説明

スイッチング素子の異常検出装置

【課題】異常検出状態を充分な時間だけ保持できる異常検出装置を提供する。
【解決手段】第1の基準値Vref1に基づいてスイッチング素子4の第1の異常を検出して第1異常検出信号を出力する第1検出回路8と、第2の基準値Vref2に基づいて前記スイッチング素子の第2の異常を検出して第2異常検出信号を出力する第2検出回路9と、前記第1異常検出信号と前記第2異常検出信号の少なくとも一方が出力されている場合は異常検出信号を出力する論理和回路10と、前記スイッチング素子へのゲート信号1に拘らず前記論理和回路から前記異常検出信号が出力された場合は前記スイッチング素子へOFF信号を出力する論理積回路2と、を備えるスイッチング素子の異常検出装置であって、前記第1異常検出信号の出力により、前記第2の基準値Vref2を、前記第2異常検出信号が出力される第3の基準値Vref3に切り換える切換回路95を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチング素子の過電流異常などの異常を検出する異常検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
インバータ回路の絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(以下、IGBTともいう。)に流れる過電流を検出してIGBTを保護する回路として、特許文献1に開示された過電流保護回路が知られている。この過電流保護回路では、過電流が検出されると過電流検出の基準電圧を下げることで、過電流検出状態を一定時間保持するように設計されている。
【0003】
【特許文献1】特開2006−288148号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の過電流保護回路は、過電流を検出したのちIGBTのゲート信号がOFFするとIGBTを流れる電流もゼロになるので、誤差増幅器の出力が反転する可能性があり、過電流検出状態を充分な時間だけ保持することができないおそれがある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、異常検出状態を充分な時間だけ保持できる異常検出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1検出回路により第1の異常を検出するとともに、当該第1の異常の検出信号により第2検出回路の基準値を切り換え、第2の異常検出信号を生成することによって上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、第1検出回路により第1の異常を検出すると、当該第1の異常の検出信号により第2検出回路の基準値が切り換わって第2の異常検出信号が生成され、これが論理和回路に入力されるので、異常検出状態を充分な時間だけ保持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0009】
《第1実施形態》
図1は、本実施形態に係る異常検出装置を示す電気回路図である。本実施形態の異常検出装置は、たとえばインテリジェントパワーモジュールを構成するIGBTの異常を検出する装置に具体化することができるので、その一例を説明する。ただしこれに限定されず、種々のスイッチング素子に適用することができる。
【0010】
異常検出対象たるIGBT(スイッチング素子)4は、ゲート駆動回路3からのON/OFF信号がゲートGに入力することでスイッチングされ、ON駆動信号によりコレクタCからエミッタEにコレクタ電流Icが流れる。
【0011】
本例のIGBT4は電流センス端子Sを有するトランジスタであり、ゲートGへのON駆動信号によりコレクタCからエミッタEへ電流Icが流れると、電流センス端子Sには電流Icに比例した電流Is(電流Icと電流Isのマスク比Nは既知。Is=Ic/N)が流れる。電流センス端子Sから流れる電流Isは、電流検出抵抗5により電圧に変換され、その検出電圧はフィルタ回路6に出力され、ここで検出電圧から一定以上の高周波のノイズが除去される。
【0012】
また、本例のIGBT4には、当該IGBT4の温度を検出するためのダイオードからなる温度センサDを有し、温度センサDの検出電圧はフィルタ回路7に出力され、ここで検出電圧から一定以上の高周波のノイズが除去される。なお、本例の温度センサDは温度が上昇すると検出電圧が減少する特性を有するものである。
【0013】
本例の異常検出装置は、IGBT4に過電流が流れたことを検出する過電流検出回路8と、IGBT4が過温度になったことを検出する過温度検出回路9とを備える。
【0014】
過電流検出回路8は比較器81を備え、−入力端子にフィルタ回路6を通過した電流Isに応じた検出電圧(換言すれば電流検出抵抗5の両端電圧)が入力されるとともに、+入力端子に過電流が流れたか否かを判断するための閾値たる基準電圧Vref1(第1の基準値)が入力される。これにより、+入力端子に入力された検出電圧が基準電圧Vref1未満の場合は、比較器81の出力端子からHiレベル信号が出力され、逆に検出電圧が基準電圧Vref1以上の場合は、比較器81の出力端子からLoレベル信号が出力される。つまり、IGBT4に異常な過電流が流れると、比較器81の−入力端子に入力される検出電圧がこれにともなって上昇し、これが基準電圧Vref1以上になるとLoレベル信号(過電流検出信号)が出力される。本発明の第1の異常が、このIGBT4に過電流が流れる異常に相当する。
【0015】
一方、過温度検出回路9は比較器91を備え、+入力端子にフィルタ回路7を通過した、IGBT4の温度に応じた検出電圧が入力されるとともに、−入力端子に過温度であるか否かを判断するための閾値たる基準電圧Vref2が入力される。
【0016】
本例の基準電圧Vref2の設定回路は、基準電源Vcを分圧する2つの抵抗92,93を有し、これら2つの抵抗92,93の中間部が比較器91の−入力端子に接続されている。なお、コンデンサ94は基準電圧を安定させるためのコンデンサである。
【0017】
また、一方の抵抗92と並列にMOSトランジスタからなるスイッチング素子95(本発明の切換回路に相当する。)が接続され、そのベースが比較器81及び比較器91の出力端子に直列に接続されている。このスイッチング素子95はベースにLoレベル信号が入力されたときにONし、Hiレベル信号が入力されたときにOFFするノーマリオン形トランジスタである。
【0018】
これにより、スイッチング素子95のベースにLoレベル信号が入力されると当該スイッチング素子95がONするので、比較器91の−入力端子には基準電圧Vcに応じた電圧が入力される。これに対し、スイッチング素子95のゲートにHiレベル信号が入力されると当該スイッチング素子95がOFFするので、比較器91の−入力端子には基準電源Vcを2つの抵抗92,93で分圧した電圧が入力される。
【0019】
つまり、スイッチング素子95がONしたときの比較器91の基準電圧は、スイッチング素子95がOFFしたときの比較器91の基準電圧に比べて高い電圧となる。以降、スイッチング素子95がOFFしたときの比較器91の基準電圧をVref2(第2の基準値)、スイッチング素子95がONしたときの比較器91の基準電圧をVref3(第3の基準値)と称する。
【0020】
そして、フィルタ回路7を介して+入力端子に入力されたIGBT4の温度に相当する検出電圧が基準電圧Vref2又はVref3以上の場合は、比較器91からHiレベル信号が出力され、逆に検出電圧が基準電圧Vref2又はVref3未満の場合は、比較器91からLoレベル信号が出力される。本発明の第2の異常が、IGBT4の温度が過温度となる異常に相当する。
【0021】
詳細は後述するが、過電流検出回路8により過電流異常が検出された場合又は過温度検出回路9により過温度異常が検出された場合を除き、すなわち正常時は、スイッチング素子95がOFF状態とされているので、温度センサDにより検出されたIGBT4の温度に相当する電圧が基準電圧Vref2以上の場合は比較器91からHiレベル信号が出力され、逆に検出電圧が基準電圧Vref2未満の場合は、比較器91からLoレベル信号が出力される。
【0022】
これに対し、過電流検出回路8により過電流異常が検出された場合又は過温度検出回路9により過温度異常が検出された場合、すなわち異常時は、スイッチング素子95がON状態とされているので、温度センサDにより検出されたIGBT4の温度に相当する電圧が基準電圧Vref3以上の場合は比較器91からHiレベル信号が出力され、逆に検出電圧が基準電圧Vref3未満の場合は、比較器91からLoレベル信号が出力される。
【0023】
過電流検出回路8の比較器81の出力信号と過温度検出回路9の比較器91の出力信号は、これら出力信号のいずれか一方が異常検出信号(Loレベル信号)であるときに異常検出信号(Loレベル信号)を出力する論理和回路10に出力される。論理和回路10の出力は、IGBT4のON/OFF制御を司るゲートPWM信号1とともに論理積回路2に入力される。
【0024】
論理積回路2は、ゲートPWM信号1(Hiレベル信号とLoレベル信号とをパルス幅変調した駆動制御信号)のON/OFFに拘らず、論理和回路10からの異常検出信号(Loレベル信号)が入力された場合はOFF信号を出力する回路である。つまり、論理和回路10からHiレベル信号が入力されている場合だけ、ゲートPWM信号1を出力する論理回路である。論理積回路2の出力信号はゲート駆動回路3を介してIGBT4のゲートへ出力される。
【0025】
なお、論理和回路10からの検出信号11はIGBT4を含むインバータを制御するCPUへも出力される。
【0026】
次に図2を参照しながら本例の動作を説明する。
【0027】
図2は本例の異常検出装置の動作を示すタイミングチャートであり、横軸に時間、縦軸にゲートPWM信号1の波形、電流センス端子Sに流れるセンス電流(IGBT4のコレクタ電流の波形に相関する)の波形、フィルタ回路6を通過して比較器81の−入力端子に入力する検出電圧の波形、過温度検出回路9の比較器91の+入力端子へ入力される検出温度の波形と比較器91の基準電圧Vref2,Vref3の波形、論理和回路10から出力される検出信号11の波形をそれぞれ表わしたものである。
【0028】
まず、時間t1からt2までの間は、過電流検出回路8及び過温度検出回路9のいずれも過電流異常や過温度異常を検出していないので、論理和回路10から論理積回路2にHiレベル信号が出力される。これにより、論理積回路2からゲート駆動回路3に対し、ゲートPWM信号1に相当する信号が出力され、その結果IGBT4はON/OFFのスイッチング動作を繰り返す。
【0029】
さて、時間t3において、IGBT4のセンス電流Isが過電流の基準値を超え、これに相当する検出電圧が比較器81の基準電圧Vref1以上になったとする。この瞬間に比較器81の出力端子からLoレベル信号が出力される。このLoレベル信号はスイッチング素子95のベースに入力され、これによりスイッチング素子95がONする。スイッチング素子95がONすると、比較器91の−入力端子に入力される基準電圧が、それまでの基準電圧Vref2からこれより大きい基準電圧Vref3に切り換わる。この基準電圧Vref2,Vref3の切り換わりの様子を同図の過温度検出回路の波形に点線で示す。
【0030】
既述した従来の異常検出装置では、過電流を検出してからゲート信号をOFFするまでの間(t3〜t4)やCPUが過電流状態を認識するまでの間に、比較器81の出力がそれまでのLoレベル信号からHiレベル信号に切り換るおそれがある。したがって、少なくともこの間の過電流状態を保持させる必要がある。
【0031】
本例の異常検出装置では、過電流検出回路8にて過電流異常を検出するとスイッチング素子95が即座にONして過温度検出回路9の基準電圧Vref2がそれより高い基準電圧Vref3に切り換わる。これにより、過温度検出回路9側で過電流異常の異常信号を保持することができる。特にIGBT4の温度変化は、IGBT4を流れるコレクタ電流の変化に比べて時間的に緩やか(遅い)であり、IGBT4へOFF信号を出力しても即座に温度は下降しないので、異常信号を一定時間継続させることができる。
【0032】
また、図1に示すように比較器91の基準電圧Vref2,Vref3の抵抗93に並列に電圧安定用コンデンサが接続されていても、当該コンデンサに蓄電された電荷はスイッチング素子95のON動作によって引き抜かれるので、低い出力インピーダンスで異常検出を素早く固定することができる。
【0033】
そして、上述したように過電流検出回路8の出力端子からLoレベル信号が出力されると過温度検出回路9の出力端子からもLoレベル信号が出力されることになり、論理和回路10から論理積回路2へLoレベル信号が出力される。その結果、論理積回路2からはゲートPWM信号1のON/OFF状態に拘らずOFF信号がゲート駆動回路3を介してIGBT4のゲートに入力される。これにより、過電流を検出してから(t3)所定の遅延時間ののちに(t4)、IGBT4がOFFすることになる。
【0034】
以上のとおり、本例の異常検出装置によれば、過電流検出回路8で過電流異常信号が検出されたら、応答速度が遅い過温度検出回路9の基準電圧を切り換えることで故意に過温度異常信号を生成するので、遅延時間の間に過電流検出回路8からHiレベル信号が出力されたとしても、IGBT4のゲートに対するOFF駆動信号を保持することができる。したがって、専用の保持回路を設ける必要がなく、コスト的にもスペース的にも有利な装置を提供することができる。
【0035】
また、過温度検出回路9の応答速度(温度の変化速度)は過電流検出回路8の応答速度(電流の変化速度)に比べて遅いことから、比較器91の基準電圧Vref3の値を適宜選択することで所定時間だけ異常検出状態を保持することができる。
【0036】
《第2実施形態》
本発明の異常検出装置では、過電流検出回路8の電流変化速度に比べて緩やかに特性が変化する異常検出回路であれば、過温度検出回路9に代えて、たとえばインバータの電源の低電圧異常(又は高電圧異常)を検出する電圧検出回路を用いることもできる。
【0037】
図3は発明の他の実施形態に係る異常検出装置を示す電気回路図、図4は本例のタイミングチャートである。
【0038】
本例の異常検出装置は、上述した第1実施形態の過温度検出回路に代えてインバータ電源の低電圧異常を検出する低電圧検出回路(便宜的に符号9とする)とした点が相違し、その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0039】
つまり、低電圧検出回路9の比較器91の+入力端子に電源の検出電圧を入力し、正常時には低電圧か否かを判断する基準電圧Vref2異常かどうかを比較し、電源の検出電圧が基準電圧Vref2を越える場合は正常であるとしてHiレベル信号を出力する。これに対し、電源の検出電圧が基準電圧Vref2以下になったら、低電圧異常であるとして比較器91の出力端子からLoレベル信号を出力する。
【0040】
また本例においても、過電流検出回路8の比較器81の出力端子からLoレベル信号が出力されたらONするスイッチング素子95を備え、これによりそれまでの基準電圧Vref2をそれより高い基準電圧Vref3に切り換える。
【0041】
インバータの電源電圧の変化速度もIGBT4を流れる電流変化速度に比べて緩やか(遅い)であることから、図4に示すように時間t3において過電流が検出されたら瞬間的に比較器91の基準電圧がVref2からVref3に切り換わり、所定時間これを保持することができる。
【0042】
なお、インバータ電源の電圧異常は低電圧側だけに限らず、所定電圧以上になった状態を検出する高電圧検出回路として構成することもできる。
【0043】
《第3実施形態》
図5は発明のさらに他の実施形態に係る異常検出装置を示す電気回路図、図6はタイミングチャートである。本例においては、過温度検出回路9の基準電圧Vref2とVref3とを切り換えるスイッチング素子95に抵抗96とコンデンサ97とによる微分回路を追加し、過電流異常を検出後に基準電圧の時定数を活用したタイマー回路を追加した点が上述した第1実施形態と相違する。
【0044】
上述したとおり、本発明の目的は過電流検出回路8で検出された過電流の異常状態を所定時間だけ保持することにある。したがって、過電流異常が検出されてからIGBT4の保護処理、すなわちゲート信号をOFFしてスイッチングを所定時間だけ停止したのちは原状に復帰させることも必要とされる。
【0045】
そこで、過電流検出回路8以外の検出回路、本例では過温度検出回路9の比較器91の基準電圧をVref3から元のVref2に戻してやることで異常検出装置を自動的に原状に復帰させることができる。
【0046】
すなわち、図5に示すようにスイッチング素子95に抵抗96とコンデンサ97とによる微分回路が追加されている。なお、比較器91の−入力端子に接続されたスイッチング素子98(ノーマリオフ形トランジスタ)と抵抗99は基準電圧近傍で生じるチャタリングを防止するための回路である。
【0047】
図6を参照しながら本例の動作を説明する。
【0048】
まず、時間t1からt2までの間は、過電流検出回路8及び過温度検出回路9のいずれも過電流異常や過温度異常を検出していないので、論理和回路10から論理積回路2にHiレベル信号が出力される。これにより、論理積回路2からゲート駆動回路3に対し、ゲートPWM信号1に相当する信号が出力され、その結果IGBT4はON/OFFのスイッチング動作を繰り返す。
【0049】
さて、時間t3において、IGBT4のセンス電流Isが過電流の基準値を超え、これに相当する検出電圧が比較器81の基準電圧Vref1以上になったとする。この瞬間に比較器81の出力端子からLoレベル信号が出力される。このLoレベル信号はスイッチング素子95のベースに入力され、これによりスイッチング素子95がONする。スイッチング素子95がONすると、比較器91の−入力端子に入力される基準電圧が、それまでの基準電圧Vref2からこれより大きい基準電圧Vref3に切り換わる。この基準電圧Vref2,Vref3の切り換わりの様子を同図の過温度検出回路の波形に点線で示す。ここまでの動作は第1実施形態と同じである。
【0050】
なおt3では、スイッチング素子98はOFF状態であるので、基準電圧Vref3は電圧Vcを抵抗92,93で分圧した値となっている。
【0051】
時間t3からの時間の経過とともに、上述した微分回路96,97によって基準電圧Vref3が減少していくが、フィルタ回路7を介して入力される温度に相当する検出電圧は基準電圧Vref3以上であるため、時間t4〜t5までの間は過電流の異常検出状態が保持されIGBT4のOFF状態が継続する。
【0052】
時間t5においてフィルタ回路7を介して入力される温度に相当する検出電圧は基準電圧Vref3未満になると、過温度検出回路9の比較器91の出力端子からHiレベル信号が出力される。この瞬間にスイッチング素子95がOFFするとともにスイッチング素子98がONし、これにより比較器91の−入力端子の基準電圧が3つの抵抗92,93,99で電圧Vcを分圧する基準電圧Vref4(<Vref2)に切り換わる。これにより、それまでの過電流異常によるIGBT4の保護処理が解除されるとともに、基準電圧をVref4に低下させることにより、閾値近傍で生じるチャタリングを防止することができる。
【0053】
なお、図5に示す過温度検出回路9に代えて、第2実施形態で示した低電圧検出回路9を用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】発明の実施形態に係る異常検出装置を示す電気回路図である。
【図2】図1に示す異常検出装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図3】発明の他の実施形態に係る異常検出装置を示す電気回路図である。
【図4】図3に示す異常検出装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図5】発明のさらに他の実施形態に係る異常検出装置を示す電気回路図である。
【図6】図5に示す異常検出装置の動作を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0055】
1…ゲートPWM信号
2…論理積回路
3…ゲート駆動回路
4…IGBT(スイッチング素子)
5…電流検出抵抗
6,7…フィルタ回路
8…過電流検出回路
9…過温度検出回路
95…スイッチング素子(切換回路)
10…論理和回路
11…検出信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基準値に基づいてスイッチング素子の第1の異常を検出して第1異常検出信号を出力する第1検出回路と、
第2の基準値に基づいて前記スイッチング素子の第2の異常を検出して第2異常検出信号を出力する第2検出回路と、
前記第1異常検出信号と前記第2異常検出信号の少なくとも一方が出力されている場合は異常検出信号を出力する論理和回路と、
前記スイッチング素子へのゲート信号に拘らず前記論理和回路から前記異常検出信号が出力された場合は前記スイッチング素子へOFF信号を出力する論理積回路と、を備えるスイッチング素子の異常検出装置であって、
前記第1異常検出信号の出力により、前記第2の基準値を、前記第2異常検出信号が出力される第3の基準値に切り換える切換回路を備えることを特徴とするスイッチング素子の異常検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載のスイッチング素子の異常検出装置において、
前記第2の異常を検出する特性の変化速度は、前記第1の異常を検出する特性の変化速度より小さいことを特徴とするスイッチング素子の異常検出装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のスイッチング素子の異常検出装置において、
前記第3の基準値を前記第2の基準値に向かって時間的に漸近させる漸近回路をさらに備えることを特徴とするスイッチング素子の異常検出装置。
【請求項4】
請求項3に記載のスイッチング素子の異常検出装置において、
前記漸近回路は、前記第1異常検出信号を入力とする微分回路であることを特徴とするスイッチング素子の異常検出装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のスイッチング素子の異常検出装置において、
前記第1検出回路は、
前記スイッチング素子を流れる電流を検出する第1センサと、
前記第1センサにより検出された電流と前記第1の基準値とを比較し、前記電流が前記第1の基準値を超えた場合に、過電流信号を前記論理和回路へ出力する第1比較器と、を含むことを特徴とするスイッチング素子の異常検出装置。
【請求項6】
請求項5に記載のスイッチング素子の異常検出装置において、
前記第2検出回路は、
前記スイッチング素子の温度を検出する第2センサと、
前記第2センサにより検出された温度と前記第2の基準値とを比較し、前記温度が前記第2の基準値を超えた場合に、過温度信号を前記論理和回路へ出力する第2比較器と、を含むことを特徴とするスイッチング素子の異常検出装置。
【請求項7】
請求項5に記載のスイッチング素子の異常検出装置において、
前記第2検出回路は、
前記スイッチング素子の電源の電圧を検出する第2センサと、
前記第2センサにより検出された電源電圧と前記第2の基準値とを比較し、前記電圧が前記第2の基準値未満となった場合に、低電圧信号を前記論理和回路へ出力する第2比較器と、を含むことを特徴とするスイッチング素子の異常検出装置。
【請求項8】
請求項6又は7に記載のスイッチング素子の異常検出装置において、
前記第2検出回路は、前記第2比較器の基準値を前記第2の基準値と前記第3の基準値のいずれかに切り換えるMOSトランジスタを備えることを特徴とするスイッチング素子の異常検出装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載のスイッチング素子の異常検出装置において、
前記論理積回路の出力信号は、前記スイッチング素子を駆動するゲート駆動回路に送出されることを特徴とするスイッチング素子の異常検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−136568(P2010−136568A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−311854(P2008−311854)
【出願日】平成20年12月8日(2008.12.8)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】