説明

シート搬送装置

【課題】転写される画像に対するシートの幅方向位置を適正に補正することができるシート搬送装置を提供する。
【解決手段】シート搬送装置は、シート30を挟持してシート幅方向にシフトさせる制御ローラ1と、シート幅方向において一定間隔で配置され、シート30の一方の側縁位置を検出する基準センサ5A及びシート30の他方の側縁位置を検出する基準センサ5Bと、制御ローラ1によるシート30のシフトを制御する横レジ補正制御部3を有する。横レジ補正制御部3は、基準センサ5A,5Bの間の間隔と、シート30をシート幅方向でシフトさせたときの基準センサ5A,5Bのそれぞれによるシート検出タイミングとに基づいて、シート30の幅方向中心と予め定められた目標位置とが合致するように制御ローラ1をシフトさせることでシート30の幅方向位置を補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート搬送装置に関し、特に、画像形成装置において形成される画像に対するシートのシート幅方向位置を補正する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機やプリンタ等の画像形成装置には、画像との位置合わせや排紙後の紙束の整頓を目的として、搬送中のシートのシート幅方向位置(横レジ位置)を所定位置に合わせる制御が要求される。このような要求に対して、ラインセンサでシートの側縁位置を検知し、目標位置との距離の差だけ、シートを狭持しているローラをシート搬送方向に対して直交する方向にシフトさせる制御方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−189395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、搬送されるシートのシート幅方向位置補正に更なる精度の向上が求められており、従来の制御方法では、このような要求に対応できなくなってきている。
【0005】
例えば、上述の制御方法では、シートの一方の側縁位置(シートにおいてシート搬送方向に略平行な辺の一方の位置)を所定の目標位置に合わせ込む。そのため、シートの裁断精度や定着処理後のシートの収縮等に起因して実際のシート幅(シート搬送方向と直交し、シート面に平行な方向の幅)に規格値からのずれが生じている場合、シートに転写される幅方向の画像の中心とシートの中心とがずれてしまう。こうして転写される画像に対してシートが適切な位置からずれてしまうと、見栄えのよくない印刷物に仕上がってしまうという問題が生じる。
【0006】
本発明は、転写される画像に対するシートのシート幅方向位置や複数枚のシートを束ねる際の各シートのシート幅方向位置を適正に補正することができるシート搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るシート搬送装置は、搬送されるシートをシート面に平行でシート搬送方向に直交するシート幅方向にシフトさせることにより前記搬送されるシートの前記シート幅方向における位置を補正するシート搬送装置であって、前記搬送されるシートを前記シート幅方向でシフトさせるシフト手段と、前記シート幅方向において異なる位置に配置され、前記搬送されるシートの前記シート幅方向における一方の側縁位置を検出する第1の検出手段及び前記搬送されるシートの前記シート幅方向における他方の側縁位置を検出する第2の検出手段と、前記第1の検出手段と前記第2の検出手段との間の間隔と、前記搬送されるシートを前記シート幅方向にシフトさせたときの前記第1の検出手段による前記一方の側縁位置の検出タイミング及び前記第2の検出手段による前記他方の側縁位置の検出タイミングと、所定の規格幅とに基づいて、前記シート幅方向における前記搬送されるシートの中心が予め定められた目標位置に合致するように前記シフト手段を駆動する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、シート幅方向位置の補正対象となっているシートの幅について、規格値からのずれ及び微妙な変動を正確に検知することができる。こうして検知した情報に基づいてシートのシート幅方向位置を補正することで、画像形成部で形成される画像に対するシートのシート幅方向位置及び複数枚のシートを束ねる際の各シートのシート幅方向位置を適正に補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態に係るシート搬送装置を備える画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図2】本実施形態に係るシート搬送装置画像形成装置が有する横レジ補正部の詳細な構成を示す図である。
【図3】図2の横レジ補正部による、A4サイズのシートの横レジ補正のプロセスを模式的に示す図である。
【図4】シートの幅にA4サイズの規格幅からのずれがある場合のシートと基準センサとの位置関係を図3(B)の状態と対比して示す図である。
【図5】シートの幅にA4サイズの規格幅からのずれがある場合のシートに対して横レジ補正が施された状態を図3(C)の状態と対比して示す図である。
【図6】図2の横レジ補正部による、B5サイズのシートの横レジ補正のプロセスを模式的に示す図である。
【図7】シートの幅にB5サイズの規格幅からのずれがある場合のシートと基準センサとの位置関係を図3(B)の状態と対比して示す図である。
【図8】シートの幅にB5サイズの規格幅からのずれがある場合のシートに対して横レジ補正が施された状態を図3(C)の状態と対比して示す図である。
【図9】図2の横レジ補正制御部におけるパルス出力制御を示すタイミングチャートである。
【図10】図2の横レジ補正制御部による横レジ補正制御の第1のフローチャートである。
【図11】図2の横レジ補正制御部による横レジ補正制御の第2のフローチャートである。
【図12】図2の横レジ補正制御部による横レジ補正制御の第3のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。本発明に係るシート搬送装置は、例えば、画像形成装置においてシートに転写される画像に対するシートのシート幅方向位置補正(以下「横レジ補正」という)を行うものである。そこで、本実施形態では、本発明に係るシート搬送装置を備える画像形成装置について説明することとする。
【0011】
<画像形成装置の概略構造>
図1は、本実施形態に係るシート搬送装置を備える画像形成装置の概略構成を示す図である。画像形成装置は、シート30に画像を形成する画像形成部300と、画像形成部300にシート30を給送するシート給送部301とを備える。
【0012】
画像形成部300は、感光ドラム16、レーザスキャナ4、帯電器20、現像器22及びクリーナ26を有する。像担持体である感光ドラム16は、不図示のモータによって図1中に示される矢印B方向(反時計回り)に回転駆動される。レーザスキャナ4は、画像情報に基づいてレーザ光を感光ドラム16に照射し、感光ドラム16上に静電潜像を形成する。
【0013】
帯電器20は、感光ドラム16を一様に帯電させる。帯電器20は、感光ドラム16の回転方向において、レーザスキャナ4によるレーザ光照射位置よりも上流側に設けられている。現像器22は、感光ドラム16上に形成された静電潜像をトナーによって現像し、トナー画像を形成させる。現像器22は、感光ドラム16の回転方向において、レーザ光照射位置よりも下流側に配置されている。クリーナ26は、後述の一次転写帯電器24により感光ドラム16から転写ベルト14に転写されずに感光ドラム16上に残ったトナーを回収する。
【0014】
画像形成部300は、転写ベルト14、一次転写帯電器24及び二次転写ローラ28を有する。転写ベルト14は、無端状で、ローラ12に巻き付けられており、ローラ12の回転に従い、図1に示される矢印A方向に回転する。一次転写帯電器24は、転写ベルト14を介して感光ドラム16と対向する位置に配置されている。一次転写帯電器24は、感光ドラム16上に形成されたトナー画像31を転写ベルト14に転写する。二次転写ローラ28は、転写ベルト14に転写されたトナー画像31をシート30に転写する。
【0015】
シート給送部301は、カセット50及びシート搬送装置302を有する。カセット50は、画像形成装置の本体部(不図示)に着脱自在であり、シート30を収容する。シート30の具体例としては、記録用紙、OHPシート等が挙げられる。シート30は、給紙ローラ51によって、カセット50から画像形成部300に向けて給送される。
【0016】
シート搬送装置302は、シート給送部301と画像形成部300との間に設けられている。給紙ローラ51によりカセット50から取り出されたシート30は、搬送ローラ52及びレジ前ローラ53により斜行補正部303へ送られる。
【0017】
シート30の斜行補正を行う斜行補正部303は、斜行補正制御部9、一対の斜行補正ローラ2、及び一対の先端検知センサ6を有する。先端検知センサ6は、本実施形態では、シート30の幅方向(シート搬送方向に直交し、且つ、シート面に平行な方向)に所定の間隔で配置されており、シート30の先端辺のシート幅方向に対する傾きを検知する。
【0018】
斜行補正制御部9は、先端検知センサ6からの信号に基づいてシート30の傾きを算出し、斜行補正ローラ2の制御パルスを斜行補正ローラ2のドライバ(不図示)に出力する。斜行補正ローラ2はそれぞれ、シート幅方向に所定の間隔で配置されている。ドライバは、受信した制御パルスに従い、斜行補正ローラ2の回転速度をそれぞれ独立して駆動制御する。これによりシート30の斜行が補正される。
【0019】
シート30は、斜行補正部303から横レジ補正部304へ搬送される。横レジ補正部304では、シート30の横レジ補正が行われる。横レジ補正部304は、横レジ制御ローラ(以下「制御ローラ」)1、一対の横レジ基準センサ(以下「基準センサ」)5、横レジ補正タイミングセンサ(以下「タイミングセンサ」)10及び横レジ補正制御部3を有する。
【0020】
シートのシート幅方向位置(以下「横レジ位置」という)は、シート30を挟持した制御ローラ1をシート幅方向にシフトさせることによって、補正される。タイミングセンサ10は、搬送されるシート30の先端を検出する先端検出手段である。タイミングセンサ10によるシート30の検出信号に基づいて、横レジ補正制御部3は、横レジ補正を開始するタイミングを決定する。詳細は後述するが、基準センサ5によるシート30の検出信号に基づいて、横レジ補正制御部3は、シート30の横レジ位置を補正するための制御ローラ1のシフト距離を求め、制御ローラ1のシフト動作を制御する。
【0021】
横レジ補正制御部3は、基準センサ5及びタイミングセンサ10からの信号に基づいて、制御ローラ1のシフト動作を制御するための駆動パルスを、制御ローラ1のドライバ(不図示)に出力する。ドライバは、受信した駆動パルスに従い、制御ローラ1のシャフト(不図示)を駆動する。これによりシート30の横レジが補正される。
【0022】
このような斜行補正と横レジ補正によって、転写ベルト14上のトナー画像31に対するシート30の姿勢と位置の精度が高められる。なお、横レジ補正部304におけるシート30の横レジ補正の詳細な態様については後に説明する。
【0023】
シート30は、横レジ補正部304から二次転写ローラ28と転写ベルト14との間に向けて搬送され、そこで、転写ベルト14上のトナー画像がシートに転写される。
【0024】
画像制御部7は、レーザスキャナ4からレーザ光検知信号を受信し、受信したレーザ光検知信号に同期してレーザスキャナ4に画像データに応じた画像パルスを送信する。レーザ光検知信号は、レーザスキャナ4に内蔵されたレーザ光を偏向するポリゴンミラーで反射されたレーザ光がレーザ光検知センサ(不図示)で検知されたときに発せられる。コントローラ8は、不図示のPCやリーダから送信される画像データを一時的に格納し、画像制御部7からの画像要求信号と水平同期信号とに基づいて、画像データを画像制御部7に送信する。
【0025】
なお、画像制御部7は、レーザ光検知信号に基づいて水平同期信号を生成する。また、画像制御部7は、例えば、装置全体のシーケンスを行うCPU(不図示)のトリガ信号を受信して、画像要求信号を生成する。コントローラ8は、画像要求信号を基準として、所定数の水平同期信号がカウントされてから、画像データを水平同期信号に同期させて、所定ライン数分ごとに画像制御部7に送信する。画像データは、画像制御部7において、そのデータレベルに応じたパルス幅を有する画像パルスに変換される。
【0026】
<画像形成装置での画像形成動作>
画像制御部7は、画像形成を行うことを示すトリガ信号をCPU(不図示)から受信すると、画像要求信号をコントローラ8に出力する。コントローラ8は、この画像要求信号に基づいて、画像データを水平同期信号に同期させて、画像制御部7に送信する。画像制御部7は、受信した画像データに応じた画像パルスをレーザスキャナ4に送信する。
【0027】
レーザスキャナ4は、受信した画像パルスに対応したレーザ光、或いは不図示の画像メモリからのデータに対応した画像データに基づいて変調されたレーザ光を、図1に示される矢印B方向に回転する感光ドラム16上に照射する。このとき、感光ドラム16は、予め帯電器20により一様に帯電されている。よって、レーザ光が照射されることによって感光ドラム16上に静電潜像が形成される。
【0028】
静電潜像は現像器22により現像され、これによりトナー画像が形成される。感光ドラム16上に形成されたトナー画像は、一次転写帯電器24によって印加される一次転写バイアス電圧の作用によって、転写ベルト14上に転写される。
【0029】
一方、CPUから発せられるトリガ信号に同期して、シート30がカセット50から給紙ローラ51により画像形成部300に送り出される。このトリガ信号は、二次転写時にトナー画像31に対してシート30の位置が適切に合うタイミングで発せられる。シート30は、2カ所に配置された搬送ローラ52を経て、レジ前ローラ53に搬送される。搬送ローラ52のそれぞれの近傍にはシート30を検知するセンサ(不図示)が配置されている。CPUは、これらのセンサからのシート通過検知信号に基づいて、駆動制御部(不図示)を通じて搬送ローラ52を駆動する。
【0030】
シート30は、レジ前ローラ53により斜行補正部303に搬送される。シート30の斜行は、斜行補正部303を通過する際に補正される。斜行補正部303では、斜行補正制御部9が、シート30の先端を検知した先端検知センサ6の時間差を斜行量として算出する。斜行補正制御部9は、シート幅方向に一定の間隔で配置された一対の斜行補正ローラ2のうち、先行する方のローラを減速させることによって斜行補正を行う。なお、斜行補正制御部9は、減速時間領域における定速度と減速目標速度との速度差の積分値が斜行量となるように、減速目標速度を算出する。
【0031】
斜行補正部303において斜行補正が施されたシート30は横レジ補正部304に搬送される。横レジ補正部304では、シート30に対する横レジ補正が行われる。横レジ補正部304の構成及び横レジ補正制御については、後に詳細に説明する。
【0032】
横レジ補正部304を抜けたシート30は、転写ベルト14と二次転写ローラ28との間に挟まれて更に搬送され、その際に転写ベルト14上のトナー画像31が二次転写ローラ28によりシート30に転写される。その後、シート30は、定着部(不図示)に搬送される。定着部では、加熱及び加圧により、トナー画像31がシート30に定着される。
【0033】
<横レジ補正部の構成と動作>
図2は、横レジ補正部304の詳細な構成を示す図である。図2において破線で囲まれた部分は、図1に示される横レジ補正制御部3である。また、横レジ補正制御部3におけるパルス出力制御を示すタイミングチャートを図9に示す。図2に関する以下の説明おいて、適宜、図9を参照する。
【0034】
図1に示した一対の基準センサ5を、図2では、第1の検出手段である基準センサ5Aと、第2の検出手段である基準センサ5Bで示している。本実施形態では、基準センサ5A,5Bの配置間隔を‘275mm’としている。この‘275mm’は、A4サイズの幅‘297mm’とB5サイズの幅‘257mm’のほぼ中間の値である。
【0035】
斜行補正部303において、斜行補正が施されたシート30の先端は、制御ローラ1によって搬送されている途中で、タイミングセンサ10により検知される。基準センサ5A,5B及びタイミングセンサ10はそれぞれ、シート30を検知しているON状態では‘1’の信号を出力し、シート30を検知していないOFF状態では‘0’の信号を出力する。
【0036】
後述する予備シフト動作及び横レジ補正動作の際には、基準センサ5Aはシート30の一方の側縁位置(サイドエッジ)、つまり、シート30においてシート搬送方向と略平行な基準センサ5A側の辺を検出することで、ON状態とOFF状態とが切り替わる。同様に、基準センサ5Bは、シート30の他方のサイドエッジ(シート30においてシート搬送方向と略平行な基準センサ5B側の辺)を検出することでON状態とOFF状態とが切り替わる。
【0037】
横レジ補正制御部3では、トリガ生成部100が、タイミングセンサ10から‘1’の信号を受信したときに、基準センサ5A,5Bの各状態を判断する。図2においてシート30が(1)の状態にあるとき、基準センサ5AはOFF状態であり、基準センサ5BはON状態である。このとき、トリガ生成部100には、インバータ200とアンドゲート201を介して‘0’の信号が入力される。
【0038】
トリガ生成部100は、タイミングセンサ10から‘1’の信号を受信したときにアンドゲート201からの信号が‘0’であると判断すると、予備シフト開始信号をパルス生成部101に送信する(図9の時刻t1)。予備シフト開始信号は、図2中の(1)の状態のシート30を矢印R方向にシフトする予備シフト動作を制御ローラ1に実行させるための信号である。予備シフト動作は、図2中の(2)に示されるように基準センサ5AがON、基準センサ5BがOFFとなるように、シート30を挟持した制御ローラ1を矢印R方向にシフトさせる動作である。
【0039】
パルス生成部101は、予備シフト開始信号を受けて、駆動パルスと、CW(正転)/CCW(逆転)信号としての‘0’とを、制御ローラ1をシフトさせるモータ41を駆動するドライバ40に出力する。このとき、パルス生成部101は、1秒あたりのパルスレートが‘P0’から‘P1’に遷移していくようにモータ41の駆動パルスを生成する(図9の時刻t1〜t2)。CW/CCW信号は、モータ41の駆動を制御する信号である。
【0040】
ドライバ40は、パルスとCW/CCW信号‘0’を受信して、モータ41を回転させる。ここで、制御ローラ1のシャフトは、連結部材44によってベルト42と連結されており、ベルト42は、モータ41のシャフトと掛け軸43との間に掛け渡されている。モータ41を回転させるとベルト42が回転し、制御ローラ1のシャフトをその長さ方向においてスライドさせる。つまり、モータ41のシャフトの回転変位を制御ローラ1の直線変位に変換することによって、制御ローラ1のシート幅方向でのシフト動作が実現される。予備シフト動作では、モータ41の回転に従って、制御ローラ1を矢印R方向にシフトさせる。
【0041】
予備シフト動作は、基準センサ5AがON状態となり、且つ、基準センサ5BがOFF状態になるまで行われる。基準センサ5AがON状態であり、且つ、基準センサ5BがOFF状態になると、アンドゲート201からの出力は‘1’となる。トリガ生成部100は、アンドゲート201からの出力‘1’を受けて、予備シフト停止信号をパルス生成部101に送信する(図9の時刻t3)。
【0042】
パルス生成部101は、予備シフト停止信号を受信すると、1秒あたりのパルスレートが‘P1’から‘P0’に遷移していくようにモータ41の駆動パルスを生成する(図9の時刻t3〜t4)。こうして予備シフト動作は終了する。予備シフト動作の結果、シート30は図2中の(2)の状態、すなわち、シート30における基準センサ5A側のサイドエッジは、必ず、基準センサ5Aを超えて矢印R方向に進んだ状態となる。
【0043】
予備シフト動作の終了後、予備シフト動作におけるシート30のシフト方向とは反対の方向に制御ローラ1を一定距離だけシフトさせることでシート30の横レジ位置を補正する横レジ補正動作が行われる。トリガ生成部100は、横レジ補正動作の開始を指示する横レジシフト開始信号をパルス生成部101に送信する。パルス生成部101は、横レジシフト開始信号を受けて、パルスとCW/CCW信号‘1’を出力する(図9の時刻t5)。
【0044】
このとき、パルス生成部101は、1秒あたりのパルスレートが‘P0’から‘P2’に遷移していくようにモータ41の駆動パルスを生成する(図9の時刻t5〜t6)。これにより、前述した制御ローラ1のシフト駆動に係る駆動伝達機構が動作することによって、シート30は制御ローラ1と共に矢印L方向(横レジシフト方向)にシフトする。
【0045】
本実施形態では、シート30の基準センサ5A側のサイドエッジが基準センサ5Aを通過することで基準センサ5AがOFF状態となる前に、パルスレートを‘P2’に到達させることで、シート30のシフト速度を一定速度に到達させる。
【0046】
時刻t6以降のシート30の横レジ補正については、シート30の幅と基準センサ5A,5Bの間隔との関係によって異なるため、以下、場合分けして説明する。但し、いずれの場合も、転写ベルト14上の幅方向におけるトナー画像31の中心とシート30の中心とを合わせる。本実施形態では、基準センサ5Aからシート幅方向に180mm離れた位置を横レジ目標位置として、この横レジ目標位置にシート30の幅方向中心がくるように、制御ローラ1のシフト制御が行われる。
【0047】
《A4サイズのシートの横レジ補正》
シート30がA4サイズの場合について、更に図3を参照しながら説明する。先ず、シート30のサイズがA4サイズの規格値と一致する場合について説明する。
【0048】
図3は、A4サイズのシート30の横レジ補正のプロセスを模式的に示す図である。A4サイズのシート幅は297mmであり、基準センサ5A、5Bの間隔275mmよりも長い。よって、図3(A)に示されるように、矢印L方向(横レジシフト方向)へのシート30のシフト中に基準センサ5Bがシート30のサイドエッジを検出したとき、基準センサ5Aはシート30を検知したままである。
【0049】
基準センサ5A,5Bからの出力が共に‘1’になると、アンドゲート202からの出力は‘1’になる。一方、図2に示されるように、トリガ生成部100から出力された横レジシフト開始信号は、ON/ONカウンタ102にも入力されている。ON/ONカウンタ102は、横レジシフト開始信号の入力により、スタンバイ状態となっている。ON/ONカウンタ102は、アンドゲート202からの出力‘1’をイネーブル信号として、パルスのカウントを開始する。
【0050】
その後、シート30のシフトが進み、図3(B)の状態になると、基準センサ5AがON状態からOFF状態へと変わるシートエッジの検出タイミングで基準センサ5Aからの出力が‘0’になり、これによって、アンドゲート202からの出力は‘0’になる。ON/ONカウンタ102は、アンドゲート202からの出力‘0’を受けて、パルスのカウントを止める。
【0051】
図3(B)に示されるように、シート30の幅がA4サイズの規格値である297mmと合致していれば、基準センサ5Bからシート30の基準センサ5B側のサイドエッジまでの距離は22mmとなる。よって、ON/ONカウンタ102のカウント値は、22mmを1パルスあたりのシート30のシフト距離で除した値となる。例えば、1パルスあたりのシート30のシフト距離を0.05mmとすると、カウント値は‘440(=22/0.05)’となる。このように、本実施形態では、横レジ補正動作において制御ローラ1をシフトさせる距離(シート30をシフトさせる距離)は、1パルスあたりの制御ローラ1のシフト距離と、モータ41を駆動するパルス数であるカウント値とによって規定される。
【0052】
ON/ONカウンタ102は、横レジ補正動作中に基準センサ5A,5Bが共にONとなる距離(検出距離)を示すこのカウント値を、ON/ONパルス数として、シフトパルス数調整部105に対して出力する。シフトパルス数調整部105は、ON/ONカウンタ102からのON/ONパルス数を受けて、パルス生成部101に対して調整横レジシフトパルス数を、以下の通りに出力する。
【0053】
すなわち、シフトパルス数調整部105には、コントローラ8から、ON/ON規格パルス数及びOFF/OFF規格パルス数が搬送されるシートのサイズに応じて配信されている。
【0054】
ON/ON規格パルス数は、あるサイズの規格幅通りのサイズのシートが搬送された場合に、横レジ補正動作中に基準センサ5A,5Bが共にONとなっている期間のパルス数である。なお、1パルスあたりのシートのシフト距離は一定であるので、ON/ON規格パルス数は、横レジ補正動作中に基準センサ5A,5Bが共にONとなる距離(規格検出距離)を示す。
【0055】
同様に、OFF/OFF規格パルス数は、あるサイズの規格幅通りのサイズのシートが搬送された場合に、横レジ補正動作中に基準センサ5A,5Bが共にOFFとなっている期間のパルス数である。なお、1パルスあたりのシートのシフト距離は一定であるので、OFF/OFF規格パルス数は、横レジ補正動作中に基準センサ5A,5Bが共にOFFとなる距離(規格非検出距離)を示す。
【0056】
したがって、A4サイズのシートが搬送されるときは、ON/ON規格パルス数として前述の‘440’が、OFF/OFF規格パルス数として‘0’がそれぞれ、シフトパルス数調整部105に配信される。
【0057】
一方、シフトパルス数調整部105には、コントローラ8から、横レジシフトパルス数が配信されている。横レジシフトパルス数は、規格幅に合致したシートをシフトする場合の基準センサ5Aからのシートサイズに応じたシフト距離(規格シフト距離)を表す。
【0058】
このような状況の下、シフトパルス数調整部105は、ON/ONカウンタ102からON/ONパルス数を受信すると、ON/ON規格パルス数との比較(つまり、検出距離と規格検出距離との比較)を行う。シフトパルス数調整部105は、これらのパルス数が一致する場合、横レジ補正動作中のシートの幅は規格幅に一致していると判断する。ここでは、ON/ONパルス数‘440’とON/ON規格パルス数‘440’とが同じであるため、シート30の幅がA4サイズの規格幅に一致していると判断する。
【0059】
シート30の幅がA4サイズの規格幅と一致する場合、図3(C)に示されるように、幅方向におけるトナー画像の中心は基準センサ5Aから180mm離れた位置にくる。よって、幅方向におけるA4サイズのシート30の中心とトナー画像の中心とを合致させるためには、シート30の基準センサ5A側のサイドエッジを基準センサ5Aから31.5mm(規格シフト距離)の位置に合わせればよい。
【0060】
そこで、横レジシフトパルス数として‘630(=31.5mm/0.05mm)’が設定される。シート30の幅がA4サイズの規格幅に一致している場合、シフトパルス数調整部105は横レジシフトパルス数の調整を行わず、調整横レジシフトパルス数として‘630’をパルス生成部101に送信する。
【0061】
パルス生成部101は、シート30の横レジ補正開始後、インバータ206を介して送信される基準センサ5AがOFF状態であることを示す‘0’の信号を基準として、自らが出力しているパルスのカウントを開始している。パルス生成部101は、アンドゲート207から出力される‘1’の信号を受信したタイミングで、調整横レジシフトパルス数をラッチする(図9の時刻t7)。なお、図9の時刻t7では、基準センサ5AがOFFする検出タイミングで(基準センサ5BはON状態)、アンドゲート207から‘1’の信号が出力される。
【0062】
パルス生成部101は、その後、パルスのパルスレートを図9に示されるように‘P2’から下げることで、シート30(制御ローラ1)のシフト速度を下げる。そして、カウント中のパルス数が調整横レジシフトパルス数‘630’と一致した時点(図9の時刻t8)でパルスの出力を停止する。図9におけるパルスレートのタイミングチャートに示される斜線部Sは、シート30の基準センサ5A側のサイドエッジが基準センサ5Aを通過してからのパルス数‘630’に相当する。このパルス数‘630’に1パルスあたりの距離(0.05mm)を乗じた値は31.5mmとなる。こうして、図3(C)に示される状態が実現され、シート30の横レジ補正動作は終了する。
【0063】
次に、シート30の実際の幅に裁断誤差や定着後の収縮等によって規格幅からのずれがある場合、つまり、シート30の実際のシート幅と規格幅とが合致しない場合について説明する。なお、シート30の両面に画像を形成するときの2面目の画像形成時には、シート30の幅が定着処理による収縮によって規格幅と合致しない場合がある。
【0064】
図4は、A4サイズのシート30の幅がA4サイズの規格幅に一致していない場合のシート30と基準センサ5Bとの位置関係を、図3(B)の状態と対比して示す図である。また、図5は、A4サイズのシート30の幅がA4サイズの規格幅に一致していない場合のシート30に対して横レジ補正が施された状態を図3(C)の状態と対比して示す図である。なお、図4には基準センサ5Bの近傍のみを示し、図5には基準センサ5Aの近傍のみを示している。
【0065】
図4の状態では、不図示であるが、シート30の基準センサ5A側のサイドエッジは基準センサ5Aに合っている(図3(B)参照)。シート30の幅が規格値よりもΔD1mmだけ短いと、ON/ONカウンタ102が出力するON/ONパルス数は、前述の‘440’よりも‘ΔD1/0.05’だけ少なくなる。このON/ONパルス数‘440−ΔD1/0.05’は、シフトパルス数調整部105に送信される。
【0066】
シフトパルス数調整部105は、ON/ONパルス数‘440−ΔD1/0.05’とON/ON規格パルス数‘440’とを比較し、その結果、シート30の幅方向長さが規格値よりも短いと判断する。この場合、必要なシフト距離は31.5mm+ΔD1/2mmであるので、調整横レジパルス数として‘630’よりも‘(ΔD1/2)/0.05’だけ多いパルス数をパルス生成部101に送信する。
【0067】
これにより、図5に示される通り、基準センサ5A側のシートエッジが基準センサ5Aから31.5mm+ΔD1/2mmの位置に合わせ込まれる。こうして、シート30の幅が規格値の場合と同様に、基準センサ5Aから180mm離れた位置において、幅方向におけるトナー画像の中心とシート30の中心とが合致する。
【0068】
一方、図4に示されるように、シート30の幅が規格値よりもΔD2mmだけ長い場合、ON/ONカウンタ102が出力するON/ONパルス数は、前述の‘440’パルスよりも‘ΔD2/0.05’だけ多くなる。このパルス数‘440+ΔD2/0.05’は、シフトパルス数調整部105に送信される。シフトパルス数調整部105は、ON/ONパルス数‘440+ΔD2/0.05’とON/ON規格パルス数‘440’とを比較する。
【0069】
シフトパルス数調整部105は、シート30の幅方向長さが規格値よりも長いと判断して、調整横レジパルス数として‘630’よりも‘(ΔD2/2)/0.05’だけ少ないパルス数をパルス生成部101に送信する。これにより、図5に示されるように、基準センサ5A側のシートエッジが基準センサ5Aから31.5mm−ΔD2/2mmの位置に合わせ込まれる。こうして、シート30の幅が規格値に一致する場合と同様に、基準センサ5Aから180mm離れた位置において、幅方向におけるトナー画像の中心とシート30の中心とが合致する。
【0070】
《B5サイズのシートの横レジ補正》
シート30がB5サイズの場合について、図6を参照しながら説明する。図6は、B5サイズのシート30の横レジ補正のプロセスを模式的に示す図である。B5サイズのシート30の幅は257mmであり、基準センサ5A、5Bの間隔275mmよりも短い。この場合、図6(A)に示されるように、シート30の横レジ補正動作中に基準センサ5AがOFFになる瞬間において、基準センサ5BはOFF状態のままである。
【0071】
トリガ生成部100から出力された横レジシフト開始信号は、OFF/OFFカウンタ103にも入力されている(図2参照)。また、OFF/OFFカウンタ103は、横レジシフト開始信号の入力によりスタンバイ状態となっている。
【0072】
基準センサ5A,5Bからの出力が共に‘0’であるとき、インバータ203,204を介したアンドゲート205からの出力は‘1’である。OFF/OFFカウンタ103は、アンドゲート205からの出力‘1’をイネーブル信号として、パルスのカウントを開始する。
【0073】
その後、シート30のシフトが進み、図6(B)に示されるように、基準センサ5BがONすると、アンドゲート205からの出力は‘0’になる。OFF/OFFカウンタ103は、アンドゲート205からの出力‘0’を受けて、パルスのカウントを止める。
【0074】
図6(B)に示されるように、シート30の幅がB5サイズの規格値257mmと合致していれば、基準センサ5Aからシート30の基準センサ5A側のシートエッジまでの距離は18mm(非検出規格距離)となる。よって、OFF/OFFカウンタ103のカウント値は、18mmを1パルスあたりのシート30の移動距離で除した値となる。前述の通り、1パルスあたりのシート30の移動距離は、前述の通り0.05mmなので、OFF/OFFカウンタ103が出力するカウント値は‘360(=18/0.05)’となる。
【0075】
OFF/OFFカウンタ103は、横レジ補正動作中に基準センサ5A,5Bが共にOFFとなる距離(非検出距離)を示すこのカウント値を、OFF/OFFパルス数として、シフトパルス数調整部105に出力する。シフトパルス数調整部105は、OFF/OFFパルス数を受けて、パルス生成部101に対して調整横レジシフトパルス数を、以下の通りに出力する。
【0076】
B5サイズのシートが搬送されるときは、シフトパルス数調整部105には、CPU(不図示)から、OFF/OFF規格パルス数として‘360’が、ON/ON規格パルス数として‘0’が配信されている。シフトパルス数調整部105は、OFF/OFFカウンタ103から、OFF/OFFパルス数を受信すると、OFF/OFF規格パルス数との比較(つまり、非検出距離と規格非検出距離との比較)を行う。シフトパルス数調整部105は、これらのパルス数が一致する場合、横レジ補正動作中のシートの幅は規格幅に一致していると判断する。ここでは、OFF/OFFパルス数‘360’とOFF/OFF規格パルス数‘360’とが同じであるため、シート30がB5サイズの規格幅に一致していると判断する。
【0077】
図6(C)に示されるように、幅方向におけるトナー画像の中心は基準センサ5Aから180mm離れた位置にくる。よって、幅方向においてB5サイズのシート30の中心とトナー画像の中心とを合致させるためには、シート30の基準センサ5A側のサイドエッジを基準センサ5Aから51.5[mm]のところに合わせればよい。
【0078】
よって、横レジシフトパルス数としては‘1030(=51.5/0.05)’が設定される。B5サイズのシート30の幅がB5サイズの規格幅に一致している場合、シフトパルス数調整部105は横レジシフトパルス数の調整を行わず、調整横レジシフトパルス数として‘1030’をパルス生成部101に送信する。
【0079】
パルス生成部101は、シート30の横レジシフト開始後、インバータ206を介して送信される基準センサ5AがOFF状態であることを示すレベル‘0’の信号を基準として、自らが出力しているパルスのカウントを開始している。パルス生成部101は、アンドゲート207から出力される‘1’の信号を受信したタイミングで、調整横レジシフトパルス数をラッチする(図9の時刻t7)。
【0080】
パルス生成部101は、その後、パルスのパルスレートを図9に示されるように‘P2’から下げていき、カウント中のパルス数が調整横レジシフトパルス数‘1030’と一致した時点(図9の時刻t8)でパルスの出力を停止する。図9においてパルスレートのタイミングチャートに示される斜線部Sは、シート30の基準センサ5A側のエッジが基準センサ5Aを通過してからのパルス数‘1030’に相当する。このパルス数‘1030’に1パルスあたりの距離を乗じた値が51.5mmとなる。こうして、図6(C)に示される状態が実現され、シート30の横レジ補正動作は終了する。
【0081】
次に、シート30の幅に、裁断誤差や定着後の収縮等によって規格幅からのずれがある場合、つまり、シート幅と規格幅とが合致しない場合について説明する。図7は、B5サイズのシート30の幅がB5サイズの規格幅に一致していない場合のシート30と基準センサ5Aとの位置関係を、図6(B)の状態と対比して示す図である。また、図8は、B5サイズのシート30の幅がB5サイズの規格幅に一致していない場合のシート30に対して横レジ補正が施された状態を図3(C)の状態と対比して示す図である。なお、図7及び図8では、基準センサ5Aの近傍のみを示している。
【0082】
図7の状態では、不図示であるが、シート30の基準センサ5B側のサイドエッジは基準センサ5Aに合っている(図6(B)参照)。このとき、シート30の幅が規格値よりもΔD3mmだけ長いと、OFF/OFFカウンタ103が出力するOFF/OFFパルス数は、前述の‘360’よりも、‘ΔD3/0.05’だけ少なくなる。このOFF/OFFパルス数‘360−ΔD3/0.05’がシフトパルス数調整部105に送信される。シフトパルス数調整部105は、OFF/OFFパルス数‘360−ΔD3/0.05’とOFF/OFF規格パルス数‘360’とを比較する。
【0083】
シフトパルス数調整部105は、シート30の幅方向長さが規格値よりも長いと判断して、調整横レジパルス数として、‘1030’よりも‘(ΔD3/2)/0.05’だけ少ないパルス数をパルス生成部101に送信する。これにより、図8に示されるように、基準センサ5A側のシートエッジが基準センサ5Aから51.5mm−ΔD3/2mmの位置に合わせ込まれる。こうして、シート30の幅が規格値に一致している場合と同様に、基準センサ5Aから180mm離れた位置において、幅方向におけるトナー画像の中心とシート30の中心とが合致する。
【0084】
一方、図7に示されるように、シート30の幅が規格値よりもΔD4mmだけ短い場合、OFF/OFFカウンタ103が出力するOFF/OFFパルス数は、前述の‘360’よりも、‘ΔD4/0.05’だけ多くなる。このOFF/OFFパルス数‘360+ΔD4/0.05’は、シフトパルス数調整部105に送信される。シフトパルス数調整部105は、OFF/OFFパルス数‘360+ΔD4/0.05’とON/ON規格パルス数‘440’とを比較する。
【0085】
シフトパルス数調整部105は、シート30の幅方向長さが規格値よりも短いと判断して、調整横レジパルス数として、‘1030’よりも‘(ΔD4/2)/0.05’だけ多いパルス数をパルス生成部101に送信する。これにより、図8に示されるように、基準センサ5A側のシートエッジが基準センサ5Aから51.5mm+ΔD4/2mmの位置に合わせ込まれる。こうして、シート30の幅が規格値に一致している場合と同様に、基準センサ5Aから180mm離れた位置において、幅方向におけるトナー画像の中心とシート30の中心とが合致する。
【0086】
<横レジ補正制御フロー>
横レジ補正制御部3による上述した横レジ補正の制御フローについて、フローチャートを参照して改めて説明する。図10、図11及び図12は、横レジ補正制御部3による上述した横レジ補正制御のフローチャートである。なお、ここでは、上述した横レジ補正制御を一般化して説明することとし、そのためにシートの幅を変数として取り扱う。
【0087】
先ず、図10(第1のフローチャート)を参照して制御フローの説明を始める。トリガ生成部100は、斜行補正部303から搬送されてくる斜行補正されたシートをタイミングセンサ10が検知したか否かを判断する(ステップS1)。ステップS1で“NO”の場合、トリガ生成部100は、ステップS1を繰り返す。ステップS1で“YES”の場合、トリガ生成部100は、基準センサ5AがON、且つ、基準センサ5BがOFFであるか否かを判断する(ステップS2)。
【0088】
ステップS2で“NO”の場合、トリガ生成部100は、パルス生成部101に対して予備シフト開始信号を送信する。パルス生成部101は、予備シフト開始信号を受けて、予備シフト動作制御を実行する(ステップS3)。ステップS2で“YES”の場合、トリガ生成部100は、横レジシフト開始信号をパルス生成部101に送信する。パルス生成部101は、横レジシフト開始信号を受けて、横レジシフト動作制御を開始する(ステップS4)。
【0089】
横レジ補正制御部3は、基準センサ5BがONしたかを判断する(ステップS5)。ステップS5で“NO”の場合の以降の処理については、図12を参照して後に説明する。ステップS5で“YES”の場合、基準センサ5A,5BのON/OFFのタイミング関係によって、以下の通りにパルス出力の制御が行われる。
【0090】
横レジ補正制御部3は、基準センサ5BがONとなったときに同時に基準センサ5AがOFFになったかを判断する(ステップS7)。ステップS7で“YES”の場合、パルス生成部101は、パルスカウントを開始する(ステップS8)。そして、シフトパルス数調整部105は、ON/ON規格パルス数が‘0’であるかを確認する(ステップS9)。
【0091】
ここで、搬送されるシートのサイズの規格幅が基準センサ5A,5Bの間隔よりも長い場合に、シートの規格幅と基準センサ5A,5Bの間隔との差を‘δ’とする。また、パルス生成部101が1パルスを出力したときにモータ41の軸が回転駆動して制御ローラ1がシフトする距離を‘γ’とする。すると、ON/ON規格パルス数は‘δ/γ’で表される。
【0092】
よって、例えば、1パルスでの制御ローラ1のシフト距離が0.25mm、ON/ON規格パルス数が10であったとする。この場合、シートの規格幅は、2.5mmだけ基準センサ5A,5Bの間隔より長いことになる。よって、このシートの横レジシフト中には、パルスが10回出力される間、基準センサ5A,5Bの両方がON状態となる。
【0093】
ステップS7において、シートの横レジシフト中に基準センサ5BのONと基準センサ5AのOFFが同時に発生したと判断される場合、基準センサ5A,5Bの間隔とシート幅とが等しいことになる。そして、ステップS9で“NO”、つまり、ON/ON規格パルス数としてある値が設定されている場合、シートの幅は規格幅よりも‘(モータ41に1パルスを与えたときの制御ローラ1のシフト距離)×(ON/ON規格パルス数)’だけ短いことになる。よって、シフトパルス数調整部105は、‘横レジシフトパルス数’に‘(ON/ON規格パルス数)/2’を、加算したパルス数を、調整横レジシフトパルス数としてパルス生成部101に送信する(ステップS11)。
【0094】
パルス生成部101は、受信した調整横レジシフトパルス数とパルス生成部101のカウント値が一致したかを判断する(ステップS12)。ステップS12で“NO”の場合、ステップS12の判断を繰り返す。ステップS12で“YES”になると、横レジシフトは終了となる。こうして、幅方向におけるトナー画像の中心とシートの中心とが合致する。
【0095】
ステップS9で“YES”の場合、つまり、ON/ON規格パルス数が‘0’の場合、シフトパルス数調整部105は、OFF/OFF規格パルス数が‘0’であるかを確認する(ステップS10)。ステップS10で“NO”の場合、シートの規格幅は、‘(モータ41に1パルスを与えたときの制御ローラ1のシフト距離)×(OFF/OFF規格パルス数)’だけ、基準センサ5A,5Bの間隔より短い。
【0096】
ここで、シートの幅は、基準センサ5A,5Bの間隔と等しい。よって、シフトパルス数調整部105は、シートの幅は規格幅よりも‘(モータ41に1パルスを与えたときの制御ローラ1のシフト距離)×(OFF/OFF規格パルス数)’だけ長いと判断する。シフトパルス数調整部105は、‘横レジシフトパルス数’から‘(OFF/OFF規格パルス数)/2’を減算したパルス数を、調整横レジシフトパルス数としてパルス生成部101に送信する(ステップS13)。
【0097】
ステップS10で“YES”の場合、つまり、OFF/OFF規格パルス数が0である場合、シートの規格幅は、基準センサ5A,5Bの間隔と等しいことになる。この場合、シフトパルス数調整部105は、シートの幅が規格幅に一致していると判断する。そして、シフトパルス数調整部105は、設定されている横レジシフトパルス数を調整することなく、そのまま調整横レジシフトパルス数として制御に反映させる(ステップS14)。
【0098】
ステップS13,S14の後、処理はステップS12に進められる。ステップS12の処理については、既に説明しているため、説明を省略する。
【0099】
次に、ステップS7で“NO”の場合の制御フローについて、図11(第2のフローチャート)を参照して説明する。ステップS7で“NO”の場合(シートのシフト中に基準センサ5A,5Bのセンサが共にON状態となる場合)、ON/ONカウンタ102がパルスカウントを開始する(ステップS15)。そして、ON/ONカウンタ102は、基準センサ5AがOFFしたかを判断する(ステップS16)。
【0100】
ステップS16で“NO”の場合、ON/ONカウンタ102は、基準センサ5AがOFFするまでパルスカウントを続ける。ステップS16で“YES”の場合、ON/ONカウンタ102は、パルスカウントを停止して、カウント値をON/ONパルス数としてシフトパルス数調整部105に送信し、これと同時に、パルス生成部101がパルスカウントを開始する(ステップS17)。
【0101】
続いて、シフトパルス数調整部105は、ON/ON規格パルス数が‘0’であるかを確認する(ステップS18)。ステップS18で“NO”の場合、シートの規格幅は、基準センサ5A,5Bの間隔よりも‘(モータ41に1パルスを与えたときの制御ローラ1のシフト距離)×(ON/ON規格パルス数)’だけ長いことになる。そこで、シフトパルス数調整部105は、ON/ONパルス数がON/ON規格パルス数より少ないかを判断する(ステップS19)。
【0102】
ステップS19で“YES”の場合、シートの幅は規格幅よりも‘(モータ41に1パルスを与えたときの制御ローラ1のシフト距離)×[(ON/ON規格パルス数)−(ON/ONパルス数)]’だけ短いことになる。よって、シフトパルス数調整部105は、‘横レジシフトパルス数’に‘[(ON/0N規格パルス数)−(ON/ONパルス数)]/2’を加算したパルス数を、調整横レジシフトパルス数として決定する(ステップS20)。
【0103】
ステップS19で“NO”の場合、シートの幅は規格幅よりも‘(モータ41に1パルスを与えたときの制御ローラ1のシフト距離)×[(ON/ONパルス数)−(ON/ON規格パルス数)]’だけ長いことになる。よって、シフトパルス数調整部105は、‘横レジシフトパルス数’から‘[(ON/ONパルス数)−(ON/ON規格パルス数)]/2’を減算したパルス数を、調整横レジシフトパルス数として決定する(ステップS21)。
【0104】
ステップS20,S21でそれぞれ決定された調整横レジシフトパルス数は、パルス生成部101に送信され、その後、処理はステップS12に進められる。ステップS12の処理については、既に説明しているため、説明を省略する。
【0105】
ステップS18で“YES”の場合、シフトパルス数調整部105は、OFF/OFF規格パルス数が‘0’であるかを確認する(ステップS32)。ステップS32で“NO”の場合、シートの幅は規格幅よりも‘(モータ41に1パルスを与えたときの制御ローラ1のシフト距離)×[(ON/ONパルス数)+(OFF/OFF規格パルス数)]’だけ長いことになる。
【0106】
よって、シフトパルス数調整部105は、‘横レジシフトパルス数’から‘[(ON/ONパルス数)+(OFF/OFF規格パルス数)]/2’を減算したパルス数を、調整横レジシフトパルス数として決定する(ステップS33)。
【0107】
ステップS32で“YES”の場合は、ON/ON規格パルス数とOFF/OFF規格パルス数の両方が‘0’である。この場合、シートの幅は規格幅よりも‘(モータ41に1パルスを与えたときの制御ローラ1のシフト距離)×(ON/ONパルス数)’だけ長いことになる。よって、シフトパルス数調整部105は、‘横レジシフトパルス数’から‘(ON/ONパルス数)/2’を減算したパルス数を、調整横レジシフトパルス数として決定する(ステップS34)。
【0108】
ステップS33,S34でそれぞれ決定された調整横レジシフトパルス数はパルス生成部101に送信され、その後、処理はステップS12に進められる。ステップS12の処理については、既に説明しているため、説明を省略する。
【0109】
次に、ステップS5で“NO”の場合の制御フローについて、図12(第3のフローチャート)を参照して説明する。横レジ補正制御部3は、基準センサ5AがOFFしたかを判断する(ステップS6)。ステップS6で“NO”の場合、横レジ補正制御部3は、制御をステップS5に戻す。ステップS6で“YES”の場合、パルス生成部101がパルスカウントを開始し、また、OFF/OFFカウンタ103もパルスカウントを開始する(ステップS22)。
【0110】
続いて、OFF/OFFカウンタ103は、基準センサ5BがONしたかを判断する(ステップS23)。ステップS23で“NO”の場合、OFF/OFFカウンタ103は、ステップS23を繰り返す。ステップS23で“YES”の場合、OFF/OFFカウンタ103はパルスカウントを停止し、カウント値をOFF/OFFパルス数としてシフトパルス数調整部105へ送信する(ステップS24)。
【0111】
シフトパルス数調整部105は、OFF/OFF規格パルス数が‘0’であるかを確認する(ステップS25)。ステップS25で“NO”の場合、シフトパルス数調整部105は、OFF/OFF規格パルス数がOFF/OFFパルスより大きいかを判断する(ステップS26)。
【0112】
ステップS26で“YES”の場合、シートの幅は規格幅よりも‘(モータ41に1パルスを与えたときの制御ローラ1のシフト距離)×[(OFF/0FF規格パルス数)−(OFF/OFFパルス数)]’だけ長いことになる。よって、シフトパルス数調整部105は、‘横レジシフトパルス数’から‘[(OFF/0FF規格パルス数)−(OFF/OFFパルス数)]/2’を減算したパルス数を、調整横レジシフトパルス数として決定する(ステップS27)。
【0113】
ステップS26で“NO”の場合、シートの幅は規格幅よりも‘(モータ41に1パルスを与えたときの制御ローラ1のシフト距離)×[(OFF/0FFパルス数)−(OFF/OFF規格パルス数))]’だけ短いことになる。よって、シフトパルス数調整部105は、‘横レジシフトパルス数’に‘[(OFF/0FFパルス数)−(OFF/OFF規格パルス数)]/2’を加算したパルス数を、調整横レジシフトパルス数として決定する(ステップS28)。
【0114】
ステップS27,S28でそれぞれ決定された調整横レジシフトパルス数はパルス生成部101に送信され、その後、処理はステップS12に進められる。ステップS12の処理については、既に説明しているため、説明を省略する。
【0115】
ステップS25で“YES”の場合、シフトパルス数調整部105は、ON/ON規格パルス数が‘0’であるかを確認する(ステップS29)。ステップS29で“NO”の場合、シートの幅は規格幅よりも‘(モータ41に1パルスを与えたときの制御ローラ1のシフト距離)×[(ON/ON規格パルス数)+(OFF/0FFパルス数)]’だけ短いことになる。よって、シフトパルス数調整部105は、‘横レジシフトパルス数’に‘[(ON/ON規格パルス数)+(OFF/0FFパルス数)]/2’を加算したパルス数を、調整横レジパルス数として決定する(ステップS30)。
【0116】
ステップS29で“YES”の場合、シートの幅は規格幅よりも‘(モータ41に1パルスを与えたときの制御ローラ1のシフト距離)×(OFF/0FFパルス数)’だけ短いことになる。よって、シフトパルス数調整部105は、‘横レジシフトパルス数’に‘(OFF/OFFパルス数)/2’を加算したパルス数を、調整横レジパルス数として決定する(ステップS31)。
【0117】
ステップS30,S31でそれぞれ決定された調整横レジシフトパルス数は、パルス生成部101に送信され、その後、処理はステップS12に進められる。ステップS12の処理については、既に説明しているため、説明を省略する。
【0118】
以上の説明の通り、本実施形態によれば、シートに裁断誤差や定着後の収縮等によって規格幅からのずれが生じている場合であっても、画像形成部で形成された画像に対するシートの横レジ位置を適正な位置に補正することが可能となる。なお、シートの幅が規格幅である場合も、言うまでもなく、画像形成部で形成された画像に対するシートの横レジ位置が適正な位置に補正される。
【0119】
<他の実施形態>
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【0120】
例えば、上記実施形態では、基準センサ5A,5Bを固定したが、搬送されるシートの規格幅に応じて基準センサ5A,5Bの間の間隔を変更することができるように、距離変更手段を備える構成としてもよい。例えば、基準センサ5A,5Bの間の間隔を搬送されるシートの規格幅に一致させるように基準センサ5A,5Bの少なくとも一方を移動させれば、実際のシート幅と規格幅との差異を検出するためのアルゴリズムを簡単にすることができる。また、基準センサ5A,5Bの間の間隔を搬送されるシートの規格幅よりも広くなるように或いは狭くなるようにしてもよい。即ち、基準センサ5A,5Bの間の間隔と搬送されるシートの規格幅との大小関係を固定させれば、シートサイズによらずに差分を検出するアルゴリズムを簡略化できる。
【0121】
また、上記実施形態では、1対の基準センサ5A,5Bを用いてシートの側縁位置を検出したが、配置される間隔の異なる複数対の基準センサ5A,5Bを配置した構成としてもよい。この場合、基準センサ5A,5Bの間の間隔と搬送されるシートの規格幅との大小関係が所定の関係となるように、使用する基準センサを選択すればよい。
【0122】
更に、上記実施形態では、1対の基準センサ5A,5Bを、シートの側縁位置を検出する側縁検出手段として用いると共に、実際のシート幅と規格幅との差を検出する差検出手段として用いた。これに限定されず、少なくとも1つのシートの側縁位置を検出する側縁検出手段と、実際のシート幅と規格幅との差を検出する差検出手段とを別々に備えた構成としてもよい。この場合、側縁検出手段によるシートの側縁位置の検出タイミングと、差検出手段が検出した差とに基づいて、シート幅方向においてシートを所定の目標位置にシフトさせることができる。
【0123】
本発明は以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0124】
1 制御ローラ
3 横レジ補正制御部
5A、5B 基準センサ
10 タイミングセンサ
30 シート
41 モータ(ステッピングモータ)
100 トリガ生成部
101 パルス生成部
102 ON/ONカウンタ
103 OFF/OFFカウンタ
105 シフトパルス数調整部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送されるシートをシート面に平行でシート搬送方向に直交するシート幅方向にシフトさせることにより前記搬送されるシートの前記シート幅方向における位置を補正するシート搬送装置であって、
前記搬送されるシートを前記シート幅方向でシフトさせるシフト手段と、
前記シート幅方向において異なる位置に配置され、前記搬送されるシートの前記シート幅方向における一方の側縁位置を検出する第1の検出手段及び前記搬送されるシートの前記シート幅方向における他方の側縁位置を検出する第2の検出手段と、
前記第1の検出手段と前記第2の検出手段との間の間隔と、前記搬送されるシートを前記シート幅方向にシフトさせたときの前記第1の検出手段による前記一方の側縁位置の検出タイミング及び前記第2の検出手段による前記他方の側縁位置の検出タイミングと、所定の規格幅とに基づいて、前記シート幅方向における前記搬送されるシートの中心が予め定められた目標位置に合致するように前記シフト手段を駆動する制御手段と、を備えることを特徴とするシート搬送装置。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記搬送されるシートを前記シート幅方向でシフトさせたときの前記第1の検出手段による前記一方の側縁位置の検出タイミング及び前記第2の検出手段による前記他方の側縁位置の検出タイミングと、前記規格幅とに基づいて、前記搬送されるシートの実際のシート幅と前記規格幅との差を求め、
前記規格幅のシートをその幅方向中心と前記目標位置とが合致するようにシフトさせるための規格シフト距離と前記差とから、前記搬送されるシートの幅方向中心と前記目標位置とを合致させるために必要なシフト距離を求め、
前記シフト距離だけ前記搬送されるシートをシフトさせることを特徴とする請求項1記載のシート搬送装置。
【請求項3】
前記搬送されるシートの先端を検出する先端検出手段を有し、
前記制御手段は、
前記先端検出手段が前記搬送されるシートの先端を検出したときに、前記第2の検出手段は前記搬送されるシートを検出しているが、前記第1の検出手段は前記搬送されるシートを検出していない場合に、前記第2の検出手段は前記搬送されるシートを検出しておらず、且つ、前記第1の検出手段は前記搬送されるシートを検出している状態となるように、前記搬送されるシートを前記シート幅方向でシフトさせる予備シフトを行い、
前記予備シフトの終了後に、前記搬送されるシートの幅方向中心と前記目標位置とが合致するように、前記予備シフトにおける前記搬送されるシートのシフト方向とは反対の方向に前記搬送されるシートをシフトさせることを特徴とする請求項2記載のシート搬送装置。
【請求項4】
前記シフト手段は、前記搬送されるシートを挟持して前記シート搬送方向に搬送する制御ローラを前記シート幅方向でシフトさせる駆動手段を有し、
前記規格シフト距離及び前記シフト距離はそれぞれ、前記モータを駆動する1パルスによって前記制御ローラがシフトする距離と前記モータを駆動するパルス数とによって規定されることを特徴とする請求項2又は3記載のシート搬送装置。
【請求項5】
前記制御手段は、
前記第1の検出手段が前記搬送されるシートを検出してから予め定められた一定距離だけシフトさせて前記搬送されるシートを停止させることにより前記予備シフトを終了させ、その後、前記搬送されるシートの幅方向中心と前記目標位置とが合致するように前記予備シフトにおける前記搬送されるシートのシフト方向とは反対の方向に前記搬送されるシートをシフトさせる際に、前記第1の検出手段が前記搬送されるシートの前記一方の側縁位置を検出する前に前記搬送されるシートをシフトさせるシフト速度を一定速度に到達させ、前記第1の検出手段が前記搬送されるシートの前記一方の側縁位置を検出してから前記シフト距離だけ前記搬送されるシートがシフトするように前記シフト速度を制御することを特徴とする請求項3記載のシート搬送装置。
【請求項6】
前記制御手段は、
前記第1の検出手段が前記搬送されるシートの前記一方の側縁位置を検出してから予め定められた一定距離だけシフトさせて前記搬送されるシートを停止させることで前記予備シフトを終了させた後に、前記第1の検出手段と前記第2の検出手段とが共に、前記搬送されるシートを検出する検出距離又は前記搬送されるシートを検出しない非検出距離を求め、前記検出距離又は前記非検出距離と、前記規格幅のシートをその幅方向中心と前記目標位置とが合致するように前記シート幅方向でシフトさせる際に前記第1の検出手段と前記第2の検出手段が共に前記規格幅のシートを検出する規格検出距離又は前記規格幅のシートを検出しない規格非検出距離とから、前記シフト距離を求めることを特徴とする請求項3記載のシート搬送装置。
【請求項7】
前記シフト手段は、前記搬送されるシートを挟持して前記シート搬送方向に搬送する制御ローラを前記シート幅方向でシフトさせる駆動手段を有し、
前記規格シフト距離、前記シフト距離、前記検出距離、前記非検出距離、前記規格検出距離及び前記規格非検出距離はそれぞれ、前記モータを駆動する1パルスによって前記制御ローラがシフトする距離と前記モータを駆動するパルス数とによって規定されることを特徴とする請求項6記載のシート搬送装置。
【請求項8】
前記第1の検出手段と前記第2の検出手段との間の間隔を変更する距離変更手段を有することを特徴とする請求項2記載のシート搬送装置。
【請求項9】
前記第1の検出手段と前記第2の検出手段とを1対として、前記シート幅方向において配置される間隔の異なる複数対の前記第1の検出手段及び前記第2の検出手段を備えることを特徴とする請求項2記載のシート搬送装置。
【請求項10】
搬送されるシートをシート面に平行でシート搬送方向に直交するシート幅方向にシフトさせることにより前記搬送されるシートの前記シート幅方向における位置を補正するシート搬送装置であって、
前記搬送されるシートを前記シート幅方向でシフトさせるシフト手段と、
前記搬送されるシートの前記シート幅方向における側縁位置を検出する側縁検出手段と、
前記搬送されるシートの前記シート幅方向における実際のシート幅と所定の規格幅との差を検出する差検出手段と、
前記側縁検出手段により検出されるシートの側縁位置と前記差検出手段が検出した前記差とに基づいて、前記シート幅方向において前記搬送されるシートを所定の目標位置にシフトさせるように前記シフト手段を駆動する制御手段と、を備えることを特徴とするシート搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−112444(P2013−112444A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258771(P2011−258771)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】