説明

ジアミノシクロヘキサン誘導体及びジアミノシクロペンタン誘導体

式(I)[式中、置換基は、明細書に開示する通りである]で示される化合物及びその薬学的に許容される塩が本明細書に提供される。これらの化合物及びそれらを含有する医薬組成物は、肥満、過食症、不安、鬱ならびに関連する障害及び疾患の処置に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メラニン凝集ホルモンレセプターアンタゴニスト及びその誘導体に関するものである。アンタゴニスト及びその誘導体は、肥満、過食症、不安、鬱ならびに関連する障害及び疾患を処置するために有用である。
【0002】
メラニン凝集ホルモン(MCH)は、シロザケの脳下垂体から最初に単離された環状ペプチドである(Kawauchi et al. (1983) Nature 305: 321-333)。MCHの配列は、全ての硬骨魚で同一であることが示されており、硬骨魚でMCHはメラニンの顆粒化を起こし、したがって、色の変化をレギュレーションする。最近の報告は、MCHが硬骨類における食物摂取に役割を果たすこともまた示唆している。MCHは、ACTHの放出もまた阻害し、それ故にα−MSHのアンタゴニストとして作用する。その後、MCHは、環状ノナペプチドとして哺乳類から同定された。最初のMCHレセプター(後にMCHR1と名付けられた)は、Gタンパク質共役レセプター(GPCR)であり、「逆薬理学」のアプローチを用いて同定された。すなわち、オーファンGPCRであるSLC−1の天然リガンドが哺乳類におけるMCHであることが実証された。この判定の後に、第2のMCHレセプター(MCHR−2)が同定された。哺乳類の摂食行動におけるMCHの役割は、長年の研究対象であった(Qu, et al. (1996) Nature, 380: 243-247;Rossi et al. (1997) Endocrinology 138: 351-355;Shimada et al. (1998) Nature 396: 670-674)。MCHは、中枢神経系(CNS)の外側視床下部及び不確帯に主として発現する。MCHの中枢投与は、食物摂取を刺激し、エネルギーバランスをレギュレーションすることが知られている。MCHは、空腹時に外側視床下部でアップレギュレーションされる(Rossi et al. (1997) Endocrinology 138: 351-355)。ノックアウト実験から、MCHペプチドを欠如したマウスは、痩せていて、食欲が減退し、代謝率の上昇を維持することが示された。MCHのmRNAレベルは、正常マウス及び肥満マウスの両方で増加している。MCHを過剰発現するトランスジェニックマウスは肥満で、インスリン抵抗性である。MHCレセプターをコードする遺伝子を欠如した遺伝子改変動物は、中程度に食欲が亢進するが、肥満になることに抵抗性を示し、代謝率が増加する(Shimada et al. (1998) Nature 396: 670-674)。MCHは、MCHレセプター(MCHR1又はMCHR2)に結合して、細胞内カルシウムの動員及び同時にサイクリックAMPレベルの減少を招くことにより、摂食行動にその効果を発揮すると考えられる。これらの結果の一貫性は、MCHのアンタゴニズムがヒトの体重減少を安全に導きうることを示唆している。これをさらに支持して、いくつかの研究が、MCHレセプターアンタゴニストの急速投与後のげっ歯類における食物摂取の統計的に有意な減少及び/又は小分子MCHレセプターアンタゴニストの慢性投与後の体重の統計的に有意な減少を記載している(Borowsky et al. (2002) Nature Medicine 8(8):825-830;Souers et al. (2005) Bioorg. Med. Chem. Lett. 15: 2752-2757;Vasudevan et al. (2005) Bioorg. Med. Chem. Lett. 15: 4174-4179;Kym et al. (2005) J. Med. Chem. 5888-91;McBriar et al. (2005) J. Med. Chem. 48: 2274;Takekawa et al. (2002) Eur. J. Pharmacol. 438(3): 129-135;Kowalski et al. Eur. J. Pharmacol. (2004) 497: 41-47)。これらの研究から、食物摂取の減退に果たすMCHの正確な役割は明らかではない。それは、記載された小分子MCHレセプターアンタゴニストが、1)MCHレセプターに関して非選択的であるか、又は2)選択性のデータが開示されていないかのいずれかであるからである。
【0003】
小分子を用いたMCHR1のアンタゴニズムは、今や肥満を処置するための有望な戦略として認識されている。以下は、小分子MCHレセプターアンタゴニストに関するものである:Katoら、国際公開公報第2001/21577号;Chenら、国際公開公報第2002/089729号;Collinsら、国際公開公報第2003/105850号;Souersら、米国特許第2005/0137243号;Hulmeら、国際公開公報第2005/019167号;Tempestら、国際公開公報第2005/019240号;Barvianら、国際公開公報第2004092181号;Barvianら、国際公開公報第2005/042541号;McKittrickら、国際公開公報第2002/051809号;Sasikumarら、国際公開公報第2005/034947号;Devitaら、国際公開公報第2003/045313号;Gilligら、国際公開公報第2005/040257号;及びSchwinkら、国際公開公報第2004/072025号。
【0004】
MCHは、過食症及び肥満以外の行動及び疾患状態をモデュレーションすることが示されている。MCHR1アンタゴニストは、ヒトにおける鬱及び不安をモデル化した、げっ歯類における行動を阻害することが示されている(Hervieu (2003) Expert Opinion on Therapeutic Targets 7(4), 495-511及びその参考文献;Georgescu et al. (2005) Journal of Neuroscience 25(11), 2933-2940;Chaki et al. (2005) Journal of Pharm. and Exptl. Therapeutics 313, 831-839)。これらのげっ歯類モデルには、強制水泳試験、啼鳴及び様々な社会的相互作用モデルが含まれる。最近の研究は、認知におけるMCHR1の役割もまた支持している(Adamantidis et al. (2005) European Journal of Neuroscience 21, 2837-2844)。
【0005】
食物摂取及び体重調節におけるMCHレセプターの役割に取り組むために、選択的MCHレセプターアンタゴニストの必要性が依然としてある。体重減少のための既存の多くの薬物療法とは異なり、選択的MCHレセプターアンタゴニストは、ヒトにおける食物摂取及び体重を安全に減少させる手段を提供するであろう。このような選択的MCHレセプターアンタゴニストは、例えば肥満、過食症、不安、鬱及び関連する障害の処置に有用であろう。
【0006】
本発明の一実施態様では、一般式(I):
【0007】
【化1】


[式中、
は、水素、低級アルキル、シクロアルキル、ハロ及びシアノからなる群より選択され;
は、水素、低級アルキル、シクロアルキル、アルコキシ及びヒドロキシアルキルからなる群より選択され;
は、水素、低級アルキル、シクロアルキル、低級アルキルカルボニル、アリール及びヘテロアリールからなる群より選択され;
は、水素、低級アルキル、シクロアルキル、ハロ、低級ハロアルキル及びシアノからなる群より選択され;
mは、1又は2であり;そして
nは、0又は1である]
で示される化合物及びその薬学的に許容される塩が提供される。
【0008】
別の実施態様では、本発明は、式(I)
[式中、
は、水素、低級アルキル、ハロ及びシアノからなる群より選択され;
は、水素、低級アルキル、アルコキシ及びヒドロキシアルキルからなる群より選択され;
は、水素、低級アルキル、低級アルキルカルボニル及びアリールからなる群より選択され;
は、水素、低級アルキル、ハロ、低級ハロアルキル及びシアノからなる群より選択され;
mは、1又は2であり;そして
nは、0又は1である]
の化合物及びその薬学的に許容される塩が提供される。
【0009】
さらなる実施態様では、本発明による式(I)
[式中、
は、低級アルキル、ハロ又はシアノであり;そして
は、水素又は低級アルキルである]
の化合物が提供される。
【0010】
さらに、本発明による式(I)
[式中、
は、低級アルキル、アルコキシ又はヒドロキシアルキルであり;そして
は、ハロ又はシアノである]
の化合物が提供される。
【0011】
好ましい実施態様では、Rが、低級アルキル、ハロ又はシアノである、本発明による式(I)の化合物が提供される。さらに好ましくは、Rは、ハロ又はシアノである。最も好ましいのは、Rが、メチル又はクロロである式(I)の化合物である。
【0012】
別の好ましい実施態様では、R2が、低級アルキル、アルコキシ又はヒドロキシアルキルである式(I)の化合物が提供される。さらに好ましくは、Rは、低級アルキル又はヒドロキシアルキルであるが、Rが、メチル又は2−ヒドロキシプロピルである化合物が最も好ましい。
【0013】
さらなる実施態様では、Rが、水素又はアセチルである、本発明による式(I)の化合物が提供される。さらに好ましくは、Rは水素である。
【0014】
別の好ましい実施態様では、Rが水素、ハロ、低級ハロアルキル又はシアノである式(I)の化合物が提供される。さらに好ましくは、Rが、水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、トリフルオロメチル又はシアノである式(I)の化合物が提供される。Rが、ブロモ、クロロ、フルオロ、トリフルオロメチル又はシアノである、本発明による式(I)の化合物もまた好ましい。
【0015】
さらに好ましい実施態様では、式(I)[式中、mは、2であり、式(I)の化合物は、1,4−ジアミノシクロヘキシル部分を含むことを意味する]の化合物が提供される。
【0016】
mが1である、式(I)の化合物もまた好ましい。
【0017】
別の好ましい実施態様では、nが1である、本発明による式(I)の化合物が好ましい。
【0018】
本発明の式(I)の好ましい化合物の例は、以下:
cis−4−(2,5−ジメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロヘキシル]−インダン−2−イル−アミン、
trans−(S)−(5−ブロモ−インダン−2−イルメチル)−[3−(2,5−ジメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロペンチル]−アミン、
trans−(5−クロロ−インダン−2−イルメチル)−[3−(2,5−ジメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロペンチル]−アミン、
cis−(S)−(5−ブロモ−インダン−2−イルメチル)−[4−(2,5−ジメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロヘキシル]−アミン塩酸塩、
cis−(S)−(5−ブロモ−インダン−2−イルメチル)−[3−(2,5−ジメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロペンチル]−アミン、
cis−(5−クロロ−インダン−2−イル)−[4−(2,5−ジメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロヘキシル]−アミン;塩酸塩、
cis−(S)−2−(1−{4−[(5−ブロモ−インダン−2−イルメチル)−アミノ]−シクロヘキシル}−5−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−プロパン−2−オール、
cis−2−(5−クロロ−1−{4−[(5−トリフルオロメチル−インダン−2−イルメチル)−アミノ]−シクロヘキシル}−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−プロパン−2−オール、
cis−2−(5−クロロ−1−{4−[(インダン−2−イルメチル)−アミノ]−シクロヘキシル}−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−プロパン−2−オール、
cis−2−(5−クロロ−1−{4−[(5−クロロ−インダン−2−イルメチル)−アミノ]−シクロヘキシル}−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−プロパン−2−オール、
cis−(5−クロロ−インダン−2−イルメチル)−[4−(2,5−ジメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロヘキシル]−アミン、
cis−[4−(2,5−ジメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロヘキシル]−(5−トリフルオロメチル−インダン−2−イルメチル)−アミン、
cis−[4−(2,5−ジメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロヘキシル]−インダン−2−イルメチル−アミン、
cis−(S)−2−({4−[5−クロロ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−シクロヘキシルアミノ}−メチル)−インダン−5−カルボニトリル、
cis−(S)−2−{[4−(2,5−ジメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロヘキシルアミノ]−メチル}−インダン−5−カルボニトリル、
cis−(S)−2−({4−[2−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−5−メチル−ベンゾイミダゾール−1−イル]−シクロヘキシルアミノ}−メチル)−インダン−5−カルボニトリル、
trans−(S)−2−({4−[2−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−5−メチル−ベンゾイミダゾール−1−イル]−シクロヘキシルアミノ}−メチル)−インダン−5−カルボニトリル、
cis−2−(1−{4−[(5−フルオロ−インダン−2−イルメチル)−アミノ]−シクロヘキシル}−5−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−プロパン−2−オール、
trans−2−(1−{4−[(5−フルオロ−インダン−2−イルメチル)−アミノ]−シクロヘキシル}−5−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−プロパン−2−オール、
cis−2−(1−{4−[(5−クロロ−インダン−2−イルメチル)−アミノ]−シクロヘキシル}−5−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−プロパン−2−オール、
trans−2−(1−{4−[(5−クロロ−インダン−2−イルメチル)−アミノ]−シクロヘキシル}−5−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−プロパン−2−オール、
cis−(R)−2−({4−[5−クロロ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−ベンゾイミダゾール−1H−イル]−シクロヘキシルアミノ}−メチル)−インダン−5−カルボニトリル、
cis−(S)−N−{4−[5−クロロ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−シクロヘキシル}−N−(5−シアノ−インダン−2−イルメチル)−アセトアミド、
cis−(R)−2−(1−{4−[(5−ブロモ−インダン−2−イルメチル)−アミノ]−シクロヘキシル}−5−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−プロパン−2−オール、
cis−1−{4−[(5−クロロ−インダン−2−イルメチル)−アミノ]−シクロヘキシル}−2−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボニトリル、
cis−(S)−2−{[4−(5−フルオロ−2−メチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロヘキシルアミノ]−メチル}−インダン−5−カルボニトリル、
及びその薬学的に許容される塩である。
【0019】
特に好ましいのは、以下からなる群より選択される式(I)の化合物:
cis−(S)−2−(1−{4−[(5−ブロモ−インダン−2−イルメチル)−アミノ]−シクロヘキシル}−5−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−プロパン−2−オール、
cis−2−(5−クロロ−1−{4−[(インダン−2−イルメチル)−アミノ]−シクロヘキシル}−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−プロパン−2−オール、
cis−(5−クロロ−インダン−2−イルメチル)−[4−(2,5−ジメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロヘキシル]−アミン、
cis−(S)−2−({4−[5−クロロ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−シクロヘキシルアミノ}−メチル)−インダン−5−カルボニトリル、
cis−(S)−2−{[4−(2,5−ジメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロヘキシルアミノ]−メチル}−インダン−5−カルボニトリル、
cis−(S)−2−({4−[2−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−5−メチル−ベンゾイミダゾール−1−イル]−シクロヘキシルアミノ}−メチル)−インダン−5−カルボニトリル、
cis−2−(1−{4−[(5−クロロ−インダン−2−イルメチル)−アミノ]−シクロヘキシル}−5−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−プロパン−2−オール、
cis−(S)−N−{4−[5−クロロ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−シクロヘキシル}−N−(5−シアノ−インダン−2−イルメチル)−アセトアミド、
cis−(R)−2−({4−[5−クロロ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−ベンゾイミダゾール−1H−イル]−シクロヘキシルアミノ}−メチル)−インダン−5−カルボニトリル、
cis−(S)−2−{[4−(5−フルオロ−2−メチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロヘキシルアミノ]−メチル}−インダン−5−カルボニトリル、
及びその薬学的に許容される塩である。
【0020】
本発明の別の実施態様では、式(I)による化合物又はその薬学的に許容される塩の治療有効量及び薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物が提供される。
【0021】
本発明のさらなる実施態様では、肥満の処置を必要とする患者における肥満を処置するための方法を提供し、該方法は、式(I)による化合物又はその薬学的に許容される塩の治療有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む。
【0022】
本明細書に採用される用語は、特定の実施態様を記載するためであり、限定を意図しないことを了解すべきである。さらに、本明細書に記載されるものと同様又は等価である任意の方法、装置及び材料を本発明の実施又は試験に使用することができるものの、好ましい方法、装置及び材料を以下に記載する。
【0023】
本明細書に使用されるように、「アルキル」という用語は、例えば、置換又は非置換されていてもよい、分岐又は非分岐の、飽和又は不飽和(例えばアルケニル又はアルキニル)のヒドロカルビル基を意味する。アルキル基は、好ましくはC−C10−アルキル、さらに好ましくはC−C、さらに好ましくはメチル、エチル、プロピル(n−プロピル又はイソプロピル)、ブチル(n−ブチル、イソブチル又はtert−ブチル)又はペンチル(n−ペンチル及びイソペンチルを含む)、さらに好ましくはメチルである。したがって、本明細書に使用される「アルキル」という用語には、アルキル(分岐又は非分岐)、置換されたアルキル(分岐又は非分岐)、アルケニル(分岐又は非分岐)、置換されたアルケニル(分岐又は非分岐)、アルキニル(分岐又は非分岐)及び置換されたアルキニル(分岐又は非分岐)が含まれることが理解されよう。
【0024】
本明細書に使用されるように、シクロアルキル基は、好ましくはC−C12−シクロアルキル、さらに好ましくはC−C10−シクロアルキル、最も好ましくはC−C−シクロアルキルである。したがって、好ましくはシクロアルキル基は、C、C、C、C又はC−シクロアルキルである。「シクロアルキル」という用語には、置換されたシクロアルキル、シクロアルケニル、置換されたシクロアルケニル、シクロアルキニル及び置換されたシクロアルキニルが含まれることが理解されよう理解されよう。
【0025】
本明細書に使用されるように、「低級アルキル」という用語は、分岐又は非分岐の、飽和又は不飽和(例えばアルケニル又はアルキニル)のヒドロカルビル基を意味し、ここで、該低級アルキル基は、好ましくは炭素原子1〜4個のC、C、C、C、C、又はC−アルキルである。典型的な低級アルキル基には、メチル、エチル、プロピル(n−プロピル又はイソプロピル)、ブチル(n−ブチル、イソブチル又はtert−ブチル)、ペンチル及びヘキシルが含まれる。本明細書に使用されるような「低級アルキル」という用語には、例えば低級アルキル(分岐又は非分岐)、低級アルケニル(分岐又は非分岐)、又は低級アルキニル(分岐又は非分岐)が含まれることが理解されよう。別の官能基に結合している場合、本明細書に使用されるような低級アルキルは、二価、例えば、−低級アルキル−COOHであってもよい。
【0026】
本明細書に使用されるように、「アリール」という用語は、例えばフェニル又はナフチルなどの、置換又は非置換の炭素環芳香族基を意味する。
【0027】
「ヘテロアリール」という用語は、一つ以上の、好ましくは一つのヘテロ原子を有する、置換又は非置換のヘテロ芳香族基を意味し、例えばピリジル、ピロリル、フラニル、チエニル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、インドリル、インダゾリル、キノリル、キナゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイソキサゾリル及びベンズイソチアゾリルなどである。
【0028】
アルキル、シクロアルキル、アリール及びヘテロアリール基は、置換又は非置換されていてもよい。置換されている場合は、一般に、例えば1〜3個の置換基、好ましくは1個の置換基が存在するものである。置換基には、例えばアルキル、アリール(例えば置換及び非置換のフェニル)、アリールアルキル(例えば置換及び非置換のベンジル)などの炭素含有基;ハロゲン原子及びハロアルキル(例えばトリフルオロメチル)などのハロゲン含有基;アルコール(例えばヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アリール(ヒドロキシ)アルキル)、エーテル(例えばアルコキシ、アリールオキシ、アルコキシアルキル、アリールオキシアルキル)、アルデヒド(例えばカルボキシアルデヒド)、ケトン(例えばアルキルカルボニル、アルキルカルボニルアルキル、アリールカルボニル、アリールアルキルカルボニル、アリールカルボニルアルキル)、酸(例えばカルボキシ、カルボキシアルキル)、エステルなどの酸誘導体(例えばアルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルカルボニルオキシアルキル)、アミド(例えばアミノカルボニル、モノ−又はジ−アルキルアミノカルボニル、アミノカルボニルアルキル、モノ−又はジ−アルキルアミノカルボニルアルキル、アリールアミノカルボニル)、カルバメート(例えばアルコキシカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、モノ−又はジ−アルキルアミノカルボニルオキシ、アリールアミノカルボニルオキシ)及び尿素(例えばモノ−もしくはジ−アルキルアミノカルボニルアミノ又はアリールアミノカルボニルアミノ)などの酸素含有基;アミン(例えばアミノ、モノ−又はジ−アルキルアミノ、アミノアルキル、モノ−又はジ−アルキルアミノアルキル)、アジド、ニトリル(例えばシアノ、シアノアルキル)、ニトロなどの窒素含有基;チオール、チオエーテル、スルホキシド及びスルホン(例えばアルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルチオアルキル、アルキルスルフィニルアルキル、アルキルスルホニルアルキル、アリールチオ、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、アリールチオアルキル、アリールスルフィニルアルキル、アリールスルホニルアルキル)などの硫黄含有基;ならびに窒素、酸素又は硫黄より選択される一つ以上の、好ましくは一つのヘテロ原子を有するヘテロアリール又はヘテロシクリル基(例えばチエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、テトラヒドロフラニル、ピラニル、ピロニル、ピリジル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジル、ヘキサヒドロアゼピニル、ピペラジニル、モルホリニル、チアナフチル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、インドリル、オキシインドリル、イソインドリル、インダゾリル、インドリニル、7−アザインドリル、ベンゾピラニル、クマリニル、イソクマリニル、キノリニル、イソキノリニル、ナフトリジニル、シンノリニル、キナゾリニル、ピリドピリジル、ベンズオキサジニル、キノキサリニル、クロメニル、クロマニル、イソクロマニル、フタラジニル及びカルボリニル)が含まれうる。
【0029】
低級アルキル基は、置換又は非置換されていてもよく、好ましくは非置換である。置換されている場合は、一般に例えば、1〜3個の置換基、好ましくは1個の置換基が存在する。
【0030】
「アルコキシ」という用語は、−O−アルキルを意味し、ここでアルキルは、好ましくは上に定義されるような低級アルキル基である。好ましい「アルコキシ」はC1−C6−アルコキシである。
【0031】
「アルキルカルボニル」という用語は、−CO−アルキルを意味する。「低級アルキルカルボニル」は−CO−アルキルを意味し、ここでアルキルは、本明細書前記に定義されるような低級アルキル基である。
【0032】
本明細書に使用されるように、「ハロ」という用語は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素原子、好ましくはフッ素、塩素又は臭素原子、そしてさらに好ましくはフッ素又は塩素原子を意味する。
【0033】
「低級ハロアルキル」又は「ハロ−C−C−アルキル」という用語は、上記と同義の低級アルキル基を表し、ここで、低級アルキル基の水素原子の少なくとも一つは、ハロゲン原子、好ましくはフルオロ又はクロロ、最も好ましくはフルオロにより置き換えられている。好ましいハロゲン化低級アルキル基の中には、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル及びクロロメチルがあるが、トリフルオロメチルが特に好ましい。
【0034】
薬学的に許容される担体、賦形剤などの「薬学的に許容される」は、特定の化合物が投与される対象に薬理学的に許容され、実質的に無毒であることを意味する。
【0035】
「薬学的に許容される塩」は、式Iの化合物の生物学的有効性及び性質を保持する、通常の酸付加塩又は塩基付加塩を表し、適切な無毒の有機もしくは無機酸又は有機もしくは無機塩基から形成される。酸付加塩の実例には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸及び硝酸などの無機酸由来の塩、ならびにp−トルエンスルホン酸、サリチル酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸などの有機酸由来の塩が含まれる。塩基付加塩の実例には、アンモニウム、カリウム、ナトリウム及び例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどの第四級水酸化アンモニウム由来の塩が含まれる。薬学的化合物(すなわち薬物)から塩への化学的改変は、周知の技法であり、物理又は化学的安定性に関係する性質、例えば化合物の吸湿性、流動性又は溶解性を改良しようとする場合に使用される。例えば、H. Ansel et. al., Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems (6th Ed. 1995)の196ページ及び1456〜1457ページを参照されたい。
【0036】
「薬学的に許容されるエステル」は、カルボキシル基を有する、通常にエステル化された式Iの化合物を表し、このエステルは、式Iの化合物の生物学的有効性及び性質を保持し、インビボ(生物中)で対応する活性カルボン酸に開裂される。インビボで対応するカルボン酸に開裂(この場合、加水分解)されるエステル基の例は、開裂された水素が、所望により置換されている低級アルキルにより、例えば複素環、シクロアルキルなどにより置換されたエステル基である。置換された低級アルキルエステルの例は、低級アルキルが、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、N−メチルピペラジンなどにより置換されたエステルである。インビボで開裂される基は、例えば、エチル、モルホリノエチル、及びジエチルアミノエチルであってもよい。本発明に関連して、−CONHは、−NHがインビボで開裂され、ヒドロキシ基により置換されて対応するカルボン酸を形成することから、エステルともみなされる。
【0037】
薬学的化合物の送達のためのエステルの例及び使用に関するさらなる情報は、Design of Prodrugs. Bundgaard H. ed. (Elsevier, 1985)から入手できる。H. Ansel et. al., Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems (6th Ed. 1995)の108〜109ページ;Krogsgaard-Larsen, et. al., Textbook of Drug Design and Development (2d Ed. 1996)の152〜191ページもまた参照されたい。
【0038】
本発明の方法の実施にあたり、本発明の化合物の任意の一つ、あるいは本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩もしくはエステルの任意のものの組み合わせの有効量が、単独又は組み合わせで、当技術分野において普通の許容される任意の方法により投与される。したがって、この化合物又は組成物は、経口(例えば頬側口腔)、舌下、非経口(例えば、筋肉内、静脈内、又は皮下)、直腸(例えば、坐剤又は洗浄剤による)、経皮(例えば、皮膚電気穿孔法)で、又は吸入により(例えば、噴霧剤による)、そして錠剤及び懸濁剤を含む固体、液体又は気体投薬の形態で投与することができる。投与は、適宜、一単位量剤形の連続治療又は単回投与治療で行うことができる。治療用組成物は、パモ酸などの親油性塩と共に油性エマルションもしくは分散液の形態、又は皮下もしくは筋肉内投与用の生分解性持続放出組成物の形態でもありうる。
【0039】
本明細書の組成物を調製するために有用な薬学的担体は、固体、液体又は気体でありうることから、これらの組成物は、錠剤、丸剤、カプセル剤、坐剤、散剤、腸溶性コーティングされた、又は他の保護された製剤(例えばイオン交換樹脂への結合又は脂質−タンパク質小胞中のパッケージング)、持続放出製剤、液剤、懸濁剤、エリキシル剤、エアロゾル剤などの形態を採りうる。担体は、石油、動物、植物又は合成起源の油、例えばラッカセイ油、ダイズ油、鉱物油、ゴマ油などを含む様々な油より選択することができる。水、食塩水、水性デキストロース、及びグリコールは、特に(血液と等張の場合に)注射液用の、好ましい液体担体である。例えば、静脈内投与用製剤は、固体活性成分を水に溶解させて水溶液を作製すること、及びその溶液を滅菌することによって調製される、活性成分の無菌水溶液を含む。適切な薬学的賦形剤には、デンプン、セルロース、タルク、グルコース、ラクトース、タルク、ゼラチン、麦芽、コメ、小麦粉、チョーク、シリカ、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク、グリセロール、ピロピレングリコール、水、エタノールなどが含まれる。この組成物は、保存料、安定化剤、湿潤剤又は乳化剤、浸透圧を調整するための塩、緩衝剤などの通常の薬学的添加剤に供されることがある。適切な薬学的担体及びそれらの製剤は、E. W. MartinによるRemington's Pharmaceutical Sciencesに記載されている。このような組成物は、いずれにしても、レシピエントに適切に投与するための適切な剤形を調製するように、適切な担体と一緒に有効量の活性化合物を含有するものである。
【0040】
医薬製剤は、保存料、溶解補助剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色料、着香料、浸透圧を変化させるための塩、緩衝剤、コーティング剤又は抗酸化剤もまた含有しうる。これらの調製物は、式Iの活性成分以外の追加的な活性成分を含む、他の治療的に有益な物質もまた含有しうる。
【0041】
本発明による化合物の治療有効量又は投薬量は、広い範囲で変化することがあり、当技術分野で公知の方法で決定することができる。このような投薬量は、投与される特定の化合物、投与経路、処置される状態、及び処置される患者を含む、個々の場合で個別の必要条件に合わせて調整されるものである。式Iの化合物の治療有効量は、制御される疾患、患者の年齢及び個別の状態、ならびに投与様式に応じて広い範囲を変化することがあり、もちろん、個々の場合での個別の必要条件に合わせられるものである。好ましくは、治療有効量は、1日あたり約0.01mg/kgから約50mg/kg、さらに好ましくは1日あたり約0.3mg/kgから約10mg/kgでありうる。
【0042】
毎日の投薬量は、単回量又は分割量として投与することができるし、非経口投与については、持続注入として与えてもよい。
【0043】
さらに、本発明は、治療活性物質として、特に肥満、過食症、不安、鬱ならびに関連障害及び疾患を処置するための治療活性物質として使用するための、上記と同義の式(I)の化合物に関する。
【0044】
別の実施態様では、本発明は、肥満、過食症、不安、鬱ならびに関連障害及び疾患を処置するための、上記と同義の式(I)の化合物の使用に関する。
【0045】
加えて、本発明は、肥満、過食症、不安、鬱ならびに関連障害及び疾患を処置するための医薬を調製するための、上記と同義の式(I)の化合物の使用に関する。好ましくは、本発明は、肥満を処置するための医薬を調製するための、式(I)の化合物の使用に関する。
【0046】
本発明は、また上記と同義の式(I)の化合物の製造方法に関し、該方法は、
a)式(II):
【0047】
【化2】


[式中、Rは、本明細書において前記と同義である]で示される化合物を、式(III):
【0048】
【化3】


[式中、R、R及びmは、本明細書において前記と同義である]で示されるアミンを用い、NaCNBH又はNaBH(OAc)を使用することによって、還元的アミノ化し、式(I)[式中、nは、1である]の化合物を得ること、そして所望であれば、得られた式(I)の化合物をその薬学的に許容される塩に変換すること、又は
b)式(IV):
【0049】
【化4】


[式中、R、R、R、m及びnは本明細書において前記と同義である]で示される化合物を、式(V):
COOH (V)
[式中、Rは、本明細書において前記と同義である]で示されるカルボン酸を用いて環化し、式(I)[式中、nは、0である]の化合物を得ること、そして所望であれば、得られた式(I)の化合物をその薬学的に許容される塩に変換することを含む。
【0050】
さらに詳細には、本発明の化合物は、市販の出発物質から開始して、当業者に公知の一般的な合成技法及び手順を利用して調製することができる。下記に概略するのは、そのような化合物を調製するために適した、好ましい反応スキームである。さらなる例証は、下記に詳述する具体的な実施例に見出される。
【0051】
スキーム1:置換されたインダン−2−カルバルデヒドを調製する一般法
【0052】
【化5】

【0053】
置換されたインダン−2−カルバルデヒドは、還元反応及び酸化反応により対応するカルボン酸から調製することができる。インダン−2−カルボン酸は、文献の例と同様の方法で調製することができる(J. Med. Chem. 1989, 38, 1988-1996)。置換されたベンゼンジカルボン酸(i)(X=H、F、Br、Cl、CF3)は、ジオールに還元することができ、そのジオールは、二臭化物(ii)に変換することができる。二臭化物(ii)を用いたマロン酸ジエチルのアルキル化に続くけん化により、インダン−2,2−ジカルボン酸(iii)を提供することができ、そのジカルボン酸を脱炭酸して、置換されたインダン−2−カルボン酸(iv)を産生させることができる。インダン−2−カルボン酸ivを対応するアルコール(v)に還元することができ、そのアルコールを酸化して、所望の置換されたインダン−2−カルバルデヒド(vi)を生成させることができる。
【0054】
キラルな5−ブロモ−インダン−2−カルボン酸(X=5−Brの(iv))は、文献(米国特許第5936000号)の例と同様の方法を用いた非対称接触水素化により対応するインデンから調製することができ、(R)及び(S)−鏡像異性体の両方を生成する。臭化物(X=5−Brの(v))からシアン化物(X=5−CNの(v))への変換は、シアン化亜鉛及びPd(PPhを使用することによるパラジウム触媒リガンド交換反応により達成することができる。
【0055】
スキーム2:4−ベンゾイミダゾール−1−イル−シクロヘキシルアミンの調製
【0056】
【化6】

【0057】
4−ベンゾイミダゾール−1−イル−シクロヘキシルアミンは、N−Boc−1,4−シクロヘキシルジアミン(viii)を、置換されたフルオロ−ニトロベンゼン(vii)(Rは、H、CH、F、Cl、CNなどでありうる)と反応させてN−アリール化合物(ix)を提供することによって調製することができる。化合物(ix)のニトロ基は、対応するフェニレンジアミン(x)に還元することができる。酸性条件でのフェニレンジアミン(x)とカルボン酸の反応は、所望のベンゾイミダゾール(xi)を形成するものである。又は、化合物(x)をオルトカルボン酸トリメチルと反応させて所望のベンゾイミダゾールを生成させることによって、環化を行うことができ、そのベンゾイミダゾールは、酸性条件で脱保護することができ、化合物(xi)を提供する。
【0058】
スキーム2に記載されたその方法は、シクロヘキサン以外の、より大きい又はより小さい環系に適用することができ、シクロアルカンへの窒素の結合はcis又はtrans配置でありうる。
【0059】
スキーム3:シクロヘキシルアミンとインダン−2−カルバルデヒドのカップリング
【0060】
【化7】

【0061】
4−ベンゾイミダゾール−1−イル−シクロヘキシルアミン(xi)とインダン−2−カルバルデヒド(vi)のカップリングは、NaCNBH3又はNaBH(OAc)を使用することによる還元的アミノ化反応により達成することができ、インダン由来アミン(xii)を生成する。ジアミノシクロアルカンは、cis又はtrans配置でありうる。同じ方法を、他の環系に適用することができる。
【0062】
スキーム4:インダンとベンゾイミダゾールをカップリングする代替法
【0063】
【化8】

【0064】
又は、還元的アミノ化によりアミノインダン(xiv)(クルツィウス転位によりインダン−2−カルボン酸(iv)から調製される)は、N−Boc−4−アミノシクロヘキサノン(xiii)にカップリングすることができ、cis及びtrans異性体(xv)を生成し、それらは分離することができる。N−Boc基の除去及びフルオロ−ニトロベンゼン(vii)による芳香族求核置換の後に、スキーム2に記載した同じ方法を用いた還元反応及び環化反応により、インダン由来ベンゾイミダゾール(xvii)を調製することができる。
【実施例】
【0065】
パートI:好ましい中間体の調製
trans−3−(2,5−ジメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロペンチルアミン;塩酸塩
【0066】
【化9】

【0067】
DMF(20ml)中の1,3−シクロプロパンジオール(5g、49mmol)及びイミダゾール(5g、73.4mmol)の撹拌した溶液に、t−ブチルジメチルシリルクロリド(5.2g、34.5mmol)を加え、混合物を室温で90分間撹拌した。混合物をブライン(200ml)で希釈し、エーテルで3回(1×100ml及び2×50ml)抽出した。各抽出物をブラインの一部で洗浄した。有機相を合わせた。硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発乾固した。cis/trans 異性体の混合物を、エーテル及びヘキサン類を使用するカラムクロマトグラフィーにより精製して、主にtrans−3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−シクロペンタノールを無色の液体(4.1g)として得た。
【0068】
trans−3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−シクロペンタノール(1.08g、5mmol)を、乾燥THF(25ml)中のトリフェニルホスフィン(1.44g、5.49mmol)と合わせ、撹拌している溶液を0℃に冷却した。ジエチルアゾジカルボキシラート(DEAD、960mg、5.51mmol)を5分間かけて加えた。混合物を5分間撹拌し、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA、1.185ml、5.49mmol)を5分間かけて加えた。得られた混合物を室温で17時間撹拌した。反応混合物を小容量になるまで蒸発させ、エーテル(100ml)と水(50ml)に分配した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残留物を、エーテルとヘキサンの混合物で溶離するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、cis−3−(アジド−シクロペンチルオキシ)−tert−ブチル−ジメチル−シランを淡黄色の油状物(930mg)として得た。
【0069】
cis−3−(アジド−シクロペンチルオキシ)−tert−ブチル−ジメチル−シラン(930mg、3.85mmol)を、エタノール(10ml)に溶解し、酸化白金(IV)一水和物(100mg)で処理した。混合物を、水素1気圧下、90分間室温で撹拌し、次にCeliteを通して濾過した。溶媒を蒸発させて、cis−3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−シクロペンチルアミンを無色の油状物(500mg)として得た。LRMS:C1125NOSi(m/e)の計算値215.1705、実測値216.1(M+H)。
【0070】
cis−3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−シクロペンチルアミン(500mg、2.32mmol)を、THF(10ml)に溶解し、二炭酸ジ−tert−ブチル(610mg、2.79mmol)を加えた。混合物を4時間撹拌し、溶媒を蒸発させた。残留物をエチルエーテルとヘキサン類の混合物で溶離するシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製して、cis−3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−シクロペンチル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステルを油状物(520mg)として得た。
【0071】
上記cis−3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−シクロペンチル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(1.43g、4.5mmol)を、アセトニトリル(35ml)に溶解した。この溶液に、5%フッ化水素水溶液(2.0ml)を加え、混合物をナルゲン(Nalgene)ボトル中で室温にて19時間撹拌した。混合物を水(2ml)中の重炭酸ナトリウム(1g)の懸濁液で注意深く処理した。揮発物を減圧下で30℃にて除去した。残りの部分を、ブライン(50ml)とエチルエーテル(50ml)に分配した。水相をエチルエーテル(2×50ml)でさらに抽出した。各抽出物をブラインの一部で洗浄した。抽出物を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を蒸発させて、cis−(3−ヒドロキシ−シクロペンチル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルを無色の油状物(850mg)として得た。
【0072】
2℃に冷却したTHF(25ml)中のcis−(3−ヒドロキシ−シクロペンチル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(850mg、4.22mmol)及びトリフェニルホスフィン(1.53g、5.83mmol)の撹拌している溶液に、DEAD試薬(0.92ml、5.84mol)を5分間かけて加えた。混合物を5分間撹拌し、DPPA(1.26ml、5.84mmol)を5分間かけて加えた。撹拌を室温で17時間続けた。混合物を蒸発乾固した。残留物をエチルエーテル中で短時間に撹拌し、白色の固体トリフェニルホスフィンオキシド(1g)を濾過により除去した。濾液の容量を再び減少させ、酢酸エチル及びヘキサン類で溶離するシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製して、trans−(3−アジド−シクロペンチル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(950mg)を得た。
【0073】
上記で調製したカルバミン酸 tert−ブチルエステル(500mg、2.2mmol)を、エチルアルコール及びTHF(1:1)の20mlに溶解した。溶液を水素PtO(50mg)の存在下で、水素1気圧下、90分間室温にて撹拌した。混合物を濾過し、濾液を蒸発させて、trans−(3−アミノ−シクロペンチル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルを白色の固体(440mg)として得た。
【0074】
trans−(3−アミノ−シクロペンチル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(420mg、2.09mmol)を、DMF(20ml)中の4−フルオロ−3−ニトロトルエン(342mg、2.2mmol)及び炭酸カリウム(915mg、6.6mmol)と混合した。撹拌している混合物を85℃で16.5時間加熱した。反応混合物を減圧下で蒸発させた。残留物をジクロロメタン50mlとブライン50mlに分配した。水相をジクロロメタン50mlで再び抽出し、各有機抽出物をブラインの一部で洗浄した。乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発させた後、粗混合物を、酢酸エチル及びヘキサン類で溶離するシリカゲルで精製して、trans−[3−(4−メチル−2−ニトロ−フェニルアミノ)−シクロペンチル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステルを橙色の油状物(305mg)として得た。H−NMRは、帰属された構造と一致していた。LC−MSは単一ピークを示し、C1725(m/e)の計算値335.1845、実測値336.2(M+1)。
【0075】
メタノール(15ml)中のtrans−[3−(4−メチル−2−ニトロ−フェニルアミノ)−シクロペンチル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(320mg、0.95mmol)及びパラジウム担持炭(10%Pd/C、35mg)を、水素圧52psiで2.5時間振とうした。混合物を、Celite(登録商標)を通して濾過した。溶媒を蒸発させて、trans−[3−(2−アミノ−4−メチル−フェニルアミノ)−シクロペンチル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステルを淡褐色の油状物(290mg)として得た。この物質(290mg、0.95mmol)を、酢酸及びオルト酢酸トリメチル(4:1 v/v)の溶液(5ml)中で溶解した。混合物を70℃で60分間撹拌し、溶媒を蒸発させた。残留物を酢酸エチル(25ml)及び重炭酸ナトリウム飽和水溶液(20ml)で抽出した。水相を酢酸エチルの一部で再び抽出し、各有機相をブラインで洗浄した。抽出物を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させて、trans−[3−(2,5−ジメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロペンチル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステルを明褐色の泡状物(320mg)として得た。H−NMRは、帰属された構造と一致していた。LC−MSは単一ピークを示し、C1927(m/e)の計算値329.2103、実測値330.2(M+H)。
【0076】
上記で調製したtrans−[3−(2,5−ジメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロペンチル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(320mg、0.95mmol)を、ジオキサン(5.0ml)中のHCl(4M)に溶解し、溶液を15分間撹拌した。固体を溶液から得て、メタノール1mlを加えて沈殿物を溶解した。撹拌を60分間続け、反応混合物を蒸発させて、粘着性の固体とし、それをエチルエーテルで撹拌した。得られた固体を濾過して、trans−3−(2,5−ジメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロペンチルアミン塩酸塩を、オフホワイトの粉末(250mg)として得た。LR−MS:C1419(m/e)の計算値229.1579、実測値230.2(M+H)。
【0077】
cis−3−(2,5−ジメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロペンチルアミン
【0078】
【化10】

【0079】
THF(20ml)中のcis−(3−ヒドロキシ−シクロペンチル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(750mg、3.72mmol、前記の中間体で調製した)の溶液に、トリフェニルホスフィン(1.1g、4.19mmol)及びジエチルアゾジカルボキシラート(0.7ml、4.4mmol)を2℃で加えた。溶液を10分間撹拌した。THF(5ml)中の酢酸(0.6ml、10.48mmol)を2分間かけて加え、混合物を最初に2℃で20分間、次に室温で3時間撹拌した。混合物を蒸発乾固し、残留物をエチルエーテル(20ml)で撹拌した。得られた固体を濾過により除去した。濾液を蒸発させ、残留物を、エチルエーテル及びヘキサンで溶離するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、酢酸 trans−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−シクロペンチルエステルを白色の固体(453mg)として生成した。
【0080】
上記で調製したエステル(430mg、1.76mmol)を、THF(1ml)及びメタノール(1ml)に溶解した。この溶液に、4N 水酸化ナトリウム水溶液(1ml)を加え、溶液を室温で60分間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物をジクロロメタン(25ml)とブライン(25ml)に分配した。水相をジクロロメタン(25ml)でさらに抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を蒸発させて、trans−(3−ヒドロキシ−シクロペンチル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルを白色の固体(350mg)として得た。
【0081】
trans−(3−ヒドロキシ−シクロペンチル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルを、先に記載の同じ方法を使用して、cis−(3−アミノ−シクロペンチル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルに変換した。得られた化合物を、trans−3−(2,5−ジメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロペンチルアミンの塩酸塩の調製において記載した同じ方法を使用して、さらにcis−[3−(2,5−ジメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロペンチル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステルに変換した。カルバミン酸 tert−ブチルエステルの酸開裂及び塩基抽出の後、cis−3−(2,5−ジメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロペンチルアミンを淡褐色の油状物として得た。LR−MS:C1419(m/e)の計算値229.1579、実測値230.2(M+H)。
【0082】
cis−4−(2,5−ジメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロヘキシルアミン;塩酸塩
【0083】
【化11】

【0084】
DMF(20ml)中のtert−ブチルcis−4−アミノシクロヘキサンカルバマート(1.27g、5.93mmol)と4−フルオロ−3−ニトロトルエン(0.92g、5.93mmol)の混合物に、炭酸カリウム(1.64g、11.88mmol)を加えた。混合物を85℃で加熱し、一晩撹拌した。混合物を室温に冷まし、固体を濾過した。濾液を蒸発乾固した。残留物を酢酸エチル及びブラインで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させた。得られた物質を、ヘキサン類及び酢酸エチル(4:1)を使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、cis−[4−(4−メチル−2−ニトロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(1.88g)として橙色の固体を得た。この物質(1.80g、5.17mmol)を、メタノール(50ml)と水(25ml)の混合物に懸濁した。この懸濁液に、塩化アンモニウム(4.15g、77.6mmol)及び亜鉛末(3.36g、51.6mmol)を加えた。混合物を室温で20分間撹拌し、THF(20ml)を加えた。混合物をさらに1時間撹拌し、その間に橙色が消えた。混合物を濾過し、THF及び酢酸エチルですすいだ。濾液をブライン及び酢酸エチルで抽出した。溶媒を蒸発させて、cis−[4−(2−アミノ−4−メチル−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(1.65g)を得た。LC−MSは、単一のピークを示し、C1829(m/e)の計算値319.2260、実測値320.3(M+H)。
【0085】
上記化合物(850mg、2.65mmol)を、酢酸(8ml)及びオルト酢酸トリメチル(2ml)と混合した。混合物を65℃で2時間加熱した。溶媒を蒸発させ、残留物を酢酸エチル及び重炭酸ナトリウム溶液で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させて、cis−[4−(2,5−ジメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロヘキシル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステルとして淡褐色の固体を得た。この固体を、塩化メチレン(3ml)に溶解し、トリフルオロ酢酸(3ml)を加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留を塩化メチレン(4ml)に溶解した。この溶液に、ジオキサン(4M、4ml)中の気状塩化水素を加えた。溶媒を蒸発させ、残留物をエーテルで粉砕した。固体を濾過し、エーテルで洗浄して、cis−4−(2,5−ジメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロヘキシルアミンの塩酸塩(630mg)を得た。LC−MSは、単一のピークを示し、C1521(m/e)の計算値243.1735、実測値244.2(M+H)。
【0086】
cis−4−(5−フルオロ−2−メチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロヘキシルアミン;塩酸塩
【0087】
【化12】

【0088】
この化合物を、先に記載したcis−4−(2,5−ジメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロヘキシルアミンの調製と同じ方法で調製した。1H-NMR (DMSO-d6) δ 8.75 (dd, 1H), 8.56 (br s, 3H), 7.66 (dd, 1H), 7.38 (dt, 1H), 4.57 (t, 1H), 3.47 (br s, 1H), 2.89 (s, 3H), 2.38 (m, 2H), 1.88-2.09 (m, 6H)。
【0089】
cis−1−(4−アミノ−シクロヘキシル)−2−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボニトリル;塩酸塩
【0090】
【化13】

【0091】
この化合物を、先に記載したcis−4−(2,5−ジメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロヘキシルアミンの調製と同じ方法で調製した。1H-NMR (DMSO-d6) δ 8.63 (d, 1H), 8.42 (br s, 3H), 8.24 (s, 1H), 7.77 (d, 1H), 4.47 (t, 1H), 3.48 (br s, 1H), 2.80 (s, 3H), 2.38 (m, 2H), 2.00 (m, 4H), 1.84 (br d, 2H)。
【0092】
cis−2−[1−(4−アミノ−シクロヘキシル)−5−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−プロパン−2−オール;塩酸塩
【0093】
【化14】

【0094】
水(5ml)中のcis−[4−(2−アミノ−4−クロロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(1.25g、3.67mmol、1−クロロ−4−フルオロ−3−ニトロベンゼン及びtert−ブチルcis−4−アミノシクロヘキサンカルバマートから調製した)と2−ヒドロキシイソ酪酸(2.7g、25.9mmol)の混合物に、濃塩酸(3.25ml、40mmol)を加えた。混合物を110℃で2日間撹拌し加熱した。暗色の溶液を水酸化アンモニウム(15ml、225mmol)で処理し、塩化メチレンで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を蒸発させた後、赤色の固体(1.1g)を得た。この物質をTHF(20ml)に溶解し、ジ−tert−ブチル−ジカルボナート(950mg、4.3mmol)で処理した。混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物を、酢酸エチル及びヘキサン類(1:4)を使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、[4−(5−クロロ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロヘキシル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(600mg)を得た。この化合物を塩化メチレン(4ml)に溶解し、トリフルオロ酢酸(1ml)を加えた。溶液を室温で1時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物を塩化メチレン及び水酸化ナトリウム溶液(1N)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させた。残留物を塩化メチレンに溶解し、ジオキサン中の塩化水素(4M)で処理した。溶媒を蒸発させ、残留物をエーテルで粉砕した。紫色の固体を濾過して、cis−2−[1−(4−アミノ−シクロヘキシル)−5−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−プロパン−2−オールの塩酸塩を得た。1H-NMR (CD3OD) δ 7.96 (d, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.21 (d, 1H), 5.34 (m, 1H), 2.61 (m, 2H), 1.72-1.89 (m, 13H)。
【0095】
trans−異性体の微量の生成物も、またcis−[4−(2−アミノ−4−クロロ−フェニルアミノ)−シクロヘキシル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステルと2−ヒドロキシイソ酪酸との縮合から単離した。同じ方法を使用して、trans−異性体をtrans−2−[1−(4−アミノ−シクロヘキシル)−5−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−プロパン−2−オールに変換した。
【0096】
cis/trans−2−[1−(4−アミノ−シクロヘキシル)−5−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−プロパン−2−オール;塩酸塩
【0097】
【化15】

【0098】
この化合物を、先に記載の2−[1−(4−アミノ−シクロヘキシル)−5−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−プロパン−2−オールの調製と同じ方法で製した。H−NMRは、cis/trans−異性体の混合物を示した。LC−MS:C1725O(m/e)の計算値287.1998、実測値288.2(M+H)。
【0099】
5−トリフルオロメチル−インダン−2−カルバルデヒド
【0100】
【化16】

【0101】
THF(50ml)中の4−トリフルオロメチルベンゼン−1,2−ジカルボン酸(5.85g、25mmol)の溶液に、THF(1.0M、75ml)中のボランを−78℃で加え、混合物を10分間撹拌した。次に混合物を室温に温めるにまかせ、一晩撹拌した。メタノール(30ml)を加え、溶媒を蒸発させた。混合物をエーテルと塩酸水溶液(1N)に分配した。有機層をブライン及び濃重炭酸ナトリウム溶液で洗浄した。溶媒を蒸発させた後、無色の油状物を(2−ヒドロキシメチル−4−トリフルオロメチル−フェニル)−メタノール(5.15g)として得た。1H-NMR (CDCl3) δ 7.58 (m, 2H), 7.51 (s 1H), 4.79 (s, 4H), 2.88 (m, 2H)。
【0102】
上記ジオール(5.15g、25mmol)を、濃硫酸(1ml)を含有する臭化水素酸水溶液(48%、100ml)で懸濁した。混合物を15時間還流した。溶液を石油エーテル(150ml)及びエーテル(75ml)で抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を蒸発させて、褐色の油状物を1,2−ビス−ブロモメチル−4−トリフルオロメチルベンゼン(7.72g)として得た。1H-NMR (CDCl3) δ 7.62 (s, 1H), 7.58 (d, 1H), 7.54 (d, 1H), 4.66 (s, 4H)。
【0103】
ナトリウム(1.12g、48.6mmol)をエタノール(16ml)に加えた。溶液を、すべてのナトリウムが溶解するまで、加熱還流した。この溶液に、エーテル(45ml)中のマロン酸ジエチル(3.71g、23.19mmol)及びエーテル(45ml)中の上記1,2−ビス−ブロモメチル−4−トリフルオロメチルベンゼン(7.7g、23.19mmol)を加えた。混合物を16時間還流し、沈殿物を濾別した。濾液を蒸発させ、残留物を水(35ml)及び水酸化カリウム(5.30g)で処理した。混合物を5時間、撹拌し及び還流し、水(20ml)で処理した。得られた混合物をエーテル(50ml)で抽出した。水相を濃塩酸で酸性化し、氷浴中で冷却した。固体を濾過し、水で洗浄した。空気乾燥の後、5−トリフルオロメチル−インダン−2,2−ジカルボン酸(3.08g)を得た。LC−MSは単一ピークを示し、C1219(m/e)の計算値274.0453、実測値273.0(M−H)。
【0104】
上記ジカルボン酸(3.07g、11.2mmol)を、ガスの発生が停止するまで、200℃に加熱した。油状物質を200℃でさらに15分間加熱し、室温に冷ました。この物質をヘキサン類(100ml)中で還流し、不溶性物質を濾過により除去した。濾液を蒸発させて、固体を5−トリフルオロメチル−インダン−2−カルボン酸(2.49g)として得た。LC−MSは単一ピークを示し、C11(m/e)の計算値230.0555、実測値229.0(M−H)。1H-NMR (CDCl3) δ 7.47 (s, 1H), 7.44 (d, 1H), 7.31 (d, 1H), 3.44 (m, 1H), 3.33 (m, 4H)。
【0105】
上記5−トリフルオロメチル−インダン−2−カルボン酸(1.03g、4.47mmol)を、THF(25ml)に溶解し、0℃に冷却した。この溶液に、THF中のボランの溶液(1M、6.5ml)を加えた。混合物を室温に温め、1時間撹拌した。混合物を水(5ml)で処理し、溶媒を蒸発させた。残留物をエーテル及び塩酸(1M)で抽出した。有機相をブライン及び重炭酸ナトリウム溶液で洗浄した。エーテル溶液を乾燥させ、溶媒を蒸発させて、油状物質を5−トリフルオロメチル−インダン−2−イル−メタノール(0.98g)として得た。
【0106】
上記5−トリフルオロメチル−インダン−2−イル−メタノール(216mg、1mmol)を、塩化メチレン(15ml)に溶解し、溶液を氷浴中で冷却した。この溶液に、Dess-Martin 試薬(450mg、1.06mmol)を4つの部分に分けて加えた。混合物を室温に温め、1時間撹拌した。混合物を蒸発乾固し、残留物を石油エーテル(14ml)及びエーテル(7ml)で粉砕した。沈殿物を濾別し、濾液をエーテル及び重炭酸ナトリウム溶液で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させて、5−トリフルオロメチル−インダン−2−カルバルデヒド(210mg)を淡緑色の油状物として得た。1H-NMR (CDCl3) δ 9.78 (s, 1H), 7.48 (s, 1H), 7.43 (d, 1H), 7.32 (d, 1H), 3.33-3.38 (m, 3H), 3.15-3.27 (m, 2H)。
【0107】
パートII:好ましい化合物の調製
実施例1
cis−4−(2,5−ジメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロヘキシル]−インダン−2−イル−アミン;塩酸塩
【0108】
【化17】

【0109】
シアノ水素化ホウ素ナトリウム(590mg、9.39mmol)を、エタノール(25ml)中のBoc−4−アミノシクロヘキサン(1.00g、4.69mmol)及び2−アミノインダン塩酸塩(955mg、5.63mmol)の溶液に加えた。16時間撹拌した後、反応混合物を1.0M 水酸化ナトリウム水溶液(75ml)に注ぎ、酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過に続き、揮発物を減圧下で除去して、ガム状の固体を得た。フラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル中の0〜5%メタノール)により、(溶離の順に):cis−[4−(インダン−2−イルアミノ)−シクロヘキシル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(700mg;45%)及びtrans−[4−(インダン−2−イルアミノ)−シクロヘキシル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(300mg;19%)をガム状の固体として得た。
【0110】
cis−[4−(インダン−2−イルアミノ)−シクロヘキシル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(315mg;0.95mmol)を、ジオキサン及びメタノール(1:1、6ml)中の2M 塩化水素に加え、溶液を室温で1時間撹拌した。すべての揮発物を減圧下で除去し、得られた泡状の固体を、クロロホルムと1M 炭酸カリウム溶液に分配した。水相をクロロホルムで3回抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過に続き、揮発物を減圧下で除去して、N−インダン−2−イル−シクロヘキサン−1,4−cis−ジアミン(220mg)を得た。
【0111】
n−ブタノール(5ml)中のN−インダン−2−イル−シクロヘキサン−1,4−cis−ジアミン(220mg、0.96mmol)、3−ニトロ−4−フルオロトルエン(225mg、1.45mmol)及び炭酸カリウム(305mg、2.87mmol)の混合物を、17時間加熱還流した。次に反応混合物を濾過し、すべての揮発物を減圧下で除去した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィー(クロロホルム中の0〜10%メタノール)により精製して、N−(2−ニトロ−4−メチル−フェニル)−N’−インダン−2−イル−シクロヘキサン−cis−1,4−ジアミンを橙色のロウ状固体(305mg、87%)として得た。
【0112】
エタノール(15ml)中のN−(2−ニトロ−4−メチル−フェニル)−N’−インダン−2−イル−シクロヘキサン−cis−1,4−ジアミン(300mg、0.82mmol)と10%Pd/C(50mg)の混合物を、水素圧下(40psi)、90分間振とうした。次に、触媒をCelite(登録商標)により濾過し、すべての揮発物を減圧下で除去して、生成物フェニレンジアミンを明褐色のロウ状固体(260mg)として得て、それを更に精製しないで使用した。
【0113】
前記のフェニレンジアミン(100mg、0.299mmol)を、酢酸(2.8ml)及びオルト酢酸トリメチル(0.7ml)に溶解し、溶液を70℃に1時間加熱した。反応混合物を室温に冷まし、すべての揮発物を減圧下で除去した。残留物を1.0M 炭酸カリウム水溶液に懸濁し、酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過に続いて、揮発物を減圧下で除去して、褐色の油状物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(塩化メチレン中の2.5〜5%メタノール)により精製して、[cis−4−(2,5−ジメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロヘキシル]−インダン−2−イル−アミンを泡状固体(85mg)として得て、それを塩酸塩に変換した。H−NMRは、帰属された構造と一致した。LRMS:C2429(m/e)の計算値359.2361、実測値360.2(M+H)。
【0114】
実施例2
trans−(S)−(5−ブロモ−インダン−2−イルメチル)−[3−(2,5−ジメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロペンチル]−アミン
【0115】
【化18】

【0116】
5%酢酸を含有するメタノール(5ml)中のtrans−3−(2,5−ジメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロペンチルアミン塩酸塩(250mg、0.47mmol)及び(S)−5−ブロモ−インダン−2−カルバルデヒド(113mg、0.5mmol)の溶液に、THF(0.5ml)中のシアノ水素化ホウ素ナトリウム(32mg、0.509mmol)の溶液を加えた。1時間撹拌した後、混合物を減圧下で蒸発乾固し、残留物を重炭酸ナトリウム飽和水溶液(50ml)とジクロロメタン(3×25ml)に分配した。各抽出物をブラインで洗浄した。硫酸ナトリウムからの抽出物を乾燥させ、濾過し、蒸発に続いて、残留物を、4%メタノールの存在下、酢酸エチル及びヘキサン類で溶離するフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、trans−(S)−(5−ブロモ−インダン−2−イルメチル)−[3−(2,5−ジメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロペンチル]−アミンをオフホワイト色の泡状物(102mg)として得た。H−NMRは帰属された構造と一致した。LC−MSは単一ピークを示し、C2428BrN(m/e)の計算値437.1467、実測値438.1(M+H)。
【0117】
実施例3
trans−(5−クロロ−インダン−2−イルメチル)−[3−(2,5−ジメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロペンチル]−アミン
【0118】
【化19】

【0119】
この化合物を、先の実施例に記載された同じ還元的アミノ化方法を使用して、trans−3−(2,5−ジメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロペンチルアミン塩酸塩及び5−クロロ−インダン−2−カルバルデヒドから調製した。H−NMRは帰属された構造と一致した。LC−MSは単一ピークを示し、C2428ClN(m/e)の計算値393.1972、実測値394.2(M+H)。
【0120】
実施例4
cis−(S)−(5−ブロモ−インダン−2−イルメチル)−[4−(2,5−ジメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロヘキシル]−アミン塩酸塩
【0121】
【化20】

【0122】
cis−4−(2,5−ジメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロヘキシルアミン(104.5mg、0.33mmol)の塩酸塩を、5%酢酸を含有するメタノール5ml中の(S)−5−ブロモ−インダン−2−カルバルデヒド(75mg、0.33mmol)と混合した。混合物を室温で10分間撹拌し、THF 0.2ml中のシアノ水素化ホウ素ナトリウム(20.5mg、0.33mmol)を加えた。混合物を室温で3時間撹拌した。混合物を蒸発させ、残留物を塩化メチレン及び濃重炭酸ナトリウム溶液で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、溶媒を蒸発させた。残留物を塩化メチレン中の5%メタノールを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。純粋な画分を濃縮し、次に塩化メチレン(2ml)に溶解した。エーテル中の塩化水素溶液(1ml、1N)を加えた。溶媒を蒸発させ、残留物をエーテル及び石油エーテルで粉砕した。固体物質を濾過して、所望の化合物を塩酸塩(41mg)として得た。LC−MSは単一ピークを示し、C2530BrN(m/e)の計算値451.1623、実測値452.0(M+H)。1H-NMR (CD3OD) δ 8.31 (d, 1H), 7.53 (s, 1H), 7.44 (d, 1H), 7.40 (s, 1H), 7.30 (d, 1H), 7.15 (d, 1H), 4.68 (m, 1H), 3.62 (br s, 1H), 3.19-3.35 (m, 4H), 3.08 (m, 1H), 2.94 (s, 3H), 2.85 (m, 2H), 2.58 (m, 2H), 2.52 (s, 3H), 2.42 (br d, 2H), 2.07-2.24 (m, 4H)。
【0123】
実施例5
cis−(S)−(5−ブロモ−インダン−2−イルメチル)−[3−(2,5−ジメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロペンチル]−アミン
【0124】
【化21】

【0125】
この化合物を、先の実施例に記載された同じ還元的アミノ化を使用して、cis−3−(2,5−ジメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロペンチルアミン塩酸塩及び(S)−5−ブロモ−インダン−2−カルバルデヒドから調製した。H−NMRは帰属された構造と一致した。LC−MSは単一ピークを示し、C2428BrN(m/e)の計算値437.1467、実測値438.1(M+H)。
【0126】
実施例6
cis−(5−クロロ−インダン−2−イル)−[4−(2,5−ジメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロヘキシル]−アミン;塩酸塩
【0127】
【化22】

【0128】
この化合物を、先の実施例に記載されたcis−4−(2,5−ジメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロヘキシル−インダン−2−イル−アミンの調製と同じ方法で調製した。H−NMRは帰属された構造と一致し、LRMS:C2428ClN(m/e)の計算値393.1972、実測値394.3(M+H)。
【0129】
実施例7
cis−(S)−2−(1−{4−[(5−ブロモ−インダン−2−イルメチル)−アミノ]−シクロヘキシル}−5−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−プロパン−2−オール
【0130】
【化23】

【0131】
この化合物を、cis−2−[1−(4−アミノ−シクロヘキシル)−5−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−プロパン−2−オール及び(S)−5−ブロモ−インダン−2−カルバルデヒドの塩酸塩から調製した。LC−MSは単一ピークを示し、C2631BrClNO(m/e)の計算値515.1339、実測値516.1(M+H)。1H-NMR (CD3OD) δ 7.96 (d, 1H), 7.59 (s, 1H), 7.36 (s, 1H), 7.26 (d, 1H), 7.18 (d, 1H), 7.12 (d, 1H), 5.38 (m, 1H), 3.16 (m, 2H), 3.03 (br s, 1H), 2.67-2.83 (m, 7H), 2.07 (m, 2H), 1.72 (br s, 10H)。
【0132】
実施例8
cis−2−(5−クロロ−1−{4−[(5−トリフルオロメチル−インダン−2−イルメチル)−アミノ]−シクロヘキシル}−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−プロパン−2−オール
【0133】
【化24】

【0134】
この化合物を、cis−2−[1−(4−アミノ−シクロヘキシル)−5−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−プロパン−2−オール及び5−トリフルオロメチル−インダン−2−カルバルデヒドの塩酸塩から調製した。H−NMRは帰属された構造と一致し、LC−MSは単一ピークを示し、C2731ClFO(m/e)の計算値505.2108、実測値506.1(M+H).
【0135】
実施例9
cis−2−(5−クロロ−1−{4−[(インダン−2−イルメチル)−アミノ]−シクロヘキシル}−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−プロパン−2−オール
【0136】
【化25】

【0137】
この化合物を、cis−2−[1−(4−アミノ−シクロヘキシル)−5−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−プロパン−2−オール及びインダン−2−カルバルデヒドの塩酸塩から調製した。H−NMRは帰属された構造と一致し、LC−MSは単一ピークを示し、C2632ClNO(m/e)の計算値437.2234、実測値438.2(M+H)。
【0138】
実施例10
cis−2−(5−クロロ−1−{4−[(5−クロロ−インダン−2−イルメチル)−アミノ]−シクロヘキシル}−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−プロパン−2−オール
【0139】
【化26】

【0140】
この化合物を、cis−2−[1−(4−アミノ−シクロヘキシル)−5−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−プロパン−2−オール及び5−クロロ−インダン−2−カルバルデヒドの塩酸塩から調製した。H−NMRは帰属された構造と一致し、LC−MSは単一ピークを示し、C2631ClO(m/e)の計算値471.1844、実測値472.1(M+H)。
【0141】
実施例11
cis−(5−クロロ−インダン−2−イルメチル)−[4−(2,5−ジメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロヘキシル]−アミン
【0142】
【化27】

【0143】
この化合物を、cis−4−(2,5−ジメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロヘキシルアミン及び5−クロロ−インダン−2−カルバルデヒドの塩酸塩から調製した。H−NMRは帰属された構造と一致し、LC−MSは単一ピークを示し、C2530ClN(m/e)の計算値407.2128、実測値408.2(M+H)。
【0144】
実施例12
cis−[4−(2,5−ジメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロヘキシル]−(5−トリフルオロメチル−インダン−2−イルメチル)−アミン
【0145】
【化28】

【0146】
この化合物を、cis−4−(2,5−ジメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロヘキシルアミン及び5−トリフルオロメチル−インダン−2−カルボアルデヒドの塩酸塩から調製した。H−NMRは帰属された構造と一致し、LC−MSは単一ピークを示し、C2630(m/e)の計算値441.2392、実測値442.2(M+H)。
【0147】
実施例13
cis−[4−(2,5−ジメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロヘキシル]−インダン−2−イルメチル−アミン
【0148】
【化29】

【0149】
この化合物を、cis−4−(2,5−ジメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロヘキシルアミン及びインダン−2−カルボアルデヒドの塩酸塩から調製した。H−NMRは帰属された構造と一致し、LC−MSは単一ピークを示し、C2531(m/e)の計算値373.2518、実測値374.2(M+H)。
【0150】
実施例14
cis−(S)−2−({4−[5−クロロ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−シクロヘキシルアミノ}−メチル)−インダン−5−カルボニトリル
【0151】
【化30】

【0152】
この化合物を、cis−2−[1−(4−アミノ−シクロヘキシル)−5−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−プロパン−2−オール及び(S)−5−シアノ−インダン−2−カルバルデヒドの塩酸塩から調製した。LC−MSは単一ピークを示し、C2731ClNO(m/e)の計算値462.2186、実測値463.2(M+H)。1H-NMR (CD3OD) δ 7.96 (d, 1H), 7.59 (s, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.49 (d, 1H), 7.38 (d, 1H), 7.18 (d, 1H), 5.38 (m, 1H), 3.22 (m, 2H), 2.75-2.97 (m, 8H), 2.01 (m, 2H), 1.72 (s, 6H), 1.68 (m, 4H)。
【0153】
実施例15
cis−(S)−2−{[4−(2,5−ジメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロヘキシルアミノ]−メチル}−インダン−5−カルボニトリル
【0154】
【化31】

【0155】
この化合物を、cis−4−(2,5−ジメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロヘキシルアミン及び(S)−5−シアノ−インダン−2−カルボアルデヒドの塩酸塩から調製した。H−NMRは帰属された構造と一致し、LC−MSは単一ピークを示し、C2630(m/e)の計算値398.2470、実測値399.3(M+H)。
【0156】
実施例16
cis−(S)−2−({4−[2−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−5−メチル−ベンゾイミダゾール−1−イル]−シクロヘキシルアミノ}−メチル)−インダン−5−カルボニトリル
【0157】
【化32】

【0158】
この化合物を、先に記載された同じ還元的アミノ化方法により、2−[1−(4−アミノ−シクロヘキシル)−5−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−プロパン−2−オール(cis/trans−異性体の混合物として調製した)及び(S)−2−ホルミル−インダン−5−カルボニトリルの塩酸塩から調製した。粗混合物を、塩化メチレン及びメタノール(20:1〜10:1)を使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより分離した。保持時間が少ない方(より高いR)の画分から、cis−(S)−2−({4−[2−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−5−メチル−ベンゾイミダゾール−1−イル]−シクロヘキシルアミノ}−メチル)−インダン−5−カルボニトリルを得た。H−NMRの分析によりシクロヘキサンのcis−配置を確認した。LC−MSは単一ピークを示し、C2834O(m/e)の計算値442.2733、実測値443.3(M+H)。1H-NMR (CD3OD) δ 7.82 (d, 1H), 7.55 (s, 1H), 7.49 (d, 1H), 7.41 (s, 1H), 7.38 (d, 1H), 7.03 (d, 1H), 5.30 (m, 1H), 3.23 (m, 2H), 2.71-2.93 (m, 8H), 2.43 (s, 3H), 1.98 (br d, 2H), 1.72 (s, 6H), 1.64 (m, 4H)。
【0159】
実施例17
trans−(S)−2−({4−[2−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−5−メチル−ベンゾイミダゾール−1−イル]−シクロヘキシルアミノ}−メチル)−インダン−5−カルボニトリル
【0160】
【化33】

【0161】
この化合物を、cis−(S)−2−({4−[2−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−5−メチル−ベンゾイミダゾール−1−イル]−シクロヘキシルアミノ}−メチル)−インダン−5−カルボニトリルの調製において、第二の異性体(後から得た画分)として単離した。H−NMRの分析によりシクロヘキサンのtrans−配置を確認した。LC−MSは単一ピークを示し、C2834O(m/e)の計算値442.2733、実測値443.2(M+H)。
【0162】
実施例18
cis−2−(1−{4−[(5−フルオロ−インダン−2−イルメチル)−アミノ]−シクロヘキシル}−5−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−プロパン−2−オール
【0163】
【化34】

【0164】
この化合物を、2−[1−(4−アミノ−シクロヘキシル)−5−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−プロパン−2−オール(cis/trans−異性体の混合物として調製した)及び5−フルオロ−インダン−2−カルバルデヒドの塩酸塩から調製した。2つの物質のうちより極性の弱い方を、クロマトグラフィーにより単離して、cis−2−(1−{4−[(5−フルオロ−インダン−2−イルメチル)−アミノ]−シクロヘキシル}−5−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−プロパン−2−オールを得た。H−NMRの分析によりシクロヘキサンのcis−配置を確認した。LC−MSは単一ピークを示し、C2734FNO(m/e)の計算値435.2686、実測値436.3(M+H)。
【0165】
実施例19
trans−2−(1−{4−[(5−フルオロ−インダン−2−イルメチル)−アミノ]−シクロヘキシル}−5−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−プロパン−2−オール
【0166】
【化35】

【0167】
この化合物を、cis−2−(1−{4−[(5−フルオロ−インダン−2−イルメチル)−アミノ]−シクロヘキシル}−5−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−プロパン−2−オールの調製において、第二のより極性の強い生成物として単離した。H−NMRの分析によりシクロヘキサンのtrans−配置を確認した。LC−MSは単一ピークを示し、C2734FNO(m/e)の計算値435.2686、実測値436.3(M+H)。
【0168】
実施例20
cis−2−(1−{4−[(5−クロロ−インダン−2−イルメチル)−アミノ]−シクロヘキシル}−5−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−プロパン−2−オール
【0169】
【化36】

【0170】
この化合物を、2−[1−(4−アミノ−シクロヘキシル)−5−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−プロパン−2−オール(cis/trans−異性体の混合物として調製した)及び5−クロロ−インダン−2−カルバルデヒドの塩酸塩から調製した。2つの物質のうちより極性の弱い方を、クロマトグラフィーにより単離して、cis−2−(1−{4−[(5−クロロ−インダン−2−イルメチル)−アミノ]−シクロヘキシル}−5−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−プロパン−2−オールを得た。H−NMRの分析によりシクロヘキサンのcis−配置を確認した。LC−MSは単一ピークを示し、C2734ClNO(m/e)の計算値451.2390、実測値452.3(M+H)。1H-NMR (CD3OD) δ 7.83 (d, 1H), 7.40 (s, 1H), 7.20 (s, 1H), 7.17 (d, 1H), 7.10 (d, 1H), 7.03 (d, 1H), 5.32 (m, 1H), 3.16 (m, 2H), 2.96 (br s, 1H), 2.73-2.85 (m, 7H), 2.43 (s, 3H), 2.00 (m, 2H), 1.72 (s, 6H), 1.68 (m, 4H)。
【0171】
実施例21
trans−2−(1−{4−[(5−クロロ−インダン−2−イルメチル)−アミノ]−シクロヘキシル}−5−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−プロパン−2−オール
【0172】
【化37】

【0173】
この化合物を、cis−2−(1−{4−[(5−クロロ−インダン−2−イルメチル)−アミノ]−シクロヘキシル}−5−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−プロパン−2−オールの調製において、第二のより極性の強い生成物として単離した。H−NMRの分析によりシクロヘキサンのtrans−配置を確認した。LC−MSは単一ピークを示し、C2734ClNO(m/e)の計算値451.2390、実測値452.3(M+H)。
【0174】
実施例22
cis−(R)−2−({4−[5−クロロ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−ベンゾイミダゾール−1H−イル]−シクロヘキシルアミノ}−メチル)−インダン−5−カルボニトリル
【0175】
【化38】

【0176】
この化合物を、cis−2−[1−(4−アミノ−シクロヘキシル)−5−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−プロパン−2−オール及び(R)−5−シアノ−インダン−2−カルバルデヒドの塩酸塩から調製した。H−NMRは帰属された構造と一致し、LC−MSは単一ピークを示し、C2731ClNO(m/e)の計算値462.2186、実測値463.2(M+H)。
【0177】
実施例23
cis−(S)−N−{4−[5−クロロ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−シクロヘキシル}−N−(5−シアノ−インダン−2−イルメチル)−アセトアミド
【0178】
【化39】

【0179】
塩化メチレン(5ml)中のcis−(S)−2−({4−[5−クロロ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−シクロヘキシルアミノ}−メチル)−インダン−5−カルボニトリル(25mg、0.054mmol)の溶液に、トリエチルアミン(11mg、0.108mmol)、アセチルクロリド(5mg、0.063mmol)及び微量の4−ジメチルアミノピリジンを加えた。混合物を室温で65時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、溶液を重炭酸ナトリウム飽和水溶液で、続いてブラインで洗浄した。有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させた。残留物を、4%メタノールの存在下でジクロロメタン及び酢酸エチルで溶離するカラムクロマトグラフィーに付して、cis−(S)−N−{4−[5−クロロ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−シクロヘキシル}−N−(5−シアノ−インダン−2−イルメチル)−アセトアミド(15mg)を得た。LC−MSは単一ピークを示し、C2933ClN(m/e)の計算値504.2292、実測値505.3。1H-NMR (CD3OD) δ 7.67 (br, 1H) 7.59 (s, 2H), 7.50 (d, 1H), 7.40 (d, 1H), 7.23 (d, 1H), 5.57 (m, 1H), 3.48 (br d, 2H), 3.15 (m, 2H), 2.97 (m, 1H), 2.84 (m, 2H), 2.59 (br, 2H), 2.32 (br, 1H), 2.11 (br s, 2H), 1.93 (m, 4H), 1.72 (s, 6H), 1.28 (s, 3H)。
【0180】
実施例24
cis−(R)−2−(1−{4−[(5−ブロモ−インダン−2−イルメチル)−アミノ]−シクロヘキシル}−5−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−プロパン−2−オール
【0181】
【化40】

【0182】
この化合物を、cis−2−[1−(4−アミノ−シクロヘキシル)−5−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−プロパン−2−オール及び(R)−5−ブロモ−インダン−2−カルバルデヒドの塩酸塩から調製した。H−NMRは帰属された構造と一致し、LC−MSは単一ピークを示し、C2631BrClNO(m/e)の計算値515.1339、実測値516.2(M+H)。
【0183】
実施例25
cis−1−{4−[(5−クロロ−インダン−2−イルメチル)−アミノ]−シクロヘキシル}−2−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボニトリル
【0184】
【化41】

【0185】
この化合物を、cis−1−(4−アミノ−シクロヘキシル)−2−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボニトリル及び5−クロロ−インダン−2−カルバルデヒドの塩酸塩から調製した。H−NMRは帰属された構造と一致し、LC−MSは単一ピークを示し、C2527ClN(m/e)の計算値418.1924、実測値419.2(M+H)。
【0186】
実施例26
cis−(S)−2−{[4−(5−フルオロ−2−メチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロヘキシルアミノ]−メチル}−インダン−5−カルボニトリル
【0187】
【化42】


この化合物を、先に記載した同じ還元的アミノ化により、cis−4−(5−フルオロ−2−メチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロヘキシルアミン及び(S)−2−ホルミル−インダン−5−カルボニトリルの塩酸塩から調製した。LC−MSは単一ピークを示し、C2527FN(m/e)の計算値402.2220、実測値403.2(M+H)。1H-NMR (CD3OD) δ 7.82 (q, 1H), 7.56 (s, 1H), 7.48 (d, 1H), 7.39 (d, 1H), 7.22 (d, 1H), 6.99 (t, 1H), 4.37 (m, 1H), 3.25 (m, 2H), 2.96 (br s, 1H), 2.65-2.90 (m, 7H), 2.61 (s, 3H), 1.99 (br d, 2H), 1.74 (m, 2H), 1.65 (br d, 2H)。
【0188】
実施例27
MCHRフィルター結合アッセイ
競合結合アッセイを、MultiScreen 0.65μM ガラスファイバー型Bフィルタープレート(96−ウェル、Millipore)で実施した。MultiScreenプレートを、1% BSA及び0.1% Tween-20を含有する0.5%ポリビニルピロリドン溶液で12時間4℃にてイキュベーションすることにより前処理し、氷−冷10mMトリス緩衝液、pH7.5で5回洗浄し、続いて結合緩衝液200μL(50mM HEPES、2.5mM CaCl、0.05mM BSA、1mM フェナントロリン、0.03mM Triton X-100)で室温にて5分間インキュベーションし、結合反応の前にプレートの水抜きをした。結合アッセイを、組換えヒトMCHR1レセプターを安定的に発現しているCHO−K1細胞からの膜2.8μg、及び種々の濃度(終濃度0.059nM〜45μM)の非標識MCH又はアンタゴニストを室温で15分間、結合緩衝液中でプリインキュベートして実行した。競合反応を、終濃度(0.2nM)[Phe13,[125I]Tyr19]−MCH(PerkinElmer)を加えて開始した。反応の最終容量は、1ウェル90μLであった。室温で60分間のインキュベーション時間の後、96−ウェルフィルタープレート上で急激な濾過により反応を停止した。結合反応の終了に続いて、フィルターを氷−冷結合緩衝液(4×200μL)で洗浄し、30分間空気乾燥した。シンチレーションカクテル(60μL)を各ウェルに加え、プレートに結合した放射活性を、Micro−βプレートリーダー(Wallace/PerkinElmer)を使用して測定した。アンタゴニストの阻害能力を、放射標識したMCHからMCHR1への結合が50%阻害された化合物の濃度である、IC50として表現した。能力を以下の表1に記載する:
【0189】
【表1】




化合物を、MCHのMCHRへの結合に対する阻害活性について評価した。上記パートIIの実施例から選択された5つの化合物の結果を、下記の表2に示す:
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I):
【化43】


[式中、
は、水素、低級アルキル、シクロアルキル、ハロ及びシアノからなる群より選択され;
は、水素、低級アルキル、シクロアルキル、アルコキシ及びヒドロキシアルキルからなる群より選択され;
は、水素、低級アルキル、シクロアルキル、低級アルキルカルボニル、アリール及びヘテロアリールからなる群より選択され;
は、水素、低級アルキル、シクロアルキル、ハロ、低級ハロアルキル及びシアノからなる群より選択され;
mは、1又は2であり;そして
nは、0又は1である]
で示される化合物及びその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
が、水素、低級アルキル、ハロ及びシアノからなる群より選択され;
が、水素、低級アルキル、アルコキシ及びヒドロキシアルキルからなる群より選択され;
が、水素、低級アルキル、低級アルキルカルボニル及びアリールからなる群より選択され;
が、水素、低級アルキル、ハロ、低級ハロアルキル及びシアノからなる群より選択され;
mが、1又は2であり;そして
nが、0又は1である、
請求項1記載の式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
が、低級アルキル、ハロ又はシアノであり;そして
が、水素又は低級アルキルである、
請求項1又は2記載の式(I)の化合物。
【請求項4】
が、低級アルキル、アルコキシ又はヒドロキシアルキルであり;そして
が、ハロ又はシアノである、
請求項1又は2記載の式(I)の化合物。
【請求項5】
が、低級アルキル、ハロ又はシアノである、請求項1〜4のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
【請求項6】
が、ハロ又はシアノである、請求項1〜5のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
【請求項7】
が、メチル又はクロロである、請求項1〜5のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
【請求項8】
が、低級アルキル、アルコキシ又はヒドロキシアルキルである、請求項1〜7のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
【請求項9】
が、低級アルキル又はヒドロキシアルキルである、請求項1〜8のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
【請求項10】
が、メチル又は2−ヒドロキシプロピルである、請求項1〜9のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
【請求項11】
が、水素又はアセチルである、請求項1、2又は4〜10のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
【請求項12】
が水素である、請求項1〜11のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
【請求項13】
が、水素、ハロ、低級ハロアルキル又はシアノである、請求項1〜3又は5〜12のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
【請求項14】
が、水素、ブロモ、クロロ、フルオロ、トリフルオロメチル又はシアノである、請求項1〜3又は5〜13のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
【請求項15】
が、ブロモ、クロロ、フルオロ、トリフルオロメチル又はシアノである、請求項1〜3又は5〜13のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
【請求項16】
mが2である、請求項1〜15のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
【請求項17】
nが1である、請求項1〜16のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
【請求項18】
cis−(S)−2−(1−{4−[(5−ブロモ−インダン−2−イルメチル)−アミノ]−シクロヘキシル}−5−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−プロパン−2−オール、
cis−2−(5−クロロ−1−{4−[(インダン−2−イルメチル)−アミノ]−シクロヘキシル}−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−プロパン−2−オール、
cis−(5−クロロ−インダン−2−イルメチル)−[4−(2,5−ジメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロヘキシル]−アミン、
cis−(S)−2−({4−[5−クロロ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−シクロヘキシルアミノ}−メチル)−インダン−5−カルボニトリル、
cis−(S)−2−{[4−(2,5−ジメチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロヘキシルアミノ]−メチル}−インダン−5−カルボニトリル、
cis−(S)−2−({4−[2−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−5−メチル−ベンゾイミダゾール−1−イル]−シクロヘキシルアミノ}−メチル)−インダン−5−カルボニトリル、
cis−2−(1−{4−[(5−クロロ−インダン−2−イルメチル)−アミノ]−シクロヘキシル}−5−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−プロパン−2−オール、
cis−(S)−N−{4−[5−クロロ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−シクロヘキシル}−N−(5−シアノ−インダン−2−イルメチル)−アセトアミド、
cis−(R)−2−({4−[5−クロロ−2−(1−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−ベンゾイミダゾール−1H−イル]−シクロヘキシルアミノ}−メチル)−インダン−5−カルボニトリル、
cis−(S)−2−{[4−(5−フルオロ−2−メチル−ベンゾイミダゾール−1−イル)−シクロヘキシルアミノ]−メチル}−インダン−5−カルボニトリル、
からなる群より選択される、請求項1記載の式(I)の化合物及びその薬学的に許容される塩。
【請求項19】
請求項1記載の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の治療有効量、及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項20】
請求項1記載の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の治療有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む、肥満を処置するための方法。
【請求項21】
治療活性物質として使用するための、請求項1〜18のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
【請求項22】
肥満、過食症、不安又は鬱を処置するために使用するための、請求項1〜18のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
【請求項23】
肥満、過食症、不安又は鬱を処置するための医薬を調製するための、請求項1〜18のいずれか一項記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項24】
請求項1記載の式(I)の化合物の製造方法であって、該方法は、式(II):
【化44】


[式中、Rは、請求項1と同義である]で示される化合物を、式(III):
【化45】


[式中、R、R及びmは、請求項1と同義である]で示されるアミンを用い、NaCNBH又はNaBH(OAc)を使用することによって、還元的アミノ化して、式(I)[式中、nは、1である]の化合物を得ること、そして所望であれば、得られた式(I)の化合物をその薬学的に許容される塩に変換することを含む方法。
【請求項25】
請求項1記載の式(I)の化合物の製造方法であって、該方法は、式(IV):
【化46】


[式中、R、R、R、m及びnは、請求項1と同義である]で示される化合物を、式(V):
COOH (V)
[式中、Rは、請求項1と同義である]で示されるカルボン酸を用いて環化し、式(I)[式中、nは、0である]の化合物を得ること、そして所望であれば、得られた式(I)の化合物をその薬学的に許容される塩に変換することを含む方法。
【請求項26】
本明細書前記に実質的に記載されるような新規な化合物、工程及び方法、ならびに該化合物の使用。

【公表番号】特表2010−511007(P2010−511007A)
【公表日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−538680(P2009−538680)
【出願日】平成19年11月20日(2007.11.20)
【国際出願番号】PCT/EP2007/062535
【国際公開番号】WO2008/065021
【国際公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】