説明

シート識別装置、画像形成装置及びプログラム

【課題】搬送されたシートの搬送方向の長さが予め定められた長さであるか否かを高精度に識別する、シート識別装置、画像形成装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】搬送経路30に沿って設けられた第1パスセンサ91A及び第2パスセンサ91B毎に、記録用紙Pの用紙長を各々の検出結果に基づいて推定し、第1パスセンサ91A及び第2パスセンサ91Bの少なくとも1つの検出結果に基づいて推定された用紙長が予め定められた長さでない場合に警報信号を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート識別装置、画像形成装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、手差し給紙部のサイドフェンスに連動する紙サイズ検知手段を設け、サイドフェンスの幅により給紙方向で縦方向に長くなるように用紙をセットしたものとして用紙サイズを認識して給紙動作を行う画像形成装置において、画像形成部における露光位置から転写ローラ位置までの距離より10mm以上長い位置に紙有無検知センサを設けると共に、給紙動作時に認識した用紙サイズに対応する紙長さより短い位置で紙有無検知センサが紙無しを検知した場合、紙無検知信号から紙の長さを割り出して画像形成部における露光時間を短くして画像形成動作を用紙が排出されるまで継続させる制御手段を有することを特徴とする画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−117431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、搬送されたシートの搬送方向の長さが予め定められた長さであるか否かを高精度に識別する、シート識別装置、画像形成装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1に記載のシート識別装置を、搬送手段によって搬送されるシートの搬送経路に沿って設けられ、各々該シートが通過したことを検出する複数の検出手段と、前記複数の検出手段毎に、検出対象とされた前記シートの搬送方向の長さを各々の検出結果に基づいて推定する推定手段と、前記複数の検出手段の少なくとも1つの検出結果に基づいて前記推定手段によって推定された前記長さが予め定められた長さでない場合に、搬送方向の長さが予め定められた長さでない用紙が搬送されたことを示す信号を出力する出力手段と、を含んで構成した。
【0006】
請求項1に記載のシート識別装置を、請求項2に記載の発明のように、収容部に収容されたシートを該収容部から取り出して前記搬送経路へ送り出す送出手段と、搬送対象のシートの搬送方向の長さとして前記送出手段による搬送の補助を要する長さが予め設定されている場合、前記送出手段によって該シートの前記搬送経路の特定領域への送り出しが開始されてから、前記補助を要する長さ分の送り出しに要する時間として予め定められた時間が経過するまで該シートに対する送り出し動作を行うように前記送出手段を制御する制御手段と、を更に含んで構成したものとしても良い。
【0007】
請求項1に記載のシート識別装置を、請求項3に記載の発明のように、搬送対象のシートが収容された複数の収容部毎に各々対応させて設けられ、各収容部に収容されたシートを該収容部から取り出して前記搬送経路へ送り出す複数の送出手段を更に含み、前記搬送手段が、前記複数の送出手段の各々によって送り出されたシートの位置合わせを行うと共に該シートを前記搬送経路の特定領域に送り出す位置合わせ手段を有し、前記複数の収容部の少なくとも1つに対応させて設けられ、対応する前記送出手段によって送り出されたシートを受け取り、受け取ったシートを前記位置合わせ手段に送り出すことで該シートの前記位置合わせ手段への受け渡しを行う受渡手段を更に含み、前記推定手段が、前記送出手段によって前記シートが取り出された前記収容部に対して前記受渡手段が対応させて設けられている場合、前記複数の検出手段のうちの1つで検出された結果に基づいて検出対象とされた前記シートの搬送方向の長さを推定し、前記送出手段によって前記シートが取り出された前記収容部に対して前記受渡手段が対応させて設けられていない場合、前記複数の検出手段毎に、検出対象とされた前記シートの搬送方向の長さを各々の検出結果に基づいて推定するものとしても良い。
【0008】
請求項3に記載のシート識別装置を、請求項4に記載の発明のように、前記推定手段が、前記送出手段によって前記シートが取り出された前記収容部に対して前記受渡手段が対応させて設けられている場合、前記複数の検出手段のうちの上流側に位置する1つで検出された結果に基づいて検出対象とされた前記シートの搬送方向の長さを推定し、前記送出手段によって前記シートが取り出された前記収容部に対して前記受渡手段が対応させて設けられていない場合、前記複数の検出手段毎に、検出対象とされた前記シートの搬送方向の長さを各々の検出結果に基づいて推定するものとしても良い。
【0009】
請求項3に記載のシート識別装置を、請求項5に記載の発明のように、前記推定手段が、前記送出手段によって前記シートが取り出された前記収容部に対して前記受渡手段が対応させて設けられている場合、前記複数の検出手段のうちの下流側に位置する1つで検出された結果に基づいて検出対象とされた前記シートの搬送方向の長さを推定し、前記送出手段によって前記シートが取り出された前記収容部に対して前記受渡手段が対応させて設けられていない場合、前記複数の検出手段毎に、検出対象とされた前記シートの搬送方向の長さを各々の検出結果に基づいて推定するものとしても良い。
【0010】
請求項6に記載の画像形成装置を、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載のシート識別装置と、前記搬送手段によって前記搬送経路に搬送されたシートに対して、画像情報に応じた画像を形成する画像形成手段と、を含んで構成した。
【0011】
請求項7に記載のプログラムを、搬送手段によって搬送されるシートの搬送経路に沿って設けられ、各々該シートが通過したことを検出する複数の検出手段を有する画像形成装置を制御するコンピュータを、前記複数の検出手段毎に、検出対象とされた前記シートの搬送方向の長さを各々の検出結果に基づいて推定する推定手段、及び前記複数の検出手段の少なくとも1つの検出結果に基づいて前記推定手段によって推定された前記長さが予め定められた長さでない場合に、搬送方向の長さが予め定められた長さでない用紙が搬送されたことを示す信号を出力する出力手段として機能させるためのものとした。
【発明の効果】
【0012】
請求項1、請求項6及び請求項7に係る発明によれば、シートの搬送経路に沿って設けられた複数の検出手段毎に、検出対象とされた前記シートの搬送方向の長さを各々の検出結果に基づいて推定しない場合に比べ、搬送されたシートの搬送方向の長さが予め定められた長さであるか否かが高精度に識別される、という効果が得られる。
【0013】
請求項2に係る発明によれば、送出手段によってシートの搬送経路の特定領域への送り出しが開始されてから、送出手段による搬送の補助を要する長さ分の送り出しに要する時間として予め定められた時間が経過するまでシートに対する送り出し動作を行わない場合に比べ、シートの搬送が円滑に行われる、という効果が得られる。
【0014】
請求項3に係る発明によれば、送出手段によってシートが取り出された収容部に対して受渡手段が対応させて設けられている場合、複数の検出手段のうちの1つで検出された結果に基づいて検出対象とされたシートの搬送方向の長さを推定し、送出手段によってシートが取り出された収容部に対して受渡手段が対応させて設けられていない場合、複数の検出手段毎に、検出対象とされたシートの搬送方向の長さを各々の検出結果に基づいて推定する構成を有しない場合に比べ、シートの長さの推定に掛かる負荷が軽減される、という効果が得られる。
【0015】
請求項4に係る発明によれば、送出手段によってシートが取り出された収容部に対して受渡手段が対応させて設けられている場合、複数の検出手段のうちの上流側に位置する1つで検出された結果に基づいて検出対象とされたシートの搬送方向の長さを推定する構成を有しない場合に比べ、搬送されたシートの搬送方向の長さが予め定められた長さであるか否かの識別結果が早く得られる、という効果が得られる。
【0016】
請求項5に係る発明によれば、送出手段によってシートが取り出された収容部に対して受渡手段が対応させて設けられている場合、複数の検出手段のうちの下流側に位置する1つで検出された結果に基づいて検出対象とされたシートの搬送方向の長さを推定する構成を有しない場合に比べ、搬送されたシートの搬送方向の長さが予め定められた長さであるか否かが高精度に識別される、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施の形態に係る画像形成装置の構成の一例を示す側面視断面図である。
【図2】実施の形態に係る第1パスセンサ及び第2パスセンサの配置の一例を示す模式図である。
【図3】実施の形態に係る画像形成ユニットの一例を示す構成図である。
【図4】実施の形態に係る画像形成装置の電気系の要部構成を示すブロック図である。
【図5】第1の実施の形態に係る用紙長識別処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】第1の実施の形態に係る搬送開始処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】第2の実施の形態に係る収容部別用紙長識別処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための実施形態の一例について詳細に説明する。
【0019】
[第1の実施の形態]
図1には、本第1の実施の形態の一例としての画像形成装置10の正面図が示されている。画像形成装置10は、図1に対する正面視上下方向(図示の矢印Y方向)の下側から上側へ向けて、記録用紙Pが収容される用紙収容部12と、用紙収容部12の上に設けられ用紙収容部12から供給される記録用紙Pに画像形成を行う画像形成部14と、画像形成部14の左上側に一体的に設けられ画像形成された記録用紙Pを排出する排出部16と、排出部16の上に設けられ読取原稿Gを読み取る原稿読取部18と、画像形成部14の内部に設けられ画像形成装置10の各部の動作を制御する制御部20と、を含んで構成されている。なお、以下の説明では、図1に対する正面視上下方向を矢印Y方向、水平方向を矢印X方向と記載する。また、左、右と記載するときは、画像形成装置10を正面から見た場合の左、右を表している。
【0020】
用紙収容部12は、シートの一例としてのサイズの異なる記録用紙Pが各々収容される第1収容部22、第2収容部24、第3収容部26、及び第4収容部28が矢印Y方向に並んで設けられている。第1収容部22、第2収容部24、第3収容部26、及び第4収容部28(以下、区別する必要がない場合は「収容部」という。)の各々には、収容された記録用紙Pを搬送経路30に送り出す送出ロール32が設けられている。搬送経路30は、送出ロール32によって用紙収容部12から取り出された記録用紙Pを画像形成部14及び排出部16へと案内する板状のシュート31によって規定される。シュート31は、本流シュート31A及び分岐シュート31B〜31Bを有する。本流シュート31Aは、記録用紙Pを用紙収容部12から画像形成部14へ案内する部分であって、搬送経路30の基幹部分を規定している。分岐シュート31B〜31Bは、本流シュート31Aから分岐した部分であって、第1収容部22、第2収容部24及び第3収容部26毎の各送出ロール32によって収容部から取り出されて送り出される記録用紙Pを各々受け入れて本流シュート31Aへ案内する。分岐シュート31Bは、第1収容部22に対応している。分岐シュート31Bは、第2収容部24に対応している。分岐シュート31Bは、第3収容部26に対応している。分岐シュート31Bは、第4収容部28に対応している。従って、分岐シュート31B〜31Bの各々における記録用紙Pの受け入れ口が搬送経路30の入口として機能する。
【0021】
本流シュート31Aには、分岐シュート31B〜31Bの各出口に対応させて搬送ロール対36が設けられている。搬送ロール対36の各々は、対応する送出ロール32によって送り出された記録用紙Pを挟み込んで搬送方向の下流側へと送り出す一対のロールを含んで構成されている。このように構成された搬送ロール対36は、制御部20の制御に従って、送出ロール32によって送り出された記録用紙Pをニップ部で一旦停止させると共に、予め決められたタイミングで搬送方向の下流側へ送り出す。
【0022】
一方、分岐シュート31Bには搬送ロール対36が設けられていない。そのため、送出ロール32によって分岐シュート31Bへ送り出された記録用紙Pは送出ロール32の駆動力によって本流シュート31Aに案内されて搬送方向の下流側へ送り出される。
【0023】
また、本流シュート31Aにおいて、記録用紙Pの搬送方向で搬送ロール対36よりも下流側には、記録用紙Pを一旦停止させると共に、予め決められたタイミングで下流側の領域(二次転写部37)へ送り出す一対の位置合せロール38が設けられている。一対の位置合わせロール38は、互いの外周面を接触させて対向して配置されており、記録用紙Pを挟み込み、モータ14A(図4参照)から駆動力を受けて回転することで記録用紙Pを搬送経路30の下流側へ送り出す。なお、一対の位置合わせロール38は、送出ロール32によって送り出された記録用紙Pがニップ部に突き当てられてそのまま押し込まれたとしても、一対の位置合わせロール38の自重及び位置合わせロール38とモータ14Aの駆動軸とを連結しているギアの重みによって回転しないように構成されている。
【0024】
画像形成部14は、装置本体である筐体16Aを有している。筐体16Aは、画像形成装置10の正面視で画像形成部14の左上部が中央上部及び右上部よりも上側に突出されている。そして、排出部16の上端に原稿読取部18の左端部が結合されている。これにより、画像形成装置10には、画像形成部14の上面、原稿読取部18の下面、及び排出部16の右側面で囲まれた排出領域19が形成されている。排出領域19では、排出部16からの記録用紙Pの排出及び積載が行われる。
【0025】
画像形成部14の搬送経路30を挟んで第4収容部28と反対側には、画像形成装置10の正面視で左側面に設けられた折り畳み式の手差給紙部39から搬送経路30へ記録用紙Pが搬送される予備搬送路40が設けられている。予備搬送路40には、手差給紙部39の記録用紙Pを予備搬送路40に送り出す送出ロール42と、送出ロール42よりも下流側に設けられ記録用紙Pを一枚ずつ搬送する複数の搬送ロール対44とが設けられており、予備搬送路40の下流側端部は搬送経路30に接続されている。
【0026】
また、画像形成部14で搬送経路30における二次転写部37よりも下流側には、定着装置100が設けられている。定着装置100は、記録用紙P上の現像剤を加熱する定着ロール102と、定着ロール102に向けて記録用紙Pを加圧する加圧ロール104とを有しており、記録用紙Pが定着ロール102と加圧ロール104との接触部であるニップ部Nを通過すると、現像剤が溶融、凝固して記録用紙Pに現像剤像が定着されるように構成されている。なお、本第1の実施の形態に係る画像形成装置10では、現像剤として、主にトナーとキャリアを含んで構成された二成分現像剤を採用しており、以下では、この現像剤を「トナー」と称する。
【0027】
また、画像形成部14は、搬送経路30の予め定められた領域における記録用紙Pの通過を検出する第1パスセンサ91A及び第2パスセンサ91Bを備えている。画像形成装置10では、第1パスセンサ91A及び第2パスセンサ91Bでの検出結果に基づいて、各種の制御(例えば、転写を実行する時期、各ロールの回転開始及び停止の時期、定着処理の実行時期などの制御)が実行される。
【0028】
図2には、本第1の実施の形態に係る第1パスセンサ91A及び第2パスセンサ91Bが搬送経路30に沿って配置された一例が模式的に示されている。図2に示されるように、搬送経路30には、搬送方向の上流側から下流側にかけて搬送ロール対36、一対の位置合わせロール38、二次転写部37及び定着装置100が順に配置されている。第1パスセンサ91Aは、搬送経路30における一対の位置合わせロール38よりも搬送方向の上流側で且つ搬送ロール対36よりも搬送方向の下流側に配置されている。一方、第2パスセンサ91Bは、搬送経路30における定着装置100よりも下流側に配置されている。第1パスセンサ91A及び第2パスセンサ91Bは、通常時がオン状態であり、検出対象領域を記録用紙Pが通過している間にオフ状態に遷移する。つまり、記録用紙Pが検出対象領域に存在していないとき(記録用紙Pの非通過期間)にオン状態にされ、検出対象領域に記録用紙Pが存在しているとき(記録用紙Pの通過期間)にオフ状態にされる。なお、本第1の実施の形態に係る第1パスセンサ91A及び第2パスセンサ91Bは共に反射型のフォトインタラプタを適用しているが、これに限らず、透過型のフォトインタラプタであっても良く、記録用紙Pの通過を検出するセンサ(例えば記録用紙Pの先端及び後端を検出するセンサ)であれば如何なるセンサであってもよい。
【0029】
図1及び図3に示すように、画像形成部14の中央には、黒(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色のトナーを組合せて記録用紙Pにトナー像を形成する形成手段の一例としての画像形成ユニット60が設けられている。画像形成ユニット60は、静電潜像を保持する感光体ドラム62K,62Y,62M,62Cが、黒(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色のトナーに対応して設けられている。なお、以下の説明では、K,Y,M,Cを区別する必要がある場合は、数字の後にK,Y,M,Cのいずれかの英字を付して説明し、構成上K,Y,M,Cを区別して説明する必要がない場合は、K,Y,M,Cの記載を省略する。
【0030】
感光体ドラム62K,62Y,62M,62Cは、この順番で図示の右上方に向けて並んでおり、それぞれ矢印b方向(図示の反時計回り方向)に回転すると共に光照射によって形成される静電潜像を外周面に保持する。また、各感光体ドラム62K,62Y,62M,62Cの周囲には、矢印b方向に沿って順に、帯電ロール66、LED(Light Emitting Diode)ヘッド68、現像器72、中間転写ベルト64、及びクリーニングロール76が設けられている。
【0031】
帯電ロール66は、一例として、ステンレス鋼製の軸部の周囲に電気的導通性を有する弾性層、中間層、及び表面樹脂層を含む複数の層(何れも図示省略)が形成された構成となっている。また、帯電ロール66は、外周面が感光体ドラム62の表面層と接触して従動するように軸部が回転自在に設けられており、電圧印加部(図示省略)から電圧が印加されることにより生じる放電により、感光体ドラム62の外周面を帯電させる。
【0032】
LEDヘッド68は、帯電ロール66により帯電した感光体ドラム62の外周面に各トナー色に対応した光を照射(露光)して静電潜像を形成する。なお、感光体ドラム62への露光手段として、K,Y,M,Cの4色共通でレーザ光をポリゴンミラーで走査する方式を用いてもよい。
【0033】
現像器72は、感光体ドラム62に形成された静電潜像へトナーを供給してトナー像を形成する現像ロール71と、現像ロール71へトナーを循環搬送する搬送部材73A及び73Bとを有している。
【0034】
中間転写ベルト64は、無端状に形成されており、二次転写部37に設けられたベルト搬送ロール82と、ベルト搬送ロール82の右下方に設けられたベルト搬送ロール84と、ベルト搬送ロール82の右上方に設けられモータ(図示省略)で駆動される駆動ロール86とに巻き掛けられて矢印a方向(図示の時計回り方向)に周回移動するように支持されている。中間転写ベルト64の外周面は、トナー像が転写される転写面とされており、中間転写ベルト64の駆動ロール86からベルト搬送ロール84までの転写面に感光体ドラム62K,62Y,62M,62Cの外周面が接触している。
【0035】
一方、中間転写ベルト64を挟んで感光体ドラム62K,62Y,62M,62Cの反対側には、一次転写ロール74(74K、74Y、74M、74C)が設けられている。一次転写ロール74は、中間転写ベルト64の内周面に接触しており、電圧印加部(図示省略)から電圧が印加されることで、接地された感光体ドラム62との電位差により、感光体ドラム62のトナー像を中間転写ベルト64の転写面へ一次転写させる。これにより、中間転写ベルト64が1周する間に中間転写ベルト64上に各トナー像が重ねて転写される。
【0036】
また、中間転写ベルト64を挟んでベルト搬送ロール84と反対側には、トナー濃度検出センサ88が設けられている。トナー濃度検出センサ88は、中間転写ベルト64の転写面に転写されたトナー像の濃度を検出する機能を有している。さらに、中間転写ベルト64を挟んで駆動ロール86と反対側には、二次転写後の中間転写ベルト64の転写面に残留したトナー等を清掃する清掃部材92が設けられている。
【0037】
二次転写部37は、中間転写ベルト64が巻き掛けられたベルト搬送ロール82と、中間転写ベルト64を挟んでベルト搬送ロール82と反対側に設けられた搬送手段の一例としての二次転写ロール89とを含んで構成されている。二次転写ロール89は、電圧印加部90から電圧が印加されるように電圧印加部90に接続されており、ベルト搬送ロール82と二次転写ロール89との電位差により、中間転写ベルト64上のトナー像が記録用紙P上に二次転写されるように構成されている。
【0038】
図1に示すように、画像形成部14の清掃部材92よりも右側には、K,Y,M,Cの各トナーを収容するトナーカートリッジ77K,77Y,77M,77Cが交換自在に設けられている。また、画像形成部14の搬送経路30よりも左側には、記録用紙Pの両面に画像形成を行うために記録用紙Pが搬送及び反転される両面搬送路94が設けられている。
【0039】
両面搬送路94は、搬送経路30における記録用紙Pの搬送方向で定着装置100よりも下流側に設けられた搬送ロール対95と、搬送ロール対95よりも下流側に設けられ回転方向が切り換え自在とされた搬送ロール対96との間に一端が接続されており、他端が位置合せロール38の上流側に接続されている。また、両面搬送路94には、搬送ロール対96から送り込まれる記録用紙Pを位置合せロール38へ向けて搬送する複数の搬送ロール97が設けられている。これにより、両面画像形成時には、定着装置100で表面側にトナー像が定着された記録用紙Pが、搬送ロール対96の逆回転及び経路切り替え部材(図示省略)により両面搬送路94に進入し、再度位置合せロール38に進入することで、記録用紙Pの表裏が反転される。
【0040】
排出部16における搬送ロール対95よりも下流側で、搬送経路30から排出領域19側へ分岐された搬送路31には、画像形成部14の上部に設けられた下置台52へ記録用紙Pを排出する下排出ロール54が設けられている。そして、下排出ロール54に隣接する位置には、下置台52上に積載された記録用紙Pの積載高さを検知するための下検出部55が設けられている。また、排出部16における搬送ロール対95よりも下流側の搬送経路30には、下置台52の上方に設けられた上置台56へ記録用紙Pを排出する上排出ロール57が設けられている。そして、上排出ロール57に隣接する位置には、上置台56上に積載された記録用紙Pの積載高さを検知するための上検出部58が設けられている。
【0041】
一方、原稿読取部18は、読取原稿Gを1枚ずつ自動で搬送する原稿搬送装置45と、原稿搬送装置45の下側に配置され1枚の読取原稿Gが載せられるプラテンガラス47と、原稿搬送装置45によって搬送された読取原稿G又はプラテンガラス47に載せられた読取原稿Gを読み取る原稿読取装置49とが設けられている。原稿搬送装置45は、一対の搬送ロール46が複数配置された自動搬送路48を有しており、自動搬送路48の一部は記録用紙Pがプラテンガラス47上を通るように配置されている。また、原稿読取装置49は、プラテンガラス47の左端部に静止した状態で原稿搬送装置45によって搬送された読取原稿Gを読み取り、又は矢印X方向に移動しながらプラテンガラス47に載せられた読取原稿Gを読み取るように構成されている。
【0042】
図4は、本実施形態に係る画像形成装置10の電気系の要部構成を示すブロック図である。同図に示すように、画像形成装置10は、推定手段及び制御手段としてのCPU150、ROM(Read Only Memory)152、RAM(Random Access Memory)154、二次記憶部156、UI(ユーザ・インタフェース)パネル158、及び外部インタフェース160を含んで構成されている。
【0043】
ROM152は、画像形成装置10の作動を制御する制御プログラム、後述する用紙長識別処理プログラムや各種パラメータ等を予め記憶する記憶手段として機能するものである。RAM154は、各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるものである。二次記憶部156は、装置の電源スイッチが切られても保持しなければならない各種情報を記憶するものであり、例えばハードディクス装置及びフラッシュメモリなどが適用される。UIパネル158は、ディスプレイ上に透過型のタッチパネルが重ねられたタッチパネルディスプレイ等から構成され、各種情報がディスプレイの表示面に表示されると共に、ユーザによってタッチパネルが触れられることにより各種情報や指示を受け付ける。外部インタフェース160は、パーソナル・コンピュータ等の外部装置162に接続され、外部装置162から記録用紙Pに形成する画像を示す画像情報等の各種情報を受信し、外部装置162に画像形成装置10の状態を示す情報等の各種情報を送信するためのものである。
【0044】
画像形成部14、CPU150、ROM152、RAM154、二次記憶部156、UIパネル158及び外部インタフェース160は、システムバスBUSを介して相互に接続されている。従って、CPU150は、ROM152、RAM154、二次記憶部156へのアクセスと、UIパネル158への各種情報の表示と、UIパネル158に対するユーザの操作指示内容の把握と、外部装置162からの外部インタフェース160を介した各種情報の受信と、外部装置162への外部インタフェース160を介した各種情報の送信と、画像形成部14の動作状態の把握と、画像形成部14の作動の制御と、を各々行う。
【0045】
画像形成手段としての画像形成部14は、例えば、送出手段としての送出ロール32,42、受渡手段としての搬送ロール対36、搬送手段としての搬送ロール対44,54,57,95,96、搬送手段としての位置合わせロール38、搬送手段としての定着ロール102、及び搬送手段としての加圧ロール104などの記録用紙Pを搬送する各種ロールを回転駆動させるための駆動力を発生するモータ14Aと、モータ14Aに接続されてモータ14Aの駆動を制御するモータ制御部14Bと、検出手段としての第1パスセンサ91Aと、検出手段としての第2パスセンサ91Bと、を備えている。モータ制御部14B、第1パスセンサ91A及び第2パスセンサ91Bは、システムバスBUSを介して相互に接続されている。従って、CPU150は、モータ制御部14Bを介したモータ14Aの制御と、モータ制御部14Bを介したモータ14Aの動作状態の把握と、第1パスセンサ91A及び第2パスセンサ91Bの各々から出力される信号(オン状態を示すオン信号とオフ状態を示すオフ信号)の受信と、を各々行う。
【0046】
また、本第1の実施の形態に係る画像形成装置10は、記録用紙Pの搬送方向の長さ(以下、「用紙長」という。)が予め定められた長さ(例えばA4の長手方向の長さ)以上の記録用紙Pを搬送する場合に記録用紙Pの送出ロール32による搬送を補助するアシスト機能を有している。
【0047】
アシスト機能とは、搬送中の記録用紙Pの皺の発生やスリップの発生などを抑制するために、搬送経路30において記録用紙Pが搬送されている間に記録用紙Pの搬送を補助する機能のことである。このアシスト機能が作動する前提として次の(i)〜(iii)に示す3つの条件(以下、「アシスト機能作動条件」という。)を満足する必要がある。
(i) 予め定められた長さ以上の用紙長が設定されている、との条件。
(ii) 回転が停止された状態の位置合わせロール38に記録用紙Pの先端が突き当てられている、との条件。
(iii) 送出ロール32の回転が停止している、との条件。
【0048】
アシスト機能は、アシスト機能作動条件が満たされると、一時停止状態にある位置合わせロール38及び送出ロール32の各回転を同期開始し、予め定められた停止条件(例えば、一時停止状態にある位置合わせロール38及び送出ロール32の各回転が同期開始されてから(位置合わせロール38よりも下流側への送り出しが開始されてから)、ユーザによって設定された用紙長の記録用紙Pの搬送を補助する時間として予め定められた時間が経過した、との条件)を満足するまで送出ロール32の回転を続行することによって実現される。予め定められた停止条件とは、記録用紙Pの後端が送出ロール32を通過したと判断される条件として予め定められた条件のことであり、例えば記録用紙Pの搬送を再開してから予め定められた時間(例えば0.8秒)経過した、との条件が挙げられる。
【0049】
なお、上記(i)の条件に代えて、「予め定められた長さ未満の用紙長が設定されている、との条件」を満たした場合にはアシスト機能が作動されずに通常の搬送動作が実行される。ここで言う「通常の搬送動作」とは、送出ロール32を回転させずに位置合わせロール38を回転させると共に搬送経路30上の各ロールを回転させることにより記録用紙Pを搬送することを意味する。また、本第1の実施の形態に係る画像形成装置10おいて、「用紙長の設定」とは、搬送対象(画像形成を行う対象)の記録用紙Pが収容された収容部がUIパネル158を介して指定され、指定された収容部内に設けられているサイドフェンス(図示省略)の位置によって用紙長を決定し、決定した用紙長を予め定められた記憶領域に記憶することを意味している。ここで言う「サイドフェンス」とは、収容部内において収容対象とされる記録用紙Pの用紙長を規定するためのフェンスである。収容部内におけるサイドフェンスの位置の検出はフォトインタラプタやマイクロスイッチなどの各種センサで行えば良い。
【0050】
なお、本第1の実施の形態に係る画像形成装置10では、収容部内にサイドフェンスを備えられているが、収容部内にサイドフェンスが備えられていない場合も考えられる。この場合の「用紙長の設定」としては、例えば、記録用紙Pの用紙長毎に対応する収容部を設け、UIパネル158を介して何れかの収容部を指定し、指定した収容部に対応する用紙長を予め定められた記憶領域に記憶する、という例が挙げられる。
【0051】
次に、本実施形態に係る画像形成装置10の作用について説明する。
【0052】
先ず、画像形成装置10における画像形成処理について説明する。
【0053】
画像形成装置10が作動すると、画像処理装置(図示省略)又は外部から、黒(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色の画像データがLEDヘッド68(図2参照)に出力される。続いて、LEDヘッド68から画像データに応じて出射された光は、帯電ロール66により帯電された感光体ドラム62の外周面(表面)を露光し、各感光体ドラム62の表面には各色の画像データに対応した静電潜像が形成される。さらに、各感光体ドラム62の表面に形成された静電潜像は、各現像器72によってトナー像として現像される。そして、各感光体ドラム62の表面のトナー像は、一次転写ロール74によって中間転写ベルト64に順次多重転写される。
【0054】
一方、用紙収容部12から送り出され、搬送経路30を搬送されてきた記録用紙Pは、位置合せロール38により、中間転写ベルト64への各トナー像の多重転写とタイミングを合わせて二次転写部37に搬送される。そして、中間転写ベルト64上に多重転写されたトナー像は、二次転写部37に搬送されてきた記録用紙P上に二次転写ロール89によって二次転写される。
【0055】
続いて、トナー像が転写された記録用紙Pは、定着装置100へ搬送される。そして、定着装置100では、トナー像が定着ロール102及び加圧ロール104によって加熱、加圧されることで記録用紙Pに定着される。さらに、トナー像が定着された記録用紙Pは、排出部16から下置台52又は上置台56へ排出される。なお、記録用紙Pの両面に画像を形成する場合は、定着装置100で表面に画像定着を行った後、この記録用紙Pの下端を搬送ロール対96から両面搬送路94に送り込むと共に位置合せロール38(搬送経路30)へ送り出すことで、記録用紙Pの先端と後端とを入れ替える。そして、記録用紙Pの裏面に対して画像形成及び定着を行う。
【0056】
ところで、本第1の実施の形態に係る画像形成装置10では、前述したように、搬送対象とされる記録用紙Pの用紙長がユーザによって設定される。そして、画像形成装置10では、例えばその設定された用紙長に対応する収容部に収容されている記録用紙Pを対象にして画像の形成が実行される。しかし、収容部にユーザが意図しない用紙長の記録用紙Pが収容されていた場合、ユーザによって設定された用紙長以外の用紙長の記録用紙Pに対して画像形成処理が実行されることになる。例えば、搬送中の記録用紙Pの用紙長がユーザによって設定された用紙長よりも短い場合、トナーが付着する対象物である記録用紙Pがないにも拘らずトナーを付着するための動作が実行されるので画像形成部14内が不要に汚れることが予想される。このような事態の発生を回避するためには、例えば搬送経路30の入口にて、記録用紙Pの通過を検出することによって用紙長を測定し、ユーザが意図する用紙長であるか否かを判定すれば良い。これにより、意図しない用紙長の記録用紙Pに対して画像形成処理が実行されるという事態の発生が抑制される。ところが、例えば送出ロール32によって記録用紙Pを1枚ずつ捌けなかった場合、搬送経路30に先行して送り出される記録用紙Pの一部に重なった状態で次の搬送対象である記録用紙Pが追随して送り出されてしまうことがある。記録用紙Pを1枚ずつ捌けなくなる要因としては、例えば、記録用紙Pにパンチャーで穴を開けた際に生じたバリや記録用紙Pに付着した静電気、意図せずに記録用紙Pに付着した粘着剤(例えば糊)などが挙げられる。このような要因によって記録用紙Pの一部に後続の記録用紙Pが重なった状態で搬送されてしまうと、ユーザが意図する用紙長(ユーザによって設定された用紙長)の記録用紙Pが搬送されていないにも拘らず、ユーザの指示通りの用紙長の記録用紙Pが搬送されていると誤判定される虞がある。逆に、ユーザが意図する用紙長の記録用紙Pが搬送されているにも拘らず、ユーザの指示通りの用紙長の記録用紙Pが搬送されていないと誤判定される虞もある。
【0057】
そこで、本実施形態に係る画像形成装置10では、現在搬送中の記録用紙Pの用紙長がユーザによって設定された用紙長であるか否かを高精度に識別する用紙長識別処理が実行される。
【0058】
次に、図5を参照して、用紙長識別処理を実行しているときの画像形成装置10の作用を説明する。なお、図5は、第4収容部28に収容されている記録用紙Pを第4収容部28から取り出して分岐シュート31Bに送り出すために、第4収容部28に対応している送出ロール32の回転を開始させた際にCPU150により実行される用紙長識別処理プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートであり、この用紙長識別処理プログラムはROM152の予め定められた記憶領域に予め記憶されている。なお、ここでは、錯綜を回避するために、位置合わせロール38の回転、及び搬送経路30に沿って配置されたロールの回転が停止された状態で用紙長識別処理プログラムが実行される場合について説明する。
【0059】
図5のステップ200では、第1パスセンサ91Aがオフ状態からオン状態に遷移したか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ202に移行する一方、否定判定となった場合にはステップ238に移行する。ステップ238では、予め定められた用紙長の記録用紙Pが搬送されていないと判断される条件として予め定められた条件(例えばステップ200の処理の実行を開始してから1秒経過した、との条件)を満足したか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ200に戻る一方、肯定判定となった場合にはステップ232に移行する。
【0060】
ステップ202では、送出ロール32によってシュート31に送り出された記録用紙Pの先端が位置合せロール38に突き当たって記録用紙Pが予め定められた大きさの撓み(スキューが補正される程度の撓み)を形成するまで(例えば送出ロール32の回転を開始させてから0.5秒経過するまで)を待機した後、ステップ203に移行し、送出ロール32の回転を停止させた後、ステップ204に移行する。
【0061】
ステップ204では、搬送開始処理を実行する。ここで、図6を参照して、搬送開始処理を実行しているときの画像形成装置10の作用を説明する。なお、図6は、CPU150により実行される搬送開始処理プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートであり、この搬送開始処理プログラムはROM152の予め定められた記憶領域に予め記憶されている。
【0062】
図6のステップ204Aでは、アシスト機能作動条件を満足したか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ204Bに移行する一方、否定判定となった場合にはステップ204Cに移行する。ステップ204Bでは、アシスト機能を作動させると共に搬送経路30上のロールの回転を開始させた後、本搬送開始処理プログラムを終了して用紙長識別処理プログラムのステップ206に移行する。一方、ステップ204Cでは、搬送経路30上の各ロールの回転を開始させることで記録用紙Pの搬送を開始した後、本搬送開始処理プログラムを終了して用紙長識別処理プログラムのステップ206に移行する。
【0063】
図5のステップ206では、時間の計測を開始した後にステップ208に移行し、第1パスセンサ91Aがオン状態からオフ状態に遷移したか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ210に移行する一方、否定判定となった場合にはステップ240に移行する。ステップ240では、予め定められた用紙長の記録用紙Pが搬送されていないと判断される条件として予め定められた条件(例えばステップ206の処理によって時間の計測が開始されてから1秒経過した、との条件)を満足したか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ208に戻る一方、肯定判定となった場合にはステップ232に移行する。
【0064】
ステップ210では、上記ステップ206の処理によって開始された時間の計測を停止した後、ステップ212にて、上記ステップ206及び上記ステップ210の処理によって計測された時間に基づいて現在搬送されている記録用紙Pの用紙長を推定した後、ステップ214に移行する。なお、本ステップ212では、次の(1)式を用いて用紙長を算出することにより推定しているが、これに限らず、ステップ206及びステップ210の処理によって計測された時間を入力とし、用紙長を出力とするルックアップテーブルを用いて用紙長を導出することよって推定しても良い。
用紙長[mm]=V×(T1−α)+A・・・・(1)
T1[sec]:計測した時間(ステップ206からステップ210までの経過時間)
V[mm/sec]:記録用紙Pの搬送速度
A[mm]:位置合わせロール38における記録用紙Pの先端が突き当てられる位置(ニップ部)から第1パスセンサ91Aによる検出位置までの距離
α[sec]:搬送再開までの待機時間(例えば送出ロール32の回転の一時停止時間に、位置合わせロール38に対する作動命令が発せられてから位置合わせロール38が実際に作動されるまでに要する時間を加えた時間)
【0065】
ステップ214では、上記ステップ212の処理によって推定された用紙長が予め想定された範囲内の長さであるか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ216に移行し、現在搬送中の記録用紙Pの用紙長が想定の範囲内の長さであることを示すフラグを設定した(オン状態にした)後、ステップ218に移行する。一方、ステップ214において否定判定となった場合にはステップ216の処理を実行せずにステップ218に移行する。なお、ここで言う「予め想定された範囲内の長さ」とは、例えば、指定された搬送対象の記録用紙PのサイズがA3SEFであれば用紙長に対して±1mmの誤差を考慮した長さのことを意味する。
【0066】
ステップ218では、第2パスセンサ91Bがオフ状態からオン状態に遷移したか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ220に移行する一方、否定判定となった場合にはステップ242に移行する。ステップ242では、予め定められた用紙長の記録用紙Pが搬送されていないと判断される条件として予め定められた条件(例えば第2パスセンサ91Bがオン状態からオフ状態に遷移してから0.5秒経過した、との条件)を満足したか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ218に戻る一方、肯定判定となった場合にはステップ232に移行する。
【0067】
ステップ220では、時間の計測を開始した後にステップ222に移行し、第2パスセンサ91Bがオン状態からオフ状態に遷移したか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ224に移行する一方、否定判定となった場合にはステップ244に移行する。ステップ244では、予め定められた用紙長の記録用紙Pが搬送されていないと判断される条件として予め定められた条件(例えばステップ220の処理によって時間の計測が開始されてから1秒経過した、との条件)を満足したか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ222に戻る一方、肯定判定となった場合にはステップ232に移行する。
【0068】
ステップ224では、上記ステップ220の処理によって開始された時間の計測を停止した後、ステップ226にて、計測された時間に基づいて現時点で搬送されている記録用紙Pの用紙長を前述したように推定した後、ステップ228に移行する。
【0069】
ステップ228では、上記ステップ226の処理によって推定された用紙長が予め想定された範囲内の長さであるか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ230に移行し、現在搬送中の記録用紙Pの用紙長が想定の範囲内の長さであることを示すフラグを設定した(オン状態にした)後、ステップ232に移行する。
【0070】
ステップ232では、現在搬送中の記録用紙Pの用紙長が予め想定された範囲内の長さでないことを示す警報信号を出力した後、ステップ234に移行する。警報信号の出力先としては、例えば、UIパネル158が挙げられる。UIパネル158は、警報信号が入力された場合、現在搬送中の記録用紙Pの用紙長が予め想定された範囲内の長さでないことを示すメッセージを表示する。このメッセージの一例としては、「指定外のサイズの記録用紙がセットされています。」というメッセージや「お客様が指定された記録用紙が搬送されていません。」というメッセージ、「用紙サイズを再設定して下さい。」というメッセージなどが挙げられる。なお、UIパネル158による可視表示の他にも、スピーカを用いた可聴表示や上記のメッセージを用紙に印字した永久可視表示であっても良い。また、可視表示、可聴表示及び永久可視表示を複数組み合わせても良い。また、警報信号を外部インタフェース160を介して外部装置162に送信しても良い。
【0071】
一方、ステップ228において否定判定となった場合にはステップ230及びステップ232の処理を実行せずにステップ234に移行する。ステップ234では、送出ロール32及び搬送経路30上のロールのうち、回転しているロールが存在しているか否かを判定し、否定判定となった場合には本用紙長識別処理プログラムを終了する一方、肯定判定となった場合にはステップ236に移行し、ロールの回転を停止させることで搬送動作を停止した後、本用紙長識別処理プログラムを終了する。
【0072】
以上詳細に説明したように、本第1の実施の形態に係る画像形成装置10によれば、搬送経路30に沿って設けられた第1パスセンサ91A及び第2パスセンサ91B毎に、記録用紙Pの用紙長を各々の検出結果に基づいて推定し、第1パスセンサ91A及び第2パスセンサ91Bの少なくとも1つの検出結果に基づいて推定された用紙長が予め定められた長さでない場合に警報信号を出力する構成を有しているので、この構成を有しない場合に比べ、搬送された記録用紙Pの用紙長が予め定められた長さであるか否かが高精度に識別される。
【0073】
[第2の実施の形態]
上記第1の実施の形態では、第4収容部28に収容されている記録用紙Pを第4収容部28から取り出して搬送経路30に送り出す場合の用紙長識別処理を例に挙げて説明したが、本第2の実施の形態では、第1〜第4収容部22,24,26,28の何れか1つが指定され、指定された収容部から送出ロール32によって記録用紙Pを取り出して搬送経路30に送り出す場合について説明する。なお、上記第1の実施の形態で説明した構成については上記第1の実施の形態で使用した符号を付してその説明を省略し、上記第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
【0074】
ところで、本第2の実施の形態に係る画像形成装置10において、収容部から送出ロール32によって取り出されて搬送経路30に送り出される記録用紙Pに対して後続の記録用紙Pが例えばバリや静電気などが原因で連なって送り出されてしまうことがある。しかし、本第2の実施の形態に係る画像形成装置10では、第1〜第3収容部22,24,26の各々に対して、搬送ロール対36が対応付けて設けられている。そのため、第1〜第3収容部22,24,26から送出ロール32によって取り出されて搬送経路30に送り出された記録用紙Pに後続の記録用紙Pも連なって送り出されてしまったとしても、連なっている記録用紙Pが搬送ロール対36によって引き離されることがある。よって、第1〜第3収容部22,24,26の各々から送出ロール32によって取り出されて搬送経路30に送り出されている記録用紙Pの方が、第4収容部28から送出ロール32によって取り出されて搬送経路30に送り出されている記録用紙Pよりも、後続の記録用紙Pが連なって搬送されるということが起こり難い。
【0075】
このように記録用紙Pが連なって搬送され難いルートがあるのであれば、そのルートを経由して搬送される記録用紙Pに対しては、上記第1の実施の形態で説明したように第1パスセンサ91A及び第2パスセンサ91Bの各々の検出結果に基づいて得られた用紙長の推定結果を用いなくても、1枚ずつの記録用紙Pの識別精度が十分に確保される。
【0076】
そこで、本第2の実施の形態に係る画像形成装置10では、第1〜第3収容部22,24,26の各々から送出ロール32によって取り出されて搬送経路30に送り出された記録用紙Pの用紙長の推定方式と第4収容部28から送出ロール32によって取り出されて搬送経路30に送り出された記録用紙Pの用紙長の推定方式とを使い分ける収容部別用紙長識別処理が実行される。
【0077】
以下、図7を参照して、収容部別用紙長識別処理を実行しているときの画像形成装置10の作用を説明する。なお、図7は、指定された収容部に収容されている記録用紙Pを収容部から取り出して搬送経路30に送り出すために、その収容部に対応している送出ロール32の回転を開始させた際にCPU150により実行される収容部別用紙長識別処理プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートであり、この収容部別用紙長識別処理プログラムはROM152の予め定められた記憶領域に予め記憶されている。なお、ここでは、錯綜を回避するために、第1〜第4収容部22,24,26,28の何れか1つが搬送対象の記録用紙Pが収容されている収容部として既に指定されている場合について説明する。また、位置合わせロール38の回転、及び搬送経路30に沿って配置されたロールの回転が停止された状態で収容部別用紙長識別処理プログラムが実行される場合について説明する。
【0078】
図7のステップ400では、現時点で指定されている収容部に対して対応付けられている搬送ロール対36が存在するか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ402に移行し、上記第1の実施の形態で説明した用紙長識別処理プログラムを実行した後、本収容部別用紙長識別処理プログラムを終了する。
【0079】
一方、ステップ400において肯定判定となった場合にはステップ404に移行する。ステップ404では、上記ステップ200の処理に相当する処理を実行する。ステップ404において否定判定となった場合にはステップ406に移行し、上記ステップ238の処理に相当する処理を実行する。ステップ404において肯定判定となった場合にはステップ408に移行する。ステップ408では、上記ステップ202の処理に相当する処理を実行した後、ステップ410に移行する。ステップ410では、上記ステップ203の処理に相当する処理を実行した後、ステップ412に移行する。ステップ412では、上記ステップ204の処理に相当する処理を実行した後、ステップ414に移行する。ステップ414では、上記ステップ206の処理に相当する処理を実行した後、ステップ416に移行する。ステップ416では、上記ステップ208の処理に相当する処理を実行する。ステップ416において否定判定となった場合にはステップ418に移行し、上記ステップ240の処理に相当する処理を実行する。
【0080】
一方、ステップ416において肯定判定となった場合にはステップ420に移行し、上記ステップ210の処理に相当する処理を実行した後、ステップ422に移行する。ステップ422では、上記ステップ212の処理に相当する処理を実行した後、ステップ424に移行する。ステップ424では、上記ステップ422の処理によって推定された用紙長が予め想定された範囲内の長さであるか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ426に移行する。ステップ426では、上記ステップ232の処理に相当する処理を実行した後、ステップ428に移行する。
【0081】
一方、ステップ424において否定判定となった場合にはステップ428に移行する。ステップ428では、上記ステップ234の処理に相当する処理を実行した後、ステップ430に移行する。ステップ430では、上記ステップ236の処理に相当する処理を実行した後、本収容部別用紙長識別処理プログラムを終了する。
【0082】
このように収容部別用紙長識別処理を実行することで、何れの収容部から記録用紙Pが取り出されて搬送経路30に送り出されたとしても、高精度に用紙長が推定される。また、第1〜第3収容部22,24,26から取り出されて搬送経路30に送り出された記録用紙Pは第2パスセンサ91Bの検出結果から用紙長を推定せずに第1パスセンサ91Aの検出結果から用紙長を推定しているので、第1パスセンサ91A及び第2パスセンサ91Bの双方の検出結果を用いて用紙長を推定する場合に比べ、推定に掛かる負荷が軽減される。また、推定に要する時間の短縮化も図れる。
【0083】
また、本第2の実施の形態に係る画像形成装置10では、アシスト機能作動条件が満足されると、搬送対象の記録用紙Pの用紙長として指定された用紙長が予め定められた用紙長以上であるにも拘らず、その用紙長の記録用紙Pが収容されているはずの収容部にその用紙長よりも短い用紙長の記録用紙Pが収容されている場合であっても、アシスト機能が作動してしまう。しかし、搬送ローラ対36が設けられているルートでは、搬送ローラ対36が設けられていないルートに比べ、連なって送り出された複数の記録用紙Pが搬送中に引き離される可能性が高い。従って、第2パスセンサ91Bに依拠せずに第1パスセンサ91Aの検出結果に基づく推定であったとしても、搬送経路30に搬送されている記録用紙Pの用紙長が想定の範囲内であるか否かが高精度に識別される。
【0084】
なお、上記各実施形態では、収容部に収容されている記録用紙Pが搬送される場合についての形態例を挙げて説明したが、これに限らず、手差給紙部39に保持されている記録用紙Pが搬送対象とされた場合にも適用しても良い。図1に示す例では、手差給紙部39に保持されている記録用紙Pが送出ロール42によって取り出されて予備搬送路40に送り出されると、一対の位置合わせロール38に至るまでの経路に2組の搬送ロール対44が設けられているため、仮に記録用紙Pが重なった状態で送り出されたとしても、これらの搬送ロール対44によって1枚ずつ引き離される可能性が高い。従って、図7に示す収容部別用紙長識別処理プログラムでは、ステップ400において肯定判定となってステップ404〜430の処理を実行することになる。
【0085】
また、上記各実施形態では、搬送開始処理が実行されてからの経過時間に基づいて用紙長を推定する場合の形態例を挙げて説明したが、これに限らず、第1パスセンサ91Aがオン状態からオフ状態に遷移してから、再度オン状態に遷移するまでに要する時間を利用して用紙長を推定するようにしても良い。
【0086】
また、上記各実施形態では、搬送経路30に第1パスセンサ91A及び第2パスセンサ91Bの2つのセンサを設置した場合の形態例を挙げて説明したが、これに限らず、搬送経路30に3つ以上のパスセンサを設けても良い。この場合、3つのセンサ毎に、検出された結果に基づいて用紙長を推定し、推定して得た用紙長の少なくとも1つが予め想定した範囲内の長さでなければ警報信号を出力し、推定して得た用紙長の全てが予め想定した範囲内の長さであれば警報信号を出力しない。これにより、予め設定された用紙長の記録用紙Pが搬送されているか否かがより高精度に判定される。
【0087】
また、上記第2の実施の形態では、搬送ローラ対38が対応付けられている収容部から取り出された記録用紙Pの通過を、第1パスセンサ91A及び第2パスセンサ91Bのうちの搬送方向の上流側に位置する第1パスセンサ91Aによって検出する場合の形態例を挙げて説明したが、これに限らず、第1パスセンサ91A及び第2パスセンサ91Bのうちの搬送方向の下流側に位置する第2パスセンサ91Bによって検出しても良い。この場合、記録用紙Pが第2パスセンサ91Bの検出領域に至るまでに二次転写部37及び定着装置100を経由するため、仮に複数の記録用紙Pが連なって搬送されていたとしても二次転写部37及び定着装置100を通過する間に引き離される可能性がある。よって、第2パスセンサ91Bの検出結果を用いて用紙長を推定する方が、第2パスセンサ91Bよりも搬送方向の上流側に位置する第1パスセンサ91Aの検出結果を用いて用紙長を推定する場合に比べ、予め設定された用紙長の記録用紙Pが搬送されているか否かがより高精度に判定される。逆に、第1パスセンサ91Aの検出結果を用いて用紙長を推定する方が、第1パスセンサ91Aよりも搬送方向の下流側に位置する第2パスセンサ91Bの検出結果を用いて用紙長を推定する場合に比べ、予め設定された用紙長の記録用紙Pが搬送されているか否かの判定結果が早く得られる。
【0088】
また、上記各実施形態では、搬送対象を記録用紙Pとしたが、これに限らず、OHPシートや液晶ディスプレイの製造で用いられるカラーフィルタなどであっても良い。このように画像が形成される対象になり得るシートであれば如何なるものであっても良い。
【0089】
また、上記各実施形態では、各種処理プログラムがROM152に予め記憶されているが、これに限らず、各種処理プログラムをCD−ROMやDVD−ROM、USB(Universal Serial Bus)メモリなどのコンピュータによって読み取られる記憶媒体に格納した状態で提供する形態を適用しても良いし、有線又は無線による通信手段を介して配信する形態を適用しても良い。
【符号の説明】
【0090】
10 画像形成装置
14 画像形成部
22 第1収容部
24 第2収容部
26 第3収容部
28 第4収容部
30 搬送経路
32 送出ロール
36 搬送ロール対
38 位置合わせロール
91A 第1パスセンサ
91B 第2パスセンサ
150 CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送手段によって搬送されるシートの搬送経路に沿って設けられ、各々該シートが通過したことを検出する複数の検出手段と、
前記複数の検出手段毎に、検出対象とされた前記シートの搬送方向の長さを各々の検出結果に基づいて推定する推定手段と、
前記複数の検出手段の少なくとも1つの検出結果に基づいて前記推定手段によって推定された前記長さが予め定められた長さでない場合に、搬送方向の長さが予め定められた長さでない用紙が搬送されたことを示す信号を出力する出力手段と、
を含むシート識別装置。
【請求項2】
収容部に収容されたシートを該収容部から取り出して前記搬送経路へ送り出す送出手段と、
搬送対象のシートの搬送方向の長さとして前記送出手段による搬送の補助を要する長さが予め設定されている場合、前記送出手段によって該シートの前記搬送経路の特定領域への送り出しが開始されてから、前記補助を要する長さ分の送り出しに要する時間として予め定められた時間が経過するまで該シートに対する送り出し動作を行うように前記送出手段を制御する制御手段と、を更に含む請求項1に記載のシート識別装置。
【請求項3】
搬送対象のシートが収容された複数の収容部毎に各々対応させて設けられ、各収容部に収容されたシートを該収容部から取り出して前記搬送経路へ送り出す複数の送出手段を更に含み、
前記搬送手段は、前記複数の送出手段の各々によって送り出されたシートの位置合わせを行うと共に該シートを前記搬送経路の特定領域に送り出す位置合わせ手段を有し、
前記複数の収容部の少なくとも1つに対応させて設けられ、対応する前記送出手段によって送り出されたシートを受け取り、受け取ったシートを前記位置合わせ手段に送り出すことで該シートの前記位置合わせ手段への受け渡しを行う受渡手段を更に含み、
前記推定手段は、前記送出手段によって前記シートが取り出された前記収容部に対して前記受渡手段が対応させて設けられている場合、前記複数の検出手段のうちの1つで検出された結果に基づいて検出対象とされた前記シートの搬送方向の長さを推定し、前記送出手段によって前記シートが取り出された前記収容部に対して前記受渡手段が対応させて設けられていない場合、前記複数の検出手段毎に、検出対象とされた前記シートの搬送方向の長さを各々の検出結果に基づいて推定する請求項1に記載のシート識別装置。
【請求項4】
前記推定手段は、前記送出手段によって前記シートが取り出された前記収容部に対して前記受渡手段が対応させて設けられている場合、前記複数の検出手段のうちの上流側に位置する1つで検出された結果に基づいて検出対象とされた前記シートの搬送方向の長さを推定し、前記送出手段によって前記シートが取り出された前記収容部に対して前記受渡手段が対応させて設けられていない場合、前記複数の検出手段毎に、検出対象とされた前記シートの搬送方向の長さを各々の検出結果に基づいて推定する請求項3に記載のシート識別装置。
【請求項5】
前記推定手段は、前記送出手段によって前記シートが取り出された前記収容部に対して前記受渡手段が対応させて設けられている場合、前記複数の検出手段のうちの下流側に位置する1つで検出された結果に基づいて検出対象とされた前記シートの搬送方向の長さを推定し、前記送出手段によって前記シートが取り出された前記収容部に対して前記受渡手段が対応させて設けられていない場合、前記複数の検出手段毎に、検出対象とされた前記シートの搬送方向の長さを各々の検出結果に基づいて推定する請求項3に記載のシート識別装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5の何れか1項に記載のシート識別装置と、
前記搬送手段によって前記搬送経路に搬送されたシートに対して、画像情報に応じた画像を形成する画像形成手段と、
を含む画像形成装置。
【請求項7】
搬送手段によって搬送されるシートの搬送経路に沿って設けられ、各々該シートが通過したことを検出する複数の検出手段を有する画像形成装置を制御するコンピュータを、
前記複数の検出手段毎に、検出対象とされた前記シートの搬送方向の長さを各々の検出結果に基づいて推定する推定手段、及び
前記複数の検出手段の少なくとも1つの検出結果に基づいて前記推定手段によって推定された前記長さが予め定められた長さでない場合に、搬送方向の長さが予め定められた長さでない用紙が搬送されたことを示す信号を出力する出力手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−250832(P2012−250832A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−126291(P2011−126291)
【出願日】平成23年6月6日(2011.6.6)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】