説明

シートベルト装置

【課題】ベゼルを強固に取り付けることができ、しかも、パッケージトレイトリムの薄型化、軽量化を図ることができるシートベルト装置を得る。
【解決手段】本シートベルト装置10では、ベゼル90がパッケージトレイトリムの下側の台座蓋部に形成された開口部の周縁部に爪部を係合させることで取り付けられる。台座蓋部は嵌合爪が台座本体64の嵌合孔に嵌合することで台座本体64に一体的に固定されており、更に、台座本体64はリトラクタ12を下方から覆うカバー40の上端から連続して形成される。このため、ウエビング22と共にベゼル90が引っ張られた際の引っ張り力を、薄肉板状のパッケージトレイトリムよりも剛性が高い台座62、ひいてはカバー40で受けることができ、上記の引っ張り力で台座62が変形することを防止又は抑制できる。これにより、台座62からベゼル90が外れることを防止又は抑制できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウエビングによって車両の乗員の身体を拘束するシートベルト装置に係り、特に、車両のリヤシート用として好適なシートベルト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、下記特許文献1に示されるように、リヤシート用のシートベルト装置では、リヤシートを構成するシートバックの後方にウエビングを巻き取って収納するリトラクタが配置されている。このリトラクタは、上方から板状のパッケージトレイトリムに覆われるので、ウエビングが通過するための孔がパッケージトレイトリムに設けられる。ウエビングはパッケージトレイトリムの孔を通過してシートバックの前方に引き出されるが、このように引き出されたウエビングの状態や乗員に装着された際のウエビングの状態を安定させるため(すなわち、ウエビングの所謂「ベルトパス」を規制して安定させるため)、一般的にはウエビングの通過が可能なスリット状の孔部を有するベゼルを、パッケージトレイトリムの孔を覆うようにパッケージトレイトリムに装着している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−86342号の公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両の軽量化等を目的として上記のパッケージトレイトリムの薄型化が図られるが、パッケージトレイトリムを薄くすると、パッケージトレイトリムの剛性が低くなる。このため、ウエビングが引っ張られた際にウエビングとベゼルとの間で生ずる摩擦でベゼルが引っ張られると、この引っ張り力でパッケージトレイトリムが撓んでパッケージトレイトリムからベゼルが外れる可能性がある。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮して、ベゼルを強固に取り付けることができ、しかも、パッケージトレイトリムの薄型化、軽量化を図ることができるシートベルト装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の本発明に係るシートベルト装置は、シート後方のパッケージトレイトリムの下側に設けられて、先端側が前記パッケージトレイトリムに形成された孔部を通過して前記シート側に引き出された長尺帯状のウエビングをその長手方向基端側から巻き取って格納するリトラクタと、前記パッケージトレイトリムの下側に設けられて下方から前記リトラクタを覆うカバーと、前記パッケージトレイトリムの孔部を上方から覆うと共に前記ウエビングが通過するベゼルと、前記パッケージトレイトリムを介して前記ベゼルとは反対側で前記カバーに一体的に設けられ、前記ベゼルと共に前記パッケージトレイトリムを挟み込んだ状態で前記ベゼルが固定される台座と、を備えている。
【0007】
請求項1に記載の本発明に係るシートベルト装置では、シート後方のパッケージトレイトリムの下側には下方からカバーに覆われたリトラクタが設けられており、このリトラクタから引き出されたウエビングがパッケージトレイトリムに形成された孔部を通過してシート側へ引き出されている。このウエビングが通過するパッケージトレイトリムの孔部は、上方からベゼルにより覆われているが、このベゼルはパッケージトレイトリムに取り付けられておらず、パッケージトレイトリムの下側の台座とベゼルとでパッケージトレイトリムを上下から挟み込んだ状態でベゼルが台座に取り付けられて固定されている。
【0008】
台座は上述したカバーに一体的に設けられており、このカバーは下方からリトラクタを覆う形状となっている。このため、パッケージトレイトリムにおける孔部の近傍に比べると、カバーに一体的に設けられた台座は剛性が高い。これにより、ウエビングを引き出した際にウエビングとベゼルとの間で生じる摩擦でベゼルが引っ張られても、台座が変形してベゼルが外れたりすることを防止又は効果的に抑制できる。しかも、上記のようにベゼルに付与される引っ張り力をパッケージトレイトリムで受けずに台座、ひいては、カバーで受けるので、パッケージトレイトリムを薄くすることができ、車両の軽量化に大きく寄与する。
【0009】
請求項2に記載の本発明に係るシートベルト装置は、請求項1に記載の本発明において、上端側が開口した箱形状に形成された前記カバーの上端部に沿って前記カバーから連続して形成された台座本体と、前記台座本体の上端部に設けられ、前記台座本体を上方から覆った状態で前記台座本体に一体的に連結されて前記リトラクタから引き出された前記ウエビングが通過すると共に、前記ベゼルが装着される台座蓋部と、を含めて前記台座を構成している。
【0010】
請求項2に記載の本発明に係るシートベルト装置によれば、リトラクタを下方から覆うカバーは上端側が開口した箱形状に形成され、このカバーの上端部から連続して台座を構成する台座本体がカバーの上端部に沿って形成される。この台座本体を上から覆うように台座蓋部が台座本体に一体的に連結されることで台座本体に台座蓋部が取り付けられ、この台座蓋部にベゼルが取り付けられる。
【0011】
ここで、上記のように、台座蓋部は台座本体を上方から覆うが、台座本体が台座蓋部に覆われる前の状態ではリトラクタを下方からカバーで覆うにあたり、台座蓋部がリトラクタに邪魔にならず、カバーでリトラクタを簡単に覆うことができる。
【0012】
請求項3に記載の本発明に係るシートベルト装置は、請求項2に記載の本発明において、前記台座本体と前記台座蓋部とを一体的に繋ぎ、前記台座蓋部が前記台座本体を上方から覆う位置へ向けて前記台座蓋部が前記台座本体に対して回動する際の回動中心となるインテグラルヒンジを備えている。
【0013】
請求項3に記載の本発明に係るシートベルト装置によれば、台座本体と台座蓋部とがインテグラルヒンジを介して繋がっているため、実質的な部品点数の増加を抑制でき、部品コストの増加を抑制できる。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、請求項1に記載の本発明に係るシートベルト装置では、ベゼルを強固に取り付けることができ、しかも、パッケージトレイトリムの薄型化、軽量化を図ることができる。
【0015】
請求項2に記載の本発明に係るシートベルト装置では、ベゼルが取り付けられる台座蓋部とこの台座蓋部が連結される台座本体とを含めて台座を構成し、台座本体をカバーに形成する構成としても、台座蓋部が邪魔になることなく、簡単にカバーでリトラクタを覆うことができる。
【0016】
請求項3に記載の本発明に係るシートベルト装置では、部品点数の増加を抑制でき、部品コストの増加を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施の形態に係るシートベルト装置を搭載した車両のリヤシート後方の構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係るシートベルト装置の要部であるリトラクタ、カバー、及びベゼルの斜視図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係るシートベルト装置の要部であるリトラクタ、カバー、及びベゼルの断面図である。
【図4】台座本体の上端で台座蓋部が連結される前の状態を示すカバーの斜視図である。
【図5】ベゼルを裏面側から見た斜視図である。
【図6】ベゼルが台座に連結された状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<本実施の形態の構成>
図2には本発明の一実施の形態に係るシートベルト装置10の要部の構成が斜視図により示されており、図3にはシートベルト装置10の要部の構成が断面図により示されている。これらの図に示されるように、シートベルト装置10はリトラクタ12を備えている。リトラクタ12はフレーム14を備えている。フレーム14は厚さ方向が略車両上下方向に沿った板状の背板16を備えている。背板16は幅方向が略車両左右方向に沿っており、この背板16の幅方向両端部からは略車両下方へ向けて脚板18が延出されている。
【0019】
両脚板18の間には図3に示されるスプール20が配置されている。スプール20は軸方向が両脚板18の対向方向に沿った円筒状又は円柱形状に形成されており、その軸方向両端は上記の両脚板18に直接又は間接的に回転自在に支持されている。このスプール20には長尺帯状に形成されたウエビング22の長手方向基端部が係止されている。スプール20はその軸周りの一方である巻取方向に回転すると、ウエビング22をその長手方向基端側から巻き取って格納し、ウエビング22がその先端側へ引っ張られると、スプール20に巻き取られているウエビング22がスプール20から引き出されつつ、スプール20が巻取方向とは反対の引出方向に回転する。
【0020】
スプール20に対応してフレーム14の背板16には開口部24が形成されており、更に、この開口部24にはガイド部材26が嵌め込まれている。ガイド部材26にはガイド孔28が形成されており、スプール20から引き出されたウエビング22はガイド部材26のガイド孔28を通過して脚板18の上方へ引き出される。
【0021】
図1に示されるように、このリトラクタ12に対応してシートとしての車両のリヤシート30の後方に設けられたアッパシェル32には、リトラクタ設置部としての孔部34が形成されている。この孔部34にはカバー40が取り付けられる。図4に示されるように、カバー40は平面視で略矩形の底壁42を備えている。底壁42の外周部からは略車両上へ向けて周壁44が立設されている。周壁44は平面視で概ね略車両前方側へ向けて開口に沿った凹形状に形成されており、カバー40は全体的に略車両上方及び略車両前方へ向けて開口した箱形状とされている。カバー40はその上端部が孔部34の開口縁に沿うように孔部34に嵌め込まれている。
【0022】
このように、孔部34にカバー40が嵌め込まれた状態で、リトラクタ12の両脚板18と背板16の一部が略車両上方から孔部34を通過し、背板16がボルト46等の締結手段によってアッパシェル32に一体的に固定されている。このように、アッパシェル32に背板16が固定されたリトラクタ12は、略車両下方からカバー40に覆われることになる。このようにリトラクタ12が取り付けられたアッパシェル32は、図3に示されるように、略車両上方からパッケージトレイトリム52により覆われる。
【0023】
このパッケージトレイトリム52には孔部54が形成されている。孔部54はリトラクタ12から引き出されたウエビング22に対応して形成されており、ウエビング22は孔部54を通過して孔部54の表側に引き出されている。図3に示されるように、孔部54の略車両下方ではカバー40に台座62が形成されている。図4に示されるように、台座62は台座本体64を備えている。図3に示されるように、台座本体64は周壁44の上端部よりも車両上方で、周壁44の上端部とパッケージトレイトリム52との間の隙間を埋めるように形成されている。
【0024】
図4に示されるように、この台座本体64は周壁44の車両前後方向中間部よりも前側で周壁44の上端部に倣うように形成されており、平面視では略車両後方へ向けて開口した凹形状とされている。図3に示されるように、この台座本体64の車両上方には台座蓋部66が設けられている。台座蓋部66は板状に形成されており、台座本体64を車両上方から覆っている。
【0025】
台座本体64の車両前方側の端部にはインテグラルヒンジ68が形成されている。台座本体64上に台座蓋部66が配置された状態での台座蓋部66の車両前方側の端部はインテグラルヒンジ68を介して台座本体64に連結されている。図4に示される状態からインテグラルヒンジ68を中心に台座蓋部66が台座本体64に対して回動することで台座蓋部66が台座本体64上での所定位置に配置される。
【0026】
また、台座蓋部66の裏面(すなわち、台座本体64上の所定位置に台座蓋部66が設置された状態で台座蓋部66において台座本体64と対向する側の面)には嵌合爪70が形成されている。この嵌合爪70に対応して台座本体64の内周部には嵌合孔72が形成されており、上記のようにインテグラルヒンジ68を中心に台座蓋部66が回動して台座蓋部66が台座本体64上での所定位置に配置されると嵌合爪70が嵌合孔72に嵌合する。これにより、台座蓋部66の裏面が台座本体64の上端部から離間するような台座蓋部66の回動が規制される。
【0027】
このように、台座本体64に連結される台座蓋部66には開口部74が形成されている。この開口部74は内周形状がパッケージトレイトリム52の孔部54よりも小さく形成されており、リトラクタ12から引き出されたウエビング22が開口部74を通過する。
【0028】
以上の台座蓋部66の車両上方側にはベゼル90が設けられている。ベゼル90はベゼル本体92を備えている。ベゼル本体92は外周形状が概ね矩形状で外周縁近傍が台座蓋部66側へ向けて湾曲した皿状に形成されており、パッケージトレイトリム52において孔部54が形成された部分の表側(すなわち、パッケージトレイトリム52の台座62とは反対側)に設けられる。
【0029】
ベゼル本体92の外周形状はパッケージトレイトリム52に形成されている孔部54よりも大きく、パッケージトレイトリム52上の所定位置にベゼル本体92が配置された状態ではベゼル本体92が孔部54を上方から覆う。このベゼル本体92にはウエビング通過孔94が形成されている。ウエビング通過孔94は長手方向が概ね車両左右方向に沿ったスリット状に形成されており、台座蓋部66の開口部74やパッケージトレイトリム52の孔部54を通過したウエビング22がウエビング通過孔94を通過する。
【0030】
一方、ベゼル90を裏面側から見た斜視図である図5に示されるように、ベゼル本体92の裏面(ベゼル本体92においてパッケージトレイトリム52と対向する側の面)には爪部96が形成されている。爪部96はウエビング通過孔94の縁部のうち車両前方側に位置する部分から延出されており、図6に示されるように、開口部74の内周縁のうち、車両前方側に位置する部分に対して台座蓋部66の裏面側(パッケージトレイトリム52やベゼル本体92とは反対側)から爪部96が弾性的に係合している。
【0031】
また、図5に示されるように、爪部96よりも車両後方側ではベゼル本体92の裏面に爪部98が形成されている。図6に示されるように、開口部74の内周縁のうち、車両後方側に位置する部分に対して台座蓋部66の裏面側(パッケージトレイトリム52やベゼル本体92とは反対側)から爪部98が弾性的に係合している。このように、爪部96と爪部98とが開口部74の周縁部、すなわち、台座蓋部66に係合することでベゼル90が台座蓋部66(すなわち、台座62)に装着され、ベゼル本体92と台座蓋部66とでパッケージトレイトリム52を挟み込んでいる。
【0032】
なお、図1に示されるように、本シートベルト装置10が適用された車両では、リヤシート30を構成するシートバックの上部にヘッドレスト31が設けられており、ウエビング通過孔94を通過して車両前方側へ引き出されたウエビング22はヘッドレスト31の車両左右方向側方(本実施の形態ではヘッドレスト31の右側方)を通過している。
【0033】
<本実施の形態の作用、効果>
次に、本実施の形態の作用並びに効果について説明する。
【0034】
本シートベルト装置10では、リヤシート30に着座した乗員は、ウエビング通過孔94を通過した車両前方側へ引き出されているウエビング22を引っ張って、身体の前方側にウエビング22を掛け回した状態で、ウエビング22に設けられたタング(図示省略)をリヤシート30のシートクッション側に設けられたバックルに装着することでウエビング22が身体に装着される。
【0035】
ところで、上記のようにウエビング22を装着するに際してウエビング22を引っ張ると、ウエビング22はウエビング通過孔94の周縁部との摩擦でベゼル本体92を車両前方側へ引っ張ろうとする。ここで、本シートベルト装置10では、爪部96や爪部98が開口部74の内周縁に係合している。このため、ウエビング22にベゼル90が引っ張られた際の荷重は爪部96や爪部98を介して台座蓋部66が受け、更には、インテグラルヒンジ68や嵌合爪70を介して台座本体64が荷重を受ける。
【0036】
台座本体64や台座蓋部66により構成される台座62はカバー40に形成されており、この底壁42が周壁44とボルト46とによって略箱状に形成されているため、略板状とされたパッケージトレイトリム52の特に孔部54近傍部分に比べて剛性が高い。これにより、爪部96や爪部98が開口部74の周縁部を引っ張っても、台座蓋部66が変形し難く、爪部96や爪部98が開口部74の周縁部から外れ難い。このため、ウエビング22を引っ張ることでベゼル90が外れることを防止又は極めて効果的に抑制できる。
【0037】
また、台座蓋部66の板厚を大きくしても、パッケージトレイトリム52の板厚を全体的に大きくする場合に比べると車両の重量増加は小さくてすむ。このため、台座蓋部66の剛性自体を高くでき、この意味でも開口部74の周縁部から爪部96や爪部98を外れ難くでき、ウエビング22を引っ張ることでベゼル90が外れることを防止又は極めて効果的に抑制できる。
【0038】
さらに、このように、台座蓋部66の剛性を高くすることで爪部96や爪部98が開口部74の周縁部に係合する際に開口部74の周縁部が変形することがなく、爪部96や爪部98が開口部74の周縁部に係合した際の感触で爪部96や爪部98が開口部74の周縁部に嵌り込んだこと、すなわち、ベゼル90が台座蓋部66に結合されたことを確認できる。これにより、台座蓋部66に対するベゼル90の組付不良の発生を防止又は組付不良の発生を効果的に抑制できる。
【0039】
また、ベゼル90は上記のように台座蓋部66に取り付けられ、パッケージトレイトリム52はベゼル90と台座蓋部66とに挟み込まれているので、ベゼル90を取り付けた状態や、ウエビング22にベゼル90が引っ張られた状態でもパッケージトレイトリム52に大きな外力が付与されない。このため、パッケージトレイトリム52が不用意に撓んだりすることを防止又は効果的に抑制でき、パッケージトレイトリム52の意匠面が歪んだりすることを防止又は効果的に抑制できるうえ、パッケージトレイトリム52を更に薄くでき、車両の軽量化に大きく寄与する。
【0040】
さらに、ベゼル90の爪部96や爪部98が台座蓋部66における開口部74の周縁に係合することでベゼル90が台座蓋部66に取り付けられる。このため、パッケージトレイトリム52に形成された孔部54はベゼル本体92で覆って爪部96や爪部98が通過できればよく、孔部54の周縁部にベゼル90を取り付ける構成に比べると、孔部54の設定位置や形状に誤差が生じても、ベゼル90の取り付けに差し支えがない。このように、本実施の形態ではパッケージトレイトリム52の寸法精度等を厳格に設定しなくてもよく、この意味でコストを安価にできる。
【0041】
なお、本実施の形態では、台座蓋部66と台座本体64とをインテグラルヒンジ68で繋いだ構成であったが、台座蓋部66を台座本体64とは別体で構成して、単に嵌合爪70を嵌合孔72に嵌め込むことで台座蓋部66を台座本体64に一体的に連結する構成でもよい。しかしながら、上記のように台座蓋部66と台座本体64とをインテグラルヒンジ68で繋ぐことで台座蓋部66を台座本体64、ひいては、カバー40の一部として一体成形でき、部品点数の増加を抑制できるというメリットがある。
【0042】
また、台座蓋部66を予め台座本体64の上端部に一体成形して台座本体64の上端部を予め台座蓋部66で覆う構成でもよいが、本実施の形態のように台座蓋部66の上端部にインテグラルヒンジ68を取り付ける以前の状態で台座蓋部66の上端部が開放されていることで、カバー40の内側にリトラクタ12を入れやすいというメリットがある。
【符号の説明】
【0043】
10 シートベルト装置
12 リトラクタ
22 ウエビング
30 リヤシート(シート)
40 カバー
52 パッケージトレイトリム
62 台座
64 台座本体
66 台座蓋部
68 インテグラルヒンジ
90 ベゼル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート後方のパッケージトレイトリムの下側に設けられて、先端側が前記パッケージトレイトリムに形成された孔部を通過して前記シート側に引き出された長尺帯状のウエビングをその長手方向基端側から巻き取って格納するリトラクタと、
前記パッケージトレイトリムの下側に設けられて下方から前記リトラクタを覆うカバーと、
前記パッケージトレイトリムの孔部を上方から覆うと共に前記ウエビングが通過するベゼルと、
前記パッケージトレイトリムを介して前記ベゼルとは反対側で前記カバーに一体的に設けられ、前記ベゼルと共に前記パッケージトレイトリムを挟み込んだ状態で前記ベゼルが固定される台座と、
を備えるシートベルト装置。
【請求項2】
上端側が開口した箱形状に形成された前記カバーの上端部に沿って前記カバーから連続して形成された台座本体と、
前記台座本体の上端部に設けられ、前記台座本体を上方から覆った状態で前記台座本体に一体的に連結されて前記リトラクタから引き出された前記ウエビングが通過すると共に、前記ベゼルが装着される台座蓋部と、
を含めて前記台座を構成した請求項1に記載のシートベルト装置。
【請求項3】
前記台座本体と前記台座蓋部とを一体的に繋ぎ、前記台座蓋部が前記台座本体を上方から覆う位置へ向けて前記台座蓋部が前記台座本体に対して回動する際の回動中心となるインテグラルヒンジを備える請求項2に記載のシートベルト装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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