説明

ジョグボール装置

【課題】例えばGUI上等において、カーソルの移動を安定して且つ適切に行う。
【解決手段】カーソル(9)を移動させるために回転可能なジョグボール(2)と、該ジョグボールが回転される回転量を、複数の方向別に測定する測定手段(11)と、該測定された回転量を複数の方向別に累積する累積手段(12)と、該累積された回転量が複数の方向のいずれかについて所定閾値を超えた場合に、該累積された回転量に基づいて、カーソルを移動させるべき移動方向を特定する特定手段(13)とを備え、所定閾値は、特定された移動方向の連続性に応じて可変に設定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばGUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェース)上でカーソルを移動させるために、リモコンやパソコン等の本体に設けられるジョグボール装置の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のジョグボール装置としては、ジョグボールにおける方向別の回転に伴って発生する信号からカーソルの移動方向を特定するものがある。ここで特に、ジョグボールの回転開始直後や回転終了直前には、ユーザの手動操作による回転という性質上、回転動作にブレが生じ易い。このため、特許文献1では、ジョグボールの回転開始直後に発生した信号や、ジョグボールの回転終了直前に発生した信号を無効にする技術が提案されている。
【0003】
【特許文献1】特開平5−143228号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、ジョグボールの回転開始直後から回転終了直前までの間に生じたブレについては、何ら対応不可能である。しかも、ジョグボールの回転開始直後における正しい回転動作や、回転終了直前における正しい回転動作については、完全に無駄とされてしまう。このため、カーソル移動についての簡易操作を可能ならしめるというジョグボール本来の機能を害しかねないという技術的問題点がある。
【0005】
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みなされたものであり、例えばGUI上等において、カーソルの移動を安定して且つ適切に行うことを可能ならしめるジョグボール装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載のジョグボール装置は、カーソルを移動させるために回転可能なジョグボールと、該ジョグボールが回転される回転量を、複数の方向別に測定する測定手段と、該測定された回転量を前記複数の方向別に累積する累積手段と、該累積された回転量が所定閾値を超える場合に、前記累積された回転量に基づいて、前記カーソルを移動させるべき移動方向を特定する特定手段とを備え、前記所定閾値は、前記特定された移動方向の連続性に応じて可変に設定される。
【0007】
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための最良の形態から明らかにされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、発明を実施するための最良の形態としての本発明の実施形態に係るジョグボール装置について順に説明する。
【0009】
本発明のジョグボール装置に係る実施形態は、カーソルを移動させるために回転可能なジョグボールと、該ジョグボールが回転される回転量を、複数の方向別に測定する測定手段と、該測定された回転量を前記複数の方向別に累積する累積手段と、該累積された回転量が前記複数の方向のいずれかについて所定閾値を超える場合に、前記累積された回転量に基づいて、前記カーソルを移動させるべき移動方向を特定する特定手段とを備え、前記所定閾値は、前記特定された移動方向の連続性に応じて可変に設定される。
【0010】
本発明のジョグボール装置に係る実施形態によれば、カーソルは、例えばGUI上に表示されている。典型的には、GUI上で、矩形や島状に区分された複数の領域間で、カーソルは移動可能とされる。例えば、3×3のマトリクス状の領域に区分されていれば、それらの中央にあるカーソルは、上下及び左右並びに斜め四方向の合計8方向に移動可能とされる。
【0011】
その動作時に、ユーザによるカーソル移動用の操作として、例えばリモコンやコンピュータ機器本体に取り付けられたジョグボールが、ユーザの手動操作によって、カーソルを移動させようとする方向に回転される。すると、例えばx方向とy方向との直交する二方向の各々についてなど、複数の方向別にジョグボールの回転量が測定される。具体的には、ジョグボールの回転は、例えば、これに密着して回転する小型ローラの回転として測定され、測定結果が電気的なパルスとして出力される。或いは、ジョグボール内に配置された磁石による磁場変化として測定され、測定結果がやはり電気的なパルスとして出力される。すると、測定された回転量が、例えばプロセッサ、メモリ等を含んで構成される累積手段によって、複数の方向別に累積される。更に、例えばプロセッサ、メモリ等を含んで構成される特定手段によって、該累積された回転量に基づいて、カーソルを移動させるべき移動方向が特定される。具体的には、例えば、移動方向の候補の中で、蓄積された回転量が示す方向を、移動方向として特定する。更に、その蓄積された回転量の絶対値のいずれか一方があらかじめ設定された移動方向を特定するか否かの閾値を超えた場合に、移動方向として特定する。
【0012】
従って、ジョグボールにおける、特に回転の開始直後や停止直前を含めた回転の期間全域に亘って、ユーザによるジョグボールの回転動作に大なり小なりブレがあったとしても、ユーザが本来動かそうとする方向の回転量である指向性の高い動作と比べて、指向性に乏しいブレが累積値に占める割合は、顕著に小さくなる。仮に、ジョグボールの回転が検知された方向が、そのままカーソルを移動すべき方向に対応しているものとして扱うのでは、特に回転の開始直後や停止直前などにブレが大きく発生すると、カーソルを移動すべき方向が不安定或いは不特定になってしまうのである。しかるに、本発明によれば、そのようなブレが顕著に低減されるので、カーソルの移動は、その分だけ安定し、移動方向は適切且つ確実に特定される。
【0013】
本発明では特に、累積手段により累積された回転量が所定閾値を超える場合に、特定手段により移動方向が特定される。典型的には、xy座標の二方向別に累積された回転量のいずれか一方が、予め設定された所定閾値を越えるかどうかが、ジョグボールの一連の回転動作中に亘ってモニタリング或いはウオッチされる。そして、二方向別に累積された回転量のいずれか一つが、対応する所定閾値を越えた場合に、移動方向が、その閾値を超えた方向に特定される。ここで、回転量の累積値に占める、ユーザが本来動かそうとする方向に対応する成分と比べて、ブレに対応する成分は、ブレという性質上、その増加速度が顕著に遅い。このため、ブレによって回転量の累積値が、所定閾値を超える可能性は、殆ど又は実践上全くない。その結果として、ブレにより移動方向が不安定或いは不確実になる可能性は、殆どなくなる。仮に、何らかの閾値を設けて、ブレの回転量或いは回転速度が、この閾値を超えるか否かで移動方向を特定する構成を採用すれば、ブレの影響がそのまま顕著に出現して、不安定な或いは不確実な移動方向となることが予想される。
【0014】
更に本発明では特に、このように移動方向を特定する条件とされる所定閾値は、移動方向の連続性に応じて可変に設定される。ここに「移動方向の連続性」とは、特定された移動方向が変化することなく、どれだけ連続或いは持続するかの程度である。典型的には、特定された移動方向が同一のままどれだけの時間継続するかや、連続して同一移動方向であるものと何回続けて特定されるかや、同一移動方向を示す信号が何回続けて出力されるか或いはどれだけの時間出力され続けるかなどである。このような連続性の検出或いは判定は、例えば特定手段にて、特定された移動方向をモニタリングすることで行われる。また「可変に設定される」とは、かかる連続性が相対的に大きい範疇と小さい範疇とを含む少なくとも二つの範疇に、かかる連続性を分類した場合に、これらの範疇毎に、所定閾値が相互に異なることを意味する。即ち、かかる連続性に応じて線形的に所定閾値が変化することに限定される訳ではない。かかる連続性を三つ以上の範疇に分類して、これら三つ以上の範疇毎に所定閾値が相互に異なってもよいことはいうまでもない。このような所定閾値の設定は、例えば特定手段で行われる。
【0015】
本発明者の研究によれば、ジョグボールの回転開始直後や停止直前では、指向性の乏しい動作による回転量は、カーソルを移動すべき方向として特定され難くなる一方、回転開始直後及び停止直前を除いた、回転開始直後から停止直前の間の期間では、指向性の高い動作による回転量は、カーソルを移動すべき方向として特定され易くなる。そこで本発明では「所定閾値」は、例えば、回転開始直後及び停止直前に対応する場合として、特定された移動方向が連続して同じである連続性が相対的に低い場合に、高い値に設定される。他方、回転開始直後から停止直前の間の期間に対応する場合として、かかる連続性が相対的に高い場合には、前記高い閾値よりも低い閾値に設定される。具体的な所定閾値の各値は、ジョグボールの回転開始時における、指向性に乏しい動作に起因して移動方向を特定する際の誤差を過度に大きくしない値や、指向性の高い動作を利用してジョグボールの回転継続時における移動方向の特定を迅速或いは容易ならしめる値として、個々のジョグボール等に対して且つ移動方向の連続性の範疇別に、実験的若しくは経験的に又はシミュレーションにより定めればよい。
【0016】
以上のように本発明によれば、累積手段によって累積された回転量に基づいて、特定手段によって特定された移動方向の連続性に応じて、カーソルを移動させるべき移動方向が、例えば回転開始直後や停止直前で前記移動方向が不安定な期間では、特定され難くなり、例えば回転開始直後及び停止直前を除いた、回転開始直後から停止直前の間で前記移動方向が比較的安定している期間では、特定され易くなる。これらの結果、カーソル移動を、ブレがなく非常に安定したものにできる。
【0017】
本発明のジョグボール装置の実施形態の一態様では、前記特定手段によって時間的に相前後して特定される複数の移動方向の相互関係に基づいて、前記特定された移動方向を有効なものとして出力するか否かを判定する出力判定手段を更に備える。
【0018】
この態様によれば、特定手段により、カーソルを移動させるべき移動方向が特定されると、続いて、例えばプロセッサ、メモリ等を含んで構成される出力判定手段によって、時間的に相前後して特定される複数の移動方向の相互関係に基づいて、特定された移動方向を有効なものとして出力するか否かが判定される。ここで、有効なものとして出力すると判定されれば、特定された移動方向は、当該ジョグボール装置から外部装置等に対して出力される。他方、ここで、有効なものとして出力しないと判定されれば、特定された移動方向は、当該ジョグボール装置から外部装置等に対して出力されることはない。即ち、一旦特定されはしたが、その移動方向は、無効とされる。従って、一旦回転された後におけるジョグボールの回転動作中であれば、極端な移動方向の変化が発生しない限りは、その移動方向の変化はブレに過ぎないとして、即ち回転動作を有効なものとして扱って、特定された移動方向は、有効なものとされる。逆に、一旦回転された後におけるジョグボールの回転動作中であっても、極端な移動方向の変化が発生した場合には、その移動方向の変化はユーザにより意図されたものであるとして、即ち特定された移動方向は、有効でないものとされる。これにより、再びカーソルを移動させるべき移動方向の特定が行われ、典型的には、移動方向に変化が加えられることになる。
【0019】
このように一旦移動方向が特定された後には、その特定された移動方向を基準として、その後に検出される回転量については、生かせるものはなるべく生かすことで、ジョグボールの回転動作が終わるまで、安定して移動方向を特定できる。しかも、一旦移動方向が特定された後でも、その特定された移動方向を基準として、方向に変化が意図的に加えられた回転量については、適切にこれに対応して、移動方向を特定できる。
【0020】
本発明のジョグボール装置の実施形態の他の態様では、前記出力判定手段は、前記複数の移動方向が同じである場合に、前記特定された移動方向を有効なものとして出力してもよい。
【0021】
このように構成すれば、複数の移動方向が同じである場合に、特定された移動方向は、有効扱いされ、他方で、複数の移動方向が同じでない場合に、特定された移動方向は、有効扱いされないので、比較的簡単な場合分け処理によって、移動方向の維持及び変更を適切に実施可能となる。
【0022】
この態様では、前記所定閾値は、前記出力された移動方向が連続して同じ方向になる回数が所定回数を下回る場合に、第1閾値に設定され、前記出力された移動方向が連続して同じ方向になる回数が前記所定回数を上回る場合に、前記第1閾値より小さい第2閾値に設定されてもよい。
【0023】
このように構成すれば、回転開始直後や停止直前では、前記所定閾値が、相対的に大きな値である第1閾値に設定され、移動方向が特定され難くなる。これにより、指向性に乏しい動作に伴うブレを抑えることができる。更に、同じ移動方向が連続して所定回数を上回って出力された場合には、前記所定閾値が、相対的に小さな値である第2閾値に設定され、移動方向が特定され易くなる。このように、比較的簡単な場合分け処理によって、移動方向の維持及び変更を適切に実施可能となる。
【0024】
本発明のジョグボール装置の実施形態の他の態様では、前記所定閾値は、前記ジョグボールの回転が開始される際に、第1閾値に設定され、前記ジョグボールの回転が継続される際に、前記第1閾値より小さい第2閾値に設定される。
【0025】
この態様によれば、ジョグボールの回転が開始される際に、所定閾値は、相対的に大きな値である第1閾値に設定され、移動方向が特定され難くなる。これにより、指向性に乏しい動作に伴うブレを抑えることができる。更に、ジョグボールの回転が継続される際に、所定閾値は、相対的に小さな値である第2閾値に設定され、移動方向が特定され易くなる。このように、比較的簡単な場合分け処理によって、移動方向の維持及び変更を適切に実施可能となる。
【0026】
尚、「ジョグボールの回転が開始される際」であるか否かは、例えば上述の態様と同じく、出力判定手段から出力された移動方向が連続して同じ方向になる回数に基づいて判定してもよいし、或いは、例えば測定手段から出力される回転量や特定手段により特定される移動方向に基づいて、判定してもよい。同様に、「ジョグボールの回転が継続される際」であるか否かは、例えば上述の態様と同じく、出力判定手段から出力された移動方向が連続して同じ方向になる回数に基づいて判定してもよいし、或いは、例えば測定手段から出力される回転量や特定手段により特定される移動方向に基づいて、判定してもよい。
【0027】
加えて、所定閾値は、ジョグボールの回転が終了される際に、第3閾値に設定されてもよく、この際、第3閾値は、第2閾値より大きくてもよいし、第1閾値と同じ又は第1閾値よりも小さくてもよい。
【0028】
本発明のジョグボール装置の実施形態の他の態様では、前記カーソルは、GUI上に表示されると共に該GUI上で移動可能な方向が予め設定された複数の方向に限定されており、前記特定手段は、前記移動方向となり得る複数の候補として、前記複数の方向に対応付けられた複数の領域に分割された判定領域上で、前記複数の領域のうちの一つの領域を選択し、前記複数の候補のうち前記選択された一つの領域に対応する一つの候補を、前記移動方向として特定する。
【0029】
この態様によれば、特定手段によって、複数の領域に分割された判定領域上で、複数の領域のうちの一つの領域が、累積された回転量に基づいて、選択される。続いて、この選択された一つの領域に対応する一つの候補が、移動方向として特定される。従って、判定領域を利用することで、比較的簡単な処理によって、特定手段による移動方向の特定を実施可能となる。
【0030】
本実施形態のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施例から明らかにされる。
【実施例】
【0031】
以下、本発明の実施例について図を参照しつつ説明する。
<第1実施例>
先ず、本実施例に係るジョグボール装置の構成について図1及び図2を参照して説明する。ここに図1は、本実施例に係るジョグボール装置とその外部装置との概要図であり、図2は、該ジョグボール装置のブロック図である。
【0032】
図1において、本実施例に係るリモコン1は、例えば、赤外線通信により、ユーザによるカーソル移動用の操作に対応する信号を、「外部装置」の一例としての画像表示装置5に対して出力する。リモコン1は、本発明に係る「ジョグボール装置」の一例として機能するように構成されている。
【0033】
図1に示すように、リモコン1は、ジョグボール2と、回転量測定部11と、GUI処理部3と、送信部4と、図示しない各種スイッチとを備える。ジョグボール2は、リモコン1の表側に取り付けられ、後述するモニタ8に表示されるGUI上のカーソル9を移動させるために、ユーザの手動操作により回転可能である。ジョグボール2内には、回転量を出力するために、例えば磁石が組み込まれている。
【0034】
回転量測定部11は、本発明に係る「測定手段」の一例として、例えば、x方向とy方向との直交する二方向の各々について、ジョグボール2の回転量を測定する。回転量測定部11は、ジョグボール2の回転に伴って、ジョグボール2内の磁石による磁場変化を検出し、その検出結果として、電気的なパルス信号を出力する。また、この出力信号から、x方向及びy方向の各々の回転量x,yを算出する。
【0035】
図2において、GUI処理部3は、回転量累積部12と、移動方向特定部13と、出力判定部14とを備えており、ジョグボール2が回転される回転量から、カーソル9を移動させるべき移動方向を特定する。
【0036】
回転量累積部12は、本発明に係る「累積手段」の一例として、回転量測定部11によって測定された回転量x,yを、x方向及びy方向の二方向別に累積する。回転量累積部12は、図示しないプロセッサやメモリを備えており、単位時間T0のジョグボール2の回転量x,yを累積して、x方向の累積値X=Σxi、及びy方向の累積値Y=Σyiを算出する。
【0037】
移動方向特定部13は、本発明に係る「特定手段」の一例として、回転量累積部12によって算出された、二方向別の累積値X,Yに基づいて、カーソル9を移動させるべき移動方向を特定する。本実施例では、移動方向特定部13は、移動方向の候補の中で、累積値X,Yが示す方向を、移動方向として特定する。
【0038】
前記移動方向の候補について図3を参照して説明する。ここに図3は、ジョグボール2の回転量と回転方向とを示すxy座標であって、カーソル9の移動方向を特定するための方向特定図である。
【0039】
図3において、方向特定図20は、カーソル9の移動可能な領域に対応しており、例えば、3×3のマトリクス状の領域に区分されている場合に、座標中央(0,0)にあるカーソル9は、上下及び左右並びに斜め四方向の合計8方向に移動可能とされる。これらの8方向が前記移動方向の候補とされる。移動方向特定部13は、累積値X,Yを元にこれらの8方向の中からカーソル9の移動方向を特定する。但し、本実施例では、特定された方向における累積値X,Yの絶対値のいずれか一方が、あらかじめ設定された方向判定を行うか否かの閾値X_lim,Y_limを超えた場合に、移動方向を特定する。
【0040】
図3に示すように、方向特定図20には、8方向別に、所定閾値X0,Y0が設定されている。移動方向特定部13は、例えば、単位時間T0に累積された回転量(累積値)X,Yが、右上方向への回転を示す場合に、二方向別の累積値X,Yの絶対値のいずれか一方が、各々に対応するあらかじめ設定された方向判定を行うか否かの閾値X_lim,Y_limを超えているか否かを判定する。移動方向特定部13は、累積値X,Yの絶対値のいずれか一方があらかじめ設定された方向判定を行うか否かの閾値X_lim,Y_limを越えている場合に、累積値X,Yの各々が、対応する右上方向の閾値X0,Y0を超えていれば、移動方向D1を、その閾値X0,Y0を越えた方向、即ち「右上」に特定する。これにより、カーソル9を移動させるべき移動方向D1が特定される。
【0041】
移動方向特定部13は、あらかじめ設定された方向判定を行うか否かの第1閾値又は第2閾値を、出力判定部14によって出力されるフラグに基づいて設定する。具体的に、該フラグは、前々回の移動方向−D1、前回の移動方向D0及び最新の移動方向D1が同じ方向である“1”、前回の移動方向D0と最新の移動方向D1とが同じ方向でない“2”、及び前回の移動方向D0と最新の移動方向D1とが同じ方向であるが、前々回の移動方向−D1と前回の移動方向D0とが同じ方向でない“3”のいずれか一つが、出力判定部14による出力判定処理毎に出力される。移動方向特定部13は、このようなフラグの値に基づいて、第1閾値又は第2閾値を設定する。
【0042】
即ち、移動方向特定部13は、フラグが“1”又は“2”である場合に、連続回数Nが所定回数N_limを下回れば、第1閾値を設定し、連続回数Nが所定回数N_limを上回れば、第2閾値を設定する。該連続回数Nは、移動方向D1が連続して同じ方向であると特定された回数を示す。連続回数Nは、第1閾値が設定された場合に、且つこの設定された第1閾値を累積値X,Yの絶対値のいずれか一方が越えた場合に、“1“が付加される。
【0043】
上述の第1閾値及び第2閾値は、連続回数N、即ち移動方向D1の連続性に応じて切り替えられる。第1閾値は、第2閾値と比較して相対的に大きな値であり、ジョグボール2の回転が開始される際に設定される。第1閾値は、ジョグボール2の回転開始時に、移動方向の決定を実行するか否かを決める閾値である。第1閾値の具体的な値は、ジョグボール2の回転開始時における、指向性に乏しい動作に起因して移動方向を特定する際の誤差を過度に大きくしない値として予め実験等によって求められる。ジョグボール2の回転が開始される際に、このような第1閾値を設定することで、第1閾値を超えた回転量だけが、移動方向D1として特定される。従って、指向性の乏しい動作による回転量が、移動方向D1として特定され難くなり、前記動作に伴うブレが抑えられるために、カーソル9を非常に安定して移動させることができる。
【0044】
一方、第2閾値は、第1閾値と比較して相対的に小さな値であり、ジョグボール2の回転が継続される際に設定される。第2閾値は、ジョグボール2の回転開始後の回転継続時に、移動方向の決定を実行するか否かを決める閾値である。第2閾値の具体的な値は、ジョグボール2の回転開始後における、指向性の高い動作を利用してジョグボールの回転継続時における移動方向の特定を迅速或いは容易ならしめる値として予め実験等によって求められる。ジョグボール2の回転が継続される際に、このような第2閾値を設定することで、第2閾値を超えた回転量の全てが、移動方向D1として特定される。従って、指向性の高い回転量が、移動方向D1として特定され易くなり、同一の移動方向D1が維持されるために、カーソル9を非常に安定して移動させることができる。
【0045】
移動方向特定部13は、フラグが“3”である場合に、累積値Xを回転量“x”、累積値Yを回転量“y”、連続回数Nを零とする。
【0046】
図2において、出力判定部14は、本発明に係る「出力判定手段」の一例として、移動方向判定部13によって特定された移動方向D1を有効なものとして出力するか否かを判定する。出力判定部14は、図示しないプロセッサやメモリを備えており、時間的に相前後して特定される2つの移動方向、即ち前回の移動方向D0と、最新の移動方向D1との相互関係に基づいて、前記判定を行う。
【0047】
出力判定部14は、前回の移動方向D0と最新の移動方向D1とが同じである場合に、最新の移動方向D1を有効なものとし、移動方向D1を出力方向D1’として出力する。一方、前回の移動方向D0と最新の移動方向D1とが同じでない場合に、最新の移動方向D1を無効なものとし、出力方向D1’を“Null”として出力すると共に、移動方向D1を前回の移動方向D0とする。このように、移動方向D1を前回の移動方向D0とすることにより、この後に時間的に相前後する2つの移動方向、即ち最新の移動方向D1と、次回特定される移動方向D2とを、同一の制御ループで判定可能である。
【0048】
出力判定部14は、移動方向特定部13によって特定される移動方向Dの連続性に応じたフラグを出力し、移動方向特定部13に入力する。例えば、前回の移動方向D0と最新の移動方向D1とが同じである場合に、フラグが現状“2”であるか否かを判定する。該フラグが“2”である場合に、“3”のフラグを出力し、フラグが“2”でない場合に、“1”のフラグを出力する。出力判定部14は、前回の移動方向D0と最新の移動方向D1とが同じでない場合に、“2”のフラグを出力する。
【0049】
尚、このように前回の移動方向D0及び最新の移動方向D1という二つの移動方向のみならず、より最新の移動方向D1から数えてN(但し2以上の整数)回分の移動方向を用いて、例えば、同一方向がN回連続しているかにより、このような判断を行うことも可能である。
【0050】
送信部4は、出力判定部14によって出力された出力方向D1’を示す信号を、画像表示装置5に対し、赤外線により送信する。尚、送信部4は、出力判定部14の出力に応答して、出力方向D1’の信号を送信するが、出力方向D1’が“Null”であるときは、送信しなくてもかまわない。
【0051】
図1に示すように、画像表示装置5は、受信部6と、CPU7と、モニタ8とから構成される。受信部6は、送信部4からの赤外線信号を受信し、CPU7に入力する。
【0052】
モニタ8は、図示しないケーブルからの画像や、GUI等を表示すると共に、該GUI上にカーソル9を表示する。
【0053】
CPU7は、リモコン1からの信号に応答して、画像表示装置5の各部を制御する。CPU7は、GUI画像を表示すると共に、前記赤外線信号に基づいて、GUI上のカーソル9を移動する。
【0054】
次に、本実施例に係るリモコン1について、図4及び図5を参照して説明する。
(カーソル移動の制御処理)
図4は、本実施例に係るリモコン1の動作処理を示すフローチャートである。
【0055】
具体的には、図4において、回転量測定部11にて、先ず、ジョグボール2の回転量x,yが検出されたか否かが判定される(ステップS21)。ここで、ジョグボール2の回転量x,yが検出されていないと判定された場合には(ステップS21:NO)、カーソル移動操作がなされていないとして、該操作がなされるまで待機状態になる。一方、回転量x,yが検出されたと判定された場合には(ステップS21:YES)、回転量累積部12にて、回転量の検出が開始されてからの経過時間T1が、所定の検出単位時間T0に達しているか否かが判定される(ステップS22)。ここで、経過時間T1が単位時間T0に達している場合には(ステップS22:NO)、出力判定部14にて、回転量x,yを累積する単位時間が経過したとして、“1”のフラグが出力される。また、経過時間T1が零に戻され、累積値Xが回転量“x”、累積値Yが回転量“y”とされる。即ち、この場合には、ユーザが意図するカーソル移動に対応する一連のジョグボールの操作が完了したものとされる。一方、経過時間T1が単位時間T0に達していない場合には(ステップS22:YES)、移動方向特定部13にて、出力判定部14から入力されたフラグが“3”でないか否かが判定される(ステップS23)。フラグが“3”である場合に(ステップS23:NO)、累積値Xが回転量“x”、累積値Yが回転量“y”とされ、連続回数Nが零に戻される。一方、フラグが“1”又は“2”である場合に(ステップS23:YES)、x方向及びy方向の二方向の回転量x,yが各々に累積されて、x方向の回転量xの累積値X、及びy方向の回転量yの累積値Yが出力される(ステップS24)。即ち、この場合には、ユーザが意図するカーソル移動に対応する一連のジョグボールの操作が継続中とされる。
【0056】
次に、移動方向判定部13にて、移動方向Dが連続して同じ方向である連続回数Nが所定回数N_limより小さいか否かが判定される(ステップS25)。連続回数Nが所定回数N_limより小さい場合には(ステップS25:YES)、移動方向Dの連続性が低いとして第1閾値が設定され、二方向別の累積値X,Yの絶対値のいずれか一方が、各々に対応するあらかじめ設定された第1閾値X_lim1,Y_lim1より大きいか否かが判定される(ステップS26)。ここで、累積値X,Yの絶対値の両方が第1閾値X_lim1,Y_lim1より大きくないと判定された場合には(ステップS26:NO)、累積値X,Yがブレと想定されるため、累積値X,Yの絶対値のいずれか一方が、第1閾値X_lim1,Y_lim1より大きくなるまで、回転量x,yを累積する制御ループが繰り返される。一方、累積値X,Yの絶対値のいずれか一方が、第1閾値X_lim1,Y_lim1より大きいと判定された場合には(ステップS26:YES)、方向特定図20が用いられ、移動方向D1が特定される(ステップS27)。
【0057】
一方、連続回数Nが所定回数N_limより小さい場合には(ステップS25:YES)、移動方向Dの連続性が高いとして、第1閾値より小さい第2閾値が設定され、二方向別の累積値X,Yの絶対値のいずれか一方が、各々に対応するあらかじめ設定された第1閾値X_lim2,Y_lim2より大きいか否かが判定される(ステップS32)。ここで、累積値X,Yの絶対値の両方が第1閾値X_lim2,Y_lim2より大きくないと判定された場合には(ステップS32:NO)、累積値X,Yがブレと想定されるため、累積値X,Yの絶対値のいずれか一方が、第2閾値X_lim2,Y_lim2より大きくなるまで、回転量x,yを累積する制御ループが繰り返される。一方、累積値X,Yの絶対値のいずれか一方が、第1閾値X_lim2,Y_lim2より大きいと判定された場合には(ステップS32:YES)、第1閾値が方向判定を行うか否かの判定に用いられるときと同様に(ステップS26)、方向特定図20が用いられ、移動方向D1が特定される(ステップS27)。
【0058】
次に、出力判定部14にて、出力判定処理が行われる(ステップS28)。この処理では、移動方向特定部13によって特定された最新の移動方向D1が出力されると(ステップS41)、前回特定された移動方向D0に同じか否かが判定される(ステップS42)。ここで、最新の移動方向D1が前回の移動方向D0と異なる場合には(ステップS42:NO)、画像表示装置5へと送信される出力方向D1’が「Null」、前回の移動方向D0が最新の移動方向D1とされ、更に、“2”のフラグが移動方向特定部13に出力される(ステップS48)。こうして、一連の出力判定処理が終了される。一方、最新の移動方向D1が前回の移動方向D0と等しい場合には(ステップS42:YES)、前記出力方向D1’が最新の移動方向D1とされ(ステップS43)、更に、フラグが“2”であるか否かが判定される(ステップS44)。フラグが“2”である場合に(ステップS44:YES)、“3”のフラグが移動方向特定部13に出力され(ステップS45)、フラグが“2”でない場合に(ステップS44:NO)、“1”のフラグが移動方向特定部13に出力される(ステップS46)。こうして、一連の出力判定処理が終了される。
【0059】
次に、第1又は第2の閾値が設定された両ルーチンにおいて、リモコン1の送信部4からの出力方向D1’を示す信号が、画像表示装置5の受信部6にて受信されると、CPU7により、出力方向D1’に基づいて、カーソル9が安定して且つ適切に、ユーザの所望の方向に移動される(ステップS29)。一方、出力方向D1’が「Null」の場合には、カーソル9は移動されることなく、現状位置が保持される。この後、回転量x,yの累積値X,Yが零に戻される(ステップS30)。更に、第1閾値が設定されたルーチンにおいて、連続回数Nが“1”カウントされると(ステップS31)、前記両ルーチンにおいて、一連のカーソル移動の制御処理が終了される。
【0060】
このように、第1実施例のジョグボール装置は、二方向別にジョグボールの回転量を累積し、移動方向の候補の中で、これらの累積された回転量が示す方向を、移動方向として特定する。特に、前記累積された回転量の絶対値のいずれか一方が、特定された移動方向の連続性に応じて設定される閾値を越えた場合に方向判定を行い、方向判定の結果に基づいて、実際にカーソルを移動する。このため、回転開始直後や停止直前では、指向性の乏しい回転がカーソルを移動すべき方向として特定され難くなり、回転開始直後及び停止直前を除いた、回転開始直後と停止直前との間の期間では、指向性の高い回転がカーソルを移動すべき方向として特定され易くなる。これにより、ジョグボールにおける回転の期間全域に亘って、ブレが低減されつつ、正しい回転動作が有効とされるので、カーソル移動を、ブレがなく非常に安定して且つ適切に行うことができる。
【0061】
尚、第1実施例では、ジョグボール2の回転量x,yを、x方向及びy方向の二方向別に測定、且つ累積するが、上下及び左右並びに斜め四方向等の複数の方向別に累積してもかまわない。
【0062】
尚、第1実施例では、カーソル9の移動可能な方向は、前記移動方向の候補として、8方向に設定されるが、該移動方向の候補は、カーソル9が移動可能なGUI画像に対応させて、8方向より少なくてもかまわない。
【0063】
尚、第1実施例では、前記移動方向の特定に際して、二方向別の累積値X,Yの絶対値のいずれか一方が、特定された移動方向の連続性に応じて設定される閾値を超えた場合としたが、累積値X,Yの絶対値の両方が、該閾値を超えた場合としてもかまわない。
<第2実施例>
次に、第2実施例に係るジョグボール装置について、図6を参照して説明する。
【0064】
図6は、第1実施例における図1と同趣旨の模式図である。尚、図6において、図1に示した第1実施例に係る構成要素と同様の構成要素に同一の参照符合を付し、それらの説明は省略する。
【0065】
図6において、本実施例に係るジョグボール装置では、上述したGUI処理部3を、リモコン1内でなく、画像表示装置5内に設ける点で、上述した第1実施例と異なる。その他の構成については、第1実施例の場合と概ね同様である。
【0066】
リモコン1は、ジョグボール2と、回転量測定部11と、CPU31と、送信部4とを備えており、回転量測定部11によって測定された二方向の回転量x,yを、画像表示装置5に対して送信する。
【0067】
画像表示装置5は、図1と同様に、受信部6と、CPU7と、モニタ8とから構成されており、該CPU7に、本実施例のGUI処理部32を設けている。GUI処理部32は、リモコン1からの回転量x,yに基づいて、回転量累積部12、移動方向特定部13、及び出力判定部14の各部にて制御処理を行い、出力方向D1’を特定する。
【0068】
CPU7は、GUI画像を表示すると共に、出力方向D1’に基づいて、GUI上のカーソル9を移動する。
【0069】
このように、第2実施例のジョグボール装置は、配された外部装置内にて、二方向別にジョグボールの回転量を累積し、これらの累積値が移動方向の連続性に応じて設定される閾値を超えた場合に、カーソルの移動方向を特定し、実際にカーソルを移動するようにしたから、ジョグボールにおける回転の期間全域に亘って、ブレが低減されつつ、正しい回転動作が有効とされるので、カーソル移動を、ブレがなく非常に安定して且つ適切に行うことができる。
【0070】
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】第1実施例に係るジョグボール装置とその外部装置との概要図である。
【図2】第1実施例に係るジョグボール装置のブロック図である。
【図3】第1実施例に係るカーソルの移動方向を特定するための方向特定部である。
【図4】第1実施例に係るジョグボール装置の動作処理を示すフローチャートである。
【図5】第1実施例に係る出力判定部の動作処理を示すフローチャートである。
【図6】第2実施例に係るジョグボール装置とその外部装置との概要図である。
【符号の説明】
【0072】
1…リモコン、2…ジョグボール、9…カーソル、11…回転量測定部、12…回転量累積部、13…移動方向特定部、14…出力判定部、20…方向特定図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーソルを移動させるために回転可能なジョグボールと、
該ジョグボールが回転される回転量を、複数の方向別に測定する測定手段と、
該測定された回転量を前記複数の方向別に累積する累積手段と、
該累積された回転量が、前記複数の方向のいずれかについて所定閾値を超える場合に、前記累積された回転量に基づいて前記カーソルを移動させるべき移動方向を特定する特定手段と
を備え、
前記所定閾値は、前記特定された移動方向の連続性に応じて可変に設定される
ことを特徴とするジョグボール装置。
【請求項2】
前記特定手段によって時間的に相前後して特定される複数の移動方向の相互関係に基づいて、前記特定された移動方向を有効なものとして出力するか否かを判定する出力判定手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のジョグボール装置。
【請求項3】
前記出力判定手段は、前記複数の移動方向が同じである場合に、前記特定された移動方向を有効なものとして出力することを特徴とする請求項2に記載のジョグボール装置。
【請求項4】
前記所定閾値は、前記出力された移動方向が連続して同じ方向になる回数が所定回数を下回る場合に、第1閾値に設定され、前記出力された移動方向が連続して同じ方向になる回数が前記所定回数を上回る場合に、前記第1閾値より小さい第2閾値に設定されることを特徴とする請求項3に記載のジョグボール装置。
【請求項5】
前記所定閾値は、前記ジョグボールの回転が開始される際に、第1閾値に設定され、前記ジョグボールの回転が継続される際に、前記第1閾値より小さい第2閾値に設定されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のジョグボール装置。
【請求項6】
前記カーソルは、GUI上に表示されると共に該GUI上で移動可能な方向が予め設定された複数の方向に限定されており、
前記特定手段は、前記移動方向となり得る複数の候補として、前記複数の方向に対応付けられた複数の領域に分割された判定領域上で、前記複数の領域のうちの一つの領域を選択し、前記複数の候補のうち前記選択された一つの領域に対応する一つの候補を、前記移動方向として特定することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のジョグボール装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−282199(P2008−282199A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−125563(P2007−125563)
【出願日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】