説明

ジアミノプテリジン誘導体

本発明は、新規ジアミノプテリジン誘導体、その組成物および抗感染症剤として使用するためのそれを含む処置方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年3月25日出願の米国仮特許出願番号61/211,137に基づく優先権を主張し、その内容を、引用によりその全体を本明細書に包含させる。
【0002】
技術分野
本発明は、抗感染症剤として使用するためのジアミノプテリジン誘導体およびその組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
過去数十年にわたる急速な抗生物質耐性の増加は、現在利用可能な抗生物質処置の選択肢が、直ぐに無効となるとの深刻な懸念を生じさせている。抗生物質の広範な使用と、その処置に利用可能な10年も経過した化合物骨格と細菌耐性の急速な増加率を考慮すると、細菌病原体との戦いにおいて新薬の開発は避けられない。
【0004】
抗微生物剤は多くの既知の機構を介して、例えば、細菌細胞壁合成阻害によって、細胞内化合物の透過性および滲出を増加させるように微生物の細胞膜に直接作用することによって、タンパク質合成を可逆的に阻害するように種々のリボソームサブユニットの機能を乱すことによって、種々のリボソームサブユニットに結合してタンパク質合成を変えることによって、細菌核酸代謝に作用することによって、または必須の葉酸代謝の酵素群を遮断することによって作用し得る。近年、多くの細菌および真菌におけるリボスイッチと呼ばれるRNA構造が、生存または病原性に重要な種々の遺伝子の発現を制御し得ることが試験により示されている。典型的にある種のmRNAの5’非翻訳領域(5’−UTR)内に位置する、各既知リボスイッチ群のメンバーは、特定の有機代謝物を認識する明確な、三次元構造化された受容体へと折りたたまれ得る。同族代謝物がmRNA転写中に十分に高い濃度で存在するとき、リボスイッチ受容体は代謝物に結合し、オープンリーディングフレーム(ORF)の発現を妨げる新生mRNAへの構造変化を誘発し、それにより遺伝子発現を変える。同族代謝物の非存在下で、リボスイッチはORFの発現を妨げない構造へと折りたたまれる。
【0005】
16種類のリボスイッチ群が報告されている。リボスイッチの各群のメンバーは同じ代謝物に結合し、高度に保存された配列および二次構造を共有する。チアミンピロホスフェート(TPP)、フラビンモノヌクレオチド(FMN)、グリシン、グアニン、3’−5’−ジグアニル(eiguanylic)酸(c−ジ−GMP)、モリブデン補酵素、グルコサミン−6−ホスフェート(GlcN6P)、リシン、アデニン、およびアデノシルコバラミン(AdoCbl)リボスイッチに結合するリボスイッチモチーフが同定されている。さらに、S−アデノシルメチオニン(SAM)I、IIおよびIII、IVを認識する4種の異なるリボスイッチモチーフおよびプレ−キューオシン−1(PreQ1)を認識する2種の異なるモチーフが同定されている。TPPリボスイッチに結合するピリチアミンピロホスフェート(PTPP)、リシンリボスイッチに結合するL−アミノエチルシステイン(AEC)およびDL−4−オキサリシン、およびFMNリボスイッチに結合するロゼオフラビンおよびFMNを含む、既知リボスイッチ群に結合する数種の代謝拮抗剤リガンドもまた同定されている。リボスイッチ受容体は、その各リガンドに、タンパク質の複雑性および選択性のレベルに近づく界面で結合する。この高度に特異的な相互作用により、リボスイッチがリガンドの最も密接に関連した類似体を区別することが可能となる。例えば、バチルス・スブチリス由来のグアニン結合リボスイッチの受容体は、このリガンドがほとんど完全に覆われるように三次元構造を形成する。グアニンは、2個の芳香族性塩基の間に位置し、グアニン水素の各極性官能基は、それを囲む4個のさらなるリボスイッチヌクレオチドと結合する。この特異性のレベルにより、リボスイッチは、最も構造的に関連するプリン類似体を区別できる。同様に、SAM結合リボスイッチの研究により、SAMのほとんど全ての官能基がリガンドとの結合に重要であり、1個のメチル基でしか異ならないS−アデノシルホモシステイン(SAH)およびS−アデノシルメチオニン(SAM)のような極めて類似した化合物を区別可能とすることが確認された。同様に、TPPリボスイッチは、4−アミノ−5−ヒドロキシメチル−2−メチルピリミジン(HMP)部分の極性官能基を認識する1個のサブドメインおよび2個の金属イオンおよび数種の水分子を、そのリガンドの負に荷電したピロホスフェート部分に配位させるもう1個のサブドメインを含む。TPP、グアニンおよびSAMリボスイッチと同様、FMNリボスイッチは、天然代謝物FMNに極めて特異的な受容体構造を形成する。特異的遺伝子を制御するために小分子を設計することを可能としているのは、この極めて特異的な相互作用である。
【0006】
特に興味深いリボスイッチはTPPリボスイッチである。TPPは、細菌、古細菌、および真核生物における必須の補助因子である。細菌、植物および真菌のような生物は、TPP感覚性リボスイッチを使用して、チアミンおよびそのリン酸化誘導体の移入または合成を担う遺伝子を制御する。研究により、リガンドの、エシェリキア・コリのチアミン生合成に関与するthiM遺伝子の5’非翻訳領域への結合が、リボスイッチ構造を“オフ”にし、リボソーム結合部位の隔離によりmRNAの翻訳を減らすことが示されている。細菌リボスイッチに類似して、真核リボスイッチはTPPに類似の親和性で結合し、同様の立体変化を受ける。そのようなものとして、TPPリボスイッチを標的とする化合物は、多くの細胞プロセスに必要なチアミンおよびそのリン酸化誘導体の生合成の制御または阻害に使用し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
それ故に、感染症の処置に有用な化合物、特にTPPリボスイッチを標的とする化合物を提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の要約
第一の面において、本発明は、遊離、塩またはプロドラッグ形態の式Q−I:
【化1】

〔式中、
(i) R、RおよびRは以下の通りである:
(a) R、RおよびRは独立してH、−SOCF、−SOH、−NH、−C(O)N(R)SOH、−CHC(O)COOR、−OH、−C1−4アルキル−COOR(例えば、−CHCOOR)、−P(O)(OR)、−C1−4アルキル−P(O)(OR)(例えば、−CHP(O)(OR))、−OCHCOOR;−C(O)N(R)S(O)、−C(H)=C(OH)C(O)OR、−C(O)N(R)(R)、−OCHC(O)N(R)(R)または−C(H)(NH)COORであるか;
(b) RおよびRは独立してCOORであるか;または
(c) RおよびRは独立して−OHまたは−OCHCOORであり、そしてRは−COORであり;
(ii) RはHまたはC1−4アルキル(例えば、メチル)であり;
(iii) RはHまたはC1−4アルキル(例えば、エチル)であり;
(iv) RはHまたはC1−4アルキルであり;
(v) RはC1−4アルキル(例えば、メチル)であり;
(vi) RおよびRは独立してHまたはC1−4アルキルである。〕
の化合物を提供する。
【0009】
他の態様において、本発明は、遊離、塩またはプロドラッグ形態の式Q−II:
【化2】

〔式中、
(i) R、RおよびRは以下の通りである:
(a) R、RおよびRは独立してH、−SOCF、−SOH、−NH、−C(O)N(R)SOH、−CHC(O)COOR、−OH、−C1−4アルキル−COOR(例えば、−CHCOOR)、−P(O)(OR)、−C1−4アルキル−P(O)(OR)(例えば、−CHP(O)(OR))、−OCHCOOR;−C(O)N(R)S(O)、−C(H)=C(OH)C(O)OR、−C(O)N(R)(R)、−OCHC(O)N(R)(R)または−C(H)(NH)COORであるか、または
(b) RおよびRは独立して−OHまたは−OCHCOORであり、そしてRは−COORであり;
(ii) RはHまたはC1−4アルキル(例えば、メチル)であり;
(iii) RはHまたはC1−4アルキル(例えば、エチル)であり;
(iv) RはHまたはC1−4アルキルであり;
(v) RはC1−4アルキル(例えば、メチル)であり、
(vi) RおよびRは独立してHまたはC1−4アルキルである。〕
の化合物を提供する。
【0010】
他の態様において、本発明は、遊離、塩またはプロドラッグ形態の式Q−III:
【化3】

〔式中、
(i) R、RおよびRは独立してH、−SOCF、−SOH、−NH、−C(O)N(R)SOH、−CHC(O)COOR、−OH、−C1−4アルキル−COOR(例えば、−CHCOOR)、−P(O)(OR)、−C1−4アルキル−P(O)(OR)(例えば、−CHP(O)(OR))、−OCHCOOR;−C(O)N(R)S(O)、−C(H)=C(OH)C(O)OR、−C(O)N(R)(R)、−OCHC(O)N(R)(R)または−C(H)(NH)COORであり;
(ii) RはHまたはC1−4アルキル(例えば、メチル)であり;
(iii) RはHまたはC1−4アルキル(例えば、エチル)であり;
(iv) RはHまたはC1−4アルキルであり;
(v) RはC1−4アルキル(例えば、メチル)であり;
(vi) RおよびRは独立してHまたはC1−4アルキルである。〕
の化合物を提供する。
【0011】
他の態様において、本発明は、遊離、塩またはプロドラッグ形態の式Q−IV:
【化4】

〔式中、
(i) R、RおよびRは独立してH、−SOCF、−SOH、−NH、−C(O)N(R)SOH、−CHC(O)COOR、−OH、−C1−4アルキル−COOR(例えば、−CHCOOR)、−P(O)(OR)、−C1−4アルキル−P(O)(OR)(例えば、−CHP(O)(OR))、−OCHCOOR;−C(O)N(R)S(O)、−C(H)=C(OH)C(O)OR、−C(H)(NH)COOR、−COOR、C(O)N(R)(R)または−OCHC(O)N(R)(R)であり;
(ii) RはHまたはC1−4アルキル(例えば、メチル)であり;
(iii) RはHまたはC1−4アルキル(例えば、エチル)であり;
(iv) RはHまたはC1−4アルキルであり;
(v) RはC1−4アルキル(例えば、メチル)であり;
(vi) RおよびRは独立してHまたはC1−4アルキルである。〕
の化合物を提供する。
【0012】
第一の面のさらに別の態様において、本発明は、遊離、塩またはプロドラッグ形態の式I:
【化5】

〔式中、
(vii) R、RおよびRは以下の通りである:
(a) R、RおよびRは独立してH、−SOCF、−SOH、−NH、−C(O)N(R)SOH、−CHC(O)COOR、−OH、−C1−4アルキル−COOR(例えば、−CHCOOR)、−P(O)(OR)、−C1−4アルキル−P(O)(OR)(例えば、−CHP(O)(OR))、−OCHCOOR;−C(O)N(R)S(O)、または−C(H)=C(OH)C(O)ORであるか;
(b) RおよびRは独立してCOORであるか;または
(c) RおよびRは独立して−OHまたは−OCHCOORであり、そしてRは−COORであり;
(viii) RはHまたはC1−4アルキル(例えば、メチル)であり;
(ix) RはHまたはC1−4アルキル(例えば、エチル)であり;
(x) RはHまたはC1−4アルキルであり;
(xi) RはC1−4アルキル(例えば、メチル)である。〕
の化合物を提供する。
【0013】
他の態様において、本発明は、遊離、塩またはプロドラッグ形態の式II:
【化6】

(i) R、RおよびRは以下の通りである:
(a) R、RおよびRは独立してH、−SOCF、−SOH、−NH、−C(O)N(R)SOH、−CHC(O)COOR、−OH、−C1−4アルキル−COOR(例えば、−CHCOOR)、−P(O)(OR)、−C1−4アルキル−P(O)(OR)(例えば、−CHP(O)(OR))、−OCHCOOR;−C(O)N(R)S(O)、または−C(H)=C(OH)C(O)ORであるか;または
(b) RおよびRは独立して−OHまたは−OCHCOORであり、そしてRは−COORであり;
(ii) RはHまたはC1−4アルキル(例えば、メチル)であり;
(iii) RはHまたはC1−4アルキル(例えば、エチル)であり;
(iv) RはHまたはC1−4アルキルであり;
(v) RはC1−4アルキル(例えば、メチル)である。〕
の化合物を提供する。
【0014】
他の態様において、本発明は、遊離、塩またはプロドラッグ形態の式III:
【化7】

〔式中、
(vii) R、RおよびRは独立してH、−SOCF、−SOH、−NH、−C(O)N(R)SOH、−CHC(O)COOR、−OH、−C1−4アルキル−COOR(例えば、−CHCOOR)、−P(O)(OR)、−C1−4アルキル−P(O)(OR)(例えば、−CHP(O)(OR))、−OCHCOOR;−C(O)N(R)S(O)、または−C(H)=C(OH)C(O)ORであり;
(viii) RはHまたはC1−4アルキル(例えば、メチル)であり;
(ix) RはHまたはC1−4アルキル(例えば、エチル)であり;;
(x) RはHまたはC1−4アルキルであり;
(xi) RはC1−4アルキル(例えば、メチル)である。〕
の化合物を提供する。
【0015】
他の態様において、本発明は、遊離、塩またはプロドラッグ形態の式IV:
【化8】

〔式中、
(ii) R、RおよびRは独立してH、−SOCF、−SOH、−NH、−C(O)N(R)SOH、−CHC(O)COOR、−OH、−C1−4アルキル−COOR(例えば、−CHCOOR)、−P(O)(OR)、−C1−4アルキル−P(O)(OR)(例えば、−CHP(O)(OR))、−OCHCOOR;−C(O)N(R)S(O)、−C(H)=C(OH)C(O)OR、−C(H)(NH)COORまたは−COORであり;
(vii) RはHまたはC1−4アルキル(例えば、メチル)であり;
(viii) RはHまたはC1−4アルキル(例えば、エチル)であり;;
(ix) RはHまたはC1−4アルキルであり;
(x) RはC1−4アルキル(例えば、メチル)である。〕
の化合物を提供する。
【0016】
さらなる態様において、本発明は、以下の遊離、塩またはプロドラッグ形態の化合物を提供する:
1.1 以下の式を有する式I、IIまたはIIIの化合物:
【化9】

【0017】
1.2 以下の式を有する式I、IIまたはIIIの化合物:
【化10】

【0018】
1.3 R、RおよびRが独立してH、−SOCF、−SOH、−NH、−C(O)N(R)SOH、−CHC(O)COOR、−OH、−C1−4アルキル−COOR(例えば、−CHCOOR)、−P(O)(OR)、−C1−4アルキル−P(O)(OR)(例えば、−CHP(O)(OR))、−OCHCOOR;−C(O)N(R)S(O)または−C(H)=C(OH)C(O)ORである、式I、II、IIIまたはIVの化合物、1.1または1.2;
1.4 R、RおよびRが独立してH、−SOCF、−SOH、−CHC(O)COOR、−P(O)(OR)または−OCHCOORである、式I、IIまたはIIIの化合物、または1.1−1.3のいずれか;
1.5 R、RおよびRが独立してHである、式I、II、IIIまたはIVの化合物、または1.1−1.3のいずれか;
1.6 R、RおよびRが独立して−SOCFである、式I、II、IIIまたはIVの化合物、または1.1−1.3のいずれか;
1.7 R、RおよびRが独立して−SOHである、式I、II、IIIまたはIVの化合物、または1.1−1.3のいずれか;
1.8 R、RおよびRが独立して−NHである、式I、II、IIIまたはIVの化合物、または1.1−1.3のいずれか;
1.9 R、RおよびRが独立して−C(O)N(R)SOHである、式I、II、IIIまたはIVの化合物、または1.1−1.3のいずれか;
【0019】
1.10 R、RおよびRが独立して−CHC(O)COORである、式I、II、IIIまたはIVの化合物、または1.1−1.3のいずれか;
1.11 R、RおよびRが独立して−OHである、式I、II、IIIまたはIVの化合物、または1.1−1.3のいずれか;
1.12 R、RおよびRが独立して−C1−4アルキル−COOR(例えば、−CHCOOR)である、式I、II、IIIまたはIVの化合物、または1.1−1.3のいずれか;
1.13 R、RおよびRが独立して−P(O)(OR)(例えば、−P(O)(OCHCH)または−P(O)(OH))である、式I、II、IIIまたはIVの化合物、または1.1−1.3のいずれか;
1.14 R、RおよびRが独立して−C1−4アルキル−P(O)(OR)(例えば、−CHP(O)(OR)、例えば、−CHP(O)(OH))である、式I、II、IIIまたはIVの化合物、または1.1−1.3のいずれか;
1.15 R、RおよびRが独立して−OCHCOORである、式I、II、IIIまたはIVの化合物、または1.1−1.3のいずれか;
1.16 R、RおよびRが独立して−C(O)N(R)S(O)である、式I、II、IIIまたはIVの化合物、または1.1−1.3のいずれか;
1.17 R、Rであり、そしてRが独立して−C(H)=C(OH)C(O)ORである、式I、II、IIIまたはIVの化合物、または1.1−1.3のいずれか;
1.18 Rであり、そしてRが独立して−OHまたは−OCHCOORであり、そしてRが−COORである、式I、IIまたはIVの化合物、または1.1−1.3のいずれか
1.19 Rが−OHであり、そしてRが−COORである、式I、IIまたはIVの化合物、または1.1−1.3のいずれか;
【0020】
1.20 Rが−OCHCOORであり、そしてRが−COORである、式I、IIまたはIVの化合物、または1.1−1.3のいずれか;
1.21 Rであり、そしてRが独立してCOORである、式I、IIまたはIVの化合物、または1.1−1.3のいずれか;
1.22 R、Rであり、そしてRが独立してH、−C1−4アルキル−COOR(例えば、−CHCOOR)、−C(H)=C(OH)C(O)OR、−P(O)(OR)、−C1−4アルキル−P(O)(OR)(例えば、−CHP(O)(OR))である、式I、II、IIIまたはIVの化合物、または1.1−1.3のいずれか;
1.23 RがHまたはC1−4アルキル(例えば、メチル)である、式I、II、IIIまたはIVの化合物、または1.1−1.22のいずれか;
1.24 RがHである、式I、II、IIIまたはIVの化合物、または1.1−1.23のいずれか;
1.25 RがC1−4アルキル(例えば、メチル)である、式I、II、IIIまたはIVの化合物、または1.1−1.23のいずれか;
1.26 RがHまたはC1−4アルキル(例えば、エチル)である、式I、II、IIIまたはIVの化合物、または1.1−1.25のいずれか;
1.27 RがHである、式I、II、IIIまたはIVの化合物、または1.1−1.26のいずれか;
1.28 RがC1−4アルキル(例えば、エチル)である、式I、II、IIIまたはIVの化合物、または1.1−1.26のいずれか;
1.29 RがHまたはC1−4アルキルである、式I、II、IIIまたはIVの化合物、または1.1−1.28のいずれか;
1.30 RがHである、式I、II、IIIまたはIVの化合物、または1.1−1.28のいずれか;
1.31 RがC1−4アルキルである、式I、II、IIIまたはIVの化合物、または1.1−1.28のいずれか;
1.32 RがC1−4アルキル(例えば、メチル);である、式I、II、IIIまたはIVの化合物、または1.1−1.3のいずれか1のいずれか
【0021】
1.33 次のものから選択される、式I、II、IIIまたはIVの化合物または1.1−1.32のいずれか:
【化11】

【化12】

【0022】
1.34 次のものから選択される、式IIまたはIIIの化合物または1.1−1.33のいずれか:
【化13】

【化14】

【0023】
1.35 次のものから選択される、式IIIの化合物または1.1−1.33のいずれか:
【化15】

【化16】

【0024】
1.36 次のものから選択される、式I、IIまたはIIIの化合物、または1.1−1.32のいずれか:
【化17】

【化18】

【0025】
1.37 次のものから選択される、式I、IIまたはIIIの化合物または1.1−1.32のいずれか:
【化19】

【0026】
1.38 次のものから選択される、式I、IIまたはIIIの化合物または1.1−1.33のいずれか:
【化20】

【0027】
1.39 次のものから選択される、式Iの化合物または1.1−1.33のいずれか:
【化21】

【0028】
1.40 次のものから選択される、式I、IIまたはIIIの化合物または1.1−1.33のいずれか:
【化22】

【0029】
1.41 R、RおよびRが独立して−C(H)(NH)COORである、式IVの化合物、または1.2−1.33のいずれか;
1.42 R、R、およびRが独立して−COOR(例えば、−COOH)である、式IVの化合物、または1.2−1.33のいずれか;
1.43 式IVの化合物、または1.2−1.33であって:
【化23】

である化合物;
1.44. 例えば、実施例1に記載するアッセイで130μg/mL未満、好ましくは100μg/mL未満、より好ましくは50μg/mL未満、さらに好ましくは25μg/mL未満、最も好ましくは、10μg/mL未満の最小阻害濃度(MIC)を有する、式I、II、IIIまたはIVの化合物または1.1−1.43。
【0030】
他の態様において、本発明は、以下の遊離、塩またはプロドラッグ形態の以下のものを提供する:
2.1 置換基が1.1−1.44の何れかに記載した通りである、上に記載する式Q−I、Q−II、Q−IIIまたはQ−IVの化合物;
2.2 式Q−Iの化合物:
式中、
、RおよびRが独立してH、−SOCF、−SOH、−NH、−CHC(O)COOR、−OH、−C1−4アルキル−COOR(例えば、−CHCOOR)、−P(O)(OR)、−C1−4アルキル−P(O)(OR)(例えば、−CHP(O)(OR))、−OCHCOOR;−C(O)N(R)S(O)、−C(H)=C(OH)C(O)OR、−C(O)N(R)(R)、−OCHC(O)N(R)(R)または−C(H)(NH)COORであり;
およびRが独立してCOORであるか;または
およびRが独立して−OHまたは−OCHCOORであり、そしてRが−COORであり、
そして残りの置換基が1.1−1.2、1.4−1.8、1.10−1.28および1.32−1.44のいずれかに記載の通りである;
【0031】
2.3 式Q−IIの化合物:
式中、
、RおよびRが独立してH、−SOCF、−SOH、−NH、−CHC(O)COOR、−OH、−C1−4アルキル−COOR(例えば、−CHCOOR)、−P(O)(OR)、−C1−4アルキル−P(O)(OR)(例えば、−CHP(O)(OR))、−OCHCOOR;−C(O)N(R)S(O)、−C(H)=C(OH)C(O)OR、−C(O)N(R)(R)、−OCHC(O)N(R)(R)または−C(H)(NH)COORであるか、または
およびRが独立して−OHまたは−OCHCOORであり、そしてRが−COORであり;
そして残りの置換基が1.1−1.2、1.4−1.8、1.10−1.28および1.32−1.44のいずれかに記載の通りである;
【0032】
2.4 式Q−IIIの化合物:
式中、
、RおよびRが独立してH、−SOCF、−SOH、−NH、−CHC(O)COOR、−OH、−C1−4アルキル−COOR(例えば、−CHCOOR)、−P(O)(OR)、−C1−4アルキル−P(O)(OR)(例えば、−CHP(O)(OR))、−OCHCOOR;−C(O)N(R)S(O)、−C(H)=C(OH)C(O)OR、−C(O)N(R)(R)、−OCHC(O)N(R)(R)または−C(H)(NH)COORであり;
そして残りの置換基が1.1−1.2、1.4−1.8、1.10−1.28および1.32−1.44のいずれかに記載の通りである;
【0033】
2.5 式Q−IVの化合物:
式中、
、RおよびRが独立してH、−SOCF、−SOH、−NH、−C(O)N(R)SOH、−CHC(O)COOR、−OH、−C1−4アルキル−COOR(例えば、−CHCOOR)、−P(O)(OR)、−C1−4アルキル−P(O)(OR)(例えば、−CHP(O)(OR))、−OCHCOOR;−C(O)N(R)S(O)、−C(H)=C(OH)C(O)OR、−C(H)(NH)COOR、−COOR、C(O)N(R)(R)または−OCHC(O)N(R)(R)であり;
そして残りの置換基が1.1−1.2、1.4−1.8、1.10−1.28および1.32−1.44のいずれかに記載の通りである;
【0034】
2.6 R、RおよびRが独立して−CHCHCOORである、式Q−I、Q−II、Q−IIIまたはQ−IVの化合物、または2.1−2.5のいずれか;
【0035】
2.7 以下のものから選択される、式Q−I、Q−II、Q−IIIまたはQ−IVの化合物、または2.1−2.6のいずれか:
【化24】

【化25】

【0036】
さらに別の態様において、本発明は、遊離、塩またはプロドラッグ形態の式V:
【化26】

〔式中、
Aはヘテロアリール、例えば、
【化27】

であり、
はC1−8アルキル−COOR(例えば、−CHCOOR)であり、
はHまたはC1−4アルキル(例えば、メチル)である。〕
の化合物を提供する。
【0037】
さらなる態様において、式Vの化合物は、遊離、塩またはプロドラッグ形態の:
【化28】

から選択される(5.1)。
【0038】
他の態様において、本発明は、遊離、塩またはプロドラッグ形態の式VI:
【化29】

〔式中、
XはC1−4アルキル、例えば、エチルであり;
およびRは独立してHまたはC1−8アルキル−P(O)(OR)(OR)、例えば、−CHCHP(O)(OR)(OR)であり;
およびRは独立してH、C1−4アルキル(例えば、エチル)またはC1−4アルキル−OC(O)R(例えば、−CHCHOC(O)R)であり;
はC1−4アルキル(例えば、t−ブチル)である。〕
の化合物を提供する。
【0039】
さらなる態様において、式VIの化合物は、遊離、塩またはプロドラッグ形態の:
【化30】

から選択される(6.1)。
【0040】
本発明は、遊離、塩またはプロドラッグ形態の式I−IVの化合物のいずれか、例えば、1.1−1.44のいずれか、式Q−IからQ−IVの化合物のいずれか、例えば、2.1−2.7のいずれか、または式VまたはVIの化合物のいずれか、例えば、5.1または6.1を請求する。
【0041】
上に記載した本発明の化合物、式I−IVの化合物のいずれか、例えば、1.1−1.44のいずれか、式Q−IからQ−IVの化合物のいずれか、例えば、2.1−2.7のいずれか、または式VまたはVIの化合物のいずれか、例えば、5.1または6.1は、抗感染症剤、例えば、抗細菌剤または抗真菌剤として有用である。これらの化合物は多くの機構によって、例えば、細菌細胞壁合成阻害によって、細胞内化合物の透過性および滲出を増加させるように微生物の細胞膜に直接作用することによって、タンパク質合成を可逆的に阻害するように種々のリボソームサブユニットの機能を乱すことによって、種々のリボソームサブユニットに結合してタンパク質合成を変えることによって、細菌核酸代謝に作用することによって、またはジヒドロ葉酸レダクターゼまたはジヒドロプテロイン酸シンターゼのような必須の葉酸代謝の酵素群を遮断することによって作用し得る。何らかの特定の理論に縛られることを意図しないが、特定の場合において、ある種の本発明のプテリジン誘導体、例えば、ある種の上に記載した遊離、塩またはプロドラッグ形態の式I、II、IIIまたはIVの化合物、例えば、1.1−1.44のいずれか、式Q−IからQ−IVの化合物、例えば、2.1−2.7、または式Vの化合物、例えば、5.1、好ましくは1.37、1.38、1.43、または5.1はまたチアミンピロホスフェートリボスイッチを標的とし、例えば、実施例2に記載する結合アッセイにおいて、例えば、TPPリボスイッチと、20μM未満、好ましくは10μM未満、最も好ましくは1μM未満のIC50値で結合するとも考えられる。そのようなものとして、本発明はまた、TPPリボスイッチリガンドとしての、種々の遊離、塩またはプロドラッグ形態の式Iの化合物、例えば、1.1−1.44のいずれか、Q−I〜Q−IVの化合物、例えば、2.1−2.7、または式Vの化合物、例えば、5.1、好ましくは1.37、1.38、1.43、または5.1のいずれかを提供する。
【0042】
他の面において、本発明は、遊離、塩またはプロドラッグ形態の式Iの化合物、例えば、1.1−1.44のいずれか、式Q−IからQ−IV化合物のいずれか、例えば、2.1−2.7のいずれか、または式VまたはVIの化合物、例えば、5.1または6.1を、薬学的に許容される希釈剤または担体と共に含む、医薬組成物を提供する。
【0043】
さらに別の面において、本発明は、感染症の処置または予防方法(方法I)であって、それを必要とする対象に有効量の遊離、塩またはプロドラッグ形態の上に記載した式I、II、IIIまたはIVの化合物、例えば、1.1−1.44のいずれか、Q−I〜Q−IV、例えば、2.1−2.7のいずれか、または式VまたはVIの化合物、例えば、5.1または6.1、またはそれを含む医薬組成物を投与することを含む、方法を提供する。
【0044】
さらなる態様において、上に記載した方法Iは、グラム陽性またはグラム陰性細菌感染の処置または予防に有用である(方法I−A)。他の具体的態様において、方法Iは、以下の細菌の1種以上による感染症の処置に有用である(ただし、これらの細菌感染症に限定されない):モラクセラ・カタラーリス、クレブシエラ・ニューモニエ、スタフィロコッカス・エピデルミデス、ストレプトコッカス・ビリダンス、エンテロコッカス・フェシウム、スタフィロコッカス・アウレウス、バシラス・アンスラシス、フランシセラ・ツラレンシス、ストレプトコッカス・ニューモニエ、シュードモナス・エルギノーサ、アシネトバクター・バウマンニ、ブルセラ・メリテンシス、エシェリキア・コリ、ヘモフィルス・インフルエンザエ、リステリア・モノサイトゲネス、サルモネラ・エンテリカ、ビブリオ・コレラエ、エンテロコッカス・フェカリス、エルシニア・ペスティス、バチルス・スブチリス、ストレプトコッカス・ピオゲネスおよびボレリア・バーグドルフェリ(方法I−B)。他の態様において、方法Iは、以下の細菌の1種以上による感染症の処置または予防に有用である:スタフィロコッカス・アウレウス、スタフィロコッカス・エピデルミデス、バチルス・スブチリス、エンテロコッカス・フェカリス、ストレプトコッカス・ニューモニエ、ストレプトコッカス・ピオゲネス、エシェリキア・コリ、シュードモナス・エルギノーサ、クレブシエラ・ニューモニエ、ヘモフィルス・インフルエンザエおよびアシネトバクター・バウマンニ(方法I−B’)。さらに別の態様において、方法Iは、以下の細菌の1種以上による感染症の処置または予防に有用である:スタフィロコッカス・アウレウス、スタフィロコッカス・エピデルミデス、エンテロコッカス・フェカリス、ストレプトコッカス・ニューモニエ、エシェリキア・コリ、シュードモナス・エルギノーサ、クレブシエラ・ニューモニエおよびヘモフィルス・インフルエンザエ。特定の態様において、方法Iは、以下の細菌の1種以上による感染症の処置または予防に有用である:スタフィロコッカス・アウレウス、ストレプトコッカス・ニューモニエおよびストレプトコッカス・ピオゲネス(方法I−B”)。特定の態様において、方法Iはスタフィロコッカス・アウレウス感染症の処置または予防に有用である(方法I−C)。
【0045】
さらなる態様において、上に記載した方法Iは、有効量の遊離、薬学的に許容される塩またはプロドラッグ形態の上に記載する式I、II、IIIまたはIVの化合物、例えば、1.1−1.44のいずれか、式Q−IからQ−IVの化合物のいずれか、例えば、2.1−2.7のいずれか、または式VまたはVIの化合物、例えば、5.1または6.1、またはそれを含む医薬組成物を、処置を必要とする対象に投与することを含む、炭疽、ブドウ球菌性皮膚剥脱症候群(ブドウ球菌感染症)、ライム病、肺炎、膿痂疹、せつ、蜂巣炎、毛包炎、せつ、癰、熱傷様皮膚症候群、化膿巣、髄膜炎、骨髄炎、心内膜炎、毒素ショック症候群(TSS)、敗血症、急性副鼻腔炎、中耳炎、敗血症性関節炎、心内膜炎、腹膜炎、心膜炎、蜂巣炎、脳膿瘍、野兎病、尿路感染、膿胸、食中毒、下痢および結膜炎から成る群から選択される疾患、感染症または状態の処置または予防に有用である(方法I−D)。
【0046】
何らかの特定の理論に縛られることを意図しないが、特定の本発明の化合物、種々の遊離、薬学的に許容される塩またはプロドラッグ形態の式I、II、III、またはIVの化合物、例えば、1.1−1.44、式Q−IからQ−IVの化合物、例えば、2.1−2.7、または式VまたはVIの化合物、例えば、5.1または6.1、好ましくは1.37、1.38、1.43または5.1はまたチアミンピロホスフェートリボスイッチも標的化し、それ故に、新規機構を介して、例えば、遺伝子発現を変えるためにリボスイッチ−リガンド結合を利用し、それにより下流チアミン生合成に作用することにより、細菌感染症の処置方法を提供すると考えられる。そのようなものとして、これらの化合物は、従来の抗生物質が薬剤耐性により有効ではない感染症の処置に有効である。それ故、特定の態様において、本発明は、化合物が遊離、薬学的に許容される塩またはプロドラッグ形態の1.37、1.38、1.43または5.1のいずれかの化合物であり、感染症がリボスイッチリガンドではない薬剤に耐性である感染原によるものである上に記載した方法Iまたは方法I−AからI−Dのいずれかを提供する(方法I−E)。さらなる態様において、感染症はペニシリン、バンコマイシン、セファロスポリンおよびメチシリンから成る群から選択される1種以上の薬剤に耐性である。特定の態様において、感染はメチシリン耐性スタフィロコッカス・アウレウス感染症である。
【0047】
他の面において、本発明は、感染症の処置または予防用医薬の製造における、遊離、薬学的に許容される塩またはプロドラッグ形態の式I、II、IIIまたはIVの化合物、例えば、1.1−1.44のいずれか、式Q−IからQ−IVの化合物のいずれか、例えば、2.1−2.7のいずれか、または式VまたはVIの化合物、例えば、5.1または6.1の使用を提供する。
【0048】
特定の態様において、本発明は、感染症がグラム陽性またはグラム陰性感染症である、上に記載した使用を提供する。なおさらなる具体的態様において、感染症は、モラクセラ・カタラーリス、クレブシエラ・ニューモニエ、スタフィロコッカス・エピデルミデス、ストレプトコッカス・ビリダンス、エンテロコッカス・フェシウム、スタフィロコッカス・アウレウス、バシラス・アンスラシス、フランシセラ・ツラレンシス、ストレプトコッカス・ニューモニエ、シュードモナス・エルギノーサ、アシネトバクター・バウマンニ、ブルセラ・メリテンシス、エシェリキア・コリ、ヘモフィルス・インフルエンザエ、リステリア・モノサイトゲネス、サルモネラ・エンテリカ、ビブリオ・コレラエ(Vibrio chlierae)、エンテロコッカス・フェカリス、エルシニア・ペスティス、バチルス・スブチリス、ストレプトコッカス・ピオゲネスおよびボレリア・バーグドルフェリから成る群から選択される1種以上の細菌の感染症である。なおさらなる具体的態様において、感染症は、スタフィロコッカス・アウレウス、スタフィロコッカス・エピデルミデス、エンテロコッカス・フェカリス、ストレプトコッカス・ニューモニエ、エシェリキア・コリ、シュードモナス・エルギノーサ、クレブシエラ・ニューモニエおよびヘモフィルス・インフルエンザエから成る群から選択される1種以上の細菌の感染症である。好ましい態様において、本発明は、感染症が以下の細菌の1種以上によるものである、上に記載した使用を提供する:スタフィロコッカス・アウレウス、ストレプトコッカス・ニューモニエおよびストレプトコッカス・ピオゲネス。さらなる態様において、本発明は、炭疽、ブドウ球菌性皮膚剥脱症候群(ブドウ球菌感染症)、ライム病、肺炎、膿痂疹、おでき、蜂巣炎、毛包炎、せつ、癰、熱傷様皮膚症候群、化膿巣、髄膜炎、骨髄炎、心内膜炎、毒素ショック症候群(TSS)、敗血症、急性副鼻腔炎、中耳炎、敗血症性関節炎、心内膜炎、腹膜炎、心膜炎、蜂巣炎、脳膿瘍、野兎病、尿路感染、膿胸、食中毒、下痢および結膜炎から選択される状態、疾患または感染症の処置または予防用医薬の製造における、上に記載した使用を提供する。
【0049】
さらに別の態様において、本発明は、該感染症がリボスイッチリガンドではない薬剤に耐性である、方法Iにおいて上に記載した種々の遊離、薬学的に許容される塩またはプロドラッグ形態の式I、II、III、またはIVの化合物、例えば、1.1−1.44のいずれか、式Q−IからQ−IVの化合物のいずれか、例えば、2.1−2.7のいずれか、または式Vの化合物、例えば、5.1、好ましくは1.37、1.38、1.43、または5.1の使用を提供する。さらに別の態様において、感染症はペニシリン、バンコマイシン、セファロスポリンおよびメチシリンから成る群から選択される1種以上の薬剤に耐性である。特定の態様において、感染症はメチシリン耐性スタフィロコッカス・アウレウス感染症である。
【0050】
さらに別の態様において、本発明は、真菌感染症の処置または予防用医薬の製造における、種々の遊離、塩またはプロドラッグ形態の式I、II、IIIまたはIVの化合物、例えば、1.1−1.44、式Q−IからQ−IVの化合物、例えば、2.1−2.7、または式Vの化合物、例えば、5.1、好ましくは1.37、1.38、1.43または5.1の使用を提供する。
【0051】
さらに別の態様において、本発明は、植物における感染症の処置方法であって、かかる植物に有効量の上に記載した、遊離、塩またはプロドラッグ形態の式I、II、IIIまたはIVの化合物、例えば、1.1−1.44のいずれか、式Q−IからQ−IVの化合物のいずれか、例えば、2.1−2.7のいずれか、または式Vの化合物、例えば、5.1、好ましくは、1.37、1.38、1.43または5.1のいずれかを投与することを含む、方法を提供する。特定の態様において、感染症は植物における細菌感染症または真菌感染症である。
【0052】
本発明はまた、上に記載した何らかの疾患または状態の処置に使用するための、上に記載した式I、II、IIIまたはIVの化合物、例えば、1.1−1.44のいずれか、式Q−IからQ−IVの化合物のいずれか、例えば、2.1−2.7のいずれか、または式VまたはVIの化合物、例えば、5.1または6.1を含む医薬組成物を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0053】
発明の詳細な記載
用語“リボスイッチ”または“リボスイッチ類”は、当分野において承認されている用語であり、標的代謝物に結合する天然アプタマーおよび遺伝子を制御するためにRNA構造が変化した発現プラットフォームを含むmRNAを意味する。
【0054】
用語“TPPリボスイッチ”は、チアミンピロホスフェートまたはTPP依存性タンパク質エフェクターに結合するリボスイッチを意味する。
【0055】
“TPPリボスイッチリガンド”は、TPPリボスイッチに、例えば、mRNAの5’非翻訳領域における高度に保存されたTPP結合アプタマーを介して結合する全ての化合物を意味する。何らかの特定の理論に縛られることを意図しないが、リガンドのそのリボスイッチへの結合は、ORFの発現が抑制される、例えば、チアミン生合成を担う酵素群の発現が抑制されるように、細菌mRNAにおいて構造変化を誘発すると考えられる。これは、mRNAが、ORFが合成できる前にRNA合成を中止させるターミネーターヘアピンを形成するか、またはシャイン・ダルガーノ配列を隔離し、そしてORFを翻訳するようにリボソームがmRNAと結合するのを妨げるヘアピンを形成することにより誘発される。TPPリボスイッチリガンドの例は、遊離、または塩形態の種々の式I、II、III、またはIVの化合物、種々の式Q−IからQ−IVの化合物、例えば、1.37、1.38、1.43、または5.1のいずれかを含むが、これらに限定されない。
【0056】
用語“感染症”は、細菌および/または真菌による全ての感染症を含む。
【0057】
特定の態様において、用語“感染症”は細菌感染症を意味する。他の態様において、感染症はグラム陽性またはグラム陰性感染症である。さらに別の態様において、感染症は、モラクセラ・カタラーリス、クレブシエラ・ニューモニエ、スタフィロコッカス・エピデルミデス、ストレプトコッカス・ビリダンス、エンテロコッカス・フェシウム、スタフィロコッカス・アウレウス、バシラス・アンスラシス、フランシセラ・ツラレンシス、ストレプトコッカス・ニューモニエ、シュードモナス・エルギノーサ、アシネトバクター・バウマンニ、ブルセラ・メリテンシス、エシェリキア・コリ、ヘモフィルス・インフルエンザエ、リステリア・モノサイトゲネス、サルモネラ・エンテリカ、ビブリオ・コレラエ、エンテロコッカス・フェカリス、エルシニア・ペスティス、バチルス・スブチリス、ストレプトコッカス・ピオゲネスおよびボレリア・バーグドルフェリから成る群から選択される1種以上の細菌による感染症である。さらに別の態様において、感染症は、スタフィロコッカス・アウレウス、スタフィロコッカス・エピデルミデス、エンテロコッカス・フェカリス、ストレプトコッカス・ニューモニエ、エシェリキア・コリ、シュードモナス・エルギノーサ、クレブシエラ・ニューモニエおよびヘモフィルス・インフルエンザエから成る群から選択される1種以上の細菌による感染症である。特定の態様において、感染症は、スタフィロコッカス・アウレウス、ストレプトコッカス・ニューモニエおよびストレプトコッカス・ピオゲネスから選択される1種以上の細菌による感染症である。さらなる態様において、感染症は、スタフィロコッカス・アウレウス感染症である。特定の態様において、感染症は、リボスイッチリガンドではない薬剤に耐性である感染症である。この特定の態様のさらなる面において、感染症は、ペニシリン、バンコマイシン、セファロスポリンおよびメチシリンから成る群から選択される1種以上の薬剤に耐性の感染症である。特定の態様において、感染症は、メチシリン耐性スタフィロコッカス・アウレウス(MRSA)感染症である。
【0058】
他の面において、用語“感染症”は真菌感染症を意味する。真菌感染症の例は、ミクロスポルム属、トリコフィトン属、エピデルモフィトン属、白癬(例えば、癜風、足白癬、体部白癬)、ヒストプラズマ・カプスラーツム、コクシジオイデス・イミチス、ブラストミセス・デルマティディス、カンジダ(例えば、カンジダ・アルビカンス)、アスペルギルス・フミガーツスおよびスポロトリックス・シェンキィよる真菌感染症を含むが、これらに限定されない。真菌感染症が原因である症状の例は、表在性、皮膚性、皮下または全身性真菌症のような真菌症、例えば、コクシジオイデス症、ヒストプラスマ症、ブラストミセス症、カンジダ症(例えば、酵母感染またはモニリア症)、スポロトリクム症および白癬(例えば、足白癬、いんきんたむし、頭皮白癬、爪白癬、体部白癬、髭白癬)を含むが、これらに限定されない。
【0059】
用語“細菌”または“細菌性”は、モラクセラ・カタラーリス、クレブシエラ・ニューモニエ、スタフィロコッカス・エピデルミデス、ストレプトコッカス・ビリダンス、エンテロコッカス・フェシウム、スタフィロコッカス・アウレウス、バシラス・アンスラシス、フランシセラ・ツラレンシス、ストレプトコッカス・ニューモニエ、シュードモナス・エルギノーサ、アシネトバクター・バウマンニ、ブルセラ・メリテンシス、エシェリキア・コリ、ヘモフィルス・インフルエンザエ、リステリア・モノサイトゲネス、サルモネラ・エンテリカ、ビブリオ・コレラエ、エンテロコッカス・フェカリス、エルシニア・ペスティス、バチルス・スブチリス、ストレプトコッカス・ピオゲネスおよびボレリア・バーグドルフェリを含むが、これらに限定されない。特定の態様において、用語“細菌”または“細菌性”は、スタフィロコッカス・アウレウス、スタフィロコッカス・エピデルミデス、バチルス・スブチリス、エンテロコッカス・フェカリス、ストレプトコッカス・ニューモニエ、ストレプトコッカス・ピオゲネス、エシェリキア・コリ、シュードモナス・エルギノーサ、クレブシエラ・ニューモニエ、ヘモフィルス・インフルエンザエ、アシネトバクター・バウマンニを含むが、これらに限定されない。さらに別の態様において、用語“細菌”または“細菌性”は、スタフィロコッカス・アウレウス、スタフィロコッカス・エピデルミデス、エンテロコッカス・フェカリス、ストレプトコッカス・ニューモニエ、エシェリキア・コリ、シュードモナス・エルギノーサ、クレブシエラ・ニューモニエおよびヘモフィルス・インフルエンザエを含むが、これらに限定されない。好ましい態様において、細菌は:スタフィロコッカス・アウレウス、ストレプトコッカス・ニューモニエおよびストレプトコッカス・ピオゲネスから選択される。
【0060】
他に特記しない限り、または文脈から明らかではない限り、ここで使用する以下の用語は、以下の意味を有する:
(i) ここで使用する“アルキル”は、例えば、1〜8炭素原子長の、飽和または不飽和炭化水素部分、好ましくは飽和炭化水素部分であり、それは直鎖でも分枝鎖でもよく(例えば、n−ブチルまたはtert−ブチル)、場合により任意の炭素原子を置換、例えば、アルキル(例えば、メチル)、アルコキシ、ハロゲン(例えば、クロロまたはフルオロ)、ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、ヒドロキシ、およびカルボキシで、例えば、モノ−、ジ−、またはトリ−置換されていてよい。例えば、“C−Cアルキル”は、1〜8個の炭素原子を有するアルキルを意味する。アルキルの例は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、n−ペンチル、n−ヘキシルおよびn−ヘプチルを含むが、これらに限定されない。
【0061】
本発明の化合物(例えば、式I、II、III、またはIVの化合物、例えば、1.1−1.44のいずれか、Q−IからQ−IV、例えば、2.1−2.7、または式VまたはVI、例えば、5.1または6.1)は、遊離または塩形態、例えば、酸付加塩として存在し得る。十分に塩基性である本発明の化合物の酸付加塩は、例えば、例えば、無機酸または有機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、マレイン酸、トルエンスルホン酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、臭化水素酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸などとの、酸付加塩である。加えて、十分に酸性である本発明の化合物の塩は、アルカリ金属塩、例えばナトリウム塩またはカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えばカルシウム塩またはマグネシウム塩、アンモニウム塩または生理学的に許容されるカチオンを提供する有機塩基との塩である。本明細書において、特にことわらない限り、本発明の化合物のような用語は、任意の形態、例えば遊離塩基または酸付加塩形態、または該化合物が酸性置換基を有するとき、遊離酸または塩基付加塩形態のかかる化合物を包含すると解釈すべきである。本発明の化合物は医薬としての使用が意図され、それ故に薬学的に許容される塩が好ましい。医薬使用に適さない塩は、例えば、本発明の遊離化合物またはその薬学的に許容される塩の単離または精製に有用である可能性があり、それ故にまた包含される。
【0062】
本発明の化合物は、ある場合またプロドラッグ形態としても存在し得る。用語“プロドラッグ”は、当分野において承認されている用語であり、投与前は医薬前駆体であるが、投与後、いくつかの化学的または生理学的過程を経て生体内で活性代謝物を産生または遊離する。例えば、本発明の化合物がカルボキシレート置換基またはホスホネート置換基を含むとき、これらの置換基をエステル化して、生理学的に加水分解可能かつ許容されるエステル(例えば、カルボン酸エステルまたはホスホン酸エステル、例えば、−C(O)OR、−P(O)(OR)(OR)を形成してよい。ここで使用する“生理学的に加水分解可能かつ許容されるエステル”は、生理学的条件下で加水分解可能であり、一方で酸、例えば、カルボン酸またはホスホン酸(カルボキシレートまたはホスホネート置換基を有する本発明の化合物の場合)およびHORを形成するか、または他方でそれ自体投与する投与量で生理学的に耐容性であるHORを形成する、本発明の化合物のエステルを意味する。同様に、アミン基を含む本発明の化合物の場合、かかるアミンのプロドラッグ、例えば、アミノ酸、カルバミン酸エステル、またはアミドプロドラッグも存在でき、該プロドラッグは、投与後インビボで開裂された活性アミン代謝物を遊離する。アミンプロドラッグのさらなる詳細は、Jeffrey P. Krise and Reza Oliyai, Biotechnology: Pharmaceutical Aspects, Prodrugs, Volume 5, Part 3, pages 801-831に見ることができ、その内容を、ここに引用してその全体を包含させる。当然であるが、該用語は、それ故に、医薬プロドラッグ形態を含む。
【0063】
本発明の化合物の製造方法
遊離または塩形態の式I、II、IIIまたはIV、Q−IからQ−IV、または式VまたはVIの化合物は、ここに記載し、かつ例示する方法を使用して、およびそれに準じる方法により、および化学分野で既知の方法により製造できる。かかる方法は、以下に記載するものを含むが、それらに限定されない。ここに記載する合成方法の記載において、溶媒、反応雰囲気、反応温度、実験時間および後処理方法の選択を含む全ての提案される反応条件は、当業者には容易に認識されるその反応について標準の条件となるように選択する。それ故、場合によって、反応を、上昇させた温度でまたはより長時間またはより短時間行う必要があり得る。有機合成の当業者は、分子の様々な場所に存在する官能性が、提案される反応材および反応と適合すべきであることを理解する。これらの方法の出発物質は、市販されていないならば、既知化合物の合成に類似するまたは準じる技術を使用する化学技術から選択される方法により製造し得る。本明細書に引用する全ての引用文献は、その全体を引用により本明細書に包含させる。
【0064】
本発明の化合物の合成方法を下に図説する。R基の意味は、特にことわらない限り式I、II、IIIまたはIV、または式Q−IからQ−IVについて上に示した通りである。
【化31】

【0065】
本発明の化合物を、例えば、2,4−ジアミノプテリジン−6−イル−メタノール(1)を、例えば、SOCl、PCl、PCl、POCl、PBr、PhP/Br、PhP/ClまたはHX(例えば、HCl、HBrまたはHI)と反応させることにより、2,4−ジアミノプテリジン−6−イル−メチルハライド2(例えば、6−(ブロモメチル)−プテリジン−2,4−ジアミン)へと反応させることにより製造し得る。次いで、該2,4−ジアミノプテリジン−6−イル−メチルハライド2をアニリン3と、場合により塩基、例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、トリエチルアミン、水素化ナトリウム、酸化バリウムなどの存在下でカップリングさせて、本発明の化合物4を得る。
【0066】
本発明の化合物の使用方法
本発明の化合物は、感染症、特にモラクセラ・カタラーリス、クレブシエラ・ニューモニエ、スタフィロコッカス・エピデルミデス、ストレプトコッカス・ビリダンス、エンテロコッカス・フェシウム、スタフィロコッカス・アウレウス、バシラス・アンスラシス、フランシセラ・ツラレンシス、ストレプトコッカス・ニューモニエ、シュードモナス・エルギノーサ、アシネトバクター・バウマンニ、ブルセラ・メリテンシス、エシェリキア・コリ、ヘモフィルス・インフルエンザエ、リステリア・モノサイトゲネス、サルモネラ・エンテリカ、ビブリオ・コレラエ、エンテロコッカス・フェカリス、エルシニア・ペスティス、バチルス・スブチリス、ストレプトコッカス・ピオゲネスおよびボレリア・バーグドルフェリを含むが、これらに限定されない細菌による感染症の処置に有用である。特定の態様において、本発明の化合物は、感染症、特にスタフィロコッカス・アウレウス、スタフィロコッカス・エピデルミデス、バチルス・スブチリス、エンテロコッカス・フェカリス、ストレプトコッカス・ニューモニエ、ストレプトコッカス・ピオゲネス、エシェリキア・コリ、シュードモナス・エルギノーサ、クレブシエラ・ニューモニエ、ヘモフィルス・インフルエンザエ、アシネトバクター・バウマンニを含むが、これらに限定されない細菌による感染症の処置に有用である。他の態様において、本発明の化合物は、感染症、特に以下の細菌の1種以上の感染症の処置に有用である:スタフィロコッカス・アウレウス、ストレプトコッカス・ニューモニエおよびストレプトコッカス・ピオゲネス。
【0067】
本発明は、それ故に、以下の状態:炭疽感染症、ブドウ球菌性皮膚剥脱症候群(ブドウ球菌感染症)、ライム病、肺炎、膿痂疹、せつ、蜂巣炎、毛包炎、せつ、癰、熱傷様皮膚症候群、化膿巣、髄膜炎、骨髄炎、心内膜炎、毒素ショック症候群(TSS)、敗血症、急性副鼻腔炎、中耳炎、敗血症性関節炎、心内膜炎、腹膜炎、心膜炎、蜂巣炎、脳膿瘍、野兎病、尿路感染、膿胸、食中毒、下痢および結膜炎のいずれか1種以上の処置方法であって;それを必要とするヒトまたは動物対象に有効量の遊離、薬学的に許容される塩またはプロドラッグ形態の式I、II、IIIまたはIVの化合物、例えば、1.1−1.44のいずれか、式Q−IからQ−IVの化合物、例えば、2.1−2.7のいずれか、または式VまたはVIの化合物、例えば、5.1または6.1を投与することを含む、方法を提供する。
【0068】
用語“処置”および“処置する”は、予防および疾患の症状の処置または改善ならびに疾患原因の処置を包含すると適宜解釈すべきである。
【0069】
ここで使用する用語“対象”は、ヒトまたは非ヒト(例えば、動物)および/または植物を包含する。
【0070】
本発明の実施に際して用いる投与量は、当然、例えば処置する特定の疾患または状態、使用する特定の本発明の化合物、投与方式、および望む処置によって変わる。治療的活性量の治療組成物の投与は、投与量および期間に関して、所望の結果を得るのに必要な有効量として定義する。例えば、TPPリボスイッチの少なくとも一部と反応する治療的有効量の本発明の化合物は、個体の疾患状態、年齢、性別および体重、および化合物の該個体で所望の応答を誘発させる能力のような因子により変わり得る。投与レジメンは、最適治療応答を提供するように調節し得る。例えば、数回の分割量を毎日投与してよく、または投与量を、治療状況の緊急性により示されるように比例して減少させてよい。
【0071】
本発明の化合物を含む医薬組成物は、慣用の希釈剤または賦形剤およびガレヌス分野で既知の技術を使用して、製造できる。例えば経口投与形態は錠剤、カプセル剤、溶液剤、懸濁液剤などを含む。ここで使用する用語“薬学的に許容される担体”は、食塩水および水性緩衝溶液のような希釈剤を含む。本発明の化合物は、皮下、静脈内のような注射、経口投与、吸入、経皮投与、膣内投与、局所投与、鼻腔内、舌下または直腸投与のような通常の方法で投与してよい。投与経路によって、活性化合物を、該化合物を不活化し得る酵素群、酸および他の天然条件から該化合物を保護するための物質で保護してよい。好ましい態様において、化合物を経口投与し得る。他の態様において、化合物を局所投与を介して投与する。
【0072】
ある態様において、本発明の化合物を単独で、例えば、他の薬剤、例えば、本発明の化合物の細胞への侵入または透過を助ける薬剤、例えば、抗菌カチオン性ペプチドと組み合わせて、同時にまたは一緒に、もしくはほぼ同時にまたはほぼ一緒に、または別々に、または混合して同時に投与してよい。抗菌カチオン性ペプチド類は、(1)ジスルフィド結合したβシートペプチド類;(2)両親媒性αらせんペプチド類;(3)伸長ペプチド類;または(4)ループ構造ペプチド類を含むペプチド類を含む。カチオン性ペプチドの例は、デフェンシン類、セクロピン類、メリチン類、マガイニン類、インドリシジン類、バクテネシンおよびプロテグリン類を含むが、これらに限定されない。抗菌カチオン性ペプチド類の他の例は、Friedrich et al., Antimicrob. Agents Chemother. (2000) 44(8):2086(その内容を、その全体を引用することにより本明細書に包含させる)に記載された、ヒト好中球デフェンシン−1(HNP−1)、血小板殺菌性タンパク質−1(tPMP)、DNAギラーゼまたはタンパク質合成の阻害剤CP26、CP29、CP11CN、CP10A、Bac2A−NHを含むが、これらに限定されない。抗細菌カチオン性ペプチド類のさらなる例は、ポリミキシン、例えば、ポリミキシンB、ポリミキシンEまたはポリミキシンノナペプチドを含むが、これらに限定されない。それ故、他の態様において、本発明の化合物をポリミキシン、例えば、ポリミキシンB、ポリミキシンEまたはポリミキシンノナペプチド、好ましくはポリミキシンBと組み合わせて投与してよい。
【実施例】
【0073】
最小阻害濃度:
実施例1:
MICアッセイを、100μLの最終体積で、96ウェル透明丸底プレートで、Clinical Laboratory Standards Institute(CLSI)により確立された方法に従い行う。簡単に言うと、100%DMSO(または他の適当な可溶化緩衝液)に懸濁させた試験化合物を、ある病原体について、適する一定量の培地に50μLの総量まで添加する。この溶液を、このアッセイに適する試験化合物の濃度範囲を得るために同じ培地の一連の試験管に連続的に2倍希釈する。試験化合物の培地中の各希釈物に、ある病原体に適する培地での一夜培養増殖からの50μlの細菌懸濁液を添加する。最終細菌接種は、約10−10CFU/ウェルである。18−24時間、37℃で増殖させた後、MICを、抗生物質非存在下の細菌増殖に関する対照と比較して、目視により検出して、生物の増殖を完全に阻害する抗菌剤の最低濃度として定める。シプロフロキサシンを、各スクリーニングアッセイにおいて抗生物質ポジティブコントロールとして使用する。American Type Culture Collection(ATCC, www.atcc.org)から入手可能な細菌培養の各々を、そのATCC番号により同定する。
【0074】
本実験は、本発明の化合物、例えば、1.33−1.43に示す化合物は、スタフィロコッカス・アウレウス、ストレプトコッカス・ニューモニエ、ストレプトコッカス・ピオゲネス、ヘモフィルス・インフルエンザエ、スタフィロコッカス・エピデルミデス、エンテロコッカス・フェカリス、およびエシェリキア・コリから選択される細菌の少なくとも1種に対して130μg/mL未満の最小阻害濃度(MIC)を有することを示す。
【0075】
リガンドのリボスイッチへの結合:
実施例2:
バチルス・スブチリスのtenAチアミン生合成オペロンの上流のTPPリボスイッチ受容体領域を、DNAプライマー5’−TAATACGACTCACTATAGGATTCGTTTAACCACTAGGG(T7 RNAポリメラーゼプロモーターおよび付加的G残基に下線)および3’−TTTATGGCGAGGTGAAGGを使用してPCR増幅する。T7 RNAポリメラーゼでの転写効率を改善するために、これらのプライマーを、2個のGヌクレオチドを天然RNA配列の5’末端に付加するように設計する。直列プロービングに使用するRNA構築物を、Seetharaman, S., Zivarts, M., Sudarsan, N., and Breaker, R.R., 2001 Nature Biotechnology 19, 336-341(その内容を、その全体を引用することにより本明細書に包含させる)に先に記載された方法に準じるプロトコールを使用して、T7 RNAポリメラーゼを使用してPCR増幅DNAからインビトロで転写し、ウシ腸アルカリホスファターゼで脱リン酸化し、そして5’−32P末端標識する。標識直列プロービング反応のために、微量の5’−32P標識RNAを、〜40時間、25℃で、種々の濃度のTPPまたは各実験で規定するある種の小分子化合物を含む10μLの直列プロービング緩衝液(50mM Tris−HCl[25℃でpH8.5]、20mM MgCl、および100mM KCl)とインキュベーションする。インキュベーション後、10μLの7M ウレアおよび1.5mM EDTAを含む溶液を各直列プロービング反応に添加し、その後の溶液を、変性10%ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)で分画する。ゲルを乾燥させ、Storm PhosphoImager(GE Healthcare)を使用して分析する。特異的部位で開裂されたRNAのフラクションを、リガンド濃度変化の関数としてプロットし、各化合物についてIC50値を概算する。
【0076】
本実験は、種々の本発明の化合物、例えば、1.37、1.38、1.43または5.1のいずれかに示す化合物が、20μM以下のIC50値でTPPリボスイッチに対する結合親和性を有することを示す。
【0077】
本発明の化合物の合成:
一般的方法。温度は摂氏度(℃)で示す;特にことわらない限り、操作は室温または環境温度、すなわち、18−25℃の範囲の温度で行う。クロマトグラフィーは、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーを意味する;薄層クロマトグラフィー(TLC)はシリカゲルプレートで行う。NMRデータは、主構造決定的プロトンのデルタ値であり、適切な溶媒に対する百万分率(ppm)として示す。シグナル形態の通常の略語を使用する。結合定数(J)は、示すとき、Hzである。質量スペクトル(MS)に関して、同位体分裂が複数質量スペクトルピークをもたらすとき、分子について最低質量主要イオンを記載する。溶媒混合物組成は、体積百分率または体積比で示す。NMRスペクトルが複雑である場合、特徴的シグナルのみを記載する。
【0078】
分析的HPLC分析の一般的方法:
方法A
分析的HPLCを、Luna Prep C18、100Å 5μm、4.6×100mmカラムを使用して行う。水性相は、0.1%TFAのUSP水溶液である。有機相は0.1%TFAのアセトニトリル溶液である。溶出プロファイルは次の通りである:95%水性(0〜0.5分);95%水性〜98%有機への勾配(0.5〜10.5分);98%有機(2分);98%有機〜95%水性への勾配(5.5分);95%水性(1分)。
【0079】
方法B
分析的HPLCを、Zorbax C18(15cm×2.1mm)カラムで、溶媒A:アセトニトリルと0.1%ギ酸、溶媒B:水と0.1%ギ酸、勾配15分間に5%A〜85%Aを用いて行う。
【0080】
方法C
分析的LCMSを、YMC Combiscreen ODS-AQ、5μm、4.6×50mmカラムを使用して行う。水性相は1%2mM NHOAcの90:10 IPA:HO、0.03%TFAのUSP水溶液である。有機相は1%2mM NHOAcの90:10 IPA:HO、0.03%TFAのアセトニトリル溶液である。溶出プロファイルは次の通りである:95%水性〜100%有機への勾配(0〜10分);100%有機(2分);100%有機〜95%水性への勾配(0.1分);95%水性(3分)。
【0081】
分取HPLCの一般的方法:
方法1
分取HPLCを、SunFireTM Prep C18 OBDTM 5μm、30×100mmカラムで行う。水性相は0.1%TFAのUSP水溶液である。有機相はアセトニトリルである。溶出プロファイルは次の通りである:100%水性(0〜3分);100%水性〜98%有機への勾配(3〜21分);98%有機(1分);98%有機〜95%水性への勾配(1分);95%水性(1分)。
【0082】
方法2
分取HPLCをPhenomenex C18(150×30mm)5μカラムを使用し、20分間にわたり5%アセトニトリル〜90%アセトニトリル、流速20mL/分で行う。
【0083】
用語および略語:
【表1】

【0084】
実施例3:
3−((2,4−ジアミノプテリジン−6−イル)メチルアミノ)安息香酸
【化32】

実施例3の反応スキーム:
【化33】

【0085】
工程1. (2,4−ジアミノプテリジン−6−イル)メタノールの製造
【化34】

テトラアミノピリミジンスルフェート(7.14g、30mmol)の水中の懸濁液に、塩化バリウム(7.32g、30mmol)を一度に添加する。混合物を100℃で10分間加熱し、RTに冷却する。固体硫酸バリウムを濾過により除去する。濾液を、メカニカルスターラーを備えた1リットル3首丸底フラスコ中の、ジヒドロキシアセトン(8g、90mmol)およびシステインヒドロクロライド一水和物(3.63g、30mmol)を含む450mLの4M水性酢酸ナトリウム溶液の溶液に添加し、24時間、RTで大気中で撹拌する。沈殿した黄色固体を濾過し、水、およびエタノールで洗浄し、一夜、加熱真空オーブンで乾燥させて、3.4g(66%)の生成物を得る。この生成物を次の方法によりさらに精製する。黄色固体を、数滴の濃HClにより、75℃で10%酢酸に溶解する。熱溶液を活性炭で処理し、濾過する。濾液を濃NHOHで中和する。明黄色固体を回収し、水、水−エタノールおよび最後にエタノールで洗浄し、一夜熱真空オーブンで乾燥させて、2.8gの表題化合物を得る(54%)。
【0086】
工程2. 3−((2,4−ジアミノプテリジン−6−イル)メチルアミノ)安息香酸の製造
【化35】

トリフェニルホスフェン(408mg、1.03mmol)の無水DMA(1mL)溶液に、臭素(0.08mL、1.03mmol)を0℃でN雰囲気下に滴下する。さらに5分間撹拌後、(2,4−ジアミノプテリジン−6−イル)メタノール(100mg、0.33mmol)を一度に添加し、反応混合物をRTで18時間撹拌する。酸化バリウム(100mg、0.65mmol)を、反応混合物に添加し、3−アミノ安息香酸(107mg、0.78mmol)をRTで添加する。反応混合物を56℃で加熱し、その温度で24時間撹拌し、RTに冷却する。混合物を塩化メチレン(5mL)で希釈し、得られた帯褐色沈殿を濾過する。固体を水およびメタノールで洗浄する。固体をメタノールに取り込み、2時間加熱還流する。RTに冷却後、固体を再び濾過し、一夜、加熱真空オーブンで乾燥させて、45mgの生成物(収率:26.9%)を帯褐色黄色固体として得る。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 4.6 (br s, 2H), 6.7 (s, 1H), 6.9-7.0 (d, 1H), 7.15-7.3 (m, 2H), 7.38 (br s, 2H), 8.6-8.7 (br s, 1H), 8.9 (s, 1H), 9.3-9.4 (m, 2H), 12.8 (br s, 1H); LC-MS m/z 312 (MH+)、保持時間11.48分、HPLC方法B。
【0087】
実施例4−9の化合物を、実施例3について記載した方法を使用して製造する。
実施例4:
2−((2,4−ジアミノプテリジン−6−イル)メチルアミノ)安息香酸
【化36】

表題化合物を、実施例3に準じる方法を使用して、2−アミノ安息香酸を3−アミノ安息香酸の代わりに使用して製造する。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 4.6 (s, 2H), 6.55-6.60 (m, 1H), 6.7-6.8 (m, 3H), 7.4-7.5 (m, 2H), 7.8 (d, 1H), 8.0 (br s, 1H), 8.7 (s, 1H), 8.9 (br s, 1H), 12.9 (br s, 1H), LC-MS m/z 312 (MH+)、保持時間13.17分、HPLC方法B。
【0088】
実施例5:
4−((2,4−ジアミノプテリジン−6−イル)メチルアミノ)−2−ヒドロキシ安息香酸
【化37】

表題化合物を、実施例3に準じる方法を使用して、4−アミノ−2−ヒドロキシ安息香酸を3−アミノ安息香酸の代わりに使用して製造する。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 4.6 (s, 2H), 6.1 (d, 1H), 6.3 (m, 1H), 7.2 (s, 1H), 7.5 (br s, 2H), 8.6 (br s, 1H), 8.9 (s, 1H), 9.4 (m, 2H), 11.5 (br s, 1H), 12.9-13.1 (br s, 1H). LC-MS m/z 328 (MH+)、保持時間11.42分、HPLC方法B。
【0089】
実施例6:
2−(4−((2,4−ジアミノプテリジン−6−イル)メチルアミノ)−フェニル)酢酸
【化38】

表題化合物を、実施例3に準じる方法を使用して、(4−アミノフェニル)酢酸を3−アミノ安息香酸の代わりに使用して製造する。1H NMR (500 MHz, MeOH-d4) δ 4.6 (s, 2H), 5.1 (s, 1H), 6.6-6.7 (m, 2H), 6.8 (m, 1H), 7.1-7.2 (m, 1H), 8.9 (s, 1H). LC-MS m/z 326 (MH+)。
【0090】
実施例7:
6−((4−(トリフルオロメチルスルホニル)フェニルアミノ)メチル)プテリジン−2,4−ジアミン
【化39】

表題化合物を、実施例3に準じる方法を使用し、かつBioorganic and Medicinal Chemistry Letters, 1995, 5(20), 2303-8(その内容を、その全体を引用することにより本明細書に包含させる)に記載された方法に従い製造する4−(トリフルオロメチルスルホニル)アニリンを使用して製造する。LC-MS m/z 400 (MH+)、保持時間15.45分、HPLC方法B。
【0091】
実施例8:
3−((2,4−ジアミノプテリジン−6−イル)メチルアミノ)ベンジルホスホン酸
【化40】

表題化合物を、実施例3に準じる方法を使用し、かつ下に記載する通りに製造するジエチル3−アミノベンジルホスホネートを使用して製造する。LC-MS m/z 362 (MH+)、保持時間2.21分、HPLC方法B。
【0092】
工程1. ジエチル3−ニトロベンジルホスホネートの製造
【化41】

3−ニトロ臭化ベンジル(2.16g、1mmol)および亜リン酸トリエチル(1.66g、1mmol)のDMF(10mL)中の混合物を、90℃で、16時間、窒素雰囲気下に加熱する。反応混合物をRTに冷却し、酢酸エチルで希釈する。有機層を水(2×)および塩水で洗浄する。乾燥(NaSO)後、溶媒を濃縮する。粗生成物(2.56g)(TLC、80%酢酸エチル/ヘキサン、Rf 0.35)をそのまま次工程に使用する。
【0093】
工程2. ジエチル3−アミノベンジルホスホネートの製造
【化42】

工程1の生成物(2.56g、9.4mmol)を10mLのエチルアルコールに溶解し、250mgの10%パラジウム/炭素触媒を含む丸底フラスコに入れる。混合物をHで通気し、RTで16時間、バルーンを使用するH雰囲気下に撹拌する。TLC分析による反応終了後、混合物をセライトパッドを通し、エタノールで洗浄する。濾液を濃縮する。純粋生成物(1.45g、64%)を50〜75%CHCNのCHCl溶液を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで単離する。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 6.9 - 7.0 (t, 1H), 6.7 (s, 1H), 6.4 - 6.5 (m, 2H), 5.3 - 5.6 (br, 2H), 3.9 (m, 4H), 3.4 (s, 2H), 1.2 (t, 6H)。
【0094】
実施例9:
4−((2,4−ジアミノプテリジン−6−イル)メチルアミノ)ベンゼンスルホン酸
【化43】

表題化合物を、実施例3に準じる方法を使用して、4−アミノベンゼンスルホン酸を3−アミノ安息香酸の代わりに使用して製造する。LC-MS m/z 348 (MH+)、保持時間14.71分、HPLC方法B。
【0095】
実施例10および11:
実施例10
2−アミノ−2−(4−((2,4−ジアミノプテリジン−6−イル)メチルアミノ)フェニル)酢酸
【化44】

1H NMR NMR (500 MHz, D2O) δ:4.7 (s, 1H), 5.0 (s, 2H), 6.88-6.9 (d, 1H), 7.15-7.20 (d, 1H), 8.7 (s, 1H). LC-MS m/z 341 (MH+)、保持時間2.51分、HPLC方法B。
【0096】
実施例11:
2−アミノ−2−(4−((2,4−ジアミノプテリジン−7−イル)メチルアミノ)フェニル)酢酸
【化45】

LC-MS m/z 341 (MH+)、保持時間2.51分、HPLC方法B。
【0097】
表題化合物を、実施例3に準じる方法を使用して、かつrac−2−(4−アミノフェニル)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)酢酸を使用して製造する。最終後処理において、tert−ブトキシカルボニル基を、トリフルオロ酢酸の塩化メチレン溶液(50/50容量)を使用して除去する。脱保護反応からの粗反応混合物を分取HPLC(方法2)により除去する。主成分(rt=3.79分)が2−アミノ−2−(4−((2,4−ジアミノプテリジン−6−イル)メチルアミノ)フェニル)酢酸であり、微量成分が2−アミノ−2−(4−((2,4−ジアミノプテリジン−7−イル)メチルアミノ)フェニル)酢酸(rt=4.69分)である。
【0098】
実施例12:(方法B)
4−(N−((2,4−ジアミノプテリジン−6−イル)メチル)−N−メチルアミノ)安息香酸
【化46】

市販の6−(ブロモメチル)プテリジン−2,4−ジアミンヒドロクロライド(50mg、0.154mmol)のDMA(2mL)懸濁液に、3−(N−メチルアミノ)安息香酸(3当量)および炭酸カリウム(41mg、0.29mmol、2当量)を一度に添加する。混合物を70℃で一夜加熱し、RTに冷却する。反応混合物をジクロロメタンで希釈する。沈殿した固体を濾過し、水および熱メタノールで洗浄して、所望の生成物を褐色固体として得る(31%)。1H NMR (500 MHz, MeOH-d4+数滴のTFA-d) δ 3.2 (s, 3H), 5.4 (s, 2H), 6.7 (d, 1H), 6.9 (d, 1H), 7.1-7.3 (m, 2H), 8.6 (s, 1H); LC-MS m/z 326 (MH+)、保持時間6.88分、HPLC方法B。
【0099】
実施例13−20の化合物を、実施例12について記載した方法を使用して製造する。
実施例13:
ジエチル4−((2,4−ジアミノプテリジン−6−イル)メチルアミノ)フェニルホスホネート
【化47】

表題化合物を、実施例12に準じる方法を使用して、ジエチル4−アミノベンジルホスホネートを3−(N−メチルアミノ)安息香酸の代わりに使用して製造する。1H NMR (500 MHz, MeOH-d4) δ 1.7 (m, 6H), 4.0-4.2 (m, 4H), 4.6 (s, 2H), 6.8 (m, 2H), 7.5 (m, 2H), 8.75 (s, 1H)。
【0100】
実施例14:6−((3−アミノフェニルアミノ)メチル)プテリジン−2,4−ジアミン
【化48】

表題化合物を、実施例12に準じる方法を使用して、1,3−ベンゼンジアミンを3−(N−メチルアミノ)安息香酸の代わりに使用して製造する。LC-MS m/z 282 (MH+)、保持時間3.89分、HPLC方法B。
【0101】
実施例15:
3−((2,4−ジアミノプテリジン−6−イル)メチルアミノ)−N−(メチルスルホニル)ベンズアミドジアミン
【化49】

表題化合物を、実施例3に準じる方法を使用し、かつBioorganic and Medicinal Chemistry Letters, 1995, 5(20), 2303-8(その内容を、その全体を引用することにより本明細書に包含させる)に記載された方法に従い製造する3−アミノ−N−(メチルスルホニル)ベンズアミドを使用して製造する。LC-MS m/z 389.5 (MH+)、保持時間3.15分、HPLC方法B。
【0102】
実施例16:
3−(4−((2,4−ジアミノプテリジン−6−イル)メチルアミノ)フェニル)−2−ヒドロキシアクリル酸
【化50】

表題化合物を、実施例3に準じる方法を使用し、かつSynthesis, 1992, 793-797(その内容を、その全体を引用することにより本明細書に包含させる)に記載された方法に従い製造する3−(4−アミノフェニル)−2−オキソプロパン酸を使用して製造する。LC-MS m/z 354 (MH+)、保持時間2.31分、HPLC方法B。
【0103】
実施例17:
メチル−4−((2,4−ジアミノプテリジン−6−イル)メチルアミノ)−2−((メトキシカルボニル)メトキシ)−ベンゾエート
【化51】

表題化合物を、実施例12に準じる方法を使用して、メチル4−アミノ−2−(2−メトキシ−2−オキソエトキシ)ベンゾエートを3−(N−メチルアミノ)安息香酸の代わりに使用して製造する。LC-MS m/z 414 (MH+)、保持時間8.07分、HPLC方法B。
【0104】
実施例18:
4−((2,4−ジアミノプテリジン−6−イル)メチルアミノ)−2−(カルボキシメトキシ)安息香酸
【化52】

表題化合物を、実施例12に準じる方法を使用して、4−アミノ−2−(カルボキシメトキシ)安息香酸を3−(N−メチルアミノ)安息香酸の代わりに使用して製造する。1H NMR (500 MHz, MeOH-d4) δ 4.1 (s, 2H), 6.2-6.3 (m, 1H), 6.9 (s, 1H), 7.5 (d, 1H), 8.5 (s, 1H)。
【0105】
実施例19:
4−((2,4−ジアミノプテリジン−6−イル)メチルアミノ)フェニルホスホン酸
【化53】

表題化合物を、実施例3に準じる方法を使用し、かつJournal of Medicinal Chemistry, 2001, 44, 340-349(その内容を、その全体を引用することにより本明細書に包含させる)に記載された方法に従い製造する4−アミノフェニルホスホン酸を使用して製造する。LC-MS m/z 348 (MH+)、保持時間2.48分、HPLC方法B。
【0106】
実施例20:
3−((2,4−ジアミノプテリジン−6−イル)メチルアミノ)フェニルホスホン酸
【化54】

表題化合物を、実施例3に準じる方法を使用し、かつ3−アミノフェニルホスホン酸を使用して製造する。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6 + TFA数滴) δ 4.55 (s, 2H), 6.7-6.75 (m, 1H), 6.8-6.85 (m, 1H), 7.1-7.2 (m, 2H), 8.7 (s, 1H)。
【0107】
実施例21:
4−((2,4−ジアミノプテリジン−6−イル)メチルアミノ)ベンジルホスホン酸
【化55】

実施例21の反応スキーム
【化56】

【0108】
工程1 6−(ブロモメチル)プテリジン−2,4−ジアミンの製造
【化57】

6−(ブロモメチル)プテリジン−2,4−ジアミンを、(2,4−ジアミノプテリジン−6−イル)メタノール[工程1、実施例3]から出発して、J. Med. Chem., 1968, 11, 1238-1241に記載された方法に従い製造する。粗6−(ブロモメチル)プテリジン−2,4−ジアミンを次工程に使用する。
【0109】
工程2 ジエチル4−((2,4−ジアミノプテリジン−6−イル)メチルアミノ)ベンジルホスホネートの製造
【化58】

粗6−(ブロモメチル)−2,4−プテリジンジアミン(60mg、0.235mmol)、ジエチル4−アミノベンジルホスホネート(0.302g、1.24mmol)、およびKCO(428mg、3.1mmol)をDMF(1mL)、CHCN(3mL)混合物に溶解し、70℃で一夜(15時間)加熱する。粗反応混合物を濾過し、MeOH(30mL)で洗浄する。濾液を回転蒸発により濃縮し、最少量のMeOH(5mL)に溶解し、方法1を使用する分取HPLCによる精製のために再びシリンジフィルター(0.45μm)で濾過する。所望のフラクションを合わせ、濃縮して、10mgのジエチル4−((2,4−ジアミノプテリジン−6−イル)メチルアミノ)ベンジルホスホネート(収率;10%)を得る。生成物をさらに精製せずに次工程に使用する。LC-MS m/z 418.1 [M+H]+、保持時間2.29分、HPLC方法C。
【0110】
工程3 4−((2,4−ジアミノプテリジン−6−イル)メチルアミノ)ベンジルホスホン酸の製造
【化59】

工程3のジエチル4−((2,4−ジアミノプテリジン−6−イル)メチルアミノ)ベンジルホスホネート(10mg、0.024mmol)をDCM(1.5mL)に溶解し、CHCN(0.5mL)およびTMSBr(0.5mL、3.8mmol)をこの混合物にRTで滴下し、25時間撹拌する。LCMSによりモノホスホネートがホスホン酸粗反応混合物に存在することが示され、さらにTMSBr(0.5mL、3.8mmol)を添加し、28時間撹拌する。微量のモノエステルがなお存在するが、しかし、反応混合物を濃縮し、残留物をMeOH(1mL)に溶解し、濃HCl(0.2mL)を添加し、混合物を30分間撹拌する。溶媒を蒸発させ、粗酸を最少量の熱MeOH(0.5mL)に溶解する。EtOAcを生成物が沈殿するまで滴下する。生成物を濾過し、EtOAc(2mL)で洗浄して、6.7mgの{4−[(2,4−ジアミノ−プテリジン−6−イルメチル)−アミノ]−ベンジル}−ホスホン酸(収率:77%)を得る。1H NMR (400 MHz, MeOH-d4) δ 3.37 (s, 2H), 5.01 (s, 2H), 7.51 (m, 4H), 8.92 (s, 1H); LC-MS m/z 362.2 [MH+]、保持時間0.92分、HPLC方法C。
【0111】
実施例22:
2−(4−((2,4−ジアミノプテリジン−6−イル)メチルアミノ)フェニル)酢酸
【化60】

実施例22の反応スキーム
【化61】

【0112】
工程1 tert−ブチル2−(4−((2,4−ジアミノプテリジン−6−イル)メチルアミノ)フェニル)アセテートの製造
【化62】

粗6−(ブロモメチル)−2,4−プテリジンジアミン(工程1、実施例19)(80mg、0.392mmol)、tert−ブチル2−(4−アミノフェニル)アセテート(228mg、1.12mmol)、およびKCO(542mg、3.9mmol)をDMF(1mL)、CHCN(3mL)混合物に溶解し、70℃で一夜(15時間)加熱する。粗反応混合物を濾過し、MeOH(30mL)で洗浄する。濾液を回転蒸発により濃縮し、最少量のMeOH(5mL)に溶解し、方法1を使用する分取HPLCによる精製のために再びシリンジフィルター(0.45μm)で濾過する。所望のフラクションを合わせ、濃縮して、15mgのtert−ブチル2−(4−((2,4−ジアミノプテリジン−6−イル)メチルアミノ)フェニル)アセテート(収率;10%)を得る。
【0113】
工程2 2−(4−((2,4−ジアミノプテリジン−6−イル)メチルアミノ)フェニル)酢酸の製造
【化63】

工程1のtert−ブチル2−(4−((2,4−ジアミノプテリジン−6−イル)メチルアミノ)フェニル)アセテート(15mg、0.039mmol)をDCM(1mL)およびトリフルオロ酢酸(1.0mL)に溶解し、反応混合物をRTで1.5時間撹拌する。反応混合物を濃縮して、11.1mgの2−(4−((2,4−ジアミノプテリジン−6−イル)メチルアミノ)フェニル)酢酸(収率:87%)を得る。1H NMR (400 MHz, MeOH-d4) δ 3.69 (s, 2H), 4.91 (s, 2H), 7.35 (m, 4H), 8.67(s, 1H); LC-MS m/z 323.9 (M-H)、保持時間1.38分、HPLC方法C。
【0114】
実施例23
メチル2−(4−(6−((4−アミノ−2−メチルピリミジン−5−イル)メチルアミノ)ピリミジン−4−イルオキシ)フェニル)アセテート
【化64】

実施例21の反応スキーム
【化65】

【0115】
工程1 メチル2−(4−(6−クロロピリミジン−4−イルオキシ)フェニル)アセテートの製造
【化66】

4,6−ジクロロピリミジン(149mg、1.0mmol)、4−ヒドロキシ安息香酸メチル(166mg、1.0mmol)、および炭酸カリウム(690mg、5.0mmol)のアセトニトリル(6mL)懸濁液を60℃で24時間撹拌する。反応混合物を次工程に後処理または精製を何もせずに使用する。LC-MS m/z 278.9 [M+H]+、保持時間4.06分、HPLC方法C。
【0116】
工程2 メチル2−(4−(6−((4−アミノ−2−メチルピリミジン−5−イル)メチルアミノ)ピリミジン−4−イルオキシ)フェニル)アセテートの製造
【化67】

工程1の粗反応混合物に、5−(アミノメチル)−2−メチルピリミジン−4−アミンジヒドロクロライド(211mg、1.0mmol)のアセトニトリル(2mL)溶液を添加する。反応混合物を95℃で24時間加熱還流する。反応混合物をRTに冷却し、揮発物を減圧下除去する。得られた残留物を分取HPLC(方法1)により精製する。メチル2−(4−(6−((4−アミノ−2−メチルピリミジン−5−イル)メチルアミノ)ピリミジン−4−lオキシ)フェニル)アセテート(37mg)を単離する(収率:2工程で9.7%)。1H NMR (400 MHz, D2O-d6) δ:2.50 (s, 3H), 3.68 (s, 3H), 3.77 (s, 2H), 4.46 (s, 2H), 5.87 (s, 1H), 7.19 (d, 2H), 7.39 (d, 2H), 7.93 (s, 1H), 8.46 (s, 1H); LC-MS m/z 381.3 [M+H]+、保持時間4.02分、HPLC方法C。
【0117】
実施例24:
2−(4−(6−((4−アミノ−2−メチルピリミジン−5−イル)メチルアミノ)ピリミジン−4−イルオキシ)フェニル)酢酸
【化68】

撹拌しているメチル2−(4−(6−((4−アミノ−2−メチルピリミジン−5−イル)メチルアミノ)ピリミジン−4−イルオキシ)フェニル)アセテート(31mg、0.08mmol)のTHF(2mL)/水(1mL)溶液に、水酸化リチウム(33mg、0.8mmol)を添加する。反応混合物を一夜、70℃で撹拌する。反応混合物を希HClで中和し、濃縮して揮発物を除去する。得られた残留物を分取HPLC(方法1)により精製する。2−(4−(6−((4−アミノ−2−メチルピリミジン−5−イル)メチルアミノ)ピリミジン−4−イルオキシ)フェニル)酢酸を蒸発により単離する(19.4mg、収率:65.0%)。1H NMR (400 MHz, D2O-d6) δ:2.52 (s, 3H), 3.77 (s, 2H), 4.70 (s, 2H), 5.86 (s, 1H), 7.17 (d, 2H), 7.39 (d, 2H), 7.91 (s, 1H), 8.33 (s, 1H); LC-MS m/z 367.3 [M+H]、保持時間1.60分、HPLC方法C。
【0118】
実施例25:
ジエチル2−(4−((4−アミノ−2−メチルピリミジン−5−イル)メチルアミノ)−4−オキソブタンアミド)エチルホスホネート
【化69】

実施例25の反応スキーム
【化70】

【0119】
工程1 4−((4−アミノ−2−メチルピリミジン−5−イル)メチルアミノ)−4−オキソブタン酸の製造
【化71】

5−(アミノメチル)−2−メチルピリミジン−4−アミン(690mg、5.0mmol)およびコハク酸無水物(500mg、5.0mmol)のピリジン(15ml)懸濁液をRTで一夜撹拌する。反応混合物を濃縮して、ピリジンを除去する。4−((4−アミノ−2−メチルピリミジン−5−イル)メチルアミノ)−4−オキソブタン酸を、高真空ポンプを使用してピリジンを除去した後に白色固体として得る(1.1g、収率:100%)。
【0120】
工程2 ジエチル2−(4−((4−アミノ−2−メチルピリミジン−5−イル)メチルアミノ)−4−オキソブタンアミド)エチルホスホネートの製造
【化72】

撹拌している工程1の4−((4−アミノ−2−メチルピリミジン−5−イル)メチルアミノ)−4−オキソブタン酸(100mg、0.42mmol)のDMF(5mL)懸濁液に、DCC(94mg、0.46mmol)を添加する。反応混合物をRTで20分間撹拌する。ジエチル2−アミノエチルホスホネート(69mg、0.38mmol)を添加し、反応混合物をRTで24時間撹拌する。反応を水(1mL)の添加によりクエンチし、反応混合物を濃縮する。粗残留物を、溶離剤としてMeOH:DCM:NHOH(13:85:2)を使用する分取TLCで精製して、21mgの所望の生成物(収率:12.5%)を得る。1H NMR (400 MHz, MeOH-d4) δ:1.35 (m, 6H), 2.06 (m, 2H), 2.52 (s, 3H), 2.54 (s, 4H), 3.43 (m, 2H), 4.12 (m, 4H), 4.24 (s, 2H), 8.06 (s, 1H); LC-MS m/z 402.3 [M+H]、保持時間4.04分、HPLC方法A。
【0121】
実施例26:
(((2−(4−(((4−アミノ−2−メチルピリミジン−5−イル)メチル)アミノ)−4−オキソブタンアミド)エチル)ホスホリル)ビス(オキシ))ビス(メチレン)ビス(2,2−ジメチルプロパノエート)
【化73】

実施例26の反応スキーム
【化74】

【0122】
撹拌している4−((4−アミノ−2−メチルピリミジン−5−イル)メチルアミノ)−4−オキソブタン酸(90mg、0.38mmol)のDMF(5mL)溶液に、DIPEA(97mg、0.75mmol)、続いてHBTU(161mg、0.43mmol)を添加する。反応混合物をRTで30分間撹拌後、((2−アミノエチル)ホスホリル)ビス(オキシ)ビス(メチレン)ビス(2,2−ジメチルプロパノエート)ヒドロクロライド(107mg、0.30mmol)を添加し、反応混合物をRTで24時間撹拌する。反応を水(1mL)の添加によりクエンチし、反応混合物を濃縮する。粗残留物を水(10mL)に再懸濁し、EtOAc(3×20mL)で抽出する。有機相を合わせ、NaSOで乾燥させ、濾過する。濾液を濃縮して、粗油状物を得て、それを溶離剤としてEtOAc:DCM(3:7)を使用する分取TLCで精製して、13.3mgの所望の生成物(収率:6.1%)を得る。1H NMR (400 MHz, MeOH-d4) δ:1.25 (s, 18H), 2.17 (m, 2H), 2.40 (s, 3H), 2.51 (s, 4H), 3.42 (m, 2H), 4.22 (s, 2H), 5.70 (m, 4H), 7.94 (s, 1H); LC-MS m/z 574.3 [M+H]、保持時間6.34分、HPLC方法A。
【0123】
実施例27:
メチル4−(((2,4−ジアミノプテリジン−6−イル)メチル)(メチル)アミノ)−2−(2−メトキシ−2−オキソエトキシ)ベンゾエート
【化75】

実施例27の反応スキーム:
【化76】

【0124】
メチル4−(((2,4−ジアミノプテリジン−6−イル)メチル)アミノ)−2−(2−メトキシ−2−オキソエトキシ)ベンゾエート(実施例17で製造、116mg、0.28mmol)、ホルムアルデヒド(9.66mg、46.8mmol)、およびナトリウムシアノボロハイドライド(72mg、1.1mmol)のCHCN(50mL)懸濁液に、濃HClを室温で溶液がpH=2になるまで添加する。2時間後、反応混合物を濃縮し、残留物質をDMSOに溶解し、分取HPLC(方法2)で精製する。合わせた純粋フラクションの凍結乾燥により、所望の生成物(15mg、12%)を黄色固体として得る。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 3.24 (s, 3H), 3.64 (s, 3H), 3.69 (s, 3H), 4.82 (s, 2H), 4.86 (s, 2H), 6.20 (s, 1H), 6.48 (d, 1H), 7.50 (br s, 1H), 7.62 (d, 1H), 8.50 (br s, 1H), 8.71 (s, 1H), 8.91 (br s, 1H), 9.19 (br s, 1H); LC-MS m/z 428.0 [M+H]+、保持時間3.88分。
【0125】
実施例28:
3−(((2,4−ジアミノプテリジン−6−イル)メチル)(メチル)アミノ)ベンズアミド
【化77】

実施例28の反応スキーム:
【化78】

【0126】
3−(((2,4−ジアミノプテリジン−6−イル)メチル)(メチル)アミノ)安息香酸(実施例12で製造、30mg、0.092mmol)、およびN,N’−カルボニルジイミダゾール(22mg、0.135mmol)のDMA(2mL)中の混合物を、室温で1時間撹拌する。アンモニア(メタノール中2N、1mL)を添加し、得られた溶液を室温で15時間撹拌する。EtOAcをゆっくり添加して、沈殿を誘発させる。生成物を濾過により回収し、凍結乾燥して、所望の生成物(8mg、27%)を黄色固体として得る。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 3.11 (s, 3H), 4.73 (s, 2H), 6.60 (br s, 2H), 6.92 (d, 1H), 7.14 (d, 1H), 7.21 (dd, 1H), 7.26 (s, 1H), 7.39 (s, 1H), 7.44 (br s, 1H), 7.66 (s, 1H), 7.89 (s, 1H), 8.57 (s, 1H). LC-MS m/z 325.0 [M+H]+、保持時間3.26分。
【0127】
実施例29:
3−(3−(((2,4−ジアミノキナゾリン−7−イル)メチル)(メチル)アミノ)フェニル)プロパン酸
【化79】

実施例29の反応スキーム:
【化80】

【0128】
工程1 3−(3−(メチルアミノ)フェニル)プロパン酸の製造
【化81】

3−(3−アミノフェニル)プロパン酸(市販品、206mg、1.2mmol)、NaY Zeolite(400mg)、ジメトキシエタン(2mL)および炭酸ジメチル(8mL)の混合物を、圧力管中、110℃で4日間加熱する。反応混合物をセライトパッドを通して濾過し、濾液を減圧下濃縮乾固する。生成物を次工程にさらに精製せずに使用する。
【0129】
工程2 3−(3−(((2,4−ジアミノキナゾリン−7−イル)メチル)(メチル)アミノ)フェニル)プロパン酸の製造
【化82】

表題化合物を、実施例3に準じる方法を使用して、3−(3−(メチルアミノ)フェニル)プロパン酸を3−アミノ安息香酸の代わりに使用して製造する。残留物質をDMSOに溶解し、分取HPLC(方法2)で精製する。合わせた純粋フラクションの凍結乾燥により、所望の生成物を赤色ガム状固体として得る。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 2.47 (t, 2H), 2.73 (t, 2H), 3.13 (s, 3H), 4.77 (s, 2H), 6.53 (d, 1H), 6.62 (d, 1H), 6.68 (s, 1H), 7.06 (dd, 1H), 7.54 (br s, 1H), 8.63 (br s, 1H), 8.68 (s, 1H), 9.14 (s, 1H), 9.28 (s, 1H). LC-MS m/z 354.1 [M+H]+、保持時間3.59分。
【0130】
実施例30:
2−(3−(((2,4−ジアミノキナゾリン−7−イル)メチル)(メチル)アミノ)フェノキシ)酢酸
【化83】

実施例30の反応スキーム:
【化84】

【0131】
表題化合物を、実施例29に準じる方法を使用し、2−(3−アミノフェノキシ)酢酸(Cambridgeから購入)を3−(3−アミノフェニル)プロパン酸の代わりに使用して製造する。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) 3.14 (s, 3H), 4.58 (s, 2H), 4.77 (s, 2H), 6.20 (d, 1H), 6.27 (s, 1H), 6.41 (d, 1H), 7.06 (dd, 1H), 7.62 (br s, 1H), 8.58 (br s, 1H), 8.66 (s, 1H), 9.09 (s, 1H), 9.26 (s, 1H). LC-MS m/z 356.0 [M+H]+、保持時間3.45分。
【0132】
実施例31:
2−(3−(((2,4−ジアミノプテリジン−6−イル)メチル)(メチル)アミノ)フェノキシ)アセトアミド
【化85】

実施例31の反応スキーム:
【化86】

【0133】
工程1 2−(3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)フェノキシ)酢酸の製造
【化87】

2−(3−アミノフェノキシ)酢酸(145mg、0.86mmol)、ジ−tert−ブチルジカーボネート(302mg、1.38mmol)、NaOH(1N、1mL)のジオキサン中の混合物を、室温で16時間撹拌する。反応混合物を濃縮し、残留物質を1N HCl(3mL)で酸性にし、EtOAcで抽出する。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下濃縮して、生成物(212mg、91%)を灰白色固体として得る。この化合物をさらに精製せずにそのまま使用する。
【0134】
工程2 メチル2−(3−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)フェノキシ)アセテートの製造
【化88】

2−(3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)フェノキシ)酢酸(212mg、0.79mmol)のDMF(4mL)溶液に、NaH(70mg、1.74mmol)を室温で添加し、20分間撹拌する。この混合物に、ヨウ化メチル(338mg、2.38mmol)を添加し、混合物をさらに15時間撹拌する。反応をHO(10mL)でクエンチし、EtOAcで抽出する。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下濃縮して、生成物(221mg、94%)を得る。この化合物をさらに精製せずに使用する。
【0135】
工程3 2−(3−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)フェノキシ)酢酸の製造
【化89】

メチル2−(3−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)フェノキシ)アセテート(221mg、0.75mmol)およびLiOH(90mg、3.75mmol)のTHF(5mL)およびHO(5mL)中の混合物を、室温で16時間撹拌する。反応混合物を濃縮し、残留物質を1N HCl(3mL)で酸性にし、EtOAcで抽出する。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下濃縮して、生成物(210mg、定量的)を得る。この化合物をさらに精製せずに使用する。
【0136】
工程4 tert−ブチル(3−(2−アミノ−2−オキソエトキシ)フェニル)(メチル)カルバメートの製造
【化90】

2−(3−((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)フェノキシ)酢酸(210mg、0.75mmol)、およびN,N’−カルボニルジイミダゾール(240mg、1.48mmol)のTHF(15mL)中の混合物を、室温で1時間撹拌する。アンモニア(メタノール中7N、2mL)を添加し、得られた溶液を室温で10分間撹拌する。反応混合物を濃縮し、HOを添加し、混合物をEtOAcで抽出する。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下濃縮する。残留物を、溶離剤として0〜100%EtOAcのヘキサン溶液の勾配を使用するBIOTAGEフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製する。所望の生成物を単離する(145mg)。LC-MS m/z 280.7 [M+H]+、保持時間4.82分。
【0137】
工程5 2−(3−(メチルアミノ)フェノキシ)アセトアミドの製造
【化91】

Tert−ブチル(3−(2−アミノ−2−オキソエトキシ)フェニル)(メチル)カルバメート(145mg、0.51mmol)を、TFA(2mL)およびDCM(2mL)中、30分間、室温で撹拌する。反応混合物を濃縮し、さらに精製せずに使用する。
【0138】
工程6 2−(3−(((2,4−ジアミノプテリジン−6−イル)メチル)(メチル)アミノ)フェノキシ)アセトアミドの製造
【化92】

表題化合物を、実施例3に準じる方法を使用して、2−(3−(メチルアミノ)フェノキシ)アセトアミドを3−アミノ安息香酸の代わりに使用して製造する。残留物質をDMSOに溶解し、分取HPLC(方法2)で精製する。合わせた純粋フラクションの凍結乾燥により、所望の生成物を黄色固体として得る(11mg)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) 3.14 (s, 3H), 4.39 (s, 2H), 4.77 (s, 2H), 6.26 (d, 1H), 6.37 (s, 1H), 6.41 (d, 1H), 7.07 (dd, 1H), 7.35 (br s, 1H), 7.45 (br s, 1H), 7.57 (br s, 1H), 8.58 (br s, 1H), 8.68 (s, 1H), 9.11 (s, 1H), 9.27 (s, 1H). LC-MS m/z 354.9 [M+H]+、保持時間3.46分。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊離、塩またはプロドラッグ形態の式Q−I:
【化1】

〔式中、
(i) R、RおよびRは以下の通りである:
(a) R、RおよびRは独立してH、−SOCF、−SOH、−NH、−C(O)N(R)SOH、−CHC(O)COOR、−OH、−C1−4アルキル−COOR(例えば、−CHCOOR)、−P(O)(OR)、−C1−4アルキル−P(O)(OR)(例えば、−CHP(O)(OR))、−OCHCOOR;−C(O)N(R)S(O)、−C(H)=C(OH)C(O)OR、−C(O)N(R)(R)、−OCHC(O)N(R)(R)または−C(H)(NH)COORであるか;
(b) RおよびRは独立してCOORであるか;または
(c) RおよびRは独立して−OHまたは−OCHCOORであり、そしてRは−COORであり;
(ii) RはHまたはC1−4アルキル(例えば、メチル)であり;
(iii) RはHまたはC1−4アルキル(例えば、エチル)であり;;
(iv) RはHまたはC1−4アルキルであり;
(v) RはC1−4アルキル(例えば、メチル)であり;
(vi) RおよびRは独立してHまたはC1−4アルキルである。〕
の化合物。
【請求項2】
遊離、塩またはプロドラッグ形態の式Q−II:
【化2】

〔式中、
(i) R、RおよびRは以下の通りである:
(a) R、RおよびRは独立してH、−SOCF、−SOH、−NH、−C(O)N(R)SOH、−CHC(O)COOR、−OH、−C1−4アルキル−COOR(例えば、−CHCOOR)、−P(O)(OR)、−C1−4アルキル−P(O)(OR)(例えば、−CHP(O)(OR))、−OCHCOOR;−C(O)N(R)S(O)、−C(H)=C(OH)C(O)OR、−C(O)N(R)(R)、−OCHC(O)N(R)(R)または−C(H)(NH)COORであるか、または
(b) RおよびRは独立して−OHまたは−OCHCOORであり、そしてRは−COORであり;
(ii) RはHまたはC1−4アルキル(例えば、メチル)であり;
(iii) RはHまたはC1−4アルキル(例えば、エチル)であり;;
(iv) RはHまたはC1−4アルキルであり;
(v) RはC1−4アルキル(例えば、メチル)であり、
(vi) RおよびRは独立してHまたはC1−4アルキルである。〕
の化合物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
遊離、塩またはプロドラッグ形態の式Q−III:
【化3】

〔式中、
(i) R、RおよびRは独立してH、−SOCF、−SOH、−NH、−C(O)N(R)SOH、−CHC(O)COOR、−OH、−C1−4アルキル−COOR(例えば、−CHCOOR)、−P(O)(OR)、−C1−4アルキル−P(O)(OR)(例えば、−CHP(O)(OR))、−OCHCOOR;−C(O)N(R)S(O)、−C(H)=C(OH)C(O)OR、−C(O)N(R)(R)、−OCHC(O)N(R)(R)または−C(H)(NH)COORであり;
(ii) RはHまたはC1−4アルキル(例えば、メチル)であり;
(iii) RはHまたはC1−4アルキル(例えば、エチル)であり;;
(iv) RはHまたはC1−4アルキルであり;
(v) RはC1−4アルキル(例えば、メチル)であり;
(vi) RおよびRは独立してHまたはC1−4アルキルである。〕
の化合物である、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
遊離、塩またはプロドラッグ形態の式Q−IV:
【化4】

〔式中、
(i) R、RおよびRは独立してH、−SOCF、−SOH、−NH、−C(O)N(R)SOH、−CHC(O)COOR、−OH、−C1−4アルキル−COOR(例えば、−CHCOOR)、−P(O)(OR)、−C1−4アルキル−P(O)(OR)(例えば、−CHP(O)(OR))、−OCHCOOR;−C(O)N(R)S(O)、−C(H)=C(OH)C(O)OR、−C(H)(NH)COOR、−COOR、C(O)N(R)(R)または−OCHC(O)N(R)(R)であり;
(ii) RはHまたはC1−4アルキル(例えば、メチル)であり;
(iii) RはHまたはC1−4アルキル(例えば、エチル)であり;;
(iv) RはHまたはC1−4アルキルであり;
(v) RはC1−4アルキル(例えば、メチル)であり;
(vi) RおよびRは独立してHまたはC1−4アルキルである。〕
の化合物。
【請求項5】
遊離、塩またはプロドラッグ形態の次のものから成る群から選択される、請求項1〜4のいずれかに記載の化合物:
【化5】

【化6】

【化7】

【請求項6】
遊離、塩またはプロドラッグ形態の式V:
【化8】

〔式中、
Aはヘテロアリール、例えば、
【化9】

であり、
はC1−8アルキル−COOR(例えば、−CHCOOR)であり、
はHまたはC1−4アルキル(例えば、メチル)である。〕
の化合物。
【請求項7】
遊離、塩またはプロドラッグ形態の式VI:
【化10】

〔式中、
XはC1−4アルキル、例えば、エチルであり;
およびRは独立してHまたはC1−8アルキル−P(O)(OR)(OR)、例えば、−CHCHP(O)(OR)(OR)であり;
およびRは独立してH、C1−4アルキル(例えば、エチル)またはC1−4アルキル−OC(O)R(例えば、−CHCHOC(O)Rであり;
はC1−4アルキル(例えば、t−ブチル)である。〕
の化合物。
【請求項8】
感染症の処置または予防方法であって、それを必要とする対象に、有効量の遊離、薬学的に許容される塩またはプロドラッグ形態の請求項1〜7のいずれかに記載の化合物を投与することを含む、方法。
【請求項9】
感染症がグラム陽性またはグラム陰性細菌感染である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
細菌感染症がモラクセラ・カタラーリス、クレブシエラ・ニューモニエ、スタフィロコッカス・エピデルミデス、ストレプトコッカス・ビリダンス、エンテロコッカス・フェシウム、スタフィロコッカス・アウレウス、バシラス・アンスラシス、フランシセラ・ツラレンシス、ストレプトコッカス・ニューモニエ、シュードモナス・エルギノーサ、アシネトバクター・バウマンニ、ブルセラ・メリテンシス、エシェリキア・コリ、ヘモフィルス・インフルエンザエ、リステリア・モノサイトゲネス、サルモネラ・エンテリカ、ビブリオ・コレラエ、エンテロコッカス・フェカリス、エルシニア・ペスティス、バチルス・スブチリス、ストレプトコッカス・ピオゲネスおよびボレリア・バーグドルフェリによる感染症から成る群から選択される、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
細菌感染症が、スタフィロコッカス・アウレウス感染症である、請求項8〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
化合物が遊離、薬学的に許容される塩またはプロドラッグ形態の次のものから選択される、請求項8〜11のいずれかに記載の方法:
【化11】

【化12】

【請求項13】
該感染症がリボスイッチリガンドではない薬剤に耐性である感染原によるものである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
感染症が、ペニシリン、バンコマイシン、セファロスポリンおよびメチシリンから成る群から選択される1種以上の薬剤に耐性である感染症である、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
感染症がメチシリン耐性スタフィロコッカス・アウレウス感染症である、請求項12〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
遊離、薬学的に許容される塩またはプロドラッグ形態の請求項1〜7のいずれかに記載の化合物を、薬学的に許容される希釈剤または担体と共に含む、医薬組成物。
【請求項17】
感染の処置用医薬の製造における、遊離、薬学的に許容される塩またはプロドラッグ形態の請求項1〜7のいずれかに記載の化合物、または請求項16に記載の医薬組成物の使用。
【請求項18】
感染症が細菌感染症である、請求項17に記載の使用。
【請求項19】
感染症が、モラクセラ・カタラーリス、クレブシエラ・ニューモニエ、スタフィロコッカス・エピデルミデス、ストレプトコッカス・ビリダンス、エンテロコッカス・フェシウム、スタフィロコッカス・アウレウス、バシラス・アンスラシス、フランシセラ・ツラレンシス、ストレプトコッカス・ニューモニエ、シュードモナス・エルギノーサ、アシネトバクター・バウマンニ、ブルセラ・メリテンシス、エシェリキア・コリ、ヘモフィルス・インフルエンザエ、リステリア・モノサイトゲネス、サルモネラ・エンテリカ、ビブリオ・コレラエ、エンテロコッカス・フェカリス、エルシニア・ペスティス、バチルス・スブチリス、ストレプトコッカス・ピオゲネスおよびボレリア・バーグドルフェリの1種以上の細菌によるものである、請求項17または18に記載の使用。
【請求項20】
炭疽、ブドウ球菌性皮膚剥脱症候群(ブドウ球菌感染症)、ライム病、肺炎、膿痂疹、せつ、蜂巣炎、毛包炎、せつ、癰、熱傷様皮膚症候群、化膿巣、髄膜炎、骨髄炎、心内膜炎、毒素ショック症候群(TSS)、敗血症、急性副鼻腔炎、中耳炎、敗血症性関節炎、心内膜炎、腹膜炎、心膜炎、蜂巣炎、脳膿瘍、野兎病、尿路感染症、膿胸、食中毒、下痢および結膜炎から選択される状態、疾患または感染症の処置または予防用医薬の製造のための、遊離、薬学的に許容される塩またはプロドラッグ形態の請求項1〜7のいずれかに記載の化合物、または請求項16に記載の医薬組成物の使用。
【請求項21】
真菌感染症の処置または予防方法であって、それを必要とする対象に有効量の遊離、薬学的に許容される塩またはプロドラッグ形態の請求項1〜7のいずれかに記載の化合物、または請求項16に記載の医薬組成物を投与することを含む、方法。
【請求項22】
炭疽、ブドウ球菌性皮膚剥脱症候群(ブドウ球菌感染症)、ライム病、肺炎、膿痂疹、せつ、蜂巣炎、毛包炎、せつ、癰、熱傷様皮膚症候群、化膿巣、髄膜炎、骨髄炎、心内膜炎、毒素ショック症候群(TSS)、敗血症、急性副鼻腔炎、中耳炎、敗血症性関節炎、心内膜炎、腹膜炎、心膜炎、蜂巣炎、脳膿瘍、野兎病、尿路感染、膿胸、食中毒、下痢および結膜炎から選択される状態、疾患または感染症の処置または予防方法であって、それを必要とする対象に有効量の遊離、薬学的に許容される塩またはプロドラッグ形態の請求項1〜7のいずれかに記載の化合物、または請求項16に記載の医薬組成物を投与することを含む、方法。

【公表番号】特表2012−521422(P2012−521422A)
【公表日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−502020(P2012−502020)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際出願番号】PCT/US2010/000904
【国際公開番号】WO2010/110907
【国際公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(511039485)バイオレリックス・インコーポレイテッド (4)
【氏名又は名称原語表記】BioRelix, Inc.
【Fターム(参考)】