説明

シールを有する物品及びその物品を形成するためのプロセス

エンボス加工シールを有する物品は、少なくとも2つのウェブと、少なくとも2つのウェブの一部分を連結するエンボス加工シールと、を備え、このシールは、少なくとも2つのウェブ内に形成された共整合された同心の別個の延長要素を含み、別個の延長要素は開放基端を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンボス加工シールを有する物品、及びその物品を形成するためのプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
薄いウェブ材料を一時的に共に接着してシールを形成する多数の既知の方法が存在するが、この方法には、例えば接着剤の使用と、ベルクロ等の機械的締結要素の追加と、ヒートシーリング又は熱的−機械的結合により、ウェブを融解状態で融合させる工程と、が挙げられる。例えば米国特許第5,462,166号には、熱的−機械的手段により熱及び圧力を適用することによって、熱可塑性高分子フィルムを共に軟化及び融合する工程が開示されている。しかしながら、これらの方法は、シールを形成するプロセスに、望ましくないコスト及び非効率性、並びに複雑さを追加する。加えて、ウェブを融解状態で共に融合して形成されたシールは、シール以外の場所で望ましくなく裂ける場合があり、また使用者にとって魅力的でない硬いプラスチック様のシールを有する。更に、これら既知の封止方法は、2つのウェブを分離してシールが分割される際に比較的大きい雑音、例えば、ベルクロシールを分割する際の特徴的な大きい音を有し得るシールを製造する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5,462,166号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
当該技術分野での知見にも関わらず、シールを有する物品のより効率的な製造プロセスと、分割される際に(即ち、2つのウェブがシールにおいて分離される際に)静寂なシールを有する物品とを開発する願望が依然として存在する。これは、女性ケア製品用の包装として使用される物品に特に当てはまる。このような包装を開放する際にほとんど、あるいは全く雑音を生じず、使用者が包装をより個別的に開放できる封止パッケージを有することが非常に望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態において、物品は、少なくとも2つのウェブと、これら少なくとも2つのウェブの一部分を連結するエンボス加工シールと、を含む。シールは、少なくとも2つのウェブ内に形成されたランドにより包囲される、開放基端を有する同心の別個の延長要素を含む。別個の延長要素の一部分は、ランドよりも薄い厚さを有し得る。例えば、別個の延長要素の先端及び/又は側壁は、ランドと比較して薄くなっていてもよい。共形成されたウェブの同心の別個の延長要素は、入れ子になっており、また大きい界面表面積を有してもよい。
【0006】
別の実施形態では、プロセスは、少なくとも2つのウェブを、圧力源と、別個の孔、別個の凹み、別個の突出要素、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される複数の別個の形成要素を含む形成構造との間に供給する工程を含む。プロセスは、少なくとも2つのウェブを形成構造の別個の形成要素に適合させて、開放基端を有する複数の同心の別個の延長要素を含むエンボス加工シールを形成するのに十分な圧力を、圧力源からウェブ及び形成構造に対して適用する工程を更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本明細書は、本発明と見なされる主題を特定して指摘し明確に請求する特許請求の範囲をもって結論とするが、本発明は、添付の図面と関連させた次の説明から更によく理解されると考えられる。いくつかの図は、他の要素をより簡潔に示すため、選択された要素を省略することで簡易化されてもよい。いくつかの図中のかかる要素の省略は、対応する明細書の中で明確に述べられている場合を除き、代表的な実施形態のいずれかにおいて必ずしも特定要素の有無を暗示するものではない。いずれの図面も必ずしも縮尺どおりではない。
【図1】本開示の実施形態による形成構造の平面図。
【図2A】孔と凹みとの区別を図示する本開示の実施形態による形成構造の斜視図。
【図2B】別個の突出要素を有する形成構造の一部分の拡大斜視図。
【図3A】本開示の実施形態によるエンボス加工シールの走査電子顕微鏡(SEM)画像。
【図3B】図3Aのエンボス加工シールの拡大SEM画像。
【図4】本開示の実施形態によるエンボス加工シールの一部分の断面図。
【図5】本開示の実施形態による、開放先端のある別個の延長要素を有するエンボス加工シールの一部分の斜視図。
【図6】静的ガス圧プレナム(static gas pressure plenum)を図示する、本開示の実施形態によるプロセスの概略図。
【図7】本開示の実施形態によるエンボス加工ウェブを作製するための連続プロセスの概略図。
【図8】本開示の実施形態によるプロセスで使用される、別個の延長要素を有する形成構造の側面図の高倍率光学顕微鏡画像。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書には、少なくとも2つのウェブのシール接着部分を有する物品と、前述した先行技術の欠点の1つ以上を克服した、物品の形成プロセスと、が開示される。詳細には、物品の実施形態は目下、少なくとも2つのウェブを分離する際に実質的により静寂な物品を可能とする。プロセスの実施形態は目下、より効率的なウェブ封止プロセスを可能とする。例えば、物品及びプロセスの実施形態は、高価な接着剤、又はフック/ループ(即ちベルクロ)及び隆起部/溝等の追加の機械的接着要素の使用、並びに接着剤又は機械的接着要素の適用に関連した複雑なプロセスを回避する能力を可能とし得る。物品及びプロセスの実施形態は、2つのウェブを共に溶融及び融合してシールを形成する複雑なプロセスの使用を回避する能力も可能とし得る。そのようなシールは、分離により非常に大きい音を生じ、及び/又はウェブが裂けること(シールにおける分離ではなく)に繋がり得る。
【0009】
図3A及び3Bを参照すると、一実施形態において、物品は一般に、少なくとも2つのウェブ層と、この少なくとも2つのウェブ層の部分を連結するエンボス加工シール16と、を含む。シールは、少なくとも2つのウェブ34に形成されたランド13で包囲された、同心の別個の延長要素22を含む。別個の延長要素22は、ランド13と比較して薄くなっていてもよい。例えば、別個の延長要素22の先端及び/又は側壁は、薄くなっていてもよい。共形成されたウェブの同心の別個の延長要素は、入れ子になっており、大きい界面表面積を有する。
【0010】
別個の延長要素22はZ方向に延びて、共形成された三次元要素を形成する。同心の別個の延長要素22は、高い剪断強度を生成し、物品の操作中の少なくとも2つのウェブの分離を防止すると考えられる。驚くべきことに、接着剤、追加の機械的接着要素、又はウェブの融解融合なしに、シールはまた非常に高い剥離強度を有することができる。
【0011】
理論に束縛されるものではないが、エンボス加工シール16の強度は、少なくとも2つのウェブの入れ子になった、共形成された領域の大きい界面表面積、少なくとも2つのウェブ34がそれら自体に接着し、かつ互いに接着する能力、及びエンボス加工シール16を変形し得る容易さの関数であると考えられる。更に、エンボス加工シール16が閉鎖先端を有する別個の延長要素22を含む場合、同心の別個の延長要素22間に真空が形成され、この真空がウェブ34を共に保持する吸引型の力を形成する工程によりエンボス加工シール16の剥離強度を増大させると考えられる。
【0012】
少なくとも2つのウェブの界面表面積は、少なくとも別個の延長要素22の形状と、エンボス加工シール16内の別個の延長要素22の密度と、の関数である。エンボス加工シール16の剥離強度は、界面表面積の拡大と共に増大すると考えられる。
【0013】
少なくとも2つのウェブ34がそれら自体に及び互いに接着する能力は、少なくとも、ウェブの摩擦係数、ウェブの表面エネルギー、並びに2つのウェブ間及び/又は同一ウェブの接触部分間のファンデルワールス力、双極子−双極子相互作用、静電力、水素結合等の引力の関数である。エンボス加工シール16の剥離強度は、一般に、少なくとも2つのウェブ34がそれら自体に及び互いに接着する能力の増大と共に増大すると考えられる。
【0014】
また剥離強度は、エンボス加工シール16が剛性ではなく、より可撓性である場合に増大すると考えられる。より可撓性のエンボス加工シールにより、少なくとも2つのウェブ34は共に動作及び屈曲できるため、屈曲された際、共形成された領域内で密接に接触した状態に留まる。より可撓性のシールは、より低い弾性率及び/又はより低いゲージを有する前駆体ウェブが使用された場合に生じると考えられる。少なくとも2つのウェブ34は、エンボス加工シール16が剛性である場合、屈曲された際に分離する傾向がより高いことがあり、そのような分離によりエンボス加工シール16の剥離強度が弱化し得る。
【0015】
エンボス加工シール16の形成プロセスは、一般に、圧力源と複数の別個の形成要素11を含む形成構造10との間に、少なくとも2つのウェブを供給する工程を含む。形成要素11は、例えば、別個の突出要素15、別個の孔12、別個の凹み14、又はこれらの組み合わせを含み得る。プロセスは、少なくとも2つのウェブの部分を別個の形成要素11に適合させるのに十分な圧力を、圧力源から少なくとも2つのウェブ及び形成構造10に対して適用し、それによりエンボス加工シール16を形成する工程を更に含む。エンボス加工シール16は、開放基端を有する複数の同心の別個の延長要素22を含む。これらの物品及びプロセスの態様を、以下に更に詳細に記載する。
【0016】
形成構造
図1及び2を参照すると、本開示のプロセスに有用な形成構造10は、複数の別個の形成要素11を含む。別個の形成要素11は、別個の突出要素15、別個の孔、別個の凹み、又はこれらの組み合わせを含むことができる。形成構造10は、別個の形成要素11を完全に包囲するランドを更に含むことができる。形成構造10の別個の形成要素11は、従来のエンボス加工プロセスで形成構造上に使用される典型的なパターンと比較して小さい大きさを有してもよい。本開示のプロセスは、ウェブを加熱しなくても、また高速においてでさえも、薄くなった先端24及び/又は側壁を有する比較的高い縦横比の延長要素11を含むエンボス加工シールを製造することができる。
【0017】
形成構造10は、時折、形成スクリーンと称される。図2Aは、孔12と凹み14との差異を示す。本明細書で使用されるとき、「孔」は、開口部の深さを制限する底面を含まない、形成構造10内の開口部を指す。対照的に、本明細書で使用されるとき、「凹み」は、開口部の深さを形成構造10の厚さ未満に制限する底面を有する形成構造10内の開口部を指す。底面は、例えば、多孔性であっても又は多孔性でなくてもよい。例えば、底面は、凹み14の直径よりも小さい幅を有する開口部を含んでもよく、この開口部は凹み14に空気を通過させる工程により凹み14を通気する。一実施形態において、形成構造10は、ウェブの下部に捕捉された任意の空気を逃す手段を有する。例えば、必要なコンプライアント圧(compliant pressure)を増大させないように、真空支援を提供してウェブの下部の空気を除去することができる。底面は、平坦であっても、丸くても、又は鋭くてもよい。形成構造10は中実ロールであってもよく、又は約25マイクロメートル〜約5000マイクロメートル、若しくは約100マイクロメートル〜約3000マイクロメートルの厚さを有し得る。孔12及び凹み14は、約10マイクロメートル〜約500マイクロメートル、又は約25マイクロメートル〜約5000マイクロメートルの深さを有することができる。本明細書で使用されるとき、孔12は、その深さを制限する底面を有さないため、孔の深さは形成構造の厚さに一致する。一実施形態において、孔12及び凹み14は、ウェブの少なくとも1つの厚さと実質的に等しい深さ、ウェブの少なくとも1つの厚さの少なくとも2倍の深さ、又はウェブの少なくとも1つの厚さの少なくとも3倍の深さを有してもよい。孔12及び凹み14は、ウェブ全体の厚さの少なくとも3倍の深さを有することが好ましい。
【0018】
形成構造10のウェブ接触表面の孔12又は凹み14の周辺は真っ直ぐな縁を有してもよく、又は形成構造10のウェブ接触表面から孔12又は凹み14内へ測定して曲率半径を有してもよい。曲率半径は、約0マイクロメートル〜約2000マイクロメートル、好ましくは約0マイクロメートル〜約25マイクロメートル、より好ましくは約2マイクロメートル〜約25マイクロメートルであってもよい。一実施形態において、切り面として通常既知である、角のあるテーパが使用される。一実施形態において、真っ直ぐな縁と半径との組み合わせが使用される。
【0019】
別個の突出要素15は、少なくとも約50マイクロメートル、少なくとも約75マイクロメートル、少なくとも約100マイクロメートル、少なくとも約150マイクロメートル、少なくとも約250マイクロメートル、又は少なくとも約380マイクロメートルの高さを有してもよい。別個の突出要素15は、略円筒形構造の場合、外径である直径を有してもよい。突出要素15が非均一な断面及び/又は非円筒形構造を有する場合、直径dpは、図2Bに示されるように、突出要素15の1/2高さhpにおける突出要素15の平均断面寸法として測定される。別個の突出要素15は、約10マイクロメートル〜約5,000マイクロメートル、約50マイクロメートル〜約5,000マイクロメートル、約50マイクロメートル〜約3,000マイクロメートル、約50マイクロメートル〜約500マイクロメートル、約65マイクロメートル〜約300マイクロメートル、又は約75マイクロメートル〜約200マイクロメートルであってもよい直径dpを有し得る。一実施形態において、形成構造10の別個の突出要素15は、約500マイクロメートル未満の直径を有するであろう。
【0020】
各突出要素15に関して、hp/dpと定義される突出要素の縦横比が決定され得る。突出要素15は、少なくとも約0.5、少なくとも約0.75、少なくとも約1、少なくとも約1.5、少なくとも約2、少なくとも約2.5、又は少なくとも約3以上の縦横比hp/dpを有してもよい。一般に、個々の突出要素15のそれぞれの実際の高さHPは様々であり得るため、複数の突出要素15の平均高さ(「hpavg」)は、形成構造10の所定の範囲上の突出要素の平均最小振幅(「Apmin」)、及び突出要素の平均最大振幅(「Apmax」)を測定する工程により決定されてもよい。同様に、断面寸法が様々な場合、突出部の平均直径(「dpavg」)は、複数の突出部15に関して決定されてもよい。そのような振幅及び他の寸法測定値は、コンピュータ支援走査顕微鏡法(computer aided scanning microscopy)、及び関連したデータ加工による等、既知の方法にて得ることができる。したがって、形成構造10の所定の部分に関する突出要素15の平均縦横比、(「ARpavg」)は、hpavg/dpavgと表すことができる。
【0021】
形成構造10の別個の突出要素15は、開放(形成構造10上により鋭い突出要素を必要とする)又は閉鎖(形成構造10上により丸い突出要素を必要とする)された先端24を有する別個の延長要素22を備えたエンボス加工シール16の生成を所望するかどうかに応じて、平坦な、丸い又は鋭い先端24を有し得る。形成構造10の別個の突出要素15の丸い先端24は、約5マイクロメートル〜約150マイクロメートル、約10マイクロメートル〜約100マイクロメートル、約20〜約75マイクロメートル、又は約30マイクロメートル〜約60マイクロメートル等の所定の先端部半径を有してもよい。
【0022】
別個の突出要素15の側壁は、完全に垂直であっても、又はテーパ状であってもよい。一実施形態において、別個の突出要素15はテーパ状の側壁を有してもよく、これは、テーパ状の側壁が圧力源の耐久性及び寿命に影響を与え得るためである。例えば、柔軟基材44の場合、テーパ状の側壁は、柔軟基材44を形成構造10の別個の形成要素11の周囲に適合させる際に、柔軟基材44上の圧縮又は張力を緩和することができる。これにより、エンボス加工後、形成構造10からのウェブの分離をより容易にすることができる。一実施形態において、側壁は、典型的には、約0°〜約50°、約2°〜約30°、又は約5°〜約25°のテーパ角度を有するであろう。
【0023】
一実施形態において、形成要素は、ウェブ材料の所定の領域の結合強度に選択的に影響を与え得る、突出要素15の高さ及び孔12又は凹み14の深さ等の様々な形状を有することができる。例えば、形成要素は、高さを、又は何十若しくは何百もの隣接する突出要素の範囲にわたり増大させてもよく、このことにより様々な高さを有する別個の延長要素22を備えたウェブをもたらすことができ、これは次に強度勾配を有するエンボス加工シール16をもたらすことができる。対応する別個の延長要素22の特徴をもたらす形成構造の他の特徴を調整して、強度勾配を有するエンボス加工シール16を形成することができる。例えば、形成構造は形成要素の面密度勾配を含んでもよい。
【0024】
一実施形態において、突出要素は、突出要素の高さに沿って異なる又は様々な直径を有する、球形、楕円形、又は雪だるま形であってもよい。
【0025】
孔12又は凹み14は、略円筒構造の場合、内径である直径を有してもよい。孔12又は凹み14が非均一な断面、及び/又は非円筒構造を有する場合、直径は、形成構造10の頂面における孔12又は凹み14の平均断面寸法として測定される。各孔12又は凹み14は、約40マイクロメートル〜約2,000マイクロメートルの直径を有してもよい。他の好適な直径には、例えば、約50マイクロメートル〜約500マイクロメートル、約65マイクロメートル〜約300マイクロメートル、約75マイクロメートル〜約200マイクロメートル、約10マイクロメートル〜約5000マイクロメートル、約50マイクロメートル〜約5000マイクロメートル、約500マイクロメートル〜約5000マイクロメートル、又は約800マイクロメートル〜約2,500マイクロメートルが挙げられる。
【0026】
一実施形態において、孔12又は凹み14の直径は一定であるか、又は深さが増大するにつれて低下する。別の実施形態では、孔12又は凹み14の直径は、深さが増大するにつれて増大する。例えば、別個の孔12又は凹み14は、第1の深さにおいて第1の直径を有し、第1の深さよりも深い第2の深さにおいて第2の直径を有してもよい。例えば、第1の直径は第2の直径よりも大きくてもよい。例えば、第2の直径は第1の直径よりも大きくてもよい。
【0027】
別個の孔12又は凹み14の側壁は、完全に垂直であっても、又はテーパ状であってもよい。一実施形態において、別個の孔12又は凹み14は、テーパ状の側壁を有する。これにより、エンボス加工後、形成構造10からのウェブ34の分離をより容易にすることができる。一実施形態において、側壁は、典型的には、約0°〜約−50°〜約50°、約−30°〜約30°、約0°〜約50°、約2°〜約30°、又は約5°〜約25°のテーパ角度を有するであろう。
【0028】
形成構造10の別個の形成要素11は、円形、楕円形、砂時計形、星形、多角形等、及びこれらの組み合わせを含む、略円柱又は非円柱状等、様々な異なる断面形状を有することができる。多角形の断面形状としては、矩形、三角形、六角形、又は台形が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態において、別個の凹みは、形成構造10の長さと実質的に等しい長さを有して、形成構造10の実質的に全長の周りに溝を形成してもよい。別の実施形態では、別個の突出要素15は、形成構造10の長さと実質的に等しい長さを有して、形成構造10の実質的に全長の周りに延長突出要素を形成してもよい。例えば、形成構造10がロールの形態である場合、溝及び/又は延長突出要素は、ロールの周囲全体の周りに形成されてもよい。溝及び/又は延長突出要素は、実質的に直線状(例えば、ロールの縁に一貫して平行)であっても、又は波状であってもよい。
【0029】
一般に、形成構造10は、その所定の部分に関して、1平方センチメートル当たり少なくとも約4個の別個の形成要素11、1平方センチメートル当たり少なくとも約10個の別個の形成要素11、1平方センチメートル当たり少なくとも約95個の別個の形成要素11、1平方センチメートル当たり少なくとも約240個の別個の形成要素11、1平方センチメートル当たり約350〜約10,000個の別個の形成要素11、1平方センチメートル当たり約500〜約5,000個の別個の形成要素11、又は1平方センチメートル当たり約700〜約3,000個の別個の形成要素11を含むであろう。
【0030】
別個の形成要素11は、約30マイクロメートル〜約1000マイクロメートル、約30マイクロメートル〜約800マイクロメートル、約150マイクロメートル〜約600マイクロメートル、又は約180マイクロメートル〜約500マイクロメートルの、2つの隣接する孔12の間又は凹み14の間の縁間の平均間隙を有することができる。
【0031】
所定の実施形態では、形成構造10の一部分(又は範囲)は、前項に記載したような別個の形成要素11の面密度を含んでもよい一方、形成構造10の他の部分(又は範囲)は別個の形成要素11を含まなくてもよい。別個の形成要素11を有さない形成構造10の範囲は、異なる水平面内に位置していてもよい。別の実施形態では、形成構造10の別個の形成要素11は、形成構造10の異なる水平面内に位置していてもよい。別個の形成要素11を有さない領域、及び/又は形成構造10の異なる水平面内に位置する別個の形成要素11を有する領域は、花、鳥、リボン、波、漫画キャラクター、ロゴ等の特定のパターン又はデザインの形態であってもよく、それによりエンボス加工シール16は、ウェブの残りの部分に対して視覚的に目立ち、及び/又は触った際に、異なる手の感触を有する領域を含むであろう。例えば、エンボス加工シール16は、エンボス加工領域から視覚的に目立ち、及び/又はエンボス加工領域とは異なる手の感触を有する非エンボス加工領域を含むことができる。米国特許第5,158,819号には、これらの実施形態に使用するための形成構造の好適な例が提供されている。
【0032】
一実施形態において、孔12又は凹み14の平均深さ又は別個の突出要素15の平均高さと、ウェブ34のうちの少なくとも1つの厚さとの比は、少なくとも約1:1、少なくとも約2:1、少なくとも約3:1、少なくとも約4:1、少なくとも約5:1、又は少なくとも約10:1である。この比は、特に所望のプロセス条件及び速度でウェブ34が十分に伸張されて、それぞれが永久変形されてエンボス加工シール16を作成することを確実にするのに重要であり得る。
【0033】
形成構造10は、エンボス加工シール16を作成するのに必要な寸法を有する別個の形成要素11を有するよう形成されることができ、かつ形成構造10が受けるプロセス温度及び圧力の範囲にわたって寸法的に安定である、任意の材料(1種又は複数種)から形成されていてもよい。
【0034】
一実施形態において、別個の形成要素11は形成構造10と一体的に作製される。即ち、形成構造10は、材料を除去するか又は材料を構築するかのいずれかにより一体構造として作製される。例えば、所望される比較的小さい大きさの別個の形成要素11を有する形成構造10は、化学的エッチング、機械的エッチング、又は放電加工機(EDM)若しくはレーザー等の高エネルギー源を使用した除去、又は電子ビーム(e−ビーム)、又は電気化学的加工(ECM)等により材料を局所的、選択的に除去する工程によって作製することができる。一実施形態において、形成構造10は、概ね米国特許第4,342,314号の教示に従って、光エッチング積層(photo etched laminate)プロセスにより構成され得る。
【0035】
好適な形成構造10を作製する一方法では、レーザー修飾可能な基部材料をレーザー「エッチングして」材料を選択的に除去し、孔12又は凹み14を形成する。「レーザー修飾可能な」とは、材料がレーザー光により、制御された様式で選択的に除去され得ることを意味し、レーザープロセスに使用する光の波長及び出力レベルは、最適な結果のために、材料に一致される(又はその逆)必要があり得ることが認識される。レーザーエッチングは、既知のレーザー技術により達成することができ、波長、出力、及び時間パラメータを適宜選択して、所望の突出要素の寸法を生成する。レーザー修飾可能な現在既知の材料には、ポリプロピレン等の熱可塑性プラスチック、DuPont(Wilmington DE,USA)製のDELRIN(登録商標)等のアセタール樹脂、架橋ポリエステル、若しくはエポキシ等の熱硬化性樹脂、又は更にはアルミニウム、銅、真鍮、ニッケル、ステンレス鋼、若しくはこれらの合金等の金属が挙げられる。所望により、熱可塑性及び熱硬化性材料を微粒子又は繊維充填剤で充填して、所定の波長の光のレーザーとの相性を高め、及び/又は弾性率若しくは強靱性を改善して、より耐久性のある孔12又は凹み14を作製することができる。例えば、PEEK等の所定のポリマーは、十分な量の中空カーボンナノチューブ繊維で均一に充填される工程により、より高い分解率及びより速い速度でレーザー加工され得る。
【0036】
一実施形態において、形成構造10は連続プロセスにてレーザー加工されてもよい。例えば、DELRIN(登録商標)等の高分子材料は、中心長手方向軸、外側表面、及び内側表面を有する基部材料として円筒形態にて提供されてもよく、外側表面及び内側表面は、基部材料の厚さを規定する。形成構造10はまた、中実ロールとして提供されてもよい。可動レーザー源は、一般に、外側表面に直交して指向されてもよい。可動レーザー源は基部材料の中心長手方向軸に平行な方向に可動であってもよい。円筒形の基部材料は、レーザー源が基部材料の外側表面を加工又はエッチングして、複数の別個の孔12若しくは凹み14及び/又は別個の突出要素15を画定するパターンにて基部材料の選択された部分を除去する間、中心長手方向軸の周囲を回転してもよい。
【0037】
形成構造10は、平坦なプレート、ロール、ベルト、エンドレスベルト、スリーブ等の形態を有してもよい。好ましい一実施形態では、形成構造10はロールの形態である。好ましい別の実施形態では、形成構造10はエンドレスベルトの形態である。エンドレスベルトは、米国特許第7,655,176号、同第6,010,598号、同第5,334,289号、及び同第4,529,480号の教示に従って形成することができる。
【0038】
形成構造を、米国特許出願第2008/0224351(A1)号に記載されているような低歪み速度プロセスで使用し、本発明のエンボス加工ウェブを製造してもよく、ここで作動ベルトは固い又は柔軟な基材である。
【0039】
形成構造10が突出要素15並びに別個の孔12及び凹み14を含む場合、別個の延長要素22は、形成構造10の孔12又は凹み14により形成された別個の延長要素22が形成される表面の反対側のウェブ34の表面から延びるように、ウェブ34内に形成されてもよい。結果として、エンボス加工シール16の各面上に異なるパターン又は寸法の延長要素22を有する、両面エンボス加工シール16が作成され得る。形成構造10と柔軟基材44との間に生成される圧力と、孔12又は凹み14及び任意の形成構造10の柱又は隆起部の幾何学的形状とに応じて、エンボス加工シール16の別個の延長要素22は、閉鎖又は開放先端24を有することができる。
【0040】
圧力源
形成構造10に対して力を提供するよう使用される圧力源は、例えば、柔軟基材44、静圧プレナム(static pressure plenum)、速度圧力源、又はこれらの組み合わせであってもよい。速度気圧を提供して前駆体ウェブを形成構造に適合させるのに好適な装置の一例は、高圧エアナイフである。高圧エアナイフは、例えば、Canadian Air Systemsから市販されている。気圧を使用して前駆体ウェブを形成構造に適合させる好適な装置及びプロセスの他の例は、米国特許第5,972,280号に記載されている。水圧を提供して前駆体ウェブを形成構造に適合させるのに好適な装置の例は、米国特許第7,364,687号に記載されているもの等の水プレナムである。
【0041】
例えば、エンボス加工シール16を作製する好適なプロセスは、液圧成形プロセスである。液圧成形プロセスの非限定的な例は、米国特許第4,609,518号及び同第4,846,821号に記載されている。本明細書に記載した形成構造及びウェブは、そのような液圧成形プロセスにて使用され得る。
【0042】
例えばエンボス加工シール16を作製する他の好適なプロセスは、真空成形プロセスである。真空成形プロセスの非限定的な例は、米国特許第4,456,570号及び同第4,151,240号、並びに米国特許出願公開第2004/0119207(A1)号に記載されている。本明細書に記載した形成構造及び前駆体ウェブを、そのような真空成形プロセスにて使用して、本開示のエンボス加工シール16が製造することができる。他の好適なプロセスは、米国特許第4,846,821号及び米国特許出願公開第2004/0119207(A1)号に記載されている。
【0043】
柔軟基材
最小限にて示された図7を参照すると、柔軟基材44の外側表面(即ち、形成構造10に向かって配向された柔軟基材44の表面)は、柔軟材料46を含む。例えば、柔軟基材44は、柔軟材料46で覆われた剛性材料48を含んでもよい。剛性材料48は柔軟材料46よりも有意により硬い金属(鋼等)、プラスチック、又は任意の他の材料であってもよい。剛性材料48を覆う柔軟材料46の厚さは、典型的には約26mm以下であり、好ましくは約1mm〜約26mm、より好ましくは約1mm〜約7mmであろう。代替的に、柔軟基材36全体が柔軟材料46で作製されてもよい。
【0044】
柔軟基材44又は柔軟材料46は、エラストマー類、フェルト類、液体充填袋(liquid-filled bladder)、気体充填袋(gas-filled bladder)、及びこれらの組み合わせを含んでもよい。一実施形態において、柔軟基材44は多孔質エラストマーである。柔軟基材44、又は柔軟基材44中で使用される柔軟材料46は、柔軟材料46が十分速く反発してプロセス、特に連続プロセスを促進するような弾力性(圧縮回復等)を有することが好ましい。
【0045】
柔軟基材44、又は柔軟基材44中で使用される柔軟材料46は、大量のウェブ34材料をエンボス加工するのに十分な耐久性も有することが好ましい。結果として、柔軟基材44は、好ましくは好適な程度の強靱性及び耐摩耗性を有し、柔軟基材44はプロセス中に形成構造10により摩耗される傾向を有するであろう。
【0046】
柔軟基材44は、平坦なプレート、ロール、ベルト、エンドレスベルト、スリーブ等の形態であってもよい。一実施形態において、柔軟基材44は、エラストマー等の柔軟材料46で覆われた金属ロールである。別の実施形態では、柔軟基材44及び形成構造10は、両方ともロールの形態を有する。別の実施形態では、柔軟基材44は、形成構造10のロールの直径よりも大きい直径を有するロールである。別の実施形態では、柔軟基材44は、形成構造10のロールの直径よりも小さい直径を有するロールである。別の実施形態では、柔軟基材44は、形成構造10のロールの直径と同一の直径を有するロールである。
【0047】
柔軟基材44、又は柔軟基材44中で使用される柔軟材料46は、典型的には、ショアAスケール上で約30〜約90デュロメータ、好ましくは約35〜約80デュロメータ、より好ましくは約40〜約70デュロメータの硬さを有するであろう。ショアAスケール上の硬さは、典型的には、PTC Instruments(Los Angeles,California)から入手可能なModel 306 Type A Classic Styleデュロメータ等のASTM D2240デュロメータを使用することにより測定される。柔軟基材44は、様々な硬さ、例えば外側表面の近傍でより低い硬さと、柔軟基材44の内側表面に向かってより高い硬さとを有し(即ち、柔軟基材44のz−方向に変化する硬さ)、又は柔軟基材44の外側表面を横切って変化する硬さ(即ち、柔軟基材44のX−Y面内で変化する硬さ)を呈してもよいことを理解するべきである。
【0048】
柔軟基材44中に使用される柔軟材料46は、典型的には約1〜約20MPa、好ましくは約2〜約18MPa、より好ましくは約3〜約10MPaの引張係数を有するであろう。柔軟材料46の引張係数は、0.1秒−1の歪み速度で測定されてもよい。
【0049】
好適な柔軟材料の非限定的な例としては、天然ゴム、ウレタンゴム、ポリウレタンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(DuPontから商標名HYPALON(登録商標)で入手可能)、クロロプレンゴム、ノルボルネンゴム、ニトリルゴム、水素添加ニトリルゴム、スチレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、シリコーンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン(「EPDM」)ゴム、イソブチレン−イソプレンゴム、フェルト(羊毛プレスフェルト)等が挙げられる。特に有用な柔軟材料は、約40〜約70デュロメータのショアA硬度を有する、イソプレン、EPDM、ネオプレン、及びHYPALON(登録商標)である。
【0050】
柔軟材料46はまた、ウェブ34と共に剛性材料48と形成構造10との間に供給され得る、吸収性コア等の材料であってもよい。そのような材料は、ウェブ34及び形成構造10に対して圧力を生じてウェブ34をエンボス加工するよう機能し得る。そのような材料は、次にエンボス加工シール16と共に女性用衛生製品等の完成品の消費者製品に後に組み込まれてもよい。
【0051】
柔軟基材44は、所望により特定の領域内のウェブ34のエンボス加工を防止し、又は特定の領域内のウェブ34のエンボス加工を最小限とするのに十分な深さを有する凹部領域を含んでもよい。
【0052】
静圧プレナム(Static Pressure Plenum)
図6を参照すると、静圧プレナム36が使用され、ウェブ34に対して力を提供してウェブ34を形成構造10の別個の形成要素11に適合させる。静圧プレナム36は、静的ガス圧プレナムであることが好ましい。ガスは、空気、窒素、二酸化炭素、及びこれらの組み合わせであってもよい。
【0053】
静圧プレナム36は、ウェブ34上に圧力を付与する。静圧プレナム36はフード38を含んでもよく、前記フード38はウェブ34に隣接するプレナム40を画定する。フード38は少なくとも1つの高圧ガス入口42を含んでもよく、前記入口42は高圧ガス又は他の流体がフード38に入って静圧条件を作り出すことを可能にする。静的ガス圧条件下では、エアナイフ等の速度圧力源のように、非エンボス加工ウェブ34上に突き当たる速度及び密度は存在しない。むしろ、フード38内に静的で高いガス圧が維持され、この静的で高いガス圧が、ウェブ34の表面に面する静圧プレナム36とウェブ34の表面に面する形成構造10との間で、ウェブを横切って圧力差を形成する。圧力差はウェブ34を形成構造10の別個の形成要素11に適合させるのに十分である。圧力差は、例えばウェブ34の表面に面する形成構造10上に真空を適用する工程により増大させることができる。
【0054】
ウェブ
少なくとも2つのウェブ又はウェブ層は、エンボス加工シール16により連結される。少なくとも2つのウェブは、例えば同一のウェブの異なる重なり合った部分であってもよい。例えば、ウェブ材料は、例えば三つ折り形態に折られてもよく、ウェブ材料の重なり合った部分がエンボス加工シール16により連結されてもよい。代替的に、少なくとも2つのウェブは異なるウェブであってもよい。好適なウェブは圧力源により変形できる材料を含み、それによりウェブは、形成構造10の別個の要素11に適合されて、2つのウェブを連結するエンボス加工シールを形成する。ウェブは、ウェブ自体及び/又は他のウェブ材料に接着する能力を有することが好ましい。
【0055】
ウェブは、典型的には、合成材料、金属材料、生物材料(特に、動物由来の材料)、又はこれらの組み合わせを含む。少なくとも2つのウェブは、同一の材料又は異なる材料であってもよい。ウェブは、所望により、セルロース系材料を含んでもよい。一実施形態において、ウェブは、セルロース系材料を含まない。好適なウェブの非限定的な例には、高分子又は熱可塑性フィルム等のフィルム、金属箔等の箔(例えば、アルミニウム、真鍮、銅等)、サステイナブルポリマーを含むウェブ、発泡体、合成繊維を含む繊維性不織布ウェブ(例えば、TYVEK(登録商標))、コラーゲンフィルム、キトサンフィルム、レーヨン、セロファン等が挙げられる。好適なウェブには、更にこれらの材料の積層体又はブレンドが挙げられる。
【0056】
ウェブが繊維性ウェブの場合、繊維性ウェブは、典型的には、フィルム材料と同様に挙動するよう高い密度を有するであろう。そのような高密度繊維性ウェブの一例は、TYVEK(登録商標)である。
【0057】
一実施形態において、ウェブは、高分子フィルムである。好適な高分子フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)(例えば、TEFLON)、又はこれらの組み合わせ等の熱可塑性プラスチックフィルムが挙げられる。好適な高分子フィルムには、ポリマー類のブレンド又は混合物を挙げることができる。
【0058】
所定の実施形態において、ウェブは、ポリラクチド類、ポリグリコール酸類、ポリヒドロキシアルカノエート類、多糖類、ポリカプロラクトン類等、又はこれらの混合物等のサステイナブルポリマーを含んでもよい。
【0059】
エンボス加工前の各ウェブの厚さは、典型的には、約5〜約300マイクロメートル、約5マイクロメートル〜約150マイクロメートル、約5マイクロメートル〜約100マイクロメートル又は約15マイクロメートル〜約50マイクロメートルの範囲であろう。他の好適な厚さには、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、又は300マイクロメートルが挙げられる。
【0060】
高分子ウェブ等のウェブは、典型的には、約−100℃〜約120℃、約−80℃〜約100℃、又は他の好適な範囲のガラス転移温度を有するであろう。高分子ウェブ等のウェブは、約100℃〜約350℃の融点を有してもよい。例えば、LDPE、又はLDPEとLLDPEとのブレンドから形成されたウェブは、約110℃〜約122°の融点を有する。ポリプロピレンから形成されたウェブは、約165℃の融点を有する。ポリエステルから形成されたウェブは、約255℃の融点を有する。ナイロン6から形成されたウェブは、約215℃の融点を有する。PTFEから形成されたウェブ34は、約327℃の融点を有する。
【0061】
一実施形態において、プロセスは、ウェブの融点未満の温度で行われる。例えば、プロセスは、ウェブの融点の10℃低い温度で行われてもよい。別の実施形態では、プロセスは、ウェブの融点に実質的に等しい温度で行われる。一実施形態において、プロセスは、ウェブのガラス転移温度よりも高い温度で行われる。プロセスで使用される温度に関わらず、プロセス条件は全体的に、ウェブを融解−融合しないよう選択される。例えば、少なくとも2つのウェブ材料がいずれも、融解してウェブの融合を生じないように、より高い温度を短い滞留時間と結合させてもよい。
【0062】
所望により、ウェブ34は、プロセス中、エンボス加工前に可塑化されて弾性率を低下させ、及び/又は脆弱さを低下させてもよい。
【0063】
一実施形態において、ウェブ34は歪み硬化性を有する。ウェブの歪み硬化特性は、ウェブを形成構造10の別個の形成要素11に適合させる工程を促進するために望ましい場合がある。この特性は、エンボス加工シール16の延長要素22の閉鎖先端24が所望されるエンボス加工シールを製造する際に好ましい場合がある。
【0064】
ウェブ34は、本開示のプロセスによって本明細書に記載したエンボス加工シール16に形成されるのに十分な材料特性を有する、高分子フィルム等の任意の材料であってもよい。少なくとも2つのウェブ34のうちの少なくとも1つは、典型的には、降伏点を有し、ウェブ34は好ましくはその降伏点を越えて伸張されてエンボス加工シール16を形成するであろう。即ち、ウェブ34は、ウェブ34が破壊されることなく閉鎖先端24を有する所望の別個の延長要素22を製造する程度に歪まされ得るように、又は、開放先端24を有する別個の延長要素22を含むエンボス加工シールの場合、破壊されて開放先端部24を形成する程度に歪まされ得るように十分な降伏特性を有する必要がある。以下に開示するように、温度等のプロセス条件は所定のポリマーに関して変化し、破壊され又は破壊されることなくポリマーを伸張して所望の別個の延長要素22を有するエンボス加工シール16を形成する工程を可能にし得る。したがって、一般にウェブ34として使用される好ましい出発材料は、低い降伏及び高い伸び特性を呈することが見出されている。加えて、前述したように、ウェブは、歪み硬化性を有することが好ましい。ウェブ34として使用するのに好適なフィルムの例には、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン、及びこれらのブレンドを含むフィルムが挙げられる。
【0065】
ウェブ34はまた、十分変形可能であり、ウェブ34として使用するのに十分な延性を有する必要がある。本明細書で使用されるとき、「変形可能」は、その弾性限度を越えて伸張された際に、新しく形成されたその構造を実質的に維持し、また得られたエンボス加工シール16の別個の延長要素22の先端24において又はその近傍において薄くなった材料を記載する。
【0066】
ウェブ34として使用するのに好適であると見出された一材料は、The Dow Chemical Company(Midland,MI,USA)から入手可能なDOWLEX 2045Aポリエチレン樹脂である。この材料からなる20マイクロメートルの厚さを有するフィルムは、少なくとも12MPaの引張降伏;少なくとも53MPaの最大引張;少なくとも635%の最大伸び;及び少なくとも210MPaの引張係数(2% Secant)を有してもよい(上記の測定値のそれぞれは、ASTM D 882に従って測定された)。他の好適なウェブには、RKW US,Inc.(Rome,Georgia)から入手可能な約25マイクロメートル(1.0mil)の厚さ及び約24グラム/平方メートル(「gsm」)の坪量を有するポリエチレンフィルムと、RKW US,Inc.から入手可能な約14gsmの坪量及び約15マイクロメートルの厚さを有するポリエチレン/ポリプロピレンフィルムが挙げられる。
【0067】
ウェブ34はそれぞれ2つ以上のウェブ層からなる積層体であってもよく、また共押出された積層体であってもよい。例えば、各ウェブは2つの層を含んでもよく、また各ウェブは3つの層を含んでもよく、ここで最も内側の層はコア層と称され、最も外側の2つの層はスキン層と称される。一実施形態において、ウェブの少なくとも1つは、約25マイクロメートル(0.001in.)の全体的な厚さを有する3層の共押出積層体を含み、ここでコア層は約18マイクロメートル(0.0007in.)の厚さを有し;各スキン層は約3.5マイクロメートル(0.00015in.)の厚さを有する。一実施形態において、層は、異なる応力−歪み及び/又は弾性特性を有するポリマーを含んでもよい。
【0068】
ウェブ34は、従来の共押出フィルム作製機器上で、多層フィルムを製造する従来の手順を用いて作製することができる。ブレンドを含む層を必要とする場合、最初に上述した構成成分のペレットを乾燥ブレンドした後、押出機内で融解混合して、その層を供給してもよい。代替的に、押出機内での混合が不十分となる場合、最初にペレットを乾燥ブレンドした後、予備混練押出機内で融解混合し、その後フィルム押出前に再ペレット化してもよい。ウェブ34の好適な製造方法は、米国特許第5,520,875号及び同第6,228,462号に開示されている。
【0069】
一般に、エンボス加工シール16上に高い面密度(又は中心間の小さい平均間隔)を有する別個の延長要素22を形成する能力は、ウェブ34の厚さにより制限され得る。
【0070】
所定の実施形態では、ウェブ34は所望により更に界面活性剤を含んでもよい。使用する場合、好ましい界面活性剤には、アルコールエトキシレート類、アルキルフェノールエトキシレート類、カルボン酸エステル類、グリセロールエステル類、脂肪酸のポリオキシエチレンエステル類、アビエチン酸関連の脂肪族カルボン酸のポリオキシエチレンエステル類、アンヒドロソルビトールエステル類、エトキシル化アンヒドロソルビトールエステル類、エトキシル化天然脂肪類、油類及び蝋類、脂肪酸のグリコールエステル類、カルボン酸アミド類、ジエタノールアミン縮合物類、並びにポリアルキレンオキシドブロックコポリマー類等の非イオン性ファミリーからのものが挙げられる。選択される界面活性剤の分子量は、約200グラム/モル〜約10,000グラム/モルの範囲であってもよい。好ましい界面活性剤は、約300〜約1,000グラム/モルの分子量を有する。
【0071】
使用する場合、ウェブ中に最初にブレンドされる界面活性剤の濃度は、ウェブ全体の10重量パーセントにもなり得る。好ましい分子量範囲(300〜1,000グラム/モル)における界面活性剤を、より低い濃度、一般にウェブ全体の約5重量パーセント以下で添加してもよい。
【0072】
様々な実施形態では、ウェブは添加剤も含んで、ウェブの、ウェブ自体及び他のウェブに接着する能力を向上させてもよい。ウェブ接着能力を増大させる任意の既知の添加剤を使用することができる。例えば、低分子量ポリマー、例えばポリイソブテン(PIB)及びポリ(エチレン−ビニルアセテート)(EVA)コポリマーをウェブ材料に加えてもよい。LDPEと共に使用される場合、例えばPIB及びEVAは互いに容易に相互作用する鎖を有し、またそのより低い分子量は、ホストポリマーマトリックス内でそれらをより移動性とする。
【0073】
ウェブは、ウェブの表面上に剥離剤及び/又は低表面エネルギー化学官能基を含まないことが好ましい。ウェブ表面上の低表面エネルギー化学官能基の存在は、ウェブの結合強度を低下させ得ることが見出されている。例えば、接着されるウェブ表面の1つ以上に局所的に適用されたシリコーン接着剥離剤は、特にシリコーン接着剥離剤を局所的に適用されていない同一のウェブ材料内に形成された結合と比較して、得られた結合を弱化させ得る。ウェブ表面間の引力は、低表面エネルギー処理により低下すると考えられる。他の低表面エネルギー表面処理には、フッ化炭素類が挙げられる。
【0074】
所定の実施形態において、ウェブはまた、ポリマーブレンド中に二酸化チタンも含み得る。二酸化チタンはエンボス加工シール16に、より高い不透明度を提供することができる。二酸化チタンは、低密度ポリエチレン等のウェブの約10重量パーセントまで加えることができる。
【0075】
微粒子材料、例えばカーボンブラック、酸化鉄、雲母、炭酸カルシウム(CaCO)、微粒子皮膚トリートメント若しくは保護剤、又は臭気吸収活性物質、例えばゼオライト等の他の添加剤を、所望によりウェブ34の1つ以上の層に添加してもよい。いくつかの実施形態において、微粒子物質を含むエンボス加工シールは、皮膚接触用途に使用される場合、活性物質を非常に直接的かつ効率的に皮膚と接触させることができる。詳細には、いくつかの実施形態では、別個の延長要素22の形成により、微粒子物質が要素22の先端24又は近傍にて暴露され得る。したがって、スキンケア剤等の活性物質は別個の延長要素22の先端部24に又は近傍に局在化されて、エンボス加工シール16が皮膚接触用途に使用される際、そのようなスキンケア剤と皮膚との直接的な接触を可能にし得る。
【0076】
微粒子材料の平均粒径は、ウェブ34中に使用される場合、典型的には、0.1マイクロメートル〜約200マイクロメートル、0.2マイクロメートル〜約200マイクロメートル、又は約5マイクロメートル〜約100マイクロメートルであろう。雲母干渉粒子等の所定の微粒子材料の使用により、エンボス加工シール16の外観が劇的に改善され得る。
【0077】
ウェブはまた所望により、顔料、レーキ、トナー、染料、インク、又は材料に色を付与するのに使用される他の薬剤等の着色剤を含んで、エンボス加工シール16の外観を改善することができる。
【0078】
本明細書にて好適な顔料には、無機顔料、真珠光沢顔料、干渉顔料等が挙げられる。好適な顔料の非限定的な例には、タルク、雲母、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、赤色酸化鉄、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、カーボンブラック、ウルトラマリン、ポリエチレン粉末、メタクリレート粉末、ポリスチレン粉末、絹糸粉末、結晶セルロース、澱粉、雲母チタン、酸化鉄雲母チタン(iron oxide titanated mica)、オキシ塩化ビスマス等が挙げられる。
【0079】
好適な着色ウェブは、「COLORED WEB MATERIAL COMPRISING A PLURALITY OF DISCRETE EXTENDED ELEMENTS」と題された2010年3月11日出願の同時係属の米国特許出願第_/__,__号(P&G Case 11634)及び「WEB MATERIAL EXHIBITING VIEWING−ANGLE DEPENDENT COLOR AND COMPRISING A PLURALITY OF DISCRETE EXTENDED ELEMENTS」と題された2010年3月11日出願の米国特許出願第_/__,__号(P&G Case 11635)に開示されている。
【0080】
ウェブは、所望により充填剤、可塑剤等も含むことができる。
【0081】
エンボス加工ウェブ
エンボス加工シール16を有する物品は、所望の柔らかい手の感触及び美的に心地よい外観等の所望の様々な構造的特徴及び特性を有することができる。エンボス加工シール16は、同心の別個の延長要素22を含む。本明細書で使用されるとき、用語「同心の」とは、実質的に同一の中心を有する延長要素22を指す。例えば、延長要素の中心は、約1000マイクロメートル未満、約500マイクロメートル未満、約100マイクロメートル未満、約50マイクロメートル未満、又は約20マイクロメートル未満ずれていてもよい。一実施形態において、別個の延長要素22の一部分は、別個の延長要素22を包囲するランド13と比較して薄くなっている。例えば、別個の延長要素22の先端及び/又は側壁は、ランド13と比較して薄くなっていてもよい。同心の別個の延長要素22は、少なくとも2つのウェブの入れ子になった、共形成された領域の大きい界面表面積を有する。加えて、上記に開示したように、エンボス加工シール16にて連結された少なくとも2つのウェブを保持する十分な摩擦力及び/又は引力が存在すると考えられる。閉鎖先端24を有する別個の延長要素22の場合、更に吸引型の力が、エンボス加工シール16にて連結された少なくとも2つのフィルムを保持する工程を補助し得る。2つのウェブをエンボス加工シール16にて分離するには、同心の別個の延長要素22を分離する十分な力が必要である。そのような分離は、熱及び圧力によるウェブの融合を含むもの等の先行技術による結合方法と比較して雑音をほとんど、あるいは全く生じない。物品の少なくとも2つの層をエンボス加工シール16にて分離する際、分離により生じる音は、米国特許第5,462,166号に記載されているような熱的−機械的結合プロセスで形成された従来のシールにより生じる雑音と比較して著しく小さい。例えば、物品の少なくとも2つの層をエンボス加工シール16にて分離する際、分離により生じる音圧レベルは、音圧レベル試験で測定して、約70dB未満、約65dB未満、又は約60dB未満であってもよい。エンボス加工シール16は、例えば米国特許第5,462,166号に記載されているもの等の従来の加工条件を用いて従来の熱的−機械的結合プロセスにより形成されたシールよりも、分離の際に実質的により静寂である。例えば、エンボス加工シール16は、分離の際に、エンボス加工シール16と実質的に同一の剥離強度を有し、エンボス加工シール16と同一の条件下で分離される従来の熱的−機械的結合プロセスで形成されたシールから生じる音圧レベルよりも、少なくとも約2dB、少なくとも約3dB、少なくとも約4dB、少なくとも約5dB、少なくとも約6dB、少なくとも約7dB、少なくとも約8dB、少なくとも約9dB、又は少なくとも約10dB低い音圧レベルを生じ得る。実質的に同一の剥離強度とは、エンボス加工シール16の剥離強度の少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、又は少なくとも約80%迄の剥離強度を指す。
【0082】
エンボス加工シール16は、剥離強度試験で測定して、従来の熱的−機械的シール等の従来のシールと少なくとも実質的に等しい剥離強度を有してもよい。例えば、エンボス加工シール16は、従来の熱的−機械的シールの剥離強度の少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は100%迄の剥離強度を有してもよい。
【0083】
剥離強度試験は、米国特許第5,462,166号に開示されている方法に従って行うことができる。
【0084】
音圧レベル試験は、QUEST Technologies model 2900騒音計により、既知の幅及び長さの結合されたウェブを剥離すると同時に音圧レベルを測定及び記録して行うことができる。剥離される結合部から5cmの箇所に、計器のマイクロホンを配置する。騒音計は、A重み付け係数を使用して、ヒトの耳が聴く方法をより密接に近似して作動される。(基準IEC 651−騒音レベル計。この基準は、国際電気標準会議より入手可能である。)追加の測定パラメータは、範囲:40〜100dB;交換率:3dB;時定数;高速;閾値:オフ;及びピーク重み付け:Cである。
【0085】
米国内でProcter & Gamble Company(Cincinnati,Ohio)により販売されている、剥離紙及び外側プラスチック包装物を有する三つ折形態で結合されたAlways Maxi Padsを変更して、実施例の音圧レベル測定値を作成する。市販のパッドの外側包装物及び剥離紙を本開示のプロセスで形成されたエンボス加工シール16を有する試験フィルムで置き換えた。エンボス加工シール16を形成する前に、幅2”のダクトテープの細長片を、パッドの各末端部の外側プラスチック包装物とトップシートとの両方に付着させる。テープは、パッド末端部の端から1”の周囲を覆う。パッドの各末端部上にテープ細長片の接着剤側が互いに付着されて、引張牽引(tensile pull)用の取付けタブを作成する。ダクトテープ細長片を開放パッドに付着させた後、外側包装物を再度結合して三つ折り形態とする。次に、剥離強度牽引の前に、取付けタブをInstron掴み具内にクランプする。
【0086】
ウェブを形成構造10と圧力源との間に配置し、圧力を適用してウェブ34を形成構造10の別個の形成要素11に適合させる。図3A及び3Bを参照すると、同心の別個の延長要素22A及び22Bを有するエンボス加工シール16を備えた物品がかように製造されている。図4に示されるように、別個の延長要素22は、開放基端30と、開放(図5に示されるように)及び又は閉鎖(図3A及び3Bに示されるように)先端24とを有する。
【0087】
一実施形態において、本明細書に記載したプロセスから得られるエンボス加工シール16は、米国特許第7,402,723号又は同第7,521,588号に詳述されているものと同様の構造10を有することができる。
【0088】
三次元エンボス加工シール16は、少なくとも2つのウェブから製造される。各ウェブは、ウェブ材料の単一層、又は本明細書に記載したような共押出又は積層体ウェブ材料からなる多層であってもよい。積層体フィルム材料は、スキン層を有するフィルムを含む積層体フィルム作製の分野で既知のように、共押出されてもよい。
【0089】
別個の延長要素22は、一般にウェブの第1の表面26上に、各ウェブの突出延長部として形成される各ウェブの別個の延長要素22は、同心である。したがって、外側ウェブの別個の延長要素は、内側ウェブの別個の延長要素が外側ウェブの別個の延長要素内に存在するように、内側ウェブの別個の延長要素よりもわずかに大きい直径を有してもよく、即ち別個の延長要素は入れ子になっている。エンボス加工シール16上の別個の延長要素22の数、サイズ、及び分布は、所望の結合強度、柔らかい感触、及び視覚効果に基づいて予め決定されてもよい。密接に接着した同心の別個の延長要素22間の大きい界面表面積は、高さ、直径、縦横比、及び/又は単位範囲当たりの別個の延長要素22の数が増大するにつれて増大すると考えられる。また界面表面積における増大は、エンボス加工シール16の結合強度に、対応する増大をもたらすと考えられる。
【0090】
図4を参照すると、別個の延長要素22は、エンボス加工シール16の第1の表面26から突出するように記載され得る。したがって、別個の延長要素22はウェブと一体化されたものとして記載されてもよく、ウェブの永久的な局所塑性変形により形成される。別個の延長要素22は、開放基端部と、閉鎖又は開放先端24とを画定する側壁28を有するとして記載され得る。別個の延長要素22はそれぞれ、隣接する延長要素22間の最小振幅Aminから閉鎖又は開放先端24における最大振幅Amaxへ測定された高さを有する。別個の延長要素22は直径dを有し、前記直径は、略円筒構造においては横断面における外側直径である。「横」は、第1の表面26の面の略平行を意味する。非均一な横断面を有する略円柱の別個の延長要素22、及び/又は別個の延長要素22の非円筒構造に関して、直径dは、別個の延長要素の1/2高さにおける平均横断面寸法として測定される。かくして、各別個の延長要素に関してh/dと定義される縦横比を決定することができる。別個の延長要素は、少なくとも約0.2、少なくとも約0.3、少なくとも約0.5、少なくとも約0.75、少なくとも約1、少なくとも約1.5、少なくとも約2、少なくとも約2.5、又は少なくとも約3の縦横比h/dを有してもよい。別個の延長要素22は、典型的には、少なくとも約30マイクロメートル、少なくとも約50マイクロメートル、少なくとも約65、少なくとも約80マイクロメートル、少なくとも約100マイクロメートル、少なくとも約120マイクロメートル、少なくとも約150マイクロメートル、又は少なくとも約200マイクロメートルの高さを有するであろう。延長要素22は、典型的には、少なくともウェブの厚さと同一の、又はウェブの厚さの少なくとも2倍、又は好ましくはウェブの厚さの少なくとも3倍の高さを有するであろう。別個の延長要素22は、典型的には、約50マイクロメートル〜約5,000マイクロメートル、約50マイクロメートル〜約3,000マイクロメートル、約50マイクロメートル〜約500マイクロメートル、約65マイクロメートル〜約300マイクロメートル、又は約75マイクロメートル〜約200マイクロメートルの直径を有するであろう。ほぼ非円柱形状又は不規則な形状を有する別個の延長要素22では、別個の延長要素の直径は、1/2高さにおける別個の延長要素の回転半径の2倍として定義することができる。
【0091】
延長要素が開放している延長要素の側壁の部分を有するように、ウェブ材料全体を横切って長さ方向に延びる隆起部等の形状を有する別個の延長要素の場合、別個の延長要素の直径は、1/2高さにおける延長要素の2つの対向する側壁間の平均最小幅として定義されてもよい。
【0092】
一般に、任意の個々の別個の延長要素の実際の高さhの測定するのは困難であり得るため、また実際の高さは様々であり得るため、複数の別個の延長要素22の平均高さhavgは、エンボス加工シール16の所定の範囲にわたる平均最小振幅Amin及び平均最大振幅Amaxを測定する工程により、決定され得る。そのような平均高さhpavgは、典型的には、上記に記載される高さの範囲内に含まれるであろう。同様に、様々な断面寸法の場合、平均直径davgは複数の別個の延長要素22に関して決定され得る。そのような平均直径davgは、典型的には、上記に記載した直径の範囲内に含まれるであろう。そのような振幅及び他の寸法は、コンピュータ支援走査顕微鏡法及びデータ加工による等、当技術分野にて既知の任意の方法で測定することができる。したがって、エンボス加工シール16の所定の部分に関する別個の延長要素22の平均縦横比ARavgは、havg/davgとして表すことができる。
【0093】
一実施形態において、別個の延長要素の直径は一定であり、又は振幅の増大と共に低下する(振幅は増大して、閉鎖又は開放先端24にて最大となる)。別個の延長要素22の直径、即ち平均横断面寸法は、基端部にて最大であり、横断面寸法は先端に向かって着実に減少する。この構造10は、エンボス加工シール16が形成構造10から容易に除去できることを確実にするため望ましいと考えられる。別の実施形態では、別個の延長要素22の直径は振幅の増大と共に増大する。例えば、別個の延長要素22は、キノコ形状を有してもよい。
【0094】
ウェブが薄くなっていることは、高い縦横比の別個の延長要素22の形成に必要な比較的深い引延ばしにより生じ得る。例えば、薄くなっていることは、別個の延長要素の閉鎖又は開放先端24にて若しくはその近傍で、及び/又は側壁に沿って観察され得る。「観察される」は、拡大断面図で見た際に、薄くなっていることがはっきり分かることを意味する。そのように薄くなっていることは、薄くなっている部分が、触れた際に、圧縮又は剪断に抵抗をほとんど与えないため有益であり得る。例えば、人が別個の延長要素22を呈する側上でエンボス加工シール16に触れた際、人の指先は最初に、別個の延長要素22の閉鎖又は開放先端24に接触する。別個の延長要素22の高い縦横比と、先端24にて及び/又はその近傍におけるウェブ及び/又は側壁の壁が薄くなっていることにより、別個の延長要素22は、人の指によりエンボス加工シール16上に課される圧縮又は剪断に対する抵抗をほとんどもたらさない。この抵抗の不在は、ベロア布の感触と非常に類似した柔らかい感触として印象付けられる。
【0095】
閉鎖若しくは開放先端24にて、又はその近傍におけるウェブ及び/又は側壁が薄くなっていることは、エンボス加工前のウェブの厚さに対して又はエンボス加工シール16の別個の延長要素22を完全に包囲するランド範囲の厚さに対して測定され得る。ウェブは、典型的には、ウェブの厚さに対して少なくとも約25%、少なくとも約50%、又は少なくとも約75%薄くなるであろう。ウェブは、典型的には、エンボス加工シール16の別個の延長要素22を包囲するランド範囲の厚さに対して、少なくとも約25%、少なくとも約50%、又は少なくとも約75%薄くなるであろう。
【0096】
本明細書に開示した別個の延長要素22のみを有し、巨視的な孔12又は開放先端24を有する別個の延長要素22を有さない流体不透過性ウェブは、流体透過性を必要としない任意の用途において柔らかさを提供できることに留意する必要がある。このように、物品は、一実施形態において、その少なくとも1つの表面上に柔らかく絹のような触感を呈するエンボス加工シール16を含み、エンボス加工シール16の絹のような感触の表面は同心の別個の延長要素22のパターンを呈し、別個の延長要素22のそれぞれはウェブ表面の突出延長部であり、かつ閉鎖又は開放先端24の開放基端部を画定する側壁を有する。所定の実施形態において、別個の延長要素22は、開放基端部にて又はその近傍にて最大横断面寸法を有する。
【0097】
第1の表面26の単位面積当たりの別個の延長要素22の数である、別個の延長要素22の「面密度」は最適化されてもよく、エンボス加工シール16は、典型的には、1平方センチメートル当たり約4〜約10,000、約10〜約10,000、約95〜約10,000、約240〜約10,000、約350〜約10,000、約500〜約5,000、又は約700〜約3,000の別個の延長要素22を含むであろう。一般に、中心間の間隔は、十分な触感のために最適化されてよい一方、同時に別個の延長要素22間の流体等の材料の捕捉を最小限にする。隣接する別個の延長要素22の中心間の間隔は、約100マイクロメートル〜約5,000マイクロメートル、約100マイクロメートル〜約1,000マイクロメートル、約30マイクロメートル〜約800マイクロメートル、約150マイクロメートル〜約600マイクロメートル、又は約180マイクロメートル〜約500マイクロメートルであってもよい。
【0098】
エンボス加工シールを作製するためのプロセス
エンボス加工シール16を形成するためのプロセスは、少なくとも2つのウェブを圧力源と形成構造10との間に供給し、ウェブの部分を形成構造10の別個の形成要素11に適合させるのに十分な圧力を、圧力源からウェブ及び形成構造10に対して適用し、それにより同心の別個の延長要素22を有するエンボス加工シール16を形成する工程を含む。形成構造10に対するウェブの適合は、生成される圧力及び形成構造10のトポグラフィーに応じて、部分的な適合、実質的な適合、又は完全な適合であり得る。理論に束縛されるものではないが、開放先端24は、ウェブを形成構造10の別個の形成要素11に適合させる間に、ウェブを局所的に破壊することにより形成され得ると考えられる。
【0099】
ウェブの永久変形を得てエンボス加工シール16を形成するために、適用される圧力は、一般に、ウェブをその降伏点を越えて伸張するのに十分である。
【0100】
プロセスは、バッチプロセス又は連続プロセスであってもよい。バッチプロセスは、形成構造10と圧力源との間に配置された少なくとも2つのウェブ材料からなる個々のシートを提供する工程を含むことができる。
【0101】
連続プロセスは、ほどかれて形成構造10と圧力源との間に供給される少なくとも2つのウェブ材料からなる複数のロールを提供する工程を含み得る。少なくとも2つのウェブ材料はまた、単一のロール上に提供されてもよい。形成構造10は、例えばロールの形態であってもよい。ウェブ34が形成構造10ロールと圧力源との間を通過するにつれて、エンボス加工シール16が形成される。圧力源が柔軟基材44である場合、柔軟基材44もまたロールの形態であることができる。
【0102】
プロセスは比較的短い滞留時間を有することができる。本明細書で使用されるとき、用語「滞留時間」は、圧力がウェブの所定の部分に適用される時間の量を指し、通常、形成構造10と圧力源との間に配置されたウェブの所定の部分が消費する時間の量である。圧力は、典型的には、約5秒未満、約1秒未満、約0.5秒未満、約0.1秒未満、約0.01秒未満、又は約0.005秒未満の滞留時間、ウェブに適用される。例えば、滞留時間は、約0.5ミリ秒〜約50ミリ秒であってもよい。そのような比較的短い滞留時間であっても、本明細書に記載した所望の構造的特徴を有するエンボス加工シールを製造することができる。結果として、本開示のプロセスは、エンボス加工シールの高速製造を可能にする。
【0103】
ウェブは、形成構造10と圧力源との間に、少なくとも約0.01メートル/秒、少なくとも約1メートル/秒、少なくとも約5メートル/秒。又は少なくとも約10メートル/秒の速度で供給されてもよい。他の好適な速度は、例えば少なくとも約0.01、0.05、0.1、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10メートル/秒を含む。
【0104】
形成構造10上の別個の延長要素22の形状、及び適用される圧力等の因子に応じて、製造されるエンボス加工シール16の延長要素22の先端24は、閉鎖又は開放のいずれかであり得る。
【0105】
プロセスは周囲温度で行われてもよく、これは形成構造10、圧力源、及び/又はウェブに熱が意図的に適用されないことを意味する。しかしながら、熱は、特に連続プロセスにて、形成構造10と圧力源との間の圧力により生成され得ることを認識する必要がある。結果として、周囲温度等の所望の温度でのプロセス条件を維持するために、形成構造10及び/又は圧力源を冷却してもよい。
【0106】
プロセスは、高温のウェブを用いて行うこともできる。例えば、ウェブの温度は、ウェブの融点未満であってもよい。例えば、ウェブの温度は、ウェブの融点よりも少なくとも約10℃低くてもよい。ウェブは、プロセス中、約10℃〜約200℃、約10℃〜約120℃、約20℃〜約110℃、約10℃〜約80℃。又は約10℃〜約40℃の温度を有してもよい。ウェブは、加熱された圧力源、例えば静圧プレナム36用の加熱された流体圧力源、若しくは加熱された柔軟基材44を使用してウェブを加熱する工程により、及び/又は形成構造10を加熱する工程により、プロセス中に加熱されてもよい。例えば、加熱されたガスを静圧プレナム36用の圧力源として使用してもよい。
【0107】
一実施形態において、前駆体ウェブは、形成構造と柔軟基材との間に提供される前に加熱されない。別の実施形態では、前駆体ウェブ、形成構造及び柔軟基材は、前駆体ウェブを形成構造と柔軟基材との間に提供する前に加熱されない。
【0108】
一般に、本発明のプロセスは、約10℃〜約200℃、約10℃〜約120℃、約10℃〜約80℃又は約10℃〜約40℃の温度で行われてもよい。温度は、例えば温度を圧力源と形成構造10との間のニップにて測定する、赤外線温度計又はレーザー温度計等の非接触温度計で測定されてもよい。温度はPaper Thermometer Companyから入手可能なThermolabel等の温度感受性材料を使用して測定することもできる。
【0109】
平均圧力は、圧力源により提供される。平均圧力は、形成構造10と圧力源との間に配置されたウェブを強制的に、形成構造10の別個の形成要素11を適合させて、エンボス加工シール16を形成させるのに十分である。一般に、形成構造10と静圧プレナム36との間に、又は速度圧力源により提供される平均圧力は、約0.1MPa〜約25MPa、約0.5MPa〜約20MPa、約0.7MPa〜約10MPa、約1MPa〜約7MPa、約1MPa〜約20MPa、約0.5MPa〜約10MPa、約10MPa〜約25MPa、又は約0.5MPa〜約5MPaである。一般に、形成構造10と柔軟基材44との間に提供される平均圧力は、約1MPa〜約100MPa、約5MPa〜約70MPa、約10MPa〜約60MPa、又は約20MPa〜約40MPaである。例えば、適用される圧力は、最大約30MPaまでであってもよい。
【0110】
柔軟基材44が圧力源として使用される場合、形成構造10及び柔軟基材44は、形成構造10及び/又は柔軟基材44に力を適用することにより所望の圧縮距離に押しつけられる。「圧縮距離」は、柔軟基材44内へ形成構造10が押される距離を測定することにより決定される。この距離は、形成構造10及び柔軟基材44を初期接触させた後、形成構造10及び柔軟基材44を強制的に一緒にすることにより測定され得る。初期接触の後に形成構造10及び柔軟基材44が互いに対して移動した距離が、「圧縮距離」と称される。形成構造10及び柔軟基材44が両方ともロールである場合、圧縮距離は、初期接触後に適用される力による、形成構造10の回転軸と柔軟基材44の回転軸との間の距離における変化として測定され得る。
【0111】
形成構造10及び柔軟基材44の圧縮距離は、典型的には、約0.1mm〜約5mm、約0.2mm〜約4mm、又は約0.3mm〜約3mmであろう。
【0112】
プロセスは、所望により、ウェブが形成構造10と圧力源との間に提供される前に、ウェブ及び/又は形成構造10にスリップ剤を適用する工程を更に含むことができる。このことは、特に連続プロセスにて、ウェブと形成構造10との間の摩擦を低減するのに有益であり得る。好適なスリップ剤の非限定的な例には、シリコーン、タルク、潤滑油等が挙げられる。
【0113】
プロセスは、所望により他のプロセスと組み合わされて、エンボス加工シール16を有するウェブを更に操作してもよい。一実施形態において、そのような追加のプロセスは同一のプロセス製造ライン上のプロセスと組み合わされて、例えば吸収性物品用の包装を製造することができる。
【0114】
プロセスは更に、第2の圧力源から圧力を適用することを含むことができる。第2の圧力源は、第1の圧力源と同一でも又は異なっていてもよく、静的液圧プレナム(static liquid pressure plenum)、静的ガス圧プレナム、エアナイフ等の速度ガス圧力源(velocity gas pressure source)、従来の液圧成形プロセスで使用されるもの等の速度液体圧力源(velocity liquid pressure source)、及び柔軟基材44からなる群から選択され得る。第2の圧力源によりウェブ上に付与される圧力は、典型的には、本明細書にて前述した第1の圧力源によりウェブ34に付与される圧力と同様であろう。例えば、プロセスは多数の静圧プレナムの使用を含むことができる。一実施形態において、少なくとも2つの静圧プレナムが提供され、形成構造10と第1の静圧プレナムとの間においてウェブ34の第1の部分に圧力が適用される。次に、形成構造10と第2の静圧プレナムとの間においてウェブ34の第1の部分に圧力が適用され、ウェブ34の第1の部分を、同一の形成構造10の同一の突出要素、孔、又は凹みに更に適合させることができる。これにより、プロセスにより形成される別個の延長要素22の増強が可能となり得る。
【0115】
物品の使用
物品は、吸収性物品の包装材料、包装(フロー包装、収縮包装、又はポリ袋等)、ごみ袋、食品包装、デンタルフロス、ワイプ、電子部品、壁紙、衣類、エプロン、窓覆い、食卓マット、ブックカバー等を含む多数の異なる方法で使用され得る。
【実施例】
【0116】
(実施例1)
エンボス加工シール16を有する物品は、2つのウェブを使用して形成される。第1のウェブは、Engelhard Corporation(Iselin,NJ)から得た虹色フィルム、Aurora Special Effect Film Fluoridescent TM Groovey Green FG 8601 RG−56である。第2のウェブは、80% LLDPE及び20% LDPEを有する3層の共押出ウェブである。エンボス加工プロセスは室温で行われる。形成構造10は複数の突出要素を含む。別個の突出要素は一般に、円形の断面形状を備えた円柱である。別個の突出要素の側壁は、わずかな内方向テーパを有する。突出要素の先端は、比較的丸い尖頭を有する。突出要素は約192マイクロメートルの高さを有し、約254マイクロメートルの中心間の間隔を有する六角形アレイに配置されている。図8に、形成構造10の高倍率側面図を示す。
【0117】
圧力源は、40デュロメータのゴム状物質からなる厚さ6.4mmのシートの形態の柔軟材料46を有する柔軟基材44である。2つのウェブは形成構造10と柔軟基材44との間に供給され、約15MPa(2,200psi)の圧力が付与されてウェブを形成構造10の突出要素15に適合され、それにより同心の別個の延長要素22を有するエンボス加工シール16が形成される。図3A及び3Bは、形成されたエンボス加工シール16を示す。
【0118】
(実施例2)
エンボス加工シール16を有する物品は、RKW US,Inc.から得た2つのポリエチレンフィルムを使用して形成されるが、これは、それぞれ厚さ約15マイクロメートルであり、14.2グラム/平方メートル(「gsm」)の坪量を有する。厚さ7mmのHYPALON(登録商標)Rubber(Perma−Flex Roller Technology(Salisbury,North Carolina)から得たHYPALON CHECKMATE HGS−HT)の柔軟基材をプロセスで使用した。柔軟基材は、約53のショアA硬度を有する厚さ4mmのHYPALON(登録商標)シートと、85のショアA硬度を有する厚さ3mmのHYPALON(登録商標)シートとから形成された2層積層体である。柔軟基材は15mm×15mmの四角形のシートの形態を有する。積層体の厚さ4mmのHYPALON(登録商標)(ショアA硬度53)部分は、エンボス加工プロセス中、ウェブと接触している。形成構造は厚さ約1mmの金属であり、六角形アレイにて0.25mmの中心間の間隔を有する、直径0.18の凹みを有した。凹みは円形の断面を有し、直線状の側壁を含む。凹みは、凹みの底面内に開口部を含むことにより通気されて、エンボス加工プロセス中に、空気が後部側から逃れることを可能にする。エンボス加工プロセスは、高速リサーチプレスを使用して室温で行われる。高速リサーチプレスは米国特許出願公開第2009/0120308(A1)号に詳述され、エンボス加工シール16を形成する連続製造ラインプロセスを模倣するよう設計されている。プレスは205mmの柔軟基材及び形成構造のロール直径を模倣するよう操作される。ウェブは約6m/秒の模倣速度で、形成構造10と柔軟基材との間に供給される。
【0119】
柔軟基材と形成構造との間の圧縮距離、適用圧力、及び力と、エンボス加工シールの別個の延長要素22の平均高さとは、以下の表に示されている。
【表1】

【0120】
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳しく制限されるものとして理解すべきではない。それよりむしろ、特に規定がない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することを意図している。
【0121】
特に明記されない限り、一実施形態に関連して本明細書に技術的特徴が開示される場合、この特徴は別の実施形態又は請求項に開示される任意の他の特徴と組み合わされてもよい。
【0122】
「発明を実施するための形態」で引用した全ての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に関して先行技術であることを容認するものとして解釈すべきではない。本書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれた文献における同一の用語のいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいては、本書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0123】
本発明の特定の実施形態が例示され、記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品であって、
少なくとも2つのウェブと、
前記少なくとも2つのウェブの一部分を連結するエンボス加工シールであって、前記少なくとも2つのウェブ内に形成されたランドにより包囲される同心の別個の延長要素を含み、前記別個の延長要素が開放基端を有し、前記別個の延長要素の一部分が前記ランドの厚さよりも小さい厚さを有する、エンボス加工シールと、を備える物品。
【請求項2】
前記エンボス加工シールが接着剤を含まない、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記同心の別個の延長要素が、融解により共に融合されていない、請求項1又は2に記載の物品。
【請求項4】
前記別個の延長要素の先端及び/又は側壁が、前記ランドに対して少なくとも約25%薄くなっている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の物品。
【請求項5】
前記少なくとも2つのウェブが、ポリプロピレン、ポリエチレン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の物品。
【請求項6】
前記エンボス加工シールに隣接して配置された非封止部分を更に含み、前記非封止部分が、同心の別個の延長要素を実質的に有さない前記少なくとも2つのウェブの部分を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の物品。
【請求項7】
前記エンボス加工シールが前記少なくとも2つのウェブの対向する側部に沿って配置され、前記非封止部分が、前記エンボス加工シールを有する前記対向する側部の間に配置されている、請求項5に記載の物品。
【請求項8】
前記少なくとも2つのウェブを、圧力源と、別個の孔、別個の凹み、別個の突出要素、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される複数の別個の形成要素を含む形成構造と、の間に供給する工程と、
前記少なくとも2つのウェブを前記形成構造の前記別個の形成要素に適合させて、開放基端を有する複数の同心の別個の延長要素を含むエンボス加工シールを形成するのに十分な圧力を、前記圧力源から前記ウェブ及び前記形成構造に対して適用する工程と、を含む、プロセス。
【請求項9】
前記圧力源が、静圧プレナム、柔軟基材、速度圧力源、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項8に記載のプロセス。
【請求項10】
前記適用される圧力が、約1MPa〜約100MPaである、請求項8又は9に記載のプロセス。
【請求項11】
圧力を、約0.5ミリ秒〜約50ミリ秒の滞留時間、適用する工程を含む、請求項8〜10のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項12】
前記プロセス中の前記ウェブの温度が、前記ウェブの融点よりも低く、好ましくは前記ウェブの融点よりも少なくとも約10℃低い、請求項8〜11のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項13】
前記適用される圧力が、前記ウェブの降伏点を越えて前記ウェブを伸張するのに十分である、請求項8〜12のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項14】
前記ウェブが、ポリプロピレン、ポリエチレン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項8〜13のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項15】
前記エンボス加工シールが接着剤を含まない、請求項8〜14のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項16】
前記エンボス加工シールが、融解状態で前記ウェブを共に融合することなく形成される、請求項8〜15のいずれか一項に記載のプロセス。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−519607(P2012−519607A)
【公表日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−553173(P2011−553173)
【出願日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際出願番号】PCT/US2010/026887
【国際公開番号】WO2010/104996
【国際公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】