説明

スイッチング電源装置

【課題】過負荷状態検出から所定時間経過後に動作を停止する制御部を備えたスイッチング電源装置において大型化することなく起動不良を防止する。
【解決手段】出力電圧に基づく電圧監視信号を入力する電圧監視端子を備え、電圧監視信号が所定の値に達したことを検出後、その状態が所定時間継続するとスイッチング動作のためのパルス出力を停止する制御部を備えたスイッチング電源装置であって、電圧監視端子に、電圧監視信号入力路と並列にコンデンサを接続したスイッチング電源装置。コンデンサと電圧監視端子との間にコンデンサの充電方向を順方向としたダイオードを挿入することができる。パルス出力が停止すると、コンデンサに蓄積された電荷を放電する放電回路をさらに備えるようにしてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチング電源装置に関し、特に、過負荷状態検出から所定時間経過後に動作を停止する制御部を備えたスイッチング電源装置において起動不良を防止する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
スイッチング電源装置は、スイッチング素子を用いて直流電力を交流電力に変換してトランスの1次側に供給する。そして、トランスの2次側に伝達される交流電力を整流・平滑化することで所定の直流電力を得る電源装置である。
【0003】
図3は、スイッチング電源装置として代表的なフライバック方式のスイッチング電源装置の従来の概略回路例を示す図である。本図に示すように従来のスイッチング電源装置300は、トランスT1、スイッチング素子Q1、起動抵抗R1、電流検出抵抗R2、制御IC310、出力部320、補助電源部330、出力電圧監視部340を備えており、直流電源Vinから供給される直流電圧を直流電圧に変換して、出力部320からVoutとして出力する。
【0004】
トランスT1は、1次巻線n1、2次巻線n20、補助巻線n11を備えており、1次巻線n1に供給される交流電力を2次巻線n20、補助巻線n11に伝達する。スイッチング素子Q1は、1次巻線n1に接続されており、制御IC310の制御の下でスイッチング動作を行なうことにより、直流電源Vinから供給される直流電源を1次巻線n1に供給する。これにより、トランスT1の1次巻線n1に交流電力が供給されることになる。
【0005】
出力部320は、ダイオードD20、コンデンサC20からなる整流・平滑化回路を備えており、トランスT1の2次巻線n20に接続されて、2次巻線n20に伝達された交流電力を整流・平滑化して外部に出力する。
【0006】
補助電源部330は、ダイオードD11、コンデンサC11からなる整流・平滑化回路を備えており、トランスT1の補助巻線n11に接続されて、補助巻線n11に伝達された交流電力を整流・平滑化して制御IC310の電源入力端子Vccに出力する。
【0007】
電流検出抵抗R2は、スイッチング素子Q1および制御IC310の電流検出端子ISに接続され、制御IC310が、トランスT1の1次巻線n1に流れる電流を検出するために用いられる。
【0008】
出力電圧監視部340は、抵抗R21、フォトカプラPC1の発光部、ツェナーダイオードD5が直列に接続されて構成され、出力部320の出力電圧Voutを監視し、出力電圧Voutに基づく電圧をフォトカプラPC1の受光部から制御IC310のフィードバック端子FBに出力する。具体的には、出力電圧Voutが低下すると、フォトカプラPC1の発光部の発光量が減少し、受光部の電流が減少または開放状態となるため、フィードバック端子FBの電位が上昇する。逆に、出力電圧Voutが上昇すると、フォトカプラPC1の発光部の発光量が増加し、受光部の電流が増加するため、フィードバック端子FBの電位が低下する。
【0009】
スイッチング電源装置300の起動時において、直流電源Vinから電力が供給されると、起動抵抗R1を通じてコンデンサC11の充電が開始され、制御IC310の電源入力端子Vccの電位が上昇していく。そして、電源入力端子Vccの電位が制御IC310の起動電圧に達すると、制御IC310は、スイッチング素子Q1のスイッチング動作を開始する。
【0010】
これにより、トランスT1の1次巻線n1、2次巻線n20、補助巻線n11に電圧が発生し、2次巻線n20に発生した電圧は、出力部320で整流・平滑化されVoutとして出力される。補助巻線n11に発生した電圧は、補助電源部330で整流・平滑化され、制御IC310の電源入力端子Vccに入力され、制御IC310の動作が安定して継続する。
【0011】
一般に、スイッチング電源装置300には、定格電力W1が定められており、出力電力W1内であれば、継続して出力することが可能である。一方で、一時的に出力可能であるが連続して出力することはできない電力として過負荷時保護電力(OLP電力)W2が設定されている。過負荷時保護電力W2は、回路バラツキを考慮して定格電力W1の2倍程度に設定される。
【0012】
制御IC310として用いられるICチップの中には、過負荷(過電流)状態の過負荷時保護電力が所定時間継続すると、スイッチング素子Q1のスイッチング動作を一時的に停止して温度上昇等から部品を保護する機能を備えているものがある。
【0013】
図4は、このような制御IC310の過負荷状態からの保護機能に関する構成を説明するブロック図である。
【0014】
図4に示すように、制御IC310は、過負荷状態からの保護機能に関する構成として、スイッチング制御部311、電流検出部312、電圧検出部313、タイマ314を備えている。スイッチング制御部311は、通常の動作時において、電圧検出部313が検出する出力部320の出力電圧に基づいて、スイッチング素子Q1のスイッチング動作におけるパルス幅を制御する。
【0015】
電流検出部312は、電流検出抵抗R2の電圧効果に基づいてトランスT1の1次巻線に流れる電流を検出し、スイッチング制御部311に通知する。スイッチング制御部311は、トランスT1の1次巻線に流れる電流が所定の基準値を超えると、出力電力を制限するため、スイッチング動作のパルス幅を絞る制御を行なう。
【0016】
電圧検出部313は、フィードバック端子FBの入力電圧に基づいて、出力部320の出力電圧Voutを検出する。また、電圧検出部313は、トランスT1の1次巻線に流れる電流が所定の基準値を超えてスイッチング動作のパルス幅が絞られた結果、出力部320の出力電圧が低下し、フィードバック端子FBの入力電圧が基準電圧値V1以上になると、過負荷状態と判定し、タイマ314を起動させる。なお、フィードバック端子FBは、制御IC310の内部において抵抗を介して電源に接続されている。
【0017】
タイマ314は、起動すると、スイッチング素子Q1のスイッチング動作を停止させるまでの第1基準時間と、スイッチング素子Q1のスイッチング動作を再開させるまでの第2基準時間を計時してスイッチング制御部311に通知する。スイッチング制御部311は、電圧検出部313により過負荷状態が検出されてから第1基準時間まで過負荷状態が継続するとパルス出力を停止し、スイッチング素子Q1のスイッチング動作を停止させる。そして、第2基準時間後に、パルス出力を再開し、スイッチング素子Q1のスイッチング動作を再開させる。
【0018】
図5は、制御IC310の過負荷状態からの保護機能に関する動作を説明するフローチャートである。制御IC310は、負荷電流の増加を検出すると(S101:Yes)、出力電力を制限するため、スイッチング動作のパルス幅を絞る制御を行なう(S102)。
【0019】
これにより、出力部320の出力電圧Voutが低下し、フィードバック端子FBの入力電圧が基準値V1を超えると(S103)、過負荷時保護電力状態と認識して、タイマ314がスタートする(S104)。
【0020】
タイマ314が第1基準時間を計時するまで、負荷電流が正常に戻らない場合(S105:No、S106:Yes)は、保護のためパルス出力を停止し、スイッチング素子Q1のスイッチング動作を停止させる(S107)。
【0021】
そして、タイマ314が第2基準時間を計時すると(S108:Yes)、パルス出力を再開し、スイッチング素子Q1のスイッチング動作を再開させる(S109)。
【0022】
再開後も、過負荷状態であれば、パルス出力停止、パルス出力再開を繰り返す。これにより、使用している部品の過度な温度上昇等を抑えるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0023】
【特許文献1】特開2009−268227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
スイッチング電源装置300の起動時に、制御IC310が動作を開始してから出力部320の出力電圧Voutが規定の電圧まで上昇するまでは、フィードバック端子FBの入力電圧が基準値V1を超えるため、過負荷時保護電力状態と判定され、タイマ314がスタートする。規定の出力電圧Voutがそれほど高くなければ、第1基準時間内に規定の電圧値に達するため、過負荷時保護電力状態が解除されてスイッチング電源装置300は正常に動作を開始することができる。
【0025】
しかしながら、規定の出力電圧Voutが高く、出力部320に大きな容量のコンデンサC20が使用されていると、起動時にコンデンサC20を充電するための大きな電力が必要となる。このため、出力電圧Voutが第1基準時間内に規定の電圧値に達せず、過負荷時保護電力状態が継続してスイッチング動作が停止してしまい、スイッチング電源装置300が起動不良を起こすおそれがある。
【0026】
例えば、図6に示すように、時刻t0において、電源入力端子Vccの電圧が制御IC310の起動電圧Vsに達し、制御IC310が起動してスイッチング動作のためのパルス出力を開始したとする。この時点で、出力電圧Voutは0であるため、フィードバック端子FBの入力電圧は基準値V1を超え、タイマ314がスタートする。
【0027】
出力電圧Voutの規定値V0が高く、コンデンサC20の容量が大きい場合は、第1基準時間経過後の時刻t1になっても出力電圧Voutが規定値V0に達せず、制御IC310はパルス出力を停止し、出力電圧Voutは低下する。第2基準時間経過後の時刻t2にパルス出力を再開しても同じ状態が繰り返されるので、スイッチング電源装置300は起動不良を起こしてしまう。
【0028】
起動不良を回避するため、過負荷時保護電力W2を大きくし、大きな電力で起動させることが考えられる。しかしながら、より大きな電力を供給できる直流電源Vinが必要になるに加え、大型のトランスT1が必要になり、スイッチング電源装置300の大型化を招くことになる。また、一般に制御IC310は既製のICチップが用いられるため設計変更を行なうことは容易でない。
【0029】
そこで、本発明は、過負荷状態検出から所定時間経過後に動作を停止する制御部を備えたスイッチング電源装置において大型化することなく起動不良を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0030】
上記課題を解決するため、本発明のスイッチング電源装置は、出力電圧に基づく電圧監視信号を入力する電圧監視端子を備え、前記電圧監視信号が所定の値に達したことを検出後、その状態が所定時間継続するとスイッチング動作のためのパルス出力を停止する制御部を備えたスイッチング電源装置であって、前記電圧監視端子に、前記電圧監視信号入力路と並列にコンデンサを接続したことを特徴とする。
【0031】
前記コンデンサと前記電圧監視端子との間に前記コンデンサの充電方向を順方向としたダイオードを挿入するようにしてもよい。
【0032】
また、前記パルス出力が停止すると、前記コンデンサに蓄積された電荷を放電する放電回路をさらに備えるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、過負荷状態検出から所定時間経過後に動作を停止する制御部を備えたスイッチング電源装置において大型化することなく起動不良を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本実施形態に係るスイッチング電源装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態に係るスイッチング電源装置の起動シーケンスを説明する図である。
【図3】フライバック方式のスイッチング電源装置の従来の概略回路例を示す図である。
【図4】制御ICの過負荷状態からの保護機能に関する構成を説明するブロック図である。
【図5】制御ICの過負荷状態からの保護機能に関する動作を説明するフローチャートである。
【図6】スイッチング電源装置の起動不良について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係るスイッチング電源装置100の構成を示すブロック図である。本図に示すようにスイッチング電源装置100は、トランスT1、スイッチング素子Q1、起動抵抗R1、電流検出抵抗R2、制御IC310、出力部120、補助電源部130、出力電圧監視部140、起動補助部150を備えており、直流電源Vinから供給される直流電圧を直流電圧に変換して、出力部120からVoutとして出力する。制御IC310は、従来の制御IC310と同じICチップである。
【0036】
トランスT1は、1次巻線n1、2次巻線n20、補助巻線n11を備えており、1次巻線n1に供給される交流電力を2次巻線n20、補助巻線n11に伝達する。スイッチング素子Q1は、1次巻線n1に接続されており、制御IC310の制御の下でスイッチング動作を行なうことにより、直流電源Vinから供給される直流電源を1次巻線n1に供給する。これにより、トランスT1の1次巻線n1に交流電力が供給されることになる。なお、巻線の数を増やしてより多くの出力部を備えさせるようにしてもよい。
【0037】
出力部120は、ダイオードD20、コンデンサC20からなる整流・平滑化回路を備えており、トランスT1の2次巻線n20に接続されて、2次巻線n20に伝達された交流電力を整流・平滑化して外部に出力する。
【0038】
電流検出抵抗R2は、スイッチング素子Q1および制御IC310の電流検出端子ISに接続され、制御IC310が、トランスT1の1次巻線n1に流れる電流を検出するために用いられる。
【0039】
出力電圧監視部140は、抵抗R21、フォトカプラPC1の発光部、ツェナーダイオードD5が直列に接続されて構成され、出力部320の出力電圧Voutを監視し、出力電圧Voutに基づく電圧をフォトカプラPC1の受光部から制御IC310のフィードバック端子FBに出力する。具体的には、出力電圧Voutが低いと、フォトカプラPC1の発光部の発光量が減少し、受光部の電流が減少または開放状態となるため、フィードバック端子FBの電位が上昇する。逆に、出力電圧Voutが高いと、フォトカプラPC1の発光部の発光量が増加し、受光部の電流が増加するため、フィードバック端子FBの電位が低下する。このため、フィードバック端子FBは、電圧監視信号を入力する電圧監視端子として機能する。
【0040】
補助電源部130は、ダイオードD11、コンデンサC11からなる整流・平滑化回路を備えており、後述する起動補助部150のダイオードD12、コンデンサC12とともに、補助巻線n11に伝達された交流電力を整流・平滑化して制御IC310の電源入力端子Vccに出力する。
【0041】
起動補助部150は、スイッチング電源装置100の起動不良を防止するために追加された回路であり、制御IC310の起動時にフィードバック端子FBの電圧上昇を遅らせるコンデンサC13と、通常動作時にコンデンサC13をフィードバック端子FBから切り離すためのダイオードD13と、パルス停止時にコンデンサC13の電荷を速やかに放電するためのダイオードD14、抵抗R12、コンデンサC12を備えている。
【0042】
本実施形態において、コンデンサC13は、充電方向を順方向としたダイオードD13を介してフィードバック端子FBに接続される。また、ダイオードD12とコンデンサC12は、補助巻線n11に伝達された交流電力を整流・平滑化する回路としても機能し、抵抗R12は、コンデンサC12と並列に接続される。コンデンサC13は、ダイオードD13と並列に、放電方向を順方向としたダイオードD14を介して抵抗R12の一端に接続される。
【0043】
従来のスイッチング電源装置300では、制御IC310が動作を開始した瞬間、フォトカプラPC1の受光部は開放状態であり、フィードバック端子FBの入力電圧が制御IC310の起動と同時に基準値V1を超える。このため、過負荷時保護電力状態と判定され、即座にタイマ314がスタートする。タイマ314がスタートした後は、制御IC310の仕様に従って第1基準時間が計時されるため、パルスが停止するまでの時間を外部から制御することはできない。
【0044】
そこで、本実施形態では、制御IC310の起動時にタイマ314のスタート時間を遅らせるようにし、このために、フォトカプラPC1の受光部と並列にコンデンサC13を接続している。これにより、フィードバック端子FBの入力電圧が基準値V1に達するまでの時間を遅くすることができる。この結果、制御IC310が動作を開始してからタイマ314が第1基準時間を計測するまでの時間が従来よりも長くなる。この間に、出力部120のコンデンサC20が充電され、出力電圧Voutが規定値まで上昇することにより、過負荷時保護電力状態が解除されるので、スイッチング電源装置100は、正常に起動することができるようになる。
【0045】
例えば、図2に示すように、直流電源Vinから電力が供給され、時刻t0において、電源入力端子Vccの電圧が制御IC310の起動電圧Vsに達し、スイッチング動作のためのパルス出力を開始したとする。この時点で、出力電圧Voutは0であるため、フィードバック端子FBの入力電圧が上昇するが、コンデンサC13の影響により、上昇速度が抑えられる。このため、基準値V1に達するまでの時間を遅らせることができる。
【0046】
時刻t3にフィードバック端子FBの入力電圧が基準値V1に達してタイマ314がスタートするが、この時点で出力電圧Voutは上昇している。このため、第1基準時間が経過する時刻t5よりも前の時刻t4に出力電圧Voutは規定値V0に達することができる。この結果、フィードバック端子FBの入力電圧が低下して、過負荷時保護電力状態が解除されるため、スイッチング動作のためのパルスの出力が継続し、スイッチング電源装置100は正常に起動することができる。
【0047】
なお、コンデンサC13は、直接フィードバック端子FBに接続すると通常動作時において、出力部120の出力電圧Voutが変化した場合の応答特性を遅らせる要因となる。このため、本実施形態では、ダイオードD13を介してフィードバック端子FBに接続している。通常動作時において、フィードバック端子FBの入力電圧は、基準値V1よりも低い値となるため、ダイオードD13を挿入することにより、通常動作時はコンデンサC13がフィードバック端子FBから切り離されることになる。したがって、出力電圧Voutが変化した場合の応答特性への悪影響は生じない。
【0048】
また、正常起動後に過負荷時保護電力状態が継続してパルスを停止した後、パルスを再開する際に、コンデンサC13が既に充電状態にあると、タイマ314のスタート時間を十分に遅らせることができない。
【0049】
このため、パルス出力が停止して、スイッチング動作が停止すると、速やかにコンデンサC13の電荷を放電する必要がある。そこで、放電用のダイオードD14を電源入力端子Vccに接続し、パルス出力が停止した場合には、コンデンサC11に並列に接続された抵抗R12を経由してコンデンサC13の電荷を放電するようにしている。ただし、コンデンサC11の容量が大きい場合には、コンデンサC13の電荷を速やかに放電することができないため、本実施形態では小容量のコンデンサC12を抵抗R12と並列に接続し、ダイオードD12とともに整流・平滑化回路を構成している。このため、整流・平滑化回路が補助電源部130との2段構成となっている。ただし、速やかにコンデンサC13の電荷を放電する回路は一例であり、別回路で実現してもよい。
【0050】
以上説明したように、本実施形態のスイッチング電源装置100によれば、コンデンサC13を用いて、起動時にフィードバック端子FBの電圧上昇を遅らせることにより、タイマ314のスタート時間を遅らせるようにしている。このため、出力部120の出力電圧Voutが規定値に達するまでの時間を確保することができ、大型化することなく起動不良を防止することができる。
【符号の説明】
【0051】
100…スイッチング電源装置
120…出力部
130…補助電源部
140…出力電圧監視部
150…起動補助部
300…スイッチング電源装置
310…制御IC
311…スイッチング制御部
312…電流検出部
313…電圧検出部
314…タイマ
320…出力部
330…補助電源部
340…出力電圧監視部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力電圧に基づく電圧監視信号を入力する電圧監視端子を備え、前記電圧監視信号が所定の値に達したことを検出後、その状態が所定時間継続するとスイッチング動作のためのパルス出力を停止する制御部を備えたスイッチング電源装置であって、
前記電圧監視端子に、前記電圧監視信号入力路と並列にコンデンサを接続したことを特徴とするスイッチング電源装置。
【請求項2】
前記コンデンサと前記電圧監視端子との間に前記コンデンサの充電方向を順方向としたダイオードが挿入されていることを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源装置。
【請求項3】
前記パルス出力が停止すると、前記コンデンサに蓄積された電荷を放電する放電回路をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のスイッチング電源装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2013−21747(P2013−21747A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−150631(P2011−150631)
【出願日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(000006507)横河電機株式会社 (4,443)
【Fターム(参考)】