説明

シリアルパラレル変換システムの異常検出装置及び異常検出方法

【課題】シリアルパラレル変換システムにおけるシリアル信号の変換処理に影響を与えることなく短時間で確実にRAMの異常を検出する。
【解決手段】シリアル信号をパラレル信号に変換するシリアルパラレル変換回路101とRAM122の異常を検出する自己診断回路105と前記自己診断回路105で検出されたエラー情報が入力されるエラー制御部109とを備えたシリアルパラレル変換部100と、前記シリアルパラレル変換回路101で変換されたパラレル信号が書き込まれるRAM122とを有するシリアルパラレル変換システムの異常検出装置において、前記自己診断回路105は前記シリアルパラレル変換回路101におけるシリアルパラレル変換処理期間にRAM122の異常診断をおこなう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は原子力プラント等の計装システムに用いられるシリアルパラレル変換システムの異常検出装置及び異常検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力プラント等の計装システムは、プラントからの放射線量、流量、温度等の各種プロセス信号が入力され、それらを処理することで、プラントの監視、制御をおこなっている。
【0003】
計装システムはシリアルパラレル変換システムを備えており、プラントからのプロセス信号はシリアル伝送信号としてシリアルパラレル変換システムに入力され、シリアルパラレル変換部によりパラレル伝送信号に変換され、そのパラレルデータはRAMに保存される。RAMに保存されたパラレルデータは、その後の処理のために、適宜読み出され、再びシリアル伝送信号に変換した後、計装システムの演算処理部等に伝送される。
【0004】
また、シリアルパラレル変換システムでは、RAMの異常を専用のソフトウェアで検出し、異常が検出されたRAMを正常なRAMに交換するか、又はシリアルパラレル変換システムを多重化し故障したシステムを正常なシステムに切り替え、故障したRAMを交換して正常動作に復帰させることがおこなわれている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−81991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、従来のシリアルパラレル変換システムでは、RAMの異常を検出する際に専用のソフトウェアが用いられているが、シリアルパラレル変換システムにおける信号処理に影響を与えることなく、異常診断を実行することは困難であった。また、従来の異常検出処理はCPUに所定の負担をかけるとともに、異常診断に所要の時間を要し、その間のデータが喪失する可能性もあった。特に、プラントからの放射線量、流量、温度等の各種プロセス信号が連続的に入力される原子力プラントの計装システムでは、このような異常検出処理時間の長期化及びデータ喪失は重大事故につながる危険性があった。
【0007】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、プラントからの放射線量、流量、温度等の各種プロセス信号が連続的に入力される原子力プラントの計装システムにおいて、シリアルパラレル変換システムにおけるシリアル信号の変換処理に影響を与えることなく短時間で確実にRAMの異常を検出することができるとともに、RAMの異常を検出した場合もシリアルパラレル変換システムを中断することなく継続的に使用することができるシリアルパラレル変換システムの異常検出装置及び異常検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係るシリアルパラレル変換システムの異常検出装置は、シリアル信号をパラレル信号に変換するシリアルパラレル変換回路とRAMの異常を検出する自己診断回路と前記自己診断回路で検出されたエラー情報が入力されるエラー制御部とを備えたシリアルパラレル変換部と、前記シリアルパラレル変換回路で変換されたパラレル信号が書き込まれるRAMとを有するシリアルパラレル変換システムの異常検出装置において、前記自己診断回路は前記シリアルパラレル変換回路におけるシリアルパラレル変換処理期間にRAMの異常診断をおこなうことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係るシリアルパラレル変換システムの異常検出装置は、シリアル信号をパラレル信号に変換するシリアルパラレル変換回路とRAMの異常を検出する自己診断回路と前記自己診断回路で検出されたエラー情報が入力されるエラー制御部とRAMアクセス切替回路とを備えたシリアルパラレル変換部と、パラレル信号をシリアル信号に変換するパラレルシリアル変換回路とRAMの異常を検出する自己診断回路と前記自己診断回路で検出されたエラー情報が入力されるエラー制御部とエラー情報出力回路とRAMアクセス切替回路とを備えたパラレルシリアル変換部と、前記シリアルパラレル変換回路で変換されたパラレル信号の書き込み及び読み出しがおこなわれるRAM及び代替RAMと、を有するシリアルパラレル変換システムの異常検出装置において、前記シリアルパラレル変換部とパラレルシリアル変換部の自己診断回路は、前記シリアルパラレル変換回路におけるシリアルパラレル変換処理期間にRAMの異常診断をおこない、前記シリアルパラレル変換部又はパラレルシリアル変換部の自己診断回路が当該RAMの異常を検出した場合、前記シリアルパラレル変換部及びパラレルシリアル変換部のRAMアクセス切替回路は当該RAMから代替RAMにデータパスを切替えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係るシリアルパラレル変換システムの異常検出方法は、本発明に係るシリアルパラレル変換システムの異常検出装置を用いて、シリアルパラレル変換処理期間にRAMの異常診断をおこなうことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、シリアルパラレル変換システムにおけるシリアルパラレル変換処理期間の一部を有効に活用することにより、シリアル信号の変換処理に影響を与えることなく短時間で確実にRAMの異常を検出するとともに、RAMの異常を検出した場合もシリアルパラレル変換システムを中断することなく継続的に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係るシリアルパラレル変換システムの全体構成図。
【図2】本発明の実施形態に係るRAMアクセス切替回路の構成図。
【図3】本発明の実施形態に係る自己診断回路における異常検出期間のタイミングチャート図。
【図4】本発明の実施形態に係るシリアルパラレル変換部における自己診断回路のタイミングチャート図。
【図5】本発明の実施形態に係るパラレルシリアル変換部における自己診断回路のタイミングチャート図。
【図6】本発明の実施形態に係るシリアルパラレル変換部における異常動作切り替えタイミングチャート図。
【図7】本発明の実施形態に係るシリアルパラレル変換部及びパラレルシリアル変換部における異常動作切り替えタイミングチャート図。
【図8】本発明の実施形態に係るエラー情報の構成図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係るシリアルパラレル変換システムの故障検出装置の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0014】
(構成)
図1は本実施形態に係るシリアルパラレル変換システムの全体構成図である。
本実施形態に係るシリアルパラレル変換システムは、シリアルパラレル変換回路101〜104、自己診断回路105〜108、エラー制御部109、RAMアクセス切替回路110とからなるシリアルパラレル変換部100と、シリアルパラレル変換回路101〜104で変換されたパラレル信号が書き込まれるRAM122〜125と、代替RAM126とから構成される。
【0015】
また、本実施形態では、データ読み出し用のパラレルシリアル変換部111が設けられており、このパラレルシリアル変換部111は、エラー制御部112、RAMアクセス切替回路113、自己診断回路114〜117、エラー情報出力回路131〜134、パラレルシリアル変換回路118〜121から構成されている。
上記シリアルパラレル変換部100及びパラレルシリアル変換部111は、通常、FPGA(Field Programmable Gate Array)が用いられている。
【0016】
なお、図1では4つのデータパスを示しているが、これは単なる例示であって、1又は4以上でもよい。また、RAM122〜125及び代替RAM126はデュアルポートRAM又はシングルポートRAMが用いられる。
【0017】
このように、シリアルパラレル変換部100は、シリアルデータをパラレル化しRAMへデータを書き込み、パラレルシリアル変換部111はRAMからデータを読み出しデータをシリアル化して出力する。
【0018】
シリアルパラレル変換部100において、自己診断回路105〜108はそれぞれに対応するRAM122〜125の自己診断を実行する。自己診断回路105〜108は前段のシリアルパラレル変換回路101〜104において実行されるシリアルパラレル変換処理期間の一部を利用して自己診断を実行する。
【0019】
エラー制御部109は、自己診断回路105〜108で検出したエラー情報をパラレルシリアル変換部111のエラー制御部112に出力し、またエラーが発生したRAMに対してデータパスの切り替えを実行するための情報をRAMアクセス切替回路110に出力する。
パラレルシリアル変換部111はRAMからデータを読み出し、パラレルシリアル変換回路118〜121でパラレルシリアル変換を実行し外部へシリアルデータを出力する。
【0020】
パラレルシリアル変換部111においても同様に、自己診断回路114〜117はそれぞれに対応するRAM122〜125の自己診断を実行する。エラー制御部112は自己診断回路114〜117で検出したエラー情報が入力されるとともにシリアルパラレル変換部100のエラー制御部109とエラー情報を共有し、故障発生時にRAMアクセス切替回路113にエラー情報を出力し、データパスの切り替えを実行する。
また、エラー情報はエラー情報出力回路131〜134に入力され、外部へ出力される。
【0021】
次に、本実施形態に係るシリアルパラレル変換システムを構成する各要素の作用を説明する。
(シリアルパラレル変換部100及びパラレルシリアル変換部111)
上述したリアルパラレル変換システムにおいて、通常動作時は、シリアルパラレル変換部100に入力されるシリアルデータはシリアルパラレル変換回路101で変換された後、RAM122に書き込まれ、パラレルシリアル変換部111はRAM122に書き込まれたデータを読み出し、パラレルシリアル変換回路118より外部へシリアルデータとして出力する。
【0022】
一方、シリアルパラレル変換中に、後述する自己診断回路105によってRAM122の異常又は故障が検出された場合、それ以降のデータはRAMアクセス切替回路110によって代替RAM126にデータが書き込まれる。パラレルシリアル変換部111は、エラー制御部109、112を介してエラー情報を取得し、RAMアクセス切替回路113によりデータパスを切り替え、代替RAM126に書き込まれたデータを読み出し、エラー情報出力回路122及びパラレルシリアル変換回路118を介してシリアルデータとしてデータを外部へ出力する。
【0023】
同様に、パラレルシリアル変換部111において、自己診断回路114がRAM122の異常を検出した場合、エラー制御部112、エラー制御部109を介して、シリアルパラレル変換回路からのデータをRAMアクセス切替回路110によって代替RAM126に書き込ませ、RAMアクセス切替回路113によって、代替RAM126に書き込まれたデータを読み出す。
【0024】
(RAMアクセス切替回路110、113)
図2はRAMアクセス切替回路110、113の構成図であり、RAMアクセス切替回路110はRAMの正常/異常に応じて経路を切り替えるセレクター204〜207を有し、RAMアクセス切替回路113は同様にセレクター210〜213を有している。セレクター204〜207にはシリアルパラレル変換回路101〜104で変換されたパラレルデータ200〜203が入力され、セレクター210〜213にはRAM(A)〜RAM(D)又は代替RAMから読み出したデータが入力され、自己診断回路117〜115にデータ216〜219を出力する。
【0025】
例えば、シリアルパラレル変換部100のシリアルパラレル変換回路101で変換されたパラレルデータ200は自己診断回路105を介してセレクター204に入力される。その際、RAMアクセス切替回路110は、自己診断回路105によりRAM(A)122が正常と判断されればデータ200をRAM(A)122に書き込む。一方、RAM(A)122の異常が検出されれば、セレクター204によりデータパスを切り替え代替RAM126にデータを書き込む。
【0026】
同様に、パラレルシリアル変換部111においても、例えば、RAM(A)122が正常であれば、セレクター210はRAM(A)122に格納されているデータを読み出し、自己診断回路105又は114がRAM(A)122の異常を検出すれば、RAMアクセス切替回路113はセレクター210によりデータパスを切り替え、データが格納されている代替RAM126からデータを読み出す。
【0027】
(自己診断回路)
図3〜図7により自己診断回路の構成及び作用を説明する。
図3は自己診断回路における異常検出期間のタイミングチャート図である。
シリアルパラレル変換部100では、シリアルクロック400に対して、シリアルデータ401が同期して出力される。パラレルデータ402は、シリアルパラレル変換回路101、102、103、104が内部バスとして出力するデータ(データA403、データB406、データC407、データD408…)となる。図3では一例として8ビットのシリアルパラレル変換を示す。
【0028】
例えば、パラレル変換後のデータB406において、変換後8シリアルクロック分の時間であるTa404+Tb405期間中にパラレルデータをラッチするが、そのうち、RAMにデータを書き込む処理はTa404期間におこなわれるため、Tb405期間をRAMの異常診断に用いることができる。
【0029】
このように、シリアルパラレル変換部100内部での次のパラレルデータが確定するまでのTb405時間中に、すなわち各パラレルデータを得るための変換処理期間のうち、RAMに書き込む処理をおこなうTa404期間を除いたTb405期間中に、自己診断回路105〜108は、それぞれRAM(A)122〜RAM(D)125の自己診断を実行する。
【0030】
なお、図3ではシリアルクロックの8クロック分のデータをパラレル変換しているが、内部バスを32ビットにすれば図3の4倍の内部処理時間を取れることとなる。本実施形態は8ビットのシリアルパラレル変換に限定するものではない。
【0031】
一方、パラレルシリアル変換部111では、Ta404で書込み側のデータが確定しているのでTc409期間にRAMからデータを読み出す。書込み側と同様に次のデータが確定するまでのTd―Ta期間中に自己診断回路114〜117はRAM(A)122〜、RAM(D)125の自己診断を実行する。
なお、この自己診断により各RAMの内部異常及びRAMの接続配線の異常を検出することができる。
【0032】
次に、図4によりシリアルパラレル変換部100における自己診断方法を説明する。
システムクロック500は、シリアルクロック400よりも動作周波数が早いものを選択すると処理速度は向上する。図5ではシステムクロック500はシリアルクロック400の約2倍の周波数で示している。
【0033】
ここで自己診断時はTb405期間に終了させる必要があるため、シリアルクロック400とシステムクロック500をTb405期間内にアクセスが完了するように選択する。リード・ライト信号502は“0”でリード“1”でライトを示す。
【0034】
自己診断は読み取り・書込み・読み取りを1セットとして動作する。当該動作は同一のアドレスに対して実行し、例えば、アドレス503のアドレスA508に対して読み出したデータA505をラッチしデータ504のデータB506としてRAMにデータを書込み、読み出したデータC507がデータAと一致していた場合正常動作と判断する。正常動作の場合次のTb405期間はアドレスAをインクリメントした値であるアドレスA+1のアドレスに対して実行する。
一方、図5にパラレルシリアル変換部111における自己診断方法を示す。動作は上記のシリアルパラレル変換部100と同等であるが自己診断期間がTd−Ta期間となる。
【0035】
(エラー制御)
自己診断回路によって異常が検出されたときの処理を、図6の異常動作切り替えタイミングチャート図を用いて説明する。
【0036】
自己診断回路105〜108において、データA505とデータC507の値が一致しない場合に601のタイミングで、異常信号検出フラグA600を有効にする。異常信号検出フラグA600はエラー制御部109、112に出力される。
自己診断回路114〜117も同様に異常信号検出フラグA600を有効にし、エラー制御部109、112に出力される。
【0037】
図7はシリアルパラレル変換部100とパラレルシリアル変換部111において、それぞれ異常を検出した場合の異常動作切り替えタイミングチャート図である。
異常検出フラグB700はパラレルシリアル変換部111の自己診断回路114〜117が出力する異常信号検出フラグである。ここで、異常検出フラグA600及び異常検出フラグB700は、それぞれのフラグをエラー制御部109、112に出力し、エラー制御109、112は内部フラグであるバス切り替えフラグ701を共通の内部フラグとして搭載している。バス切り替えフラグ701はRAMアクセス切り替え回路110、113に出力され、異常検出したパスに対して代替RAM126へデータパスが切り替えられる。
【0038】
(エラー情報出力回路)
エラー情報は自己診断回路105〜108および114〜117からエラー制御部109、112に出力される情報であり、それらの情報はエラー情報出力回路122〜125に入力される。
【0039】
図8にエラー情報のフォーマットを示す。エラーフラグヘッダ300は通常データとエラー情報を区別するための情報である。当該情報はユーザが任意に決定し、エラー情報と判断する。故障パス番号301は、シリアルパラレル変換データパスのうち何番目のデータパスに相当するか判断するものである。故障アドレス302は、故障と判断したRAMのアドレスを示す。書込みパス故障303は、書込み側が故障したときに有効となるフラグである。読み込みパス故障304は読み込み側が故障したときに有効となるフラグである。書込みパス故障303、読み込みパス故障304により故障発生場所の詳細を判断することができる。
【0040】
このような情報が付加されたエラー情報は、パラレルシリアル変換回路を介してシリアルデータとともに外部へ伝送され、異常検出箇所の特定及びその後のメンテナンス作業に用いられる。
【0041】
(効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、シリアルパラレル変換システムにおけるシリアルパラレル変換処理期間の一部を有効に活用することにより、シリアル信号の変換処理に影響を与えることなく短時間で確実にRAMの異常を検出するとともに、RAMの異常を検出した場合もシリアルパラレル変換システムを中断することなく継続的に使用することができるため、シリアルパラレル変換システムが搭載された計装システムの信頼性を大幅に改善することができる。
【0042】
また、各パラレルデータの変換毎に自己診断をおこなうので、各RAMの内部異常及び配線等の異常を早期に検出することが可能となり、データの損失を最小限に抑えることができる信頼性の高いシリアルパラレル変換システムを実現することができる。
【0043】
さらに、各RAMの内部異常及び配線異常を個々に把握できるため、故障箇所及び故障状態を容易に短時間で検出することが可能となり、メンテナンス作業の短縮化、低コスト化を図ることができる。
【符号の説明】
【0044】
100…シリアルパラレル変換部、101〜104…シリアルパラレル変換回路、105〜108,114〜117…自己診断回路、109,112…エラー制御部、110,113…RAMアクセス切替回路、122〜125…RAM、126…代替RAM、111…パラレルシリアル変換部、118〜121…パラレルシリアル変換回路、131〜134…エラー情報出力回路、200〜203,216〜219…データ、204〜207、210〜213…セレクター、400…シリアルクロック、401…シリアルデータ、402…パラレルデータ、500…システムクロック、502…リード・ライト信号、600,700…異常検出フラグ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリアル信号をパラレル信号に変換するシリアルパラレル変換回路とRAMの異常を検出する自己診断回路と前記自己診断回路で検出されたエラー情報が入力されるエラー制御部とを備えたシリアルパラレル変換部と、前記シリアルパラレル変換回路で変換されたパラレル信号が書き込まれるRAMとを有するシリアルパラレル変換システムの異常検出装置において、
前記自己診断回路は前記シリアルパラレル変換回路におけるシリアルパラレル変換処理期間にRAMの異常診断をおこなうことを特徴とするシリアルパラレル変換システムの異常検出装置。
【請求項2】
シリアルパラレル変換部はRAMアクセス切替回路を備え、前記自己診断回路がRAMの異常を検出した場合前記RAMアクセス切替回路は当該RAMから代替RAMにデータパスを切替えることを特徴とする請求項1記載のシリアルパラレル変換システムの異常検出装置。
【請求項3】
シリアル信号をパラレル信号に変換するシリアルパラレル変換回路とRAMの異常を検出する自己診断回路と前記自己診断回路で検出されたエラー情報が入力されるエラー制御部とRAMアクセス切替回路とを備えたシリアルパラレル変換部と、
パラレル信号をシリアル信号に変換するパラレルシリアル変換回路とRAMの異常を検出する自己診断回路と前記自己診断回路で検出されたエラー情報が入力されるエラー制御部とエラー情報出力回路とRAMアクセス切替回路とを備えたパラレルシリアル変換部と、
前記シリアルパラレル変換回路で変換されたパラレル信号の書き込み及び読み出しがおこなわれるRAM及び代替RAMと、を有するシリアルパラレル変換システムの異常検出装置において、
前記シリアルパラレル変換部とパラレルシリアル変換部の自己診断回路は、前記シリアルパラレル変換回路におけるシリアルパラレル変換処理期間にRAMの異常診断をおこない、前記シリアルパラレル変換部又はパラレルシリアル変換部の自己診断回路が当該RAMの異常を検出した場合、前記シリアルパラレル変換部及びパラレルシリアル変換部のRAMアクセス切替回路は当該RAMから代替RAMにデータパスを切替えることを特徴とするシリアルパラレル変換システムの異常検出装置。
【請求項4】
前記自己診断回路は、RAMへの書き込み期間又は読み出し期間を除いたシリアルパラレル変換処理期間にRAMの異常診断をおこなうことを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のシリアルパラレル変換システムの異常検出装置。
【請求項5】
前記自己診断回路は、RAMの全領域に対して、読み取り・書込み・読み取りの3つの動作を実行し読み取ったデータが正しく書き込まれていることを確認することによりRAMの異常診断をおこなうことを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載のシリアルパラレル変換システムの異常検出装置。
【請求項6】
前記シリアルパラレル変換部とパラレルシリアル変換部のエラー制御部は、前記シリアルパラレル変換部又はパラレルシリアル変換部の自己診断回路がRAMの異常を検出した場合、当該異常情報を共有するとともに、前記シリアルパラレル変換部及びパラレルシリアル変換部のRAMアクセス切替回路は当該RAMから代替RAMにデータパスを同時に切替えることを特徴とする請求項3記載のシリアルパラレル変換システムの異常検出装置。
【請求項7】
請求項1乃至6に記載のシリアルパラレル変換システムの異常検出装置を用いて、シリアルパラレル変換処理期間にRAMの異常診断をおこなうことを特徴とするシリアルパラレル変換システムの異常検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−59201(P2012−59201A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−204436(P2010−204436)
【出願日】平成22年9月13日(2010.9.13)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】