シート状食品の吐出装置
【課題】
本発明は、吐出口の幅寸法を任意に変更可能なシート状食品の吐出装置において、ロータの構造を簡略化することが可能であり、また、安定したシート状食品の吐出が可能であり、安定吐出装置内を通過する食品材料の撹拌を抑制することができる該装置を提供するものである。
【解決手段】
ハウジング内にロータを相対的に回動可能に嵌入し、前記ハウジング又は前記ロータを回動させる駆動部と、前記駆動部の動作を制御する制御部とを設け、前記ハウジングの下流側開口を前記回動方向に沿って幅寸法が変化するように形成し、さらに、前記下流側開口と連通する前記ロータの出口通路を幅方向に沿う細長孔に形成することにより前記下流側開口と前記細長孔とを重ね合わせて食品材料の吐出口を形成し、前記制御部からの指令に基づき前記ハウジング又は前記ロータを回動し、前記吐出口の幅寸法を変化可能に設けたシート状食品の吐出装置。
本発明は、吐出口の幅寸法を任意に変更可能なシート状食品の吐出装置において、ロータの構造を簡略化することが可能であり、また、安定したシート状食品の吐出が可能であり、安定吐出装置内を通過する食品材料の撹拌を抑制することができる該装置を提供するものである。
【解決手段】
ハウジング内にロータを相対的に回動可能に嵌入し、前記ハウジング又は前記ロータを回動させる駆動部と、前記駆動部の動作を制御する制御部とを設け、前記ハウジングの下流側開口を前記回動方向に沿って幅寸法が変化するように形成し、さらに、前記下流側開口と連通する前記ロータの出口通路を幅方向に沿う細長孔に形成することにより前記下流側開口と前記細長孔とを重ね合わせて食品材料の吐出口を形成し、前記制御部からの指令に基づき前記ハウジング又は前記ロータを回動し、前記吐出口の幅寸法を変化可能に設けたシート状食品の吐出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品材料をシート状に吐出する装置に関し、さらに詳しくは、ロータリーバルブ機構において、吐出工程中にその吐出口の幅寸法を任意に変更することのできるシート状食品の吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ロータリーバルブ機構を用いた従来の吐出装置は、ロータを回動可能に嵌入したハウジングの下面に細長孔(スリット)を設け、ロータに備えた食品材料が通過する連絡通路の出口通路(開口)と前記細長孔を重ね合わせることにより吐出口を形成している。そして、ロータの回動に伴って吐出口の幅寸法が変化するよう前記出口通路(開口)の形状を形成している(例えば、特許文献1,2など)。
【0003】
特許文献1に記載された吐出装置は、ベルトコンベアなどの搬送装置により搬送される小麦粉生地シートの上面にハム、マヨネーズからなるフィリングとしてのシート状食品を吐出するものであり、ロータが回動することにより凸形や略半円形のシート状食品を断続的に吐出するものである。
【0004】
特許文献2に記載された吐出装置は、ベルトコンベア上に小麦粉生地からなるシート状食品を吐出するものであり、ロータが連続して回転することにより略円形のシート状食品を断続的に吐出するものである。
【特許文献1】特許第2913246号公報
【特許文献1】米国特許第29815211号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1,2に記載された吐出装置は、吐出口の幅寸法を変化させるためにロータの出口通路を所望の形状に形成している。つまり、出口通路は、ロータの外周面上にロータの回転方向に沿って出口通路の幅寸法が変化するよう形成されている。したがって、円柱形状の部材に複雑な形状の食品材料用通路(孔)を形成しなければならず、ロータの製造を複雑にするという問題がある。
【0006】
また、上記特許文献1,2に記載された吐出装置は、ハウジングの下面に細長孔(スリット)を設けているのでシート状食品を吐出口から切り離す際に粘着しやすく、切り離しのタイミングが乱れたり、吐出口に生地カスが残り吐出されたシート状食品の形状が不均一になるなどの問題がある。
【0007】
また、上記特許文献2に記載された吐出装置は、ロータが一方向に連続して回転するためハウジング内を通過する食品材料をロータで切断したり、ロータ内に滞留する食品材料が新たに供給される食品材料と繰り返し混合されることにより撹拌されることとなる。したがって、上記特許文献2に記載された吐出装置を用いビスケット生地などを吐出すると生地が損傷し、焼成されたビスケットは浮きが少なく硬いなどの品質が低下するという問題がある。
【0008】
本発明は、上記の問題を解決するものであり、前記吐出口の幅寸法を任意に変更可能なシート状食品の吐出装置において、ロータの構造を簡略化することが可能であり、また、安定したシート状食品の吐出が可能であり、安定吐出装置内を通過する食品材料の撹拌を抑制することができる該装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、前述のごとき問題に鑑みてなされたもので、第一の発明は、食品材料が通過する上流側通路と下流側開口を備えたハウジングと、前記ハウジング内に回動可能に嵌入し、前記上流側通路と前記下流側開口に連通する連絡通路を備えたロータと、前記ロータを回動させる駆動部と、前記駆動部の動作を制御する制御部とを設け、前記ハウジングの下流側開口を前記回動方向に沿って幅寸法が変化するように形成し、さらに、前記下流側開口と連通する前記ロータの出口通路を幅方向に沿う細長孔に形成することにより前記下流側開口と前記細長孔とを重ね合わせて食品材料の吐出口を形成し、前記制御部からの指令に基づき前記ロータを回動し、それに伴い前記吐出口を揺動可能に設けるとともに、前記吐出口の幅寸法を変化可能に設けたことを特徴とするシート状食品の吐出装置である。
【0010】
また、第二の発明は、食品材料が通過する上流側通路に連通する連絡通路を備えたロータと、前記ロータを嵌入し、前記連絡通路の出口通路と連通する下流側開口を備えたハウジングと、前記ハウジングを回動させる駆動部と、前記駆動部の動作を制御する制御部とを設け、前記ロータの出口通路を前記回動方向に直交する幅方向に沿う細長孔に形成し、さらに、前記ハウジングの下流側開口を前記回動方向に沿って幅寸法が変化するように形成することにより前記細長孔と前記下流側開口とを重ね合わせて食品材料の吐出口を形成し、前記制御部からの指令に基づき前記ハウジングを回動し、それに伴い前記吐出口の幅寸法を変化可能に設けたことを特徴とするシート状食品の吐出装置である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、従来のごとくロータに複雑な形状の食品材料用通路を形成するものでなく、ロータの出口通路の形状を細長孔とし、ロータを嵌入するハウジングの下面に任意の形状の開口を形成するものであるので、ロータの製造が簡略化できる。
【0012】
また、本発明によれば、従来のごとくハウジングの下面に細長孔(スリット)を設けるものでなく、ロータの出口通路の形状を細長孔とし、ロータを嵌入するハウジングの下面に任意の形状の開口(下流側開口)を形成するものであるので、吐出されるシート状食品が前記下流側開口に粘着しにくく、安定したシート状食品の切り離しができる。
【0013】
また、本発明によれば、従来のごとくロータを一方向に連続して回転するものでなく、ロータまたはハウジングを回動可能に設けたものであるので、吐出装置内を通過する食品材料の撹拌を抑制できる。特に、ハウジングを回動可能に設けた場合には、ロータの連絡通路を通過する食品材料が出口通路の押出口でのみハウジングに接する構成であるため、食品材料がハウジングの回動による撹拌を抑制できる。
【0014】
また、本発明によれば、ロータを回動可能に設けた場合に、吐出口から吐出されるシート状食品は、ロータの回動に伴って揺動することとなり、他の食品などにシート状食品を被せる際にシート状食品が座屈などを起こすことなく他の食品にほぼ均一に被覆することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の第1の実施の形態に係る吐出装置1について図面に基づき説明する。図1は、吐出装置1の概要を示す上面説明図である。図2は、図1におけるS1−S1断面矢視による側面説明図である。図3は、図1におけるT1−T1断面矢視による側面説明図である。
【0016】
吐出装置1は、吐出部2、駆動部8、制御部9から構成される。また、吐出装置1は、搬送コンベア7の上方にブラケット71を介して上下位置調節可能に取り付けられている。
【0017】
吐出部2は、図示されない食品材料の供給装置に連通し、供給装置から供給される食品材料11を所望する形状に成形してシート状に吐出するものであり、ブラケット71から立設したサイドプレート72Aに取り付けられた支持部材73に着脱可能に固定されている。吐出部2は、ハウジング3及びロータ5から構成され、ハウジング3にロータ5を回動可能に嵌入している。ハウジング3は、前記供給装置に連通する上流側通路33、ロータ5を嵌入するシリンダ部35及び略台形状の下流側開口37を連通して備えている。ロータ5は、上流側通路33に連通する漏斗状の入口通路53Aと、下流側開口37に連通する細長孔状の出口通路53Bを備えた連絡通路53をロータ5の回動方向に対し直交する方向(ロータ5の軸方向)に沿って設け、ハウジング3のシリンダ部35に回動可能に嵌入している。そして、下流側開口37と出口通路53Bを重ね合わせることにより吐出口21を形成している。吐出口21は、ロータ5の回動に伴ってその吐出幅が変化するとともに、吐出口の位置が揺動(移動)する。
【0018】
駆動部8は、サイドプレート72A,72Bに取り付けた制御モータ83とロータ5とをクランク機構部85を介して連結している。クランク機構部85は、モータ出力軸83Aの回転をロータ5の回動に変換する公知の動力伝達機構である。なお、動力伝達機構は、クランク機構に代えて、例えば、モータ出力軸83Aを回動するよう制御し、リンク機構やタイミングベルトを利用した機構などとすることも可能である。
【0019】
制御部9は、駆動部8や食品材料の供給装置の駆動を制御するものであり、各部の制御モータなどの駆動を制御する装置である。制御部9は、例えばシーケンサなどの演算手段や、モータドライバを備えるとともに、制御モータの回転速度や回転時間などを設定入力する入力手段を備えている。
【0020】
次に、シート状食品15が吐出部2から吐出される工程について図4乃至図8に基づき説明する。図4乃至図8は、シート状食品15が吐出される工程を経時的に示した概念図であり、各図の図(a)は吐出部2の側面説明図、図(b)は図1におけるS1−S1断面矢視に相当する正面説明図、図(c)は吐出部2の下面説明図である。なお、図4乃至図8においては、吐出されたシート状食品15の形状を分かり易く示すために吐出口21からシート状食品15を垂下した状態で示している。
【0021】
図4は、初期位置を示す。この時、ロータ5の出口通路53Bはハウジング3のシリンダ部35の内壁にふさがれており、まだ吐出口21は形成されていない。この状態から、先ず、食品材料供給装置が駆動して食品材料を吐出装置に供給し始め、その直後に、駆動部8が駆動してロータ5が右回転する(矢印方向)。すると、ロータ5の出口通路53Bとハウジング3の下流側開口37が重なり始め、形成された吐出口21からシート状食品15が吐出される。さらにロータ5が右回転すると、吐出口21の幅は徐々に広く変化し、吐出口21の位置はロータ5の右回転に伴って左方向に移動する。したがって、シート状食品生地15も左方向に移動しながら吐出される。
【0022】
図5は、ロータ5が最も右回転し吐出口21が最左位置にある状態を示している。この時、吐出口21の幅は、最も広く形成されている。また、吐出されたシート状食品生地15の形状は、逆台形である。そして、ロータ5はこの位置で一時的に回転を停止する。
【0023】
図6は、図5に示す状態から所要の時間が経過した状態を示している。シート状食品15は、図5に示す逆台形に連続して一定の幅で吐出される。その後、ロータ5は左回転を始める。
【0024】
図7は、ロータ5が左回転(矢印方向)する途中の工程を示している。図6で示す状態から吐出口21の幅は徐々に狭く変化し、吐出口21の位置はロータ5の回転に伴って右方向に移動する。したがって、シート状食品生地15も右方向に移動しながら吐出される。
【0025】
図8は、ロータ5の左回転が終了し、図4に示す初期位置に戻った状態を示している。これらの一連の工程を経ることにより吐出口21から吐出されたシート状食品15は、略八角形に成形され吐出装置1から切り離される。この切り離しの際、吐出口21は、その口を徐々に狭まるよう閉口するため、シート状食品15がハウジング3の下流側開口37に粘着しにくく、安定した切り離しができる。
【0026】
次に、例えば饅頭等の略円形状(上面矢視)の食品17にシート状食品15を被せる工程について図9を用いて説明する。図9(a)乃至(e)で示す工程は、それぞれ図4乃至図8の工程に相当する。図9(a)は、ロータ5が初期位置で待機した状態を示している。制御モータ83は、搬送コンベア7の側方に設けたセンサ93が搬送コンベア7で搬送される食品17を感知し、制御部9に送信されたその感知信号に基づいて所定時間後に駆動する。図9(b)は、ロータ5が最も右回転した状態を示している。図9(c)は、ロータ5の回転が一時的に停止した状態で吐出装置1からシート状食品15を吐出した工程を示している。この時、吐出されたシート状食品15は、食品15の側面から少し離れて垂下している。図9(d)は、ロータ5が左回転する途中の工程を示している。この時、吐出口21の右方向への移動に伴ってシート状食品15が右に移動する。そして、シート状食品15の下端部部分は、食品15の左側面を被覆する。図9(e)は、ロータ5の左回転が終了し初期位置に戻った状態を示している。シート状食品15は、食品17を覆う際、食品17ほ左方向への搬送に対し右方向へ移動しながら吐出されるので、食品15の上面に折り重なる(座屈と同義)ことなく、広がった状態で食品17を被覆することができる。
【0027】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る吐出装置4について図面に基づき説明する。吐出装置4は、ロータ5に対しハウジング3を回動可能に設けたものであり、例えば、略円形状のシート状生地15を吐出するものとして説明する。図10は、吐出装置4の概要を示す上面説明図である。図11は、図10におけるS2−S2断面矢視による側面説明図である。図12は、図10におけるT2−T2断面矢視による側面説明図である。なお、前述した第1の実施の形態と同一の機能を奏する構成要素には同一符号を付することとして、重複した説明は省略する。
【0028】
吐出装置4は、吐出部42、駆動部8、制御部9から構成される。吐出部2は、ハウジング3及びロータ5から構成され、ハウジング3にロータ5を相対的に回動可能に嵌入している。ハウジング3及びロータ5は、支持プレート74に取り付けた円環状の軸受部材75に同心状に着脱可能に軸支されている。また、支持プレート74は、支持部材73に着脱可能に固定されている。ハウジング3は、前記供給装置に連通する上流側通路33を貫通させる上部貫通孔31、ロータ5を嵌入するシリンダ部35及び半楕円形状の下流側開口37を連通して備えている。ロータ5は、上流側通路33に連通する漏斗状の入口通路53Aと、前記下流側開口37に連通する細長孔状の出口通路53Bを備えた連絡通路53をハウジング3の回動方向に対し直交する方向(ロータ5の軸方向)に沿って設けている。そして、下流側開口37と出口通路53Bを重ね合わせることにより吐出口21を形成している。吐出口21は、ハウジング3の回動に伴ってその吐出幅が変化する。第2実施例においては、吐出口21の位置は、ハウジング3の回動方向に揺動することなく固定されている。
【0029】
駆動部8は、制御モータ83とハウジング3とをリンク機構部87を介して連結している。リンク機構部87は、モータ出力軸83Aの回動をロータ5の回動に変換する公知の動力伝達機構である。なお、モータ出力軸83Aを回動させる手段は、例えば、モータ出力軸83Aに近接体連結し、近接スイッチなどの感知手段により回動角度及び回動位置を制御するよう設けている。また、制御モータ83をサーボモータのごとき出力軸83Aの回転角度が制御可能なアクチュエータを用いてもよい。
【0030】
次に、シート状食品15が吐出部42から吐出される工程について図13乃至図15に基づき説明する。図13乃至図15は、シート状食品15が吐出される工程を経時的に示した概念図であり、各図の図(a)は図10に示すT2−T2断面矢視による側面説明図、図(b)は図10に示すS2−S2断面矢視による正面説明図、図(c)は吐出部42の下面図である。なお、図13乃至図15においては、吐出されたシート状食品15の形状を分かり易く示すために吐出口21からシート状食品15を垂下した状態で示している。
【0031】
図13は、初期位置を示す。この時、ロータ5の出口通路53Bはハウジング3のシリンダ部35の内壁にふさがれており、まだ吐出口21は形成されていない。この状態から、先ず、食品材料供給装置が駆動して食品材料を吐出装置に供給し始め、その直後に、駆動部8が駆動してハウジング3が左右回転する(矢印方向)。すると、ロータ5の出口通路53Bとハウジング3の下流側開口37が重なり始め、吐出口21からシート状食品15が吐出される。さらにハウジング3が左回転すると、吐出口21の幅は徐々に広がりながら変化ていく。
【0032】
図14は、ハウジング3が最も左回転した状態を示している。この時、吐出口21の幅は、最も広く形成されている。また、吐出されたシート状食品生地15の形状は、略半円形である。その後、ハウジング3は右回転(矢印方向)を始める。
【0033】
図15は、ハウジング3の右回転が終了し、図13に示す初期位置に戻った状態を示している。これらの一連の工程を経ることにより吐出口21から吐出されたシート状食品15は、略円形に成形される。
【0034】
また、吐出装置4においては、ロータ5の連絡通路53を通過する食品材料11が出口通路53Bの押出口でのみハウジング3に接する構成であるため、食品材料11がハウジング3の回動により撹拌されることはほとんどない。
【0035】
次に、本発明の第3の実施の形態に係る吐出装置6について図16に基づき説明する。図16(a)は、吐出装置6における吐出部62の縦断面矢視による正面説明図である。図16(b)は、吐出部62の下面説明図である。図16(c)は、吐出装置6から吐出されたシート状食品15の一例を示している。上記第2実施例においては、ハウジング3に備えた下流側開口37を台形状や半楕円形状にて説明したが、所望の形状に変更して設けることも可能であり、例えば、図16(b)に示すようなW字形状に設けることができる。この下流側開口37は、隣接する脚部37Cが各股部37Dに向かって集合するよう傾斜しており、両端の脚部37Cと出口通路53Bが形成する吐出口21の幅寸法は、ハウジング3の回動方向に沿って変化することができる。
【0036】
このように設けたハウジング3を吐出口21が閉鎖することなく3往復(回動)し、吐出装置6の下方に設けた搬送ベルト75にシート状食品15を吐出した後、吐出口21を閉鎖することにより図16(c)に示すような格子状のシート状食品15を形成することができる。なお、下流側開口37を形成する脚部37Cの形状は、直線に限らず曲線状であってもよく、出口通路53Bと複数箇所で横断する開口部を備えることにより様々な格子模様が形成できる。
【0037】
本発明の実施の形態に係る吐出装置の説明は概ね上述した通りであるが、これに限らず特許請求の範囲内において変更が可能である。上記実施例においては、ハウジング3又はロータ5の右回転および左回転からなる1回の回動によりシート状食品を吐出成形するよう説明したが、それらの右回転及び左回転毎に吐出口21を開閉するようそれらの回動を制御してもよい。それぞれの方向への回転によりぼぼ同形状のシート状食品15を吐出成形することができる。
【0038】
また、下流側開口37を種々の形状に変更することにより様々なシート状食品15を成形することができる。また、ロータ5、あるいは、ハウジング3の回動速度を速くしたり遅くして吐出時間を変化することにより、シート状食品15の長さ(幅に直交する方向)を短く、あるいは、長く成形することができる。また、食品材料供給装置から供給される食品材料の供給量を増減することにより、吐出されるシート状食品15の長さを長短に変化することができる。
【0039】
また、上記実施例では、出口通路53の形状を長方形で説明したが、例えば、長方形の一方の長辺を直線ではなくジグザグや波形に設けることにより、吐出されるシート状食品15の表面にジグザグや波形の模様を形成することができる。
【0040】
また、上記実施例1による吐出装置1を用い、吐出口21を閉鎖しないようロータ5を複数回連続して回動するよう設けてもよい。シート状生地15が載置する載置面が移動しない場合には、シート状食品15はほぼ同じ触れ幅で折り畳むように積層する。また、載置面が水平方向に適宜の速度で移動する場合には、シート状食品15は波状などに成形される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る吐出装置1の概要を示す上面説明図である。
【図2】図1におけるS1−S1断面矢視による正面説明図である。
【図3】図1におけるT1−T1断面矢視による側面説明図である。
【図4】シート状食品15を吐出する工程を示す説明図である。
【図5】シート状食品15を吐出する工程を示す説明図である。
【図6】シート状食品15を吐出する工程を示す説明図である。
【図7】シート状食品15を吐出する工程を示す説明図である。
【図8】シート状食品15を吐出する工程を示す説明図である。
【図9】シート状食品15を食品17に被覆する工程を示す説明図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る吐出装置4の概要を示す上面説明図である。
【図11】図10におけるS2−S2断面矢視による正面説明図である。
【図12】図10におけるT2−T2断面矢視による側面説明図である。
【図13】シート状食品15を吐出する工程を示す説明図である。
【図14】シート状食品15を吐出する工程を示す説明図である。
【図15】シート状食品15を吐出する工程を示す説明図である。
【図16】本発明の第3の実施の形態に係る吐出装置6の概要を示す説明図である。
【符号の説明】
【0042】
1,4,6 吐出装置
15 シート状食品
2 吐出部
21 吐出口
3 ハウジング
33 上流側通路
37 下流側開口
5 ロータ
53 連絡通路
53A 入口通路
53B 出口通路
8 駆動部
9 制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品材料をシート状に吐出する装置に関し、さらに詳しくは、ロータリーバルブ機構において、吐出工程中にその吐出口の幅寸法を任意に変更することのできるシート状食品の吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ロータリーバルブ機構を用いた従来の吐出装置は、ロータを回動可能に嵌入したハウジングの下面に細長孔(スリット)を設け、ロータに備えた食品材料が通過する連絡通路の出口通路(開口)と前記細長孔を重ね合わせることにより吐出口を形成している。そして、ロータの回動に伴って吐出口の幅寸法が変化するよう前記出口通路(開口)の形状を形成している(例えば、特許文献1,2など)。
【0003】
特許文献1に記載された吐出装置は、ベルトコンベアなどの搬送装置により搬送される小麦粉生地シートの上面にハム、マヨネーズからなるフィリングとしてのシート状食品を吐出するものであり、ロータが回動することにより凸形や略半円形のシート状食品を断続的に吐出するものである。
【0004】
特許文献2に記載された吐出装置は、ベルトコンベア上に小麦粉生地からなるシート状食品を吐出するものであり、ロータが連続して回転することにより略円形のシート状食品を断続的に吐出するものである。
【特許文献1】特許第2913246号公報
【特許文献1】米国特許第29815211号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1,2に記載された吐出装置は、吐出口の幅寸法を変化させるためにロータの出口通路を所望の形状に形成している。つまり、出口通路は、ロータの外周面上にロータの回転方向に沿って出口通路の幅寸法が変化するよう形成されている。したがって、円柱形状の部材に複雑な形状の食品材料用通路(孔)を形成しなければならず、ロータの製造を複雑にするという問題がある。
【0006】
また、上記特許文献1,2に記載された吐出装置は、ハウジングの下面に細長孔(スリット)を設けているのでシート状食品を吐出口から切り離す際に粘着しやすく、切り離しのタイミングが乱れたり、吐出口に生地カスが残り吐出されたシート状食品の形状が不均一になるなどの問題がある。
【0007】
また、上記特許文献2に記載された吐出装置は、ロータが一方向に連続して回転するためハウジング内を通過する食品材料をロータで切断したり、ロータ内に滞留する食品材料が新たに供給される食品材料と繰り返し混合されることにより撹拌されることとなる。したがって、上記特許文献2に記載された吐出装置を用いビスケット生地などを吐出すると生地が損傷し、焼成されたビスケットは浮きが少なく硬いなどの品質が低下するという問題がある。
【0008】
本発明は、上記の問題を解決するものであり、前記吐出口の幅寸法を任意に変更可能なシート状食品の吐出装置において、ロータの構造を簡略化することが可能であり、また、安定したシート状食品の吐出が可能であり、安定吐出装置内を通過する食品材料の撹拌を抑制することができる該装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、前述のごとき問題に鑑みてなされたもので、第一の発明は、食品材料が通過する上流側通路と下流側開口を備えたハウジングと、前記ハウジング内に回動可能に嵌入し、前記上流側通路と前記下流側開口に連通する連絡通路を備えたロータと、前記ロータを回動させる駆動部と、前記駆動部の動作を制御する制御部とを設け、前記ハウジングの下流側開口を前記回動方向に沿って幅寸法が変化するように形成し、さらに、前記下流側開口と連通する前記ロータの出口通路を幅方向に沿う細長孔に形成することにより前記下流側開口と前記細長孔とを重ね合わせて食品材料の吐出口を形成し、前記制御部からの指令に基づき前記ロータを回動し、それに伴い前記吐出口を揺動可能に設けるとともに、前記吐出口の幅寸法を変化可能に設けたことを特徴とするシート状食品の吐出装置である。
【0010】
また、第二の発明は、食品材料が通過する上流側通路に連通する連絡通路を備えたロータと、前記ロータを嵌入し、前記連絡通路の出口通路と連通する下流側開口を備えたハウジングと、前記ハウジングを回動させる駆動部と、前記駆動部の動作を制御する制御部とを設け、前記ロータの出口通路を前記回動方向に直交する幅方向に沿う細長孔に形成し、さらに、前記ハウジングの下流側開口を前記回動方向に沿って幅寸法が変化するように形成することにより前記細長孔と前記下流側開口とを重ね合わせて食品材料の吐出口を形成し、前記制御部からの指令に基づき前記ハウジングを回動し、それに伴い前記吐出口の幅寸法を変化可能に設けたことを特徴とするシート状食品の吐出装置である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、従来のごとくロータに複雑な形状の食品材料用通路を形成するものでなく、ロータの出口通路の形状を細長孔とし、ロータを嵌入するハウジングの下面に任意の形状の開口を形成するものであるので、ロータの製造が簡略化できる。
【0012】
また、本発明によれば、従来のごとくハウジングの下面に細長孔(スリット)を設けるものでなく、ロータの出口通路の形状を細長孔とし、ロータを嵌入するハウジングの下面に任意の形状の開口(下流側開口)を形成するものであるので、吐出されるシート状食品が前記下流側開口に粘着しにくく、安定したシート状食品の切り離しができる。
【0013】
また、本発明によれば、従来のごとくロータを一方向に連続して回転するものでなく、ロータまたはハウジングを回動可能に設けたものであるので、吐出装置内を通過する食品材料の撹拌を抑制できる。特に、ハウジングを回動可能に設けた場合には、ロータの連絡通路を通過する食品材料が出口通路の押出口でのみハウジングに接する構成であるため、食品材料がハウジングの回動による撹拌を抑制できる。
【0014】
また、本発明によれば、ロータを回動可能に設けた場合に、吐出口から吐出されるシート状食品は、ロータの回動に伴って揺動することとなり、他の食品などにシート状食品を被せる際にシート状食品が座屈などを起こすことなく他の食品にほぼ均一に被覆することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の第1の実施の形態に係る吐出装置1について図面に基づき説明する。図1は、吐出装置1の概要を示す上面説明図である。図2は、図1におけるS1−S1断面矢視による側面説明図である。図3は、図1におけるT1−T1断面矢視による側面説明図である。
【0016】
吐出装置1は、吐出部2、駆動部8、制御部9から構成される。また、吐出装置1は、搬送コンベア7の上方にブラケット71を介して上下位置調節可能に取り付けられている。
【0017】
吐出部2は、図示されない食品材料の供給装置に連通し、供給装置から供給される食品材料11を所望する形状に成形してシート状に吐出するものであり、ブラケット71から立設したサイドプレート72Aに取り付けられた支持部材73に着脱可能に固定されている。吐出部2は、ハウジング3及びロータ5から構成され、ハウジング3にロータ5を回動可能に嵌入している。ハウジング3は、前記供給装置に連通する上流側通路33、ロータ5を嵌入するシリンダ部35及び略台形状の下流側開口37を連通して備えている。ロータ5は、上流側通路33に連通する漏斗状の入口通路53Aと、下流側開口37に連通する細長孔状の出口通路53Bを備えた連絡通路53をロータ5の回動方向に対し直交する方向(ロータ5の軸方向)に沿って設け、ハウジング3のシリンダ部35に回動可能に嵌入している。そして、下流側開口37と出口通路53Bを重ね合わせることにより吐出口21を形成している。吐出口21は、ロータ5の回動に伴ってその吐出幅が変化するとともに、吐出口の位置が揺動(移動)する。
【0018】
駆動部8は、サイドプレート72A,72Bに取り付けた制御モータ83とロータ5とをクランク機構部85を介して連結している。クランク機構部85は、モータ出力軸83Aの回転をロータ5の回動に変換する公知の動力伝達機構である。なお、動力伝達機構は、クランク機構に代えて、例えば、モータ出力軸83Aを回動するよう制御し、リンク機構やタイミングベルトを利用した機構などとすることも可能である。
【0019】
制御部9は、駆動部8や食品材料の供給装置の駆動を制御するものであり、各部の制御モータなどの駆動を制御する装置である。制御部9は、例えばシーケンサなどの演算手段や、モータドライバを備えるとともに、制御モータの回転速度や回転時間などを設定入力する入力手段を備えている。
【0020】
次に、シート状食品15が吐出部2から吐出される工程について図4乃至図8に基づき説明する。図4乃至図8は、シート状食品15が吐出される工程を経時的に示した概念図であり、各図の図(a)は吐出部2の側面説明図、図(b)は図1におけるS1−S1断面矢視に相当する正面説明図、図(c)は吐出部2の下面説明図である。なお、図4乃至図8においては、吐出されたシート状食品15の形状を分かり易く示すために吐出口21からシート状食品15を垂下した状態で示している。
【0021】
図4は、初期位置を示す。この時、ロータ5の出口通路53Bはハウジング3のシリンダ部35の内壁にふさがれており、まだ吐出口21は形成されていない。この状態から、先ず、食品材料供給装置が駆動して食品材料を吐出装置に供給し始め、その直後に、駆動部8が駆動してロータ5が右回転する(矢印方向)。すると、ロータ5の出口通路53Bとハウジング3の下流側開口37が重なり始め、形成された吐出口21からシート状食品15が吐出される。さらにロータ5が右回転すると、吐出口21の幅は徐々に広く変化し、吐出口21の位置はロータ5の右回転に伴って左方向に移動する。したがって、シート状食品生地15も左方向に移動しながら吐出される。
【0022】
図5は、ロータ5が最も右回転し吐出口21が最左位置にある状態を示している。この時、吐出口21の幅は、最も広く形成されている。また、吐出されたシート状食品生地15の形状は、逆台形である。そして、ロータ5はこの位置で一時的に回転を停止する。
【0023】
図6は、図5に示す状態から所要の時間が経過した状態を示している。シート状食品15は、図5に示す逆台形に連続して一定の幅で吐出される。その後、ロータ5は左回転を始める。
【0024】
図7は、ロータ5が左回転(矢印方向)する途中の工程を示している。図6で示す状態から吐出口21の幅は徐々に狭く変化し、吐出口21の位置はロータ5の回転に伴って右方向に移動する。したがって、シート状食品生地15も右方向に移動しながら吐出される。
【0025】
図8は、ロータ5の左回転が終了し、図4に示す初期位置に戻った状態を示している。これらの一連の工程を経ることにより吐出口21から吐出されたシート状食品15は、略八角形に成形され吐出装置1から切り離される。この切り離しの際、吐出口21は、その口を徐々に狭まるよう閉口するため、シート状食品15がハウジング3の下流側開口37に粘着しにくく、安定した切り離しができる。
【0026】
次に、例えば饅頭等の略円形状(上面矢視)の食品17にシート状食品15を被せる工程について図9を用いて説明する。図9(a)乃至(e)で示す工程は、それぞれ図4乃至図8の工程に相当する。図9(a)は、ロータ5が初期位置で待機した状態を示している。制御モータ83は、搬送コンベア7の側方に設けたセンサ93が搬送コンベア7で搬送される食品17を感知し、制御部9に送信されたその感知信号に基づいて所定時間後に駆動する。図9(b)は、ロータ5が最も右回転した状態を示している。図9(c)は、ロータ5の回転が一時的に停止した状態で吐出装置1からシート状食品15を吐出した工程を示している。この時、吐出されたシート状食品15は、食品15の側面から少し離れて垂下している。図9(d)は、ロータ5が左回転する途中の工程を示している。この時、吐出口21の右方向への移動に伴ってシート状食品15が右に移動する。そして、シート状食品15の下端部部分は、食品15の左側面を被覆する。図9(e)は、ロータ5の左回転が終了し初期位置に戻った状態を示している。シート状食品15は、食品17を覆う際、食品17ほ左方向への搬送に対し右方向へ移動しながら吐出されるので、食品15の上面に折り重なる(座屈と同義)ことなく、広がった状態で食品17を被覆することができる。
【0027】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る吐出装置4について図面に基づき説明する。吐出装置4は、ロータ5に対しハウジング3を回動可能に設けたものであり、例えば、略円形状のシート状生地15を吐出するものとして説明する。図10は、吐出装置4の概要を示す上面説明図である。図11は、図10におけるS2−S2断面矢視による側面説明図である。図12は、図10におけるT2−T2断面矢視による側面説明図である。なお、前述した第1の実施の形態と同一の機能を奏する構成要素には同一符号を付することとして、重複した説明は省略する。
【0028】
吐出装置4は、吐出部42、駆動部8、制御部9から構成される。吐出部2は、ハウジング3及びロータ5から構成され、ハウジング3にロータ5を相対的に回動可能に嵌入している。ハウジング3及びロータ5は、支持プレート74に取り付けた円環状の軸受部材75に同心状に着脱可能に軸支されている。また、支持プレート74は、支持部材73に着脱可能に固定されている。ハウジング3は、前記供給装置に連通する上流側通路33を貫通させる上部貫通孔31、ロータ5を嵌入するシリンダ部35及び半楕円形状の下流側開口37を連通して備えている。ロータ5は、上流側通路33に連通する漏斗状の入口通路53Aと、前記下流側開口37に連通する細長孔状の出口通路53Bを備えた連絡通路53をハウジング3の回動方向に対し直交する方向(ロータ5の軸方向)に沿って設けている。そして、下流側開口37と出口通路53Bを重ね合わせることにより吐出口21を形成している。吐出口21は、ハウジング3の回動に伴ってその吐出幅が変化する。第2実施例においては、吐出口21の位置は、ハウジング3の回動方向に揺動することなく固定されている。
【0029】
駆動部8は、制御モータ83とハウジング3とをリンク機構部87を介して連結している。リンク機構部87は、モータ出力軸83Aの回動をロータ5の回動に変換する公知の動力伝達機構である。なお、モータ出力軸83Aを回動させる手段は、例えば、モータ出力軸83Aに近接体連結し、近接スイッチなどの感知手段により回動角度及び回動位置を制御するよう設けている。また、制御モータ83をサーボモータのごとき出力軸83Aの回転角度が制御可能なアクチュエータを用いてもよい。
【0030】
次に、シート状食品15が吐出部42から吐出される工程について図13乃至図15に基づき説明する。図13乃至図15は、シート状食品15が吐出される工程を経時的に示した概念図であり、各図の図(a)は図10に示すT2−T2断面矢視による側面説明図、図(b)は図10に示すS2−S2断面矢視による正面説明図、図(c)は吐出部42の下面図である。なお、図13乃至図15においては、吐出されたシート状食品15の形状を分かり易く示すために吐出口21からシート状食品15を垂下した状態で示している。
【0031】
図13は、初期位置を示す。この時、ロータ5の出口通路53Bはハウジング3のシリンダ部35の内壁にふさがれており、まだ吐出口21は形成されていない。この状態から、先ず、食品材料供給装置が駆動して食品材料を吐出装置に供給し始め、その直後に、駆動部8が駆動してハウジング3が左右回転する(矢印方向)。すると、ロータ5の出口通路53Bとハウジング3の下流側開口37が重なり始め、吐出口21からシート状食品15が吐出される。さらにハウジング3が左回転すると、吐出口21の幅は徐々に広がりながら変化ていく。
【0032】
図14は、ハウジング3が最も左回転した状態を示している。この時、吐出口21の幅は、最も広く形成されている。また、吐出されたシート状食品生地15の形状は、略半円形である。その後、ハウジング3は右回転(矢印方向)を始める。
【0033】
図15は、ハウジング3の右回転が終了し、図13に示す初期位置に戻った状態を示している。これらの一連の工程を経ることにより吐出口21から吐出されたシート状食品15は、略円形に成形される。
【0034】
また、吐出装置4においては、ロータ5の連絡通路53を通過する食品材料11が出口通路53Bの押出口でのみハウジング3に接する構成であるため、食品材料11がハウジング3の回動により撹拌されることはほとんどない。
【0035】
次に、本発明の第3の実施の形態に係る吐出装置6について図16に基づき説明する。図16(a)は、吐出装置6における吐出部62の縦断面矢視による正面説明図である。図16(b)は、吐出部62の下面説明図である。図16(c)は、吐出装置6から吐出されたシート状食品15の一例を示している。上記第2実施例においては、ハウジング3に備えた下流側開口37を台形状や半楕円形状にて説明したが、所望の形状に変更して設けることも可能であり、例えば、図16(b)に示すようなW字形状に設けることができる。この下流側開口37は、隣接する脚部37Cが各股部37Dに向かって集合するよう傾斜しており、両端の脚部37Cと出口通路53Bが形成する吐出口21の幅寸法は、ハウジング3の回動方向に沿って変化することができる。
【0036】
このように設けたハウジング3を吐出口21が閉鎖することなく3往復(回動)し、吐出装置6の下方に設けた搬送ベルト75にシート状食品15を吐出した後、吐出口21を閉鎖することにより図16(c)に示すような格子状のシート状食品15を形成することができる。なお、下流側開口37を形成する脚部37Cの形状は、直線に限らず曲線状であってもよく、出口通路53Bと複数箇所で横断する開口部を備えることにより様々な格子模様が形成できる。
【0037】
本発明の実施の形態に係る吐出装置の説明は概ね上述した通りであるが、これに限らず特許請求の範囲内において変更が可能である。上記実施例においては、ハウジング3又はロータ5の右回転および左回転からなる1回の回動によりシート状食品を吐出成形するよう説明したが、それらの右回転及び左回転毎に吐出口21を開閉するようそれらの回動を制御してもよい。それぞれの方向への回転によりぼぼ同形状のシート状食品15を吐出成形することができる。
【0038】
また、下流側開口37を種々の形状に変更することにより様々なシート状食品15を成形することができる。また、ロータ5、あるいは、ハウジング3の回動速度を速くしたり遅くして吐出時間を変化することにより、シート状食品15の長さ(幅に直交する方向)を短く、あるいは、長く成形することができる。また、食品材料供給装置から供給される食品材料の供給量を増減することにより、吐出されるシート状食品15の長さを長短に変化することができる。
【0039】
また、上記実施例では、出口通路53の形状を長方形で説明したが、例えば、長方形の一方の長辺を直線ではなくジグザグや波形に設けることにより、吐出されるシート状食品15の表面にジグザグや波形の模様を形成することができる。
【0040】
また、上記実施例1による吐出装置1を用い、吐出口21を閉鎖しないようロータ5を複数回連続して回動するよう設けてもよい。シート状生地15が載置する載置面が移動しない場合には、シート状食品15はほぼ同じ触れ幅で折り畳むように積層する。また、載置面が水平方向に適宜の速度で移動する場合には、シート状食品15は波状などに成形される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る吐出装置1の概要を示す上面説明図である。
【図2】図1におけるS1−S1断面矢視による正面説明図である。
【図3】図1におけるT1−T1断面矢視による側面説明図である。
【図4】シート状食品15を吐出する工程を示す説明図である。
【図5】シート状食品15を吐出する工程を示す説明図である。
【図6】シート状食品15を吐出する工程を示す説明図である。
【図7】シート状食品15を吐出する工程を示す説明図である。
【図8】シート状食品15を吐出する工程を示す説明図である。
【図9】シート状食品15を食品17に被覆する工程を示す説明図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る吐出装置4の概要を示す上面説明図である。
【図11】図10におけるS2−S2断面矢視による正面説明図である。
【図12】図10におけるT2−T2断面矢視による側面説明図である。
【図13】シート状食品15を吐出する工程を示す説明図である。
【図14】シート状食品15を吐出する工程を示す説明図である。
【図15】シート状食品15を吐出する工程を示す説明図である。
【図16】本発明の第3の実施の形態に係る吐出装置6の概要を示す説明図である。
【符号の説明】
【0042】
1,4,6 吐出装置
15 シート状食品
2 吐出部
21 吐出口
3 ハウジング
33 上流側通路
37 下流側開口
5 ロータ
53 連絡通路
53A 入口通路
53B 出口通路
8 駆動部
9 制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品材料が通過する上流側通路と下流側開口を備えたハウジングと、
前記ハウジング内に回動可能に嵌入し、前記上流側通路と前記下流側開口に連通する連絡通路を備えたロータと、
前記ロータを回動させる駆動部と、
前記駆動部の動作を制御する制御部とを設け、
前記ハウジングの下流側開口を前記回動方向に沿って幅寸法が変化するように形成し、さらに、前記下流側開口と連通する前記ロータの出口通路を幅方向に沿う細長孔に形成することにより前記下流側開口と前記細長孔とを重ね合わせて食品材料の吐出口を形成し、
前記制御部からの指令に基づき前記ロータを回動し、それに伴い前記吐出口を揺動可能に設けるとともに、前記吐出口の幅寸法を変化可能に設けたことを特徴とするシート状食品の吐出装置。
【請求項2】
食品材料が通過する上流側通路に連通する連絡通路を備えたロータと、
前記ロータを嵌入し、前記連絡通路の出口通路と連通する下流側開口を備えたハウジングと、
前記ハウジングを回動させる駆動部と、
前記駆動部の動作を制御する制御部とを設け、
前記ロータの出口通路を前記回動方向に直交する幅方向に沿う細長孔に形成し、さらに、前記ハウジングの下流側開口を前記回動方向に沿って幅寸法が変化するように形成することにより前記細長孔と前記下流側開口とを重ね合わせて食品材料の吐出口を形成し、
前記制御部からの指令に基づき前記ハウジングを回動し、それに伴い前記吐出口の幅寸法を変化可能に設けたことを特徴とするシート状食品の吐出装置。
【請求項1】
食品材料が通過する上流側通路と下流側開口を備えたハウジングと、
前記ハウジング内に回動可能に嵌入し、前記上流側通路と前記下流側開口に連通する連絡通路を備えたロータと、
前記ロータを回動させる駆動部と、
前記駆動部の動作を制御する制御部とを設け、
前記ハウジングの下流側開口を前記回動方向に沿って幅寸法が変化するように形成し、さらに、前記下流側開口と連通する前記ロータの出口通路を幅方向に沿う細長孔に形成することにより前記下流側開口と前記細長孔とを重ね合わせて食品材料の吐出口を形成し、
前記制御部からの指令に基づき前記ロータを回動し、それに伴い前記吐出口を揺動可能に設けるとともに、前記吐出口の幅寸法を変化可能に設けたことを特徴とするシート状食品の吐出装置。
【請求項2】
食品材料が通過する上流側通路に連通する連絡通路を備えたロータと、
前記ロータを嵌入し、前記連絡通路の出口通路と連通する下流側開口を備えたハウジングと、
前記ハウジングを回動させる駆動部と、
前記駆動部の動作を制御する制御部とを設け、
前記ロータの出口通路を前記回動方向に直交する幅方向に沿う細長孔に形成し、さらに、前記ハウジングの下流側開口を前記回動方向に沿って幅寸法が変化するように形成することにより前記細長孔と前記下流側開口とを重ね合わせて食品材料の吐出口を形成し、
前記制御部からの指令に基づき前記ハウジングを回動し、それに伴い前記吐出口の幅寸法を変化可能に設けたことを特徴とするシート状食品の吐出装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2007−151447(P2007−151447A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−349684(P2005−349684)
【出願日】平成17年12月2日(2005.12.2)
【出願人】(000115924)レオン自動機株式会社 (98)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月2日(2005.12.2)
【出願人】(000115924)レオン自動機株式会社 (98)
【Fターム(参考)】
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