説明

シルセスキオキサン誘導体を反応させて得られる重合体およびその製造方法

【課題】高い熱安定性を有し、有機溶剤に可溶で且つ製膜性に優れたシルセスキオキサン含有重合体の提供。
【解決手段】式(1−1)で示されるシルセスキオキサン誘導体と、式(a−1)〜式(a−5)で示される化合物とをヒドロシリル化反応させた重合体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シルセスキオキサン誘導体を反応させて得られる重合体に関する。この重合体は、電子材料、光学材料、電子光学材料、塗料、プライマーなどに用いられる。
【背景技術】
【0002】
かご型構造を有するシルセスキオキサン骨格またはその誘導体を用いた重合体は、特異な構造を有するため様々な分野での用途が検討されている。特に、かご型構造を有するシルセスキオキサンが主鎖に含まれた重合体は、光学的特性などの物理的特性、耐候性、耐熱性などに優れていると期待されている。例えば、かご型構造を有する水素化オクタシルセスキオキサンと、三重結合を有するジイン類、モノイン類とのヒドロシリル化重合体が、有機溶媒に可溶でありながら高い熱安定性を有することが報告されている(特許文献1、2、3および非特許文献1)。しかしながら、これらの重合体はキャスト法によって成膜しても、クラックが発生しやすいという問題点を有している。また、このような重合体は融点を示さず、熱による加工成形が困難であった。
特許文献4にもシルセスキオキサン誘導体を反応させて得られる重合体が開示されているが、その中でもより有用な重合体の開発が望まれていた。
【特許文献1】特開平9−296043号公報
【特許文献2】特開平9−296044号公報
【特許文献3】特開2002−284878号公報
【特許文献4】国際公開2004/081085号パンフレット
【非特許文献1】Chem.,Lett., 1998, 763-764
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特に電気・電子材料においては、絶縁性、耐熱性、耐久性、成形性等の更なる改善が求められている。しかしながら、従来のシルセスキオキサンを含む重合体ではこれらの特性を満たすことはできない。そのために、優れた耐熱性、耐候性、電気絶縁性、硬度、力学的強度、耐薬品性等をもつ、かご型構造を有するシルセスキオキサンを主鎖とし、成形性に優れた重合体が望まれている。本発明の目的は、高い熱安定性を有し、有機溶剤に可溶で且つ製膜性に優れたシルセスキオキサン含有重合体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、国際公開2004/081085号パンフレットに開示されたシルセスキオキサン誘導体を主鎖に有する重合体の知見を利用し、該文献に記載された式(1−0)においてSi−H基を2つ有する化合物(1−1)を用い、これと炭素−炭素三重結合を有する化合物とをヒドロシリル化触媒の存在下で反応させることにより新たな重合体が得られることを見出した。この重合体が、有機溶剤に可溶で且つ製膜性に優れ、高い熱安定性を有することを知り、本発明を完成した。
【0005】
上記の課題は以下に示す各項により解決される。
[1]式(1−1)で示されるシルセスキオキサン誘導体と、式(a−1)で示される化合物、式(a−2)で示される化合物、式(a−3)で示される化合物、式(a−4)で示される化合物、及び式(a−5)で示される化合物から選択される少なくとも1種類の化合物とを反応させて得られる重合体。
【化1】

式(1−1)において、Rは独立して炭素数1〜40のアルキル、任意の水素がハロゲンまたは炭素数1〜20のアルキルで置き換えられてもよいアリール、またはアリールにおける任意の水素がハロゲンまたは炭素数1〜20のアルキルで置き換えられてもよいアリールアルキルである。ここに、炭素数1〜40のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH2−は−O−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよく;アリールの置換基である炭素数1〜20のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH2−は−O−、シクロアルキレンまたはフェニレンで置き換えられてもよく;アリールアルキルのアルキレンにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH2−は−O−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよい。
2は独立して炭素数1〜8のアルキル、フェニル及びシクロヘキシルから選択される基である。
【化2】

式(a−1)〜式(a−5)のそれぞれにおいて、R3は炭素数1〜40のアルキレン、または任意の水素がハロゲンもしくは炭素数1〜4のアルキルで置き換えられてもよいフェニレン、ナフタレンジイル、アントラセンジイルもしくはナフタセンジイルであり;R4は炭素数1〜8のアルキルまたは任意の水素がハロゲンまたは炭素数1〜4のアルキルで置き換えられてもよいフェニルであり;この炭素数1〜40のアルキレンおよび炭素数1〜8のアルキルのそれぞれにおいて、任意の−CH2−は−O−または−COO−で置き換えられてもよい。
[2]式(1−1)におけるRが独立して、炭素数1〜8のアルキル、ナフチル、任意の水素がハロゲン、メチルもしくはメトキシで置き換えられてもよいフェニル、またはベンゼン環の任意の水素がハロゲン、炭素数1〜4のアルキルもしくはメトキシで置き換えられてもよいフェニルアルキルである、[1]の重合体。
ここに、炭素数1〜8のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH2−は−O−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよく;フェニルアルキルのアルキレンにおいて、その炭素数は1〜8であり、任意の−CH2−は−O−またはシクロアルキレンで置き換えられてよく;フェニルが複数の置換基を有するときは、それらの置換基は同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。
[3]式(1−1)におけるRが、炭素数1〜8のアルキル、ナフチル、任意の水素がハロゲン、メチルまたはメトキシで置き換えられてもよいフェニル、およびベンゼン環の任意の水素がハロゲン、炭素数1〜4のアルキルまたはメトキシで置き換えられてもよいフェニルアルキルから選択される同一の基である、[1]の重合体。
ここに、炭素数1〜8のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH2−は−O−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよく;フェニルアルキルのアルキレンにおいて、その炭素数は1〜8であり、任意の−CH2−は−O−またはシクロアルキレンで置き換えられてよく;フェニルが複数の置換基を有するときは、それらの置換基は同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。
[4]式(1−1)におけるRが非置換のフェニル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルから選択される同一の基である、[1]の重合体。
[5]式(1−1)におけるRがフェニルであり、R2がメチルである、[1]の重合体。
[6]式(1−1)で示されるシルセスキオキサン誘導体と、下記で表される少なくとも1つの化合物とを反応させて得られる[1]〜[5]のいずれかの重合体。ここで、Phはフェニルを表す。
【化3】

[7]式(1−1)で示されるシルセスキオキサン誘導体と、式(a−1)で示される化合物、式(a−2)で示される化合物、式(a−3)で示される化合物、式(a−4)で示される化合物、および式(a−5)で示される化合物から選ばれる少なくとも1つの化合物とを、ヒドロシリル化触媒の存在下で反応させることを特徴とする、[1]の重合体の製造方法。
[8][1]〜[6]のいずれかの重合体を用いて得られるコーティング膜。
[9][1]〜[6]のいずれかの重合体を用いて得られる光学素子。
[10][1]〜[6]のいずれかの重合体を用いて得られるディスプレイ基板。
[11][1]〜[6]のいずれかの重合体を用いて得られるプリント配線用基板。
[12][1]〜[6]のいずれかの重合体を用いて得られる耐熱塗料。
[13][1]〜[6]のいずれかの重合体を用いて得られる難燃・耐火塗料。
[14][1]〜[6]のいずれかの重合体を用いて得られる建材類コート剤。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、シルセスキオキサン骨格を主鎖に含む重合体を合成することができる。
このような重合体は、主鎖に分子量の大きな剛直な部分を豊富に有するので、分子鎖の熱運動を制御できる。従って、分子鎖の動きを制御したい用途、例えばガス透過性、寸法安定性等の特性が望まれる用途に好適に使用することができる。本発明の重合体は、有機溶剤への溶解性が高く、優れた製膜性、成形性を有しており、フィルム、シートおよび成形体として使用することができる。更に、耐熱性、耐溶剤性、基板への接着性、透明性、皮膜形成性などに優れるという利点も有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明で用いる用語は、次のように定義される。アルキルおよびアルキレンは、どちらも直鎖の基であってもよく、分岐された基であってもよい。このことは、これらの基において任意の水素がハロゲンや環式の基などと置き換えられた場合も、任意の−CH2−が−O−、シクロアルキレン、フェニレンなどで置き換えられた場合も同様である。本発明で用いる「任意の」は、位置のみならず個数も任意であることを示す。複数の基が別の基で置き換えられるときには、それぞれの基が異なる別の基で置き換えられてもよい。そして、これらの基におけるアルコキシおよびアルキレンのいずれの基も、直鎖の基であってもよく、分岐された基であってもよい。但し、本発明において、任意の−CH2−が−O−で置き換えられてもよいと記述するときには、連続する複数の−CH2−が−O−で置き換えられることはない。なお、本発明におけるハロゲンの例は、フッ素、塩素および臭素である。
以下の説明においては、「シルセスキオキサン」を記号「PSQ」で表記することがある。従って、「シルセスキオキサン誘導体」は「PSQ誘導体」と表記される。式(1−1)で示されるPSQ誘導体を化合物(1−1)と表記することがある。式(a−1)で示される化合物を化合物(a−1)と表記することがある。他の式で示されるPSQ誘導体および化合物についても、同様の方法で簡略化して表記することがある。
なお、本発明で用いる化学式において、Phはフェニルを表す。
【0008】
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
本発明の重合体は、化合物(1−1)を一方の原料とする反応によって得られる。

【化4】

式(1−1)において、Rは独立して炭素数1〜40のアルキル、任意の水素がハロゲンまたは炭素数1〜20のアルキルで置き換えられてもよいアリール、またはアリールにおける任意の水素がハロゲンまたは炭素数1〜20のアルキルで置き換えられてもよいアリールアルキルである。ここに、炭素数1〜40のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH2−は−O−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよい。アリールの置換基である炭素数1〜20のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH2−は−O−、シクロアルキレンまたはフェニレンで置き換えられてもよい。アリールアルキルのアルキレンにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH2−は−O−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよい。
【0009】
2は独立して炭素数1〜8のアルキル、フェニル、シクロヘキシルのいずれかを有す
る基である。R2の好ましい例は炭素数1〜4のアルキルである。R2の最も好ましい例はメチルである。
【0010】
式(1−1)において、すべてのRが同じ1種類の基であることが好ましいが、異なる2種類以上の基で構成されていてもよい。8個のRが異なる基で構成される場合の例は、2つ以上のアルキルで構成される場合、2つ以上のアリールで構成される場合、2つ以上のアリールアルキルで構成される場合、少なくとも1つのアルキルと少なくとも1つのアリールとで構成される場合、少なくとも1つのアルキルと少なくとも1つのアリールアルキルとで構成される場合、少なくとも1つのアリールと少なくとも1つのアリールアルキルとで構成される場合などである。これらの例以外の組み合わせでもよい。
【0011】
Rがアルキルであるとき、その炭素数は1〜40である。好ましい炭素数は1〜20である。より好ましい炭素数は1〜8である。そして、その任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH2−は−O−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよい。アルキルの好ましい例は、炭素数1〜20の非置換のアルキル、炭素数2〜20のアルコキシアルキル、炭素数1〜8のアルキルにおいて1個の−CH2−がシクロアルキレンで置き換えられた基、さらに、ここに列挙したそれぞれの基において任意の水素がフッ素で置き換えられた基などである。シクロアルキレンの好ましい炭素数は3〜8である。
【0012】
炭素数1〜20の非置換のアルキルの例は、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル、ブチル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、ペンチル、ヘキシル、1,1,2−トリメチルプロピル、ヘプチル、オクチル、2,4,4−トリメチルペンチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、エイコシルなどである。
【0013】
炭素数1〜20のフッ素化アルキルの例は、3,3,3−トリフルオロプロピル、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナデカフルオロヘキシル、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル、パーフルオロ−1H,1H,2H,2H−ドデシル、パーフルオロ−1H,1H,2H,2H−テトラデシルなどである。
【0014】
炭素数2〜20のアルコキシアルキルの例は、3−メトキシプロピル、メトキシエトキシウンデシル、3−ヘプタフルオロイソプロポキシプロピルなどである。
【0015】
炭素数1〜8のアルキルにおいて1個の−CH2−がシクロアルキレンで置き換えられた基の例は、シクロヘキシルメチル、アダマンタンエチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、2−ビシクロヘプチル、シクロオクチルなどである。
【0016】
式(1−1)におけるRが、任意の水素がハロゲンまたは炭素数1〜20のアルキルで置き換えられてもよいアリールである場合の好ましい例は、任意の水素がハロゲンまたは炭素数1〜8のアルキルで置き換えられてもよいフェニル、および非置換のナフチルである。ここで、ハロゲンの好ましい例は、フッ素、塩素および臭素である。フェニルの置換基である炭素数1〜8のアルキルにおいては、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH2−は、−O−またはフェニレンで置き換えられてもよい。
【0017】
Rがアリールである場合の好ましい例は、非置換のフェニル、非置換のナフチル、アルキルフェニル、アルキルオキシフェニル、フェニルを含む置換基を有するフェニル、さらに、ここに列挙したそれぞれの基において任意の水素がハロゲンで置き換えられた基などである。
ハロゲン化フェニルの例は、ペンタフルオロフェニル、4−クロロフェニル、4−ブロ
モフェニルなどである。アルキルフェニルの例は、4−メチルフェニル、4−エチルフェニル、4−プロピルフェニル、4−ブチルフェニル、4−ペンチルフェニル、4−ヘプチルフェニル、4−オクチルフェニル、4−ノニルフェニル、4−デシルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、2,4,6−トリエチルフェニル、4−(1−メチルエチル)フェニル、4−(1,1−ジメチルエチル)フェニル、4−(2−エチルヘキシル)フェニル、2,4,6−トリス(1−メチルエチル)フェニルなどである。アルキルオキシフェニルの例は、4−メトキシフェニル、4−エトキシフェニル、4−プロポキシフェニル、4−ブトキシフェニル、4−ペンチルオキシフェニル、4−ヘプチルオキシフェニル、4−デシルオキシフェニル、4−オクタデシルオキシフェニル、4−(1−メチルエトキシ)フェニル、4−(2−メチルプロポキシ)フェニル、4−(1,1−ジメチルエトキシ)フェニルなどである。
【0018】
フェニルを含む置換基を有するフェニルの例は、4−フェニルオキシフェニル、3−フェニルメチルフェニル、ビフェニル、ターフェニルなどである。
【0019】
ベンゼン環の水素の一部がハロゲンで置き換えられ、さらに他の水素がアルキルまたはアルキルオキシで置き換えられたフェニルの例は、3−クロロ−4−メチルフェニル、2,5−ジクロロ−4−メチルフェニル、3,5−ジクロロ−4−メチルフェニル、2,3,5−トリクロロ−4−メチルフェニル、2,3,6−トリクロロ−4−メチルフェニル、3−ブロモ−4−メチルフェニル、2,5−ジブロモ−4−メチルフェニル、3,5−ジブロモ−4−メチルフェニル、2,3−ジフルオロ−4−メチルフェニル、3−クロロ−4−メトキシフェニル、3−ブロモ−4−メトキシフェニル、3,5−ジブロモ−4−メトキシフェニル、2,3−ジフルオロ−4−メトキシフェニル、2,3−ジフルオロ−4−エトキシフェニル、2,3−ジフルオロ−4−プロポキシフェニルなどである。
【0020】
次に、式(1−1)におけるRがアリールアルキルであって、そのアリールにおける任意の水素がハロゲンまたは炭素数1〜20のアルキルで置き換えられてもよい場合の例を挙げる。アリールアルキルのアルキレンにおいては、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH2−は−O−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよい。アリールアルキルの好ましい例はフェニルアルキルである。このフェニルアルキルにおいて、アルキレンの好ましい炭素数は1〜8である。
非置換のフェニルアルキルの例は、フェニルメチル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、5−フェニルペンチル、6−フェニルヘキシル、11−フェニルウンデシル、1−フェニルエチル、2−フェニルプロピル、1−メチル−2−フェニルエチル、1−フェニルプロピル、3−フェニルブチル、1−メチル−3−フェニルプロピル、2−フェニルブチル、2−メチル−2−フェニルプロピル、1−フェニルヘキシルなどである。
【0021】
フェニルアルキルにおいて、ベンゼン環の任意の水素はハロゲンまたは炭素数1〜8のアルキルで置き換えられてもよい。この炭素数1〜8のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH2−は−O−、シクロアルキレンまたはフェニレンで置き換えられてもよい。
フェニルの任意の水素がフッ素で置き換えられたフェニルアルキルの例は、4−フルオロフェニルメチル、2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニルメチル、2−(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)エチル、3−(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)プロピル、2−(2−フルオロフェニル)プロピル、2−(4−フルオロフェニル)プロピルなどである。
【0022】
ベンゼン環の任意の水素が塩素で置き換えられたフェニルアルキルの例は、4−クロロフェニルメチル、2−クロロフェニルメチル、2,6−ジクロロフェニルメチル、2,4
−ジクロロフェニルメチル、2,3,6−トリクロロフェニルメチル、2,4,6−トリクロロフェニルメチル、2,4,5−トリクロロフェニルメチル、2,3,4,6−テトラクロロフェニルメチル、2,3,4,5,6−ペンタクロロフェニルメチル、2−(2−クロロフェニル)エチル、2−(4−クロロフェニル)エチル、2−(2,4,5−クロロフェニル)エチル、2−(2,3,6−クロロフェニル)エチル、3−(3−クロロフェニル)プロピル、3−(4−クロロフェニル)プロピル、3−(2,4,5−トリクロロフェニル)プロピル、3−(2,3,6−トリクロロフェニル)プロピル、4−(2−クロロフェニル)ブチル、4−(3−クロロフェニル)ブチル、4−(4−クロロフェニル)ブチル、4−(2,3,6−トリクロロフェニル)ブチル、4−(2,4,5−トリクロロフェニル)ブチル、1−(3−クロロフェニル)エチル、1−(4−クロロフェニル)エチル、2−(4−クロロフェニル)プロピル、2−(2−クロロフェニル)プロピル、1−(4−クロロフェニル)ブチルなどである。
【0023】
フェニルの任意の水素が臭素で置き換えられたフェニルアルキルの例は、2−ブロモフェニルメチル、4−ブロモフェニルメチル、2,4−ジブロモフェニルメチル、2,4,6−トリブロモフェニルメチル、2,3,4,5−テトラブロモフェニルメチル、2,3,4,5,6−ペンタブロモフェニルメチル、2−(4−ブロモフェニル)エチル、3−(4−ブロモフェニル)プロピル、3−(3−ブロモフェニル)プロピル、4−(4−ブロモフェニル)ブチル、1−(4−ブロモフェニル)エチル、2−(2−ブロモフェニル)プロピル、2−(4−ブロモフェニル)プロピルなどである。
【0024】
ベンゼン環の任意の水素が炭素数1〜8のアルキルで置き換えられたフェニルアルキルの例は、2−メチルフェニルメチル、3−メチルフェニルメチル、4−メチルフェニルメチル、4−ドデシルフェニルメチル、(,5−ジメチルフェニルメチル、2−(4−メチルフェニル)エチル、2−(3−メチルフェニル)エチル、2−(2,5ジメチルフェニル)エチル、2−(4−エチルフェニル)エチル、2−(3−エチルフェニル)エチル、1−(4−メチルフェニル)エチル、1−(3−メチルフェニル)エチル、1−(2−メチルフェニル)エチル、2−(4−メチルフェニル)プロピル、2−(2−メチルフェニル)プロピル、2−(4−エチルフェニル)プロピル、2−(2−エチルフェニル)プロピル、2−(2,3−ジメチルフェニル)プロピル、2−(2,5−ジメチルフェニル)プロピル、2−(3,5−ジメチルフェニル)プロピル、2−(2,4−ジメチルフェニル)プロピル、2−(3,4−ジメチルフェニル)プロピル、2−(2,5−ジメチルフェニル)ブチル、4−(1−メチルエチル)フェニルメチル、2−(4−(1,1−ジメチルエチル)フェニル)エチル、2−(4−(1−メチルエチル)フェニル)プロピル、2−(3−(1−メチルエチル)フェニル)プロピルなどである。
【0025】
ベンゼン環の任意の水素が炭素数1〜8のアルキルで置き換えられたフェニルアルキルであって、このアルキルにおける水素がフッ素で置き換えられた場合の例は、3−トリフルオロメチルフェニルメチル、2−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチル、2−(4−ノナフルオロブチルフェニル)エチル、2−(4−トリデカフルオロヘキシルフェニル)エチル、2−(4−ヘプタデカフルオロオクチルフェニル)エチル、1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エチル、1−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチル、1−(4−ノナフルオロブチルフェニル)エチル、1−(4−トリデカフルオロヘキシルフェニル)エチル、1−(4−ヘプタデカフルオロオクチルフェニル)エチル、2−(4−ノナフルオロブチルフェニル)プロピル、1−メチル−1−(4−ノナフルオロブチルフェニル)エチル、2−(4−トリデカフルオロヘキシルフェニル)プロピル、1−メチル−1−(4−トリデカフルオロヘキシルフェニル)エチル、2−(4−ヘプタデカフルオロオクチルフェニル)プロピル、1−メチル−1−(4−ヘプタデカフルオロオクチルフェニル)エチルなどである。
【0026】
ベンゼン環の任意の水素が炭素数1〜8のアルキルで置き換えられたフェニルアルキルであって、このアルキルにおけるCH2−が−O−で置き換えられた場合の例は、4−メトキシフェニルメチル、3−メトキシフェニルメチル、4−エトキシフェニルメチル、2−(4−メトキシフェニル)エチル、3−(4−メトキシフェニル)プロピル、3−(2−メトキシフェニル)プロピル、3−(3,4−ジメトキシフェニル)プロピル、1−(4−メトキシフェニル)エチル、(3−メトキシメチルフェニル)エチルなどである。
【0027】
ベンゼン環の任意の水素が炭素数1〜8のアルキルで置き換えられたフェニルアルキルであって、このアルキルにおけるCH2−の1つがシクロアルキレンで置き換えられた場合の例は、もう1つの−CH2−が−O−で置き換えられた場合も含めて例示すると、シクロペンチルフェニルメチル、シクロペンチルオキシフェニルメチル、シクロヘキシルフェニルメチル、シクロヘキシルフェニルエチル、シクロヘキシルフェニルプロピル、シクロヘキシルオキシフェニルメチルなどである。
ベンゼン環の任意の水素が炭素数1〜8のアルキルで置き換えられたフェニルアルキルであって、このアルキルにおけるCH2−の1つがフェニレンで置き換えられた場合の例は、もう1つの−CH2−が−O−で置き換えられた場合も含めて例示すると、2−(4−フェノキシフェニル)エチル、2−(4−フェノキシフェニル)プロピル、2−(2−フェノキシフェニル)プロピル、4−ビフェニリルメチル、3−ビフェニリルエチル、4−ビフェニリルエチル、4−ビフェニリルプロピル、2−(2−ビフェニリル)プロピル、2−(4−ビフェニリル)プロピルなどである。
【0028】
ベンゼン環の少なくとも2つの水素が異なる基で置き換えられたフェニルアルキルの例は、3−(2,5−ジメトキシ−3,4,6−トリメチルフェニル)プロピル、3−クロロ−2−メチルフェニルメチル、4−クロロ−2−メチルフェニルメチル、5−クロロ−2−メチルフェニルメチル、6−クロロ−2−メチルフェニルメチル、2−クロロ−4−メチルフェニルメチル、3−クロロ−4−メチルフェニルメチル、2,3−ジクロロ−4−メチルフェニルメチル、2,5−ジクロロ−4−メチルフェニルメチル、3,5−ジクロロ−4−メチルフェニルメチル、2,3,5−トリクロロ−4−メチルフェニルメチル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−メチルフェニルメチル、2,3,4,6−テトラクロロ−5−メチルフェニルメチル、2,3,4,5−テトラクロロ−6−メチルフェニルメチル、4−クロロ−3,5−ジメチルフェニルメチル、2−クロロ−3,5−ジメチルフェニルメチル、2,4−ジクロロ−3,5−ジメチルフェニルメチル、2,6−ジクロロ−3,5−ジメチルフェニルメチル、2,4,6−トリクロロ−3,5−ジメチルフェニルメチル、3−ブロモ−2−メチルフェニルメチル、4−ブロモ−2−メチルフェニルメチル、5−ブロモ−2−メチルフェニルメチル、6−ブロモ−2−メチルフェニルメチル、3−ブロモ−4−メチルフェニルメチル、2,3−ジブロモ−4−メチルフェニルメチル、2,3,5−トリブロモ−4−メチルフェニルメチル、2,3,5,6−テトラブロモ−4−メチルフェニルメチルなどである。
【0029】
そして、フェニルアルキルにおけるフェニルの最も好ましい例は、非置換のフェニル、並びに置換基としてフッ素、炭素数1〜4のアルキルおよびメトキシの少なくとも1つを有するフェニルである。
【0030】
アルキレンの−CH2−が−O−またはシクロアルキレンで置き換えられたフェニルアルキルの例は、3−フェノキシプロピル、フェニルシクロヘキシル、フェノキシシクロヘキシルなどである。
【0031】
Rの更に好ましい例は、非置換のフェニル、ハロゲン化フェニル、少なくとも1つのメチルを有するフェニル、メトキシフェニル、ナフチル、フェニルメチル、フェニルエチル、フェニルブチル、2−フェニルプロピル、1−メチル−2−フェニルエチル、ペンタフ
ルオロフェニルプロピル、4−エチルフェニルエチル、3−エチルフェニルエチル、4−(1,1−ジメチルエチル)フェニルエチル、4−メトキシフェニルプロピル、フェノキシプロピル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルである。
Rの最も好ましい例は、非置換のフェニル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルである。
【0032】
本発明で用いる化合物(1−1)は、国際公開03/024870号パンフレットに記載されている方法により製造することができる。
【0033】
化合物(1−1)と、炭素−炭素三重結合を有する下記の化合物(a−1)〜化合物(a−5)の少なくとも1種類を、ヒドロシリル化反応を利用して重合させることにより本発明の重合体を得ることができる。
【化5】

式(a−1)〜式(a−5)のそれぞれにおいて、R3は炭素数1〜40のアルキレン、または任意の水素がハロゲンもしくは炭素数1〜4のアルキルで置き換えられてもよいフェニレン、ナフタレンジイル、アントラセンジイルもしくはナフタセンジイルであり;R4は炭素数1〜8のアルキルまたは任意の水素がハロゲンまたは炭素数1〜4のアルキルで置き換えられてもよいフェニルであり;この炭素数1〜40のアルキレンおよび炭素数1〜8のアルキルのそれぞれにおいて、任意の−CH2−は−O−または−COO−で置き換えられてもよい。なお、式(a−1)、(a−4)および(a−5)において、R3が任意の水素がハロゲンもしくは炭素数1〜4のアルキルで置き換えられてもよいフェニレンの場合、フェニルに結合する2つの置換基の位置は、オルト、メタ、パラのいずれでもよい。
また、式(a−1)、(a−4)および(a−5)において、R3が任意の水素がハロゲンもしくは炭素数1〜4のアルキルで置き換えられてもよいナフタレンジイルの場合、ナフタレンに結合する2つの置換基の位置は、以下のいずれの位置でもよい。
【化6】

また、式(a−1)、(a−4)および(a−5)において、R3が任意の水素がハロゲンもしくは炭素数1〜4のアルキルで置き換えられてもよいアントラセンジイルの場合、アントラセンに結合する2つの置換基の位置は、以下のいずれの位置でもよい。
【化7】

また、式(a−1)、(a−4)および(a−5)において、R3が任意の水素がハロゲンもしくは炭素数1〜4のアルキルで置き換えられてもよいナフタセンジイルの場合、ナフタセンに結合する2つの置換基の位置は、以下のいずれの位置でもよい。
【化8】

【0034】
これらの化合物の例を次に示す。
【化9】

【0035】
また、本発明の重合体は、上記化合物(1−1)、及び上記化合物(a−1)〜化合物(a−5)から選ばれる少なくとも1種類の化合物とともに、以下の式(2−1)、式(3−1)、式(4−1)、式(5−1)および式(6−1)で示される含ケイ素化合物群から選ばれる1種類以上の化合物を重合させて得られる重合体であってもよい。
【0036】
【化10】

式(2−1)において、R1は式(1−1)におけるRと同様に定義される基であり、その好ましい例も同様である。R1のより好ましい例は、炭素数1〜8のアルキル、非置換のフェニル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルであり、最も好ましい例は炭素数1〜4のアルキルおよび非置換のフェニルである。炭素数1〜4のアルキルとしてはメチルが最も好ましい。X11のうち少なくとも1つは炭素−炭素三重結合を有する基であり、残りのX11はR1である。X11のうちの1つまたは2つが炭素−炭素三重結合含有基である
ことが好ましい。下記の化合物は、炭素−炭素三重結合を有する化合物の一例である。
【化11】

【0037】
化合物(3−1)は、線状に結合した構造を有するケイ素化合物である。
【化12】

式(3−1)において、R1は式(1−1)におけるRと同様に定義される基であり、その好ましい例も同様である。R1のより好ましい例は、炭素数1〜8のアルキル、非置換のフェニル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルであり、最も好ましい例は炭素数1〜4のアルキルおよび非置換のフェニルである。炭素数1〜4のアルキルとしてはメチルが最も好ましい。X11は炭素−炭素三重結合を有する基である。そしてLは、単結合、−O−、−CH2−、−(CH22−、−(CH23−、−(CH24−、1,4−フェニレン、4,4’−ジフェニレン、4,4’−オキシ−1,1’−ジフェニレン、または式(c)で示される基である。
【化13】

【0038】
式(3−1)は次のように展開される。
【化14】

式(3−1−1)〜式(3−1−7)において、R1は式(3−1)におけるR1と同じ意味を有し、その好ましい例も同様である。kは1〜4の整数であり、R3はR1と同様に定義される基であり、mは1〜30の整数である。そしてX11は、炭素−炭素三重結合を有する基である。
【0039】
化合物(4−1)は、かご型構造のPSQ誘導体である。
【化15】

式(4−1)において、R3は式(2−1)におけるR1と同様に定義される基である。X11の少なくとも一つは炭素−炭素三重結合を有する基であり、残りは式(1−1)におけるRと同様に定義される基である。X11の1つまたは2つが炭素−炭素三重結合を有する基であることが好ましい。そして、炭素−炭素三重結合を有する基が2つの場合はその炭素−炭素三重結合を有する基が互いに離れた位置にあることがより好ましい。X11の好ましい例も式(1−1)の場合と同様である。eは0または1である。そして、nは3〜30の整数であり、好ましいnは4〜6である。
【0040】
化合物(5−1)は、オクタシルセスキオキサンのかご型構造の1つの角が壊れた構造を有するケイ素化合物である。
【化16】

式(5−1)において、RおよびR1はそれぞれ式(1−1)におけるRと同様に定義される基である。X21の少なくとも1つは炭素−炭素三重結合を有する基であり、X21の残りはR1である。Rの好ましい例は、式(1−1)におけるRの場合と同じである。R1の好ましい例は、式(2−1)におけるR1の場合と同じである。
【0041】
化合物(6−1)は、オクタシルセスキオキサンのかご型構造の2つの角が壊れた構造を有するケイ素化合物である。
【化17】

式(6−1)において、RおよびR1はそれぞれ式(1−1)におけるRと同様に定義される基である。X21の少なくとも1つは炭素−炭素三重結合を有する基であり、X21の残りはR1である。Rの好ましい例は、式(1−1)におけるRの場合と同じである。R1の好ましい例は、式(2−1)におけるR1の場合と同じである。
【0042】
化合物(4−1)は、国際公開03/004549号パンフレットに記載されている方法を参照して製造することができる。化合物(5−1)は、特開2005-015738号公報に記載されている方法を参照して製造することができる。化合物(6−1)は、国際公開2004/024741パンフレットに記載されている方法を参照して製造することができる。
本発明で用いる化合物の一部は、化合物(1−1)、化合物(6−1)を除いて、ハイブリッド・プラスチック社から入手することもできる。
【0043】
本発明の重合体の分子量は用途に応じて適宜設定され、特に制限されないが、数平均分子量1,400〜1,000,000が好ましく、数平均分子量1,400〜500,000がより好ましい。
ヒドロシリル化重合に用いる溶剤は、反応の進行を阻害しないものであれば特に制限されない。好ましい溶剤は、ヘキサンやヘプタンなどの炭化水素系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサンなどのエーテル系溶剤、塩化メチレン、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素系溶剤、酢酸エチルなどのエステル系溶剤などである。これらの溶剤は単独で使
用しても、その複数を組み合わせて使用してもよい。これらの溶剤の中でも、芳香族炭化水素系溶剤、その中でもトルエンが最も好ましい。溶剤は必ずしも必要ではないが、使用する場合には溶剤に対する本発明の化合物の好ましい割合は、溶剤の重量に基づいて0.05〜80重量%である。より好ましい割合は30〜70重量%である。割合は、目的によって異なる。
ヒドロシリル化重合は室温で実施してもよい。重合を促進させるために加熱してもよい。重合による発熱または好ましくない重合等を制御するために冷却してもよい。
ヒドロシリル化重合は触媒の存在下で進行する。好ましいヒドロシリル化触媒の例は、カルステッド(Karstedt)触媒、スパイヤー(Spier)触媒、ヘキサクロロプラチニック酸などであり、これらは一般的によく知られた触媒である。これらのヒドロシリル化触媒は、反応性が高いので少量添加すれば十分反応を進めることができる。その使用量は、触媒に含まれる遷移金属のヒドロシリル基に対する割合で、10-9〜1モル%である。好ましい添加割合は10-7〜10-3モル%である。10-9モル%は、重合を進行させることができ、容認できる時間内で終了させるために必要な添加割合の下限である。製造コストを低く抑えることを考慮すれば、この割合は1モル%以下である方がよい。
次に重合体の精製方法について説明する。この重合体の単離・精製は、未反応の付加重合性単量体を効率よく除去することによってなされる。種々の方法があるが、再沈殿操作による精製法が好ましい。この精製法は次のように行われる。まず、重合体および未反応の単量体を含む重合反応液に、重合体は溶解しないけれども未反応の単量体は溶解するような溶剤、いわゆる沈殿剤をこの溶液に加えて重合体のみを沈殿させる。沈殿剤の好ましい使用量は、前記の重合反応液の重量に基づいて20〜50倍である。
好ましい沈殿剤は、重合時に用いる溶剤と相溶し、重合体を全く溶解せず、未反応の単量体のみを溶解し、そして沸点が比較的低い溶剤である。好ましい沈殿剤の例は低級アルコールおよび脂肪族炭化水素である。特に好ましい沈殿剤はメタノールおよびヘキサンである。そして、未反応単量体の除去効率をさらにあげるためには、再沈殿操作の繰り返し回数を多くすればよい。この方法により、重合体のみを貧溶剤中で析出させることが可能であり、濾過操作によって未反応単量体と重合体とを容易に分離することができる。
【0044】
かご型構造の骨格を主鎖に導入することによって得られる上記重合体は、溶解性、耐熱性、機械強度、光学透過性、ガス透過性、誘電率、難燃性、接着性、加工性等に優れている。その結果、幅広い用途に利用でき、例えば、電気・電子材料として、金属溶出防止膜、ガスバリア膜、反射防止膜、平坦化膜、液晶配向膜、誘電体膜等を形成するための基板用コーティング剤、液状封止剤、層間絶縁膜等を形成するための半導体用コーティング剤、マイクロレンズ、導光板、光導波路材料等の光学素子、ディスプレイ基板、プリント配線用基板、および耐熱塗料、難燃・耐火塗料、建材類コート剤等があげられる。又、必要に応じて、初期の性状を損なわない範囲で重合体への他の成分、例えば、酸化防止剤、着色剤、充填剤等をブレンドして使用してもよい。
【0045】
上記の重合体を用いて、コーティング膜、光学素子、ディスプレイ基板、プリント配線用基板、耐熱塗料、難燃・耐火塗料、建材類コート剤などを作製する場合、それぞれ当業者によく知られている通常の方法に従えばよい。以下、本発明の重合体を用いてコーティング膜を形成する場合について説明する。
本発明の重合体は適当な溶剤に溶解して用いるとよい。使用される溶剤は、該重合体を溶解可能な溶剤であればよく、特に制限はない。具体例として、トルエン、キシレン、メシチレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、ヘキサメチルリン酸トリアミド、スルホラン、γ−ブチロラクトン、ジエチルエーテル、THF、ジオキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、乳酸アルキル、3−メチル−3−メトキシブタノ−ル、テトラリン、イソホロン、酢酸エチル、エチ
レングリコ−ルモノアルキルエ−テル(エチレングリコ−ルモノブチルエ−テルなど)、ジエチレングリコ−ルモノアルキルエ−テル(ジエチレングリコ−ルモノエチルエ−テルなど)、エチレングリコ−ルモノアルキルまたはフェニルアセテ−ト、トリエチレングリコ−ルモノアルキルエ−テル、プロピレングリコ−ルモノアルキルエ−テル(プロピレングリコ−ルモノブチルエ−テルなど)、マロン酸ジアルキル(マロン酸ジエチルなど)を挙げることができる。好ましくは、トルエン、メシチレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、THF、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートである。これらの溶剤は、単独で用いても複数混合して使用してもよい。
【0046】
基板上に膜を形成する場合、基板への密着性をさらに改善するために、本発明の重合体にシラン系またはチタン系のカップリング剤を配合してもよい。シランカップリング剤の例は、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メタクリロイルプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどである。ポリジメチルシロキサンやポリジフェニルシロキサンなどのシリコーンオイルを配合してもよい。
また、上記のカップリング剤の他、必要に応じて他の添加剤を配合することもできる。例えば、塗布性の向上、帯電防止性の向上などを望む場合には、それぞれの目的に応じた界面活性剤を配合してもよい。界面活性剤の例は、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤などであり、これらを膜の特性を損なわない範囲において用いることができる。
【0047】
コーティング膜の形成は、例えば、コーティング膜用塗布液(本発明の重合体の溶液)を基板上へ塗布する工程と、これに続く焼成工程により行われる。基板としては、ガラス基板、プラスティック基板、またはフィルム状基板などを用いることができる。塗布の方法としてスピンナー法、スプレー法、ディッピング法などが一般に知られている。これらの方法は本発明においても同様に適用可能である。また、コーティング膜用塗布液を焼成する方法として、オーブンまたは赤外炉の中で加熱処理する方法やホットプレート上で加熱処理する方法などが一般に知られている。これらの方法も本発明において同様に適用可能である。また、加熱処理工程は一般に80〜300℃程度の温度下で行うことが好ましい。
【実施例】
【0048】
実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって制限されない。なお、実施例における化学式において、Meはメチルであり、Phはフェニルである。
【0049】
以下に実施例における試験方法を説明する。
(1)1H−NMR、13C−NMR、29Si−NMRの各スペクトルは、JOEL社製 JNM−AL 300スペクトロメーターを用いて測定した。
(2)数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、GPCにより測定した。GPCでは、昭和電工社製カラムSHODEX GPC−101を1本、SHODEX LF−804を2本接続して用い、展開溶剤としてTHFを、標準物質として分子量既知のポリスチレンを用いた。
(3)MALDI−TOF MSは、島津社製のAXIMA−CFAマススペクトロメーターを用いて行った。
(4)示差走査熱量分析(DSC)は、窒素雰囲気下、10℃/分で加熱しながら、セイコー社のDSC6200を用いて行った。
(5)熱重量分析(TGA)は、窒素雰囲気下、10℃/分で加熱しながら、セイコー社のDSC6200を用いて行った。
【0050】
実施例1
アルゴン雰囲気下、20mLのシュレンクフラスコに、化合物(1)(1.154g)、ジフェニルアセチレン(0.356g)、トルエン(2mL)、カルステッド触媒(20μl)を加え、100℃で24時間攪拌した。反応終了後、トルエンを減圧除去した後、GPCで分取して得られた化合物を1H−NMR、13C−NMR、29Si−NMRおよびMALDI−TOF MSを用いて評価したところ、目的とする化合物(2)であることが確認された。この時の収量は1.111g(収率74%)であった。
【化18】

【0051】
実施例2
ジフェニルアセチレンの代わりに下記式(3)で示される化合物を0.278g用いた以外は、実施例1と同様の方法で反応を行い、重合体を合成した。重合体はメタノールを貧溶媒として再沈殿法により回収した。得られた重合体の数平均分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)をGPCで求めたところ、Mn=29,100、Mw/Mn=4.1であった。TGAより求めた熱分解開始温度は518℃、DSCより求めたガラス転移温度は153℃であった。また、1H−NMR、13C−NMR、29Si−NMRを用いて得られた重合体を評価し、式(4)で示される構造であることを確認した。
【化19】

なお、式(4)中、下記
【化20】

のように記載されている部分は、重合体が下記の(A)の結合状態および(B)の結合状態の混合物として得られることを表している。後述の式(6)においても同様である。
【0052】
実施例3
【化21】

化合物(1)を1.384g、化合物(3)を0.334g用いた以外は実施例1と同様の方法で反応を行い、重合体を合成した。重合体はメタノールを貧溶媒として再沈殿法により回収した。得られた重合体の数平均分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)をGPCで求めたところ、Mn=14,600、Mw/Mn=2.9であった。TGAより求めた熱分解開始温度は489℃、DSCより求めたガラス転移温度は156℃であった。
【0053】
実施例4
ジフェニルアセチレンの代わりに下記式(5)で示される化合物を0.378g用いた以外は実施例1と同様の方法で反応を行い、重合体を合成した。重合体はメタノールを貧溶媒として再沈殿法により回収した。得られた重合体の数平均分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)をGPCで求めたところ、Mn=11,900、Mw/Mn=4.9であった。TGAより求めた熱分解開始温度は301℃であった。1H−NMR、13C−NMR、29Si−NMRを用いて得られた重合体を評価し、式(6)で示される構造であることを確認した。
【化22】

【0054】
実施例5
ジフェニルアセチレンの代わりに下記式(7)で示される化合物を0.278g用いた以外は実施例1と同様の方法で反応を行い、重合体を合成した。重合体はメタノールを貧溶媒として再沈殿法により回収した。得られた重合体の数平均分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)をGPCで求めたところ、Mn=26,500、Mw/Mn=5.4であった。TGAより求めた熱分解開始温度は510℃、DSCより求めたガラス転移温度は137℃であった。
【化23】

【0055】
なお、式(7)の化合物、1,3-Bis(phenylethynyl)benzeneは以下のようにして合成した。
100 ml三口フラスコにiodobenzene 4.12 g(20.2 mmol)、CuI 0.04 g(0.2mmol)、(Ph3P)2PdCl2 0.14 g(0.2 mmol)、およびdiisopropylamine 90 mlを加えた後、1,3-diethynyl-benzene 1.26 g(10.1mmol)を含むdiisopropylamine溶液10 mlを滴下した。反応溶液を室温で24 h攪拌した後、減圧下で溶媒のdiisopropylamineを除去した。残留物をtolueneに溶解させ、NaCl水溶液で洗浄した後、MgSO4で乾燥した。エバポレーターを用い溶媒を除去し、続いてアルミナを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製を行った。最後にMeOHによる再結晶を行い、白色の結晶が1.39 g得られた。収率:50 % 1H NMR(300 MHz, CDCl3): δ(ppm) 7.34(br, 7H), 7,.50(br, 6H), 7.70(br, 1H). 13C NMR(75 MHz, CDCl3): δ(ppm) 88.5, 89.9, 123.0, 123.6, 128.3, 128.4, 131.3, 131.6, 134.6.
【0056】
実施例6
ジフェニルアセチレンの代わりに下記式(8)で示される化合物を0.354g用いた以外は実施例1と同様の方法で反応を行い、重合体を合成した。重合体はメタノールを貧
溶媒として再沈殿法により回収した。得られた重合体の数平均分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)をGPCで求めたところ、Mn=25,700、Mw/Mn=5.1であった。TGAより求めた熱分解開始温度は474℃、DSCより求めたガラス転移温度は184℃であった。
【化24】

【0057】
なお、式(8)の化合物、4,4'-Bis(phenylethynyl)biphenylは以下のようにして合成した。
100 ml三口フラスコに4,4'-diiodobiphenyl 2.03 g(5 mmol)、CuI 0.02 g(0.1mmol)、(Ph3P)2PdCl2 0.07 g(0.1 mmol)、およびdiisopropylamine35 mlを加えた後、ethynylbenzene 1.03 g(10.1mmol)を含むdiisopropylamine溶液5 mlを滴下した。反応溶液を室温で24
h攪拌した後、減圧下で溶媒のdiisopropylamineを除去した。残留物をtolueneに溶解させ、NaCl水溶液で洗浄した後、MgSO4で乾燥した。エバポレーターを用い溶媒を除去し、続いてアルミナを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製を行った。最後にMeOHによる再結晶を行い、白色結晶1.06 gを得た。収率:60 % 1H NMR(300 MHz, CDCl3): δ(ppm) 7.35(br, 6H), 7.53(br, 4H), 7.60(br, 8H) .13C NMR(75 MHz, CDCl3): δ(ppm) 89.2, 90.3, 122.6, 123.1, 126.9, 128.3, 128.4, 131.6, 132.1, 140.0.

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1−1)で示されるシルセスキオキサン誘導体と、式(a−1)で示される化合物、式(a−2)で示される化合物、式(a−3)で示される化合物、式(a−4)で示される化合物、及び式(a−5)で示される化合物から選択される少なくとも1種類の化合物とを反応させて得られる重合体。
【化1】

式(1−1)において、Rは独立して炭素数1〜40のアルキル、任意の水素がハロゲンまたは炭素数1〜20のアルキルで置き換えられてもよいアリール、またはアリールにおける任意の水素がハロゲンまたは炭素数1〜20のアルキルで置き換えられてもよいアリールアルキルである。ここに、炭素数1〜40のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH2−は−O−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよく;アリールの置換基である炭素数1〜20のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH2−は−O−、シクロアルキレンまたはフェニレンで置き換えられてもよく;アリールアルキルのアルキレンにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH2−は−O−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよい。
2は独立して炭素数1〜8のアルキル、フェニル及びシクロヘキシルから選択される基である。
【化2】

式(a−1)〜式(a−5)のそれぞれにおいて、R3は炭素数1〜40のアルキレン、または任意の水素がハロゲンもしくは炭素数1〜4のアルキルで置き換えられてもよいフェニレン、ナフタレンジイル、アントラセンジイルもしくはナフタセンジイルであり;R4は炭素数1〜8のアルキルまたは任意の水素がハロゲンまたは炭素数1〜4のアルキルで置き換えられてもよいフェニルであり;この炭素数1〜40のアルキレンおよび炭素数1〜8のアルキルのそれぞれにおいて、任意の−CH2−は−O−または−COO−で置き換えられてもよい。
【請求項2】
式(1−1)におけるRが独立して、炭素数1〜8のアルキル、ナフチル、任意の水素がハロゲン、メチルもしくはメトキシで置き換えられてもよいフェニル、またはベンゼン環の任意の水素がハロゲン、炭素数1〜4のアルキルもしくはメトキシで置き換えられてもよいフェニルアルキルである、請求項1に記載の重合体。
ここに、炭素数1〜8のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH2−は−O−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよく;フェニルアルキルのアルキレンにおいて、その炭素数は1〜8であり、任意の−CH2−は−O−またはシクロアルキレンで置き換えられてよく;フェニルが複数の置換基を有するとき
は、それらの置換基は同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。
【請求項3】
式(1−1)におけるRが、炭素数1〜8のアルキル、ナフチル、任意の水素がハロゲン、メチルまたはメトキシで置き換えられてもよいフェニル、およびベンゼン環の任意の水素がハロゲン、炭素数1〜4のアルキルまたはメトキシで置き換えられてもよいフェニルアルキルから選択される同一の基である、請求項1に記載の重合体。
ここに、炭素数1〜8のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH2−は−O−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよく;フェニルアルキルのアルキレンにおいて、その炭素数は1〜8であり、任意の−CH2−は−O−またはシクロアルキレンで置き換えられてよく;フェニルが複数の置換基を有するときは、それらの置換基は同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。
【請求項4】
式(1−1)におけるRが非置換のフェニル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルから選択される同一の基である、請求項1に記載の重合体。
【請求項5】
式(1−1)におけるRがフェニルであり、R2がメチルである、請求項1に記載の重合体。
【請求項6】
式(1−1)で示されるシルセスキオキサン誘導体と、下記で表される少なくとも1つの化合物とを反応させて得られる請求項1〜5のいずれか一項に記載の重合体。ここで、Phはフェニルを表す。
【化3】

【請求項7】
式(1−1)で示されるシルセスキオキサン誘導体と、式(a−1)で示される化合物、式(a−2)で示される化合物、式(a−3)で示される化合物、式(a−4)で示される化合物、及び式(a−5)で示される化合物から選ばれる少なくとも1つの化合物とを、ヒドロシリル化触媒の存在下で反応させることを特徴とする、請求項1に記載の重合体の製造方法。
【化4】

式(1−1)において、Rは独立して炭素数1〜40のアルキル、任意の水素がハロゲンまたは炭素数1〜20のアルキルで置き換えられてもよいアリール、またはアリールにおける任意の水素がハロゲンまたは炭素数1〜20のアルキルで置き換えられてもよいアリールアルキルである。ここに、炭素数1〜40のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH2−は−O−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよく;アリールの置換基である炭素数1〜20のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH2−は−O−、シクロアルキレンまたはフェニレンで置き換えられてもよく;アリールアルキルのアルキレンにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH2−は−O−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよい。R2は独立して炭素数1〜8のアルキル、フェニル及びシクロヘキシルから選択される基である。
【化5】

式(a−1)〜式(a−5)のそれぞれにおいて、R3は炭素数1〜40のアルキレンまたは任意の水素がハロゲンまたは炭素数1〜4のアルキルで置き換えられてもよいフェニレン、ナフタレンジイル、アントラセンジイルもしくはナフタセンジイルであり;R4は炭素数1〜8のアルキルまたは任意の水素がハロゲンまたは炭素数1〜4のアルキルで置き換えられてもよいフェニルであり;この炭素数1〜40のアルキレンおよび炭素数1〜8のアルキルのそれぞれにおいて、任意の−CH2−は−O−または−COO−で置き換えられてもよい。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の重合体を用いて得られるコーティング膜。
【請求項9】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の重合体を用いて得られる光学素子。
【請求項10】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の重合体を用いて得られるディスプレイ基板。
【請求項11】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の重合体を用いて得られるプリント配線用基板。
【請求項12】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の重合体を用いて得られる耐熱塗料。
【請求項13】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の重合体を用いて得られる難燃・耐火塗料。
【請求項14】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の重合体を用いて得られる建材類コート剤。

【公開番号】特開2007−182528(P2007−182528A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−125167(P2006−125167)
【出願日】平成18年4月28日(2006.4.28)
【出願人】(000002071)チッソ株式会社 (658)
【Fターム(参考)】