説明

スイッチ及び開閉装置

【課題】経年劣化の影響を小さく抑え、長寿命化を図ることができるスイッチを提供する。
【解決手段】スイッチ10に備えられる操作部13の可動操作に伴い、ベース部11側の固定側電極板16B,17Bに対して操作部13側の可動側電極板16A,17Aが近接・離間して電極板16A,17A及び電極板16B,17B間の対向面積が変化し、該変化に基づいて固定側電極板16B,17Bでの静電容量変化が生じて、操作部13の操作に応じた操作信号が生成されるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触型のスイッチ及び該スイッチを用いる開閉装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車のウインドガラスを開閉させるスイッチとしては、例えば特許文献1や特許文献2に示されているものが知られており、搭乗者が操作部を操作すると、該操作部側の可動接点が固定接点と接触し、スイッチからの出力信号に変化が生じる。そして、このスイッチの出力信号変化に基づいてウインドECUにより開閉駆動モータが制御され、ウインドガラスの所望の開閉動作が行われるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−77878号公報
【特許文献2】特開平10−106396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、可動接点と固定接点とを用いる接触型のスイッチでは、各接点の接触部の電気・機械的な磨耗が進行して各接触部間の接触抵抗が増大する等、経年劣化による導通不良が生じ易く、このことがスイッチの長寿命化の妨げる要因の一つとなっていた。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、経年劣化の影響を小さく抑え、長寿命化を図ることができるスイッチ及び該スイッチを用いる開閉装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ベース部に対して操作部が可動自在に設けられるものであり、前記ベース部に設けられる固定側電極に対して前記操作部に設けられる可動側電極がその操作部の可動操作に伴って非接触で近接・離間して両電極間の対向面積を変化させ、前記操作部の操作に応じた操作信号生成のために所定電極間にて静電容量変化が生じるように構成されていることをその要旨とする。
【0007】
この発明では、スイッチに備えられる操作部の可動操作に伴い、ベース部側の固定側電極に対して操作部側の可動側電極が近接・離間して両電極間の対向面積が変化し、該変化に基づいて所定電極間にて静電容量変化が生じて、操作部の操作に応じた操作信号が生成される。これにより、該スイッチにおいては可動側電極と固定側電極との電気・機械的な磨耗が防止されるため、経年劣化の影響が小さく抑えられ、長寿命化を図ることが可能となる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のスイッチにおいて、前記固定側電極及び前記可動側電極のいずれか一方は、間隔を有して対向する少なくとも一対の電極であり、前記いずれか他方は、前記操作部の操作に伴ってその一対の電極間に入出可能に設けられた電極であることをその要旨とする。
【0009】
この発明では、固定側電極及び可動側電極のいずれか一方は、間隔を有して対向する少なくとも一対の電極にて構成され、いずれか他方は、操作部の操作に伴ってその一対の電極間に入出可能に設けられた電極にて構成される。これにより、静電容量変化の十分な検出を可能としながら、簡素な構成とすることが可能となる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のスイッチにおいて、前記固定側電極及び前記可動側電極の少なくとも一方は、相手側電極に近い部位が樹脂で構成され、遠い部位が金属で構成されていることをその要旨とする。
【0011】
この発明では、固定側電極及び可動側電極の少なくとも一方は、相手側電極に近い部位が樹脂、遠い部位が金属にてそれぞれ構成される。これにより、近接前半は樹脂により静電容量値が比較的小さく変化し、後半は金属により静電容量値が比較的大きく変化するように、固定側電極に対する可動側電極の近接度合いにて静電容量値の変化を大きく(強調)することができる。そのため、操作部の限られた可動範囲でも、操作部の操作に応じた操作信号の生成を確実に行うことが可能となる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のスイッチにおいて、前記樹脂は、導電性樹脂よりなることをその要旨とする。
この発明では、樹脂に導電性樹脂を用いるため、静電容量値の変化をより安定化させることが可能となる。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のスイッチにおいて、車両用開閉体を開閉する車両用開閉装置に用いられることをその要旨とする。
この発明では、車両用開閉装置に用いられるスイッチの長寿命化を図ることが可能となる。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のスイッチを用い、その操作に基づいて開閉体の所定の開閉作動を行わせる開閉装置であって、前記スイッチの操作部の操作に伴って変化する静電容量値と第1の閾値との比較に基づいて前記開閉体をその操作中に限り開又は閉作動させ、前記静電容量値と前記第1の閾値よりも大きい第2の閾値との比較に基づいて前記開閉体をその一度の操作で全開又は全閉位置向けて一気に開又は閉作動させるように構成されていることをその要旨とする。
【0015】
この発明では、開閉装置は、スイッチの操作部の操作に伴って変化する静電容量値の第1の閾値との比較により開閉体をその操作中に限り開又は閉作動(マニュアル作動)させ、第2の閾値との比較により開閉体をその一度の操作で全開又は全閉位置向けて一気に開又は閉作動(オート作動)させるように構成される。これにより、長寿命化が可能なスイッチを用いることで、開閉装置の信頼性向上に寄与できる。また、該スイッチは、操作部の操作量に応じて静電容量値の変化が可能なため、電極数を増加させなくてもこのような開閉体の複数の作動を容易に行わせることが可能である。
【0016】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の開閉装置において、前記スイッチの操作部の操作に伴って変化する静電容量値と前記第2の閾値よりも大きい第3の閾値との比較に基づいて、その一度の操作で複数の前記開閉体を一斉に全開又は全閉位置向けて一気に開又は閉作動させるように構成されていることをその要旨とする。
【0017】
この発明では、開閉装置は、スイッチの操作部の操作に伴って変化する静電容量値の第3の閾値との比較により、その一度の操作で複数の開閉体を一斉に全開又は全閉位置向けて一気に開又は閉作動させるように構成される。つまり、該スイッチでは、開閉体の複数の作動を容易に行えるため、このような開閉体の作動も容易に行わせることが可能である。
【0018】
請求項8に記載の発明は、請求項6又は7に記載の開閉装置において、車両用開閉体を対象に構成されていることをその要旨とする。
この発明では、車両用開閉体、例えば車両用パワーウインド装置等においては、マニュアル作動やオート作動、一斉オート作動等の複数の作動が要求されるため、該スイッチを用いることで容易に対応可能である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、経年劣化の影響を小さく抑え、長寿命化を図ることができるスイッチ及び該スイッチを用いる開閉装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】(a)は本実施形態におけるスイッチの全体を示す図であり、(b)はスイッチの要部及びパワーウインド装置の概略構成を示す図である。
【図2】(a)は1段操作時のスイッチの全体を示す図であり、(b)はスイッチの要部を示す図である。
【図3】(a)は2段操作時のスイッチの全体を示す図であり、(b)はスイッチの要部を示す図である。
【図4】スイッチ操作時の静電容量値の変化を示す図である。
【図5】別例におけるスイッチの要部を示す図である。
【図6】別例におけるスイッチの要部を示す図である。
【図7】別例におけるスイッチの要部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態のスイッチ10を示す。本実施形態のスイッチ10は、車両用パワーウインド装置に用いられ、車両搭乗者の開閉操作に基づく信号を内蔵の検出回路1を介してウインドECU2に出力し、該ウインドECU2の制御に基づく開閉駆動モータ3の駆動により、車両ドア4に備えられるウインドガラス5の開閉を行うものである。
【0022】
スイッチ10は、例えば車両ドア4に備えられ、該ドア4側に固定されるベース部11に対してヒンジ12により操作部13が揺動可能に組み付けられている。操作部13は、ヒンジ12を挟んだ両側にそれぞれ備えられる復帰バネ14にて中立位置に保持されている。また、操作部13は、ベース部11の両側にそれぞれ備えられる節度バネ15との係止により、一方側及び他方側への各揺動操作にそれぞれ2段階の節度が付与されるようになっている。
【0023】
因みに、操作部13の一方側の揺動操作はウインドガラス5を開作動させるための操作であり、1段目の節度までの操作はその開作動を通常作動、即ち操作期間中だけ開作動させるマニュアル開作動のための操作、2段目の節度までの操作はその開作動をオート開作動、即ち一旦操作されると全開位置に向けて一気に開作動させるための操作である。また、操作部13の他方側の揺動操作はウインドガラス5を閉作動させるための操作であり、1段目の節度までの操作はその閉作動を通常作動、即ち操作期間中だけ閉作動させるマニュアル閉作動のための操作、2段目の節度までの操作はその閉作動をオート閉作動、即ち一旦操作されると全閉位置に向けて一気に閉作動させるための操作である。
【0024】
操作部13の揺動一方側端部及び揺動他方側端部の各下面には、可動側電極板16A,17Aが設けられている。揺動各側の可動側電極板16A,17Aは、それぞれ矩形板状で厚み一定の金属板にて構成され、その平面方向が操作部13のヒンジ軸と直交するように配置されるとともに、該ヒンジ軸方向に複数枚(本実施形態3枚)が互いに一定間隔をなして配置されている。これに対し、ベース部11の上面には、揺動各側の可動側電極板16A,17Aに対応した各位置に、固定側電極板16B,17Bが設けられている。揺動各側の固定側電極板16B,17Bは、同様に矩形板状で厚み一定の金属板にて構成され、その平面方向が操作部13のヒンジ軸と直交するように配置されるとともに、該ヒンジ軸方向に複数枚(本実施形態4枚)が互いに一定間隔をなして配置されている。
【0025】
また、図1のように操作部13が中立位置に配置されていると、固定側電極板16B,17Bと可動側電極板16A,17Aとは離間しているが、図2及び図3のように操作部13の1段又は2段の揺動操作が行われると、その揺動操作側の可動側電極板16A又は可動側電極板17Aを構成する3枚の個々の電極板が、対応する固定側電極板16B又は固定側電極板17Bを構成する4枚の個々の電極板間にそれぞれ挿入されるように構成されている。つまり、操作部13の1段の揺動操作が行われると、固定側電極板16B,17Bに可動側電極板16A,17Aが略半分挿入されて互いに対向するようになり、2段の揺動操作が行われると、固定側電極板16B,17Bに可動側電極板16A,17Aの略全部が挿入され、1段の揺動操作時よりも固定側電極板16B,17Bと可動側電極板16A,17Aとの対向面積が増加する。因みに、図2は、操作部13の揺動他方側への1段操作時(マニュアル閉操作時)の状態を示し、図3は、揺動他方側への2段操作時(オート閉操作時)の状態を示している。揺動一方側への操作(開操作)は図示しないが、同様である。
【0026】
この固定側電極板16B,17Bを構成する4枚の電極板が検出回路1に接続されており、この場合、1つ置きで同極となるように接続されている。検出回路1は、スイッチ10に内蔵されており、固定側電極板16B,17Bでの静電容量変化を検出している。上記したように、操作部13が中立位置に配置されている状態では、固定側電極板16B,17Bに可動側電極板16A,17Aが挿入されず互いが非対向であるため、図4に示すように固定側電極板16B,17Bの静電容量値は小さな値となる。一方、操作部13の1段の揺動操作が行われると、固定側電極板16B,17Bに可動側電極板16A,17Aが略半分挿入され互いが対向するため、固定側電極板16B,17Bでの静電容量値は増加し、図4にて示す1段操作と判定するための第1の閾値th1を超える。更に操作部13の2段の揺動操作が行われると、固定側電極板16B,17Bに可動側電極板16A,17Aが略全部挿入され対向面積が増加するため、固定側電極板16B,17Bでの静電容量値は更に増加し、図4にて示す2段操作と判定するための第2の閾値th2を超える。これにより、検出回路1は、操作部13の一方側の1段操作(マニュアル開操作)、同側の2段操作(オート開操作)、操作部13の他方側の1段操作(マニュアル閉操作)、同側の2段操作(オート閉操作)を検出し、これらの検出に対応する信号を開閉操作信号としてウインドECU2に出力する。
【0027】
そして、ウインドECU2は、マニュアル開又は閉操作に対応する開閉操作信号が入力されると、その旨の操作信号の入力中(その操作部13の操作中)に限りウインドガラス5が開又は閉作動するマニュアル作動を行うように駆動モータ3の駆動を制御し、オート開又は閉操作に対応する開閉操作信号が入力されると、その旨の操作信号の一度の入力(その一度の操作部13の操作)に基づいてウインドガラス5が全開又は全閉位置に向けて一気に開又は閉作動するオート作動を行うように駆動モータ3の駆動を制御するようになっている。
【0028】
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)本実施形態では、スイッチ10に備えられる操作部13の可動操作に伴い、ベース部11側の固定側電極板16B,17Bに対して操作部13側の可動側電極板16A,17Aが近接・離間して電極板16A,17A及び電極板16B,17B間の対向面積が変化し、該変化に基づいて固定側電極板16B,17Bでの静電容量変化が生じて、操作部13の操作に応じた操作信号が生成されるように構成されている。これにより、該スイッチ10においては可動側電極板16A,17Aと固定側電極板16B,17Bとの電気・機械的な磨耗が防止されるため、経年劣化の影響が小さく抑えられ、長寿命化を図ることができる。また、該スイッチ10を用いることで、パワーウインド装置の信頼性向上に寄与することができる。
【0029】
(2)本実施形態では、操作部13の操作に伴って、所定間隔を有する4枚の固定側電極板16B,17B間に、同じく所定間隔を有する3枚の可動側電極板16A,17Aがそれぞれ入出可能に構成されている。これにより、静電容量変化の十分な検出を可能としながら、スイッチ10を簡素な構成とすることができる。
【0030】
(3)本実施形態では、固定側電極板16B,17Bでの静電容量変化を検出する構成としているため、スイッチ10にかかる配線が可動側である操作部13側に必要なくベース部11側で済むため、スイッチ10での配線の取り回しが容易、信頼性向上等の効果が期待できる。
【0031】
(4)本実施形態では、操作部13の操作に伴って変化する静電容量値の第1の閾値th1との比較によりウインドガラス5をその操作中に限り開又は閉作動(マニュアル作動)させ、第2の閾値th2との比較によりウインドガラス5をその一度の操作で全開又は全閉位置向けて一気に開又は閉作動(オート作動)させるように構成されている。つまり本実施形態のスイッチ10は、操作部13の操作量に応じて静電容量値が変化するため、電極数を増加させなくてもこのようなウインドガラス5の複数の作動を容易に行わせることができる。従って、マニュアル作動やオート作動等の複数の作動が要求される本実施形態のようなパワーウインド装置に容易に対応することができる。
【0032】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、操作部13の操作に伴う固定側電極板16B,17Bでの静電容量変化にてその操作の検出を行ったが、可動側電極板16A,17Aでの静電容量変化や、固定側電極板16B,17Bと可動側電極板16A,17Aとの間での静電容量変化にて操作部13の操作の検出(操作信号の生成)を行う構成としてもよい。
【0033】
・上記実施形態では、可動側電極板16A,17Aと固定側電極板16B,17Bとを構成する個々の電極板の形状や枚数、配置等を適宜変更してもよい。
・上記実施形態では、可動側電極板16A,17Aと固定側電極板16B,17Bとをともにその全体を金属製としたが、この構成以外に変更してもよい。
【0034】
例えば図5に示すように、可動側電極板16A,17Aにおいて、相手側電極となる固定側電極板16B,17Bに近い先端部を樹脂18で構成し、遠い基端部を金属で構成してもよい。因みに、図5に示す態様では、操作部13の1段操作時(マニュアル操作時)において、固定側電極板16B,17Bに可動側電極板16A,17Aの先端部の樹脂18が対向し、2段操作時(オート操作時)において、固定側電極板16B,17Bに可動側電極板16A,17Aの先端部の樹脂18と基端部の金属部分とが対向するようになっている。
【0035】
このようにすれば、可動側電極板16A,17Aの近接前半は樹脂18により静電容量値が比較的小さく変化し、後半は金属により静電容量値が比較的大きく変化するように、固定側電極板16B,17Bに対する可動側電極板16A,17Aの近接度合い(挿入度合い)にて静電容量値の変化を大きく(強調)することができる。そのため、操作部13の限られた可動範囲でも、操作部13の操作に応じた操作信号の生成を確実に行うことができる。
【0036】
また、この樹脂18に導電性樹脂を用いれば、静電容量値の変化がより安定化される。逆に、樹脂18に導電性樹脂でない樹脂を用いることもできる。樹脂18を設ける範囲は適宜変更してもよい。また図6に示すように、可動側電極板16A,17Aの全体を樹脂18にて構成してもよい。また、可動側電極板16A,17Aではなく固定側電極板16B,17Bの一部又は全体を樹脂にて構成してもよく、両者の一部又は全体を樹脂にて構成してもよい。
【0037】
・上記実施形態では、可動側電極板16A,17A及び固定側電極板16B,17Bをそれぞれ矩形板状で先端部から基端部まで厚み一定に構成したが、この構成以外に変更してもよい。
【0038】
例えば図7に示すように、各電極板16A,17A,16B,17Bの厚みを先端部から基端部に向けて次第に厚くなるように(対向面が斜面となるように)構成してもよい。このようにしても、固定側電極板16B,17Bに対する可動側電極板16A,17Aの近接度合い(挿入度合い)に応じて相互間の隙間が変化するため、静電容量値の変化を大きく(強調)することができる。そのため、操作部13の限られた可動範囲でも、操作部13の操作に応じた操作信号の生成を確実に行うことが可能となる。
【0039】
・上記実施形態では、操作部13の操作に伴って変化する静電容量値を第1及び第2の閾値th1,th2と比較してウインドガラス5のマニュアル及びオート開閉作動の2つの作動を行うようにしたが、本実施形態のスイッチ10は、操作部13の操作量に応じて静電容量値が変化するため、例えば図4に示すように、第2の閾値よりも大きい第3の閾値th3を設定し、2段操作よりも大きい操作部13の操作(例えば3段操作)を検出する構成としてもよい。この場合、静電容量値が第3の閾値th3の超えるような操作部13の操作に基づき、その一度の操作で複数のウインドガラス5を一斉に全開又は全閉位置向けて一気に開又は閉作動させる一斉オート作動を行わせるようにしてもよい。つまり、本実施形態のスイッチ10では、このようなウインドガラス5の複数の作動も容易に行わせることができる。
【0040】
・上記実施形態では、車両用パワーウインド装置にスイッチ10を用いて構成したが、パワーウインド装置以外の車両用開閉装置、例えばサンルーフ装置やスライドドア装置に該スイッチ10を用いて構成してもよい。また、これらの車両用開閉体以外の開閉装置に該スイッチ10を用いて構成してもよい。
【符号の説明】
【0041】
2…開閉装置及び車両用開閉装置を構成するウインドECU、3…開閉装置及び車両用開閉装置を構成する開閉駆動モータ、5…開閉体及び車両用開閉体としてのウインドガラス、10…スイッチ、11…ベース部、13…操作部、16A,17A…可動側電極としての可動側電極板、16B,17B…固定側電極としての固定側電極板、18…樹脂、th1…第1の閾値、th2…第2の閾値、th3…第3の閾値。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部に対して操作部が可動自在に設けられるものであり、前記ベース部に設けられる固定側電極に対して前記操作部に設けられる可動側電極がその操作部の可動操作に伴って非接触で近接・離間して両電極間の対向面積を変化させ、前記操作部の操作に応じた操作信号生成のために所定電極間にて静電容量変化が生じるように構成されていることを特徴とするスイッチ。
【請求項2】
請求項1に記載のスイッチにおいて、
前記固定側電極及び前記可動側電極のいずれか一方は、間隔を有して対向する少なくとも一対の電極であり、前記いずれか他方は、前記操作部の操作に伴ってその一対の電極間に入出可能に設けられた電極であることを特徴とするスイッチ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のスイッチにおいて、
前記固定側電極及び前記可動側電極の少なくとも一方は、相手側電極に近い部位が樹脂で構成され、遠い部位が金属で構成されていることを特徴とするスイッチ。
【請求項4】
請求項3に記載のスイッチにおいて、
前記樹脂は、導電性樹脂よりなることを特徴とするスイッチ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のスイッチにおいて、
車両用開閉体を開閉する車両用開閉装置に用いられることを特徴とするスイッチ。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のスイッチを用い、その操作に基づいて開閉体の所定の開閉作動を行わせる開閉装置であって、
前記スイッチの操作部の操作に伴って変化する静電容量値と第1の閾値との比較に基づいて前記開閉体をその操作中に限り開又は閉作動させ、前記静電容量値と前記第1の閾値よりも大きい第2の閾値との比較に基づいて前記開閉体をその一度の操作で全開又は全閉位置向けて一気に開又は閉作動させるように構成されていることを特徴とする開閉装置。
【請求項7】
請求項6に記載の開閉装置において、
前記スイッチの操作部の操作に伴って変化する静電容量値と前記第2の閾値よりも大きい第3の閾値との比較に基づいて、その一度の操作で複数の前記開閉体を一斉に全開又は全閉位置向けて一気に開又は閉作動させるように構成されていることを特徴とする開閉装置。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の開閉装置において、
車両用開閉体を対象に構成されていることを特徴とする開閉装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−161032(P2010−161032A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−3921(P2009−3921)
【出願日】平成21年1月9日(2009.1.9)
【出願人】(000101352)アスモ株式会社 (1,622)
【Fターム(参考)】