シリンダヘッドガスケット
【課題】シリンダヘッドガスケットにおいて、シリンダボア用孔の周縁部の折り返し部内に配置される円環状のビード部材をヘタリ防止部材や板厚調整部材等との積層構造とすることにより、良好なシール性能を発揮できると共に、組み付け時の部品点数を減少して、軽量化と組み付け作業の簡便化を図ることができるシリンダヘッドガスケットを提供する。
【解決手段】内燃機関のシリンダヘッドとシリンダブロックの間に挟持されてシール機能を発揮し、金属基板10と、該金属基板10のシリンダボア用孔2の周縁部の折り返し部12内に配置される円環状のビード部材30A〜30Hとを有して構成されるシリンダヘッドガスケット1A〜1Hにおいて、前記ビード部材30A〜30Hを積層構造で形成する。
【解決手段】内燃機関のシリンダヘッドとシリンダブロックの間に挟持されてシール機能を発揮し、金属基板10と、該金属基板10のシリンダボア用孔2の周縁部の折り返し部12内に配置される円環状のビード部材30A〜30Hとを有して構成されるシリンダヘッドガスケット1A〜1Hにおいて、前記ビード部材30A〜30Hを積層構造で形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関のシリンダヘッドとシリンダブロック等の2部材の間に挟持されて、燃焼ガス等をシールするシリンダヘッドガスケットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
内燃機関のシリンダヘッドとシリンダブロックの間をシールするシリンダヘッドガスケットにおいては、シリンダボアに生じる高温・高圧の燃焼ガスのシールを行う必要があり、このシリンダボア用孔周りには、折り返し部、グロメット、ビード、ヘタリ防止部材、板厚調整部材等が配置された機械的強度及び耐久性に優れた金属製の積層型ガスケットが用いられている。
【0003】
このシリンダヘッドガスケットの一つとして、シリンダボア用孔の周りには、高温ガスが積層された金属基板の間に入り込まないように、金属基板(第1表面板)においてシリンダボア用孔の周縁部に折り返し部を設け、この折り返し部内に、シリンダボア用孔をシールするためのビード(内周側ビード)を有した円環状(リング状)のビードプレート(ビード板:中間板)を配置したり、板厚調整用の金属基板(第2表面板)を配置したりしているシリンダヘッドガスケットが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
このシリンダヘッドガスケットでは、ビードプレートに設けたビード(内周側ビード)によりシール面圧を高めてシリンダボア用孔の周囲にシールラインを形成し、また、板厚調整用の金属基板(第2表面板)を配置して折り返し部内の厚みを増加している。この厚み増加により折り返し部の曲げ部の曲率を大きくすることにより、この曲げ部の亀裂の発生を防止している。
【0005】
しかしながら、従来技術のビードプレートは、円環状に形成された一枚板の部品であり、シリンダヘッドガスケットの種類にもよるが、その板厚は0.2mm程度の比較的薄く、全体としては剛性も比較的小さいものである。そのため、取り扱いに細心の注意が必要な上に、シリンダボア用孔の周縁部に正確に配置する必要があるという問題がある。
【0006】
また、このビードブレートのビード周辺に、ヘタリ防止板や板厚調整板を配置する場合には、シリンダボア用孔の周縁部の折り返し部内に、これらの幾つかの部品を精度良く配置する必要があり、高い組付け技術が必要となるという問題がある。そのため、従来技術においては、ビードのヘタリ防止用のヘタリ防止板は配置されず、また、板厚調整は、表面板(金属基板)を折り返し部内に挿入して行うことが多く、金属基板の枚数の増加や重量の増加の要因の一つになっていた。
【特許文献1】特開2003−139247号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は以上の問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、シリンダヘッドガスケットにおいて、シリンダボア用孔の周縁部の折り返し部内に配置される円環状のビード部材をヘタリ防止部材や板厚調整部材等との積層構造とすることにより、良好なシール性能を発揮できると共に、組み付け時の部品点数を減少して、軽量化と組み付け作業の簡便化を図ることができるシリンダヘッドガスケットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するための本発明のシリンダヘッドガスケットは、内燃機関のシリンダヘッドとシリンダブロックの間に挟持されてシール機能を発揮し、金属基板と、該金属基板のシリンダボア用孔の周縁部の折り返し部内に配置される円環状のビード部材とを有して構成されるシリンダヘッドガスケットにおいて、前記ビード部材を積層構造で形成して構成される。
【0009】
従来技術においては、単に一枚板にビードを設けただけの円環状のビード部材を、本発明では、ヘタリ防止部材や板厚調整部材等との積層構造とすることにより、このビード部材に設けたビードのシール機能だけでなく、このビードのヘタリ防止やビード部材を配置した部位における板厚調整等の機能を持たせることができる。
【0010】
また、このビード部材はシリンダボア用孔の近傍のみに配置される円環状であるため、他の面積の広い金属基板に比べて、部品の大きさが小さく、剛性も比較的小さくなるため、比較的変形し易く取り扱いに注意が必要であったが、積層構造としているため、各金属基板の組み付け前に接着等により一体化したり、予め接着剤等で積層した板を加工することにより一体化した積層構造とすれば、部品点数も少なくなり、剛性が増し取り扱いが容易となる。そのため、組み付け作業も容易となり位置決めもより正確にできるようになる。
【0011】
上記のシリンダヘッドガスケットにおいて、ビード部材を、ビード部材に設けたビードの内周側又は外周側の一方又は両方にヘタリ防止部材を配設して形成すると、ビード部材のビードの片側又は両側にシム等のヘタリ防止部材が設けられるので、ビードに大きな押圧力が加わっても、このヘタリ防止部材が押圧力を負担してビードの平坦化を防止することができる。そのため、ビードのヘタリを防止し、ガスケットの耐久性を向上することができる。
【0012】
上記のシリンダヘッドガスケットにおいて、ビード部材を、ビード部材に設けたビードの凹側に板厚調整部材を配設して形成すると、この構成によりビードの凹側に板厚調整部材を配置することができるので、ビード部材1個でシール機能と板厚調整の機能を合せ持つことになる。この板厚調整は、従来技術では、折り返し部を有する金属基板ともビード部材とも異なる別の金属基板を用いていたので、本発明では、部品点数を減少でき、軽量化にも寄与することができる。
【0013】
上記のシリンダヘッドガスケットにおいて、ビード部材を、外側に凸となるビードを表裏の両側に配設して形成すると、この構成により、1個のビード部材でビードを2つ設けられるので、強いシールラインを形成できる。なお、これらのビードは、互いに重なり合う位置関係で形成すると強いシール面圧を発生でき、互いに重なり合わない位置関係で形成すると二重のシールラインを形成できる。
【0014】
そして、上記のシリンダヘッドガスケットにおいて、ビード部材を、一枚の板を折り返して積層構造に形成すると、積層構造を構成する板がバラバラになることが無いので、取り扱いが非常に簡便になる。また、積層構造内での各部材間の位置決めが不要になるので工作性が著しく向上する。
【発明の効果】
【0015】
本発明のシリンダヘッドガスケットによれば、シリンダボア用孔の周縁部の折り返し部内に配置されるビード部材を積層構造で形成したので、ビードのシール性能の他に、各積層部分の面圧調整や板厚調整等の作用効果を発揮できるようになり、また、軽量化を図ることができる。更に、ビード部材の積層構造を組み付け前に一体化すると、組み付け時の部品点数が減少すると共に、ビード部材の剛性が増すので組み付け作業を簡便化でき、製造コストを低く抑えることができる。
【0016】
また、ビード部材の積層構造を一枚の板を折り返して形成すると、ビード部材における積層に際しての位置決めが不要になるので、工作性が著しく向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態のシリンダヘッドガスケットについて説明する。なお、図1〜図11は、模式的な説明図であり、理解し易いように、各金属基板の板厚やビードの寸法及び縦横比も実際のものとは異ならせて表示している。
【0018】
図1〜図8に示すように、本発明の実施の形態のシリンダヘッドガスケット1A〜1Hは、エンジン(内燃機関)のシリンダヘッドとシリンダブロック(シリンダボディ)との間に挟まれて、燃焼ガスや冷却水や潤滑オイル等をシールするガスケットである。
【0019】
このシリンダヘッドガスケット1A〜1Hは、第1金属基板(第1表面板)10と第2金属基板(第2表面板)20とビード部材30A〜30Hと中間板40(,50)を有して構成される。この第1金属基板(第1表面板)10と第2金属基板(第2表面板)20は、比較的柔らかくてなじみ易い材料である軟鋼板やステンレス焼鈍材等で形成され、ビード部材30A〜30Hと中間板40(,50)は硬質で比較的強いバネ鋼板(スプリング鋼板)などで形成される。
【0020】
この第1表面板10のシリンダボア用孔2の周縁部において、第2表面板20側に折り返して曲がり部11を介して折り返し部(フランジ部)12を設ける。この第1折り返し部12の内側、即ち、この折り返し部12と第1表面板10との間に、ビード(フルビード)31(,35)を有すると共に積層構造を持つ円環状のビード部材30A〜30Hを配置し、このビード部材30A〜30Hに設けたビード31(,35)により、シリンダボア用孔2の周囲にシール面圧が高いシールラインを形成する。
【0021】
一方、この第1金属基板10の折り返し部12の外周側に内周縁を有する第2金属基板20を配置する。この第2金属基板20と第1金属基板10との間に、ハーフビード41(,51)を有する中間板40(,50)を配置する。これにより、シリンダヘッド又はシリンダブロックに当接する側において、第1金属基板10の折り返し部12側の表面と第2金属基板20の表面とを略同じレベルにする。このハーフビード41(,51)は、ビード部材30A〜30Hの外周側を囲む第1平坦部と、この第1平坦部の外周側に隣接する斜面部と、この斜面部の外周側に隣接する第2平坦部を有して形成される。
【0022】
そして、図1〜図3に示すように、第1の実施の形態のシリンダヘッドガスケット1A〜1Cにおいては、ビード部材30A〜30Cを、ビード31の両側又は内周側又は外周側に板状のヘタリ防止部材32,33を設けて形成する。このヘタリ防止部材32,33は大きな押圧力が加わってビード31が大きく変形する時に、ビード31に加わる押圧力を分担して、ビードの平坦化を防止する。これにより、ビード31のヘタリを防止することができるので、シリンダヘッドガスケット1A〜1Cの耐久性を向上することができる。
【0023】
この積層構造は、図1〜図3では、一枚の円環状のビード部材30A〜30Cの内周側と外周側の両方又は一方を折り返して形成しているが、図9〜図11に示すように、ヘタリ防止板(面圧調整板)32’,33’をビード31の板30A’〜30C’とは別体で形成してこれらを積層することにより積層構造としてもよい。この場合は、シリンダヘッドガスケット1A〜1Cの組み付け前に、ヘタリ防止板32’,33’とビード31を有する板30A’〜30C’とを接着剤等で張り付けて一体化して、ビード部材30A〜30Cを積層構造にしておくことが、部品点数の減少の面と位置決め精度の面と作業性の面等から好ましい。
【0024】
次に第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態のシリンダヘッドガスケット1D〜1Fは、ビード31の凹側に平坦部である板厚調整部材34を設けてビード部材30D〜30Fを形成する。この板厚調整部材34は、図4に示すように、ビード部材30Dの外周側を折り返して形成したり、図5に示すように、ビード部材30Eの内周側を折り返して形成したりする。また、図6に示すように、更に、ヘタリ防止部材32を有してビード部材30Fを形成してもよい。
【0025】
なお、この板厚調整部材34は、図4〜図6では、一枚の円環状のビード部材の内周側と外周側の両方又は一方を折り返して形成しているが、板厚調整部材34をビード31の板とは別体の板等で形成してこれらを積層することにより積層構造(図示しない)としてもよい。この場合は、シリンダヘッドガスケット1D〜1Fの組み付け前に、この別体の板厚調整部材34とビード31を有する板とを接着剤等で張り付けて一体化して、ビード部材30D〜30Fを積層構造にしておくことが、部品点数の減少の面等から好ましい。
【0026】
次に第3の実施の形態について説明する。図7に示すように、この第3の実施の形態のシリンダヘッドガスケット1Gは、外側に凸となるビード31,35を表裏の両側に設けてビード部材30Gを形成する。この構成の場合には、1個のビード部材30Gで外側に凸となるビードが2つ設けられるので、より強いシールラインを形成できる。これらのビードは、図7及び図8に示すように、互いに重なり合う位置関係で形成すると強いシール面圧を発生でき、また、図示しないが、互いに重なり合わない位置関係で形成すると二重のシールラインを形成できる。なお、図示していないが、図1〜図3のヘタリ防止部材31,32を設ける構成を追加すれば、ヘタリ防止部材31,32による作用効果も同時に発揮することができるようになる。
【0027】
図7では、これらのビード31,35を、一枚の円環状のビード部材の外周側を折り返して形成しているが、内周側を折り返して形成してもよく、また、第2のビード35をビード31の板とは別の板で形成してこれらを積層することにより積層構造(図示しない)としてもよい。この場合は、シリンダヘッドガスケット1Gの組み付け前に、この別体の第2のビード35を有する板とビード31を有する板とを接着剤等で張り付けて一体化して、ビード部材30Gを積層構造にしておくことが、部品点数の減少の面から好ましい。
【0028】
次に第4の実施の形態について説明する。図8に示すように、この第4の実施の形態のシリンダヘッドガスケット1Hは、外側に凸となるビード31,35を表裏の両側に設けると共に、このビード31,35の間に平坦部で形成される板厚調整部材34を設けてビード部材30Hを形成する。この構成の場合には、1個のビード部材30Hで外側に凸となるビード31,35が2つ設けられるので、より強いシールラインを形成できると共に、板厚調整部材34により、シリンダヘッドガスケット1Hの板厚を調整できる。
【0029】
また、このように表裏の両側にビード31,35を備えると、シリンダヘッドガスケット1Hの全体の板厚が大きくなるので、ハーフビード51を持つ中間板50を、中間板40と第2表面板20の間に配置してこの部分の板厚を調整する。なお、図示していないが、図1〜図3のヘタリ防止部材32,33を設ける構成を追加すれば、ヘタリ防止部材32,33による作用効果も同時に発揮することができるようになる。
【0030】
この積層構造のビード部材30Hは、板厚調整部材となる平坦部の内周側と外周側において折り返し後に外側に凸となるビード31,35をそれぞれ設けて、それぞれ折り返して互いに逆の面に積層することで形成することができる。また、第2のビード35、板厚調整部材34、ビード31の板とをそれぞれ別の板で形成してこれらを積層することにより積層構造(図示しない)としてもよい。この場合は、シリンダヘッドガスケット1Hの組み付け前に、この別体の第2のビード35を有する板と板厚調整部分34となる板と、ビード31を有する板とを接着剤等で張り付けて一体化して、ビード部材30Hを積層構造にしておくことが、部品点数の減少の面等から好ましい。
【0031】
上記の構造の第1から第3の実施の形態のシリンダヘッドガスケット1A〜1Hによれば、従来技術においては、単にビードを設けただけの一枚板の円環状のビード部材を、本発明では積層構造とすることにより、ビードのシール機能に加えて、このビードのヘタリを防止する機能やガスケットの板厚を調整する機能を持たせることができる。
【0032】
更に、この積層構造のビード部材を、各金属基板を組み合わせる前に、複数枚の板状部材を接着等によって一個のビード部材に一体化しておくと、剛性が増すので取り扱いが容易となる上に更に部品点数が減少するので組みつけが容易となる。また、一枚板を折り返し加工して積層構造のビード部材を形成すると、分離することが無いのでより取り扱いが容易となる。
【0033】
これらのシリンダヘッドガスケット1A〜1Hの具体的な寸法は、エンジンによって異なるが、例えば、第1金属基板10と第2金属基板20の板厚は、それぞれ0.2〜0.8mm程度と0.2〜0.4mm程度であり、ビード部材30A〜30Hを折り返し構造で形成する時の一枚の板厚と中間板40(,50)の板厚は、それぞれ0.2〜0.4mm程度と0.2〜0.4mm程度である。また、ビード31、35とハーフビード41,51の高さは0.1〜0.5mm程度であるが、シールすべき燃焼ガスの圧力等の要因によって、ビード31,35やハーフビード41,51の形状や寸法等は適切なシール面圧や耐久性が得られるように調整して設計される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係る第1の実施の形態のシリンダヘッドガスケットのシリンダボア用孔の周縁部の構成を示す部分断面図である。
【図2】本発明に係る第1の実施の形態のシリンダヘッドガスケットのシリンダボア用孔の周縁部の他の構成を示す部分断面図である。
【図3】本発明に係る第1の実施の形態のシリンダヘッドガスケットのシリンダボア用孔の周縁部の他の構成を示す部分断面図である。
【図4】本発明に係る第2の実施の形態のシリンダヘッドガスケットのシリンダボア用孔の周縁部の構成を示す部分断面図である。
【図5】本発明に係る第2の実施の形態のシリンダヘッドガスケットのシリンダボア用孔の周縁部の他の構成を示す部分断面図である。
【図6】本発明に係る第1の実施の形態のシリンダヘッドガスケットのシリンダボア用孔の周縁部の他の構成を示す部分断面図である。
【図7】本発明に係る第3の実施の形態のシリンダヘッドガスケットのシリンダボア用孔の周縁部の構成を示す部分断面図である。
【図8】本発明に係る第4の実施の形態のシリンダヘッドガスケットのシリンダボア用孔の周縁部の構成を示す部分断面図である。
【図9】本発明に係る第1の実施の形態のシリンダヘッドガスケットのビード部材の他の積層構造を示す断面図である。
【図10】本発明に係る第1の実施の形態のシリンダヘッドガスケットのビード部材の他の積層構造を示す断面図である。
【図11】本発明に係る第1の実施の形態のシリンダヘッドガスケットのビード部材の他の積層構造を示す断面図である。
【符号の説明】
【0035】
1A〜1H シリンダヘッドガスケット
2 シリンダボア用孔
11 曲げ部
12 折り返し部(フランジ部)
10 第1金属基板(第1表面板)
20 第2金属基板(第2表面板)
30A〜30H ビード部材
31,35 ビード
32,33 ヘタリ防止部材(面圧調整部材)
32’,33’ ヘタリ防止板(面圧調整板)
34 板厚調整部材
40,50 中間板
41,51 ハーフビード
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関のシリンダヘッドとシリンダブロック等の2部材の間に挟持されて、燃焼ガス等をシールするシリンダヘッドガスケットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
内燃機関のシリンダヘッドとシリンダブロックの間をシールするシリンダヘッドガスケットにおいては、シリンダボアに生じる高温・高圧の燃焼ガスのシールを行う必要があり、このシリンダボア用孔周りには、折り返し部、グロメット、ビード、ヘタリ防止部材、板厚調整部材等が配置された機械的強度及び耐久性に優れた金属製の積層型ガスケットが用いられている。
【0003】
このシリンダヘッドガスケットの一つとして、シリンダボア用孔の周りには、高温ガスが積層された金属基板の間に入り込まないように、金属基板(第1表面板)においてシリンダボア用孔の周縁部に折り返し部を設け、この折り返し部内に、シリンダボア用孔をシールするためのビード(内周側ビード)を有した円環状(リング状)のビードプレート(ビード板:中間板)を配置したり、板厚調整用の金属基板(第2表面板)を配置したりしているシリンダヘッドガスケットが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
このシリンダヘッドガスケットでは、ビードプレートに設けたビード(内周側ビード)によりシール面圧を高めてシリンダボア用孔の周囲にシールラインを形成し、また、板厚調整用の金属基板(第2表面板)を配置して折り返し部内の厚みを増加している。この厚み増加により折り返し部の曲げ部の曲率を大きくすることにより、この曲げ部の亀裂の発生を防止している。
【0005】
しかしながら、従来技術のビードプレートは、円環状に形成された一枚板の部品であり、シリンダヘッドガスケットの種類にもよるが、その板厚は0.2mm程度の比較的薄く、全体としては剛性も比較的小さいものである。そのため、取り扱いに細心の注意が必要な上に、シリンダボア用孔の周縁部に正確に配置する必要があるという問題がある。
【0006】
また、このビードブレートのビード周辺に、ヘタリ防止板や板厚調整板を配置する場合には、シリンダボア用孔の周縁部の折り返し部内に、これらの幾つかの部品を精度良く配置する必要があり、高い組付け技術が必要となるという問題がある。そのため、従来技術においては、ビードのヘタリ防止用のヘタリ防止板は配置されず、また、板厚調整は、表面板(金属基板)を折り返し部内に挿入して行うことが多く、金属基板の枚数の増加や重量の増加の要因の一つになっていた。
【特許文献1】特開2003−139247号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は以上の問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、シリンダヘッドガスケットにおいて、シリンダボア用孔の周縁部の折り返し部内に配置される円環状のビード部材をヘタリ防止部材や板厚調整部材等との積層構造とすることにより、良好なシール性能を発揮できると共に、組み付け時の部品点数を減少して、軽量化と組み付け作業の簡便化を図ることができるシリンダヘッドガスケットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するための本発明のシリンダヘッドガスケットは、内燃機関のシリンダヘッドとシリンダブロックの間に挟持されてシール機能を発揮し、金属基板と、該金属基板のシリンダボア用孔の周縁部の折り返し部内に配置される円環状のビード部材とを有して構成されるシリンダヘッドガスケットにおいて、前記ビード部材を積層構造で形成して構成される。
【0009】
従来技術においては、単に一枚板にビードを設けただけの円環状のビード部材を、本発明では、ヘタリ防止部材や板厚調整部材等との積層構造とすることにより、このビード部材に設けたビードのシール機能だけでなく、このビードのヘタリ防止やビード部材を配置した部位における板厚調整等の機能を持たせることができる。
【0010】
また、このビード部材はシリンダボア用孔の近傍のみに配置される円環状であるため、他の面積の広い金属基板に比べて、部品の大きさが小さく、剛性も比較的小さくなるため、比較的変形し易く取り扱いに注意が必要であったが、積層構造としているため、各金属基板の組み付け前に接着等により一体化したり、予め接着剤等で積層した板を加工することにより一体化した積層構造とすれば、部品点数も少なくなり、剛性が増し取り扱いが容易となる。そのため、組み付け作業も容易となり位置決めもより正確にできるようになる。
【0011】
上記のシリンダヘッドガスケットにおいて、ビード部材を、ビード部材に設けたビードの内周側又は外周側の一方又は両方にヘタリ防止部材を配設して形成すると、ビード部材のビードの片側又は両側にシム等のヘタリ防止部材が設けられるので、ビードに大きな押圧力が加わっても、このヘタリ防止部材が押圧力を負担してビードの平坦化を防止することができる。そのため、ビードのヘタリを防止し、ガスケットの耐久性を向上することができる。
【0012】
上記のシリンダヘッドガスケットにおいて、ビード部材を、ビード部材に設けたビードの凹側に板厚調整部材を配設して形成すると、この構成によりビードの凹側に板厚調整部材を配置することができるので、ビード部材1個でシール機能と板厚調整の機能を合せ持つことになる。この板厚調整は、従来技術では、折り返し部を有する金属基板ともビード部材とも異なる別の金属基板を用いていたので、本発明では、部品点数を減少でき、軽量化にも寄与することができる。
【0013】
上記のシリンダヘッドガスケットにおいて、ビード部材を、外側に凸となるビードを表裏の両側に配設して形成すると、この構成により、1個のビード部材でビードを2つ設けられるので、強いシールラインを形成できる。なお、これらのビードは、互いに重なり合う位置関係で形成すると強いシール面圧を発生でき、互いに重なり合わない位置関係で形成すると二重のシールラインを形成できる。
【0014】
そして、上記のシリンダヘッドガスケットにおいて、ビード部材を、一枚の板を折り返して積層構造に形成すると、積層構造を構成する板がバラバラになることが無いので、取り扱いが非常に簡便になる。また、積層構造内での各部材間の位置決めが不要になるので工作性が著しく向上する。
【発明の効果】
【0015】
本発明のシリンダヘッドガスケットによれば、シリンダボア用孔の周縁部の折り返し部内に配置されるビード部材を積層構造で形成したので、ビードのシール性能の他に、各積層部分の面圧調整や板厚調整等の作用効果を発揮できるようになり、また、軽量化を図ることができる。更に、ビード部材の積層構造を組み付け前に一体化すると、組み付け時の部品点数が減少すると共に、ビード部材の剛性が増すので組み付け作業を簡便化でき、製造コストを低く抑えることができる。
【0016】
また、ビード部材の積層構造を一枚の板を折り返して形成すると、ビード部材における積層に際しての位置決めが不要になるので、工作性が著しく向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態のシリンダヘッドガスケットについて説明する。なお、図1〜図11は、模式的な説明図であり、理解し易いように、各金属基板の板厚やビードの寸法及び縦横比も実際のものとは異ならせて表示している。
【0018】
図1〜図8に示すように、本発明の実施の形態のシリンダヘッドガスケット1A〜1Hは、エンジン(内燃機関)のシリンダヘッドとシリンダブロック(シリンダボディ)との間に挟まれて、燃焼ガスや冷却水や潤滑オイル等をシールするガスケットである。
【0019】
このシリンダヘッドガスケット1A〜1Hは、第1金属基板(第1表面板)10と第2金属基板(第2表面板)20とビード部材30A〜30Hと中間板40(,50)を有して構成される。この第1金属基板(第1表面板)10と第2金属基板(第2表面板)20は、比較的柔らかくてなじみ易い材料である軟鋼板やステンレス焼鈍材等で形成され、ビード部材30A〜30Hと中間板40(,50)は硬質で比較的強いバネ鋼板(スプリング鋼板)などで形成される。
【0020】
この第1表面板10のシリンダボア用孔2の周縁部において、第2表面板20側に折り返して曲がり部11を介して折り返し部(フランジ部)12を設ける。この第1折り返し部12の内側、即ち、この折り返し部12と第1表面板10との間に、ビード(フルビード)31(,35)を有すると共に積層構造を持つ円環状のビード部材30A〜30Hを配置し、このビード部材30A〜30Hに設けたビード31(,35)により、シリンダボア用孔2の周囲にシール面圧が高いシールラインを形成する。
【0021】
一方、この第1金属基板10の折り返し部12の外周側に内周縁を有する第2金属基板20を配置する。この第2金属基板20と第1金属基板10との間に、ハーフビード41(,51)を有する中間板40(,50)を配置する。これにより、シリンダヘッド又はシリンダブロックに当接する側において、第1金属基板10の折り返し部12側の表面と第2金属基板20の表面とを略同じレベルにする。このハーフビード41(,51)は、ビード部材30A〜30Hの外周側を囲む第1平坦部と、この第1平坦部の外周側に隣接する斜面部と、この斜面部の外周側に隣接する第2平坦部を有して形成される。
【0022】
そして、図1〜図3に示すように、第1の実施の形態のシリンダヘッドガスケット1A〜1Cにおいては、ビード部材30A〜30Cを、ビード31の両側又は内周側又は外周側に板状のヘタリ防止部材32,33を設けて形成する。このヘタリ防止部材32,33は大きな押圧力が加わってビード31が大きく変形する時に、ビード31に加わる押圧力を分担して、ビードの平坦化を防止する。これにより、ビード31のヘタリを防止することができるので、シリンダヘッドガスケット1A〜1Cの耐久性を向上することができる。
【0023】
この積層構造は、図1〜図3では、一枚の円環状のビード部材30A〜30Cの内周側と外周側の両方又は一方を折り返して形成しているが、図9〜図11に示すように、ヘタリ防止板(面圧調整板)32’,33’をビード31の板30A’〜30C’とは別体で形成してこれらを積層することにより積層構造としてもよい。この場合は、シリンダヘッドガスケット1A〜1Cの組み付け前に、ヘタリ防止板32’,33’とビード31を有する板30A’〜30C’とを接着剤等で張り付けて一体化して、ビード部材30A〜30Cを積層構造にしておくことが、部品点数の減少の面と位置決め精度の面と作業性の面等から好ましい。
【0024】
次に第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態のシリンダヘッドガスケット1D〜1Fは、ビード31の凹側に平坦部である板厚調整部材34を設けてビード部材30D〜30Fを形成する。この板厚調整部材34は、図4に示すように、ビード部材30Dの外周側を折り返して形成したり、図5に示すように、ビード部材30Eの内周側を折り返して形成したりする。また、図6に示すように、更に、ヘタリ防止部材32を有してビード部材30Fを形成してもよい。
【0025】
なお、この板厚調整部材34は、図4〜図6では、一枚の円環状のビード部材の内周側と外周側の両方又は一方を折り返して形成しているが、板厚調整部材34をビード31の板とは別体の板等で形成してこれらを積層することにより積層構造(図示しない)としてもよい。この場合は、シリンダヘッドガスケット1D〜1Fの組み付け前に、この別体の板厚調整部材34とビード31を有する板とを接着剤等で張り付けて一体化して、ビード部材30D〜30Fを積層構造にしておくことが、部品点数の減少の面等から好ましい。
【0026】
次に第3の実施の形態について説明する。図7に示すように、この第3の実施の形態のシリンダヘッドガスケット1Gは、外側に凸となるビード31,35を表裏の両側に設けてビード部材30Gを形成する。この構成の場合には、1個のビード部材30Gで外側に凸となるビードが2つ設けられるので、より強いシールラインを形成できる。これらのビードは、図7及び図8に示すように、互いに重なり合う位置関係で形成すると強いシール面圧を発生でき、また、図示しないが、互いに重なり合わない位置関係で形成すると二重のシールラインを形成できる。なお、図示していないが、図1〜図3のヘタリ防止部材31,32を設ける構成を追加すれば、ヘタリ防止部材31,32による作用効果も同時に発揮することができるようになる。
【0027】
図7では、これらのビード31,35を、一枚の円環状のビード部材の外周側を折り返して形成しているが、内周側を折り返して形成してもよく、また、第2のビード35をビード31の板とは別の板で形成してこれらを積層することにより積層構造(図示しない)としてもよい。この場合は、シリンダヘッドガスケット1Gの組み付け前に、この別体の第2のビード35を有する板とビード31を有する板とを接着剤等で張り付けて一体化して、ビード部材30Gを積層構造にしておくことが、部品点数の減少の面から好ましい。
【0028】
次に第4の実施の形態について説明する。図8に示すように、この第4の実施の形態のシリンダヘッドガスケット1Hは、外側に凸となるビード31,35を表裏の両側に設けると共に、このビード31,35の間に平坦部で形成される板厚調整部材34を設けてビード部材30Hを形成する。この構成の場合には、1個のビード部材30Hで外側に凸となるビード31,35が2つ設けられるので、より強いシールラインを形成できると共に、板厚調整部材34により、シリンダヘッドガスケット1Hの板厚を調整できる。
【0029】
また、このように表裏の両側にビード31,35を備えると、シリンダヘッドガスケット1Hの全体の板厚が大きくなるので、ハーフビード51を持つ中間板50を、中間板40と第2表面板20の間に配置してこの部分の板厚を調整する。なお、図示していないが、図1〜図3のヘタリ防止部材32,33を設ける構成を追加すれば、ヘタリ防止部材32,33による作用効果も同時に発揮することができるようになる。
【0030】
この積層構造のビード部材30Hは、板厚調整部材となる平坦部の内周側と外周側において折り返し後に外側に凸となるビード31,35をそれぞれ設けて、それぞれ折り返して互いに逆の面に積層することで形成することができる。また、第2のビード35、板厚調整部材34、ビード31の板とをそれぞれ別の板で形成してこれらを積層することにより積層構造(図示しない)としてもよい。この場合は、シリンダヘッドガスケット1Hの組み付け前に、この別体の第2のビード35を有する板と板厚調整部分34となる板と、ビード31を有する板とを接着剤等で張り付けて一体化して、ビード部材30Hを積層構造にしておくことが、部品点数の減少の面等から好ましい。
【0031】
上記の構造の第1から第3の実施の形態のシリンダヘッドガスケット1A〜1Hによれば、従来技術においては、単にビードを設けただけの一枚板の円環状のビード部材を、本発明では積層構造とすることにより、ビードのシール機能に加えて、このビードのヘタリを防止する機能やガスケットの板厚を調整する機能を持たせることができる。
【0032】
更に、この積層構造のビード部材を、各金属基板を組み合わせる前に、複数枚の板状部材を接着等によって一個のビード部材に一体化しておくと、剛性が増すので取り扱いが容易となる上に更に部品点数が減少するので組みつけが容易となる。また、一枚板を折り返し加工して積層構造のビード部材を形成すると、分離することが無いのでより取り扱いが容易となる。
【0033】
これらのシリンダヘッドガスケット1A〜1Hの具体的な寸法は、エンジンによって異なるが、例えば、第1金属基板10と第2金属基板20の板厚は、それぞれ0.2〜0.8mm程度と0.2〜0.4mm程度であり、ビード部材30A〜30Hを折り返し構造で形成する時の一枚の板厚と中間板40(,50)の板厚は、それぞれ0.2〜0.4mm程度と0.2〜0.4mm程度である。また、ビード31、35とハーフビード41,51の高さは0.1〜0.5mm程度であるが、シールすべき燃焼ガスの圧力等の要因によって、ビード31,35やハーフビード41,51の形状や寸法等は適切なシール面圧や耐久性が得られるように調整して設計される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係る第1の実施の形態のシリンダヘッドガスケットのシリンダボア用孔の周縁部の構成を示す部分断面図である。
【図2】本発明に係る第1の実施の形態のシリンダヘッドガスケットのシリンダボア用孔の周縁部の他の構成を示す部分断面図である。
【図3】本発明に係る第1の実施の形態のシリンダヘッドガスケットのシリンダボア用孔の周縁部の他の構成を示す部分断面図である。
【図4】本発明に係る第2の実施の形態のシリンダヘッドガスケットのシリンダボア用孔の周縁部の構成を示す部分断面図である。
【図5】本発明に係る第2の実施の形態のシリンダヘッドガスケットのシリンダボア用孔の周縁部の他の構成を示す部分断面図である。
【図6】本発明に係る第1の実施の形態のシリンダヘッドガスケットのシリンダボア用孔の周縁部の他の構成を示す部分断面図である。
【図7】本発明に係る第3の実施の形態のシリンダヘッドガスケットのシリンダボア用孔の周縁部の構成を示す部分断面図である。
【図8】本発明に係る第4の実施の形態のシリンダヘッドガスケットのシリンダボア用孔の周縁部の構成を示す部分断面図である。
【図9】本発明に係る第1の実施の形態のシリンダヘッドガスケットのビード部材の他の積層構造を示す断面図である。
【図10】本発明に係る第1の実施の形態のシリンダヘッドガスケットのビード部材の他の積層構造を示す断面図である。
【図11】本発明に係る第1の実施の形態のシリンダヘッドガスケットのビード部材の他の積層構造を示す断面図である。
【符号の説明】
【0035】
1A〜1H シリンダヘッドガスケット
2 シリンダボア用孔
11 曲げ部
12 折り返し部(フランジ部)
10 第1金属基板(第1表面板)
20 第2金属基板(第2表面板)
30A〜30H ビード部材
31,35 ビード
32,33 ヘタリ防止部材(面圧調整部材)
32’,33’ ヘタリ防止板(面圧調整板)
34 板厚調整部材
40,50 中間板
41,51 ハーフビード
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関のシリンダヘッドとシリンダブロックの間に挟持されてシール機能を発揮し、金属基板と、該金属基板のシリンダボア用孔の周縁部の折り返し部内に配置される円環状のビード部材とを有して構成されるシリンダヘッドガスケットにおいて、前記ビード部材を積層構造で形成したシリンダヘッドガスケット。
【請求項2】
前記ビード部材を、該ビード部材に設けたビードの内周側又は外周側の一方又は両方にヘタリ防止部材を配設して形成した請求項1記載のシリンダヘッドガスケット。
【請求項3】
前記ビード部材を、該ビード部材に設けたビードの凹側に板厚調整部材を配設して形成した請求項1又は2記載のシリンダヘッドガスケット。
【請求項4】
前記ビード部材を、外側に凸となるビードを表裏の両側に配設して形成した請求項1、2、又は3記載のシリンダヘッドガスケット。
【請求項5】
前記ビード部材を、一枚の板を折り返して積層構造に形成した請求項1、2、3又は4記載のシリンダヘッドガスケット。
【請求項6】
前記折り返し部の代りにグロメットを用いた請求項1、2、3、4又は5記載のシリンダヘッドガスケット。
【請求項1】
内燃機関のシリンダヘッドとシリンダブロックの間に挟持されてシール機能を発揮し、金属基板と、該金属基板のシリンダボア用孔の周縁部の折り返し部内に配置される円環状のビード部材とを有して構成されるシリンダヘッドガスケットにおいて、前記ビード部材を積層構造で形成したシリンダヘッドガスケット。
【請求項2】
前記ビード部材を、該ビード部材に設けたビードの内周側又は外周側の一方又は両方にヘタリ防止部材を配設して形成した請求項1記載のシリンダヘッドガスケット。
【請求項3】
前記ビード部材を、該ビード部材に設けたビードの凹側に板厚調整部材を配設して形成した請求項1又は2記載のシリンダヘッドガスケット。
【請求項4】
前記ビード部材を、外側に凸となるビードを表裏の両側に配設して形成した請求項1、2、又は3記載のシリンダヘッドガスケット。
【請求項5】
前記ビード部材を、一枚の板を折り返して積層構造に形成した請求項1、2、3又は4記載のシリンダヘッドガスケット。
【請求項6】
前記折り返し部の代りにグロメットを用いた請求項1、2、3、4又は5記載のシリンダヘッドガスケット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−202422(P2008−202422A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−36488(P2007−36488)
【出願日】平成19年2月16日(2007.2.16)
【出願人】(000198237)石川ガスケット株式会社 (57)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月16日(2007.2.16)
【出願人】(000198237)石川ガスケット株式会社 (57)
【Fターム(参考)】
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