説明

ジフテリア毒素の産生

ジフテリア毒素の産生のためのジフテリア菌培地、および毒素を産生させる方法を提供する。その培地は、実質的に動物由来産物を含まず、水、炭水化物源、窒素源、および初期濃度の多数の遊離アミノ酸を含み、各遊離アミノ酸の初期濃度は、毒素の産生を制限しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細菌増殖培地およびジフテリア毒素の産生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ジフテリアは、グラム陽性好気性桿菌であるジフテリア菌(Corynebacterium diphtheriae)の感染によって発生する。この疾患は、ジフテリア菌の毒素産生菌株による上咽頭組織への局所侵襲によって生じる。この微生物は、扁桃腺にまたは鼻咽頭領域内に局在するであろう痛み、出血および壊死を伴う病変を覆う頑丈な繊維素性膜において増殖する。典型的な伝染病であった過去の時代には、この病気は飛沫感染によって広がっていった。ジフテリアから回復した患者でも、抗生物質で完全に治療しなければ、咽喉や上咽頭部に数週間から数ヶ月に亘り毒性細菌を保持していることがある。
【0003】
ジフテリアの臨床的症状のほとんどは、tox遺伝子を担持するコリネバクテリオプロファージ(corynebacterioprophage)によって産生される強力なジフテリア毒素によるものである。ジフテリア菌にプロファージが感染して溶菌化が起こると、その菌株は毒性を獲得する。非毒性型のジフテリア毒素(トキソイド)での能動免疫によって産生される中和抗体(抗毒素血清)は、ジフテリアを予防することが可能である。現在の免疫学的戦略では、ホルムアルデヒド処理により、ジフテリア毒素を、非毒性であるが抗原性を有するトキソイドに変換することによって調製したジフテリアワクチンを使用する。ジフテリアトキソイドは、世界中での一斉予防接種のために他の免疫成分と多様に組み合わせて使用されている。近年、世界保健機構(WHO)は、幼児の予防接種率の低下、成人におけるジフテリアに対する免疫力の衰退、及びワクチンの供給不足により、世界中でおよそ10万人が発症し、年間8千人が死亡していると推定した。
【0004】
ジフテリア菌のパーク・ウィリアム8(PW8)菌株は、菌体外毒素を産生させるためにしばしば使用され、化学修飾によってそれからトキソイドが調製される。一般的に、アミノ酸と少量のビタミン、無機塩、マルトースのような炭水化物源を含む培地組成は、細菌の増殖を著しく促進させる。カゼインの酸分解産物やウシ筋肉の酵素(トリプシンまたはパパイン)分解産物などを含む様々な培地が、毒物を産生するのに適している。従来の方法では、細菌は、動物由来のタンパク質性物質を含む培地で培養する。ジフテリア毒素の産生に通常使われている培地はNZ-アミンA型培地であり、これはカゼイン分解産物を含んでいる。最適条件下では、NZ-アミンA型培地を用いて産生される毒素の量は、ライムズ凝集法による測定で180Lf/mLである(非特許文献1−3;本出願全体に亘り、本発明が属する分野の技術水準をより詳細に説明するために様々な参考文献が括弧書きで参照されている。各文献に関する全ての書誌的情報が本明細書の最後に記載されている。それら各参考文献の開示内容は、参照によって本開示に組み込まれる)。
【0005】
動物由来のタンパク質性物質を用いると、そのような培地を用いて産生されたジフテリア毒素に望ましくない混入物の導入をもたらす可能性がある。
【0006】
El Lholy ら(1967;非特許文献4)は、キバナルピナス(Lupinus luteus)の発芽した種から調製した栄養培地(大豆抽出物)を、ジフテリア菌の増殖用培地において用いた。ジフテリア菌は良好に増殖したが、ジフテリア毒素の産生は僅かであった。El KohlyおよびKaramya(1979;非特許文献5)は、大豆抽出物中のサポニンが毒素産生の阻害剤であると結論付けた。TahaおよびKholy(1985;非特許文献6)は、水を沸騰させて連続抽出する前に、大豆を高圧蒸気滅菌(オートクレーブ処理)して、おそらく高圧蒸気殺菌(オートクレーブでの処理)によるトリプシン阻害剤の破壊および連続煮沸による抽出物のサポニン含量の減少により、対照(ミートブロス(meat broth))に匹敵するLf値を有する毒素をもたらす水性抽出物を提供した。大豆ミールのpH4.6での酸抽出は、サポニンおよびトリプシン阻害剤が共にこのpHでは限られた量しか抽出されないため、対照(ミートブロス)のLf値と張り合うLf値を有する抽出物をもたらした。
【0007】
Wolfeらにより出願されNYCOMED IMAGING ASに譲渡された2000年8月31日公開の特許文献1は、ジフテリア毒素の産生のための培地および方法について記載する。特許文献1に記載されている全ての培地は、乳タンパク質であるカゼインの酸加水分解によって得られたカザミノ酸を含有する。従って、特許文献1に記載の全ての培地は、動物由来のタンパク質性物質を含有する。
【0008】
Oliveriらにより出願されChiron S.P.A.に譲渡された1998年12月3日公開の特許文献2は、ソイトン(Soytone)を含有するジフテリア毒素の産生のための培地について記載する
非毒性でしばしばCRMs(cross-reacting materials)と称されるジフテリア毒素の類似物(analogs)が報告されている(例えば非特許文献7を参照)。それらの例示として、CEM-197、CEM-9、CRM-45、CRM-102、CRM-103およびCRM-107が挙げられる。
【特許文献1】国際公開第00/50449号パンフレット
【特許文献2】国際公開第98/541296号パンフレット
【非特許文献1】Sundaran, B., Udaya, Y., Rao, B. and Boopathy, R.(2001) Process optimization for enhanced production of diphtheria toxin by submerged cultivation. Journal of Bioscience and Bioengineering 91, No. 2, 123-128.
【非特許文献2】Stainer, D.W. and Scholte, M.J (1973), The production of high potency diphtheria toxin in submerged culture in relatively simple equipment using a semisynthetic medium. Biotechnology and Bioengineering Symposium No. 4, 283-293.
【非特許文献3】Zaki, A.M.(1971) Production of diphtheria toxin in submerged culture. The Journal of the Egyptian Public Health Association 46, No.2, 80-85.
【非特許文献4】El Kohly S., Shaheen Y., and Abdel Fattah, F.(1967). A new modification of lupinus culture medium. The Journal of the Egyptian Public Health Association 42, 1-7.
【非特許文献5】El Kohly S., and Karawya M.S(1979). Preliminary phytochemical and microbiological screening of Lupinus termis Forsk seeds. Bulletin of Faculty of Pharmacy, Cairo University XVIII No.2:9-15.
【非特許文献6】Taha, F.S. and Kholy, S.E. (1985). Aoybean extracts as culture media for the growth and toxin production of coryneabacterium diphtheriae. The Journal of the Egyptian Public Health Association 60: 113-126/
【非特許文献7】Nicholls and Youle in Genetically Engineered Toxins Ed: Frankel, Marcel Dekker Inc., 1992.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ジフテリア菌の培養およびジフテリア毒素およびその類似物の産生のための、動物性成分を実質的に含まないまたは欠いた増菌培地を提供する必要性が依然としてある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、ジフテリア毒素およびその類似物の産生のための増殖培地および方法に関するものである。
【0011】
本発明の第1の態様において、ジフテリア毒素またはその類似物の産生のための培地を提供し、その培地は、動物由来産物を実質的に含まず、水;炭水化物源および窒素源、ならびに初期濃度の多数の遊離アミノ酸を含み、各遊離アミノ酸の初期濃度は、ジフテリア毒素またはその類似物の産生レベルを制限しない濃度である。その培地は、全ての天然アミノ酸を含んでいてよく、また炭水化物源はマルトースを含んでいてよく、また培地はグルコールを含まなくてもよい。窒素源は酵母抽出物を含んでいてよい。その培地は、動物由来産物を欠くものでもよい。
【0012】
本発明の第2の態様において、ジフテリア菌用の培地を提供し、その培地は、動物由来産物を実質的に含まず、炭水化物源および窒素源、ならびに少なくとも4つのアミノ酸をそれぞれがジフテリア毒素またはその類似物のジフテリア菌による産生レベルを高めるのに十分な量で含む添加物システム(additive system)を含む。その培地は、全ての天然アミノ酸を含んでいてよく、また炭水化物源はマルトースを含んでいてよい。窒素源は酵母抽出物であってよい。適切なアミノ酸濃度は、培地1リットル当たり約0.5gから約1gである。その培地は、動物由来産物を欠くものでもよい。
【0013】
本発明の第3の態様において、ジフテリア毒素またはその類似物を産生する方法を提供し、その方法は、本明細書に記載の任意の培地中でジフテリア菌株を培養する工程を含む。ジフテリア菌株を静止期まで増殖させてよく、また少なくとも100Lf/mLのジフテリア毒素またはその類似物の産生を得ることができる。ジフテリア毒素またはその類似物を回収し、精製し、さらに無毒化してジフテリアトキソイドを提供することができ、それはジフテリア菌の感染により生じる疾患に対して宿主を免疫するためのワクチンとして製剤化される。
【0014】
別の態様において、本発明はジフテリア菌の感染により生じる疾患に対して宿主を免疫する方法まで及び、その方法は、本発明により提供されたワクチンを宿主に投与することを含む。従って、本発明により提供されたワクチンは、ジフテリア菌の感染により生じる疾患に対して宿主を免疫するのに用いることができ、さらに本発明により提供されたジフテリア毒素は、ジフテリア菌の感染により生じる疾患に対して宿主を免疫するための薬剤の調製に用いることができる。
【0015】
さらに別の態様では、本発明は、ジフテリア菌株および本発明により提供される培地を含む組成物を提供する。
【0016】
さらに別の態様では、本発明は、ジフテリア毒素またはその類似物を産生する方法を提供し、その方法は、動物由来産物を実質的に含まない培地中において培養ジフテリア菌を増殖させ、さらに少なくとも1つの選択アミノ酸を培地に提供して、その選択アミノ酸の濃度が毒素(またはその類似物)の産生を制限することを防ぐ工程を含む。その培地は、例えば約3g/Lの濃度で、酵母抽出物をさらに含んでいてよい。
【0017】
さらに別の態様において、本発明は、あるレベルのジフテリア毒素またはその類似物を産生するためにアミノ酸を含有する培地中でジフテリア菌を培養し、その培養の間に少なくとも1つの選択アミノ酸が使い尽くされてジフテリア毒素またはその類似物の産生レベルを制限するような方法における改善を提供し、その改善は、その培養の間に追加量の少なくとも1つの選択アミノ酸の外因性の添加を含み、少なくとも1つの選択アミノ酸がジフテリア毒素またはその類似物の産生レベルを制限しない。その少なくとも1つの選択アミノ酸は、Glu、Asn、Ser、His、Gly、Thr、Met、Trpおよびイソロイシンより成る群から選択することができる。
【0018】
本発明は、図面を参照して以下の記載からさらに理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
NZアミンは、カゼインの酵素消化によって産生されるアミノ酸およびペプチドの供給源である。NZアミンは、アミノ窒素(遊離アミノ酸)および有機窒素(ペプチド)の両方の良好な供給源である。ジフテリアトキソイドの産生用のジフテリア菌培地における別のアミノ酸およびペプチドの供給源は、動物由来のToxiprotone-Dである。それら培地の組成を下記の表に示す。
【0020】
NZアミン含有培地の組成
【表1】

【表2】

【表3】

【0021】
動物性成分不含アミノ酸培地の作成
アミノ酸培地の調製において、そのアプローチは、Toxiprotone-D含有培地およびNZ-アミン動物性成分含有培地の両方において各アミノ酸のより高い濃度(mM)を選択して、ジフテリアの増殖および毒素産生を支持することができる培地を作成することである。
【0022】
ジフテリア菌を、NZ-アミン含有培地において増殖させた。いくつかのアミノ酸が、様々な時間(24、30および41時間)で、発酵の間に使い尽くされることが同定された(表4)。
【表4】

【0023】
アミノ酸の消費と毒素産生を関連付けることによって、アミノ酸、Asn、Glu、Ser、His、Gly、Thr、Met、Trp、IsoおよびLeuを含有する以下の培地を用いて発酵実験を実施した。
【表5】

【0024】
しかしながら、それら少数のアミノ酸のみの使用では、細胞増殖または毒素産生をもたらさなかった。
【0025】
培地(CDM)が全ての天然アミノ酸を含有するように工夫した。そのアミノ酸の全てが非動物源に由来するものである。この培地の組成を以下の表6に示す。
【表6】

【0026】
NZアミン培地またはToxiprotone含有培地を用いて20Lスケールで実施したジフテリア菌株の発酵バッチの比較分析

NZアミン含有培地を用いた発酵
第1の前培養において、凍結乾燥した種を、凍結乾燥種からレフラースラント(Loefflers slant)に増殖させ、その際36±2℃で22±2時間培養物を増殖させた。第2の前培養では、22±2時間のインキュベーションの後、スラントからの細胞を100mLのNZ培地を含む第1フラスコに移し、36±2℃にて22時間180rpmでインキュベートした。フラスコは、1mLの1:10希釈リン酸溶液(32%(w/v))および0.5mLの1:2希釈塩化カルシウム溶液(53%(w/v))も含んでいた。第3の前培養では100mLの第1振とうフラスコ(shake flask)から、約5mLの第1培養物を採取し、250mLのNZアミン培地に播種し、36±2℃にて22時間180rpmでインキュベートした。その培養は、2.5mLの1:10希釈リン酸溶液(32%(w/v))および1.25mLの1:2希釈塩化カルシウム溶液(53%(w/v))も含んでいた。発酵において、第3の前培養物15mLを用いて、発酵槽中の15LのNZアミン培地に播種した。その培養は、100.7mLの0.32%(w/v)リン酸溶液および125mLの1:2希釈塩化カルシウム溶液(53%(w/v))、および23.44mLの硫酸第1鉄七水和物溶液(0.1%(w/v))も含んでいた。発酵は、1つのラッシュトン型タービン羽根を有するBraun発酵槽中、600rpmの攪拌を用い、ヘッドスペースを通した1.57vvmの通気で、36±2℃の調節温度下において実施した。25時間の発酵後、攪拌を800rpmまで上昇させ、発酵槽を0.4barまで加圧した。さらに16時間発酵を継続した。
【0027】
Toxiprotone含有培地を用いた発酵
第1の前培養において、凍結乾燥した種を、凍結乾燥種から5%ヒツジ血液寒天プレートを用いてbactoトリプトース寒天に増殖させ、その際36±2℃で22±2時間培養物を増殖させた。第2の前培養では、血液寒天培地からの細胞を90mLの培地を含む第1フラスコに移し、室温で48時間静止させ、その後36±2℃にて24時間180rpmでインキュベートした。90mLの第1振とうフラスコから、約1.6mLの第1培養物を採取し、800mLの培地に播種し、36±2℃にて22時間180rpmでインキュベートした。次に、その800mLの培養物を用いて、発酵槽中の10Lの培地に播種した。発酵は、2つのラッシュトン型タービン羽根、1つの噴霧器および4つのバッフルを有するNew Brunswick Scientific発酵槽中で実施した。培養物を、36±2℃で0.2vvmの通気を行い220rpmで攪拌した。8時間前から32時間の発酵が完了するまでの間、pHを7.5から7.6の間に調節した。生じたLf/mLは80-90Kf/mLであった。
【0028】
CDM培地を用いた発酵
第1の前培養
湿式凍結(wet frozen)した種(グリセロール保存)をCDM+5g/L YE寒天培地で増殖させ、36℃で24時間インキュベートした。
【0029】
第2の前培養
プレートでの培養物を、5mLのCDM+3g/L YE培地中に再懸濁させ、その2.5mLを用いて90mLのCDM+3g/LYE培地の入った第1フラスコに播種した。そのフラスコを36℃で24時間、200rpmの一定の振とう下でインキュベートした。第1フラスコは、0.9mLの1:10希釈リン酸溶液(32%(w/v))および0.45mLの1:2希釈塩化カルシウム溶液(53%(w/v))も含んでいた。
【0030】
発酵
第3の前培養物の約800mLを用いて、発酵槽中の10LのCDM+3g/L YE培地に播種した。100mLの1:10希釈リン酸溶液(32%(w/v))および50mLの1:2希釈塩化カルシウム溶液(53%(w/v))および3.4mLの硫酸第1鉄七水和物溶液(0.1%(w/v))を発酵物に添加した。発酵は、New Brunswick ScientificまたはBraun発酵槽中、36℃の調節温度下で実施した。プロセスパラメーター:250rpmでの攪拌;0.45vvmでの通気。pHは、5Nの水酸化ナトリウムおよび2.5Mのリン酸を用いて、pHを6.5から7.6の間に調節した。
【0031】
綿状反応法(Lf試験)およびELISAにより定量した毒素の量を表7に示す。
【表7】

【0032】
マルトース、鉄およびリン酸塩の濃度を様々な組合せで用いて、CDM培地を用いて240Lスケールで発酵を実施した。結果を以下の表8に要約する:
【表8】

【0033】
OD600が15-20の増殖が達成されたが、産生された毒素のレベルは90-100Lf/mLであり、そのレベルは、例えばNZアミンまたはPhytoneのような動物由来のタンパク質性物質を含有する培地を用いた場合に得られるレベルよりも低いものである。
【0034】
アミノ酸消費の経時的試験は、(例えばAsp、Glu、Asn、Ser、Gln、GlyおよびThrのような)アミノ酸が、20Lのバッチで12時間の発酵の間に使い尽くされ(表9)、毒素発現段階の間に利用できないことを示した。
【表9】

【0035】
これらの結果は、培地に有機または無機窒素を補強しなければならないことを示唆した。
【0036】
有機および無機窒素の補足に関するスクリーニング
発酵処理の間のアミノ酸消費の経時的試験は、重要なアミノ酸が最初の12-18時間の増殖で使い尽くされ、毒素が産生されるその後の発酵段階では利用できないことを示した。増殖を支持し、さらには毒素合成のための前駆体として培地中のアミノ酸を用いるため、培地に窒素を補足なければならない。酵母抽出物および硫酸アンモニウムを下記のようにCDMに添加した:
ジフテリア菌の増殖およびジフテリア毒素の産生に用いた様々な培地を以下に示す:
a)CDM+5g/Lの酵母抽出物
b)CDM+5g/Lの硫酸アンモニウム;および
c)その培地中のアミノ酸の濃度の半分を含有する修飾CDM+5g/Lの酵母抽出物および5g/Lの硫酸アンモニウム。
【0037】
それらを用いた発酵でのジフテリア毒素の産生を以下の表10に示す:
【表10】

【0038】
統計解析(statistical design)(FusionPro(登録商標))を用いて、より高い毒素収率を得るために培地中の様々な成分を最適化する
コンピューター統計解析(「FusionPro」)を用いて、培地組成を最適化した。その解析において、様々な濃度の3つの成分(酵母抽出物、アミノ酸混合物および鉄)を統計解析における入力として用いた。一部実施計画(fractional factorial design)を選択した(下記の表11を参照):
【表11】

【0039】
リン酸塩および塩化カルシウム溶液は一定の変数として維持した。
【0040】
様々な条件下で実験を実施し、産生毒素の量をELISAで定量した。毒素濃度は約150Lf/mLであるが、産生された毒素は動物性成分を発酵処理で用いた場合よりも純度が高い。図1に示すように、酵母抽出物およびアミノ酸の量のレスポンスグラフを、0.34mL/Lの鉄濃度で、アミノ酸混合物の濃度を2倍にするように外挿した。酵母抽出物濃度(3g/L)およびアミノ酸濃度(2x)の条件下で、毒素の量は等高線プロット分析(contour plot analysis)に従い倍化される。しかしながら、実際には、そうすることは費用を高くし、また培地の浸透圧も高くして細胞の死につながるため、容易に実施することはできない。
【0041】
統計解析は、毒素収率に重要な変量−相互作用効果があることを示した。最も重要な効果は(図1に示されるように)酵母抽出物−アミノ酸相互作用効果(A*B)である。酵母抽出物およびアミノ酸は、毒素収率に負の効果を有する。酵母抽出物の濃度が高すぎる(すなわち5g/L)と、その条件は細菌増殖を支持するが、毒素産生は支持しない。また、アミノ酸濃度が2倍に上昇すると、この条件は、おそらく浸透圧における不均衡のせいで、増殖に不利な環境を作るであろう。従って、酵母抽出物およびアミノ酸の濃度を、高濃度の毒素の産生のために最適化しなければならない。図5における一般回帰分析(general regression statistics)は、R二乗値(R square value)が0.92であることを示す。このことは、観察された毒素収率データが、「FusionPro」統計解析によって作られた予測毒素収率データに非常に近似することを意味する。
【0042】
産生される毒素の最適量は、3g/Lの酵母抽出物濃度、1倍のアミノ酸濃度、および0.34mL/Lの鉄濃度で達成される。
【0043】
上記の発酵実験および増殖および毒素産生段階でのアミノ酸消費のプロファイルに基づき、アミノ酸Asp、Glu、Asn、Ser、Gln、GlyおよびThrがより速く消費され、毒素発現の段階で利用できないことが観察された。これらは、より高い毒素収率を達成するために、19アミノ酸の全てではなく、FusionPro外挿レスポンスプロットにより2倍濃度で要求される重要なアミノ酸である。従って、毒素合成に対する2倍濃度の重要アミノ酸(修飾CDM1+3g/L YE)の効果に関する振とうフラスコ実験を実施した。上記の重要アミノ酸の濃度を2倍にすると、1倍濃度の場合(157μg/mL)と比較して毒素レベルが倍加され(289μg/mL)、増殖の間に完全に消費されるこれらアミノ酸が毒素合成のために要求されるという仮定を支持する。これらアミノ酸の2倍濃度の条件を20L発酵槽でスケールアップし、細胞増殖は弱いことが観察された。最適化された動物性成分不含培地は、以下の表12に示すようにCDM+3g/Lの酵母抽出物であった。
【表12】

【0044】
ジフテリア毒素の精製および無毒化
10リットルの発酵培養物を4℃、12,500xgで20分間遠心分離し、上清を回収した。次に、上清を0.22μm膜フィルターで濾過して、残留細菌を除去した。4℃で絶え間なく攪拌しながら、濾過した上清に硫酸アンモニウム27%(w/v)を添加し、その後4℃、12,500gで20分間遠心分離した。次の処理のために上清を回収した。この上清に、絶え間なく攪拌しながら硫酸アンモニウム13%(w/v)を添加した。混合物をさらに4℃で一晩攪拌し、その後4℃、125,00gで20分間遠心分離した。得られたペレットを約1000mLの0.9%(w/v)生理食塩水中に溶解した。
【0045】
10kDカセットと共に限外濾過ユニットを用いて、0.9%(w/v)生理食塩水に対して上記の毒素溶液をダイアフィルトレーションして、硫酸アンモニウムを除去した。残留物を0.22μm膜フィルターでろ過し、4-8℃で保存した。残留物を無毒化する前に0.9%(w/v)生理食塩水で500Lf/mlに希釈した。ジフテリア毒素は、75%以上の純度であった。室温で20分間絶え間なく攪拌しながら、ホルマリン0.5%(w/v)および0.5%(w/v)重炭酸ナトリウムを、希釈した毒素溶液に添加した。20分後、0.9%(w/v)生理食塩水中の0.913%(w/v)L-リジン溶液を添加し、その混合物を0.22μmの膜フィルターで濾過し、さらに無毒化のために絶え間なく攪拌しながら37℃で6週間インキュベートした。トキソイドは4-8℃で保存した。
【0046】
動物性成分含有培地および動物性成分不含培地を用いて産生されたジフテリア毒素およびトキソイドの特徴づけ
動物性成分含有培地および動物性成分不含培地を用いて産生されたジフテリア毒素およびトキソイドを、SDS-PAGE、ウェスタンブロット、CDスペクトルの特定、N-末端シークエンシングにおいて分析した。結果は、動物性成分含有培地および動物性成分不含培地を用いて得られた毒素およびトキソイドが、実質的に区別できないことを示唆する。
【0047】
全タンパク質濃度は、マイクロプレートBCAアッセイにおいてビシンコニン酸(BCA)を用い、既知濃度の参照標準タンパク質と比較することによって特定した。
【0048】
SDS PAGE
ジフテリア毒素およびトキソイドの相対分子量(Mr)を特定し;毒素およびトキソイドの純度を評価し;さらにタンパク質バンドの分散パターンを評価するため、SDS-PAGEを実施した。還元条件下において12.5%ポリアクリルアミドゲル上でSDS-PAGEによりタンパク質を分析した。クーマシーブルーでゲルを染色し、続いてデンシトメトリーで分析した。
【0049】
図2を参照して、ジフテリア毒素およびトキソイドの相対分子量(Mr)を特定し;毒素およびトキソイドの純度を評価し;さらにタンパク質バンドの分散パターンを評価するために実施したSDS-PAGを示す。還元条件下において12.5%ポリアクリルアミドゲル上でSDS-PAGEによりタンパク質を分析した。クーマシーブルーでゲルを染色し、続いてデンシトメトリーで分析した。レーンは:1.分子量マーカー(kDa)、250、150、100、75、50、37、25、15、10 kDa;2.ジフテリア毒素、CO3105(動物性成分含有培地);3.ジフテリア毒素 Diph-20L-40F動物性成分含有培地);4.ジフテリア毒素 Diph-20L-48F(CDM+酵母抽出物含有培地);5.ジフテリア毒素 Diph-20L-50F(CDM+酵母抽出物含有培地);6.ジフテリア毒素 Diph-20L-55F(CDM+酵母抽出物含有培地);7.ジフテリアトキソイド CO3152;8.ジフテリアトキソイド Diph-20L-40F(動物性成分含有培地);9.ジフテリアトキソイド Diph-20L-48F(CDM+酵母抽出物含有培地);10.ジフテリアトキソイド Diph-20L-50F(CDM+酵母抽出物含有培地)。
【0050】
ウェスタンブロット分析
図3を参照して、ジフテリア毒素特異的抗体を用いたウェスタンブロット分析を示す。試料をSDS−PAGEで分離し、PVDF膜に転写し、さらにDT-特異的抗体を用いてブロットした。レーンは:1.相対分子量マーカー(kDa)、250、150、100、75、50、37、25、15、10 kDa(BioRad 分子量マーカー);2.ジフテリア毒素 CO3105;3.ジフテリア毒素 Diph-20L-40F(動物性成分含有培地);4.ジフテリア毒素 Diph-20L-48F(CDM+酵母抽出物含有培地);5.ジフテリア毒素 Diph-20L-50F(CDM+酵母抽出物含有培地);6.ジフテリア毒素 Diph-20L-55F(CDM+酵母抽出物含有培地);7.ジフテリアトキソイド CO3152;8.ジフテリアトキソイド Diph-20L-40F(動物性成分含有培地);9.ジフテリアトキソイド Diph-20L-48F(CDM+酵母抽出物含有培地);10.ジフテリアトキソイド Diph-20L-50F(CDM+酵母抽出物含有培地)。
【0051】
N-末端シークエンシング
N-末端配列分析を用いて、N-末端に変化をもたらす任意のタンパク質修飾をモニターした。タンパク質を12.5% SDS-PAGEゲルで分離し、PVDFのような固体支持体に転写した。逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)により同定する前に、エドマン分解法によりN-末端アミノ酸を遊離および誘導体化した。ジフテリア毒素およびトキソイドの対照ならびに「動物性成分不含毒素/トキソイド」の製造のための予測N-末端配列が観察された。
【表13】

【表14】

【0052】
等電点電気泳動(IEF)
参照タンパク質を用いてジフテリア毒素の等電点を評価した。図3を参照して、等電点電気泳動ゲルを示す。レーンは:1.IEF標準−pI=7.80、7.50、7.10、7.00、6.50、6.00、5.10、4.65;2.ジフテリア毒素 CO3105(動物性成分含有培地);3.ジフテリア毒素 Diph-20L-11(NZアミン含有培地);4.ジフテリア毒素 Diph-20L-31(CDM+酵母抽出物含有培地);5.ジフテリア毒素 Diph-20L-31(CDM+酵母抽出物含有培地);6.ジフテリアトキソイド CO3152(動物性成分含有培地);7.ジフテリアトキソイド Diph-20L-11(CDM+酵母抽出物含有培地);8.ジフテリアトキソイド Diph-20L-31(CDM+酵母抽出物含有培地);9.ジフテリアトキソイド Diph-20L-33(CDM+酵母抽出物含有培地)。
【0053】
CD分光法
円偏光二色性(CD)分析を用いて、様々なロットの配座または二次構造における不一致を特定した。試料の円偏光のための吸光スペクトルをソフトウェアプログラムによって分析して、α−へリックス、β−シート、リバースターンおよびランダムコイル構造の相対割合(%)の組成をもたらす。Jasco CD分光偏光計を用いてジフテリア毒素およびトキソイドを22℃で分析した。
【0054】
N-末端シークエンシング:タンパク質を12.5% SDS-PAGEゲルで分離し、PVDFのような固体支持体に転写した。逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)により同定する前に、エドマン分解法によりN-末端アミノ酸を遊離および誘導体化した。
【参考文献】
【0055】

【実施例1】
【0056】
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】図1は、酵母抽出物−アミノ酸相互作用効果によって生じる、毒素収率における可変相互作用効果を示すグラフ。
【図2】図2は、動物性成分含有培地および動物性成分不含培地を用いて産生されたジフテリア毒素およびトキソイドのSDS-PAGE分析。
【図3】図3は、動物性成分を含有する培地および動物性成分不含培地を用いて産生されたジフテリア毒素およびトキソイドのウェスタンブロット分析。
【図4】図4は、動物性成分含有培地および動物性成分不含培地を用いて産生されたジフテリア毒素およびトキソイドの等電点ゲル分析。
【図5】図5は、動物性成分含有培地および動物性成分不含培地を用いて産生されたジフテリア毒素の円偏光二色性を示す。
【図6】図6は、動物性成分含有培地および動物性成分不含培地を用いて産生されたジフテリアトキソイドの円偏光二色性を示す。
【図7】図7は、200Lスケールで動物性成分含有培地および動物性成分不含培地を用いて産生されたジフテリアトキソイドの円偏光二色性を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物由来産物を実質的に含まず、かつ下記の成分を含むことを特徴とするジフテリア毒素またはその類似物を産生するためにジフテリア菌株を培養するための培地:
a.水;
b;炭化水素源および窒素源;
c;それぞれがジフテリア毒素またはその類似物の産生レベルを制限しない初期濃度の複数の遊離アミノ酸。
【請求項2】
全ての天然アミノ酸を含むことを特徴とする請求項1記載の培地。
【請求項3】
前記炭水化物源がマルトースを含むことを特徴とする請求項1記載の培地。
【請求項4】
グルコースを実質的に含まないことを特徴とする請求項1記載の培地。
【請求項5】
前記窒素源が酵母抽出物を含むことを特徴とする請求項1記載の培地。
【請求項6】
動物由来産物を欠いていることを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載の培地。
【請求項7】
ジフテリア菌用の培地であって:
炭水化物源および窒素源、ならびにそれぞれがジフテリア菌によるジフテリア毒素またはその類似物の産生レベルを高めるのに十分な量の少なくとも4つのアミノ酸を含む添加物を含み、動物由来産物を実質的に含まないことを特徴とする培地。
【請求項8】
全ての天然アミノ酸を含むことを特徴とする請求項7記載の培地。
【請求項9】
前記炭水化物源がマルトースを含むことを特徴とする請求項7記載の培地。
【請求項10】
前記窒素源が酵母抽出物であうことを特徴とする請求項7記載の培地。
【請求項11】
アミノ酸濃度が、培地1リットル当たり約0.5gから約1gであることを特徴とする請求項7から9いずれか1項記載の培地
【請求項12】
動物由来産物を欠いていることを特徴とする請求項7から11いずれか1項記載の培地。
【請求項13】
ジフテリア毒素の産生をもたらす条件下で、動物由来産物を実質的に含まずかつ下記成分を含む培地中においてジフテリア菌株を培養する工程を含むことを特徴とするジフテリア毒素またはその類似物を産生する方法:
a.水;
b;炭化水素源および窒素源;
c;それぞれがジフテリア毒素またはその類似物の産生レベルを制限しない初期濃度の複数の遊離アミノ酸。
【請求項14】
前記培地が全ての天然アミノ酸を含むことを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記炭水化物源がマルトースを含むことを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項16】
前記培地がグルコースを実質的に含まないことを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項17】
前記窒素源が酵母抽出物を含むことを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項18】
ジフテリア菌株を静止期まで増殖させることを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項19】
少なくとも100Lf/mLのジフテリア毒素またはその類似物の産生が得られることを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項20】
ジフテリア毒素またはその類似物を回収して、回収ジフテリア毒素またはその類似物を提供する工程をさらに含むことを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項21】
回収ジフテリア毒素またはその類似物を精製して、精製ジフテリア毒素またはその類似物を提供する工程をさらに含むことを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項22】
回収したまたは精製したジフテリア毒素またはその類似物を無毒化して、ジフテリアトキソイドまたはその類似物を提供する工程をさらに含むことを特徴とする請求項20または21記載の方法。
【請求項23】
ジフテリア菌の感染により生じる疾患に対して宿主を免疫するためのワクチンとして前記ジフテリア毒素またはその類似物を製剤化する工程をさらに含むことを特徴とする請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記培地が、動物由来産物を欠いていることを特徴とする請求項13から23いずれか1項記載の方法。
【請求項25】
請求項23記載の方法により調製したワクチンを宿主に投与する工程を含むことを特徴とする、ジフテリア菌の感染により生じる疾患に対して宿主を免疫する方法。
【請求項26】
ジフテリア菌の感染により生じる疾患に対して宿主を免疫するための請求項23記載の方法により調製したワクチンの使用。
【請求項27】
ジフテリア菌の感染により生じる疾患に対して宿主を免疫するための医薬の調製における請求項22記載の方法により得たジフテリア毒素またはその類似物の使用。
【請求項28】
ジフテリア菌株と、動物由来産物を実質的に含まずかつ下記の成分を含むジフテリア毒素またはその類似物を産生するための培地とを含む組成物:
a.水;
b;炭化水素源および窒素源;
c;それぞれがジフテリア毒素またはその類似物の産生レベルを制限しない初期濃度の複数の遊離アミノ酸。
【請求項29】
前記培地が全ての天然アミノ酸を含むことを特徴とする請求項28記載の組成物。
【請求項30】
前記炭水化物源がマルトースを含むことを特徴とする請求項28記載の組成物。
【請求項31】
前記培地がグルコースを実質的に含まないことを特徴とする請求項28記載の組成物。
【請求項32】
前記窒素源が酵母抽出物を含むことを特徴とする請求項28記載の組成物。
【請求項33】
動物由来産物を欠いていることを特徴とする請求項28から32いずれか1項記載の組成物。
【請求項34】
ジフテリア毒素またはその類似物を産生する方法であって、動物由来産物を実質的に含まない培地中でジフテリア菌の培養物を増殖させ、さらに前記培養物に少なくとも1つの選択アミノ酸を提供して該選択アミノ酸が毒素産生を制限するのを防ぐ工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項35】
前記培地が酵母抽出物を更に含むことを特徴とする請求項34記載の方法
【請求項36】
前記酵母抽出物が、約3g/Lの濃度で存在することを特徴とする請求項35記載の方法。
【請求項37】
ジフテリア毒素またはその類似物の産生をもたらすためにアミノ酸含有培地においてジフテリア菌を培養し、その培養の間に少なくとも1つの選択アミノ酸が使い尽くされてジフテリア毒素またはその類似物の産生レベルを制限する培養方法において、前記培養の間に追加量の前記少なくとも1つの選択アミノ酸の外因性の添加を含み、該少なくとも1つの選択アミノ酸がジフテリア毒素またはその類似物の産生レベルを制限しないことを特徴とする方法。
【請求項38】
前記少なくとも1つの選択アミノ酸が、Glu、Asn、Ser、His、Gly、Thr、Met、Trpおよびイソロイシンより成る群から選択されることを特徴とする請求項37記載の方法。
【請求項39】
前記培地が酵母抽出物をさらに含むことを特徴とする請求項37記載の方法
【請求項40】
前記酵母抽出物が、約3g/Lの濃度で存在することを特徴とする請求項39記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2007−513613(P2007−513613A)
【公表日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−543324(P2006−543324)
【出願日】平成16年11月30日(2004.11.30)
【国際出願番号】PCT/CA2004/002024
【国際公開番号】WO2005/056773
【国際公開日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(506076695)サノフィ パストゥール リミテッド (12)
【氏名又は名称原語表記】SANOFI PASTEUR LIMITED
【Fターム(参考)】