のシュリンクフィルムを1枚ずつ分離した状態で搬送するフィルム搬送工程、(c)搬送されてきた、断裁された前記筒状のシュリンクフィルムに接着剤を塗布する接着剤塗布工程、(d)前記接着剤が塗布された筒状のシュリンクフィルムに、前記接着剤を介して台紙を貼着する台紙貼着工程、を備えることを特徴とするシュリンクフィルム付台紙の製造方法である。
【0011】
本発明のシュリンクフィルム付台紙の製造方法は、以上のような構成であって、台紙の形状に係わらず貼着することができ、また、台紙に対して筒状のシュリンクフィルムの角度を変えて、貼着することができる。
【0012】
本発明の請求項2に係る発明は、前記フィルム搬送工程の搬送手段がコンベアで該コンベアに多数の吸引孔が設けられ、搬送中の前記筒状のシュリンクフィルムが、前記吸引孔に吸引されて搬送されることを特徴とする請求項1に記載のシュリンクフィルム付台紙の製造方法ある。
【0013】
本発明は、請求項1に記載の包装体において、断裁された筒状のシュリンクフィルムが、多数の吸引孔が設けられたコンベアで、吸引孔に吸引されて搬送されるので、断裁された筒状のシュリンクフィルムが、コンベアに固定されて、動くことが無く、接着剤塗布工程で位置を修正する必要が無い。
【0014】
本発明の請求項3に係る発明は、前記台紙貼着工程が、前記台紙を1枚ずつ吸盤で吸いつけて移動させ、前記接着剤が塗布された筒状のシュリンクフィルムの所定位置に、前記接着剤を介して取り付け、貼着することを特徴とする請求項1または2に記載のシュリンクフィルム付台紙の製造方法である。
【0015】
本発明のシュリンクフィルム付き台紙の製造方法によれば、台紙を1枚ずつ吸盤で吸いつけて移動させ、接着剤が塗布された筒状のシュリンクフィルムの所定位置に、接着剤を介して取り付けるので、確実に、台紙を筒状のシュリンクフィルムの所定位置に取り付けることができ、台紙の形状に係わらず、また、台紙に対して筒状のシュリンクフィルムの角度を変えて、貼着することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明のシュリンクフィルム付き台紙の製造方法によれば、筒状のシュリンクフィルムと台紙を貼着するにあたって、台紙の形状に係わらず、また、台紙に対して筒状のシュリンクフィルムの角度を変えて、貼着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】(A)本発明のシュリンクフィルム付台紙の製造方法で製造されるシュリンクフィルム付台紙の一例を模式的に示した説明図、(B)本発明のシュリンクフィルム付台紙の製造方法で製造されるシュリンクフィルム付台紙の他の例を模式的に示した説明図である。
【図2】本発明のシュリンクフィルム付台紙の製造方法の製造ラインの一例を模式的に平面で示した説明図である。
【図3】本発明のシュリンクフィルム付台紙の製造方法の製造ラインの一例の筒状のシュリンクフィルムを定形に断裁する断裁装置付近を模式的に示した説明図である。
【図4】本発明のシュリンクフィルム付台紙の製造方法の製造ラインの一例の断裁された筒状のシュリンクフィルムに接着剤を塗布する接着剤塗布装置付近を模式的に示した説明図である。
【図5】本発明のシュリンクフィルム付台紙の製造方法の製造ラインの一例の接着剤が塗布された筒状のシュリンクフィルムに、接着剤を介して台紙を貼着する台紙貼着装置付近を模式的に示した説明図である。
【図6】本発明のシュリンクフィルム付台紙の製造方法の製造ラインの一例の台紙とシュリンクフィルムとを押圧する押圧装置付近を模式的に示した説明図である。
【図7】(A)従来からあるシュリンクフィルム付台紙を模式的に示した説明図である。(B)従来の包装体の一例を模式的に示した説明図である。
【図8】(A)従来の包装体の一例に用いるシュリンクフィルム付台紙を模式的に示した説明図である。(B)従来の包装体の一例を模式的に示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下本発明を実施するための形態につき説明する。
図1(A)は、本発明のシュリンクフィルム付台紙の製造方法で製造されるシュリンクフィルム付台紙の一例を模式的に示した説明図、(B)は、本発明のシュリンクフィルム付台紙の製造方法で製造されるシュリンクフィルム付台紙の他の例を模式的に示した説明図である。
【0019】
本発明のシュリンクフィルム付台紙の製造方法で製造されるシュリンクフィルム付台紙の一例は、図1(A)のように、台紙1が楕円状であり、シュリンクフィルム2が接着剤3で取り付けられている。本発明のシュリンクフィルム付き台紙の製造方法によれば、筒状のシュリンクフィルム2と台紙1を貼着するにあたって、このような楕円状のような台紙1にも、貼着することができ、台紙1の形状に係わらずシュリンクフィルム付台紙を製造することができる。
【0020】
本発明のシュリンクフィルム付台紙の製造方法で製造されるシュリンクフィルム付台紙の他の例は、図1(B)のように、長方形の台紙1に対して、筒状のシュリンクフィルム2が長方形状になっているが、台紙1の各辺が、筒状のシュリンクフィルム2の各辺といずれも平行になっていないで、傾いた角度で、接着剤3で取り付けられている。本発明のシュリンクフィルム付き台紙の製造方法によれば、台紙1に対して筒状のシュリンクフィルム2の角度を変えて、貼着することが容易にできる。
【0021】
このシュリンクフィルム付台紙の筒状のシュリンクフィルム2の筒の中に、被包装物を挿入し、加熱して、シュリンクフィルム2を収縮させ、シュリンク包装を行うことで、被包装物にシュリンクフィルム2を密着させて包装体を作成することができる。台紙1には店舗などで吊下げて展示するための吊下げ孔4を設けておいても良い。
【0022】
本発明の包装体に用いる台紙1には、紙、プラスチックシート、或いは金属板などの板状のものが使用できる。紙としては、厚紙で腰のあるものであれば、特に限定されない。また表面にアルミ蒸着層のあるアルミ蒸着紙なども使用できる。
【0023】
シュリンクフィルム2には、熱で収縮するフィルムであればよく、また、筒が細くなる方向の収縮が、筒が短くなる方向の収縮より大きいフィルムが、シュリンク包装を行う際の収縮時に被包装物がシュリンクフィルム2から外れることがないので、本用途には適している。
【0024】
シュリンクフィルム2の材質としては、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、或いは、ポリエステル系の樹脂が好ましく用いられる。ポリエステル系の樹脂として、農産物由来の持続可能な素材である、ポリ乳酸を用いることも可能であり、環境に対応した包装として好ましく用いることができる。
【0025】
本発明の包装体に用いる接着剤3は、紙器の製造で一般的に用いられグルーと呼ばれている水系エマルジョン型の接着剤でも良いし、また、ホットメルトの接着剤でもよい。ホットメルトの接着剤は加熱溶融させて塗布し、冷却することにより固化・接着するものであるので、扱いやすい。
【0026】
ただし、熱可塑性樹脂を成分とする従来のホットメルトの接着剤は、加熱溶融させて用いるため、耐熱性の点では限界がある。使用時に、直射日光にさらされるなど、高温となる恐れがある場合は、塗布、冷却後に、反応が進み硬化して、耐熱性などの物性の高い接着性が得られる反応型ホットメルトの接着剤を用いても良い。
【0027】
例えば、ウレタン樹脂を主成分とした反応型ホットメルトの接着剤は、加熱溶融により生成されたウレタンプレポリマーが、冷却されると末端イソシアネート基を残した状態で固化し、冷却された後も、空気中や被着材に含まれる水分と末端イソシアネート基が反応し、高分子化が進み、より耐熱性の高い接着性を得ることができ、高温にさらされる用途に適している。
【0028】
次に、本発明のシュリンクフィルム付台紙の製造方法に付いて説明する。
図2は、本発明のシュリンクフィルム付台紙の製造方法の製造ラインの一例を模式的に平面で示した説明図である。
図3は、本発明のシュリンクフィルム付台紙の製造方法の製造ラインの一例の筒状のシュリンクフィルムを定形に断裁する断裁装置付近を模式的に示した説明図である。
図4は、本発明のシュリンクフィルム付台紙の製造方法の製造ラインの一例の断裁された筒状のシュリンクフィルムに接着剤を塗布する接着剤塗布装置付近を模式的に示した説明図である。
図5は、本発明のシュリンクフィルム付台紙の製造方法の製造ラインの一例の接着剤が塗布された筒状のシュリンクフィルムに、接着剤を介して台紙を貼着する台紙貼着装置付近を模式的に示した説明図である。
図6は、本発明のシュリンクフィルム付台紙の製造方法の製造ラインの一例の台紙とシュリンクフィルムとを押圧する押圧装置付近を模式的に示した説明図である。
【0029】
シュリンクフィルム2は、幅広で長尺のシュリンクフィルム2に必要に応じて印刷を施し、スリットして、幅方向の両端を重ね合わせて、封筒貼りして、本発明の包装体に使用する折径になるように筒状にして、長尺のまま紙管100に巻き取っておく。
【0030】
台紙1も、必要に応じて印刷を施した多面付けの台紙用紙から、断裁や、抜き工程によって、1枚ずつ切り離された台紙1としておく。
【0031】
図2のように、本発明のシュリンクフィルム付台紙の製造方法の製造ラインの一例は、長尺の筒状のシュリンクフィルム2を定形に断裁するシュリンクフィルム断裁装置10、断裁された筒状のシュリンクフィルム2を1枚ずつ分離した状態で搬送するシュリンクフィルム搬送装置20、搬送されてきた、断裁された前記筒状のシュリンクフィルム2に接着剤3を塗布する接着剤塗布装置30、接着剤3が塗布された筒状のシュリンクフィルム2に、接着剤3を介して台紙1を貼着する台紙貼着装置40、および、接着剤3を介して貼着された筒状のシュリンクフィルム2と台紙1を押圧する押圧装置50と、以上によって、製造されたシュリンクフィルム付き台紙を排出させる排出装置60とからなっている。
【0032】
シュリンクフィルム断裁装置10では、図3のように、紙管100に巻き取られた、筒状長尺のシュリンクフィルム2を巻き出して、断裁装置101によって、定形の長さに断裁する。その断裁されたシュリンクフィルム2を、吸盤102によって、持ち上げ、移動させて、シュリンクフィルム搬送装置20のコンベア200の上に載せる。
【0033】
コンベア200には、多数の吸引孔201が設けられ、コンベア200の下には、上面が開放され、コンベアの下面に接触している真空吸引装置202が設けられ、真空吸引装置202の下面には、真空吸引口203が設けられていて、真空吸引口203は真空ポンプなどに繋がるように配管されて、真空に吸引されている。これによって、真空吸引装置202内が、減圧され、コンベア200の上に載せられたシュリンクフィルム2が、吸引孔201に吸引され、コンベア200に固定され、搬送される。
【0034】
コンベア200に固定されたシュリンクフィルム2は、接着剤塗布装置30に搬送される。図4のように、接着剤塗布装置30では、搬送されてきたシュリンクフィルム2に接着剤3を塗布する。本例においては、ホットメルトアプリケーター301で、反応型ホットメルトの接着剤3を吐出して、シュリンクフィルム2を搬送しながら、所定の位置に塗布する。
【0035】
このとき、反応型ホットメルトの接着剤3の温度は、40から60℃の範囲にあることが望ましい。更に好ましくは、50から55℃の範囲である。55℃を越えると塗布したシュリンクフィルム2が収縮するおそれがあり、60℃を越えるとシュリンクフィルム2が収縮してしまうので、被包装物を収納させるのが難しくなる。また、50℃未満になっていると、反応型ホットメルトの接着剤3が固化するおそれがあり、40℃未満だと固化してしまい、初期接着が出ないので、シュリンクフィルム2が、外れてしまう恐れがある。
【0036】
本例においては、ホットメルトアプリケーター301で、反応型ホットメルトの接着剤3を塗布したが、必ずしもこれに限ることはなく、水性エマルジョン型の接着剤3を用いて、塗布ロールを用いて塗布してもよい。
【0037】
接着剤3が塗布されたシュリンクフィルム2は、シュリンクフィルム搬送装置20のコンベア200の吸引孔201に吸引され、コンベア200に固定されたまま搬送され、台紙貼着装置40に送られる。本例では、接着剤3が塗布されたシュリンクフィルム2を、シュリンクフィルム搬送装置20で搬送する。接着剤塗布装置30と台紙貼着装置40の間を、別の搬送装置で搬送しても構わないが、位置を安定させて搬送するために、シュリンクフィルム搬送装置20でそのまま搬送することが好ましい。
【0038】
図5は台紙貼着装置40の付近を模式的に示した説明図である。図3、図4は製造ラインの横方向から見た説明図であるが、図5は、製造ラインの方向から見た図である。台紙貼着装置40では、シュリンクフィルム搬送装置20のコンベア200の横に設置された台紙積載台401に多数の台紙1が、水平にして重ねられて積載されている。台紙積載台401の下には、昇降装置402が備えられて、積載された多数の台紙1の最上面の上下方向の位置を一定に保つようになっている。
【0039】
台紙積載台401の上方には、吸盤403を備えた台紙搬送装置404が設けられ、台紙積載台401の上の多数の台紙1の一番上の1枚の台紙1を、吸盤403が下降して吸い付け、その後、上昇と横移動をして、シュリンクフィルム搬送装置20のコンベア200で搬送されてきた、接着剤3が塗布されたシュリンクフィルム2の上に移動して、下降
して、吸いつけて搬送してきた台紙1を接着剤3が塗布されたシュリンクフィルム2に押し付けて、接着させる。
【0040】
このとき、台紙積載台401の上に水平にして重ねられて積載された多数の台紙1の向きは自由に変えられるので、台紙1に対する筒状のシュリンクフィルム2の角度を変えて貼着することを容易に行うことができる。また、吸盤403で吸い付けた台紙1の方向を変えて、接着剤3が塗布されたシュリンクフィルム2に押し付けて、接着させることもでき、このようにしても、台紙1に対する筒状のシュリンクフィルム2の角度を変えて貼着することができる。
【0041】
本例においては、平板状の台紙1での製造方法を示しているが、台紙1が平板上でなく、例えば、紙箱のような縦横方向のみでなく高さ方向にも長さがある立体の場合でも、吸盤403で吸い付けることができれば、実施可能である。この場合、台紙1を積み重ねてもよいが、搬送装置で台紙1が1個ずつ平置きで並べられて運ばれてきて、所定の位置に止まって、これを吸盤403で吸い付け、接着剤3が塗布されたシュリンクフィルム2に押し付けて、接着させてもよい。
【0042】
以上のようにして、筒状のシュリンクフィルム2を台紙1に貼着したシュリンクフィルム付台紙が出来上がるが、接着剤3の台紙1並びにシュリンクフィルム2への密着を高める為に、押圧装置50にて台紙1とシュリンクフィルム2の外側から押圧することが望ましい。
【0043】
図6は、本発明のシュリンクフィルム付台紙の製造方法の製造ラインの一例の台紙とシュリンクフィルムとを押圧する押圧装置付近を模式的に示した説明図である。図6のように、台紙貼着装置40で貼着され、シュリンクフィルム搬送装置20のコンベア200で、吸引孔201に吸着固定され、搬送されてきたシュリンクフィルム付台紙は、上ロール501と下ロール502からなる押圧装置50に送られる。
【0044】
押圧装置50では、搬送されてきたシュリンクフィルム付台紙が、上ロール501と下ロール502の間を通り、上ロール501と下ロール502により、上下に押圧されて、接着剤3の台紙1並びにシュリンクフィルム2への密着が高められる。
【0045】
接着剤3が反応型ホットメルトや熱可塑性樹脂からなる従来型ホットメルトなどホットメルトの接着剤3の場合は、上ロール501と下ロール502のいずれかまたは、両方を冷却ロールにして、押圧と同時に冷却することもできる。冷却することによって、ホットメルトの粘性を低下させ、初期接着強度を高めることができる。
【0046】
本例では、押圧装置50に、上ロール501と下ロール502を用いたが、上下2枚の平板を水平面に対称なボックス運動をそれぞれさせて、押圧を行ってもよい。このときも、ホットメルトの接着剤3を用いるなら、上下2枚の平板のいずれか、または、両方を冷却板にして、押圧と冷却を同時に行ってもよい。
【0047】
押圧装置50により押圧されたシュリンクフィルム付台紙は、排出装置60により、排出され、シュリンクフィルム付台紙が取り出される。このシュリンクフィルム付き台紙で、被包装物を包装するには、シュリンクフィルム付き台紙のシュリンクフィルム2の筒状の中に被包装物を挿入して、シュリンクトンネルなどで、100℃近辺で加熱して、シュリンクフィルム2を収縮させるシュリンク包装を行うことで、シュリンクフィルム2を被包装物に密着させて、包装体とすることができる。
【0048】
以上、本発明のシュリンクフィルム付台紙の製造方法であれば、台紙1の形状に係わら
ず、例えば、台紙1が円形や楕円形の場合であっても、シュリンクフィルム付台紙を製造することができる。また、また、台紙1に対して筒状のシュリンクフィルム2の角度を変えて貼着することもできる。更には、台紙1が厚み持っている場合、例えば台紙1を紙箱が兼ねている場合でも、シュリンクフィルム付台紙を製造することができる。
【符号の説明】
【0049】
1・・・台紙
2・・・シュリンクフィルム
3・・・接着剤
4・・・吊下げ孔
10・・・シュリンクフィルム断裁装置
20・・・シュリンクフィルム搬送装置
30・・・接着剤塗布装置
40・・・台紙貼着装置
50・・・押圧装置
60・・・排出装置
100・・・紙管
101・・・断裁装置
102・・・吸盤
200・・・コンベア
201・・・吸引孔
202・・・真空吸引装置
203・・・真空吸引口
301・・・ホットメルトアプリケーター
401・・・台紙積載台
402・・・昇降装置
403・・・吸盤
404・・・台紙搬送装置
501・・・上ロール
502・・・下ロール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状のシュリンクフィルムを台紙に貼着したシュリンクフィルム付台紙の製造方法であって、
(a)長尺の筒状のシュリンクフィルムを定形に断裁する断裁工程、
(b)断裁された前記筒状のシュリンクフィルムを1枚ずつ分離した状態で搬送するフィルム搬送工程、
(c)搬送されてきた、断裁された前記筒状のシュリンクフィルムに接着剤を塗布する接着剤塗布工程、
(d)前記接着剤が塗布された筒状のシュリンクフィルムに、前記接着剤を介して台紙を貼着する台紙貼着工程、
を備えることを特徴とするシュリンクフィルム付台紙の製造方法。
【請求項2】
前記フィルム搬送工程の搬送手段がコンベアで該コンベアに多数の吸引孔が設けられ、搬送中の前記筒状のシュリンクフィルムが、前記吸引孔に吸引されて搬送されることを特徴とする請求項1に記載のシュリンクフィルム付台紙の製造方法。
【請求項3】
前記台紙貼着工程が、前記台紙を1枚ずつ吸盤で吸いつけて移動させ、前記接着剤が塗布された筒状のシュリンクフィルムの所定位置に、前記接着剤を介して取り付け、貼着することを特徴とする請求項1または2に記載のシュリンクフィルム付台紙の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−166459(P2012−166459A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−29581(P2011−29581)
【出願日】平成23年2月15日(2011.2.15)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】