説明

シューティングゲーム機

【課題】小型化が容易に図れるようになるシューティングゲーム機の提供。
【解決手段】メダルセレクタ31からの適正メダル投入信号をトリガー信号に変換し、シューティングゲーム機の表示装置21に映し出される大砲をメダルセレクタ31で撃発可能にする。そして、メダルセレクタ31を覆うメダルセレクタカバー32を大砲に模したものにし、メダルセレクタカバー32及びメダルセレクタ31で銃砲模型及びトリガー手段を兼用し、銃砲模型及びトリガー手段を別途設ける必要をなくし、シューティングゲーム機全体の小型化を容易に図れるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画を含む様々な映像を表示することが可能な表示装置を備え、この表示装置の画面に映し出される標的を狙って仮想的に射撃するゲームを行うシューティングゲーム機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、CRTや液晶パネル等を備えた表示装置の画面に、移動する標的を映し出し、この標的を狙って仮想的に射撃を行うシューティングゲーム機が利用されている。
一般的なシューティングゲームには、メダルが投入されるメダル投入口と、ピストルや大砲等を模した銃砲模型とが全く別個に設けられ、このうち、銃砲模型に、引き金等のトリガー手段が設けられている。
そして、銃砲模型を標的に向けた状態で、遊技者がトリガー手段を操作することで、シューティングゲームが行われるようになっている。そして、遊技者がトリガー手段を操作した瞬間に、銃砲模型の方向や、トリガー手段を操作したタイミング等が計測され、これらの計測データに基づいて画面に表示された標的に命中したか否かが自動的に判断されるようになっている(例えば、特許文献1)。
【0003】
一方、一の遊技者が単独で遊技を行うことがきでるゲーム機である遊技ステーションを複数備え、これらの遊技ステーションを通信手段等で相互に接続し、参加した複数の遊技者が互いに競い合えるようにしたマルチステーション型のゲーム機が知られている(例えば、特許文献2)。
【特許文献1】特開2003−53035号公報(図1及び図5)
【特許文献2】特開2002−239236号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述のようなシューティングゲーム機では、トリガー手段が設けられた銃砲模型を設ける必要があるので、これ以上小型化できない、という問題がある。
特に、シューティングゲーム機を、複数の遊技ステーションからなるマルチステーション型のゲーム機にしようとすると、各遊技ステーションにトリガー手段が設けられた銃砲模型を設ける必要があり、各遊技ステーションが嵩張ってしまう。このため、マルチステーション型にすると、ゲーム機全体が大きくなるので、シューティングゲーム機をマルチステーション型にするにあたり、遊技ステーションとしてのシューティングゲーム機を小さくしたい、という強い要望がある。
【0005】
本発明の目的は、小型化が容易に図れるようになるシューティングゲーム機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下に説明する各発明は、上記した目的を達成するためになされたものであり、図面に示した発明の実施の形態を用いて、以下に説明する。
なお、以下の各構成要件には、説明の便宜上、実施の形態において用いた符号を付すが、これにより、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
請求項1記載の発明は、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項1記載の発明は、動画を含む様々な映像を表示することが可能な表示装置(21)を備え、この表示装置(21)の画面に映し出される標的(42)を狙って仮想的に射撃を行うシューティングゲーム機(1)であって、前記画面に対して左右に回動可能に設けられるとともに、メダルが適正なものか否かを判定するメダルセレクタ(31)と、このメダルセレクタ(31)を内部に収納するとともに、銃砲の形態に形成されたメダルセレクタカバー(32)と、前記メダルセレクタ(31)の回動角度位置を検出する位置検出手段(37)と、適正なメダルが投入された際に、前記メダルセレクタ(31)から発信される適正メダル投入信号を受けて、当該適正メダル投入信号を射撃のトリガー信号とみなす射撃タイミング決定手段(53)とを備えていることを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、前述した請求項1記載の発明において、次の特徴点を備えているものである。
すなわち、請求項2記載の発明は、各々が前記表示装置(21)、前記メダルセレクタ(31)、前記メダルセレクタカバー(32)、前記位置検出手段(37)、及び、前記射撃タイミング決定手段(53)とを有するとともに単独でもシューティングゲームが実行可能となった複数の遊技ステーション(2)と、これらの遊技ステーション(2)が互いに対向するように二列に配列された状態で取り付けられた筐体(11)と、前記複数の遊技ステーション(2)を相互にデータ通信可能に接続するデータ通信手段(3)と、このデータ通信手段(3)による通信動作を制御する通信制御手段(4)と、互いに対向する遊技ステーション(2)の表示装置(21)の画面に、前記標的(42)を挟んでその反対側から見た相手側の映像が映し出されるように前記複数の遊技ステーション(2)に設けられた前記表示装置(21)を制御する映像制御手段(5A)とを備えていること特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
(請求項1の効果)
以上のように構成されている本発明は、以下に記載されるような効果を奏する。
すなわち、請求項1記載の発明によれば、メダルセレクタ及びメダルセレクタカバーが銃砲模型及びトリガー手段を兼用するので、銃砲模型及びトリガー手段を別途設ける必要がなくなり、シューティングゲーム機の小型化が容易に図れるようになる。
(請求項2の効果)
請求項2記載の発明によれば、上記した請求項1記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
【0009】
すなわち、請求項2記載の発明によれば、各遊技ステーションに銃砲模型及びトリガー手段を別途設ける必要がなくなるので、各遊技ステーションが嵩張ることがなく、マルチステーション型にしても、ゲーム機全体が著しく大きくなることを未然に防止できる。
また、複数の遊技ステーションを互いに対向するように二列に配列したので、同じ数の遊技ステーションを配置するにあたり、一列に配列する場合よりも、全体的にコンパクトにまとまり、設置が困難とならない程度に大きさを抑えることができる。
この際、映像制御手段により、互いに対向する遊技ステーションの表示装置の画面に、標的を挟んでその反対側から見た相手側の映像が映し出されるようにしたので、表示装置の画面内の仮想空間における遊技者の遊技位置と、現実における遊技者の遊技位置とが整合し、本シューティングゲーム機が生成する仮想空間に対する臨場感を遊技者に感じさせることができ、遊技者をゲームに没入させることができるうえ、各遊技者が他の遊技者の遊技状況を把握できるようになるので、遊技者同士が互いに競い合う状況を作り出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に、本発明を実施するための最良の形態である一実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1〜図8は、本実施形態を示すものである。図1は、本実施形態に係るシューティングゲーム機を示す正面図、図2は、本実施形態に係るシューティングゲーム機を示す側面図、図3は、本実施形態に係るメダルセレクタの周辺を示す拡大背面図、図4は、本実施形態に係るメダルセレクタの周辺を示す拡大平面図、図5は、本実施形態に係るメダルセレクタの周辺を示す拡大側面図、図6は、本実施形態に係るシューティングゲーム機の概略構成を示すブロック図、図7は、本実施形態の表示装置に表示されるゲーム画面を示す模式図、図8は、本実施形態に係る遊技ステーションを示すブロック図である。
【0011】
本実施形態に係るシューティングゲーム機1は、図1及び図2の如く、複数の遊技者が同時に遊技を行えるように、複数の遊技ステーション2を一つの筐体11に納めたマルチステーション型のゲーム機である。なお、遊技ステーション2は、それ単体でも、遊技者が仮想的に射撃を行うシューティングゲームが行えるものとなっている。
筐体11の両側には、遊技ステーション2の設置部位が設けられている。複数の遊技ステーション2は、全数のうちの半数ずつに分けられて筐体11の両側に配置され、平面視で筐体11の側面に沿った列を二列形成している。
ここで、シューティングゲーム機1は、後で詳述するが、遊技ステーション2の各々で射撃が行われるたびに、遊技者がジャックポットに当選したか否かを抽選するジャックポット抽選を行うものとなっている。
【0012】
そして、筐体11の上面部分には、ジャックポットに所定回当選した遊技者に払い出されるメダルの枚数を示すルーレット装置12が設けられている。
また、各遊技ステーション2の上部には、複数のランプ13A が水平に一列並んだ水平配列照明部13が設けられている。筐体11の各側面の中央に配置された遊技ステーション2及びルーレット装置12の間には、遊技ステーション2の上端縁とルーレット装置12の下端部とを連結する傾斜路14A が設けられている。この傾斜路14A の上面には、当該傾斜路14A の長手方向に複数のランプ14B が一列に並んだ傾斜配列照明部14が設けられている。
さらに、筐体11の側面の高さ方向における略中央部分には、上側が退くとともに下側が迫り出した段付部15が設けられている。
【0013】
ルーレット装置12は、複数の数値が両面に記されるとともに、図示しないフレームを介して筐体11に回転可能に支持された回転板12A と、この回転板12A の数値を指し示すために、前述のフレームを介して筐体11に固定されたポインタ12B とを有している。
水平配列照明部13及び傾斜配列照明部14は、一の遊技者がジャックポットに所定回当選し、メダルが払い出されることとなると、当該遊技者の遊技ステーション2からルーレット装置12へ向かって光が流れるように、そのランプ13A, 14Bの点滅を繰り返すように構成されたものとなっている。
遊技ステーション2の各々は、マイクロコンピュータを応用した遊技機であり、小さな子供でも容易に行えるように、著しく簡略化された操作用装置を操作することでシューティングゲームが行えるようになっている。
【0014】
すなわち、遊技ステーション2の各々には、図1の如く、動画を含む様々な映像を表示することが可能なCRTや液晶パネル等を備えた表示装置21と、遊技を操作するための操作用装置であるメダル投入装置30と、払い出されるメダル及び返却されるメダルの取り出し口22とが設けられている。このうち、表示装置21は、筐体11の段付部15の上方に設置され、メダル投入装置30は、段付部15の上面に設置され、取り出し口22は、段付部15の下方に設置されている。
メダル投入装置30は、表示装置21の画面に映し出された標的を向かって弾丸を発射するシューティングゲーム上の銃砲装置を撃発させる、シューティングゲーム上の撃発装置となっており、このメダル投入装置30にメダルを投入することにより、前述の銃砲装置が弾丸を仮想的に発射するようになっている。
【0015】
すなわち、メダル投入装置30には、メダルが適正なものか否かを判定するメダルセレクタ31と、このメダルセレクタ31を内部に収納するメダルセレクタカバー32と、メダルが投入される投入口33と、遊技ステーション2にメダルを返却させる際に押圧される返却ボタン34と、互いに重ね合わされた複数のメダルをその状態のまま投入口33へ案内するためのメダルガイド溝35と、メダルセレクタ31を含むメダル投入装置30全体を回動可能に支持するための支持軸36と、メダルセレクタ31の回動角度位置を検出する位置検出手段37(図4にのみ示す。)とが設けられている。
ここで、筐体11の段付部15の上面には、当該段付部15の上面を形成する平板部材16を貫通する開口17が設けられている。
【0016】
メダルセレクタ31及びメダルセレクタカバー32は、メダルセレクタカバー32の内部に設けられた図示しない支持ブラケットを介して支持軸36に固定されている。この支持軸36は、筐体11の内部に設けられた支持フレーム11A に回転可能に取り付けられている。これにより、メダルセレクタ31を含むメダル投入装置30は、平面視で、筐体11の段付部15の上面に設けられた開口17の内側となる範囲において回動可能となっている。
メダルセレクタカバー32は、銃砲の形態に形成された、具体的にいうと、中世時代に使用された大砲の形をデフォルメしたものとなっている。このメダルセレクタカバー32の周縁には、筐体11の段付部15の上面に沿って広がるとともに、開口17を下方から塞ぐための鍔部38が設けられている。この鍔部38は、メダルセレクタ31を含むメダル投入装置30が左右の限界位置まで回動されても、開口17を完全に塞ぐことができる大きさを有するものとなっている。
【0017】
投入口33は、メダルセレクタカバー32の表裏を貫通するとともに、メダルセレクタ31に投入されるメダルを挿通させる細長い長孔となっている。
メダルガイド溝35は、投入口33に10枚程度のメダルを連続的に投入させるためのものである。すなわち、ダルガイド溝35は、重ね合わされた10枚程度のメダルに応じた長さ寸法を有するとともに、メダルの半径に応じた曲率のU字断面を有している。
位置検出手段37は、図4に示すように、櫛形状に形成された参照スケール部材37A と、この参照スケール部材37A に対する相対的な位置を検出する位置検出部37B とを備えたものとなっている。
【0018】
参照スケール部材37A は、支持軸36を中心点とする円弧上に沿って所定のピッチで配列された複数の目盛歯37C を備えたものである。これらの目盛歯37C は、互いに隣り合うものとの間に所定寸法の隙間が設けられている。
位置検出部37B は、目盛歯37C の通過を検出する第1通過センサ371 および第2通過センサ372 を備え、参照スケール部材37A が回動することにより、通過センサ371, 372の近傍を目盛歯37C が通過すると、参照スケール部材37A の回動した角度に応じた数の位置パルス信号を出力するものとなっている。なお、第1通過センサ371 および第2通過センサ372 としては、光学式の通過センサ、例えば、フォトインタラプタが採用できる。
【0019】
ここで、第1通過センサ371 および第2通過センサ372 の間には、所定寸法の隙間が設けられている。この第1通過センサ371 および第2通過センサ372 の間隔は、目盛歯37C のピッチを整数倍した値とは若干異なる寸法に設定されている。
これにより、第1通過センサ371 から出力される第1位置パルス信号、及び、第2通過センサ372 から出力される第2位置パルス信号は、参照スケール部材37A の回動方向に応じて、一方が他方に対して若干遅れて出力され、これにより、参照スケール部材37A の回動方向が判別可能となっている。
例えば、参照スケール部材37A が時計方向へ回動する場合には、位置検出部37B から出力される二つの位置パルス信号のうち、第1位置パルス信号が先に立ち上がった後、第2位置パルス信号が遅れて立ち上がり、その後、第1位置パルス信号が先に立ち下がってから、第2位置パルス信号が遅れて立ち下がるようになっている。
【0020】
逆に、参照スケール部材37A が反時計方向へ回動する場合には、位置検出部37B から出力される二つの位置パルス信号のうち、第2位置パルス信号が先に立ち上がった後、第1位置パルス信号が遅れて立ち上がり、その後、第2位置パルス信号が先に立ち下がってから、第1位置パルス信号が遅れて立ち下がるようになっている。
このような位置検出部37B から出力される二つの位置パルス信号の立ち上がり及び立ち下がりの順番を検知することより、参照スケール部材37A の回動方向を判別することができるようになっている。
図6には、本実施形態に係るシューティングゲーム機1の電気的な概略構成が示されている。図6において、シューティングゲーム機1には、前述した複数の遊技ステーション2の他に、これらの遊技ステーション2を相互にデータ通信可能に接続するデータ通信手段であるローカルエリアネットワーク(以下「LAN」という。)3と、このLAN3における通信動作を制御する通信制御手段としての通信制御装置4とが設けられている。
【0021】
このうち、LAN3としては、ハードウェアの入手が容易なもの、例えば、イーサネット(登録商標)等を採用するのが好ましい。
なお、LAN3の接続形態としては、図2に示す形態に限らず、通信制御装置4を起点として複数の遊技ステーション2を直列に接続して行き、通信制御装置4に戻って当該通信制御装置4を終点とするループ型の形態でもよいし、通信制御装置4を中心にして、その周囲に配置した遊技ステーション2を通信制御装置4に接続し、通信制御装置4を介して遊技ステーション2間の通信を行う星型の形態でもよい。
ここで、通信制御装置4は、マイクロコンピュータを応用した装置であり、後述する遊技制御装置5と複数の遊技ステーション2との間のデータ通信、及び、遊技ステーション2同士のデータ通信をするための通信制御を行う機能を有している。
【0022】
遊技制御装置5は、通信制御装置4と同様に、マイクロコンピュータを応用した装置であり、各遊技ステーション2において単独で行われる遊技とは別に、すべての遊技ステーション2を含むシューティングゲーム機1全体で行う遊技を行うためのものである。
そして、遊技制御装置5には、すべての遊技ステーション2の表示装置21に映し出される画像に関連性を持たせるための映像制御手段5Aと、すべての遊技ステーション2で共通して行われるジャックポットゲームにおける抽選を行うジャックポット抽選手段5Bと、ジャックポットゲームにより払い出されるメダルの枚数を設定するとともに前述のルーレット装置12の動作を制御する払出枚数設定手段5Cとが設けられている。
【0023】
映像制御手段5Aは、互いに対向する遊技ステーション2の表示装置21の画面に、標的を挟んでその反対側から見た相手側の映像が映し出されるように複数の遊技ステーション2に設けられた表示装置21を制御するものである。
例えば、図7に示すように、各遊技ステーション2の表示装置21の画面には、シューティングゲームのゲーム画像として、坑道内において空中に架設された線路41と、この線路41の上を左から右へ移動するとともに、シューティングゲームの標的となる複数のトロッコ42と、標的であるトロッコ42に向かって射撃をする大砲43A とが表示されるようになっている。
【0024】
そして、映像制御手段5Aは、これらの遊技ステーション2の表示装置21に、標的であるトロッコ42及び線路41を挟んでその反対側から見た相手側の映像である大砲43B が映し出されるように、複数の遊技ステーション2に設けられた各表示装置21を制御するものとなっている。
また、映像制御手段5Aは、一の遊技ステーション2に設けられた表示装置21の画面右端を通り過ぎたトロッコ42が、今度は、その右隣の遊技ステーション2に設けられた表示装置21の画面左端から現れるように、複数の遊技ステーション2に設けられた各表示装置21を制御するものとなっている。
【0025】
ジャックポット抽選手段5Bは、複数の遊技ステーション2の各々で射撃が行われるたびに、当該遊技者がジャックポットに当選したか否かを抽選するものである。
払出枚数設定手段5Cは、ジャックポット抽選手段5Bによる抽選に当該遊技者が所定回当選すると、当該遊技者に払い出すべきメダルの枚数を抽選により得た数値に基づいて設定するものである。
また、払出枚数設定手段5Cは、払い出すべきメダルの枚数の設定が完了すると、払出枚数を示す払出データを、ルーレット装置12及び図示しないメダル払出装置に向かって送出し、さらに、ルーレット装置12に払出枚数を表示させるとともに、前述のメダル払出装置に当該枚数のメダルを遊技者に払い出させるものとなっている。
【0026】
ここで、一の遊技者がジャックポット抽選手段5Bの抽選に所定の回数当選した際における、シューティングゲーム機1の払出動作について簡単に説明しておく。
一の遊技者がジャックポット抽選手段5Bの抽選に当選し、これにより、この遊技者が当該抽選に当選した回数が所定回数に達すると、シューティングゲーム機1は、ジャックポット当選演出動作を開始する。
ジャックポット当選演出動作は、まず、ランプ13A, 14Bの点滅動作から始まる。具体的には、当該遊技者の遊技ステーション2からルーレット装置12へ向かって光が流れるように、そのランプ13A, 14Bの点滅が繰り返される。
【0027】
このランプ13A, 14Bの点滅動作が開始されてから所定時間が経過すると、ルーレット装置12が回転動作を開始し、回転動作が開始されてから所定時間が経過すると、回転動作が完了し、ルーレット装置12が払出枚数を表示した後、速やかに、前述のメダル払出装置が当該枚数のメダルを遊技者に払い出し、これにより、シューティングゲーム機1の払出動作が完了する。この後、速やかにランプ13A, 14Bの点滅動作が停止し、以上により、ジャックポット当選演出動作が終了する。
図8には、本実施形態に係る遊技ステーション2の電気的な概略構成が示されている。遊技ステーション2は、マイクロコンピュータを応用した装置であり、それぞれ単独でシューティングゲームを行うのに必要な機能を有している。
【0028】
遊技ステーション2には、図8に示すように、LAN3を介して遊技制御装置5とデータ通信を行うための通信制御処理部51と、遊技ステーション2で行われるシューティングゲームのための動作を制御する遊技制御処理部52と、メダルセレクタ31から発信される適正メダル投入信号をトリガー信号として出力する射撃タイミング決定手段53とが設けられている。
このうち、遊技制御処理部52は、マイクロコンピュータを含んで構成されたものであり、射撃タイミング決定手段53からのトリガー信号を受けると、表示装置21の画面に映し出された大砲43A を発射するようになっている。
【0029】
また、射撃タイミング決定手段53は、適正なメダルが投入された際にメダルセレクタ31から発信される適正メダル投入信号を受けて、当該適正メダル投入信号を射撃のトリガー信号とみなし、適正メダル投入信号を射撃のトリガーにふさわしいトリガー信号に変換してから遊技制御処理部52へ出力するものである。
この射撃タイミング決定手段53により、シューティングゲームにおける大砲43A は、メダルセレクタ31に適正なメダルを投入することにより撃発可能となっている。
これにより、遊技ステーション2は、専用のトリガー手段(撃発装置)の設置が不要となっている。
【0030】
前述のような本実施形態によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、メダルセレクタ31からの適正メダル投入信号をトリガー信号に変換して遊技制御処理部52へ出力する射撃タイミング決定手段53を設け、シューティングゲームにおける大砲43A をメダルセレクタ31で撃発可能とし、且つ、メダルセレクタ31及びメダルセレクタカバー32に銃砲模型及びトリガー手段を兼用させたので、遊技ステーション2に銃砲模型及びトリガー手段を別途設ける必要がなくなり、遊技ステーション2を容易に小型化することができる。
また、各遊技ステーション2に銃砲模型及びトリガー手段を別途設ける必要をなくしたので、各遊技ステーション2が嵩張ることがなく、シューティングゲーム機1をマルチステーション型にしても、シューティングゲーム機1全体が著しく大きくなることを未然に防止することできる。
【0031】
さらに、複数の遊技ステーション2を互いに対向するように二列に配列したので、同じ数の遊技ステーション2を配置するにあたり、一列に配列する場合よりも、シューティングゲーム機1全体が全体的にコンパクトにまとまり、設置が困難とならない程度に、シューティングゲーム機1の大きさを抑えることができる。
また、複数の遊技ステーション2に設けられた各表示装置21を制御する映像制御手段5Aを設け、遊技ステーション2の表示装置21に、標的であるトロッコ42及び線路41を挟んでその反対側から見た相手側の映像である大砲43B が映し出されるようにしたので、表示装置21の画面内の仮想空間における遊技者の遊技位置と、現実における遊技者の遊技位置とが整合し、本シューティングゲーム機1が生成する仮想空間に対する臨場感を遊技者に感じさせることができ、遊技者をゲームに没入させることができるうえ、各遊技者が他の遊技者の遊技状況を把握できるようになるので、遊技者同士が互いに競い合う状況を作り出すことができる。
【0032】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲における変形及び改良などをも含むものである。
例えば、シューティングゲーム機としては、複数の遊技ステーションを備え、複数の遊技者がシューティングゲームを行うことができるマルチステーション型のものに限らず、一個の遊技ステーションに相当するハードウェア構成のみを備え、一人の遊技者のみがシューティングゲームを行うことができる、一人用のシューティングゲーム機でもよく、本発明は、シューティングゲームを行うゲーム機一般に広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施形態に係るシューティングゲーム機を示す正面図である。
【図2】前記実施形態に係るシューティングゲーム機を示す側面図である。
【図3】前記実施形態に係るメダルセレクタの周辺を示す拡大背面図である。
【図4】前記実施形態に係るメダルセレクタの周辺を示す拡大平面図である。
【図5】前記実施形態に係るメダルセレクタの周辺を示す拡大側面図である。
【図6】前記実施形態に係るシューティングゲーム機の概略構成を示すブロック図である。
【図7】前記実施形態の表示装置に表示されるゲーム画面を示す模式図である。
【図8】前記実施形態に係る遊技ステーションを示すブロック図である。
【符号の説明】
【0034】
1 シューティングゲーム機
2 遊技ステーション
3 データ通信手段としてのLAN
4 通信制御手段としての通信制御装置
5A 映像制御手段
11 筐体
21 表示装置
31 メダルセレクタ
32 メダルセレクタカバー
37 位置検出手段
42 標的としてのトロッコ
53 射撃タイミング決定手段



【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画を含む様々な映像を表示することが可能な表示装置を備え、この表示装置の画面に映し出される標的を狙って仮想的に射撃を行うシューティングゲーム機であって、
前記画面に対して左右に回動可能に設けられるとともに、メダルが適正なものか否かを判定するメダルセレクタと、
このメダルセレクタを内部に収納するとともに銃砲の形態に形成されたメダルセレクタカバーと、
前記メダルセレクタの回動角度位置を検出する位置検出手段と、
適正なメダルが投入された際に前記メダルセレクタから発信される適正メダル投入信号を受けて、当該適正メダル投入信号を射撃のトリガー信号とみなす射撃タイミング決定手段とを備えていることを特徴とするシューティングゲーム機。
【請求項2】
各々が前記表示装置、前記メダルセレクタ、前記メダルセレクタカバー、前記位置検出手段、及び、前記射撃タイミング決定手段とを有するとともに単独でもシューティングゲームが実行可能となった複数の遊技ステーションと、
これらの遊技ステーションが互いに対向するように二列に配列された状態で取り付けられた筐体と、
前記複数の遊技ステーションを相互にデータ通信可能に接続するデータ通信手段と、
このデータ通信手段による通信動作を制御する通信制御手段と、
互いに対向する遊技ステーションの表示装置の画面に、前記標的を挟んでその反対側から見た相手側の映像が映し出されるように前記複数の遊技ステーションに設けられた前記表示装置を制御する映像制御手段とを備えていること特徴とする請求項1記載のシューティングゲーム機。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate