説明

ジフロオロメチルベンズアニリド類

本発明は、式(I)


(式中、R、R、R、R、R及びZは明細書に記載の意味を有する)で示される新規ジフルロメチルベンズアニリドに関する。また、本発明は、前記の物質を製造する数種の方法及び望ましくない微生物を防除するためのこれらの物質の使用、並びに新規中間体生成物及びこの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規ジフロオロメチルベンズアニリド類、これらの複数の製造方法及びこれらの望ましくない微生物を防除するための使用に関する。
【背景技術】
【0002】
多数のカルボキサニリド類が殺菌性を有することは、既に公知である(例えば、欧州特許出願公開第0545099号公報、特開2001−302605号公報、特開平8−176112号公報参照)。従って、N−(4’−フルオロ−1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンズアミド及びN−(2−sec−ブチルフェニル)−2−(トリフルオロメチル)ベンズアミドが、欧州特許出願公開第0554099号公報から既に公知である。これらの化合物も活性は良好である。しかし、ある場合には、例えば低施用量では、この活性は満足できるものではない。ジフロオロメチルベンズアニリド類は、これまでに開示されていない。
【発明の開示】
【0003】
本発明は、今般、式(I)
【0004】
【化19】

〔式中、
、R、R及びRは互いに独立して水素、弗素、塩素、メチル、イソプロピル又はメチルチオを表し、
は水素、C−C−アルキル、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル;いずれの場合にも1から9個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルキルチオ、C−C−ハロアルキルスルフィニル、C−C−ハロアルキルスルホニル、ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−ハロシクロアルキル;ホルミル−C−C−アルキル、(C−C−アルキル)カルボニル−C−C−アルキル、(C−C−アルコキシ)カルボニル−C−C−アルキル;いずれの場合にも1から7個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有する(C−C−ハロアルキル)カルボニル−C−C−アルキル、(C−C−ハロアルコキシ)カルボニル−C−C−アルキル;いずれの場合にも1から6個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有する(C−C−アルキル)カルボニル−C−C−ハロアルキル、(C−C−アルコキシ)カルボニル−C−C−ハロアルキル;いずれの場合にも1から13個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有する(C−C−ハロアルキル)カルボニル−C−C−ハロアルキル、(C−C−ハロアルコキシ)カルボニル−C−C−ハロアルキル;−COR、−CONR又は−CHNR10を表し、
は水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル;いずれの場合にも1から9個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−ハロシクロアルキル;−COR11を表し、
及びRは互いに独立して水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル;いずれの場合にも1から9個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC−C−ハロアルキル、ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−ハロシクロアルキルを表し、
及びRはまた、これらを結合している窒素原子と一緒になって、場合によりハロゲン及びC−C−アルキルからなる群から選択される同一又は異なる置換基でモノ置換又は多置換されていてもよく及び5から8個の環構成原子を有する飽和複素環を表し(但し、前記複素環はさらに、酸素、硫黄及びNR12からなる群から選択される1個又は2個の隣り合わない異種原子を含有していてもよい)、
及びR10は互いに独立して水素、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル;それぞれ1から9個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC−C−ハロアルキル、C−C−ハロシクロアルキルを表し、
及びR10はまた、これらを結合している窒素原子と一緒になって、場合によりハロゲン及びC−C−アルキルからなる群から選択される同一又は異なる置換基でモノ置換又は多置換されていてもよく及び5から8個の環構成原子を有する飽和複素環を表し(但し、前記複素環はさらに、酸素、硫黄及びNR12からなる群から選択される1個又は2個の隣り合わない異種原子を含有していてもよい)、
11は水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル;いずれの場合にも1から9個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−ハロシクロアルキルを表し、
12は水素又はC−C−アルキルを表し、
ZはZ、Z、Z又はZを表し、この場合、
は場合により同一又は異なる置換基でモノからペンタ置換されていてもよいフェニルを表し、
は場合により同一又は異なる置換基でモノ置換又は多置換されていてもよいビシクロアルキル又はシクロアルキルを表し、
は非置換C−C20−アルキルを表すか又はハロゲン及びC−C−シクロアルキルからなる群から選択される同一又は異なる置換基でモノ置換又は多置換されているC−C20−アルキルを表し(但し、この部分のシクロアルキル部分は、場合によりハロゲン及びC−C−アルキルからなる群から選択される同一又は異なる置換基でモノ置換又は多置換されていてもよい)、
はC−C20−アルケニル又はC−C20−アルキニルを表し、これらはそれぞれ場合によりハロゲン及びC−C−シクロアルキルからなる群から選択される同一又は異なる置換基でモノ置換又は多置換されていてもよい(但し、この部分のシクロアルキル部分は、場合によりハロゲン及びC−C−アルキルからなる群から選択される同一又は異なる置換基でモノ置換又は多置換されていてもよい)、
又は、
、R及びRは互いに独立して水素又は弗素を表し、Z及びRはこれらを結合している炭素原子と一緒になって場合により置換されていてもよい5又は6員炭素環又は複素環を形成する〕
で示される新規ジフロオロメチルベンズアニリドを提供する。
【0005】
また、前記の式(I)で示されるジフルオロメチルベンズアニリドが、
a)式(II)
【0006】
【化20】

(式中、Xは塩素又はヒドロキシルを表す)
で示されるジフルオロメチルベンゾイル誘導体を、式(III)
【0007】
【化21】

(式中、R、R、R、R、R及びZは前記で定義した通りである)
で示されるアニリン誘導体と、適切ならば触媒の存在下で、適切ならば縮合剤の存在下で、適切ならば酸結合剤の存在下で及び適切ならば希釈剤の存在下で反応させるか、又は
b)式(IV)
【0008】
【化22】

(式中、R、R、R、R及びRは前記で定義した通りであり、Xは塩素、臭素、ヨウ素又はトリフルオロメチルスルホネートを表す)
で示されるハロジフルオロメチルベンズアニリドを、式(V)
【0009】
【化23】

(式中、Zは前記で定義した通りであり、A及びAはそれぞれ水素を表すか又は一緒になってテトラメチルエチレンを表す)
で示されるボロン酸誘導体と、触媒の存在下で、適切ならば酸結合剤の存在下で及び適切ならば希釈剤の存在下で反応させるか、又は
c)式(VI)
【0010】
【化24】

(式中、R、R、R、R及びRは前記で定義した通りであり、A及びAはそれぞれ水素を表すか又は一緒になってテトラメチルエチレンを表す)
で示されるジフルオロメチルベンズアミドボロン酸誘導体を、式(VII)
−Z (VII)
(式中、Zは前記で定義した通りであり、Xは塩素、臭素、ヨウ素又はトリフルオロメチルスルホネートを表す)
で示されるフェニル誘導体と、触媒の存在下で、適切ならば酸結合剤の存在下で及び適切ならば希釈剤の存在下で反応させるか、又は
d)式(IV)
【0011】
【化25】

(式中、R、R、R、R及びRは前記で定義した通りであり、Xは塩素、臭素、ヨウ素又はトリフルオロメチルスルホネートを表す)
で示されるハロジフルオロメチルベンズアニリドを、式(VII)
−Z (VII)
(式中、Zは前記で定義した通りであり、Xは塩素、臭素、ヨウ素又はトリフルオロメチルスルホネートを表す)
で示されるフェニル誘導体と、パラジウム又はニッケル触媒の存在下及び4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビス−1,3,2−ジオキソボランの存在下で、適切ならば酸結合剤の存在下で及び適切ならば希釈剤の存在下で反応させるか、又は
e)式(Ia)
【0012】
【化26】

〔式中、R、R、R、R及びRは前記で定義した通りであり、XはC−C20−アルケニル又はC−C20−アルキニルを表し、このそれぞれは場合によりハロゲン及びC−C−シクロアルキルからなる群から選択される同一又は異なる置換基でモノ置換又は多置換されていてもよい(但し、この部分のシクロアルキル部分は、場合によりハロゲン及び/又はC−C−アルキルで置換されていてもよい)〕
で示されるジフルオロメチルベンズアニリドを、適切ならば希釈剤の存在下で及び適切ならば触媒の存在下で水素化するか、又は
f)式(VIII)
【0013】
【化27】

〔式中、R、R、R、R及びRは前記で定義した通りであり、Xは場合によりハロゲン及びC−C−シクロアルキルからなる群から選択される同一又は異なる置換基でさらにモノ置換又は多置換されていてもよいC−C20−ヒドロキシアルキルを表す(但し、この部分のシクロアルキル部分は、場合によりハロゲン及び/又はC−C−アルキルで置換されていてもよい)〕
で示されるヒドロキシアルキルジフルオロメチルベンズアニリドを、適切ならば希釈剤の存在下で及び適切ならば酸の存在下で脱水するか、又は
g)式(IV)
【0014】
【化28】

(式中、R、R、R、R及びRは前記で定義した通りであり、Xは塩素、臭素、ヨウ素又はトリフルオロメチルスルホネートを表す)
で示されるハロゲン−ジフルオロメチルベンズアニリドを、式(IX)
【0015】
【化29】

〔式中、Aは場合によりハロゲン及びC−C−シクロアルキルからなる群から選択される同一又は異なる置換基でモノ置換又は多置換されていてもよいC−C18−アルキルを表す(但し、この部分のシクロアルキル部分は、場合によりハロゲン及び/又はC−C−アルキルで置換されていてもよい)〕
で示されるアルキン、又は式(X)
【0016】
【化30】

〔式中、A、A及びAは互いに独立してそれぞれ水素を表すか又はハロゲン及びC−C−シクロアルキルからなる群から選択される同一又は異なる置換基でモノ置換又は多置換されていてもよいアルキルを表す(但し、この部分のシクロアルキル部分は、場合によりハロゲン及び/又はC−C−アルキルで置換されていてもよく及び分子の開鎖の炭素原子の総数は20個を越えないものとする)〕
で示されるアルケンと、適切ならば希釈剤の存在下で、適切ならば酸結合剤の存在下で及び1種又はそれ以上の触媒の存在下で反応させるか、又は
h)式(XI)
【0017】
【化31】

〔式中、R、R、R、R及びRは前記で定義した通りであり、Aは水素を表すか又は場合によりハロゲン及びC−C−シクロアルキルからなる群から選択される同一又は異なる置換基でモノ置換又は多置換されていてもよいC−C18−アルキルを表す(但し、この部分のシクロアルキル部分は、場合によりハロゲン及び/又はC−C−アルキルで置換されていてもよい)〕
で示されるケトンを、式(XII)
10−Px (XII)
〔式中、A10は場合によりハロゲン及びC−C−シクロアルキルからなる群から選択される同一又は異なる置換基でモノ置換又は多置換されていてもよいC−C18−アルキルを表し(但し、この部分のシクロアルキル部分は、場合によりハロゲン及び/又はC−C−アルキルで置換されていてもよい)、Pxは基−P(CCl、−P(CBr、−P(C、−P(=O)(OCH又は−P(=O)(OCを表す〕
で示されるリン化合物と、適切ならば希釈剤の存在下で反応させるか、又は
i)式(Ib)
【0018】
【化32】

(式中、R、R、R、R及びRは前記で定義した通りである)
で示されるジフルオロメチルベンズアニリドを、式(XIII)
5−1−X (XIII)
〔式中、
5−1はC−C−アルキル、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル;いずれの場合にも1から9個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルキルチオ、C−C−ハロアルキルスルフィニル、C−C−ハロアルキルスルホニル、ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−ハロシクロアルキル;ホルミル−C−C−アルキル、(C−C−アルキル)カルボニル−C−C−アルキル、(C−C−アルコキシ)カルボニル−C−C−アルキル;いずれの場合にも1から7個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有する(C−C−ハロアルキル)カルボニル−C−C−アルキル、(C−C−ハロアルコキシ)カルボニル−C−C−アルキル;いずれの場合にも1から6個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有する(C−C−アルキル)カルボニル−C−C−ハロアルキル、(C−C−アルコキシ)カルボニル−C−C−ハロアルキル;いずれの場合にも1から13個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有する(C−C−ハロアルキル)カルボニル−C−C−ハロアルキル、(C−C−ハロアルコキシ)カルボニル−C−C−ハロアルキル;−COR、−CONR又は−CHNR10を表し、
、R、R、R及びR10は前記で定義した通りであり、
は塩素、臭素又はヨウ素を表す〕
で示されるハロゲン化物と、塩基の存在下で及び希釈剤の存在下で反応させる
と得られることを見出した。
【0019】
最後に、前記の式(I)で示される新規ジフルオロメチルベンズアニリドが極めて良好な殺菌性を有し、作物保護及び材料の保護の両方において望ましくない微生物を防除するのに使用できることが見出された。
【0020】
意外にも、本発明の前記の式(I)で示されるジフルオロメチルベンズアニリドは、同じ作用傾向をもつ従来の構成上最も良く類似している活性化合物よりも相当に良い殺菌活性を有する。
【0021】
適切ならば、本発明の化合物は、種々の可能な異性体、特に立体異性体、例えばE及びZ異性体、トレオ及びエリトロ異性体、さらにまた光学異性体、並びに適切ならば互変異性体の混合物として存在することができる。E及びZ異性体並びにトレオ及びエリトロ異性体、さらにまた光学異性体、これらの任意の混合物、並びに可能な互変異性体が特許請求される。
【0022】
前記の式(I)は、本発明のジフルオロメチルベンズアニリドの一般的な定義を提供する。前記及び後記の式の好ましい基の定義を以下に示す。これらの定義は、式(I)で示される最終生成物及び対応する全ての中間体に適用される。
【0023】
、R、R及びRは互いに独立して好ましくは水素、弗素、塩素又はメチルを表す。
【0024】
は、特に好ましくは、水素又は塩素を表す。
【0025】
は、さらに特に好ましくは、水素を表す。
【0026】
はまた、さらに特に好ましくは、弗素を表す。
【0027】
は、特に好ましくは、水素を表す。
【0028】
は、特に好ましくは、水素、弗素、塩素又はメチルチオを表す。
【0029】
は、さらに特に好ましくは、水素を表す。
【0030】
はまた、さらに特に好ましくは、弗素を表す。
【0031】
は、特に好ましくは、水素、メチル又はイソプロピルを表す。
【0032】
は、さらに特に好ましくは、水素を表す。
【0033】
はまた、さらに特に好ましくは、メチルを表す。
【0034】
、R、R及びRは、さらに特に好ましくは、全て水素を表す。
【0035】
は、好ましくは、水素;C−C−アルキル、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル;いずれの場合にも1から9個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルキルチオ、C−C−ハロアルキルスルフィニル、C−C−ハロアルキルスルホニル、ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−ハロシクロアルキル;ホルミル−C−C−アルキル、(C−C−アルキル)カルボニル−C−C−アルキル、(C−C−アルコキシ)カルボニル−C−C−アルキル;いずれの場合にも1から7個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有する(C−C−ハロアルキル)カルボニル−C−C−アルキル、(C−C−ハロアルコキシ)カルボニル−C−C−アルキル;いずれの場合にも1から6個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有する(C−C−アルキル)カルボニル−C−C−ハロアルキル、(C−C−アルコキシ)カルボニル−C−C−ハロアルキル;いずれの場合にも1から13個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有する(C−C−ハロアルキル)カルボニル−C−C−ハロアルキル、(C−C−ハロアルコキシ)カルボニル−C−C−ハロアルキル;−COR、−CONR又は−CHNR10を表す。
【0036】
は、特に好ましくは、水素、メチル、エチル、n−又はiso−プロピル、n−、
iso−、sec−又はtert−ブチル、ペンチル又はヘキシル、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、n−又はイソプロピルスルフィニル、n−、iso−、sec−又はtert−ブチルスルフィニル、メチルスルホニル、エチルスルホニル、n−又は
iso−プロピルスルホニル、n−、iso−、sec−又はtert−ブチルスルホニル、メトキシメチル、メトキシエチル、エトキシメチル、エトキシエチル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロエチル、ジフルオロメチルチオ、ジフルオロクロロメチルチオ、トリフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルスルフィニル、トリフルオロメチルスルホニル、トリフルオロメトキシメチル、−CH−CHO、−CHCH−CHO、−CH−CO−CH、−CH−CO−CHCH、−CH−CO−CH(CH、−CHCH−CO−CH、−CHCH−CO−CHCH、−CHCH−CO−CH(CH、−CH−C(O)OCH、−CH−C(O)OCHCH、−CH−C(O)OCH(CH、−CHCH−C(O)OCH、−CHCH−C(O)OCHCH、−CHCH−C(O)OCH(CH、−CH−CO−CF、−CH−CO−CCl、−CH−CO−CHCF、−CH−CO−CHCCl、−CHCH−CO−CHCF、−CHCH−CO−CHCCl、−CH−C(O)OCHCF、−CH−C(O)OCFCF、−CH−C(O)OCHCCl、−CH−C(O)OCClCCl、−CHCH−C(O)OCHCF、−CHCH−C(O)OCFCF、−CHCH−C(O)OCHCCl、−CHCH−C(O)O−CClCCl;−COR、−CONR又は−CHNR10を表す。
【0037】
は、さらに特に好ましくは、水素;メチル、メトキシメチル、−CH−CHO、−CHCH−CHO、−CH−CO−CH、−CH−CO−CHCH、−CH−CO−CH(CH又は−CORを表す。
【0038】
は、好ましくは、水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル;いずれの場合にも1から9個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−ハロシクロアルキル;−COR11を表す。
【0039】
は、特に好ましくは、水素、メチル、エチル、n−又はiso−プロピル、tert−ブチル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、tert−ブトキシ、シクロプロピル;トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、−COR11を表す。
【0040】
は、さらに特に好ましくは、水素、−COCH、−CHO、−COCHOCH、−COCOCH、−COCOCHCHを表す。
【0041】
及びRは互いに独立して、好ましくは、水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル;いずれの場合にも1から9個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC−C−ハロアルキル、ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−ハロシクロアルキルを表す。
【0042】
及びRはまた、これらを結合している窒素と一緒になって、好ましくは、場合によりハロゲン及びC−C−アルキルからなる群から選択される同一又は異なる置換基でモノからテトラ置換されていてもよく及び5から8個の環構成原子を有する飽和複素環を形成する(但し、前記複素環は、酸素、硫黄及びNR12からなる群から選択される1個又は2個の隣り合わない異種原子をさらに含有していてもよい)。
【0043】
及びRは互いに独立して、特に好ましくは、水素、メチル、エチル、n−又はイソプロピル、n−、iso−、sec−又はtert−ブチル、メトキシメチル、メトキシエチル、エトキシメチル、エトキシエチル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル;トリフルオロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロエチル、トリフルオロメトキシメチルを表す。
【0044】
及びRはまた、これらを結合している窒素と一緒になって、特に好ましくは、モルホリン、チオモルホリン及びピペラジン(但し、ピペラジンは第二の窒素原子においてR12で置換されていていもよい)からなる群から選択される飽和複素環を形成する(但し、複素環は、場合により弗素、塩素、臭素及びメチルからなる群から選択される同一又は異なる置換基でモノからテトラ置換されていてもよい)。
【0045】
及びR10は互いに独立して、好ましくは、水素、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル;いずれの場合にも1から9個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC−C−ハロアルキル、C−C−ハロシクロアルキルを表す。
【0046】
及びR10はまた、これらを結合している窒素と一緒になって、好ましくは、場合によりハロゲン及びC−C−アルキルからなる群から選択される同一又は異なる置換基でモノ置換又は多置換されていてもよく及び5から8個の環構成原子を有する飽和複素環を形成する(但し、前記複素環は、酸素、硫黄及びNR12からなる群から選択される1個又は2個の隣り合わない異種原子をさらに含有していてもよい)。
【0047】
及びR10は互いに独立して、特に好ましくは、水素、メチル、エチル、n−又は
iso−プロピル、n−、iso−、sec−又はtert−ブチル、メトキシメチル、メトキシエチル、エトキシメチル、エトキシエチル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル;トリフルオロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロエチル、トリフルオロメトキシメチルを表す。
【0048】
及びR10はまた、これらを結合している窒素と一緒になって、特に好ましくは、モルホリン、チオモルホリン及びピペラジン(但し、ピペラジンは第二の窒素原子においてR12で置換されていていもよい)からなる群から選択される飽和複素環を形成する(但し、複素環は、場合により弗素、塩素、臭素及びメチルからなる群から選択される同一又は異なる置換基でモノからテトラ置換されていてもよい)。
【0049】
11は、好ましくは、水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル;いずれの場合にも1から9個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−ハロシクロアルキルを表す。
【0050】
11は、特に好ましくは、水素、メチル、エチル、n−又はiso−プロピル、tert−ブチル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、tert−ブトキシ、シクロプロピル;トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシを表す。
【0051】
12は、好ましくは、水素又はC−C−アルキルを表す。
【0052】
12は、特に好ましくは、水素、メチル、エチル、n−又はiso−プロピル、n−、iso−、sec−又はtert−ブチルを表す。
【0053】
Zは、好ましくはZを表す。
【0054】
は、好ましくは、場合により同一又は異なる置換基でモノからペンタ置換されていてもよいフェニル基を表す(但し、置換基は、下記リストWの中から選択される)。
【0055】
は、特に好ましくは、モノ置換フェニルを表す(但し、置換基は、下記のリストWの中から選択される)。
【0056】
はまた、特に好ましくは、同一又は異なる置換基でジ置換されているフェニルを表す(但し、置換基は、下記リストWの中から選択される)。
【0057】
はまた、特に好ましくは、同一又は異なる置換基でトリ置換されているフェニルを表す(但し、置換基は、下記リストWの中から選択される)。
【0058】
は、さらに特に好ましくは、4位がモノ置換されているフェニルを表す(但し、置換基は、下記リストWの中から選択される)。
【0059】
は、さらに特に好ましくは、3,4位で同一又は異なる置換基でジ置換されているフェニルを表す(但し、置換基は、下記リストWの中から選択される)。
【0060】
は、さらに特に好ましくは、2,4位で同一又は異なる置換基でジ置換されているフェニルを表す(但し、置換基は、下記リストWの中から選択される)。
【0061】
は、さらに特に好ましくは、3,5位で同一又は異なる置換基でジ置換されているフェニルを表す(但し、置換基は、下記リストWの中から選択される)。
【0062】
は、さらに特に好ましくは、2,4,6位で同一又は異なる置換基でトリ置換されているフェニルを表す(但し、置換基は、下記リストWの中から選択される)。
【0063】
は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシル、ホルミル、カルボキシル、カルバモイル、チオカルバモイル;
いずれの場合にもそれぞれ1から8個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルキル、ヒドロキシアルキル、オキソアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルキルチオアルキル、ジアルコキシアルキル、アルキルチオ、アルキルスルフィニル又はアルキルスルホニル;
いずれの場合にもそれぞれ2から6個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルケニル又はアルケニルオキシ;
いずれの場合にもそれぞれ1から6個の炭素原子と1から13個の同一又は異なるハロゲン原子を有する直鎖又は分岐ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、ハロアルキルスルフィニル又はハロアルキルスルホニル;
いずれの場合にもそれぞれ2から6個の炭素原子と1から11個の同一又は異なるハロゲン原子を有する直鎖又は分岐ハロアルケニル又はハロアルケニルオキシ;
いずれの場合にもそれぞれの炭化水素鎖に1から6個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニルオキシ、それぞれの炭化水素鎖に2から6個の炭素原子を有するアルケニルカルボニル又はアルキニルカルボニル;
それぞれ3から6個の炭素原子を有するシクロアルキル又はシクロアルキルオキシ;
いずれの場合にも両端で結合される3個又は4個の炭素原子を有するアルキレン、2個又は3個の炭素原子を有するオキシアルキレン、又は1個もしくは2個の炭素原子を有するジオキシアルキレン(但し、それぞれの基は、場合により弗素、塩素、オキソ、メチル、トリフルオロメチル及びエチルからなる群から選択される同一又は異なる置換基でモノからテトラ置換されていてもよい);
又は、基−C(Q)=N−Q
(式中、
は水素、ヒドロキシルを表すか又は1から4個の炭素原子を有するアルキル、1から4個の炭素原子と1から9個の同一又は異なるハロゲン原子を有するハロアルキル、又は1から6個の炭素原子を有するシクロアルキルを表し、及び
はヒドロキシル、アミノ、メチルアミノ、フェニル、ベンジルを表すか、又はいずれの場合にも場合により、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ又はフェニル基で置換されていてもよい、1から4個の炭素原子を有するアルキル又はアルコキシ、又はそれぞれ2から4個の炭素原子を有するアルケニルオキシ又はアルキニルオキシを表す)、
及びフェニル、フェノキシ、フェニルチオ、ベンゾイル、ベンゾイルエテニル、シンナモイル、複素環、又はいずれの場合にもそれぞれのアルキル部分に1から3個の炭素原子を有するフェニルアルキル、フェニルアルキルオキシ、フェニルアルキルチオ又は複素環アルキル(但し、これらの基のそれぞれは、環部分が場合によりハロゲン及び/又は1から4個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルキル又はアルコキシでモノからトリ置換されていてもよい)を表す。
【0064】
は、好ましくは、弗素、塩素、臭素、メチル、エチル、n−又はiso−プロピル、n−、iso−、sec−又はtert−ブチル、メトキシ、エトキシ、n−又はiso−プロポキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロクロロメトキシ、トリフルオロエトキシ、いずれの場合にもそれぞれ二重に結合されるジフルオロメチレンジオキシ又はテトラフルオロエチレンジオキシを表すか、
又は、基−C(Q)=N−Q
(式中、Qは水素、メチル、エチル、トリフルオロメチル又はシクロプロピルを表し及びQはヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ又はイソプロポキシを表す)
を表す。
【0065】
Zはまた、好ましくは、Zを表す。
【0066】
は、好ましくは、いずれの場合にも3から10個の炭素原子を有するシクロアルキル又はビシクロアルキルを表す(但し、これらの基のそれぞれは、場合により同一又は異なるC−C−アルキルでモノからテトラ置換されていてもよい)。
【0067】
は、特に好ましくは、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル又はビシクロ[2.2.2]オクチルを表す。
【0068】
Zはまた、好ましくはを表す。
【0069】
は、好ましくは、非置換C−C20−アルキルを表すか、又は弗素、塩素、臭素、ヨウ素及びC−C−シクロアルキルからなる群から選択される同一又は異なる置換基でモノ置換又は多置換されているC−C20−アルキルを表す(但し、この部分のシクロアルキル部分は、弗素、塩素、臭素、ヨウ素、C−C−アルキル及び
−C−ハロアルキルからなる群から選択される同一又は異なる置換基でモノからテトラ置換されていてもよい)。
【0070】
は、特に好ましくは、非置換C−C20−アルキルを表す。
【0071】
はまた、特に好ましくは、塩素、シクロプロピル、ジクロロシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルで置換されているC−C20−アルキルを表す。
【0072】
Zはまた、好ましくはZを表す。
【0073】
は、好ましくは、C−C20−アルケニル又はC−C20−アルキニルを表し、このそれぞれは弗素、塩素、臭素、ヨウ素及びC−C−シクロアルキルからなる群から選択される同一又は異なる置換基でモノ置換又は多置換されている(但し、この部分のシクロアルキル部分は、場合により弗素、塩素、臭素、ヨウ素、C−C−アルキル及びC−C−ハロアルキルからなる群から選択される同一又は異なる置換基でモノからテトラ置換されていてもよい)。
【0074】
は、特に好ましくは、C−C20−アルケニル又はC−C20−アルキニルを表す。
【0075】
ZとRはまた、好ましくは、これらを結合している炭素原子と一緒になって、場合により同一又は異なる置換基でモノからテトラ置換されていてもよい5又は6員炭素環又は複素環を表す。
【0076】
ZとRはまた、特に好ましくは、これらを結合している炭素原子と一緒になって、場合によりメチルでモノ、ジ又はトリ置換されていてもよい5又は6員炭素環を表す。
【0077】
また、式(Ic)
【0078】
【化33】

(式中、R、R、R、R及びZは前記で定義した通りである)
で示される化合物が好ましい。
【0079】
さらにまた、式(Id)
【0080】
【化34】

(式中、R、R、R、R及びZは前記で定義した通りである)
で示される化合物が好ましい。
【0081】
さらにまた、式(Ie)
【0082】
【化35】

(式中、R、R、R、R及びZは前記で定義した通りである)
で示される化合物が好ましい。
【0083】
さらにまた、式(If)
【0084】
【化36】

(式中、R、R、R、R及びZは前記で定義した通りである)
で示される化合物が好ましい。
【0085】
さらにまた、式(Ib)
【0086】
【化37】

(式中、R、R、R、R及びZは前記で定義した通りである)
で示される化合物が好ましい。
【0087】
さらにまた、次式(Ig)
【0088】
【化38】

(式中、R、R、R、R、R5−1及びZは前記で定義した通りである)
で示される化合物が好ましい。
【0089】
5−1は、好ましくは、C−C−アルキル、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル;いずれの場合にも1から9個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルキルチオ、C−C−ハロアルキルスルフィニル、C−C−ハロアルキルスルホニル、ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−ハロシクロアルキル;ホルミル−C−C−アルキル、(C−C−アルキル)カルボニル−C−C−アルキル、(C−C−アルコキシ)カルボニル−C−C−アルキル;いずれの場合にも1から7個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有する(C−C−ハロアルキル)カルボニル−C−C−アルキル、(C−C−ハロアルコキシ)カルボニル−C−C−アルキル;いずれの場合にも1から6個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有する(C−C−アルキル)カルボニル−C−C−ハロアルキル、(C−C−アルコキシ)カルボニル−C−C−ハロアルキル;いずれの場合にも1から13個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有する(C−C−ハロアルキル)カルボニル−C−C−ハロアルキル、(C−C−ハロアルコキシ)カルボニル−C−C−ハロアルキル;−COR、−CONR又は−CHNR10を表す。
【0090】
5−1は、特に好ましくは、メチル、エチル、n−又はiso−プロピル、n−、iso−、sec−又はtert−ブチル、ペンチル又はヘキシル、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、n−又はiso−プロピルスルフィニル、n−、iso−、sec−又はtert−ブチルスルフィニル、メチルスルホニル、エチルスルホニル、n−又はイソプロピルスルホニル、n−、iso−、sec−又はtert−ブチルスルホニル、メトキシメチル、メトキシエチル、エトキシメチル、エトキシエチル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロエチル、ジフルオロメチルチオ、ジフルオロクロロメチルチオ、トリフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルスルフィニル、トリフルオロメチルスルホニル、トリフルオロメトキシエチル、−CH−CHO、−CHCH−CHO、−CH−CO−CH、−CH−CO−CHCH、−CH−CO−CH(CH、−CHCH−CO−CH、−CHCH−CO−CHCH、−CHCH−CO−CH(CH、−CH−C(O)OCH、−CH−C(O)OCHCH、−CH−C(O)OCH(CH、−CHCH−C(O)OCH、−CHCH−C(O)OCHCH、−CHCH−C(O)OCH(CH、−CH−CO−CF、−CH−CO−CCl、−CH−CO−CHCF、−CH−CO−CHCCl、−CHCH−CO−CHCF、−CHCH−CO−CHCCl、−CH−C(O)OCHCF、−CH−C(O)OCFCF、−CH−C(O)OCHCCl、−CH−C(O)OCClCCl、−CHCH−C(O)OCHCF、−CHCH−C(O)OCFCF、−CHCH−C(O)OCHCCl、−CHCH−C(O)O−CClCCl;−COR、−CONR又は−CHNR10を表す。
【0091】
5−1は、さらに特に好ましくは、メチル、メトキシメチル、−CH−CHO、−CHCH−CHO、−CH−CO−CH、−CH−CO−CHCH、−CH−CO−CH(CH又は−CORを表す。
【0092】
飽和又は不飽和炭化水素基、例えばアルキル又はアルケニルは、いずれの場合にも可能な限りは直鎖又は分岐であることができ、例えばアルコキシのように異種原子との組合せを含むことができる。
【0093】
−C20−アルキルという定義は、アルキル基について本明細書で定義される最も広い範囲を包含する。具体的には、この定義は、メチル、エチル、n−、iso−プロピル、n−、iso−、sec−、tert−ブチル、並びにいずれの場合にも全ての異性体ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル及びエイコシルの意味を含む。これらの中で、メチル、エチル、n−、iso−プロピル、n−、iso−、sec−、tert−ブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1,2,2−トリメチルプロピル、n−ヘプチル、1−メチルヘキシル、5−メチルヘキシル、1,4−ジメチルペンチル、4,4−ジメチルペンチル、1,3,3−トリメチルブチル、1,2,3−トリメチルブチルの意味が好ましい。
【0094】
−C20−アルケニルという定義は、アルケニル基について本明細書で定義される最も広い範囲を包含する。具体的には、この定義は、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−メチル−1−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−メチル−2−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、1−エチルエテニル、並びにいずれの場合にも全ての異性体ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、トリデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル、ヘキサデセニル、ヘプタデセニル、オクタデセニル、ノナデセニル及びエイコセニルの意味を含む。これらの中で、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−メチル−1−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ペンテニル、4−ペンテニル、1−メチル−1−ブテニル、1,2−ジメチル−1−プロペニル、1−ヘキセニル、5−ヘキセニル、1−メチル−1−ペンテニル、1,3−ジメチル−1−ブテニル、1−メチル−1−ヘキセニル、1,3,3−トリメチル−1−ブテニルの意味が好ましい。
【0095】
−C20−アルキニルという定義は、アルキニル基について本明細書で定義される最も広い範囲を包含する。具体的には、この定義は、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−メチル−2−プロピニル並びにいずれの場合にも全ての異性体ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル、ウンデシニル、ドデシニル、トリデシニル、テトラデシニル、ペンタデシニル、ヘキサデシニル、ヘプタデシニル、オクタデシニル、ノナデシニル及びエイコサシニルの意味を含む。これらの中で、エチニル、1−プロピニル、1−ブチニル、3−ブチニル、1−メチル−2−プロピニル、1−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、5−ヘキシニル、3,3−ジメチル−1−ブチニル、4,4−ジメチル−1−ペンチニル、4,4−ジメチル−2−ペンチニル、1,4−ジメチル−2−ペンチニルの意味が好ましい。
【0096】
場合により置換されていてもよい基は、モノ置換又は多置換されていてもよく、多置換の場合には、置換基は同一であるか又は異なることができる。
【0097】
ハロゲン置換された基、例えばハロアルキルは、モノハロゲン化又は多ハロゲン化されている。多ハロゲン化の場合、複数個のハロゲン原子は同一であるか又は異なることができる。本明細書において、ハロゲンとは、弗素、塩素、臭素及びヨウ素、特に弗素、塩素及び臭素を表す。
【0098】
前記に示した一般的な基又は好ましい基の定義又は例示は、所望ならば、それぞれの範囲及び好ましい範囲の間で組み合わせることができる。これらの基の定義は、最終生成物並びに対応する前駆物質及び中間体に適用される。
【0099】
本発明の方法及び中間体の説明:
方法(a)
出発原料として2−(ジフルオロメチル)ベンゾイルクロリドと4’−クロロ−3’−フルオロ−1,1’−ビフェニル−2−アミンを使用すると、本発明の方法(a)の経路は下記の式のスキームで説明できる。
【0100】
【化39】

【0101】
前記の式(II)は、本発明の方法(a)を実施するための出発原料として必要なジフルオロメチルベンゾイル誘導体の一般的な定義を提供する。この式(II)において、
は塩素又はヒドロキシルを表すことが好ましい。
【0102】
前記の式(II)で示されるジフルオロメチルベンゾイル誘導体は、公知である。これらは、
j)式(XIV)
【0103】
【化40】

で示される2−ホルミルベンゾニトリルを、第一の工程で、希釈剤(例えば、塩化メチレン)の存在下で、(ジエチルアミノ)硫黄トリフルオリドを用いて弗素化し、
得られる式(XV)
【0104】
【化41】

で示される2−ジフルオロメチルベンゾニトリルを、第二の工程で、塩基(例えば、NaOH又はKOH)と反応させて[式(II)で示され、式中のXがヒドロキシルを表す化合物]を得、
この酸を、場合によっては、第三の工程で、希釈剤(例えば、トルエン、塩化メチレン)の存在下で塩素化剤(例えば、塩化チオニル、塩化オキサリル)と反応させて対応する酸塩化物[式(II)で示され、式中のXが塩素を表す化合物]を得る
ことによって得られる。
【0105】
前記の式(III)は、本発明の方法(a)を実施するためにさらに必要なアニリン誘導体の一般的な定義を提供する。この式(III)において、R、R、R、R、R及びZは、本発明の式(I)で示される化合物の説明に関連して、これらの基について好ましい、特に好ましい及びさらに特に好ましいと既に述べてある意味を有することが好ましく、特に好ましく及びさらに特に好ましい。
【0106】
式(III)で示される出発原料の大部分は公知である、及び/又はこれらは公知の方法で製造することができる(例えば、Bull.Korean Chem.Soc.200021,165−166; Chem.Pharm.Bull.199240,240−244; Heterocycles 198929,1013−1016;J.Med.Chem. 199639,892−903; Synthesis 1995,713−16;Synth.Commun.199424,267−272;Synthesis 1994,142−144;ドイツ特許出願公開第2727416号公報、ドイツ特許出願公開第10219035号公報、特開平9−132567号公報、欧州特許出願公開第0824099号公報、国際公開第WO93/11117号公報、欧州特許出願公開第0545099号公報、欧州特許出願公開第0589301号公報、欧州特許出願公開第0589313号公報及び国際公開第WO02/38542号公報参照)。
【0107】
最初に、式中のRが水素である場合の式(III)で示されるアニリン誘導体を製造し、次いでこのようにして得られる化合物を慣用の方法を使用して〔例えば、本発明の方法(i)と同様にして〕誘導することもできる。
【0108】
方法(b)
出発原料としてN−(2−ブロモフェニル)−2−(ジフルオロメチル)ベンズアミドと4−クロロ−3−フルオロフェニルボロン酸を使用し及び触媒を使用すると、本発明の方法(b)の経路は、下記の式のスキームで説明できる。
【0109】
【化42】

【0110】
前記の式(IV)は、本発明の方法(b)を実施するための出発原料として必要なハロジフルオロメチルベンズアニリドの一般的な定義を提供する。この式(IV)において、R、R、R、R及びRは、本発明の式(I)で示される化合物の説明に関連して、これらの基について好ましい、特に好ましい及びさらに特に好ましいと既に述べてある意味を有することが好ましく、特に好ましく及びさらに特に好ましい。Xは、臭素又はヨウ素を表す。
【0111】
式(IV)で示されるハロジフルオロメチルベンズアニリドは、これまで開示されていない。これらは、新規化合物として、本出願の主題の一部を形成する。これらは、
k)式(II)
【0112】
【化43】

(式中、Xはハロゲン又はヒドロキシルを表す)
で示されるジフルオロメチルベンゾイル誘導体を、式(XVI)
【0113】
【化44】

(式中、R、R、R、R、R及びXは前記で定義した通りである)
で示されるハロアニリンと、適切ならば触媒の存在下で、適切ならば縮合剤の存在下で、適切ならば酸結合剤の存在下で及び適切ならば希釈剤の存在下で反応させると得られる。
【0114】
方法(k)
出発原料として2−(ジフルオロメチル)ベンゾイルクロリドと2−ブロモアニリンを使用すると、本発明の方法(i)の経路は、下記の式のスキームで説明できる。
【0115】
【化45】

【0116】
本発明の方法(k)を実施するための出発原料として必要な式(II)で示されるジフルオロメチルベンゾイル誘導体は、本発明の方法(a)に関連して上記で既に記載してある。
【0117】
前記の式(XVI)は、本発明の方法(k)を実施するための出発原料としてさらに必要なハロアニリンの一般的な定義を提供する。この式(XVI)において、R、R、R、R、R及びXは、本発明の式(I)で示される化合物又は式(III)で示される中間体の説明に関連して、これらの基について好ましい、特に好ましい及びさらに特に好ましいと既に述べてある意味を有することが好ましく、特に好ましく及びさらに特に好ましい。
【0118】
式(XVI)で示されるハロアニリンは、公知の合成用化学物質であるか又は公知の方法で得ることができる。Rが水素を表さない場合には、基Rは式(XIV)で示される化合物の段階で慣用の誘導方法を使用して誘導することができる。また、式中のRが水素を表す場合の式(IV)で示される化合物を最初に製造し、次いで得られる生成物を慣用の方法で誘導することもできる〔本発明の方法(i)参照〕。
【0119】
前記の式(V)は、本発明の方法(b)を実施するための出発原料としてさらに必要なボロン酸誘導体の一般的な定義を提供する。この式(V)において、Zは、本発明の式(I)で示される化合物の説明に関連して、Zについて好ましい、特に好ましい及びさらに特に好ましいと既に述べてある意味を有することが好ましく、特に好ましく及びさらに特に好ましい。A及びAは、それぞれ水素を表すか又は一緒になってテトラメチルエチレンを表す。
【0120】
式(V)で示されるボロン酸誘導体は、公知であり及び/又は公知の方法で製造することができる(例えば、国際公開第WO01/90084号公報及び米国特許第5,633,218号公報参照)。
【0121】
方法(c)
出発原料として2−{[2−(ジフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}フェニルボロン酸と1−ブロモ−4−クロロ−3−フルオロベンゼンを使用し及び触媒を使用すると、本発明の方法(c)の経路は、下記の式のスキームで説明できる。
【0122】
【化46】

【0123】
前記の(VI)は、本発明の方法(c)を実施するための出発原料として必要なジフルオロメチルベンズアミドボロン誘導体の一般的な定義を提供する。この式(VI)において、R、R、R、R及びRは、本発明の式(I)で示される化合物の説明に関連して、これらの基について好ましい、特に好ましい及びさらに特に好ましいと既に述べてある意味を有することが好ましく、特に好ましく及びさらに特に好ましい。A及びAは、それぞれ水素を表すか又は一緒になってテトラメチルエチレンを表す。
【0124】
式(VI)で示されるジフルオロメチルベンズアミドボロン酸誘導体は、これまでに開示されていない。これらは新規化合物であり、本出願の主題の一部を形成する。これらは、l)式(II)
【0125】
【化47】

(式中、Xはハロゲン又はヒドロキシルを表す)
で示されるジフルオロメチルベンゾイル誘導体を、式(XVII)
【0126】
【化48】

(式中、R、R、R、R、R、A及びAは前記で定義した通りである)
で示されるアニリンボロン酸誘導体と、適切ならば触媒の存在下で、適切ならば縮合剤の存在下で、適切ならば酸結合剤の存在下で及び適切ならば希釈剤の存在下で反応させると得られる。
【0127】
方法(l)
出発原料として2−(ジフルオロメチル)ベンゾイルクロリドと2−アミノフェニルボロン酸を使用すると、本発明の方法(l)の経路は下記の式のスキームで説明できる。
【0128】
【化49】

【0129】
本発明の方法(l)を実施するための出発原料として必要な前記の式(II)で示されるジフルオロメチルベンゾイル誘導体は、本発明の方法(a)に関連して上記で既に説明してある。
【0130】
前記の式(XVII)は、本発明の方法(l)を実施するための出発原料としてさらに必要なアニリンボロン酸誘導体の一般的な定義を提供する。この式(XVII)において、
、R、R、R及びRは、本発明の式(I)で示される化合物の説明に関連して、これらの基について好ましい、特に好ましい及びさらに特に好ましいと既に述べてある意味を有することがそれぞれ好ましく、特に好ましく及びさらに特に好ましい。A及びAは、それぞれ水素を表すか又は一緒になってテトラメチルエチレンを表す。
【0131】
式(XVII)で示されるアニリンボロン酸誘導体は、合成用の公知化学物質であるか又は公知の方法で得ることができる。Rが水素を表さない場合には、基Rは式
(XVII)で示される化合物の段階で慣用の誘導方法を使用して誘導することができる。また、式中のRが水素を表す場合の式(VI)で示される化合物を最初に製造し、次いで得られる生成物を慣用の方法で誘導することもできる〔本発明の方法(i)参照〕。
【0132】
前記の式(VII)は、本発明の方法(c)を実施するための出発原料としてさらに必要なフェニル誘導体の一般的な定義を提供する。この式(VII)において、Zは、本発明の式(I)で示される化合物の説明に関連して、Zについて好ましい、特に好ましい及びさらに特に好ましいと既に述べてある意味を有することがそれぞれ好ましく、特に好ましく及びさらに特に好ましい。Xは塩素、臭素、ヨウ素又はトリフルオロメチルスルホネートを表す。
【0133】
式(VII)で示されるフェニル誘導体は合成用の公知化学物質である。
【0134】
方法(d)
出発原料としてN−(2−ブロモフェニル)−2−(ジフルオロメチル)ベンズアミドと1−ブロモ−4−クロロ−3−フルオロベンゼンを使用し及び触媒及び4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビス−1,3,2−ジオキサボロランを使用すると、本発明の方法(d)の経路は下記の式のスキームで説明できる。
【0135】
【化50】

【0136】
本発明の方法(d)を実施するための出発原料として必要な式(IV)で示されるハロジフルオロメチルベンズアニリド及び式(VII)で示されるフェニル誘導体は、本発明の方法(b)及び方法(c)に関連して上記で既に説明してある。
【0137】
本発明の方法(d)を実施するための出発原料としてさらに必要な4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビス−1,3,2−ジオキサボロランは、合成用の市販の化学物質である。
【0138】
方法(e)
例えば、2−(ジフルオロメチル)−N−{2−(1,3−ジメチル−1−ブテニル)フェニル}ベンズアミドを水素化する場合には、本発明の方法(e)の経路は下記の式のスキームで説明できる。
【0139】
【化51】

【0140】
前記の(Ia)は、本発明の方法(e)を実施するための出発原料として必要なジフルオロメチルベンズアニリドの一般的な定義を提供する。この式(Ia)において、R、R、R、R及びRは、本発明の式(I)で示される化合物の説明に関連して、これらの基について好ましい、特に好ましい及びさらに特に好ましいと既に述べてある意味を有することがそれぞれ好ましく、特に好ましく及びさらに特に好ましい。
【0141】
式(Ia)で示される化合物は、本発明の化合物であり、方法(a)、(f)、(g)又は(h)に従って製造することができる。
【0142】
方法(f)
例えば、2−(ジフルオロメチル)−N−{2−(1−ヒドロキシ−1,3−ジメチルブチル)フェニル}ベンズアミドを脱水する場合には、本発明の方法(f)の経路は下記の式のスキームで説明できる。
【0143】
【化52】

【0144】
前記の(VIII)は、本発明の方法(f)を実施するための出発原料として必要なヒドロキシアルキルジフルオロメチルベンズアニリドの一般的な定義を提供する。この式(VIII)において、R、R、R、R及びRは、本発明の式(I)で示される化合物の説明に関連して、これらの基について好ましい、特に好ましい及びさらに特に好ましいと既に述べてある意味を有することがそれぞれ好ましく、特に好ましく及びさらに特に好ましい。
【0145】
は、好ましくは、場合により塩素、弗素、臭素及びC−C−シクロアルキルからなる群から選択される同一又は異なる置換基でさらにモノからテトラ置換されていてもよい、C−C12−ヒドロキシアルキルを表す(但し、この部分のシクロアルキル部分は、場合によりハロゲン及び/又はC−C−アルキルで置換されていてもよい)。
【0146】
は、特に好ましくは、それぞれ直鎖又は分岐ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシペンチル、ヒドロキシヘキシル、ヒドロキシヘプチル、ヒドロキシオクチル、ヒドロキシノニル又はヒドロキシデシルを表し、これらはそれぞれ、任意の位置で結合されていてもよいし及びこれらはそれぞれ場合により弗素、シクロプロピル、ジフルオロシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルからなる群から選択される同一又は異なる置換基でモノからテトラ置換されていてもよい。
【0147】
前記の式(VIII)で示される化合物は、これまで開示されておらず、新規化合物として本出願の主題の一部を形成する。
【0148】
また、前記の式(VIII)で示されるヒドロキシアルキルジフルオロメチルベンズアニリドが極めて良好な殺菌性を有し、作物保護及び材料の保護の両方において望ましくない微生物を防除するのに使用できることが知見された。
【0149】
式(VIII)で示されるヒドロキシアルキルジフルオロメチルベンズアニリドは、
m)式(II)
【0150】
【化53】

(式中、Xはハロゲン又はヒドロキシルを表す)
で示されるジフルオロメチルベンゾイル誘導体を、式(XVIII)
【0151】
【化54】

(式中、R、R、R、R、R及びXは前記で定義した通りである)
で示されるヒドロキシアルキルアニリン誘導体と、適切ならば触媒の存在下で、適切ならば縮合剤の存在下で、適切ならば酸結合剤の存在下で及び適切ならば希釈剤の存在下で反応させると得られる。
【0152】
方法(m)
例えば、出発原料として、2−(ジフルオロメチル)ベンゾイルクロリドと2−(2−アミノフェニル)−2−ペンタノールを使用すると、本発明の方法(m)の経路は下記の式のスキームで説明できる。
【0153】
【化55】

【0154】
本発明の方法(m)を実施するための出発原料として必要な式(II)で示されるジフルオロメチルベンゾイル誘導体は、本発明の方法(a)に関連して、上記で既に説明してある。
【0155】
前記の式(XVIII)は、本発明の方法(l)を実施するための出発原料としてさらに必要なヒドロキシアルキルアニリン誘導体の一般的な定義を提供する。この式(XVIII)において、R、R、R、R、R及びXは、本発明の式(I)及び(VIII)で示される化合物の説明に関連して、これらの基について好ましい、特に好ましい及びさらに特に好ましいと既に述べてある意味を有することがそれぞれ好ましく、特に好ましく及びさらに特に好ましい。
【0156】
式(XVIII)で示されるヒドロキシアルキルアニリン誘導体は公知であり及び/又は公知の方法で得ることができる(例えば、米国特許第3,917,592号公報又は欧州特許出願公開第0 824 099号公報参照)。Rが水素を表さない場合には、基Rは式(XVIII)で示される化合物の段階で慣用の誘導方法を使用して誘導することができる。また、最初に式中のRが水素を表す場合の式(VIII)で示される化合物を製造し、次いで得られる生成物を慣用の方法で誘導することもできる〔本発明の方法(i)参照〕。
【0157】
方法(g)
例えば、出発原料としてN−(2−ブロモフェニル)−2−(ジフルオロメチル)ベンズアミドと1−ヘキシンを使用し及び触媒を使用する場合には、本発明の方法(g)の経路は下記の式のスキームで説明できる。
【0158】
【化56】

【0159】
本発明の方法(g)を実施するための出発原料として必要な式(IV)で示されるハロジフルオロメチルベンズアニリドは、本発明の方法(c)に関連して上記で既に説明してある。
【0160】
前記の(IX)は、本発明の方法(g)を実施するための出発原料としてさらに必要なアルキンの一般的な定義を提供する。
【0161】
は、好ましくは、場合により弗素、塩素、臭素及びC−C−シクロアルキルからなる群から選択される同一又は異なる置換基でモノからテトラ置換されていてもよいC−C10−アルキルを表す(但し、このシクロアルキル部分は、場合によりハロゲン及び/又はC−C−アルキルで置換されていてもよい)。
【0162】
は、特に好ましくは、それぞれ直鎖又は分岐エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル又はオクチルを表し、これらはそれぞれ、任意の位置で結合されていてもよいし及びこれらはそれぞれ弗素、シクロプロピル、ジフルオロシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルからなる群から選択される同一又は異なる置換基でモノからテトラ置換されていてもよい。
【0163】
前記の式(IX)で示されるアルキンは、合成用の公知化学物質である。
【0164】
前記の式(X)は、本発明の方法(g)を実施するための出発原料としてさらに別の必要なアルケンの一般的な定義を提供する。
【0165】
、A及びAは互いに独立して、好ましくは、それぞれ水素を表すか、又は場合により弗素、塩素、臭素及びC−C−シクロアルキルからなる群から選択される同一又は異なる置換基でモノからテトラ置換されていてもよいアルキルを表す(但し、このシクロアルキル部分は、場合によりハロゲン及び/又はC−C−アルキルで置換されていてもよく及び分子の開鎖の炭素原子の総数は12個を越えないものとする)。
【0166】
、A及びAは互いに独立して、特に好ましくは、それぞれ水素を表すか、又はそれぞれ直鎖又は分岐エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル又はオクチルを表し、これらはそれぞれ、任意の位置で結合されていてもよいし及びこれらはそれぞれ場合により弗素、シクロプロピル、ジフルオロシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルからなる群から選択される同一又は異なる置換基でモノからテトラ置換されていてもよい(但し、分子の開鎖の炭素原子の総数は12個を越えないものとする)。
【0167】
前記の式(VII)で示されるアルケンは、合成用の公知化学物質である。
【0168】
方法(h)
出発原料としてN−(2−アセチルフェニル)−2−(ジフルオロメチル)ベンズアミドとブチル(トリフェニル)ホスホニウムヨージドを使用すると、本発明の方法(h)の経路は下記の式のスキームで説明できる:
【0169】
【化57】

【0170】
前記の式(XI)は、本発明の方法(h)を実施するための出発原料として必要なケトンの一般的な定義を提供する。この式において、R、R、R、R及びRは、本発明の式(I)で示される化合物の説明に関連して、これらの基について好ましい、特に好ましい及びさらに特に好ましいと既に述べてある意味を有することがそれぞれ好ましく、特に好ましく及びさらに特に好ましい。
【0171】
は、好ましくは、場合により弗素、塩素、臭素及びC−C−シクロアルキルからなる群から選択される同一又は異なる置換基でモノからテトラ置換されていてもよいC−C10−アルキルを表す(但し、この部分のシクロアルキル部分は、場合によりハロゲン及び/又はC−C−アルキルで置換されていてもよい)。
【0172】
は、特に好ましくは、それぞれ直鎖又は分岐エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル又はオクチルを表し、これらはそれぞれ、任意の位置で結合されていてもよいし及びこれらはそれぞれ場合により弗素、シクロプロピル、ジフルオロシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルからなる群から選択される同一又は異なる置換基でモノからテトラ置換されていてもよい。
【0173】
前記の式(VIII)で示されるケトンは、これまでに開示されていない。これらは、新規化合物として本出願の主題の一部を形成する。これらは、
n)式(II)
【0174】
【化58】

(式中、Xはハロゲン又はヒドロキシルを表す)
で示されるジフルオロメチルベンゾイル誘導体を、式(XIX)
【0175】
【化59】

(式中、R、R、R、R、R及びAは前記で定義した通りである)
で示されるケトアニリンと、適切ならば触媒の存在下で、適切ならば縮合剤の存在下で、適切ならば酸結合剤の存在下で及び適切ならば希釈剤の存在下で反応させると得られる。
【0176】
方法(n)
出発原料として2−(ジフルオロメチル)ベンゾイルクロリドと1−(2−アミノフェニル)エタノンを使用すると、本発明の方法(n)の経路は下記の式のスキームで説明できる。
【0177】
【化60】

【0178】
本発明の方法(n)を実施するための出発原料として必要な式(II)で示されるジフルオロメチルベンゾイル誘導体は、本発明の方法(a)に関連して上記で既に説明してある。
【0179】
前記の(XIX)は、本発明の方法(n)を実施するための出発原料としてさらに必要なケトアニリンの一般的な定義を提供する。この式(XIX)において、R、R、R、R、R及びAは、本発明の式(I)及び(XI)で示される化合物の説明に関連して、これらの基について好ましい、特に好ましい及びさらに特に好ましいと既に述べてある意味を有することがそれぞれ好ましく、特に好ましく及びさらに特に好ましい。
【0180】
前記の式(XIX)で示されるケトアニリンは、公知である(例えば、J.Am.Chem.Soc.1978100,4842−4857又は米国特許第4,032,573号公報参照)、及び/又はこれらは公知の方法で得ることができる。Rが水素を表さない場合には、基Rは式(XXII)で示される化合物の段階で慣用の誘導方法を使用して誘導することができる。また、最初に式中のRが水素を表す場合の式(VIII)で示される化合物を製造し、次いで得られる生成物を慣用の方法で誘導することもできる〔本発明の方法(i)参照〕。
【0181】
前記の(XII)は、本発明の方法(h)を実施するための出発原料としてさらに必要なリン化合物の一般的な定義を提供する。
【0182】
10は、好ましくは、場合により塩素、弗素、臭素及びC−C−シクロアルキルからなる群から選択される同一又は異なる置換基でモノからテトラ置換されていてもよいC−C10−アルキルを表す(但し、このシクロアルキル部分は、場合によりハロゲン及び/又はC−C−アルキルで置換されていてもよい)。
【0183】
10は、特に好ましくは、それぞれ直鎖又は分岐エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル又はオクチルを表し、これらはそれぞれ、任意の位置で結合されていてもよいし及びこれらはそれぞれ場合により弗素、シクロプロピル、ジフルオロシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルからなる群から選択される同一又は異なる置換基でモノからテトラ置換されていてもよい。
【0184】
Pxは、好ましくは、基−P(CCl、−P(CBr、−P(C、−P(=O)(OCH又は−P(=O)(OCを表す。
【0185】
前記の(XII)で示されるリン化合物は、公知であり及び/又は公知の方法で製造することができる(例えば、Justus Liebigs Ann.Chem.1953580,44−57又はPure Appl.Chem.1964,307−335参照)。
【0186】
方法(i)
出発原料としてN−(4’−クロロ−3’−フルオロ−1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−(ジフルオロメチル)ベンズアミドと塩化アセチルを使用すると、本発明の方法(i)の経路は下記の式のスキームで説明できる:
【0187】
【化61】

【0188】
前記の(Ib)は、本発明の方法(i)を実施するための出発原料として必要なジフルオロメチルベンズアニリドの一般的な定義を提供する。この式(Ib)において、R、R、R、R、R及びZは、本発明の式(I)で示される化合物の説明に関連して、これらの基について好ましい、特に好ましい及びさらに特に好ましいと既に述べてある意味を有することがそれぞれ好ましく、特に好ましく及びさらに特に好ましい。
【0189】
前記の式(Ib)で示される化合物は、本発明の化合物であり、方法(a)から(h)に従って製造することができる。
【0190】
前記の(XIII)は、本発明の方法(i)を実施するための出発原料としてさらに必要なハロゲン化物の一般的な定義を提供する。この式(XIII)において、R5−1は、式(Ig)で示される化合物の説明に関連して、これらの基について好ましい、特に好ましい及びさらに特に好ましいと既に述べてある意味を有することが好ましく、特に好ましく及びさらに特に好ましい。Xは塩素、臭素又はヨウ素を表す。
【0191】
式(XIII)で示されるハロゲン化物は、公知である。
【0192】
反応条件
本発明の方法(a)、(k)、(l)、(m)及び(n)を実施するのに適した希釈剤は、全ての不活性有機溶媒である。これらの希釈剤としては、好ましくは脂肪族、脂環式又は芳香族炭化水素、例えば、石油エーテル、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン又はデカリン;ハロゲン化炭化水素、例えば、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン又はトリクロロエタン;エーテル類、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、メチルtert−アミルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン又はアニソール;ケトン類、例えばアセトン、ブタノン、メチルイソブチルケトン又はシクロヘキサノン;ニトリル類、例えばアセトニトリル、プロピオニトリル、n−又はiso−ブチロニトリル又はベンゾニトリル;アミド類、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルピロリドン又はヘキサメチルリン酸トリアミド;これらと水又は純水との混合物が挙げられる。
【0193】
本発明の方法(a)、(k)、(l)、(m)及び(n)は、適切ならば、適切な酸受容体の存在下で実施される。適切な酸受容体は、全ての慣用の無機又は有機塩基である。これら酸受容体としては、好ましくはアルカリ土類金属又はアルカリ金属の水素化物、水酸化物、アミド、アルコキシド、酢酸塩、炭酸塩又は炭酸水素酸塩、例えば、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム又は炭酸アンモニウム、並びに第三級アミン類、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルベンジルアミン、ピリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロオクタン(DABCO)、ジアザビシクロノネン(DBN)又はジアザビシクロウンデセン(DBU)が挙げられる。
【0194】
本発明の方法(a)、(k)、(l)、(m)及び(n)は、適切ならば、適切な縮合剤の存在下で実施される。適切な縮合剤は、このようなアミド化反応に慣用されている全ての縮合剤である。挙げ得る例は、酸ハロゲン化物形成剤、例えばホスゲン、三臭化リン、三塩化リン、五塩化リン、オキシ塩化リン又は塩化チオニル;無水物形成剤、例えばクロロギ酸エチル、クロロギ酸メチル、クロロギ酸イソプロピル、クロロギ酸イソブチル又はメタンスルホニルクロリド;カルボジイミド類、例えばN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、又はこの他の慣用の縮合剤、例えば五酸化リン、ポリリン酸、N,N’−カルボニルジイミダゾール、2−エトキシ−N−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン(EEDQ)、トリフェニルホスフィン/四塩化炭素又はブロモトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェートである。
【0195】
本発明の方法(a)、(k)、(l)、(m)及び(n)は、適切ならば、触媒の存在下で実施される。挙げ得る例は、4−ジメチルアミノピリジン、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール及びジメチルホルムアミドである。
【0196】
本発明の方法(a)、(k)、(l)、(m)及び(n)を実施する場合には、反応温度は比較的広い範囲で変化させることができる。一般的に、前記方法は0℃から150℃、好ましくは0℃から80℃の間の温度で実施される。
【0197】
式(I)で示される化合物を製造するための本発明の方法(a)を実施するためには、式(II)で示されるジフルオロメチルベンゾイル誘導体1モル当たり、式(III)で示されるアニリン誘導体が一般的には0.8から15モル、好ましくは0.8から8モル使用される。
【0198】
式(IV)で示される化合物を製造するための本発明の方法(j)を実施するためには、式(II)で示されるジフルオロメチルベンゾイル誘導体1モル当たり、式(XIII)で示されるハロアニリンが一般的には0.8から15モル、好ましくは0.8から8モル使用される。
【0199】
式(VI)で示される化合物を製造するための本発明の方法(k)を実施するためには、式(II)で示されるジフルオロメチルベンゾイル誘導体1モル当たり、式(XIV)で示されるアニリンボロン酸誘導体が一般的には0.8から15モル、好ましくは0.8から8モル使用される。
【0200】
式(VIII)で示される化合物を製造するための本発明の方法(l)を実施するためには、式(II)で示されるジフルオロメチルベンゾイル誘導体1モル当たり、式(XV)で示されるヒドロキシアルキルアニリン誘導体が一般的には0.8から15モル、好ましくは0.8から8モル使用される。
【0201】
式(IX)で示される化合物を製造するための本発明の方法(m)を実施するためには、式(II)で示されるジフルオロメチルベンゾイル誘導体1モル当たり、式(XVI)で示されるケトアニリンが一般的には0.8から15モル、好ましくは0.8から8モル使用される。
【0202】
本発明の方法(b)、(c)及び(d)を実施するのに適した希釈剤は、全ての不活性有機溶媒である。これら希釈剤としては、好ましくは脂肪族、脂環式又は芳香族炭化水素、例えば、石油エーテル、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン又はデカリン;エーテル類、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、メチルtert−アミルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン又はアニソール;ニトリル類、例えばアセトニトリル、プロピオニトリル、n−又はiso−ブチロニトリル又はベンゾニトリル;アミド類、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルピロリドン又はヘキサメチルリン酸トリアミド;エステル類、例えば酢酸メチル又は酢酸エチル;スルホキシド類、例えばジメチルスルホキシド;スルホン類、例えばスルホラン;アルコール類、例えばメタノール、エタノール、n−又はiso−プロパノール、n−、iso−、sec−又はtert−ブタノール、エタンジオール、プロパン−1,2−ジオール、エトキシエタノール、メトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、これらと水又は純水との混合物が挙げられる。
【0203】
本発明の方法(b)、(c)及び(d)を実施する場合には、反応温度は比較的広い範囲で変化させることができる。一般的に、前記方法は、0℃から180℃、好ましくは
20℃から150℃の間の温度で実施される。
【0204】
本発明の方法(b)、(c)及び(d)は、適切ならば、適切な酸受容体の存在下で実施される。適切な酸受容体は、全ての慣用の無機又は有機塩基である。これら酸受容体としては、好ましくはアルカリ土類金属又はアルカリ金属の水素化物、水酸化物、アミド、アルコキシド、酢酸塩、弗化物、リン酸塩、炭酸塩又は炭酸水素酸塩、例えば、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、弗化カリウム、弗化セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム又は炭酸セシウム、並びに第三級アミン類、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルベンジルアミン、ピリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロオクタン(DABCO)、ジアザビシクロノネン(DBN)又はジアザビシクロウンデセン(DBU)が挙げられる。
【0205】
本発明の方法(b)、(c)及び(d)は、触媒、例えばパラジウム塩又は錯体の存在下で実施される。適切な触媒は、好ましくは、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ビス−(トリフェニルホスフィン)パラジウムクロリド 又は 1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)クロリドである。
【0206】
また、パラジウム塩と錯体リガンド、例えば、トリエチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、2−(ジシクロヘキシルホスフィン)ビフェニル、2−(ジ−tert−ブチルホスフィン)ビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィン)−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル、トリフェニルホスフィン、トリス−(o−トリル)ホスフィン、3−(ジフェニルホスフィノ)ベンゼンスルホン酸ナトリウム、トリス−2−(メトキシフェニル)ホスフィン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィン)−1,1’−ビナフチル、1,4−ビス(ジフェニルホスフィン)ブタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィン)エタン、1,4−ビス(ジシクロヘキシルホスフィン)ブタン、1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィン)エタン、2−(ジシクロヘキシルホスフィン)−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン又はトリス−(2,4−tert−ブチルフェニル)ホスファイトを別々に反応に加えることによって、反応混合物中でパラジウム錯体を生成させることもできる。
【0207】
式(I)で示される化合物を製造するための本発明の方法(b)を実施するためには、式(IV)で示されるハロジフルオロメチルベンズアニリド1モル当たり、式(V)で示されるボロン酸誘導体が一般的には1から15モル、好ましくは2から8モル使用される。
【0208】
式(I)で示される化合物を製造するための本発明の方法(c)を実施するためには、式(VI)で示されるジフルオロメチルベンズアミドボロン酸誘導体1モル当たり、式(VII)で示されるフェニル誘導体が一般的には0.8から15モル、好ましくは0.8から8モル使用される。
【0209】
式(I)で示される化合物を製造するための本発明の方法(d)を実施するためには、式(IV)で示されるハロジフルオロメチルベンズアニリド1モル当たり、式(VII)で示されるフェニル誘導体が一般的には0.8から15モル、好ましくは0.8から8モル使用され及び4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビス−1,3,2−ジオキサボロランが一般的には0.8から15モル、好ましくは0.8から8モル使用される。
【0210】
本発明の方法(e)を実施するのに適した希釈剤は、全ての不活性有機溶媒である。これら希釈剤としては、好ましくは脂肪族又は脂環式炭化水素、例えば、石油エーテル、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン又はデカリン;エーテル類、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、メチルtert−アミルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン又は1,2−ジエトキシエタン;アルコール類、例えばメタノール、エタノール、n−又はiso−プロパノール、n−、iso−、sec−又はtert−ブタノール、エタンジオール、プロパン−1,2−ジオール、エトキシエタノール、メトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、これらと水又は純水との混合物が挙げられる。
【0211】
本発明の方法(e)は触媒の存在下で実施される。適切な触媒は、水素化に慣用されている全ての触媒である。挙げ得る例は、適切ならば担体、例えば活性炭上に担持させたラネーニッケル、パラジウム及び白金である。
【0212】
本発明の方法(e)の水素添加は、触媒と組み合わせて水素の存在下で実施することに代えて、トリエチルシランの存在下で実施することもできる。
【0213】
本発明の方法(e)を実施する場合には、反応温度は比較的広い範囲で変化させることができる。一般的に、反応は0℃から150℃、好ましくは20℃から100℃の間の温度で実施される。
【0214】
本発明の方法(e)は、0.5から200バールの間、好ましくは2から50バールの間、特に好ましくは3から10バールの間の水素圧下で実施される。
【0215】
本発明の方法(f)を実施するのに適した希釈剤は、全ての不活性有機溶媒である。これら希釈剤としては、好ましくは脂肪族、脂環式又は芳香族炭化水素、例えば、石油エーテル、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン又はデカリン;ハロゲン化炭化水素、例えば、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン又はトリクロロエタン;エーテル類、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、メチルtert−アミルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン又はアニソール;ケトン類、例えばアセトン、ブタノン、メチルイソブチルケトン又はシクロヘキサノン;ニトリル類、例えばアセトニトリル、プロピオニトリル、n−又はiso−ブチロニトリル又はベンゾニトリル;アミド類、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルピロリドン又はヘキサメチルリン酸トリアミド;エステル類、例えば酢酸メチル又は酢酸エチル;スルホキシド類、例えばジメチルスルホキシド;スルホン類、例えばスルホラン;アルコール類、例えばメタノール、エタノール、n−又はiso−プロパノール、n−、iso−、sec−又はtert−ブタノール、エタンジオール、プロパン−1,2−ジオール、エトキシエタノール、メトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、これらと水又は純水との混合物が挙げられる。
【0216】
本発明の方法(f)は、適切ならば、酸の存在下で実施される。適切な酸は、全ての無機又は有機プロトン酸及びルイス酸、並びにこの他の全ての高分子酸である。これらの酸としては、例えば、塩化水素、硫酸、リン酸、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、三弗化ホウ素(またエテラートとして)、三臭化ホウ素、三塩化アルミニウム、四塩化チタン、オルトチタン酸テトラブチル、塩化亜鉛、塩化鉄(III)、五塩化アンチモン、酸性イオン交換体、酸性アルミナ及び酸性シリカゲルが挙げられる。
【0217】
本発明の方法(f)を実施する場合には、反応温度は比較的広い範囲で変化させることができる。一般的に、前記方法は、0℃から150℃、好ましくは0℃から100℃の間の温度で実施される。
【0218】
本発明の方法(f)及び(e)は、直列反応(「ワンポット反応」)で実施することもできる。このためには、式(VIII)で示される化合物を、適切ならば希釈剤〔方法(f)について記載のような適切な希釈剤〕の存在下で、適切ならば酸〔方法(f)について記載のような適切な希釈剤〕の存在下で及びトリエチルシランの存在下で反応させる。
【0219】
本発明の方法(g)を実施するのに適した希釈剤は、全ての不活性有機溶媒である。これら希釈剤としては、好ましくはニトリル類、例えばアセトニトリル、プロピオニトリル、n−又はiso−ブチロニトリル又はベンゾニトリル、又はアミド類、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルピロリドン又はヘキサメチルリン酸トリアミドが挙げられる。
【0220】
本発明の方法(g)は、適切ならば、適切な酸受容体の存在下で実施される。適切な酸受容体は、全ての慣用の無機又は有機塩基である。これら酸受容体としては、好ましくはアルカリ土類金属又はアルカリ金属の水素化物、水酸化物、アミド、アルコキシド、酢酸塩、炭酸塩又は炭酸水素酸塩、例えば、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム又は炭酸アンモニウム、並びに第三級アミン類、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルベンジルアミン、ピリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロオクタン(DABCO)、ジアザビシクロノネン(DBN)又はジアザビシクロウンデセン(DBU)が挙げられる。
【0221】
本発明の方法(g)は、1種又はそれ以上の触媒の存在下で実施される。
【0222】
適切な触媒は、具体的にはパラジウム塩又は錯体である。これらの触媒としては、好ましくは塩化パラジウム、酢酸パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム又はビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムクロリドである。また、反応にパラジウム塩と錯体リガンドを別々に加えることによって、反応混合物中でパラジウム錯体を生成させることもできる。
【0223】
好ましいリガンドは、有機リン化合物である。挙げ得る例は、トリフェニルホスフィン、トリ−o−トリルホスフィン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、ジシクロヘキシルホスフィンビフェニル、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、ビスジフェニルホスフィノフェロセン、ジ−(tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル、ジ(シクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−N,N−ジメチルアミノビフェニル、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィンである。しかし、リガンドはまた、無しでも済ませ得る。
【0224】
また、本発明の方法(g)は、適切ならば、別の金属塩、例えば銅塩、例えばヨウ化銅(I)の存在下で実施される。
【0225】
本発明の方法(g)を実施する場合には、反応温度は比較的広い範囲で変化させることができる。一般的に、前記方法は、20℃から180℃、好ましくは50℃から150℃の間の温度で実施される。
【0226】
式(I)で示される化合物を製造するための本発明の方法(g)を実施するためには、式(IV)で示されるハロジフルオロメチルベンズアニリド1モル当たり、式(IX)で示されるアルキン又は式(X)のアルケンが一般的には1から5モル、好ましくは1から2モル使用される。
【0227】
本発明の方法(h)を実施するのに適した希釈剤は、全ての不活性有機溶媒である。これら希釈剤としては、好ましくは脂肪族、脂環式又は芳香族炭化水素、例えば、石油エーテル、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン又はデカリン;ハロゲン化炭化水素、例えば、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン又はトリクロロエタン;エーテル類、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、メチルtert−アミルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン又はアニソール;ニトリル類、例えばアセトニトリル、プロピオニトリル、n−又はiso−ブチロニトリル又はベンゾニトリル;アミド類、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルピロリドン又はヘキサメチルリン酸トリアミド;エステル類、例えば酢酸メチル又は酢酸エチル;スルホキシド類、例えばジメチルスルホキシド;スルホン類、例えばスルホラン;アルコール類、例えばメタノール、エタノール、n−又はiso−プロパノール、n−、iso−、sec−又はtert−ブタノール、エタンジオール、プロパン−1,2−ジオール、エトキシエタノール、メトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルが挙げられる。
【0228】
本発明の方法(h)は、適切ならば、適切な酸受容体の存在下で実施される。適切な酸受容体は、全ての慣用の強塩基である。これらの強塩基としては、好ましくはアルカリ土類金属又はアルカリ金属の水素化物、水酸化物、アミド、アルコキシド又はアルカリ金属炭化水素化合物、例えば、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、メチルリチウム、フェニルリチウム又はブチルリチウムが挙げられる。
【0229】
本発明の方法(h)を実施する場合には、反応温度は比較的広い範囲で変化させることができる。一般的に、前記方法は、−80℃から150℃、好ましくは−30℃から80℃の間の温度で実施される。
【0230】
式(I)で示される化合物を製造するための本発明の方法(h)を実施するためには、式(XI)で示されるケトン1モル当たり、式(XII)で示されるリン化合物が一般的には1から5モル、好ましくは1から2モル使用される。
【0231】
本発明の方法(i)を実施するのに適した希釈剤は、全ての不活性有機溶媒である。これら希釈剤としては、好ましくは脂肪族、脂環式又は芳香族炭化水素、例えば、石油エーテル、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン又はデカリン;ハロゲン化炭化水素、例えば、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン又はトリクロロエタン;エーテル類、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、メチルtert−アミルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン又はアニソール;又はアミド類、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルピロリドン又はヘキサメチルリン酸トリアミドが挙げられる。
【0232】
本発明の方法(i)は、塩基の存在下で実施される。適切な塩基は、全ての慣用の無機又は有機塩基である。これらの塩基としては、好ましくはアルカリ土類金属又はアルカリ金属の水素化物、水酸化物、アミド、アルコキシド、酢酸塩、炭酸塩又は炭酸水素酸塩、例えば、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム又は炭酸セシウム、並びに第三級アミン、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルベンジルアミン、ピリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロオクタン(DABCO)、ジアザビシクロノネン(DBN)又はジアザビシクロウンデセン(DBU)が挙げられる。
【0233】
本発明の方法(i)を実施する場合には、反応温度は比較的広い範囲で変化させることができる。一般的に、前記方法は、0℃から150℃、好ましくは20℃から110℃の間の温度で実施される。
【0234】
式(I)で示される化合物を製造するための本発明の方法(i)を実施するためには、式(Ib)で示されるヨードピラゾリルカルボキサニリド1モル当たり、式(XIII)で示されハロゲン化物が一般的には0.2から5モル、好ましくは0.5から2モル使用される。
【0235】
本発明の全ての方法は、一般的に大気圧下で実施される。しかし、高圧下で又は減圧下で、一般的には0.1バールから10バールの間で操作することもできる。
【0236】
本発明の化合物は、強い殺菌活性を有し、作物の保護及び種々の物質の保護において真菌類及び細菌類などの望ましくない微生物の防除に使用できる。
【0237】
殺真菌剤は、作物保護においてネコブカビ類(Plasmodiophoromycetes)、卵菌類(Oomycetes)、ツボカビ類(Chytridiomycetes)、接合菌類(Zygomycetes)、子嚢菌類(Ascomycetes)、担子菌類(Basidiomycetes)及び不完全菌類(Deuteromycetes)を防除するのに使用できる。
【0238】
殺細菌剤は、作物保護においてシュードモナス科(Pseudomonadaceae)、リゾビウム科(Rhizobiaceae)、腸内細菌科(Enterobacteriaceae)、コリネバクテリウム科(Corynebacteriaceae)及びストレプトマイセス科(Streptomycetaceae)の細菌を防除するのに使用できる。
【0239】
真菌性及び細菌性の病気を引き起こすある種の病原体であって前記に挙げた属名に入る病原体を例として挙げ得るが、これらに限定されるものではない:
キサントモナス(Xanthomonas)種、例えばイネ白葉枯病菌(Xanthomonas campestris pv. oryzae);
シュードモナス(Pseudomonas)種、例えばウリ科植物の斑点細菌病菌
Pseudomonas syringae pv. lachrymans);
エルウィニア(Erwinia)種、例えば火傷病菌(Erwinia amylovora);
ピシウム属菌(Pythium)、例えば苗腐病菌(Pythium ultimum);
疫病菌(Phytophthora)種、例えばトマト、ジャガイモの疫病菌(Phytophthora infestans);
ニセツユカビ(Pseudoperonospora)種、例えばホップ疫病菌(Pseudoperonospora humuli)又はウリ科植物のべと病菌(Pseudoperonospora cubensis);
タンジクツユカビ(Plasmopara)種、例えばブドウのべと病菌(Plasmopara viticola);
ブレミア(Bremia)種、例えばレタスべと病菌(Bremia lactucae);
ツユカビ(Peronospora)種、例えばエンドウべと病菌(Peronospora pisi)又はナタネべと病菌(P. brassicae);
ウドンコカビ(Erysiphe)種、例えばオオムギうどんこ病菌(Erysiphe graminis);
スファエロセカ(Sphaerotheca)種、例えばうどんこ病菌(Sphaerotheca fuliginea);
ポドスフェラ(Podosphaera)種、例えばリンゴうどんこ病菌(Podosphaera leucotricha);
ベンツリア(Venturia)種、例えばリンゴ黒星病菌(Venturia inaequalis);
ピレノホーラ(Pyrenophora)種、例えばオオムギの網斑病菌(Pyrenophora teres)又は斑葉病菌(P.graminea)〔分生胞子体:Drechslera属菌、syn:ヘルミントスポリウム(Helminthosporium)属菌〕;
コクリオボルス(Cochliobolus)種、例えばムギ類斑点病菌(Cochliobolus sativus)〔分生胞子体:Drechslera属菌、syn:ヘルミントスポリウム(Helminthosporium)属菌〕;
ウロミケス(Uromyces)種、例えばマメ類さび病菌(Uromyces appendiculatus);
プクキニア(Puccinia)種、例えばコムギ、ライムギの赤さび病菌(Puccinia recondita);
スクレロチニア(Sclerotinia)種、例えば菌核病菌(Sclerotinia sclerotiorum);
チレチア(Tilletia)種、例えばコムギなまぐさ黒穂病菌(Tilletia caries);
クロボキン(Ustilago)種、例えばオオムギ裸黒穂病菌(Ustilago nuda)又はエンバク裸黒穂病菌(Ustilago avenae);
ペリキュラリア(Pellicularia)種、例えばイネ紋枯病菌(Pellicularia sasakii);
ピリキュラリア(Pyricularia)種、例えばイネいもち病菌(Pyricularia oryzae);
フザリウム(Fusarium)種、例えばフザリウム・クルモラム(Fusarium culmorum);
ボトリチス(Botrytis)種、例えば灰色かび病菌(Botrytis cinerea);
セプトリア(Septoria)種、例えばコムギふ枯病菌(Septoria nodorum);
レプトスフェリア(Leptosphaeria)種、例えばコムギふ枯病菌(Leptosphaeria nodorum);
セルコスポラ(Cercospora)種、例えば褐斑病菌(Cercospora canescens);
アルタナリア(Alternaria)種、例えばナタネ黒斑病(Alternaria brassicae);及び
シュードセルコスポレラ(Pseudocercosporella)種、例えばコムギ眼紋病菌(Pseudocercosporella herpotrichoides)。
【0240】
本発明の活性化合物はまた、植物において極めて良好な強化作用も有する。従って、本発明の活性化合物は、望ましくない微生物による攻撃に対して植物の内部防御を結集するのに使用できる。
【0241】
本明細書において、植物強化(抵抗性誘導)物質とは、処理植物がこの後に望ましくない微生物を接種された場合にこれらの微生物に対して十分な抵抗性を示すように植物の防御系を刺激することができる物質を意味すると理解されるべきである。
【0242】
この場合に、望ましくない微生物とは、植物病原性の真菌、細菌及びウイルスを意味すると理解されるべきである。従って、本発明の物質は、処理後のある一定の期間、前記の病原体による攻撃から植物を保護するのに使用できる。この保護が提供される期間は、一般に活性化合物による植物の処理後1から10日間、好ましくは1から7日間に及ぶ。
【0243】
活性化合物が植物の病気を防除するのに必要な濃度で植物に十分に許容されるということは、植物の地上部分、繁殖ストック及び種子の処理、並びに土壌の処理を可能にする。
【0244】
本発明の活性化合物は、穀物の病気の防除、例えばプクキニア(Puccinia)種に対する防除、ブドウ栽培並びに果物及び野菜の栽培における病気の防除、例えばボトリチス(Botrytis)種、ベンツリア(Venturia)種又はアルタナリア(Alternaria)種に対する防除に、特によい結果を伴って使用できる。
【0245】
本発明の活性化合物はまた、作物の収量を高めるのに適している。また、本発明の活性化合物は低毒性であり、植物に十分に許容される。
【0246】
本発明の活性化合物はまた、ある一定の濃度及び施用量で、適切ならば、除草剤として植物の生長に影響を及ぼすために及び動物害虫を防除するために使用することもできる。適切ならば、本発明の活性化合物はまた、別の活性化合物の合成用の中間体及び前駆物質としても使用できる。
【0247】
全植物及び植物部分は、本発明に従って処理できる。植物とは、本明細書では全植物及び植物群、例えば望ましい及び望ましくない野生植物又は作物植物(天然産の作物植物を含む)を意味すると理解されるべきである。作物植物は、慣用の植物育種法及び最適化法によって又はバイオテクノロジー法及び組換え法によって、又はこれらの方法の組み合わせによって得ることができる植物、例えばトランスジェニック植物であることができ、また植物育種者の権利によって保護し得るか又は保護し得ない植物変種であることができる。植物部分とは、地上及び地下の植物の全ての部分及び器官、例えば新芽、葉、花及び根を意味すると理解されるべきであり、挙げ得る例は葉、針状葉、茎、幹、花、子実体、果実、種子、根、塊茎及び地下茎である。また、植物部分としては、収穫物並びに栄養及び生殖繁殖材料、例えば挿し木、塊茎、地下茎、短匐枝及び種子が挙げられる。
【0248】
活性化合物による植物及び植物部分の本発明の処理は、直接に行うか又は該活性化合物を該植物及び植物部分の周囲、生育環境又は貯蔵空間に慣用の処理方法で作用させることによって、例えば浸漬、噴霧、蒸発、燻煙、散布、塗布により作用させることによって行い、また繁殖材料の場合、特に種子の場合には一つ又はそれ以上の被覆を施すことによって行う。
【0249】
材料の保護において、本発明の化合物は、望ましくない微生物による感染及び破壊から産業資材を保護するのに使用できる。
【0250】
本明細書において産業資材とは、産業で使用するために製造された非生物材料を意味すると理解される。例えば、本発明の活性化合物によって微生物による変質又は破壊から保護すべきことを目的とする産業資材は、接着剤、糊、紙及び厚紙、織物、皮革、木材、塗料及びプラスチック製品、冷却用潤滑剤、並びに微生物が感染又は破壊し得るこの他の材料であり得る。微生物の増殖によって損なわれ得る製造プラントの部品、例えば冷却水循環路もまた、保護すべき材料の範囲内に挙げ得る。本発明の範囲内に挙げ得る産業資材は、接着剤、糊、紙及び厚紙、皮革、木材、塗料、冷却用潤滑剤並びに熱媒液であることが好ましく、木材であることが特に好ましい。
【0251】
挙げ得る産業資材を分解又は変化させ得る微生物は、例えば細菌、真菌(カビ菌)、酵母、藻類及びスライム生物である。本発明の活性化合物は、真菌、特に糸状菌、木材変色菌及び木材腐朽菌(担子菌類)に対して及びスライム生物及び藻類に対して作用することが好ましい。
【0252】
下記の属の微生物を例として挙げ得る:
アルタナリア属(Alternaria)、例えばアルタナリア・テヌイス(Alternaria tenuis)、
アスペルギルス属(Aspergillus)、例えばアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、
ケトミウム属(Chaetomium)、例えばケトミウム・グロボーサム(Chaetomium globosum)、
コニオホーラ(Coniophora)属、例えばコニオホーラ・プエタナ(Coniophora puetana)、
レンティナス(Lentinus)属、例えばレンティナス・チグリヌス(Lentinus tigrinus)、
ペニシリウム(Penicillium)属、例えばペニシリウム・グラウクム(Penicillium glaucum)、
ポリポルス(Polyporus)属、例えばポリポルス・バージカラー(Polyporus versicolor)、
アウレオバシジウム(Aureobasidium)属、例えばアウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)、
スクレロフォーマ(Sclerophoma)属、例えばスクレロフォーマ・ピティオフィラ(Sclerophoma pityophila)、
トリコデルマ(Trichoderma)属、例えばトリコデルマ・ヴィリデ(Trichoderma viride)、
エシェリキア(Escherichia)属、例えば大腸菌(Escherichia coli)、
シュードモナス(Pseudomonas)属、例えば緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、
ブドウ球菌(Staphylococcus)属、例えば黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)。
【0253】
本発明の活性化合物は、この個々の物理的性質及び/又は化学的性質に応じて、慣用の製剤、例えば液剤、乳剤、懸濁剤、粉剤、発泡剤、ペースト剤、粒剤、エーロゾル剤並びに高分子物質及び種子用被覆組成物中の微細カプセル剤に変えることができ、またULV冷却及び加温煙霧製剤に変えることができる。
【0254】
これらの製剤は、公知の方法で、例えば活性化合物を増量剤、すなわち液状溶媒、加圧液化ガス及び/又は固形担体と、場合によっては界面活性剤、すなわち乳化剤及び/又は分散剤、及び/又は気泡形成剤を用いて混合することにより製造される。使用する増量剤が水である場合には、例えば有機溶媒を補助溶媒として使用することも可能である。本質的に、適切な液状溶媒は、芳香族炭化水素、例えばキシレン、トルエン又はアルキルナフタレン類、塩素化芳香族炭化水素又は塩素化脂肪族炭化水素、例えばクロロベンゼン類、クロロエチレン類又は塩化メチレン、脂肪族炭化水素、例えばシクロヘキサン又はパラフィン類、例えば石油留分、アルコール類、例えばブタノール又はグリコール及びこれらのエーテル類及びエステル類、ケトン類、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン又はシクロヘキサノン、強極性溶媒、例えばジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシド、又は水である。液化ガス状増量剤又は担体とは、標準温度及び大気圧下でガス状の液体、例えばエーロゾル噴射剤、例えばハロゲン化炭化水素又はブタン、プロパン、窒素及び二酸化炭素を意味すると理解されるべきである。適切な固形担体は、例えば粉砕天然鉱物、例えばカオリン、粘土、タルク、チョーク、石英、アタパルジャイト、モンモリロナイト又はケイソウ土、並びに粉砕合成鉱物、例えば微細シリカ、アルミナ及びケイ酸塩である。粒剤に適した固形担体は、例えば破砕及び分別天然石、例えば方解石、大理石、軽石、海泡石及びドロマイトであるか、又は無機及び有機粉末の合成顆粒、及び有機材料例えばおが屑、ヤシ殻、トウモロコシの穂軸及びタバコの茎の顆粒である。適切な乳化剤及び/又は気泡形成剤は、例えば非イオン性乳化剤及び陰イオン性乳化剤、例えばポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル類、例えばアルキルアリールポリグリコールエーテル類、アルキルスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アリールスルホン酸塩類、又はタンパク質加水分解生成物である。適切な分散剤は、例えばリグノ亜硫酸塩廃液及びメチルセルロースである。
【0255】
粘着付与剤、例えばカルボキシメチルセルロース並びに粉末状、顆粒状又はラテックス状の天然及び合成重合体、例えばアラビアゴム、ポリビニルアルコール及びポリ酢酸ビニル、又は天然リン脂質、例えばセファリン類及びレシチン類並びに合成リン脂質が前記の製剤に使用できる。この他の可能な添加剤は、鉱油及び植物油である。
【0256】
着色剤、例えば無機顔料、例えば酸化鉄、酸化チタン及びプルシアンブルー、並びに有機染料、例えばアリザリン染料、アゾ染料及び金属フタロシアニン染料、並びに微量栄養素、例えば鉄、マンガン、ホウ素、銅、コバルト、モリブデン及び亜鉛の塩を使用できる。
【0257】
前記の製剤は、一般に活性化合物を0.1から95重量%、好ましくは0.5から90重量%含有する。
【0258】
本発明の活性化合物は、このままで又はこの製剤で使用できるし、又は公知の殺菌剤、殺細菌剤、殺ダニ剤、殺線虫剤又は殺虫剤との混合物として使用して、例えば活性スペクトルを広げるか又は抵抗性の発現を防止することができる。多くの場合、相乗効果が得られる、すなわち混合物の活性がこの個々の成分の活性よりも高い。
【0259】
適切な混合成分の例は、下記の化合物である:
殺菌剤:
2−フェニルフェノール;8−ヒドロキシキノリンサルフェート;アシベンゾラル−S−メチル;アルジモルフ;アミドフルメト;アムプロピルホス;アムプロピルホス・カリウム;アンドプリム(andoprim);アニラジン;アザコナゾール;アゾキシストロビン;ベナラキシル;ベノダニル;ベノミル;ベンチアバリカルブ・イソプロピル;ベンザマクリル;ベンザマクリル・イソブチル;ビラナホス;ビナパクリル;ビフェニル;ビテルタノール;ブラストサイジン・S;ブロムコナゾール;ブピリメート;ブチオベート;ブチルアミン;多硫化石灰;カプシマイシン(capsimycin);カプタホール;キャプタン;カルベンダジム;カルボキシン;カルプロパミド;カルボン;キノメチオナート;クロベンチアゾン;クロルフェナゾール;クロロネブ;クロロタロニル;クロゾリネート;クロジラコン;シアゾファミド;シフルフェナミド;シモキサニル;シプロコナゾール;シプロジニル;シプロフラム;Dagger G;デバカルブ;ジクロフルアニド;ジクロン;ジクロロフェン;ジクロシメット;ジクロメジン;ジクロラン;ジエトフェンカルブ;ジフェノコナゾール;ジフルメトリム;ジメチリモール;ジメトモルフ;ジモキシストロビン;ジニコナゾール;ジニコナゾール−M;ジノカップ;ジフェニルアミン;ジピリチオン;ジタリムホス;ジチアノン;ドジン;ドラゾキソロン;エジフェンホス;エポキシコナゾール;エタボキサム;エチリモール;エトリジアゾール;ファモキサドン;フェナミドン;フェナパニル;フェナリモール;フェンブコナゾール;フェンフラム;フェンヘキサミド;フェニトロパン;フェノキサニル;フェンピクロニル;フェンプロピジン;フェンプロピモルフ;ファーバム;フルアジナム;フルベンジミン;フルジオキソニル;フルメトオーバー(flumetover);フルモルフ(flumorph);フルオロミド;フルオキサストロビン(fluoxastrobin);フルキンコナゾール;フルルプリミドール;フルシラゾール;フルスルファミド;フルトラニル;フルトリアホール;フォルペット;ホセチル・アルミニウム;ホセチル・ナトリウム;フベリダゾール;フララキシル;フラメトピル;フルカルバニル;フルメシクロックス;グアザチン;ヘキサクロロベンゼン;ヘキサコナゾール;ヒメキサゾール;イマザリル;イミベンコナゾール;イミノクタジン三酢酸塩;イミノクタジン三アルベシル酸塩;ヨードカルブ;イプコナゾール;イプロベンホス;イプロジオン;イプロバリカルブ;イルママイシン;イソプロチオラン;イソバレジオン;カスガマイシン;クレソキシム・メチル;マンコゼブ;マネブ;メフェリムゾン;メパニピリム;メプロニル;メタラキシル;メタラキシル・M;メトコナゾール;メタスルホカルブ;メトフロキサム;メチラム;メトミノストロビン;メトスルホバックス(metsulfovax);ミルディオマイシン;マイクロブタニル;マイクロゾリン;ナタマイシン;ニコビフェン(nicobifen);ニトロタル・イソプロピル;ノビフルムロン;ヌアリモール;オフレース;オリサストロビン;オキサジキシル;オキソリン酸;オキソポコナゾール;オキシカルボキシン;オキシフェンチイン(oxyfenthiin);パクロブトラゾール;ペフラゾエート;ペンコナゾール;ペンシクロン;ホスダイフェン;フサライド;ピコシキストロビン;ピペラリン;ポリオキシン類;ポリオキソリム(polyoxorim);プロベナゾール;プロクロラズ;プロシミドン;プロパモカルブ;プロパノシン(propanosine)・ナトリウム;プロピコナゾール;プロピネブ;プロキナジッド(proquinazid);プロチオコナゾール;ピラクロストロビン;ピラゾホス;ピリフェノックス;ピリメタニル;ピロキロン;ピロキシフル;ピロールニトリン;キンコナゾール;キノキシフェン;キントゼン;シメコナゾール;スピロキサミン;硫黄;テブコナゾール;テクロフタラム;テクナゼン;テトシクラシス;テトラコナゾール;チアベンダゾール;チシオフェン(thicyofen);チフルザミド;チオファネート・メチル;チラム;チオキシミド;トルクロホス・メチル;トリルフルアニド;トリアジメホン;トリアジメノール;トリアズブチル;トリアゾキシド;トリシクラミド;トリシクラゾール;トリデモルフ;トリフロキシストロビン;トリフルミゾール;トリホリン;トリチコナゾール;ウニコナゾール;バリダマイシンA;ビンクロゾリン;ジネブ;ジラム;ゾキサミド;(2S)−N−[2−[4−[[3−(4−クロロフェニル)−2−プロピニル]オキシ]−3−メトキシフェニル]エチル]−3−メチル−2−[(メチルスルホニル)アミノ]ブタンアミド;1−(1−ナフタレニル)−1H−ピロール−2,5−ジオン;2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホニル)ピリジン;2−アミノ−4−メチル−N−フェニル−5−チアゾールカルボキサミド;2−クロロ−N−(2,3−ジヒドロ−1,1,3−トリメチル−1H−インデン−4−イル)−3−ピリジンカルボキサミド;3,4,5−トリクロロ−2,6−ピリジンジカルボニトリル;アクチノベート(actinovate);シス−1−(4−クロロフェニル)−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)シクロヘプタノール;1−(2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−1H−インデン−1−イル)−1H−イミダゾール−5−カルボン酸メチル;炭酸水素カリウム;N−(6−メトキシ−3−ピリジニル)−シクロプロパンカルボキサミド;N−ブチル−8−(1,1−ジメチルエチル)−1−オキサスピロ[4.5]デカン−3−アミン;テトラチオカルボン酸ナトリウム;並びに銅塩及び銅製剤、例えばボルドー液;水酸化銅;ナフテン酸銅;オキシ塩化銅;硫酸銅;クフラネブ;亜酸化銅;マンカッパー;オキシン銅。
殺細菌剤:
ブロノポール、ジクロロフェン、ニトラピリン、ジメチルジチオカルバミン酸ニッケル、カスガマイシン、オクチリノン、フランカルボン酸、オキシテトラサイクリン、プロベナゾール、ストレプトマイシン、テクロフタラム、硫酸銅及びこの他の銅製剤。
殺虫剤/殺ダニ剤/殺線虫剤:
アバメクチン、ABG−9008、アセフェート、アセキノシル、アセタミプリド、アセトプロール、アクリナトリン、AKD−1022、AKD−3059、AKD−3088、アラニカルブ、アルジカルブ、アルドキシカルブ、アレスリン、アレスリン1R−異性体、α−シペルメトリン(アルファメトリン)、アミドフルメト、アミノカルブ、アミトラズ、アベルメクチン、AZ−60541、アザジラクチン、アザメチホス、アジンホス・メチル、アジンホス・エチル、アゾシクロチン、バチルス・ポピリエ(Bacillus popilliae)、バチルス・スフェリカス(Bacillus sphaericus)、枯草菌(Bacillus subtilis)、バチルス・スリンジエンシス(Bacillus thuringiensis)、バチルス・スリンジエンシス株EG−2348、バチルス・スリンジエンシス株GC−91、バチルス・スリンジエンシス株NCTC−11821、バキュロウイルス、ボーベリア・バシアーナ(Beauveria bassiana)、ボーベリア・テネラ(Beauveria tenella)、ベンダイオカルブ、ベンフラカルブ、ベンスルタップ、ベンゾキシメート、β−シフルトリン、β−シペルメトリン、ビフェナゼート、ビフェントリン、ビナパクリル、ビオアレスリン、ビオアレスリン−S−シクロペンチル異性体、ビオエタノメトリン、ビオペルメトリン、ビオレスメトリン、ビストリフルロン、BPMC、ブロフェンプロックス(brofenprox)、ブロモホス・エチル、ブロモプロピレート、ブロムフェンビンホス(−メチル)、BTG−504、BTG−505、ブフェンカルブ、ブプロフェジン、ブタチオホス、ブトカルボキシム、ブトキシカルボキシム、ブチルピリダベン、カズサホス、カンフェクロル、カルバリル、カルボフラン、カルボフェノチオン、カルボスルファン、カルタップ、CGA−50439、キノメチオネート、クロルダン、クロルジメホルム、クロエトカルブ、クロルエトキシホス、クロルフェナピル、クロルフェンビンホス、クロルフルアズロン、クロルメホス、クロロベンジレート、クロロピクリン、クロルプロキシフェン(chlorproxyfen)、クロルピリホス・メチル、クロルピリホス(・エチル)、クロベパトリン(chlovaporthrin)、クロマフェノジド、シス−シペルメトリン、シス−レスメトリン、シス−ペルメトリン、クロシトリン(clocythrin)、クロエトカルブ、クロフェンテジン、クロチアニジン、クロチアゾベン(clothiazoben)、コドレモン、クマホス、シアノフェンホス、シアノホス、シクロプレン(cycloprene)、シクロプロトリン、シドリンガ(Cydia pomonella)、シフルトリン、シハロトリン、シヘキサチン、シペルメトリン、シフェノトリン(1R−トランス−異性体)、シロマジン、DDT、デルタメトリン、ジメトン−S−メチル、ジメトン−S−メチルスルホン、ジアフェンチウロン、ジアリホス、ダイアジノン、ジクロフェンチオン、ジクロルボス、ジコホル、ジクロトホス、ジシクラニル、ジフルベンズロン、ジメトエート、ジメチルビンホス、ジノブトン、ジノカップ、ジノテフラン、ジオフェノラン、ジスルホトン、ドクサト−ナトリウム(docusat−sodium)、ドフェナピン(dofenapyn)、DOWCO−439、エフルシラネート(eflusilanate)、エマメクチン、エマメクチン安息香酸塩、エンペントリン(1R−異性体)、エンドスルファン、接合菌エントモフソーラ種(Entomopthora spp.)、EPN、エスフェンバレレート、エチオフェンカルブ、エチプロール、エチオン、エトプロホス、エトフェンプロックス、エトキサゾール、エトリムホス、ファムフル、フェナミホス、フェナザキン、酸化フェンブタスズ、フェンフルトリン、フェニトロチオン、フェノブカルブ、フェノチオカルブ、フェノキサクリム、フェノキシカルブ、フェンプロパトリン、フェンピラド、フェンピリトリン、フェンピロキシメート、フェンスルホチオン、フェンチオン、フェントリファニル、フェンバレレート、フィプロニル、フロニカミド、フルアクリプリム、フルアズロン、フルベンジミン、フルブロシトリネート、フルシクロクスロン(flucycloxuron)、フルシトリネート、フルフェネリム、フルフェノクスロン、フルフェンプロックス、フルメトリン、フルピラゾホス、フルテンジン(flutenzine)〔フルフェンジン(flufenzine)〕、フルバリネート、ホノホス、ホルメタネート、ホルモチオン、ホスメチラン、ホスチアゼート、フブフェンプロックス(fubfenprox)〔フルプロキシフェン(fluproxyfen)〕、フラチオカルブ、γ−HCH、gossyplure、grandlure、顆粒病ウイルス、ハルフェンプロックス、ハロフェノジド(halofenozide)、HCH、HCN−801、ヘプテノホス、ヘキサフルムロン、ヘキシチアゾックス、ヒドラメチルノン、ハイドロプレン、IKA−2002、イミダクロプリド、イミプロトリン、インドキサカルブ、ヨードフェンホス、イプロベンホス、イサゾホス、イソフェンホス、イソプロカルブ、イソキサチオン、イベルメクチン、japonilure、カデトリン、核多角体病ウイルス、キノプレン、λ−シハロトリン、リンデン、ルフェヌロン、マラチオン、メカルバム、メスルフェンホス、メタアルデヒド、メタム・ナトリウム、メタクリホス、メタミドホス、メタリジウム・アニソプリエ(Metharhizium anisopliae)、メタリジウム・フラボビリデ(Metharhizium flavoviride)、メチダチオン、メチオカルブ、メソミル、メトプレン、メトキシクロル、メトキシフェノジド、メトルカルブ、メトキサジアゾン、メビンホス、ミルベメクチン、ミルベマイシン、MKI−245、MON−45700、モノクロトホス、モキシデクチン、MTI−800、ナレッド、NC−104、NC−170、NC−184、NC−194、NC−196、ニクロサミド、ニコチン、ニテンピラム、ニチアジン、NNI−0001、NNI−0101、NNI−0250、NNI−9768、ノバルロン、ノビフルムロン、OK−5101、OK−5201、OK−9601、OK−9602、OK−9701、OK−9802、オメトエート、オキサミル、オキシジメトン・メチル、ペシロマイセス・フモソロセウス(Paecilomyces fumosoroseus)、パラチオン・メチル、パラチオン(・エチル)、ペルメトリン(シス、トランス)、マシン油、PH−6045、フェノトリン(1R−トランス異性体)、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホスホカルブ、ホキシム、ピペロニルブトキシド、ピリミカーブ、ピリミホス・メチル、ピリミホス・エチル、プラレスリン、プロフェノホス、プロメカルブ、プロパホス、プロパルギット、プロペタムホス(propetamphos)、プロポキスル、プロチオホス、プロトエート、プロトリフェンブテ(protrifenbute)、ピメトロジン、ピラクロホス、ピレスメトリン、ピレトリン、ピリダベン、ピリダリル、ピリダフェンチオン、ピリダチオン、ピリミジフェン、ピリプロキシフェン、キナルホス、レスメトリン、RH−5849、リバビリン、RU−12457、RU−15525、S−421、S−1833、サリチオン、セブフォス(sebufos)、SI−0009、シラフルオフェン、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン(spiromesifen)、スルフラミド、スルホテップ、スルプロホス、SZI−121、タウ−フルバリネート、テブフェノジド、テブフェンピラド、テブピリミホス、テフルベンズロン、テフルトリン、テメホス、テミビンホス、ターバム、テルブホス、テトラクロルビンホス、テトラジホン、テトラメトリン、テトラメトリン(1R−異性体)、テトラサル、θ−シペルメトリン、チアクロプリド、チアメトキサム、チアプロニル、チアトリホス(thiatriphos)、チオシクラムシュウ酸水素塩、チオジカルブ、チオファノックス、チオメトン、チオサルタップ・ナトリウム(thiosultap−sodium)、スリンジエンシン(thuringiensin)、トルフェンピラド、トラロシトリン、トラロメトリン、トランスフルトリン、トリアラセン、トリアザメート、トリアゾホス、トリアズロン(triazuron)、トリクロフェニジン、トリクロルホン、トリフルムロン、トリメタカルブ、バミドチオン、バニリプロール(vaniliprole)、ベルブチン(verbutin)、バーティシリウム・レカニ(Verticillium lecanii)、WL−108477、WL−40027、YI−5201、YI−5301、YI−5302、XMC、キシリルカルブ、ZA−3274、ζ−シペルメトリン、ゾラプロホス(zolaprofos)、ZXI−8901、化合物 プロピルカルバミン酸3−メチルフェニル(ツマサイドZ)、化合物 3−(5−クロロ−3−ピリジニル)−8−(2,2,2−トリフルオロエチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボニトリル(CAS−Reg.No.185982−80−3)及び対応する3−エンド−異性体(CAS−Reg.No.185984−60−5)(国際公開第WO96/37494号公報、同第WO98/25923号公報参照)、並びに殺虫活性植物抽出物、線虫、真菌又はウイルスを含有する製剤。
【0260】
除草剤などのこの他の公知の活性化合物との混合物又は肥料及び生長調節剤、薬害軽減剤又は情報化学物質との混合物も可能である。
【0261】
また、本発明の式(I)で示される化合物は、極めて良好な抗真菌活性も有する。該化合物は、特に皮膚糸状菌及び酵母、糸状菌及び二相性真菌〔例えば、カンジダ種、例えばカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ・グラブラータ(Candida glabrata)〕、並びにエピデルモフィトン・フロッコーズム(Epidermophyton floccosum)、アスペルギルス種例えばアルペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)及びアルペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)、白癬菌種例えばトリコフィトン・メンタグロフィテス(Trichophyton mentagrophytes)、ミクロスポロン種、例えばミクロスポロン・カニス(Microsporon canis)及びミクロスポロン・オーズアニー(Microsporon audouinii)に対して極めて広い抗真菌活性を有する。これらの真菌類のリストは、カバーされた真菌スペクトルを決して限定するものではなく、単なる例示のためのものである。
【0262】
活性化合物は、このままで使用できるし、この製剤の形態で使用できるし又はこれから調製される使用形態、例えばすぐ使用可能な液剤、懸濁剤、水和剤、ペースト剤、水溶剤、粉剤及び粒剤の形態で使用できる。施用は慣用の方法で、例えば散水、液剤散布、噴霧、散播、散粉、発泡、展着などで実施される。また、本発明の活性化合物は、微量散布法で散布することが可能であるし、又は該活性化合物製剤又は該活性化合物所望の濃度自体を土壌に注入することも可能である。また、植物の種子を処理することも可能である。
【0263】
活性化合物を殺菌剤として使用する場合には、この施用量は施用の種類に応じて比較的幅広い範囲内で変化させ得る。植物の部分の処理に関しては、本発明の活性化合物の施用量は、一般的には0.1から10,000g/ha、好ましくは10から1,000g/haである。種子粉衣に関しては、本発明の活性化合物の施用量は、一般的には種子1kg当たり0.001から50g、好ましくは種子1kg当たり0.01から10gである。土壌処理に関しては、本発明の活性化合物の施用量は、一般的には0.1から10,000g/ha、好ましくは1から5,000g/haである。
【0264】
前記で既に述べたように、本発明に従って全ての植物及びこの部分を処理することができる。好ましい実施形態においては、野生植物種又は慣用の生物学的育種法、例えば異種交配又はプロトプラスト融合法によって得られている植物品種及び植物変種、並びにこれらの植物品種及び植物変種の部分が処理される。別の好ましい実施形態においては、組換え法によって、適切ならば慣用の方法と組み合わせることによって得られているトランスジェニック植物及び植物変種(遺伝子組換え生物)、並びにこれらの部分が処理される。「部分」又は「植物の部分」又は「植物部分」という用語は、前記ですでに説明してある。
【0265】
本発明に従って処理されることが特に好ましい植物は、いずれの場合にも市販されているか又は使用されている植物変種である。植物変種とは、慣用の育種法によって、突然変異誘発によって又は組換えDNA技術によって得られている新規な性質を有する植物と理解される。これら植物変種は、変種、生物型又は遺伝子型を取り得る。
【0266】
植物種又は植物変種、この生育場所及び栽培条件(土壌、気候、植物期間、養分)に応じて、本発明の処理はまた、付加(「相乗」)効果をもたらし得る。従って、例えば、施用量の低減及び/又は活性スペクトルの拡大及び/又は本発明に従って使用できる物質及び組成物の活性の増大、よりよい植物生長、高温又は低温に対する耐性の増大、干ばつ又は水もしくは土壌中の塩分に対する耐性の増大、開花性能の増大、収穫のより容易さ、熟成の促進、より高い収穫量、よりよい品質及び/又はより高い栄養価の収穫品、収穫品のよりよい貯蔵安定性及び/又は加工性が可能であり、これらは実際に期待されるべきであった効果を上回る。
【0267】
本発明に従って処理されることが好ましいトランスジェニック植物又は植物変種(すなわち、組換え法によって得られるトランスジェニック植物又は植物変種)としては、組換え修飾法によりこれらの植物に特に都合のよい有用な特性を付与する遺伝子材料を受け入れた植物全てが挙げられる。このような性質の例は、よりよい植物生長、高温又は低温に対する耐性の増大、干ばつ又は水もしくは土壌中の塩分に対する耐性の増大、高められた開花性能、収穫の促進、熟成の促進、より高い収穫量、よりよい品質及び/又はより高い栄養価の収穫品、収穫品のよりよい貯蔵安定性及び/又は加工性である。このような特性の別の例及び特に挙げなければならない例は、動物及び微生物害虫、例えば昆虫、ダニ、植物病原性の真菌、細菌及び/又はウイルスに対する植物のよりよい防衛能及びある種の除草活性化合物に対する植物の高められた抵抗性である。挙げ得るトランスジェニック植物の例は、重要な作物植物、例えば穀類(コムギ、イネ)、トウモロコシ、ダイズ、ジャガイモ、ワタ、タバコ、アブラナ及び果樹植物(リンゴ、ナシ、柑橘系果物及びブドウ)であり、特に重要なものはトウモロコシ、ダイズ、ジャガイモ、ワタ、タバコ及びアブラナである。特に重視される特性は、植物内で形成される毒素、特にバチルス・スリンジエンシス(Bacillus thuringiensis)の遺伝物質〔例えば、遺伝子CryIA(a)、CryIA(b)、CryIA(c)、CryIIA、CryIIIA、CryIIIB2、Cry9c Cry2Ab、Cry3Bb及びCryIF並びにこれらの組み合わせ;以下、「Bt植物」という〕によって産生される毒素による昆虫、クモ形動物、線虫及びナメクジ並びにカタツムリに対する植物の高められた防衛能である。また特に重視される特性は、全身獲得抵抗性(SAR)、システミン、フィトアレキシン類、エリシター類及び耐性遺伝子並びにこれらに対応して発現されるタンパク質及び毒素による真菌、細菌及びウイルスに対する植物の高められた防衛能である。さらにまた特に重視される特性は、ある種の除草活性化合物、例えばイミダゾリノン類、スルホニルウレア類、グリホセート又はホスフィノトリシンに対する植物の高められた耐性(例えば、「PAT」遺伝子)である。当該所望の特性を付与する遺伝子はいずれの場合にもまた、トランスジェニック植物内で相互に組み合わせて存在させ得る。挙げ得る「Bt植物」の例は、トウモロコシ変種、ワタ変種、ダイズ変種及びジャガイモ変種であり、これらは商品名YIELD GARD(登録商標)(例えば、トウモロコシ、ワタ、ダイズ)、KnockOut(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、StarLink(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、Bollgard(登録商標)(ワタ)、Nucotn(登録商標)(ワタ)及びNewLeaf(登録商標)(ジャガイモ)として販売されている。挙げ得る除草剤抵抗性植物の例は、トウモロコシ変種、ワタ変種及びダイズ変種であり、これらは商品名Roundup Ready(登録商標)(グリホセート抵抗性、例えばトウモロコシ、ワタ、ダイズ)、Liberty Link(登録商標)(ホスフィノトリシン抵抗性、例えばアブラナ)、IMI(登録商標)(イミダゾリノン抵抗性)及びSTS(登録商標)(スルホニルウレア抵抗性、例えばトウモロコシ)として販売されている。また、挙げ得る除草剤抵抗性植物(除草剤耐性について慣用の方法で栽培された植物)としては、商品名Clearfield(登録商標)(例えばトウモロコシ)として販売されている変種が挙げられる。勿論、これらの説明は、これらの遺伝特性又はさらに開発されるべき遺伝特性を有する植物品種にも適用され、これらの植物は今後開発され及び/又は市販されるであろう。
【0268】
前記に挙げた植物は、本発明の一般式(I)で示される化合物又は本発明の活性化合物混合物を用いて本発明の方法に従って特に都合よく処理することができる。また、活性化合物又は混合物について前記で述べた好ましい範囲も、これらの植物の処理に適用される。本明細書に具体的に述べた化合物又は混合物を用いて植物を処理することが特に重要であり得る。
【実施例】
【0269】
本発明の活性化合物の製造及び使用を、以下の実施例において例証する。
【0270】
製造実施例
(実施例1)
【0271】
【化62】

2−ジフルオロメチル安息香酸150mg(0.87ミリモル)、2−(1,3,3−トリメチルブチル)フェニルアミン139mg(0.73ミリモル)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン188mg(1.45ミリモル)及びブロモトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスホネート508mg(1.09ミリモル)を、アセトニトリル8ml中で、室温で18時間攪拌した。得られた混合物に、酢酸エチル/水(1:1)10mlを加え、有機相を分離し、飽和塩化アンモニウム溶液10mlで洗浄し、次いで水10mlで洗浄した。有機層を取り出し、濃縮し、乾燥して、810mgの粗生成物を得た。石油エーテル/酢酸エチルの10:1混合物から酢酸エチルを使用して、シリカゲル60上でカラムクロマトグラフィーで精製して、2−ジフルオロメチル−N−[2−(1,3,3−トリメチルブチル)フェニル]ベンズアミド250mg(理論値の97.9%)を得た[logP(pH2.3)=4.38]。
【0272】
また、以下の表1に挙げた式(I)で示される化合物を、実施例1同様にして及び本発明の製造方法(a)から(i)の一般的な記載に従って得た。
【0273】
【表1】

【0274】
式(II)で示される出発原料の製造
実施例(II−1)
【0275】
【化63】

【0276】
工程1:
攪拌しながら、DAST([ジエチルアミノ]硫黄トリフルロリド)47.6mlをジクロロメタン50mlに溶解した溶液を、2−ホルミルベンゾニトリル45.0g(343ミリモル)をジクロロメタン500mlに溶解した溶液に、室温で2時間にわたって滴加した。得られた反応混合物を、16時間攪拌した。
【0277】
後処理については、溶媒を蒸発させ、残留物をクロマトグラフィーで分離した。これにより、2−ジフルオロメチルベンゾニトリル29.3g(理論値の56%)を黄色油状物として得た(質量分析:[M+1]=154)。
【0278】
工程2:
2−ジフルオロメチルベンゾニトリル29.0g(189ミリモル)を4%濃度の水酸化ナトリウム水溶液700mlに溶解した溶液を、6時間加熱還流した。得られた反応混合物を室温まで冷却し、氷の上に注ぎ、濃塩酸で酸性化した。沈殿物を濾過し、乾燥した。これにより、2−ジフルオロメチル安息香酸19.3g(理論値の58%)を白色固体の形で得た(質量分析:[M+1]=173)。
【0279】
示したlogP値は、EEC Directive 79/831 Annex V.A8に従って逆相カラム(C18)を用いたHPLC(高性能液体クロマトグラフィー)により測定した。温度:43℃。
酸性範囲(pH2.3)で測定するための移動相:0.1%水性リン酸、アセトニトリル;10%アセトニトリルから90%アセトニトリルまでの直線濃度勾配。
較正は、既知のlogP値を有する非分岐アルカン−2−オン類(3から6個の炭素原子を有する)を使用して行った(2種類の連続するアルカノンの間の線形補間法を使用する保持時間によりlogP値を測定)。
λ最大値は、200nmから400nmまでのUVスペクトルを使用してクロマトグラフシグナルの最大値で測定した。
【0280】
使用実施例
実施例A
灰色カビ病試験(ダイズ)/保護試験
溶 媒:アセトン24.5重量部
ジメチルアセトアミド24.5重量部
乳化剤:アルキルアリールポリグリコールエーテル1重量部
活性化合物の適切な製剤を製造するために、活性化合物1重量部を上記の量の溶媒及び乳化剤と混合し、次いで得られた濃厚物を水で所望の濃度まで希釈した。
【0281】
保護活性について試験するために、稚苗に、活性化合物の製剤を記載されている施用量で噴霧した。噴霧被膜が乾燥した後に、灰色カビ病菌(Botrytis cinerea)を定着させた寒天の小片2個をそれぞれの葉の上に置いた。この菌を接種した苗を約20℃及び相対大気湿度約100%の暗室に置いた。
【0282】
菌接種後2日目に、葉の感染面積の大きさを評価した。0%は対照の効果に相当する効果を意味し、これに対して100%の効果は感染が認められないことを意味する。
【0283】
この試験で、例えば、製造実施例の化合物No.3及びNo.4(表1参照)は、500g/haの施用量で、95%以上の効果を示した。
【0284】
実施例B
赤さび病試験(コムギ)/保護試験
溶 媒:N,N−ジメチルアセトアミド25重量部
乳化剤:アルキルアリールポリグリコールエーテル0.6重量部
活性化合物の適切な製剤を製造するために、活性化合物1重量部を上記の量の溶媒及び乳化剤と混合し、次いで得られた濃厚物を水で所望の濃度まで希釈した。
【0285】
保護活性について試験するために、稚苗に、活性化合物の製剤を記載されている施用量で噴霧した。噴霧被膜が乾燥した後に、この苗にコムギの赤さび病菌(Puccinia recondita)の分生胞子懸濁液を噴霧した。この苗を20℃及び相対大気湿度100℃の培養室に48時間入れておいた。
【0286】
次いで、この苗を約20℃及び相対大気湿度80%の温室に入れ、さび病膿疱の発生を促進させた。
【0287】
評価は、菌接種後10日目に行った。0%は対照の効果に相当する効果を意味し、これに対して100%の効果は感染が全く認められないことを意味する。
【0288】
この試験で、例えば製造実施例の化合物No.5(表1参照)は、500g/haの施用量で、100%の効果を示した。
【0289】
実施例C
うどんこ病試験(キュウリ)/保護試験
溶 媒:N,N−ジメチルアセトアミド49重量部
乳化剤:アルキルアリールポリグリコールエーテル1重量部
活性化合物の適切な製剤を製造するために、活性化合物1重量部を上記の量の溶媒及び乳化剤と混合し、次いで得られた濃厚物を水で所望の濃度に希釈した。
【0290】
保護活性について試験するために、稚苗に活性化合物の製剤を記載されている施用量で噴霧した。処理から1日経過後に、前記の稚苗にキュウリのうどん粉病菌(Sphaerotheca fuliginea)の胞子懸濁液を接種した。次いで、この苗を約23℃の温度及び相対大気湿度約70%の温室に入れた。
【0291】
評価は、菌接種後7日目に行った。0%は対照の効果に対応する効果を意味し、これに対して100%の効果は感染が全く認められないことを意味する。
【0292】
この試験で、例えば製造実施例の化合物No.3及びNo.5(表1参照)は、750g/haの施用量で、100%の効果を示し、また化合物No.4は95%の効果を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

〔式中、
、R、R及びRは互いに独立して水素、弗素、塩素、メチル、イソプロピル又はメチルチオを表し、
は水素、C−C−アルキル、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル;いずれの場合にも1から9個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルキルチオ、C−C−ハロアルキルスルフィニル、C−C−ハロアルキルスルホニル、ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−ハロシクロアルキル;ホルミル−C−C−アルキル、(C−C−アルキル)カルボニル−C−C−アルキル、(C−C−アルコキシ)カルボニル−C−C−アルキル;いずれの場合にも1から7個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有する(C−C−ハロアルキル)カルボニル−C−C−アルキル、(C−C−ハロアルコキシ)カルボニル−C−C−アルキル;いずれの場合にも1から6個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有する(C−C−アルキル)カルボニル−C−C−ハロアルキル、(C−C−アルコキシ)カルボニル−C−C−ハロアルキル;いずれの場合にも1から13個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有する(C−C−ハロアルキル)カルボニル−C−C−ハロアルキル、(C−C−ハロアルコキシ)カルボニル−C−C−ハロアルキル;−COR、−CONR又は−CHNR10を表し、
は水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル;いずれの場合にも1から9個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−ハロシクロアルキル;−COR11を表し、
及びRは互いに独立して水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル;いずれの場合にも1から9個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC−C−ハロアルキル、ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−ハロシクロアルキルを表し、
及びRはまた、これらを結合している窒素原子と一緒になって、場合によってハロゲン及びC−C−アルキルからなる群から選択される同一又は異なる置換基でモノ置換又は多置換されていてもよく及び5から8個の環構成原子を有する飽和複素環を形成し(但し、前記複素環はさらに、酸素、硫黄及びNR12からなる群から選択される1個又は2個の隣り合わない異種原子を含有していてもよい)、
及びR10は互いに独立して水素、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル;いずれの場合にも1から9個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC−C−ハロアルキル、C−C−ハロシクロアルキルを表し、
及びR10はまた、これらを結合している窒素原子と一緒になって、場合によりハロゲン及びC−C−アルキルからなる群から選択される同一又は異なる置換基でモノ置換又は多置換されていてもよく及び5から8個の環構成原子を有する飽和複素環を形成し(但し、前記複素環はさらに、酸素、硫黄及びNR12からなる群から選択される1個又は2個の隣り合わない異種原子を含有していてもよい)、
11は水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル;いずれの場合にも1から9個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−ハロシクロアルキルを表し、
12は水素又はC−C−アルキルを表し、
ZはZ、Z、Z又はZを表し、この場合、
は場合により同一又は異なる置換基でモノからペンタ置換されていてもよいフェニルを表し、
は場合により同一又は異なる置換基でモノ置換又は多置換されていてもよいビシクロアルキル又はシクロアルキルを表し、
は非置換C−C20−アルキルを表すか又はハロゲン及びC−C−シクロアルキルからなる群から選択される同一又は異なる置換基でモノ置換又は多置換されているC−C20−アルキルを表し(但し、この部分のシクロアルキル部分は、場合によりハロゲン及びC−C−アルキルからなる群から選択される同一又は異なる置換基でモノ置換又は多置換されていてもよい)、
はC−C20−アルケニル又はC−C20−アルキニルを表し、これらはそれぞれ場合によりハロゲン及びC−C−シクロアルキルからなる群から選択される同一又は異なる置換基でモノ置換又は多置換されていてもよい(但し、この部分のシクロアルキル部分は、場合によりハロゲン及びC−C−アルキルからなる群から選択される同一又は異なる置換基でモノ置換又は多置換されていてもよい)、
又は、
、R及びRは互いに独立して水素又は弗素を表し、および
Z及びRはこれらを結合している炭素原子と一緒になって場合により置換されていてもよい5又は6員炭素環又は複素環を形成する〕
で示されるジフロオロメチルベンズアニリド。
【請求項2】
、R、R及びRが互いに独立して水素、弗素、塩素、又はメチルを表し、
が水素;C−C−アルキル、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル;いずれの場合にも1から9個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルキルチオ、C−C−ハロアルキルスルフィニル、C−C−ハロアルキルスルホニル、ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−ハロシクロアルキル;ホルミル−C−C−アルキル、(C−C−アルキル)カルボニル−C−C−アルキル、(C−C−アルコキシ)カルボニル−C−C−アルキル;いずれの場合にも1から7個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有する(C−C−ハロアルキル)カルボニル−C−C−アルキル、(C−C−ハロアルコキシ)カルボニル−C−C−アルキル;いずれの場合にも1から6個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有する(C−C−アルキル)カルボニル−C−C−ハロアルキル、(C−C−アルコキシ)カルボニル−C−C−ハロアルキル;いずれの場合にも1から13個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有する(C−C−ハロアルキル)カルボニル−C−C−ハロアルキル、(C−C−ハロアルコキシ)カルボニル−C−C−ハロアルキル;−COR、−CONR又は−CHNR10を表し、
が水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル;いずれの場合にも1から9個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−ハロシクロアルキル;−COR11を表し、
及びRが互いに独立して水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル;いずれの場合にも1から9個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC−C−ハロアルキル、ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−ハロシクロアルキルを表し、
及びR10が互いに独立して水素、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル;いずれの場合にも1から9個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC−C−ハロアルキル、C−C−ハロシクロアルキルを表し、
11が水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル;いずれの場合にも1から9個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルコキシ、ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−ハロシクロアルキルを表し、
12は水素又はC−C−アルキルを表し、
ZがZ、Z、Z又はZを表し、この場合、
が場合により同一又は異なる置換基でモノからペンタ置換されていてもよいフェニルを表し、ここで置換基はリストWから選択され、
が、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシル、ホルミル、カルボキシル、カルバモイル、チオカルバモイル;
いずれの場合にもそれぞれ1から8個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルキル、ヒドロキシアルキル、オキソアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルキルチオアルキル、ジアルコキシアルキル、アルキルチオ、アルキルスルフィニル又はアルキルスルホニル;
いずれの場合にもそれぞれ2から6個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルケニル又はアルケニルオキシ;
いずれの場合にもそれぞれ1から6個の炭素原子と1から13個の同一又は異なるハロゲン原子を有する直鎖又は分岐ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロアルキルチオ、ハロアルキルスルフィニル又はハロアルキルスルホニル;
いずれの場合にもそれぞれ2から6個の炭素原子と1から11個の同一又は異なるハロゲン原子を有する直鎖又は分岐ハロアルケニル又はハロアルケニルオキシ;
いずれの場合にもそれぞれの炭化水素鎖に1から6個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニルオキシ、それぞれの炭化水素鎖に2から6個の炭素原子を有するアルケニルカルボニル又はアルキニルカルボニル;
いずれの場合にも3から6個の炭素原子を有するシクロアルキル又はシクロアルキルオキシ;
いずれの場合にも二重に結合される3個又は4個の炭素原子を有するアルキレン、2個又は3個の炭素原子を有するオキシアルキレン、又は1個もしくは2個の炭素原子を有するジオキシアルキレン(但し、それぞれの基は、場合により弗素、塩素、オキソ、メチル、トリフルオロメチル及びエチルからなる群から選択される同一又は異なる置換基でモノからテトラ置換されていてもよい);
又は、基−C(Q)=N−Q(式中、
は水素、ヒドロキシルを表すか又は1から4個の炭素原子を有するアルキル、1から4個の炭素原子と1から9個の同一又は異なるハロゲン原子を有するハロアルキル、又は1から6個の炭素原子を有するシクロアルキルを表し、及び
はヒドロキシル、アミノ、メチルアミノ、フェニル、ベンジルを表すか、又はいずれの場合にも場合によりハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ又はフェニル基で置換されていてもよい、1から4個の炭素原子を有するアルキル又はアルコキシを表すか、又はいずれの場合にも2から4個の炭素原子を有するアルケニルオキシ又はアルキニルオキシを表す)、
及びフェニル、フェノキシ、フェニルチオ、ベンゾイル、ベンゾイルエテニル、シンナモイル、複素環、又はいずれの場合にもそれぞれのアルキル部分に1から3個の炭素原子を有するフェニルアルキル、フェニルアルキルオキシ、フェニルアルキルチオ又は複素環アルキル(但し、これらの基のそれぞれは、場合により環部分がハロゲン及び/又は1から4個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルキル又はアルコキシでモノからトリ置換されていてもよい)を表し、
がいずれの場合にも3から10個の炭素原子を有するシクロアルキル又はビシクロアルキルを表し(但し、これらの基のそれぞれは、場合により同一又は異なるC−C−アルキルでモノからテトラ置換されていてもよい)、
が非置換C−C20−アルキルを表すか、又は弗素、塩素、臭素、ヨウ素及び
−C−シクロアルキルからなる群から選択される同一又は異なる置換基でモノ置換又は多置換されているC−C20−アルキルを表し(但し、この部分のシクロアルキル部分は、場合により弗素、塩素、臭素、ヨウ素、C−C−アルキル及びC−C−ハロアルキルからなる群から選択される同一又は異なる置換基でモノからテトラ置換されていてもよい)、
がC−C20−アルケニル又はC−C20−アルキニルを表し、このそれぞれが場合により弗素、塩素、臭素、ヨウ素及びC−C−シクロアルキルからなる群から選択される同一又は異なる置換基でモノ置換又は多置換されていてもよく(但し、この部分のシクロアルキル部分は、場合により弗素、塩素、臭素、ヨウ素、C−C−アルキル及びC−C−ハロアルキルからなる群から選択される同一又は異なる置換基でモノからテトラ置換されていてもよい)、
Z及びRがこれらを結合している炭素原子と一緒になって、場合により同一又は異なる置換基でモノ置換からテトラ置換されていてもよい5員又は6員炭素環又は複素環を形成していてもよいものである、
請求項1に記載の式(I)で示されるジフロオロメチルベンズアニリド。
【請求項3】
a)式(II)
【化2】

(式中、Xはハロゲン又はヒドロキシルを表す)
で示されるジフルオロメチルベンゾイル誘導体を、式(III)
【化3】

(式中、R、R、R、R、R及びZは請求項1で定義した通りである)
で示されるアニリン誘導体と、
適切ならば触媒の存在下で、適切ならば縮合剤の存在下で、
適切ならば酸結合剤の存在下で及び適切ならば希釈剤の存在下で反応させるか、又は
b)式(IV)
【化4】

(式中、
、R、R、R及びRは請求項1で定義した通りであり、
は塩素、臭素、ヨウ素又はトリフルオロメチルスルホネートを表す)
で示されるハロジフルオロメチルベンズアニリドを、式(V)
【化5】

(式中、
は請求項1で定義した通りであり、
及びAはそれぞれ水素を表すか又は一緒になってテトラメチルエチレンを表す)
で示されるボロン酸誘導体と、
触媒の存在下で、適切ならば酸結合剤の存在下で及び適切ならば希釈剤の存在下で反応させるか、又は
c)式(VI)
【化6】

(式中、
、R、R、R及びRは請求項1で定義した通りであり、
及びAはそれぞれ水素を表すか又は一緒になってテトラメチルエチレンを表す)
で示されるジフルオロメチルベンズアミドボロン酸誘導体を、式(VII)
−Z (VII)
(式中、
は請求項1で定義した通りであり、
は塩素、臭素、ヨウ素又はトリフルオロメチルスルホネートを表す)
で示されるフェニル誘導体と、
触媒の存在下で、適切ならば酸結合剤の存在下で及び適切ならば希釈剤の存在下で反応させるか、又は
d)式(IV)
【化7】

(式中、
、R、R、R及びRは請求項1で定義した通りであり、
は塩素、臭素、ヨウ素又はトリフルオロメチルスルホネートを表す)
で示されるハロジフルオロメチルベンズアニリドを、式(VII)
−Z (VII)
(式中、
は請求項1で定義した通りであり、
は塩素、臭素、ヨウ素又はトリフルオロメチルスルホネートを表す)
で示されるフェニル誘導体と、
パラジウム又はニッケル触媒の存在下及び4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビス−1,3,2−ジオキソボランの存在下で、適切ならば酸結合剤の存在下で及び適切ならば希釈剤の存在下で反応させるか、又は
e)式(Ia)
【化8】

〔式中、
、R、R、R及びRは請求項1で定義した通りであり、
はC−C20−アルケニル又はC−C20−アルキニルを表し、このそれぞれは場合によりハロゲン及びC−C−シクロアルキルからなる群から選択される同一又は異なる置換基でモノ置換又は多置換されていてもよい(但し、この部分のシクロアルキル部分は、場合によりハロゲン及び/又はC−C−アルキルで置換されていてもよい)〕
で示されるジフルオロメチルベンズアニリドを、適切ならば希釈剤の存在下で及び
適切ならば触媒の存在下で水素化するか、又は
f)式(VIII)
【化9】

〔式中、
、R、R、R及びRは請求項1で定義した通りであり、
は場合によりハロゲン及びC−C−シクロアルキルからなる群から選択される同一又は異なる置換基でさらにモノ置換又は多置換されていてもよいC−C20−ヒドロキシアルキルを表す(但し、この部分のシクロアルキル部分は、場合によりハロゲン及び/又はC−C−アルキルで置換されていてもよい)〕
で示されるヒドロキシアルキルジフルオロメチルベンズアニリドを、
適切ならば希釈剤の存在下で及び適切ならば酸の存在下で脱水するか、又は
g)式(IV)
【化10】

(式中、
、R、R、R及びRは請求項1で定義した通りであり、
は塩素、臭素、ヨウ素又はトリフルオロメチルスルホネートを表す)
で示されるハロゲン−ジフルオロメチルベンズアニリドを、式(IX)
【化11】

〔式中、
は場合によりハロゲン及びC−C−シクロアルキルからなる群から選択される同一又は異なる置換基でモノ置換又は多置換されていてもよいC−C18−アルキルを表す(但し、この部分のシクロアルキル部分は、場合によりハロゲン及び/又はC−C−アルキルで置換されていてもよい)〕
で示されるアルキン、又は式(X)
【化12】

〔式中、
、A及びAは互いに独立してそれぞれ水素を表すか又はハロゲン及びC−C−シクロアルキルからなる群から選択される同一又は異なる置換基でモノ置換又は多置換されていてもよいアルキルを表す(但し、この部分のシクロアルキル部分は、場合によりハロゲン及び/又はC−C−アルキルで置換されていてもよく及び分子の開鎖の炭素原子の総数は20個を越えないものとする)〕
で示されるアルケンと、
適切ならば希釈剤の存在下で、適切ならば酸結合剤の存在下で及び1種又はそれ以上の触媒の存在下で反応させるか、又は
h)式(XI)
【化13】

〔式中、
、R、R、R及びRは請求項1で定義した通りであり、
は水素を表すか又は場合によりハロゲン及びC−C−シクロアルキルからなる群から選択される同一又は異なる置換基でモノ置換又は多置換されていてもよいC−C18−アルキルを表す(但し、この部分のシクロアルキル部分は、場合によりハロゲン及び/又はC−C−アルキルで置換されていてもよい)〕
で示されるケトンを、式(XII)
10−Px (XII)
〔式中、
10は場合によりハロゲン及びC−C−シクロアルキルからなる群から選択される同一又は異なる置換基でモノ置換又は多置換されていてもよいC−C18−アルキルを表し(但し、この部分のシクロアルキル部分は、場合によりハロゲン及び/又はC−C−アルキルで置換されていてもよい)、
Pxは基−P(CCl、−P(CBr、−P(C、−P(=O)(OCH又は−P(=O)(OCを表す〕
で示されるリン化合物と、
適切ならば希釈剤の存在下で反応させるか、又は
i)式(Ib)
【化14】

(式中、
、R、R、R及びRは請求項1で定義した通りである)
で示されるジフルオロメチルベンズアニリドを、式(XIII)
5−1−X (XIII)
〔式中、
5−1はC−C−アルキル、C−C−アルキルスルフィニル、C−C−アルキルスルホニル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル;いずれの場合にも1から9個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有するC−C−ハロアルキル、C−C−ハロアルキルチオ、C−C−ハロアルキルスルフィニル、C−C−ハロアルキルスルホニル、ハロ−C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−ハロシクロアルキル;ホルミル−C−C−アルキル、(C−C−アルキル)カルボニル−C−C−アルキル、(C−C−アルコキシ)カルボニル−C−C−アルキル;いずれの場合にも1から7個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有する(C−C−ハロアルキル)カルボニル−C−C−アルキル、(C−C−ハロアルコキシ)カルボニル−C−C−アルキル;いずれの場合にも1から6個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有する(C−C−アルキル)カルボニル−C−C−ハロアルキル、(C−C−アルコキシ)カルボニル−C−C−ハロアルキル;いずれの場合にも1から13個の弗素、塩素及び/又は臭素原子を有する(C−C−ハロアルキル)カルボニル−C−C−ハロアルキル、(C−C−ハロアルコキシ)カルボニル−C−C−ハロアルキル;−COR、−CONR又は−CHNR10を表し、
、R、R、R及びR10は請求項1で定義した通りであり、
は塩素、臭素又はヨウ素を表す〕
で示されるハロゲン化物と、
塩基の存在下で及び希釈剤の存在下で反応させる
ことを特徴とする、請求項1に記載の式(I)で示されるジフルオロメチルベンズアニリドの製造方法。
【請求項4】
請求項1に記載の式(I)で示されるジフルオロメチルベンズアニリドの少なくとも1種と、増量剤及び/又は界面活性剤とを含有してなることを特徴とする、望ましくない微生物の防除用組成物。
【請求項5】
望ましくない微生物を防除するための請求項1に記載の式(I)で示されるジフルオロメチルベンズアニリドの使用。
【請求項6】
請求項1に記載の式(I)で示されるジフルオロメチルベンズアニリドを微生物及び/又はこの生息環境に施用することを特徴とする、望ましくない微生物の防除方法。
【請求項7】
請求項1に記載の式(I)で示されるジフルオロメチルベンズアニリドを増量剤及び/又は界面活性剤と混合することを特徴とする、望ましくない微生物の防除用組成物の製造方法。
【請求項8】
式(VIII)
【化15】

〔式中、
、R、R、R及びRは請求項1で定義した通りであり、
は場合によりハロゲン及びC−C−シクロアルキルからなる群から選択される同一又は異なる置換基でさらにモノ置換又は多置換されていてもよいC−C20−ヒドロキシアルキルを表す(但し、この部分のシクロアルキル部分は、場合によりハロゲン及び/又はC−C−アルキルで置換されていてもよい)〕
で示されるヒドロキシアルキルジフルオロメチルベンズアニリド。
【請求項9】
式(II)
【化16】

(式中、Xは塩素又はヒドロキシルを表す)
で示されるジフルオロメチルベンゾイル誘導体。
【請求項10】
式(XIV)
【化17】

で示される2−ホルミルベンゾニトリルを、第一工程で、希釈剤の存在下で(ジエチルアミノ)硫黄トリフルオリドを用いて弗素化し、
得られた式(XV)
【化18】

で示される2−ジフルオロメチルベンゾニトリルを、第二工程で、塩基と反応させ、
場合によっては、この酸を、第三工程で、希釈剤の存在下で塩素化剤と反応させて、対応する酸塩化物を得ることを特徴とする、請求項9に記載の式(II)で示されるジフルオロメチルベンゾイル誘導体の製造法。

【公表番号】特表2007−502312(P2007−502312A)
【公表日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−529790(P2006−529790)
【出願日】平成16年5月12日(2004.5.12)
【国際出願番号】PCT/EP2004/005067
【国際公開番号】WO2004/103953
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(302063961)バイエル・クロツプサイエンス・アクチエンゲゼルシヤフト (524)
【Fターム(参考)】