説明

シラニルアミン系化合物、その製造方法及びそれを含む有機膜を備えた有機発光素子

【課題】シラニルアミン系化合物、その製造方法及びそれを含む有機膜を備えた有機発光素子を提供する。
【解決手段】シラニル化合物は下記化学式で示される。


化合物は、優れた電気的特性及び電荷輸送能力を有し、あらゆるカラーの蛍光及び燐光有機発光素子の正孔注入層、正孔輸送層及び/または発光層の形成材料として有用で、この化合物を含む有機膜を備えた有機発光素子は、高効率、低電圧、高輝度、長寿命を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シラニルアミン系化合物、その製造方法及びそれを含む有機膜を備えた有機発光素子に係り、さらに詳細には、電気的な安定性と高い電荷輸送能力を有し、ガラス転移温度が高く、結晶化を防止できる材料であるシラニルアミン系化合物、その製造方法及びそれを含む有機膜を備えた有機発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光素子(organic light emitting diode)は、自発光型の表示素子であり、視野角が広く、コントラストに優れるだけでなく、応答時間が速いという長所を有し、非常に注目されている。また、前記有機発光素子は、駆動電圧及び応答速度特性に優れ、多色化が可能であるという点で多くの研究が行われている。
【0003】
有機発光素子は、一般的にアノード/発光層/カソードの積層構造を有し、前記アノードと発光層との間に正孔注入層や正孔輸送層、発光層とカソードとの間に電子注入層をさらに積層して、アノード/正孔輸送層/発光層/カソード、またはアノード/正孔輸送層/発光層/電子注入層/カソードのような構造を有する。
【0004】
前記正孔輸送層の形成材料として、例えば、フルオレン誘導体またはアントラセン誘導体が知られている(特許文献1、2)。
【0005】
しかし、従来の正孔輸送層の形成材料からなる正孔輸送層を備えた有機発光素子は、寿命、効率及び消費電力の特性が満足できるほどのレベルには達していないため、その改善が要求されている。
【特許文献1】米国特許第6,596,415号明細書
【特許文献2】米国特許第6,465,115号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記問題点を解決するために、本発明は、電気的な安定性と高い電荷輸送能力を有し、ガラス転移温度が高く、結晶化を防止できる材料であって、赤色、緑色、青色、白色などのあらゆるカラーの蛍光及び燐光有機発光素子に適した有機膜形成材料、及びその製造方法を提供することを目的とする。また、それを含む有機膜を備える高効率、低駆動電圧、高輝度、長寿命を有する有機発光素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明は、下記化学式1で示されるシラニルアミン系化合物を提供する。
【化1】

【0008】
前記化学式1中、Xは、単一結合、置換または非置換のC−C30のアルキレン基、置換または非置換のC−C30のアリーレン基、または置換または非置換のC−C30のヘテロアリーレン基であり、nは、1〜5から選択される整数であり、Ar及びArは、互いに独立して水素、置換または非置換のC−C30のアリール基、または置換または非置換のC−C30のヘテロアリール基であり、R、R及びRは、互いに独立して水素、置換または非置換のC−C30のアルキル基、置換または非置換のC−C30のアルケニル基、置換または非置換のC−C30のアルキニル基、置換または非置換のC−C30のアルコキシ基、置換または非置換のC−C30のアリールオキシ基、置換または非置換のC−C30のアリール基、または置換または非置換のC−C30のヘテロアリール基であり、前記R、R及びRのうち互いに隣接した2以上は、互いに連結して飽和または不飽和環を形成できる。
【0009】
本発明の他の目的を達成するために、本発明は、下記化学式1aで示されるアミン化合物と下記化学式1bで示されるシラン化合物とを反応させて、下記化学式1で示されるシラニルアミン系化合物の製造方法を提供する。
【化2】

【0010】
前記反応式1中、X、n、Ar、Ar、R、R及びRは、前述した通りであり、Yは、ハロゲン原子である。
【0011】
前記本発明のさらに他の目的を達成するために、本発明は、第1電極、第2電極、及び前記第1電極と前記第2電極に挟持される前記シラニルアミン系化合物を含む有機膜、を備えた有機発光素子を提供する。
【0012】
前記化学式1で示されるシラニルアミン系化合物を含む有機膜を備えた有機発光素子は、低駆動電圧、高輝度、高効率、高電流密度、長寿命特性を有する。
【発明の効果】
【0013】
前記化学式1で示されるシラニルアミン系化合物は、優れた電気的特性及び電荷輸送能力を有し、赤色、緑色、青色、白色などのあらゆるカラーの蛍光と燐光素子に適した正孔注入材料、正孔輸送材料及び/または発光材料として有用である。これを利用すれば、高効率、低駆動電圧、高輝度、長寿命特性を有する有機発光素子を製作できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0015】
本発明におけるシラニルアミン系化合物は、下記化学式1で示される。
【化3】

【0016】
前記化学式1で示されるシラニルアミン系化合物は、アミン誘導体とシラン誘導体とが連結基−(X)−を挟んで結合されたものである。
【0017】
前記化学式1中、Xは、単一結合、置換または非置換のC−C30のアルキレン基、置換または非置換のC−C30のアリーレン基、または置換または非置換のC−C30のヘテロアリーレン基からなる群から選択される。前記化学式1において、Xが単一結合の場合、NとSiは直接結合する。
【0018】
前記化学式1中、nは、1〜5から選択される整数である。
【0019】
前記化学式1中、Ar及びArは、互いに独立して水素、置換または非置換のC−C30のアリール基、または置換または非置換のC−C30のヘテロアリール基からなる群から選択される。
【0020】
前記化学式1中、R、R及びRは、互いに独立して水素、置換または非置換のC−C30のアルキル基、置換または非置換のC−C30のアルケニル基、置換または非置換のC−C30のアルキニル基、置換または非置換のC−C30のアルコキシ基、置換または非置換のC−C30のアリールオキシ基、置換または非置換のC−C30のアリール基、または置換または非置換のC−C30のヘテロアリール基からなる群から選択され、前記R、R及びRのうち互いに隣接した2以上は、互いに連結して飽和または不飽和環を形成してもよい。その例として、ナフタレン、フルオレン、アントラセン、カルバゾールなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0021】
本発明における化学式1において、C−C30のアルキル基の具体的な例としては、メチル、エチル、プロピル、イソブチル、sec−ブチル、ペンチル、iso−アミル、ヘキシルなどが挙げられ、前記アルキル基のうち一つ以上の水素原子は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン、ヒドラゾン、カルボキシル基やその塩、スルホン酸基やその塩、燐酸やその塩、またはC−C30のアルキル基、C−C30のアルケニル基、C−C30のアルキニル基、C−C30のアリール基、C−C20のアリールアルキル基、C−C20のヘテロアリール基、C−C30のヘテロアリールアルキル基、C−C30のアリールオキシ基、または−N(Z)(Z)で示される置換基、からなる群から選択される置換基で置換されていてもよい。このとき、前記Z及びZは、互いに独立して水素、置換または非置換のC−C30のアルキル基、置換または非置換のC−C30のハロアルキル基、置換または非置換のC−C30のアリール基、置換または非置換のC−C30のハロアリール基、及び置換または非置換のC−C30のヘテロアリール基からなる群から選択される。
【0022】
本発明における化学式1において、C−C30のアルキレン基は、前記アルキル基と類似した構造を有する2価の連結基であって、その具体的な例としては、メチレン基、エチレン基などが挙げられる。これらのアルキレン基のうち少なくとも一つ以上の水素原子は、前述したアルキル基の場合と同様の置換基で置換可能である。
【0023】
本発明における化学式1において、C−C30のアルコキシ基の具体的な例として、メトキシ、エトキシ、フェニルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ナフチルオキシ、イソプロピルオキシ、ジフェニルオキシなどが挙げられ、これらのアルコキシ基のうち少なくとも一つ以上の水素原子は、前述したアルキル基の場合と同様の置換基で置換可能である。
【0024】
本発明における化学式1において、C−C30のアルケニル基は、前記定義されたようなアルキル基の中間や終端に炭素二重結合を一つ以上含んでいることを意味する。例としては、ビニル、プロペニル、ブテニル、ヘキシニルなどがある。これらのアルケニル基のうち少なくとも一つ以上の水素原子は、前述したアルキル基の場合と同様の置換基で置換可能である。
【0025】
本発明における化学式1において、C−C30のアルキニル基は、前記定義されたようなアルキル基の中間や終端に炭素三重結合を一つ以上含んでいることを意味する。例としては、エチニル、プロピニル、フェニルアセチニル、ナフチルアセチニル、3−メチル−1−ブチニル、3,3−ジメチル−1−ブチニルなどがある。これらのアルキニル基のうち少なくとも一つ以上の水素原子は、前述したアルキル基の場合と同様の置換基に置換可能である。
【0026】
本発明の化学式1のうち、C−C30のアリール基は、一つ以上の芳香族環を含む炭素原子数6ないし30個の単環、多環、縮合多環の芳香族環を意味する。前記アリール基のうち一つ以上の水素原子は、前述したアルキル基の場合と同様の置換基で置換可能である。
【0027】
前記化学式1中、置換または非置換のC−C30のアリール基の例としては、フェニル基、C−C10アルキルフェニル基(例えば、エチルフェニル基)、ハロフェニル基(例えば、o−、m−及びp−フルオロフェニル基、ジクロロフェニル基)、シアノフェニル基、ジシアノフェニル基、トリフルオロメトキシフェニル基、ビフェニル基、ハロビフェニル基、シアノビフェニル基、C−C10アルキルビフェニル基、C−C10アルコキシビフェニル基、o−、m−、及びp−トリル基、o−、m−及びp−クメニル基、メシチル基、フェノキシフェニル基、(α,α−ジメチルベンゼン)フェニル基、(N,N’−ジメチル)アミノフェニル基、(N,N’−ジフェニル)アミノフェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、ハロナフチル基(例えば、フルオロナフチル基)、C−C10アルキルナフチル基(例えば、メチルナフチル基)、C−C10アルコキシナフチル基(例えば、メトキシナフチル基)、シアノナフチル基、アントラセニル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、アセナフチレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントラキノリル基、メチルアントリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、エチルクリセニル基、ピセニル基、フェリレニル基、クロロフェリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネリル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基などが挙げられる。これらは、前記アルキル基と同様な置換基で置換されてもよいことは言うまでもない。
【0028】
本発明における化学式1において、C−C30のアリーレン基は、前記アリール基と類似した構造を有する2価の連結基であって、その例としては、フェニレン基、ナフチレン基などがあるが、これに限定されるものではない。前記アリーレン基のうち一つ以上の水素原子は、前述したアルキル基の場合と同様の置換基で置換可能である。
【0029】
本発明における化学式1において、C−C30のヘテロアリール基は、N、O、PまたはSのうちから選択された1個以上のヘテロ原子を含む、単環、多環、及び縮合多環の芳香族複素環化合物を意味する。前記ヘテロアリール基のうち一つ以上の水素原子は、前述したアルキル基の場合と同様の置換基で置換可能である。
【0030】
前記化学式1において、C−C30のヘテロアリール基の具体例には、ピラゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、ピリジニル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、カルバゾリル基、インドリル基、キノリニル基、イソキノリニル基などが挙げられる。これらは、前記アルキル基の場合と同様の置換基で置換されることは言うまでもない。
【0031】
前記化学式1において、C−C30のヘテロアリーレン基は、前記ヘテロアリール基と類似した構造を有する2価の連結基であって、前記ヘテロアリーレン基の一つ以上の水素原子は、前述したアルキル基の場合と同様の置換基で置換可能である。
【0032】
前記化学式1におて、C−C30のアリールオキシ基は、−OAで表示される基であって、前記Aは、前述のようなアリール基であり、その例にはフェノキシ基などがあり、前記アリールオキシ基のうち一つ以上の水素原子は、前述したアルキル基の場合と同様の置換基で置換可能である。
【0033】
前記化学式1において、望ましくは、Xは、置換または非置換のC−C10のアルキレン基、置換または非置換のフェニレン、置換または非置換のナフチレン、置換または非置換のフルオレニレン、置換または非置換のアントラセニレン、置換または非置換のピリジニレン、置換または非置換のキノリレン、置換または非置換のイソキノリレン、置換または非置換のアントラキノリレン、及び置換または非置換のカルバゾリレンからなる群から選択された一つである。
【0034】
さらに具体的に、前記Xは、下記化学式2に記載された構造のうちから選択された一つ以上であるが、これらに限定されるものではない。
【化4】

【0035】
前記化学式2中、R及びRは、互いに独立して水素、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、置換または非置換のC−C30のアルキル基、置換または非置換のC−C30のアルコキシ基、置換または非置換のC−C30のアリール基、及び置換または非置換のC−C30のヘテロアリール基からなる群から選択される。望ましくは、前記R及びRは、互いに独立してフェニル基またはハロフェニル基である。
【0036】
前述の化学式1において、−(X)−は、下記化学式3に記載された構造のうちから選択された一つであるが、これに限定されるものではない。
【化5】

【0037】
一方、前記化学式1中、Ar及びArは、望ましくは、互いに独立して置換または非置換のC−C12のアリール基、または置換または非置換のC−C15のヘテロアリール基である。
【0038】
さらに具体的に、前記Ar及びArは、互いに独立してフェニル基、ハロフェニル基、シアノフェニル基、C−Cアルキルフェニル基、C−Cアルコキシフェニル基、フェノキシフェニル基、−N(Z)(Z)に置換されたフェニル基、ビフェニル基、ハロビフェニル基、シアノビフェニル基、C−Cアルキルビフェニル基、C−Cアルコキシビフェニル基、−N(Z)(Z)で置換されたビフェニル基、ナフチル基、ハロナフチル基、シアノナフチル基、C−Cアルキルナフチル基、C−Cアルコキシナフチル基、フェノキシナフチル基、−N(Z)(Z)で置換されたナフチル基、フルオレニル基、ハロフルオレニル基、シアノフルオレニル基、C−Cアルキルフルオレニル基、C−Cアルコキシフルオレニル基、フェノキシフルオレニル基、カルバゾリル基、ハロカルバゾリル基、シアノカルバゾリル基、C−Cアルキルカルバゾリル基、C−Cアルコキシカルバゾリル基、フェノキシカルバゾリル基、−N(Z)(Z)で置換されたカルバゾリル基、C−C12アリールカルバゾリル基、C−C12ハロアリールカルバゾリル基、ピリジル基、ハロピリジル基、シアノピリジル基、C−Cアルキルピリジル基、C−Cアルコキシピリジル基、フェノキシピリジル基、及び−N(Z)(Z)で置換されたピリジル基からなる群から選択される。
【0039】
このとき、前記Z及びZは、前述のように、互いに独立して水素、置換または非置換のC−C30のアルキル基、置換または非置換のC−C30のハロアルキル基、置換または非置換のC−C30のアリール基、置換または非置換のC−C30のハロアリール基、及び置換または非置換のC−C30のヘテロアリール基からなる群から選択される。望ましくは、前記Z及びZは、互いに独立してC−C12のアリール基、またはC−C12のハロアリール基であるが、これらに限定されるものではない。
【0040】
本発明の一具現例によれば、前記化学式1において、Ar及びArは、互いに独立して下記化学式4に記載された構造のうちから選択された一つであるが、これらに限定されるものではない。
【化6】

【0041】
前記化学式4中、mは、1〜5から選択される整数である。
【0042】
前記化学式1中、R、R及びRは、例えば、互いに独立して置換または非置換のC−C10のアルキル基、置換または非置換のC−C10のアルコキシ基、置換または非置換のC−C12のアリール基、置換または非置換のC−C12のアリールオキシ基、または置換または非置換のC−C12のヘテロアリール基である。
【0043】
さらに具体的には、前記化学式1において、R、R及びRは、互いに独立してC−C10のアルキル基、フェニル基、ハロフェニル基、シアノフェニル基、C−C10アルキルフェニル基、C−C10アルコキシフェニル基、ビフェニル基、ハロビフェニル基、ナフチル基、ハロナフチル基、C−C10アルキルナフチル基、C−C10アルコキシナフチル基などから選択されるが、これらに限定されるものではない。
【0044】
前述のような化学式1で示されるシラニルアミン系化合物は、下記化合物1ないし168で例示されるが、本発明によるシラニルアミン系化合物は、これらに限定されるものではない。
【化7】

【0045】

【0046】

【0047】

【0048】

【0049】

【0050】

【0051】

【0052】

【0053】

【0054】

【0055】

【0056】

【0057】

【0058】

【0059】

【0060】

【0061】

【0062】
前記化学式1で示されるシラニルアミン系化合物は、多様な方法で製造できる。前記シラニルアミン系化合物の製造方法の一具現例は、下記化学式1aで示される化合物を下記化学式1bで示される化合物と反応させて、下記化学式1で示されるシラニルアミン系化合物を得る段階を含む。
【化8】

【0063】
前記反応式1中、X、n、Ar、Ar、R、R及びRについての詳細な説明は、前述のとおりである。一方、前記化学式1b中、Yは、F、Cl、Br、Iのようなハロゲン原子である。
【0064】
前述のように、反応式1で示される反応は、Pd(dba)(dba=ジベンジリデンアセトン)、ナトリウムtert−ブトキシド及びトリ(tert−ブチル)ホスフィン存在下で実施され、反応温度は、50℃〜150℃である。
【0065】
本発明における有機発光素子は、第1電極、第2電極、及び前記第1電極と前記第2電極との間に前述のような化学式1で示されるシラニルアミン系化合物を含む有機膜を備える。前記化学式1で示されるシラニルアミン系化合物を含む有機膜は、正孔注入層または正孔輸送層であってもよく、正孔注入機能及び正孔輸送機能を共に有する単一膜であってもよい。または前記化学式1で示されるシラニルアミン系化合物を含む有機膜は、発光層であってもよい。前記発光層は、燐光材料または蛍光材料を含む。一方、前記第1電極は、アノードであり、前記第2電極は、カソードであるが、これと反対の場合も可能であるというのは言うまでもない。
【0066】
前述のような有機発光素子は、必要に応じて、正孔注入層、正孔輸送層、電子阻止層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層、及び電子注入層のうちの一層以上の層をさらに備えてもよい。例えば、本発明による有機発光素子は、第1電極/正孔注入層/発光層/第2電極、第1電極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/第2電極、または第1電極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/第2電極の構造を有してもよい。または前記有機発光素子は、第1電極/正孔注入機能及び正孔輸送機能を同時に有する単一膜/発光層/電子輸送層/第2電極、または第1電極/正孔注入機能及び正孔輸送機能を同時に有する単一膜/発光層/電子輸送層/電子注入層/第2電極の構造を有してもよい。
【0067】
以下、本発明における有機発光素子の製造方法を図1に示す有機発光素子を参照して説明する。図1の有機発光素子は、基板、第1電極(アノード)、正孔注入層(HIL)、正孔輸送層(HTL)、発光層(EML)、電子輸送層(ETL)、電子注入層(EIL)、及び第2電極(カソード)を備えている。
【0068】
まず、基板の上部に大きい仕事関数を有する第1電極用の物質を蒸着法またはスパッタリング法などにより積層して第1電極を形成する。前記第1電極は、アノードである。ここで、基板としては、一般的な有機発光素子で使われる基板を使用するが、機械的強度、熱的安定性、透明性、表面平滑性、取扱容易性及び防水性に優れたガラス基板または透明プラスチック基板が望ましい。第1電極用の物質としては、電気伝導性に優れた酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、Al、Ag、Mgなどを利用でき、透明電極または反射電極として形成する。
【0069】
次に、前記第1電極の上部に真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、ラングミュアブロジェット(LB)法のような多様な方法を利用して正孔注入層(HIL)を形成する。
【0070】
真空蒸着法によって正孔注入層を形成する場合、その蒸着条件は、正孔注入層の材料として使用する化合物、目的とする正孔注入層の構造、及び熱的特性などによって異なるが、一般的に、蒸着温度100〜500℃、真空度10−8〜10−3torr、蒸着速度0.01〜100Å/sec、膜厚は、通常10Å〜5μmの範囲で適切に選択することが望ましい。
【0071】
スピンコーティング法によって正孔注入層を形成する場合、そのコーティング条件は、正孔注入層の材料として使用する化合物、目的とする正孔注入層の構造及び熱的特性によって異なるが、約2000rpm〜5000rpmのコーティング速度、コーティング後の溶媒除去のための熱処理温度は、約80℃〜200℃の温度範囲で適切に選択することが望ましい。
【0072】
前記正孔注入層の物質としては、前述のような化学式1で示されるシラニルアミン系化合物を利用できる。または、公知の正孔注入層物質を使用することもできるが、例えば、米国特許第4,356,429号明細書に開示された銅フタロシアニンなどのフタロシアニン化合物またはAdvanced Material,6,p.677(1994)に記載されているスターバースト型アミン誘導体類であるTCTA、m−MTDATA、m−MTDAPB、溶解性のある電気伝導性高分子であるPani/DBSA(ポリアニリン/ドデシルベンゼンスルホン酸)またはPEDOT/PSS(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホン酸))、Pani/CSA(ポリアニリン/ショウノウスルホン酸)並びにPANI/PSS(ポリアニリン)/ポリ(4−スチレンスルホン酸))などを使用できる。
【化9】

【0073】
前記正孔注入層の厚さは、約100Å〜10000Å、望ましくは、100Å〜1000Åである。前記正孔注入層の厚さが前述のような範囲を満足する場合、優れた正孔注入特性及び駆動電圧特性が得られる。
【0074】
次に、前記正孔注入層の上部に真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB法のような多様な方法を利用して、正孔輸送層(HTL)を形成する。真空蒸着法及びスピンコーティング法によって正孔輸送層を形成する場合、その蒸着条件及びコーティング条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的に正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲を選択できる。
【0075】
前記正孔輸送層の物質は、前述のような化学式1で示されるシラニルアミン系化合物でありうる。または、公知の正孔輸送層物質を利用することもできるが、例えば、N−フェニルカルバゾール、ポリビニルカルバゾールなどのカルバゾール誘導体、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPB)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD)、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(α−NPD)などの芳香族縮合環を有する一般的なアミン誘導体などが使われる。
【化10】

【0076】
前記正孔輸送層の厚さは、約50Å〜1000Å、望ましくは、100Å〜600Åである。前記正孔輸送層の厚さが前述のような範囲を満足する場合、優れた正孔輸送特性及び駆動電圧特性が得られる。
【0077】
次に、前記正孔輸送層の上部に真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB法のような方法を利用して、発光層(EML)を形成する。真空蒸着法及びスピンコーティング法により発光層を形成する場合、その蒸着条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的に正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲中から選択される。
【0078】
前記発光層は、前述のような化学式1で示されるシラニルアミン系化合物を含んでいてもよい。または、前記発光層は、公知の多様な発光物質を利用して形成できるが、公知のホスト及びドーパントを利用して形成することもできる。前記ドーパントの場合、公知の蛍光ドーパント及び燐光ドーパントのいずれも使用できる。
【0079】
例えば、ホストとしては、Alq3、CBP(4,4’−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル)、PVK(ポリ(N−ビニルカルバゾール))またはDSA(ジスチリルアリーレン)、IDE215(出光社製)などを使用できるが、これらに限定されるものではない。
【0080】
ドーパントの場合、蛍光ドーパントとしては、出光社から購入可能なIDE102、IDE105、IDE118を使用でき、燐光ドーパントとしては、Ir(ppy)(ppyはフェニルピリジンの略語である)(緑色)、(4,6−F2ppy)rpic(参照文献:Chihaya Adachi etc.Appl.Phys.Lett.,79,2082−2084、2001)、Covion社のTEB002、PtOEP(白金(II)オクタエチルポルフィリン)、下記化学式5で示される化合物(大韓民国特許公開第2005−0078472号公報参照)、Firpric,UDC社の赤色燐光ドーパントであるRD61などを使用できるが、これらに限定されるものではない。
【化11】

【0081】
前記ドーパントの含有量は、発光層の形成材料100重量部(すなわち、ホストとドーパントとの総重量を100重量部とする)を基準として、0.1〜20重量部、特に、0.5〜12重量部であることが望ましい。ドーパントの含有量が0.1重量部以上であれば、ドーパントの付加による発光効果が十分であり、20重量部以下であれば、燐光や蛍光でいずれも発生しうる濃度クエンチング(quenching)のような濃度消光が実質的に防止できる。
【0082】
前記発光層の厚さは、約100Å〜1000Åであり、望ましくは、200Å〜600Åである。前記発光層の厚さが前述のような範囲を満足する場合、優れた発光特性及び駆動電圧特性を有する。
【0083】
発光層が燐光ドーパントを含む場合、三重項励起子または正孔が電子輸送層に拡散する現象を防止するために、正孔阻止層(HBL)を発光層の上部に形成してもよい(図1には図示せず)。このとき、使用できる正孔阻止層物質は、特に制限されず、公知の正孔阻止層物質から任意に選択して利用できる。例えば、オキサジアゾール誘導体やトリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、または特開平11−329734(A1)号公報に記載されている正孔阻止材料、BAlq、BCPなどを利用できる。
【0084】
前記正孔阻止層の厚さは、約50Å〜1000Åであり、望ましくは、100Å〜300Åである。前記正孔阻止層の厚さが前述のような範囲を満足する場合、優れた正孔阻止特性及び駆動電圧特性が得られる。
【0085】
次に、電子輸送層(ETL)を真空蒸着法、またはスピンコーティング法、キャスト法などの多様な方法を利用して形成する。真空蒸着法及びスピンコーティング法により電子輸送層を形成する場合、その条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的に正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲を選択できる。
【0086】
前記電子輸送層物質は、特に限定されず、公知の電子輸送層の形成材料から任意に選択されうる。例えば、キノリン誘導体、特に、トリス(8−キノリノレーチ)アルミニウム(Alq3)、TAZのような公知の材料を利用できる。
【0087】
前記電子輸送層の厚さは、約100Å〜1000Åであり、望ましくは、100Å〜500Åでありうる。前記電子輸送層の厚さが前述のような範囲を満足する場合、優れた電子輸送特性及び駆動電圧特性が得られる。
【0088】
また、電子輸送層の上部にカソードから電子の注入を容易にするために電子注入層(EIL)を積層してもよい。
【0089】
電子注入層としては、LiF、NaCl、CsF、LiO、BaOのような電子注入層形成材料として公知の任意の物質を利用できる。前記電子注入層の蒸着条件及びコーティング条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的に正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲を選択できる。
【0090】
前記電子注入層の厚さは、約1Å〜100Åであり、望ましくは、5Å〜90Åである。前記電子注入層の厚さが前述のような範囲を満足する場合、優れた電子注入特性及び駆動電圧特性が得られる。
【0091】
最後に、電子注入層の上部に真空蒸着法やスパッタリング法などの方法を利用して第2電極を形成する。前記第2電極は、カソードとして使われる。前記第2電極形成用の金属としては、小さい仕事関数を有する金属、合金、電気伝導性化合物、及びこれらの混合物を使用できる。具体的な例としては、リチウム(Li)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、アルミニウム−リチウム(Al−Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム−インジウム(Mg−In)、マグネシウム−銀(Mg−Ag)などが挙げられる。また、前面発光素子を得るために、ITO、IZOを使用した透明カソードを使用することもできる。
【0092】
以下に、本発明を化合物9、化合物43、化合物44、化合物45、化合物137の望ましい合成例及び実施例を具体的に例示するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0093】
合成例1:化合物9の製造
下記化学反応式2の反応経路を経て、化合物9を合成した。
【化12】

【0094】
中間体Aの合成
ジブロモビフェニル(3.12g、10mmol)をTHF30mLに溶解した後、−78℃でn−ブチルリチウム(4mL、2.5M in Hexane)を添加した。1時間後、同じ温度でクロロトリフェニルシラン(2.95g、10mmol)をTHF5mLに溶解して、徐々に添加した。室温で5時間攪拌した後、水を添加し、ジエチルエーテル(30mL)で3回洗浄した。洗浄したジエチルエーテル層をMgSOで乾燥させた後、減圧下溶媒を除去して生成物を得、シリカゲルカラムクロマトグラフィで分離精製して中間体Aを白色固体として2.9g(収率60%)得た。
【0095】
H NMR(CDCl,400MHz)δ(ppm)7.65−7.53(m,12H),7.47−7.36(m,11H)。
【0096】
化合物9の合成
中間体A 4.9g(10mmol)、N−フェニル−2−ナフチルアミン2.6g(12mmol)、t−BuONa2.9mg(30mmol)、Pd(dba)183mg(0.2mmol)、P(t−Bu)40mg(0.2mmol)をトルエン40mLに溶解した後、90℃で3時間攪拌した。
【0097】
前記反応が完了した後、常温に冷却し、これに蒸溜水を加えた後、ジエチルエーテル40mLで3回抽出した。回収した有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を蒸発させて得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィで分離精製して、化合物9を黄色固体として5.67g(収率90%)得た。
【0098】
H NMR(CDCl,400MHz)δ(ppm)7.75(t,2H),7.63−7.56(m,12H),7.53(d,2H),7.46−7.34(m,12H),7.30−7.26(m,3H),7.16(d,4H),7.06(t,1H);13C NMR(CDCl,100MHz)δ(ppm)147.6、147.5,145.3,141.7,136.9,136.3,134.8,134.5,134.2,132.4,130.2,129.7,129.4,128.9,127.9,127.8,127.5,126.9,126.3,126.0,124.8,124.6,124.5,124.0,123.3,120.5。
【0099】
前記過程によって得た化合物9を、CHClで0.2mMの濃度に希釈してUVスペクトルを測定し、最大吸収波長340nmを観察した。
【0100】
また、化合物9に対するTGA(Thermo Gravimetric Analysis)及びDSC(Differential Scanning Calorimetry)を利用した熱分析(N雰囲気、温度区間:常温〜600℃(10℃/min)−TGA、常温から400℃まで−DSC、パンタイプ:一回用のAl Pan(TGA)中のPtパン、一回用のAl Pan(DSC))によって、Td330℃、Tg97℃を得た。
【0101】
UV吸収スペクトル及びイオン化ポテンシャル測定器であるAC−2を用いて、HOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)エネルギー準位5.4eVおよびLUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital)エネルギー準位2.33eVを得た。
【0102】
合成例2:化合物43の製造
下記化学反応式3の反応経路を経て、化合物43を合成した。
【化13】

【0103】
中間体Bの合成
3−ヨード−9−フェニルカルバゾール(3.69g、10.0mmol)、アニリン(1.11g、12.0mmol)、t−BuONa(2.88g、30.0mmol)、Pd(dba)(183mg、0.2mmol)、P(t−Bu)(40mg、0.2mmol)をトルエン40mLに溶解した後、90℃で3時間攪拌した。
【0104】
反応が完了した後、常温に冷却し、蒸溜水を加えた後、ジエチルエーテル40mLで3回抽出した。回収した有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を蒸発させて得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィで分離精製して、中間体Bを白色固体として2.17g(収率65%)を得た。
【0105】
H NMR(CDCl,400MHz)δ(ppm)8.01(m,1H),7.66(m,1H),7.51−7.33(m,7H),7.21−6.94(m,5H),6.73(m,1H),5.68(bs,1H);13C NMR(CDCl,100MHz)δ(ppm)144.6,139.8,137.4,135.7,129.8,129.3,128.0,127.4,127.1,126.5,119.1,119.0,118.6,118.4,116.7,113.1,111.1,109.4,102.4。
【0106】
化合物43の合成
前記合成例1の化合物9の合成中、N−フェニル−2−ナフチルアミンの代わりに前記重合体Bを使用した点を除いては、化合物9の合成と同じ方法を利用して化合物43を合成した(収率82%)。
【0107】
H NMR(CDCl,300MHz)δ(ppm)7.98(d,1H),7.69(bd,1H),7.67−7.54(m,14H),7.50−7.33(m,14H),7.28−7.13(m,9H),6.97(t,1H);DEPT 13C NMR(CDCl,100MHz)δ(ppm)136.9,136.5,130.0,129.6,129.2,127.9,127.7,127.5,127.1,126.2,126.0,125.8,123.3,122.3,122.1,120.6,120.0,118.8,110.8,110.0。
【0108】
前記化合物43をCHClで0.2mMの濃度に希釈してUVスペクトルを測定し、最大吸収波長345、310nmを観察した。
【0109】
また、化合物43に対するTGA(Thermo Gravimetric Analysis)及びDSC(Differential Scanning Calorimetry)を利用した熱分析(N雰囲気 、温度区間:常温〜600℃(10℃/min)−TGA、常温から400℃まで−DSC、パンタイプ:一回用のAl Pan(TGA)中のPtパン、一回用のAl Pan(DSC))によって、Td380℃、Tg127℃を得た。
【0110】
UV吸収スペクトル及びイオン化ポテンシャル測定器であるAC−2を用いて、HOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)エネルギー準位5.30eV及びLUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital)エネルギー準位2.24eVを得た。
【0111】
合成例3:化合物44の製造
下記化学反応式4の反応経路を経て、化合物44を合成した。
【化14】

【0112】
中間体Cの合成
前記合成例1の中間体Bの合成中、アニリンの代わりにp−トルイジンを使用した点を除いては、中間体Bの合成と同じ方法を利用して中間体Cを合成した。
【0113】
H NMR(CDCl,400MHz)δ(ppm)8.02(m,1H),7.67(m,1H),7.52−7.31(m,7H),7.02−6.86(m,5H),6.10(bs,1H),2.25(s,3H);13C NMR(CDCl,100MHz)δ(ppm)140.1,138.8,136.4,134.7,128.8,127.3,127.0,126.4,126.1,125.5,118.1,118.0,117.6,117.4,116.7,112.1,110.1,108.4、101.4、20.3。
【0114】
化合物44の合成
前記合成例1の化合物9の合成中、N−フェニル−2−ナフチルアミンの代わりに中間体Cを使用した点を除いては、化合物9の合成と同じ方法を利用して化合物44を合成した(収率87%)。
【0115】
H NMR(CDCl,400MHz)δ(ppm)8.09(d,1H),8.01(d,1H),7.70−7.52(m,17H),7.49−7.35(m,12H),7.24−7.18(m,2H),7.11(d,2H),7.04(t,4H),2.28(t,3H);13C NMR(CDCl,100MHz)δ(ppm)149.5、146.4、142.6、142.2,141.3,138.9,138.3,137.5,137.0,135.0,133.2,133.1,132.6,130.9,130.7,130.5,128.8,128.5,128.3,127.7,127.1,126.5,125.2,125.0,123.8,121.9,121.4,120.8,119.3,111.5,110.6,20.7。
【0116】
前記化合物44を、CHClで0.2mMの濃度に希釈してUVスペクトルを測定し、最大吸収波長343、313、245nmを観察した。
【0117】
また、化合物44に対するTGA(Thermo Gravimetric Analysis)及びDSC(Differential Scanning Calorimetry)を利用した熱分析(N雰囲気 、温度区間:常温〜600℃(10℃/min)−TGA、常温から400℃まで−DSC、パンタイプ:一回用のAl Pan(TGA)中のPtパン、一回用のAl Pan(DSC))によって、Td414℃、Tg129℃を得た。
【0118】
UV吸収スペクトル及びイオン化ポテンシャル測定器であるAC−2を用いて、HOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)エネルギー準位5.20eV及びLUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital)エネルギー準位2.21eVを得た。
【0119】
合成例4.化合物45の製造
下記化学反応式5の反応経路を経て、化合物45を合成した。
【化15】

【0120】
中間体Dの合成
前記合成例1の中間体Bの合成中、アニリンの代わりにp−フルオロアニリンを使用した点を除いては、中間体Bの合成と同じ方法を利用して中間体Dを合成した。
【0121】
H NMR(CDCl,400MHz)δ(ppm)8.02(m,1H),7.97−7.92(m,2H),7.66(m,1H),7.48−7.18(m,9H),6.94(m,1H),6.50(bs,1H);13C NMR(CDCl,100MHz)δ(ppm)157.8(d),140.7(d),137.8,135.4,133.7,127.8,126.3,126.0,125.4,125.1,124.5,117.1,117.0,116.6,116.4,115.7,111.1,109.1,107.4,100.4。
【0122】
化合物45の合成
前記合成例1の化合物9の合成中、N−フェニル−2−ナフチルアミンの代わりに中間体Dを使用した点を除いては、化合物9の合成と同じ方法を利用して化合物45を合成した(収率80%)。
【0123】
H NMR(Acetone−d6,400MHz)δ(ppm)8.06(d,1H),8.02(d,1H),7.68−7.50(m,16H),7.47−7.34(m,13H),7.21−7.13(m,4H),7.07−7.00(m,4H);13C NMR(CDCl,100MHz)δ(ppm)159.8,157.4,148.7,144.5,141.8,141.4,140.3,138.2,137.5,136.8,136.2,134.2,132.8,131.9,130.1,129.8,128.0,127.7,127.6,126.9,126.4,125.9,125.8,125.6,124.5,123.0,121.2,120.6,120.1,118.5,116.1,115.8,110.9,109.8。
【0124】
前記過程によって得た化合物45を、CHClで0.2mMの濃度に希釈してUVスペクトルを測定し、最大吸収波長338、309、243nmを観察した。
【0125】
また、化合物45に対するTGA(Thermo Gravimetric Analysis)及びDSC(Differential Scanning Calorimetry)を利用した熱分析(N雰囲気 、温度区間:常温〜600℃(10℃/min)−TGA、常温から400℃まで−DSC、パンタイプ:一回用のAl Pan(TGA)中のPtパン、一回用のAl Pan(DSC))によって、Td405℃、Tg126℃を得た。
【0126】
UV吸収スペクトル及びイオン化ポテンシャル測定器であるAC−2を用いて、HOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)エネルギー準位5.20eV及びLUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital)エネルギー準位2.22eVを得た。
【0127】
合成例5:化合物137の製造
下記化学反応式6の反応経路を経て、化合物137を合成した。
【化16】

【0128】
中間体Eの合成
3,6−ジブロモ−9−フェニルカルバゾール(3.25g、10.0mmole)、ヨードベンゼン(10.2g,50.0mmole)、CuI(190mg,1.0mmole)、18−Crown−6(132mg,0.5mmole)、KCO(2.76g,20.0mmole)をDMPU 50mLに溶解した後、170℃で20時間攪拌した。反応物を室温に冷却し、ジエチルエーテル(50mL)を加えた後、多量の水と水酸化アンモニウム溶液で洗浄した。回収した有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を蒸発させて得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィで分離精製して、中間体Eを白色固体として3.40g(収率85%)を得た。
【0129】
H NMR(CDCl,400MHz)δ(ppm)7.92(m,2H),7.55−7.47(m,6H),7.36−7.16(m,3H);13C NMR(CDCl,100MHz)δ(ppm)142.6,137.6,130.2,129.8,127.4,127.0,122.8,122.5,115.3,111.3。
【0130】
中間体Fの合成
前記中間体E(4.01g、10.0mmol)をTHF 20mLに溶解した後、2.6M n−ブチルリチウム(4.6mL in hexane、12.0mmol)を−78℃で10分間かけて添加した。クロロトリフェニルシラン(3.83g、13.0mmol)をTHF 20mLに溶解した後、上述の溶液に−78℃で20分間かけて添加し、室温で17時間攪拌した。反応混合物に水50mLを加えた後にジエチルエーテル(50mL)で2回抽出した。回収した有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を蒸発させて得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィで分離精製して、中間体Fを白色固体として3.19g(収率55%)を得た。
【0131】
H NMR(CDCl,400MHz)δ(ppm)8.28−8.21(m,3H),8.14(d,2H),7.86−7.14(m,21H);13C NMR(CDCl,100MHz)δ(ppm)143.1,137.9,136.4,134.4,133.9,133.7,129.8,129.5,129.0,128.0,127.9,127.5,126.9,124.9,123.9,123.1,118.3,111.2,109.7,107.6。
【0132】
化合物137の合成
前記合成例2の化合物43の合成中、中間体Aの代わりに前記中間体Fを使用した点を除いては、化合物43の合成と同じ方法を利用して化合物137を得た(収率80%)。
【0133】
H NMR(CDCl,300MHz)δ(ppm)8.25(s,1H),7.94(d,3H),7.64−7.52(m,15H),7.43−7.24(m,18H),7.20−7.14(m,3H),7.02(d,2H),6.83(t,1H)。
【0134】
前記化合物137を、CHClで0.2mMの濃度に希釈してUVスペクトルを測定し、最大吸収波長317nmを観察した。
【0135】
また、化合物137に対するTGA(Thermo Gravimetric Analysis)及びDSC(Differential Scanning Calorimetry)を利用した熱分析(N雰囲気 、温度区間:常温〜600℃(10℃/min)−TGA、常温から400℃まで−DSC、パンタイプ:一回用のAl Pan(TGA)中のPtパン、一回用のAl Pan(DSC))によって、Td390℃、Tg148℃を得た。UV吸収スペクトル及びイオン化ポテンシャル測定器であるAC−2を用いて、HOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)エネルギー準位5.1eV及びLUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital)エネルギー準位2.15eVを得た。
【0136】
実施例1
アノードは、コーニング社の15Ω/cm(1200Å)ITOガラス基板を50mm×50mm×0.7mmサイズに切って、イソプロピルアルコール及び純水を用いて各5分間超音波洗浄した後に使用した。前記ITOガラス基板に30分間紫外線を照射してオゾンに曝露させて洗浄した後、真空蒸着装置に前記ガラス基板を設置した。
【0137】
前記基板の上部に化合物9を真空蒸着して、600Å厚の正孔注入層を形成した。次いで、正孔輸送化合物として4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(以下、NPB)を300Åの厚さに真空蒸着して、正孔輸送層を形成した。
【0138】
前記正孔輸送層の上部に公知の青色蛍光ホストであるIDE215(出光社製)と公知の青色蛍光ドーパントであるIDE118(出光社製)とを重量比98:2で同時に蒸着して、300Å厚の発光層を形成した。
【0139】
次いで、前記発光層の上部にAlqを真空蒸着して300Å厚の電子輸送層を形成した後、前記電子輸送層の上部にLiFを真空蒸着して、10Å厚の電子注入層を形成し、Alを3000Å(カソード電極)の厚さに真空蒸着してLiF/Al電極を形成することによって、有機発光素子を製作した。
【0140】
実施例2
正孔注入層の形成時に、前記化合物9の代わりに化合物43を利用した点を除いては、前記実施例1と同じ方法を利用して有機発光素子を製作した。
【0141】
実施例3
正孔注入層形成時に、前記化合物9の代わりに化合物44を利用した点を除いては、前記実施例1と同じ方法を利用して有機発光素子を製作した。
【0142】
実施例4
正孔注入層形成時に、前記化合物9の代わりに化合物45を利用した点を除いては、前記実施例1と同じ方法を利用して有機発光素子を製作した。
【0143】
実施例5
正孔注入層形成時に、前記化合物9の代わりに化合物137を利用した点を除いては、前記実施例1と同じ方法を利用して有機発光素子を製作した。
【0144】
比較例1
正孔注入層形成時に、前記化合物9の代わりに公知の化合物であるIDE406(出光社製)を利用した点を除いては、前記実施例1と同じ方法を利用して有機発光素子を製作した。
【0145】
評価例
前記実施例1ないし5の有機発光素子及び比較例1の有機発光素子の駆動電圧、電流密度、輝度、電流効率及び色座標をPR650(Spectroscan spectrometer、Photo Research inc.製)を利用して評価し、その結果を下記表1に示した。また、実施例1及び2の有機発光素子の駆動電圧と輝度の関係は、図2及び3にそれぞれ示した。実施例3の有機発光素子の時間と輝度(100mA/cmでの輝度)との関係は、図4に表した。
【表1】

【0146】
前記表1によれば、実施例1ないし5の有機発光素子は、比較例1の有機発光素子に比べて優れたI−V−L特性を示した。特に、化合物9を含む有機膜を正孔注入層として備えた実施例1の有機発光素子、及び化合物43を含む有機膜を正孔注入層として備えた実施例2の有機発光素子の場合、比較例1の有機発光素子に比べて、向上した輝度を示した(図2及び3参照)。また、実施例1ないし5の有機発光素子の場合、比較例1の有機発光素子とほぼ同じ色座標特性を示した。さらに、実施例3の有機発光素子は、比較例1の有機発光素子に比べて優れた寿命特性を示した(図4)。
【0147】
本発明を、前記合成例及び実施例を参考にして説明したが、これらは例示的なものに過ぎず、当業者であれば、これから多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的な保護範囲は、特許請求の範囲により決定されなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0148】
本発明は、有機発光素子関連の技術分野に好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0149】
【図1】本発明による有機発光素子の一具現例の構造を概略的に示す断面図である。
【図2】実施例1の有機発光素子及び比較例1の有機発光素子の駆動電圧による輝度変化を示すグラフである。
【図3】実施例2の有機発光素子及び比較例1の有機発光素子の駆動電圧による輝度変化を示すグラフである。
【図4】実施例3の有機発光素子及び比較例1の有機発光素子の経時的な輝度変化を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表示されるシラニルアミン系化合物。
【化1】

前記化学式1中、
Xは、単一結合、置換または非置換のC−C30のアルキレン基、置換または非置換のC−C30のアリーレン基、または置換または非置換のC−C30のヘテロアリーレン基であり、
nは、1〜5から選択される整数であり、
Ar及びArは、互いに独立して水素、置換または非置換のC−C30のアリール基、または置換または非置換のC−C30のヘテロアリール基であり、
、R及びRは、互いに独立して水素、置換または非置換のC−C30のアルキル基、置換または非置換のC−C30のアルケニル基、置換または非置換のC−C30のアルキニル基、置換または非置換のC−C30のアルコキシ基、置換または非置換のC−C30のアリールオキシ基、置換または非置換のC−C30のアリール基、または置換または非置換のC−C30のヘテロアリール基であり、前記R、R及びRのうち互いに隣接した2以上は、互いに連結して飽和または不飽和環を形成してもよい。
【請求項2】
前記Xが、置換または非置換のC−C10のアルキレン基、置換または非置換のフェニレン、置換または非置換のナフチレン、置換または非置換のフルオレニレン、置換または非置換のアントラセニレン、置換または非置換のピリジニレン、置換または非置換のキノリレン、置換または非置換のイソキノリレン、置換または非置換のアントラキノリレン、及び置換または非置換のカルバゾリレンからなる群から選択された一つであることを特徴とする請求項1記載のシラニルアミン系化合物。
【請求項3】
前記Xが、下記化学式2に記載された構造のうちから選択された一つであることを特徴とする請求項1に記載のシラニルアミン系化合物。
【化2】

前記化学式2中、R及びRは、互いに独立して水素、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、置換または非置換のC−C30のアルキル基、置換または非置換のC−C30のアルコキシ基、置換または非置換のC−C30のアリール基、及び置換または非置換のC−C30のヘテロアリール基からなる群から選択される。
【請求項4】
前記R及びRが、互いに独立してフェニル基またはハロフェニル基から選択されることを特徴とする請求項3に記載のシラニルアミン系化合物。
【請求項5】
−(X)−が、下記化学式3に記載された構造のうちから選択された一つであることを特徴とする請求項1に記載のシラニルアミン系化合物。
【化3】

【請求項6】
前記Ar及びArは、互いに独立して置換または非置換のC−C12のアリール基、または置換または非置換のC−C15のヘテロアリール基であることを特徴とする請求項1に記載のシラニルアミン系化合物。
【請求項7】
前記Ar及びArは、互いに独立してフェニル基、ハロフェニル基、シアノフェニル基、C−Cアルキルフェニル基、C−Cアルコキシフェニル基、フェノキシフェニル基、−N(Z)(Z)で置換されたフェニル基、ビフェニル基、ハロビフェニル基、シアノビフェニル基、C−Cアルキルビフェニル基、C−Cアルコキシビフェニル基、−N(Z)(Z)で置換されたビフェニル基、ナフチル基、ハロナフチル基、シアノナフチル基、C−Cアルキルナフチル基、C−Cアルコキシナフチル基、フェノキシナフチル基、−N(Z)(Z)で置換されたナフチル基、フルオレニル基、ハロフルオレニル基、シアノフルオレニル基、C−Cアルキルフルオレニル基、C−Cアルコキシフルオレニル基、フェノキシフルオレニル基、カルバゾリル基、ハロカルバゾリル基、シアノカルバゾリル基、C−Cアルキルカルバゾリル基、C−Cアルコキシカルバゾリル基、フェノキシカルバゾリル基、−N(Z)(Z)で置換されたカルバゾリル基、C−C12アリールカルバゾリル基、C−C12ハロアリールカルバゾリル基、ピリジル基、ハロピリジル基、シアノピリジル基、C−Cアルキルピリジル基、C−Cアルコキシピリジル基、フェノキシピリジル基、及び−N(Z)(Z)で置換されたピリジル基からなる群から選択され、前記Z及びZは、互いに独立して水素、置換または非置換のC−C30のアルキル基、置換または非置換のC−C30のハロアルキル基、置換または非置換のC−C30のアリール基、置換または非置換のC−C30のハロアリール基、及び置換または非置換のC−C30のヘテロアリール基からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載のシラニルアミン系化合物。
【請求項8】
前記Z及びZが、互いに独立してC−C12のアリール基、またはC−C12のハロアリール基であることを特徴とする請求項7に記載のシラニルアミン系化合物。
【請求項9】
前記Ar及びArが、互いに独立して下記化学式4に記載された構造のうちから選択された一つであることを特徴とする請求項1に記載のシラニルアミン系化合物。
【化4】

前記化学式4中、mは、1〜5から選択される整数である。
【請求項10】
前記化学式中、R、R及びRは、互いに独立して置換または非置換のC−C10のアルキル基、置換または非置換のC−C10のアルコキシ基、置換または非置換のC−C12のアリール基、置換または非置換のC−C12のアリールオキシ基またはC−C12のヘテロアリール基であることを特徴とする請求項1に記載のシラニルアミン系化合物。
【請求項11】
前記R、R及びRは、互いに独立してC−C10のアルキル基、フェニル基、ハロフェニル基、シアノフェニル基、C−C10アルキルフェニル基、C−C10アルコキシフェニル基、ビフェニル基、ハロビフェニル基、ナフチル基、ハロナフチル基、C−C10アルキルナフチル基またはC−C10アルコキシナフチル基からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載のシラニルアミン系化合物。
【請求項12】
シラニルアミン系化合物が、下記化合物9、43、44、45または137からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載のシラニルアミン系化合物。
【化5】

【請求項13】
下記化学式1aで示される化合物と下記化学式1bで示される化合物とを反応させて、下記化学式1で示されるシラニルアミン系化合物を製造する方法。
【化6】

前記化学式中、
Xは、単一結合、置換または非置換のC−C30のアルキレン基、置換または非置換のC−C30のアリーレン基、または置換または非置換のC−C30のヘテロアリーレン基であり、
nは、1〜5から選択される整数であり、
Ar及びArは、互いに独立して水素、置換または非置換のC−C30のアリール基、または置換または非置換のC−C30のヘテロアリール基であり、
、R及びRは、互いに独立して水素、置換または非置換のC−C30のアルキル基、置換または非置換のC−C30のアルケニル基、置換または非置換のC−C30のアルキニル基、置換または非置換のC−C30のアルコキシ基、置換または非置換のC−C30のアリールオキシ基、置換または非置換のC−C30のアリール基、または置換または非置換のC−C30のヘテロアリール基であり、前記R、R及びRのうち互いに隣接した2以上は、互いに連結して飽和または不飽和環を形成してもよく、
Yは、ハロゲン原子である。
【請求項14】
第1電極、第2電極、及び前記第1電極と第2電極との間に挟持された有機膜を備えた有機発光素子であって、前記有機膜が、請求項1ないし請求項12のうちいずれか一項に記載のシラニルアミン系化合物を含むことを特徴とする有機発光素子。
【請求項15】
前記有機膜が正孔注入層または正孔輸送層であることを特徴とする請求項14に記載の有機発光素子。
【請求項16】
前記有機膜が、正孔注入機能及び正孔輸送機能を同時に有する単一膜であることを特徴とする請求項14に記載の有機発光素子。
【請求項17】
前記素子が、第1電極/正孔注入層/発光層/第2電極、第1電極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/第2電極、または第1電極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/第2電極の構造を有することを特徴とする請求項15に記載の有機発光素子。
【請求項18】
正孔阻止層及び電子阻止層のうちの一層以上の層をさらに含むことを特徴とする請求項17に記載の有機発光素子。
【請求項19】
第1電極/正孔注入機能及び正孔輸送機能を同時に有する単一膜/発光層/電子輸送層/第2電極、または第1電極/正孔注入機能及び正孔輸送機能を同時に有する単一膜/発光層/電子輸送層/電子注入層/第2電極の構造を有することを特徴とする請求項16に記載の有機発光素子。
【請求項20】
正孔阻止層及び電子阻止層のうちの一層以上の層をさらに含むことを特徴とする請求項19に記載の有機発光素子。
【請求項21】
前記有機膜が、発光層であることを特徴とする請求項14に記載の有機発光素子。
【請求項22】
前記発光層が、燐光または蛍光材料を含むことを特徴とする請求項21に記載の有機発光素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−120786(P2008−120786A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−135428(P2007−135428)
【出願日】平成19年5月22日(2007.5.22)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】