説明

ジョブ管理装置、ジョブ処理方法、ジョブ管理プログラム

【課題】 効率よいジョブ管理を行う。
【解決手段】 画像形成装置を制御する第1形式の命令を解釈して実行可能な第1の実行環境と、前記第1の実行環境の上に実現される、前記画像形成装置の機種とは依存しない形式で定義された第2形式の命令を解釈して実行可能な第2の実行環境を備えた画像形成装置において、画像形成装置に出力されたジョブ情報を前記画像形成装置における第2の実行環境において管理するジョブ管理装置が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、スキャナ、ファクシミリ、複写機等、およびこれらの複合機の機能を有する画像形成装置、制御方法、制御プログラムおよびジョブ管理装置、ジョブ処理方法、ジョブ管理プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ユーザが、プリンタ(印刷装置)、スキャナ、複写機、または、それらを統合したマルチファンクション機器(MFP)などの周辺機器をネットワークを介して使用する際に、ジョブの管理を行なうジョブ管理装置が知られている。このような情報処理装置の中には、終夜運転されるサーバPCを介して、機器に格納されるジョブ履歴を参照して、それを永続的に保持し、ユーザからの要求によって、ユーザごとの詳細な使用量を示す集計表を作成したり、または、ジョブごとの詳細情報を示すジョブ履歴表を提供したりするものがある。あるいは周辺機器上にそのOS上で動作するアプリケーションを構築して同等の機能を提供するものがある。
【0003】
一方、プリンタ、スキャナ、ファクシミリ、複写機等、およびこれらの複合機能を有する画像形成装置において、システム組み込み向けのOS上にさらに別の組み込みシステム向けの実行環境を構築し、アプリケーションモジュールをダウンロードして搭載することが試みられつつある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術により、複合機能を有する画像形成装置上に構築された実行環境において、上述の集計表参照およびジョブ履歴などのジョブ管理方法を実現する場合は、過去のジョブ履歴を消してしまうと集計表およびジョブ履歴表を参照できない、という問題があった。また、ジョブ履歴を収集および保持するため365日24時間動作し続けるサーバを動作させる必要があった。通常、サーバの運用には、PCやネットワークの維持など高いコストを要する。あるいは機能の実装を周辺機器上で行った場合には、他の周辺機器で同じ機能を提供するためには膨大な移植作業が必要となる問題があった。
【0005】
本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、画像処理装置の制御とは別の実行環境にジョブ管理モジュールをダウンロードして実行することが可能である画像処理装置を用いて、ジョブ履歴の参照、保持、集計表の作成を行うことにより、ジョブ情報の集計を行うサーバ、あるいは該周辺機器専用のアプリケーションを用意しなくても、集計表、およびジョブ履歴表を備えるジョブ管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る装置は、以下の手段を提供する。
【0007】
第1の発明は、画像形成装置を制御する第1形式の命令を解釈して実行可能な第1の実行環境と、前記第1の実行環境の上に実現される、前記画像形成装置の機種とは依存しない形式で定義された第2形式の命令を解釈して実行可能な第2の実行環境を備えた画像形成装置において、画像形成装置に出力されたジョブ情報を前記画像形成装置における第2の実行環境において管理するジョブ管理装置であって、ジョブ履歴を参照する参照手段、参照したジョブ履歴を保持するジョブ履歴保持手段、参照したジョブ履歴から集計表を更新および保持する集計表保持手段、前記ジョブ履歴の表示を行うジョブ履歴表示手段、前記集計表の表示を行う集計表表示手段、ジョブ履歴保持手段によって保持された情報と集計表保持手段によって保持された情報を独立して管理することを特徴とする。
【0008】
第2の発明は、集計表を表示する際に、ジョブの種別、カラーモードの種別をユーザが指定可能にすることを特徴とする。
【0009】
第3の発明は、ユーザが、ジョブ履歴削除を指示する手段、集計表削除を指示する手段を設けることを特徴とする。
【0010】
第4の発明は、画像形成装置を制御する第1形式の命令を解釈して実行可能な第1の実行環境と、前記第1の実行環境の上に実現される、前記画像形成方法の機種とは依存しない形式で定義された第2形式の命令を解釈して実行可能な第2の実行環境を備えた画像形成装置において、画像形成装置に出力されたジョブ情報を前記画像形成方法における第2の実行環境において管理するジョブ管理方法であって、ジョブ履歴を参照する参照工程、参照したジョブ履歴を保持するジョブ履歴保持工程、参照したジョブ履歴から集計表を更新および保持する集計表保持工程、前記ジョブ履歴の表示を行うジョブ履歴表示工程、前記集計表の表示を行う集計表表示工程、ジョブ履歴保持工程によって保持された情報と集計表保持工程によって保持された情報を独立して管理することを特徴とする。
【0011】
第5の発明は、集計表を表示する際に、ジョブの種別、カラーモードの種別をユーザが指定可能にすることを特徴とする。
【0012】
第6の発明は、ユーザが、ジョブ履歴削除を指示する工程、集計表削除を指示する工程を設けることを特徴とする。
【0013】
第7の発明は、画像形成装置を制御する第1形式の命令を解釈して実行可能な第1の実行環境と、前記第1の実行環境の上に実現される、前記画像形成方法の機種とは依存しない形式で定義された第2形式の命令を解釈して実行可能な第2の実行環境を備えた画像形成装置において、画像形成装置に出力されたジョブ情報を前記画像形成方法における第2の実行環境において管理するジョブ管理プログラムであって、ジョブ履歴を参照する参照手順、参照したジョブ履歴を保持するジョブ履歴保持手順、参照したジョブ履歴から集計表を更新および保持する集計表保持手順、前記ジョブ履歴の表示を行うジョブ履歴表示手順、前記集計表の表示を行う集計表表示手順、ジョブ履歴保持手順によって保持された情報と集計表保持手順によって保持された情報を独立して管理することを特徴とする。
【0014】
第8の発明は、集計表を表示する際に、ジョブの種別、カラーモードの種別をユーザが指定可能にすることを特徴とする。
【0015】
第9の発明は、ユーザが、ジョブ履歴削除を指示する手順、集計表削除を指示する手順を設けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、最小の機器資源でジョブ管理を実現すること、ジョブ管理におけるユーザの利便性を向上させること、またそれを実現するアプリケーションを移植の手間無く様々な機種で動作させることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、図面を参照して、本発明の実施形態の好適な一例を説明する。
【0018】
図1は複写機、他の画像形成装置、及び、コンピュータを含むシステムブロック図である。本発明の画像形成装置(画像処理装置)の好適な一例である複写機等、情報処理装置(コンピュータ)、および周辺機器との関係を示す。画像形成装置100、200は、リーダ部1と、プリンタ部2と、コントローラ部3、またその中に、モデム通信部4、ネットワーク処理部7、PDL展開部8、コア部10を有する。コンピュータは、ワークステーション、又は、標準的なPCを用いることができる。
【0019】
リーダ部1は、画像形成装置にセットされた原稿の画像を読み取り、原稿画像に応じた画像データを、コア部10を通じて、プリンタ部2へ出力する。プリンタ部2は、リーダ部1からの画像データに応じた画像を記録紙上に記録する。
【0020】
コンピュータ11、12は、情報処理装置の一例であり、パーソナルコンピュータまたはワークステーション(PC/WS)である。また、コンピュータ11、12からは、PDLプリントデータを、ネットワーク4、ネットワーク処理部7を通じて、コア部10に流し、PDL展開部8でPDLデータをプリンタ部2で記録できる画像データに展開し、コア部10を通じて、プリンタ部2でプリントする。
【0021】
14はファックス装置であり、例えばリーダ部1で読み取った原稿画像を、コア部10、モデム通信部4を経由し、公衆回線網15を通じてファックス送信する。あるいは、他のファックス装置12からの画像データを、公衆回線網15、モデム通信部4、コア部10を通じて受信し、プリンタ部2(プリンタエンジン部2)で受信画像をプリントする。
【0022】
また、本発明の情報処理装置の記憶手段の一例としては、コンピュータ11、12内のハードディスク30、36である。35、37は、コンピュータ11、12の表示装置であり、例えば、LCDディスプレイである。31、38は、コンピュータ11の入力装置であり、キーボードである。なお、図1に示す構成は一例であり、図示の構成に限定されるものではない。
【0023】
図2は本発明に係る画像形成装置に好適な複写機本体100、200の一例を示す断面図である。なお、画像形成装置の一例としては、プリンタ、スキャナ、Faxがあり、画像形成装置を制御する一例としては、複写機が有するHDD内の所定の記憶領域をボックスとして設け、当該ボックス内の画像データを操作することも考え得る。本発明に係る画像形成装置は、画像形成装置本体(複写装置本体)100、デッキ150、循環式自動原稿送り装置(RDF)180から大略構成されている。
【0024】
画像形成装置本体100は、プラテンガラス101、スキャナ102、走査ミラー105、106、レンズ108、CCDセンサ(イメージセンサ部)109、感光体ドラム110、1次帯電器112、前露光ランプ114、クリーニング装置116、転写帯電器118、露光制御部120、現像器121、転写ベルト130、上段カセット131、下段カセット132、ピックアップローラ133、134、給紙ローラ135、136、レジストローラ137、吸着帯電器138、転写ベルトローラ170、定着前帯電器139、140、定着器141、排紙ローラ142、排紙フラッパ154、反転パス155、再給紙トレイ156、多重フラッパ157、搬送パス158、給紙ローラ159、経路160、排出ローラ161、第1の送りローラ162、第2の送りローラ162a、反転ローラ163を備えている。上記構成を詳述すると、上記図1におけるリーダ部1は、図2のプラテンガラス101〜CCDセンサ109に対応し、上記図1におけるプリンタ部2は、図2の感光体ドラム110〜反転ローラ163に対応する。
【0025】
まず、リーダ部1について、詳述する。プラテンガラス101は、原稿載置台である。スキャナ102は、原稿照明ランプ103、走査ミラー104等で構成される。スキャナ102は、不図示のモータにより所定方向に往復走査されることにより、原稿の反射光107を、走査ミラー104〜106を介してレンズ108を透過させてCCDセンサ109に結像する。CCDセンサ109で、電気信号に変換され、CCDセンサ109付近の、図示しないスキャナ画像処理部によって、A/D変換、シェーディング補整が行われ、後述するコア部10(図7)におけるメモリ704に、デジタル画像データとして蓄積される。
【0026】
次にプリンタ部2について詳述する。露光制御部120は、レーザ、ポリゴンスキャナ等で構成されており、上記コア部10のメモリ704に蓄積されたデジタル出画像データをメモリから読み出し、後述するコア部10(図7)において、デジタル画像データからビデオ信号に変換し、I/F708を通じてプリンタ部に送る。そして、そのビデオ信号に基づいて変調されたレーザ光129を、感光体ドラム110に照射する。感光体ドラム110の回りには、1次帯電器112、現像器121、転写帯電器118、クリーニング装置116、前露光ランプ114が装備されている。感光体ドラム110を中心とした画像形成部126において、感光体ドラム110は、不図示のモータにより図中矢印方向に回転しており、1次帯電器112により所望の電位に帯電された後、露光制御部120からのレーザ光129が照射され、静電潜像が形成される。
【0027】
一方、上段カセット131或いは下段カセット132からピックアップローラ133、134により給紙された転写紙は、給紙ローラ135、136により本体に送られ、レジストローラ137により転写ベルトに給送され、可視化されたトナー像が転写帯電器118により転写紙に転写される。転写後の感光体ドラム110は、クリーニング装置116により残留トナーが清掃され、前露光ランプ114により残留電荷が消去される。転写後の転写紙は、転写ベルト130から分離され、定着前帯電器139、140によりトナーが再帯電され、定着器141に送られ加圧、加熱により定着され、排紙ローラ142により本体100の外に排出される。
【0028】
吸着帯電器138は、レジストローラ137から送られた転写紙を転写ベルト130に吸着させる。転写ベルトローラ170は、転写ベルト130の回転に用いられると同時に、吸着帯電器138と対になって、転写ベルト130に転写紙を吸着帯電させる。
【0029】
画像形成装置本体100には、例えば4000枚の転写紙を収納し得るデッキ150が装備されている。デッキ150のリフタ151は、給紙ローラ152に転写紙が常に当接するように転写紙の量に応じて上昇する。また、画像形成装置本体100には、例えば100枚の転写紙を収容し得るマルチ手差し153が装備されている。
【0030】
排紙フラッパ154は、両面記録側ないし多重記録側と排紙側の経路を切り替える。排紙ローラ142から送り出された転写紙は、この排紙フラッパ154により両面記録側ないし多重記録側に切り替えられる。多重フラッパ157は、両面記録と多重記録の経路を切り替えるものであり、これを左方向に倒すことにより、反転パス155を介さず、直接、搬送パス158に転写紙を導く。給紙ローラ159は、経路160を通じて転写紙を感光体ドラム110側に給紙する。
【0031】
排出ローラ161は、排紙フラッパ154の近傍に配置されて、この排紙フラッパ154により排出側に切り替えられた転写紙を機外に排出する。両面記録(両面複写)時には、排紙フラッパ154を上方に上げて、多重フラッパ157を右に倒し、記録(複写)済みの転写紙を反転パス155で介した後、多重フラッパ157を左に倒し、搬送パス158を介して裏返した状態で再給紙トレイ156に格納する。また、多重記録(多重複写)時には、排紙フラッパ154を上方に上げて、多重フラッパ157を左に倒し、記録(複写)済みの転写紙を搬送パス158で介した後、再給紙トレイ156に格納する。再給紙トレイ156に格納されている転写紙が、下から1枚ずつ給紙ローラ159により経路160を介して本体のレジストローラ137に導かれる。
【0032】
本体から転写紙を反転して排出する時には、排紙フラッパ154を上方へ上げ、多重フラッパ157を右方向へ倒し、記録(複写)済みの転写紙を搬送パス155側へ搬送し、転写紙の後端が第1の送りローラ162を通過した後に、反転ローラ163によって第2の送りローラ162a側へ搬送し、排出ローラ161によって転写紙を裏返して機外へ排出する。また、機外へ排出された転写紙は、フィニッシャ190に搬送される。
【0033】
190はフィニッシャであり、画像形成装置100で印刷された転写紙をスタックするものである。パス193は、画像形成装置100で印刷された転写紙を受け取る経路である。ローラ197は、パス193から搬送された転写紙を、パス195あるいはパス196に送り出すものである。パス195へ送り出すには、排紙フラッパ194を下方に移動し、パス196へ送り出すには、排紙フラッパ194を上方に移動させる。そして、パス196を通った場合は、ローラ198によって、ビン192に排紙される。パス195を取った場合は、そのままビン192に排紙される。例えば、コピーを行った場合は、転写紙をビン191に
排紙し、PDLプリントを行った場合は、ビン192に排紙することで、ユーザの利便性が上がる。
【0034】
図7は本発明に係る画像形成装置のコア部10の構成を示すブロック図である。コア部10は、インタフェース部701、706、707、708、データ処理部702、705、CPU703(各制御手段)、メモリ704(記憶手段)を備えている。
【0035】
上記構成を詳述すると、リーダ部1からの画像データは、I/F706を介してデータ処理部702へ転送される。データ処理部702では、画像の回転処理や変倍処理などの画像処理を行う。また、そして、データ処理部702へ転送された画像データは、CPU703を通じて、メモリ704にデジタル画像データとして蓄積される。また、本発明の表示部の好適な一例である操作部500からの制御コマンドに応じて、CPU703、データ処理部705、I/F708を通じて、プリンタ部2へ転送される。または、インタフェース部701を介してモデム処理部4、ネットワーク処理部7へ転送される。操作部500は、例えば、液晶パネルを用いて構成され、該液晶パネルは、タッチパッドの機能となっており、指が触れることにより、所定の命令又は設定に対応付けられたキー選択を可能とするものである。
【0036】
また、ネットワーク処理部7を介して入力された画像を表すコードデータは、701を介して、CPU703へ転送され、CPUが、PDLコードであると判定した場合、PDLコードを、I/F701を通じて、PDL展開部9へ転送されて、そこで、画像ビットマップデータに展開される。この画像ビットマップデータは、I/F701、CPU703を通じて、メモリ704へ蓄積されていく。その後、CPU703、データ処理部705、I/F708を通じて、プリンタ部2へ転送され、プリントする。
【0037】
モデム処理部4からのファックス画像データは、I/F701、CPU703を介して、データ処理部705へ転送された後、I/F708を介して、プリンタへ転送される。
【0038】
CPU703は、メモリ704に記憶されている制御プログラム、及び、I/F707経由で操作部500から受けた制御コマンドに従って、上記のような制御を行う。また、メモリ704はCPU703の作業領域としても使われる。このように、本画像形成装置では、画像入出力制御部3のコア部10を中心に、原稿画像の読み取り、画像のプリント、画像の送受信、画像の保存、コンピュータからのデータの入出力などの機能を複合させた処理を行うことが可能である。本発明の入力手段の好適な一例であるインタフェース部(I/F部)701は、外部ネットワーク上のサーバや他の画像形成装置から、様々なアプリケーションや制御プログラムをダウンロードし、メモリ704に記憶することが出来る。また、他の入力手段の好適な一例としては、不図示の着脱可能なメモリスロットが考えられる。ネットワークだけからではなく、該メモリスロットに接続されたフレキシブルディスクやICカード、DVDやCD−ROMなどの可搬記憶媒体からもプログラムをダウンロードして、メモリ704に格納することが出来る。
【0039】
図3は本発明の画像形成装置の一例である複合機100のコア部10に記憶されたソフトウェア構造図300である。
【0040】
301は画像形成装置全体を制御する本発明の第1の実行環境の一例であり、一般的には複写機の各種機能をリアルタイムに制御可能なリアルタイムOSの各モジュール、或いは、CPUに、命令してクリティカルに複写機のオプション装置、拡張カードを含む各機能を制御することが可能なライブラリ群である。そして、その上位で動作するアプリケーションに対して、インタフェース・コマンドを提供するモジュール群により実現されるものである。302は第1の実行環境301上で動作するコントローラ制御部であり、リーダ部1、プリンタ部2、モデム通信部4、PDL展開部8など制御するモジュールにより構成されるものとする。
【0041】
303はアプリケーション・プログラミング・インタフェース(以下API)であり、アプリケーションからの命令の入力の命令列に応答して、このインタフェースでコントローラ制御部302にアクセスするための処理とネットワーク処理部7及びネットワーク4を介して複合機200等に制御コマンドを送る機能を有するものである。304は第1の実行環境301上で動作するアプリケーションであり、API303を使用しコントローラ制御部302に各種処理を依頼するものである。また、ネットワーク処理部7を介してネットワーク4上のコンピュータ(情報処理装置)11、12、20と通信することも可能である。
【0042】
305は特定のアプリケーションを実行するために最適な第2の実行環境であり、例えば、Java(登録商標)の仮想マシンなどにより実現されるものである。306は本発明の第2の実行環境305上のアプリケーションが第1の実行環境であるリアルタイムOS301上で動作するコントローラ制御部302にアクセスするためのAPIであり、本実施例においてはAPI303を呼び出すための変換モジュールの機能とネットワーク処理部7及びネットワーク4を介して画像形成装置200等に制御コマンドを送る機能を有するものである。
【0043】
307は第2の実行環境305上のアプリケーションを統括的に制御する機能を有するフレームワークモジュールである。308は本発明の第2の実行環境305上の他のアプリケーションを管理するためのアプリケーションであり、フレームワーク307と協調し、後述のアプリケーション309,310のダウンロード、アップロード、消去、無効化を行うものである。
【0044】
309、310は第2の実行環境305上で動作するアプリケーションであり、API306を使用しコントローラ制御部302に各種処理を依頼するものである。また、ネットワーク処理部7を介してネットワーク4上の情報処理装置11,12,20と通信することも可能である。
【0045】
311は本発明の第2の実行環境305が使用する資源を管理するリソース管理部であり、第1の実行環境を実現するリアルタイムOS301上で動作する。リソース管理部311は、第2の実行環境を実現する仮想マシン305自身、API306、フレームワーク307、或いはOS305上の全アプリケーションがメモリ等のリソース資源を使用する際、予め決められた以上の資源が使用できないように制限するものである。
【0046】
まず、API303について説明する。API303は、第1の実行環境であるリアルタイムOS301によって制御されるコントローラ制御部302にアクセスするための複数の制御コマンドにそれぞれ対応したリアルタイムOS301上のインタフェースの集合である。この制御コマンドに対応した個々のインタフェースでは、制御コマンドを実行する対象の機器を指定するパラメータを持ち、かつ指定の対象として同一機器内のコントローラ制御部302、さらに、ネットワーク4で接続された画像形成装置200のコントローラ制御部302を指定可能である。
【0047】
図4は、API303のインタフェースの呼び出しの動作を示す図である。API303としては、例えば、従来、画像形成装置にリアルタイムOSを単独で載せている場合には、当該リアルタイムOS上で、画像形成装置の動作をきめ細かく制御可能な印刷プロトコルに従ったインタフェース群なども考えられる。ここでは、API303は、ネットワークプリンティングプロトコルを実現するためのライブラリ群である。
【0048】
本実施形態では制御コマンドAに対応するインタフェースAが呼び出されたものとする。ここでは、コマンドとインタフェースは一対一対応して呼び出し可能なものと考えているが、シンプルなコマンドを複数組み合わせて一つの新しいコマンドとみなし、これをインタフェースAと対応させてもよい。制御アプリケーション304が、API303のインタフェースAを呼び出す(401)。インタフェースAには、処理の対象となる画像形成装置を表す識別子が付加できる。API303は、インタフェースAに付加された識別子を解釈し、識別子が示す機器が、API303が備えられた画像形成装置自身であると判断した場合は、402でコントローラ制御部302に対し、コマンドAを実行して対応する処理を行う。API303は、コマンドの制御対象が機器外(画像形成装置200)と同様の識別情報を用いて判断すれば、403でネットワーク処理部7を介してネットワーク4の当該コマンドに対応したパケット形式のデータを送出する。
画像形成装置200のネットワーク処理部7(取得手段)は、前記パケット形式のデータから、コマンドを取得し、404で通信アプリケーション304に当該コマンドAのデータを渡す。通信アプリケーション304は、コマンドAに対応するインタフェースAを認識し、405で機器内のコントローラ制御部302を対象としたAPI303のインタフェースAを呼び出す。
【0049】
このとき、401で呼び出されたインタフェースAと405で呼び出されたインタフェースAは同一のものとすることができる。API303は、コマンドの対象が機器内であるので、406でコントローラ制御部302に対し当該コマンドAに対応した処理を行う。このとき402のコマンドに対応した処理と406のコマンドに対応した処理は同一のものである。
【0050】
図5は、API306の動作を示すブロック図である。本実施例では最終的に画像形成装置に命令を行うコマンドAに対応するインタフェースとして、インタフェースAが呼び出されたものとする。501は制御アプリケーション2(304)が、API306のインタフェースAを呼び出すことを示す。図4と異なる部分を詳述する。
【0051】
API306に含まれる各インタフェースは、本発明の第2形式の命令の、好適な一例である。また、API303に含まれる各インタフェースは、本発明の第1形式の命令の、好適な一例である。
【0052】
まず、API306について詳述する。API306は、第2の実行環境305上のインタフェースの集合であり、API303が提供するインタフェースを呼び出し可能なインタフェースを含む。また、API306の各コマンドに対応した個々のインタフェースでは、API303と同様に制御コマンドを実行する対象を指定するパラメータを持ち、かつ指定の対象として同一機器内のコントローラ制御部302、およびネットワーク4で接続された画像形成装置200のコントローラ制御部302が指定可能である。
【0053】
ここでは、第1の実行環境に変換して実行する必要があるインタフェースAが呼び出された場合を考える。まず、呼び出されたインタフェースAが起動する処理の対象が機器内であれば、API306のインタフェースを呼び出す。API306のインタフェースが呼び出されるのに応答して、リアルタイムOS301が解釈可能な、API303のインタフェースが起動され、呼び出される。そして、呼び出されると、APIのインタフェースは、コマンドAに対応する処理を起動する(502)。API303はコントローラ制御部302に対し、コマンドに対応した処理を行う(503)。コマンドの対象が機器外(例えば、画像形成装置200)であれば、ネットワーク処理部7を介してネットワーク4の当該コマンドに対応したパケットを送出する(504)。画像形成装置200のネットワーク処理部7は、送信された前述のパケットを受信し、505で通信アプリケーション304に当該コマンドAに対応するパケットデータを渡す。通信アプリケーション304は、506で機器内のコントローラ制御部302を対象としたAPI303のインタフェースAを呼び出す。このとき、502で呼び出されたインタフェースAと506で呼び出されたインタフェースAは同一である。
【0054】
このようにして、操作したい機能が、画像形成装置内であるか、他の画像形成装置内であるかの違い、及び、装置のアーキテクチャの違い、及び、OSの差異にそれぞれ依存することが無いインタフェース群であるAPI306を提供することができる。そして、API306を活用することによって、実行環境2のAPI306の体系を学ぶだけで、各種アプリケーションが開発可能となり、さらに、API303をオーバーヘッドが無しに呼び出して活用できる仕組みとなっているので、画像形成装置の様々な機能を、制御するに際し、既に開発資産であるAPI303がある場合には、これを活用できる。
【0055】
API306は、コマンドの対象が機器内であるので、507でコントローラ制御部302に対し当該コマンドAに対応した処理を行う。このとき503のコマンドに対応した処理と507のコマンドに対応した処理は同一であることは言うまでもない。また、404から406の処理と505から507の処理は同一であり、API303を使用した際の動作とAPI306を使用した際の動作は同一であることもいうまでもない。
【0056】
図10は、仮想マシン305におけるインタフェース呼び出し処理の一例を示す図である。まず、第2の実行環境である仮想マシン306上で、装置外部からの入力又は、操作部からの指示などにより、アプリケーションが起動され、あるインタフェースが呼び出された場合に、図18の処理が始まる。S1801で、仮想マシン305に呼び出されたインタフェースを読み込んで認識する。そして、S1802で、仮想マシン305は、認識したインタフェースが、第2の実行環境で解釈可能な第2形式の所定の命令の好適な一例である、ネイティブメソッドであるか否かを判断する。ネイティブメソッドとは、本発明の第一形式の命令を呼び出すものであり、第1の実行環境の一例であるリアルタイムOS301で解釈実行可能なメソッドである。そして、仮想マシン305が、が呼び出されたインタフェースがネイティブメソッドではないと判断した場合には、通常メソッドを読み込んだと判断し、通常メソッドを起動して呼び出す。そして、通常メソッドは所定のアプリケーション処理を行い(S1804)、通常メソッドの終了処理を行って(S1805)、処理を終了する。S1802で、S1801で仮想マシン305が認識した命令がネイティブメソッドであると判断した場合には、S1806に進み、仮想マシン305は、ネイティブメソッド起動処理を行って(S1806)、第1形式の命令列の好適な一例であるエンジン制御プログラムを呼び出す(起動して実行する)。ここで、エンジン部を制御可能なエンジン制御プログラムを呼び出すと述べたが、これは、図5のAPI303に含まれるインタフェースを介してプリンタ制御コマンドを呼び出すことを意味し、図5の503の部分に該当する。そして、S1808でプリンタを制御する処理を行い、S1809でネイティブメソッド終了処理を行い、図18の処理は終了する。
【0057】
ここでは、エンジン部を制御すると述べたが、第1の実行環境で実行される制御プログラムには、エンジン部を制御する各種コントローラをはじめ、ビデオコントローラ部、DCコントローラ部、ネットワークボードが備えられている場合は、ネットワークボード部、また、画像形成装置内のHDD内の、メモリの記憶内容制御する制御命令を含む。
【0058】
通常メソッド処理を呼び出すアプリケーションとしては、例えば、クリティカルな応答が必要ではないプログラム、例えば、複写機やプリンタの操作パネルのグラフィカルユーザインタフェースをソフトウェアで実現するためのアプリケーションモジュールが考えられる。ネイティブメソッドを呼び出す場合としては、アプリケーションから、複写機やプリンタ等のエンジン制御部(エンジン部)を制御するクリティカルな応答が求められる処理を例えば、Java(登録商標)のネイティブメソッドインタフェースを介してプリンタエンジン制御プログラム呼び出す場合が考えられる。
【0059】
図6は本発明に係る画像形成装置の操作部500(図1参照)の表示部に表示される画面を示す説明図であり、本発明の第1の実行環境の一例であるリアルタイムOS301上で実行されるアプリケーションを選択、実行するためのものである。尚、この画面はタッチパネルとなっており、それぞれ表示される機能の枠内を触れることにより、その機能が実行される。
【0060】
コピーモードキー623は、複写動作を行う場合に押すキーである。そして、このコピーモードキー623が押されたときに、図6の630に示すコピーモードの画面を表示する。拡張機能キー601は、このキーを押すことによって両面複写、多重複写、移動、綴じ代の設定、枠消しの設定等のモードに入る。
【0061】
画像モードキー602は、複写画像に対して網掛け、影付け、トリミング、マスキングを行うための設定モードに入る。
【0062】
ユーザモードキー603は、モードメモリの登録、標準モード画面の設定が行える。
【0063】
応用ズームキー604は、原稿のX方向、Y方向を独立に変倍するモード、原稿サイズと複写サイズから変倍率を計算するズームプログラムのモードに入る。M1キー605、M2キー606、M3キー607は、それぞれに登録されたモードメモリを呼び出す際に押すキーである。オプションキー609は、フィルムから直接複写するため、フィルムプロジェクタ等のオプション機能の設定を行うキーである。
【0064】
ソータキー610は、ソート、ノンソート、グループの設定を行うキーである。原稿混載キー611は、原稿フィーダにA4サイズとA3サイズ、またはB5サイズとB4サイズの原稿を一緒にセットする際に押すキーである。等倍キー612は、複写倍率を100%にする際に押すキーである。用紙選択キー613は、複写用紙の選択を行う際に押すキーである。縮小キー614、拡大キー615は、定型の縮小、拡大を行う際に押すキーである。濃度キー618、620は、キー618を押す毎に濃く複写され、キー620を押す毎に薄く複写される。濃度表示617は、濃度キー518、520を押すと表示が左右に変化する。AEキー619は、新聞のように地肌の濃い原稿を自動濃度調整複写するときに押すキーである。
【0065】
HiFiキー621は、写真原稿のように中間調の濃度が濃い原稿の複写の際に押すキーである。文字強調キー622は、文字原稿の複写で文字を際だたせたい場合に押すキーである。送信モードキー624は、ファックス送信等を行うときに押すキーである。ボックスモードキー625は、ボックスに格納されたデータを操作するときに押すキーである。上記のコピーモードキー623、送信モードキー624、ボックスモードキー625は、それぞれOS301上で実行されるアプリケーション304を選択する操作に該当する。
【0066】
拡張モードモードキー626は、本発明のモードキーであり、本発明の第2の実行環境305上で実行されるアプリケーションを選択、実行するための画面(図7)に遷移するものである。本実施例では、他のモードキーの選択と同等に表示しているが、キーの大きさやデザインを変更するなどし、視覚的により認識しやすいように表示してもよい。
【0067】
640はステータスラインであり、機器の状態や印刷情報を示すメッセージを表示する。図の場合、コピー中であることを示している。650は履歴キーであり、これを押下することで、印刷済みのジョブの履歴情報を表示する。たとえば、印刷ジョブの、終了時刻、ユーザ名、ファイル名、印刷枚数等の情報を表示する。
【0068】
コピーモード画面630表示時に、図外のStartキーなどにより複写動作の実行が指示された場合、API303に対し処理の開始や各種パラメータの設定などを行うインタフェースが順次呼び出される(401)。通常、複写動作は機器内に対して指示されるためAPI303において、コントローラ制御部302にコマンドを伝え(402)、結果として複写動作が実行される。
【0069】
図8は、本発明のアプリケーション管理手段の好適な一例であるアプリケーション管理アプリケーション308の操作画面を示す図である。本実施例では、画像形成装置100にはリムーバブルな記憶媒体に直接接続できないため、情報処理装置11,12の記憶装置30,36からダウンロード処理を行うものとする。また、本実施例では、画像形成装置100上の操作部500から操作するように構成しているが、本アプリケーションをネットワーク上の情報処理装置11,12から操作するように構成されてもよい。さらに、本実施例ではOS2上において本発明のアプリケーション管理モジュールが実施された場合に関して解説するが、OS1上においても適応可能であることは言うまでもない。
【0070】
801は既にダウンロードされているアプリケーションの一覧を表示するものである。802はアプリケーションの名称を示す項目である。803はアプリケーションの現在のステイタスを示す項目である。起動は、現在実行されていることを示す。
【0071】
804はアプリケーションのバージョンを示す項目である。805はアプリケーションをダウンロードした日時を示す項目である。806はダウンロードボタンであり、新たにアプリケーションをダウンロードする際に選択する。選択後は後述のダウンロード画面(図9)に遷移する。807はアップロードボタンであり、アプリケーションの一覧で所望のアプリケーションを選択し、このボタンを選択することでダウンロードされているアプリケーションを所定の情報処理装置にアップロードする。
【0072】
808は消去ボタンであり、アプリケーションを消去する際に選択するボタンである。アプリケーションの一覧で所望のアプリケーションを選択し、このボタンを選択することで画像形成装置100からアプリケーションを削除する。809は本発明のアプリケーション起動ボタンであり、フレームワーク307に対し所定のアプリケーションの起動を指示することにより、停止状態のアプリケーションを起動状態にするものである。
【0073】
810は本発明のアプリケーション停止ボタンであり、FramWork307に対し所定のアプリケーションの停止を指示することにより、起動状態のアプリケーションを停止状態にするものである。
【0074】
820は本発明のアプリケーション管理アプリケーションを選択するモードキーである。
【0075】
821は簡易Copyモードキーである。822はApp3モードキーである。830はステータスラインであり、機器の状態や印刷情報を示すメッセージを表示する。図の場合、コピー中であることを示している。なお、アプリケーション一覧801に表示される内容に関しては、特に本実施例に限定するものではない。また、表示順や表示方法に関しても特に規定するものではない。
【0076】
図9は、アプリケーション管理アプリケーションの、アプリケーションダウンロード画面を示す図である。本実施例では、画像形成装置100にはリムーバブルな記憶媒体に直接接続できないため、情報処理装置11,12の記憶装置30,36にアップロード処理を行うものとする。また、本実施例では、画像形成装置100上の操作部500から操作するように構成しているが、本アプリケーションをネットワーク上の情報処理装置11,12から操作するように構成されてもよい。
【0077】
901はダウンロードするアプリケーションを指定する入力フィールドである。本実施例では、ネットワーク4で接続される情報処理装置11から所定のアプリケーションをダウンロードするものとする。902は本画面の処理を中断し図8の画面に遷移するボタンである。903はダウンロードの開始を指示するボタンでる。
【0078】
なお、ダウンロードするアプリケーションを指定する方法は、特に本実施例の方法に限定するものではない。ネットワーク4上の情報処理装置11,12,20等を視覚的に並べ、かつ各情報処理装置内の記憶装置30,36の内容を視覚的に表示しダウンロードする対象を選択できるように構成されてもよい。
【0079】
次に、以上の方法で画像形成装置の第2の実行環境において実現されるジョブ管理方法について、説明する。
【0080】
図11は、画像形成装置の第2の実行環境において実現されたジョブ管理アプリケーションのジョブ履歴収集方法のフローチャートである。以下、各ステップにおけるジョブ管理アプリケーションの処理を説明する。
【0081】
図11のステップS1101でジョブ管理アプリケーションは、306APIにジョブ履歴記録イベントの購読を発行する。以降、図2の複写機本体でユーザが指示する複写ジョブ、図1−11のコンピュータからのネットワークを介した印刷ジョブ、などのジョブの実行が完了すると、図2の複写機内にジョブ履歴が記録される。ジョブ履歴の記録が完了すると306APIは、ジョブ履歴記録イベントを購読しているアプリケーションにジョブ履歴完了イベントを通知する。
【0082】
ジョブ履歴の中に記録される内容を図12に示す。JobIDとは複写機内で発行されるジョブログを一意に特定するための番号である。ジョブタイプとは、ジョブの種別を示すもので、コピー、PDL印刷、受信印刷、などがある。PDLとはPageDescriptionLanguageの略であり、印刷ジョブを記述するものである。PDL印刷とはネットワーク上のコンピュータなどから、コンピュータ上のアプリケーションが作成したPDLデータを受信し、印刷するものである。アプリケーション名とは、ジョブを作成したアプリケーションの名前である。
【0083】
論理ページ数は、アプリケーションで文書を作成しているときに、アプリケーションによって論理的に区切られるページに基づくページ数である。物理ページ数とは、実際の印刷時に物理メディア上に配置されるページ数である。両片とは両面印刷、片面印刷を区別するものである。N−UPとは1物理ページに配置される論理ページの数である。
【0084】
データサイズはPDL印刷時に転送されるジョブデータの大きさを示す。
【0085】
ドキュメント名はアプリケーションや複写機操作部で指定する文書に付ける名称である。
【0086】
開始時刻、終了時刻は、複写機上でジョブが開始、終了した時刻である。
【0087】
用紙サイズは印刷に用いられた用紙のサイズであり、用紙タイプはメディアの種類を示すものである。
【0088】
オーナ名とはPDL印刷時にジョブに付加される属性であり、たとえばOSにログオンするときの識別名称が与えられる。部門IDとは、複写機のユーザ管理体系に基づく識別番号である。コンピュータ名とはPDL印刷を実行したコンピュータの名称である。IPアドレスはそのコンピュータのIPアドレスである。機番とは複写機を一意に特定するための番号である。カラーモードとは、印刷の色を示すものでたとえば白黒、フルカラーなどがある。
【0089】
ステップS1102では、アプリケーションに処理終了命令が発行されているかを判別し、発行されていれば終了し、発行されていなければステップS1103に進む。
【0090】
ステップS1103では、ジョブ履歴完了イベントが着信しているか判別する。着信していなければS1102に戻り、着信していればS1104に進む。
【0091】
ステップS1104では、ジョブ履歴情報を306APIを介して取得する。
【0092】
ステップS1105では、ジョブ履歴内のキー情報を走査する。未処理のキーが有ればS1106へ進み、無ければS1108に進む。ここでキーとは前述したジョブ履歴のオーナ名や部門IDのようなユーザを特定できる情報を指す。
ステップS1106では、ジョブ履歴からキーを取り出す。図12のジョブ履歴では、オーナ名、部門IDが順次取り出される。
【0093】
ステップS1107では、集計表を更新する。集計表はジョブタイプ、カラーモード、キーごとに作成される。集計開始時の、ジョブタイプ:PDL印刷、カラーモード:白黒の表を図13に示す。ひとつのキーに一行が割り当てられる。出力実績が無いので、合計行だけが存在する。図13の表は、キー:オーナ名のとき、図2のジョブ履歴を処理するとオーナ名:山田の行が追加され、図14のようになる。キー:部門IDのとき、2800の行が追加され、図15のようになる。図13、14、15の表ではカラムがページ数、枚数、両面枚数、用紙サイズA3、用紙サイズA4、用紙タイプ普通紙、用紙タイプ再生紙しかないが、設定によってカラムは変更できるようにすることは言うまでもない。
【0094】
ステップS1108では、ジョブ履歴を永続的に参照できるように311リソース管理部に追加記録する。記憶領域を使い果たした場合、古いジョブ履歴から順に削除する。
【0095】
図16は本発明のジョブ管理アプリケーションのユーザへのユーザインタフェース画面を示す図である。
【0096】
1601は、集計表を表示したいジョブタイプを選択するドロップダウンリストボックスである。ここでは、コピー、PDL印刷、すべて、を選択できるものとする。
【0097】
1602は、集計表を表示したいカラーモードジョブタイプを選択するドロップダウンリストボックスである。ここでは、白黒、フルカラー、すべて、を選択できるものとする。
【0098】
1603は、集計表を表示したい集計キーを選択するドロップダウンリストボックスである。ここでは、部門ID、オーナ名、を選択できるものとする。
【0099】
1604は、集計表の表示を指示するボタンである。1601、1602、1603のリストボックスの指定に従って、集計表を作成する。ジョブタイプですべてを指定された場合、コピー、PDL印刷などすべての集計表を合算した集計表を作成する。カラーモードについては、すべてを指定された場合、白黒、フルカラーを合算することになる。
【0100】
1605は、ジョブ履歴を表示する。311リソース管理部に保持されているジョブ履歴を所望の表示形式に変換して一覧で表示する。図17に例を示す。
【0101】
1606は、ジョブ履歴の削除を指示するボタンである。このボタンが押されると、311リソース管理部に保持されているジョブ履歴を削除する。
【0102】
1607は、集計表の削除を指示するボタンである。このボタンが押されると、311リソース管理部に保持されている集計表を削除する。
【0103】
本発明によれば、装置制御を行う実行環境とは異なる第2の実行環境でアプリケーションを実行可能な環境を備えた画像形成装置(複合機)を使用し、さらに、ジョブ履歴を取得し、それを保持しながら集計表を更新し、かつ、ジョブ履歴と集計表をそれぞれ独立して管理することで、使用実績の把握を最小の機器資源の利用で実現することができる。また、ジョブ履歴と集計表を独立して削除することができるため、処理済のジョブ履歴を随時削除することで、目視等でジョブ管理を行う場合の作業効率を向上させることができ、ユーザの利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】複写機、他の画像形成装置、及び、コンピュータを含むシステムブロック図である。
【図2】画像形成装置に好適な複写機本体100,200の一例を示す断面図である。
【図3】画像形成装置の一例である複合機100のコア部10のブロック図である。
【図4】API303のインタフェースを用いたコマンドの呼び出しの動作を示す図である。
【図5】API306の動作を示す図である。
【図6】本実施形態に係る画像形成装置の操作部500の表示部に表示される画面を示す説明図である。
【図7】画像形成装置のコア部10の構成を示すブロック図を示す図である。
【図8】アプリケーション管理手段の好適な一例であるアプリケーション管理アプリケーション308の操作画面を示す図である。
【図9】アプリケーション管理アプリケーションの、アプリケーションダウンロード画面を示す図である。
【図10】仮想マシン305におけるインタフェース呼び出し処理の一例を示す図である。
【図11】画像形成装置の第2の実行環境において実行されるジョブ管理アプリケーションが行う処理のフローチャートである。
【図12】画像形成装置の第2の実行環境において実行されるジョブ管理アプリケーションが収集するジョブ履歴である。
【図13】画像形成装置の第2の実行環境において実行されるジョブ管理アプリケーションが保持する集計表の一例である。
【図14】画像形成装置の第2の実行環境において実行されるジョブ管理アプリケーションが保持する集計表の一例である。
【図15】画像形成装置の第2の実行環境において実行されるジョブ管理アプリケーションが保持する集計表の一例である。
【図16】画像形成装置の第2の実行環境において実行されるジョブ管理アプリケーションのユーザインタフェースを示すものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置を制御する第1形式の命令を解釈して実行可能な第1の実行環境と、前記第1の実行環境の上に実現される、前記画像形成装置の機種とは依存しない形式で定義された第2形式の命令を解釈して実行可能な第2の実行環境を備えた画像形成装置において、画像形成装置に出力されたジョブ情報を前記画像形成装置における第2の実行環境において管理するジョブ管理装置であって、
ジョブ履歴を参照する参照手段、参照したジョブ履歴を保持するジョブ履歴保持手段、
参照したジョブ履歴から集計表を更新および保持する集計表保持手段、前記ジョブ履歴の表示を行うジョブ履歴表示手段、前記集計表の表示を行う集計表表示手段、ジョブ履歴保持手段によって保持された情報と集計表保持手段によって保持された情報を独立して管理することを特徴とするジョブ管理装置。
【請求項2】
集計表を表示する際に、ジョブの種別、カラーモードの種別をユーザが指定可能にすることを特徴とする請求項1記載のジョブ管理装置。
【請求項3】
ユーザが、ジョブ履歴削除を指示する手段、集計表削除を指示する手段を設けることを特徴とする請求項1記載のジョブ管理装置。
【請求項4】
画像形成装置を制御する第1形式の命令を解釈して実行可能な第1の実行環境と、前記第1の実行環境の上に実現される、前記画像形成方法の機種とは依存しない形式で定義された第2形式の命令を解釈して実行可能な第2の実行環境を備えた画像形成装置において、画像形成装置に出力されたジョブ情報を前記画像形成方法における第2の実行環境において管理するジョブ管理方法であって、
ジョブ履歴を参照する参照工程、参照したジョブ履歴を保持するジョブ履歴保持工程、
参照したジョブ履歴から集計表を更新および保持する集計表保持工程、前記ジョブ履歴の表示を行うジョブ履歴表示工程、前記集計表の表示を行う集計表表示工程、ジョブ履歴保持工程によって保持された情報と集計表保持工程によって保持された情報を独立して管理することを特徴とするジョブ管理方法。
【請求項5】
集計表を表示する際に、ジョブの種別、カラーモードの種別をユーザが指定可能にすることを特徴とする請求項4記載のジョブ管理方法。
【請求項6】
ユーザが、ジョブ履歴削除を指示する工程、集計表削除を指示する工程を設けることを特徴とする請求項4記載のジョブ管理方法。
【請求項7】
画像形成装置を制御する第1形式の命令を解釈して実行可能な第1の実行環境と、前記第1の実行環境の上に実現される、前記画像形成方法の機種とは依存しない形式で定義された第2形式の命令を解釈して実行可能な第2の実行環境を備えた画像形成装置において、画像形成装置に出力されたジョブ情報を前記画像形成方法における第2の実行環境において管理するジョブ管理プログラムであって、
ジョブ履歴を参照する参照手順、参照したジョブ履歴を保持するジョブ履歴保持手順、
参照したジョブ履歴から集計表を更新および保持する集計表保持手順、前記ジョブ履歴の表示を行うジョブ履歴表示手順、前記集計表の表示を行う集計表表示手順、ジョブ履歴保持手順によって保持された情報と集計表保持手順によって保持された情報を独立して管理することを特徴とするジョブ管理プログラム。
【請求項8】
集計表を表示する際に、ジョブの種別、カラーモードの種別をユーザが指定可能にすることを特徴とする請求項7記載のジョブ管理プログラム。
【請求項9】
ユーザが、ジョブ履歴削除を指示する手順、集計表削除を指示する手順を設けることを特徴とする請求項7記載のジョブ管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−20208(P2006−20208A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−198003(P2004−198003)
【出願日】平成16年7月5日(2004.7.5)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】