説明

ジフェニルオキソ−インドール−2−オン化合物および癌の処置におけるそれらの使用

本発明は、置換3,3−ジフェニル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン化合物、および哺乳動物において癌を処置する医薬の製造のための該化合物の使用に関する。癌の処置は、すなわち、蛋白質合成の阻害および/またはmTOR経路の活性化の阻害が、細胞成長を減少させる方法であるという前提である。このような癌の例は、胸部癌、腎臓癌、多発性骨髄腫、白血病、神経膠芽腫、横紋筋肉腫、前立腺癌、柔組織肉腫、結腸直腸肉腫、胃癌、頭頚部扁平上皮癌、子宮癌、子宮頸癌、黒色腫、リンパ腫、および膵臓癌である。化合物の特定のサブクラスは、式(II):
【化1】


[式中、XおよびXの少なくとも一方は、ヘテロ原子 置換基, 例えば6−クロロ−3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−7−メチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オンである]で表される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野
本発明は、置換3,3−ジフェニル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン化合物、および哺乳動物において癌を処置する医薬の製造のための該化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景
US 1,624,675 は、ジフェノールイサチンのO−O−ジアシル誘導体、およびこれらの化合物が催痢性を有することを記載している。
【0003】
蛋白質合成の阻害は、細胞増殖を阻害するが、増殖性の高い癌細胞は、蛋白質合成阻害に対して正常細胞よりも感受性が高い。これは、効率のよい細胞増殖に必要な多くの癌遺伝子および成長制御蛋白質が、非効率的に翻訳されたmRNAによってコード化されており、そして真核性翻訳開始因子に依存しているためである(Aktas et al. (1998) Proc Natl Acad Sci 95, 8280 およびその参考文献)。
【0004】
蛋白質合成は、環境負荷もしくは生理学的負荷(例えば低酸素症、アミノ酸もしくは栄養素欠乏)、細胞内カルシウム負荷、および蛋白質グリコシル化阻害によって誘発され得る細胞ストレスに応えて制御される。例えば、細胞ストレッサー(例えばクロトリマゾール、3,3−ジフェニルオキソインドール、タプシガルジン、ツニカマイシン、および亜ヒ酸塩)(Aktas et al. (1998) Proc Natl Acad Sci 95, 8280; Brewer et al. (1999) Proc Natl Acad Sci 96, 8505-8510; Harding et al. (2000) Molecular Cell 5, 897-904; Natarajan et al. (2004) J Med Chem 47, 1882-1885)は、蛋白質翻訳開始阻害剤として作用し、蛋白質合成および細胞増殖の両方を低減させる。
【0005】
蛋白質翻訳開始阻害剤が抗癌剤としての可能性を有するかもしれないという可能性は、以前に記載されている(Aktas et al. (1998) Proc Natl Acad Sci 95; Natarajan et al. (2004) J.Med.Chem 47, 1882-1885; Natarajan et al. (2004) J.Med.Chem 47, 4979-4982)。Natarajan の論文は、さらに、蛋白質翻訳を阻害する可能性がある3,3−ジアリール−1,3−ジヒドロインドール−2−オン類を開示している。
【0006】
蛋白質合成はまた、mTOR経路によって制御され、栄養素およびアミノ酸の利用状態に対する別の係わりを示唆する(Harris & Lawrence (2003) ScienceSTKE (212) re15; Nave et al. (1999) Biochem J 344, 427; Beaunet et al. (2003) Biochem J 372, 555-566; Inoki et al. (2003) Cell 115, 577-590)。この経路は、蛋白質翻訳開始複合体の制御にも関連している(Cherkasova & Hinnebusch (2003) Genes & Dev 17, 859-872; Kubota et al. (2003) J Biol Chem 278, 20457)。mTORシグナル伝達の阻害は、癌細胞株の増殖を阻害し(Noh et al. (2004) Clinical Cancer Research 10, 1013-1023; Yu et al. (2001) Endocrine-Related Cancer 8, 249-258)、そして癌治療のための標的として提案されている(Huang & Houghton (2003) Curr Opin Pharmacol 3, 371-377)。
【0007】
Natarajan らの最初の論文(Natarajan et al. (2004) J.Med.Chem 47, 1882-1885)の3,3−ジアリール−1,3−ジヒドロインドール−2−オン化合物の中のリード化合物は、3−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチル-フェニル)−3−フェニル−1,3−ジヒドロインドール−2−オンである。
【0008】
US 2004/0242563 A1 は、異常細胞増殖によって特徴付けられる疾患の処置もしくは予防に有用な置換ジフェニル インダノン、インダン、およびインドール化合物、およびそれらのアナログを開示している。
【0009】
しかし、癌細胞の非制御増殖を阻害し得る改善された化合物、特に選択的な癌細胞増殖阻害を示す化合物が、いまなお必要とされている。
【発明の開示】
【0010】
本発明の要約
本発明は、フェニル部分が、特定のヘテロ原子を介して、特に酸素原子を介してパラ位で置換されている、特にヒドロキシ基を有する、3,3−ジフェニル−1,3−ジヒドロインドール−2−オン化合物の、従来ほとんど研究されていないサブクラスの使用に関する。
【0011】
従って、本発明の1つの態様は、哺乳動物において、癌を処置する医薬の製造のための、本明細書中で定義された一般式(I)の化合物の使用に関する(請求項1参照)。
【0012】
本発明の別の態様は、医薬として使用するための、本明細書中で定義された化合物 [ただし該化合物が、3,3−ビス−(4−ヒドロキシ-フェニル)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オンおよび酢酸 4−[3−(4−アセトキシ−フェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−フェニル エステルから選択されることはない]に関する(請求項30参照)。
【0013】
本発明のさらなる態様は、一般式(I)もしくは(II)の新規化合物に関する(請求項31および32参照)。
本発明のさらにさらなる態様は、医薬組成物に関する(請求項33参照)。
本発明のさらにさらなる態様は、癌に罹患しているもしくは罹り得る哺乳動物を処置する方法に関する。
【0014】
図面の簡単な説明
図1:下記の式(III)に対応する実施例の部分に記載されている化合物を用いた、細胞増殖試験の結果を示している(実施例2)。
【化1】

【0015】
図2:MDA-468 および MDA-231 ヒト乳癌細胞株における化合物3を用いた蛋白質合成試験の結果を示している(実施例3)。
図3:翻訳制御経路を示す(Cell Signaling Technology catalogue 2003-2004より)。
図4:MDA-468 細胞を用いた翻訳制御に関する蛋白質についてのウェスタン・ブロットを示す(24時間化合物インキュベーション)。1:DMSO(0.08%); 2:化合物3(200nM); 2:化合物3(2μM); 4:その他(2μM); 5:ラパマイシン(100nM);および6:LY294002 (10μM)(実施例4)。
【0016】
図5:MDA-468 および MDA-231 細胞を比較する翻訳制御に関する蛋白質についてのウェスタン・ブロットを示す(48時間インキュベーション)。1:DMSO(0.08%); 2:化合物3(200nM); 4:その他(2μM); 5:ラパマイシン(100nM);および6:LY294002 (10μM)(実施例4)。
【0017】
図6:化合物3を用いた PC3M ヒト前立腺癌細胞異種移植片試験(xenograft experiments)の結果を図示している(実施例5)。
図7:1% FBSを含む培地中における一群のヒト乳癌細胞株を用いた細胞増殖アッセイにおける化合物3の効果を示す。PCTACT は、50μM テルフェニジン(terfenidine)に対する相対的増殖阻害に対応する(100 PCTACT)(実施例6)。
【0018】
図8:非癌化ヒト胸部上皮細胞株 MCF10A の増殖に対する化合物3の効果を示す。PCTACT は、50μM テルフェニジンに対する相対的増殖阻害に対応する(100 PCTACT)(実施例6)。
図9:10% FBSを含む培地中の一群のヒト乳癌細胞株を用いた細胞増殖アッセイにおける化合物3の効果を示す。PCTACTは、50μM テルフェニジンに対する相対的増殖阻害に対応する(100 PCTACT)(実施例6)。
【0019】
図10:10% FBSを含む培地中の一群の乳癌細胞株を用いた細胞増殖アッセイにおける化合物21の効果を示す(血清を含まないMEGM培地中で成長させた MCF10A を除く)。PCTACT は、50μM テルフェニジンに対する相対的増殖阻害に対応する(100 PCTACT)(実施例6)。
図11:10% FBSを含む培地中の一群の乳癌細胞株を用いた細胞増殖アッセイにおけるオキシフェンイサチンの効果を示す(血清を含まないMEGM培地中で成長させた MCF10A を除く)。PCTACTは、50μM テルフェニジンに対する相対的増殖阻害に対応する(100 PCTACT)(実施例6)。
【0020】
図12:10% FBSを含む培地中の一群の前立腺癌細胞株を用いた細胞増殖アッセイにおける、化合物3および21、ならびにオキシフェンイサチンの効果を示す。PCTACT は、50μM テルフェニジンに対する相対的増殖阻害に対応する(100 PCTACT)(実施例6)。
図13:10% FBSを含む培地中の PC3 前立腺癌細胞株を用いた細胞増殖アッセイにおける化合物3および41の効果を示す(実施例6)。
【0021】
図14:10% FBSを含む培地中の結腸癌細胞株 Colo205 に対する化合物3の効果を示す細胞増殖アッセイの結果を示す。PCTACT は、50μM テルフェニジンに対する相対的増殖阻害に対応する(100 PCTACT)(実施例6)。
図15:POもしくはIV経路の何れかによる単剤治療として行った場合に化合物3が、異種移植片試験で、MDA-MB-468 腫瘍細胞増殖の速度を、用量依存的に低減させることを示している。さらに、化合物3は、高用量では腫瘍退縮が認められた(実施例7)。
【0022】
図16:化合物41が異種移植片試験で MDA-MB-468 ヒト乳癌腫瘍細胞成長の速度を低減させ、そしてPOもしくはIV経路の何れかによる単剤治療として投与した場合に試験した全ての投与量で腫瘍退縮を誘発することを示す。この効果はパクリタキセル投与より顕著である(実施例7)。
図17:化合物41が異種移植片試験で MCF-7 ヒト乳癌腫瘍細胞成長の速度を低減させ、そしてPOもしくはIV経路の何れかによる単剤治療として投与した場合に試験した全ての投与量で腫瘍退縮を誘発することを示す。この効果は、パクリタキセル投与より顕著である(実施例8)。
図18:化合物3が殆どのヒト乳癌細胞株においてカスパーゼ活性を亢進することを示し、このことは、本化合物がアポトーシス促進活性を発揮することを示す(実施例9)。
【0023】
本発明の詳細な説明
哺乳動物において癌を処置するための化合物
本発明の1つの態様は、哺乳動物において癌を処置する医薬の製造のための特定の化合物に関する。
癌という用語は、典型的には、厳密な制御下にない細胞増殖を言う。本発明の1つの態様において、蛋白質合成の阻害および/またはmTOR経路活性化の阻害が細胞成長を減退させる有効な方法である。このような癌の例は、胸部癌、腎臓癌、多発性骨髄腫、白血病、神経膠芽腫、横紋筋肉腫、前立腺癌、柔組織肉腫、結腸直腸肉腫、胃癌、頭頚部扁平上皮癌、子宮癌、子宮頸癌、黒色腫、リンパ腫、および膵臓癌である。
【0024】
有用な化合物は、一般式(I)、すなわち
【化2】

[式中、
、V、V、およびVは、炭素原子、非4級窒素原子、酸素原子、および硫黄原子から独立して選択され、かつVは、さらに、結合から選択されてもよく、その結果、−V−V−V−V−は、Vが結合している原子およびVが結合している原子と一体となって、芳香環もしくはヘテロ芳香環を形成し;
、R、R、およびRは、炭素原子に結合している場合は、水素、所望により置換されているC1−6アルキル、所望により置換されているC2−6アルケニル、ヒドロキシ、所望により置換されているC1−6アルコキシ、所望により置換されているC2−6アルケニルオキシ、カルボキシ、所望により置換されているC1−6アルコキシカルボニル、所望により置換されているC1−6アルキルカルボニル、所望により置換されているC1−6アルキルカルボニルオキシ、ホルミル、アミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、カルバモイル、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノカルボニル、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ、シアノ、カルバミド、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノカルボニルアミノ、C1−6アルカノイルオキシ、C1−6アルキルスルホニル、C1−6アルキルスルフィニル、アミノスルホニル、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノスルホニル、ニトロ、所望により置換されているC1−6アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、アリールカルボニル、アリールアミノ、複素環、複素環オキシ、複素環アミノ、複素環カルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル、およびハロゲンから独立して選択され、
何れのアミノ置換基としてのC1−6アルキルも、所望によりヒドロキシ、C1−6アルコキシ、アミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルアミノカルボニル、またはハロゲン(複数を含む)で置換されており、そして
何れのアリール、複素環、およびヘテロアリールも、所望により置換されており;
、R、R、およびRは、窒素原子に結合している場合は、水素、所望により置換されているC1−6アルキル、ヒドロキシ、所望により置換されているC1−6アルコキシ、所望により置換されているC1−6アルコキシカルボニル、所望により置換されているC1−6アルキルカルボニル、ホルミル、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノカルボニル、アミノ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、C1−6アルキルスルホニル、C1−6アルキルスルフィニル、アリール、アリールオキシ、アリールカルボニル、アリールアミノ、複素環、複素環オキシ、複素環カルボニル、複素環アミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、およびヘテロアリールアミノから独立して選択され、
何れのアミノ置換基としてのC1−6アルキルも、所望によりヒドロキシ、C1−6アルコキシ、アミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルアミノカルボニル、またはハロゲン(複数を含む)で置換されており、そして
何れのアリール、複素環、およびヘテロアリールも、所望により置換されているか;
またはRおよびRは、それらが結合している炭素原子と一体となって、環、例えば芳香環、炭素環式環、複素環式環、またはヘテロ芳香環、特に芳香環、複素環式環、もしくはヘテロ芳香環を形成し;
【0025】
およびXは、ハロゲン、ヒドロキシ、所望により置換されているC1−6アルコキシ、所望により置換されているC1−6アルキルカルボニルオキシ、アミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノカルボニルアミノ、C1−6アルカノイルオキシ、メルカプト、所望により置換されているC1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルホニル、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノスルホニル、アリールオキシ、アリールアミノ、複素環オキシ、複素環アミノ、ヘテロアリールオキシ、およびヘテロアリールアミノから独立して選択され、
何れのアミノもしくは硫黄置換基としてのC1−6アルキルも、所望によりヒドロキシ、C1−6アルコキシ、アミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルアミノカルボニル、またはハロゲン(複数を含む)で置換されており、そして
何れのアリール、複素環、およびヘテロアリールも、所望により置換されており;
>Y(=Q)は、>C=O、>C=S、>S=O、および>S(=O)から選択され;そして
は、水素、所望により置換されているC1−6アルキル、ヒドロキシ、所望により置換されているC1−6アルコキシ、所望により置換されているC1−6アルコキシカルボニル、所望により置換されているC1−6アルキルカルボニル、ホルミル、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノカルボニル、アミノ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、C1−6アルキルスルホニル、およびC1−6アルキルスルフィニルからなる群から選択され、
アミノ置換基としての何れのC1−6アルキルも、所望によりヒドロキシ、C1−6アルコキシ、アミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルアミノカルボニル、またはハロゲン(複数を含む)で置換されている]を有する。
また、それらの薬学的に許容される塩およびプロドラッグも式(I)の化合物のクラスに含まれる。
【0026】
式(I)の化合物の1つの変形は、Xが結合しているベンゼン環およびXが結合しているベンゼン環が、それぞれ、さらに、1個、2個、3個もしくは4個のフルオロ原子で置換されていてもよく、特にXおよびXが結合しているそれぞれのベンゼン環が、置換基XおよびXに対してそれぞれオルト位で、2個のフルオロ原子で置換されている化合物である。
【0027】
定義
本明細書において、“C1−6アルキル”という用語は、1から6個の炭素原子を有する、直鎖の、環状の、もしくは分枝の炭化水素基を意味することを意図しており、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシルであり、そして“C1−4アルキル”という用語は、1から4個の炭素原子を有する、直鎖の、環状の、もしくは分枝の炭化水素基を含むことを意図しており、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、シクロブチルである。
【0028】
同様に、“C2−6アルケニル”という用語は、2から6個の炭素原子を有し、かつ1個の不飽和結合を含む、直鎖の、環状の、もしくは分枝の炭化水素基を含むことを意図している。アルケニル基の例は、ビニル、アリル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ヘプタデカエニルである。望ましいアルケニルの例は、ビニル、アリル、ブテニル、特にアリルである。
【0029】
本明細書において、すなわち“アルキル”、“アルコキシ”、および“アルケニル”という用語に関して、“所望により置換されている”という用語は、対象の基が、ヒドロキシ(不飽和炭素原子に結合している場合、互変異性のケト型で存在していてもよい)、C1−6アルコキシ(すなわちC1−6アルキル−オキシ)、C2−6アルケニルオキシ、カルボキシ、オキソ(ケトもしくはアルデヒド基を形成)、C1−6アルコキシカルボニル、C1−6アルキルカルボニル、ホルミル、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アリールカルボニル、アリールオキシカルボニル、アリールカルボニルオキシ、アリールアミノカルボニル、アリールカルボニルアミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヘテロアリールカルボニルオキシ、ヘテロアリールアミノカルボニル、ヘテロアリールカルボニルアミノ、複素環、複素環オキシ、複素環アミノ、複素環カルボニル、複素環オキシカルボニル、複素環カルボニルオキシ、複素環アミノカルボニル、複素環カルボニルアミノ、アミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、カルバモイル、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノカルボニル、C1−6アルキルカルボニルアミノ、シアノ、グアニジノ、カルバミド、C1−6アルキル−スルホニル−アミノ、アリール−スルホニル−アミノ、ヘテロアリール−スルホニル−アミノ、C1−6アルカノイルオキシ、C1−6アルキル−スルホニル、C1−6アルキル−スルフィニル、C1−6アルキルスルホニルオキシ、ニトロ、C1−6アルキルチオ、およびハロゲンから選択される基(複数を含む)で、1回もしくは数回、好ましくは1〜3回、置換されていてもよく、
ここで、何れのアリール、ヘテロアリール、および複素環も、下記のアリール、ヘテロアリールおよび複素環について特記された通りに置換されていてもよく、そして
置換基を表す何れのアルキル、アルコキシなども、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、アミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルアミノカルボニル、またはハロゲン(複数を含む)で置換されていてもよい
ことを意味することを意図している。
【0030】
典型的に、置換基は、ヒドロキシ(不飽和炭素原子に結合している場合、互変異性のケト型で存在してもよい)、C1−6アルコキシ(すなわちC1−6アルキル−オキシ)、C2−6アルケニルオキシ、カルボキシ、オキソ(ケトもしくはアルデヒド基を形成)、C1−6アルキルカルボニル、ホルミル、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アリールカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル、複素環、複素環オキシ、複素環アミノ、複素環カルボニル、アミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ;カルバモイル、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノカルボニル、アミノ−C1−6アルキル−アミノカルボニル、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ−C1−6アルキル−アミノカルボニル、C1−6アルキルカルボニルアミノ、グアニジノ、カルバミド、C1−6アルキル−スルホニル−アミノ、C1−6アルキル−スルホニル、C1−6アルキル−スルフィニル、C1−6アルキルチオ、ハロゲンから選択され、
何れのアリール、ヘテロアリールおよび複素環も、下記のアリール、ヘテロアリールおよび複素環について特記された通りに置換されていてもよい。
【0031】
幾つかの態様において、置換基は、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、アミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルアミノカルボニル、またはハロゲンから選択される。
【0032】
“ハロゲン”という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードを含む。
本明細書において、“アリール”という用語は、完全にもしくは部分的に芳香族性の炭素環式環もしくは環系を意味することを意図しており、例えばフェニル、ナフチル、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル、アントラセニル(anthracyl)、フェナントラセニル(phenanthracyl)、ピレニル、ベンゾピレニル、フルオレニルおよびキサンテニルであり、この中でフェニルが望ましい例である。
【0033】
“ヘテロアリール”という用語は、1個以上の炭素原子がヘテロ原子、例えば窒素(=N−もしくは−NH−)、硫黄、および/または酸素原子で置き換えられている、完全にもしくは部分的に芳香族性の炭素環式環もしくは環系を意味することを意図している。このようなヘテロアリール基の例は、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、クマリル、フラニル、チエニル、キノリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾジアゾリル、ベンゾオキサゾリル(benzooxozolyl)、フタラジニル、フタラニル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソキノリル、アクリジニル、カルバゾリル、ジベンゾアセピニル、インドリル、ベンゾピラゾリル、フェノキサジニル(phenoxazonyl)である。特に興味深いヘテロアリール基は、ベンゾイミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、フリル、チエニル、キノリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソキノリル、インドリルであり、特にベンゾイミダゾリル、ピロリル、イミダゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、フリル、チエニル、キノリル、テトラゾリル、およびイソキノリルである。
【0034】
“複素環”という用語は、1個以上の炭素原子が、ヘテロ原子で、例えば窒素(=N−または−NH−)、硫黄、および/または酸素原子で置き換えられた非芳香族性炭素環式環もしくは環系を意味することを意図している。このような複素環(環に従って命名)の例は、イミダゾリジン、ピペラジン、ヘキサヒドロピリダジン、ヘキサヒドロピリミジン、ジアゼパン、ジアゾカン(diazocane)、ピロリジン、ピペリジン、アゼパン、アゾカン、アジリジン、アジリン、アゼチジン、ピロリン、トロパン、オキサジナン(モルホリン)、アゼピン、ジヒドロアゼピン、テトラヒドロアゼピン、およびヘキサヒドロアゼピン、オキサゾロン、オキサゼパン、オキサゾカン(oxazocane)、チアゾラン、チアジナン、チアゼパン(thiazepane)、チアゾカン(thiazocane)、オキサゼタン(oxazetane)、ジアゼタン(diazetane)、チアゼタン(thiazetane)、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、オキセパン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロチオピラン、チエパン、ジチアン、ジチエパン、ジオキサン、ジオキセパン、オキサチアン、オキサチエパン(oxathiepane)である。最も興味深い例は、テトラヒドロフラン、イミダゾリジン、ピペラジン、ヘキサヒドロピリダジン、ヘキサヒドロピリミジン、ジアゼパン、ジアゾカン、ピロリジン、ピペリジン、アゼパン、アゾカン、アゼチジン、トロパン、オキサジナン(モルホリン)、オキサゾラン、オキサゼパン、チアゾラン、チアジナン、およびチアゼパンであり、特にテトラヒドロフラン、イミダゾリジン、ピペラジン、ヘキサヒドロピリダジン、ヘキサヒドロピリミジン、ジアゼパン、ピロリジン、ピペリジン、アゼパン、オキサジナン(モルホリン)、およびチアジナンである。
【0035】
本明細書において、すなわち“アリール”、“ヘテロアリール”、“複素環”などの用語(例えば“アリールオキシ”、“ヘテロアリールカルボニル”など)に関して、“所望により置換されている”という用語は、対象の基が、ヒドロキシ(エノール系が存在する場合、互変異性のケト型で存在してもよい)、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C2−6アルケニルオキシ、オキソ(互変異性のエノール型で表されてもよい)、カルボキシ、C1−6アルコキシカルボニル、C1−6アルキルカルボニル、ホルミル、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アリールオキシカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアミノ、アミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、カルバモイル、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノカルボニル、アミノ−C1−6アルキル−アミノカルボニル、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ−C1−6アルキル−アミノカルボニル、C1−6アルキルカルボニルアミノ、シアノ、グアニジノ、カルバミド、C1−6アルカノイルオキシ、C1−6アルキル−スルホニル−アミノ、アリール−スルホニル−アミノ、ヘテロアリール−スルホニル−アミノ、C1−6アルキル−スルホニル、C1−6アルキル−スルフィニル、C1−6アルキルスルホニルオキシ、ニトロ、スルファニル、アミノ、アミノ−スルホニル、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ−スルホニル、ジハロゲン−C1−4アルキル、トリハロゲン−C1−4アルキル、ハロゲンから選択される基(複数を含む)で、1回もしくは数回、好ましくは1〜5回、特に1〜3回置換されてもよく、
ここで、置換基を表すアリールおよびヘテロアリールは、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ニトロ、シアノ、アミノまたはハロゲンで1〜3回置換されていてもよく、そして
置換基を表す何れのアルキル、アルコキシなども、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、C2−6アルケニルオキシ、アミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、ハロゲン、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキル−スルホニル−アミノ、またはグアニジノで置換されていてもよい、
ことを意味することを意図している。
【0036】
典型的に、置換基は、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、オキソ(互変異性のエノール型で存在してもよい)、カルボキシ、C1−6アルキルカルボニル、ホルミル、アミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、カルバモイル、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノカルボニル、アミノ−C1−6アルキル−アミノカルボニル、C1−6アルキルカルボニルアミノ、グアニジノ、カルバミド、C1−6アルキル−スルホニル−アミノ、アリール−スルホニル−アミノ、ヘテロアリール−スルホニル−アミノ、C1−6アルキル−スルホニル、C1−6アルキル−スルフィニル、C1−6アルキルスルホニルオキシ、スルファニル、アミノ、アミノ−スルホニル、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ−スルホニル、またはハロゲンから選択され、ここで置換基を表す何れのアルキル、アルコキシなども、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、C2−6アルケニルオキシ、アミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、ハロゲン、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキル−スルホニル−アミノ、またはグアニジノで置換されていてもよい。幾つかの態様において、置換基は、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、アミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、スルファニル、カルボキシ、またはハロゲンから選択され、ここで、置換基を表す何れのアルキル、アルコキシなども、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、C2−6アルケニルオキシ、アミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、ハロゲン、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキル−スルホニル−アミノ、またはグアニジノで置換されていてもよい。
【0037】
本明細書中で用いられる“プロドラッグ”という用語は、生理学的条件に曝露された際に望ましい生理学的作用を示し得る式(I)の化合物を遊離する、式(I)の化合物の誘導体を意味することを意図している。プロドラッグの例は、エステル(カルボン酸エステル、リン酸エステル類、硫酸エステル類など)、酸に不安定なエーテル類、アセタール類、ケタール類などである。
【0038】
“薬学的に許容される塩”という用語は、酸付加塩および塩基付加塩を含むことを意図している。酸付加塩の実例は、非毒性の酸と形成される薬学的に許容される塩である。このような有機塩の例は、マレイン酸、フマル酸、安息香酸、アスコルビン酸、コハク酸、シュウ酸、ビス−メチレンサリチル酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、マンデル酸、桂皮酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、イタコン酸、グリコール酸、p−アミノ安息香酸、グルタミン酸、ベンゼンスルホン酸、およびテオフィリン酢酸類、および8−ハロテオフィリン類、例えば8−ブロモテオフィリンとの塩である。このような無機塩の例は、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、スルファミン酸、リン酸、および硝酸との塩である。塩基付加塩の例は、カウンター・イオンが、アルカリ金属(例えばナトリウムおよびカリウム)、アルカリ土類金属(例えばカルシウム)、およびアンモニウム・イオン(N(R)3R', ここで、RおよびR'は、独立して、所望により置換されているC1−6アルキル、所望により置換されているC2−6アルケニル、所望により置換されているアリール、または所望により置換されているヘテロアリールを示す)から選択される塩である。薬学的に許容される塩は、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 17. Ed. Alfonso R. Gennaro (Ed.), Mack Publishing Company, Easton, PA, U.S.A., 1985 およびそのより最近の版、ならびに Encyclopedia of Pharmaceutical Technology に記載されているものである。従って、本明細書中で用いられる“その酸付加塩もしくは塩基付加塩”という用語は、このような塩を含むことを意図している。さらに、本化合物ならびに何れの中間体もしくは出発物質もまた、水和物の形態で存在してもよい。
【0039】
態様
、V、V、およびVの機能は、主に立体的性質であると考えられ、すなわちR〜Rの基の配向を決定すると考えられている。しかしながら、1個以上のV、V、V、およびVとしてヘテロ原子が選択されることで、他の部分との双極性相互作用を有し得ること、そしてそれによって、例えば一般式(I)の化合物の溶解性に影響があることが考えられる。
【0040】
、V、V、およびVは、炭素原子、非4級窒素原子、酸素原子、および硫黄原子から独立して選択され、かつVは、さらに結合から選択されてもよく、その結果、−V−V−V−V−は、Vが結合している原子およびVが結合している原子と一体となって、芳香環もしくはヘテロ芳香環を形成する。芳香環およびヘテロ芳香環の特に有用な例は、ベンゼン環、チオフェン環(V=S、V=V=C(−)およびV=結合;V=S、V=V=C(−)およびV=結合;またはV=S、V=V=C(−)およびV=結合)、フラン環(V=O、V=V=C(−)およびV=結合;V=O、V=V=C(−)およびV=結合;またはV=O、V=V=C(−)およびV=結合)、ピラゾール環(V=N(−)、V=N、V=C(−)およびV=結合;V=N、V=N(−)、V=C(−)およびV=結合)、イミダゾール環(V=N(−)、V=C(−)、V=NおよびV=結合;V=N、V=C(−)、V=N(−)およびV=結合)、ピリジン環(V=N、V=V=V=C(−);V=N、V=V=V=C(−);V=N、V=V=V=C(−)およびV=N、V=V=V=C(−))、ピリミジン環(V=V=N、V=V=C(−);V=V=N、V=V=C(−))、ピラジン(V=V=N、V=V=C(−))、ピリダジン環(V=V=N、V=V=C(−);V=V=N、V=V=C(−);V=V=N、V=V=C(−))、チアゾール環(V=N、V=C(−)、V=S、V=結合;V=S、V=C(−)、V=N、V=結合)、およびイソチアゾール環(V=N、V=S、V=C(−)、V=結合;V=S、V=N、V=C(−)、V=結合;V=C(−)、V=S、V=N、V=結合;V=C(−)、V=N、V=S、V=結合)から選択されるものである。
【0041】
それぞれのヘテロ芳香環におけるV、V、VおよびVの意味は、単に、種々のヘテロ原子の配向性が可能であることを説明する目的で定義されている。さらに、それぞれの環は、一般式(I)と一致した置換基R、R、RおよびR(適用可能であれば)を有すると理解されるべきである。従って、V、V、VおよびVのとり得る意味として“C(−)”および“N(−)”の特定は、対象の原子が置換基(水素であってもよい)を有することを記載する目的でなされている。“N”の特定は、それぞれの原子が“R”置換基を有しないこと、すなわち対応する“R”置換基が存在しないことを意味する。
【0042】
1つの態様において、−V−V−V−V−は、Vが結合している原子およびVが結合している原子と一体となって、ベンゼン環、チオフェン環、フラン環、ピラゾール環、イミダゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン、およびピリダジン環から選択される環を形成し、特にベンゼン環およびピリジン環[該窒素原子がVを表す]を形成する(実施例参照)。一般式(I)によると、それぞれの環(芳香族性もしくはヘテロ芳香族性)は、置換基R〜R(適用可能であれば)を有する。
【0043】
置換基R〜R(適用可能であれば)は、少なくとも部分的に、生物学的効果、例えば該化合物が癌細胞の細胞増殖を阻害する活性の原因であると考えられる。
【0044】
1つの態様において、R、R、R、およびRは、炭素原子に結合している場合は、水素、所望により置換されているC1−6アルキル、所望により置換されているC2−6アルケニル、ヒドロキシ、所望により置換されているC1−6アルコキシ、所望により置換されているC2−6アルケニルオキシ、カルボキシ、所望により置換されているC1−6アルコキシカルボニル、所望により置換されているC1−6アルキルカルボニル、所望により置換されているC1−6アルキルカルボニルオキシ、ホルミル、アミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、カルバモイル、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノカルボニル、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ、シアノ、カルバミド、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノカルボニルアミノ、C1−6アルカノイルオキシ、C1−6アルキルスルホニル、C1−6アルキルスルフィニル、アミノスルホニル、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノスルホニル、ニトロ、所望により置換されているC1−6アルキルチオ、およびハロゲンから独立して選択され、
何れのアミノ置換基としてのC1−6アルキルも、所望によりヒドロキシ、C1−6アルコキシ、アミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルアミノカルボニル、またはハロゲン(複数を含む)で置換されており、そして
、R、R、およびRは、窒素原子に結合している場合は、水素、所望により置換されているC1−6アルキル、ヒドロキシ、所望により置換されているC1−6アルコキシ、所望により置換されているC1−6アルコキシカルボニル、所望により置換されているC1−6アルキルカルボニル、ホルミル、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノカルボニル、アミノ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、C1−6アルキルスルホニル、およびC1−6アルキルスルフィニルから独立して選択され、何れのアミノ置換基としてのC1−6アルキルも、所望によりヒドロキシ、C1−6アルコキシ、アミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルアミノカルボニル、またはハロゲン(複数を含む)で置換されており、そして
何れのアリール、複素環、およびヘテロアリールも、所望により置換されている。
【0045】
より特定的には、R、R、R、およびRは、水素、ハロゲン、所望により置換されているC1−6アルキル、ヒドロキシ、所望により置換されているC1−6アルコキシ、所望により置換されているC1−6アルコキシカルボニル、所望により置換されているC1−6アルキルカルボニル、アミノ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノスルホニル、およびモノおよびジ(C1−6アルキル)アミノから独立して選択され、
何れのアミノ置換基としてのC1−6アルキルも、所望によりヒドロキシ、C1−6アルコキシ、アミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルアミノカルボニル、またはハロゲン(複数を含む)で置換されており、
例えば、水素、所望により置換されているC1−6アルキル、ヒドロキシ、所望により置換されているC1−6アルコキシ、所望により置換されているC1−6アルコキシカルボニル、所望により置換されているC1−6アルキルカルボニル、アミノ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノスルホニル、およびモノおよびジ(C1−6アルキル)アミノから独立して選択され、
何れのアミノ置換基としてのC1−6アルキルも、所望によりヒドロキシ、C1−6アルコキシ、アミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルアミノカルボニル、またはハロゲン(複数を含む)で置換されている。
【0046】
上記と別の態様として、RおよびRは、それらが結合している炭素原子と一体となって、複素環式環またはヘテロ芳香環を形成してもよく;
そして別の態様において、RおよびRは、それらが結合している炭素原子と一体となって、芳香環または炭素環式環を形成してもよい。
【0047】
1つの特定の変形において、Vが炭素原子である場合、Rは、水素、ハロゲン、C1−6アルキル、トリフルオロメチル、およびC1−6アルコキシから選択される。
【0048】
さらなる変形において、Rは、Vが炭素原子である場合、水素、ハロゲン、所望により置換されているアリール、所望により置換されているアリールオキシ、および所望により置換されているヘテロアリールから選択される。
【0049】
さらにさらなる変形において、Vが炭素原子である場合、Rは、水素、所望により置換されているC1−6アルコキシ、ハロゲン、シアノ、所望により置換されているアリール、所望により置換されているアリールオキシ、所望により置換されているヘテロアリール、アミノ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ、およびモノおよびジ(C1−6アルキル)アミノスルホニルから選択される。
さらにさらなる変形において、Vが炭素原子である場合、Rは水素である。
【0050】
本発明の主要な態様によって、置換基XおよびXは、フェニル環に直接結合しているヘテロ原子を含まなければならないと考えられる(上記の定義参照)(さらに下記に記載の別の態様も参照のこと)。
【0051】
1つの態様において、XおよびXは、ヒドロキシ、所望により置換されているC1−6アルコキシ、所望により置換されているC1−6アルキルカルボニルオキシ、アミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノカルボニルアミノ、C1−6アルカノイルオキシ、およびモノおよびジ(C1−6アルキル)アミノスルホニルから独立して選択され、
何れのアミノ置換基としてのC1−6アルキルも、所望によりヒドロキシ、C1−6アルコキシ、アミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルアミノカルボニル、またはハロゲン(複数を含む)で置換されている。
【0052】
より望ましい態様において、XおよびXは、ハロゲン、OR、OCOR、N(R)、NHCOR、NHSO、およびNHCON(R)から独立して選択され、ここで、Rは、C1−6アルキル、所望により置換されているアリール、および所望により置換されているヘテロアリールから選択され、そして
それぞれのRは、水素、C1−6アルキル、所望により置換されているアリール、および所望により置換されているヘテロアリール、例えばOR、OCOR、N(R)、NHCOR、NHSO、およびNHCON(R)から独立して選択され、
ここで、Rは、C1−6アルキル、所望により置換されているアリール、および所望により置換されているヘテロアリールから選択され、そして
それぞれのRは、水素、C1−6アルキル、所望により置換されているアリール、および所望により置換されているヘテロアリールから独立して選択され、特にXおよびXは、ハロゲン、ヒドロキシ、OAc、NH、NMe、NHAc、NHSOMe、およびNHCONMe、例えばヒドロキシ、OAc、NH、NMe、NHAc、NHSOMe、およびNHCONMeから独立して選択される。
【0053】
ここで、XおよびXが共にフェニル環について同一であってもよく、すなわちX=Xであってもよいと考えられる。このことは、アキラルな化合物が得られる点で利点を有する。医薬業界において、キラルな薬物の使用は、典型的には、個々の立体異性体の形態の単離を必要とする。別の利点が合成経路で見られる。2個のPhX基の1段階での導入により、少なくとも1つの合成段階およびそれに関する時間を節約し、製造プロセスの全収率を増大させる。
【0054】
一般式(I)において明示的に表示されていまいが、ベンゼン環におけるフルオロ原子の導入が、ある種の優位性を提供し得ると考えられている。従って、上記で定義される通りに、化合物の1つの変形は、Xが結合しているベンゼン環およびXが結合しているベンゼン環が、それぞれ、さらに、1個、2個、3個もしくは4個のフルオロ原子で置換されていてもよく、特にXが結合しているベンゼン環およびXが結合しているそれぞれのベンゼン環が、置換基XおよびXに対してそれぞれオルト位で、2個のフルオロ原子で置換されているものである。
【0055】
構造要素:>Y(=Q)は、特に重要であるとは考えられない。しかし、合成の理由のために、Yが炭素原子であり、そしてQが酸素原子である、すなわち>Y(=Q)が>C=Oであることが望ましい。あるいは、Yが硫黄原子であり、nが2であり、そしてQがそれぞれ酸素原子である、すなわち>Y(=Q)が>S(=O)である。
【0056】
が広く多様な置換基から選択され得ると考えられている。とはいえ、現在、Rが、水素、C1−6アルキル、アミノ、およびC1−6アルキルカルボニルアミノから選択されることが都合がよいと考えられている。Rが水素である態様が最も望ましい(図1参照のこと)。
【0057】
上述の点から見て、そして現在得られている一連の生物学的データから見て、一定のサブクラスの化合物が、特別の優位性を示すとの仮説がなりたつ。すなわち、下記のサブクラスである:
(a)1つのサブクラスの化合物は、V、V、V、Vは全て炭素原子であり、>Y(=Q)は>C=Oであり、そしてRは水素である化合物である。
【0058】
このサブクラスにおいて、第1の態様では、Rは水素であり;特に、RおよびRの両方が水素である。
【0059】
このサブクラスにおいて、第1の態様と組み合わせてもよい第2の態様では、Rは、C1−4アルキルであり、そしてRはハロゲンであり、例えばRはメチルであり、そしてRはクロロである。
【0060】
このサブクラスにおいて、第1の態様と組み合わせてもよい第3の態様では、RおよびRは、それらが結合している炭素原子と一体となって、環、例えば芳香環、炭素環式環、複素環式環、またはヘテロ芳香環、特に芳香環もしくは炭素環式環を形成する。
【0061】
このサブクラスにおいて、先行する何れかの態様と組み合わせてもよい第4の態様では、XおよびXは、それぞれ、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、アミノ、およびジメチルアミノから独立して選択される。
【0062】
このサブクラスにおいて、第1の態様と組み合わせてもよい第5の態様では、R、RおよびRは全て水素である。
【0063】
このサブクラスにおいて、第5の態様と組み合わせてもよい第6の態様では、Rは、水素、ハロゲン(例えばフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード)、ニトロ、C1−4アルキル(例えばメチル)、C1−4アルコキシ(例えばメトキシ)、トリフルオロメトキシ、アミノ、カルボキシ、およびジメチルアミノカルボニル、特に水素、ハロゲン(例えばフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード)、ニトロ、メチル、メトキシ、およびアミノから選択される。
【0064】
このサブクラスにおいて、第5もしくは第6の態様と組み合わせてもよい第7の態様では、XおよびXは、それぞれ、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、アミノ、およびジメチルアミノから独立して選択される。
【0065】
このサブクラスにおいて、第8の態様では、R、RおよびRは、全て水素である。
【0066】
このサブクラスにおいて、第8の態様と組み合わせてもよい第9の態様では、Rは、フルオロ、クロロ、ブロモ、C1−4アルキル(例えばメチルもしくはtert−ブチル)、トリフルオロメチル、C1−4アルコキシ(例えばメトキシ)、およびジメチルアミノカルボニルから選択される。
【0067】
このサブクラスにおいて、第8もしくは第9の態様と組み合わせてもよい第10の態様では、XおよびXは、それぞれ、ハロゲン(例えばフルオロ)、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ(例えばメトキシ)、アミノ、およびジメチルアミノから独立して選択される。
【0068】
このシリーズにおいて、第1の態様と組み合わせてもよい第11の態様では、Rは、ハロゲン(例えばフルオロ、クロロ、ブロモ)、C1−4アルキル(例えばメチルもしくはtert−ブチル)、トリフルオロメチル、C1−4アルコキシ(例えばメトキシ)、およびジメチルアミノカルボニルから選択され、Rは、水素およびハロゲンから選択され、そしてRは、水素、ハロゲン、C1−4アルキル(例えばメチル)、およびアミノから選択される;ここで、RおよびRの両方が、同時に水素であることはない。
【0069】
また、このサブクラスおよび何れかの上記態様において、好ましい種類は、XおよびXが同一のものある。
【0070】
(b)別のサブクラスの化合物は、V、V、V、およびVの少なくとも1個が、非4級窒素原子、酸素原子、および硫黄原子から選択され、そしてVはさらに結合から選択されてもよく、その結果−V−V−V−V−は、Vが結合している原子およびVが結合している原子と一体となってヘテロ芳香環を形成する化合物である。この場合において、該ヘテロ芳香環は好ましくはピリジン環およびピラゾール環から選択される。
【0071】
このサブクラスにおいては、>Y(=Q)は>C=Oであり、そしてRは水素であることが、さらに望ましい。XおよびXが同一である態様もまた望ましい。
【0072】
本発明のさらなる態様は、哺乳動物において、癌を処置する医薬を製造するための、式(IIa):
【化3】

[式中、
は、水素、ハロゲン、C1−6アルキル、トリフルオロメチル、およびC1−6アルコキシから選択され;
は、水素、ハロゲン、所望により置換されているアリール、所望により置換されているアリールオキシ、および所望により置換されているヘテロアリールから選択され;
は、水素、所望により置換されているC1−6アルコキシ、ハロゲン、シアノ、および所望により置換されているアリール、所望により置換されているアリールオキシ、所望により置換されているヘテロアリール、アミノ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ、およびモノおよびジ(C1−6アルキル)アミノスルホニルから選択され;
Zは、CHまたはNであり;そして
およびXは、ハロゲン、OR、OCOR、N(R)、NHCOR、NHSO、およびNHCON(R)から独立して選択され、
ここで、Rは、C1−6アルキル、所望により置換されているアリール、および所望により置換されているヘテロアリールから選択され、
それぞれのRは、水素、C1−6アルキル、所望により置換されているアリール、および所望により置換されているヘテロアリールから独立して選択される]の3,3−ジフェニル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン・タイプの化合物ならびにその薬学的に許容される塩およびプロドラッグ(さらに上記で定義した通りである)の使用に関する。
【0073】
上記のように、Xが結合しているベンゼン環およびXが結合しているベンゼン環は、それぞれ、さらに、1個、2個、3個もしくは4個のフルオロ原子で置換されていてもよく、特にXが結合しているベンゼン環およびXが結合しているそれぞれのベンゼン環は、置換基XおよびXに対してオルト位で、2個のフルオロ原子で置換されている。
【0074】
1つの態様において、XおよびXは、OR、OCOR、N(R)、NHCOR、NHSO、およびNHCON(R)から独立して選択され、ここで、Rは、C1−6アルキル、所望により置換されているアリール、および所望により置換されているヘテロアリールから選択され、そしてそれぞれのRは、水素、C1−6アルキル、所望により置換されているアリール、および所望により置換されているヘテロアリールから独立して選択される。
【0075】
この態様の範囲の上記の態様と組み合わせてもよい1つの変形において、Rは、C1−6アルキルおよびC1−6アルコキシ、例えばメチル、エチル、イソプロピル、メトキシ、エトキシおよびイソプロポキシから、特にメトキシ、エトキシおよびイソプロポキシから、またはメチル、エチル、およびイソプロピルから選択される。
【0076】
上記の態様およびこの態様の範囲での変形と組み合わせてもよい別の変形において、Rは、水素、クロロ、メトキシ、ジメチルアミノ、フェニル、フェノキシ、所望により置換されているチオフェン−2−イル、および所望により置換されているチオフェン−3−イルから選択される。
【0077】
上記の態様およびこの態様の範囲での変形と組み合わせてもよいさらに別の変形において、Rは、水素、メトキシ、フルオロ、クロロ、シアノ、フェニル、フェノキシ、所望により置換されているチオフェン−2−イル、および所望により置換されているチオフェン−3−イル、アミノ、アセチルアミノ、メチルスルホニルアミノ、およびジメチルアミノスルホニルから選択される。
【0078】
なお、さらなる変形において、XおよびXは、ハロゲン、ヒドロキシ、OAc、NH、NMe、NHAc、NHSOMeおよびNHCONMeから、例えばヒドロキシ、OAc、NH、NMe、NHAc、NHSOMe、およびNHCONMeから独立して選択される。
【0079】
この態様の範囲で、XおよびXは、それぞれ、好ましくは同一である。
【0080】
本発明のなお、さらなる態様は、哺乳動物において癌を処置する医薬を製造するための、式(IIb):
【化4】

[式中、
、R、およびRは、炭素原子と結合している場合は、水素、所望により置換されているC1−6アルキル、所望により置換されているC2−6アルケニル、ヒドロキシ、所望により置換されているC1−6アルコキシ、所望により置換されているC2−6アルケニルオキシ、カルボキシ、所望により置換されているC1−6アルコキシカルボニル、所望により置換されているC1−6アルキルカルボニル、所望により置換されているC1−6アルキルカルボニルオキシ、ホルミル、アミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、カルバモイル、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノカルボニル、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ、シアノ、カルバミド、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノカルボニルアミノ、C1−6アルカノイルオキシ、C1−6アルキルスルホニル、C1−6アルキルスルフィニル、アミノスルホニル、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノスルホニル、ニトロ、所望により置換されているC1−6アルキルチオ、およびハロゲンから独立して選択され、
何れのアミノ置換基としてのC1−6アルキルも、所望によりヒドロキシ、C1−6アルコキシ、アミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルアミノカルボニル、またはハロゲン(複数を含む)で置換されており;そして
、R、およびRは、窒素原子に結合している場合は、水素、所望により置換されているC1−6アルキル、ヒドロキシ、所望により置換されているC1−6アルコキシ、所望により置換されているC1−6アルコキシカルボニル、所望により置換されているC1−6アルキルカルボニル、ホルミル、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノカルボニル、アミノ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、C1−6アルキルスルホニル、およびC1−6アルキルスルフィニルから独立して選択され、
何れのアミノ置換基としてのC1−6アルキルも、所望によりヒドロキシ、C1−6アルコキシ、アミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルアミノカルボニル、またはハロゲン(複数を含む)で置換されており、そして
何れのアリール、複素環およびヘテロアリールも、所望により置換されているか;
またはRおよびRは、それらが結合している炭素原子および/または窒素原子と一体となって、複素環式環、ヘテロ芳香環、芳香環、または炭素環式環を形成し;
Zは、CHまたはNであり;そして
【0081】
およびXは、ハロゲン、OR、OCOR、N(R)、NHCOR、NHSO、およびNHCON(R)から独立して選択され、
ここで、Rは、C1−6アルキル、所望により置換されているアリールおよび所望により置換されているヘテロアリールから選択され、そして
それぞれのRは、水素、C1−6アルキル、所望により置換されているアリールおよび所望により置換されているヘテロアリールから独立して選択される]の3,3−ジフェニル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン・タイプの化合物ならびにそれらの薬学的に許容される塩およびプロドラッグの使用に関する。
【0082】
1つの態様において、R、R、およびRは、水素、ハロゲン、所望により置換されているC1−6アルキル、ヒドロキシ、所望により置換されているC1−6アルコキシ、所望により置換されているC1−6アルコキシカルボニル、所望により置換されているC1−6アルキルカルボニル、アミノ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノスルホニル、ニトロ、シアノ、ならびにモノおよびジ(C1−6アルキル)アミノから独立して選択され、
何れのアミノ置換基としてのC1−6アルキルも、所望によりヒドロキシ、C1−6アルコキシ、アミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルアミノカルボニル、またはハロゲン(複数を含む)で置換されており;
好ましくは、R、R、およびRは、水素、所望により置換されているC1−6アルキル、ヒドロキシ、所望により置換されているC1−6アルコキシ、所望により置換されているC1−6アルコキシカルボニル、所望により置換されているC1−6アルキルカルボニル、アミノ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノスルホニル、ニトロ、シアノ、ならびにモノおよびジ(C1−6アルキル)アミノから独立して選択され、
何れのアミノ置換基としてのC1−6アルキルも、所望によりヒドロキシ、C1−6アルコキシ、アミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルアミノカルボニル、またはハロゲン(複数を含む)で置換されている。
【0083】
別の態様において、RおよびRは、それらが結合している炭素原子と一体となって、複素環式環もしくはヘテロ芳香環を形成している。
さらに別の態様において、RおよびRは、それらが結合している炭素原子と一体となって、芳香環もしくは炭素環式環を形成している。
【0084】
上記の態様の望ましい変形において、ZはCHである。
上記の態様および変形のさらに望ましい変形において、XおよびXは、ハロゲン、OR、OCOR、N(R)、NHCOR、NHSO、およびNHCON(R)から独立して選択され、
ここで、Rは、C1−6アルキル、所望により置換されているアリール、および所望により置換されているヘテロアリールから選択され、そして
それぞれのRは、水素、C1−6アルキル、所望により置換されているアリール、および所望により置換されているヘテロアリールから独立して選択され;
特に、XおよびXは、ハロゲン、OR、およびOCORから独立して選択され、
ここで、Rは、C1−6アルキル、所望により置換されているアリール、および所望により置換されているヘテロアリールから選択され、そして
それぞれのRは、水素、C1−6アルキル、所望により置換されているアリール、および所望により置換されているヘテロアリールから独立して選択される。
【0085】
上記の態様および変形のさらなる望ましい変形において、RおよびRは、水素、ハロゲン、C1−6アルキル、シアノ、トリフルオロメチル、およびC1−6アルコキシから独立して選択され;
は、水素、C1−6アルコキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、およびアミノから選択される。
【0086】
別の態様
上記で定義した使用に適用可能な化合物の別のサブクラスは、XおよびXが同一でないという修飾がある以外、本質的に、式Iの化合物について上記で定義した通りである。この主要な態様において、XおよびXの一方がXおよびXについて上記で定義した通りであり、XおよびXの他方が炭素−置換基であり、例えば、所望により置換されているC1−6アルキル、所望により置換されているC2−6アルケニル、カルボキシ、所望により置換されているC1−6アルコキシカルボニル、所望により置換されているC1−6アルキルカルボニル、ホルミル、カルバモイル、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノカルボニル、シアノ、アリール、アリールカルボニル、複素環、複素環カルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールカルボニルから選択される置換基であり、
何れのアミノ置換基としてのC1−6アルキルも、所望によりヒドロキシ、C1−6アルコキシ、アミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルアミノカルボニル、またはハロゲン(複数を含む)で置換されており、
何れのアリール、複素環およびヘテロアリールも、所望により置換されている。残りの置換基は、上記で定義した通りである。
【0087】
従って、本発明のさらなる態様は、哺乳動物において癌を処置する医薬の製造のための、式(IIc):
【化5】

[式中、
は、水素、ハロゲン、C1−6アルキル、トリフルオロメチル、およびC1−6アルコキシから選択され;
は、水素、ハロゲン、所望により置換されているアリール、所望により置換されているアリールオキシ、および所望により置換されているヘテロアリールから選択され;
は、水素、所望により置換されているC1−6アルコキシ、ハロゲン、シアノ、および所望により置換されているアリール、所望により置換されているアリールオキシ、所望により置換されているヘテロアリール、アミノ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ、ならびにモノおよびジ(C1−6アルキル)アミノスルホニルから選択され;
Zは、CHまたはNであり;そして
およびXの一方は、ハロゲン、OR、OCOR、N(R)、NHCOR、NHSO、およびNHCON(R)から選択され、
ここで、Rは、C1−6アルキル、所望により置換されているアリール、および所望により置換されているヘテロアリールから選択され、そして
それぞれのRは、水素、C1−6アルキル、所望により置換されているアリール、および所望により置換されているヘテロアリールから独立して選択され;そして
およびXの他方は、所望により置換されているC1−6アルキル、所望により置換されているC2−6アルケニル、カルボキシ、所望により置換されているC1−6アルコキシカルボニル、所望により置換されているC1−6アルキルカルボニル、ホルミル、カルバモイル、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノカルボニル、シアノ、アリール、アリールカルボニル、複素環、複素環カルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールカルボニルから選択され、
何れのアミノ置換基としてのC1−6アルキルも、所望によりヒドロキシ、C1−6アルコキシ、アミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルアミノカルボニル、またはハロゲン(複数を含む)で置換されており、そして
何れのアリール、複素環およびヘテロアリールも、所望により置換されている]の3,3−ジフェニル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン・タイプの化合物、およびその薬学的に許容される塩およびプロドラッグ(さらに上記で定義した通り)の使用に関する。
【0088】
上記の式(IIa)の化合物について定義した態様はまた、必要な変更を加えて、式(IIc)の化合物に適用される。
本発明のさらにさらなる態様は、哺乳動物において、癌を処置する医薬の製造のための、式(IId):
【化6】

[式中、
、R、およびRは、炭素原子に結合している場合には、水素、所望により置換されているC1−6アルキル、所望により置換されているC2−6アルケニル、ヒドロキシ、所望により置換されているC1−6アルコキシ、所望により置換されているC2−6アルケニルオキシ、カルボキシ、所望により置換されているC1−6アルコキシカルボニル、所望により置換されているC1−6アルキルカルボニル、所望により置換されているC1−6アルキルカルボニルオキシ、ホルミル、アミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、カルバモイル、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノカルボニル、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ、シアノ、カルバミド、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノカルボニルアミノ、C1−6アルカノイルオキシ、C1−6アルキルスルホニル、C1−6アルキルスルフィニル、アミノスルホニル、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノスルホニル、ニトロ、所望により置換されているC1−6アルキルチオ、およびハロゲンから独立して選択され、
何れのアミノ置換基としてのC1−6アルキルも、所望によりヒドロキシ、C1−6アルコキシ、アミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルアミノカルボニル、またはハロゲン(複数を含む)で置換されており;そして
、R、およびRは、窒素原子に結合している場合には、水素、所望により置換されているC1−6アルキル、ヒドロキシ、所望により置換されているC1−6アルコキシ、所望により置換されているC1−6アルコキシカルボニル、所望により置換されているC1−6アルキルカルボニル、ホルミル、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノカルボニル、アミノ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、C1−6アルキルスルホニル、およびC1−6アルキルスルフィニルから独立して選択され;
何れのアミノ置換基としてのC1−6アルキルも、所望によりヒドロキシ、C1−6アルコキシ、アミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルアミノカルボニル、またはハロゲン(複数を含む)で置換されており、そして
何れのアリール、複素環およびヘテロアリールも、所望により置換されているか;
またはRおよびRは、それらが結合している炭素原子および/または窒素原子と一体となって、複素環式環、ヘテロ芳香環、芳香環、または炭素環式環を形成し;
ZはCHまたはNであり;そして
およびXの一方は、ハロゲン、OR、OCOR、N(R)、NHCOR、NHSO、およびNHCON(R)から選択され、
ここで、Rは、C1−6アルキル、所望により置換されているアリールおよび所望により置換されているヘテロアリールから選択され、そして
それぞれのRは、水素、C1−6アルキル、所望により置換されているアリール、および所望により置換されているヘテロアリールから独立して選択され;そして
およびXの他方は、所望により置換されているC1−6アルキル、所望により置換されているC2−6アルケニル、カルボキシ、所望により置換されているC1−6アルコキシカルボニル、所望により置換されているC1−6アルキルカルボニル、ホルミル、カルバモイル、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノカルボニル、シアノ、アリール、アリールカルボニル、複素環、複素環カルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールカルボニルから選択され、
何れのアミノ置換基としてのC1−6アルキルも、所望によりヒドロキシ、C1−6アルコキシ、アミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルアミノカルボニル、またはハロゲン(複数を含む)で置換されており、そして
何れのアリール、複素環およびヘテロアリールも、所望により置換されている]の3,3−ジフェニル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン・タイプの化合物、およびその薬学的に許容される塩およびプロドラッグの使用に関する。
【0089】
式(IIb)について定義した態様はまた、必要な変更を加えて、式(IId)の化合物に適用する。
【0090】
現在非常に興味深い式Iの化合物は、以下の品目1から225として挙げた化合物である。
【表1】

【0091】
【表2】

【0092】
【表3】

【0093】
【表4】

【0094】
【表5】

【0095】
【表6】

【0096】
【表7】

【0097】
【表8】

【0098】
【表9】

【0099】
【表10】

【0100】
【表11】

【0101】
【表12】

【0102】
【表13】

【0103】
【表14】

【0104】
【表15】

【0105】
処置方法
本発明のさらなる態様は、癌に罹患しているもしくは罹患し得る哺乳動物を処置する方法であって、該方法が、該哺乳動物に、治療有効量の上記で定義した化合物を投与することを含む方法に関する。投与量、投与などに関する条件は、さらに下記で定義した通りであり得る。
【0106】
生物学的効果
本発明者らは、一般式(I)の多くの化合物が、MDA-231 細胞の増殖を阻害するのに必要な濃度より低濃度で、MDA-468 細胞の増殖の阻害を示すことを見出した。この発見を説明することが可能なメカニズムは、MDA-231 細胞と比較して、MDA-468 細胞で、一般式(I)の化合物によって蛋白質合成が選択的に阻害されるというものである。我々の現在の仮説は、一般式(I)の化合物が、蛋白質合成の制御に関するmTOR経路活性および/または他の生化学的経路を選択的に阻害することによって、蛋白質合成を阻害するというものである。
【0107】
一般式(I)の化合物によるmTOR経路活性の選択的阻害は、ウェスタン・ブロットにおいて、細胞増殖および蛋白質合成データと相関する。このことは、ウェスタン・ブロットもしくはELISAによるリン特異的抗体もしくは全蛋白質抗体を用いたp70S6K、4E−BP1、またはS6Kリン酸化状態の何れかの測定によるmTOR経路活性の検出、または患者の腫瘍試料もしくは血液試料中のp70S6Kキナーゼ活性の測定が、一般式(I)の化合物に応答する患者を選択するのに有用な方法を提供することを示唆する。あるいは、リン特異的抗体を用いたp70S6KもしくはS6Kリン酸化状態の測定、または腫瘍試料もしくは血液試料におけるp70S6Kキナーゼ活性測定は、ヒトの臨床試験において、一般式(I)の化合物の薬物の投与量を決定するのに有用なバイオマーカーを提供し得る。
【0108】
医学的使用のための化合物
ここで概略した特定の医学的使用は別として、本明細書中で定義した化合物の多くが、一般的に、医学的使用に適用可能であると考えられる。
【0109】
従って、さらなる態様において、本発明は、医薬として使用するための上記で定義した化合物(ただし、該化合物は、3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン、および酢酸 4−[3−(4−アセトキシ−フェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−フェニル エステルから選択されるものではない)に関する。特に興味深い式(I)の化合物は、上記で定義した式(IIa)、(IIb)、(IIc)、および(IId)の化合物である。
【0110】
新規化合物
概説部分に記載されているように、一般式(I)の幾つかの化合物は、文献に記載されており、(異なる)生物学的効果が、これらの化合物の幾つかについて以前に記載されている。
【0111】
従って、本発明のさらにさらなる態様は、さらに上記で定義した通りの式(I):
【化7】

の化合物であって、ただし、
3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−7−メチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−4,5−ジメチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−5,7−ジメチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
5−ブロモ−3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
5−クロロ−3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−5−メトキシ−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−5−メチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
6−クロロ−3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−7−メチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
酢酸 4−[3−(4−アセトキシ−フェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−フェニル エステル;および
酢酸 4−[3−(4−アセトキシ−フェニル)−5−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−フェニル エステル;
から選択されるものではない化合物に関する。
【0112】
式(I)の化合物の詳細な記述およびその望ましいものは、上記の通りである。特に、望ましい式(I)の化合物は、上に定義した式(IIa)、(IIb)、(IIc)および(IId)の化合物である。
【0113】
式(I)ならびに(IIa)〜(IId)の化合物の製造
該化合物は、一般的に、実施例に記載したようにして合成され得る。
【0114】
医薬組成物の製剤化
式(I)の化合物(およびより特定的な式(II)の化合物)は、望ましい投与経路に適するように、医薬組成物において適切に製剤化される。
本化合物の投与経路は、治療有効濃度に対応する血中濃度もしくは組織内濃度をもたらす、何れかの適切な経路であり得る。従って、例えば、下記の投与経路に適用可能である:経口経路、非経腸経路、皮膚経路、鼻腔経路、直腸経路、膣経路、および眼経路(これらに制限されない)。投与経路は、対象の特定の化合物によって変わり;特に投与経路の選択は、患者の年齢および体重ならびに本化合物の物理化学的性質、さらに特定の疾患もしくは状態およびそれらの重症度によって変わることは、当業者に明らかであろう。
【0115】
本化合物は、医薬組成物中で何れかの適切な量で含まれていてもよく、一般的に、本組成物の総重量に対して約1〜95重量%、例えば1〜10重量%含まれる。本組成物は、経口、非経腸、直腸、皮膚、鼻腔、膣および/または眼の投与経路に適切な投与形態で存在し得る。従って、本組成物は、例えば錠剤、カプセル剤、丸薬、粉剤、顆粒、懸濁液、エマルジョン、溶液、ヒドロゲルを含むゲル、ペースト、軟膏、クリーム、プラスター、水薬、送達デバイス、坐剤、浣腸剤、注射剤、インプラント、スプレー、エアゾール、および他の適切な形態であり得る。
【0116】
本医薬組成物は、慣用の製薬方法に従って製剤化され得る。例えば“Remington's Pharmaceutical Sciences”および“Encyclopedia of Pharmaceutical Technology”, edited by Swarbrick, J. & J. C. Boylan, Marcel Dekker, Inc., New York, 1988 を参照のこと。典型的には、本明細書中で定義した化合物は、(少なくとも)1つの薬学的に許容される担体もしくは賦形剤と共に製剤化される。薬学的に許容される担体もしくは賦形剤は、当業者に既知のものである。式Iの化合物の適切な塩の製剤化は、上記の観点から明らかである。
【0117】
従って、本発明は、さらなる態様において、薬学的に許容される担体と組み合わせた、一般式Iの化合物を含む医薬組成物を提供する。
本化合物は、好ましくは、“医学的使用のための化合物”で定義した化合物の1つである。
【0118】
特定の態様において、本化合物は、“新規化合物”で定義した通りであり、すなわち、それぞれの新規の式(I)および式(II)の化合物である。
本発明による医薬組成物は、実質的に投与されてすぐに、または何れかの前もって定められた時間に、または投与後ある期間に亘って、活性な化合物を放出するよう製剤化され得る。後者のタイプの組成物は、一般的に、制御放出製剤として知られている。
【0119】
本明細書中において、“制御放出製剤”という用語は、i) 延長された時間に亘って、体内で、薬物の実質的一定濃度を形成する製剤、ii) 延長された時間に亘って、体内で、前もって定められた遅延時間後に、薬物の実質的一定濃度を形成する製剤、iii) 活性な薬物の血漿濃度の変動(のこぎり状速度パターン)による望ましくない副作用を最小にすると共に、体内の有効薬物濃度を比較的一定に維持することによって、前もって定められた時間薬物作用を維持する製剤、iv) 例えば罹病組織もしくは臓器中またはその近くに制御放出組成物を空間的に設置することによって、薬物作用を局在化することを意図した製剤、v) 薬物を特定の標的細胞タイプに送達するために担体もしくは化学的誘導体を用いることによって、薬物作用を標的指向性にすることを意図した製剤を含む。
【0120】
制御放出製剤はまた、“維持された放出”、“延長された放出”、“プログラムされた放出”、“時間放出”、“速度制御”および/または“標的放出”製剤と表現され得る。
【0121】
制御放出医薬組成物は、何れかの適切な投与形で与えられ、特に経口、非経腸、皮膚、鼻腔、直腸、膣、および/または眼の投与を意図した投与形で与えられ得る。その例は、単一もしくは複数の単位錠剤もしくはカプセル剤、油性溶液、懸濁液、エマルジョン、マイクロカプセル、ミクロスフェア、ナノ粒子、リポソーム、例えば経口、非経腸、皮膚、鼻腔、膣、もしくは眼の使用を意図した送達デバイスを含む。
【0122】
経口使用のための固体投与形、制御放出経口投与形、液体組成物、非経腸組成物、制御放出非経腸組成物、直腸組成物、鼻腔組成物、経皮および局所組成物、制御放出経皮および局所組成物、および眼への投与のための組成物の製造は、医薬製剤の当業者に周知である。特定の製剤は、“Remington's Pharmaceutical Sciences”に見出され得る。
【0123】
カプセル剤、錠剤、および丸薬などは、例えば下記の化合物を含んでもよい:結合剤として微晶性セルロース、ゴム、もしくはゼラチン;賦形剤として澱粉もしくは乳糖;滑沢剤としてステアレート;種々の甘味料もしくは風味剤。カプセル剤には、投与形は、脂肪油のような液体担体を含んでもよい。糖のコーティングまたは腸溶性薬剤が、単位投与の一部であってもよい。医薬組成物はまた、化合物およびミセルのエマルジョンを形成する脂質のエマルジョンであってもよい。
【0124】
非経腸、皮下、皮内、もしくは局所投与において、医薬組成物は、滅菌処理された希釈剤、緩衝剤、張性調節剤、および抗菌剤を含んでもよい。活性な化合物は、制御放出性を有するインプラントもしくはマイクロカプセルを含む、分解もしくは体内での即時の排出から保護する担体と共に製造されてもよい。静脈内投与のためには、望ましい担体は、生理食塩水もしくはリン酸緩衝生理食塩水である。
【0125】
投与量
1つの態様において、医薬組成物は、単位投与形である。このような態様において、単位投与形はそれぞれ、典型的に、0.1〜500mg、例えば0.1〜200mg、例えば0.1〜100mgの化合物を含む。
より一般的には、本化合物は、好ましくは、約0.1〜250mg/kg体重/日、例えば約0.5〜100mg/kg体重/日の量で投与される。
【0126】
全身の使用のための経口投与に適合させた組成物において、投与量は、1日に1〜4回で、処置される疾患に応じて1週間から12月間投与される場合に、1回当たり通常0.5mg〜1gである。
【0127】
疾患もしくは状態を予防するための、本組成物の経口投与のための投与量は、通常1〜100mg/kg体重/日である。投与量は、該疾患への曝露開始前1週から曝露後4週までの期間、1日1回もしくは2回投与され得る。
【0128】
疾患を予防するための直腸の使用に適合させた組成物においては、やや多い量の本化合物が通常望ましく、すなわち約1〜100mg/kg体重/日である。
【0129】
非経腸投与においては、約0.1〜約100mg/kg体重/日の投与量が便宜的である。静脈内投与においては、約0.1〜約20mg/kg体重/日の投与量で、1日から3月間が便宜的である。関節内投与においては、約0.1〜約50mg/kg体重/日の投与が通常望ましい。非経腸投与においては、一般的に、0.5〜2%もしくはそれ以上の活性成分の水性媒体溶液を用い得る。
【0130】
皮膚への局所投与においては、約1mg〜約5gの投与量で、1日1〜10回、1週間から12月間が、通常望ましい。
【0131】
組み合わせ処置
本発明の興味深い態様において、一般式(I)の化合物もしくは一般式(II)の化合物は、1個以上の他の化学治療薬と組み合わせて治療に用いられる。このような化学治療薬の例は、ダウノルビシン、ドセタキセル、プレドニゾン、デキサメタゾン、デカドロン(decadron)、アルトレタミン(altretamine)、アミフォスチン(amifostine)、アミノグルテチミド、ダクチノマイシン、アナストロゾール、アスパラギナーゼ、ビカルタミド、ブレオマイシン、ブスルファン、カルボプラチン、カルムスチン、クロランブシル、クロロデオキシアデノシン、シスプラチン、シトシン アラビノシド、ダカルバジン、ドキソルビシン、エピルビシン、エストラムスチン、ジエチルスチルベストロール、フルダラビン、フルタミド、5−フルオロウラシル、ゲムシタビン、ゴセレリン、イダルビシン、イリノテカン、レバミソール、ロムスチン、メクロレタミン、アルケラン(alkeran)、メルカプトプリン、タキソール(例えばパクリタキセル)から選択されるものである。特に、さらなる化学治療薬は、タキサン類、例えばタキソール、パクリタキセルおよびドセタキセルから選択される。
【0132】
従って、本明細書中で定義した使用および処置方法に関して、医薬は、さらに、1個以上の他の化学治療薬を含んでもよい。
本明細書中で定義した医薬組成物に関して、このような組成物は、さらに、1個以上の他の化学治療薬を含んでもよい。
【実施例】
【0133】
材料:
細胞株 MDA-MB-231、MDA-MB-435S、MDA-MB-453、MDA-MB-468、SKBr-3、BT-474、BT-549、MCF-7、MCF10A、T-47D、ZR75-1、HCC-1954、DU-145、PC-3、LnCaP、および Colo205 は、ATCCから入手した。PC-3/Mは、NCIから得られた。テルフェナジンは、Sigma-Aldrich から得られた。ペニシリン−ストレプトマイシン、およびゲンタマイシンは、Invitrogen から購入された。アラマーブルー試薬は BioSource から得られた。
化学合成のための出発物質、試薬、および溶媒は、異なる指定をしない限り、商業的供給源から得られた。オキシフェンイサチン(市販品A)および7−メチル−オキシフェンイサチン(市販品B)はまた、商業的供給源から得られた。
【0134】
実施例1:イサチン誘導体の製造手順
中間体として用いられたイサチン誘導体は、プロトコルAまたはプロトコルBの何れかによって得られる。
【0135】
文献の手順に基づいたプロトコルAは、電子供与置換基(Stolle: J. Prakt. Chem. (1922), 105, 137 および Sandmeyer: Helv. Chim. Acta (1919), 2, 234 を参照のこと)、または5員の電子富化ヘテロ芳香族性部分(Shvedov et al.: Chem. Heterocycl. Compd. Engl. Transl. (1975), 11, 666を参照のこと)の何れかを有する、芳香族性イサチン類を合成するために用いられた。望ましい5員複素環の例は、チオフェン類(V=S、V=V=C(−)およびV=結合;V=S、V=V=C(−)およびV=結合;またはV=S、V=V=C(−)およびV=結合)、フラン類(V=O、V=V=C(−)、およびV=結合;V=O、V=V=C(−)、およびV=結合;またはV=O、V=V=C(−)、およびV=結合)、ピラゾール類(V=N(−)、V=N、V=C(−)、およびV=結合;V=N、V=N(−)、V=C(−)、およびV=結合)、およびイミダゾール類(V=N(−)、V=C(−)、V=N、およびV=結合;V=N、V=C(−)、V=N(−)、およびV=結合)である。
【0136】
文献の手順に基づいたプロトコルBは、電子吸引置換基(Hewawasam and Maenwell: Tet. Lett. (1994)、35、7303を参照のこと)、および6員の貧電子ヘテロ芳香族性イサチン類(Rivalle and Bisagni: J. Heterocycl. Chem. (1997)、34、441を参照のこと)を有する、芳香族性イサチン類を合成するために用いられた。望ましい6員の複素環の例は、ピリジン類(V=N、V=V=V=C(−);V=N、V=V=V=C(−);V=N、V=V=V=C(−)、およびV=N、V=V=V=C(−))、ピリミジン類(V=V=N、V=V=C(−);V=V=N、V=V=C(−))、ピラジン類(V=V=N、V=V=C(−))、およびピリダジン類(V=V=N、V=V=C(−);V=V=N、V=V=C(−);V=V=N、V=V=C(−))である。
【0137】
別の対象のイサチン類は、さらに、文献で発表された代替法(すなわち Tatsugi et al. ARKIVOC (2001), 67-73 または Silva et al. によるレビュー, J. Braz. Chem. Soc. (2001), 12, 273-324を参照のこと)の1つを用いて製造され得る。
【0138】
プロトコルA:イサチン誘導体の製造
【化8】

水(700ml)中の硫酸ナトリウム(314.g, 2211mmol)の懸濁液に、よく撹拌しながら、60℃で、順次、ヒドロキシルアミン塩酸塩(56g, 806mmol)、クロラール水和物(47g, 284mmol)、水(500ml)中の2−メチル−3−クロロ−アニリン(40g, 283mmol)、そして最後に濃塩酸(12M, 24.2ml, 290mmol)を加えた。混合物の温度を100℃まで上げた。20分後、褐色の溶液を放置して室温まで冷却し、終夜撹拌し続けた。得られた固体を濾過し、水(3×)で、ヘプタン(2×)で洗浄し、60℃で、真空下、6時間乾燥した。62gの塩化 N−(3−クロロ−2−メチル−フェニル)−2−ヒドロキシイミノ−アセトイミドイル(1)をベージュ色の固体として得た。これをさらに精製することなく用いた。
δH (400 MHz, DMSO-d6) 12.3 (1 H, s), 9.8 (1 H, s), 7.7 (1 H, s), 7.42 (1 H, d, J= 7.8), 7.36 (1 H, d, J= 7.6), 7.3 (1 H, m), 2.25 (3 H, s).
【0139】
50℃に加熱した硫酸(18.3M, 300ml)に、よく撹拌しながら、塩化 N−(3−クロロ−2−メチル−フェニル)−2−ヒドロキシイミノ−アセトイミドイル(1)(60g, 282mmol)を、少量ずつ、20分に亘って加えた(70℃まで発熱)。添加完了後、温度を80℃まで上げ、20分間保ち、その後、反応物を放置して室温まで冷却した。褐色の混合物を、氷(〜500g)および水(500ml)にゆっくりと注ぎ、さらなる水(1L)で希釈し、褐色−橙色のスラリーを得た。固体を、吸引しながら濾過によって集め、水(2×)で洗浄し、橙色の固体を得た。この固体を0.4M 水酸化ナトリウム(1L)に溶解した。全ての不溶性のタールを濾過によって除いた。濃塩酸(12M, 70ml)を加え、得られた褐色−橙色の固体を濾過によって集め、水(3×)、ヘプタン(2×)で洗浄し、54℃で、真空下、6時間乾燥した。34.5g(208mmol, 62%)の6−クロロ−7−メチル−1H−インドール−2,3−ジオン(2)を得た。
δH (400 MHz, DMSO-d6) 11.3 (1 H, s), 7.4 (1 H, d, J=8.0), 7.2 (1 H, d, J=8.1), 2.25 (3 H, s).
【0140】
プロトコルB:イサチン誘導体の製造
【化9】

THF(10ml)中のBoc無水物(2.56g, 11.7mmol)の溶液に、よく撹拌しながら、4−アミノピリジン(1.0g, 10.6mmol)を、3分に亘って、20℃から25℃の間の温度に保ちながら、少しずつ加えた。さらなる発熱がないことを5分後観測した。次に反応物を室温で3.5時間撹拌した。真空で濃縮後、この粗製の混合物をヘキサン(20ml)中で粉砕し、濾過し、さらなるヘキサン(〜5ml)で洗浄した。得られた固体を減圧下で乾燥し、1.93g(9.9mmol, 94%)のピリジン−4−イル−カルバミン酸 tert−ブチルエステルを、白色の固体として得た。それをさらに精製することなく用いた。
LCMS (BDS-Hypersil C18, 50 mm×2.1 mm, 5μ, 2.5分) m/z 195 [MH]+ @ 保持時間 0.90分, 100% (UV, 215 nm).
【0141】
−5℃に冷却したTHF(9ml)中のピリジン−4−イル−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(0.62g, 3.09mmol)の溶液に、撹拌しながら、t−BuLi(THF中1.7M, 5.5ml, 9.27mmol)の溶液を、17分に亘って、温度を−5℃から1℃の間に保ちながら、ゆっくりと加えた。赤褐色の沈殿物が得られ、そして反応混合物を0℃でさらに1.5時間撹拌した。次に反応混合物を再度−5℃まで冷却し、ジエチル オキサレート(1.3ml, 9.27mmol)を加えた。反応物を室温まで昇温させ、そして2時間後、水(10ml)でクエンチした。真空で濃縮後、得られた混合物を酢酸エチル(20ml)で希釈し、水(10ml)で洗浄し、NaSOで乾燥し、真空で濃縮した。フラッシュ・カラム・クロマトグラフィー(30% EtOAc/ヘキサン)によって精製し、0.16g(0.54mmol, 17%)の(4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ピリジン−3−イル)−オキソ−酢酸エチルエステルを褐色の油状物として得た。
LCMS (BDS-Hypersil C18, 50 mm×2.1 mm, 5μ, 2.5分) m/z 295 [MH]+ + H2O付加物 @ 保持時間 1.07分, 96% (UV, 215nm).
【0142】
(4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ピリジン−3−イル)−オキソ−酢酸エチルエステル(0.14g, 0.476mmol)を、186℃で、5mmHgで、Kugelrohr装置中で25分間加熱した。褐色の油状物が暗色化し、次にガスを放出して、暗緑色の固体を形成した。固体をMeOHに溶解し、真空で濃縮し、0.04g(0.3mmol, 56%)の1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2,3−ジオンを褐色の固体として得た。このイサチンをさらに精製することなく次の段階に用いた。
【0143】
プロトコルC:イサチン誘導体への官能基の導入
6−クロロ−7−メチル−5−ニトロ−1H−インドール−2,3−ジオン(4)
【化10】

氷水中で冷却した、氷酢酸(2ml)および硫酸(4ml)中の、(2.0g, 10.2mmol)の懸濁液に、よく撹拌しながら、硝酸(69%, 1g, 10.9mmol)および硫酸(0.7g, 7.3mmol)の冷却した混合物を、内部温度を5℃以下に保てる速度で加えた。添加完了後、反応混合物を室温で1時間撹拌し、次に氷(〜20g)にゆっくりと注ぎ、10分放置した。形成した固体を濾過によって集め、冷水(3×)で洗浄し、真空下で終夜乾燥し、1.92g(8.0mmol, 78%)の6−クロロ−7−メチル−5−ニトロ−1H−インドール−2,3−ジオン(4)を橙色の固体として得た。
LCMS m/z 118.79 [フラグメント] @ RT 1.14分, 95%
【0144】
実施例2:本発明の最終化合物の製造手順
得られたイサチン誘導体は、本発明の最終化合物を合成するために用いられた。典型的には、イサチン誘導体は、氷酢酸および硫酸の混合物中、窒素下で、ベンゼン誘導体と共に100℃に加熱した。あるいは、イサチン誘導体を、室温で、トリフルオロメタンスルホン酸中、窒素下で、ベンゼン誘導体と反応させた(Klumpp et al. J. Org. Chem. (1998), 63, 4481-84 参照のこと)。最終化合物のチオアミド誘導体(Q=Sおよびn=1)は、対応するアミド(Q=Oおよびn=1)を、Organic Synthesis Coll. Vol. VII, p372 に記載されている Lawesson試薬と反応させることによって得られた。
【0145】
プロトコルD:最終化合物の製造
(a)
【化11】

氷酢酸(1.5ml)中の、フェノール(0.28g, 2.9mmol)および5−メトキシ−1H−インドール−2,3−ジオン(0.24g, 1.3mmol)の懸濁液に、窒素下、硫酸(18.3M, 0.145ml)を加えた。混合物を100℃で2時間加熱した。粗製の反応混合物を水で希釈し、酢酸エチル(2×)で抽出した。有機層を乾燥し(NaSO)、減圧下で濃縮し、褐色の固体を得た。この固体をDCM:AcOEt(9:1)(3×)と混合し、0.08g(0.35mmol, 18%)の3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−5−メトキシ−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(7)を得た。
LCMS m/z 348.19 [M+H]+ @ RT 1.09分, 100%.
δH (400 MHz, メタノール−d) 6.92 (4 H, d, J=8.80 Hz), 6.79 - 6.82 (1 H, m), 6.69 - 6.73 (1 H, m), 6.61 (5 H, m), 3.62 (3 H, s).
【0146】
(b)
【化12】

フェノール(15.3g, 163.6mmol)および6−クロロ−7−メチル−1H−インドール−2,3−ジオン(16.0g, 81.8mmol)を、氷酢酸(82ml)および硫酸(18.3M, 8.8ml)に、窒素雰囲気下で懸濁した。反応混合物を85℃で加熱し、2時間室温まで放冷した後、酢酸エチルで希釈し、水(3×)で洗浄した。有機相をNaSOで乾燥し、減圧下で濃縮した。粗製の物質を、トルエン:酢酸エチル(20:1(容積:容積))から再結晶することによって精製し、トルエンのみを含む黄色の13.3gの固体を得た。高真空で終夜乾燥し、45℃で、10.65g(29.2mmol, 38%)の6−クロロ−3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−7−メチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(3)を白色の固体として得た。
LCMS (λ 215 nm, BDS-Hypersil C18, 50 mm×2.1 mm, 5μ, 2.5分) m/z 366.3 [(Cl35) M+H]+ @ RT 1.3分, 100%.
δH (400 MHz, DMSO-d6) 10.9 (1 H, s), 9.5 (2 H, s), 7.1 ( 1 H, d, J=9.8), 7.05 ( 1 H, d, J=9.6), 6.95 (4 H, d, J=10.2), 6.7 (4 H, d, J=10.2), 2.35 (3 H, s).
【0147】
プロトコルE:最終化合物の製造
【化13】

トルエン(無水)(1ml)中の6−クロロ−7−メチル−1H−インドール−2,3−ジオン(0.15g, 0.76mmol)の懸濁液に、よく撹拌しながら、トリフルオロメタンスルホン酸(1.25ml)を加えた。チューブを密封し、混合物を室温で12時間撹拌した。次に暗褐色の反応混合物を氷(〜10g)上にゆっくりと注ぎ、10分間放置した。形成した沈殿物を濾過によって集め、冷水(3×100ml)で洗浄し、真空下で乾燥した。フラッシュ・カラム・クロマトグラフィー(EtOAc/ヘプタン(1:9から1:1)で濃度勾配溶出)によって精製し、次に再結晶し(MeOH/EtOAc)、25.2mg(0.07mmol, 9%)の6−クロロ−7−メチル−3,3−ジ−p−トリル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(28)を明褐色の固体として得た。
LCMS (BDS-Hypersil C18, 50 mm×2.1 mm, 5μ, 2.5分) m/z より多い成分 362.12 [MH]+ そしてより少ない成分 403.17 [MH+MeCN]+ @ 保持時間 2.18分, 100% (UV, 215 nm).
δH (400 MHz, DMSO-d6) 2.24 (6 H, s) 2.28 (3 H, s) 7.00 - 7.03 (5 H, m) 7.05 - 7.12 (5 H, m) 10.96 (1 H, s).
【0148】
下記の化合物は、特に断らない限り、全てプロトコルDもしくはEに従って製造した。
【0149】
6−クロロ−3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−7−メチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(3)
プロトコルDを参照のこと。
【0150】
6−クロロ−3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−7−メチル−5−ニトロ−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(5)
LCMS m/z 411.1 [(Cl35) M+H]+ @ RT 1.26分, 93%.
δH (400 MHz, DMSO-d6) 7.48 (1 H, s), 6.96 - 6.96 (4 H, m), 6.66 - 6.59 (4 H, m), 2.35 (3 H, s).
【0151】
5−アミノ−6−クロロ−3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−7−メチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(6)
メタノール(2ml)中の(0.1g, 0.24mmol)の溶液に、Pd/C(10%(w/w), 0.03g)を加えた。黒色の混合物を、水素下、室温で16時間撹拌した。触媒を濾過によって除去し、溶媒を減圧下で除去し、0.084g(0.22mmol, 92%)の5−アミノ−6−クロロ−3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−7−メチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(6)を得た。
LCMS m/z 381.16 [(Cl35) M+H]+ @ RT 0.94分, 84%.
δH (400 MHz, DMSO-d6) 11.7 (1 H, s), 8.1 (1 H, s), 2.3 (3 H, s).
【0152】
3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−5−メトキシ−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(7)
プロトコルDを参照のこと。
【0153】
3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−5−トリフルオロメトキシ−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(8)
LCMS m/z 402.12 [M+H]+ @ RT 1.27分, 96%.
δH (400 MHz, DMSO-d6) 10.78 (1 H, s), 9.43 (2 H, s), 7.23 (1 H, d, J=8.56), 7.17 (1 H, s), 6.99 (1 H, d, J=8.56), 6.93 (4 H, d, J=8.80), 6.66 (4 H, d, J=8.56).
【0154】
3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−5,7−ジメチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(9)
LCMS m/z 346.19 [M+H]+ @ RT 1.24分, 92%.
δH (400 MHz, DMSO-d6) 10.39 (1 H, s), 9.25 (2 H, s), 6.8 (4 H, d, J=8.6), 6.70 (1 H, s), 6.68 (1 H, s), 6.52 (4 H, d, J=8.6), 2.09 (6 H, s).
【0155】
3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−7−カルボン酸(10)
LCMS m/z 362.13 [M+H]+ @ RT 1.06分, 90%.
δH (400 MHz, DMSO-d6) 10.11 (1 H, s), 9.43 (2 H, s), 7.71 (1 H, dd, J=8.1, 1.2), 7.38 (1 H, dd, J=7.3, 0.7), 7.08 (1 H, t, J=7.8), 6.92 (4 H, d, J=8.8), 6.67 (4 H, d, J=8.8).
【0156】
5−クロロ−3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(11)
LCMS m/z 352.11 [(Cl35) M+H]+ @ RT 1.21分, 100%.
δH (400 MHz, DMSO-d6) 10.72 (1 H, s), 9.42 (2 H, s), 7.25 (1 H, dd, J=8.2, 2.1), 7.18 (1 H, d, J=2.2), 6.89-6.95 (5 H, m), 6.68 (4 H, d, J=8.6).
【0157】
5−フルオロ−3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(12)
LCMS m/z 336.16 [M+H]+ @ RT 1.14分, 90%.
δH (400 MHz, DMSO-d6) 10.61 (1 H, s), 9.41 (2 H, s), 7.00-7.10 (2 H, m), 6.93 (4 H, d, J=8.6), 6.89 (1 H, dd, J=8.4, 4.5), 6.67 (4 H, d, J=8.8).
【0158】
3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−5−ニトロ−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(13)
LCMS m/z 362.86 [M+H]+ @ RT 1.25分, 93%.
δH (400 MHz, DMSO-d6) 11.31 (1 H, s), 9.48 (2 H, s), 8.19 (1 H, dd, J=8.7, 2.3), 7.90 (1 H, d, J=2.2), 7.12 (1 H, d, J=8.8), 6.94 (4 H, d, J= 8.8), 6.70 (4 H, d, J=8.8).
【0159】
5−クロロ−3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−7−メチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(14)
LCMS m/z 365.92 [(Cl35) M+H]+ @ RT 1.36分, 91%.
δH (400 MHz, DMSO-d6) 10.77 (1 H, s), 9.41 (2 H, s), 7.10 (1 H, d, J=1.5), 6.98 (1 H, d, J=1.9), 6.91 (4 H, d, J=8.6), 6.67 (4 H, d, J=8.6), 2.22 (3 H, s).
【0160】
3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−5−メチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(15)
LCMS m/z 331.97 [M+H]+ @ RT 1.37分, 91%.
δH (400 MHz, DMSO-d6) 10.42 (1 H, s), 9.33 (2 H, s), 6.90-6.97 (2 H, m), 6.88 (4 H, d, J=8.6), 6.75 (1 H, d, J=7.8), 6.62 (4 H, d, J=8.8), 2.17 (3 H, s).
【0161】
5−ブロモ−3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(16)
LCMS m/z 396.05 [(Br79) M+H]+ @ RT 1.14分, 94%.
δH (400 MHz, MeOD) 7.28 (1 H, dd, J =8.3, 2.0), 7.14 (1 H, d, J =2.0), 6.88-6.92 (4 H, m), 6.81 (1 H, d, J=8.3), 6.60-6.64 (4 H, m).
【0162】
3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−5−ヨード−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(17)
LCMS m/z 444.01 [M+H]+ @ RT 1.70分, 100%.
δH (250 MHz, MeOD) 6.72 - 6.85 (5 H, m) 6.99 - 7.08 (5 H, m) 7.15 - 7.21 (1 H, m) 7.28 (1 H, t, J=7.23 Hz) 7.41 - 7.52 (2 H, m) 7.60 (1H, dd, J=8.23, 1.65 Hz).
【0163】
5−アミノ−3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(18)
LCMS m/z 333.13 [M+H]+ @ RT 1.29分, 90%.
δH (250 MHz, メタノール−D4) 6.71 (4 H, d, J=8.60 Hz) 6.98 - 7.05 (4 H, m) 7.12 (1 H, d, J=8.23 Hz) 7.20 (1 H, d, J=1.83 Hz) 7.26 -7.33 (1 H, m).
【0164】
5−アミノ−3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−7−メチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(19)
LCMS m/z 347.14 [M+H]+ @ RT 1.28分, 100%.
δH (400 MHz, メタノール−D4) 7.02 (4 H, d, J=8.8 Hz), 6.68 (4 H, d, J=8.8 Hz), 6.42 - 6.52 (2 H, m), 2.21 (3 H, s).
【0165】
6−ブロモ−3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−7−メチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(20)
LCMS m/z 410.04 [M+H]+ @ RT 1.39分, 94%.
δH (400 MHz, メタノール−D4) 7.22 (1 H, d, J=7.8 Hz), 7.00 (4 H, d, J=8.8 Hz), 6.85 (1 H, d, J=7.8 Hz), 6.69 (4 H, d, J=8.8 Hz), 2.35 (3H, s).
【0166】
3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−7−フルオロ−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(21)
LCMS m/z 336.11 [M+H]+ @ RT 1.15分, 97%.
δH (400 MHz, メタノール−D4) 6.85 - 6.97 (7 H, m), 6.60 (4 H, d, J=8.8 Hz).
【0167】
3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−7−メトキシ−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(22)
LCMS m/z 348.13 [M+H]+ @ RT 1.14分, 94%.
δH (400 MHz, メタノール−D4) 6.95 - 7.06 (5 H, m), 6.89 (1 H, d, J=8.3 Hz), 6.75 (1 H, d, J=7.8 Hz), 6.68 (4 H, d, J=8.8 Hz), 3.89 (3 H, s).
【0168】
4,7−ジクロロ−3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(23)
LCMS m/z 386.04 [M+H]+ @ RT 1.35分, 97%.
δH (400 MHz, メタノール−D4) 7.29 (1 H, d, J=8.8 Hz), 7.06 (4 H, d, J=8.8 Hz), 6.97 (1 H, d, J=8.8 Hz), 6.71 (4 H, d, J=8.8 Hz).
【0169】
6−クロロ−3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,7−ジメチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(24)
LCMS m/z 380.11 [M+H]+ @ RT 1.49分, 100%.
δH (400 MHz, メタノール−D4) 7.12 (1 H, d, J=7.8 Hz), 6.85 - 7.02 (5 H, m), 6.60 - 6.72 (4 H, m), 3.57 (3 H, s), 2.69 (3 H, s).
【0170】
6−クロロ−3,3−ビス−(4−フルオロ−フェニル)−7−メチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(25)
δH (400 MHz, メタノール−D4) 7.15 - 7.30 (4 H, m), 6.97 - 7.13 (6 H, m), 2.34 (3 H, s).
【0171】
3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−7−(モルホリン−4−カルボニル)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(26)
ジメチルホルムアミドに溶解した10(1当量)に、SOCl(3当量)を0℃で加えた。混合物を1時間撹拌し、蒸発させ、過剰のSOClを除去した。モルホリン(3当量)を加え、反応混合物を室温で3時間放置した。溶媒を真空で除去し、該26をシリカのパットに通じて濾過し、ジクロロメタン−MeOHを溶出液として用いることによって精製した。
LCMS m/z 431.04 [M+H]+ @ RT 1.13分, 90%.
δH (400 MHz, メタノール−D4) 7.19 - 7.29 (2 H, m), 7.11 (1 H, m), 6.97 - 7.05 (4 H, m), 6.64 - 6.75 (4 H, m), 3.69 (8 H, brs).
【0172】
3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,3−ジヒドロ−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−オン(27)
LCMS (BDS-Hypersil C18, 50 mm×2.1 mm, 5μ, 2.5分) m/z 319.28 [MH]+ @ RT 0.76分, 100% (UV, 215 nm).
δH (400 MHz, CD3OD) 6.63 (4H, d, J 8.6 Hz), 6.93 (4H, d, J 8.8 Hz), 6.95 (1H, d, J 5.4 Hz), 8.10 (1H, s), 8.24 (1H, d, J 5.4Hz).
【0173】
6−クロロ−7−メチル−3,3−ジ−p−トリル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(28)
プロトコルEを参照のこと。
【0174】
3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−3,6,7,8−テトラヒドロ−1H−1−アザ−as−インダセン−2−オン(29)
フェノール(1.0g, 10.84mmol)を、粗製の3,3−ジブロモ−1,3−ジヒドロ−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−オン(0.15g,0.51mmol, Parrick et al. Tet. Lett. (1984), 25, 3099に従って製造)に加え、混合物を100℃で10分間加熱し、室温まで放冷し、過剰のフェノールをフラッシュクロマトグラフィーによって除去した。シリカに吸着させた生成物を、メタノールで洗浄し、減圧下で濃縮することによって単離した。炭酸ナトリウム溶液を用いてpHを約6に調節し、粗生成物を減圧下で蒸発させることによって単離した。分取HPLCによって精製し、表題化合物(29)を得た(3mg, 2%)。
LCMS m/z 358.35 [M+H]+ @ RT 1.26分, 89%.
δH (400 MHz, DMSO-D6) 10.62 (1 H, s), 9.35 (2 H, s), 6.90 - 6.95 (4 H, m), 6.82 - 6.90 (2 H, m), 6.62 - 6.68 (4 H, m), 2.75 - 2.87 (4 H, m), 1.98 - 2.08 (2 H, m).
【0175】
7−ブロモ−3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(30)
LCMS m/z 398.22 [M+H]+ @ RT 1.22分, 100%.
【0176】
N−{4−[6−クロロ−3−(4−メタンスルホニルアミノ−フェニル)−7−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−フェニル}−メタンスルホンアミド(31)
LCMS m/z 520.27 [M+H]+ @ RT 1.30分, 96%.
δH (400 MHz, DMSO-D6) 11.00 (1 H, s), 9.78 (2 H, s), 6.85 - 7.37 (10 H, m), 2.97 (6 H, s), 2.28 (3 H, s).
【0177】
7−エチル−3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(32)
LCMS m/z 345.97 [M+H]+ @ RT 1.30分, 100%.
【0178】
3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−7−ヨード−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(33)
LCMS m/z 443.82 [M+H]+ @ RT 1.37分, 100%.
【0179】
3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−7−クロロ−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(34)
LCMS m/z 351.56 [M+H]+ @ RT 1.33分, 100%.
δH (400 MHz, メタノール−D4) 7.23 (1 H, dd, J=8.3, 1.0 Hz), 7.05 - 7.11 (1 H, m), 6.96 - 7.04 (5 H, m), 6.70 (4 H, d, J=8.8 Hz).
【0180】
3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−7−トリフルオロメチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(35)
LCMS m/z 387.98 [M+H]+ @ RT 1.35分, 94%.
δH (400 MHz, メタノール−D4) 7.49 (1 H, d, J=8.3 Hz), 7.38 (1 H, d, J=7.3 Hz), 7.17 (1 H, t, J=7.6 Hz), 7.00 (4 H, d, J=8.8 Hz), 6.71 (4 H, d, J=8.8 Hz).
【0181】
酢酸 4−[3−(4−アセトキシ−フェニル)−6−クロロ−7−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−フェニル エステル(36)
LCMS m/z 450.10 [M+H]+ @ RT 1.63分, 94%.
【0182】
3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−6−メトキシ−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(37)
LCMS m/z 348.22 [M+H]+ @ RT 1.14分, 98%.
δH (400 MHz, メタノール−D4) 6.95 - 7.05 (5 H, m), 6.63 - 6.74 (4 H, m), 6.53 - 6.61 (2 H, m), 3.77 (3 H, s).
【0183】
5,7−ジフルオロ−3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(38)
LCMS m/z 353.95 [M+H]+ @ RT 1.25分, 100%.
δH (400 MHz, メタノール−D4) 7.00 (4 H, d, J=8.8 Hz), 6.93 (1 H, td, J=9.8, 2.0 Hz), 6.81 (1 H, dd, J=8.1, 2.2 Hz), 6.72 (4 H, d, J=8.8 Hz).
【0184】
6−フルオロ−3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−7−メチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(39)
LCMS m/z 349.98 [M+H]+ @ RT 1.28分, 100%.
δH (400 MHz, メタノール−D4) 7.00 (4 H, d, J=8.8 Hz), 6.93 (1 H, dd, J=8.3, 5.4 Hz), 6.61 - 6.76 (5 H, m), 2.21 (3 H, d, J=1.0 Hz).
【0185】
3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−6−メトキシ−7−メチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(40)
LCMS m/z 362.00 [M+H]+ @ RT 1.35分, 100%.
δH (400 MHz, メタノール−D4) 7.00 (4 H, d, J=8.8 Hz), 6.89 (1 H, d, J=8.3 Hz), 6.67 (4 H, d, J=8.8 Hz), 6.59 (1 H, d, J=8.3 Hz), 3.80 (3H, s), 2.14 (3 H, s).
【0186】
6,7−ジフルオロ−3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(41)
LCMS m/z 353.96 [M+H]+ @ RT 1.35分, 96%.
δH (400 MHz, メタノール−D4) 7.00 (4 H, d, J=8.8 Hz), 6.82 - 6.96 (2 H, m), 6.70 (4 H, d, J=8.8 Hz).
【0187】
6−クロロ−7−フルオロ−3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(42)
LCMS m/z 369.95 [M+H]+ @ RT 1.30分, 100%.
δH (400 MHz, メタノール−D4) 7.10 (1 H, dd, J=8.1, 6.6 Hz), 7.00 (4 H, d, J=8.8 Hz), 6.95 (1 H, d, J=8.8 Hz), 6.70 (4 H, d, J=8.8 Hz).
【0188】
3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−7−カルボニトリル(43)
化合物33(0.35g, 0.79mmol)を、無水DMF(5ml)中のシアン化亜鉛(0.14g, 1.18mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.09g, 10%)で処理した。反応混合物を、窒素通気によって15分間脱気した。次に反応物を100℃で窒素下で終夜加熱した。室温まで冷却後、反応物を飽和NaHCO水溶液でクエンチした。得られた濁った懸濁液を濾過し、ろ液をトルエンおよび酢酸エチル(1:1)の混合物に溶解させ、水性NaHCO(飽和)(2×)で、水(2×)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過後、有機層を減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。粗製の物質の再処理を、上記の量と条件でさらに2回行った。該化合物を、始めにフラッシュ・カラム・クロマトグラフィー(DCM:MeOH, 濃度勾配溶出 95:5から9:1)によって、次に分取HPLCによって精製し、望ましい化合物(43)を、白色の固体として得た(0.014g, 5%)。
LCMS m/z 343.07 [M+H]+ @ RT 1.15分, 97%.
δH (400 MHz, メタノール−D4) 7.51 (1 H, dd, J=7.8, 1.0 Hz), 7.41 (1 H, dd, J=7.8, 1.0 Hz), 7.13 (1 H, t, J=7.8 Hz), 6.99 (4 H, d, J=8.8Hz), 6.71 (4 H, d, J=8.8 Hz).
【0189】
5−フルオロ−3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−7−メチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(44)
LCMS m/z 350.29 [M+H]+ @ RT 1.20分, 95%.
δH (400 MHz, メタノール−D4) 7.00 (4 H, d, J=8.8 Hz), 6.82 (1 H, dd, J=10.5, 2.2 Hz), 6.62 - 6.75 (5 H, m), 2.30 (3 H, s).
【0190】
3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−5−メトキシ−7−メチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(45)
LCMS m/z 362.25 [M+H]+ @ RT 1.16分, 91%.
δH (400 MHz, メタノール−D4) 7.01 (4 H, d, J=8.8 Hz), 6.69 (4 H, d, J=8.8 Hz), 6.64 (1 H, d, J=2.5 Hz), 6.53 (1 H, d, J=2.5 Hz), 3.68 (3 H, s), 2.28 (3 H, s).
【0191】
3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,3−ジヒドロ−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−オン(46)
LCMS m/z 319.27 [M+H]+ @ RT 0.97分, 100%.
δH (400 MHz, メタノール−D4) 8.10 (1 H, dd, J=4.9, 1.5 Hz), 7.55 (1 H, dd, J=7.3, 1.5 Hz), 6.93 - 7.11 (5 H, m), 6.71 (4 H, d, J=8.8 Hz).
【0192】
6−フルオロ−3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(47)
LCMS m/z 336.27 [M+H]+ @ RT 1.17分, 100%.
δH (400 MHz, メタノール−D4) 7.04 - 7.18 (1 H, m), 7.00 (4 H, d, J=8.80 Hz), 6.62 - 6.79 (6 H, m).
【0193】
N−[3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル]−アセトアミド(48)
LCMS m/z 375.27 [M+H]+ @ RT 1.08分, 100%.
δH (400 MHz, メタノール−D4) 7.25 - 7.33 (1 H, m), 7.14 - 7.19 (1 H, m), 7.12 (1 H, dd, J=7.3, 1.0 Hz), 7.08 (4 H, d, J=8.8 Hz), 6.95 (1H, d, J=7.8 Hz), 6.69 (4 H, d, J=8.8 Hz), 2.17 (3 H, s).
【0194】
5−[3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−7−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−6−イルオキシ]−ペンタン酸メチルエステル(49)
LCMS m/z 462.28 [M+H]+ @ RT 1.41分, 97%.
【0195】
5−[3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−7−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−6−イルオキシ]−ペンタン酸(50)
LCMS m/z 448.32 [M+H]+ @ RT 1.13分, 95%.
δH (400 MHz, メタノール−D4) 7.01 (4 H, d, J=9.0 Hz), 6.86 (1 H, d, J=8.2 Hz), 6.67 (4 H, d, J=8.8 Hz), 6.56 (1 H, d, J=8.4 Hz), 3.97 (2H, t, J=5.1 Hz), 2.36 (2 H, t, J=6.4 Hz), 2.15 (3 H, s), 1.72 - 1.91 (4 H, m).
【0196】
3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(51)
LCMS m/z 332.27 [M+H]+ @ RT 1.90分, 100%.
δH (400 MHz, メタノール−D4) 6.92 - 7.08 (5 H, m), 6.85 (1 H, d, J=8.3 Hz), 6.80 (1 H, s), 6.68 (4 H, d, J=8.8 Hz), 2.33 (3 H, s).
【0197】
7−クロロ−3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−6−メチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(52)
LCMS m/z 366.22 [M+H]+ @ RT 1.93分, 100%.
δH (400 MHz, メタノール−D4) 7.00 (4 H, d, J=8.8 Hz), 6.96 (2 H, s), 6.69 (4 H, d, J=8.8 Hz), 2.36 (3 H, s).
【0198】
5−ヒドロキシ−3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−7−メチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(53)
LCMS m/z 348.26 [M+H]+ @ RT 1.55分, 100%.
【0199】
3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−6,7−ジメチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(54)
LCMS m/z 346.30 [M+H]+ @ RT 1.85分, 100%.
δH (400 MHz, メタノール−D4) 7.00 (4 H, d, J=9.0 Hz), 6.84 (2 H, s), 6.67 (4 H, d, J=9.0 Hz), 2.27 (3 H, s), 2.22 (3 H, s).
【0200】
プロトコルF:最終生成物の製造
グリニャール付加を介したモノおよび混合フリーデル・クラフト生成物についての一般的経路
【化14】

【0201】
(a) グリニャール付加
乾燥テトラヒドロフラン中のイサチンの溶液に、撹拌しながら、窒素下、−78℃で、3当量のグリニャール試薬もしくは3当量の新しく製造した有機リチウム試薬の溶液を加えた。30分後、ドライアイス浴を除き、反応物を4から14時間をかけて室温まで昇温した。次に反応混合物に水を加え、過剰のグリニャール試薬をクエンチし、1N HClでpH 1−2まで酸性にし、EtOAc(2×)で抽出し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、粗生成物を黄色がかった粘性の油状物として得た。これを、シリカ(ヘプタン/EtOAcの濃度勾配で溶出, 95−5から1−1)で精製し、タイプ1の化合物の望ましいラセミ混合物を固体として得るか、またはさらに精製することなく次に段階に用いた。
【0202】
(b) フリーデル・クラフト反応:ジクロロエタン中の上記粗製の3級アルコールの溶液に、フェノール(5当量)およびp−TSA(7.5当量)を加えた。反応混合物を90℃で3時間加熱し、反応物を室温まで冷却した。固体を(主に不溶のp−TSA)を濾過して取り、冷ジクロロエタン(2×)で洗浄した。溶液を濃縮し、残った固体をシリカ(ヘプタン/EtOAcの濃度勾配で溶出, 95−5から1−1)で精製し、望ましいタイプ2の生成物のラセミ混合物を固体として得た。
下記の化合物は全て、異なる指定をしない限り、プロトコルFに従って製造された。
【0203】
6−クロロ−3−(4−ヒドロキシ−フェニル)−7−メチル−3−p−トリル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(59)
【化15】

中間体: LCMS (λ 215 nm, BDS-Hypersil C18, 50 mm×2.1 mm, 5μ, 2.8分 method ref: MET/CR/0720) m/z 270 [M+H-H2O]+ @ 保持時間 1.99分, 97%.
最終生成物(59):LCMS (λ 215 nm, BDS-Hypersil C18, 50 mm×2.1 mm, 5μ, 2.5分 method ref: MET/CR/0720) m/z 364 [M+H]+ @ 保持時間 1.64分, 100%. 全収率:87% (2段階).
δH (400 MHz, メタノール−d) 2.28 (3 H, s), 2.33 (3 H, s), 6.69 (2 H, d, J=8.8 Hz), 6.86-7.16 (8 H, m).
【0204】
6−クロロ−3−(4−ヒドロキシ−フェニル)−3−(4−メトキシ−フェニル)−7−メチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(60)
中間体:LCMS (λ 215 nm, BDS-Hypersil C18, 50 mm×2.1 mm, 5μ, 2.8分 method ref: MET/CR/0720) m/z 286[M+H-H2O]+ @ 保持時間 1.92分, 100%.
最終生成物(60): LCMS (λ 215 nm, BDS-Hypersil C18, 50 mm×2.1 mm, 5μ, 2.5分 method ref: MET/CR/0720) m/z 380 [M+H]+ @ 保持時間 1.57分, 100%. 全収率:60% (2段階).
δH (400 MHz, メタノール−d) 2.34 (3 H, s), 3.75 (3 H, s), 6.69 (2 H, d, J=8.8 Hz), 6.83 (2 H, d, J=9.3 Hz), 6.91-7.02 (3 H, m), 7.04-7.14 (3 H, m).
【0205】
6,7−ジフルオロ−3−(4−ヒドロキシ−フェニル)−3−p−トリル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(57)
中間体:LCMS (λ 215 nm, BDS-Hypersil C18, 50 mm×2.1 mm, 5μ, 2.8分 method ref: MET/CR/0720) m/z 258[M+H-H2O]+ @ 保持時間 1.96分, 96%.
最終生成物:LCMS (λ 215 nm, BDS-Hypersil C18, 50 mm×2.1 mm, 5μ, 2.8分 method ref: MET/CR/0720) m/z 352 [M+H]+ @ 保持時間 2.06分, 98%. 全収率:57% (2段階).
δH (250 MHz, CDCl3) 2.31 (3 H, s), 4.76 (1 H, s), 6.60-6.97 (4 H, m), 7.03-7.15 (6 H, m), 7.55 (1 H, s).
【0206】
6,7−ジフルオロ−3−(4−ヒドロキシ−フェニル)−3−(4−メトキシ−フェニル)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(58)
中間体:LCMS (λ 215 nm, BDS-Hypersil C18, 50 mm×2.1 mm, 5μ, 2.8分 method ref: MET/CR/0720) m/z 274[M+H-H2O]+ @ 保持時間 1.81分, 97%.
最終生成物(58):LCMS (λ 215 nm, BDS-Hypersil C18, 50 mm×2.1 mm, 5μ, 2.8分 method ref: MET/CR/0720) m/z 368[M+H]+ @ 保持時間 1.99分, 94%. 全収率:14% (全工程).
【0207】
3−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−6−クロロ−3−(4−ヒドロキシ−フェニル)−7−メチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン
中間体:LCMS (λ 215 nm, BDS-Hypersil C18, 50 mm×2.1 mm, 5μ, 2.8分 method ref: MET/CR/0720) m/z 362[M+H-H2O]+ @ 保持時間 2.16分, 88%.
δH (400 MHz, メタノール−d) 2.32 (3 H, s), 5.05 (2 H, s), 6.93 (2 H, d, J=8.8 Hz), 6.96-7.02 (1 H, m), 7.03-7.13 (1 H, m), 7.20-7.46 (7 H, m).
最終生成物:LCMS (λ 215 nm, BDS-Hypersil C18, 50 mm×2.1 mm, 5μ, 2.5分 method ref: MET/CR/0720) m/z 456[MH]+ @ 保持時間 1.59分, 100%. 全収率:11% (2工程).
δH (400 MHz, メタノール−d) 2.31 (3 H, s), 3.83 (2 H, d, J=2.5 Hz), 6.60 - 6.72 (3 H, m), 6.77 - 6.89 (3 H, m), 6.91 - 7.21 (9 H, m).
【0208】
3−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−6,7−ジフルオロ−3−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン
中間体:LCMS (λ 215 nm, BDS-Hypersil C18, 50 mm×2.1 mm, 5μ, 2.8分 method ref: MET/CR/0720) m/z 350[M+H-H2O]+ @ 保持時間 2.07分, 94%.
δH (400 MHz, メタノール−d), 5.06 (2 H, s), 6.82 - 7.01 (4 H, m), 7.24-7.31 (3 H, m), 7.34 (2 H, t, J=7.3 Hz), 7.38-7.45 (2 H, m).
最終生成物:LCMS (λ 215nm, BDS-Hypersil C18, 50 mm×2.1 mm, 5μ, 2.8分 method ref: MET/CR/0720) m/z 444[M+H-H2O]+ @ 保持時間 2.03分, 88%. 全収率:24% (2工程).
【0209】
プロトコルG−脱ベンジル化/脱ハロゲン化
3−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシ−フェニル)−7−メチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン
【化16】

メタノール中の3級アルコールの精製サンプル(40.9mg)、Pd/C(10%wt)を、水素化条件に置いた。反応をLCMSによってモニターした。室温で14時間後、該パラジウム/炭素を濾過して除き、メタノールで洗浄した。合わせた有機層を濃縮し、粗生成物を、シリカ(ヘプタン/EtOAcの濃度勾配:85−15から1−1)によって精製し、ラセミの標的化合物を固体として得た(4.5mg, 収率16%)。
LCMS (λ 215 nm, BDS-Hypersil C18, 50 mm×2.1 mm, 5μ, 2.5分 method ref: MET/CR/0720) m/z 238[M+H-H2O]+ @ 保持時間 1.26分, 100%
【0210】
6,7−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン
【化17】

メタノール中の3級アルコールの精製サンプル(41.8mg)、Pd/C(10%wt)を、水素化条件に置いた。反応をLCMSによってモニターした。室温で14時間後、該パラジウム/炭素を濾過して除き、メタノールで洗浄した。合わせた有機層を濃縮し、粗生成物をシリカ(ヘプタン/EtOAcの濃度勾配:85−15から1−1)によって精製し、ラセミの標的化合物を固体として得た(5.5mg, 収率17%)。
LCMS (λ 215 nm, BDS-Hypersil C18, 50 mm×2.1 mm, 5μ, 2.5分 method ref: MET/CR/0720) m/z 260[M+H-H2O]+ @ 保持時間 1.29分, 100%.
【0211】
実施例2:細胞増殖
ヒトの癌細胞の増殖の阻害は、新規化合物の抗癌剤としての可能性を予測するために広く用いられている。典型的には、腫瘍試料由来のヒトの癌細胞株を単層培地に維持し、持続時間を変化させて試験化合物を加える。抗癌としての可能性を有する試験化合物は、増殖を抑制させると予測され、それによって坦体だけで処理してコントロール細胞培地と比較して細胞数が減少すると予測される。細胞の数は、細胞の計数、代謝速度の決定(例えばテトラゾリウム塩、例えば臭化3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウム、またはアルマーブルー)の代謝抑制を用いる)、DNA含量の定量(DNA結合色素、例えば BODIPY-FL-14-dUTP)、またはDNAへのヌクレオチド取り込み(例えば放射性ラベルされたチミジンもしくはブロモ−デオキシウリジンの取り込み)の測定によってモニターされ得る。
【0212】
1つの重要な考察は、各々の試験化合物の阻害効果が、癌細胞増殖に特異的であるか、または細胞増殖を全般的に阻害することによるかの何れであるかということである。この問題は、細胞株対の組合わせを用いて処置することで解決できる;例えば、形質転換された癌細胞株の増殖に対する試験化合物の効果を、同じ組織起源の非形質転換細胞の増殖に対する試験化合物の効果と比較することができる。あるいは、癌細胞株間の表現型の違いが、試験化合物の選択性を評価するために利用され得る。例えば、ある種の化合物の抗増殖効果は、ヒト乳癌細胞株の特定のサブタイプにおいてのみ明らかであるが(例えばPTEN遺伝子変異もしくはp70S6K蛋白質キナーゼの遺伝子増殖を有する乳癌細胞株)、この表現型を示さない乳癌細胞株においては明らかでない(Noh et al. (2004) Clinical Cancer Research 10, 1013-1023; Yu et al. (2001) Endocrine-Related Cancer 8, 249-258)。後者のモデルにおける試験化合物の選択性は、該化合物の作用メカニズムに関連し、使用された細胞株における試験化合物の蛋白質標的が、存在するか、存在しないか、もしくは比較的豊富であるかに関係している。
【0213】
方法
化合物の効果は、MDA-468 および MDA-231 ヒト乳癌細胞の増殖で評価された。細胞は、成長培地:10% ウシ胎児血清および1% pen/strepを含む RPMI 1640 で維持された。90% コンフルエント時に、細胞を週2回、1:4もしくは1:8に分けた。細胞増殖アッセイにおいて、細胞を、成長培地中8000細胞/ウェルで、96 well black Packard Viewplates に植え付けた。1日後、成長培地を、試験化合物もしくはビークルを含む成長培地で置き換え、さらに2日間培地中で細胞を維持した。次に成長培地を除き、1% pen/strepを含むRPMI培地中の150μlのアルマーブルーで置き換えた。120分の37℃でのインキュベーション後、蛍光強度をプレートリーダーを用いて測定した。
【0214】
結果
MDA-468 および MDA-231 ヒト乳癌細胞の増殖を50%阻害するのに必要な一般式(I)の化合物の濃度(μM)(IC50)を図1に示す。図1に示された結果は、MDA-231 ヒト乳癌細胞の増殖を阻害するのに必要な濃度より低い濃度で、一般式(I)の化合物が MDA-468 ヒト乳癌細胞の増殖を阻害することができることを示している。
【0215】
実施例3:蛋白質合成試験
一般式(I)の化合物が蛋白質合成に対して効果を有するかを調べるためのこれらの試験の目的は、蛋白質への14C−ロイシン取り込みもしくは組み込みとして検定される。これは、“Leucine Uptake [14C] Cytostar-T assay, Amersham Biosciences”(CFA773)で記載されている通りである。
【0216】
MDA-MB-231 および MDA-MB-468 細胞は、CytoStar-T 96-well microplateに、8000細胞/ウェルで植え付けられた。成長培地中で終夜インキュベートし、翌日培地を注意深く吸引し(8-channel Vacuboy)、50μLの新しい前もって温めた培地(10% FCS, 10mM HEPES(pH7.2〜7.5))を加えた。細胞を37℃で60分間平衡化した。試験化合物を50μLの培地中に加え、14C−ロイシンを100μLの培地中に加えた(0.5μCi mL−1最終)。プレートを透明な接着ホイルで密封した。次にプレートを加湿インキュベーター中、37℃で6時間インキュベートした。次に、放射活性ロイシンの蛋白質への組み込み(蛋白質合成の測定)を、同時シンチレーション(1分当たりの計数(CPM))によって、Wallac Microbeta detector を用いて、指定の時間間隔で測定した。それぞれのウェルでt=0(プレート密封5分後)の測定値をバックグラウンドとして引いた。
6時間後に測定した結果を図2に示す。
【0217】
この結果は、化合物3が、化合物のインキュベーション240分後および22時間までに観察される、濃度に依存して、MDA-MB-468 における14C−ロイシン組み込みを著しく阻害することを示している。IC50は、100nM(240分から22時間)に対して推計される。興味深いことに、該効果は、組み込まれた全量の約1/6に相当する高い濃度で、プラトーに達すると見られる。このことは、化合物3の影響を受けない蛋白質合成がいくらかの割合で存在することを示す。
【0218】
MDA-MB-231 において、430分まで、化合物3の有意な効果は観測されなかった。22時間で、最小の効果が30μMで観測される。IC50>>30μM (22時間)。
化合物3の阻害効果は、したがって、MDA-MB-468 に非常に特異的である。
コントロール化合物であるアニソマイシンおよびシクロヘキシミド(示さず)は、全ての時間点で、両方の細胞株における14C−ロイシン組み込みを完全に阻害する(化合物3とは対照的に。上記参照)。
【0219】
実施例4:ウェスタン・ブロット試験
一般式(I)の化合物の作用メカニズムを調べるために、ウェスタン・ブロット試験を行い、蛋白質合成の制御に関連している経路の活性化状態を調べた(図4および5参照のこと)。
【0220】
方法
MDA-MB-468 細胞(MDA-468 とも言う)、または MDA-MB-231(MDA-231 とも言う)を培地に培養し、6ウェル細胞培養プレート中に400,000細胞/ウェルで植えた。16〜24時間後、成長培地を化合物を含む成長培地に替えた。
【0221】
化合物と共に24もしくは48時間インキュベーション後、細胞を氷冷したPBS緩衝液で洗浄し、溶解緩衝液中で回収した:ホスファターゼ阻害剤カクテル1および2、ならびにプロテアーゼ阻害剤カクテル(Sigma)を含む Cytobuster 試薬(Novagen)。等量の蛋白質を含むサンプルを、7% Trisアセテート・ゲル、MES緩衝液中の10% Bis-Tris に、またはMOPSランニング緩衝液(Invitrogen)を用いた12% Bis-Tris ゲルに負荷した。電気泳動後、サンプルをPVDF膜(Invitrogen)にブロットした。膜ブロッキング、ならびにp70 S6K、ホスホ−p70 S6K(Thr389)、PathscanI、およびS6抗体(Cell Signalling Technology)の抗体インキュベーションのために、Tris緩衝生理食塩水(TBS)中の0.2% Tween-20、5% 脱脂肪乾燥ミルク、5% FBSを含む緩衝液を用いた。4EBP1、ホスホ 4EBP1(Thr37/46)、ホスホ 4EBP1(Ser65) (Cell Signalling Technology)、およびサイクリン D3(Santa Cruz)の免疫ブロットのために、Cell Signalling Technology のプロトコルを用いた。Cell Signalling Technology ブロッキング緩衝液はTBS中0.1% Tween-20、5% 脱脂肪乾燥ミルクを含み、そして第1抗体希釈緩衝液はTBS中0.1% Tween-20、5% BSAを含む。第1抗体希釈緩衝液を膜に加える前に、ブロットを0.1% Tween-20 中で簡単にすすいだ。全ての抗体インキュベーションを4℃で終夜行った。TBS中の0.1% Tween-20 で膜を洗浄した後、該ブロットを、抗ウサギIgG結合西洋わさびペルオキシダーゼ(1:1000〜1:3000;Amersham Biosciences)と共に、室温で1時間インキュベートした。ECL検出系(Amersham Biosciences)を用いてペルオキシダーゼ活性を検出した。
【0222】
結果
ウェスタン・ブロット分析は、一般式(I)の化合物、例えば化合物3(レーン2および3)が、MDA-468 細胞において、24時間のインキュベーション後に、p70S6KおよびS6 リボソーム蛋白質のリン酸化を阻害することを示す(図4)。同様の効果が、mTOR阻害剤、ラパマイシン(レーン5)、およびPI3キナーゼ阻害剤 LY294002 (レーン6)で観測される。Ser473でのAKTリン酸化は、化合物もしくはラパマイシンによって阻害されないが、一方 LY294002 は、Ser473 でのAKTリン酸化を阻害する。さらに、化合物3は、全ておよび thr37/46 ホスホ特異的抗4E−BP1抗体の両方を用いて示されるように4E−BP1におけるゲル移動度を誘発し、4E−BP1のリン酸化状態における変化を示す。これにより、4E−BP1の Ser65 のリン酸化に対する化合物3の阻害効果を確認する。同様の効果をmTOR阻害剤、ラパマイシン、およびPI3キナーゼ阻害剤 LY294002 で観察する。さらに、細胞周期制御蛋白質 サイクリン D3の発現は、化合物3、ラパマイシンおよび LY294002 によって減少する。これらのデータは、TOR(mTOR)キナーゼの哺乳動物のホモログは、MDA-468 細胞において、成長条件下で活性であり、mTOR標的蛋白質、例えばp70S6キナーゼ(p70S6K)および4EBP1のリン酸化、ならびにS6リボソーム蛋白質、真核生物翻訳開始因子eIF4およびサイクリン D3を介した 蛋白質合成および細胞増殖の下方制御をもたらすことを示唆している。一般式(I)の化合物、例えば化合物3、ならびにラパマイシンおよび LY294002 は、MDA-468 細胞においてこの経路を阻害し、蛋白質合成および細胞増殖を減少させると予測され得る。
【0223】
化合物3(レーン2)は、p70S6Kのリン酸化を阻害しなかった。また、48時間インキュベーションした後、MDA-231 細胞において、p70S6K全てでゲル移動度のシフトを誘発しなかった(図5)。対照的に、ラパマイシン(レーン5)、および LY294002 (レーン6)は、p70S6Kのリン酸化を阻害し、全てのp70S6Kでゲル移動度のシフトを誘発した後、MDA-231 細胞において48時間インキュベーションした。化合物3、ラパマイシン、および LY294002 は、全て、p70S6Kのリン酸化を阻害し、48時間インキュベーション後の MDA-468 細胞における全p70S6Kのゲル移動シフトを誘発し、一般式(I)の化合物、例えば化合物3の細胞選択的効果を示す。
【0224】
実施例5:前立腺腫瘍異種移植片試験(ヒトPC3M細胞株)
本試験の目的は、一般式(I)の化合物、例えば化合物3が、異種移植片動物モデルにおいて、癌細胞の成長を阻害するかどうかを評価することであった。
【0225】
方法
25〜45gの重量のオスのヌード NMRU nu/nu マウスは、その両方の脇腹に、皮下インプラントによって、PRXF PC3M 腫瘍をインプラントされる。化合物3(50および100mg)を、毎日、経口(PO)経路によって、適当なビークル(2% DMSO:5% Tween 80:93% 生理食塩水)中で、単独で、またはパクリタキセル(paclitaxol)の最善の投与(10mg/kg;静脈内;週1回投与)と組み合わせて投与する。腫瘍体積を、週1回もしくは2回で17日間測定する。
【0226】
結果
化合物3は、単剤治療として与えられた場合に、腫瘍細胞成長の速度を減少させる(図6参照)。さらに、パクリタキセル(paclitaxol)との組み合わせでさらなる抗成長効果が示される。
【0227】
実施例6:乳癌、前立腺癌、および大腸癌細胞株に対する化合物3の効果
方法
細胞培養:MCF10A を除く全ての細胞株は、10% ウシ胎児血清(FBS)、100U/ml ペニシリン、および100μg/ml ストレプトマイシンを含むRPMI培地中で維持する。MCF10A は、シングルコート(BPE、ヒドロコルチゾン、hEGF、インシュリン、ゲンタマイシン/アンホテリシン−B)(Clonetics/Cambrex Bio Science)を添加し、乳腺上皮培養培地(MEGM)中で維持する。全ての細胞株を、37℃で、5% CO、および95% 湿度でインキュベートする。
【0228】
アルマーブルー細胞増殖アッセイ:細胞を黒色細胞培養器処理済 Packard/Perkin Elmer 96-viewplates 中で、10% FBS、100U/ml ペニシリン、および100μg/ml ストレプトマイシンを含む、100μl/ウェルのRPMI培地中で植える。細胞増殖を、1% FBSもしくは10% FBSの何れかを含む培地中で、全ての細胞株についてトリプリケートで見積もった。細胞密度を、アッセイの間で80〜90% コンフルエントまでの成長に基づいて見積もり、表1に示す。接種の翌日、成長培地は、1% FBS、100U/ml ペニシリン、100μg/ml ストレプトマイシン、および25μg/ml ゲンタマイシンを含む、100μl/ウェルのRPMIに負荷するか、または10% FBS、100U/ml ペニシリン、100μg/ml ストレプトマイシン、および25μg/ml ゲンタマイシンを含む、100μl/ウェルのRPMIに負荷する。グラフで示した濃度で、9個のポイントのハーフ・ログ希釈シリーズ(half-log dilution series)で、化合物を加える。多重測定に基づく全てのデータは、当業者に標準的な方法に従って集計した。さらに、2つの希釈フォーマットを用いてIC50値を測定した:(1) 標準条件は32μMから始まる9個のハーフ・ログ希釈である;および(2) 化合物がIC50<100nMならば、3.2μMから始まる9個のハーフ・ログ希釈を用いた。簡単に言えば、1% FBSもしくは10% FBSの何れかを含む成長培地で、化合物プレート中で、プレート中の培地に対応して化合物を希釈する。化合物を細胞プレートに100μl/ウェルで移し、グラフに示した濃度の化合物および0.25% DMSOを含む総体積200μl/ウェルとした。テルフェネジン(terfenedine)を、50μM テルフェネジンおよび0.5% DMSO(Smax)を含むウェル中で最大殺細胞のためのコントロールとして用いる。ネガティブ・コントロール・ウェル(So)は、0.25% DMSOを含んだ培地を含む。
【0229】
化合物添加後、細胞プレートを、37℃、5% CO、および95% 湿度で、72時間静置培養する。
生存している細胞の数を、ミトコンドリア活性を測定するアルマーブルー・アッセイを用いて見積もる。培地を傾斜し、フェノール−レッドを含まず、100U/ml ペニシリン、および100μg/ml ストレプトマイシン、および10% アルマーブルーを含む150μl/ウェル RPMI培地で置き換える。プレートを、インキュベーター中で、37℃で、5% CO、および95% 湿度で、2時間置く。次に、プレートをテーブルに動かし、プレートを重ねることなく室温まで放冷する。アルマーブルーのシグナルを、蛍光プレートリーダーで、590nm 放出フィルターおよび530nm 励起フィルターを用いて測定する。
【0230】
データ処理/計算:データを、0% 活性(S0)から100% 活性(Smax)の値に標準化する。S0 および Smax の平均値を計算し、それを用いて%活性(PCTACT)を、アッセイ中、式:PCTACT=(Xraw-Smax)/(S0-Smax)*100 によって計算した。
アッセイプレートのZ'値を:
Z'=1-3*(STDEV(S0)+STDEV(Smax))/(S0-Smax)
によって計算する。平均的にZ'〜0.8であり、常に0.6より高い。
【0231】
S字カーブ・フィッティングを、Prism を用いて、等式:
Y=Bottom + (Top-Bottom)/(1+10^((LogIC50-X)*HillSlope))
を用いて行う。
【0232】
【表16】

【0233】
結果:
全ての細胞株は、1%血清もしくは10%血清の何れかを含む媒体中で、細胞増殖について行い、両方についてトリプリケートで評価する。アッセイ中における%活性(PCTACT)、すなわち成長の%阻害を、“方法”で記載した通りに計算する。
【0234】
表2は、細胞株の細胞増殖阻害におけるIC50値をまとめたものである。IC50値は、細胞増殖を50%まで阻害するのに必要な化合物の濃度を言う。細胞増殖カーブ・フィットを図7から14に示す。
【0235】
乳癌細胞株:広範な群の乳癌細胞株が、化合物3および化合物21ならびにオキシフェンイサチンに対する感受性を試験された。試験された細胞株は、2つの非常に明確なカテゴリーに分かれた。
1) 化合物3に感受性の細胞株。細胞増殖IC50値は、1% FBS中においてアッセイした場合、0.6nMから30nMの範囲であり、10% FBS中においてアッセイした場合、15から80nMの範囲である。これらは、高血清濃度(10% FBS)および低血清濃度(1% FBS)の両方で成長させた乳癌細胞株 T47-D、MCF-7、MDA-MB-453、MDA-MB-468、BT-474、SKBr-3、BT-549、および HCC-1954 を含む。
2) 3μM以上のIC50値を有する化合物3に感受性でない細胞株。これらは、高血清濃度(10% FBS)および低血清濃度(1% FBS)で成長させた MDA-MB-231、MDA-MB-435S および ZR75-1 を含む。形質転換されていない乳癌表皮細胞株 MCF10A もまた、化合物3に対して感受性でない。
【0236】
50μM テルフェネジン(terfenedine)での成長阻害に対する%活性は、60%から90%の成長阻害の範囲であった。一般的に、細胞株は、高血清濃度 (10% FBS)の条件下よりも低血清濃度 (1% FBS)の条件下で化合物に対して感受性が高い。最も感受性の高い乳癌細胞株は、MDA-MB-453 である。
【0237】
このシリーズの他の2つの化合物、すなわち化合物21およびオキシフェンイサチンもまた試験された。両方の化合物は、化合物3と全く同じ細胞株抗増殖プロフィールを有するが、わずかに活性が低い(図9、10および11を比較)。
これらの結果は、表2および図7〜11にまとめられている。
【0238】
前立腺癌細胞株:DU-145、PC-3、PC-3/M および LnCaP 前立腺癌細胞株を細胞増殖アッセイにおいて試験した。PC-3 は、化合物3に感受性が高いが、LnCaP は感受性が低く、PC-3/M および DU-145 は感受性でない。化合物21およびオキシフェンイサチンは、同じ細胞株感受性プロフィールを有するが、これらの化合物は、化合物3より活性が低い。結果を表2および図12にまとめている。化合物41および35の効果もまた、化合物3と比較した;両方の化合物は、PC3 ヒト前立腺癌細胞株の増殖を阻害する(図13)。
【0239】
大腸癌細胞株:大腸癌細胞株 Colo205 は、化合物3での細胞増殖アッセイで試験し、その結果IC50=66nMであった。結果を表2および図14にまとめている。
【0240】
【表17】

注:IC50値をnM濃度で示す。20%より低い成長阻害(PCTACT)は有意でないと考えられる。MCF10A 細胞は、血清を含まないMEGM培地中に維持する。値を Prism によって計算する。
【0241】
実施例7:MDA-MB-468 腫瘍を用いた異種移植片試験
この試験の目的は、一般式(I)の化合物、例えば化合物3および41が、異種移植片動物モデルにおいて、MDA-MB-468 乳癌細胞(ホルモン非感受性ヒト乳癌細胞)由来の腫瘍の成長を阻害するかを評価することであった。
【0242】
方法
体重25〜45gのヌード balb/c マウスに、MDA-MB-468 腫瘍を、皮下移植によって、両方の脇腹に移植する。化合物3および41は、1日1回を15日間、経口(PO)経路(50および100mg)によって、適切なビークル(2% DMSO:5% Tween 80:93% 生理食塩水)に混和して投与するか、または週1回を4週間、静脈内(IV)経路(25および50mg/kg)によって、適切なビークル(2% DMSO:5% Tween 80:93% 生理食塩水)に混和して投与する。腫瘍の体積を週1回もしくは2回測定する。
【0243】
結果
化合物3は、POもしくはIV経路の何れかによる単剤治療として投与される場合に、投与量依存的に、MDA-MB-468 腫瘍細胞成長の速度を抑制する(図15参照)。さらに、投与量の多い化合物3を用いた際には腫瘍退縮を示す。化合物3の静脈内投与は、経口投与より有効であった(図15)。化合物41は、試験した全ての投与量でより顕著な腫瘍退縮を誘発し、化合物3より有効である(図16)。さらに、化合物41は、経口投与および静脈内投与で、同程度有効であった(図16)。化合物41はまた、これらの試験においてパクリタキセルより有効であるった(図16)。
【0244】
実施例8:MCF-7 腫瘍を用いた異種移植片試験
この試験の目的は、一般式(I)の化合物、例えば化合物41が、異種移植片動物モデルにおいて、MCF-7 乳癌細胞(ホルモン応答ヒト乳癌細胞)由来の腫瘍の成長を阻害するかを評価することであった。
【0245】
方法
体重25〜45gのヌード balb/c マウスに、MCF-7 腫瘍を、皮下移植によって、両方の脇腹に移植する。化合物3および41を、1日1回を15日間、経口(PO)経路(20および100mg)によって、適切なビークル(2% DMSO:5% Tween 80:93% 生理食塩水)と混和して投与するか、または週1回を4週間、静脈内(IV)経路(10および50mg/kg)によって、適切なビークル(2% DMSO:5% Tween 80:93% 生理食塩水)と混和して投与する。腫瘍体積を週1回もしくは2回測定する。
【0246】
結果
化合物41は、POもしくはIV経路の何れかによる単剤治療として投与される場合に、MCF7 腫瘍の大きさを退縮させる(図17参照)。さらに、試験された全ての投与量で腫瘍退縮を示す。化合物41の効果は、このモデルで、パクリタキセルより大である(図17)。化合物41は、経口投与および静脈内投与で同程度有効であった。
【0247】
実施例9:カスパーゼ活性の活性化
この試験の目的は、一般式(I)の化合物、例えば化合物3が、細胞死の一形態であるアポトーシスのマーカーとしてのカスパーゼ活性に影響を与えるかを評価することであった。化合物3の短時間、中間時間および長時間の効果を、化合物添加後4時間、6時間、および22時間で測定することによって評価する。
【0248】
方法
ヒト乳癌細胞株を、8000細胞/ウェルで 96-well black Packard Viewplates に植え付け、10% ウシ胎児血清(FBS)、100U/ml ペニシリン、および100μg/ml ストレプトマイシンを含むRPMI培地中で、37℃、5% COの加湿インキュベーター中で、終夜維持する。次に、化合物、例えば化合物3をウェルに加え、製造者の手引き書に従ってカスパーゼ活性をカスパーゼ活性キット(Fluorogenic “Apo-ONE(登録商標) Homogeneous Caspase-3/7 Assay” kit, #G7791; Promega) を用いて、それぞれの時間点で測定する。蛍光強度(485/535nm)を EnVision platereader を用いて測定する。試薬のバックグラウンド値(8個のウェル全ての平均値)を実験ウェル値から差引く。
【0249】
結果
化合物3の抗増殖効果に感受性であるヒト乳癌細胞株において、化合物3の添加後6時間、カスパーゼ活性が活性化される(図18)が、MDA-468 細胞では活性化が示されない。カスパーゼ活性の活性化は、化合物3の抗増殖効果に感受性でない乳癌細胞株では観察されない。
【0250】
これらの結果は、一般式(I)の化合物、例えば化合物3が、ある種のヒト乳癌細胞株においてアポトーシス細胞死を誘発することが示唆される。
【図面の簡単な説明】
【0251】
【図1】下記の式(III)に対応する実施例の部分に記載されている化合物を用いた、細胞増殖試験の結果を示している(実施例2)。
【図2】MDA-468 および MDA-231 ヒト乳癌細胞株における化合物3を用いた蛋白質合成試験の結果を示している(実施例3)。
【図3】翻訳制御経路を示す(Cell Signaling Technology catalogue 2003-2004より)。
【図4】MDA-468 細胞を用いた翻訳制御に関する蛋白質についてのウェスタン・ブロットを示す(24時間化合物インキュベーション)。1:DMSO(0.08%); 2:化合物3(200nM); 2:化合物3(2μM); 4:その他(2μM); 5:ラパマイシン(100nM);および6:LY294002 (10μM)(実施例4)。
【図5】MDA-468 および MDA-231 細胞を比較する翻訳制御に関する蛋白質についてのウェスタン・ブロットを示す(48時間インキュベーション)。1:DMSO(0.08%); 2:化合物3(200nM); 4:その他(2μM); 5:ラパマイシン(100nM);および6:LY294002 (10μM)(実施例4)。
【図6】化合物3のPC3M ヒト前立腺癌細胞異種移植片試験(xenograft experiments)の結果を図示している(実施例5)。
【図7】1% FBSを含む培地中における一群のヒト乳癌細胞株を用いた細胞増殖アッセイにおける化合物3の効果を示す。PCTACT は、50μM テルフェニジン(terfenidine)に対する相対的増殖阻害に対応する(100 PCTACT)(実施例6)。
【図8】非癌化ヒト胸部上皮細胞株 MCF10A の増殖に対する化合物3の効果を示す。PCTACT は、50μM テルフェニジンに対する相対的増殖阻害に対応する(100 PCTACT)(実施例6)。
【図9】10% FBSを含む培地中の一群のヒト乳癌細胞株を用いた細胞増殖アッセイにおける化合物3の効果を示す。PCTACTは、50μM テルフェニジンに対する相対的増殖阻害に対応する(100 PCTACT)(実施例6)。
【図10】10% FBSを含む培地中の一群の乳癌細胞株を用いた細胞増殖アッセイにおける化合物21の効果を示す(血清を含まないMEGM培地中で成長させた MCF10A を除く)。PCTACT は、50μM テルフェニジンに対する相対的増殖阻害に対応する(100 PCTACT)(実施例6)。
【図11】10% FBSを含む培地中の一群の乳癌細胞株を用いた細胞増殖アッセイにおけるオキシフェンイサチンの効果を示す(血清を含まないMEGM培地中で成長させた MCF10A を除く)。PCTACTは、50μM テルフェニジンに対する相対的増殖阻害に対応する(100 PCTACT)(実施例6)。
【図12】10% FBSを含む培地中の一群の前立腺癌細胞株を用いた細胞増殖アッセイにおける、化合物3および21、ならびにオキシフェンイサチンの効果を示す。PCTACT は、50μM テルフェニジンに対する相対的増殖阻害に対応する(100 PCTACT)(実施例6)。
【図13】10% FBSを含む培地中の PC3 前立腺癌細胞株を用いた細胞増殖アッセイにおける化合物3および41の効果を示す(実施例6)。
【図14】10% FBSを含む培地中の結腸癌細胞株 Colo205 に対する化合物3の効果を示す細胞増殖アッセイの結果を示す。PCTACT は、50μM テルフェニジンに対する相対的増殖阻害に対応する(100 PCTACT)(実施例6)。
【図15】POもしくはIV経路の何れかによる単剤治療として行った場合に化合物3が、異種移植片試験で、MDA-MB-468 腫瘍細胞増殖の速度を、用量依存的に低減させることを示している。さらに、化合物3は、高用量では腫瘍退縮が認められた(実施例7)。
【図16】化合物41が異種移植片試験で MDA-MB-468 ヒト乳癌腫瘍細胞成長の速度を低減させ、そしてPOもしくはIV経路の何れかによる単剤治療として投与した場合に試験した全ての投与量で腫瘍退縮を誘発することを示す。この効果はパクリタキセル投与より顕著である(実施例7)。
【図17】化合物41が異種移植片試験で MCF-7 ヒト乳癌腫瘍細胞成長の速度を低減させ、そしてPOもしくはIV経路の何れかによる単剤治療として投与した場合に試験した全ての投与量で腫瘍退縮を誘発することを示す。この効果は、パクリタキセル投与より顕著である(実施例8)。
【図18】化合物3が殆どのヒトの乳癌細胞株においてカスパーゼ活性を亢進することを示し、このことは、本化合物がアポトーシス促進活性を発揮することを示す(実施例9)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳動物において、癌を処置する医薬の製造のための、式(I):
【化1】

[式中、
、V、V、およびVは、炭素原子、非4級窒素原子、酸素原子、および硫黄原子から独立して選択され、かつVは、さらに、結合から選択されてもよく、その結果、−V−V−V−V−は、Vが結合している原子およびVが結合している原子と一体となって、芳香環もしくはヘテロ芳香環を形成し;
、R、R、およびRは、炭素原子に結合している場合は、水素、所望により置換されているC1−6アルキル、所望により置換されているC2−6アルケニル、ヒドロキシ、所望により置換されているC1−6アルコキシ、所望により置換されているC2−6アルケニルオキシ、カルボキシ、所望により置換されているC1−6アルコキシカルボニル、所望により置換されているC1−6アルキルカルボニル、所望により置換されているC1−6アルキルカルボニルオキシ、ホルミル、アミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、カルバモイル、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノカルボニル、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ、シアノ、カルバミド、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノカルボニルアミノ、C1−6アルカノイルオキシ、C1−6アルキルスルホニル、C1−6アルキルスルフィニル、アミノスルホニル、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノスルホニル、ニトロ、所望により置換されているC1−6アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、アリールカルボニル、アリールアミノ、複素環、複素環オキシ、複素環アミノ、複素環カルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールカルボニル、およびハロゲンから独立して選択され、
何れのアミノ置換基としてのC1−6アルキルも、所望によりヒドロキシ、C1−6アルコキシ、アミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルアミノカルボニル、またはハロゲン(複数を含む)で置換されており、そして
何れのアリール、複素環、およびヘテロアリールも、所望により置換されており;
、R、R、およびRは、窒素原子に結合している場合は、水素、所望により置換されているC1−6アルキル、ヒドロキシ、所望により置換されているC1−6アルコキシ、所望により置換されているC1−6アルコキシカルボニル、所望により置換されているC1−6アルキルカルボニル、ホルミル、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノカルボニル、アミノ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、C1−6アルキルスルホニル、C1−6アルキルスルフィニル、アリール、アリールオキシ、アリールカルボニル、アリールアミノ、複素環、複素環オキシ、複素環カルボニル、複素環アミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、およびヘテロアリールアミノから独立して選択され、
何れのアミノ置換基としてのC1−6アルキルも、所望によりヒドロキシ、C1−6アルコキシ、アミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルアミノカルボニル、またはハロゲン(複数を含む)で置換されており、そして
何れのアリール、複素環、およびヘテロアリールも、所望により置換されているか;
またはRおよびRは、それらが結合している炭素原子と一体となって、環、例えば芳香環、炭素環式環、複素環式環、またはヘテロ芳香環、特に芳香環、複素環式環、もしくはヘテロ芳香環を形成し;
およびXは、ハロゲン、ヒドロキシ、所望により置換されているC1−6アルコキシ、所望により置換されているC1−6アルキルカルボニルオキシ、アミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノカルボニルアミノ、C1−6アルカノイルオキシ、メルカプト、所望により置換されているC1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルホニル、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノスルホニル、アリールオキシ、アリールアミノ、複素環オキシ、複素環アミノ、ヘテロアリールオキシ、およびヘテロアリールアミノから独立して選択され、
何れのアミノもしくは硫黄置換基としてのC1−6アルキルも、所望によりヒドロキシ、C1−6アルコキシ、アミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルアミノカルボニル、またはハロゲン(複数を含む)で置換されており、そして
何れのアリール、複素環、およびヘテロアリールも、所望により置換されており;
>Y(=Q)は、>C=O、>C=S、>S=O、および>S(=O)から選択され;そして
は、水素、所望により置換されているC1−6アルキル、ヒドロキシ、所望により置換されているC1−6アルコキシ、所望により置換されているC1−6アルコキシカルボニル、所望により置換されているC1−6アルキルカルボニル、ホルミル、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノカルボニル、アミノ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、C1−6アルキルスルホニル、およびC1−6アルキルスルフィニルからなる群から選択され、
アミノ置換基としての何れのC1−6アルキルも、所望によりヒドロキシ、C1−6アルコキシ、アミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルアミノカルボニル、またはハロゲン(複数を含む)で置換されている]の化合物;ならびにその薬学的に許容される塩およびプロドラッグの使用。
【請求項2】
、R、RおよびRが、全て水素ではない、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
環がベンゼン環およびピリジン環から選択され、後者である場合その窒素原子がVである、請求項1から2の何れか1項に記載の使用。
【請求項4】
が炭素原子であって、Rが、水素、ハロゲン、C1−6アルキル、トリフルオロメチルおよびC1−6アルコキシから選択される、請求項1から3の何れか1項に記載の使用。
【請求項5】
が炭素原子であって、Rが、水素、ハロゲン、所望により置換されているアリール、所望により置換されているアリールオキシ、および所望により置換されているヘテロアリールから選択される、請求項1から4の何れか1項に記載の使用。
【請求項6】
が炭素原子であって、Rが、水素、所望により置換されているC1−6アルコキシ、ハロゲン、シアノ、所望により置換されているアリール、所望により置換されているアリールオキシ、所望により置換されているヘテロアリール、アミノ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ、およびモノおよびジ(C1−6アルキル)アミノスルホニルから選択される、請求項1から5の何れか1項に記載の使用。
【請求項7】
が炭素原子であって、Rが水素である、請求項1から6の何れか1項に記載の使用。
【請求項8】
およびXが、ヒドロキシ、OAc、NH、NMe、NHAc、NHSOMe、およびNHCONMeから独立して選択される、請求項1から7の何れか1項に記載の使用。
【請求項9】
およびXが同一である、請求項1から8の何れか1項に記載の使用。
【請求項10】
Yが、炭素原子であり、そしてQが酸素原子である、すなわち>Y(=Q)が、>C=Oであり、そしてRが、水素、C1−6アルキル、アミノ、およびC1−6アルキルカルボニルアミノから選択される、請求項1から9の何れか1項に記載の使用。
【請求項11】
、V、V、Vが、全て炭素原子であり、>Y(=Q)が、>C=Oであり、そしてRが水素である、請求項1から10の何れか1項に記載の使用。
【請求項12】
が水素である、請求項1から11の何れか1項に記載の使用。
【請求項13】
およびRが、共に水素である、請求項12に記載の使用。
【請求項14】
がC1−4アルキルであり、そしてRがハロゲンである、請求項11〜13の何れか1項に記載の使用。
【請求項15】
およびRが、それらが結合している炭素原子と一体となって、芳香環もしくは炭素環式環を形成する、請求項11〜13の何れか1項に記載の使用。
【請求項16】
およびXが、それぞれ、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、アミノ、およびジメチルアミノから独立して選択される、請求項11〜15の何れか1項に記載の使用。
【請求項17】
、R、およびRが、全て水素である、請求項12に記載の使用。
【請求項18】
が、水素、ハロゲン、ニトロ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、トリフルオロメトキシ、アミノ、カルボキシ、およびジメチルアミノカルボニルから選択される、請求項11および17の何れか1項に記載の使用。
【請求項19】
およびXが、それぞれ、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、アミノ、およびジメチルアミノから独立して選択される、請求項17〜18の何れか1項に記載の使用。
【請求項20】
、R、およびRが、全て水素である、請求項12に記載の使用。
【請求項21】
が、フルオロ、クロロ、ブロモ、C1−4アルキル、トリフルオロメチル、C1−4アルコキシ、およびジメチルアミノカルボニルから選択される、請求項11および20の何れか1項に記載の使用。
【請求項22】
およびXが、それぞれ、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、アミノ、およびジメチルアミノから独立して選択される、請求項20〜21の何れか1項に記載の使用。
【請求項23】
が、ハロゲン、C1−4アルキル、トリフルオロメチル、C1−4アルコキシ、およびジメチルアミノカルボニルから選択され、Rが、水素およびハロゲンから選択され、そしてRが、水素、ハロゲン、C1−4アルキル、およびアミノから選択され、RおよびRがともに水素ではない、請求項11および12の何れか1項に記載の使用。
【請求項24】
哺乳動物において、癌を処置する医薬の製造のための、式(IIa):
【化2】

[式中、
は、水素、ハロゲン、C1−6アルキル、トリフルオロメチル、およびC1−6アルコキシから選択され;
は、水素、ハロゲン、所望により置換されているアリール、所望により置換されているアリールオキシ、および所望により置換されているヘテロアリールから選択され;
は、水素、所望により置換されているC1−6アルコキシ、ハロゲン、シアノ、および所望により置換されているアリール、所望により置換されているアリールオキシ、所望により置換されているヘテロアリール、アミノ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ、およびモノおよびジ(C1−6アルキル)アミノスルホニルから選択され;
Zは、CHまたはNであり;そして
およびXは、ハロゲン、OR、OCOR、N(R)、NHCOR、NHSO、およびNHCON(R)から独立して選択され;
ここで、Rは、C1−6アルキル、所望により置換されているアリール、および所望により置換されているヘテロアリールから選択され;そして
は、それぞれ独立して、水素、C1−6アルキル、所望により置換されているアリール、および所望により置換されているヘテロアリールから選択される]の3,3−ジフェニル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン・タイプの化合物、ならびにその薬学的に許容される塩およびプロドラッグの使用。
【請求項25】
哺乳動物において、癌を処置する医薬の製造のための、式(IIb):
【化3】

[式中、
、R、およびRは、炭素原子に結合している場合、水素、所望により置換されているC1−6アルキル、所望により置換されているC2−6アルケニル、ヒドロキシ、所望により置換されているC1−6アルコキシ、所望により置換されているC2−6アルケニルオキシ、カルボキシ、所望により置換されているC1−6アルコキシカルボニル、所望により置換されているC1−6アルキルカルボニル、所望により置換されているC1−6アルキルカルボニルオキシ、ホルミル、アミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、カルバモイル、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノカルボニル、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ、シアノ、カルバミド、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノカルボニルアミノ、C1−6アルカノイルオキシ、C1−6アルキルスルホニル、C1−6アルキルスルフィニル、アミノスルホニル、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノスルホニル、ニトロ、所望により置換されているC1−6アルキルチオ、およびハロゲンから独立して選択され、
アミノ置換基としての何れのC1−6アルキルも、所望によりヒドロキシ、C1−6アルコキシ、アミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルアミノカルボニル、またはハロゲン(複数を含む)で置換されており;そして
、R、およびRは、窒素原子に結合している場合、水素、所望により置換されているC1−6アルキル、ヒドロキシ、所望により置換されているC1−6アルコキシ、所望により置換されているC1−6アルコキシカルボニル、所望により置換されているC1−6アルキルカルボニル、ホルミル、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノカルボニル、アミノ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、C1−6アルキルスルホニル、およびC1−6アルキルスルフィニルから独立して選択され、
アミノ置換基としての何れのC1−6アルキルも、所望によりヒドロキシ、C1−6アルコキシ、アミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルアミノカルボニル、またはハロゲン(複数を含む)で置換されており、そして
何れのアリール、複素環およびヘテロアリールも、所望により置換されているか;
またはRおよびRは、それらが結合している炭素原子および/または窒素原子と一体となって、複素環式環、ヘテロ芳香環、芳香環、または炭素環式環を形成し;
Zは、CHまたはNであり;そして
およびXは、ハロゲン、OR、OCOR、N(R)、NHCOR、NHSO、およびNHCON(R)から独立して選択され、
ここで、Rは、C1−6アルキル、所望により置換されているアリール、および所望により置換されているヘテロアリールから選択され、そして
それぞれのRは、水素、C1−6アルキル、所望により置換されているアリール、および所望により置換されているヘテロアリールから独立して選択される]の3,3−ジフェニル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン・タイプの化合物、ならびにその薬学的に許容される塩およびプロドラッグの使用。
【請求項26】
哺乳動物において、癌を処置する医薬の製造のための、式(IIc):
【化4】

[式中、
は、水素、ハロゲン、C1−6アルキル、トリフルオロメチル、およびC1−6アルコキシから選択され;
は、水素、ハロゲン、所望により置換されているアリール、所望により置換されているアリールオキシ、および所望により置換されているヘテロアリールから選択され;
は、水素、所望により置換されているC1−6アルコキシ、ハロゲン、シアノ、および所望により置換されているアリール、所望により置換されているアリールオキシ、所望により置換されているヘテロアリール、アミノ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ、およびモノおよびジ(C1−6アルキル)アミノスルホニルから選択され;
Zは、CHまたはNであり;そして
およびXの一方は、ハロゲン、OR、OCOR、N(R)、NHCOR、NHSO、およびNHCON(R)から選択され、
ここで、Rは、C1−6アルキル、所望により置換されているアリール、および所望により置換されているヘテロアリールから選択され、そして
それぞれのRは、水素、C1−6アルキル、所望により置換されているアリール、および所望により置換されているヘテロアリールから独立して選択され;そして
およびXのもう一方は、所望により置換されているC1−6アルキル、所望により置換されているC2−6アルケニル、カルボキシ、所望により置換されているC1−6アルコキシカルボニル、所望により置換されているC1−6アルキルカルボニル、ホルミル、カルバモイル、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノカルボニル、シアノ、アリール、アリールカルボニル、複素環、複素環カルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールカルボニルから選択され、
アミノ置換基としての何れのC1−6アルキルも、所望によりヒドロキシ、C1−6アルコキシ、アミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルアミノカルボニル、またはハロゲン(複数を含む)で置換されており、そして
何れのアリール、複素環、およびヘテロアリールも、所望により置換されている]の3,3−ジフェニル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン・タイプの化合物、ならびにその薬学的に許容される塩およびプロドラッグ(さらに上記で定義した)の使用。
【請求項27】
哺乳動物において、癌を処置する医薬の製造のための、式(IId):
【化5】

[式中、
、R、およびRは、炭素原子に結合している場合、水素、所望により置換されているC1−6アルキル、所望により置換されているC2−6アルケニル、ヒドロキシ、所望により置換されているC1−6アルコキシ、所望により置換されているC2−6アルケニルオキシ、カルボキシ、所望により置換されているC1−6アルコキシカルボニル、所望により置換されているC1−6アルキルカルボニル、所望により置換されているC1−6アルキルカルボニルオキシ、ホルミル、アミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、カルバモイル、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノカルボニル、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ、シアノ、カルバミド、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノカルボニルアミノ、C1−6アルカノイルオキシ、C1−6アルキルスルホニル、C1−6アルキルスルフィニル、アミノスルホニル、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノスルホニル、ニトロ、所望により置換されているC1−6アルキルチオ、およびハロゲンから独立して選択され、
アミノ置換基としての何れのC1−6アルキルも、所望によりヒドロキシ、C1−6アルコキシ、アミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルアミノカルボニル、またはハロゲン(複数を含む)で置換されており;そして
、R、およびRは、窒素原子に結合している場合、水素、所望により置換されているC1−6アルキル、ヒドロキシ、所望により置換されているC1−6アルコキシ、所望により置換されているC1−6アルコキシカルボニル、所望により置換されているC1−6アルキルカルボニル、ホルミル、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノカルボニル、アミノ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、C1−6アルキルスルホニル、およびC1−6アルキルスルフィニルから独立して選択され;
アミノ置換基としての何れのC1−6アルキルも、所望によりヒドロキシ、C1−6アルコキシ、アミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルアミノカルボニル、またはハロゲン(複数を含む)で置換されており、そして
何れのアリール、複素環、およびヘテロアリールも、所望により置換されているか;
またはRおよびRは、それらが結合している炭素原子および/または窒素原子と一体となって、複素環式環、ヘテロ芳香環、芳香環、または炭素環式環を形成し;
Zは、CHまたはNであり;そして
およびXの一方は、ハロゲン、OR、OCOR、N(R)、NHCOR、NHSO、およびNHCON(R)から選択され、
ここで、Rは、C1−6アルキル、所望により置換されているアリール、および所望により置換されているヘテロアリールから選択され、そして
それぞれのRは、独立して、水素、C1−6アルキル、所望により置換されているアリール、および所望により置換されているヘテロアリールから選択され;そして
およびXの他方は、所望により置換されているC1−6アルキル、所望により置換されているC2−6アルケニル、カルボキシ、所望により置換されているC1−6アルコキシカルボニル、所望により置換されているC1−6アルキルカルボニル、ホルミル、カルバモイル、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノカルボニル、シアノ、アリール、アリールカルボニル、複素環、複素環カルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールカルボニルから選択され、
アミノ置換基としての何れのC1−6アルキルも、所望によりヒドロキシ、C1−6アルコキシ、アミノ、モノおよびジ(C1−6アルキル)アミノ、カルボキシ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルアミノカルボニル、またはハロゲン(複数を含む)で置換されており、そして
何れのアリール、複素環およびヘテロアリールも所望により置換されている]の3,3−ジフェニル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン・タイプの化合物ならびにその薬学的に許容される塩およびプロドラッグの使用。
【請求項28】
該化合物が、本明細書中に挙げた品目1から225から選択される、請求項1から27の何れか1項に記載の使用。
【請求項29】
該医薬が、1個以上の他の化学療法剤をさらに含む、請求項1から28の何れか1項に記載の使用。
【請求項30】
医薬として使用するための、請求項1〜28の何れか1項に記載の化合物(ただし、3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オンおよび酢酸 4−[3−(4−アセトキシ−フェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−フェニル エステルを除く。)。
【請求項31】
請求項1〜23の何れか1項で定義した、一般式(I):
【化6】

の化合物(ただし、
3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−7−メチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−4,5−ジメチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−5,7−ジメチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
5−ブロモ−3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
5−クロロ−3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−5−メトキシ−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−5−メチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
6−クロロ−3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−7−メチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
酢酸 4−[3−(4−アセトキシ−フェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−フェニル エステル;および
酢酸 4−[3−(4−アセトキシ−フェニル)−5−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−フェニル エステルを除く。)。
【請求項32】
請求項24〜28の何れか1項に定義した、式(II):
【化7】

の3,3−ジフェニル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン・タイプの化合物(ただし、
3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−7−メチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−4,5−ジメチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−5,7−ジメチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
5−ブロモ−3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
5−クロロ−3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−5−メトキシ−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−5−メチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
6−クロロ−3,3−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−7−メチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
酢酸 4−[3−(4−アセトキシ−フェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−フェニル エステル;および
酢酸 4−[3−(4−アセトキシ−フェニル)−5−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−3−イル]−フェニル エステルを除く。)。
【請求項33】
請求項1〜28の何れか1項に定義した化合物および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公表番号】特表2007−532496(P2007−532496A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−506660(P2007−506660)
【出願日】平成17年4月8日(2005.4.8)
【国際出願番号】PCT/DK2005/000244
【国際公開番号】WO2005/097107
【国際公開日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(504373129)トポターゲット・アクティーゼルスカブ (7)
【氏名又は名称原語表記】TopoTarget A/S
【Fターム(参考)】