シート取付具およびシート取り付け方法
【課題】
本発明の目的は、コンクリート製の擁壁や法面に樹脂製シートを取り付ける際に、コンクリート面に埋め込んでもシート取付面がコンクリート等で汚れないシート取付具およびシート取り付け方法を提供することである。
【解決手段】
コンクリート面にシートを取り付けるためにコンクリートに埋め込む取付具であって、該取付具がコンクリートから露出する頭部と、コンクリートに埋め込まれた際にアンカーの役割を果たすアンカー部と、該頭部と該アンカー部とを接続する取次部からなり、該頭部に剥離可能な保護フィルムを具備することを特徴とする取付具。
本発明の目的は、コンクリート製の擁壁や法面に樹脂製シートを取り付ける際に、コンクリート面に埋め込んでもシート取付面がコンクリート等で汚れないシート取付具およびシート取り付け方法を提供することである。
【解決手段】
コンクリート面にシートを取り付けるためにコンクリートに埋め込む取付具であって、該取付具がコンクリートから露出する頭部と、コンクリートに埋め込まれた際にアンカーの役割を果たすアンカー部と、該頭部と該アンカー部とを接続する取次部からなり、該頭部に剥離可能な保護フィルムを具備することを特徴とする取付具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、コンクリート製の擁壁や法面に樹脂製シートを取り付ける際に用いるシート取付具およびシート取り付け方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
土木・建築分野において、コンクリートで成形した面に遮水シートなどの樹脂製シートを取り付けることが一般的に行われている。以前は、コンクリート面に直接、アンカーやネジなどを用いて樹脂製シートをコンクリート面に取り付けていたが、アンカーやネジとコンクリートとの接続部分から、水が漏れるという問題があった。
【０００３】
この問題の解決のために、特許文献１のように、コンクリート面を成形する際に樹脂製の取付具をあらかじめ埋め込んで、その取付具を介して樹脂製シートを取り付けることが提案されている。シートは、コンクリート面に埋め込まれた樹脂製の取付具に、ビス止めをしたり（特許文献１）、熱融着を行ったりして、樹脂製シートを取り付けると、水漏れを起こすことはない。
【０００４】
【特許文献１】特開２００８−２６７０１４号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかし、取付具をコンクリート面に埋め込む際、取付具の表面にコンクリートが付着することがあり、付着したコンクリートは固化して取付具の表面を覆ってしまい、取付具と樹脂製シートの連結にとって大きな障害となった。とりわけ、取付具に熱融着でシートを接続する際には、このコンクリート汚れは致命的な問題となった。
【０００６】
本発明の目的は、コンクリート製の擁壁や法面に樹脂製シートを取り付ける際に、コンクリート面に埋め込んでもシート取付面がコンクリート等で汚れないシート取付具およびシート取り付け方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明は、前記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
すなわち本発明は、コンクリート面に埋め込まれる取付具の、コンクリート面に露出する部分に、剥離可能な保護フィルムを具備させることを、その要旨とする。
【０００８】
請求項１記載の発明は、
コンクリート面にシートを取り付けるためにコンクリートに埋め込む取付具であって、該取付具がコンクリートから露出する頭部と、コンクリートに埋め込まれた際にアンカーの役割を果たすアンカー部と、該頭部と該アンカー部とを接続する取次部からなり、該頭部に剥離可能な保護フィルムを具備することを特徴とする取付具である。
【０００９】
取付具の頭部に剥離可能な保護フィルムを具備することで、頭部にコンクリート汚れが載ってしまってもコンクリートが凝固後に保護フィルムを剥がすことで、取付具の頭部に載ったコンクリート汚れを排除でき、取付具に容易にシートを取り付けることができる。
【００１０】
請求項２記載の発明は、前記保護フィルムが、ポリエチレンからなることを特徴とする請求項１記載の取付具である。
【００１１】
ポリエチレン製の取付具に用いる剥離可能な保護フィルムは、ポリエチレン製であれば密着性がよく、また、剥離が容易である。
【００１２】
請求項３記載の発明は、
前記取付具の頭部をフレッシュコンクリートから露出させて、フレッシュコンクリートに該取付具を埋め込む工程と、
フレッシュコンクリートを凝固させる工程と、
該取付具の頭部に具備した保護フィルムを剥離する工程と、
該取付具にシートを接続する工程とからなるコンクリートへのシート取り付け方法である。
【００１３】
請求項４記載の発明は、前記取付具をシートに接続する工程が、取付具とシートとの熱融着を含む請求項３記載のシート取り付け方法である。
【００１４】
請求項５記載の発明は、前記取付具をシートに接続する工程が、取付具とシートとの熱溶着を含む請求項３または４のいずれかに記載のシート取り付け方法である。
【発明の効果】
【００１５】
本発明による、取付具のコンクリート面に露出する頭部に、剥離可能な保護フィルムを具備することを特徴とする取付具を用いることで、コンクリート面に容易にシートを取り付けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１６】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本実施形態は、本発明を実施するための一形態に過ぎず、本発明は本実施形態によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更実施の形態が可能である。
【００１７】
本発明は、コンクリート面にシートを取り付けるためにコンクリートに埋め込む取付具であって、該取付具がコンクリートから露出する頭部と、コンクリートに埋め込まれた際にアンカーの役割を果たすアンカー部と、該頭部と該アンカー部とを接続する取次部からなり、該頭部に剥離可能な保護フィルムを具備することを特徴とする取付具である。
【００１８】
以下、本発明に用いる剥離可能な保護フィルムを具備する取付具を、図を用いて説明する。
図１は、本発明に用いる取付具の斜視図である。取付具は、コンクリート面に埋め込む際にコンクリート面に露出させる部分である頭部１と、コンクリート面に埋め込んだ際に容易に外れないようにアンカーの役割をするアンカー部２と、頭部とアンカー部との橋渡しをする取次部３から構成されている。
【００１９】
取付具の形状は、「頭部」「アンカー部」「取次部」から構成されればどのような形状でもよいが、とりわけ好適なのは断面形状でエ形である。特に、エ形の中でも頭部よりもアンカー部の幅が短いほうが、コンクリートを流し込んだ際にうまくコンクリートが流れ込むために、さらに好適である。
【００２０】
なお取付具の大きさは、頭部の幅が９ｃｍ程度、高さは４ｃｍ程度、長さは３ｍ程度が好適であるが、状況に応じて変更可能である。また、取付具は施工の際には延長方向に並べて使用され、必要に応じて切断して用いてもよい。
【００２１】
取付具の材質は樹脂製がよく、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。その中でも好適なのは、ポリエチレン製の取付具である。特にシートがポリエチレン製の場合には、同種の樹脂であるポリエチレン製の取付具が好適である。
【００２２】
図２は、図１の取付具に剥離可能な保護フィルムを具備した際の斜視図である。取付具の頭部１のコンクリート表面に露出する面には剥離可能な保護フィルム４を具備している。
【００２３】
剥離可能な保護フィルム４の材質は樹脂製がよく、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。その中でも好適なのは、ポリエチレン製の保護フィルムである。特に取付具がポリエチレン製の場合には、同種の樹脂であるポリエチレン製の保護フィルムが好適である。剥離可能な保護フィルムは、該取付具をコンクリート面設置して凝固させた後に、取付具の頭部より剥離させる。
【００２４】
図３は、剥離可能な保護フィルムを具備した取付具をコンクリート面に埋め込んだ際の断面図である。取付具の頭部１の上面がコンクリート５の表面と合うように設置する。コンクリート面の凝固後、保護フィルム４を連結部の頭部１より剥離する。保護フィルム４を剥離させることによりコンクリート打設の際に保護フィルム４上に付着したコンクリート汚れなどを排除でき、コンクリート面に新鮮な取付具の頭部４を露出させることができる。
【００２５】
図４は、保護フィルムを取付具より剥離した後、取付具の頭部にシートを接続した際の断面図である。取付具の頭部１より保護フィルムを剥離した後、露出した新鮮な取付具の頭部１に樹脂製のシートを接続する。接続方法は鋲打ち、ネジ止め、熱融着、熱溶着、接着剤による接着などの様々な方法が可能であるが、熱融着または熱溶着が好適である。熱融着または熱溶着でシートを取付具の頭部に接続する場合には、取付具頭部に剥離可能な保護フィルムを具備させるという本方法の効果がもっとも期待できる。
【００２６】
以下、熱融着によるシート取り付け方法として、具体的な例を示す。
図５は、取付具の頭部とシートとの間に熱風を送り、熱融着する際の断面図である。取付具の頭部１とシート４とを重ね合わせる際に、頭部１とシート４との間に熱風を送り、頭部１とシート４とを溶融させた状態にしてから、頭部１とシート４とを密着させて、頭部１とシート４とを融着する。取付具とシートが両者ともポリエチレン製である場合には、容易に融着可能である。
【００２７】
以下、熱溶着によるシート取り付け方法として、具体的な例を示す。
図６は、取付具の頭部とシートとを、押出熱溶着機により熱溶融した樹脂で熱溶着した際の断面図である。
前述の熱融着の取り付け強度に不足がある場合には、前述のように取付具の頭部１とシート４とを熱融着で取り付けた後、押出熱溶着機により熱溶融した樹脂で熱溶着により補強してもよい。また、前記の熱融着を行わずに熱溶着のみで取付具の頭部とシートとを接続させることもできる。
取付具とシートが両者ともポリエチレン製である場合には、押出熱溶着機に同種の樹脂であるポリエチレン製のストランドを充填し、押出熱溶着機ノズル９より押し出された溶融樹脂１０で、取付具の頭部１とシート６を熱溶着するとよい。
【産業上の利用可能性】
【００２８】
本発明の取付具を用いることにより、コンクリート面に容易に、かつ頑丈に樹脂製シートを取り付けることができ、廃棄物処理場などの漏水対策に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【００２９】
【図１】取付具の斜視図である。
【図２】図１の取付具に剥離可能な保護フィルムを具備した際の斜視図である。
【図３】剥離可能な保護フィルムを具備した取付具をコンクリート面に埋め込んだ際の断面図である。
【図４】保護フィルムを取付具より剥離した後、取付具の頭部にシートを接続した際の断面図である。
【図５】取付具の頭部とシートとの間に熱風を送り、熱融着する際の断面図である。
【図６】取付具の頭部とシートとを、押出熱溶着機により熱溶融した樹脂で熱溶着した際の断面図である。
【符号の説明】
【００３０】
１ 頭部
２ アンカー部
３ 取次部
４ 保護フィルム
５ コンクリート
６ シート
７ 熱風機ノズル
８ 熱風
９ 押出熱溶着機ノズル
１０ 溶融樹脂
【技術分野】
【０００１】
本発明は、コンクリート製の擁壁や法面に樹脂製シートを取り付ける際に用いるシート取付具およびシート取り付け方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
土木・建築分野において、コンクリートで成形した面に遮水シートなどの樹脂製シートを取り付けることが一般的に行われている。以前は、コンクリート面に直接、アンカーやネジなどを用いて樹脂製シートをコンクリート面に取り付けていたが、アンカーやネジとコンクリートとの接続部分から、水が漏れるという問題があった。
【０００３】
この問題の解決のために、特許文献１のように、コンクリート面を成形する際に樹脂製の取付具をあらかじめ埋め込んで、その取付具を介して樹脂製シートを取り付けることが提案されている。シートは、コンクリート面に埋め込まれた樹脂製の取付具に、ビス止めをしたり（特許文献１）、熱融着を行ったりして、樹脂製シートを取り付けると、水漏れを起こすことはない。
【０００４】
【特許文献１】特開２００８−２６７０１４号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかし、取付具をコンクリート面に埋め込む際、取付具の表面にコンクリートが付着することがあり、付着したコンクリートは固化して取付具の表面を覆ってしまい、取付具と樹脂製シートの連結にとって大きな障害となった。とりわけ、取付具に熱融着でシートを接続する際には、このコンクリート汚れは致命的な問題となった。
【０００６】
本発明の目的は、コンクリート製の擁壁や法面に樹脂製シートを取り付ける際に、コンクリート面に埋め込んでもシート取付面がコンクリート等で汚れないシート取付具およびシート取り付け方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明は、前記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
すなわち本発明は、コンクリート面に埋め込まれる取付具の、コンクリート面に露出する部分に、剥離可能な保護フィルムを具備させることを、その要旨とする。
【０００８】
請求項１記載の発明は、
コンクリート面にシートを取り付けるためにコンクリートに埋め込む取付具であって、該取付具がコンクリートから露出する頭部と、コンクリートに埋め込まれた際にアンカーの役割を果たすアンカー部と、該頭部と該アンカー部とを接続する取次部からなり、該頭部に剥離可能な保護フィルムを具備することを特徴とする取付具である。
【０００９】
取付具の頭部に剥離可能な保護フィルムを具備することで、頭部にコンクリート汚れが載ってしまってもコンクリートが凝固後に保護フィルムを剥がすことで、取付具の頭部に載ったコンクリート汚れを排除でき、取付具に容易にシートを取り付けることができる。
【００１０】
請求項２記載の発明は、前記保護フィルムが、ポリエチレンからなることを特徴とする請求項１記載の取付具である。
【００１１】
ポリエチレン製の取付具に用いる剥離可能な保護フィルムは、ポリエチレン製であれば密着性がよく、また、剥離が容易である。
【００１２】
請求項３記載の発明は、
前記取付具の頭部をフレッシュコンクリートから露出させて、フレッシュコンクリートに該取付具を埋め込む工程と、
フレッシュコンクリートを凝固させる工程と、
該取付具の頭部に具備した保護フィルムを剥離する工程と、
該取付具にシートを接続する工程とからなるコンクリートへのシート取り付け方法である。
【００１３】
請求項４記載の発明は、前記取付具をシートに接続する工程が、取付具とシートとの熱融着を含む請求項３記載のシート取り付け方法である。
【００１４】
請求項５記載の発明は、前記取付具をシートに接続する工程が、取付具とシートとの熱溶着を含む請求項３または４のいずれかに記載のシート取り付け方法である。
【発明の効果】
【００１５】
本発明による、取付具のコンクリート面に露出する頭部に、剥離可能な保護フィルムを具備することを特徴とする取付具を用いることで、コンクリート面に容易にシートを取り付けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１６】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本実施形態は、本発明を実施するための一形態に過ぎず、本発明は本実施形態によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更実施の形態が可能である。
【００１７】
本発明は、コンクリート面にシートを取り付けるためにコンクリートに埋め込む取付具であって、該取付具がコンクリートから露出する頭部と、コンクリートに埋め込まれた際にアンカーの役割を果たすアンカー部と、該頭部と該アンカー部とを接続する取次部からなり、該頭部に剥離可能な保護フィルムを具備することを特徴とする取付具である。
【００１８】
以下、本発明に用いる剥離可能な保護フィルムを具備する取付具を、図を用いて説明する。
図１は、本発明に用いる取付具の斜視図である。取付具は、コンクリート面に埋め込む際にコンクリート面に露出させる部分である頭部１と、コンクリート面に埋め込んだ際に容易に外れないようにアンカーの役割をするアンカー部２と、頭部とアンカー部との橋渡しをする取次部３から構成されている。
【００１９】
取付具の形状は、「頭部」「アンカー部」「取次部」から構成されればどのような形状でもよいが、とりわけ好適なのは断面形状でエ形である。特に、エ形の中でも頭部よりもアンカー部の幅が短いほうが、コンクリートを流し込んだ際にうまくコンクリートが流れ込むために、さらに好適である。
【００２０】
なお取付具の大きさは、頭部の幅が９ｃｍ程度、高さは４ｃｍ程度、長さは３ｍ程度が好適であるが、状況に応じて変更可能である。また、取付具は施工の際には延長方向に並べて使用され、必要に応じて切断して用いてもよい。
【００２１】
取付具の材質は樹脂製がよく、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。その中でも好適なのは、ポリエチレン製の取付具である。特にシートがポリエチレン製の場合には、同種の樹脂であるポリエチレン製の取付具が好適である。
【００２２】
図２は、図１の取付具に剥離可能な保護フィルムを具備した際の斜視図である。取付具の頭部１のコンクリート表面に露出する面には剥離可能な保護フィルム４を具備している。
【００２３】
剥離可能な保護フィルム４の材質は樹脂製がよく、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。その中でも好適なのは、ポリエチレン製の保護フィルムである。特に取付具がポリエチレン製の場合には、同種の樹脂であるポリエチレン製の保護フィルムが好適である。剥離可能な保護フィルムは、該取付具をコンクリート面設置して凝固させた後に、取付具の頭部より剥離させる。
【００２４】
図３は、剥離可能な保護フィルムを具備した取付具をコンクリート面に埋め込んだ際の断面図である。取付具の頭部１の上面がコンクリート５の表面と合うように設置する。コンクリート面の凝固後、保護フィルム４を連結部の頭部１より剥離する。保護フィルム４を剥離させることによりコンクリート打設の際に保護フィルム４上に付着したコンクリート汚れなどを排除でき、コンクリート面に新鮮な取付具の頭部４を露出させることができる。
【００２５】
図４は、保護フィルムを取付具より剥離した後、取付具の頭部にシートを接続した際の断面図である。取付具の頭部１より保護フィルムを剥離した後、露出した新鮮な取付具の頭部１に樹脂製のシートを接続する。接続方法は鋲打ち、ネジ止め、熱融着、熱溶着、接着剤による接着などの様々な方法が可能であるが、熱融着または熱溶着が好適である。熱融着または熱溶着でシートを取付具の頭部に接続する場合には、取付具頭部に剥離可能な保護フィルムを具備させるという本方法の効果がもっとも期待できる。
【００２６】
以下、熱融着によるシート取り付け方法として、具体的な例を示す。
図５は、取付具の頭部とシートとの間に熱風を送り、熱融着する際の断面図である。取付具の頭部１とシート４とを重ね合わせる際に、頭部１とシート４との間に熱風を送り、頭部１とシート４とを溶融させた状態にしてから、頭部１とシート４とを密着させて、頭部１とシート４とを融着する。取付具とシートが両者ともポリエチレン製である場合には、容易に融着可能である。
【００２７】
以下、熱溶着によるシート取り付け方法として、具体的な例を示す。
図６は、取付具の頭部とシートとを、押出熱溶着機により熱溶融した樹脂で熱溶着した際の断面図である。
前述の熱融着の取り付け強度に不足がある場合には、前述のように取付具の頭部１とシート４とを熱融着で取り付けた後、押出熱溶着機により熱溶融した樹脂で熱溶着により補強してもよい。また、前記の熱融着を行わずに熱溶着のみで取付具の頭部とシートとを接続させることもできる。
取付具とシートが両者ともポリエチレン製である場合には、押出熱溶着機に同種の樹脂であるポリエチレン製のストランドを充填し、押出熱溶着機ノズル９より押し出された溶融樹脂１０で、取付具の頭部１とシート６を熱溶着するとよい。
【産業上の利用可能性】
【００２８】
本発明の取付具を用いることにより、コンクリート面に容易に、かつ頑丈に樹脂製シートを取り付けることができ、廃棄物処理場などの漏水対策に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【００２９】
【図１】取付具の斜視図である。
【図２】図１の取付具に剥離可能な保護フィルムを具備した際の斜視図である。
【図３】剥離可能な保護フィルムを具備した取付具をコンクリート面に埋め込んだ際の断面図である。
【図４】保護フィルムを取付具より剥離した後、取付具の頭部にシートを接続した際の断面図である。
【図５】取付具の頭部とシートとの間に熱風を送り、熱融着する際の断面図である。
【図６】取付具の頭部とシートとを、押出熱溶着機により熱溶融した樹脂で熱溶着した際の断面図である。
【符号の説明】
【００３０】
１ 頭部
２ アンカー部
３ 取次部
４ 保護フィルム
５ コンクリート
６ シート
７ 熱風機ノズル
８ 熱風
９ 押出熱溶着機ノズル
１０ 溶融樹脂
【特許請求の範囲】
【請求項１】
コンクリート面にシートを取り付けるためにコンクリートに埋め込む取付具であって、該取付具がコンクリートから露出する頭部と、コンクリートに埋め込まれた際にアンカーの役割を果たすアンカー部と、該頭部と該アンカー部とを接続する取次部からなり、該頭部に剥離可能な保護フィルムを具備することを特徴とする取付具。
【請求項２】
前記保護フィルムが、ポリエチレンからなることを特徴とする請求項１記載の取付具。
【請求項３】
前記取付具の頭部をフレッシュコンクリートから露出させて、フレッシュコンクリートに該取付具を埋め込む工程と、
フレッシュコンクリートを凝固させる工程と、
該取付具の頭部に具備した保護フィルムを剥離する工程と、
該取付具にシートを接続する工程とからなるコンクリートへのシート取り付け方法。
【請求項４】
前記取付具をシートに接続する工程が、取付具とシートとの熱融着を含む請求項３記載のシート取り付け方法。
【請求項５】
前記取付具をシートに接続する工程が、取付具とシートとの熱溶着を含む請求項３または４のいずれかに記載のシート取り付け方法。
【請求項１】
コンクリート面にシートを取り付けるためにコンクリートに埋め込む取付具であって、該取付具がコンクリートから露出する頭部と、コンクリートに埋め込まれた際にアンカーの役割を果たすアンカー部と、該頭部と該アンカー部とを接続する取次部からなり、該頭部に剥離可能な保護フィルムを具備することを特徴とする取付具。
【請求項２】
前記保護フィルムが、ポリエチレンからなることを特徴とする請求項１記載の取付具。
【請求項３】
前記取付具の頭部をフレッシュコンクリートから露出させて、フレッシュコンクリートに該取付具を埋め込む工程と、
フレッシュコンクリートを凝固させる工程と、
該取付具の頭部に具備した保護フィルムを剥離する工程と、
該取付具にシートを接続する工程とからなるコンクリートへのシート取り付け方法。
【請求項４】
前記取付具をシートに接続する工程が、取付具とシートとの熱融着を含む請求項３記載のシート取り付け方法。
【請求項５】
前記取付具をシートに接続する工程が、取付具とシートとの熱溶着を含む請求項３または４のいずれかに記載のシート取り付け方法。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【公開番号】特開２０１０−１５６１６５（Ｐ２０１０−１５６１６５Ａ）
【公開日】平成２２年７月１５日（２０１０．７．１５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−３３５６５９（Ｐ２００８−３３５６５９）
【出願日】平成２０年１２月２９日（２００８．１２．２９）
【出願人】（０００２１９９１２）東京インキ株式会社 (120)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２２年７月１５日（２０１０．７．１５）
【国際特許分類】
【出願日】平成２０年１２月２９日（２００８．１２．２９）
【出願人】（０００２１９９１２）東京インキ株式会社 (120)
【Ｆターム（参考）】
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