説明

シリコンを含む食品

本発明は、食品におけるシリコンの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品におけるシリコンの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
食品産業において、カプセル化は、成分を安定化し、成分の放出のタイミングおよび速度を制御するために使用することができる。カプセル化は、食品成分の保護を可能にして、栄養損失から守り、香味および香気をマスキングまたは保存する。また、カプセル化は、通常、光、UV放射線、金属、湿度、温度および酸素の影響を受け易いビタミンまたはミネラルサプリメントの安定性を増大させる。
【0003】
最も単純な形態においては、カプセル化剤は、一般にこの周囲に均一な壁を有する小球である。この球の内部の材料は、しばしばコア材料、内部相またはフィルと呼ばれ、一方、この壁は、時に殻、コーティングまたは膜と呼ばれる。しかし、カプセル化剤の多くは、これらの単純な球には殆ど似ておらず、多くの形態がある。
【0004】
カプセル化技法には、噴霧乾燥、噴霧冷却、流動床技術、コアセルベーションおよび超臨界液体の使用が含まれる。他の技法は包含封入を含み、これはアルギン酸塩ビーズおよびリポソームなどの構造を利用する。
【0005】
食品産業において、成分の保護、放出制御、および/または味をマスキングするための代替の方法および/または製品に対する継続的な要望がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、多くの母体液体中に容易に吸収されるにもかかわらず、シリコン、特に高表面積、例えばメソ多孔質シリコンなどの1m/gを超える表面積を有するシリコン構造は、食品中で安定であるという、驚くべき発見に部分的に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様において、シリコンを含む食品または食品組成物が提供される。
【0008】
本発明のさらなる態様によれば、前記シリコンと、食品または食品組成物の他の成分とをブレンドすることまたは合わせることを含む、本発明の第1の態様による前記食品または食品組成物に対する製造方法が提供される。
【0009】
本発明のその他の態様によれば、1種以上の成分の保護および/または放出制御、および/または味をマスキングするための食品中のシリコンの使用が提供される。
【0010】
シリコンは、1種以上の成分と共に装填される。特にシリコンは、1種以上の成分が、シリコンによって実質上完全にカプセル化される、または完全にカプセル化される、部分的にカプセル化される、または随伴するように装填することができ、これは、シリコンカプセル化剤と呼ぶことができる。これらの成分は、酸素の影響を受け易い食用油;ミネラル類;乳脂肪を含む酸素の影響を受け易い脂肪;油溶性成分;ビタミン類;香料または香気;フレーバー;酵素;プロバイオティックバクテリア;プレバイオティック;栄養補助食品;アミノ酸;ハーブ抽出物;ハーブ類;植物抽出物;食用酸;塩;抗酸化剤、治療薬の1種以上から選択することができる。
【0011】
本発明のその他の態様によれば、本発明の第1の態様において使用に適するシリコンが、(ここで、シリコンは、酸素の影響を受け易い食用油;ミネラル類;乳脂肪を含む酸素の影響を受け易い脂肪;油溶性成分;ビタミン類;香料または香気;フレーバー;酵素;プロバイオティックバクテリア;プレバイオティック;栄養補助食品;アミノ酸;ハーブ抽出物;ハーブ類;植物抽出物;食用酸;塩;抗酸化剤、治療薬の1種以上と共に添加される)提供される。
【0012】
この1種以上の成分は、唾液、胃液または腸液などの胃腸路液との相互作用の後に、放出され得る。
【0013】
本発明によるシリコンの使用は、以下のことの1つ以上を提供しようとするものである:熱、光または湿気への曝露による機能の損失を防止するために成分の効果的保護;成分安定性および/または栄養学的品質における改善;高重量%の成分添加;香気のいわゆる一気の放出(特に、コーヒーなどの熱い飲料における使用);添加された成分に対する改善された生物学的利用能;腸における成分の制御された放出;光感受性成分に対するUV/青色光への遮断層;食品加工の間の容易な取り扱い;特別な味のマスキング。
【0014】
食品中のシリコン構造、特に多孔質シリコンを含むシリコン構造に対する典型的エッチング速度(約18℃+/−4℃と設定される約室温において測定される)は、1日当たり約120nm以下、例えば1日当たり約80nm以下、例えば1日当たり約50nm以下、例えば1日当たり約20nmまたは1日当たり10nm以下であってよい。冷蔵庫温度(例えば約5℃+/−1℃)にほぼ対応する温度においてエッチング速度は、1月当たり約10nm未満であってよい。
【0015】
1種以上の成分と共に添加されるシリコンは、シリコンが、1種以上の成分を被覆または部分的に被覆するように使用されることを含む。特に、シリコンは、朝食シリアル等、またはコーヒー顆粒、コーヒー粉末、茶、ココア粉末、チョコレート粉末などの飲料を作るのに適する製品または製品類を被覆または部分的に被覆するために使用することができる。例えば、成分が、粉末または小さい顆粒などの微粒子(直径約5〜1000μm)であり、あるいは顆粒または典型的シリアルなどのマクロ粒子(約1mm〜20mm)である場合、前記成分は、シリコンナノ粒子および/または微粒子により被覆することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
シリコン
本明細書では、特に指定しない限り、用語「シリコン」は、固体元素シリコンのことを言う。元素シリコンは、通常、色はダークグレーであると述べられている。間違いを避けるために、特に指定しない限り、このシリコンは、シリカ、ケイ酸塩またはシリコンなどのシリコン含有化合物を含まないが、これらの材料と組み合わせて使用することができる。このシリコンは、約95〜99.99999%純度、例えば約96〜99.9%純度であってよい。約98〜99.5%の純度を一般に有するいわゆる金属シリコンは、特に好ましい。金属シリコンの世界生産量は、現在約100万トンに等しく、このコストは約2ドル/kgである。
【0017】
本発明において、使用に適するシリコンの物理的形態は、非晶質シリコン、単結晶シリコンおよび多結晶シリコン(ナノ結晶シリコンを含み、この粒子径は、一般に1〜100nmと設定される)、およびこれらの組合せから選択され、または含むことができる。本発明において使用に適する、シリコンの上述のタイプのいずれも多孔質化させて、「pSi」として呼ぶことができる多孔質シリコンを形成させることができる。シリコンは、例えばステインエッチング法を利用して表面多孔化することができ、または、例えば陽極処理技法を使用してさらに実質的に多孔化することができる。本発明において使用する多孔質シリコンの好ましい形態は、メソ多孔質、ミクロ多孔質、またはマクロ多孔質シリコンである。ミクロ多孔質シリコンは、2nm未満の直径を有する細孔を含み;メソ多孔質シリコンは2から50nmの範囲にある直径を有する細孔を含み;およびマクロ多孔質シリコンは50nmより大きい直径を有する細孔を含む。
【0018】
また、シリコンの好ましい形態は、サブミクロン直径多結晶粒子;サブミクロン直径非晶質シリコン粒子;中空シリコン微粒子;凝集シリコンナノ粒子;非晶質シリコンコーティング;微粉末化シリコン合金;微粉末金属シリコン;冷圧シリコン粒子を含む。シリコンは、これらの形態の1つ以上において存在することができる。
【0019】
シリコン中の細孔の表面積および大きさは、添加される成分の存在および性質に、ある程度依存することがあり、適切には身体のどの場所でその成分が放出されることが必要であるかによる。例えば、シリコンのBET表面積は、好ましくは微生物閉じ込めのためには、0.1m/gを超え、腸液中の生物分解性のためには好ましくは、100m/gより大きい。BET表面積は、Brunauer等、J.Am.Chem.Soc.、60、309頁、1938に記載されているBET窒素吸着法によって求められる。BET測定は、Micromeritics Instrument Corporation、Norcross、Georgia 30093から入手可能なAccelerated Surface AreaおよびPorosimetry Analyser(ASAP 2400)を使用して実施される。この試料は、測定前に、350℃において最短2時間真空下で脱気される。
【0020】
一般にバクテリアは、100nm〜10μmの大きさであるので、シリコンの平均孔径は、プロバイオティック閉じ込めのためには100μm未満が好ましい。タンパク質の大きさは、約5〜20nmの範囲であるので、好ましくは、酵素閉じ込めのためには平均孔径500nm未満である。好ましくは、平均孔径は、酸素に影響され易い栄養素の貯蔵寿命を改善するためには200nm未満である。好ましくは、平均孔径は、香料および揮発性栄養素の貯蔵のためには10nm未満である。平均孔径は、知られた技法を使用して測定される。メソ細孔径は、非常に高解像度の電子顕微鏡によって測定される。この技法、およびガス吸着−脱着分析、小角X線散乱、NMRスペクトルスコピーまたは熱細孔測定法を含む他の適切な技法は、R.Herino、「Properties of Porous Silicon」、2.2章、1997に記載されている。マクロ細孔径は、電子顕微鏡によって測定される。別の技法は、水銀細孔測定法を含む。
【0021】
本発明によるシリコンの使用は、食品に視覚的に魅力ある外観を与え、したがって本発明のさらなる態様によれば、食品の外観を改変するために食品または食品組成物中のシリコンの使用が提供される。これは、輝く、またはきらめく外観を含む。例えば、PCT/GB01/03633(この全内容を参照により本明細書に組み込む)は、層を含む鏡の使用を記載し、これはまた、皮膚科学組成物における結晶シリコン、多孔質シリコン、非晶質シリコンおよび多結晶シリコンの1種以上を含む。光の異なる波長を反射する鏡を使用することによって、食品の特定の着色を行うことができる。これは、低多孔度層から高多孔度層の間で、多孔質シリコンを含む隣接する層の多孔度を変化させることによって実現することができる。一般に、低多孔度層は、約65体積%までの、例えば約25体積%〜65体積%の多孔度を有することができ、高多孔度層は、少なくとも約60体積%、例えば約60体積%〜95体積%の多孔度を有する。それぞれの層は、10層を超えてまたは100層を超えて、または200層を超えてまたは400層以上を含むことができる。鏡が形成されるそれぞれの層は、この隣接する層以上の層に対して異なる屈折率を有し、結果として結合された層は、Braggスタックミラーを形成する。また、特定の色を、ステインエッチングまたは部分酸化を使用して表面多孔化することによってシリコン粒子に付与することができる。
【0022】
シリコン製造および加工
本発明において使用に適するシリコンの種々の形態を作製する方法は、当技術分野においてよく知られている。
【0023】
多孔質シリコン
PCT/GB96/01863(この全内容を参照により本明細書に組み込む)において、いかにバルクの結晶シリコンが、フッ化水素酸をベースとする溶液中において部分的電気化学的溶解によって多孔質になし得るが記載されている。このエッチング方法は、元のバルク材料の結晶性および結晶配向を保持したシリコン構造を生じる。したがって、形成された多孔質シリコンは、結晶性シリコンの形態である。広くは、この方法は、例えば、エタノール、メタノールまたはイソプロピルアルコール(IPA)などのアルコール中でフッ化水素酸の20%溶液を含む電解液を含む電気化学的セルにおいて、多量にホウ素をドープしたCZシリコンウエハを陽極処理処理するものである。約50mAcm−2の密度を有する陽極処理電流を通した後に、多孔質シリコン層が生成され、これは、短時間電流密度を増加させることによってウエハから分離することができる。この効果は、多孔質とバルク結晶領域の間の界面においてシリコンを溶解することである。また、多孔質シリコンは、多孔質シリコンを作製するためのその他の従来の方法である、いわゆるステイン−エッチング技法を使用しても作製することができる。この方法は、強酸化剤を含むフッ化水素酸溶液中にシリコン試料を浸漬するものである。シリコンとは、電気的接触はなく、電位はかからない。フッ化水素酸が、シリコンの表面をエッチングして、細孔を作り出す。
【0024】
この形成の後に、多孔質シリコンを乾燥することができる。例えば、多孔質シリコンは、Nature、368巻、(1994)、133〜135頁においてCanhamによって記載されているように超臨界的に乾燥させることができる。あるいは、多孔質シリコンは、Adv.Mater、10、487〜490頁、1998においてBelletおよびCanhamによって記載されているように、凍結乾燥またはエタノールまたはペンタンなどの、水よりも表面張力の低い液体を使用して空気乾燥することができる。
【0025】
水素化ケイ素表面は、例えば、ステインエッチングまたは陽極処理フッ化水素酸ベースの溶液を使用して陽極処理法によって生成される。例えば、HFベースの溶液中で電気化学的エッチングによって調製されたシリコンは、多孔質シリコンを含み、この多孔質シリコンの表面は、例えば食品または食品組成物中の多孔質シリコンの安定性を改善するために適切に改変することができる。特に、多孔質シリコンの表面は、アルカリ条件下でシリコンをより安定させるために改変することができる。多孔質シリコンの表面は、多孔質シリコンの細孔によって形成された外部および/または内部表面を含む。
【0026】
ある種の状況において、ステインエッチング技法は、多孔質シリコン表面の部分酸化をもたらすことができる。したがって、多孔質シリコン表面は、水素化シリコン表面;多孔質シリコンが部分的に酸化されていると一般に記載されてよい酸化シリコン表面;あるいはSi−O−C結合および/またはSi−C結合を有することができる誘導化された表面をもたらすために改変することができる。
【0027】
水素化シリコン表面は、多孔質シリコンをHFに曝すことによって生成することができる。
【0028】
酸化シリコン表面は、例えばProperties of Porous Silicon(LT.Canhamによる編集、IEE 1997)の5.3章に記載のように、シリコンを化学酸化、光化学酸化または熱酸化にかけることによって生成することができる。PCT/GB02/03731(この全内容を参照により本明細書に組み込む)は、いかにして多孔質シリコンを、多孔質シリコンの試料が非酸化状態におけるいくらかの多孔質シリコンを保持するようなやりかたで、部分的に酸化できるかを記載している。例えば、PCT/GB02/03731は、いかにして20%エタン酸HF中での陽極処理の後に、空気中で500℃において熱処理することによって陽極処理された試料を部分的に酸化し、部分酸化多孔質シリコンの試料を得るかを記載している。
【0029】
部分的酸化の後に、元素シリコンのある量が残る。このシリコン粒子は、酸素の約1つの単層と、全シリコン骨格を覆っている約4.5nm以下の総酸化物厚さの間に対応する酸化物含量を有することができる。この多孔質シリコンは、約0.04〜2.0、および好ましくは0.60〜1.5のシリコンに対する酸素原子比を有することができる。酸化は、シリコンの細孔中および/または外部表面で生じることができる。誘導化された多孔質シリコンは、この表面の少なくとも一部分に共有結合された単層を有する多孔質シリコンである。単層は、一般に多孔質シリコンの表面の少なくとも一部分に珪水素化によって結合されている1種以上の有機基を含む。誘導化された多孔質シリコンは、PCT/GB00/01450に記載されており、この全内容を参照により本明細書に組み込む。PCT/GB00/01450は、ルイス酸の存在において、珪水素化などの方法を使用するシリコンの表面の誘導化を記載している。この場合、誘導化は、表面におけるシリコン原子の酸化を抑制するために実施され、したがって、シリコンを安定化する。誘導化多孔質シリコンを調製する方法は、当業者には知られており、例えば、Inorg.Chem.1999、21巻、No.1〜3、69〜84頁(Chemcal Modification of Crystalline Porous Silicon Surfaces)にJ.H.SongおよびM.J.Sailorによって記載されている。シリコンの誘導化は、シリコンの疎水性を増大させて、これにより湿潤性を減少させる必要がある場合に望まれることがある。好ましい誘導化表面は、1種以上のアルキン基により改変される。アルキン誘導化シリコンは、例えば、Phys Sat.Solidi(a)、182、123〜126頁、(2000)におけるJ.Salonen等による「Studies of thermally carbonized porous silicon surfaces」、およびCurr. Appl.Phys.3、185〜189頁(2003)におけるS.T.Lakshmikumar等による「Stabilisation of porous silicon surface by low temperature photoassisted reaction with acetylene」において記載されているように、アセチレンガスによる処理から得ることができる。
【0030】
微粒子シリコン
シリコン微粒子およびシリコンナノ粒子などのシリコン粉末を作製する方法は、当技術分野においてよく知られている。シリコン微粒子は、一般に直径において約5〜1000μmの粒子を意味するものであり、シリコンナノ粒子は、一般に約100nm以下の直径を有する粒子を意味するものである。したがって、シリコンナノ粒子は、一般に約1nm〜約100nm、例えば約10nm〜約100nmの範囲の直径を有する。完全に生分解性メソ多孔質シリコンは、一般に2〜5nm範囲の幅を有する連続シリコン骨格を有する。シリコン粉末を作製するこれらの方法は、しばしば「ボトムアップ」(「Bottom−up」)法と呼ばれ、これは、例えば、化学合成または気相合成を含む。あるいは、いわゆる「トップダウン」(「top−down」)方法は、電気化学的エッチングまたは微粉砕(例えば、Kerkar等、J.Am.Ceram.Soc.、73巻、2879〜2885頁、1990、に記載されているミリング)のような知られた方法を指す。PCT/GB02/03493およびPCT/GB01/03633(この全内容を参照により本明細書に組み込む)は、シリコンの粒子を作製する方法を記載しており、前記方法は本発明における使用のためのシリコンを作製するのに適している。このような方法は、シリコンを遠心力を加える方法、または粉砕方法にかけることを含む。多孔質シリコン粉末は、結晶シリコンのウエハまたはブロック間で粉砕することができる。多孔質シリコンは、バルク結晶シリコンよりも硬度が低く、結晶シリコンウエハは超純粋な、超平滑な表面を有するので、シリコンウエハ/多孔質シリコン粉末/シリコンウエハサンドイッチは、例えば陽極処理により得られるはるかに大きい多孔質シリコン粒子から、例えば1〜10nm粒径を実現する便利な手段である。
【0031】
「トップダウン」または「ボトムアップ」法によって調製されたシリコン粒子の表面は、また水素化物表面、部分酸化表面、完全酸化表面または誘導化表面であってよい。水または空気などの酸化媒体中のミリングは、酸化ケイ素表面をもたらす。有機媒体中のミリングは、表面の少なくとも部分誘導化をもたらすことができる。シランの分解からなどの気相合成は、水素化物表面をもたらす。この表面は、例えば、食品または食品組成物中の微粒子シリコンの安定性を改善するために適切に改変することができる。
【0032】
シリコン粒子の平均粒径(d50/μm)を含めて、粒径分布測定は、Malven Instruments製Malven Particle Size Analyzer、Model Mastersizerを使用して測定される。ヘリウム−ネオンガスレーザービームが水溶液に懸濁されたシリコン粒子を含む透明セルを通して投射される。粒子に当たる光線は、粒径に逆比例する角度により散乱される。光検出器アレイがいくつかの所定の角度において光の量を測定する。測定された光束値に比例する電気信号は、次いで、シリコンの粒径分布を決定するために試料および水性分散剤の屈折率によって定義される理論的粒子から予測される散乱パターンに対して、マイクロコンピュータシステムによって処理される。
【0033】
シリコンナノ粒子を作製するために適する方法の他の例は、準大気圧不活性ガス環境における揮発および凝縮を含む。種々のエアゾール処理技法が、ナノ粒子の製造収率を改善するために報告されている。これらには、以下の技法による合成が含まれる:燃焼炎;プラズマ;レーザーアバレーション(abalation);化学的蒸気凝縮;スプレー熱分解;電気スプレーおよびプラズマスプレー。これらの技法に対する処理量は、現在低い傾向があるので、好ましいナノ粒子合成技法には、高エネルギーボールミリング;気相合成;プラズマ合成;化学合成;音響化学合成が含まれる。
【0034】
シリコンナノ粒子製造の好ましい方法をさらに詳細に記載する。
【0035】
高エネルギーボールミリング
ナノ粒子合成に対する通常のトップダウン手法である高エネルギーボールミリングは、磁気的、触媒的、および構造的ナノ粒子の生成のために使用されてきており、Huang、「Deformation−induced amorphization in ball−milled silicon」、Phil.Mag.Lett.、1999、79、305〜314頁参照のこと。商業的技術であるこの技法は、ボールミリングプロセスからの汚染問題のために、伝統的に問題があると考えられてきた。しかし、炭化タングステン成分の有用性および不活性雰囲気および/または高真空プロセスの使用が、許容できるレベルに不純物を減少させた。
【0036】
約0.1〜1μmの範囲の粒径が、ボールミリング技法によって最も普通に生成されるが、約0.01μmの粒径を生成することが知られている。
【0037】
ボールミリングは、「乾燥」状態において、または液体の存在、すなわち「湿潤」状態において実施することができる。湿潤状態に対して、典型的溶剤には、水またはアルコールベースの溶剤が含まれる。本発明者らは、本発明に関連した使用に対し、イソプロパノールまたは水が特に有用であることを見出した。この有用性は、シリコンの引き続いて生じる、凝集する能力に部分的に基づいており、このことは、バクテリアなどのある種の成分をカプセル化するのに特に使用することができる。
【0038】
気相合成
シラン分解は、多結晶シリコン顆粒を製造する非常に高処理量の商業プロセスを提供する。電子品質の原料(現在約30ドル/kg)は高価であるが、いわゆる「微粒子」(微粒子およびナノ粒子)は、本発明における使用に対しては適切な廃棄物である。微細なシリコン粉末は、市販されている。例えば、NanoSi(商標)Polysillconは、Advanced Silicon Materials LLCから市販されており、水素雰囲気中のシランの分解によって調製された微細なシリコン粉末である。この粒径は、5〜500nmであり、BET表面積は、約25m/gである。シリコンのこのタイプは、水素結合およびファンデルワールス力によると言われている、凝集する強い傾向を有するので、本発明において特に有用である。この凝集は、多孔質シリコンが知られた、例えば、電気化学的技法によって製造される場合と同様に、この中に成分を添加するために有用であるシリコンの高表面積の形態をもたらす。
【0039】
プラズマ合成
プラズマ合成は、「Production of ultrafine silicon powder by the arc plasma method」、J.Mat.Sci.、1987、22、2192〜2198頁にTanakaによって記載されている。良好な処理量を有する金属ナノ粒子の範囲の高温合成は、この方法を使用して実現される。シリコンナノ粒子(一般に10〜100nm直径)は、この方法を使用してアルゴン−水素またはアルゴン−窒素ガス環境において生成される。
【0040】
化学合成
超微小(<10nm)シリコンナノ粒子の溶液成長は、US200050000409に記載されており、この全内容を参照により本明細書に組み込む。この技法は、有機溶剤中でナフタレニドナトリウムなどの還元剤によって四塩化シリコンなどのシリコンテトラハライドを還元するものである。この反応は、室温での高収率につながるものである。
【0041】
音響化学的合成
音響化学において、音響キャビテーションプロセスは、極めて高い温度勾配および圧力を有する過渡的な局所化されたホットゾーンを発生することができる。このような温度および圧力の急激な変化は、音響化学的前駆体(例えば、有機金属溶液)の破壊およびナノ粒子の形成を助ける。この技法は、工業的用途のための多量の材料を製造するために適する。シリコンナノ粒子を調製する音響化学的方法は、「Preparation of luminescent silicon nanoparticles:a novel sonochemical approach」、Chem.Mater、10、1998、3278〜3281頁にDhasによって記載されている。
【0042】
機械的合成
Lamらは、グラファイト粉末とシリコン粉末をボールミリングすることによってシリコンナノ粒子を製造しており、このプロセスは、J.Crystal Growth 220(4)466〜470頁(2000)に記載されており、この全内容を参照により本明細書に組み込む。Arujo−Andrade等は、シリカ粉末とアルミニウム粉末の機械的ミリングによってシリコンナノ粒子を製造しており、このプロセスは、Scripta Materialia 49(8)、773〜778頁、(2003)に記載されている。
【0043】
凝集粒子
シリコン微粒子またはナノ粒子は、熱処理、圧縮技法によって、または遠心力の使用によって多孔質凝集形態に変換することができる。凝集形態は、マクロ細孔および/またはメソ細孔および/またはミクロ細孔を含む一体となったバルクを含む。
【0044】
この全内容が参照により本明細書に組み込まれるPCT/GB2005/001910は、多孔質であってもよく、またはそうでなくてもよい微粒子シリコンが、いかにして圧密されて、一般に圧力の影響の下に多数の結合されたシリコン粒子を形成できるかを記載している。この圧力は、例えば一軸的にまたは均衡的に適用することができる。典型的な一軸的圧力は、10MPa〜5000MPaの範囲であってよく、均衡的圧力は、10MPa〜5000MPaの範囲であってよい。
【0045】
圧密は、形成された一体のバルクまたはシリコン構造が、100cm/gより大きいおよび好ましくは1cm/gより大きい表面積を有するように実施することができる。
【0046】
シリコン粒子製品の圧密は、多孔質の一体のバルクをもたらすことができ、この細孔は、結合されたシリコン粒子間の空間から形成される。しかし上述したように、遊離のシリコン粒子は、これ自体、例えばステインエッチングまたは陽極処理技法の使用によって、圧密の前に多孔質であってよい。
【0047】
圧密された製品またはいわゆる一体のバルクは、これ自体陽極処理またはステインエッチングによって多孔化することができ、および/または破砕することができる。破砕技法は、機械的粉砕または超音波の使用を含む。
【0048】
一体のバルクの形成は、選択された温度範囲内で実施することができる。コールドプレスとは、圧密を−50℃ほどから約50℃の温度までで実施することを意味する。
【0049】
コールドプレス技法によって形成されたシリコン一体のバルクの表面積は、ホットプレス技法によって形成されたシリコン一体のバルクの表面積に比べて大きい場合がある。これは、ホットプレスは、表面シリコン原子の再配列をもたらし、空隙および欠陥を除去することがあるからである。
【0050】
圧密プロセスは、微粒子シリコンを、圧密の前、および/またはこの間および/または後に、成分が結合された粒子間の細孔中に位置されるように、添加されるべき成分または成分類と合わせることを含むことができる。
【0051】
食品
食品は、飲料または非飲料の形態であってよい。本発明において使用に適切な食品は、以下の1種以上を含む:肉;家禽;魚;野菜;果物;チョコレートおよび砂糖菓子;シリアルおよびパン、ケーキ、ビスケット、栄養バー(nutrition bars)を含む焼き製品;ペストリー;パスタ;乳製品、例えばミルク、クリーム、バター、マーガリン、卵、アイスクリーム、チーズ。食品は、以下のいずれかの形態であってよい:インスタント食品;冷凍食品;冷却食品;乾燥食品;冷凍乾燥食品;水を添加して戻す食品(rehydrated food);ピクルス;スープ;ディップ;ソース。
【0052】
適切な飲料には、アルコールおよび非アルコール飲料を含む。適切な飲料の特別な例には、水、例えば瓶入り水;茶;コーヒー;ココア;飲むチョコレート;果物ジュースおよびスムージー;ワイン;ビール;エール;ラガー;スピリッツが含まれる。飲料は、例えば冷凍乾燥されたもの、インスタントコーヒーおよび茶などを作るために適するものなどを含む顆粒の形態であってよい。したがって、本発明は、インスタント飲料粉末および顆粒などの飲料を作るために適する製品に及ぶ。これらには、コーヒー顆粒、コーヒー粉末、コーヒータブレット、茶、ココア粉、チョコレート粉が含まれる。他の適切な製品には、コーヒー油および濃縮物、例えば濃縮果物ジュースが含まれる。
【0053】
食品のpHは、好ましくはシリコンが食品中で長期間にわたり溶解せず、したがって、許容できる貯蔵寿命をもたらすようなものである。食品のpHは、一般に約7.5以下、好ましくは約7以下または好ましくは約6以下、およびよりさらに好ましくは約4.6未満である。pHの低限度は、一般に約2であってよい。マクロ多孔質シリコンおよび超微粉砕された金属シリコンに対しては、典型的pH範囲は、2〜9、およびメソ多孔質およびシリコンナノ粒子に対しては、典型的pH範囲は2〜6である。
【0054】
本明細書「発明の開示」において言及されているエッチング速度を実現するためには、食品のpHは、好ましくは約7.5以下および好ましくは約7以下である。
【0055】
添加される成分
好ましくは、シリコンは、1種以上の添加された成分を含む食品中に存在する。一般に、1種以上の成分は、添加されたシリコンに対して、0.01〜60重量%、例えば1〜40重量%、例えば2〜10重量%の範囲において存在する。成分は、以下の少なくとも1種から選択することができる:酸素の影響を受け易い食用油;ミネラル類;乳脂肪を含む酸素の影響を受け易い脂肪;油溶性成分;ビタミン類;香料または香気;フレーバー;酵素;プロバイオティックバクテリア;プレバイオティック;栄養補助食品;アミノ酸;ハーブ抽出物;ハーブ類;植物抽出物;食用酸;塩;抗酸化剤。
【0056】
酸素の影響を受け易い食用油
酸素の影響を受け易い食用油は、多価不飽和脂肪酸を含み、これらにはカノラ油、ルリチシャ油、メマツヨイグサ油、サフラワー油、ヒマワリ油、カボチャ種油、ローズマリー油、米ヌカ油、アマニ油(flaxseed oil)、小麦胚芽油、葡萄種油、アマニ油(linseed oil)が含まれる。これらの油のいくつかは、リノレン酸、α−リノレン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸をもたらす。また、魚油、例えばマグロ、ニシン、サバ、イワシ、タラ肝臓およびサメなどの魚から得られる油が含まれる。
【0057】
好ましくは、油の劣化を遅らせるためには、シリコンは、ナノメートル大きさの細孔(多孔質シリコンおよび凝集されたシリコンナノ粒子を含めて)を含む。
【0058】
ミネラル類および微量元素
適切なミネラル類には:Ca、P、Mg、Na、Kを含むマクロミネラル類;Fe、Zn、Cu、Se、Cr、I、Mn、Mo、Fを含むミクロミネラル類が含まれる。適切な微量元素にはNi、V、B、Coが含まれる。
【0059】
シリコン粉末と特別な金属粉末のブレンドおよび圧縮は、食用マイクロ電池を作り出すために使用されてもよい。摂取した後に、胃腸液が電解液として作用する。金属がシリコンよりも不活性でない場合には、生じる電池カップリングは、この金属の溶解を増大し、生物学的利用能を増大する。
【0060】
ビタミン
適切なビタミンには、アスコルビン酸、β−カロテン、ビオチン、コリン、葉酸、ナイアシン、パントテン酸、(ビタミンB5)、フィロキノン(ビタミンK)、ピリドキシン(ビタミンB6)、リボフラビン(ビタミンB2)、チアミン(ビタミンB1)、ビタミンA、ビタミンB12、ビタミンD、ビタミンEおよびこれらの混合物が含まれる。ビタミンおよびシリコンを、場合によって、一般に40℃と200℃の範囲の穏やかな熱の存在下で、ビタミンをシリコンに含浸させることによって合わせることができる。
【0061】
香料、香気およびフレーバー
適切な香料、香気およびフレーバーは、非毒性で食品に適しており、当業者には容易に明らかであり、Bauer等、「Common Fragrances & Flavours」、Willy、1997、278頁参照のこと。好ましい香料、香気およびフレーバーは、FDAによる「Generally Recognised As Safe」(GRAS)である。アルコール、アルデヒド、ケトン、エステルおよびラクトンは、天然および人工香料において最もしばしば使用される化合物の群である。
【0062】
さらに詳細には、適切なフレーバー(または香味剤)は、オールスパイス、バジル、トウガラシ、シナモン、チョウジ、クミン、イノンド、ニンニク、マヨラナ、ナツメグ、パプリカ、黒コショウ、ローズマリーおよびツメリックから得られるスパイス、オレオレジンの1種以上;アニス油、キャラウエー油、チョウジ油、ユーカリ油、ウイキョウ油、ニンニク油、ショウガ油、ペパーミント油、タマネギ油、コショウ油、ローズマリー油、スペアミント油などの精油;オレンジ油、レモン油、ダイダイ油およびタンジェリン油を含むシトラス油;ニンニク、セイヨウニラネギ、エゾネギおよびタマネギを含むネギ科フレーバー;アミカ抽出物、ローマカミツレ抽出物、ホップ抽出物、およびマリーゴールド抽出物などの植物抽出物、ブラックベリー、キクニガナ根、ココア、コーヒー、コーラ、カンゾウ根、バラの実、サルサパリラ根、サッサフラス樹皮、タマリンドおよびバニラ抽出物などの植物性フレーバー抽出物;加水分解野菜タンパク質(HVP’s)、肉タンパク質加水分解物、ミルクタンパク質加水分解物などのタンパク質加水分解物;S.Heath、Source Book of Flavours、Avi Publisng Co.、Westport、Conn.、1981、149〜277頁に開示されているものを含む天然および人工配合フレーバーを含む。特別のフレーバー化合物は、例えば、ベンズアルデヒド、ジアセチル(2,3−ブタンジオン)、バニリン、エチルバニリン、およびシトラール(3,7−ジメチル−2,6−オクタジエナール)である。香味剤は、油、水溶液、非水溶液またはエマルジョンの形態であってよい。香味剤エッセンス、すなわち果物または柑橘類から得られる水溶部分は、一般に上述した成分よりも低いレベルにおいて利用することができる。
【0063】
好ましくは、香油に関しては、持続した放出は、約1〜10nmの範囲の孔径を有するミクロ多孔質シリコンまたはメソ多孔質シリコンを使用して実施される。小さい細孔の大きさは、芳香性揮発物の放出を抑える。
【0064】
好ましい食品香気(または香気性剤)は、液体食品製品、特にインスタントスープおよびコーヒーなどの飲料用の食品香気を含む。他の適切な食品香気には、インスタントプディングなどのデザート、および冷凍ピザなどの冷凍食品製品に使用されるものが含まれる。また、食品香気は、消費の前に消費者によって熱水またはミルクで戻したり、あるいは加熱する必要のある食品における使用に適するものである。適切な食品香気は、は以下のものを含む:チーズ香気;コーヒー、ハシバミ実、アマレット、チョコレート、クリームおよびバニラなどの熱い可溶性のコーヒーベースの飲料用の香気;ラズベリー、クリームおよびバニラなどの熱い可溶性の茶ベースの飲料用の香気;ラズベリー、アマレット、クリーム、チョコレートおよびバニラなどの熱い可溶性のココアベースの飲料用の香気;マッシュルーム、トマト、牛肉および鶏肉などの熱いスープ用の香気;コーヒー、茶、チェリー、葡萄、およびイチゴなどの飲料用の香気;ラズベリー、チョコレート、バタースコッチ、チェリー、葡萄、イチゴ、バナナ、およびバニラなどのデザート用の香気;クリーム、シーフード、肉、ニンニクおよびタマネギな他の製品用の香気。香気フレーバーは、香気を与える組成物の一部分であってよく、これは、また不揮発性食用脂肪または油、界面活性剤、湿潤剤、発泡剤、極めて揮発性の溶剤、液体発泡剤、溶解された食用固形物、抗酸化剤、または香気前駆物質などの1種以上の成分を場合によって含んでよい。このような追加の成分の総重量は、好ましくはシリコンおよび香気成分の総重量に対して、通常約40重量%を超えない。適切な非揮発性食用脂肪または油は、フレーバーの源としてまたはフレーバー溶剤として使用されるコーヒー油またはトリグリセリド油を含む。また、界面活性剤も存在することができ、これは、香気化組成物の液滴の大きさおよび食品製品の表面に拡がる程度を制御すとための展着剤または乳化剤として作用する。アセトンおよびアセトアルデヒドなどの適切な非常に揮発性の溶剤を、揮発性食品香気のための共溶剤として使用することができ、香気送達システムの揮発の速度を改変する。空気、窒素、二酸化炭素、亜酸化窒素など解されたまたは閉じ込められた噴射ガス、または化学炭酸化試薬などのガス発生体を、浮力を増大または香気放出および揮発を促進するために含ませることができる。溶解された食用固形物は、組成物の粘度を増大する。ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、第三級ブチルヒドロキノン、ビタミンA、CおよびEおよび誘導体などの抗酸化剤添加物、ならびに抗酸化特性を有するカロテノイド、トコフェノールまたはフラボノイドを含むものなどの種々の植物抽出物を、香気化担体の貯蔵寿命を増大するために含ませることができる。貯蔵中には反応しないが、食品調製の間に香気を発生する反応する香気前駆体もまた、香気化組成物中に含ませることができる。
【0065】
脱水された食品組成物の製造は、しばしば高温などの加工条件を含み、これは、しばしば望ましい食品香気の損失を起こす。このような損失を克服する1つの知られている技法は、脱水された食料および飲料に追加の香気およびフレーバーを添加することである。このような香気およびフレーバーは、通常、複合体であり、多くの感覚刺激性活性化合物を含み、これらを合わせて、製品の特徴のある香気を作り出す。香気およびフレーバーは、しばしばこれらの希釈されていない状態において、極めて強力および不安定であるから、これらは、これらをより安定および容易に扱えるようにするために、担体と合わせる。担体は、好ましくは中性または感覚刺激性衝撃において相補的であり、製品の香気を特徴づけることに寄与しない。液体システムに対する担体の望ましい特徴は、刺激性がないことおよび他の液体担体および液体香気との混和性を含む。伝統的担体には、エタノール、プロピレングリコール、グリセロール、植物油、ベンジルアルコール、トリアセチン、トリプロピオニン、トリエチルシトレート、およびトリブチリンが含まれる。
【0066】
香気化組成物の香気成分は、その香気、すなわち他の全体の香気中でこの香気にその特定の特性を与える生来の品質を特徴づける。香気成分は、一緒に香気の特徴付けをもたらす複数の香気成分を含んでよく、しばしば含む。香気調製が、脱水された食品または飲料において、このようなフレーバーおよび香気の再水和が望まれる場合には、このような組成物は、香気放出が乏しいために、効力が限定される。固体担体を使用する場合、香気の放出は乏しい、というのは、再水和の間に粒子中への再水和液体の拡散が、香気の外への逆拡散を妨げるからである。このように、大多数の香気を特徴づける成分は、再水和液中で尽きることになる。香気発生は、特徴のある香気成分の担体中への添加を増加することによって得ることができるが、これは、一般に消費された場合、製品中の圧倒的に強いまたはバランスの悪いフレーバーをもたらす。
【0067】
同様に、伝統的液体担体を使用した場合、これらがカプセル化されていても、いなくても香気放出は乏しい。水溶性であるものは、可溶性固体担体と同様な問題を被る。担体中への水の流れが、香気の外への拡散を抑制する。さらに、多くの担体は、1.0g/ccを超える密度を有するので、これらは、水和の間に製品中に沈み、香気は、表面に放出されて香気を作用させるよりも、再水和液体中に放出される。最後には、浮いて、水に不溶であるこれらの従来の担体は、油性または脂肪質の性質をもつ。担体は、表面において香気を放出するようにすることができるが、これらは目障りな、しばしば感覚刺激性で視覚的に望ましくない「てかてかした場所」を製品の表面に残す。
【0068】
植物源からの天然の精油は、一般に強い香りがして、これらの固有の揮発性により自然の香気がある。これは、天然の精油を、食品製品の製造において使用する香気化成分として理想的選択にする。不幸にも、揮発性精油は、食品製品の製造に使用される全ての食品源には存在しない。さらに、いくつかの食品中に自然に生じる精油は、しばしば十分に豊富でなく、または加工食品においてこれらを経済的に使用することを可能にするために容易に抽出されず、いくつかは、食品使用に承認されていない。さらに、多くの加工食品は、これらの意図された用途のために、精油を含むことがある天然の食品成分を含んで製造することができない。
【0069】
インスタント飲料粉末は、一般に、消費者に許容されるために不溶浮遊物または懸濁物または沈降物を生成することなく、迅速に、水に完全に溶解する必要があり、天然に発生する揮発性油を含む食品から得られる食品または成分は、しばしば完全には水溶性ではない。これらの制約に対応して、天然または合成香味剤が、このような食品製品に所望の性質および個性を与えるために一般に使用される。多くの場合、とりわけ経済的にフレーバーを付ける場合、香味剤は、カプセル化されたオレンジ油粉末などの天然の精油を含むことができ、これらは、模造またはオレンジフレーバーの飲料にフレーバーを付けるために使用される。オレンジ油は、廃棄されたオレンジ皮から容易に、経済的に搾られる。
【0070】
香気の損失をもたらす食品加工の1つのよく知られた例は、「インスタント」(または可溶性)コーヒー粉末の製造である。この製造において追加のステップが採られなければ、炒って粉末にしたコーヒーを煎じることによって調製されたホットコーヒー飲料の香気に比べて、インスタントコーヒー粉末から調製されたホットコーヒー飲料に伴う香気は非常に少ない。多くの試みが、コーヒー豆の特別のタイプの使用、特別のコーヒーを炒る条件の使用、およびコーヒー香気の添加を含めて、インスタントコーヒー製品の香気を高めるためになされてきた。インスタントコーヒーに関して気付いてきた特別な問題は、コーヒーを煎じる場合に生じるコーヒー香気に比べて、ホットインスタントコーヒー飲料を調製する時に生じるコーヒー香気が相対的に少ないことである。乏しい調製香気(すなわち、インスタントコーヒー飲料の調製時における、乏しい香気発生または「カップ上の香気」)は、US5,399,368(US’368)に、およびUS5,750,178(US’178)に述べられている。これらの特許のそれぞれは、この全内容が参照により本明細書に組み込まれ、香気性コーヒー物質の水性エマルジョンにより可溶性コーヒー粉末を被覆することによって、または微粒の香気化されたコーヒーガラス(coffee glass)を使用することによってなどの、カップ上コーヒー香気の最初の発生をもたらすためのいくつかの従来技術の試みを記載している。US’368およびUS’178には、これらのおよび他の以前に知られていた手順は、良好な調製香気を実現することに成功しなかったことが報告されている。US’368は、香気化されたコーヒー油を含む液体コア材料を硬くしたコーヒーガラスの殻内にカプセル化したカプセル粒子を共押出しする方法を提案している。この殻は、圧力下で不活性ガスにより飽和された、香気化されたコーヒー油のコアをカプセル化する。また、US’178は、インスタントコーヒーを香気化する知られた技法を記載しており、良好な包装香気(すなわち、コーヒー容器中の香気)もたらすことができる技法が、良好な調製香気をもたらさないことを述べている。US’178は、US’368の方法は、香気の優れた捕捉をもたらすが、複雑な機械および注意深い制御が必要であることを報告している。US’178は、香気化されたコーヒーカプセル粒子を調製する改変された方法を提案しており、この方法は、簡略化の利点を有すると言われている。
【0071】
US’368およびUS’178に記載されているものなどの香気化コーヒー粒子を組み込むことによって実現することができるインスタントコーヒー製品における調製香気の量は、使用されるこのような粒子の量に部分的に依存する。良好な調製香気は、香気化されたカプセルの十分な量を使用することによって実現することができる。しかし、カプセルを多く使用するほどカプセル材料、特にコーヒー油が多く導入される。添加されたコーヒー油は、コーヒー飲料の表面に油皮膜として蓄積する。このような油皮膜は、容易に明らかとなり、インスタントコーヒーの消費者の受け入れが悪くなることが広く知られている。
【0072】
本発明は、食品の特性に逆効果をもつ植物油などの、天然の精油の使用、または他の成分の量の使用を必ずしも必要とせずに、良好な食品調製香気を提供する。
【0073】
シリコンは、高多孔度ミクロン大きさの粒子の形態において、特に香気の発生の送達に有用である。シリコンの多孔度は、飲料の表面上のシリコン浮遊物がこれにより所望の「カップ上」の位置において香気を放出するようなものである。また、HFエッチングされた多孔質シリコンは、この点で有用である−これは高度に多孔質でミクロン大きさであるだけでなく、また疎水性である。飲料の高温(例えば70〜100℃)は、メソに細孔またはミクロ細孔内に室温において予め捕捉された揮発性香気のいわゆる一気の放出をもたらす。シリコン担体構造は、香気放出に必要とされる時間の長さで水溶性である必要はなく、したがって、完全には多孔質である必要はない。
【0074】
本発明によるシリコンの使用は、以下の寄与の1つ以上をもたらす:沈降した粒子でなく浮遊している粒子から香気を確実に放出させる調和した密度;ケイ酸に完全にまたは部分的に生分解性である非毒性の性質;飲料表面に望ましくない「てかてかした場所」を避ける非油性的性質;疎水性およびナノ大きさの多孔度。
【0075】
酵素
適切な酵素は、カルボヒドラーゼ、ペクチン酵素、セルロース、プロテアーゼ、オキシダーゼ、およびリパーゼの群から選択される。例には、アミラーゼ、ブロメライン、カタラーゼ、フィチン、グルコアミラーゼ、グルコースイソメラーゼ、グルコースオキシダーゼ、インベルターゼ、ラクターゼ、リパーゼ、パパイン、ペプシン、プルラナーゼおよびレンネットが含まれる。
【0076】
プロバイオティックバクテリア
プロバイオティックは、潜在的に有益な微生物またはバクテリアを含む食物サプリメントである。さらに詳細には、プロバイオティックは、一時的または内因性の生理的寄生菌の少なくとも一部分を形成し、これにより宿主生体に有用な予防的および/または治療的効果示す微生物を示す。本発明において使用に適する酪酸生成バクテリアの予防的および/または治療的効果は、病原体以下の1種以上による病原体の成長の競争的抑制から、部分的に得ることができる:(i)優れたコロニー形成能力;(ii)望ましくない微生物の寄生;(iii)抗菌活性を有する酪酸および/または他の細胞外生成物の生成。本発明による使用に適するプロバイオティックバクテリアは、以下の特徴の1つ以上を有利には有することができる:(i)酪酸を生成する能力;(ii)胃腸路内の有益な機能;(iii)非病原性。酪酸生成は、局部的植物系微生物群環境内のpHを著しく減少(すなわち、酸性度を増大させる)させ、多くの望ましくない生理学的に有毒なバクテリアおよび黴の成長に寄与しない。したがって、酪酸生成の機構によって、プロバイオティックは、競争する病原性バクテリアの成長を抑制する。本発明においてプロバイオティックとして有用である典型的酪酸生成バクテリアは、病原性生体の成長を抑制するバクテリオシンまたは他の化合物を生成するバチルス属の非病原性メンバーなどの効果的酪酸生成体を含む。例示的酪酸生成、非病原性バチルス種は、限定しないが、バチルス凝集体;バチルス凝集体ハンマー(Hammer);およびバチルスブレビス(brevis)亜種凝集体を含む。
【0077】
酪酸生成乳酸菌種の例は、限定しないが、次を含む:乳酸菌アシドフィラス(acidophilus)、乳酸菌カセイ(casei)、乳酸菌DDS−1、乳酸菌GG、乳酸菌ラムノサス(rhamnosus)、乳酸菌プランタウム(plantarum)、乳酸菌ルーテリ(reuteri)、乳酸菌ガッセリ(gasserii)、乳酸菌ジェンセニル(jensenil)、乳酸菌デルブルエキル(delbruekil)、乳酸菌ブルガリカス、乳酸菌サリバリウスおよび乳酸菌スポロゲン(sporogenes)(また、バチルス凝集体として呼ばれる)。例示的酪酸生成スポロ乳酸菌種は、全てのスポロ乳酸菌種、例えば、スポロ乳酸菌P44を含む。
【0078】
酪酸生成ビフィディオバクテリウム種の例には、限定しないが、ビフィディオバクテリウムアドレスセンチス(adolescentis)、ビフィディオバクテリウムアニマルス(animalls)、ビフィディオバクテリウムビフィダム(bifidum)、ビフィディオバクテリウムビフィダス(bifidus)、ビフィディオバクテリウムブレーブ(breve)、ビフィディオバクテリウムインファンティス(infantis)、ビフィディオバクテリウムインファンタス(infantus)、ビフィディオバクテリウムロンガム(longum)、およびそれらのいずれかの遺伝的変形が含まれる。
【0079】
バチルス種、特に胞子(例えば、バチルス凝集体)を形成する能力を有する種は、本発明における使用に好ましい。胞子を形成する能力は、これらのバクテリア種に熱および他の条件に対して比較的に抵抗性にし、製品配合において永い貯蔵寿命をもたらし、および胃腸路内のpH、塩分などの条件下で組織の存続およびコロニー形成に理想的である。さらに、多くのバチルス種の追加の有用な特性は、非病原性、好気性、通性および従属栄養的であり、したがって、これらのバクテリア種を安全におよび胃腸路を容易にコロニー化することができることを含む。
【0080】
プレバイオティック
プレバイオティックは、プレバイオティックの成長を支援し、および/または成長を促す天然または合成物質である。さらに詳細には、プレバイオティックは、結腸中の1つまたは限定された数のバクテリアの成長および/または活性を選択的に刺激することによって宿主に有益に影響をおよぼす非消化性食品成分である。これらは、一般に比較的長さの短い炭水化物である。例は、ラクツロースおよびイヌリンなどのイヌリンタイプフルクタンである。
【0081】
栄養補助食品(nutraceuticals)
栄養補助成分は、疾病の予防および治療を含む医療または健康利点をもたらす。一般に、栄養補助食品は、消費者に特別な健康利点を与えるために特に適合する。本発明において使用する適切な栄養補助食品は、アロエベラ(Aloe ferox,A.bardensis)、チョウセンアザミ、アジアヤクヨウニンジン(Panax ginseng)レンゲソウ、ミツバチ花粉、コケモモ、(vaccinium myrtillus)、クロコホッシュ、トウガラシ−カイエンヌ、トウガラシ属、(capsicum species)、カスカラ樹皮(Rhamnus purshiana)、キンキジュ属(Uncaria tomentosa)、ローマカミツレ(Matricaria recutila)、ツルコケモモ、セイヨウタンポポ(Taraxacum officinale)、当帰(Angelica sinsensis)、エキナセア(Echinacea purpureaおよび関連種)メマツヨイグサ油(Oenothera biennis)、ナツシロギク(Tanacetum parthenium)、フラクトオリゴサッカライド、ニンニク(Allium sativum)、ショウガ(Zingiber offcinale)、イチョウ(Gingo biloba)、ヤクヨウニンジン、グルカレート、グルコサミン、ヒドラチス(Hydrastis canadensis)、ゴツコラ(Centella Asiatica)、葡萄種抽出物、緑茶、ガラナ(Paullinacupana)、サンザシ(Crataegus oxyacantha)、インシトール、イヌリン、イソフラボノン、カワカワ(Piper methysticum)、L−カルニチン、レクチン、カンゾウ(Glycyrrhiza glabraおよびG.uralensis)、リコペン、オオアザミ(Silybum marianum)、モドシトラスピール、イラクサ、オリゴフラクトース、オメガ3s、パッシフローラ、トケイソウ(Passiflora incarnate)、パウダルコ(Tabebuia impetiginosa)、ペパーミント(Mentha Pipiperita)、リン脂質、ポリフェノール、アメリカオオバコ(Plantago ovataおよびP.Major)、ピクノゲノール、クエロエチン、D−リモネン、レイシ、リボ核酸、ロイアルゼリー、セントジョンウワート(Hypericum perforatum)、ノコギリパルメット(Serenoa repens;Sabal serrulata)、チョウセンゴミン、大豆イソフラボン、ツメリックヴァレリアン(Valeriana officinalis)およびこれらの混合物から選択することができる。
【0082】
アミノ酸
本発明において使用に適切なアミノ酸は、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、アスパラギン、カルニチン、システイン、シスチン、グルタミン酸、グルタミン、グルタチオン、グリシン、ヒスチン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、オルニチン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、タウリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリンおよびこれらの混合物から選択することができる。
【0083】
植物抽出物およびハーブ
適切な植物抽出物は、1種以上の植物ステロールを含み、これらは、β−シトステロール、カンペステロール、スチグマステロールを含む。適切な植物ステロールは、シトスタノール、オクタコサノール、ポリコサノールを含む。
【0084】
適切なハーブには、クロウオルナット、ゴボウ、ローマカツミレ、コンフリー、エキネシア、ユーカリ樹、サンザシ、ヤナギハッカ、イチョウ、ヤナギハッカ、レモンバルサム、オオアザミ、ビロードモウズイカ、ペパーミント、アメリカオオバコ、セージ、ノコギリパルメット、ヒメスイバ、アカニレ、セントジョンウワート、ジャコウソウ、トルコダイオウ、カノコソウ、バイテックスが含まれる。
【0085】
医療目的のために使用に適するハーブは、M.Polunin&C.RobbinsによるThe Natural Pharmacy(Dorling Kidersley 1999)、144頁に記載されている。特に、30〜131頁は、適切なハーブを挙げている。適切な料理用ハーブは、B.Davis(Butterworth Heinemann 1994)によるFood Commodities、第2版、158〜163頁に記載されている。
【0086】
食用酸
本発明において使用に適切な食用酸は、クエン酸、アスコルビン酸、マロン酸、酢酸、酒石酸、ソルビン酸、フマル酸、マレイン酸、リン酸、コハク酸およびニコチン酸から選択することができる。
【0087】
抗酸化剤
本発明において使用する適切な抗酸化剤は、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、乳酸ナトリウム、乳酸カルシウム、マレイン酸カルシウムおよびクエン酸アンモニウムから選択することができる。
【0088】
食品調製
食品中にシリコンを組み込むための方法は、多数存在する。本発明によるおよび使用する適切な混合装置は、多様であり、例えばスクリュウミキサー、リボンミキサー、およびパンミキサーを含む。他の例には、液体食品または飲料用の高速プロペラまたはパドルミキサー;乾燥粉末用タンブルキサー;ドウおよびペースト用Z−ブレードキサーが含まれる。適切な粉砕機としては、ハンマーミル、ディスクミル、ピンミルおよびボールミルがある。押出しは、食料を混合し、形を与えるための非常に高い処理量(約300〜9000kg/時)の技法であり、本発明における使用に適する。冷および熱押出し機を使用することができる。これらは、一軸または二軸スクリュウであってよい。押出される食品には、シリアル、パスタ、ソーセージ、砂糖またはタンパク質ベースの製品が含まれる。
【0089】
成分は、シリコンと、混合プロセスの前および/またはこの間および/または、後に合わせることができる。
【0090】
成分または成分類は、種々の方式においてシリコン上および/または中に添加することができる。例えば、1種以上の成分が、シリコン粒子の表面に付着され、多孔質シリコンの細孔中に組み込まれ、シリコン粒子(特にナノ粒子)の凝集または圧密によって形成された細孔中に組み込まれ、または結合され、またはさもなければシリコンの表面に随伴される。例えば、シリコンは、1種以上の成分を被覆または部分的に被覆するのに有効に使用される。特に、シリコンは、朝食シリアル、またはコーヒー顆粒、コーヒー粉末、茶、ココア粉末、チョコレート粉末などの飲料を作るために適する製品または製品類を被覆または部分的に被覆するのに使用することができる。シリコンと共に成分を添加する適切な方法には、パンコティング、流動床、噴霧乾燥、噴霧冷却、エンロービング、粉付け/パン粉付け、共押出しの技法が含まれる。これらの物理的方法の中で、シリコン懸濁液の噴霧乾燥が好ましい。これらは、よく知られた技法であり、これらの詳細は、標準的テキストにおいて見出すことができ、例えば多くのこれらの技法に対しては、PJ FellowsによるFood Processing Technology,Principle and Practise、第2版、Woodhead Publishing Ltd.参照のこと。
【0091】
シリコンと共に添加されるべき成分は、適切な溶剤に溶解または懸濁させることができ、シリコン粒子は、得られた溶液中で適切な時間インキュベートすることができる。水性および非水性のスリップが、粉砕されたシリコン粉末から生成され、シリコン懸濁液の処理および特性が研究され、Ceram.Eng.Sci.Proc.、6、1985、1109〜1123頁において、SacksおよびJ.Am.Chem.Soc.73、1990、2879〜85頁においてKerkarによって研究および報告されている。溶剤の除去が、シリコン粒子の表面上への成分の付着をもたらす。しかし、粒子が多孔質シリコン、またはシリコンの凝集または圧密粒子(例えば、凝集または圧密ナノ粒子)を含む場合、成分の溶液は、毛管作用によってシリコンの細孔中に浸透し、溶剤を除去した後に、成分は、細孔中に存在する。好ましい溶剤は、水、エタノール、およびイソプロピルアルコール、GRAS溶剤および冷凍乾燥し易い揮発性液体である。
【0092】
添加のより高いレベル、例えば、シリコンの添加重量に対して添加成分の少なくとも約15重量%が、高温において浸透を行うことによって実現することができる。例えば、添加は、添加されるべき成分の融点以上である温度において実施することができる。全体の添加の定量は、重量的に、EDX(X−線によるエネルギー分散分析)、フーリエ変換赤外線(FTIR)、ラマン分光分析、UV吸光分光分析、滴定分析、HPLCまたは質量分光測定を含む多数の知られた分析方法によって好都合に実現される。必要に応じて、添加の均一性の定量化は、横断面EDX、オージェデプスプロファイリングマイクロラマンおよびマイクロFTIRなどの空間的解像が可能な技術で達成してよい。
【0093】
添加レベルは、添加の間に取り入れられた成分の体積(密度によって割った取り入れられた成分の質量に等しい)を、添加前の多孔質シリコンの空隙体積で割り、100を掛けることによって求めることができる。
【0094】
本発明による食品中に存在するシリコンの総量は、約0.01〜50重量%、好ましくは約0.01〜20重量%およびよりさらに好ましくは0.1〜5重量%であってよい。
【0095】
本発明の実施形態を、次に添付する図面を参照して、単に例として以下に記載する。
【0096】
(実施例)
本発明の実施形態を、次に以下の実施例を参照して、単に例として記載する。
【実施例1】
【0097】
高表面積シリコン作製
高処理量に拡大できる装置による高表面積シリコン粉末の作製を実施例1によって示す。
【0098】
主不純物Fe(0.48重量%)、Al(0.19重量%)およびCa(0.07重量%)を含む純度99.1重量%の、超微粉体化形態において市販されており、d10=1.40μm、d50=6.19μmおよびd97=42.37μmの粒径分布を有する金属シリコンを使用した。乾燥粉末を、Hosokawa Alpine 90 AHM 円筒ボールミル中において高エネルギー湿潤ミリングにかけた。粉砕媒体は、炭化シリコン被覆した酸化ジルコン(直径0.4〜0.7mm)であった。循環粉砕を使用した。駆動モーターは2.2kWおよびミル体積は0.25リットルで運転した。作業A1および作業A2は、液体担体としてイソプロパノール(IPA)を使用した。作業B1〜B3に対しては、シリコンの粉砕は、水中で実施された。表1は、ミリング条件および生成した粒子の粒径分布特性を要約する。
【0099】
【表1】

【0100】
表1のデータは、数時間のミリング時間の後に、検討された液体媒体の両方に対して、平均粒径をサブミクロン範囲に減少させることができることを示す。
【0101】
水の存在下で行われた作業B1〜B3は、より高エネルギーのミリング条件の下で実施された。5時間以内に、粒子の97%は、1ミクロンより低い直径を有し、50%は430nm未満の直径を有していた。評価された表面積は、5〜100m/gの範囲であった。比較のために、陽極処理によって調製された60%多孔度のメソ多孔質シリコンは、表面積約200m/gを有していた。
【0102】
高解像度断面走査電子鏡検法(HRSEM)画像およびEDXスペクトルは、粉砕した材料の分析を助けるために生成した。EDXスペクトルは、水中でのミリングは、著しい酸化およびより親水性表面を導入することを示した。表面は、場合によって、表面の酸化を除去するためにHFにより処理することができる。
【0103】
IPA中のミリングは、生成したEDXスペクトルによれば酸化の導入は著しく少ないが、例えば、表面にSi−C結合を残し、したがって、より疎水性表面となる。したがって、IPA粉砕材料は、食品と共に使用しようとするプラスチック包装から炭化水素を吸収する追加の利点をもたらす。
【実施例2】
【0104】
食品および飲料中の安定性
多孔質シリコンの安定性を、食品および飲料の範囲において試験した。試験を、冷蔵および室温条件として採用した5℃および18℃において実施した。試料AおよびBを調製した。試料Aは、70体積%(+/−10%)の多孔度および非多孔質バルクシリコンについて0.63μm(+/−0.02μm)の厚さを有する多孔質シリコン試料である。試料Aは、100mA/cmの一定の電流密度、10秒間の下で、非多孔質バルクシリコン試料の陽極処理により調製した。電解液は、40重量%HFおよびMeOHの等体積を含み、pシリコンウエハは、5〜20mΩcmの抵抗を有した。
【0105】
試料Bは、75体積%(+/−5%)の多孔度および3.53μm(+/−0.02μm)の厚さを有する多孔質シリコン試料である。試料Bは、54体積%(+/−10%)多孔度の200nm厚さ外部領域を有する。試料Bは、5mA/cm、30秒間、次いで50mA/cm、120秒間、非多孔質バルクシリコン試料の電流密度を変化させて、陽極処理により調製した。電解液は、2:1体積比において、40重量%HFおよびイソプロパノールを含み、pシリコンウエハは、0.89〜1.34mΩcmの抵抗を有した。
【0106】
試料Aおよび試料Bを、食品および飲料の範囲において浸漬した。HRSEMを使用して、経過時間の多孔質シリコンの厚さを監視し、こうして腐食の速度を評価した。結果を表2に示す。
【0107】
【表2】

【実施例3】
【0108】
10μmのd50を有する金属シリコン微粒子を、HF溶液中でステイン−エッチング法により細孔化して、5〜50nm直径の範囲の細孔の高密度を提供する。シリコンの10重量%〜60重量%の量の範囲の魚油を、場合によって追加の静水圧の存在下、毛管流の作用により組み込まれる。
【実施例4】
【0109】
10μmのd50を有する金属シリコン粉末をHF中に浸漬して、酸化物コーティングを除去し、洗浄し、プロバイオティック培養組織を分散させる。バクテリア被覆された粒子を、次いで冷間圧縮によって圧密する。
【実施例5】
【0110】
金属シリコン粉末を、冷間圧縮によって多孔質電極に部分的に圧縮する。圧縮された粒子を、次いで濃縮(40〜50重量%)HF中で陽極処理させて、ミクロ多孔質シリコンを作り出す(Canham、J.Appl.Phys.、72、1992、1232頁参照のこと)。香油を気体移送および毛管凝縮によって添加する。
【実施例6】
【0111】
75重量%シリコンおよび25重量%鉄を含むフェロシリコンを、高エネルギーボールミリングを使用して機械的摩擦にかけて、1μmの平均直径および5μmのd50を有する0.1〜10μmの範囲にある粒子を含む高表面粉末を製造する。あるいは、純粋な鉄粉末を、シリコン粉末とブレンドし、共粉砕することができる。
【実施例7】
【0112】
金属シリコンを、10μmの平均直径および50μmのd50の粒子に機械的摩擦によって微分化する。これらは、60〜80%(0.5〜0.9g/cmに等しい)の範囲にある多孔度のレベルにステインエッチングする。細孔直径は、代表的に2〜10nm範囲にある。コーヒー油を毛管凝縮によって室温において含浸し、これは、圧力の助けにより実施することができる。香気添加粒子の好ましい密度は、ホットコーヒーまたはスープの密度未満;すなわち、適切には1.2g/cm未満、好ましくは0.8〜1.0g/cm範囲にある。シリコン粒子は、0.1〜10重量%比の範囲においてコーヒー油と混合する。
【実施例8】
【0113】
コーヒーの貯蔵寿命への多孔質シリコン粉末の効果を検討した。70体積%多孔度のメソ多孔質シリコン膜を、高電流密度パルスを使用することによってウエハから剥がし、広い大きさ分布を有する微粒子に手作業で粉砕した。ネスカフェコーヒー顆粒を、また手作業で粉砕した。次いで、粉砕された顆粒の一部分を、粉砕された多孔質シリコンと手動で混合(50:50重量%比)した。この混合物を5日間にわたり、空気中で貯蔵した。空気湿度は、20%〜70%範囲の相対湿度にわたり変化した。また、夜と日中の間の温度変化も著しく変わったが、記録はしなかった。図1aおよび1bは、それぞれ貯蔵の5日前および後に、左側に純粋なコーヒー、および右側にシリコン/コーヒー混合物を示す。コーヒーだけから成る試料は、凝集し、粘着し始め、他方の試料において、メソ多孔質シリコンの酸素捕捉および/または撥水能力を示すことが明らかである。
【実施例9】
【0114】
湿度条件への抵抗性を、冷凍乾燥されたインスタントコーヒー(Kenco Decaffelnated、Best Before Sep 07 L5256)に対して、メソ多孔質シリコンを含む、および含まない場合で検討した。
【0115】
粉末および顆粒の単なる物理的撹拌によって調製された、10重量%多孔質シリコンと90重量%コーヒーのブレンドを、水飽和空気(100%湿度)の下、23℃+/−2℃で暗所において2.5時間、純粋なコーヒーと比較した。純粋なコーヒー試料は、激しく酸化された材料の特徴的「粘着性」樹脂状外観を示す。この表面は、図2aに示される多孔質溶融状の形態を有した。それに反して、ブレンド物は、図2bに示すように、その顆粒性質を維持した。図2bにおける多孔質シリコン粒子のない領域は、少量の水が入った場所を示す。
【実施例10】
【0116】
コーヒータブレットとして使用に適する均一な複合体を形成する方法を検討した。3と12kN(キロニュートン)の間の加えた力で、コーヒー顆粒を多孔質シリコンおよび吸湿性バインダーと冷圧した。このタブレットの溶解を新しく沸騰させた水中で調べた。このタブレットは、溶解するのに約10秒を要し、これにより半月状表面に多孔質シリコン微粒子を放出した。
【実施例11】
【0117】
広い粒径分布を有するメソ多孔質シリコン粒子は、メソ多孔質シリコン粒子、およびコーヒーとシリコン微粒子の混合物に熱水を単に添加することによって沸騰水およびホットコーヒー上に効果的に浮くことが示された。
【実施例12】
【0118】
浮いているメソ多孔質シリコンからのフレーバー(および香気)の放出動力学を定量化ために、重量測定を、水中でメソ多孔質シリコンの大きい膜セグメントについて行った。52.64mg膜セグメントを純粋なペパーミント油(Carlad、UK)中に浸漬し、次いで濾紙上で過剰の油を除去した。次いで、30℃において250mlコーヒーマグカップ中の脱イオン水200ml上に浮かせ、定期的に取り出し、乾燥し、計量して、下の水および上の空気に対する油損失を監視した。30分後に、水を新たに沸騰させた水で置換し、次の10分間にわたり冷却させながら温度を監視した。この膜を熱水上に浮かべ、この重量を5分後、および次いで10分後に測定した。図3aは、重量測定を示す。熱水を導入すると、フレーバーにおいて、劇的な増加があり、強いペパーミント香気が水上の「ヘッドスペース」において検出することができる。この効果は、微粒子次いで膜に対して、沸騰水を油添加構造上に直接注いだ場合に、より顕著である。対照実験として、実験を非添加60mg膜により繰り返した。対照実験に対する結果を図3bに示す。図3aおよび3bは、熱水中に見られる急速な重量損失は、シリコン溶解の結果ではなく、フレーバーおよび/または香気の放出によることを確認している。
【実施例13】
【0119】
多孔度65体積%および厚さ158μmを有するシリコン(C〜E)のメソ多孔質シリコン膜セグメントを純粋なアマニ油中に浸漬した。アマニ油の脂肪酸成分は、50重量%より多いαリノレン酸(ALA)含み、本質的に脂肪酸である。ALAは、熱および光に影響され易いことが知られている。アマニ油は、Aldrich(カタログ番号 430021、0.5重量%ナフテン酸鉛を含む)から購入された。
【0120】
低粘度低揮発性であるアマニ油の組込みを重量的に評価した。結果を表3に示す。細孔中のアマニ油の密度をバルク液体の密度(0.93g/cm)であると仮定した。横断面エネルギー分散型X線分析を使用して、材料全体にわたるアマニ油の組込みを確認した。
【0121】
【表3】

【実施例14】
【0122】
多孔度65体積%および厚さ158μmを有するシリコン(F〜H)のメソ多孔質シリコン膜セグメントを、室温において異なる時間、ビタミンE(Ardrich Cat25,802−4)の高粘度液体形態の中に浸漬した。ビタミンEは、光、熱および酸素に影響され易い。この安定性は、比較的短時間食品中に蓄えると悪影響を受けることがある。ビタミンEの天然源は、野菜および大豆油を含む。合成変形物は、安価であるが生物学的活性が低い。表4は、添加の程度に関する浸漬時間の効果を示す。
【0123】
【表4】

【実施例15】
【0124】
多孔度65体積%および厚さ158μmを有するシリコンのメソ多孔質シリコン膜セグメントを、植物/野菜油ブレンド(Vertese((登録)Omega 3&6&9配合)中に浸漬した。この油ブレンドには、ヒマワリ油、カボチャ種油、麦芽油、ローズマリー油、米ぬか油およびメマツヨイグサ油が含まれる。これらの油には、α−リノレン酸、リノレン酸、オレイン酸、パルミチン酸およびステアリン酸が含まれる。カプセルが破壊され、油ブレンドが抽出され、溜まる。シリコン試料の浸漬は、1時間、室温において実施される。試料を取り出し、過剰の油を濾紙によって除去する。重量増加は、シリコンの全体にわたって平均41重量%に見合うものであった。横断面EDX測定は、多孔質シリコンの外部表面近傍で僅かだけ高く組み込まれている高い添加レベルを確認した。非常に高い、酸素に対する炭素比は、このような油の化学組成と一致していた。
【実施例16】
【0125】
リコペン(C4058)は、カロテノイド系に属し、動物によってではなく植物によって合成される天然の赤色顔料である。リコペンは、容易に酸化されるが、しばしば料理または食品加工により失われない。しかし、リコペンは、非常に疎水性であり、これがこの生物学的利用能を制限する。
【0126】
Lycored Natural Product Industries Ltd、Israel製のLyc−O−Mato(商標)(6%強度油性ディスパージョン)の液体成分を溜めた。多孔質シリコンの164μm厚さの69%多孔度膜セグメントを溜めた液体内容中に室温において18時間浸漬した。
【0127】
横断面EDX測定は、多孔質シリコン中のリコペンの高い添加レベルを確認している。多孔質シリコンの外部表面近傍で僅かだけ高い添加レベルが検出された。非酸化リコペンは酸素を含まないので、酸素の検出レベルは担体液体の浸透を表している。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1a】コーヒー顆粒の貯蔵寿命に関するメソ多孔質シリコンの効果を示す図である。
【図1b】コーヒー顆粒の貯蔵寿命に関するメソ多孔質シリコンの効果を示す図である。
【図2a】湿潤条件下のコーヒー顆粒の貯蔵寿命に関するメソ多孔質シリコンの効果を示す図である。
【図2b】湿潤条件下のコーヒー顆粒の貯蔵寿命に関するメソ多孔質シリコンの効果を示す図である。
【図3a】ペパーミント油による添加メソ多孔質シリコン試料の放出動力学を示す図である。
【図3b】ペパーミント油による非添加メソ多孔質シリコン試料の放出動力学を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコンを含む、食品または食品組成物。
【請求項2】
シリコンが、非晶質シリコン、単結晶シリコンおよび多結晶シリコンの1種以上を含む、請求項1に記載の食品または食品組成物。
【請求項3】
シリコンが多孔質シリコンである、請求項1または2に記載の食品または食品組成物。
【請求項4】
多孔質シリコンが、ミクロ多孔質シリコン、メソ多孔質シリコンまたはマクロ多孔質シリコンの1種以上から選択される、請求項3に記載の食品または食品組成物。
【請求項5】
多孔質シリコンが、多孔質シリコンの形成の後に、前記多孔質シリコンの表面がさらに改変されていない多孔質シリコンを含むか、これから本質的に成る、請求項3または4に記載の食品または食品組成物。
【請求項6】
多孔質シリコンが、表面改変されているシリコンを含むか、これから本質的に成る、請求項3または4に記載の食品または食品組成物。
【請求項7】
表面改変された多孔質シリコンが、誘導化された多孔質シリコン、部分酸化多孔質シリコン、水素化ケイ素表面により改変された多孔質シリコンの1種以上を含むか、これらから本質的に成る、請求項6に記載の食品または食品組成物。
【請求項8】
多孔質シリコンの表面が、部分酸化多孔質シリコン、水素化ケイ素表面の1種以上を含むか、これらから本質的に成る、請求項5に記載の食品または食品組成物。
【請求項9】
シリコンが、凝集されたまたは圧密されたシリコン粒子を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の食品または食品組成物。
【請求項10】
シリコンが、凝集されたまたは圧密されたシリコンナノ粒子を含む、請求項9に記載の食品または食品組成物。
【請求項11】
シリコンが、サブミクロン直径多結晶粒子、サブミクロン直径非晶質シリコン粒子、中空シリコン微粒子、非晶質シリコンコーティング、微粉末化シリコン、微粉末化シリコン合金の1種以上を含むか、これらから本質的に成る、請求項1から8のいずれか一項に記載の食品または食品組成物。
【請求項12】
シリコンが、金属シリコンを含むか、これから本質的に成る、請求項1から11のいずれか一項に記載の食品または食品組成物。
【請求項13】
食品または食品組成物のpHが、2から9である、請求項1から12のいずれか一項に記載の食品または食品組成物。
【請求項14】
pHが7.5未満である、請求項13に記載の食品または食品組成物。
【請求項15】
pHが7以下である、請求項14に記載の食品または食品組成物。
【請求項16】
pHが6以下である、請求項15に記載の食品または食品組成物。
【請求項17】
多孔質シリコンが、0.1m/gを超えるBET表面積を有する、請求項3から16のいずれか一項に記載の食品または食品組成物。
【請求項18】
多孔質シリコンが、100m/gを超えるBET表面積を有する、請求項17に記載の食品または食品組成物。
【請求項19】
シリコンが、食品または食品組成物の総重量の0.01から50重量%の量において存在する、請求項1から18のいずれか一項に記載の食品または食品組成物。
【請求項20】
シリコンが、0.01から20重量%の量において存在する、請求項19に記載の食品または食品組成物。
【請求項21】
シリコンが、0.1から5重量%の量において存在する、請求項20に記載の食品または食品組成物。
【請求項22】
食品が、以下の1種以上:肉;家禽;魚;野菜;果物;チョコレート;砂糖菓子;シリアルおよびパン、ケーキ、ビスケット、栄養バーを含む焼き製品;ペストリー;パスタ;乳製品、例えばミルク、クリーム、バター、マーガリン、卵、アイスクリーム、チーズ;飲料を作るのに適する製品、例えばコーヒー顆粒、コーヒータブレット、コーヒー油、コーヒー粉末、茶、ココア粉末、チョコレート粉末、濃縮物を含むか、これらから本質的に構成される、請求項1から21のいずれか一項に記載の食品または食品組成物。
【請求項23】
シリコンが、少なくとも1種の食品成分と共に添加される、請求項1から22のいずれか一項に記載の食品または食品組成物。
【請求項24】
シリコンが、食品成分をカプセル化する、または実質上カプセル化する、または部分的にカプセル化する、請求項23に記載の食品または食品組成物。
【請求項25】
食品成分が、以下の少なくとも1種:酸素の影響を受け易い食用油;ミネラル類;乳脂肪を含む酸素の影響を受け易い脂肪;油溶性成分;ビタミン類;香料または香気;フレーバー;酵素;プロバイオティックバクテリア;プレバイオティック;栄養補助食品;アミノ酸;ハーブ抽出物;ハーブ類;植物抽出物;食用酸;塩;抗酸化剤、治療薬から選択される、請求項23または24に記載の食品または食品組成物。
【請求項26】
シリコンが、食品成分を被覆または部分的に被覆する、請求項23に記載の食品または食品組成物。
【請求項27】
食品成分が、朝食シリアル、またはコーヒー顆粒、コーヒー粉末、茶、ココア粉末、チョコレート粉末などの飲料を作るのに適する1種以上の製品である、請求項24または26に記載の食品または食品組成物。
【請求項28】
少なくとも1種の食品成分が、1種以上の成分を含むシリコンの総重量の0.01から60重量%の量において存在する、請求項23から27のいずれか一項に記載の食品または食品組成物。
【請求項29】
少なくとも1種の食品成分が、1から40重量%の量において存在する、請求項28に記載の食品または食品組成物。
【請求項30】
少なくとも1種の食品成分が、2から10重量%の量において存在する、請求項29に記載の食品または食品組成物。
【請求項31】
食品または食品組成物が、飲料の形態である、請求項1から30のいずれか一項に記載の食品または食品組成物。
【請求項32】
飲料が、水、茶、コーヒー、ココア、飲むチョコレート、果物ジュース、スムージー、ワイン、ビール、エール、ラガー、スピリッツから選択される、請求項31に記載の食品または食品組成物。
【請求項33】
飲料がコーヒーである、請求項32に記載の食品または食品組成物。
【請求項34】
シリコンがコーヒー油と共に装填される、請求項33に記載の食品または食品組成物。
【請求項35】
コーヒーが、顆粒または粉末またはタブレットの形態であり、および場合によって凍結乾燥されていてよい、請求項33に記載の食品または食品組成物。
【請求項36】
食品または食品組成物の他の成分と、シリコンとをブレンドすることまたは合わせることを含む、請求項1から35のいずれか一項に記載の食品または食品組成物を作製する製造方法。
【請求項37】
1種以上の成分の、保護および/または放出制御、および/または味をマスキングするための、請求項1から35のいずれか一項に記載の食品または食品組成物におけるシリコンの使用。
【請求項38】
食品の外見を改変するための、請求項1から35のいずれか一項に記載の食品または食品組成物におけるシリコンの使用。
【請求項39】
食品の色が改変され、および/または食品が輝くか、きらめく、請求項38に記載の使用。

【図1a】
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【図1b】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3a】
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【図3b】
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【公表番号】特表2009−502157(P2009−502157A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−523447(P2008−523447)
【出願日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際出願番号】PCT/GB2006/002785
【国際公開番号】WO2007/012847
【国際公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【出願人】(504235883)サイメデイカ リミテツド (16)
【Fターム(参考)】